以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、後述する本発明の一実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置により選定されたぜんまいばねが取り付けられたシャッター装置となっている軽量シャッター装置の全体正面図が示されている。この軽量シャッター装置は、シャッターカーテン1で建物の出入口10を開閉するための出入口用シャッター装置である。また、このシャッター装置は、シャッターカーテン1の手動操作によりシャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させ、手動操作によりシャッターカーテン1を上向きに開き移動させる手動式のタイプのものとなっている。
出入口10の左右両側を形成している壁や柱等による建物躯体11には、上下に延びるガイドレール2が取り付けられ、これらの左右のガイドレール2の内部に、シャッターカーテン1の幅方向両端部である左右両端部がスライド自在に挿入され、シャッターカーテン1はガイド部材であるガイドレール2に案内されて上下方向に開閉移動可能となっている。出入口10の上部には、シャッターケース3が配設され、このシャッターケース3の内部に、正逆回転自在となった巻取体4が左右のブラケット5で支持されて水平に架設されている。シャッターカーテン1の上端部はこの巻取体4に連結され、シャッターカーテン1の上下方向の開閉移動は、巻取体4が正逆回転のうちの一方へ回転することによる巻取体4からのシャッターカーテン1の繰り出し、巻取体4が他方へ回転することによって行われる巻取体4へのシャッターカーテン1の巻き取りによりなされ、このシャッターカーテン1の開閉移動は、シャッターケース3の下面3Aに設けられているまぐさのスリットをシャッターカーテン1が挿通してなされる。
シャッターカーテン1は、閉じ側の先端部である下端部に設けられた水切である座板1Aと、この座板1Aの上部に多数連設されたスラット1Bとを含んで構成され、座板1Aがシャッターケース3の下面3Aのまぐさの高さ位置に達しているときに、シャッターカーテン1は全開位置となっており、座板1Aが出入口10の床10Aに達したときに、シャッターカーテン1は全閉位置となる。このため、これらの全開位置から全閉位置までの距離が、シャッターカーテン1の開閉移動距離Hである。そして、この距離Hが開口部となっている出入口10の高さとなっている。
そして、左右のガイドレール2におけるシャッターカーテン1とは反対側の面2Aに関する間隔が、左右のガイドレール間距離Wであり、この距離Wが出入り口10の間口となっている。このガイドレール間距離Wは、上記幅方向の両端部がこれらのガイドレール2の内部にスライド自在に挿入されているシャッターカーテン1の幅寸法W´よりも大きい。図1の軽量シャッター装置では、W及びW´よりもHが大きくなっている。
また、この軽量シャッター装置の座板1Aを除くシャッターカーテン1の全部は、スラット1Bによって形成されている。
シャッターカーテン1を構成している多数のスラット1Bのうち、シャッターカーテン1が全閉位置となったときに腰と同じ高さ程度にある所定のスラット1Bには、左右2個の手掛け部6が設けられ、シャッターカーテン1が全閉位置となっているときに、これら手掛け部6に手を掛けてシャッターカーテン1を持ち上げたり、座板1Aに操作棒の先端を係合してこの操作棒でシャッターカーテン1を上昇させることにより、シャッターカーテン1を、この上昇によって正逆回転のうちの前記他方への回転を行うことになる巻取体4に巻き取らせてシャッターカーテン1を全開位置まで開き移動させることができる。また、全開位置に達しているシャッターカーテン1の座板1Aに操作棒の先端を係止してこの操作棒でシャッターカーテン1を下降させたり、手掛け部6に手を掛けてシャッターカーテン1を押し下げることを行うことにより、シャッターカーテン1の自重を利用して、シャッターカーテン1を、正逆回転のうちの前記一方への回転を行うことになる巻取体4から繰り出させて全閉位置まで閉じ移動させることができる。
図2には巻取体4の構造が示されている。巻取体4は、少なくともシャッターカーテン1の巻き取り、繰り出し時に回転しない非回転軸となっている中心部の中心軸20と、シャッターカーテン1の上端部が連結され、中心軸20を中心に正逆回転自在であって、正逆回転のうちの一方への回転によってシャッターカーテン1を閉じ移動させるためにこのシャッターカーテン1を繰り出し、他方への回転によってシャッターカーテン1を開き移動させるためにこのシャッターカーテン1を巻き取るための回転体21とを含んで構成され、中心軸20は、軸方向両端部が図1で説明した左右のブラケット5で回転不能に支持されている。中心軸20の外周に配置されている回転体21は、中心部に中心軸20が貫通した複数個、図示例では、4個の回転構造物22と、中心軸20の軸方向に延びる長さを有し、中心軸20の軸方向に互いに離間して配置されたこれらの回転構造物22同士を連結する連結部材となっているバー状部材23とを含んで構成され、パイプやフラットバー等からなるバー状部材23は巻取体4の円周方向に複数本設けられている。
中心軸20に対してそれぞれが正逆回転自在となっている4個の回転構造物22の全部は同じ形状及び構造となっており、図3は、これらの回転構造物22のうちの1個を示す正断面図である。図4は、図3のS4−S4線断面図、図5は、図3のS5−S5線断面図である。図3で示されているとおり、回転構造物22は、中心軸20の軸方向の一方の端部が略閉鎖された端面部24Aとなっていて、他方の端部24Bが開口しているカップ状部材24と、このカップ状部材24の開口した端部24Bの側に配置されていて、この開口端部24Bを略閉鎖された端部とする端部部材となっているホイール部材25との組み合わせによる組合体となっている。カップ状部材24の内部空間Sに、本実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置により選定された戻しばねであって、一方の端部からから他方の端部に向かって内外径方向に渦巻き状に巻回して形成されたぜんまいばね26が収納配置され、ばね特性を有する板材からなるこのぜんまいばね26のそれぞれの巻き部は、中心軸20の軸方向の同じ位置又は略同じ位置に配置されている。
ぜんまいばね26は、図2で示されているとおり、全部の回転構造物22に設けられているとともに、これらのぜんまいばね26は、材質が同じであって、厚さや幅等の寸法も同じ又は略同じ、全長も同じ又は略同じとなっている板材を同じ方向へ同じ回数分だけ巻回することによって生産したものであるため、この実施形態で用いられている戻しばねは、1種類のばねとなっている。
図3で示されているように、ホイール部材25は、外周面を形成している環状フランジ部25Aと、この環状フランジ部25Aにおける中心軸20の軸方向の一方の端部に設けられた端面部25Bとを有する浅皿形状であり、この端面部25Bに、それぞれの回転構造物22同士を連結するための前記バー状部材23が挿通結合されている。また、ホイール部材25は、開口している中心軸20の軸方向の他方の端部25Cをカップ状部材24とは反対側に向け、端面部25Bをカップ状部材24の側に向けてこのカップ状部材24に結合されている。この結合は、板金プレス成形品であるカップ状部材24の胴部24Cの前記開口端部24B側の端部に形成されている突片24Dを、ホイール部材25の端面部25Bに形成された孔25Dに挿入した後、突片24Dを折り曲げることによってなされている(図4も参照)。
以上のことから、本実施形態では、ホイール部材の端面部25Bは、中心軸20の直径方向へ立ち上がった回転構造物22の立上り部となっており、カップ状部材の胴部24Cは、中心軸20の軸方向の幅を有する回転構造物22の筒部となっている。そして、ホイール部材25は、回転構造物22を形成する第1部材となっており、カップ状部材24は、回転構造物22を形成する第2部材となっている。また、このカップ状部材24は、ぜんまいばね26を収納するためのばね収納体となっている。
図3で示されているように、ホイール部材25はカップ状部材24よりも大きい外径を有し、この外径の部分を形成しているホイール部材25の環状フランジ部25Aは、図4で示されているように、中心軸20を中心とする真円状となっておらず、円周方向へ延びるにしたがい中心軸20からの距離が次第に変化する略渦巻き状の異形円となっている。このため、環状フランジ部25Aには、中心軸20の直径方向へ窪んだ段部25Eが形成され、それぞれの回転構造物22における段部25Eにおいて、シャッターカーテン1の上端部がボルト等による結合具でホイール部材25の環状フランジ部25Aの外面に結合されている。このため、それぞれの回転構造物22における環状フランジ部25Aは、シャッターカーテン1を巻き取り、繰り出すための巻取体4の回転体21における部分となっている。
このような環状フランジ部25Aを有しているホイール部材25は、上述のように開口端部25Cをカップ状部材24とは反対側に向けてカップ状部材24に連結されているため、上記のようにシャッターカーテン1の上端部を環状フランジ部25Aの外面に結合するための結合具が、環状フランジ部25Aの内面側へ突出する部分を有するボルト、ナット等であっても、この結合作業を、開口端部25Cから作業者が手や工具等を差し入れることによって容易に行える。
また、図2で示されているように、前記中心軸20の外周面におけるそれぞれの回転構造物22の配置位置と対応する位置には、巻芯部材27が配置されている。これらの巻芯部材27は、図3で示されているとおり、結合具28,29によって中心軸20に固定されているため、巻芯部材27は、中心軸20と同じく、回転しない非回転部材となっている。図4から分かるように、結合具28は、巻芯部材27に螺入されて先端が中心軸20に押圧固定されたボルトであり、また、図3で示されている結合具29は、巻芯部材27及び中心軸20を貫通するボルトと、巻芯部材27の反対側に突出したこのボルトの先端に螺合されたナットとからなる。
また、図4及び図5から分かるように、巻芯部材27は丸パイプ部材であり、この巻芯部材27には、図3で示されているように、カップ状部材24の配置位置と対応する位置において、軸方向の途中まで延びるスリット27Aが形成され、さらに、巻芯部材27の軸方向両端部には、切り倒し加工による受け片27Bが形成され、巻芯部材27の円周方向に等間隔で複数形成されているこれら受け片27Bにより、巻芯部材27は中心軸20と同軸的に配置され、言い換えると、巻芯部材27は、全周に亘って中心軸20から同じ又は略同じ大きさの隙間を開けて中心軸20上に配置されている。
図3に示されているように、カップ状部材24の前記端面部24Aと、ホイール部材25の前記端面部25Bには、中心軸20及び巻芯部材27が挿通された孔30,31が形成され、これらの孔30,31は僅かな隙間を開けて巻芯部材27が遊合した孔であるため、カップ状部材24の端面部24Aによる端部と、ホイール部材25の端面部25Bによる端部は、略閉鎖された端部となっている。このため、カップ状部材24の前記内部空間Sは、略密閉空間となっており、このように前記ぜんまいばね26が収納された内部空間Sが略密閉空間となっていることにより、ぜんまいばね26に空気中の水分等に起因する錆が発生しにくく、また、ぜんまいばね26は外部力から略遮断され、ぜんまいばね26を外部環境から保護することができる。
なお、ぜんまいばね26が収納されているこの内部空間Sを密閉性が一層向上した略密閉空間又は密閉空間とするために、カップ状部材24、ホイール部材25に取り付けられて巻芯部材27と回転自在に接触するシール部材により、孔30,31を塞いでもよい。
図3で示すように、ホイール部材25と巻芯部材27との間には軸受け35が配置され、この軸受け35により、ホイール部材25とカップ状部材24は巻芯部材27に対して回転自在となっている。軸受け35は、外輪部材35Aと、内輪部材35Bと、これらの外輪部材35Aと内輪部材35Bとの間において円周方向に複数個配設され、それぞれがリテーナ35Cで回転自在に保持されているボール35Dとを有するボール式軸受けであり、外輪部材35Aはリベット等の止着具36(図4参照)でホイール部材25の端面部25Bに止着されており、内輪部材35Bは、前述した結合具28によって巻芯部材27と共に中心軸20に結合されている。
図5で示すように、前記内部空間Sに配置されているぜんまいばね26の一方の端部である内端部26Aは折り曲げられることにより、巻芯部材27の被係止部であるスリット27Aに係止されている。また、ぜんまいばね26の他方の端部である外端部26Bは折り曲げられることにより、カップ状部材24の胴部24Cの被係止片24Eに係止されている。回転体21の円周方向へ延びる長さを有しているこの被係止片24Eは、胴部24Cに外径方向への膨出部24Fをプレス成形等で形成する際に、一部を膨出させずに切り残すことによって形成されたものである。
このようにぜんまいばね26の内端部26Aは、前記回転体21の中心に配置された中心軸20と結合されて非回転部材となっている巻芯部材27に連結され、外端部26Bは、中心軸20を中心に回転自在となっている前記回転構造物22の構成部材であるカップ状部材24に結合されている。また、ぜんまいばね26の巻回方向は、ホイール部材25の環状フランジ部25Aに巻き取られているシャッターカーテン1を繰り出す方向に前記回転体21が中心軸20を中心に回転(図5中、右回転)したときに、言い換えると、シャッターカーテン1を繰り出す方向に回転体21が中心軸20を中心に回転したときに、ぜんまいばね26が巻き締められる方向になっている。そして、ぜんまいばね26の内端部26A及び外端部26Bは、回転体21の円周方向に折り曲げられて巻芯部材27のスリット27A、カップ状部材24の胴部24Cの被係止片24Eに係止されているが、これらの内端部26A及び外端部26Bの折り曲げ方向は互いに反対側になっているとともに、これらの折り曲げ方向は、上述のようにホイール部材25の環状フランジ部25Aに巻き取られているシャッターカーテン1を繰り出す方向に回転体21が中心軸20を中心に回転したときに、内端部26A、外端部26Bがスリット27A、被係止部24Eから離脱せず、ぜんまいばね26を巻き締めることができる方向になっている。
このため、シャッターカーテン1が回転体21から繰り出されて閉じ移動すると、ぜんまいばね26には巻き締めによって戻しばね力が蓄圧されることになる。また、シャッターカーテン1を開き移動させてこのシャッターカーテン1を回転体21に巻き取らせるときには、この蓄圧された戻しばね力が回転体21の回転を補助するための補助力として、具体的には、巻取体4の回転体21の回転を補助するための補助力として利用される。これにより、前述した手掛け部6や操作棒を用いた手動操作によってシャッターカーテン1を上方へ開き移動させる際、この開き移動を軽く行うことができる。
図6には、ぜんまいばね26の巻き締め初期の状態が示され、図7には、巻き締め終期の状態が示されている。図6の巻き締め初期では、ぜんまいばね26の外層部は、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触している密巻き部26Cとなっていて、内層部は、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触していない粗巻き部26Dとなっており、図7の巻き締め終期では、ぜんまいばね26の外層部は、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触していない粗巻き部26Eとなっていて、内層部は、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触している密巻き部26Fとなっている。図6及び図7の密巻き部26C、26Fは、理解の便宜のため、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触していない状態で示されている。
ところで、前述のように、中心軸20に結合された巻芯部材27に内端部26Aが係止されてシャッターカーテン1の繰り出しによって巻き締めされるぜんまいばね26は、材料力学上、中心軸20側の一端が固定端となっていて他端が自由端となっている片持ち梁と同じであるとみなすことができる。この片持ち梁の弾性係数をE、断面係数をI、長さをLとし、片持ち梁に曲げモーメント(トルク)Tを作用させたときにこの片持ち梁の自由端にたわみ角度θ(ラジアン)が生じた場合には、材料力学上、T=EIθ/Lなる式が成立する。
そして、ぜんまいばね26の板幅寸法をb、板厚寸法をhとしたとき、ぜんまいばね26の断面係数Iは、I=bh3/12である。また、たわみ角度θはぜんまいばね26の巻回数Nに対応する値であり、巻回数が1回である場合のたわみ角度θは、θ=2πとなる。
このため、ぜんまいばね26の巻回数がNである場合には、上記T=EIθ/Lを、T=πEbh3N/6Lと書き換えることができる。この場合におけるTは、ぜんまいばね26の巻き締めによって生ずるこのぜんまいばね26の戻しばね力による巻回中心回り、すなわち、回転体21の中心軸20回りのトルクとなる。また、Lは、ぜんまいばね26のうちの巻回数が上記Nとなっている有効長、すなわち、巻回されている全長のうちの互いに内外に接触していない部分についての長さとなる。ぜんまいばね26の巻回されている全長のうちの互いに内外に接触している部分には、その接触によって本来のばね力が生じないからである。
ぜんまいばね26の巻き締め初期の状態を示している図6のときには、ぜんまいばね26の巻回されている大部分を占めている外層部は、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触している密巻き部26Cとなっているため、このときの上記有効長Lは短い。図6の状態からぜんまいばね26の巻き締めが始まると、上記巻回数Nが増加するとともに、密巻き部26Cから有効長Lとなる分が生じ、この有効長Lが次第に長くなるが、このときには、この有効長Lはまだ短いため、上記の式T=πEbh3N/6Lから分かるように、ぜんまいばね26の戻しばね力によるトルクTは、次第に小さくなる増加率で増加する。
この後、ぜんまいばね26がさらに巻き締められると、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触していた上記密巻き部26Cが次第に消滅するとともに、有効長Lはぜんまいばね26の全長と同じ又は略同じになって、上記巻回数Nだけが増加するため、ぜんまいばね26の戻しばね力によるトルクTの次第に小さくなる増加率は、ぜんまいばね26の巻き締めの進行に伴って一定値又は略一定値まで低下する。すなわち、トルクTは、ぜんまいばね26の巻き締めの進行に伴って直線的又は略直線的に増加するようになる。
この後、さらにぜんまいばね26が巻き締められると、図7の状態に近づくため、ぜんまいばね26の内層部には、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触した密巻き部26Fが生じ始め、この密巻き部26Fは、ぜんまいばね26の巻き締めが進行するに伴って増大するため、前記有効長Lは次第に短くなり、そして、前記巻回数Nは増加するため、ぜんまいばね26の戻しばね力によるトルクTは、上記の式T=πEbh3N/6Lから分かるように、次第に大きくなる増加率で増加し、ぜんまいばね26の巻き締め終期では、図7で示されているように、ぜんまいばね26の巻回されている大部分は、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触した密巻き部26Fとなっている。
図8は、横軸を、ぜんまいばね26を巻き締める回転体21の回転数とし、縦軸を回転体21の中心軸20回りのトルクとしたグラフである。この図8には、回転体21の回転数に対する全部のぜんまいばね26の合計トルクとして表された上記トルクTの変化を示すラインAが示されている。このラインAは、上述の説明から分かるように、図6で示された巻き締め初期を始点として、トルクTが、回転体21の回転数が増すと、次第に小さくなる増加率で増加する第1領域aと、この領域aに続いてトルクTの増加率が一定値又は略一定値となる第2領域bと、この領域bに続いてトルクTが次第に大きくなる増加率で増加する第3領域cとからなり、この領域cの終点が、図7で示されたぜんまいばね26の巻き締め終期となっている。
また、図8には、ぜんまいばね26の巻き締めに関する巻き締め初期範囲αと中間範囲βとの境界位置と一致しているシャッターカーテン1の全開位置と、中間範囲βと巻き締め終期範囲γとの境界位置と一致しているシャッターカーテン1の全閉位置とが示されている。これらの範囲α、β、γで分かるように、シャッターカーテン1の全開位置は、トルクTが次第に小さくなる増加率で増加する上記第1領域a内にあり、また、シャッターカーテン1の全閉位置は、トルクTの増加率が一定値又は略一定値となっている上記第2領域b内にある。
さらに、図8には、シャッターカーテン1を上向きに開き移動させようとしたときに必要となる回転体21の中心軸20回りのトルクBも示されている。このトルクBは、回転体21から繰り出されている図5で示すシャッターカーテン1の部分の自重(座板1Aの重量を含む)Fによる中心軸20回りの自重トルクと、シャッターカーテン1を上方へ開き移動させようとした際に、図1で示したガイドレール2とシャッターカーテン1との摩擦等に基づき生ずる下向きの抵抗力による中心軸20回りの抵抗トルクとの合計値である。シャッターカーテン1の自重Fによる自重トルクは、自重Fと、図5で示す中心軸20の中心部からこの自重Fが作用している位置までの水平距離、言い換えると、中心軸20の中心からのシャッターカーテン1の巻径Rとを積算した値となる。
また、図8には、シャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させようとする回転体21の中心軸20回りのトルクCも示されている。このトルクCは、回転体21から繰り出されているシャッターカーテン1の部分の自重Fによる中心軸20回りの自重トルクから、シャッターカーテン1が下向きに閉じ移動しようとしたときにガイドレール2とシャッターカーテン1との摩擦等に基づき生ずる上向きの抵抗力による中心軸20回りの抵抗トルクを差し引いた値となる。
トルクBとトルクCの両方における自重トルクは、上述のように、回転体21から繰り出されているシャッターカーテン1の部分の自重Fと、中心軸20の中心部からのシャッターカーテン1の巻径Rとの関数となっており、これらの自重Fと巻径Rのいずれも、回転体21からのシャッターカーテン1の繰り出し量(回転体21の回転数)と関係している。また、シャッターカーテン1を上向きに開き移動させようとしたときに生ずる上記抵抗トルクと、シャッターカーテン1を下向きに開き移動させようとしたときに生ずる上記抵抗トルクは、図1で示したシャッターカーテン1の上下開閉移動距離Hの全体に亘って一定値又は略一定値となっている。
そして、全開となっていたシャッターカーテン1が、回転体21が1回転等の所定角度の回転を行って繰り出されたときには、シャッターカーテン1が全開になっているときにおける巻径Rは大きいため、回転体21のこの所定角度の回転によって下方へ繰り出されるシャッターカーテン1の長さは、シャッターカーテン1が全開となっていないときから始まる回転体21の所定角度の回転の場合よりも長くなる。このため、シャッターカーテン1を全開から繰り出す回転体21の所定角度の回転によって上記巻径Rは減少するが、この巻径Rの減少よりも、シャッターカーテン1の下方への繰り出し長さはシャッターカーテン1の自重トルクの増大に貢献することになる。このため、シャッターカーテン1が全開から繰り出されたときには、シャッターカーテン1の自重トルクの増加率は大きい。
なお、シャッターカーテン1の巻径Rは、このシャッターカーテン1を構成している前記スラット1Bの厚さ等の関係により、実際には回転体21の回転数に対して滑らかに変化しないため、実際のトルクB,Cは図8で示されているようには滑らかなに変化せず、凹凸を生じながら全体として図8のトルクB,Cのように変化する。
本実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置により選定されたぜんまいばね26は、前述したように、蓄圧された戻しばね力によるトルクTが次第に小さくなる増加率で増加する領域aを有するばねとなっており、この領域a内に、回転体21の一方の回転によるシャッターカーテン1の繰り出しが始まる前のシャッターカーテン全開時があり、このシャッターカーテン全開時からのシャッターカーテン1の繰り出しに伴ってトルクTが増加するようになっているため、ぜんまいばね26のトルク特性は、シャッターカーテン1が全開から下方へ繰り出されるときのシャッターカーテン1の自重トルクの変化、言い換えると、前記抵抗トルクを含むラインB,Cで表された前記トルクの特性と適合しており、このため、シャッターカーテン1をぜんまいばね26の戻しばね力との関係によって円滑に上下に開閉移動させることができる。
シャッターカーテン1の全開からの繰り出しが進行すると、上記巻径Rは減少するため、シャッターカーテン1を下方へ繰り出すために回転体21が1回転等の前述した所定角度の回転を行ったときのシャッターカーテン1の繰り出し長さは次第に短くなる。このため、シャッターカーテン1の全開からの繰り出しが進行すると、シャッターカーテン1の自重トルクの増加率は一定値又は一定値に近似した値になり、自重トルクの増加率がこのような値になっているときに、本実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置に達するようになっている。
本実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置により選定されたぜんまいばね26は、前記領域aに続いて、トルクTの増加率が一定値又は略一定値となっている前記領域bを有しており、この領域bにおいて、シャッターカーテン1は全閉となるため、シャッターカーテン1の全開からの繰り出しが進行し、シャッターカーテン1が全閉となるまでについても、ぜんまいばね26のトルク特性は、シャッターカーテン1の自重トルクの変化、言い換えると、前記抵抗トルクを含むラインB,Cで表された前記トルクの特性と適合している。
図8には、ラインA1、A2が示され、これらのラインA1、A2は、ラインAで示されたぜんまいばね26の理論上の前記トルクTに対して、ぜんまいばね26の現実の材料や巻き込み状態等に基づいて発生するヒステリシスが考慮されたぜんまいばね26のトルクを示しており、ラインA1は、ぜんまいばね26が巻き締められながらシャッターカーテン1が全開位置から全閉位置に達する場合であり、ラインA2は、その反対の場合である。
そして、図8で示されているように、シャッターカーテン1の上下開閉移動距離Hの全体について、ラインA1、A2で示されているトルクよりもラインBで示されたトルクが大きくなっていて、ラインA1、A2で示されているトルクよりもラインCで示されたトルクが小さくなっていることにより、シャッターカーテン1に開き移動操作力や閉じ移動操作力を作用させない状態でシャッターカーテン1を上下開閉移動距離Hの任意な位置に停止させることができ、また、シャッターカーテン1を開き移動させるためには、ラインA1、A2で示されているトルクとラインBで示されたトルクとの差に相当する操作力をシャッターカーテン1に作用させればよくなり、シャッターカーテン1を閉じ移動させるためには、ラインA1、A2で示されているトルクとラインCで示されたトルクとの差に相当する操作力をシャッターカーテン1に作用させればよくなる。
なお、上記操作力は手操作によるものであるが、本実施形態は、この操作力を電動モータ等の駆動装置によるものとした場合にも適用でき、このように上記操作力を電動モータ等の駆動装置によるものとした場合には、この駆動装置の小さな駆動力によってシャッターカーテンを開閉移動させることができる。
なお、図8において、シャッターカーテン1が全開位置に達しているときに、シャッターカーテン1に予定外の下向きの外部力が作用してもシャッターカーテンが下向きに閉じ移動しないようにするため、回転体21に、この回転体21の回転を阻止する手動式のブレーキ装置を設けたり、前記まぐさ等の配置箇所に、座板等のシャッターカーテン構成部材に係脱自在に係合する係合部材を備えた手動式のストップ装置を設けたりし、シャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させる際には、手動操作によってこれらのブレーキ装置やストップ装置を解除できるようにしてもよい。
そして、これらのトルク特性を有するぜんまいばね26を図1の上下開閉移動距離Hで使用できるようにするためには、シャッターカーテン1の全開時、全閉時等におけるぜんまいばね26の巻き締め状態が図8のトルク特性を実現できるものとなっていなければならず、これを実現できる作業を、ぜんまいばね26について実施しなければならない。この作業は、以下のように行う。
それぞれの回転構造物22の巻芯部材27を図3で示した前記結合具28,29で中心軸20に結合する前に、これらの回転構造物22と前記バー状部材23とで形成された回転体21の回転を図示しない拘束具等で止めながら、図3で示す工具40によってそれぞれの巻芯部材27を中心軸20に対して回転させ、これにより、カップ状部材24の内部空間Sに収納されているそれぞれのぜんまいばね26を巻き締める。工具40は、巻芯部材27の軸方向端部に前記受け片27Bを切り倒し加工によって形成した際に生ずる切り欠き部41に係合する突起を備えているものであり、工具40を回転操作すると、突起からの回転力によって巻芯部材27は中心軸20を中心に回転する。このような回転操作によってそれぞれのぜんまいばね26は巻き締められ、これらのぜんまいばね26の巻き締めは、言い換えると、これらのぜんまいばね26に戻しばね力を蓄圧する作業は、図8で示されているシャッターカーテン1の全閉時における全部のぜんまいばね26の戻しばね力による回転体21の中心軸20回りのトルクと同じ大きさのトルクがこれらのぜんまいばね26によって生ずるまで行う。
この後、それぞれの回転構造物22における巻芯部材27を前記結合具28,29で中心軸20に結合するとともに、前記軸受け35の外輪部材35Aに形成されている孔42、内輪部材35Bに形成されている孔43、巻芯部材27に形成されている孔44、さらに中心軸20に形成されている孔にボルトを挿通し、反対側まで貫通させたこのボルトの端部にナットを螺合する。これにより、これらのボルトとナットによる結合具によって巻芯部材27と回転構造物22は中心軸20に固定される。
なお、内輪部材35Bと巻芯部材27の孔43,44は円周方向に複数形成されており、このため、ぜんまいばね26の戻しばね力が所定値となったときにぜんまいばね26の巻き締め作業を終了させても、その戻しばね力又はその戻しばね力に近い戻しばね力を維持した状態で、上記ボルトとナットによる結合具により、巻芯部材27と回転構造物22を中心軸20に固定することができる。また、上記結合具29のボルトを挿通するための巻芯部材27の孔も円周方向に複数形成されている。
次いで、予め座板1Aを取り外したシャッターカーテン1を、図1で示されているシャッターケース3の下面3Aのまぐさに形成されているスリットに上方から吊り落としながら挿入する作業を行い、まぐさの下方に突出したシャッターカーテン1の幅方向両端部を左右のガイドレール2の内部に挿入した後、座板1Aの取り付けを行い、さらにシャッターカーテン1を全閉位置まで降ろす。この後、シャッターカーテン1の上端部を、前述したように、それぞれの回転構造物22のホイール部材25の環状フランジ部25Aに結合する作業を行う。そして、軸受け35の外輪部材35Aの孔42、内輪部材35Bの孔43、巻芯部材27の孔44、さらに中心軸20の孔に挿通されていた前記ボルトから前記ナットを取り外してこのボルトを引き抜く作業を行い、結合具28,29はそのまま残す。
これにより、ぜんまいばね26に蓄圧されていた戻しばね力は解放可能状態となり、それぞれの回転構造物22とバー状部材23からなる回転体21は中心軸20を中心に回転自在となるため、シャッターカーテン1に小さな押し上げ力を与えることにより、回転体21は、ぜんまいばね26の既に蓄圧されていた戻しばね力を回転付勢力として利用しながらシャッターカーテン1を巻き取って開き移動させる回転を行い、シャッターカーテン1は全開位置に達する。
これにより、シャッターカーテン1の全開時、全閉時等における全部のぜんまいばね26の巻き締め状態は、図8のトルク特性を実現できるものとなる。
以上説明した実施形態によると、ぜんまいばね26は、シャッターカーテン1の回転体からの繰り出しによって蓄圧される戻しばね力によるトルクTが次第に小さくなる増加率で増加する領域aを有するばねとなっており、この領域内aに、回転体21の一方の回転によるシャッターカーテン1の繰り出しが始まる前の全開時があり、この全開時からのシャッターカーテン1の繰り出しに伴ってトルクTが増加するようになっているため、シャッターカーテン1が全開から下方へ繰り出されるときのシャッターカーテン1の自重トルクの変化と適合したトルク特性を有するぜんまいばね26を用いて、シャッター装置を構成することができる。
ぜんまいばね26は、シャッターカーテンの繰り出しの進行に伴って前記トルクTの増加率が一定値又は略一定値となる領域bを有するばねとなっており、この領域b内にシャッターカーテン1の全閉時があるため、シャッターカーテン1の全開から全閉までの全範囲に亘るシャッターカーテン1の自重トルクの変化と適合したトルク特性を有するぜんまいばね26を用いて、シャッター装置を構成することができる。
また、以上説明した実施形態において、図3で説明したように、回転体21を形成する部材となっているそれぞれの回転構造物22において、ホイール部材25の端面部25Bは、中心軸20の直径方向へ立ち上がった立上り部となっており、また、カップ状部材24の胴部24Cは、中心軸20の軸方向への幅を有する筒部となっており、それぞれの回転構造物22は、このような立上り部25Bと筒部24Cとを有する形状、構造となっている。そして、ぜんまいばね26の折り曲げられた外端部26Bは、図5で説明したように、筒部24Cに形成されている被係止部24Eに係止されており、前述したように、この外端部26Bの折り曲げ方向と、巻芯部材27にスリット27Aに係止されているぜんまいばね26の内端部26Aの折り曲げ方向は、互いに回転体21の円周方向の反対側となっている。これにより、ホイール部材25の環状フランジ部25Aに巻き取られているシャッターカーテン1を繰り出す方向に回転体21が中心軸20を中心に回転したときに、ぜんまいばね26を、内端部26Aと外端部26Bがスリット27A、被係止部24Eから外れることなく、巻き締めることができる。
ところで、それぞれの回転構造物22のなかに、立上り部25Bに対する筒部24Cの位置が互いに中心軸20の軸方向の反対側となっている2種類の回転構造物を設けた場合には、これらの回転構造物のうちの一つとして、図3で示された回転構造物22をそのまま用いることができても、他の回転構造物として、図3で示された回転構造物22を、中心軸20の軸方向の向きを反転させてそのまま用いることはできない。なぜなら、中心軸20の軸方向の向きを反転させた回転構造物22については、ぜんまいばね26の外端部26Bを係止するための被係止部24Eの向きが図5の向きとは反対側となってしまい、外端部26Bを被係止部24Eに係止することはできず、ぜんまいばね26を巻き締めることができないからである。
このため、これまで説明した実施形態では、図2で示されているように、それぞれの回転構造物22を、筒部24Cが立上り部25Bに対して中心軸20の軸方向の同じ側となるように配置している。これにより、全部の回転構造物22の形状、構造を同じにでき、これらの回転構造物22を共通化できることにより、回転体21全体の製造コストの低減や、これらの回転構造物22を中心軸20に配置する際の作業の容易化を達成することができる。
また、本実施形態によると、それぞれの回転構造物22に設けるぜんまいばね26は、巻回方向が同じになっているぜんまいばねでよく、したがって、全部のぜんまいばね26を共通化することもできる。
また、これまで説明した実施形態では、ぜんまいばね26の内端部26Aは中心軸20に係止されておらず、この内端部26Aは、それぞれの回転構造物22ごとに用意された巻芯部材27に係止されているため、1個のぜんまいばね26について、回転構造物22とぜんまいばね26と巻芯部材27とからなるぜんまいばねユニットを形成することができ、複数個のぜんまいばねユニットを中心軸20に配置するだけでそれぞれのぜんまいばね26が中心軸20に配置されたことになり、また、それぞれのぜんまいばねユニットを前述したバー状部材23で連結することにより、前述した回転体21を形成することができ、これらの作業を容易に行える。
さらに、これまで説明した実施形態では、それぞれの回転構造物22は一つの部材によって形成されておらず、立上り部25Bを備える第1部材となっているホイール部材25と、筒部24Cを備える第2部材となっているカップ状部材24とを結合することによって形成されているため、被係止部24Eを有する回転構造物22をプレス加工等によって容易に製造することができる。
また、これまで説明した実施形態におけるぜんまいばね26は、中心軸20の軸方向の同じ位置又は略同じ位置で一方の端部から他方の端部へ渦巻き状に巻回している渦巻きばねであるため、中心軸20の軸方向の幅寸法は小さく、このため、巻取体4の全体の軸長を短くすることができる。また、ぜんまいばね26は、厚さが小さい板材を渦巻き状に巻回したものであるため、ぜんまいばね26を直径方向の寸法が小さい前記空間Sに収納配置することができ、これにより、巻取体4の全体の直径寸法も小さくできる。
以上説明した実施形態は、ぜんまいばね26が回転体21の軸方向に複数個配置されたものであったが、図1で示した左右のガイドレール間距離Wが小さい軽量シャッター装置については、ぜんまいばね26の個数を1個、すなわち、ぜんまいばね26が内部に収納配置される前記カップ状部材24とホイール部材25で構成される前記回転構造物22の個数を1個としてもよい。この場合における巻取体4の回転体21は、この回転構造物22のホイール部材25と、このホイール部材25から中心軸20の軸方向に離れて配置され、中心軸20の外周に軸受けで回転自在に配置された別のホイール部材とをバー部材等による連結部材で連結することによって形成されることになる。
次に、本発明の一実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置について説明する。図9は、本実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置100の構成図である。図9に示すように、このばね選定装置100は、入力手段110と、格納手段120と、選定手段130と、出力手段140とを含んで構成されている。
入力手段110は、ぜんまいばねを選定するためのシャッター装置の仕様情報を含む選定条件を入力するものであり、入力部111と、通信部112とを含んで構成されている。入力部111は、キーボード、マウス等の入力装置で構成され、ばね選定作業者はこれらの装置を操作して選定条件を入力する。通信部112は、外部装置114から通信手段113(有線あるいは無線の電話回線(公衆回線でもよく、専用回線でもよい)や、有線あるいは無線のLANや、これらを複合したネットワーク等)を介して送信された選定条件を受信するためのものであり、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、ルータ、ブリッジ、HUB等(通信手段により異なる)の通信装置で構成されている。なお、通信部112は、ぜんまいばねの選定条件の他、このばね選定装置100を外部装置114から遠隔操作するための制御データも受信することができる。
格納手段120は、複数のシャッター装置の仕様情報が格納されたシャッター装置仕様DB(データベース)121と、複数のぜんまいばねの仕様情報が格納されたぜんまいばね仕様DB(データベース)122とを含んで構成されている。
なお、シャッター装置仕様DB121には、複数のシャッター装置の仕様情報として、少なくともシャッターカーテン本体の仕様情報が、後述するぜんまいばねの選定条件の1つであるシャッターカーテン本体のタイプ別、メーカー別、型式別に格納されている。
例えば、「シャッターカーテン本体のタイプ」が「スラット」である場合の仕様情報として、「シャッターカーテン本体のタイプ」、「メーカー名」、「型式」、「材質」、「板厚寸法」(単位:mm)、「ピッチ(シャッターカーテンの開閉移動方向である上下方向の長さ寸法)」(単位:mm)、「1個のスラットの単位長さ当たりの重量」(単位:N/m)、「1個のスラットの単位面積当たりの重量」(単位:N/m2)等がシャッター装置仕様DB121に格納されている。
また、「シャッターカーテン本体のタイプ」が「グリル」である場合の仕様情報として、「シャッターカーテン本体のタイプ」、「メーカー」、「型式」、「材質」、「パイプの外径寸法」(単位:mm)、「ピッチ」(単位:mm)、「1個のパイプ(リンクを含む)の単位長さ当たりの重量」(単位:N/m)、「1個のパイプ(リンクを含む)の単位面積当たりの重量」(単位:N/m2)等の情報がシャッター装置仕様DB121に格納されている。
さらに、「シャッターカーテン本体のタイプ」が「シート」である場合の仕様情報として、「シャッターカーテン本体のタイプ」、「メーカー」、「型式」、「材質」、「シート厚寸法」(単位:mm)、「単位面積当たりの重量」(単位:N/m2)等の情報がシャッター装置仕様DB121に格納されている。
また、格納手段120のぜんまいばね仕様DB122には、ぜんまいばねの仕様情報が、メーカー別、型式別に格納されており、具体的には、「メーカー」、「型式」、「材質」、「弾性係数」(単位:N/m2)、「板厚寸法」(単位:mm)、「幅寸法」(単位:mm)、「巻径」(単位:mm)、巻回数等の情報が格納されている。
なお、シャッター装置仕様DB121及びぜんまいばね仕様DB122の最新の仕様情報は、図示しない外部のマスターDBに格納されており、この外部のマスターDBに格納されている最新の仕様情報が前記通信手段113を介して前記通信部112で随時又は定期的に受信されることにより、シャッター装置仕様DB121及びぜんまいばね仕様DB122の仕様情報は最新の状態に更新されるようになっている。
選定手段130は、演算処理装置であるMPU131と、内部記憶装置であるRAM132及びROM133と、ぜんまいばねを選定するためにMPU131により実行される処理プログラムとなっているぜんまいばね選定部134とを含んで構成されている。このぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定表作成部135と、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136と、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137とを備えており、これらの処理プログラムは、ROM133や、外部記憶装置であるハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RW、DVD−RAM、フラッシュメモリー(SDカード、CFカード等)等に予め記憶されている。
ぜんまいばね選定表作成部135は、入力手段110に入力された選定条件や、ぜんまいばね選定部134により選定されたぜんまいばねの仕様情報等が表示されるぜんまいばね選定表を作成するものである。
また、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136は、ぜんまいばね選定部134により選定されたぜんまいばねに蓄圧された戻しばね力による回転体21の中心軸回りのトルクと、シャッターカーテンの開閉時におけるこのシャッターカーテンの自重による回転体の中心軸回りの自重トルクをシミュレーションし、これらのトルクの変化をグラフ化したぜんまいばねトルク特性図を作成するものである。
さらに、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、ぜんまいばね選定部134により選定されたぜんまいばねの回転体21内(具体的には、回転体21を構成する回転構造物22のカップ状部材24内)での収納状態をシミュレーションし、この収納状態を図式化したぜんまいばね収納状態図を作成するものである。
出力手段140は、入力手段110に入力されたぜんまいばねの選定条件、ぜんまいばね選定部134により選定されたぜんまいばねの仕様情報、ぜんまいばね選定表作成部135により作成されたぜんまいばね選定表、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136により作成されたぜんまいばねトルク特性図、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137により作成されたぜんまいばね収納状態等を出力するものであり、表示部141と、印刷部142と、記憶部143と、通信部144とを含んで構成されている。
表示部141は、入力手段110に入力されたぜんまいばねの選定条件、ぜんまいばね選定部134により選定されたぜんまいばねの仕様情報、前記ぜんまいばね選定表、前記ぜんまいばねトルク特性図、前記ぜんまいばね収納状態図等を画面表示するためのものであり、CRTディスプレイやTFT液晶ディスプレイ等の表示装置で構成されている。
印刷部142は、前記ぜんまいばね選定表、前記ぜんまいばねトルク特性図、前記ぜんまいばね収納状態図等を印刷するためのものであり、レーザープリンター、インクジェットプリンター、プロッタ等の印刷装置で構成されている。
記憶部143は、入力手段110に入力されたぜんまいばねの選定条件、及びぜんまいばね選定部134により選定されたぜんまいばねの仕様情報(以下「ばね選定データ」という)を記憶するためのものであり、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RW、DVD−RAM、フラッシュメモリー(SDカード、CFカード等)等の外部記憶装置で構成されている。具体的には、図9に示す記憶部143のぜんまいばね選定DB147に前記ばね選定データが記憶される。なお、前記ぜんまいばね選定表、前記ぜんまいばねトルク特性図、前記ぜんまいばね収納状態図についても、数値データ化したもの及び/又はイメージデータ化したものをぜんまいばね選定DB147に記憶するようにしてもよい。
通信部144は、前記ばね選定データを、通信手段145を介して外部装置146へ送信するためのものであり、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、ルータ、ブリッジ、HUB等(通信手段により異なる)で構成されている。なお、前記ぜんまいばね選定表、前記ぜんまいばねトルク特性図、前記ぜんまいばね収納状態図についても、数値データ化したもの及び/又はイメージデータ化したものを、通信手段145を介して外部装置146へ送信するようにしてもよい。
なお、通信手段113を介して入力手段110の通信部112が接続する外部装置114と、通信手段145を介して出力手段140の通信部144が接続する外部装置146とは、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。また、通信手段113と通信手段145とは同じ種類の回線であってもよく、異なる種類の回線であってもよい。
次に、ぜんまいばね選定装置100が有する機能について図10〜図20により詳細に説明する。ぜんまいばね選定装置100が起動すると、ぜんまいばねを選定するための処理プログラムであるぜんまいばね選定部134がRAM132に読み込まれ、MPU131により実行される。
まず、ぜんまいばね選定部134は、図10に示すぜんまいばね選定処理メニュー画面200を表示部141に出力し、ばね選定作業者に処理区分(新規/修正/削除)の選択(ラジオボタンによる選択)をさせる。ぜんまいばねの選定処理(ばね選定データの登録処理を含む)を新規に行う場合には「新規」を選択させ、記憶部143のぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データを修正する場合には「修正」を選択させ、ぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データを削除する場合には「削除」を選択させる。
ばね選定作業者による処理区分の選択がされた状態で、メニュー画面200の下部に配置されている確定ボタン201が押下されると、ぜんまいばね選定部134は、処理区分に応じた処理を実行する。一方、終了ボタン202が押下されると、ぜんまいばね選定部134により処理は終了する。
図11には、図10のメニュー画面200において処理区分に「新規」が選択され、確定ボタン201が押下された場合に表示されるぜんまいばね選定条件新規入力画面210が示されている。この新規入力画面210で、ばね選定作業者に対してぜんまいばねの選定に必要な条件を入力させる。なお、この新規入力画面210において、四角い枠で囲まれた空白の部分はデータが入出力されるフィールドであり、下線のみの部分はデータが出力(言い換えると、表示)されるのみで入力ができないフィールドである(以下に説明する画面においても同様)。
次に、この新規入力画面210において選択又は入力されるデータ項目について上から順に説明する。
まず、選定しようとするぜんまいばねが設けられるシャッター装置の基本仕様情報(新規入力画面210の上部に表示されている見出し[シャッター装置の仕様]の下部の5項目)として「シャッターカーテンのタイプ」(スラット/グリル/シート)と、「駆動方式」(電動式/手動式)と、「シャッターカーテンの巻方向」(内巻/外巻)をラジオボタンで選択させ、次に「左右のガイドレール間距離W」(言い換えると、シャッターカーテンにより仕切られる開口部や空間の左右寸法である間口)(単位:m)と、「シャッターカーテンの開閉移動距離H」(言い換えると、シャッターカーテンにより仕切られる開口部や空間の上下寸法である高さ)(単位:m)を入力させる。
次に、シャッター装置の構成部材である巻取体の仕様情報(見出し<巻取体の仕様>の下部の6項目)として「ホイール部材の直径寸法Dw」(単位:mm)と、「バー状部材の直径寸法Db」(単位:mm)と、「巻芯部材の外径寸法Ds」(単位:mm)と、「カップ状部材の内径寸法Dc」(単位:mm)と、「カップ状部材の幅寸法Wc」(単位:mm)と、「中心軸の長さ寸法Ls」(単位:m)を入力させる。
続いて、シャッターカーテン本体の構成部材の仕様情報(見出し<スラットの仕様>の下部の7項目)として、「メーカー名」(文字列データ)、「型式」(文字列データ)、「板厚寸法t」(単位:mm)、「幅寸法W´」(単位:m)、「1個のスラットの単位長さ当たりの重量f2」(単位:N/m)、シャッターカーテン全閉時における「回転体から繰り出されたスラットの個数Ns」(単位:個)、シャッターカーテン全閉時における「中心軸からのカーテンの巻径R」(単位:m)を入力させる。
なお、図11で示されている新規入力画面210は、「シャッターカーテン本体のタイプ」の選択で「スラット」を選択した場合に表示される画面であり、このため、画面の中段には、見出し<スラットの仕様>が表示され、この見出しの下部にスラットの仕様データ項目名、入出力フィールドが表示されるようになっている。
一方、「シャッターカーテン本体のタイプ」に「グリル」(リンクで連結された複数のパイプ)が選択された場合には、図11には、見出し<スラットの仕様>の代わりに見出し<グリルの仕様>が表示され、この見出し<グリルの仕様>の下部には、グリルの仕様データ項目として「メーカー」(文字列データ)、「型式」(文字列データ)、「1個のパイプ(リンクを含む)の単位長さ当たりの重量f2」(単位:N/m)、シャッターカーテン全閉時における「回転体から繰り出されたパイプの個数Np」(単位:個)、シャッターカーテン全閉時における「中心軸からのカーテンの巻径R」(単位:m)が表示され、これらの情報を入力させるようになっている。
また、「シャッターカーテン本体のタイプ」に「シート」が選択された場合には、図11には、見出し<スラットの仕様>の代わりに見出し<シートの仕様>が表示され、この見出し<シートの仕様>の下部には、シートの仕様データ項目として「メーカー」(文字列)、「型式」(文字列)、「シートの単位面積当たりの重量f2」(単位:N/m2)、シャッターカーテン全閉時における「回転体から繰り出されたシートの総面積As」(単位:m2)、シャッターカーテン全閉時における「中心軸からのカーテンの巻径R」(単位:m)が表示され、これらの情報を入力させるようになっている。
なお、<スラットの仕様>のデータ項目のうちの「回転体から繰り出されたカーテンの自重F」は、ぜんまいばね選定部134により算出された結果が表示される項目である。
この後、シャッターカーテンの閉じ移動方向の先端部材の仕様情報(見出し<水切(座板)の仕様>の下部の1項目)として、「単位長さ当たりの重量f1」(単位:N/m)を入力させる。なお、先端部材が取り付けられない場合には、このデータ項目の入力は不要である。
なお、新規入力画面210において、<スラットの仕様>の「メーカー」の入出力フィールドの右側に配置されている検索ボタン216が押下されると、ぜんまいばね選定部134は、シャッター装置仕様DB121に登録されているスラットのメーカーの一覧を図示しない別ウィンドウに表示するようになっている。このスラットのメーカーの一覧情報は、シャッター装置仕様DB121に登録されているシャッターカーテン本体の仕様情報のうち、データ項目「シャッターカーテン本体のタイプ」がこの新規入力画面210で既に選択された「シャッターカーテン本体のタイプ」と一致するレコードを抽出することにより作成することができる。ばね選定作業者がこの別ウィンドウに表示されているスラットのメーカーを選択すると、選択されたメーカーが<スラットの仕様>の「メーカー」の入出力フィールドに表示される。
この後、新規入力画面210の<スラットの仕様>の「型式」の入出力フィールドの右側に配置されている検索ボタン217が押下されると、ぜんまいばね選定部134は、既に<スラットの仕様>の「メーカー」で選択又は入力されたメーカーのスラットの型式の一覧を図示しない別ウィンドウに表示するようになっている。このスラットの型式の一覧情報は、シャッター装置仕様DB121に登録されているシャッターカーテン本体の仕様情報のうち、データ項目「シャッターカーテン本体のタイプ」がこの新規入力画面210で既に選択された「シャッターカーテン本体のタイプ」と一致し、かつ、データ項目「メーカー」がこの新規入力画面210で既に選択又は入力された「メーカー」と一致するレコードを抽出することにより作成することができる。なお、この別ウィンドウには、スラットの型式の他に、「板厚寸法」や「1個のスラットの単位長さ当たりの重量」等の情報も表示される。
ばね選定作業者がこの別ウィンドウで好適と思われるスラットの型式を選択すると、選択された型式が<スラットの仕様>の「型式」の入出力フィールドに表示されるとともに、選択された型式の板厚寸法が<スラットの仕様>の「板厚寸法t」の入出力フィールドに表示され、また、選択された型式の1個のスラットの単位長さ当たりの重量が<スラットの仕様>の「1個のスラットの単位長さ当たりの重量f2」の入出力フィールドに表示される。
なお、前述した<スラットの仕様>の「メーカー」が選択又は入力されていない場合には、検索ボタン217を押下しても検索処理は行われないようになっている。
なお、本実施形態では、検索ボタン216の押下によるメーカーの検索が行われなかった場合には、<スラットの仕様>の「メーカー」、「型式」、「板厚寸法t」、「1個当たりのスラットの単位長さ当たりの重量f2」の入力は手入力により行うことになる。
以上説明したシャッター装置の仕様情報の選択、入力が完了した後は、このシャッター装置の仕様情報に適合する仮のぜんまいばねの仕様情報を決定していく。
図11の新規入力画面210の下部に示されているように、これから仮に決定するぜんまいばねの仕様情報(見出し[ぜんまいばねの仕様]の下部の9項目)には、「メーカー」、「型式」、「個数」(単位:個)、「弾性係数E」(単位:N/m2)、「板厚寸法h」(単位:mm)、「板幅寸法b」(単位:mm)、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの「有効長L」(単位:m)、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの「巻回数N」(単位:回)、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまい「ばねの接触部分の半径方向の厚さ寸法h´」(単位:mm)がある。
まず、この新規入力画面210において、[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」の入出力フィールドの右側に配置されている検索ボタン218が押下されると、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね仕様DB122に登録されているぜんまいばねのメーカーの一覧を図示しない別ウィンドウに表示するようになっている。ばね選定作業者がこの別ウィンドウに表示されているぜんまいばねのメーカーを選択すると、選択されたメーカーが[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」の入出力フィールドに表示される。
次に、この新規入力画面210の[ぜんまいばねの仕様]の「型式」の入出力フィールドの右側に配置されている検索ボタン219が押下されると、ぜんまいばね選定部134は、既に[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」で選択されたメーカーのぜんまいばねのうち、この新規入力画面210の[シャッター装置の仕様]で選択、入力された情報で決定されるシャッター装置において典型的に使用されるぜんまいばねの型式の一覧を図示しない別ウィンドウに表示するようになっている。なお、この別ウィンドウには、ぜんまいばねの型式の他に、「弾性係数」や「板厚寸法」等の情報も表示される。
ばね選定作業者がこの別ウィンドウで好適と思われるぜんまいばねの型式を選択すると、選択された型式が<ぜんまいばねの仕様>の「型式」の入出力フィールドに表示されるとともに、選択された型式の弾性係数が<ぜんまいばねの仕様>の「弾性係数E」の入出力フィールドに表示され、また、選択された型式の板厚寸法が<ぜんまいばねの仕様>の「板厚寸法h」の入出力フィールドに表示される。
なお、格納手段120のぜんまいばね仕様DB122に登録されているぜんまいばねの仕様情報のうち、データ項目「型式」は、新規入力画面210の[シャッター装置の仕様]で選択、入力された情報(「シャッターカーテン本体のタイプ」、「駆動方式」、「シャッターカーテンの巻方向」、「スラットの型式」等)と関連付けされている。このため、ぜんまいばね選定部134は、[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」で選択されたメーカーのぜんまいばねのうち、新規入力画面210の[シャッター装置の仕様]で選択、入力された上記の情報で決定されるシャッター装置において典型的に使用されるぜんまいばねの型式の一覧情報を作成できるようになっている。
なお、前述した[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」が選択又は入力されていない場合には、検索ボタン219を押下しても検索処理は行われないようになっている。
なお、本実施形態では、検索ボタン218の押下によるメーカーの検索が行われなかった場合には、[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」、「型式」、「弾性係数E」、「板厚寸法h」の入力は手入力により行うことになる。
以上で、新規入力画面210の[ぜんまいばねの仕様]のデータ項目のうち、「メーカー」、「型式」、「弾性係数E」、「板厚寸法h」(単位:mm)の入力が完了するので、次に、残りのデータ項目である「個数」、「板幅寸法b」、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの「有効長L」、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの「巻回数N」、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまい「ばねの接触部分の半径方向の厚さ寸法h´」の入力をさせる。なお、シャッター装置に設けるぜんまいばねの「個数」の入出力フィールドには、新規入力画面210が表示されたときに、デフォルト値として「1」が表示されるので、必要に応じてこの数値を変更することになる。
新規入力画面210の下部には、「ぜんまいばねの戻しばね力による中心軸回りのトルクT」(正確には「シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルクT」)と、「カーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´」(正確には、「シャッターカーテン全閉時におけるシャッターカーテンの自重Fによる回転体の中心軸回りのトルクT´」)の表示フィールドが配置されており、ぜんまいばね選定部134は、これらのトルクの算出に関係するデータ項目が新しく入力され、又は変更されるたびに、これらのトルクの計算を実行し、その計算結果を前記表示フィールドに表示するようになっている。
ここで、ぜんまいばねの戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルクTは、前述したように、T=πEbh3N/6Lの関係式から算出でき、ぜんまいばね選定部134は、この関係式により、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルクを算出するようになっている。
例えば、新規入力画面210のデータ項目のうち、ぜんまいばねの「弾性係数E」を2.06×1011(N/m2)とし、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの「有効長L」を4(m)とし、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの「巻回数N」を10(回)とし、ぜんまいばねの「板厚寸法h」を0.8(mm)とし、ぜんまいばねの「板幅寸法b」を0.36(m)とした場合には、「シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルクT」(単位:N・m)は、
T=πEbh3N/6L=3.14×2.06×1011(N/m2)×3.6×10−1(m)×(8×10−4)3(m)×10(回)/6×4(m)=約5.00×10(N・m)
となる。
なお、上記のトルクTは、ぜんまいばねの個数を1個とした場合の数値であるので、使用するぜんまいばねの個数を4個とする場合には、各ぜんまいばねの「板幅寸法b」は、
b=0.36(m)/4=0.09(m)
となる。すなわち、「板幅寸法b」が0.09(m)である4個のぜんまいばねがシャッター装置に設けられることになる。
一方、「シャッターカーテン全閉時におけるシャッターカーテンの自重Fによる回転体の中心軸回りのトルクT´」(単位:N・m)を算出すると、「シャッターカーテンの開閉移動距離H」を4(m)とし、「シャッターカーテン全閉時における回転体から繰り出されて吊り下げ状態となっているスラットの個数Ns」を69(個)とし、水切(座板)のW方向の「単位長さ当たりの重量f1」を1.69×10(N/m)とし、「1個のスラットについてのW方向の単位長さ当たりの重量f2」を4.68(N/m)とすると、「シャッターカーテンの全閉時における回転体から繰り出されているシャッターカーテンの上記W方向の単位長さ(m)当たりの自重f」(単位:N/m)は、
f=f1+f2×69(個)=1.69×10(N/m)+4.68(N/m)×69(個)=3.40×102(N/m)
となる。
そして、「左右のガイドレール間距離W」を1(m)とし、「シャッターカーテンの幅寸法W´」をWよりも0.02(m)短い0.98(m)とすると、「シャッターカーテン全閉時における回転体から繰り出されたシャッターカーテンの自重F」(単位:N)は、
F=3.40×102(N/m)×0.98(m)=3.33×102(N)
となる。
そして、「シャッターカーテン全閉時における中心軸からのシャッターカーテンの巻径R」(図5参照)を0.15mとすると、「シャッターカーテン全閉時におけるシャッターカーテンの自重Fによる巻取体の中心軸回りのトルクT´」(単位:N・m)は、
T´=3.33×102×0.15=約5.00×10(N・m)
となる。
なお、上記トルクT´の計算は、[シャッター装置の仕様]の「シャッターカーテン本体のタイプ」に「スラット」が選択された場合のものであったが、「シャッターカーテン本体のタイプ」に「グリル」(リンクで連結された複数のパイプ)が選択された場合には、「1個のスラットについてのW方向の単位長さ当たりの重量f2」は「1個のパイプ(リンクを含む)についてのW方向の単位長さ当たりの重量f2」(単位:N/m)に置き換え、「シャッターカーテン全閉時における回転体から繰り出されて吊り下げ状態となっているスラットの個数Ns」は「シャッターカーテン全閉時における回転体から繰り出されたパイプの個数Np」(単位:個)に置き換えて計算すればよい。
一方、「シャッターカーテン本体のタイプ」に「シート」が選択された場合には、「1個のスラットについてのW方向の単位長さ当たりの重量f2」は「シートの単位面積当たりの重量f2」(単位:N/m2)に置き換え、「シャッターカーテン全閉時における回転体から繰り出されて吊り下げ状態となっているスラットの個数Ns」は「シャッターカーテン全閉時における「回転体から繰り出されたシートの総面積As」(単位:m2)に置き換えて計算すればよい。なお、この場合には「シャッターカーテンの幅寸法W´」は計算には使用しない。なぜなら、シートの重量の計算は面積単位で行うからである。
以上のように、ぜんまいばね選定部134により算出されるトルクTとトルクT´とが互いに等しく又は略等しくなった場合には、全閉位置に達しているシャッターカーテンに、シャッターカーテンとガイドレールとの間で生じる摩擦力と同じ程度の小さな持ち上げ力を作用させることによってシャッターカーテンを軽く開き移動させることができるようになる。このため、トルクTとトルクT´とが互いに等しく又は略等しくなったとき、シャッターカーテン全閉時のおける好適なトルク特性を有するぜんまいばねが仮に選定されたことになる。
したがって、ばね選定作業者は、まずこの新規入力画面210において、画面下部に表示されるトルクTとトルクT´とが互いに等しく又は略等しくなるまで、この新規入力画面210の<巻取体の仕様>、<スラットの仕様>、<水切(座板)の仕様>、[ぜんまいばねの仕様]の各データ項目の入力、変更を繰り返す作業を行うことになる。
新規入力画面210の[シャッター装置の仕様]及び[ぜんまいばねの仕様]の各データ項目が入力された状態で、この新規入力画面210の最下部に配置されている選定表ボタン212が押下されると、図12に示すぜんまいばね選定表表示画面220が表示される。
図12に示すように、この選定表表示画面220には、図11の新規入力画面210で入力されたすべての情報が表示され、これらの情報の下部には、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねが設けられるシャッター装置の設計範囲表223が表示される。
この設計範囲表223は、ぜんまいばね選定部134のぜんまいばね選定表作成部135より作成され、横軸が左右のガイドレール間距離Wであって、縦軸がシャッターカーテンの開閉移動距離Hであるマトリクス状の表となっている。この設計範囲表の横軸と縦軸の最大値は、新規入力画面210で入力された[シャッター装置の仕様]のデータ項目である「シャッターカーテン本体のタイプ」、「駆動方式」、「シャッターカーテンの巻方向」、「左右のガイドレール間距離W」、「シャッターカーテンの開閉移動距離H」等に基づいて、ぜんまいばね選定部134のぜんまいばね選定表作成部135により決定される。そして、新規入力画面210で入力された「左右のガイドレール間距離W」と「シャッターカーテンの開閉移動距離H」とで決定される座標位置に点がプロットされる。これにより、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねが設けられるシャッター装置のシャッターカーテンにより仕切られる開口部の大きさが、設計範囲に入っているかどうかを視覚的に確認することができる。
なお、選定表表示画面220の下部に配置されている印刷ボタン221が押下されると、この選定表表示画面220に表示されている情報(画面下部のボタンを除く)が、そのままのイメージで印刷部142に出力されるようになっている。また、戻るボタン222が押下されると、再び新規入力画面210に戻るようになっている。
また、新規入力画面210の[シャッター装置の仕様]及び[ぜんまいばねの仕様]の各データ項目が入力された状態で、この新規入力画面210の最下部に配置されているトルク特性図ボタン213が押下されると、図13に示すぜんまいばねトルク特性図表示画面230が表示される。
図13に示すように、このトルク特性図表示画面230には、図11の新規入力画面210で入力されたすべての情報が表示され、これらの情報の下部には、ぜんまいばね選定部134のぜんまいばねトルクシミュレーション部136により作成されたぜんまいばねトルク特性図233が表示される。このトルク特性図233は、前述の図8に示したぜんまいばねトルク特性図と同様のものである(但し、ラインA1、A2は描画されていない)。
ばね選定作業者は、このトルク特性図233を参照することにより、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねに蓄圧された戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルク特性が、シャッターカーテンの開閉時の回転体の中心軸回りのトルク特性に適合するか否かを視覚的に判断することができる。
すなわち、ばね選定作業者は、このトルク特性図233を参照することにより、仮に選定されたぜんまいばねが、蓄圧された戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルクが次第に小さくなる増加率で増加する領域を有し、この領域内にシャッターカーテン全開時があるか否かを視覚的に判断することができ、さらに、この仮に選定されたぜんまいばねが、シャッターカーテンの繰り出しの進行に伴って前記トルクの増加率が一定値又は略一定値となる領域を有し、この領域内にシャッターカーテン全閉時がある否かを視覚的に判断することができる。なお、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、仮に選定されたぜんまいばねが上記のトルク特性を有していない場合には、その旨のメッセージをこのトルク特性図表示画面230に表示するようにしてもよい。
なお、トルク特性図表示画面230の下部に配置されている印刷ボタン231が押下されると、このトルク特性図表示画面230に表示されている情報(画面下部のボタンを除く)が、そのままのイメージで印刷部142に出力されるようになっている。また、戻るボタン222が押下されると、再び新規入力画面210に戻るようになっている。
さらに、新規入力画面210の[シャッター装置の仕様]及び[ぜんまいばねの仕様]の各データ項目が入力された状態で、新規入力画面210の最下部の配置されている収納状態図ボタン214が押下されると、図14に示すぜんまいばね収納状態図表示画面240が表示される。
図14に示すように、この収納状態図表示画面240には、新規入力画面210で入力された<巻取体の仕様>及び<ぜんまいばねの仕様>の情報に基づき、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137により作成されたぜんまいばね収納状態図が表示される。なお、この図14では、寸法線の付近に表示する寸法名称の表示を省略している。
この収納状態図表示画面240で表示される収納状態図は、左側に表示されていて、ばね収納体であるカップ状部材に収納されたシャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばね26´(新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばね)の正断面形状が示された正断面図245と、右側に表示されていて、カップ状部材に収納されたシャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばね26´の側面形状が示された側面図246とで構成されている。
なお、後述する図15の正断面図245の拡大図253に示されているように、カップ状部材24´の内径寸法Dcと巻芯部材27´の外径寸法Dsとの差の半分であるLrと、シャッターカーテン全閉時における選定されたぜんまいばね26´の接触部分の半径方向の厚さ寸法h´との関係が、Lr>>h´でない場合、言い換えると、カップ状部材24´がぜんまいばね26´を収納するのに十分な形状、寸法を有していない場合には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、ぜんまいばね26´がカップ状部材24´に収納不可である旨のメッセージをこの収納状態図表示画面240に表示するようになっている。
正断面図245の下部には拡大ボタン243が配置されており、この拡大ボタン243が押下されると、図15に示す正断面図245の拡大図253が表示されるぜんまいばね収納状態図(正断面図)表示画面250が表示される。これと同様に、側面図246の下部にも拡大ボタン244が配置されており、この拡大ボタン244が押下されると、図16に示す側面図246の拡大図263が表示されるぜんまいばね収納状態図(側面図)表示画面260が表示される。
なお、収納状態図表示画面240の最下部に配置されている印刷ボタン241が押下されると、この収納状態図表示画面240に表示されている情報(画面下部のボタンを除く)が、そのままのイメージで印刷部142に出力されるようになっている。また、戻るボタン242が押下されると、再び新規入力画面210に戻るようになっている。
図15に示すように、収納状態図の正断面図の拡大図253には、シャッターカーテン全閉時において密巻状態となっている新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばね26´が、巻取体4´の回転体21´を構成するバー状部材23´、カップ状部材24´、ホイール部材25´、及び巻芯部材27´とともに表示されており、この拡大図253において、ぜんまいばね26´が、ばね収納体であるカップ状部材24´に十分収納可能な形状、寸法を有しているかどうかを判断することができ、また、カップ状部材24´が回転体21´に収納可能な外径寸法を有しているかどうかを判断することができる。
この拡大図253には、カップ状部材24´の内径寸法Dc、巻芯部材27´の外径寸法Ds、回転構造物22´(カップ状部材24´とホイール部材25´との組合体)とバー状部材23´で構成される回転体21´の内径寸法Lw(新規入力画面210で入力されたホイール部材25´の直径寸法Dwとバー状部材23´の直径寸法Dbとに基づいてぜんまいばね収納状態シミュレーション部137により算出される)、シャッターカーテン全閉時における選定されたぜんまいばね26´の接触部分の半径方向の厚さ寸法h´が示されており、さらに、カップ状部材24´の内径寸法Dcと巻芯部材27´の外径寸法Dsとの差の半分であるLrが示されており、このLrがカップ状部材24´と巻芯部材27´との間に形成されたぜんまいばね26´の収納空間の半径方向の寸法となる。
なお、図15では、ぜんまいばね26´は内外径方向に隣接している密巻部が互いに接触していない状態で示されているため、ぜんまいばね26´のh´の実際の寸法は図15で示されている寸法よりも小さい。このため、Lr>>h´(Lrはh´よりも十分大きい)と判断でき、これにより、仮に選定されたぜんまいばね26´は、カップ状部材24´に十分収納可能であると判断することができる。また、このぜんまいばね26´を収納するカップ状部材24´は、回転体21´に略収納可能な形状、寸法を有していると判断することができる。
なお、仮に選定されたぜんまいばね26´がカップ状部材24´に十分収納可能ではない場合には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、図15で示されているぜんまいばね26´を特殊表示(たとえば、赤色表示や点滅表示等)するようにしてもよい。これと同様に、カップ状部材24´が回転体21´に収納可能な外径寸法を有していない場合には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、図15で示されているカップ状部材24´を特殊表示(たとえば、上述したのと同様に赤色表示や点滅表示等)するようにしてもよい。
なお、収納状態図(正断面図)表示画面250の最下部に配置されている印刷ボタン251が押下されると、この拡大図表示画面250に表示されているぜんまいばね収納状態図(正断面図)(画面下部のボタンを除く)が、そのままのイメージで印刷部142に出力されるようになっている。また、戻るボタン252が押下されると、再びぜんまいばね収納状態図表示画面240に戻るようになっている。
図16に示すように、収納状態図の側面図の拡大図263には、図15と同様にシャッターカーテン全閉時において密巻き状態となっている仮に選定されたぜんまいばね26´が、中心軸20´、回転体21´を構成するバー状部材23´、カップ状部材24´、ホイール部材25´、及び巻芯部材27´とともに表示されており、この拡大図263において、ぜんまいばね26´の板幅寸法bの合計(仮に選定されたぜんまいばねの板幅寸法bに、新規入力画面210で入力されたぜんまいばねの「個数」を掛けたもの)が、中心軸20´の長さ寸法Lsに対して十分小さいかどうかを判断することができ、また、ぜんまいばね26´の板幅寸法bがカップ状部材26´の幅寸法Wc(言い換えると、中心軸20´の軸方向の長さ寸法)に対して十分小さいかどうかを判断することができる。なお、この拡大図263には、カップ状部材24´の内径寸法Dc、巻芯部材27´の外径寸法Ds、回転体21´の内径寸法Lw、シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばね26´の接触部分の半径方向の厚さ寸法h´も示されている。
図16に示す例では、仮に選定された4個のぜんまいばね26´のそれぞれの板幅寸法bは、カップ状部材24´の幅寸法Wcよりも十分小さいと判断することができる。また、すべてのカップ状部材24´の幅寸法Wcと、巻芯部材27´の幅寸法(言い換えると、中心軸20´の軸方向の長さ寸法)と、ホイール部材25´の厚さ寸法(言い換えると、中心軸20´の軸方向の長さ寸法)の合計は、中心軸20´の長さ寸法Lsに対して十分小さいと判断することができる。したがって、4個のぜんまいばね26´の板幅寸法bの合計も、当然に中心軸20´の長さ寸法Lsに対して十分小さいと判断することができる。
なお、仮に選定された4個のぜんまいばね26´のそれぞれの板幅寸法bが、カップ状部材24´の幅寸法Wcよりも十分小さいものではない場合(言い換えると、ぜんまいばね26´がカップ状部材24´に十分収納可能でない場合)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、4個のぜんまいばね26´を特殊表示(たとえば、赤色表示や点滅表示等)するようにしてもよい。これと同様に、4個のカップ状部材24´の幅寸法Wcの合計が、中心軸20´の長さ寸法Lsに対して十分小さいものではない場合には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、4個のカップ状部材24´を特殊表示(たとえば、上述したのと同様に赤色表示や点滅表示等)するようにしてもよい。
なお、収納状態図(側面図)表示画面260の最下部に配置されている印刷ボタン261が押下されると、この拡大図表示画面260に表示されているぜんまいばね収納状態図(側面図)が、そのままのイメージで印刷部142に出力されるようになっている。また、戻るボタン262が押下されると、再びぜんまいばね収納状態図表示画面240に戻るようになっている。
以上説明したように、ばね選定作業者は、ぜんまいばね選定条件新規入力画面210において、画面下部に表示されるトルクTとトルクT´とが互いに等しく又は略等しくなるまで、この新規入力画面210の<巻取体の仕様>、<スラットの仕様>、<水切(座板)の仕様>、[ぜんまいばねの仕様]の各データ項目の入力、変更を繰り返す。
画面下部に表示されるトルクTとトルクT´とが互いに等しく又は略等しくなったら、この後、ばね選定作業者は、ぜんまい選定表表示画面220、ぜんまいばねトルク特性図表示画面230、ぜんまいばね収納状態図表示画面240を表示し、これらの画面に表示される情報を参照することにより、新規入力画面210において入力した選定条件に基づいて仮に選定されたぜんまいばねが、このぜんまいばねを設けようとするシャッター装置に対して好適なものであるかどうかを判断していく。
そして、ばね選定作業者が、仮に選定されたぜんまいばねが好適なものであると判断した場合には、新規入力画面210の最下部に配置されている登録ボタン211を押下して、この新規入力画面210に表示されているばね選定データ(選定条件であるシャッター装置の仕様情報、及び選定されたぜんまいばねの仕様情報)を、記憶部143のぜんまいばね選定DB147に新規登録する。一方、ばね選定作業者が、仮に選定されたぜんまいばねが好適なものでないと判断した場合には、前述した新規入力画面210での作業を再度行う。
なお、ばね選定データの新規登録が終了した後、ばね選定作業者は、新規入力画面210の最下部に配置されている終了ボタン215を押下することにより、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200へ戻ることになる。
以上で、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200において処理区分に「新規」を選択した場合の作業は終了する。
次に、記憶部143のぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データを修正する場合について説明する。
図17は、図10のメニュー画面200において処理区分に「修正」が選択され、確定ボタン201が押下された場合に表示される登録済ぜんまいばね選定データ検索条件入力画面300である。この検索条件入力画面300で、ばね選定作業者に対して登録済のばね選定データを絞り込むための検索条件を入力させる。
図17に示すように、この検索条件入力画面300で入力する検索条件項目として、「シャッター装置の駆動方式」(電動式/手動式)と、「シャッターカーテンの巻方向」(内巻/外巻)と、「シャッターカーテン本体のタイプ」(スラット/グリル/シート)をラジオボタンで選択させ、次に「左右のガイドレール間距離W」と、「シャッターカーテンの開閉移動距離H」を入力させる。
検索条件入力画面300の下部には、確定ボタン301、終了ボタン302の2個のボタンが配置されており、終了ボタン302が押下されると、再びメニュー画面200へ戻るようになっている。
一方、確定ボタン301が押下されると、ぜんまいばね選定部134は、検索条件入力画面300で入力された条件を満たすぜんまいばね選定DB147に登録済のばね選定データを検索する。例えば、「左右のガイドレール間距離W」に1.0(m)、「シャッターカーテンの開閉移動距離H」に3.0(m)が入力され、「駆動方式」に「手動式」、「シャッターカーテンの巻方向」に「内巻」、「シャッターカーテン本体のタイプ」に「スラット」がそれぞれ選択された場合、ぜんまいばね選定部134は、これらの条件を満たすばね選定データをぜんまいばね選定DB147から検索し、該当するばね選定データを図18に示す登録済ぜんまい選定データ一覧表示画面310に編集表示する。
また、「シャッターカーテン本体のタイプ」に「スラット」、「駆動方式」に「電動式」、「シャッターカーテンの巻方向」に「外巻」が選択され、「左右のガイドレール間距離W」及び「カーテンの開閉移動距離H」には何も入力されなかった場合、ぜんまいばね選定部134は、「シャッターカーテン本体のタイプ」が「スラット」であって、「駆動方式」が「電動式」であって、「シャッターカーテンの巻方向」が「外巻」であるばね選定データをぜんまいばね選定DB147から検索し、該当するばね選定データを図18に示す登録済ぜんまい選定データ一覧表示画面310に編集表示する。
さらに、「シャッターカーテン本体のタイプ」に「スラット」が選択され、「駆動方式」及び「シャッターカーテンの巻方向」は何も選択されず、「左右のガイドレール間距離W」に1.0(m)が入力され、「カーテンの開閉移動距離H」に4.0(m)が入力された場合には、ぜんまいばね選定部134は、「シャッターカーテン本体のタイプ」が「スラット」であって、「左右のガイドレール間距離W」が1.0(m)であって、「カーテンの開閉移動距離H」が4.0(m)であるばね選定データをぜんまいばね選定DB147から検索し、該当するばね選定データを図18に示す登録済ぜんまい選定データ一覧表示画面310に編集表示する。これにより、「駆動方式」が「電動式」又は「手動式」であって、「シャッターカーテンの巻方向」が「内巻」又は「外巻」であるばね選定データが読み込まれる。
上記検索条件が何も入力されないで状態で、確定ボタン301が押下されると、ぜんまいばね選定DB147に登録されているすべてのばね選定データを一覧表示画面310に編集表示する。
なお、上記検索条件を満たすばね選定データが1件も存在しなかった場合には、ぜんまいばね選定部134は、該当データ無しのエラーメッセージを検索条件入力画面300に表示後、再び上記検索条件の入力をさせる。
上記検索条件を満たすばね選定データが存在した場合には、該当するばね選定データが図18に示す登録済ぜんまいばね選定データ一覧表示画面310に表示される。
図18に示されているように、この一覧表示画面310では、左から、シャッターカーテン本体タイプ(「スラット」、「グリル」、「シート」の表示)、駆動方式(「電動」、「手動」の表示)、巻方向(「内巻」、「外巻」の表示)、W(左右のガイドレール間距離)、H(シャッターカーテンの開閉移動距離)、W´(シャッターカーテンの幅寸法)、ぜんまいばねのメーカー、型式、個数、弾性係数、板厚寸法、板幅寸法、シャッターカーテン全閉時における有効長、巻回数、トルクが表示される。
ばね選定作業者は、修正したいばね選定データが表示されている行までカーソルを移動し、あるいは、マウスポインタを移動し、この一覧表示画面310の下部に配置された選択ボタン311を押下すると、ぜんまいばね選定部134は、選択されたばね選定データを図19に示すぜんまいばね選定条件修正入力画面320に表示する。この修正入力画面320は、新規入力画面210と同様のレイアウトであるが、検索条件として指定した上記5個のデータ項目は入力不可能となっており、表示のみとなっている。
ばね選定作業者は、この修正入力画面320においてデータを修正した後は、この修正入力画面320の下部に配置されているばね選定表ボタン322、トルク特性図ボタン323、収納状態図ボタン324を押下し、各表示画面を参照することにより、データを修正したことにより選定し直された[ぜんまいばねの仕様]が適切なものであるかどうかの確認作業を行う。
なお、選定表ボタン322、トルク特性図ボタン323、収納状態図ボタン324を押下することにより表示される画面、処理内容については、前述したぜんまいばね選定条件新規入力画面210におけるものと同様なので説明は省略する。
データの修正作業が終了した後は、修正入力画面320の下部に配置されている更新ボタン321を押下することにより、ぜんまいばね選定DB147のばね選定データが更新される。そして、終了ボタン325を押下することにより、再びぜんまいばね選定処理メニュー画面200へ戻る。
以上で、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200において、処理区分に「修正」を選択した場合の作業は終了する。
次に、記憶部143のぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データを削除する場合について説明する。
図10のメニュー画面200において処理区分に「削除」を選択し、確定ボタン201が押下されると、処理区分に「修正」を選択した場合と同様に、図17の登録済ぜんまいばね選定データ検索条件入力画面300が表示される。この検索条件入力画面300で、ばね選定作業者に対して、削除したい登録済のばね選定データを絞り込むための検索条件を入力させる。
この検索条件入力画面300での操作と、この検索条件入力画面300で入力された検索条件を満たす登録済のばね選定データの一覧が表示された登録済ぜんまいばね選定データ一覧表示画面310での操作は、前述した登録済みのばね選定データを修正する場合と同様なので説明を省略する。
ぜんまいばね選定部134は、一覧表示画面310において選択されたばね選定データを図20に示すぜんまいばね選定データ削除画面330に表示する。この削除画面330は、新規入力画面210と同様のレイアウトであるが、すべてのデータ項目が入力不可能となっており、表示のみとなっている。
この削除画面330において、画面下部に配置されているばね削除ボタン331を押下することにより、画面に表示されているばね選定データがぜんまいばね選定DB147から削除される。なお、削除処理が実行される前には、削除してよいかどうかの確認メッセージが別ウィンドウに表示されるようになっており、削除OKの操作がされた場合に削除処理が実行されるようになっている。そして、終了ボタン332を押下することにより、再びぜんまいばね選定処理メニュー画面200へ戻る。
以上で、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200において、処理区分に「削除」を選択した場合の作業は終了する。
次に、本実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置100によるぜんまいばねの選定手順を図21〜図32のフローチャート図により説明する。
図21に示すように、戻しばね選定装置100が起動すると、ぜんまいばね選定処理プログラムである選定手段130のぜんまいばね選定部134がRAM132に読み込まれ、MPU131によりこのぜんまいばね選定部134(ぜんまいばね選定表作成部135、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137を含む)が実行される。
まず、ぜんまいばね選定部134は、図10に示すぜんまいばね選定処理メニュー画面200を出力手段140の表示部141に出力し(ステップS10)、ばね選定作業者に対して処理区分の選択を入力手段110の入力部111の操作により行わせる(ステップS20)。
次に、ぜんまいばね選定部134は、メニュー画面200におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS30,S40)。
まず、終了ボタン202が押下された場合(ステップS30−YES)には、ぜんまいばね選定部134の実行は終了する。終了ボタン202が押下されなかった場合(ステップS30−NO)であって、確定ボタン201も押下されなかった場合(ステップS40−NO)には、処理区分の選択処理(ステップS20)へ戻る。
一方、確定ボタン201が押下された場合(ステップS40−YES)には、選択された処理区分の判定を行う。処理区分に「新規」が選択された場合(ステップS50−YES)には、変数である処理区分に「新規」(例えば、数値1)を移送し(ステップS60)、ぜんまいばね選定条件新規入力画面210の表示処理(図22のステップS110)を実行する。処理区分に「修正」が選択された場合には(ステップS70−YES)、変数である処理区分に「修正」(例えば、数値2)を移送し(ステップS80)、登録済ぜんまいばね選定データ検索条件入力画面300の表示処理(図29のステップS510)を実行する。処理区分に「削除」が選択された場合には(ステップS90−YES)、変数である処理区分に「削除」(例えば、数値3)を移送し(ステップS100)、登録済ぜんまいばね選定データ検索条件入力画面300の表示処理(図29のステップS510)を実行する。
なお、処理区分に「削除」が選択されなかった場合、言い換えると、処理区分に何も選択されなかった場合(ステップS90−NO)には、処理区分の選択処理(ステップS20)へ戻る。
前記ステップS50において、処理区分に「新規」が選択された場合(ステップS50−YES)には、変数である処理区分に「新規」が移送される(ステップS60)が、この後、ぜんまいばね選定部134は、図11に示すぜんまいばね選定条件新規入力画面210の表示処理を実行する(ステップS110)。
次に、ぜんまいばね選定部134は、次のステップS120において、ばね選定作業者にぜんまいばねの選定処理に必要なデータ項目の入力をさせる。なお、図示されていないが、このステップS120では、新規入力画面210の下部に配置されている「シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの戻しばね力による中心軸回りのトルクT」及び「シャッターカーテン全閉時におけるシャッターカーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´」の計算処理が、ぜんまいばね選定部134により行われるようになっている。そして、トルクT及びトルクT´の算出に関係するデータ項目が入力、変更されるたびに、ぜんまいばね選定部134によるトルクT及びT´の計算処理が実行され、その計算結果が新規入力画面210にリアルタイムで表示されるようになっている。
次に、ぜんまいばね選定部134は、新規入力画面210におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS130,S140)。
まず、終了ボタン215が押下された場合(ステップS130−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、図21のぜんまいばね選定処理メニュー画面200の表示処理(ステップS10)へ戻る。
一方、終了ボタン215が押下されなかった場合(ステップS130−NO)であって、登録ボタン211が押下された場合(ステップS140−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、新規入力画面210に表示されている各データ項目を出力手段140の記憶部143のぜんまいばね選定DB147(ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、フラッシュメモリー(SDカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等)等の外部記憶媒体からなる)への(新規)登録処理を実行する(ステップS150)。この後、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS120)へ戻る。
新規入力画面210において、終了ボタン215が押下されなかった場合(ステップS130−NO)であって、登録ボタン211が押下されなかった場合(ステップS140−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、新規入力画面210の下部に配置されている選定表ボタン212、トルク特性図ボタン213、収納状態図ボタン214のいずれかが押下されたかどうかの判定を図17のステップS170〜S190で実行するが、これに先立ち、新規入力画面210のデータ項目のうち、ぜんまいばねの選定に必須なデータ項目(必須入力項目)が選択、入力済かどうかの判定(ステップS160)を行う。なお、本実施形態では、ぜんまいばねの選定に必須なデータ項目は、新規入力画面210で選択、入力されるすべてのデータ項目となっている。
ぜんまいばねの選定に必須なデータ項目が入力済でない場合(ステップS160−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS120)へ戻る。一方、ぜんまいばねの選定に必須なデータ項目が入力済である場合(ステップS160−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、選定表ボタン212、トルク特性図ボタン213、収納状態図ボタン214のいずれかが押下されたかどうかの判定(図23のステップS170〜S190)を実行する。
なお、ステップS160で実行される必須入力項目が入力済であるかどうかの判定は、新規入力画面210の下部に配置されている選定表ボタン212、トルク特性図ボタン213、収納状態図ボタン214のそれぞれが押下された後に行うようにしてもよい。例えば、トルク特性図ボタン213が押下されたと判定した場合(ステップS180)には、このステップS180の後で、ぜんまいばねトルク特性図233を作成するのに必要なデータ項目が入力されているかどうかの判定を行うようにしてもよい。
新規入力画面210において、選定表ボタン212が押下された場合(ステップS170−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定表作成部135に対してぜんまいばね選定表の画面表示、印刷の処理(図24のステップS200〜S230)を実行させる。同様に、トルク特性図ボタン213が押下された場合(ステップS180−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136に対してぜんまいばねトルク特性図の画面表示、印刷の処理(図25のステップS240〜S270)を実行させる。同様に、収納状態図ボタン214が押下された場合(ステップS190−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137に対してぜんまいばね収納状態図の画面表示、印刷の処理(図26〜図28のステップS280〜S430)を実行させる。
図23に示すように、新規入力画面210において選定表ボタン212が押下された場合(ステップS170−YES)には、ぜんまいばね選定表作成部135は、図12に示すぜんまい選定表表示画面220の表示処理(図24のステップS200)を実行する。この選定表表示画面220には、前述したように、新規入力画面210に表示されている全データ項目と、横軸が左右のガイドレール間距離Wであって縦軸がシャッターカーテンの開閉移動距離Hであるマトリクス状の設計範囲表とで構成されるぜんまいばね選定表が表示される。
この後、ぜんまいばね選定表作成部135は、選定表表示画面220におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS210)。
まず、印刷ボタン221が押下された場合(ステップS210−YES)には、ぜんまいばね選定表作成部135は、選定表表示画面220に表示されているぜんまいばね選定表の情報を出力手段140の印刷部142(プリンター)へ出力(印刷)する処理を実行する(ステップS220)。この後、ぜんまいばね選定表作成部135は、前記ステップS210へ戻る。一方、戻るボタン222が押下された場合(ステップS230−YES)には、ぜんまいばね選定表作成部135による処理の実行は終了し、図22のステップS110の実行へ戻り、ぜんまいばね選定部134によるぜんまいばね選定条件新規入力画面210の表示処理が実行される。なお、印刷ボタン221が押下されなかった場合(ステップS210―NO)であって、戻るボタン222も押下されなかった場合(ステップS230−NO)には、ぜんまいばね選定表作成部135は、前記ステップS210を実行する。
図23に示すように、新規入力画面210においてトルク特性図ボタン213が押下された場合(ステップS180−YES)には、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136は、図13に示すぜんまいばねトルク特性図表示画面230の表示処理(図25のステップS240)を実行する。このトルク特性図表示画面230には、前述したように、新規入力画面210に表示されている全データ項目と、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136により描かれる図8と同様のトルク特性図233が表示される。ばね選定作業者は、このトルク特性図表示画面230に表示されたトルク特性図233から、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねの戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルクAの特性が、このぜんまいばねが設けられるシャッター装置のシャッターカーテンの自重Fによる回転体の中心軸回りのトルクB(開き移動時)及びトルクC(閉じ移動時)の特性に適合するものであるかどうかを判断する。
この後、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136は、トルク特性図表示画面230におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(図25のステップS250)。
まず、印刷ボタン231が押下された場合(ステップS250−YES)には、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136は、トルク特性図表示画面230に表示されているぜんまいばねトルク特性図の情報を出力手段140の印刷部142へ出力する処理(ステップS260)を実行する。この後、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136は、前記ステップS250へ戻る。一方、戻るボタン232が押下された場合(ステップS270−YES)には、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136による処理の実行は終了し、図22のステップS110へ戻り、ぜんまいばね選定部134によるぜんまいばね選定条件新規入力画面210の表示処理が実行される。なお、印刷ボタン231が押下されなかった場合(ステップS250―NO)であって、戻るボタン232も押下されなかった場合(ステップS270−NO)には、ぜんまいばねトルクシミュレーション部136は、前記ステップS250を実行する。
図23に示すように、新規入力画面210において収納状態図ボタン214が押下された場合(ステップS190−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、図26に示すステップS280において、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばね26´の2種類の収納状態図(カップ状部材24´に収納された状態のぜんまいばね26´の正断面図(左側の図)と側面図(右側の図)とで構成される)を作成し、図14に示すぜんまいばね収納状態図表示画面240の表示処理を実行する。ばね選定作業者は、この収納状態図表示画面240に表示された2種類の収納状態図から、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばね26´が、ばね収納体であるカップ状部材24´に十分収納可能な形状、寸法を有するものであるかどうか等を判断する。
ここで、ぜんまいばね26´がカップ状部材24´に十分収納可能な形状、寸法を有している場合(言い換えると、図15に示すLr>>h´である場合)(ステップS290−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねはカップ状部材に十分収納可能であると判定し、ステップS310以降の処理を実行する。一方、ぜんまいばね26´がカップ状部材24´に十分収納可能な形状、寸法を有していない場合(ステップS290−NO)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねはカップ状部材に収納不可能である旨のメッセージを収納状態図表示画面240に表示する。
なお、ぜんまいばねがカップ状部材に収納不可能である旨のメッセージを収納状態図表示画面240に表示するだけでなく、この収納状態図表示画面240に表示されている収納状態図(側面図)における太い点線で描かれたぜんまいばね26´を特殊表示する処理(例えば、赤色表示や点滅表示させたりする等)を実行するようにしてもよい。
なお、ぜんまいばね26´がカップ状部材に十分収納可能であっても、カップ状部材が回転体に収納不可能である場合には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、その旨のメッセージを収納状態図表示画面240に表示し、また、ぜんまいばね26´の場合と同様に、カップ状部材を特殊表示する処理を実行するようにしてもよい。
この後、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、収納状態図表示画面240におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS310〜S330,S350)。
まず、収納状態図表示画面240の正断面図245が表示されている枠内の下部に配置されている拡大ボタン243が押下された場合(ステップS310−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、正断面図245の拡大図の画面表示、印刷の処理(図27のステップS360〜S390)を実行する。一方、収納状態図表示画面240の側面図246が表示されている枠内の下部に配置されている拡大ボタン244が押下された場合(ステップS320−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、側面図246の拡大図の画面表示、印刷の処理(図28のステップS400〜S430)を実行する。
また、収納状態図表示画面240の最下部に配置されている印刷ボタン241が押下された場合(ステップS330−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、収納状態図表示画面240に表示されているぜんまいばね収納状態図(正断面図、側面図)を出力手段140の印刷部142へ出力する(ステップS340)。この後、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、前記ステップS310を実行する。
一方、収納状態図表示画面240の最下部に配置されている戻るボタン242が押下された場合(ステップS350−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137による処理の実行は終了し、図22のステップS110へ戻り、ぜんまいばね選定部134によるぜんまいばね選定条件新規入力画面210の表示処理が実行される。
なお、前記拡大ボタン243,244が押下されず、印刷ボタン241も戻るボタン242も押下されなかった場合(ステップS350−NO)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、前記ステップS310を実行する。
前述したように、収納状態図表示画面240において、正断面図245の枠内の下部に配置されている拡大ボタン243が押下された場合(ステップS310−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、図27に示すステップS360において、収納状態図の正断面図245の拡大図253を作成し、図15に示すぜんまいばね収納状態図(正断面図)表示画面250を表示する。
この後、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、この拡大図表示画面250におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する。まず、この拡大図表示画面250の下部に配置されている印刷ボタン251が押下された場合(ステップS370−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、拡大図表示画面250に表示されている正断面図の拡大図253を出力手段140の印刷部142へ出力する(ステップS380)。この後、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、前記ステップS370の処理を実行する。
一方、この拡大図表示画面250の下部に配置されている戻るボタン252が押下された場合(ステップS390−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、図26のステップS280へ戻り、ぜんまいばね収納状態図表示画面240の表示処理を実行する。また、印刷ボタン251が押下されない場合(ステップS370―NO)であって、戻るボタン252も押下されない場合(ステップS390−NO)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、前記ステップS370を実行する。
また、図14の収納状態図表示画面240において、側面図263の枠内の下部に配置されている拡大ボタン244が押下された場合(ステップS320−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、図28に示すステップS400において、収納状態図の側面図246の拡大図263を作成し、図16に示すぜんまいばね収納状態図(側面図)表示画面260を表示する。
この後、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、この拡大図表示画面260におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する。まず、この拡大図表示画面260の下部に配置されている印刷ボタン261が押下された場合(ステップS410−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、拡大図表示画面260に表示されている側面図の拡大図263を出力手段140の印刷部142へ出力する(ステップS420)。この後、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、前記ステップS410を実行する。
一方、戻るボタン262が押下された場合(ステップS430−YES)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、図26のステップS280へ戻り、ぜんまいばね収納状態図表示画面240の表示処理を実行する。また、印刷ボタン261も押下されなかった場合(ステップS410―NO)であって、戻るボタン262も押下されなかった場合(ステップS430−NO)には、ぜんまいばね収納状態シミュレーション部137は、前記ステップS410を実行する。
なお、図示されていないが、印刷部142に出力(印刷)されるぜんまいばね選定表、ぜんまいばねトルク特性図、ぜんまいばね収納状態図のレイアウトは、画面に表示されてレイアウト(画面最下部の2個のボタンを除く)と同じである。
ばね選定作業者は、以上説明した作業を行うことにより、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねが、このぜんまいばねが設けられるシャッター装置に好適なものであるかどうかを判断する。そして、ばね選定作業者が、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねが好適なものであると判断した場合には、新規入力画面210の登録ボタン211を押下して、この新規入力画面210の情報(選定条件及び選定されたぜんまいばねの仕様)をぜんまいばね選定DB147に登録する。一方、ばね選定作業者が、新規入力画面210で仮に選定されたぜんまいばねが好適なものでないと判断した場合には、新規入力画面210に戻って、[シャッター装置の仕様]及び/又は[ぜんまいばねの仕様]のデータ項目を変更して、ぜんまいばねの選定作業をやり直す。
以上が、新規にぜんまいばねの選定処理を行い、この選定処理の結果得られたばね選定データをぜんまいばね選定DB147に新規登録するための処理手順となる。
次に、ぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データを修正するための処理手順を説明する。
前述したように、図10のぜんまいばね選定処理メニュー画面200において、ばね選定作業者により処理区分に「修正」が選択された場合には(図21のステップS70−YES)、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データの検索処理(図29のステップS510以降の処理)を実行する。
図29のステップS510では、ぜんまいばね選定部134は、図17に示す登録済ぜんまいばね選定データ検索条件入力画面300を表示する。この検索条件入力画面300では、ばね選定作業者に対して、図11のぜんまいばね選定条件新規入力画面210の上部5個のデータ項目と同じデータ項目である「シャッターカーテンのタイプ」、「駆動方式」、「シャッターカーテンの巻方向」、「左右のガイドレール間距離W」、「シャッターカーテンの開閉移動距離H」を選択、入力させる(ステップS520)。
次に、ぜんまいばね選定部134は、検索条件入力画面300におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS530、S40)。まず、終了ボタン302が押下された場合(ステップS530−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ステップS10へ戻り、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200の表示処理を実行する。終了ボタン302が押下されなかった場合(ステップS530−NO)であって、確定ボタン301が押下されなかった場合(ステップS540−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、ステップS520へ戻る。一方、確定ボタン301が押下された場合(ステップS540−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ステップS550において検索条件の入力内容を判定する。
検索条件入力画面300において、上記5個の検索条件に対して何も選択、入力がされていない場合(ステップS550−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、記憶部143のぜんまいばね選定DB147の全件データを読み込む。一方、上記5個の検索条件のうちの少なくとも1個に対して選択、入力がされた場合(ステップS550−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、選択、入力された検索条件に該当するぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データを検索する(ステップS570)。
この後、ぜんまいばね選定部134は、検索条件に該当するデータ件数を判定する(図30のステップS580)。該当データが無かった(0件)の場合(ステップS580−YES)の場合には、ぜんまいばね選定部134は、検索条件入力画面300において、該当データ無しのメッセージの表示処理(ステップS590)を実行した後、検索条件の入力処理(ステップS520)へ戻る。一方、該当データが存在した場合(ステップS580−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、該当するばね選定データの読込処理を実行(ステップS600)した後、登録済ぜんまいばね選定データ一覧表示画面310の表示処理を実行する(ステップS610)。そして、この一覧表示画面310において、修正したい登録済の選定データの選択をばね選定作業者にさせる。
なお、図示されていないが、該当データ件数がこの一覧表示画面310に表示可能な件数(図18では1画面当たり20件)を超え、複数ページにわたる場合には、キーボードのページアップキー(PgUp)やページダウンキー(PgDn)を押下することにより、表示ページの切替が行えるようになっている。また、カーソルキー(上矢印や下矢印)を押下し続けることによっても、表示ページの切替が行えるようになっている。また、一覧表示画面310において、現在カーソルがある行の全データ項目が反転表示されるようなっており、カーソルキーを押下することにより、反転表示されている行が上下に移動するようになっている。
この後、ぜんまいばね選定部134は、この一覧表示画面310におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS620,S630)。まず、戻るボタン312が押下された場合(ステップS620−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、登録済ぜんまいばね選定データ検索条件入力画面300の表示処理(ステップS510)へ戻る。
戻るボタン312が押下されなかった場合(ステップS620−NO)であって、選択ボタン311が押下されなかった場合(ステップS630−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、ステップS610へ戻り、登録済データの選択処理を実行する。
一方、選択ボタン311が押下された場合(ステップS630−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、選択されたデータ(現在カーソル(反転表示)がある行のデータ)をぜんまいばね選定DB147から読み込む(ステップS640)。
この後、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200で選択された処理区分の判定を行う(ステップS650)。
処理区分が「修正」である場合(ステップS650−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、登録済のばね選定データの修正処理(図31のステップS660以降の処理)を実行する。一方、処理区分が「修正」でない場合(ステップS650−NO)には、すなわち、処理区分が「削除」である場合には、ぜんまいばね選定部134は、後述する登録済のばね選定データの削除処理を実行する(図32のステップS730以降の処理)。
図31に示すステップS660において、ぜんまいばね選定部134は、選択されたばね選定データの修正を行うための図19に示すぜんまいばね選定条件修正入力画面320の表示処理を実行した後、ばね選定作業者にデータの修正入力処理を行わせる(ステップS670)。
次に、ぜんまいばね選定部134は、修正入力画面320におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する。まず、終了ボタン325が押下された場合(ステップS680−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200の表示処理(ステップS10)へ戻る。終了ボタン325が押下されなかった場合(ステップS680−NO)であって、更新ボタン321が押下された場合(ステップ690−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、修正入力画面280の各データ項目(ばね選定データ)のぜんまいばね選定DB147への更新処理を実行する(ステップS700)。この後、ぜんまいばね選定部134は、ステップS670へ戻り、ぜんまいばね選定条件の修正入力処理を実行する。
終了ボタン325が押下されなかった場合(ステップS680−NO)であって、更新ボタン321も押下されなかった場合(ステップ690−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定条件の必須入力項目が入力済かどうかを判定する(ステップS710)。
入力項目が入力済である場合(ステップS710−YES)には、前述したデータの新規入力処理における図23のステップS170以降の処理と同様に、選定表の表示・印刷、トルク特性図の表示・印刷、又は収納状態図の表示・印刷の処理(ステップS720)を実行する。これらの表示・印刷の処理は、前述したデータの新規入力処理におけるものと同様なので、説明を省略する。それぞれの表示・印刷の処理が終了した後、ぜんまいばね選定部134は、再度ステップS670以降の処理を実行する。
以上が、登録済のばね選定データを修正する処理手順となる。
次に、ぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データを削除するための処理手順を説明する。
図30のステップS650において、処理区分が「修正」でない場合(ステップS650−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、一覧表示画面310で選択したデータを削除するためのぜんまいばね選定データ削除画面330の表示処理を実行し(図32に示すステップS730)、この削除画面330で、ばね選定作業者にデータの削除を行わせる。なお、この削除画面330では、データの表示のみが行われ、データの修正は不可能となっている。
ぜんまいばね選定部134は、ステップS730の実行後、削除画面330におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する。まず、終了ボタン332が押下された場合(ステップS740−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200の表示処理(ステップS10)へ戻る。終了ボタン332が押下されなかった場合(ステップS740−NO)であって、削除ボタン331が押下された場合(ステップ750−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、ばね選定作業者に対してデータ削除の実行確認(例えば、「OKボタン」又は「キャンセルボタン」の押下や、「Y」キー又は「N」キーの押下の選択)をさせる(ステップS760)。
ばね選定作業者が、削除実行OK(「OKボタン」や「Y」キー等の押下)の操作を行った場合(ステップS760−YES)には、ぜんまいばね選定部134は、削除画面330に表示されているばね選定データをぜんまいばね選定DB147から削除する処理を実行する(ステップS770)。この後、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定処理メニュー画面200の表示処理(ステップS10)へ戻る。
一方、ばね選定作業者が、削除実行中止(「キャンセルボタン」や「N」キー等の押下)の操作を行った場合(ステップS760−NO)には、ぜんまいばね選定部134は、ステップS740へ戻る。
また、終了ボタン332が押下されなかった場合(ステップS740−NO)であって、削除ボタン331も押下されなかった場合(ステップ750−NO)にも、ぜんまいばね選定部134は、ステップS740へ戻る。
以上が、登録済のばね選定データを削除する処理手順となる。
図33には、図18の登録済ぜんまいばね選定データ一覧表示画面の別実施形態が示されている。この図33に示す登録済ぜんまいばね選定データ一覧表示画面340には、横軸が左右のガイドレール間距離Wであって、縦軸がシャッターカーテンの開閉移動距離Hとなっているマトリクス表341が配置されている。このマトリクス表341は、図12に示されているぜんまい選定表に配置されている設計範囲表223と同じ設計範囲表となっている。
したがって、図33に示されているように、登録済ぜんまいばね選定データ検索条件入力画面300で入力された検索条件に該当するばね選定データが、左右のガイドレール間距離Wとシャッターカーテンの開閉移動距離Hとで決定されるマトリクス表341の座標位置に点として表示される。
登録済のばね選定データを修正又は削除しようとするばね選定作業者は、修正又は削除しようとするデータと思われる点まで入力手段110の入力部111となっているマウスのポインタを移動し、その点をクリックすることにより、このクリックした点に対応する登録済のばね選定データが図19又は図20に表示される。
以上説明した実施形態によると、ぜんまいばね選定条件新規入力画面210やぜんまいばね選定条件修正入力画面320において、ばね選定作業者が、戻しばねにぜんまいばねを使用するシャッター装置の仕様情報を入力することにより、前記シャッター装置に好適なぜんまいばねが選定されることが可能となる。
また、以上説明した本実施形態によると、ばね選定作業者が、これらの入力画面210,320の下部に配置されているトルク特性図ボタンを押すことにより表示されるぜんまいばねトルク特性図を参照することにより、入力画面210,320で仮に選定されたぜんまいばねに蓄圧された戻しばね力による回転体の中心軸回りのトルク特性が、シャッターカーテンの開閉時の回転体の中心軸回りのトルク特性に適合するか否かを視覚的に判断することができる。さらに、ばね選定作業者が、これらの入力画面210,320の下部に配置されている収納状態ボタンを押すことにより表示されるぜんまいばね収納状態図を参照することにより、入力画面210,320で仮に選定されたぜんまいばねが、ばね収納体となっているカップ状部材に収納可能な形状、寸法を有しているか否かを視覚的に判断することができる。そして、ばね選定作業者が、上記のぜんまいばねトルク特性図及び/又はぜんまいばね収納状態図から、仮に選定されたぜんまいばねが不適合なものと判断した場合には、ばね選定作業者は、即座に入力画面210,320に戻って、ぜんまいばねの選定作業をやり直すことができる。このため、ばね選定作業者が熟練した人間でなくても、容易にぜんまいばねの選定作業を行うことができる。
また、以上説明した実施形態によると、シャッターカーテン本体が様々なタイプ(スラット/グリル/シート)のシャッター装置にぜんまいばねを設ける場合にも対応することができる。
また、以上説明した実施形態によると、ぜんまいばね選定DB147に一度登録されたばね選定データを修正することや、削除することが容易にできるようになる。
さらに、以上説明した実施形態によると、選定されたぜんまいばねの仕様情報は、出力手段の通信部から通信手段を介して容易に外部装置に出力することができるため、設計部門と製造部門との間のデータのやり取りが容易に行うことができるようになる。また、出力手段の記憶部が着脱可能、運搬可能な外部記憶媒体である場合にも、設計部門と製造部門とのデータのやり取りが容易に行うことができるようになる。
なお、以上説明した実施形態において、選定条件である[シャッター装置の仕様]である「シャッターカーテン本体のタイプ」として、「スラットとグリルの複合」(言い換えると「スラットとパイプの複合」)や、「スラットとシートの複合」等を追加してもよい。
また、以上説明した実施形態において、選定条件である「シャッター装置の仕様」のデータ項目として、「緩衝装置(有/無、有の場合には緩衝力の大きさ)」や「収まりの種類(天井内納まり/角ケース納まり)」等を追加してもよい。
さらに、「シャッターカー装置の仕様」のデータ項目として、「障害物感知装置」、「手掛け部材(中桟を含む)」、「シャッターカーテンの全閉時にこのシャッターカーテンの開き移動を阻止するためのロック装置」等を追加してもよい。そして、これらの部材がシャッターカーテン本体や水切(座板)に取り付けられている場合には、これらの部材の重量をシャッターカーテン本体や水切(座板)の重量に加算するようにしてもよい。
また、以上説明した実施形態において、新規入力画面210及び修正入力画面320の[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」の入出力フィールドの右側には、以下のような機能を有する検索ボタンを追加してもよい。
この追加された検索ボタンが押下されると、ぜんまいばね選定部134は、ぜんまいばね選定DB147に登録されているばね選定データのうち、これらの入力画面210,320で入力された[シャッター装置の仕様]に近似するシャッター装置の仕様情報を有するレコードを検索し、該当するレコードのぜんまいばねの仕様情報の一覧を図示しない別ウィンドウに表示するようにし、ばね選定作業者がこの別ウィンドウで選択したレコードのぜんまいばねの仕様情報が、新規入力画面210の[ぜんまいばねの仕様]の各データ項目の入出力フィールドへ表示されるようにしてもよい。すなわち、この追加検索機能は、ぜんまいばね選定DB147に登録されている選定済のぜんまいばねの仕様情報を参照することにより、入力画面210,320における[ぜんまいばねの仕様]の入力を省こうとするものである。
図34には、本発明のさらなる実施形態に係るシャッター装置用戻しばね選定装置400の構成図が示されている。この図34に示すように、本実施形態に係るばね選定装置400が前述の図9〜図33の実施形態に係るばね選定装置100と異なるのは、選定手段430を構成するぜんまいばね選定部434と、格納手段420を構成するシャッター装置仕様DB421及びぜんまいばね仕様DB422のみである。以下、本実施形態に係るばね選定装置400が前記ばね選定装置100と異なる点について図34〜図41により説明する。
図35には、本実施形態に係るばね選定装置400のぜんまいばね選定条件新規入力画面510が示されている。この図35に示すように、この新規入力画面510の最下部には、前述の図11のぜんまいばね選定条件新規入力画面210と同様に、登録ボタン511、選定表ボタン513、トルク特性図ボタン514、収納状態図ボタン515、終了ボタン516の5個のボタンが配置されているが、本実施形態では、さらに登録ボタン511と選定表ボタン513との間に、ばね選定ボタン512が配置されている。
前述の図9〜図33の実施形態と同様に、本実施形態においても、新規入力画面510の上部の[シャッター装置の仕様]のデータ項目である「シャッターカーテン本体のタイプ」、「駆動方式」、「シャッターカーテンの巻方向」、「左右のガイドレール間距離W」、「シャッターカーテンの開閉移動距離H」が選択、入力された後、さらに、<スラットの仕様>のデータ項目である「板厚寸法t」、「幅寸法W´」、「1個のスラットの単位長さ当たりの重量f2」、「回転体から繰り出されたスラットの個数Ns」、「中心軸からのカーテンの巻径R」、<水切(座板)の仕様>のデータ項目である「単位長さ当たりの重量f1」が入力されることにより、選定手段430のぜんまいばね選定部434は、シャッターカーテン全閉時におけるシャッターカーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´を算出し、この算出したトルクT´を新規入力画面510の下部(見出し項目が「カーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´」のフィールド)に表示するようになっている。なお、<スラットの仕様>のデータ項目のうちの「回転体から繰り出されたカーテンの自重F」は、前記ぜんまいばね選定部434により算出された結果が表示される項目である。
図43に示すように、本実施形態では、選定手段430のぜんまいばね選定部434は、ぜんまいばねトルク検索手段435を備えている。このぜんまいばねトルク検索手段435は、トルクT´が算出、表示された状態において、新規入力画面510の最下部に配置されているばね選定ボタン512が押下されると、トルクT´と同じ又は略同じ(言い換えると、トルクT´と同じ又はトルクT´に近似する)ぜんまいばねの戻しばね力による中心軸回りのトルクTを有するぜんまいばねの仕様データをぜんまいばね仕様DB122から検索、抽出するようになっている。そして、ぜんまいばね選定部134は、該当するぜんまいばねの仕様データの各データ項目を新規入力画面510の[ぜんまいばねの仕様]の対応するデータ項目フィールドに編集、表示するようになっている。
図36には、本実施形態に係るぜんまいばね選定装置400の格納手段420を構成するぜんまいばね仕様DB422のレイアウトがサンプルデータとともに示されている。この図36に示すように、ぜんまいばね仕様DB422には、左側の列からぜんまいばねのメーカー(文字列)、ぜんまいばねの型式(文字列)、弾性係数E(単位:N/m2)、板厚寸法h(単位:m)、板幅寸法b(単位:m)、(シャッターカーテン全閉時における)有効長L(単位:m)、(シャッターカーテン全閉時における)巻回数N(単位:m)、(シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの戻しばね力による中心軸回りの)トルクT(単位:N・m)、及び単価(単位:円)が格納されている。このように、このぜんまいばね仕様DB422には、シャッター装置に使用される典型的なぜんまいばねの仕様データがぜんまいばねのメーカー別、型式別に格納されている。なお、ぜんまいばね仕様DB422に格納されているこれらのぜんまいばねの仕様データは、図示しないメンテナンス画面において予め入力、登録されるものであり、随時又は定期的にデータのメンテナンス(登録、修正、削除)が行われるようになっている。
また、このぜんまいばね仕様DB422では、データ項目であるトルクTが昇順又は降順に並び替え可能なキーとなっており、これにより、ぜんまいばねトルク検索手段435は、トルクT´と等しい又は略等しいトルクTを有するぜんまいばねの仕様データをぜんまいばね仕様DB422からより迅速に検索することが可能となっている。すなわち、ぜんまいばねトルク検索手段435は、トルクT´と等しい又は略等しいトルクTを有するぜんまいばねの仕様データが存在するか否かを判定するためにぜんまいばね仕様DB434の全件データを検索しなくても済むようになっている。
具体的には、ぜんまいばねトルク検索手段435は、まずぜんまいばね仕様DB422のデータのうち、トルクT´と等しいトルクTを有するぜんまいばねの仕様データを検索する。もし該当するデータが存在しなかった場合には、ぜんまいばねトルク検索手段435は、トルクT´よりも小さいトルクTであって、トルクT´に略等しい(近似する)トルクTを有するぜんまいばねの仕様データを検索する。なお、それでも該当するデータが存在しなかった場合には、ぜんまいばねトルク検索手段435は、トルクT´よりも大きいトルクTであって、トルクT´に略等しい(近似する)トルクTを有するぜんまいばねの仕様データを検索するようにしてもよい。
ここで、トルクT´に略等しいと判定する範囲(言い換えると、トルクT´に近似する範囲)は任意に設定できるようになっている。
図37には、本実施形態に係るぜんまいばね選定装置400の格納手段420を構成するシャッター装置仕様DB421のレイアウトがサンプルデータとともに示されている。この図37に示すように、シャッター装置仕様DB421には、左側の列からカーテン本体のタイプ(文字列)、駆動方式(文字列)、巻方向(文字列)、間口W(単位:m)、高さH(単位:m)、カーテン本体のメーカー(文字列)、カーテン本体の型式(文字列)、カーテン本体の材質(文字列)、板厚寸法t(単位:m)、パイプ直径寸法(外径寸法)(単位:m)、シート厚寸法(単位:m)、ピッチ(単位:m)、単位長さ当たり重量(単位:N/m)、単位面積当たり重量(単位:N/m2)が格納されている。すなわち、このシャッター装置仕様DB421には、典型的なシャッター装置の仕様データがメーカー別、型式別に格納されている。
図37に示されているサンプルデータからわかるように、データ項目「板厚寸法」には、「カーテン本体のタイプ」が「スラット」である場合にのみデータが格納され、データ項目「パイプ直径寸法」には、「カーテン本体のタイプ」が「グリル」である場合にのみデータが格納され、データ項目「シート厚寸法」には、「カーテン本体のタイプ」が「シート」である場合にのみデータが格納され、データ項目「ピッチ」には、「カーテン本体のタイプ」が「スラット」又は「グリル」である場合にのみデータが格納され、データ項目「単位長さ当り重量」(1個のスラットの単位長さ当たりの重量、1個のパイプ(リンクを含む)の単位長さ当たりの重量)には、「カーテン本体のタイプ」が「スラット」又は「グリル」である場合にのみデータが格納されるようになっている。なお、データ項目「単位面積当り重量」(1個のスラットの単位面積当たりの重量、1個のパイプ(リンクを含む)の単位面積当たりの重量、シートの単位面積当たりの重量)には、「カーテン本体のタイプ」に関係なく、データが格納されるようになっている。
なお、前述した図9〜図33の実施形態では図示しなかったが、シャッター装置仕様DB121も、上記図37に示すシャッター装置仕様DB421と同様のレイアウト仕様となっている。
なお、ぜんまいばね仕様DB422のぜんまいばねの仕様データと同様に、シャッター装置仕様DB421に格納されているこれらのシャッター装置の仕様データも、図示しないメンテナンス画面において予め入力、登録されるものであり、随時又は定期的にデータのメンテナンス(登録、修正、削除)が行われるようになっている。
図38は、図36に示す新規入力画面510において、<スラットの仕様>の「板厚寸法t」に0.4(mm)、「幅寸法W´」に0.98(m)、「1個のスラットの単位長さ当たりの重量f2」に4.68(N/m)、「回転体から繰り出されたスラットの個数Ns」に69(個)、「中心軸からのカーテンの巻径R」に0.15(m)がそれぞれ入力され、さらに、<水切(座板)の仕様>の「単位長さ当たりの重量f1」に16.9(N/m)が入力されたことにより、ぜんまいばね選定部434がシャッターカーテン全閉時におけるシャッターカーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´を算出し、その算出結果である5.00×10(N・m)が、画面下部の「カーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´」のフィールドに表示されている状態において、画面の最下部に配置されているばね選定ボタン512が押下されたときの状態を示す図である。
ぜんまいばね選定部434のぜんまいばねトルク検索手段435は、ぜんまいばね仕様DB422のデータのうち、算出されたトルクT´(5.00×10(N・m))と等しい又は略等しいトルクTを有するレコードを検索する。図36に示されているぜんまいばね仕様DB422に格納されているサンプルデータでは、トルクTが5.00×10(N・m)である(データ)レコードは1件存在する(図36の先頭レコード)ので、ぜんまいばね選定部434は、図38に示されているように、該当するレコードの各データ項目(ぜんまいばねのメーカー、型式、弾性係数E、板厚寸法h、板幅寸法b、有効長L、巻回数N、トルクT)を、新規入力画面510の対応するフィールドに編集、表示する。
図39には、ぜんまいばねトルク検索手段435によるぜんまいばね仕様DB422の検索処理の結果、トルクT´と等しい又は略等しいトルクTを有するレコードが複数存在した場合において、これらのレコードのうちの1件を選択させるための選択ウィンドウ610が示されている。この図39に示されているのは、トルクT´が6.10×10であって、図38に示すようにぜんまいばね仕様DB422にはトルクTが6.00×10のレコードが3件存在する場合(6.10×10のレコードは無い)の例であり、選択ウィンドウ610には、ぜんまいばねトルク検索手段435により検索、抽出されたこれら3件のレコードの内容が表示されている。
この選択ウィンドウ610に表示されている複数のレコードから1レコードを選択するには、図示されていないが、上下の矢印キー(左右の矢印キーでもよい)を押下することによりカーソルを選択したいレコードの表示行まで移動した後、ウィンドウ610の最下部に配置されている選択ボタン611を押下する。これにより、選択されたレコードの各データ項目(ぜんまいばねのメーカー、型式、弾性係数E、板厚寸法h、板幅寸法b、有効長L、巻回数N、トルクT)が、新規入力画面510の対応する項目フィールドに編集、表示される。一方、選択ウィンドウ610に表示されている複数のレコードから1レコードを選択しない場合には、ウィンドウ610の最下部に配置されているキャンセルボタン612を押下する。
本実施形態では、ぜんまいばね仕様DB422のぜんまいばねの仕様データ項目にぜんまいばねの単価も含まれているので、ばね選定作業者は、ウィンドウ610に表示されている複数のぜんまいばねの仕様データのうち、最も単価の安いぜんまいばねを選択することも可能となる。なお、本実施形態では、該当するぜんまいばねの仕様データが複数存在した場合において、ぜんまいばね選定部434は最も単価の安いデータを選択し、選択したデータを新規入力画面510に直接表示するようにしてもよい(但し、最も単価の安いデータが複数存在した場合を除く)。すなわち、選択ウィンドウ610でデータの選択をさせずに、最も単価の安いデータを新規入力画面510に直接表示するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ばね選定ボタン512を押下しなくても、ぜんまいばねの選定は可能となっている。すなわち、前述の図9〜図33の実施形態と同様に、新規入力画面510の下部に表示されるトルクT´とトルクTが等しく又は略等しくなるまで、画面見出し項目[シャッター装置の仕様]以下のデータ項目のうちのトルクT´の算出に必要なデータ項目と、画面見出し項目[ぜんまいばねの仕様]以下のデータ項目のうちのトルクTの算出に必要なデータ項目の入力、変更を繰り返すことにより、ぜんまいばねの選定を行うことができるようになっている。
また、図35及び図38に示されているように、<スラットの仕様>の「メーカー」及び「型式」の入出力フィールドの左側にそれぞれ配置されている検索ボタン517,518がそれぞれ押下されることにより、前述の図9〜図33の実施形態と同様に、シャッター装置仕様DB421に登録されているスラットのメーカー、型式の一覧が表示された図示しない選択ウィンドウがそれぞれ表示される。また、[ぜんまいばねの仕様]の「メーカー」及び「型式」の入出力フィールドの左側にそれぞれ配置されている検索ボタン519,520がそれぞれ押下されることにより、前述の図9〜図33の実施形態と同様に、ぜんまいばね仕様DB422に登録されているぜんまいばねのメーカー、型式の一覧が表示された図示しない選択ウィンドウがそれぞれ表示される。
なお、ばね選定ボタン512の押下により仮に選定されたぜんまいばねの仕様データが新規入力画面510に編集、表示された後は、必要に応じてぜんまいばねの仕様データを変更してもよい。図36に示すぜんまいばね仕様DB422に登録されている仕様データは、1個のぜんまいばねについてのものとなっており、新規入力画面510の[ぜんまいばねの仕様]の「個数」の初期値は1(個)となっているので、この個数を1から複数に変更してもよい。例えば、個数を1(個)から4(個)に変更した場合には、ぜんまいばね選定部434は、選定されたぜんまいばねのトルクTは変更せずに板幅寸法bのみを変更するようになっている。このため、図38に示す例では、板幅寸法bは360(mm)から4分の1の90(mm)に変更される。したがって、シャッター装置には、板幅寸法bが90(mm)であって、弾性係数E、板厚寸法h、有効長L、巻回数Nが同じである4個のぜんまいばねが設けられることになる。
なお、この後、新規入力画面510の最下部に配置されているトルク特性図ボタン514や選定表ボタン513を押下することにより、選定されたぜんまいばねのトルク特性等を確認することが好ましい。なお、前述した図9〜図33の実施形態では、新規入力画面210(図11及び図22参照)の<巻取体の仕様>の各データ項目も入力されていないと、選定表ボタン212、トルク特性図ボタン213、収納状態図ボタン214の押下は無効となっていたが、本実施形態では、左右のガイドレール間距離W、シャッターカーテンの開閉移動距離H、トルクT及びトルクT´の算出に必要なデータ項目が入力されていれば、選定表ボタン513、トルク特性図ボタン514の押下は有効となる。
また、<巻取体の仕様>の各データ項目と、[ぜんまいばねの仕様]のばねの接触部分の半径方向の厚さ寸法h´が入力されていれば、収納状態図ボタン515の押下は有効となり、選定されたぜんまいばねの収納状態を確認することができるようになっている。
以上説明したのは、本実施形態におけるぜんまいばね選定条件新規入力画面510についてであったが、登録済みのばね選定データを修正するための図示しないぜんまいばね選定条件修正入力画面の仕様についても、前述の実施形態のぜんまいばね選定条件修正入力画面320と同様の仕様であって、さらに、画面の最下部にばね選定ボタンが配置されるものである。このため、本実施形態における修正入力画面においても、ばねの再選定が行えるようになっている。
次に、本実施形態において新規にぜんまいばねの選定処理を行うための処理手順を、前述の実施形態と異なる部分についてのみ、図40〜図42に示すフローチャート図により説明する。図40のフローチャート図は、前述の実施形態で説明した図22のフローチャート図に対応するものであり、また、図41及び図42のフローチャート図は、前述の実施形態で説明した図23のフローチャート図に対応するものであり、以下、図22を図40に置き換えたものとして、また、図23を図41及び図42に置き換えたものとして説明する。
図40に示すステップS810において、図35に示すぜんまいばね選定条件新規入力画面510の表示処理を実行したぜんまいばね選定部434は、次のステップS820において、ばね選定作業者にぜんまいばねの選定処理に必要なデータ項目の入力をさせる。なお、図示されていないが、本実施形態においても、このステップS820では、新規入力画面510の下部に配置されている「シャッターカーテン全閉時におけるぜんまいばねの戻しばね力による中心軸回りのトルクT」及び「シャッターカーテン全閉時におけるシャッターカーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´」の計算処理が、ぜんまいばね選定部434により行われるようになっている。そして、トルクT及びトルクT´の算出に関係するデータ項目が入力、変更されるたびに、ぜんまいばね選定部434によるトルクT及びT´の計算処理が実行され、その計算結果が新規入力画面510にリアルタイムで表示されるようになっている。
次に、ぜんまいばね選定部434は、新規入力画面510におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS830,S840)。
まず、終了ボタン516が押下された場合(ステップS830−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、図21のぜんまいばね選定処理メニュー画面200の表示処理(ステップS10)へ戻る。
一方、終了ボタン516が押下されなかった場合(ステップS830−NO)であって、登録ボタン511が押下された場合(ステップS840−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、新規入力画面510に表示されている各データ項目を出力手段140の記憶部143のぜんまいばね選定DB147への登録処理を実行する(ステップS850)。この後、ぜんまいばね選定部434は、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。
新規入力画面510において、終了ボタン516が押下されなかった場合(ステップS830−NO)であって、登録ボタン511が押下されなかった場合(ステップS840−NO)には、ぜんまいばね選定部434は、カーテンの自重Fによる中心軸回りのトルクT´の算出に必要なデータ項目が入力済かどうかの判定を行う(ステップS860)。
トルクT´の算出に必要なデータ項目が入力済でない場合(ステップS860−NO)には、ぜんまいばね選定部434は、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。一方、トルクT´の算出に必要なデータ項目が入力済である場合(ステップS860−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、新規入力画面510の下部に配置されているばね選定ボタン512、選定表ボタン513、トルク特性図ボタン514、収納状態図ボタン515のいずれかが押下されたかどうかの判定を図41のステップS870、S960〜S980で実行する。
新規入力画面510において、ばね選定ボタン512が押下された場合(ステップS870−YES)には、ぜんまいばね選定部434のぜんまいばねトルク検索手段435は、ぜんまいばね選定部434が算出したカーテンの自重トルクT´に等しい又は略等しいトルクTを有するぜんまいばねの仕様データをぜんまいばね仕様DB422から検索する処理を実行する(図42のステップS880)。
このステップS880での検索処理の結果、該当するデータが無かった場合(ステップS890−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。なお、図示されていないが、該当するデータがなった場合(ステップS890−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、該当データなしの旨のエラーメッセージを新規入力画面510に表示するようになっている。
一方、ステップS880での検索処理の結果、該当するデータが存在した場合(ステップS890−NO)であって、該当するデータが複数件存在しなかった場合(言い換えると、該当するデータが1件であった場合)(ステップS900−NO)には、ぜんまいばね選定部434は、該当するぜんまいばねの仕様データレコードを読み込み、各データ項目を新規入力画面510の該当するフィールドに編集、表示し(ステップS910)、その後、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。
また、ステップS880での検索処理の結果、該当するデータが存在した場合(ステップS890−NO)であって、該当するデータが複数件存在した場合(ステップS900−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、図39に示す選択ウィンドウ610を表示し、この選択ウィンドウ610に該当する複数のぜんまいばねの仕様データを編集、表示する。そして、ばね選定作業者に対して、この選択ウィンドウ610に表示されている複数のデータの中から1つを選択させる(ステップS930,S940)。
次に、ぜんまいばね選定部434は、選択ウィンドウ610におけるばね選定作業者による入力部111の操作内容を判定する(ステップS930,S940)。
まず、キャンセルボタン612が押下された場合(ステップS930−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、そのままぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。一方、キャンセルボタン612が押下されなかった場合(ステップS930−NO)であって、選択ボタン611が押下された場合(ステップS940−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、選択ウィンドウ610で選択されたぜんまいばねの仕様データ(カーソル表示行のデータ)を読み込み、新規入力画面510に表示する処理を実行する(ステップS950)。この後、ぜんまいばね選定部434は、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。一方、キャンセルボタン612が押下されなかった場合(ステップS930−NO)であって、選択ボタン611も押下されなかった場合(ステップS940−NO)には、ぜんまいばね選定部434は、選択ウィンドウ610におけるデータ選択処理(ステップS920)へ戻る。
図41の前記ステップS870において、ばね選定ボタン512が押下されなかった場合(ステップS870−NO)には、ぜんまいばね選定部434は、次に、選定表ボタン513が押下されたか否かの判定処理を実行する(ステップS960)。そして、選定表ボタン513が押下された場合(ステップS960−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、図24に示すステップS200以降の処理を実行する。
選定表ボタン513が押下されなかった場合(ステップS960−NO)であって、トルク特性図ボタン514が押下された場合(ステップS970−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、図25に示すステッ240以降の処理を実行する。
トルク特性図ボタン514が押下されなかった場合(ステップS970−NO)であって、収納状態図ボタン515が押下された場合(ステップS980−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、次に、ぜんまいばね収納状態図の作成に必要なデータ項目が入力されているか否かの判定処理(ステップS990)を実行する。
ぜんまいばね収納状態図の作成に必要なデータ項目が入力されていなかった場合(ステップS990−NO)には、ぜんまいばね選定部434は、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。一方、ぜんまいばね収納状態図の作成に必要なデータ項目が入力されていた場合(ステップS990−YES)には、ぜんまいばね選定部434は、図26に示すステップ280以降の処理を実行する。
そして、前記ステップS980において、収納状態図ボタン515が押下されなかった場合(ステップS980−NO)、言い換えると、新規入力画面510の画面最下部のボタン511〜516が押下されなかった場合には、ぜんまいばね選定条件の新規入力処理(ステップS820)へ戻る。
以上は、本実施形態におけるぜんまいばね選定条件新規入力処理の手順の説明であったが、ぜんまいばね選定条件修正入力処理も同様の手順となる。すなわち、前述の実施形態のスローチャート図が示されている図31のステップS710が、図40のステップS860に置き換わったものとなり、また、図31のステップS720が、図41のステップS870以降の処理に置き換わったものとなる。
以上説明した本実施形態(図34〜図42の実施形態)では、ぜんまいばね選定条件新規入力画面、及びぜんまいばね選定条件修正入力画面において、シャッターカーテンの自重トルクT´の算出に必要なデータ項目が入力されていれば、画面最下部に配置されているばね選定ボタンを押下することにより、ぜんまいばね選定部434のぜんまいばねトルク検索手段435が、前記トルクT´と等しい又は略等しいばねトルクTを有するぜんまいばねの仕様データをぜんまいばね仕様DB422から検索するようになっている。このため、本実施形態によると、前述した図9〜図33の実施形態と比較して、ぜんまいばねの選定作業がより容易に行えるようになる。
以上説明した図9〜図42の実施形態によると、シャッター装置に好適なぜんまいばねの選定作業をばね選定装置によって事前に十分検討しながら行うことができるので、工場等では、ぜんまいばねやこのぜんまいばねを収納するためのばね収納体(カップ状部材)の種類を多く用意しなくて済み、また、ぜんまいばねやばね収納体の在庫量の減少も期待できる。また、ぜんまいばねやばね収納体の種類が少なければ、製造作業もそれだけ容易となる。
なお、以上説明した図9〜図42の実施形態では、[シャッター装置の仕様]に関するデータ項目である「駆動方式」、「シャッターカーテンの巻方向」については、ぜんまいばねのトルク計算や収納状態図の作成等のためには必ずしも必要ではないので、これらのデータ項目を省いた実施形態としてもよい。
また、以上説明した図9〜図42の実施形態では、シャッター装置に設けられるぜんまいばねの個数を複数個とした場合には、それぞれのぜんまいばねの弾性係数、板厚寸法、板幅寸法、シャッターカーテン全閉時における有効長や巻回数のすべてが同一のものとなっていたが、それぞれのぜんまいばねの弾性係数、板厚寸法、シャッターカーテン全閉時における有効長や巻回数が同一であって、板幅寸法のみが異なるものに設定できるようにしてもよい。
また、以上説明した図9〜図42の実施形態では、シャッター装置に設けられるぜんまいばねの個数に関係なく、ぜんまいばねが収納されるばね収納体であるカップ状部材の内径寸法Dc及び幅寸法Wcはすべて同一又は略同一となるものであった。しかし、ぜんまいばねの個数が複数である場合には、それぞれのカップ状部材の内径寸法Dcはすべて同一又は略同一であって、幅寸法Wcはそれぞれ異なるものとしてもよい。