JP4937975B2 - 枚葉紙印刷機のためのレジスタブリッジ装置 - Google Patents

Description

本発明は、枚葉紙印刷機のためのレジスタブリッジ装置またはピンレジスタ装置に関する。当該装置は、そのようなものとしてプレート胴もしくは版胴に印刷プレートまたはニス引きプレートを張設することにおいて相応のプレートの位置調整に役立つものである。

非特許文献１から印刷プレートをプレート胴に張設するために設けられているプレート緊締レールが知られている。当該プレート緊締レールは２つのレジスタピンまたはレジスタブリッジを有しており、当該レジスタピンまたはレジスタブリッジによって印刷プレートは緊締レール上で位置調整され得る。このために印刷プレートの横断方向前縁領域には見当に適合したＵ字形の押し抜き部が設けられており、印刷プレートがプレート緊締レール上に設けられるとき、レジスタピンは押し抜き部に対して緊密に適合するように没入する。
ヘルムート・テッシャー(Helmut Teschner)著、「オフセット印刷技術(Offsetdurcktechnik)」、（独国）、ファッハシュリフテン出版社(Fachschriften-Verlag GmbH)、１９８９年、ｐ．２４３

本発明が解決すべき課題は、印刷プレートを対応するプレート胴に張設することが特に好適な方法で行えるような解決を提供することである。

この課題は、本発明の以下の構成を有する枚葉紙印刷機のためのレジスタブリッジ装置によって、解決される。すなわち、
レジスタブリッジ装置をプレート胴あるいはプレート胴と共に回転する構造体に固定するための固定部、そして印刷プレートのレジスタ用凹部に印刷プレートを設けた後にそれ自体没入し、左右の側面領域ならびに該側面領域の間にある中間領域を備えるレジスタヘッド部を有する枚葉紙印刷機のためのレジスタブリッジ装置であり、前記レジスタヘッド部には印刷プレートの当接を検知するために、前記中間領域および／あるいは側面領域において感触器が設けられている。

上記の解決により、好適な方法でレジスタブリッジ装置を作り上げることが可能となる。該レジスタブリッジ装置を介して、組み込まれたメカニズムにより、印刷プレート特にゴム引きされた印刷プレートやプラスチックの印刷プレートを、その導電性および場合によって伝導性を有する汚染や沈着とは関係なく、信頼性を有して検知することができる。

本発明の特に好ましい実施形態によれば、感触器は印刷プレートと接触可能な接触面を備えた機械的な触覚ピストンとして実施される。この接触面は、レジスタヘッド部の少なくとも半分の幅にわたって設けられるように形成することができる。接触面は、好適には、当接している印刷プレートによって規定される印刷プレート平面において、接触面の湾曲が接触面上に現れている印刷プレートの凹部の縁の湾曲に実質的に合うように形成されている。

本発明の特に好ましい実施形態は、触覚ピストンがレジスタヘッド部と一体成形により単一部材として形成されることでもたらされる。触覚ピストンは、その場合、構成要素を成すバネ連結機構を介してレジスタヘッド部と接続され得る。該バネ連結機構は、該機構によって少なくとも触覚ピストンストロークの許容範囲内においてリニアガイド装置が実現されるように、形成することができる。該リニアガイド装置は、特に複数の操作部を備えることが可能で、その場合並立ジョイントガイド装置として実施され得る。

感触器上に載る印刷プレートによって感触器が押しのけられることを検知するために、特にセンサー装置が設けられている。該センサー装置は、それ自体、レジスタヘッド部に対する触覚ピストンのわずかな移動に関して指標となる信号を発生させるために使われる。センサー装置は、そのために、スイッチとして実施され得る。該スイッチは、単に２つの接続状態だけを有し得る。第１の接続状態は、たとえば、押し出された触覚ピストンの位置を信号として送信する。第２の接続状態は、触覚ピストンが当接する印刷プレートの作用で、一定の接続経路の分だけ好適に最終位置にまで進入している場合に到達される。最終位置は、その後、信号の発信ポイントに該当する。進入した状態で感触器がそれ自体印刷プレートを支える位置決め機構として機能するように、最終位置において感触器を安定的に正しい位置で支えることが可能である。接続状態を変更するために必要な触覚ピストンの移動経路が調節可能に設定できるよう、スイッチを形成することが可能である。スイッチは、特に、組み入れられカプセル化されたスイッチシステムを有するパッシブな電気機械式スイッチとして、実施され得る。スイッチは、とりわけ、過負荷に対する保護装置を備えている。複数のこのようなレジスタブリッジ装置を使用する場合、該レジスタブリッジ装置は、好適に、実質的に同一の電気・機械的な接続パラメータを備えるよう作られている。

２つの異なる接続状態を有する、あるいは特にこれらのコンビネーションを用いたこれら様々なスイッチに対して代替的に、センサー装置を介して信号を出すことが可能である。これらの信号自体は、たとえば距離に比例して触覚ピストンの移動と相関する。このような異種のセンサー装置は、特にひずみゲージ装置あるいは同様の計測装置を利用して現実化され得る。設定され得る力と距離のパラメータに基づいて、一定のスイッチしきい値を設定することが可能である。

特にひずみゲージ装置を利用してセンサー装置を現実化する場合には、バネ連結機構の領域にこのひずみゲージ装置を設置することができる。

センサー装置によって発信された計測信号の測定は、レジスタブリッジ装置から出された出力を通じて行われ得る。すでに直接レジスタブリッジ装置においてあるいは少なくともプレート胴の領域において、伝達回路を設置することが可能である。すなわち、この伝達回路を通じて好適にデジタルの形態で相応の情報が無線でプレート胴の領域から固定された印刷機の領域に伝達され得る。センサー装置の検出状態に関して指標となるデータの前記無線伝達はとりわけトランスポンダーコイルを通じて行われ得るが、このトランスポンダーコイルには信号技術上レジスタブリッジ装置の上部領域から到達可能である。印刷装置の領域においては、このトランスポンダーコイルとコミュニケーションをとる読み取り機構が設置されており、印刷プレートを緊締するために典型的に選択されるプレート胴の角度位置でデータの伝達が可能となるように、該読み取り機構の位置決めが行われる。既述のトランスポンダーに代えて、光学的方法であるいは別の送信方法に基づいて信号のやり取りを行うことも可能である。

本発明に係るレジスタブリッジ装置は、該レジスタブリッジ装置を円周方向においてプレートの縁を位置決めするためだけに使用するよう形成することが可能である。その場合側面は位置決め面を形成していない。本願発明の特殊な局面によれば、しかしながらヘッド部はまた、該ヘッド部によって得られる側面領域が左右の位置決め側面を形成するよう作られ得る。この位置決め側面は、シリンダー被覆部として作られ得る。

レジスタブリッジ装置は、直接プレート胴に接続され得る。しかしながら好適には、本発明に係るレジスタブリッジ装置は、緊締レールに接続されている。調節メカニズムを設置することが可能であり、当該調節メカニズムを介してレジスタブリッジ装置の絶対位置が調節可能である。固定部において長孔形の凹部を作ることがとりわけ可能であり、当該長孔形の凹部を介してレジスタブリッジ装置が緊締ボルトに対して相応に移動可能となっている。

本発明の更なる詳細と特徴は、図面と関連付けられた以下の記述から判明する。図面に示すのは以下のとおりである。

図１は、枚葉紙印刷機のためのレジスタブリッジ装置１を示している。該レジスタブリッジ装置１は、ここでは詳細に描写されていないプレート胴あるいはとりわけプレート胴とともに回転する緊締レールシステムにレジスタブリッジ装置を固定するための固定部２を備えている。

レジスタブリッジ装置１はほかに、印刷プレートＤのレジスタ用凹部Ａに印刷プレートＤが設けられた後にそれ自体没入するとともに、左右の側面領域３ａおよび３ｂならびに該側面領域の間にある中間領域３ｃを有するレジスタヘッド部３を備えている。

レジスタブリッジ装置１は、次の点で際立っている。すなわちここではまだ差し込まれていない状態で描写されている印刷プレートＤの当接あるいは載置を検知するために、レジスタヘッド部３には、前記中間領域３ｃにおいて感触器が設けられている。

該感触器は、印刷プレートＤと接触可能な接触面４ａを備えた触覚ピストン４として実施される。触覚ピストン４は、もっぱらレジスタヘッド部３とともに実施され、バネ連結機構５ａ、５ｂを介してレジスタヘッド部に動作可能なように連結されている。バネ連結機構５ａ、５ｂは、この実施例では並立制御器として実施されている。それにより、少なくとも重要なストロークの範囲内において矯正が行われる。

レジスタブリッジ装置１には、直接的にセンサー装置７が備え付けられており、該センサー装置７は、それ自体、印刷プレートＤが接触面４ａに接触することに関して指標となる信号を発生させるために使われる。センサー装置７は、ここでは、レジスタヘッド部３に対する触覚ピストン４のわずかな移動をセンサー装置７が検出するよう、作られている。示された実施例では、センサー装置はスイッチ６として実施されており、以下図２と図３との関連で詳細に説明されているとおりである。

この実施例でスイッチ６は、触覚ピストン４から接続信号の発信にいたるべき接続経路が調節可能となるように形成されている。外部から到達可能な調節ボルト８によって、このような調節が可能となる。

本図で示されている実施例では、ヘッド部３の左右の側面領域３ａおよび３ｂが、ぴったりとはまった状態で印刷プレートＤの凹部Ａの左右の内壁ａ１とａ２とを回転方向Ｒに対して横断方向に支える位置決定側面を形成するように形成されている。

レジスタブリッジ装置１は、特に、本図で認められる長孔形の凹部９を介して緊締レールに接続され得る。

触覚ピストン４の移動状態に関してセンサー装置７によって発生された信号の測定は、計測ケーブル１０を介して行われる。触覚ピストンの移動に際して、触覚ピストンの緩衝装置や場合によってはセンサー装置によって発生された反発力に対抗して、スイッチ６が閉鎖され、アースされた計測ケーブル１０にスイッチが入るよう、回路を作ることが可能である。代替的に、計測ケーブル１０を多心ケーブルとして実施するかあるいは信号測定をワイヤレスで特に光学的あるいは無線で処理することも可能である。

図２に示された実施例は、図１に対する実施に準じる。この第２のバリエーションと図１に記載された実施例との違いは実質的に、ヘッド部３への触覚ピストン４の陥入の形態が異なっていることだけである。この実施例においても触覚ピストン４は、ヘッド部３もしくは固定部２を含む本体の不可欠な構成要素となっている。

触覚ピストン４は開放スポット１１、１２によって動き、当該開放スポットは、たとえば、ワイヤ放電加工によって加工され得る。該開放スポット１１、１２には、エラストマー素材とりわけスコーチ処理されたエラストマーゴムによって密閉することが可能で、場合によっては起こり得る隙間への汚染を防ぐ。開放スポット１１、１２によって作られる連結機構は、本図において静止状態では一定であるが、必要なストローク振幅内では容認できないこともないくらいの大きさの機械的な負荷をかけられるバネ連結機構５ａ、５ｂ、５ｃを備えており、これによって到達される反発力は触覚ピストン４上に設けられる印刷プレートによって充分克服され得るように作られている。

ここで現実化されたスイッチ６は、ここでは球として実装される接触部材６ａを備えており、該接触部材６ａは、絶縁プレート６ｂを介して絶縁され、調節ボルト８の上で支えられている。接触部材６ａは、接触ブッシュ６ｃ内に案内されている。他方、接触ブッシュ６ｃは、絶縁体６ｄの中に嵌め込まれている。接触部材６ａと触覚ピストン４の下方端面４ｂとの間には、Ｏリングとして実施されるリセット機構６ｅが設けられており、該リセット機構６ｅは、触覚ピストン４に負荷をかけない状態ではここでは詳細には認識できないが接続の隙間をもたらす。触覚ピストン４がヘッド部３に陥入することにより、この接続の隙間がなくなり、接触部材６ａと触覚ピストン４との接触が起こる。それに応じて本体がアースに、接触ブッシュ６ｃがセンサーケーブルに接続されることによって、ブリッジ状態が検出され、それにより触覚ピストン４の差し込みを推量することができる。

図３に記載の実施例も同様に、前述の実施に準ずる。先に記述された実施例とは別に、ヘッド部３と印刷プレートＤに設けられた凹部Ａは、ヘッド部３を介しては印刷プレートＤの側面調整が引き起こされることはなく、むしろ単に、印刷プレートＤの回転方向での当接の状態が検出されるよう、作られている。

このバリエーションにおいても、ヘッド部３に触覚ピストン４を移動可能に嵌め込むために実施された開放スポット１１、１２をエラストマー素材で充填することができる。

スイッチ装置６は、図２に記載の実施例のスイッチ装置６とは、細部において構成上の違いがある。しかしながら、根本的にはこのバリエーションにおいても、ヘッド部３の構成部材を成す触覚ピストン４が動くことによって接触の隙間Ｓが閉じられ、それによって計測ケーブル１０の心線１０ａがアースに接続される。

図４には、本発明に係るレジスタブリッジ装置１の第４のバリエーションが記載されている。当該装置のヘッド部３には、ヘッド部３の構成部材を成すガイドバー５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄを介して触覚ピストン４が案内されている。

本図で下方に位置しているガイドバー５ｂ、５ｃは、ひずみ要素として機能している。これらガイドバーのひずみとりわけ下の制御ソールを引っ張ったときの伸びは、ひずみゲージ装置１４によって測定される。当該ひずみゲージ装置１４によって発生された信号は、評価回路を通じて変換され、触覚ピストン４の移動経路ｘに対して設定される。そのようにして検出された経路の情報に基づき、しきい値の基準に基づいて、印刷プレートＤの正しい位置決めが保証される程度に触覚ピストン４が移動されたかどうかが判断され得る。

本発明に係るレジスタブリッジ装置の構造の図解と作用の説明のための斜視図 本発明に係るレジスタブリッジ装置のスイッチのバリエーションの構造の説明のための断面図 本発明に係るレジスタブリッジ装置のスイッチのさらなるバリエーションの構造の説明のための断面図 本発明に係るレジスタブリッジ装置のひずみゲージ型センサーのバリエーションの構造の説明のための略図

符号の説明

１ レジスタブリッジ装置
２ 固定部
３ レジスタヘッド部
３ａ 側面領域
３ｂ 側面領域
３ｃ 中間領域
４ 触覚ピストン
４ａ 接触面
４ｂ 触覚ピストンの下方端面
５ａ バネ連結機構（ガイドバー）
５ｂ バネ連結機構（ガイドバー）
５ｃ バネ連結機構（ガイドバー）
５ｄ ガイドバー
６ スイッチ
６ａ 接触部材
６ｂ 絶縁プレート
６ｃ 接触ブッシュ
６ｄ 絶縁体
６ｅ リセット機構
７ センサー装置
８ 調節ボルト
９ 長孔形の凹部
１０ 計測ケーブル
１０ａ 計測ケーブルの心線
１１ 開放スポット
１２ 開放スポット
１４ ひずみゲージ装置
Ａ レジスタ用凹部
ａ１ 内壁
ａ２ 内壁
Ｄ 印刷プレート
Ｒ 回転方向
Ｓ 接触の隙間
ｘ 移動経路

Claims (15)

1. 枚葉紙印刷機のためのレジスタブリッジ装置であって、
   レジスタブリッジ装置（１）をプレート胴あるいはプレート胴と共に回転する構造体に固定するための固定部（２）と、
   印刷プレート（Ｄ）に設けられたレジスタ用凹部（Ａ）に没入され、左右の側面領域（３ａ、３ｂ）ならびに該側面領域の間にある中間領域（３ｃ）を備えるレジスタヘッド部（３）と、を有し、
   該レジスタヘッド部（３）には、前記印刷プレート（Ｄ）の当接を検知するために、前記中間領域（３ｃ）において感触器が設けられており、
   触覚ピストン（４）が前記レジスタヘッド部（３）と一体成形により単一部材として形成され、
   前記感触器が前記印刷プレートと接触可能な接触面（４ａ）を備えた触覚ピストン（４）として形成されるレジスタブリッジ装置。
2. 前記触覚ピストン（４）がバネ連結機構（５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ）を介して前記レジスタヘッド部（３）と接続されていることを特徴とする請求項１に記載のレジスタブリッジ装置。
3. 前記バネ連結機構（５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ）を介してリニアガイド装置が実現されることを特徴とする請求項２に記載のレジスタブリッジ装置。
4. 前記リニアガイド装置が並立ジョイントガイド装置として実施されることを特徴とする請求項３に記載のレジスタブリッジ装置。
5. 前記印刷プレート（Ｄ）が前記接触面（４ａ）に接触することに関して指標となる信号を発生させるために、センサー装置（７）が設けられていることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のレジスタブリッジ装置。
6. 前記センサー装置（７）が、前記レジスタヘッド部（３）内における前記触覚ピストン（４）のわずかな移動を前記センサー装置（７）が検出するように作られていることを特徴とする請求項５に記載のレジスタブリッジ装置。
7. 前記センサー装置（７）がスイッチ（６）として実施されていることを特徴とする請求項６に記載のレジスタブリッジ装置。
8. 前記スイッチ（６）が、前記触覚ピストン（４）から進むべき接続経路（ｘ）が調節可能となるように作られていることを特徴とする請求項７に記載のレジスタブリッジ装置。
9. 前記センサー装置（７）がひずみゲージ装置（１４）を備えていることを特徴とする請求項５または請求項６に記載のレジスタブリッジ装置。
10. 前記バネ連結機構（５ｂ、５ｄ）の領域に前記ひずみゲージ装置（１４）が設置されていることを特徴とする請求項９に記載のレジスタブリッジ装置。
11. 前記ヘッド部（３）が、該ヘッド部（３）によって得られる側面領域（３ａ、３ｂ）が左右の位置決め側面を形成するように作られていることを特徴とする請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載のレジスタブリッジ装置。
12. 前記レジスタブリッジ装置が、緊締レールに接続されていることを特徴とする請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載のレジスタブリッジ装置。
13. 長孔形の凹部（９）が前記固定部（２）において形成されていることを特徴とする請求項１から請求項１２のいずれか１項に記載のレジスタブリッジ装置。
14. スイッチの発信ポイントが、感触器の最終位置に該当することを特徴とする請求項１から請求項１３のいずれか１項に記載のレジスタブリッジ装置。
15. 感触器が、最終位置に到達した際に、位置決めストッパーとして機能することを特徴とする請求項１から請求項１４のいずれか１項に記載のレジスタブリッジ装置。

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