JP4940692B2 - 燃料電池用電解質材料 - Google Patents

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Description

本発明は、耐酸化性、柔軟性および耐熱性等に優れた燃料電池用固体電解質膜等を得ることができる燃料電池用電解質材料に関するものである。
固体高分子型燃料電池(以下、燃料電池という場合がある。)は、小型軽量化が容易であることから、電気自動車等の移動車両や、小型コジェネレーションシステムの電源等としての実用化が期待されている。
燃料電池用固体電解質膜(以下、固体電解質膜という場合がある。)には、一般に、高いプロトン伝導性および高い耐酸化性が求められる。このような要求特性を満たすために、従来はパーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質膜が用いられてきた。しかしながら、フッ素系電解質は価格が高く、長期の使用等によりフッ酸が溶出する等の問題があった。
一方、フッ素系電解質膜に替わる材料として、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の、いわゆるエンジニアプラスチックを用いた炭化水素系電解質膜が提案されている。このような炭化水素系電解質膜は、上記のフッ素系電解質膜に比べて安価であり、フッ酸等が溶出しないという利点を有する。しかしながら、上記炭化水素系電解質膜は、いずれも分子内にベンゼン環等を有する芳香族系の電解質膜であることから、柔軟性に乏しく、燃料電池の固体電解質膜として用いた場合に、割れが生じる等の問題があった。
このような問題に対して、ベンゼン環等を有しない固体電解質膜の開発が行われている。例えば、特許文献1においては、エポキシ化合物とシラン化合物とを原料成分として用いた固体電解質膜が開示されている。この固体電解質膜は、分子内にベンゼン環を有さず、柔軟性に優れているものの、エポキシ化合物由来のエポキシ成分を分子内に有するために、対酸化性等に劣るという問題があった。
特許第3572302号
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、耐酸化性、柔軟性および耐熱性等に優れた燃料電池用固体電解質膜等を得ることができる燃料電池用電解質材料を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明においては、下記一般式(1)で表される構造単位
Figure 0004940692
(一般式(1)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表す。)
を有することを特徴とする燃料電池用電解質材料を提供する。
本発明によれば、上記一般式(1)で表される構造単位を有することから、耐酸化性、柔軟性および耐熱性等に優れた燃料電池用電解質材料とすることができる。上記構造単位は、プロトン伝導基であるスルホン酸基以外に、酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)、および二重結合を有しないことから、酸やラジカルに対する耐性(耐酸化性)に優れ、また、従来のエンジニアプラスチック等が有するベンゼン環を有しないことから、柔軟性に優れ、さらには、脂環式部位を有することから、耐熱性に優れているという利点を有する。
上記発明においては、上記一般式(1)で表される構造単位に加え、さらに飽和脂環式炭化水素からなる構造単位を有することが好ましい。飽和脂環式炭化水素からなる構造単位は、上記一般式(1)で表される構造単位と同様に、耐酸化性、柔軟性、耐熱性に優れているからである。
上記発明においては、上記飽和脂環式炭化水素からなる構造単位が、下記一般式(2)で表される構造単位
Figure 0004940692
(一般式(2)中、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
であることが好ましい。上記一般式(2)で表される構造単位は、上記一般式(1)で表される構造単位と同様に、耐酸化性、柔軟性、耐熱性に優れているからである。
上記発明においては、上記一般式(1)で表される構造単位と、上記飽和脂環式炭化水素からなる構造単位と、を有するブロック共重合体であることが好ましい。ブロック共重合体であれば、プロトン伝導基であるスルホン酸基が密集した構造をとり易く、プロトン伝導性に優れた燃料電池用電解質材料を得ることができるからである。
また、本発明においては、上記燃料電池用電解質材料を用いることを特徴とする燃料電池用固体電解質膜を提供する。
本発明によれば、上記燃料電池用電解質材料を用いることにより、耐酸化性、柔軟性および耐熱性等に優れた固体電解質膜とすることができる。
また、本発明においては、原材料として、下記一般式(3)で表される化合物
Figure 0004940692
(一般式(3)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSO(CHH(mは0又は正の整数、pは0又は正の整数)を表す。)
を用い、
下記一般式(1)で表される構造単位
Figure 0004940692
(一般式(1)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表す。)
を形成する重合工程を有することを特徴とする燃料電池用電解質材料の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記一般式(3)で表される化合物を用いることにより、耐酸化性、柔軟性、耐熱性に優れた、一般式(1)で表される構造単位を有する燃料電池用電解質材料を得ることができる。
上記発明においては、上記重合工程の際に、原材料として、さらに下記一般式(4)で表される化合物
Figure 0004940692
(一般式(4)中、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
を用い、
下記一般式(5)で表される構造単位
Figure 0004940692
(一般式(5)中、xは正の整数であり、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表し、yは正の整数であり、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
を形成することが好ましい。上記一般式(4)で表される化合物を用いることにより、耐酸化性、柔軟性、耐熱性に優れた、一般式(5)で表される構造単位を有する燃料電池用電解質材料を得ることができるからである。
また、上記発明においては、上記重合工程の際に、Grubbs触媒を用いることが好ましい。燃料電池用電解質材料を効率良く製造することができるからである。
本発明においては、上記一般式(1)で表される構造式を有する燃料電池用電解質材料を用いることで、耐酸化性、柔軟性および耐熱性等に優れた燃料電池用固体電解質膜等を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の燃料電池用電解質材料、燃料電池用固体電解質膜、および燃料電池用電解質材料の製造方法について詳細に説明する。
A.燃料電池用電解質材料
まず、本発明の燃料電池用電解質材料について説明する。本発明の燃料電池用電解質材料は、下記一般式(1)で表される構造単位
Figure 0004940692
(一般式(1)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表す。)
を有することを特徴とするものである。
以下、本発明の燃料電池用電解質材料の各構成について説明する。
1.構造単位
まず、本発明の燃料電池用電解質材料の構造単位について説明する。本発明の燃料電池用電解質材料は、上記一般式(1)で表される構造単位を少なくとも有するものである。従って、本発明の燃料電池用電解質材料は、上記一般式(1)で表される構造単位のみを有する重合体であっても良く、上記一般式(1)で表される構造単位と、上記一般式(1)で表される構造単位以外の構造単位(「その他の構造単位」と称する場合がある。)と、を有する重合体であっても良い。
以下、一般式(1)で表される構造単位について説明し、次にその他の構造単位について説明する。
(1)一般式(1)で表される構造単位
上記一般式(1)において、nは0又は正の整数である。nの数値範囲としては、特に限定されるものではないが、通常0〜2の範囲内、中でも0又は1、特に0であることが好ましい。
また、上記一般式(1)において、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表す。mの数値範囲としては、特に限定されるものではないが、通常0〜8の範囲内、中でも0又は1、特に0であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される構造単位の具体例としては、例えば、以下に示す構造式(1−a)〜構造式(1−f)で表される構造単位等を挙げることができ、中でも、構造式(1−a)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 0004940692
また、本発明の燃料電池用電解質材料は、上記一般式(1)で表される構造単位を少なくとも有するものであるが、その含有率は特に限定されるものではない。中でも、本発明においては、上記一般式(1)で表される構造単位を20〜100mol%の範囲内、中でも40〜90mol%の範囲内で含有することが好ましい。耐酸化性、柔軟性および耐熱性等に優れた燃料電池用電解質材料を得ることができるからである。
(2)その他の構造単位
次に、本発明における、その他の構造単位について説明する。その他の構造単位は、通常、本発明の燃料電池用電解質材料を製造する際に、上記一般式(1)の構造単位を形成するために用いられる化合物と重合可能な化合物を用いて形成される。
その他の構造単位としては、上記の重合可能な化合物を用いて形成されたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂環式炭化水素からなる構造単位、飽和炭化水素からなる構造単位、不飽和炭化水素からなる構造単位等を挙げることができ、中でも飽和脂環式炭化水素からなる構造単位が好ましい。飽和脂環式炭化水素からなる構造単位は、上記一般式(1)で表される構造単位と同様に、耐酸化性、柔軟性、耐熱性に優れているからである。すなわち、本発明の燃料電池用電解質材料は、上記一般式(1)で表される構造単位に加え、さらに飽和脂環式炭化水素からなる構造単位を有することが好ましい。
上記飽和脂環式炭化水素からなる構造単位としては、特に限定されるものではないが、具体的には、下記一般式(2)で表される構造単位
Figure 0004940692
(一般式(2)中、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
等を挙げることができる。
上記一般式(2)において、kは0又は正の整数である。kの数値範囲としては、特に限定されるものではないが、通常0〜2の範囲内、中でも0又は1、特に0であることが好ましい。
上記一般式(2)で表される構造単位の具体例としては、例えば、以下に示す構造式(2−a)〜構造式(2−d)で表される構造単位等を挙げることができ、中でも、構造式(2−a)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 0004940692
一方、上記飽和炭化水素からなる構造単位としては、特に限定されるものではないが、例えば上記飽和炭化水素の炭素数が、例えば2〜4の範囲内であるもの等を挙げることができる。また、上記飽和炭化水素は、直鎖飽和炭化水素であっても良く、分岐飽和炭化水素であっても良い。
また、上記不飽和炭化水素からなる構造単位としては、特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和炭化水素の炭素数が、例えば2〜4の範囲内であるもの等を挙げることができる。また、上記飽和炭化水素は、通常、二重結合を有するものである。さらに、上記不飽和炭化水素は、直鎖不飽和炭化水素であっても良く、分岐不飽和炭化水素であっても良い。なお、上記不飽和炭化水素を水素化することによって、耐酸化性に優れた飽和炭化水素からなる構造単位を形成することもできる。
2.燃料電池用電解質材料
本発明の燃料電池用電解質材料は、上記一般式(1)で表される構造単位を少なくとも有するものである。従って、本発明の燃料電池用電解質材料は、上記一般式(1)で表される構造単位のみを有する重合体であっても良く、上記一般式(1)で表される構造単位と、その他の構造単位とを有する重合体であっても良い。
本発明の燃料電池用電解質材料が、上記一般式(1)で表される構造単位と、その他の構造単位とを有する重合体である場合、その重合体の種類としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ランダム共重合体およびブロック共重合体等を挙げることができ、中でもブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体であれば、プロトン伝導基であるスルホン酸基が密集した構造をとり易く、プロトン伝導性に優れた燃料電池用電解質材料を得ることができるからである。
特に、本発明の燃料電池用電解質材料は、上記一般式(1)で表される構造単位と、上記一般式(2)で表される構造単位と、を有するブロック共重合体であることが好ましい。具体的には、下記一般式(5)で表される構造単位を有するブロック共重合体であることが好ましい。
Figure 0004940692
(一般式(5)中、xは正の整数であり、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表し、yは正の整数であり、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
上記一般式(5)において、xおよびyの比率としては、特に限定されるものではないが、例えばxを100とした場合に、yは通常0〜500の範囲内であり、中でも20〜200の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の燃料電池用電解質材料が、上記一般式(5)で表される構造単位を有するブロック共重合体である場合、その重量平均分子量としては、特に限定されるものではないが、通常50,000〜5,000,000の範囲内である。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミェーション(GPC)法によりポリスチレン基準で求める。
特に、本発明においては、燃料電池用電解質材料が下記構造式(5−a)で表される構造単位を有するブロック共重合体であることが好ましい。
Figure 0004940692
一方、本発明の燃料電池用電解質材料が、上記一般式(1)で表される構造単位のみを有する重合体である場合、その重合体は、上記一般式(1)で表される単一の構造単位を有する単独共重合体であっても良く、上記一般式(1)で表される複数の構造単位を有するランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等であっても良い。
3.燃料電池用電解質材料の製造方法
次に、本発明の燃料電池用電解質材料の製造方法について説明する。本発明の燃料電池用電解質材料の製造方法としては、上記燃料電池用電解質材料を製造することができる方法であれば特に限定されるものではない。具体的には、後述する「C.燃料電池用電解質材料の製造方法」で説明するので、ここでの説明は省略する。
4.燃料電池用電解質材料の用途
次に、本発明の燃料電池用電解質材料の用途について説明する。本発明の燃料電池用電解質材料は、一般的な燃料電池用電解質材料であるNafion(商品名、デュポン社製)等と同様、膜電極複合体(MEA)を構成する固体電解質膜の材料として用いても良く、触媒電極層に含まれる電解質材料として用いても良い。中でも、本発明においては、上記燃料電池用電解質材料を固体電解質膜の材料として用いることが好ましい。耐酸化性、柔軟性および耐熱性等に優れた固体電解質膜を得ることができるからである。
本発明においては、上記燃料電池用電解質材料用いることを特徴とする燃料電池用固体電解質膜を提供する。なお、燃料電池用固体電解質膜は、通常、その両表面にPt/C等の触媒を含む触媒電極層が設けられ、膜電極複合体となる。また、上記固体電解質膜の形状としては、特に限定されるものではないが、例えば平板型、チューブ型等を挙げることができる。固体電解質膜の形状がチューブ状である場合は、通常、固体電解質膜の内側表面に、同心円状の内側触媒電極層が形成され、さらに内側触媒電極層の内部に内側集電体が設置され、固体電解質膜の外側表面に、同心円状の外側触媒電極層が形成され、さらに外側触媒電極層の外部に外側集電体が設置される。
C.燃料電池用電解質材料の製造方法
次に、本発明の燃料電池用電解質材料の製造方法について説明する。本発明の燃料電池用電解質材料は、原材料として、下記一般式(3)で表される化合物
Figure 0004940692
(一般式(3)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSO(CHH(mは0又は正の整数、pは0又は正の整数)を表す。)
を用い、下記一般式(1)で表される構造単位
Figure 0004940692
(一般式(1)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表す。)
を形成する重合工程を有することを特徴とするものである。
次に、本発明の燃料電池用電解質材料の製造方法について、例えば、以下の合成スキームIおよび合成スキームIIに例示する。なお、合成スキームIおよび合成スキームIIの詳細については、工程ごとに後で説明を行うので、ここでの説明は省略する。
Figure 0004940692
Figure 0004940692
次に、本発明において、原材料として用いられる一般式(3)で表される化合物について説明する。上記一般式(3)中、Rは(CHSO(CHH(mは0又は正の整数、pは0又は正の整数)を表す。mの数値範囲としては、特に限定されるものではないが、通常0〜8の範囲内、中でも0又は1、特に0であることが好ましい。一方、pの数値範囲としては、特に限定されるものではないが、通常0〜3の範囲内、中でも0〜2の範囲内であることが好ましい。なお、一般式(3)中、nの好適な範囲は、上述した一般式(1)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
上記一般式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下に示す構造式(3−a)〜構造式(3−j)で表される化合物等を挙げることができ、中でも、構造式(3−a)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0004940692
次に、本発明の燃料電池用電解質材料の製造方法について、各工程ごとに説明する。具体的には、上記一般式(3)で表される化合物を合成する原材料合成工程と、上記一般式(3)で表される化合物を開環重合する重合工程と、重合工程により得られる重合体を水素化する水素化工程と、水素化工程により得られる化合物をアルカリ処理し、スルホン酸基を得るアルカリ処理工程と、に分けて説明する。
1.原材料合成工程
まず、本発明における原材料合成工程について説明する。本発明における原材料合成工程は、上記一般式(3)で表される化合物を合成する工程である。
ここでは、その一例として、上記構造式(3−a)で表される化合物、および上記構造式(3−f)で表される化合物の合成方法について説明する。なお、上記構造式(3−f)で表される化合物は、上記構造式(3−a)で表される化合物を用いて合成することができる。
(1)構造式(3−a)で表される化合物の合成
構造式(3−a)で表される化合物の合成について、上述した合成スキームIおよび合成スキームIIの反応1〜反応3を用いて説明する。
反応1においては、2−クロロエタンスルホン酸クロリド[1]をジクロロメタン等の溶媒に溶解し、エタノール[2]を加え、この溶液をこの溶液を氷冷撹拌しながら、トリエチルアミン[3]滴下し、滴下終了後、室温でさらに撹拌した後、反応液を分液操作して得られた有機層を減圧濃縮、減圧蒸留することによって、ビニルスルホン酸エチル[4]を得る。
反応2においては、ジシクロペンタジエン[5]を熱分解することにより、シクロペンタジエン[6]を得る。
反応3においては、反応1で得られたビニルスルホン酸エチル[4]と、反応2で得られたシクロペンタジエン[6]とを混合し、加熱撹拌し、さらに減圧蒸留することによって、上記構造式(3−a)で表される化合物(Ethyl bicylro[2,2,1]hex-5-ene-2-sulfonate)[7]を得る。
(2)構造式(3−f)で表される化合物の合成
構造式(3−f)で表される化合物の合成について、下記反応10を用いて説明する。
Figure 0004940692
反応10においては、反応3で得られた構造式(3−a)で表される化合物[7]と、反応2で得られたシクロペンタジエン[6]とを混合し、加熱撹拌し、さらに減圧蒸留することによって、上記構造式(3−f)で表される化合物[15]を得る。なお、このような反応を繰り返すことによって、一般式(3)中のnの数を増加させることができる。
2.重合工程
次に、本発明における重合工程について説明する。本発明における重合工程は、上記一般式(3)で表される化合物を開環重合する工程である。本発明においては、上記一般式(3)で表される化合物のみを用いて重合を行っても良く、上記一般式(3)で表される化合物と、上記一般式(3)で表される化合物以外の化合物(「その他の化合物」の称する場合がある。)と、を用いて重合を行っても良い。
まず、上記一般式(3)で表される化合物のみを用いて重合を行う場合について説明する。この場合の具体例について、上述した合成スキームIの反応4を用いて説明する。
反応4においては、反応3で得られた構造式(3−a)で表される化合物[7]を開環重合することにより、重合体[8]を得る。なお、本発明においては、重合工程の際に、Grubbs触媒を用いることが好ましい。燃料電池用電解質材料を効率良く製造することができるからである。上記Grubbs触媒としては、上記重合反応を促進することができるものであれば特に限定されるものではないが、本発明においては、下記構造式のGrubbs触媒であることが好ましい。
Figure 0004940692
次に、上記一般式(3)で表される化合物と、その他の化合物とを用いて重合を行う場合について説明する。この場合、その他の化合物としては、上記一般式(3)で表される化合物と重合可能な化合物であれば特に限定されるものではないが、例えば、不飽和脂環式炭化水素化合物、不飽和炭化水素化合物等を挙げることができ、中でも不飽和脂環式炭化水素化合物が好ましい。
上記不飽和脂環式炭化水素化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には、下記一般式(4)で表される化合物
Figure 0004940692
(一般式(4)中、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
等を挙げることができる。なお、一般式(4)中、kの好適な範囲は、上述した一般式(2)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
上記一般式(4)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下に示す構造式(4−a)〜構造式(4−d)で表される化合物等を挙げることができ、中でも、構造式(4−a)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0004940692
また、上記一般式(4)で表される化合物の合成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記一般式(3)で表される化合物の合成方法と同様の方法で合成することができる。
上記一般式(3)で表される化合物と、上記一般式(4)で表される化合物と、用いて重合を行う場合の具体例について、上述した合成スキームIIの反応7を用いて説明する。
反応7においては、反応3で得られた構造式(3−a)で表される化合物[7]と、構造式(4−a)表される化合物(2-norbornene)[11]と、をテトラヒドロフラン(THF)等の溶媒に溶解し、上述したGrubbs触媒等を用いて開環重合することにより、重合体[12]を得る。なお、この際、構造式(3−a)で表される化合物[7]および(4−a)表される化合物[11]を、順次反応させることによって、ブロック共重合体を得ることができる。
また、本発明においては、重合工程の際に、必要に応じて、連鎖移動剤、重合禁止剤、キレート化剤等を用いても良い。
3.水素化工程
次に、本発明における水素化工程について説明する。本発明における水素化工程は、重合工程により得られる重合体を水素化する工程である。
ここでは、水素化工程の具体例について、合成スキームIの反応5、および合成スキームIIの反応8を用いて説明する。
反応5においては、反応4で得られた重合体[8]を、還元剤を用いて還元し、燃料電池用電解質材料の前駆体[9]を得る。この際に用いられる還元剤としては、二重結合等に水素を付加することができるものであれば特に限定されるものではないが、中でも、本発明においては、上記還元剤としてp-toluenesulfonylhydrazideを用いることが好ましい。
反応8においては、反応7で得られた重合体[12]を、上述した還元剤を用いて還元し、燃料電池用電解質材料の前駆体[13]を得る。
4.アルカリ処理工程
次に、本発明におけるアルカリ処理工程について説明する。本発明におけるアルカリ処理工程は、水素化工程により得られる化合物をアルカリ処理し、スルホン酸基を得る工程である。
ここでは、アルカリ処理工程の具体例について、合成スキームIの反応6、および合成スキームIIの反応9を用いて説明する。
反応6においては、反応5で得られた燃料電池用電解質材料の前駆体[9]を、NaI又はKOH等で処理することにより、燃料電池用電解質材料[10]を得る。
反応9においては、反応8で得られた燃料電池用電解質材料の前駆体[13]を、NaI又はKOH等で処理することにより、燃料電池用電解質材料[14]を得る。
なお、燃料電池用電解質材料の前駆体の時点で既にスルホン酸基を有しており、アルカリ処理工程を行う必要が無いときは、燃料電池用電解質材料の前駆体が燃料電池用電解質材料となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
上述した合成スキームIIに沿って、燃料電池用電解質材料を作製した。
(反応1)
2−クロロエタンスルホン酸クロリド[1]24.80gを、ジクロロメタン100mLに溶解し、エタノール[2]10.70gを加えた。この溶液を氷冷撹拌しながら、トリエチルアミン[3]32.05gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温でさらに1時間撹拌した。
その後、反応溶液を0.1N HCl水溶液で洗浄後、有機層を純水で2回洗った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた油状物を減圧蒸留することにより、ビニルスルホン酸エチル(無色透明液体)[4]12.31gを得た。収率は約60%であった。得られた化合物の同定は、H−NMRを用いて行った。
(反応2)
受け器をドライアイス/メタノールバスで冷却した常圧蒸留装置に、ジシクロペンタジエン[5]を入れ、オイルバスの温度160℃で加熱撹拌を行った。溜出温度40℃〜100℃でシクロペンタジエン(無色透明液体)[6]が得られた。得られた化合物の同定は、ガスクロマトグラフィー(GC)およびH−NMRを用いて行った。
(反応3)
反応1で得られたビニルスルホン酸エチル[4]11.77gと、反応2で得られたシクロペンタジエン[6]4.77gとを混合し、40℃で40分間加熱撹拌した。この際、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて、原料の消失を確認した。その後、反応溶液を115℃、3mmHgの条件下で減圧蒸留し、Ethyl bicylro[2,2,1] hex-5-ene-2-sulfonate(無色透明液体)[7]9.71gを得た。収率は約67%であった。得られた化合物の同定は、GCおよびH−NMRを用いて行った。
(反応7)
窒素雰囲気下の3つ口フラスコに、Ethyl bicylro[2,2,1]hex-5-ene-2-sulfonate[7]5.19g、2-norbornene[11]20.44g、およびテトラヒドロフラン(THF)175.64gを仕込み、GCの内部標準として、Diethyl succinate4.76gを加えた。この際、サンプリングを行い、これをGCの初期サンプルとした。
次に、反応溶液を窒素で10〜15分間バブリングし脱気を行った後、grubbs触媒0.042gをTHF16mLに溶解させた溶液を加え、室温で撹拌した。反応追跡をGCで行い、2時間後に反応率が0%になったことを確認した。
次に、反応溶液を空気中で30分間撹拌した。その後、連鎖移動剤としてEthyl vinyl ether0.40gおよび重合禁止剤としてhydroquinone0.51gをTHF50gに溶解させた溶液を反応溶液に加え、30分間撹拌した。
次に、反応溶液に対して、メタノールを用いた再沈殿を行い精製した。その後、ろ過物をTHFに溶解し、さらにメタノールで再沈殿を行った(計3回)。その後、乾燥機(60°)で乾燥を行い、重合体[12]25gを得た。収率は約100%であった。得られた化合物の同定は、H−NMRを用いて行った。また、GPCで純度、分子量の測定を行った。
(反応8)
ナスフラスコに、反応7で得られた重合体[12]を添加し、THFに溶解させた。その後、p-toluenesulfonylhydrazideを加え、還流を行った。再沈殿を行い精製した。得られた化合物をhexamethlphosphorous triamide(HMPA)に加え、80℃で15時間撹拌した。その後、ろ過、さらに乾燥することによって、燃料電池用電解質材料の前駆体[13]を得た。得られた化合物の同定は、H−NMRを用いて行った。
(反応9)
燃料電池用電解質材料の前駆体[13]をアルカリ処理することによって、燃料電池用電解質材料[14]を得た。
[実施例2]
上述した合成スキームIIに沿って、燃料電池用電解質材料を作製した。
(反応1〜3)
実施例1と同様にして、Ethyl bicylro[2,2,1]hex-5-ene-2-sulfonate[7]を得た。
(反応7)
窒素雰囲気下の3つ口フラスコに、Ethyl bicylro[2,2,1]hex-5-ene-2-sulfonate[7]2.50g、2-norbornene[11]23.14g、およびテトラヒドロフラン(THF)530.15gを仕込み、GCの内部標準として、Diethyl succinate4.46gを加えた。この際、サンプリングを行い、これをGCの初期サンプルとした。
次に、反応溶液を窒素で10〜15分間バブリングし脱気を行った後、grubbs触媒0.0405gをTHF19.93mLに溶解させた溶液を加え、室温で撹拌した。反応追跡をGCで行い、2時間後に反応率が0%になったことを確認した。
次に、反応溶液を空気中で30分間撹拌した。その後、連鎖移動剤としてEthyl vinyl ether0.40gおよび重合禁止剤としてhydroquinone0.65gをTHF50gに溶解させた溶液を反応溶液に加え、30分間撹拌した。
次に、反応溶液に対して、メタノールを用いた再沈殿を行い精製した。その後、ろ過物をTHFに溶解し、さらにメタノールで再沈殿を行った(計3回)。その後、乾燥機(60°)で乾燥を行い、重合体[12]25gを得た。収率は約100%であった。得られた化合物の同定は、H−NMRを用いて行った。また、GPCで純度、分子量の測定を行った。
(反応8および9)
実施例1と同様にして、燃料電池用電解質材料[14]を得た。
[評価]
(破断伸び)
実施例1および実施例2で得られた燃料電池用電解質材料から、シート状(膜厚30μm)の試料を作製した。試料の破断伸びの測定は、オートグラフ(万能材料試験機、インストロン、島津製作所製)を用いて、JIS K7113「プラスチックの引っ張り試験方法」に則り行った。測定は、チャック(摘み具)間距離を5mm、引っ張り速度を10mm/分にて行った。なお、伸度は下式にて算出した。
伸度(%)=(破断時の伸び−チャック間距離)/チャック間距離×100
得られた結果を図1に示す。なお、比較としてNafion(登録商標、デュポン社製)を用いて同様に破断伸びを測定した。図1に示されるように、実施例1および実施例2で得られた燃料電池用電解質材料は、Nafion(登録商標、デュポン社製)と同等あるいはそれ以上の破断伸びを示した。
(フェントン試験/熱水溶解試験)
実施例1および実施例2で得られた燃料電池用電解質材料から、膜状の試料を作製した。この試料を用いて、Curtinらの方法(D.E.Curtin, R.D. Lousenberg, T.J.Henry, P.C.Tangeman, and M.E.Tisack, 第10回燃料電池シンポジウム講演予稿集、A24, p121(2003))に従って、次の手順でフェントン試験を行った。まず、20ppmのFeSO・7HOを含む30%過酸化水溶液100mLを試験液として調整した。一方、試料を減圧乾燥(80℃、0.1Torr、2時間)した後、精秤した。次に、試験液に試料を浸漬(80±1℃、20時間)させた。試験後の試料を水洗後、純水中で煮沸洗浄(0.5時間×2回)した。その後、試料を減圧乾燥(80℃、0.1Torr、2時間)した後、再び精秤した。試験後の試料の重量減少率を下式にて算出した。
重量残存率(%)=(試験前の試料の重量−試験後の試料の重量)/試験前の試料の重量×100
得られた結果を図2に示す。図2に示されるように、実施例1および実施例2で得られた燃料電池用電解質材料は、高濃度の鉄イオン溶液中に浸漬しても重量残存率が高いことが明らかになった。なお、フェントン試験では3〜4ppmの鉄イオン溶液を使用することが一般的であるが、本試験は、20ppmの鉄イオン溶液を用いた。
(プロトン伝導率)
実施例1および実施例2で得られた燃料電池用電解質材料から、矩形膜状(大きさ4cm×1cm)の試料を作製した。この試料のプロトン伝導率を交流インピーダンス法により測定した。まず、1cm角の窓を持つポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のセルに試料とPt電極を固定した。Pt板電極間距離は1cmとした。セルを小型環境試験機の槽内に設置し、槽内の温度を25℃、40℃、60℃および80℃に設定し、相対湿度を100%RHに設定した。その後、インピーダンスアナライザー(4194A、YHP)を用いて下記の条件で測定を行った。電気容量が最小になる周波数でのコンダクタンスの平均値を測定値(G:単位はS)とした。また、測定後、ノギスを用いて試料の膜厚(d:単位はμm)を測り、下式より求めた値を試料の伝導度(σ:単位はS/cm)とした。
・測定周波数 100Hz〜1MHz
・印加交流電圧 0.05Vrms
・平均回数 4回
・積分時間 5msec
・測定点数 81点
伝導度σ=(G/d)×10000
得られた結果を図3に示す。なお、図中、実施例1(a)〜(c)は実施例1で得られた燃料電池用電解質材料から作製された試料であって、実施例1(a)は前処理を行わなかった試料、実施例1(b)は測定前に純水中40℃で2時間煮沸処理を行った試料、実施例1(c)は測定前に純水中60℃で2時間煮沸処理を行った試料を表す。また、実施例2(b)および(c)は、実施例2で得られた燃料電池用電解質材料から作製された試料であって、実施例2(b)は測定前に純水中40℃で2時間煮沸処理を行った試料、実施例2(c)は測定前に純水中60℃で2時間煮沸処理を行った試料を表す。
(ガス透過率)
実施例1で得られた燃料電池用電解質材料から、φ5cmの試料を作製した。次に、80℃、dryまたは80RH%条件下で、等圧法により水素透過係数および窒素透過係数を求めた。なお、試料設置後、飽和のために3時間経った後測定を行った。
得られた結果を図4に示す。図4に示されるように、実施例1で得られた燃料電池用電解質材料は、炭化水素系膜(HC膜)と比較して、水素透過係数および窒素透過係数が高かった。
(動的粘弾性)
実施例1で得られた燃料電池用電解質材料に対し、下記条件で動的粘弾性を測定した。
・サンプル形状:短冊状
・幅:5mm、チャック間距離:25mm
・温度:−150℃〜分解温度以下
・昇温速度:5℃/min
・周波数:10Hz
その結果、実施例1で得られた燃料電池用電解質材料のガラス転移温度は約120℃であった。
破断伸びの結果を示すグラフである。 フェントン試験の結果を示すグラフである。 プロトン伝導率試験の結果を示すグラフである。 ガス透過性試験の結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位
    Figure 0004940692
    (一般式(1)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表す。)
    を有することを特徴とする燃料電池用電解質材料。
  2. 前記一般式(1)で表される構造単位に加え、さらに飽和脂環式炭化水素からなる構造単位を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電解質材料。
  3. 前記飽和脂環式炭化水素からなる構造単位が、下記一般式(2)で表される構造単位
    Figure 0004940692
    (一般式(2)中、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
    であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用電解質材料。
  4. 前記一般式(1)で表される構造単位と、前記飽和脂環式炭化水素からなる構造単位と、を有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料電池用電解質材料。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の燃料電池用電解質材料を用いることを特徴とする燃料電池用固体電解質膜。
  6. 原材料として、下記一般式(3)で表される化合物
    Figure 0004940692
    (一般式(3)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSO(CHH(mは0又は正の整数、pは0又は正の整数)を表す。)
    を用い、
    下記一般式(1)で表される構造単位
    Figure 0004940692
    (一般式(1)中、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表す。)
    を形成する重合工程を有することを特徴とする燃料電池用電解質材料の製造方法。
  7. 前記重合工程の際に、原材料として、さらに下記一般式(4)で表される化合物
    Figure 0004940692
    (一般式(4)中、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
    を用い、
    下記一般式(5)で表される構造単位
    Figure 0004940692
    (一般式(5)中、xは正の整数であり、nは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表し、Rは(CHSOH(mは0又は正の整数)を表し、yは正の整数であり、kは0又は正の整数であり、RはH又はCHを表す。)
    を形成することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池用電解質材料の製造方法。
  8. 前記重合工程の際に、Grubbs触媒を用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の燃料電池用電解質材料の製造方法。
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