JP4936159B2 - 化粧付き吸放湿材 - Google Patents

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Description

本発明は、吸放湿材の表面防汚・保護化粧と撥水・透湿等に好適な天然ワックスを用いた化粧付き吸放湿材に関するものである。
従来より、蜜蝋とエゴマ油を混合してなる蜜蝋ワックスを用いて、家具や革製品の艶出し及び保護を行なうことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1に示されている蜜蝋は入手困難で且つコストが高く、そのうえ蜜蝋は30℃〜35℃の低温度で軟化しやすく、このような融点の低い蜜蝋ワックスを例えば家具表面に塗布して艶出しをした場合は、周囲環境温度が高くなると表面がベタツキやすくなり、ホコリ、汚れが付着しやすくなるという課題を有しており、そのうえ無着色の蜜蝋ワックスは、乾燥後も塗布基材に濡れ色(変色)が残るという課題も有している。
一方、近年、日本の住宅は、高気密・高断熱構造が普及し、そのため新建材が多用されるようになった。
しかしこれらの建築構造や新建材では、調湿性・防露性が不十分なため、冬季は、暖房による温度差に起因した結露が居室間や外壁に接する押入れ収納部・窓サッシ部等に発生しやすく、壁面のシミ・カビ汚染による美観劣化や、さらに換気不足・多湿環境下ではカビ・ダニの発生増殖による喘息、アレルギー疾病など、健康被害で悩む人も多い。
また逆に、この高湿度の状態を防ぐために、空調機器や除湿機の過剰運転に伴う、過乾燥による咽喉部の炎症・喘息等の健康被害で悩む人も多い。さらに維持ランニング(電気エネルギー消費とCO発生・騒音・部品消耗・故障)の面でも好ましくない。
そこでこのような問題を解決するために、珪藻土の調湿材を配合した壁材を使用することで、調湿力を高めた調湿建材が使用されるようになった。
また昨今、住宅の気密性アップで、新建材や家具等の接着剤等から拡散するVOC(揮発性有機化合物)による室内空気の汚染物質がシックハウスの一因であることなどから、室内空気環境の規制や医学的健康被害抑制の観点から2003年7月改正建築基準法(シックハウス対策法)が施工された。これにより内装工事用の建材はホルムアルデヒド発散量により使用量が制限規制された。この遵法は最低限の義務であり、「健康=人体への安全性」「健康、環境」への細心配慮は社会的にも常識になってきた。製品ライフサイクルの全段階(製造、施工、廃棄等)で、エコロジー面に配慮し、さらに施工者への健康や取り扱い後の健康への影響、環境への影響を配慮し、施工が簡単で、人体に影響がなく、自然環境にも配慮した製品提供が重要となってきている。なお、各種の空気清浄機や換気装置の設備があるが、前述したように維持ランニング(電気エネルギー消費とCO発生・騒音・部品消耗・故障等)の面でも好ましくない。
そこでこのような問題を解決するために、ホルムアルデヒド等のVOC・有害汚染物質を含有せず、逆に、ホルムアルデヒド等のVOC・有害汚染ガス物質の吸着性に優れる珪藻土等の天然素材を配合した建材が使用されるようになった(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記特許文献2に示される従来例において、使用される建材の調湿機能・ガス・臭気吸着機能は、基材中に含有された微細な多孔質材料に依存しており、その固有材料が保有する最大の特性能力(吸放湿速度・吸放湿容量、ガス・臭気吸着速度、吸着容量)を発揮するのは、表面化粧が未処理状態の場合である。つまり特許文献2では、その固有材料が保有する吸放湿速度・吸放湿容量、ガス・臭気吸着速度・吸着容量の能力特性が最大発揮される基材表面に保護コーティング皮膜を形成しない未化粧の高調湿基材・素板である。従って、同一基材であっても、表面化粧法、成分構成(表面材・接着剤等)や仕上げ処理方法によって、前記した特性能力・機能は阻害され、期待効果は全く異なるものになる。
ちなみに、調湿建材は、生活者の使用状態では見栄えやメンテナンスの面から調湿性を有する基材の表面に化粧層を継続的に維持形成することが必須である。
他の従来例として、調湿性を有する基材の表面に、接着剤を介して表面化粧板(化粧単板)を貼ったものが知られている(例えば、特許文献3〜6参照)。
しかしながら、前記特許文献3〜6に示される従来例においては、見栄えやメンテナンスの面から調湿性を有する基材の表面に、接着剤を介して塩ビクロス等を貼ると、基材の調湿性が損なわれてしまうので、表面化粧板として、透湿性のあるものが用いられている。ところが、表面化粧板として透湿性のあるものを用いても、接着剤が基材と表面化粧板との間に、樹脂層となる接着剤層を形成して、該樹脂層が湿気の通過を阻害するので、基材の調湿機能が十分に働かないという問題があった。
同様な従来例として、調湿性とホルムアルデヒド等のVOC・有害汚染ガス物質の吸着性を有する基材・建材として、ゼオライト系調湿基材・建材(例えば、特許文献7参照)、或いは、珪藻土系調湿基材・建材(例えば、特許文献8参照)が知られている。さらに、酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒が存在し、ホルムアルデヒド等の有害ガス成分を分解する自己浄化機能を付与したものもある(例えば、特許文献9〜12参照)。
そこで、本出願人は、調湿建材表面に蜜蝋ワックスを塗布することにより、吸放湿性能を低下させることなく手垢汚染付着防止・撥水保護化粧を可能にした化粧付き吸放湿材を特願2005−175602号において提案している。
ところが、蜜蝋ワックスは、前述したように、入手性・価格に難点があり、そのうえ蜜蝋は融点60℃〜65℃で扱いやすいが、フレーク状の蜜蝋は30℃〜35℃の低温度で軟化しやすく、このような蜜蝋を用いて調湿建材の表面を化粧した場合は、乾燥後に例えば直射日光が当たったり、ストーブの熱等で周囲環境温度が高くなるとベタツキやすくなり、ホコリ、汚れが付着しやすくなるという課題を有し、さらに無着色の蜜蝋ワックスは、乾燥後も塗布基材に濡れ色(変色)が残るという課題を有し、このため吸放湿性能を損なうことなく上記の課題を解決することがきわめて重要である。
特開2000−319595号公報 特開2001−130946号公報 特開2002−178444号公報 特開2004−243679号公報 特開2004−351673号公報 特開2005−48439号公報 特開平3−109244号公報 特開平4−354514号公報 特開2000−273972号公報 特開2002−255620号公報 特開2002−348183号公報 特開2004−285716号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、薄膜でも撥水性と透湿性に優れ、手垢汚染付着防止・堅牢な撥水保護化粧皮膜が得られ、安心で且つ安全であり、そのうえ入手容易で価格的に好適な天然ワックスを提供することを課題とするものであり、また、吸放湿性能を低下させることなく表面を手垢汚染付着防止・撥水保護化粧処理できる化粧付き吸放湿材を提供することを課題とし、また、基材表面に任意意匠・テクスチャーを形成し、吸放湿性能を低下させることなく表面を手垢汚染付着防止・撥水保護化粧処理できる化粧付き吸放湿材を提供することを課題とし、さらに、VOC等の有害化学物質ガスの分解・自己浄化機能を付加し、吸放湿性能を低下させることなく表面を手垢汚染付着防止・撥水保護化粧処理できる化粧付き吸放湿材を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するために請求項1記載の発明に係る天然ワックス2は、マイクロクリスタリン蝋と、半乾性油又は乾性油のいずれか一方とを混合してなることを特徴としている。さらに、微細な多孔質材料が含有された吸放湿性を有する基材1に、前記天然ワックス2で接着兼用皮膜を形成し、該接着兼用皮膜上に透湿性・通気性を有する壁紙クロス・和紙・障子紙・ふすま紙のいずれか1つからなるシート状層6を一体化形成して、化粧付き吸放湿材10を構成したことを特徴としている。
このような構成とすることで、マイクロクリスタリン蝋と、半乾性油又は乾性油のいずれか一方とを混合してなる天然ワックス2は、マイクロクリスタリン蝋の柔軟特性・粘性効果があり、塗布時の延伸性もよく、薄膜でも撥水性と透湿性に優れると共に、硬化後の塗膜も適度な柔軟性を有し、亀裂が生じにくく、エッジ部の手触り感もソフトであり、そのうえマイクロクリスタリン蝋は融点83℃〜98℃であるため、乾燥後に周囲環境温度が高くなってもベタツキや、ホコリ、汚れの付着を防止でき、そのうえ半乾性油又は乾性油のバインダー作用によって基材1に対する定着性も良好となり、結果、手垢汚染付着防止・堅牢な撥水保護化粧皮膜が形成できるようになる。
さらに、微細な多孔質材料が含有された吸放湿性を有する基材1に、前記天然ワックス2で接着兼用皮膜を形成し、該接着兼用皮膜上に透湿性・通気性を有する壁紙クロス・和紙・障子紙・ふすま紙のいずれか1つからなるシート状層6を一体化形成して、化粧付き吸放湿材10を構成することで、シート状層6による表面の凹凸意匠と模様形成、ならびに照明など斜光照射により凹凸陰影の演出ができると共に、撥水・通気皮膜により表面保護・手垢付着汚染バリアができ、施工者は建材のハンドリングがしやすく、生活者は手垢付着汚染がなく、清掃・手入れがしやすくなり、しかも吸放湿能力(速度、容量)がアップし、そのうえ生活者は色彩・テクスチャー付きインテリア材として色彩の嗜好選択ができる。
また請求項2記載の発明に係る天然ワックス2は、ステアリン酸と、半乾性油又は乾性油の一方とを混合してなることを特徴としている。さらに、微細な多孔質材料が含有された吸放湿性を有する基材1に、前記天然ワックス2で接着兼用皮膜を形成し、該接着兼用皮膜上に透湿性・通気性を有する壁紙クロス・和紙・障子紙・ふすま紙のいずれか1つからなるシート状層6を一体化形成して、化粧付き吸放湿材10を構成したことを特徴としている。
このような構成とすることで、ステアリン酸と、半乾性油又は乾性油の一方とを混合してなる天然ワックス2は、ステアリン酸のサラサラした流動性の良い液体で塗布時の延伸性が良く、硬化後の塗膜は厚塗りでもステアリン酸により微細な間隙を有し、さらに透湿性と撥水性とに優れ、そのうえ、ステアリン酸は融点72℃〜72.5℃であるため、乾燥後に周囲環境温度が高くなってもベタツキや、ホコリ、汚れの付着を防止できると共に、半乾性油又は乾性油のバインダー作用によって基材1に対する定着性も良好となり、結果、手垢汚染付着防止・堅牢な撥水保護化粧皮膜が形成できるようになる。
さらに、微細な多孔質材料が含有された吸放湿性を有する基材1に、前記天然ワックス2で接着兼用皮膜を形成し、該接着兼用皮膜上に透湿性・通気性を有する壁紙クロス・和紙・障子紙・ふすま紙のいずれか1つからなるシート状層6を一体化形成して、化粧付き吸放湿材10を構成することで、シート状層6による表面の凹凸意匠と模様形成、ならびに照明など斜光照射により凹凸陰影の演出ができると共に、撥水・通気皮膜により表面保護・手垢付着汚染バリアができ、施工者は建材のハンドリングがしやすく、生活者は手垢付着汚染がなく、清掃・手入れがしやすくなり、しかも吸放湿能力(速度、容量)がアップし、そのうえ生活者は色彩・テクスチャー付きインテリア材として色彩の嗜好選択ができる。
本発明に係る天然ワックスは、マイクロクリスタリン蝋の柔軟特性・粘性効果があり、塗布時の延伸性もよく、薄膜でも撥水性と透湿性に優れると共に、硬化後の塗膜も適度な柔軟性を有し、亀裂が生じにくく、エッジ部の手触り感もソフトで、安心で且つ安全な手垢汚染付着防止・堅牢な撥水保護化粧皮膜が形成できると共に塗布基材に対する定着性も良好であり、そのうえ入手容易で且つ低価格の天然ワックスを提供できるものであり、また本発明に係る化粧付き吸放湿材は、基材表面に任意意匠・テクスチャーを形成し、吸放湿性能を低下させることなく手垢汚染付着防止・撥水保護化粧処理した化粧付き吸放湿材を提供できるものである。
また本発明に係る天然ワックスは、ステアリン酸のサラサラした流動性の良い液体で塗布時の延伸性が良く、硬化後の塗膜は厚塗りでも透湿性と撥水性に優れたものとなり、手垢汚染付着防止・堅牢な撥水保護化粧皮膜が形成できると共に塗布基材に対する定着性も良好であり、そのうえ入手容易で且つ低価格の天然ワックスを提供できるものであり、また本発明に係る化粧付き吸放湿材は、基材表面に任意意匠・テクスチャーを形成し、吸放湿性能を低下させることなく手垢汚染付着防止・撥水保護化粧処理した化粧付き吸放湿材を提供できるものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図1は本発明の一実施形態の化粧付き吸放湿材10を示している。この化粧付き吸放湿材10は、吸放湿性を有する基材1に、天然ワックス2の皮膜を形成して構成されている。
吸放湿性に優れた基材1は、例えば、調湿機能・ガス・臭気吸着機能に優れた微細な多孔質材料で構成されている。
ワックスの種類は、天然ワックス(天然蝋)と、合成ワックスと、加工・変性ワックスとに大別される。天然ワックスには、動物由来のワックス(蜜蝋、ステアリン酸、鯨蝋、セラック蝋等)、植物由来のワックス(カルナバ蝋、ステアリン酸、松脂、木蝋、米糠蝋、キャンデリラワックス等)、石油由来のワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリン蝋等)、及び、鉱物石炭由来のワックス(モンタンワックス、オゾケライト等)がある。
一般的な天然ワックスは、湯煎で溶解、型に流して成形でき、ナイフで削ることができ、温めれば曲げられ、鏝で接着でき、油性の染料顔料でどのような色にも着色できる。また皮膜はポリッシングや乾拭きで艶がでる。配合や塗装法で艶消しもできる。またワックスは、溶けるとさらさらした液体になり、物(紙、布)に容易且つ簡単に浸透し、防湿、防水、保香性がよく、微生物により簡単に分解でき、土に埋めれば容易に分解され、プラスチック類のように廃棄物公害がなく、衛生上も安全であり、特に天然ワックスは、元々自然界にあったもので、食品衛生法の適用も受けず、安全である。
天然ワックスの配合試作素材として、蜜蝋(融点62℃〜65℃)、木蝋(融点50℃〜56℃)、パラフィン(重油精製品、融点54℃〜60℃)、マイクロクリスタリン蝋(融点83℃〜98℃)、ステアリン酸(融点72℃〜72.5℃)、カルナバ蝋(融点82℃〜85.5℃)、松脂(融点90℃〜100℃)で天然ワックスの製造実験をし、最終使用目的の調湿建材への塗布と塗布品での美観・撥水性・透湿性・コスト算出等の実験・評価の結果、最終的に、本発明では、高融点特性を有すマイクロクリスタリン蝋(融点83℃〜98℃)、ステアリン酸(融点72℃〜72.5℃)、カルナバ蝋(融点82℃〜85.5℃)、松脂(融点90℃〜100℃)を採用素材として決定した。なおマイクロクリスタリン蝋は減圧蒸留残渣油又は重質留出油から分離した常温において固形の石油ワックスであり、ステアリン酸は天然油脂中の脂肪酸であり、カルナバ蝋はカルバナ椰子から採取される蝋であり、松脂は松から取れる樹液を固めたものである。
また本発明の天然ワックス2は、マイクロクリスタリン蝋(融点83℃〜98℃)、ステアリン酸(融点72℃〜72.5℃)、カルナバ蝋(融点82〜85℃)、松脂(融点90〜100℃)のうちから選ばれる少なくとも1種以上の固形ワックスに、半乾性油又は乾性油のいずれか一方を混合したものである。
乾性油として、例えばサンフラワー油(紅花油)を使用する。サンフラワー油は空気中の酸素を吸収し酸化重合し固化する油でこの酸化重合の過程において、透明で強靭な皮膜を形成し、ワックスを定着保護する理想的なバインダーとなる。乾性油の他例として、亜麻仁油(リンシードオイル)、ケシ油(ポピーオイル)、くるみ油、荏の油、桐油等を使用してもよい。また半乾性油としてキャノーラ油(ナタネ油)がある。なお、オリーブオイル(ヤシ油)は、永久に乾くことのない不乾性油で、バインダーには使えない。
前記構成の天然ワックス2を製造するための湯煎装置20の一例を図23に示す。図23において、湯煎ポット21の内容器22に、固形ワックス23[例えばマイクロクリスタリン蝋(融点83℃)、ステアリン酸(融点72〜72.5℃)、カルナバ蝋(融点82〜85.5℃)、松脂(融点90〜100℃)の1種以上]とサンフラワー油24(又はキャノーラ油)とを投入し、内容器22を湯25で加熱しながら、湯煎・溶解後、その溶解液を攪拌装置26で攪拌しながら内容器22ごと流水又は冷水で常温に冷ます工程を経て製造したものであり、この製造した天然ワックス2は用途によって形態が異なるものである。ここでは、用途によってゲル状天然ワックス、ゾル状天然ワックス、液状体天然ワックスと定義する。
ここで、ゲル状天然ワックスは、例えば、マイクロクリスタリン蝋と松脂とサンフラワー油の配合比を1対1対5としたもので、軟性(固い練り状)の固形物である。ゾル状天然ワックスは、例えば、マイクロクリスタリン蝋と松脂とサンフラワー油の配合比を2対1対10としたもので、液体と固形物の中間で流動しにくい性状のものである。液状体天然ワックスは、例えば、マイクロクリスタリン蝋と松脂とサンフラワー油の配合比を1対1対10としたもので液状流体のものである。尚、固形ワックスとサンフラワー油との配合比とこれに対する使用例との関係は、必ずしも前記記載の数値に限定されるものではなく、例えば気温の高い夏季や、気温の低い冬季など塗布作業環境の温度によって、また塗布基材(調湿建材等)の表面の粗密(粗さ)状態・凹凸状態・吸い込み浸透状態等の変化や仕上げ状態に応じて適宜調整可能であって、因みにワックスの濃度が淡い場合は、浸透性が良く、また濃い場合は、強い皮膜を形成するのに好適であり、これらの特徴を活かして使用すべきである。さらに前記の配合比・区分を超えた実使用も十分考えられ、且つその配合比は用途に応じて容易に調整できるものである。
なお、本発明の天然ワックスがゾル状の場合、液体と固体の中間流動体であり、粘度があるため塗布・貼着直後の塗剤の垂れ、滴下を防止できる。液体状の場合は、霧状にしてスプレー塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装にそれぞれ対応でき、工場ライン塗装・生産が可能であると共に、スプレー塗装では現場塗装にも対応できる。つまり、液体の場合は垂直壁、オーバーハング面、天井面なとでは貼着した塗布剤が重力で移動(垂れ・滴下)しやすいが、スプレー状(霧状)にして現場或いは工場で塗装できるものである。さらにゲル状の場合、自動車用固形ワックスと同様、クレヨンやクレパスのような形状に成形することで、取り扱いが容易となる。
次に本発明の天然ワックス2の例を説明する。
先ず、マイクロクリスタリン蝋に半乾性油又は乾性油を混合した天然ワックス2では、マイクロクリスタリン蝋の柔軟特性・粘性効果があり、塗布時の延伸性もよく、薄膜でも撥水性と透湿性に優れると共に、硬化後の塗膜も適度な柔軟性を有し、亀裂が生じにくく、エッジ部の手触り感もソフトで、安心で且つ安全である。そのうえマイクロクリスタリン蝋は融点83℃〜98℃であるため、乾燥後に周囲環境温度が高くなってもベタツキや、ホコリ、汚れの付着を防止でき、手垢汚染付着防止・堅牢な撥水保護化粧皮膜が形成できると共に、半乾性油又は乾性油のバインダー作用によって塗布基材に対する定着性も良好となる。
また、マイクロクリスタリン蝋にステアリン酸を混合した天然ワックス2では、ステアリン酸の添加により融解冷却時(製造工程)の攪拌で泡立ちや空気の巻き込みを抑制できる。しかも、マイクロクリスタリン蝋の柔軟特性・粘性効果に、ステアリン酸の脆さ・亀裂のしやすさ、延伸性をミックスブレンドすることにより、適度な撥水効果と特に透湿性をアップする方向で調整コントロールできる。しかも塗布時の延伸性も良く、薄膜でも撥水性と透湿性に優れ、硬化後の塗膜も適度な柔軟性を有し、亀裂が生じにくく、エッジ部の手触り感もソフトで安心且つ安全となる。
また、ステアリン酸に半乾性油又は乾性油を混合した天然ワックスでは、ステアリン酸のサラサラした流動性の良い液体で塗布時の延伸性が良く、硬化後の塗膜は厚塗りでもステアリン酸により微細な間隙を有し、これにより透湿性と撥水性に優れたものとなり、手垢汚染付着防止・堅牢な撥水保護化粧皮膜が形成できるようになり、そのうえ、ステアリン酸は融点72℃〜72.5℃であるため、乾燥後に周囲環境温度が高くなってもベタツキや、ホコリ、汚れの付着を防止できると共に、半乾性油又は乾性油のバインダー作用によって塗布基材に対する定着性も良好となるものである。
また、マイクロクリスタリン蝋にカルナバ蝋を混合した天然ワックス2では、マイクロクリスタリン蝋の柔軟特性・粘性効果に、カルナバ蝋の非常に硬い丈夫な塗膜・ポリッシングによる延伸性・きめ細かい綺麗な光沢特性をミックスブレンドすることにより、適度な撥水効果、透湿性が得られ、特にカルナバ蝋の添加により硬化塗膜は低光沢で、塗膜を乾拭き・ポリッシングすることにより光沢をアップでき、塗膜の硬さや光沢を調整コントロールできる。そのうえマイクロクリスタリン蝋との混合により塗布時の延伸性も良く、薄膜でも撥水性と透湿性に優れ、硬化後の塗膜も適度な柔軟性を有し、亀裂が生じにくく、エッジ部の手触り感もソフトで安心且つ安全となる。
また、ステアリン酸にカルナバ蝋を混合した天然ワックス2では、ステアリン酸の脆さ・亀裂のしやすさ・延伸性に、カルナバ蝋の非常に硬い丈夫な塗膜・ポリッシングによる延伸性・きめ細かい綺麗な光沢特性をミックスブレンドすることにより、適度な撥水効果と特に透湿性をアップする方向で調整コントロールでき、しかも、塗布時の延伸性も良く、硬化後の塗膜は厚塗り膜厚でもステアリン酸により微細な間隙を有し、撥水性と透湿性に優れ、例えば、塗布基材の表面がエンボス面・凹凸面の場合、凹部に液溜まりができ、従って、塗膜厚が不均一になりやすいエンボス面・凹凸面を有する場合の基材塗布に最適となる。
また、マイクロクリスタリン蝋と松脂を混合した天然ワックス2、或いはステアリン酸と松脂を混合した天然ワックス2では、いずれの場合も、透湿性と撥水性を有し、手垢汚染付着防止・堅牢な保護化粧皮膜が形成でき、しかもワックスの融点が70℃以上であるため、天然ワックスの塗布皮膜の硬化後の軟化点が高く且つ低価格の天然ワックスが得られる。
ここで、松脂をマイクロクリスタリン蝋に混合した場合、マイクロクリスタリン蝋の柔軟特性・粘性効果に、松脂の常温では硬く、暖めると粘性(軟化点80℃、融点90℃〜100℃)を発揮する特性をミックスブレンドすることにより、塗膜の艶消し、防滑性を調整コントロールできる。塗布後の延伸性もよく、薄膜でも撥水性と透湿性に優れると共に、硬化後の塗膜の適度な柔軟性を有し、亀裂が生じにくく、エッジ部の手触り感も良く、安心且つ安全となる。
一方、松脂をステアリン酸に混合した場合、ステアリン酸の脆さ・亀裂のしやすさ・延伸性に、松脂の常温では硬く、暖めると粘性(軟化点80℃、融点90℃〜100℃)を発揮する特性をミックスブレンドすることにより、適度な撥水効果と特に透湿性をアップする方向で調整コントロールでき、しかも、塗布時の延伸性も良く、硬化後の塗膜は厚塗り膜厚でもステアリン酸により微細な間隙を有し、撥水性と透湿性に優れ、例えば、塗布基材の表面がエンボス面・凹凸面の場合、凹部に液溜まりができ、従って、塗膜厚が不均一になりやすいエンボス面・凹凸面を有する場合の基材塗布に最適となる。
さらに、マイクロクリスタリン蝋にカルナバ蝋を混合し、さらに松脂を混合した天然ワックス2では、透湿性と撥水性を有し、手垢汚染付着防止・堅牢な保護化粧皮膜が形成でき、しかもワックスの融点が70℃以上であるため、天然ワックスの塗布皮膜の硬化後の軟化点が高く且つ低価格の天然ワックスが得られる。ここで、マイクロクリスタリン蝋の柔軟特性・粘性効果に、カルナバ蝋の非常に硬い丈夫な塗膜・ポリッシングによる延伸性・きめ細かい綺麗な光沢特性をミックスブレンドすることにより、適度な撥水効果、透湿性、特にカルナバ蝋の添加により硬化塗膜は低光沢で、塗膜を乾拭き・ポリッシングすることにより光沢をアップでき、更に松脂の常温では硬く、暖めると粘性を発揮する特性をミッスクブレンドしたことにより、塗膜の硬さ・艶消し・光沢アップ・防滑性を調整コントロールできる。そのうえ塗布時の延伸性もよく、薄膜でも撥水性と透湿性に優れ、硬化後の塗膜も適度な柔軟性を有し、亀裂が生じにくく、エッジ部の手触り感もソフトで安心且つ安全となる。
しかして、上記構成の天然ワックス2を図1(b)に示すように、吸放湿性能を有する基材1の表面に塗布することにより、基材1表面を撥水・通気皮膜にて保護することができる。つまり天然ワックス2を用いることによって、基材1の吸放湿性能を低下させることなく、表面保護・手垢付着汚染バリアができるようになる。従って、施工者は建材のハンドリングがしやすく、生活者は手垢付着汚染がなく、吸放湿材の清掃・手入れがしやすくなる利点がある。
また、前記吸放湿性を有する基材1の表面に、直接着色・彩色を施し、その上に天然ワックス2の皮膜を形成したり、或いは、着色天然ワックス2を塗布してもよい。この場合、基材1への着色化粧によって、生活者は色彩・テクスチャー付きインテリア材として色彩の嗜好選択ができる吸放湿材を得ることができる。
また、図2に示すように、天然ワックス2に吸放湿性を有する微粉末3(以下「調湿微粉体3」と呼ぶ)を混入させることにより、表面に調湿微粉体3による微細な凹凸テクスチャーを形成でき、吸放湿有効面積の拡大と、撥水性・吸放湿性の天然ワックス2による保護とができ、しかも、吸放湿面の面積が増大でき、吸放湿能力(速度、容量)がアップし、そのうえ生活者はテクスチャー付きインテリア材として嗜好選択ができるようになる。このとき、着色した調湿微粉体3を使用することにより、微細な凹凸テクスチャーを形成でき、特に着色した調湿微粉体3による微細な凸部のみカラーリング意匠の確保ができ、生活者は色彩・テクスチャー付きインテリア材として色彩の嗜好選択ができるようになる。
本発明の他の実施形態を図13〜図18に示す。この化粧付き吸放湿材10は、吸放湿性を有する基材1に、前記構成の天然ワックス2で接着兼用皮膜を形成し、該接着兼用皮膜上に透湿性・通気性を有する壁紙クロス・和紙・障子紙・ふすま紙などのシート状層6を一体化形成したり、落葉・押し花・切り紙など片面が平面の小物装飾体8を一体化形成したものである。しかして、シート状層6或いは小物装飾体8による表面の凹凸意匠と模様形成、ならびに照明など斜光照射により凹凸陰影の演出ができると共に、撥水・通気皮膜により表面保護・手垢付着汚染バリアができ、施工者は建材のハンドリングがしやすく、生活者は手垢付着汚染がなく、清掃・手入れがしやすくなり、しかも吸放湿能力(速度、容量)がアップし、そのうえ生活者は色彩・テクスチャー付きインテリア材として色彩の嗜好選択ができるものである。
さらに図19に示すように、吸放湿性を有する基材1に、吸放湿性を有する調湿微粉体3と水溶性接着剤を混練した高粘度ペースト状組成物(以下、「調湿微粉体ペースト」と呼ぶ)を付着形成し、該調湿微粉体ペースト上に前記構成の天然ワックス2の皮膜を形成したものであってもよい。これにより、表面に調湿微粉体ペーストによる凹凸テクスチャーを形成でき、特に凸部が立体的となった凹凸意匠と模様形成の確保と、照明など斜光照射により凹凸陰影の演出とができ、凹凸テクスチャーによる吸放湿有効面積を拡大して吸放湿面の面積が増大でき、結果、吸放湿能力(速度、容量)がアップし、さらに生活者はテクスチャー付きインテリア材として嗜好選択ができるものである。
また、前記天然ワックス2に光触媒粒子9(図20)を混練することにより、VOC等の有害化学物質ガスやペット臭、老人介護室等の生活臭、喫煙室のタバコ臭、汚染物質の分解・自己浄化機能が付加されるので、吸放湿性能を低下させることなく、基材1表面を撥水保護化粧できるようになる。
以下、本発明の天然ワックスを実施例1〜10に詳述し、天然ワックスを用いた化粧付き吸放湿材10を実施例11〜30に詳述する。
(実施例1)
マイクロクリスタリン蝋とサンフラワー油の配合比を4対40にして、湯煎混練してゾル状天然ワックスを得た。その吸放湿性能結果を図22中のラインL1(固形分9.1%、塗布量56g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量248g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力69%)に示す。
(実施例2)
マイクロクリスタリン蝋とカルナバ蝋と松脂とサンフラワー油の配合比を2対2対2対20にして、湯煎混練してゲル状天然ワックスを得た。その吸放湿性能効果を図22のラインL6(固形分23.1%、塗布量22g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量262g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力73%)に示す。なおこのラインL6は、後述する実施例3のラインL5a(マイクロクリスタリン蝋と松脂とサンフラワー油の配合比を2対2対20にして、湯煎混練して得られた液体状天然ワックス。固形分16.7%、塗布量22g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量282g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力78%)の配合比にカルナバ蝋を2g重量比分追加したもので、カルナバ蝋の有無による透湿性能への影響度を比較確認したところ、試験結果は、カルナバ蝋を2g重量比分追加した固形分が多い本実施例2のラインL6の方が透湿性に優れていた。
(実施例3及び4)
マイクロクリスタリン蝋と松脂とサンフラワー油の配合比を2対2対20にして、湯煎混練して液体状天然ワックスを得た。その吸放湿性能試験結果を図22のラインL5a(固形分16.7%、塗布量22g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量282g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力78%)に示す。
マイクロクリスタリン蝋と松脂とサンフラワー油の配合比を4対2対20にして、湯煎混練してゾル天然ワックスを得た。その吸放湿性能試験結果を図22のラインL5b(固形分23.1%、塗布量33g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量229g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力64%)に示す。
ここで、ラインL5aとL5bは、マイクロクリスタリン蝋の重量配合比を変動させたもので、松脂と乾性油(サンフラワー油)とはいずれも同一重量配合比とした。
マイクロクリスタリン蝋の重量配合比変動の透湿性能への影響度を比較確認した。試験結果はマイクロクリスタリン蝋の重量配合比の小さい(固形分が少ない)ラインL5aの方が透湿性において優れていた。
(実施例5及び6)
ステアリン酸とカルナバ蝋とサンフラワー油の配合比を1対2対20にして、湯煎混練してゾル状天然ワックスを得た。その吸放湿性能結果を図22中のラインL4a(固形分13%、塗布量22g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量313g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力87%)に示す。
一方、ステアリン酸とカルナバ蝋とキャノーラ油の配合比を1対2対20にして、湯煎混練してゾル状天然ワックスを得た。その吸放湿性能結果を図22中のラインL4b(固形分13%、塗布量22g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量309g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力86%)に示す。
ここで、ラインL4aとL4bは、乾性油と半乾性油の違いを透湿性能で比較確認した。つまり、サンフラワー油とキャノーラ油はいずれも同一重量配合比で製造した天然ワックスである。試験結果はサンフラワー油の方が透湿性において優れていたが、数値的には大きな差異はみられない。
(実施例7及び8)
ステアリン酸とサンフラワー油の配合比を2対25にして、湯煎混練してゾル状天然ワックスを得た(実施例7)。その吸放湿性能結果を図22のラインL2a(固形分7.4%、塗布量44g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量240g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力67%)に示す。
一方、ステアリン酸とキャノーラ油の配合比を2対25にして、湯煎混練してゾル状天然ワックスを得た(実施例8)。その吸放湿性能結果を図22のラインL2b(固形分7.4%、塗布量44g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量340g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力94%)に示す。
ここで、ラインL2aとL2bは、乾性油と半乾性油の違いを透湿性能で比較確認した。つまり、一定重量のステアリン酸に対して、サンフラワー油とキャノーラ油を同一重量配合比で製造した天然ワックスである。試験結果は半乾性油(キャノーラ油)の方が透湿性において優れていた。
(実施例9及び10)
ステアリン酸とマイクロクリスタリン蝋とキャノーラ油の配合比を2対2対30にして、湯煎混練してゾル状天然ワックスを得た(実施例9)。その吸放湿性能結果を図22のラインL3a(固形分11.8%、塗布量44g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量288g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力80%)に示す。
一方、ステアリン酸とマイクロクリスタリン蝋とキャノーラ油の配合比を1対2対25にして、湯煎混練してゾル状天然ワックスを得た(実施例10)。その吸放湿性能結果を図22のラインL3b(固形分10.7%、塗布量44g/m、24hr後の水蒸気吸放湿量255g/m、24hr後の無塗布品対比吸湿力71%)に示す。
ここで、ラインL3aとL3bは、半乾性油のキャノーラ油とステアリン酸の重量配合比の違いを透湿性能で比較確認した。なおマイクロクリスタリン蝋はいずれも同一重量配合比で製造した。試験結果はラインL3aの方が透湿性において優れていた。
上記実施例1〜10において製造した天然ワックスの成分配合の実施例とコスト試算、塗布塗膜の美観評価、塗布塗膜の手触り感、撥水性の評価方法と結果を以下の表1、表2に示す。なお表1、表2中の紙浸透テストは、天然ワックスの適正選別のため独自で考案した簡易評価方法である。製造した天然ワックスを後述の用紙にスポンジで塗布して3時間放置乾燥処理後、処理済み用紙に赤色顔料をノズル径約1mmのスポイトで一滴滴下し、1分後拭き取りで痕跡を評価し、撥水性と手垢付着耐性の代用評価とした。さらに、水滴の残存時間を測定し透湿性の強弱評価の代用試験とした。紙はASKUL製388−491マルチペーパー(スーパーエコノミー)でコピー機、インクジェット・レーザープリンタ、FAX用の普通紙を用いた。
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図22の吸放湿性能試験・測定については以下の方法で測定を行なった。吸放湿性能の測定の試料は、天然ワックス適量を布に取り、試料表面全体に塗り伸ばした後に、すぐに余分なワックスや油分を拭き取って仕上げたもので、ワックス塗布量g/mはワックス塗布前と塗布後の重量変化(増加)で算出した。測定は、約300mm角のテストピース3枚を使用して行なった。先ず、20℃、相対湿度60%の雰囲気下に3日間放置した試料を、20℃、相対湿度90%の環境下に移し、24時間の重量変化(増加)を測定して吸放特性を調べた。次に、再度、20℃、相対湿度60%の雰囲気下に移し、24時間の重量変化(減少)を測定した。測定結果を図22のグラフに示す。同グラフ中のラインLは天然ワックスを塗布しない素板(基材自体)の調湿特性であり、ラインL1〜L6は天然ワックスを塗布した化粧付き吸放湿材(最終製品)の調湿特性である。なお、ラインL1は実施例1、ラインL2a,L2bは実施例2及び3、ラインL3a,L3bは実施例4及び5、ラインL4a,L4bは実施例6及び7、ラインL5a,L5bは実施例8及び9、ラインL6は実施例10の天然ワックスを塗布した場合である。図22において、天然ワックスを塗布した最終製品において24時間後の吸湿・放湿量が共に200g以上であることがわかる。この結果、本発明の最終製品の調湿性能は、吸・放湿速度、吸・放湿量の両面で優れており、また吸湿・放湿の速度、容量ともに同等でバランスが良いことがわかる。
また本発明の天然ワックス2は、塗布被膜が透湿性・撥水性に優れ、被膜表面が堅牢で、通常の生活環境・場面での温度環境への耐熱性にも優れるなど色々な優れた特性を有するため、吸放湿板材やその施工後・部位の現場仕上対応(一般居室の壁・天井、寝具収納部、衣類収納部脱衣・洗濯乾燥機設置室など)、鏝・ヘラ・刷毛引き等でフラットや凹凸など任意に表面仕上げが実現でき、最近消費者の関心が高い珪藻土入り塗り壁(現場施工、DIY用)の表面防汚・通気・透湿用保護被膜、床壁天井用の天然木無垢材・突き板やコルク材の表面の日焼け防止・化粧・防汚保護被膜、コンクリート打ち放しの内装壁・天井のザラツキ防止・防汚・表面保護用被膜など内装の分野に広く適用可能である。また黒色〜濃茶系色のアルミニウムや鋼板・合成樹脂からなる変退色した門扉・フェンス・カーゲート・サインポスト・門柱灯・玄関ドア・雨戸・竪雨樋などエクステリア材の撥水・防汚・色味復元回復、水栓金具や自転車・バイク・自動車の金属メッキ部の撥水・防錆・光沢維持、変退色した合成樹脂部の色味復元回復・撥水・防汚、さらに、板材の表面保護被膜工場生産用(フローコーター、ロールコーター、自動スプレー塗装)や、現場塗布作業用(ローラー塗布、刷毛塗布、スポンジ塗布、スプレー塗布)にも適用可能である。
(実施例11)
次に、吸放湿性を有する基材1の表面全体に、天然ワックス2(30重量部)を塗布して、図1に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。天然ワックス2として上記実施例1〜10で得られたゲル状天然ワックスを用いた。
(実施例12)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(50重量部)に吸放湿性を有する調湿微粉3(5重量部)を混入したものを塗布して、図2に示す調湿微粉体混練天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。天然ワックス2は実施例1と同じものを用いた。調湿微粉体3として、珪藻土30〜75重量部、消石灰20〜40重量部、珪砂1〜10重量部、石膏1〜10重量部、パルプ1〜10重量部、繊維0.1〜3重量部を含むスラリーから抄造成形した後、養生して製造した調湿建材を粒径10〜100μmの微粉末にした調湿微粉体3を用いた。この調湿微粉体3は、微細な凹凸テクスチャーを形成でき、吸放湿有効面積が拡大して吸放湿面の面積が増大でき、吸放湿能力(速度、容量)がアップし、そのうえ使用者に嗜好選択をさせるテクスチャー付きインテリア材として最適となる。
(実施例13)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(30重量部)に顔料4(1重量部)を混練したものを塗布して、図3に示す顔料混練天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、顔料4は実施例3と同じものを用いた。
(実施例14)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(50重量部)に調湿微粉体3(5重量部)と顔料4(1重量部)とを混練したものを塗布して、図4に示す調湿微粉体・顔料混練天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお、天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、調湿微粉体3は実施例2と同じものを用いた。顔料4は、一般に、水、油、溶媒に溶けない有色不透明の粉末で、粉末の分散状態のままでモノを着色する色料で無機顔料と有機顔料に大別され、 無機顔料は鉱物性顔料とよばれ、天然産または合成無機化合物がある。有機顔料はレーキ(水流性の染料5に沈殿剤を加えて不溶性にしたもの)、顔料色素(水に不溶性の色素を加えたもの)などがある。顔料製品には、塗料、印刷インキ、絵の具、ゴム、プラスチック、繊維、 製紙、レザー、化粧品、漆器、ほうろう、タイルなど広範囲に使われている。本実施例では、無機顔料に比べて鮮明なものが多く、粒子が細かく、着色力が大きく、豊富な色調がある有機化合物を主体とした有機顔料の練り絵の具(成分:顔料・体質顔料・水溶性糊料・安定剤・水)を用いた。
(実施例15)
吸放湿性を有する基材1の表面に、先ず、調湿微粉体3(5重量部)と染料5(1重量部)と水(13重量部)とを混練したものを塗布し、その後、50重量部の天然ワックス2を塗布して、図5に示す染料・着色調湿微粉体混練天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、調湿微粉体3は実施例2と同じものを用いた。染料5は、一般に、着色の際に用いる水溶性の有色物質、または水溶性の形にして染色できる有色物質で、天然と合成に大別されるが、天然には動物染料(数少ない)、植物染料(インジゴが有名)、鉱物染料(厳密には無機顔料に属する)がある。本実施例では染料5として植物色素着色染料(赤しそ葉10kgを4リットル煎じ汁にしたもの)を用いた。
(実施例16)
吸放湿性を有する基材1の表面に、先ず、調湿微粉体3(10重量部)と、着色顔料4(1重量部)と、のり剤(0.5重量部)と水(13重量部)とを混練した着色顔料・調湿微粉体ペーストを塗布して表面を凹凸形状とし、その後、この凹凸表面に、天然ワックス2(40重量部)を塗布して、図6に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。のり剤は小麦、米のでんぷん等の天然水溶性のりを用いた。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、調湿微粉体3は実施例2と同じものを用い、顔料4は実施例4と同じものを用いた。
(実施例17)
吸放湿性を有する基材1の表面に、先ず、調湿微粉体3(10重量部)と顔料4(1重量部)とのり剤(0.5重量部)と水(13重量部)とを混練した着色顔料・調湿微粉体ペーストを塗布して表面を凹凸形状とし、その後、この凹凸表面に、顔料4(1重量部)を混練した天然ワックス2(40重量部)を塗布して、図7に示す顔料混練着色の天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、調湿建材は実施例2と同じものを用い、顔料4は実施例4と同じものを用い、のり剤は実施例6と同じものを用いた。
(実施例18)
吸放湿性を有する基材1の表面に、先ず、調湿微粉体3(10重量部)と染料5(1重量部)とのり剤(0.5重量部)と水(13重量部)とを混練した染料着色・調湿微粉体ペーストを塗布して表面を凹凸形状とし、その後、この凹凸表面に、天然ワックス2(50重量部)を塗布して、図8に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、調湿微粉体3は実施例2と同じものを用い、染料5は実施例5と同じものを用い、のり剤は実施例6と同じものを用いた。
(実施例19)
吸放湿性を有する基材1の表面全体に染料5(1重量部)を塗布し、その上から天然ワックス2(30重量部)を塗布して、図9に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、染料5は実施例5と同じものを用いた。
(実施例20)
吸放湿性を有する基材1の表面に、部分的に、染料5(1重量部)を塗布し、その上から天然ワックス2(30重量部)を塗布して、図10に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、染料5は実施例5と同じものを用いた。
(実施例21)
吸放湿性を有する基材1の表面に、先ず、調湿微粉体3(10重量部)と顔料4(1重量部)とのり剤(0.5重量部)と水(13重量部)とを混練した顔料着色・調湿微粉体ペーストを塗布して表面を凹凸形状とし、その後、この凹凸表面に、染料5(1重量部)を混練した天然ワックス2(50重量部)を塗布して、図11に示す染料混練着色の天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、顔料4は実施例4と同じものを用い、染料5は実施例5と同じものを用い、のり剤は実施例6と同じものを用いた。
(実施例22)
吸放湿性を有する基材1の表面に、調湿微粉体3(10重量部)と顔料4(1重量部)とのり剤(0.5重量部)と水(13重量部)とを混練した顔料着色・調湿微粉体ペーストと、染料5(1重量部)を混練した天然ワックス2(50重量部)とをそれぞれ塗布して、図12に示す染料混練着色の天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、調湿微粉体3は実施例2と同じものを用い、顔料4は実施例4と同じものを用い、染料5は実施例5と同じものを用い、のり剤は実施例6と同じものを用いた。
(実施例23)
吸放湿性を有する基材1の表面に、和紙・障子紙・ふすま紙等のシート状層6を意匠配置してのり剤7で貼り付けた後、さらに天然ワックス2(40重量部)を全面に塗布して、図13に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。和紙・障子紙・ふすま紙は、透湿性・通気性を有するシート状膜体、厚みの薄いものが調湿性能低下予防上は好ましい。天然ワックス塗膜との間に空隙やエアー溜まりが出来ないように調湿建材に、密着貼・付けが耐久性・美観的に好ましい。
(実施例24)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(接着兼用皮膜)を塗布して、実施例13と同様なシート状層6を意匠配置して貼り付けた後、さらに天然ワックス2を全面に塗布して、図14に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。本実施例では天然ワックス2の総量を50重量部とした。
(実施例25)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(接着兼用皮膜)を塗布して落葉・押し花・切り紙等の片面が平面の小物装飾体8を意匠配置して貼り付けた後、さらに天然ワックス2を全面に塗布して、図15に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。本実施例では天然ワックス2の総量を40重量部とした。なお、落葉8の一例を図21に示す。
(実施例26)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(接着兼用皮膜)を塗布して実施例13と同様な和紙等のシート状層6を意匠配置して貼り付けた後、その上に実施例15と同様な落葉等の小物装飾体8を意匠配置し、最後に天然ワックス2を全面に塗布して、図16に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。本実施例では天然ワックス2の総量を50重量部とした。
(実施例27)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(接着兼用皮膜)を塗布して、実施例15と同様な落葉等の小物装飾体8を意匠配置して貼り付けた後、その上に天然ワックス2(接着兼用皮膜)を塗布して、実施例13と同様な和紙等のシート状層6を意匠配置して貼り付けた後、最後に天然ワックス2を全面に塗布して、図17に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。本実施例では天然ワックス2の総量を50重量部とした。
(実施例28)
吸放湿性を有する基材1の表面に、天然ワックス2(接着兼用皮膜)を塗布して実施例15とは異なる立体形状をした小物装飾体8を意匠配置して貼り付けた後、凹凸表面に沿って天然ワックス2を全面に塗布して、図18に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。本実施例では天然ワックス2の総量を50重量部とした。
(実施例29)
吸放湿性を有する基材1の表面に、調湿微粉体3(10重量部)と水溶性接着剤{のり剤(0.5重量部)+水(13重量部)}とを混練した調湿微粉体ペーストを付着形成して表面を凹凸形状とし、該調湿微粉体ペーストの凹凸表面上に天然ワックス2を全面塗布して、図19に示す天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。本実施例では天然ワックス2の総量を60重量部とした。なお、お天然ワックス2は実施例1と同じものを用い、調湿微粉体3は実施例2と同じものを用いた。
(実施例30)
吸放湿性を有する基材1の表面に、光触媒粒子9として平均粒0.3μmのアナターゼ型酸化チタン(TiO)粉末(0.1重量部)を天然ワックス2(30重量部)で湯煎攪拌溶解して塗布して、図20に示す光触媒混練天然ワックス仕上げした調湿建材を得た。なお天然ワックス2は実施例1と同じものを用いた。
上記実施例11〜30のワックス塗布量と成分配合重量比との関係を示すデータを以下の表3、表4に示す。なお化粧付き吸放湿材(最終製品:天然ワックス塗装品)の実施例11〜30において天然ワックスの塗布量(g/m)を表3、表4の備考欄にそれぞれ示す。
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次に、本発明の最終製品について、VOCや悪臭等の有害化学物質ガスを吸着し分解・無害化する特性を測定した。測定には、光触媒混練天然ワックス仕上げ製品(W910×H1820×T6mm)から50mm角に切り出した試験片を使用した。側面及び裏面をアルミテープで被覆した試験片を容量1.2L(リットル)の密閉容器内に入れ、ガス濃度2000ppmのホルムアルデヒドガスを1.2L/minで3日間流して、試験片にホルムアルデヒドガスを吸着させた。その後、容量5L(リットル)のテドラーバッグの片面に切込みを入れ、そこからガスを飽和吸着させた試験片を入れた後、バッグ内の空気を排出して粘着テープで密閉した。さらに試験片を入れたバッグに清浄空気約5L(リットル)を送り込み、すばやくコックを閉じて、暗室中、室温(20〜25℃)で24時間放置後、バッグ中のホルムアルデヒドガス濃度を検知管を用いて測定した。更にその後、バッグ内の試験片の表面と蛍光灯の距離が15cmになる位置から20Wの蛍光灯の光を照射、24時間後のホルムアルデヒドガス濃度を検知管を用いて測定した。結果、テドラーバッグ内でホルムアルデヒドガスが脱着し、バッグ内のホルムアルデヒドガス濃度が10ppmになったが、蛍光灯24時間照射後は、ホルムアルデヒドガス濃度は未検知(2ppm以下)となった。
この結果、本発明の最終製品は、ホルムアルデヒド等のVOCなど有害汚染物質を含有せず、ホルムアルデヒド等のVOC・有害汚染ガス物質の吸着性に優れることがわかる。
本発明の化粧付き吸放湿材10は、調湿建材として優れた特性を有するものであり、例えば、住宅内装建材、掘りごたつ、キッチン、下駄箱、洗面化粧台、床下収納庫、押入れ、脱衣ボックス、トイレの収納商品の内装の分野に広く適用可能であり、さらには建材以外に、自動車・電車などの車両空間の内装の分野にも広く適用可能である。
本発明の一実施形態の調湿建材の製造過程を示し、(a)は吸放湿性に優れた基材の断面図、(b)は基材上に天然ワックスを塗布して仕上げた調湿建材の断面図である。 調湿微粉体混練天然ワックス仕上げした調湿建材の他例の断面図である。 顔料混練天然ワックス仕上げした調湿建材の他例の断面図である。 調湿微粉体・顔料混練天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 染料・着色調湿微粉体混練天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 顔料混練着色の天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 染料混練着色の天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 染料混練着色の天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 和紙・障子紙・ふすま紙を意匠配置して天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 落葉・押し花・切り紙を意匠配置して 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 光触媒混練天然ワックス仕上げした調湿建材の更に他例の断面図である。 同上の基材上に意匠配置され、天然ワックスにて接着される落葉の一例の図である。 同上の天然ワックス塗装品の吸放湿性の測定結果を示すグラフである。 同上の天然ワックスを製造する湯煎装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基材
2 天然ワックス
3 吸放湿性能を有する微粉末
6 シート状層
8 小物装飾体
9 光触媒粒子
10 吸放湿材

Claims (2)

  1. 微細な多孔質材料が含有された吸放湿性を有する基材に、マイクロクリスタリン蝋と、半乾性油又は乾性油のいずれか一方とを混合してなる天然ワックスで接着兼用被膜を形成し、該接着兼用被膜上に透湿性・通気性を有する壁紙クロス・和紙・障子紙・ふすま紙のいずれか1つからなるシート状層を一体化形成したことを特徴とする化粧付き吸放湿材。
  2. 微細な多孔質材料が含有された吸放湿性を有する基材に、ステアリン酸と、半乾性油又は乾性油の一方とを混合してなる天然ワックスで接着兼用被膜を形成し、該接着兼用被膜上に透湿性・通気性を有する壁紙クロス・和紙・障子紙・ふすま紙のいずれか1つからなるシート状層を一体化形成したことを特徴とする化粧付き吸放湿材。
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