JP4937457B2 - 顕微鏡制御装置、顕微鏡制御システム、顕微鏡の制御方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

顕微鏡制御装置、顕微鏡制御システム、顕微鏡の制御方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として医療・生物系の顕微鏡画像を観察するシステムで好適に利用される技術に関するものであり、特に、病理標本を遠隔で観察するテレパソロジーシステムで好適に利用されるものである。またテレパソロジーシステムに限らず、顕微鏡画像を光軸方向に移動させた画像を蓄積しておき、バーチャルなフォーカス画像をインターネット等の通信ネットワークを介して配信し、画像閲覧ソフトを実行するコンピュータで観察するような顕微鏡画像を利用する教育の用途にも適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、医療分野において、顕微鏡を用いた病理診断は必須の診断項目とされている。これに伴い、遠隔の病院から専門の病理医が常駐している大学の病院等に顕微鏡画像を伝送し、送られた画像をもとに大学の病理医が診断を遠隔で行うシステムが提案されている。
【0003】
病理検査とは一般的には臓器や組織の検査である。その検査対象は例えば外科的手法により採取された胃や大腸、リンパ腺などである。また、内視鏡検査や細いパイプを使用して採取された組織片も検査対象であり、これは生検組織と呼ばれる。更に腹水、尿、痰、血液などの液状のものも検査対象となり、このような液状のものは、その液中に存在する細胞を集めて調べることから細胞診と呼ばれる。
【0004】
このような病理検査の細胞診においては、細胞をスライドガラスに塗り付けて観察を行うので標本自体に厚みがあり、顕微鏡の焦点を合わせるべき位置が必ずしも1個所のみにはならない。このような場合、焦点をずらしながら標本を観察するような顕微鏡の使い方がなされる。このような技術に関し、顕微鏡に備えられたビデオカメラによって取り込まれたマクロ画像における指定がなされた箇所と同一座標、同一倍率の顕微鏡画像であって顕微鏡における光軸方向に焦点の位置を変化させて得られる該顕微鏡画像をコンピュータに複数枚取り込み、1つの対象に対する焦点をずらした画像の集まりとしてこれらの顕微鏡画像を取り扱い再生する顕微鏡遠隔観察システムが特開平6−250097号公報に開示されている。このシステムは通信コストを安価にするため静止画像の伝送を行うようにしてはいるが、光ファイバ等の大容量の通信回線を利用し、顕微鏡の光軸方向に移動させて得られる動画をその通信回線で転送するようにして動画像を扱えるようにこのシステムを変形することは容易に行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したシステムでは、複数の焦点位置での顕微鏡画像を取り込むための焦点の移動ピッチ(顕微鏡光軸方向微動量)を明確に決めておらず任意であるため、この移動ピッチによっては無駄な画像を取得してしまったり、あるいは移動ピッチが大きいために本来観察したい位置の画像が取得できていなかったりしてしまうことがあり得る。
【0006】
本発明で注目した点は、この焦点の移動ピッチであり、本発明が解決しようとする課題は、この焦点移動ピッチを適切に設定し、無駄のない画像取得を可能とすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、観察対象である標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡の制御を行うシステム、装置、又は方法を前提とする。
そして、本発明の態様のひとつである顕微鏡制御システムは、少なくとも2つの対物レンズを備えた顕微鏡の制御を行い観察対象である標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡制御システムであって、前記対物レンズと該対物レンズの開口数とを関連付けた対物レンズ情報を記録する対物レンズ情報記録手段と、前記顕微鏡画像の取得のために選択された前記対物レンズの選択情報を取得する対物レンズ選択情報取得手段と、前記対物レンズ選択情報取得手段により取得された前記選択情報に基づいて、選択された対物レンズに関連する開口数を前記対物レンズ情報記録手段から取得する対物レンズ開口数取得手段と、前記対物レンズ開口数取得手段により取得された前記対物レンズの開口数と前記標本の観察のための光の波長とに基づいて、前記顕微鏡の焦点の位置の光軸方向の移動を行うときの1回当たりの該移動の間隔を決定する焦点移動間隔決定手段と、前記標本に対する前記焦点の位置の光軸方向の移動を行うときの該移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定する焦点移動範囲決定手段と、前記移動の間隔及び前記移動の範囲によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように前記顕微鏡の制御を行う焦点移動制御手段と、前記焦点移動制御手段の制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行う顕微鏡画像取得制御手段と、を有し、Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、前記焦点移動範囲決定手段は、前記移動の範囲をS×m×kと決定するように構成することによって前述した課題を解決する。
【0008】
上述した構成によれば、標本の観察のために用いられる光の波長と顕微鏡画像の取得対物レンズの開口数とに基づいた焦点の位置の移動間隔(焦点移動ピッチ)の決定が焦点移動間隔決定手段によって適切になされ、焦点位置がこの移動間隔に従って順次移動される度に顕微鏡画像が取得されるので、画像取得の無駄が削減される。
【0009】
なお、前述した本発明に係る顕微鏡制御システムにおいて、前記顕微鏡画像取得制御手段による制御によって取得された顕微鏡画像における任意の部位を指示する指示手段と、前記部位の輝度を示す情報を取得する輝度情報取得手段と、前記輝度が所定値よりも小さい場合に、前記標本の位置に対する前記焦点の位置が同一であるときにおいて前記顕微鏡で取得される複数枚の顕微鏡画像を、該顕微鏡画像を構成する画素毎に加算する顕微鏡画像加算手段と、を更に有するように構成してもよい。
【0010】
なお、この構成において、前記部位の輝度を示す情報として光の三原色の各色毎の輝度を示す情報が得られるときには、前記輝度情報取得手段は、これらのうちの輝度の最も高いものを該部位の輝度を示す情報とみなすようにするとよい。
この構成によれば、指示手段によって指示された部位の輝度が低いときに、画像に現れるノイズの量を抑制しながらその部位の輝度を高めた顕微鏡画像が得られ、観察したい部位の画像が良好な状態で取得される。
【0011】
また、前述した本発明に係る顕微鏡制御システムにおいて、前記顕微鏡画像取得制御手段による制御によって前記移動の間隔で異なる前記焦点の位置であるときにおいて取得された複数枚の静止画像である顕微鏡画像をひとつの動画像データに変換する動画像変換手段を更に有するように構成してもよい。
【0012】
この構成によれば、取得された顕微鏡画像を動画として見ることができるようになるので、標本のより詳細な観察を行うことができるようになる。
また、前述した本発明に係る顕微鏡制御システムにおいて、前記焦点移動制御手段は、前記焦点の位置の移動の制御を行うときに、前記顕微鏡の備える自動焦点設定機能を実行した結果として得られる前記標本についての焦点の位置に前記移動の範囲の中点を一致させるように前記顕微鏡の制御を行うように構成してもよい。
【0013】
この構成によれば、自動焦点設定機能(いわゆるオートフォーカス機能)によって焦点の位置が標本の厚さ方向のほぼ中央に設定され、その位置を焦点の移動範囲の中点とするので、画像取得の無駄が大幅に削減される。
なお、前記焦点移動制御手段は、前記焦点の位置の移動の制御を行うときに、前記顕微鏡の備える自動焦点設定機能を実行した結果として得られる前記標本についての焦点の範囲の上限に前記移動の範囲の上限を一致させ、若しくは該自動焦点設定機能を実行した結果として得られる該標本についての焦点の範囲の下限に該移動の範囲の下限を一致させるように前記顕微鏡の制御を行うように構成してもよい。
【0014】
この構成によれば、自動焦点設定機能を実行した結果として得られる前記標本についての焦点の範囲(オートフォーカスゾーン)の両端のいずれかを顕微鏡画像を取得するときの焦点位置の移動範囲の端に一致させるので、この構成によっても画像取得の無駄が大幅に削減される。
【0015】
また、前述した本発明に係る顕微鏡制御システムにおいて、前記顕微鏡制御システムは、顕微鏡を備えた依頼側端末と、前記依頼側端末に備えられている顕微鏡の制御の指示を行うための観察側端末と、を有して構成され、前記依頼側端末は、該依頼側端末と通信回線とを接続し、該依頼側端末に備えられている顕微鏡で取得される顕微鏡画像を表現する画像情報を前記観察側端末へ宛てて送信する依頼側回線接続手段を有し、前記観察側端末は、該観察側端末と通信回線とを接続し、前記依頼側端末に備えられている顕微鏡の制御の指示を開始する要求を示す要求情報を該依頼側端末へ宛てて送信し、且つ前記依頼側回線接続手段により送信された画像情報を受信する観察側回線接続手段を有する、ように構成してもよい。
【0016】
この構成によれば、依頼側端末に備えられている顕微鏡を観察側端末から遠隔操作すると共に、その顕微鏡で取得される顕微鏡画像を観察側端末側で観察することが可能となる。
また、前述した本発明に係る顕微鏡制御システムにおいて、前記顕微鏡画像取得制御手段の制御によって順次取得された前記顕微鏡画像を表現する画像情報が記憶される記憶手段を更に有するように構成してもよい。
【0017】
この構成によれば、順次取得された顕微鏡画像の保存が可能となり、その顕微鏡画像を後に観察することができるようになる。
また、前述した本発明に係る顕微鏡制御システムにおいて、前記顕微鏡制御システムは、前記記憶手段を有するサーバ用端末と、前記記憶手段に記憶されている画像情報を取得するためのクライアント用端末と、を有して構成され、前記サーバ用端末は、該サーバ用端末と通信回線とを接続し、前記記憶手段に記憶されている画像情報を前記クライアント用端末へ宛てて送信するサーバ用端末側回線接続手段を有し、前記クライアント用端末は、該クライアント用端末と通信回線とを接続し、前記サーバ用端末の有する記憶手段に記憶されている画像情報の送付の要求を該サーバ用端末へ宛てて送信し、且つ前記サーバ用端末側回線接続手段により送信された前記画像情報を受信するクライアント用端末側回線接続手段を有する、ように構成してもよい。
【0018】
この構成によれば、サーバ用端末で保存されている顕微鏡画像を、サーバ用端末と物理的に離れた場所に設置されているクライアント用端末で観察することが可能となる。
また、本発明の態様の別のひとつである顕微鏡制御装置は、前記顕微鏡画像の取得のために前記顕微鏡で用いられる対物レンズの開口数と該顕微鏡で前記標本の観察のために用いられる光の波長とに基づいて該顕微鏡の焦点の光軸方向の移動の間隔を決定する焦点移動間隔決定手段と、前記標本に対する前記焦点の光軸方向の移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定する焦点移動範囲決定手段と、前記焦点移動間隔決定手段により決定された移動の間隔及び前記焦点移動範囲決定手段により決定された移動の範囲で前記標本の位置に対する前記顕微鏡の焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように該顕微鏡を制御する焦点移動制御手段と、前記焦点移動制御手段の制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行う顕微鏡画像取得制御手段と、を有し、Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、前記焦点移動範囲決定手段は、前記移動の範囲をS×m×kと決定することによって前述した課題を解決する。
【0019】
上述した構成によれば、標本の観察のために用いられる光の波長と顕微鏡画像の取得対物レンズの開口数とに基づいた焦点の位置の移動間隔(焦点移動ピッチ)の決定が焦点移動間隔決定手段によって適切になされ、焦点位置がこの移動間隔に従って順次移動される度に顕微鏡画像が取得されるので、画像取得の無駄が削減される。
【0020】
また、本発明の態様の別のひとつである顕微鏡の制御方法は、前記顕微鏡画像の取得のために前記顕微鏡で用いられる対物レンズの開口数と該顕微鏡で前記標本の観察のために用いられる光の波長とに基づいて該顕微鏡の焦点の光軸方向の移動の間隔を決定し、前記標本に対する前記焦点の光軸方向の移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定し、決定された前記移動の間隔及び決定された前記移動の範囲で前記標本の位置に対する前記顕微鏡の焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように該顕微鏡の制御を行い、前記制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行前記焦点の光軸方向の移動の範囲の決定においては、Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、該移動の範囲をS×m×kと決定することにより、前述した本発明に係る顕微鏡制御装置と同様の作用・効果を奏し、前述した課題が解決される。
【0021】
なお、上述した本発明に係る顕微鏡の制御方法をコンピュータに行わせるためのプログラムでも、そのプログラムをコンピュータに実行させることにより前述した課題が解決され、また、このプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体でも、そのプログラムをその記録媒体からコンピュータに読み出させて実行させることにより前述した課題が解決される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第一実施例]
図1は、本発明の第一実施例である顕微鏡画像観察システムの全体構成を示している。
【0023】
顕微鏡108は、取り付けられている対物レンズを電動により切り替えることのできる電動レボルバ106と、セットされた標本を対物レンズの光軸方向に対して垂直な方向(XY方向)に電動で移動させることの可能なXY電動ステージ107とを備え、更にビデオカメラ105を備えている。図1においてはビデオカメラ105を顕微鏡108に備え、ビデオカメラ105で顕微鏡画像のビデオ信号(例えばNTSC(National Television System Committee)方式やPAL(Phase Amplitude by Line )方式などに準拠した信号)への変換を行うようにしているが、高精細のデジタルカメラを用いて顕微鏡画像を表現するデジタルデータである画像データを生成するようにしてもよい。
【0024】
また、顕微鏡108を電気的に制御する電動ユニットとして、図1には図示していないオートフォーカス(AF)ユニット、調光機能ユニット、電動絞り機能ユニットなどを顕微鏡108は更に備えている。ここで、AFユニットには、対物レンズ(若しくはXY電動ステージ107にセットされた標本)を顕微鏡108における光軸方向(Z方向)に移動させて焦点位置を移動させることの可能な電動Z制御部が含まれる。この電動Z制御部に、顕微鏡108の対物レンズとXY電動ステージ107とが接触しないようにするための、絶対座標の読み取り機能及び絶対座標の指示によるZ方向の移動制御を行わせることはもちろん可能である。
【0025】
ビデオカメラ105で撮影された顕微鏡画像は、信号ケーブルを介してパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略す)101内のキャプチャボードに入力され、パソコン101に接続されているモニタ102に表示される。
顕微鏡108は顕微鏡操作ユニット103に信号ケーブルを介して接続され、顕微鏡108のXY電動ステージ107もXYステージ操作ユニット104に信号ケーブルを介して同様に接続される。顕微鏡操作ユニット103及びXYステージ操作ユニット104はそれぞれ信号ケーブルを介してパソコン101に接続されており、パソコン101による顕微鏡の電動ユニット及びXY電動ステージ107の制御を可能としている。
【0026】
なお、図1の例では、顕微鏡操作ユニット103及びXYステージ操作ユニット104が顕微鏡108から分離した構成としているが、顕微鏡108内に上記顕微鏡操作ユニット103及びXYステージ操作ユニット104を装備し、顕微鏡108にパソコン101が信号ケーブルを介して接続されるような構成とすることも可能である。
【0027】
また顕微鏡108の電動ユニット及びXY電動ステージ107がパソコン101によって制御される構成としているが、パソコン101を用いずに専用の制御ユニット(図示せず)を用いるようにしても何ら問題はない。
図1に示した顕微鏡画像観察システムの全体構成図のうち、特にパソコン101内部のデータの流れの理解が容易に行えるように詳細に示した図を図2に示す。図2には図1で説明した名称と同一のものがあり、この両者の対応関係を説明すると、図2の201が図1のパソコン101に、図2の203が図1の顕微鏡操作ユニット103に、図2の204が図1のXYステージ操作ユニット104に、図2の202が図1の顕微鏡108に、図2の216が図1のビデオカメラ105に、図2の217が図1の電動レボルバ106に、図2の219が図1のXY電動ステージ107に、それぞれ対応している。
【0028】
パソコン201はCPU(中央演算処理装置)207を有しており、CPUバス215を介し、キーボード200及びマウス205との間でのデータ授受のための入出力I/F208と、制御プログラム210が記録されている記録媒体209と、モニタ206への表示する画像データの一時保持のための表示用メモリ214と、処理途中のデータを一時的に記憶させておくためのメモリ211と、ビデオカメラ216からのビデオ信号の取り込みのために用いられるビデオキャプチャ213と、顕微鏡操作ユニット203及びXYステージ操作ユニット204との間での各種の制御信号の授受のための入出力I/F212と、がCPU207に接続されている。
【0029】
顕微鏡202に取り付けられているビデオカメラ216で撮影された顕微鏡画像はパソコン201のビデオキャプチャ213に入力され、パソコン201に取り込まれる。取り込まれた顕微鏡画像は表示用メモリ214に展開され、モニタ206に表示される。パソコン201内の記録媒体209に記録されている制御プログラム210は、CPU207で実行されることによって本発明に係る処理シーケンスをCPU207に行わせる。この制御プログラム210には、顕微鏡操作ユニット203やXYステージ操作ユニット204を制御するための制御プログラム、ビデオキャプチャ213に顕微鏡画像を取り込ませるためのビデオキャプチャ制御プログラム、ビデオキャプチャ213によって取り込まれた顕微鏡画像をメモリ211に記憶させるプログラム等が含まれている。
【0030】
なお、記録媒体209としては、パソコン201に内蔵若しくは後付けされる半導体メモリに限定されず、例えばパソコン201が備えているデータ読取装置に挿入されたフロッピーディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MO(光磁気ディスク)、あるいはパソコン201に内蔵若しくは外付けされる磁気ディスク装置でもよい。更には、記録媒体209は、パソコン201と通信ネットワークと接続されているプログラムサーバに内蔵若しくは外付けされる磁気ディスク装置であってもよく、このような場合には、プログラムサーバ側の磁気ディスク装置に記録されている制御プログラム210で搬送信号を変調して得られる伝送信号をプログラムサーバ側から送信させ、パソコン201側では通信ネットワークを介して受信されるこの伝送信号から制御プログラム210を復調し、CPU207に実行させればよい。
【0031】
制御プログラム210がCPU207によって記録媒体209からロードされ、CPU207での実行が開始されると、操作画面がモニタ206上に表示される。モニタ206に表示された操作画面(不図示)には、ビデオキャプチャ213によってパソコン201に取り込まれた顕微鏡画像や、顕微鏡を操作するための入力ボタン等が表示される。操作者は、パソコン201に接続されているモニタ206に表示された制御プログラム210に基づく操作画面に従ってキーボード200またはマウス205を操作することで顕微鏡202の電動部位である電動レボルバ217やオートフォーカスユニット218やXY電動ステージ219を制御することができる。
【0032】
次に、本発明に係る顕微鏡画像観察システムで行われる、焦点移動の制御について説明する。
病理診断のうち細胞診は、標本自体に厚みがあるため観察したい部位が積み重なっていることがある。
【0033】
図3は細胞診における標本の状態の一例を示している。図3において、(a)は横軸をX、縦軸をYとして観察した像であり、細胞300a〜300eについて観察したい部位が積み重なっているか否かは(a)からは判別できない。しかしながら、実際には(b)に示すように細胞300a〜300c、及び300dと300eとが顕微鏡の光軸方向Zに積み重なっている。このような標本では、XY平面における同一の箇所である細胞300a〜300eのうちの積み重なっている箇所について、Z軸方向に複数の観察したい部位が存在することとなる。
【0034】
このような細胞の積み重なり部分を含む標本に顕微鏡のオートフォーカスを機能させても実際に見たい位置に正確に焦点が合うとは限らない。従って、このような場合には顕微鏡202の光軸方向Zの焦点の位置を少しずつ変化させながら観察することが必要となる。このために操作者による顕微鏡202の光軸方向Zへ上下微動の制御指示が何度か繰り返し行われて実際に観察したい部分が抽出される。
【0035】
これに対し、本発明は、図3(b)にΔZとして示されている顕微鏡の光軸方向の微動量と、図3(b)にZmax及びZminとして示されている顕微鏡の光軸方向での移動上下限とを決定し、顕微鏡の光軸方向の上下微動量を適切な値として移動させるための制御をパソコンに行わせるというものである。
【0036】
まず、図3(b)のΔZに相当する顕微鏡光軸方向微動量を演算する。
顕微鏡には焦点を合わせることの可能な範囲があり、この範囲を焦点深度と呼んでいる。焦点深度は対物レンズの開口数(NA)と光の波長(λ)で決まってしまうものであり、焦点深度dは
d=λ/(2×NA×NA)
で求められる。
【0037】
ここで、開口数とは顕微鏡の対物レンズにNA=0.65などと表示されている数値であり、対物レンズの性能を表すものである。この開口数の値が大きいほど分解能(わずかに分離した2点を2点として判別できる能力)が高いが、その逆に焦点深度は浅くなる。また、観察している光の波長を変化させると分解能及び焦点深度は変化する。すなわち、赤い光から青い光へと変化させると、光の波長が短くなるので更に細かいものを見ることが可能となるが、その一方で焦点深度は更に浅くなってしまう。
【0038】
本発明では、この焦点深度dを基準にして顕微鏡光軸方向の最適な微動量(図3(b)のΔZ)を設定する。すなわち
ΔZ=d/n
として、ΔZを決める。ここで、nの値は焦点深度の値を半分とする値(すなわち、2)として顕微鏡の光軸方向Zの微動をさせるのが好ましく、本実施例においてもこの値とするが、任意の値を設定できるようにしても問題はない。
【0039】
焦点深度dは対物レンズ毎に異なるので、対物レンズ毎の開口数データを記録媒体209の制御プログラム210に書き込んでおくようにする。すなわち、図4に例示するような顕微鏡の対物レンズの名称と開口数(NA)との対応関係を示すテーブルを制御プログラム210に記録しておく。また、人間の目に知覚される光の波長は380nm〜780nm程度であるが、ここでも記録媒体209の制御プログラム210では光の波長の初期値として500nmとしておき、パソコン201のモニタ206に表示されている操作画面上での操作に応じた調光機能ユニットの制御によってこの波長を変更できるように制御プログラム210を作成しておいてもよい。
【0040】
以上のようにして顕微鏡の対物レンズの開口数と光の波長の情報とから顕微鏡光軸方向の最適な微動量が決定される。
次に図3(b)のZmax及びZminに相当する顕微鏡の光軸方向の移動上下限の設定について説明する。
【0041】
この移動上下限は、本来ならば細胞の大きさを考慮した値に複数個の積み重なりがあると想定して上下限を決めればよい。しかし、ここではその大きさが正常細胞よりも大きくなっている(あるいは小さくなっている)可能性のある異常細胞の存在を考慮する。すなわち、正常細胞のm倍の大きさを一つの細胞の大きさとし、この細胞がk個重なっているとして
(Zmax−Zmin)=(正常細胞の大きさS)×m×k
として、顕微鏡の光軸方向の移動上下限幅を設定する。上記式における正常細胞の大きさS、異常細胞の大きさの想定値m、細胞の重なりの度数の想定値kは、パソコン201のモニタ206に表示されている操作画面上で変更・設定できるように記録媒体209の制御プログラム210を作成しておく。
【0042】
顕微鏡の光軸方向の移動上下限の幅(Zmax−Zmin)は以上のようにして決定されるので、次に、ZmaxとZminの絶対座標を決定する。これは、ZminとZmaxとの間の中心位置となるZcを決めるようにして解決する。中心位置となるZcは、顕微鏡202が備えるオートフォーカスユニット218を機能させてオートフォーカスを実行し、このオートフォーカスで決められた焦点位置をその値とする。Zcが決まると
Zmin=Zc−(移動上下限の幅)/2
Zmax=Zc+(移動上下限の幅)/2
によりZmaxとZminの絶対座標を決めることができる。
【0043】
上述したZmaxとZminの絶対座標の決定法の場合では、顕微鏡のオートフォーカスを実行することによりZmaxとZminの間の中心となるZcの位置を決めるようにしているが、操作者が手動で顕微鏡202の微動ハンドル(図示せず)を操作することにより焦点位置を変化させ、その操作によって設定された焦点位置を基準とした位置を前述したZcの位置としてもよい。
【0044】
なお、これらの決定法において、Zmaxの位置が、顕微鏡202のXY電動ステージ219にセットされている標本と電動レボルバ217に取り付けられている対物レンズ(図示せず)とが接触しない位置であるという条件も満たす必要があることは当然である。
【0045】
次に、顕微鏡のオートフォーカス機能を実行することにより中心となるZcの位置を決定し、そこからZmaxとZminの絶対座標の決定する上述した決定法に代わる、別の決定法を説明する。この方法は、移動下限Zminを先に決めた後に、移動上限Zmaxを設定するものである。
【0046】
この方法では、まず、顕微鏡の光軸方向におけるオートフォーカスゾーンの下限位置まで焦点位置を下げておく(以下、この位置を「オートフォーカス下限位置」と称する)。このオートフォーカスゾーンは顕微鏡のオートフォーカス機能を司るオートフォーカスユニットにより規定されているものとする。
【0047】
オートフォーカス下限位置では通常はフォーカスが標本に合っていないので、オートフォーカス下限位置から顕微鏡の光軸方向に対して上限方向に対物レンズを移動させて最初にフォーカスの合う位置を求めさせるようにする。このフォーカスの合う位置へ対物レンズを移動させる方法は、顕微鏡202の微動ハンドル(図示せず)を手動で操作させて決めてもよいし、顕微鏡操作ユニット203へ顕微鏡の光軸方向の微動の制御の指示をパソコン201から行わせるようにしてもよい。
【0048】
この結果、オートフォーカス下限位置から上限方向に対物レンズを移動させて最初にフォーカスの合った合焦位置を移動下限Zminとして決定する。そして、このZminから移動上限Zmaxを
Zmax=Zmin+(正常細胞の大きさS)×m×k
として設定し、移動上限を決定する。
【0049】
なお、上述した例では先に移動下限Zminを決定した後に移動上限Zmaxを決定する方法を述べたが、決定順番を逆にして、移動上限Zmaxを先に決定した後に移動下限Zminを決定する方法も同様の手順で行える。
また、前述した決定法における顕微鏡の光軸方向の移動上下限の幅(Zmax−Zmin)は細胞の大きさを基準にして決定しているが、同一の平面箇所(顕微鏡の光軸方向に垂直な平面上の箇所)における異なる焦点位置に係る画像の取り込み枚数や顕微鏡の移動上下限の設定を、パソコン201に接続されているモニタ206に表示されている制御画面上で任意に設定できるよう制御プログラム210を作成しておいてもよい。
【0050】
以上のようにして顕微鏡光軸方向微動量(ΔZ)と顕微鏡の光軸方向の移動上下限(Zmax,Zmin)が決定される。CPU207が制御プログラム210を実行することによって行われる、このΔZとZmax、Zminとを用いた顕微鏡画像の取り込みシーケンスを表すフローチャートを図5に示し、同図に沿ってこのシーケンスを説明する。
【0051】
まず、基準になる顕微鏡の光軸上のZ位置を決めるためのオートフォーカス(AF)機能の実行指示が取得される(S101)。オートフォーカスの実行は、パソコン201のモニタ206上に表示された操作画面のオートフォーカスボタン(図示せず)にて実行指示ができるものとする。
【0052】
操作画面上でなされたオートフォーカスの指示が取得されると、オートフォーカスを実行するための制御信号がパソコン201の入出力I/F212から顕微鏡操作ユニット203へ送られ、顕微鏡202内のオートフォーカスユニット218を駆動させると、スライド上における最適な焦点位置が自動的に検出される。
【0053】
ここで、オートフォーカスエラー(AFエラー)が発生した場合(S102の判定処理の結果がYes)には、パソコン201のモニタ206に表示された操作画面上にオートフォーカスエラー通知(S103)を表示させる。オートフォーカスエラーが発生すると、顕微鏡202内のオートフォーカスユニット218より顕微鏡操作ユニット203に該エラーが通知され、更に顕微鏡操作ユニット203からパソコン201へ入出力I/F212を介して通知されてCPU207が該エラーを認識し、制御プログラム210にプログラムされているエラー表示機能が実行されてパソコン201のモニタ206上にそのエラー通知を表示させる。
【0054】
パソコン201の操作者は、モニタ206を見ることでオートフォーカスエラーを認識する。オートフォーカスエラーを認識した操作者は、操作を終了するか否かの判断が求められる(S104)。その判断結果がパソコンに入力されてCPU207に取得される。この取得された判断結果が操作の終了を示している(S104の判定処理の結果がYes)ならば、このシーケンスを終了させる。一方、取得された判断結果が画像の取り込み操作の継続を操作者が望んでいることを示している場合(S104の判定処理の結果がNo)には、顕微鏡の準焦部分(図示せず)が操作者による手動で操作される。
【0055】
手動によって顕微鏡の準焦部分を操作して焦点位置を確定させ、操作画面の「確定」なるボタンの操作が操作者によってなされると、その操作内容がCPU207で取得される(S105)。この「確定」ボタンに対する操作がなされたときにおける焦点位置を中心Zc位置とし、この位置を示すデータをメモリ211に記憶させる処理が行われる(S106)。
【0056】
なお、オートフォーカスエラーが発生しない場合(S102の判定処理の結果がNo)にもS106の処理は行われ、そのオートフォーカスの正常終了の結果として得られた焦点位置を中心Zc位置としてその位置を示すデータがメモリ211に格納されるような制御がCPU207によって行われるように制御プログラム210を作成しておく。ここで、図5のフローには示していないが、オートフォーカスが正常に終了された時点の焦点位置でよいかどうかの判断を操作者に求める処理を挿入し、操作者がその位置を不満に思う場合には、オートフォーカスエラーと同様の、手動による顕微鏡の準焦部分の操作を操作者に行わせる処理をCPU207に実行させるようにしてもよい。
【0057】
以上までの処理によって基準となる中心Zc位置が決まると、次に、現在装着がされている対物レンズについての開口数(NA)を示す情報と光の波長(λ)を示す情報とより顕微鏡光軸方向の最適な微動量(ΔZ)が決定される(S107)。ΔZを算出する式は以下のとおりである。
【0058】
ΔZ=λ/(n×2×NA×NA)
ここで、nは通常2とするが、設定によって変更可能としてもよく、こうする場合にはパソコン201のモニタ206に表示されている操作画面上で変更できるようにすると便利である。
【0059】
顕微鏡202に現在装着がされている対物レンズ(及びその倍率)を示す情報は、顕微鏡操作ユニット203から入出力I/F212を介して送られてくる。更に、ここで制御プログラム210に含まれている対物レンズと開口数との関係を示すテーブル(図4)が参照され、この顕微鏡202に現在装着がされている対物レンズの名称よりこの対物レンズの開口数が取得される。
【0060】
また、光の波長を示す値(λ)も、パソコン201のモニタ206に表示されている操作画面で設定できるものとする。
顕微鏡光軸方向の最適な微動量(ΔZ)が決定されると、顕微鏡の光軸方向の移動の上下限(Zmax,Zmin)が算出され(S108)、この算出結果がメモリ211に記憶される。このZmax及びZminの値は、前述したように、以下の式を利用して行う。
【0061】
Zmax=Zc+(移動上下限の幅)/2
Zmin=Zc−(移動上下限の幅)/2
ここで、Zcは、前述したS106の処理においてメモリ211に記憶させておいた中心Zc位置の値である。また、移動上下限の幅は、
(移動上下限の幅)=(正常細胞の大きさS)×m×k
により算出される。前述したように、異常細胞はその大きさが正常細胞よりも大きく(あるいは小さく)なっている可能性があるので、正常細胞のm倍の大きさを一つの細胞の大きさとし、この細胞がk個重なった場合を想定して移動範囲を決める。
【0062】
以上の、移動上下限の幅を決める正常細胞の大きさS、正常細胞に対する異常細胞の拡大(若しくは縮小)倍率m、及び細胞の重なり係数kは、パソコン201のモニタ206に表示される操作画面上で設定・変更できるように制御プログラム210を作成しておく。
【0063】
上述した計算の実行によりZmax及びZminが決定されると、次に、顕微鏡画像の取り込みを開始するときの顕微鏡の光軸方向における初期の焦点位置(Z移動初期値)を決定するための処理が行われる(S109)。本実施例においてはZ移動初期値をZmaxとするが、もちろんZminを初期値としてもよい。ここで、Znextは顕微鏡画像の次回の取り込みを行うときの顕微鏡の光軸方向における焦点位置とする。この値Znextが決定すると、Znextに対応する位置に顕微鏡の光軸方向の焦点位置を移動させる(S110)。
【0064】
この焦点位置の移動後には、キャプチャボードを介して顕微鏡画像が取得され、現在の焦点位置を示す情報と共にメモリ211上にその画像データが保存される(S111)。
顕微鏡画像の画像データの保存が完了すると、顕微鏡の光軸方向における焦点位置の次の位置への移動のための演算が行われる(S112)。この位置を決定するための演算式は、
Znext=Znow−ΔZ
であり、S111の処理において記憶された現在の焦点位置(Znow)から顕微鏡光軸方向の最適な微動量(ΔZ)を引いたときの結果の値が次の焦点位置となる。
【0065】
次の焦点位置の計算が完了すると演算結果が前述したZmin(移動の下限)に達したかどうかの判定がなされる(S113)。この判定の結果、未だZminに未到達(S113の判定処理の結果がYes)ならば演算結果を次の焦点位置(Znext)とし、S110の移動処理に戻る。
【0066】
以下、顕微鏡の光軸方向の焦点位置がZminになるまでS110からS112を繰り返すことになる。S112でZmin(下限)まで到達した(S113の判定処理の結果がNo)ならば、終了となる。
以上までの処理が、顕微鏡の焦点位置の光軸方向(Z)への複数回の微動に連動させて顕微鏡画像を取得する処理である。
【0067】
次に、上述したようにして取得された顕微鏡画像をパソコン201のモニタ206に表示させる手法について説明する。
焦点位置を微動させながら次々に取得された顕微鏡画像は、取得した顕微鏡の焦点位置の情報と共にパソコン201内のメモリ211に記憶されている。取得された顕微鏡画像はパソコン201内のメモリ211から情報を取り出すことによりパソコン201のモニタ206上に表示することができる。すなわちパソコン201内のCPU207が、メモリ211から顕微鏡画像情報を読み出して表示用メモリ214に書き込むことにより、顕微鏡画像をパソコン201のモニタ206に表示させることができる。このとき、CPU207の処理速度やCPUバス215のデータ伝送速度が問題になるものの、1秒間に20枚近くの表示画像の切り替えができるほど高速であればパソコン201のモニタ206上で動画観察することも可能である。もちろんCPU207を介さずパソコン201内のメモリ211から直接表示用メモリ214にアクセスしてデータ伝送を行うダイレクトメモリアドレス(DMA)転送ができるようなハードウェア構成を有していれば、CPU207の処理速度が遅くてもパソコン201のモニタ206上で動画観察することができる場合もある。
【0068】
また、動画符号化技術の標準化規格のひとつであるMPEG(Moving Picture Experts Group)技術を用い、メモリ211から顕微鏡の焦点位置を光軸方向に微動させた顕微鏡画像データを順次取り出し、その前後の画像データで変化の生じている部分を分解して符号化して得られる動画データを作成してメモリ211に保存し、記録媒体209に記録されている制御プログラム210にプログラムされているMPEGデータ表示ソフトウェアをCPU207が実行することによってメモリ211に保存しておいて動画データをパソコン201のモニタ206に動画表示させることもできる。更にMPEG4規格のようにフレーム自身の画像をオブジェクトに分解し、それぞれのオブジェクトに対して差分を記録する方式を流用し、背景部分と細胞部分とのオブジェクトに分解した画像データのうちの細胞部分のデータについての差分のみを記録するようにすれば、データサイズの小さい動画データを作ることができ、データ転送量の削減に寄与する。
【0069】
以上のようにすることによって、パソコン201のモニタ206に顕微鏡の焦点位置を光軸方向に順次微動させて得られる画像を動画で観察できるようになる。
また、任意の焦点位置における顕微鏡画像の表示を望む場合には、パソコン201のモニタ206に、特開平6−250097号公報に開示されているようなスクロールバーを制御画面に表示させて焦点位置を可変することができるようにしたり、スクロールバーを直接制御することのできるインテリジェントマウスを用いてスクロールボタンを回すことにより焦点位置が変化した顕微鏡画像を表示するようにしたりしてもよい。もちろんキーボードの任意のボタン、例えば上下移動カーソルボタンなどの操作に応じて焦点位置を変化させたときの顕微鏡画像を表示するようにしてもよい。また、各焦点位置で撮影した2次元の画像をひとつの画像に合成して3次元的に鳥瞰できるような立体画像を構築するようにしても良い。
【0070】
以上のようにして、顕微鏡の光軸方向に焦点位置を微動させながらの顕微鏡画像の取得と動画観察とが行われる。
次に、顕微鏡の光軸方向に焦点位置を微動させて画像を取得するときにおける、取得画像の画質の向上の手法を説明する。
【0071】
図3で示したように、観察部位の重なりが多い場合には顕微鏡の透過光を当てても暗くなってしまうことがあり、また、画面全体に背景部分の画像が多いと本来観察したい部位の露出が低めになってしまうことがある。このような場合、本来の観察目的である顕微鏡画像が不明瞭なために観察が難しくなってしまうことがある。これより説明する手法では、このような画像の画質の改善を行う。
【0072】
図6は上記不具合を説明する図である。
図6(a)は観察しようとしている顕微鏡画像を示している。図6(a)に示す顕微鏡画像は、背景となる部分(図中、符号Aで示されている部分)とそれ以外の標本部分とから構成されている。ここで、標本部分には観察したい核が複数点在しており、同図ではこれらの核の部分を複数の斜線を付している領域として示している。
【0073】
このような画像は、画像の全領域に対する背景(符号Aで示している領域)の面積比率が大きいため、本来観察しようとしている核の部分の露出が不足して暗めの画像となってしまう。
図6(c)は、図6(a)の顕微鏡画像から任意の核の部分を抽出した図(図6(b))における、その抽出領域を構成する各画素の輝度を示す情報の分布を表したものであり、ここでは、R(赤)、G(緑)、B(青)の光の三原色のうちの1色(例えばG)のみについて表したものである。
【0074】
図6(c)においては画素の輝度値が0に近い部分に多く分布しており、従ってこの状態では観察したい部分(すなわち図6(b)の部分)が暗めの表示になってしまっている。そこで、各画素の輝度情報とその分布より、観察したい部分の領域が適切な輝度値になるよう画質改善を図る。
【0075】
以下、顕微鏡画像における観察部位の画質改善処理の処理内容を、図7に示すフローチャートに沿って説明する。
まず、顕微鏡画像における観察したい部位の画質改善処理を開始して任意の画素の輝度情報(輝度値)がR、G、Bの3チャンネルについて取得される(S601)。観察したい部位の任意画素の座標(x、y)の設定は、例えば、パソコン201のモニタ206に表示されている顕微鏡画像上でマウス205によるクリック操作がなされた個所を示す座標とすればよい。この処理によって取得された観察部位における座標(x,y)である任意画素についてのR、G、B各々の輝度値をR(x,y)、G(x,y)、B(x,y)とする。そして、この3つの輝度値のうちで最も大きい値を演算時に用いる輝度値bとする。
【0076】
次に、この部位の輝度値bが任意の閾値以下であるかどうかが判定される(S602)。この閾値の設定は、例えば、操作者が任意に設定できるよう制御プログラム210を作成しておき、更にこの輝度値bの初期値を最大輝度値の半分(例えば顕微鏡画像の色の階調が256階調の場合ならば128)にしておく。最大輝度値の半分を初期値としたのは、後に説明する画像を積算するときに積算後の値がオーバーフローするのを防止する値とするためである。また、図7には明示していないが、観察したい部位の輝度が閾値以上であるが任意の値(例えば256階調における150)未満であるならば、現画像のコントラストを上げる目的で各画素の輝度値をオーバーフローしない一定の値とするように設定してもよい。
【0077】
S602の判別処理の結果、観察したい部位の輝度値が閾値より大きければ(判別結果がNo)現状のままの顕微鏡画像でよいのでこのまま終了(S609)となる。逆にS602で観察したい部位の輝度が閾値以下(判別結果がYes)であれば、画質の改善を行う。
【0078】
このような輝度値の低い画像の場合、画像そのものにノイズが目立っている可能性があるので、同一の画像を用いて各画素の輝度値を一定の値で積算するよりも、複数枚の画像を取得して画像積算するほうが結果的により良い画像が得られる。
【0079】
なお、図7に示すフローチャートで実行される画像積算は、画素毎の輝度値の積算をソフトウェアで実現するようにしているが、代わりに、ビデオカメラ216における撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device )の蓄積時間を長くするようビデオカメラ216の設定を行うようにすることでも実現可能である。この場合には、ビデオカメラ216を外部から制御する機能とパソコン201からビデオカメラ216を外部制御する入出力I/Fを図2に追加すればよい(但し、図2には図示していない)。
【0080】
以下、ソフトウェアによる画像積算を採用する場合の説明を行う。
まず観察したい部位の画素の輝度値より積算枚数(m)が演算される(S603)。積算枚数(m)を算出する演算式は、観察したい部位の画素の輝度値をbとし、256階調とすると、
m=256/b
で求められる。ここで、積算枚数(m)の値は、演算結果の小数点以下を切り捨てて整数値とする。
【0081】
続いて、これより表示する(現表示の)顕微鏡画像がパソコン201のメモリ211内に保存される(S604)。ここで、iを積算枚数計数用カウンタとし、メモリ211に保存したデータの総称名をMとし、i番目に取得した顕微鏡画像データをM(i)とする。
【0082】
S604の処理によって保存された顕微鏡画像データM(i)が前回情報(顕微鏡画像データの前回までの積算結果)に加算される(S605)。加算結果である画像データの総称名をMtotalとすると、この演算は、
Mtotal=Mtotal+M(i)
で計算され、同一座標の画素についての輝度値を累積加算することになる。
【0083】
次に、S605で積算した結果のデータMtotalを元に、画像の表示が行われる(S606)。なお、この積算結果の画像表示は全ての積算が終了した時点で行うようにしてもよい。
S606の画像表示の完了後は積算枚数計数用カウンタiをインクリメント(1だけ加算)し(S607)、その後、iの値とS603で決定した積算枚数(m)とを比較してiの値が積算枚数(m)を超えたかどうかを判別する(S608)。この結果、積算枚数を超えていない場合(S608の判別結果がNo)は、再びS604の現表示の顕微鏡画像をメモリ上に保存する処理に戻る。一方、S608で積算枚数を超えたと判別された場合(S608の判別結果がYes)はこの画質改善処理は終了(S609)となる。
【0084】
なお、図7に示すフローチャートでは、積算枚数計数用カウンタiの値が積算枚数(m)を超えたならば積算処理を終了させているが、観察したい部位の輝度値が極端に低い場合にはその部位の画像がノイズに埋もれてしまっている可能性があるので、複数枚の画像を取得して輝度値の平均を取ることによってノイズを軽減させるようにしてもよい。
【0085】
以上のようにして観察したい部位についての画質改善の施された画像が取得される。
[第二実施例]
図8は、本発明の第二実施例であるテレパソロジー、テレコンサルテーション(医者同士、若しくは医者と関係者とのコミュニケーションにより、専門外の分野における医療サポートを行うこと)等の用途の顕微鏡遠隔観察システムの構成を示す図である。
【0086】
顕微鏡707には、XY電動ステージ709と電動レボルバ708を備え、更にビデオカメラ706を備えている。また、顕微鏡707には図示しないオートフォーカスユニット、調光機能、電動絞り機能などを更に備えている。
図8の例では、顕微鏡操作ユニット713と依頼側端末であるパソコン705とが接続され、パソコン705より顕微鏡操作ユニット713に操作データが転送されることにより、顕微鏡707の電動部位の制御である対物制御、AF制御、Z方向微動、調光制御、電動絞り機能等が行われる。パソコン705は図示しないビデオキャプチャ機能を備えており、ビデオカメラ706の画像出力が接続される。パソコン705および観察側端末であるパソコン701内には画像等の情報を記憶する記憶媒体が備えられているが、パソコンの周辺機器としてMO(光磁気ディスク)等の記録装置を装備するようにしても構わない。パソコン701及び705にはモニタ702及び704がそれぞれ接続され、モニタ702若しくは704を介して顕微鏡画像やマクロ撮影装置画像の観察が行われる。
【0087】
また、画像情報等の情報を公衆回線703で伝送するための回線接続装置710bが用意され、この回線接続装置710bはパソコン705とのインタフェースを備えている。パソコン705とパソコン701とは回線接続装置(710a、710b)及び公衆回線703を通じて接続され、相互に各種データの授受が行える。なお、この実施例においては公衆回線703としてISDN(Integrated Services Digital network )を使用しているが、その代わりにLAN(Local Area Network)等の単なる通信回線を用いることももちろん可能である。
【0088】
病理診断を遠隔で行うテレパソロジーシステムとして図8に示す顕微鏡遠隔観察システムを使用する場合においては、病理医のいない施設のパソコン端末としてパソコン705を設置し、病理医のいる施設のパソコン端末としてパソコン701を設置する。通常、依頼側には、スライドガラス上の標本の全体像を撮影するマクロ撮影装置711や標本の拡大観察を行うための顕微鏡707が備えられる。一方、観察側にはマクロ撮影装置や顕微鏡等は通常不要ではあるが、これらをパソコン701に接続する構成としても構わない。
【0089】
以上のような構成の顕微鏡遠隔観察システムを用い、遠隔で顕微鏡の光軸(Z)方向微動画像を取得する例を説明する。
図9は、図8に示す顕微鏡遠隔観察システムにおける顕微鏡画像の取得動作及び伝送動作のためのシーケンスをフローチャートで示したものである。図9において、左側のフローチャートは観察側で行われる(パソコン701の備えるCPUにより、パソコン701の備える記憶装置に予め記憶されている制御プログラムを実行することによって行われる)制御シーケンスを示し、右側のフローチャートは依頼側で行われる(パソコン705の備えるCPUにより、パソコン705の備える記憶装置に予め記憶されている制御プログラムを実行することによって行われる)制御シーケンスを示している。
【0090】
まず、マクロ撮影装置711が依頼側で操作され、観察側での検査を希望するスライドガラス上の標本の全体像(以下、「マクロ像」と称する)の画像がパソコン705に取り込まれる(S801)。なお、このマクロ像の全体像が顕微鏡707の備える低倍の対物レンズを使用して観察できるのであれば、マクロ撮影装置711を使用せずに、顕微鏡707にスライドガラスを置き、最適な対物倍率で画像を取り込んでも構わない。また、顕微鏡707の対物レンズを低倍率に設定し、視野を考慮したステージの移動を行った後に順次画像を取り込み、これらの画像を貼り合わせて合成することでマクロ像を作成するようにしてもよい。
【0091】
マクロ撮影装置711のビデオカメラ714によって撮像されたマクロ像はパソコン705内のビデオキャプチャボート(不図示)によって取り込まれ、該マクロ像を表現するデータが表示用メモリに順次書き込まれることによってパソコン705のモニタ704に表示される。マクロ像の取り込みは所定のスイッチを操作者が操作することが契機となる。このスイッチ操作は、例えば、パソコン705のモニタ704に表示されたアプリケーションソフト上に設けられた操作ボタンをマウスクリック等のイベントで認識するようにしたり、図示しない外部操作パネルのスイッチへの操作を検出して認識するようにしたりしてもよい。
【0092】
マクロ像の取り込みが完了すると、パソコン705からパソコン701への回線接続要求が発せられる(S802)。パソコン701は、既にこのときには、この回線接続要求が受けられるように受信待ち状態とされている(S814)。
回線接続要求を示すデジタルデータは、回線接続装置(710a、710b)を通じ、ISDN等の公衆回線703を経由してパソコン701に転送される。回線接続要求が受信されるとパソコン701では回線接続処理が行われる(S815)。この回線接続処理は、接続要求元である相手(ここではパソコン705)を認識して問題なければ接続許可を示すデータ(不図示)を接続要求元に返す処理である。
【0093】
回線が確立するとパソコン705よりマクロ像と初期設定データとがパソコン701に送信される(S803)。この初期設定データには、パソコン705に接続されているハードウェア情報(顕微鏡707、マクロ撮影装置711、ビデオカメラ(706、714)の種別等)が含まれる。
【0094】
これらのデータがパソコン701で受信(S816)された後には、操作権がパソコン705からパソコン701に譲渡される(S804)。ここで、操作権とは、ステージ制御や画像取り込み指示などの顕微鏡707について各種の操作を行える権限を示す。この操作権の変更は、例えば、回線接続が確立した時点で直ちに行うようにしても良いし、またモニタ704に表示されるアプリケーションソフトの操作ボタンへのクリック操作などにより操作者による任意のタイミングで切り替えるようにすることもできる。図8の例では、マクロ像がパソコン705に取り込まれた後に操作権がパソコン701に渡されている。
【0095】
操作権の受信された(S817)パソコン701を操作する操作者は、パソコン701のモニタ702でパソコン705より送られてきた顕微鏡画像を観察することによって遠隔での顕微鏡画像診断を行えるようになる。更に、パソコン701の操作者は、受信したマクロ像の観察結果に基づいて自分の意図するステージ位置・顕微鏡対物倍率の画像の取得をパソコン705に対して遠隔指示できるようになる。
【0096】
ここで、パソコン701の操作者が顕微鏡の対物倍率の拡大の指示をパソコン705に行ったときに、その指示が顕微鏡の光軸方向の微動(Z微動)の要求を伴っていたかどうかがパソコン701で判別される(S818)。このZ微動の要求を伴っていないのであれば(S818の判別結果がNo)、次回の拡大倍率の指定情報やステージXY位置の指定情報が操作者からパソコン701に入力され、これらの指定情報がパソコン705に宛ててデータ送信される(S820)。またZ微動の要求を伴っているのであれば(S818の判別結果がYes)、次回の拡大倍率の指定情報・ステージXY位置の指定情報に加え、Z微動の要求もパソコン705に送られる(S819)。
【0097】
パソコン705では上述した指定情報及び要求情報が受信される(S805)。
続いて、パソコン701より、先に送信した拡大指定情報に基づいた顕微鏡画像の伝送要求がパソコン705に宛てて送信される(S821)。
【0098】
この顕微鏡画像伝送要求を受信した(S806)パソコン705では、先に受信した対物倍率の拡大指示がZ微動要求を伴っていたかどうかの判別が行われる(S807)。このZ微動要求を伴っていないのであれば(S807の判別結果がNo)、指定に応じた顕微鏡対物倍率の変更、ステージのXY位置の移動、オートフォーカス(AF)の実行などの顕微鏡の制御を実行し、その後に顕微鏡画像が取得される(S808)。顕微鏡画像は、例えばパソコン705のキャプチャボード(図示せず)に入力されて静止画として扱われる。なお、画像を静止画データに変換する際にJPEG(Joint Photographic Experts Group)などの方式を利用して画像データの圧縮を行い、記録媒体に記録するようにしてもよい。
【0099】
なお、S807の判別処理においてZ微動要求を伴っていたと判別された場合(S807の判別結果がYes)には、Z微動画像取得処理が行われる(S809)。このZ微動画像取得処理では、図5に示した顕微鏡画像の取り込みシーケンスが実行され、ここでは顕微鏡画像データを動画像データとして得ることとする。なお、この顕微鏡画像の取得を行う際に、図7に示した観察部位の画質改善処理を行うようにしても良い。
【0100】
なお、観察部位の座標設定は、パソコン701から指定可能であり、モニタ702上に表示されているマクロ画像若しくは顕微鏡画像上の任意の位置に対するマウスクリック操作等によって座標を指定し、その座標を示すデータがパソコン705へ転送されるものとする。
【0101】
顕微鏡の画像取得を完了した後には、取得された顕微鏡画像がパソコン705からパソコン701へと伝送される(S810)。顕微鏡画像を受信した(S822)パソコン701では、受信したデータに対応する顕微鏡画像がモニタ702に表示される(S823)。ここで、パソコン705でも同一の顕微鏡画像をモニタ704に表示させる(S811)。
【0102】
なお、このときZ微動の要求に応じて取得されて送られてきた画像データが例えばMPEGの動画符号データであるならば、パソコン701でMPEGデータ表示ソフトウェアを実行させることによりモニタ702に表示される。またJPEGなどの形式で静止画像データを圧縮して送られてきたのであれば、データ伸長処理を行って画像表示を行う。
【0103】
次に、パソコン701では、操作者から観察終了の指示が入力されたかどうかが判別され(S824)、終了の指示がなされないのであればS818のZ微動要求が行われたかどうかの判別処理へ戻る。S824で観察終了が指示されたと判別されたときは、回線切断要求がパソコン701からパソコン705へ送信される(S825)。回線切断要求を受信したパソコン705は、回線切断処理を実行し(S812)た後に処理が終了(S813)となる。パソコン701も処理が終了(S826)となる。
【0104】
以上のようにして、図8に示す顕微鏡遠隔観察システムにおいて、顕微鏡の光軸方向を微動して得られる複数枚の顕微鏡画像の取り込みが行われる。
[第三実施例]
図10は、本発明の第三実施例である顕微鏡画像観察ネットワークシステムの構成を示す図である。
【0105】
複数のクライアント用端末であるパソコン(906、911、913、915、917)を管理するサーバ用端末であるパソコン908には大容量の記録媒体910が接続されており、画像データベースとして機能する。
複数のクライアントのパソコンのひとつ、例えばパソコン906には、顕微鏡901が接続されており、同パソコン906にはビデオキャプチャボード及びネットワークカード(不図示)が装備され、LANを構成するネットワーク919を介してパソコン908と接続されている。パソコン906に接続されている顕微鏡901には電動レボルバ903やXY電動ステージ904の他、図示しないオートフォーカスユニット、電動絞り、電動調光ユニットなどの電動ユニットが設けられている。これらの顕微鏡の電動ユニットを制御する制御部分とパソコン906との通信をするユニットも顕微鏡901の中に装備されており、顕微鏡901とパソコン906とが通信ケーブル905により接続されている。
【0106】
顕微鏡901の画像がビデオカメラ902からパソコン906内のキャプチャボードに入力されるとデジタルデータに変換される。この顕微鏡画像データは、ネットワーク919を通じパソコン908の画像データベースに登録され、記録媒体910に蓄積される。図10では顕微鏡が接続しないパソコンを4台表示(911、913、915、917)している。このパソコンからネットワークを通じパソコン908と接続している。図10に示す構成では、ローカルでのネットワーク接続の例を示しているが、公衆回線などをパソコン908とパソコン(906、911、913、915、917)との間に用い、ダイアルアップなどによる接続処理を行ってパソコン908に接続することもできる。
【0107】
上述した構成において、前述の顕微鏡画像であって顕微鏡の光軸方向(Z)に焦点位置を微動させた画像が顕微鏡901の接続されているパソコン906からネットワーク919経由でパソコン908の画像データベースに登録され、記録媒体910で記録・保存がされる。すなわち、顕微鏡画像のバーチャルフォーカスデータをパソコン908にデータ蓄積するようにする。
【0108】
こうすることにより、ネットワークで接続した各パソコン(911、913、915、917)から任意のタイミングで顕微鏡画像を顕微鏡の光軸方向(Z)に微動させた画像を取得できる。またパソコン908から各パソコン(911、913、915、917)に対して同一画面の切り替えを指示する通信制御を行うようにして複数のパソコン(911、913、915、917)に同一の画像を表示させる同期システムを構成することもできる。更に、このシステムを用い、特異な細胞診画像をパソコン908の画像データベースに登録しておき、複数のパソコン(911、913、915、917)から非同期に若しくは同期させて画像データの表示処理を行わせることにより教育用途にも用いることができる。更に、このような画像データをインターネットで配信するようにすれば、不特定多数の人に顕微鏡バーチャルフォーカスデータを体験してもらうこともできる。
【0109】
ところで、上述した各実施例では、以上までに説明した図5、図7、図8にフローチャートで示した処理を、標準的な構成を有するコンピュータ、すなわち、制御プログラムを実行することでコンピュータの各構成要素を制御するCPUと、ROMやRAM及び磁気記憶装置などからなり、CPUに各構成要素を制御させる制御プログラムの記憶、CPUが制御プログラムを実行する際のワークエリア、あるいは各種データの記憶領域として使用される記憶部と、ユーザによる操作に対応する各種のデータが取得される入力部と、ディスプレイなどに各種のデータを提示してユーザに通知する出力部と、ネットワークに接続するためのインタフェース機能を提供するI/F部と、を備えるコンピュータ、に行わせるプログラムを作成し、このプログラムを該コンピュータで実行させることによって本発明が実施される。
【0110】
また、上述したプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録させておき、そのプログラムを記録媒体からコンピュータに読み込ませてCPUで実行させるようにしても本発明は実施できる。記録させた制御プログラムをコンピュータで読み取ることの可能な記録媒体としては、例えば、コンピュータに内蔵若しくは外付けの付属装置として備えられるROMやハードディスク装置などの記憶装置、フロッピーディスク、MO(光磁気ディスク)、CD−ROM、DVD−ROMなどといった携帯可能記録媒体等が利用できる。
【0111】
なお、当然のことであるが、本発明は、上述した実施例に限定されることなく、種々の改良・変更が可能である。例えば、上述した本発明の実施の形態においては、医療・生物系の観察システムについて説明したが、本発明はこの実施の形態に記載されたものへの適用のみに限られるものではなく、例えば工業系の半導体パターンの詳細な検査を遠隔地の操作者が効率よく行うための支援システムとしても適用することが可能である。
【0112】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、細胞診などの標本自体に厚みのある対象に対して、無駄な画像を取得せず、最小限の枚数で焦点位置を変えた画像を取得・観察できるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である顕微鏡画像観察システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す顕微鏡画像観察システムの詳細構成を示す図である。
【図3】細胞診における標本の状態の一例を示す図である。
【図4】対物レンズの名称と開口数との関係を示すテーブルの例を示す図である。
【図5】顕微鏡画像の取り込みシーケンスを表すフローチャートである。
【図6】不明瞭な顕微鏡画像を説明する図である。
【図7】顕微鏡画像における観察部位の画質改善処理の処理内容を表すフローチャートである。
【図8】本発明の第二実施例である顕微鏡遠隔観察システムの全体構成を示す図である。
【図9】図8に示す顕微鏡観察システムにおける顕微鏡画像の取得動作及び伝送動作のためのシーケンスを表すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施例の説明をするシステム構成図である。
【符号の説明】
101、201 パーソナルコンピュータ
102、206、702、704、907、909、912、914、916、918 モニタ
103、203、713 顕微鏡操作ユニット
104、204、712 XYステージ操作ユニット
105、216、706、714、902 ビデオカメラ
106、217、708、903 電動レボルバ
107、219、709、904 XY電動ステージ
108、202、707、901 顕微鏡
200 キーボード
205 マウス
207 CPU
208、212 入出力I/F
209 記録媒体
210 制御プログラム
211 メモリ
213 ビデオキャプチャ
214 表示用メモリ
215 CPUバス
218 オートフォーカスユニット
701 パソコン(観察側端末)
703 公衆回線
705 パソコン(依頼側端末)
710a、710b 回線接続装置
711 マクロ撮影装置
905 通信ケーブル
906、911、913、915、917 パソコン(クライアント用端末)
908 パソコン(サーバ用端末)
910 記録媒体
919 ネットワーク

Claims (13)

  1. 少なくとも2つの対物レンズを備えた顕微鏡の制御を行い観察対象である標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡制御システムであって、
    前記対物レンズと該対物レンズの開口数とを関連付けた対物レンズ情報を記録する対物レンズ情報記録手段と、
    前記顕微鏡画像の取得のために選択された前記対物レンズの選択情報を取得する対物レンズ選択情報取得手段と、
    前記対物レンズ選択情報取得手段により取得された前記選択情報に基づいて、選択された対物レンズに関連する開口数を前記対物レンズ情報記録手段から取得する対物レンズ開口数取得手段と、
    前記対物レンズ開口数取得手段により取得された前記対物レンズの開口数と前記標本の観察のための光の波長とに基づいて、前記顕微鏡の焦点の位置の光軸方向の移動を行うときの1回当たりの該移動の間隔を決定する焦点移動間隔決定手段と、
    前記標本に対する前記焦点の位置の光軸方向の移動を行うときの該移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定する焦点移動範囲決定手段と、
    前記移動の間隔及び前記移動の範囲によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように前記顕微鏡の制御を行う焦点移動制御手段と、
    前記焦点移動制御手段の制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行う顕微鏡画像取得制御手段と、 を有し、
    Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、前記焦点移動範囲決定手段は、前記移動の範囲をS×m×kと決定することを特徴とする顕微鏡制御システム。
  2. 前記顕微鏡画像取得制御手段による制御によって取得された顕微鏡画像における任意の部位を指示する指示手段と、
    前記部位の輝度を示す情報を取得する輝度情報取得手段と、
    前記輝度が所定値よりも小さい場合に、前記標本の位置に対する前記焦点の位置が同一であるときにおいて前記顕微鏡で取得される複数枚の顕微鏡画像を、該顕微鏡画像を構成する画素毎に加算する顕微鏡画像加算手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡制御システム。
  3. 前記顕微鏡画像取得制御手段による制御によって前記移動の間隔で異なる前記焦点の位置であるときにおいて取得された複数枚の静止画像である顕微鏡画像をひとつの動画像データに変換する動画像変換手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡制御システム。
  4. 前記焦点移動制御手段は、前記焦点の位置の移動の制御を行うときに、前記顕微鏡の備える自動焦点設定機能を実行した結果として得られる前記標本についての焦点の位置に前記移動の範囲の中点を一致させるように前記顕微鏡の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡制御システム。
  5. 前記焦点移動制御手段は、前記焦点の位置の移動の制御を行うときに、前記顕微鏡の備える自動焦点設定機能を実行した結果として得られる前記標本についての焦点の範囲の上限に前記移動の範囲の上限を一致させ、若しくは該自動焦点設定機能を実行した結果として得られる該標本についての焦点の範囲の下限に該移動の範囲の下限を一致させるように前記顕微鏡の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡制御システム。
  6. 前記輝度情報取得手段は、前記部位の輝度を示す情報として光の三原色の各色毎の輝度を示す情報が得られるときには、これらのうちの輝度の最も高いものを該部位の輝度を示す情報とみなすことを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡制御システム。
  7. 前記顕微鏡制御システムは、
    顕微鏡を備えた依頼側端末と、
    前記依頼側端末に備えられている顕微鏡の制御の指示を行うための観察側端末と、
    を有して構成され、
    前記依頼側端末は、該依頼側端末と通信回線とを接続し、該依頼側端末に備えられている顕微鏡で取得される顕微鏡画像を表現する画像情報を前記観察側端末へ宛てて送信する依頼側回線接続手段を有し、
    前記観察側端末は、該観察側端末と通信回線とを接続し、前記依頼側端末に備えられている顕微鏡の制御の指示を開始する要求を示す要求情報を該依頼側端末へ宛てて送信し、且つ前記依頼側回線接続手段により送信された画像情報を受信する観察側回線接続手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1から6までのうちのいずれか一項に記載の顕微鏡制御システム。
  8. 前記顕微鏡画像取得制御手段の制御によって順次取得された前記顕微鏡画像を表現する画像情報が記憶される記憶手段を更に有することを特徴とする請求項1から7までのうちのいずれか一項に記載の顕微鏡制御システム。
  9. 前記顕微鏡制御システムは、
    前記記憶手段を有するサーバ用端末と、
    前記記憶手段に記憶されている画像情報を取得するためのクライアント用端末と、
    を有して構成され、
    前記サーバ用端末は、該サーバ用端末と通信回線とを接続し、前記記憶手段に記憶されている画像情報を前記クライアント用端末へ宛てて送信するサーバ用端末側回線接続手段を有し、
    前記クライアント用端末は、該クライアント用端末と通信回線とを接続し、前記サーバ用端末の有する記憶手段に記憶されている画像情報の送付の要求を該サーバ用端末へ宛てて送信し、且つ前記サーバ用端末側回線接続手段により送信された前記画像情報を受信するクライアント用端末側回線接続手段を有する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の顕微鏡制御システム。
  10. 観察対象である標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡の制御を行う装置であって、
    前記顕微鏡画像の取得のために前記顕微鏡で用いられる対物レンズの開口数と該顕微鏡で前記標本の観察のために用いられる光の波長とに基づいて該顕微鏡の焦点の光軸方向の移動の間隔を決定する焦点移動間隔決定手段と、
    前記標本に対する前記焦点の光軸方向の移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定する焦点移動範囲決定手段と、
    前記焦点移動間隔決定手段により決定された移動の間隔及び前記焦点移動範囲決定手段により決定された移動の範囲で前記標本の位置に対する前記顕微鏡の焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように該顕微鏡を制御する焦点移動制御手段と、
    前記焦点移動制御手段の制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行う顕微鏡画像取得制御手段と、
    を有し、
    Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、前記焦点移動範囲決定手段は、前記移動の範囲をS×m×kと決定することを特徴とする顕微鏡制御装置。
  11. 観察対象である標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡の制御を行う方法であって、
    前記顕微鏡画像の取得のために前記顕微鏡で用いられる対物レンズの開口数と該顕微鏡で前記標本の観察のために用いられる光の波長とに基づいて該顕微鏡の焦点の光軸方向の移動の間隔を決定し、
    前記標本に対する前記焦点の光軸方向の移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定し、
    決定された前記移動の間隔及び決定された前記移動の範囲で前記標本の位置に対する前記顕微鏡の焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように該顕微鏡の制御を行い、
    前記制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行
    前記焦点の光軸方向の移動の範囲の決定においては、Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、該移動の範囲をS×m×kと決定することを特徴とする顕微鏡の制御方法。
  12. コンピュータで実行させることによって、観察対象である標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡の制御を該コンピュータに行わせるプログラムであって、
    前記顕微鏡画像の取得のために前記顕微鏡で用いられる対物レンズの開口数と該顕微鏡で前記標本の観察のために用いられる光の波長とに基づいて該顕微鏡の焦点の光軸方向の移動の間隔を決定し、
    前記標本に対する前記焦点の光軸方向の移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定し、
    決定された前記移動の間隔及び決定された前記移動の範囲で前記標本の位置に対する前記顕微鏡の焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように該顕微鏡の制御を行い、
    前記制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行う、
    ことを該コンピュータに行わせ
    前記焦点の光軸方向の移動の範囲の決定においては、Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、該移動の範囲をS×m×kと決定することを特徴とするプログラム。
  13. コンピュータで実行させることによって、観察対象である標本の顕微鏡画像を取得する顕微鏡の制御を該コンピュータに行わせるプログラムを記録した該コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、
    前記顕微鏡画像の取得のために前記顕微鏡で用いられる対物レンズの開口数と該顕微鏡で前記標本の観察のために用いられる光の波長とに基づいて該顕微鏡の焦点の光軸方向の移動の間隔を決定し、
    前記標本に対する前記焦点の光軸方向の移動の範囲を前記標本の厚みの推測値に基づいて決定し、
    決定された前記移動の間隔及び決定された前記移動の範囲で前記標本の位置に対する前記顕微鏡の焦点の位置を光軸方向に順次移動させるように該顕微鏡の制御を行い、
    前記制御によって前記標本の位置に対する前記焦点の位置の移動が前記移動の間隔でなされる度に、該焦点の位置が該移動後の位置であるときにおける前記顕微鏡画像を順次取得させるように前記顕微鏡の制御を行う、
    ことを該コンピュータに行わせ
    前記焦点の光軸方向の移動の範囲の決定においては、Sを正常細胞の大きさとし、mを正常細胞に対する異常細胞の拡大若しくは縮小の倍率とし、kを細胞の重なり係数としたときに、該移動の範囲をS×m×kと決定することを特徴とするプログラムを記録した記録媒体。
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