シャッターカーテンの上下方向の開閉移動が巻取体による巻き取り、繰り出しによってなされるシャッター装置では、シャッターカーテンを上向きに開き移動させるために必要なシャッターカーテン開き移動トルクの大きさは、巻取体から繰り出されているシャッターカーテンの自重による巻取体回りの自重トルクと、これ以外のトルクとの合計、例えば、シャッターカーテンを開き移動させるときに生ずるガイドレールとシャッターカーテンとの摩擦力等の抵抗力による巻取体回りの抵抗トルクとの合計となる。これらのトルクのうち、自重トルクは、巻取体から繰り出されているシャッターカーテンの自重と、巻取体の中心からこの自重が作用している位置までの水平距離との積算値となり、これらの自重と水平距離の両方は巻取体からのシャッターカーテンの繰り出し量と関係している。このようなことから、上記シャッターカーテン開き移動トルクは、一般的には、巻取体の回転数に対して直線的に変化せず、曲線的に変化するものとなっている。
しかし、従来のシャッター装置において、シャッターカーテンの閉じ移動時に蓄圧された戻しばね力がシャッターカーテンの開き移動時に巻取体の回転付勢力として利用されるようになっている戻しばねは、コイルばねとなっており、このコイルばねの戻しばね力は、巻取体の回転数に対して直線的に変化するものとなっているため、この戻しばね力による巻取体回りのトルクは、巻取体の回転数に対して直線的に変化することになる。
このため、従来の戻しコイルばね付きのシャッター装置によると、たとえ、2個のコイルばねを直列に連結しても、シャッターカーテンの閉じ移動時に蓄圧されるコイルばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクを、上述のように巻取体の回転数に対して曲線的に変化するものとなっているシャッターカーテン開き移動トルクと対応させることが難しい。
本発明は、渦巻きばねのばね定数は一定ではなく、そのばね力は非線形の特性を有していることに本発明者が着目してなされたものである。
本発明の目的は、シャッターカーテンの閉じ移動時に蓄圧される戻しばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクを、シャッターカーテンを開き移動させるために必要なシャッターカーテン開き移動トルクと容易に対応させることができるようになるシャッター装置を提供するところにある。
本発明に係るシャッター装置は、上下方向へ開閉移動可能となったシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの開閉移動のため前記シャッターカーテンを巻き取り、繰り出す回転を行う巻取体と、前記シャッターカーテンの下方への繰り出し時における前記巻取体の回転によって戻しばね力が蓄圧され、この蓄圧された戻しばね力が前記シャッターカーテンの巻き取り時の前記巻取体の回転付勢力として利用される戻しばねと、を有しているシャッター装置において、この戻しばねが、一端から他端に向かって渦巻き状に巻回している渦巻きばねとなっていることを特徴とするものである。
一端から他端に向かって渦巻き状に巻回している渦巻きばねでは、一端が外径側の端部となっていて他端が内径側の端部となっており、これらの端部の間は円周方向に巻回しながら半径方向へ延伸している。このような巻回状態となっている渦巻きばねでは、同じ半径で巻回しながら軸方向へ延伸しているコイルばねと異なり、ばね定数が一定となっておらず、蓄圧された戻しばね力は非線形の特性を有することになる。
このため、シャッターカーテンの閉じ移動時の渦巻きばねに戻しばね力を蓄圧し、この戻しばね力をシャッターカーテンの開き移動時における巻取体の回転付勢力として利用している本発明によると、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクを、シャッターカーテンを開き移動させるために必要なトルクであって、巻取体の回転数に対して曲線的に変化するものとなっているシャッターカーテン開き移動トルクと容易に対応させることができる。
これにより、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクと、シャッターカーテン開き移動トルクとの差を小さくでき、シャッターカーテンを容易に開き移動させることができる。また、シャッターカーテンの全開位置から全閉位置までの開閉移動領域の全体又は略全体について、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクと、シャッターカーテン開き移動トルクとの差を小さくすることも可能となり、これにより、シャッターカーテンの容易な開き移動を、シャッターカーテンの開閉移動領域の全体又は略全体について達成することも可能となる。
本発明において、シャッターカーテン開き移動トルクの特性に応じて、渦巻きばねの巻き締め初期から巻き締め終期までのうちの任意な範囲を利用することができる。すなわち、渦巻きばねの巻き締め初期から巻き締め終期までの全体範囲を利用してもよく、巻き締め初期を含む初期範囲と巻き締め終期を含む終期範囲とを除いた中間範囲だけを利用してよく、これらの初期範囲と終期範囲とのうちの一方と、上記中間範囲とを利用してもよい。
また、渦巻きばねは、巻き締め初期において外層部と内層部とのうちの一方が蜜巻き部となっていて他方が粗巻き部となっているとともに、巻き締め終期において前記一方が粗巻き部となって前記他方が蜜巻き部となるものでもよい。このような渦巻きばねにおいては、巻き締め初期を含む初期範囲と巻き締め終期を含む終期範囲とを除いた中間範囲を、シャッターカーテンの全開位置から全閉位置までの開閉移動領域と対応する範囲として利用することが好ましい。
これによると、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクを、シャッターカーテンを開き移動させるために必要なシャッターカーテン開き移動トルクと一層正確に対応させることができる。
なお、ここでいう密巻き部には、内外径方向に隣接している2つの巻き部が互いに接触している場合と、接触してない場合との両方が含まれる。また、粗巻き部には、この粗巻き部が1回転以下となっている巻き部によって形成されている場合と、1回転以上となっている巻き部によって形成されている場合との両方が含まれる。
また、本発明において、シャッターカーテンの全開位置から全閉位置までの開閉移動領域の全体又は略全体について、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクの大きさを、シャッターカーテンを上向きに開き移動させるために必要な巻取体回りのシャッターカーテン開き移動トルクよりも小さく、かつシャッターカーテンを下向きに閉じ移動させるようとする巻取体回りのシャッターカーテン閉じ移動トルクよりも大きくしてもよい。
これによると、シャッターカーテンに特別の閉じ移動力や開き移動力を加えない限り、シャッターカーテンの開閉移動領域の全体又は略全体におけるいずれの位置でもシャッターカーテンを停止させることができる。また、手動操作や自動装置でシャッターカーテンに閉じ移動や開き移動を行わせるときには、上記特別の閉じ移動力や開き移動力に相当する比較的小さな閉じ移動力や開き移動力をこの手動操作や自動装置によってシャッターカーテンに加えることにより、シャッターカーテンを所望どおり移動させることができる。
なお、ここでいう、シャッターカーテンの開閉移動領域の略全体について、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクの大きさを、シャッターカーテンを上向きに開き移動させるために必要な巻取体回りのシャッターカーテン開き移動トルクよりも小さく、かつシャッターカーテンを下向きに閉じ移動させるようとする巻取体回りのシャッターカーテン閉じ移動トルクよりも大きくする、とは、前述した巻取体がある回転角度になったときにおいて、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクの大きさが、シャッターカーテンを上向きに開き移動させるために必要な巻取体回りのシャッターカーテン開き移動トルクと、シャッターカーテンを下向きに閉じ移動させようとする巻取体回りのシャッターカーテン閉じ移動トルクとの間の大きさとなっていなくてもよいとの意味である。
このような巻取体の回転角度の一例は、巻取体とシャッターカーテンの上端部との連結部が、巻取体の中心に対して水平となる位置に達したときである。このときには、シャッターカーテンの上端部に、この上端部を巻取体に連結するための吊り元部材等の連結部材が設けられ、この連結部材の厚さ分だけ巻取体の中心からシャッターカーテンの繰り出し位置までの水平距離が大きくなるため、巻取体から繰り出されているシャッターカーテンの自重による巻取体回りのシャッターカーテン閉じ移動トルクやシャッターカーテン開き移動トルクが大きくなる。
また、シャッターカーテンが全開位置に達しているときに、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクの大きさが、巻取体回りのシャッターカーテンの開き移動トルクよりも大きくなるようにしてもよい。これによると、シャッターカーテンが全開位置に達すると、渦巻きばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクによってシャッターカーテンには上方への付勢力が付与されることになり、これにより、シャッターカーテンの閉じ側の端部である下端部に設けられている座板等のエンド部材を、まぐさ等のシャッターカーテン全開位置規定部材に当接させることができるため、シャッターカーテンを全開位置にこの当接力をもって停止させることがきる。
以上において、渦巻きばねは、一端から他端に向かって渦巻き状に巻回している限りにおいて、ばね性を有する任意な材料で形成されていてよい。すなわち、渦巻きばねは、板材を渦巻き状に巻回したものでもよく、断面が円形や矩形等となった線材を渦巻き状に巻回したもの等でもよい。
渦巻きばねを、板材を渦巻き状に巻回したもの、言い換えると、渦巻きばねをぜんまいばねとすると、板材の厚さは小さいため、渦巻きばね全体の直径を小さくでき、これにより、シャッター装置における渦巻きばね配置箇所について、渦巻きばね半径方向の寸法の小型化を達成できる。
また、渦巻きばねは、軸方向の同一位置又は略同一位置において巻回しているばねでもよく、軸方向に次第に変位しながら巻回しているばね、言い換えると、円錐形ばねやたる形ばね等でもよい。
渦巻きばねを、軸方向の同一位置又は略同一位置において巻回しているばねとすると、渦巻きばねの軸方向長さを短くでき、これにより、シャッター装置における渦巻きばね配置箇所について、軸方向の寸法の小型化を達成できる。
渦巻きばねをシャッターカーテンの繰り出し時における巻取体の回転で蓄圧し、この蓄圧された戻しばね力をシャッターカーテンの巻き取り時における巻取体の回転付勢力として利用できるようにするためには、シャッター装置に、渦巻きばねの外側に配置された部分を有する外側部材と、渦巻きばねの内部に配置された内部部材とを設け、これらの外側部材と内部部材とのうちの一方をシャッターカーテンの巻き取り時と繰り出し時に回転する回転部材とし、他方を回転しない非回転部材とすればよい。
そして、渦巻きばねの外端部を外側部材に連結し、内端部を内部部材に連結することになるが、これを実現するための一例は、渦巻きばねの外端部を外向きに屈曲して外側部材の係止部に係止し、内端部を内向きに屈曲して内部部材の係止部に係止することである。
これによると、渦巻きばねの渦巻き状に巻回している部分の影響を受けずに、これらの外端部と内端部とを外側部材と内部部材とに簡単な構造で容易に連結することができ、また、外端部と内端部とが渦巻きばねの巻き締めを阻害することもない。
このようにシャッター装置に、渦巻きばねの外側に配置された部分を有する外側部材を設ける場合には、この部分を、渦巻きばねの全体を覆う軸方向の幅寸法を有するものとすることが好ましい。
これによると、渦巻きばねを外側部材によって外力から保護でき、渦巻きばねの損傷を防止できる。
以上において、渦巻きばねの個数は1個でもよく、複数個でもよい。また、渦巻きばねを複数個とする場合には、それぞれの渦巻きばねを分離して配置してもよく、2個又は3個以上の渦巻きばね同士を連結して配置してもよい。
また、巻取体に対する渦巻きばねの配置位置は任意である。
その第1番目の例は、巻取体の構成部材に中空部材がある場合に、この中空部材の内部に渦巻きばねを収納配置することである。これによると、中空部材の内部スペースを渦巻きばね配置スペースとして活用して戻しばねの配設を行える。
第2番目の例は、渦巻きばねを巻取体の外周に巻回状態で配設することである。
第3番目の例は、巻取体が、この巻取体の中心部に配置された第1部材と、巻取体の中心部から半径方向へ離れた位置に配置された第2部材とを含んで構成されている場合に、渦巻きばねの配置位置をこれらの第1部材と第2部材との間とすることである。これによると、巻取体のデッドスペースを有効利用して渦巻きばねの配置を行え、巻取体等が大型化するのをなくすことができる。
第4番目の例は、これまでの例と異なり、渦巻きばねを巻取体の配置位置とは別の位置に配設し、渦巻きばねと巻取体とを歯車等による回転する中間部材を介して連結することである。これによっても、巻取体と渦巻きばねとを中間部材を介して接続でき、シャッターカーテンの繰り出し時における巻取体の回転により渦巻きばねに戻しばね力を蓄圧でき、この戻しばね力をシャッターカーテンの巻き取り時における巻取体の回転付勢力として利用できる。
また、巻取体の構成も任意である。
その第1番目の巻取体の例は、巻取体を回転自在な1本の軸とすることである。この場合における1本の軸とは、複数本の軸で形成されているが、これらの軸が軸方向に直列に結合されていて1本となっているものでもよい。また、この1本の軸は、中空軸でもよく、中実軸でもよい。
第2番目の巻取体の例は、中心部に回転しない非回転中心軸を設け、この非回転中心軸を中心に回転自在となったホイール部材を非回転中心軸の軸方向に離して複数配置し、これらのホイール部材同士を、非回転中心軸から半径方向に離れた位置に配置された連結部材で連結することである。
第3番目の巻取体の例は、中心部に回転する回転中心軸を設け、この回転中心軸に固定された複数のホイール部材を回転中心軸の軸方向に離して複数設け、これらのホイール部材同士を、回転中心軸から半径方向に離れた位置に配置された連結部材で連結することである。
これらの例のうち、第2番目と第3番目の例では、巻取体が、この巻取体の中心部に配置された第1部材(非回転中心軸、回転中心軸)と、巻取体の中心部から半径方向へ離れた位置に配置された第2部材(連結部材)とを含んで構成されていることになるため、巻取体をこれらの第2番目と第3番目の例のように構成する場合には、上述した巻取体に対する渦巻きばねの配置位置についての第3番目の例を適用することが可能となる。
また、本発明において、シャッターカーテンの全部又は主要部は任意な材料で形成されていてよく、例えば、複数のスラットの連設で形成されていてもよく、複数のパネルの連設で形成されていてもよく、布等のスクリーンで形成されていてもよく、リンクで連結された複数のパイプで形成されていてもよく、ネットで形成されていてもよく、これらのうちの少なくとも2つの複合等で形成されていてもよく。
さらに、本発明は任意な用途のシャッター装置に適用でき、例えば、出入口や窓等の開口部をシャッターカーテンで開閉する開口部用シャッター装置にも適用でき、シャッターカーテンで防災区画を形成する防災用シャッター装置にも適用でき、トラックの荷台に設置されるトラック用シャッター装置にも適用でき、車庫用シャッター装置等にも適用できる。そして、本発明を防災用シャッター装置に適用する場合には、その防災用シャッター装置は、火災等の異常事態発生時にシャッターカーテンがエレベータとエレベータホールとの間を閉鎖するエレベータ用防災シャッター装置でもよい。
このように本発明は、任意な用途のシャッター装置に適用でき、そして、シャッターカーテンの上下方向への開閉方向は、鉛直方向でもよく、この鉛直方向に対する傾き角度を有する傾斜方向でもよい。
また、本発明は、手動式シャッター装置、自動式シャッター装置、手動と自動の併用式シャッター装置、重力閉鎖式シャッター装置、手動と重力の併用式シャッター装置、自動と重力の併用式シャッター装置等の任意な形式のシャッター装置に適用できるものであって、シャッターカーテンの巻取体による下方への繰り出しは、例えば、手動操作とシャッターカーテンの自重とによる手動式でもよく、モータ等の駆動力とシャッターカーテンの自重とによる自動式でもよく、シャッターカーテンの自重のみによる重力式でもよく、手動式と自動式の併用式でもよく、また、シャッターカーテンの巻取体による上方への巻き取りは、例えば、手動式でもよく、モータ等の駆動力による自動式でもよく、これらの手動式と自動式の併用式でもよい。
さらに、本発明は、シャッターカーテンの巻取体からの繰り出しがばね等による付勢手段の付勢力が付加されてなされるシャッター装置にも適用できる。このような付勢手段付きのシャッター装置に本発明を適用する場合においては、前述したシャッターカーテンを下向きに閉じ移動させようとする巻取体回りのシャッターカーテン閉じ移動トルクには、付勢手段の付勢力による巻取体回りのトルクが含まれる。また、シャッターカーテンが上向きに開き移動する際にこの付勢手段の付勢力に対抗するための対抗力が必要な場合には、前述したシャッターカーテンを上向きに開き移動させるために必要な巻取体回りのシャッターカーテン開き移動トルクには、この対抗力による巻取体回りのトルクが含まれる。
本発明によると、シャッターカーテンの閉じ移動時に蓄圧される戻しばねの戻しばね力による巻取体回りのトルクを、シャッターカーテンを開き移動させるために必要なシャッターカーテン開き移動トルクと容易に対応させることができるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係るシャッター装置の全体正面図が示され、このシャッター装置は、シャッターカーテン1で建物の出入口10を開閉するための出入口用シャッター装置である。
また、このシャッター装置は、シャッターカーテン1の自重や手動操作によりシャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させ、手動操作によりシャッターカーテン1を上向きに開き移動させる形式のものとなっている。
出入口10の左右両側を形成している壁や柱等による建物躯体11には、上下に延びるガイドレール2が取り付けられ、これらのガイドレール2の内部に、シャッターカーテン1の幅方向両端部である左右両端部がスライド自在に挿入され、シャッターカーテン1はガイドレール2に案内されて上下方向に開閉移動可能となっている。出入口10の上部には、シャッターケース3が配設され、このシャッターケース3の内部に巻取体4が左右のブラケット5で支持されて水平に架設されている。シャッターカーテン1の上端部はこの巻取体4に連結され、シャッターカーテン1の上下方向の開閉移動は、巻取体4からのシャッターカーテン1の繰り出し、巻取体4によるシャッターカーテン1の巻き取りによりなされ、このシャッターカーテン1の開閉移動は、シャッターケース3の下面3Aに設けられているまぐさのスリットをシャッターカーテン1が挿通してなされる。
シャッターカーテン1は、閉じ側の先端部である下端部に設けられた座板1Aと、この座板1Aの上部に多数連設されたスラット1Bとを含んで構成され、座板1Aがシャッターケース3の下面3Aのまぐさの高さ位置に達しているときに、シャッターカーテン1は全開位置となっており、座板1Aが出入口10の床10Aに達したときに、シャッターカーテン1は全閉位置となる。このため、これらの全開位置から全閉位置までの領域が、シャッターカーテン1の開閉移動領域Lである。
シャッターカーテン1を構成している多数のスラット1Bのうち、シャッターカーテン1が全閉位置となったときに腰と同じ高さ程度にある所定のスラット1Bには、左右2個の手掛け部6が設けられ、シャッターカーテン1が全閉位置となっているときに、これら手掛け部6に手を掛けてシャッターカーテン1を持ち上げたり、座板1Aに操作棒の先端を係合してこの操作棒でシャッターカーテン1を上昇させることにより、シャッターカーテンを巻取体4に巻き取らせてシャッターカーテン1を全開位置まで開き移動させることができる。また、全開位置に達しているシャッターカーテン1の座板1Aに操作棒の先端を係止してこの操作棒でシャッターカーテン1を下降させたり、手掛け部6に手を掛けてシャッターカーテン1を押し下げることを行うことにより又は行わないことにより、シャッターカーテン1の自重を利用して、シャッターカーテン1を巻取体4から繰り出させて全閉位置まで閉じ移動させることができる。
図2には、巻取体4の構造が示されている。巻取体4は、図1で説明した左右のブラケット5で回転不能に支持されて回転しない中心軸20と、この中心軸20にそれぞれが軸受け24で回転自在に支持され、中心軸20の軸方向に離れて配置された複数のホイール部材21と、これらのホイール部材21同士を連結している連結バー22とで構成されており、複数のホイール部材21と連結バー22とにより、中心軸20を中心に回転する回転体23が形成されている。
この回転体23にシャッターカーテン1の上端部が連結され、中心軸20を中心とする回転体23の正逆回転により、シャッターカーテン1の巻取体4による繰り出し、巻き取りがなされる。
巻取体4の構成部材の分解斜視図である図3で示されているとおり、ホイール部材21は、半径方向への立ち上がり量を有する側壁部21Aと、この側壁部21Aの外周端から軸方向へ延びる外周壁部21Bとからなるカップ状であり、側壁部21Aの中心部に、中心軸20が挿通した前記軸受け24が配置されている。
図2で示すように、本実施形態では、中心軸20の軸方向におけるそれぞれのホイール部材21の配置位置に渦巻きばねであるぜんまいばね30が配設されている。ばね性を有する板材を渦巻き状に巻回することによって形成されているこのぜんまいばね30の配設のために、それぞれのホイール部材21の配置位置に、図3で示したぜんまいばね駆動部材31と、不動部材33とが配設されている。ぜんまいばね駆動部材31は、ホイール部材21と同じく、側壁部31Aと、この側壁部31Aの外周端から軸方向へ延びる外周壁部31Bとからなるカップ状であるが、側壁部31Aの中心部には中心軸20が貫通した孔32が形成され、この側壁部31Aがホイール部材21の側壁部21Aにボルト・ナット等による結合具34で結合されている。このため、ぜんまいばね駆動部材31は、回転体23と一体に回転する回転部材となっている。不動部材33は、中心軸20よりも少し大径のパイプ材からなり、この不動部材33は中心軸20の外周に嵌合されているとともに、中心軸20にボルト・ナット等による結合具35で結合されている。このため、不動部材33は、中心軸20と同じく回転しない非回転部材となっている。
また、ぜんまいばね駆動部材31の外周壁部31Bには長孔状の係止孔36が形成され、不動部材33には、一方の端部から切り込まれた係止溝37が形成されている。
図4は、図2のS4−S4線断面図である。この図4に示されているとおり、ぜんまいばね駆動部材31の係止孔36には、ぜんまいばね30の外向きに屈曲された外端部30Aが挿入係止され、不動部材33の係止溝37には、ぜんまいばね30の内向きに屈曲された内端部30Bが挿入係止されている。すなわち、ぜんまいばね30は、それぞれのホイール部材21の配置位置において、中心軸20の回りに巻回された状態でぜんまいばね駆動部材31と不動部材33との間に配設され、また、ぜんまいばね30は、中心軸20の軸方向の同一位置又は略同一位置において渦巻き状に巻回している。
ぜんまいばね30の巻回方向は、ホイール部材21と連結バー22とからなる前記回転体23が中心軸20を中心にシャッターカーテン1を繰り出す方向に回転(図4における右方向への回転)したときに、ぜんまいばね30が巻き締められる方向である。このため、シャッターカーテン1を繰り出しときの回転体23の回転により、ぜんまいばね30には戻しばね力が蓄圧されることになる。また、この蓄圧された戻しばね力は、シャッターカーテン1を巻き取るときの回転体23の回転付勢力として利用され、これにより、前述した手掛け部6や操作棒を用いた手動操作によってシャッターカーテン1を上方へ開き移動させる際、この開き移動を軽く行うことができるようになっている。
図5には、ぜんまいばね30の巻き締め初期の状態が示され、図6には、巻き締め終期の状態が示されている。これらの図5及び図6は、図4と比較してホイール部材21と連結バー22が除外されて示されている。図5の巻き締め初期では、ぜんまいばね30の外層部が密巻き部30Cとなっていて、内層部が粗巻き部30Dとなっており、図6の巻き締め終期では、ぜんまいばね30の外層部が粗巻き部30Eとなっていて、内層部が密巻き部30Fとなっている。
このような巻き締め状態で巻き締められるぜんまいばね30のばね定数は一定となっておらず、ぜんまいばね30は、非線形の戻しばね力の特性を有しているため、図5の巻き締め初期からぜんまいばね30の巻き締めが始まると、内層部が粗巻き部30Dとなっているこの巻き締め初期を含む初期範囲では、戻しばね力は大きな増加率で増加し、その後、戻しばね力の増加率は次第に低下する。そして、外層部が粗巻き部30Eとなる図6の巻き締め終期を含む終期範囲に達すると、戻しばね力の増加率は再び大きくなり、巻き締め終期において戻しばね力は最大値に達する。
図7は、横軸を巻取体4の回転体23の回転数とし、縦軸を巻取体4の中心軸20回りのトルクとしたグラフである。この図7には、巻取体4の回転体23の回転数に対するぜんまいばね30の戻しばね力による巻取体4の中心軸20回りのトルクA,Bの関係が示されている。ぜんまいばね30は、上述した非線形となった戻しばね力の特性を有しているため、ぜんまいばね30が図5から図6の状態になるときには、ぜんまいばね30の戻しばね力による巻取体4の中心軸20回りのトルクAは、巻き締め初期範囲αで大きな増加率で増加し、その後、増加率は中間範囲βで次第に小さくなり、巻き締め終期範囲γにおいて再び増加率は大きくなる。また、ぜんまいばね30が図6から図5の状態になるときにおけるトルクBは、トルクAと同様な特性となるが、トルクAと比較すると、ぜんまいばね30の材料や巻き込み状態等に基づくヒステリヒスによる差が生ずる。
図7には、シャッターカーテン1を上向きに開き移動させようとしたときに必要となる巻取体4の中心軸20回りのトルクCも示されている。このトルクCは、巻取体4から繰り出されている図4で示すシャッターカーテン1の自重(座板1Aの重量を含む)Wによる中心軸20回りの自重トルクと、シャッターカーテン1を上方へ開き移動させようとした際に、図1で示したガイドレール2とシャッターカーテン1との摩擦等に基づき生ずる抵抗力による中心軸20回りの抵抗トルクとの合計値である。シャッターカーテン1の自重Wによる自重トルクは、自重Wと、図4で示す中心軸20の中心部からこの自重Wが作用している位置までの水平距離Rとを積算した値となる。
また、図7には、シャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させようとする巻取体4の中心軸20回りのトルクDも示されている。このトルクDは、巻取体4から繰り出されているシャッターカーテン1の自重Wによる中心軸20回りの自重トルクから、シャッターカーテン1が下向きに閉じ移動しようとしたときにガイドレール2とシャッターカーテン1との摩擦等に基づき生ずる抵抗力による中心軸20回りの抵抗トルクを差し引いた値となる。
なお、自重Wによる自重トルクの大きさと、自重Wに基づき生ずる抵抗力による抵抗トルクの大きさとが同じである場合には、シャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させようとする巻取体4の中心軸20回りのトルクは、ゼロとなる。そして、シャッターカーテン1の開閉移動領域Lの全体において、これらの自重トルクと抵抗トルクの大きさが同じである場合には、トルクDは、シャッターカーテン1の開閉移動領域Lの範囲において、図7のグラフの横軸と一致する。
トルクCとトルクDの両方における自重トルクは、上述のように、巻取体4から繰り出されているシャッターカーテン1の自重Wと、中心軸20の中心部からこの自重Wが作用している位置までの水平距離Rとの関数となっており、これらの自重Wと水平距離Rのいずれも、巻取体4からのシャッターカーテン1の繰り出し量と関係している。このため、シャッターカーテン1を上向きに開き移動させるために必要な中心軸20回りのトルクCも、シャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させようとする中心軸20回りのトルクDも、図7で示されているとおり、巻取体4の回転数に対して直線的に変化せず、曲線的に変化する。
このようなトルクC,Dの変化特性は、前述したぜんまいばね30の戻しばね力による中心軸20回りのトルクA,Bのうち、初期範囲αと終期範囲γとを除いた中間範囲βにおける中心軸20回りのトルクの特性と近似している。また、中間範囲βにおける中心軸20回りのトルクA,Bの大きさを、トルクCよりも小さくかつトルクDよりも大きくすることができる。
言い換えると、本実施形態に係るシャッター装置では、初期範囲αと終期範囲γとを除いた中間範囲βにおいて、戻しばね力による中心軸20回りのトルクの特性がシャッターカーテン1の開閉移動に関するトルクC,Dの変化特性と近似しているぜんまいばね30であって、中間範囲βにおける戻しばね力による中心軸20回りのトルクの大きさが、トルクCよりも小さくかつトルクDよりも大きくなっているぜんまいばね30を用意し、このぜんまいばね30を、図4で示したように、ぜんまいばね駆動部材31と不動部材33を用いて巻取体4に配置している。
そして、本実施形態に係るシャッター装置では、中間範囲βが、図1で示したシャッターカーテン1の全開位置から全閉位置までの開閉移動領域Lの全体と対応するように、渦巻きばね30の使用範囲が設定されている。このため、本実施形態では、渦巻きばね30の初期範囲αと終期範囲γは使用されていない。
なお、シャッターカーテン1が全開位置に達しているときに、シャッターカーテン1に予定外の下向きの外部力が作用してもシャッターカーテンが下向きに閉じ移動しないようにするため、巻取体4に、この巻取体4の回転体23の回転を阻止する手動式のブレーキ装置を設けたり、前記まぐさ等の配置箇所に、座板等のシャッターカーテン構成部材に係脱自在に係合する係合部材を備えた手動式のストップ装置を設けたりし、シャッターカーテン1を下向きの閉じ移動させる際には、手動操作によってこれらのブレーキ装置やストップ装置を解除できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図5及び図6で示した巻き締め初期及び巻き締め終期におけるぜんまいばね30の密巻き部30C,30Fは、内外径方向に隣接している2つの巻き部同士が互いに離間しているものとなっているが、これらの巻き部同士は全体又は一部において接触しているものでもよい。また、図5及び図6において、巻き締め初期及び巻き締め終期におけるぜんまいばね30の粗巻き部30D,30Eは、1回転以下の巻き部となっているが、これらの巻き部は1回転以上の巻き部となっていてもよい。
以上説明した本実施形態によると、シャッターカーテン1の下方への繰り出し時に戻しばね力が蓄圧され、この蓄圧された戻しばね力がシャッターカーテン1の上方への巻き取り時における巻取体4の回転体23の回転付勢力として利用される戻しばねは、渦巻きばねであるぜんまいばね30となっており、このぜんまいばね30は、ばね定数が一定となっていなくて、非線形の戻しばね力の特性を有しているため、ぜんまいばね30の戻しばね力による中心軸20回りのトルクA,Bを、図7のグラフで示されているように、シャッターカーテン1を開き移動させるために必要なトルクや、シャッターカーテン1を閉じ移動させようとするトルクであって、巻取体4の回転体23の回転数に対して曲線的に変化するものとなっているトルクC,Dと容易に対応させることができる。
これにより、開き移動の途中で停止させたシャッターカーテン1を再び開き移動させるためには、図7のグラフにおいて、トルクCとトルクAの差のトルクに相当する持ち上げ力をシャッターカーテン1に加えればよく、また、閉じ移動の途中で停止させたシャッターカーテン1を再び閉じ移動させるためには、トルクBとトルクDの差のトルクに相当する押し下げ力をシャッターカーテン1に加えればよく、シャッターカーテン1の開閉操作を容易に行える。
また、ぜんまいばね30は巻き締め初期から巻き締め終期までの全部の範囲が使用されているのではなく、外層部が蜜巻き部30Cとなっていて内層部が粗巻き部30Dとなっている巻き締め初期を含む初期範囲αと、外層部が粗巻き部30Eとなっていて内層部が蜜巻き部30Fとなっている巻き締め終期を含む終期範囲γとを除いた中間範囲βが、シャッターカーテン1の全開位置から全閉位置までの開閉移動領域Lと対応する範囲となって利用されているため、ぜんまいばね30の戻しばね力による巻取体回りのトルクを、シャッターカーテンを開き移動させるために必要なシャッターカーテン開き移動トルクCや、シャッターカーテン1を閉じ移動させようとするシャッターカーテン閉じ移動トルクDと一層正確に対応させることができる。
さらに、本実施形態によると、シャッターカーテン1の全開位置から全閉位置までの開閉移動領域Lの全体について、ぜんまいばね30の戻しばね力による中心軸20回りのトルクA、Bの大きさは、シャッターカーテン1を上向きに開き移動させるために必要な中心軸20回りのシャッターカーテン開き移動トルクCよりも小さく、かつシャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させるようとする中心軸20回りのシャッターカーテン閉じ移動トルクDよりも大きいため、シャッターカーテン1に特別の閉じ移動力や開き移動力を加えない限り、シャッターカーテン1の開閉移動領域Lの全体におけるいずれの位置でもシャッターカーテン1を停止させることができる。また、シャッターカーテン1を閉じ移動、開き移動させるときには、小さな閉じ移動力や開き移動力を加えればよく、このため、シャッター装置の操作性が向上する。
なお、図7で示したトルクEは、戻しばね力が巻取体4の回転数に対して直線的に変化する特性、言い換えると、線形の特性となっているコイルばねによる中心軸20回りのトルクを示している。このコイルばねによる中心軸20回りのトルクEは、巻取体4の回転数に対して単に比例的に変化するだけであるため、トルクEをシャッターカーテン開き移動トルクCやシャッターカーテン閉じ移動トルクDと対応させることは困難であり、また、シャッターカーテン1の全開位置から全閉位置までの開閉移動領域Lの全体について、トルクEの大きさを、シャッターカーテン開き移動トルクCよりも小さくかつシャッターカーテン閉じ移動トルクDよりも大きくすることは難しい。
また、本実施形態で渦巻きばねとして採用しているぜんまいばね30は、厚さが小さな板材を渦巻き状に巻回したものであって、その直径を小さくできるため、このぜんまいばね30を配置したぜんまいばね配置箇所の半径方向の寸法を小さくできる。
また、本実施形態のぜんまいばね30は、中心軸20の軸方向の同一位置又は略同一位置において巻回しているばねとなっているため、ぜんまいばね30の軸方向長さを短くでき、これにより、ぜんまいばね30の配置箇所の軸方向の寸法も小さくできる。
さらに、本実施形態によると、前記ぜんまいばね駆動部材31は、その外周壁部31Bがぜんまいばね30の外側に配置された部分となった外側部材になっているとともに、前記不動部材33は、ぜんまいばね30の内部に配置された内部部材となっており、巻取体4の回転体23に結合されて回転する部材となっているぜんまいばね駆動部材31の係止孔36に、ぜんまいばね30の外向きに屈曲された外端部30Aが係止され、巻取体4の回転しない中心軸20に結合されて非回転部材となっている不動部材33の係止溝37に、ぜんまいばね30の内向きに屈曲された内端部30Bが係止されているため、ぜんまいばね30の渦巻き状に巻回している部分の影響を受けずに、これらの外端部30Aと内端部30Bとをぜんまいばね駆動部材31と不動部材33とに簡単な構造で容易に連結することができ、また、外端部30Aと内端部30Bがぜんまいばね30の巻き締めを阻害することもない。
また、ぜんまいばね駆動部材31におけるぜんまいばね30の外側に配置された外周壁部31Bは、図2で示されているとおり、ぜんまいばね30の全体を覆う軸方向の幅寸法を有しており、このため、この外周壁部31Bによってぜんまいばね30を外力から保護でき、ぜんまいばね30が損傷するのを防止できる。
さらに、本実施形態では、巻取体4が、この巻取体4の中心部に配置された第1部材としての中心軸20と、巻取体4の中心部から半径方向へ離れた位置に配置され、それぞれのホイール部材21を連結している第2部材としての連結バー22とを含んで構成され、ぜんまいばね30配置位置は、これらの中心軸20と連結バー22との間となっているため、巻取体4のデッドスペースを有効利用してぜんまいばね30の配設を行えることになり、巻取体4全体が大型化することはない。
図8は、ぜんまいばね30の戻しばね力による中心軸20回りのトルクA、Bの大きさが、シャッターカーテン1を上向きに開き移動させるために必要な中心軸20回りのシャッターカーテン開き移動トルクC’よりも小さく、かつシャッターカーテン1を下向きに閉じ移動させるようとする中心軸20回りのシャッターカーテン閉じ移動トルクD’よりも大きくなっている範囲が、シャッターカーテン1の全開位置から全閉位置までの開閉移動領域L’の全体ではなく、全開位置と、この全開位置から下向きのある距離までの範囲とを除いた略全体となっている実施形態を示す。
このような実施形態は、シャッターカーテン1の開閉移動距離が大きいシャッター装置、言い換えると、シャッターカーテン1の全開位置が高い位置となっているシャッター装置に特に有効に適用でき、手を上げても届かない高い位置にシャッターシャッター1が達しているときに、トルクA,BがトルクC’,D’よりも大きくなっていることにより、座板1Aが前記まぐさに当接する全開位置までシャッターカーテン1を自動的に開き移動させることができる。
なお、図8で示されているα’は、このような実施形態において、巻き締め終期範囲γと共にシャッターカーテン1の開閉移動のために使用されないぜんまいばね30の巻き締め初期範囲であり、β’は中間範囲である。この中間範囲β’が、シャッターカーテン1の開閉移動領域L’と対応する範囲となる。