JP4938935B2 - ポット用播種機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、育苗ポットを碁盤目状に形成した育苗ポットトレイに床土を充填して各ポットに種子を落下させて播種を行うポット用播種機において、前記各ポットの床土表面に凹状の播種用穴を形成する穴あけ装置の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から育苗用播種プラント等において、育苗ポットを碁盤目状に形成した育苗ポットトレイをコンベアにより一枚ずつ順に搬送して、床土を充填して播種穴をあけて、各ポットに種子を落下させて播種を行い、覆土して灌水を行うようにした技術は公知となっている。
【0003】
この播種を行うポット用播種機において、種子落下させて播種する前に穴を形成する穴あけ装置は、シリンダを上下方向に配置して、該シリンダのピストンロッド先端に育苗ポットトレイのポットと同数の穴あけ棒を並設して、育苗ポットトレイの搬送に合わせて昇降させて穴あけを行うようにしていた。例えば、特開平5−284813号の技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この技術はポット用播種機の播種位置の前工程側に穴あけ装置を配置し、該穴あけ装置は、鎮圧具を上下方向及び育苗ポットトレイの進行方向に位置調整可能に配置して、育苗ポットトレイの搬送装置の駆動に合わせて昇降するようにしていたのである。
【0005】
しかし、穴あけ位置と播種位置は進行方向に対して育苗ポットトレイのポットのピッチと数ピッチずれた位置に配置され、一つのセンサーでポットを検知して、ポットを検知すると穴あけ装置を駆動し、穴あけを終えたポットの穴に種子を落下させるようにしていたので、穴あけ装置は一つの育苗ポットトレイの最終ポットに播種したときも駆動するようにしていた。このとき、次の育苗ポットトレイが連続して搬送されてきた場合、育苗ポットトレイ前端の縁部に穴あけ装置が当たり、育苗ポットトレイを傷めたり、育苗ポットトレイに振動を与えて搬送位置がずれたりすることがあった。そこで本発明は、穴あけ装置と播種装置の駆動を別々のセンサーで検知して、駆動するようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
【0007】
請求項1においては、搬送コンベア(3)上に穴あけ装置(5)と播種装置(4)とを連続して配置して、育苗ポットトレイ(10)のポット(10a)に充填した床土上に穴をあけて、その穴に播種するポット用播種機(1)において、該搬送コンベア(3)の上の、該穴あけ装置(5)の前工程側に、該穴あけ装置(5)の作動を制御する穴あけセンサー(33)を配置し、該搬送コンベア(3)の上の、該播種装置(4)の前工程側に、該播種装置(4)の作動を制御する播種センサー(36)を配置し、前記穴あけ装置(5)は、前記穴あけセンサー(33)と、穴あけ支持フレーム(22)と、該穴あけ支持フレーム(22)に対して、搬送方向に位置調整可能に付設した摺動体(25)と、該摺動体(25)に上下方向位置調整可能に取り付けた穴あけシリンダ(26)と、該穴あけシリンダ(26)のピストンロッド(26a)先端に取り付けた穴あけ棒(27)により構成し、該穴あけ棒(27)の前工程側に、側面視L字状に構成した位置決めプレート(32)を一体的に固設し、該位置決めプレート(32)により、前記育苗ポットトレイ(10)が搬送されて、前記穴あけシリンダ(26)を作動させたときにポットの中心に丁度穴あけ棒(27)が入るように調整可能としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明のポット用播種機の側面図、図2は同じく斜視図、図3は播種装置の側面図、図4は穴あけ装置の側面図、図5は同じく斜視図、図6は制御ブロック図である。
【0009】
本発明の穴あけ装置を装備したポット用播種機1について、図1、図2より全体構成から説明する。ポット用播種機1は支柱2a・2a上に搬送フレーム2bを横架した搬送架台2上に搬送コンベア3が配置され、該搬送コンベア3は、搬送架台2の一端(本実施例では右側)に駆動ローラ11を配置し、他端(左側)にテンションローラ(従動ローラ)12を配置し、該駆動ローラ11とテンションローラ12の間に搬送ベルト13を巻回し、該駆動ローラ11を搬送架台2の一端に設けた搬送モータ14により駆動できるようにしている。該搬送モータ14は搬送架台2上に設けた制御ボックス6内のコントローラ16と接続されて駆動制御される。
【0010】
そして、搬送架台2上に播種装置4が配置され、該播種装置4の前工程側に本発明の穴あけ装置5が配置され、該播種装置4の後工程側にエア制御部7が配置され、その後工程側に制御ボックス6が配置されている。前記エア制御部7は、種子を吸引するための吸引圧と、エアシリンダを作動させる圧縮空気の空気圧を設定して、電磁バルブを制御して吐出または吸引できるようにしている。該電磁バルブはコントローラ16と接続されている。
【0011】
前記播種装置4は、図3に示すように、ケース40に種子を溜めるホッパー41を平行リンクを介して揺動自在に支持し、該ホッパー41の上方に吸着ノズル42を配置し、該ホッパー41は揺動シリンダ43と連結されて、該揺動シリンダ43を伸縮させることによりホッパー41を揺動させて、吸着ノズル42の下方にホッパー41を位置させたときに種子を吸着させ、ホッパー41を揺動して吸着ノズル下方にホッパー41端部に構成した落下口41aを位置させたときに、吸引を解除して、吸着ノズル42の下方に配置したガイドホース44内に種子を落下させて、該ガイドホース44より育苗ポットトレイ10のポット10a上に落下させるようにしている。
【0012】
前記揺動シリンダ43は、配管を介してエア制御部7に配置した、電磁バルブ17と接続され、また、前記吸着ノズル42には、図示しない吸引ホースを介してエア制御部7に配置した電磁バルブ18と接続され、該電磁バルブ17・18は図6に示すように、コントローラ16と接続されて制御できるようにしている。
【0013】
本発明の穴あけ装置5は図4、図5に示すように、搬送架台2の前後両側上に立設した、支持フレーム15・15間に、支持軸21が架設され、該支持軸21の前後中央部に、穴あけ支持フレーム22が固設され、該穴あけ支持フレーム22の前後両側より、下方に支持ステー22a・22bが垂設され、該支持ステー22a・22b間に、ガイドシャフト23・23とネジ杆24が、前後方向に平行に横架され、該ガイドシャフト23・23上に、摺動体25の上部に設けた支持部25b・25cが摺動可能に支持され、該支持部25bは、ガイドシャフト23に対しては摺動自在に貫通し、ネジ杆24に対しては螺装されている。
【0014】
該ネジ杆24の一端にはハンドル20が設けられ、該ハンドル20を回動することにより、摺動体25を前後方向に移動することができ、後述する穴あけ棒27を前後位置調整可能としているのである。なお、摺動体25の支持部25bの前面に、固定ボルト30がガイドシャフト23に向かって螺装されて、該固定ボルト30を締めつけることにより摺動体25を固定できるようにしている。
【0015】
前記摺動体25の前面には、上下方向に長孔25aが開口されている。一方、摺動体25の側面には穴あけシリンダ26が上下方向に配置されて、該穴あけシリンダ26側面に取付プレート29が固設され、該取付プレート29の一端が前記長孔25a側面に延設されて、固定ボルト31によって長孔25aの任意位置で固定できるようにして高さ調節できるようにしている。
なお、摺動体25の固定位置が容易にわかるように、穴あけ支持フレーム22の前面及び摺動体25の前面の固定ボルト30・31近傍位置にはそれぞれ目盛が設けられている。また、穴あけシリンダ26は配管を介してエア制御部7に配置した電磁バルブ19と接続され、該電磁バルブ19はコントローラ16と接続され、制御できるようにしている。
【0016】
そして、前記穴あけシリンダ26のピストンロッド26a先端には、取付プレート28を介して穴あけ棒27・27・・・が、育苗ポットトレイ10の幅方向のポット10a数と同数平行に垂設されている。該穴あけ棒27は円柱状で下部が、円錐状に構成され、育苗ポットトレイ10の種類やあける穴の大きさに合わせて、大きさの異なる穴あけ棒27・27・・・が用意され、必要に応じて取付プレート28ごと交換するものである。
【0017】
そして、前記取付プレート28の両側から前工程側に側面視L字状に構成した位置決めプレート32が固設されている。該位置決めプレート32は育苗ポットトレイ10が搬送されて、穴あけシリンダ26を作動させたときにポットの中心に丁度穴あけ棒27が入るように調整するためのものであり、育苗ポットトレイ10の縁部10bの前端を当接させた状態で、一列目のポット10aの前端に穴あけセンサー33を位置させることにより、位置決めができるようにしている。つまり、位置決めプレート32を育苗ポットトレイ10の整数倍ピッチにし、搬送コンベア3を駆動させたときに穴あけ棒27が一列目のポット上方に位置するようにしているのである。
【0018】
該穴あけセンサー33は前記搬送フレーム2b上に支持レール34を搬送方向に固定し、該支持レール34に穴あけセンサー33を搬送方向に位置調整可能に固定できるようにしている。また、播種装置4の種子ガイドホース44下端の前部位置に播種センサー36(図3)が配置されて、ポット10aを検知すると吸着を解除して種子を落下させるようにしている。なお、穴あけセンサー33及び播種センサー36は光電センサー等より構成しており、それぞれコントローラ16と接続されている。
【0019】
このような構成において、穴あけ装置5の位置調整を説明する。まず、種子落下口44a(図3)の中心を、育苗ポットトレイ10のポット10aの中心と一致させる。そして、穴あけ棒27を下降させて穴あけ棒27とポットの中心が一致するようにハンドル20を回転する。こうして播種位置と穴あけ位置が育苗ポットトレイ10に合わせられる。次に、育苗ポットトレイ10を引き出して、穴あけ棒27を下降させた状態で育苗ポットトレイ10の縁部10b搬送方向前端を位置決めプレート32に当接させ、穴あけセンサー33を一列目のポット10aに位置するように調節する。こうして、搬送コンベア3を作動させると順に穴あけと播種が行われるのである。
【0020】
即ち、図6の如くコントローラ16には穴あけセンサー33と播種センサー36は搬送モータ14と揺動シリンダ43を作動させる電磁弁17と、該吸着ノズル42を作動させる電磁弁18と、穴あけシリンダ26を作動させる電磁弁19が接続されて、次のように制御される。
【0021】
育苗ポットトレイ10が搬送モータ14の駆動によって、搬送ベルト13が駆動されて搬送されてきて、穴あけセンサー33が一列目のポット10aを検知すると、所定のピッチ搬送して停止し、穴あけ棒27の下方に1列目ポット10aが位置する。そして、穴あけシリンダ26が伸長されて穴あけ棒27が下降し床土上に穴があけられる。この穴あけ後に穴あけシリンダ26が縮小されて、搬送コンベア3が一ピッチ駆動され、穴あけシリンダ26が再び伸長されて穴あけが行われる。穴あけセンサー33がポット10aを検知しないと所定ピッチ搬送して穴あけ後に穴あけシリンダ26を停止させる。
【0022】
そして、穴あけ装置5の駆動と同時に播種装置4も駆動され、吸着ノズル42はホッパー41より一粒の種子を吸着し、播種センサー36がポット10aを検知して、後工程側の種子落下口44a下方にポット10aが位置すると、吸着を解除して種子を落下させ、穴あけ装置5で形成した穴内に種子を落下させるのである。そして、播種センサー36がポット10aを検知しないと播種装置4(電磁弁17・18)を停止させる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように構成したので、本発明は次のような効果を奏するものである。
請求項1に記載のごとく、搬送コンベア(3)上に穴あけ装置(5)と播種装置(4)とを連続して配置して、育苗ポットトレイ(10)のポット(10a)に充填した床土上に穴をあけて、その穴に播種するポット用播種機(1)において、該搬送コンベア(3)の上の、該穴あけ装置(5)の前工程側に、該穴あけ装置(5)の作動を制御する穴あけセンサー(33)を配置し、該搬送コンベア(3)の上の、該播種装置(4)の前工程側に、該播種装置(4)の作動を制御する播種センサー(36)を配置したので、穴あけ装置と播種装置は、それぞれ別にポットを検知して別々に作動することができるようになり、穴あけだけの作業や播種だけの作業をできるだけでなく、育苗ポットトレイを連続して供給して播種作業を行ったときに、育苗ポットトレイの後端と前端が接当している境界部分に穴あけ装置の穴あけ棒が当接して育苗ポットトレイを傷つけたり、振動を与えたりすることがなくなったのである。
【0024】
また、前記穴あけ装置(5)は、前記穴あけセンサー(33)と、穴あけ支持フレーム(22)と、該穴あけ支持フレーム(22)に対して、搬送方向に位置調整可能に付設した摺動体(25)と、該摺動体(25)に上下方向位置調整可能に取り付けた穴あけシリンダ(26)と、該穴あけシリンダ(26)のピストンロッド(26a)先端に取り付けた穴あけ棒(27)により構成し、該穴あけ棒(27)の前工程側に、側面視L字状に構成した位置決めプレート(32)を一体的に固設し、該位置決めプレート(32)により、前記育苗ポットトレイ(10)が搬送されて、前記穴あけシリンダ(26)を作動させたときにポットの中心に丁度穴あけ棒(27)が入るように調整可能としたので、穴開け装置を播種装置にできるだけ近づけて配置することが可能となり、穴開け装置の位置調整が容易にできるようになり、穴あけ装置と搬送コンベアの停止位置の位置決めも簡単にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポット用播種機の側面図である。
【図2】 同じく斜視図である。
【図3】 播種装置の側面図である。
【図4】 穴あけ装置の側面図である。
【図5】 同じく斜視図である。
【図6】 制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 ポット用播種機
3 搬送コンベア
4 播種装置
5 穴あけ装置
22 穴あけ支持フレーム
26 穴あけシリンダ
27 穴あけ棒
32 位置決めプレート
33 穴あけセンサー
36 播種センサー
Claims (1)
- 搬送コンベア(3)上に穴あけ装置(5)と播種装置(4)とを連続して配置して、育苗ポットトレイ(10)のポット(10a)に充填した床土上に穴をあけて、その穴に播種するポット用播種機(1)において、該搬送コンベア(3)の上の、該穴あけ装置(5)の前工程側に、該穴あけ装置(5)の作動を制御する穴あけセンサー(33)を配置し、該搬送コンベア(3)の上の、該播種装置(4)の前工程側に、該播種装置(4)の作動を制御する播種センサー(36)を配置し、前記穴あけ装置(5)は、前記穴あけセンサー(33)と、穴あけ支持フレーム(22)と、該穴あけ支持フレーム(22)に対して、搬送方向に位置調整可能に付設した摺動体(25)と、該摺動体(25)に上下方向位置調整可能に取り付けた穴あけシリンダ(26)と、該穴あけシリンダ(26)のピストンロッド(26a)先端に取り付けた穴あけ棒(27)により構成し、該穴あけ棒(27)の前工程側に、側面視L字状に構成した位置決めプレート(32)を一体的に固設し、該位置決めプレート(32)により、前記育苗ポットトレイ(10)が搬送されて、前記穴あけシリンダ(26)を作動させたときにポットの中心に丁度穴あけ棒(27)が入るように調整可能としたことを特徴とするポット用播種機。
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