JPH11323305A - 水溶性ホットメルト接着剤 - Google Patents

水溶性ホットメルト接着剤

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JPH11323305A
JPH11323305A JP14213198A JP14213198A JPH11323305A JP H11323305 A JPH11323305 A JP H11323305A JP 14213198 A JP14213198 A JP 14213198A JP 14213198 A JP14213198 A JP 14213198A JP H11323305 A JPH11323305 A JP H11323305A
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JP
Japan
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water
soluble
weight
melt adhesive
rosin
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JP14213198A
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English (en)
Inventor
Kazunori Nakao
一徳 中尾
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速接着性、ヒートシール性に優れる水溶性
ホットメルト接着剤を得る。 【解決手段】 水溶性ホットメルト接着剤は、水溶性高
分子、粘着付与剤、疎水性熱可塑性ポリマー、ワック
ス、及び水溶性又は水分散性可塑剤を含んでいる。前記
水溶性高分子として、平均重合度30〜700、ケン化
度40〜95モル%のポリビニルアルコールなどを使用
できる。粘着付与剤として、少なくともロジン又はロジ
ン誘導体を用いるのが好ましい。疎水性熱可塑性ポリマ
ーには、JIS K 6730に準じて測定されたメル
トフローレートが200〜2500g/10分のエチレ
ン共重合体などが含まれる。ワックスの融点は50〜1
20℃程度である。水溶性又は水分散性可塑剤として、
グリセリンなどの多価アルコールが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙類、繊維製品、
プラスチック類などを接着する上で有用な水溶性ホット
メルト接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は、溶剤型接着剤と
異なり、溶融・塗布という簡単な操作で被着体を接着で
きるとともに、有機溶剤を必要とせず環境汚染のおそれ
がないという利点を有する。そのため、近年、紙、衣類
や木工などの種々の接着分野にホットメルト接着剤が使
用されている。特に紙用接着剤の分野では、包装材の接
着、製本、製袋、段ボール箱の貼合などにホットメルト
接着剤が幅広く利用されている。これらのホットメルト
接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂を主成分とし、接着性を改善するため、
粘着付与剤として、石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン
又はロジン誘導体を添加している。しかし、これらの樹
脂は溶剤可溶性であり、水に溶解しない。
【0003】一方、森林保護、資源の再利用や公害問題
などの点から、古紙の回収および再生について検討され
ている。しかし、水不溶性のホットメルト接着剤を用い
ると、簡単な操作で古紙を回収および再生することが困
難であり、資源を再利用する上で大きな障害となる。
【0004】このような点に鑑み、水溶性ホットメルト
接着剤が提案されている。例えば、特開昭51−776
32号公報には、ポリビニルアルコールと、エチレンオ
キサイドが付加した多価アルコールとを含むホットメル
ト接着剤が開示されている。このホットメルト接着剤
は、水溶性であるものの、耐熱クリープ性が不十分であ
るだけでなく、溶融状態での熱安定性が劣る。そのた
め、長時間に亘りホットメルト接着に利用することが困
難である。
【0005】特開平5−5084号公報には、平均重合
度30〜3000でケン化度60モル%以上のポリビニ
ルアルコール100重量部と水10〜50重量部とを主
成分とする含水ゲル、又はこの含水ゲルにグリセリンな
どの有機物系可塑剤を添加したホットメルト接着剤が開
示されている。このホットメルト接着剤も水溶性であ
り、耐熱クリープ性は比較的良好であるものの、溶融状
態では接着剤自体の熱安定性が低いだけでなく、初期接
着性の指標となるセットタイムが長いため、ホットメル
ト接着剤の利点である高速接着、ヒートシール接着には
適さず、実用的でない。
【0006】特開平6−49423号公報には、平均重
合度30〜3000でケン化度95モル%以上のポリビ
ニルアルコールと、平均重合度30〜4000でケン化
度50〜95モル%のポリビニルアルコールと、水とで
構成された水溶性ホットメルト接着剤が開示されてい
る。このホットメルト接着剤は、耐熱クリープ性、安定
性が比較的良好であり、初期接着性もかなり改善されて
いる。しかし、この接着剤のセットタイムはさほど短い
とは言えず、未だ高速接着、ヒートシール接着には適さ
ない。しかも、溶融状態での熱安定性も低い。
【0007】このように、水溶性ホットメルト接着剤に
ポリビニルアルコールが使用されているものの、未だ熱
安定性が低いため、連続的に長時間に亘り被着体の接着
に供することが困難であるとともに、セットタイムが長
いため、被着体を高速接着できない。また、ヒートシー
ル接着に適さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高速接着性、ヒートシール接着性に優れる水溶性ホ
ットメルト接着剤を提供することにある。本発明の他の
目的は、耐熱クリープ性に優れる水溶性ホットメルト接
着剤を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、高い熱安定性を有するとともに、長期間に亘り安定
して高い接着強度で被着体を接着できる水溶性ホットメ
ルト接着剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、水溶性高分子と粘着付
与剤と疎水性熱可塑性ポリマーなどとを組み合わせる
と、熱安定性やセットタイムなどの特性を大幅に改善で
きることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の水溶性ホットメルト接
着剤は、水溶性高分子、粘着付与剤、疎水性熱可塑性ポ
リマー、ワックスおよび水溶性又は水分散性熱可塑剤を
含んでいる。前記水溶性高分子には、変性酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアルコールなどが含まれる。前記ポ
リビニルアルコールとして、例えば、平均重合度30〜
700、およびケン化度40〜95モル%のポリビニル
アルコールなどを使用できる。前記粘着付与剤は、少な
くともロジン又はロジン誘導体を含んでいてもよく、ロ
ジン又はロジン誘導体と、軟化点80〜120℃の非水
溶性粘着付与剤の組合せであってもよい。ロジン又はロ
ジン誘導体の酸価は、例えば50〜350(mgKOH
/g)程度、軟化点は100〜160℃程度であっても
よい。ロジン又はロジン誘導体には、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、エステル型ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジ
ン−アクリル酸共重合体などが含まれる。前記疎水性熱
可塑性ポリマーは、エチレン共重合体であってもよい。
また、疎水性熱可塑性ポリマーには、メルトフローレー
ト200〜2500g/10分程度のポリマーが含まれ
る。また、ワックスの融点は50〜120℃程度であっ
てもよい。さらに、水溶性又は水分散性可塑剤には、多
価アルコールなどが含まれる。水溶性ホットメルト接着
剤は、さらに少なくともフェノール系の酸化防止剤を含
んでいてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】水溶性高分子としては、水溶性を
示す高分子であればよく、例えば、変性酢酸ビニル共重
合体、ポリビニルアルコール(以下、単にPVAと称す
る場合がある)などが挙げられる。
【0012】変性酢酸ビニル共重合体としては、被着体
に対する接着強度、塗工性などを損なわない範囲で種々
の水溶性変性酢酸ビニル共重合体を使用できるが、末端
にスルホン酸塩(スルホン酸ナトリウムなど)基等の水
溶性を付与できる官能基を有するものが好ましい。ま
た、PVAとしても、被着体に対する接着強度、塗工性
などを損なわない範囲で種々の水溶性PVAを使用でき
る。
【0013】これらの水溶性高分子の平均重合度は、例
えば30〜700、好ましくは50〜500、さらに好
ましくは100〜400程度であり、100〜500程
度の水溶性高分子を用いる場合が多い。平均重合度が3
0未満では、ホットメルト接着剤の耐熱接着性(耐熱ク
リープ性)が低下しやすく、重量物の接着には適さない
場合があり、平均重合度が700を越えると、溶融時に
粘度上昇により接着作業性が低下やすく、また水溶性も
低下しやすくなる。
【0014】前記PVAのケン化度は、接着性、水溶性
などを損なわない範囲で選択でき、例えば、40〜95
モル%、好ましくは40〜90モル%、さらに好ましく
は42〜75モル%程度であり、ケン化度45〜75モ
ル%程度のPVAを用いる場合が多い。ケン化度が40
モル%未満では、PVAが軟質化して、ホットメルト接
着剤の耐熱クリープ性が低下しやすくなり、ケン化度が
95モル%を越えると水溶性が低下しやすい。水溶性高
分子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0015】本発明の水溶性ホットメルト接着剤の特徴
は、前記水溶性高分子に加えて、粘着付与剤、疎水性熱
可塑性ポリマー、ワックス、および水溶性又は水分散性
可塑剤を含む点にある。
【0016】従来より、ロジン又はロジン誘導体などを
粘着付与剤(タッキファイヤー)として水不溶性ホット
メルト接着剤に添加、配合することは知られている。し
かし、このような粘着付与剤をPVAと混合しても、水
溶性が発現しないだけでなく、PVAに対する粘着付与
剤の相溶性が小さいため、接着力が向上せず、溶融状態
での接着剤自体の熱安定性も改善されない。これに対
し、PVAなどの水溶性高分子と、ロジン又はロジン誘
導体などの粘着付与剤と、疎水性熱可塑性ポリマー、ワ
ックス、および水溶性又は水分散性可塑剤とを組み合わ
せると、水溶性を損なうことなく、ホットメルト接着剤
の熱安定性を大きく改善できる。また、セットタイムを
顕著に短縮できるとともに、耐熱接着性(耐熱クリープ
性)および被着体に対する接着強度が大きく向上する。
【0017】前記粘着付与剤としては、粘着性を付与可
能であれば特に限定されず、親水性(水溶性又は水分散
性)粘着付与剤、非水溶性粘着付与剤の何れであっても
よい。
【0018】前記親水性粘着付与剤としては、ロジン又
はロジン誘導体(以下、単に「ロジン類」と称すること
がある)などが挙げられる。なお、ロジン類は、塩を形
成することにより水溶性又は水分散性が著しく向上す
る。
【0019】ロジン類には、例えば、ガムロジン、ウッ
ドロジン、トールオイルロジン、不均化ロジン、水添ロ
ジン、重合ロジンなど(以下、これらを単に「ロジン」
と総称する場合がある)、これらのロジンから誘導され
るロジン誘導体などが含まれる。ロジン誘導体には、カ
ルボキシル基が残存又は導入された化合物、例えば、ロ
ジンと多価アルコールとのエステル(ロジンエステ
ル)、ロジンと多塩基酸(例えば、無水マレイン酸)と
の反応生成物(ロジン−無水マレイン酸付加体で構成さ
れたロジン変性マレイン酸樹脂など)、ロジン−無水マ
レイン酸付加体と多価アルコールとのエステル、多価ア
ルコールの存在下でロジンと無水マレイン酸とを反応さ
せて生成したエステル(エステル型ロジン変性マレイン
酸樹脂)、ロジンとアクリル酸を共重合させたロジン−
アクリル酸共重合体などが含まれる。前記ロジン変性マ
レイン酸樹脂、エステル型ロジン変性マレイン酸樹脂な
どはアルコール可溶性を示す。このようなロジン類は単
独で又は二種以上組合せて使用してもよい。例えば、ロ
ジンと前記ロジン誘導体とを組み合わせて用いることが
できる。
【0020】ロジン類としては、親水性の高い化合物、
すなわち高酸価の化合物が好ましい。ロジン類の酸価
は、例えば、50〜350(mgKOH/g)、好まし
くは80〜345(mgKOH/g)、さらに好ましく
は90〜340(mgKOH/g)程度である。酸価が
50(mgKOH/g)未満ではホットメルト接着剤の
相溶性が低下しやすく、酸価が350(mgKOH/
g)を越えると熱安定性が低下し、溶融混合物を得るこ
とが困難となる場合がある。ロジン類の軟化点は、接着
性、水溶性高分子との混和性などを損なわない範囲で選
択でき、接着性を高めるためには、例えば100〜16
0℃、好ましくは110〜155℃、さらに好ましくは
120〜150℃程度である。
【0021】本発明においては、粘着性付与剤として、
少なくとも、前記ロジン変性マレイン酸樹脂、エステル
型ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン−アクリル酸共重
合体などのロジン類(特に、前記カルボキシル基が残存
又は導入されたロジン誘導体など)を含むのが好まし
い。このようなロジン類を添加、配合すると、ホットメ
ルト接着剤の熱安定性、セットタイム、耐熱接着性(耐
熱クリープ性)、接着強度などをより改善できる。
【0022】前記非水溶性粘着付与剤としては、慣用の
粘着付与剤、例えば、石油樹脂、スチレン系樹脂、ジシ
クロペンタジエン系樹脂、テルペン系樹脂(テルペン−
フェノール共重合体など)、クマロン−インデン樹脂及
びこれらの水素添加物などが例示できる。これらの非水
溶性粘着付与剤の軟化点は、接着性が向上する範囲で選
択できるが、耐熱クリープ性を発現しつつ、100℃前
後でのヒートシール接着性を向上させるためには、例え
ば80〜120℃、好ましくは85〜115℃、さらに
好ましくは90〜110℃程度である。軟化点が80℃
未満では、耐熱クリープ性、耐湿熱クリープ性が低下し
やすく、高すぎるとヒートシール性が低下しやすい。
【0023】粘着付与剤の総使用量は、接着力や安定性
を損なわない範囲で選択でき、例えば水溶性高分子10
0重量部に対して、50〜250重量部、好ましくは6
0〜200重量部、さらに好ましくは70〜190重量
部程度である。粘着付与剤は、単独で又は二種以上組み
合わせて使用できる。
【0024】本発明の好ましい態様では、粘着付与剤と
して、前記ロジン類と軟化点80〜120℃の非水溶性
粘着付与剤とを併用する。このような接着剤では、特に
セットタイムなどを大幅に改善できる。ロジン類と軟化
点80〜120℃の非水溶性粘着付与剤とを併用する場
合の両者の割合は、好ましくは、前者/後者(重量比)
=90/10〜60/40程度である。前記非水溶性粘
着付与剤の割合が40重量%を越えると、耐熱クリープ
性及び耐湿熱クリープ性がやや低下する傾向を示し、逆
に10重量%未満の場合にはヒートシール性が低下する
傾向を示す。
【0025】前記疎水性熱可塑性ポリマーには、前記水
溶性高分子に対して相容性を有し、水に対して不要なポ
リマー、例えば、エチレン共重合体(例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体などのエチレン−ビニルエステル
共重合体;エチレン(メタ)アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸グリシジルエステル共重合
体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン
−無水マレイン酸共重合体などのエチレンとカルボキシ
ル基含有単量体との共重合体など)、ポリエチレン、ア
タクチックポリプロピレン、ナイロン11、ナイロン1
2などのポリアミド、ポリウレタン、変性ポリエステル
などのポリエステルなどが含まれる。これらの疎水性熱
可塑性ポリマーは、単独で又は二種以上混合して使用で
きる。
【0026】好ましい疎水性熱可塑性ポリマーには、水
溶性高分子に対して高い相容性を有するポリマー、特
に、柔軟性、相溶性、流動性などに優れるエチレン共重
合体などが含まれる。エチレン共重合体のなかでも、特
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体などが好ましく、とりわけ、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(以下、単に「EVA」と称する場合があ
る)などが好ましい。
【0027】前記疎水性熱可塑性ポリマーの分子量は、
水溶性高分子との相容性、耐熱クリープ性などを損なわ
ない限り特に制限されず、広い範囲から選択できる。例
えば、前記疎水性熱可塑性ポリマー(例えば、EVAな
どのエチレン共重合体)としては、JIS K 673
0に準じて測定されたメルトフローレート(メルトイン
デックス)が200〜2500g/10分、好ましくは
250〜2300g/10分、さらに好ましくは300
〜2200g/10分程度の重合体が使用でき、200
〜2000g/10分程度の重合体を用いる場合が多
い。上記メルトフローレートが200g/10分未満で
は、ホットメルト接着剤の均一性が低下しやすく、25
00g/10分を越えると、分子量の低下に伴って耐熱
クリープ性が低下しやすい。
【0028】疎水性熱可塑性ポリマーの使用量は、接着
剤の水溶性を損なわず、耐湿熱クリープ性や熱安定性な
どを損なわない範囲で選択でき、例えば、PVAなどの
水溶性高分子100重量部に対して、10〜100重量
部、好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは1
0〜80重量部程度であり、20〜80重量部程度であ
る場合が多い。水溶性高分子100重量部に対する熱可
塑性ポリマーの使用量が10重量部未満の場合には、高
湿度下での耐熱クリープ性(耐湿熱クリープ性)や熱安
定性が低下しやすく、また、100重量部を越えると水
溶性が低下しやすい。
【0029】前記ワックスには、種々のワックス、例え
ば、カルナウバワックスなどの植物系ワックス、セラッ
クスワックスなどの動物系ワックス、モンタンワック
ス、セレシンワックスなどの鉱物系ワックス、ポリエチ
レンワックスなどの合成炭化水素系ワックス、カルボキ
シル基変性ポリエチレンワックスなどの変性ワックス、
水添鯨油などの水素化ワックス、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石
油系ワックスなどが含まれる。これらのワックスは単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0030】好ましいワックスには、相容性、接着性お
よび耐熱性の点から、例えば、パラフィンワックスなど
の石油系ワックスが含まれる。
【0031】ワックスの融点は、耐熱クリープ性、耐湿
熱クリープ性、柔軟性および耐寒性などを損なわない範
囲で選択でき、例えば、50〜120℃、好ましくは5
5〜110℃、さらに好ましくは60〜100℃程度で
あり、65〜105℃程度である場合が多い。ワックス
の融点が50℃未満の場合には、耐熱クリープ性、耐湿
熱クリープ性が低下しやすく、120℃を越えると柔軟
性および耐寒性が低下しやすい。
【0032】ワックスの使用量は、水溶性、耐湿熱クリ
ープ性や熱安定性などを損なわない範囲で選択でき、例
えば、水溶性高分子100重量部に対して、5〜50重
量部、好ましくは7〜40重量部、さらに好ましくは1
0〜35重量部程度であり、10〜25重量部程度であ
る場合が多い。水溶性高分子100重量部に対するワッ
クスの使用量が5重量部未満であると、耐湿熱クリープ
性や熱安定性が低下しやすく、50重量部を越えると水
溶性が低下しやすい。
【0033】前記水溶性又は水分散性可塑剤(親水性可
塑剤)としては、水溶性又は水分散性を有する種々の可
塑剤を使用でき、例えばPVA用として使用されている
可塑剤などが挙げられる。
【0034】このような可塑剤として、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコールなどのアルキレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイ
ド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシア
ルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アル
コールやそれらの誘導体[例えば、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのセロソルブ類、カルビトール類、前記
多価アルコールとアルキレンオキサイド(エチレンオキ
サイドなど)との付加物など];多価アルコールとホウ
酸とのエステル(例えば、硼酸エチレングリコールエス
テルなど);エチレン尿素;及び尿素などが例示され
る。これらの可塑剤は一種又は二種以上使用できる。上
記の可塑剤のなかでも、水溶性多価アルコール、例え
ば、2以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール
(アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコ
ールなどのジオール、グリセリン、ペンタエリスリトー
ルなど)、特にポリオキシエチレン単位を有する多価ア
ルコール及びグリセリンが好ましい。
【0035】親水性可塑剤、特に水溶性可塑剤を添加、
配合することにより、熱溶融性を向上できる。また、ホ
ットメルト接着剤の体積収縮による接着不良を抑制した
り、柔軟性を付与するのに効果がある。特にグリセリン
を用いると、ホットメルト接着剤の耐熱性および可撓性
を大幅に向上できる。
【0036】水溶性又は水分散性可塑剤の使用量は、接
着性、耐熱性などを損なわない範囲で選択でき、例え
ば、水溶性高分子100重量部に対して、10〜200
重量部、好ましくは20〜180重量部、さらに好まし
くは30〜150重量部程度である。前記可塑剤の使用
量が10重量部未満では、水溶性高分子とロジン類とを
均一に融合するのが困難となり接着不良が生じやすく、
200重量部を越えると耐熱クリープ性および接着性が
低下しやすい。
【0037】本発明のホットメルト接着剤は、接着強度
が大きく、セットタイムが短いので高速接着に適してい
るとともに、耐熱クリープ性が高く、高い温度でも大き
な接着強度が発現する。また、高い水溶性および実用的
な安定性を有しており、長時間に亘り安定に使用でき
る。特に、前記ロジン類と水溶性又は水分散性可塑剤
(特に水溶性可塑剤)とを併用すると、溶融状態での接
着剤の熱安定性が向上し、180℃程度の高温で数時間
以上の長時間保持しても、ホットメルト接着剤は、殆ど
変色せず、炭化物の生成や「皮張り」現象が生じない。
【0038】本発明の水溶性ホットメルト接着剤は、安
定性、特に熱安定性を高めるため、種々の酸化防止剤
(安定剤)を含んでいてもよい。これらの安定剤につい
ては、成書「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便
覧」((株)化学工業社、1970年発行)第147頁
〜第304頁、第1042頁〜第1054頁を参照でき
る。
【0039】前記安定剤としては、熱可塑性樹脂に一般
的に使用される安定剤、例えば、2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリ
デンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、ステアリル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネー
ト、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t
−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、トリエチレングリコール ビス[3−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン
などのフェノール系酸化防止剤;フェニル−α−ナフチ
ルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−
ジ−2−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェ
ニル−N′−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミ
ン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレ
ンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−
フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤;ジミリ
スチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピ
オネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのイ
オウ系酸化防止剤;トリイソデシルホスファイト、トリ
フェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6
−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなど
のリン系酸化防止剤;2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノンなどのヒド
ロキノン系酸化防止剤;6−エトキシ−2,2,4−ト
リメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系
酸化防止剤;メルカプトベンゾイミダゾールなどの他の
酸化防止剤などが含まれる。これらの安定剤は単独で又
は二種以上組合せて使用できる。二種以上安定剤を組合
せて使用すると、ホットメルト接着剤の熱安定性を向上
できる。好ましい安定剤には、フェノール系酸化防止剤
及び/又はリン系酸化防止剤が含まれ、両者を併用する
のが好ましい。フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防
止剤との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=20
/80〜80/20、好ましくは30/70〜70/3
0、さらに好ましくは40/60〜60/40程度であ
る。
【0040】安定剤の総使用量は、接着性などに悪影響
を及ぼさない範囲で選択でき、例えば、水溶性ホットメ
ルト接着剤100重量部に対して、0.3〜5重量部、
好ましくは0.6〜4重量部、さらに好ましくは0.9
〜3重量部程度である。安定剤の添加量が水溶性ホット
メルト100重量部に対して5重量部を越えると耐熱ク
リープ性が損なわれやすいとともに、経済的にもコスト
高となりやすい。
【0041】さらに、本発明の水溶性ホットメルト接着
剤には、接着性、熱安定性などを損なわない範囲で他の
成分、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂
などの水不溶性又は水溶性ホットメルト接着剤用ポリマ
ー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、滑剤、充填剤、着
色剤(顔料や染料)、香料などを添加してもよい。
【0042】本発明の水溶性ホットメルト接着剤は、慣
用の方法により調製できる。例えば、前記水溶性高分
子、粘着付与剤、疎水性熱可塑性ポリマー、ワックス、
および水溶性又は水分散性可塑剤を、必要に応じて安定
剤や添加剤とともに、加熱溶融し均一に混合した後、冷
却することによりホットメルト接着剤を得ることができ
る。前記成分からなる接着剤組成物の加熱溶融温度は、
各成分の種類および組成割合などに応じて選択でき、例
えば、溶融温度〜200℃、好ましくは100〜180
℃、さらに好ましくは130〜170℃程度の範囲から
選択でき、130〜180℃程度で接着剤組成物を加熱
溶融する場合が多い。加熱溶融温度が200℃を越える
と水溶性高分子の分解が開始するおそれがある。なお、
冷却温度は前記接着剤組成物の溶融温度以下であればよ
く、通常、作業性の点から室温又はそれ以下である場合
が多い。
【0043】ホットメルト接着剤の形態は特に制限され
ず、種々の形状、例えば、粉粒状、ペレット状、フィル
ム状、テープ状、紐状、棒状などであってもよい。ホッ
トメルト接着剤は、慣用の方法、例えば、前記形態のホ
ットメルト接着剤を加熱溶融し、ノズル又はローラー型
コーターなど適用手段を備えたホットメルト接着機を用
いて、被着体に塗工し、冷却することにより被着体を接
着できる。また、粉粒状、フィルム状、テープ状、紐状
などのホットメルト接着剤を被着体間に介装し、ヒート
プレスにより接着させることもできる。
【0044】本発明のホットメルト接着剤は、種々の被
着体、例えば、紙類、繊維製品、プラスチック類、金
属、陶磁器を含むセラミックス、コンクリート、セメン
ト製品、ガラス、木材などを接着する上で有用である。
特に、水溶性という特性を利用して古紙を回収、再生す
ることができることから、紙類の接着に有用である。す
なわち、水溶性が高いので、古紙に付着している接着剤
を水により容易に溶解もしくは分散させることができ、
古紙を効率よく回収、再生できる。そのため、使用後の
再生が望まれているクラフト紙などで構成された紙製袋
を製造する際の接着、物品を充填した後の袋の接着に好
適である。
【0045】
【発明の効果】本発明の水溶性ホットメルト接着剤は、
水溶性高分子、粘着付与剤、疎水性熱可塑性ポリマー、
ワックス、および水溶性又は水分散性可塑剤を含んでい
るため、熱安定性が高い。そのため、接着剤の変色や劣
化により、接着面および被着体の美観を損ねることがな
いだけでなく、炭化物などが生じないため、長時間に亘
り安定して高い接着強度で被着体を接着できる。すなわ
ち、例えば、ホットメルト接着機を用いても、配管パイ
プを閉塞することなく、ホットメルト接着機を安定かつ
連続的に運転でき、接着作業性を大幅に改善できる。
【0046】また、本発明の水溶性ホットメルト接着剤
は、前記成分を含んでいるため、セットタイムが短く、
高速接着性に優れ、被着体を短時間で接着できる。さら
に、接着性、耐熱クリープ性が高いので、重量物や重量
物を収容する容器を接着しても、高い接着強度を維持で
きる。
【0047】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0048】実施例1 平均重合度480でケン化度45モル%のPVA(日本
合成化学(株);L0302)35重量部、酸価330
および軟化点130℃のロジン−アクリル酸共重合体
(荒川化学(株);KE−604)25重量部、軟化点
100℃のテルペン−フェノール共重合体(ヤスハラケ
ミカル(株);YP−902)10重量部、メルトフロ
ーレート1000g/10分で酢酸ビニル含有量28重
量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー(株);
ウルトラセン725)5重量部、精製パラフィンワック
ス(日本精ろう(株);HNP−9)5重量部、グリセ
リン20重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電化工業
(株);AO−70)0.6重量部、リン系酸化防止剤
(旭電化工業(株);T−489)0.6重量部及びチ
オエーテル系酸化防止剤(旭電化工業(株);AO−4
12S)0.6重量部を160℃で加熱し、溶融混合し
た後、25℃に冷却することにより、ホットメルト接着
剤を得た。
【0049】実施例2 平均重合度480でケン化度45モル%のPVA(日本
合成化学(株);L0302)30重量部、酸価330
および軟化点130℃のロジン−アクリル酸共重合体
(荒川化学(株);KE−604)25重量部、軟化点
100℃のロジン(荒川化学(株);KE−100)1
0重量部、メルトフローレート1000g/10分で、
酢酸ビニル含有量28重量%のエチレン−酢酸ビニル共
重合体(東ソー(株);ウルトラセン725)10重量
部、精製パラフィンワックス(日本精ろう(株);HN
P−9)5重量部、グリセリン30重量部、フェノール
系酸化防止剤(旭電化工業(株);AO−70)0.3
重量部、リン系酸化防止剤(旭電化工業(株);T−4
89)0.3重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭
電化工業(株);AO−412S)0.3重量部を、1
60℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却するこ
とにより、ホットメルト接着剤を得た。
【0050】実施例3 平均重合度480でケン化度45モル%のPVA(日本
合成化学(株);L0302)25重量部、酸価330
および軟化点130℃のロジン−アクリル酸共重合体
(荒川化学(株);KE−604)25重量部、軟化点
100℃のロジン(荒川化学(株);KE−100)1
0重量部、メルトフローレート1000g/10分で酢
酸ビニル含有量28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(東ソー(株);ウルトラセン725)15重量
部、精製パラフィンワックス(日本精ろう(株);HN
P−9)5重量部、グリセリン20重量部、フェノール
系酸化防止剤(旭電化工業(株);AO−70)1.0
重量部、リン系酸化防止剤(旭電化工業(株);T−4
89)1.0重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭
電化工業(株);AO−412S)1.0重量部を、1
60℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却するこ
とにより、ホットメルト接着剤を得た。
【0051】実施例4 平均重合度480でケン化度45モル%のPVA(日本
合成化学(株);L0302)30重量部、酸価330
および軟化点130℃のロジン−アクリル酸共重合体
(荒川化学(株);KE−604)30重量部、軟化点
100℃のテルペン−フェノール共重合体(ヤスハラケ
ミカル(株);YP−902)5重量部、メルトフロー
レート400g/10分で酢酸ビニル含有量28重量%
のエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー(株);ウル
トラセン722)10重量部、精製パラフィンワックス
(日本精ろう(株);HN−9)5重量部、グリセリン
35重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電化工業
(株);AO−70)1.0重量部、リン系酸化防止剤
(旭電化工業(株);T−489)0.3重量部及びチ
オエーテル系酸化防止剤(旭電化工業(株);AO−4
12S)0.3重量部を、160℃で加熱し、溶融混合
した後、25℃に冷却することにより、ホットメルト接
着剤を得た。
【0052】実施例5 平均重合度480でケン化度45モル%のPVA(日本
合成化学(株);L0302)25重量部、酸価330
および軟化点140℃のロジン変性マレイン酸レジン
(荒川化学(株);マルキードNo.33)40重量
部、軟化点100℃のロジン(荒川化学(株);KE−
100)5重量部、メルトフローレート400g/10
分で酢酸ビニル含有量28重量%のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(東ソー(株);ウルトラセン722)5重
量部、精製パラフィンワックス(日本精ろう(株);H
NP−9)5重量部、グリセリン30重量部、フェノー
ル系酸化防止剤(旭電化工業(株);AO−70)0.
3重量部、リン系酸化防止剤(旭電化工業(株);T−
489)1.0重量部及びチオエーテル系酸化防止剤
(旭電化工業(株);AO−412S)0.6重量部
を、160℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却
することにより、ホットメルト接着剤を得た。
【0053】比較例1 平均重合度480でケン化度45モル%のPVA(日本
合成化学(株);L0302)19重量部、酸価20以
下および軟化点125℃のロジンエステル(荒川化学
(株);スーパーエステルA125)39重量部、軟化
点135℃の水添石油樹脂(荒川化学(株);アルコン
M−135)20重量部、精製パラフィンワックス(日
本精ろう(株);HNP−9)1重量部、トリメチロー
ルプロパン21重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電
化工業(株);AO−70)0.05重量部、リン系酸
化防止剤(旭電化工業(株);T−489)1.95重
量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭電化工業
(株);AO−412S)0.6重量部を、160℃で
加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却することによ
り、ホットメルト接着剤を得た。
【0054】比較例2 平均重合度300でケン化度88モル%のPVA(クラ
レ(株);PVA203)41重量部、酸価128およ
び軟化点127℃のロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマ
化成(株);MSR−4)35重量部、ポリエチレンワ
ックス(ヤスハラケミカル(株);ネオワックスL)5
重量部、グリセリン19重量部、フェノール系酸化防止
剤(旭電化工業(株);AO−70)0.09重量部、
リン系酸化防止剤(旭電化工業(株);T−489)
0.09重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭電化
工業(株);AO−412S)0.09重量部を、16
0℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却すること
により、ホットメルト接着剤を得た。
【0055】比較例3 酢酸ビニル含量32%、JIS K 6730で示され
るメルトフローレート30g/10分のエチレン−酢酸
ビニル共重合体(東ソー(株);ウルトラセン750)
40重量部、酸価330および軟化点130℃のロジン
−アクリル酸共重合体(荒川化学(株);KE−60
4)40重量部、グリセリン20重量部、フェノール系
酸化防止剤(旭電化工業(株);AO−70)0.6重
量部、リン系酸化防止剤(旭電化工業(株);T−48
9)0.6重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭電
化工業(株);AO−412S)0.6重量部を、16
0℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却すること
により、ホットメルト接着剤を得た。
【0056】比較例4 平均重合度300でケン化度80モル%のPVA(クラ
レ(株);PVA403)50重量部、酸価200およ
び軟化点161℃の二塩基酸変性ロジンエステル(理化
ハーキュレス(株);ペンタリン255)50重量部、
フェノール系酸化防止剤(旭電化工業(株);AO−7
0)1.96重量部およびリン系酸化防止剤(旭電化工
業(株);T−489)0.04重量部を160℃で加
熱し、溶融混合した後、25℃に冷却することにより、
ホットメルト接着剤を得た。
【0057】特性評価 上記実施例1〜5および比較例1〜4で得られたホット
メルト接着剤の溶融粘度、熱溶融性、熱安定性、水溶
性、セットタイム、耐熱クリープ性及びヒートシール性
について、下記の方法により測定、評価した。その結果
を表1に示す。 (1)溶融粘度(cps/180℃):回転粘度計によ
り測定した。 (2)熱溶融性:180℃に加熱したステンレス板上
に、試料をのせ、30分後の溶融状態を観察し、下記の
基準で評価した。 ○:完全に溶融状態にある △:一部が溶融状態である ×:溶融しないか、又は2相に相分離する (3)熱安定性:160℃に加熱したステンレス板上
に、試料をのせ、24時間後の試料の色調変化、炭化物
の発生の有無を観察し、下記の基準で評価した。 ◎:皮張り、着色、炭化物が認められない ○:着色しているもののその程度が小さく、皮張り、炭
化物が認められない△:濃く着色しているものの、皮張
り、炭化物が認められない ×:皮張りまたは炭化物の発生が認められる (4)水溶性:30℃の蒸留水50gに試料0.5gを
入れ、1時間毎に溶解状態を観察し、下記の基準で水溶
性を評価した。 ○:4〜8時間で溶解する △:8〜12時間で溶解する ×:12時間後も溶解しない (5)セットタイム:塗工温度180℃、塗布量3g/
mの条件で、ホットメルト接着剤を50mm幅のKライ
ナー段ボールに塗工し、オープンタイム2秒で貼り合わ
せ、2kgの荷重で、圧締時間を変えた複数種の試験片
をそれぞれ5個ずつ作製した。これらの複数種の試験片
を剥離したとき、5個の同種の試験片のうち4個以上の
試験片が材料破壊したときの圧締時間をセットタイムと
した。なお、セットタイムが10秒以内であれば高速接
着適正があると言える。
【0058】(6)耐熱クリープ性:塗工温度180
℃、塗布量3g/mの条件で、ホットメルト接着剤を2
5mm幅のKライナー紙に塗工し、オープンタイム2秒
で貼り合わせ、2kg/25mm×25mmの荷重で2
秒間圧締し、試験片を作製した。試験片を20℃、65
%RHで24時間養生し、40℃の恒温槽内で10分間
放置した後、180℃剥離するため上端を固定し、下端
に100gの荷重を作用させ、昇温速度1℃/分で昇温
した。そして、接着部分が破壊した温度を耐熱クリープ
性として評価した。耐熱クリープ性が55℃以上であれ
ば、実用的には問題が生じない。 (7)ヒートシール性:塗工温度180℃、塗布量3g
/mの条件で、ホットメルト接着剤を25mm幅のKラ
イナーに塗工し、ヒートシール温度100℃、ヒートシ
ール圧1kgf/cm2、ヒートシール時間1秒で圧締
し、試験片を作製した。試験片を20℃、65%RHで
24時間養生し、試験片を手で剥がした。接着部分が紙
破していれば実用的には問題が生じない。
【0059】
【表1】 表1より明らかなように、実施例の水溶性ホットメルト
接着剤は、比較例のホットメルト接着剤に比べて、水溶
性が良好だけでなく、ヒートシール性、熱溶融性、熱安
定性に優れ、しかも、耐熱クリープ性が高く、セットタ
イムも短い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 191/06 C09J 191/06 193/04 193/04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子、粘着付与剤、疎水性熱可
    塑性ポリマー、ワックス、および水溶性又は水分散性可
    塑剤を含む水溶性ホットメルト接着剤。
  2. 【請求項2】 水溶性高分子が、変性酢酸ビニル共重合
    体又はポリビニルアルコールである請求項1記載の水溶
    性ホットメルト接着剤。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールの平均重合度が3
    0〜700であり、且つケン化度が40〜95モル%で
    ある請求項2記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  4. 【請求項4】 粘着付与剤として、少なくともロジン又
    はロジン誘導体を含む請求項1記載の水溶性ホットメル
    ト接着剤。
  5. 【請求項5】 粘着付与剤として、ロジン又はロジン誘
    導体と、軟化点80〜120℃の非水溶性粘着付与剤と
    を含む請求項1記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  6. 【請求項6】 ロジン又はロジン誘導体の酸価が50〜
    350(mgKOH/g)であり、且つ軟化点が100
    〜160℃である請求項4又は5記載の水溶性ホットメ
    ルト接着剤。
  7. 【請求項7】 ロジン又はロジン誘導体が、ロジン変性
    マレイン酸樹脂、エステル型ロジン変性マレイン酸樹脂
    又はロジン−アクリル酸共重合体である請求項4又は5
    記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  8. 【請求項8】 疎水性熱可塑性ポリマーがエチレン共重
    合体である請求項1記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  9. 【請求項9】 JIS K 6730に準じて測定され
    た疎水性熱可塑性ポリマーのメルトフローレートが20
    0〜2500g/10分である請求項1記載の水溶性ホ
    ットメルト接着剤。
  10. 【請求項10】 ワックスの融点が50〜120℃であ
    る請求項1記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  11. 【請求項11】 水溶性又は水分散性可塑剤が多価アル
    コールである請求項1記載の水溶性ホットメルト接着
    剤。
  12. 【請求項12】 水溶性高分子100重量部に対して、
    粘着付与剤50〜250重量部、疎水性熱可塑性ポリマ
    ー10〜100重量部、ワックス5〜50重量部、およ
    び水溶性又は水分散性可塑剤10〜200重量部を含む
    請求項1記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  13. 【請求項13】 さらに少なくともフェノール系の酸化
    防止剤を含む請求項1記載の水溶性ホットメルト接着
    剤。
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