JP3526630B2 - ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途

Info

Publication number
JP3526630B2
JP3526630B2 JP21666394A JP21666394A JP3526630B2 JP 3526630 B2 JP3526630 B2 JP 3526630B2 JP 21666394 A JP21666394 A JP 21666394A JP 21666394 A JP21666394 A JP 21666394A JP 3526630 B2 JP3526630 B2 JP 3526630B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl acetate
resin composition
weight
parts
acetate resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21666394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0859946A (ja
Inventor
佳彦 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP21666394A priority Critical patent/JP3526630B2/ja
Publication of JPH0859946A publication Critical patent/JPH0859946A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526630B2 publication Critical patent/JP3526630B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、融点及び低温域での溶
融粘度が低下して塗工作業性に優れ、かつ耐湿熱時の接
着性にも優れたポリ酢酸ビニル系樹脂組成物に関し、更
に詳しくは古紙再生可能な水溶性ないし水分散性ホット
メルト接着剤に適したポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及び
その用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は他の接着剤と比べ
て、広範な被接着体に適用できること、接着速度が非常
に速いこと、毒性や危険性がないこと、経済的に有利で
あることなどの理由により、製本用、包装用、木工用、
製靴用、織物接着用などの用途に盛んに使用されてい
る。ホットメルト接着剤としては、接着性、溶融性、耐
熱性、耐寒性、柔軟性などの性能を満たすことが要求さ
れ、一般的にはエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等
がベースポリマーとして用いられており、特に製本用、
製袋用、包装用、紙管用、ラベル用等の用途には、接着
性、作業性、柔軟性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重
合体をベースとしたホットメルト接着剤が広く使用され
ている。しかし、該接着剤が疎水性であるため、例えば
古紙を再生処理するときに、水に溶解ないし分散しない
部分が残り該処理に困難をきたすため、最近では、水溶
性であるポリビニルアルコール系樹脂からなるホットメ
ルト接着剤が注目されている。
【0003】しかしながら、ポリビニルアルコール系樹
脂は、融点が高く、低温域での溶融粘度が高いため、該
樹脂のみではホットメルト接着剤の適性を有せず、該樹
脂に対してグリセリン、エチレングリコールなどの可塑
剤の添加が行われているが、かかる可塑剤の添加のみで
は、目的とする融点や溶融粘度まで低下させることは不
可能であり、該樹脂からなるホットメルト接着剤は、や
むを得ず高温(180℃以上)で使用せざるを得ない。
このような高温域で溶融させる場合はポリビニルアルコ
ール系樹脂が熱分解を起こし易い上、ポリビニルアルコ
ール系樹脂と通常使用されているホットメルト接着剤中
の各種の添加剤との相溶性が低下する傾向がある。そこ
で、熱溶融性及び水溶性を両立すべく、ポリビニルアル
コール系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)の併用(特公昭58−8434号公報、特公昭54
−39017号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
58−8434号公報開示技術は、軟化点(融点)及び
溶融粘度についての記載があるものの、具体的数値を見
ると融点は全て140℃以上であり、まだまだ実使用の
面で満足のいくものではなく、又特公昭54−3901
7号公報開示技術についても、軟化点は115℃〜13
0℃と比較的高く溶融粘度も180℃で4000cps
〜5000cpsと高くまだまだ満足できるレベルでは
なく、改善の余地が残るところであり、ポリ酢酸ビニル
系樹脂においても同様の問題を抱えているのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる問題点の解決策と
して、先に親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂、炭素数6以上
のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体及び可塑剤からなる
ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物を出願(特願平6−432
15号)したが、本発明者は更に溶融粘度の低下による
塗工作業性の向上を目的として鋭意研究を重ねた結果、
ケン化度30モル%未満である親水性ポリ酢酸ビニル系
樹脂(A)、疎水性樹脂(B)及び炭素数6以上のヒド
ロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)からなるポリ酢酸ビ
ニル系樹脂組成物が、かかる目的に合致することを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の最大な特徴は、疎水性樹脂と炭素
数6以上のヒドロキシ脂肪酸を配合したことにあり、か
かる樹脂組成により融点及び低温域での溶融粘度を充分
に低下せしめて従来のホットメルト塗工機における塗工
の均一性を向上させることに成功した。以下、本発明に
ついて詳述する。
【0007】本発明における親水性基の導入により水溶
性ないし水分散性を有するようにされたポリ酢酸ビニル
樹脂である親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)は、酢酸
ビニルを主成分とし、これと共重合可能な親水性基を有
するモノマーを共重合して得られる。かかるポリ酢酸ビ
ニルの平均重合度は50〜600、特に100〜500
が好ましい。平均重合度が50未満では接着強度が小さ
く、600を越える場合は溶融粘度が大きくなる。ま
た、少量であればケン化されていてもよく、その平均ケ
ン化度は30モル%未満である。本発明における親水性
基を有するモノマーとは、オレフィンスルホン酸又はオ
レフィンスルホン酸アルカリ塩等のスルホン酸基含有モ
ノマー、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸アルカ
リ塩、オキシアルキレン基含有モノマー等が挙げられ
る。
【0008】上記のスルホン酸基含有モノマーとして
は、(メタ)アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスル
ホン酸、(メタ)アリルスルホン酸ソーダ、エチレンス
ルホン酸ソーダ、モノスルホン酸ソーダアルキルマレー
トやジスルホン酸ソーダアルキルマレート等のスルホン
酸マレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸ソーダー、2−(メタ)アクリルア
ミド−1−メチルプロパンスルホン酸ソーダーなどが挙
げられる。上記の不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン
酸アルカリ塩としては、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸又はこれ
らのナトリウム塩、カリウム塩、部分エステルなどが挙
げられる。上記のオキシアルキレン基含有モノマーとし
ては、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、
ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキ
シアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシアル
キレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチ
ルプロピル)エステル、ポリオキシアルキレンビニルエ
ーテル、ポリオキシアルキレンアリルアミン、ポリオキ
シアルキレンビニルアミンなどが挙げられる。かかるポ
リオキシアルキレンの縮合度は1〜300、特に3〜5
0が適当である。
【0009】かかる親水性基を有するモノマーの共重合
割合は0.1〜30モル%が好ましく、特に0.5〜2
0モル%が適する。共重合割合が0.1モル%未満では
十分な水溶性ないし水分散性が得られず、30モル%を
越える場合は接着力が低下して好ましくない。本発明に
おける疎水性樹脂(B)は、特に限定されないが、軟化
点(環球法による測定値)が50〜150℃で、かつ1
60℃における粘度(ブルックフィールド型粘度計によ
る測定値)が5000cps以下のものが好ましく、更
に好ましくは、軟化点が70〜130℃で、かつ160
℃における粘度が4000cps以下のもので、軟化点
が50℃未満ではホットメルト接着剤としたときの個化
性が低下し、逆に150℃を越えると低温域での粘度が
高くなる傾向にあり好ましくない。又160℃における
粘度が5000cpsを越えるとホットメルト接着剤と
しての粘度も高くなる傾向にあり好ましくない。
【0010】該疎水性樹脂(B)の具体的な例として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フェノール系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂等が挙げられ、中でも酢酸ビニル含有量が10〜
50重量%でメルトフローインデックス(MFI)が1
00〜5000g/10分(210℃,2160g荷
重)のエチレン−酢酸ビニル共重合体、フェノールとホ
ルマリンの縮合体であるフェノール系樹脂、分子量が1
500以下のスチレン系樹脂が好適に用いられる。かか
る疎水性樹脂(B)の配合量は特に限定されないが、親
水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対して
10〜50重量部が好ましく、更に好ましくは15〜4
0重量部で、該配合量が10重量部未満では配合効果が
あまり発揮できず、逆に50重量部を越えると樹脂組成
物の水溶性ないし水分散性がなくなる傾向にあり好まし
くない。
【0011】本発明における炭素数6以上のヒドロキシ
脂肪酸又はその誘導体(C)としては、2−ヒドロキシ
−2メチルペンタン酸、2−ヒドロキシ−5−メチルヘ
キサン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルペンタン酸、8
ヒドロキシテトラデカン酸、11−ヒドロキシテトラ
デカン酸、10−ヒドロキシヘキサデカン酸、11−
ドロキシヘキサデカン酸、14−ヒドロキシヘキサデカ
ン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、16−ヒドロキシ
ヘキサデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、9
ヒドロキシオクタデカン酸、22−ヒドロキシドコサ
ン酸及びこれらのアルカリ塩、エステル化物等があげら
れ、特に8−ヒドロキシテトラデカン酸、10−ヒドロ
キシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸
が好ましく、殊に12−ヒドロキシオクタデカン酸が実
用的である。本発明では、上記の如き炭素数6以上のヒ
ドロキシ脂肪酸を用いることが特徴で、炭素数が5以下
のヒドロキシ脂肪酸では本発明のごとき効果を得ること
ができず、常温でタックが発生し、接着力も低下する。
【0012】かかるヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体
(C)の配合量は特に限定されないが、親水性ポリ酢酸
ビニル系樹脂(A)100重量部に対して10〜0重
量部が好ましく、更に好ましくは15〜45重量部で、
該配合量が10重量部未満では配合硬化があまり発揮で
きず逆に0重量部を超えると樹脂組成物の水溶性ない
し水分散性がなくなる傾向にあり好ましくない。
【0013】本発明においては、(A)〜(C)の配合
成分だけでも本発明の効果は十分得ることができるが、
柔軟性等の更なる向上を目的として更に可塑剤(D)を
配合することも有利であり、該可塑剤(D)としては、
親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)に対して可塑効果を
もつ化合物であれば特に限定はなく、例えばグリセリ
ン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリト
ール、ペンタメチレングリコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、メ
チルペンタントリオール、ソルビット、マンニット等の
多価アルコール、エチレン尿素などの尿素誘導体等が挙
げられる。かかる可塑剤(D)の配合量は、特に限定さ
れないが、親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)100重
量部に対して10〜40重量部が好ましく、更に好まし
くは15〜35重量部で、該配合量が10重量部未満で
は可塑効果があまり発揮できず、逆に40重量部を越え
ると樹脂組成物に常温でタックを生じる傾向にあり好ま
しくない。
【0014】本発明のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物を得
るための上記(A)〜(C)或いは(A)〜(D)のブ
レンド方法としては、通常よく知られている方法、即ち
撹拌機付き溶融缶、押出機、ロール混練機等により溶融
混合される。またブレンド順序にも特別の制限はない
が、溶融缶を使用する場合には、通常溶融粘度の低いも
のから投入していくことが混合性の上で好ましい。かか
る溶融混合温度は120〜180℃程度が好適である。
かかる樹脂組成物は、本発明の趣旨を損なわない範囲で
他の化合物、例えば、ロジン類、ロジンエステル類、ピ
ネン系ポリマー、水添石油樹脂、炭化水素樹脂等のホッ
トメルト接着剤用の周知の添加剤、酸化防止剤、滑剤、
充填剤、着色剤、香料、安定剤をはじめ、種々の添加剤
を配合することができる。
【0015】該樹脂組成物は溶融ブレンド後、任意の形
状に成形して製品化される。例えば、ホットメルト接着
剤として製品化するには、従来より行われている任意の
方法が実施でき、ブロック、短冊、ビスケット、ペレッ
ト、ロープ、粉末、フィルム状など適当な形状に加工で
きる。成形方法はかかる形状によって異なる。例えば、
短冊状に成形する場合、上記のごとく溶融混合した溶融
物をステンレス等のベルト板上にフィーダーから流出さ
せ、ベルトの内側から冷却水をスプレーして間接的に吐
出されたストランドを冷却固化し、固化後、カッターで
短冊状にカットして成形する方法が挙げられる。かくし
て得られたホットメルト接着剤は低融点を示し、かつ低
温域の溶融粘度が低いので塗工作業に極めて優れ、更に
は従来より用いられているエチレン−酢酸ビニル共重合
体用などの製造、塗工機械をそのまま利用できるので工
業的に非常に有利である。
【0016】かかるホットメルト接着剤の被接着体は特
に制限はなく、段ボール箱・カートン箱の製函ないし封
函用、製薬・菓子・おもちゃ・コピー用紙等の包装用、
電話帳・カタログ・伝票等の製本(無線綴)用、トップ
・ボトム・胴貼り等の製袋用、段ボールパレット・ファ
イバー缶・紙管・ラベル等の紙製品用、紙オムツ等の衛
生材料用、家具・棚類の組立て等の木工用、アルミニウ
ムやポリプロピレン等の製缶用、アルミサッシ・天井の
化粧紙の貼り合わせ等の建築用、折り込み・底付等の製
靴用、オイルフィルター・ヘッドランプ等の自動車用、
コート類の裾・皮革や生地の貼り合わせ及び補強等の衣
料用、テレビのヨーク・スピーカーのコイルの仮止め等
の電気部品用、日曜大工関係・その他の補修等の一般工
作用等として用いられ、該ホットメルト接着剤を用いた
紙製品としては、製本された本、接着層が形成された紙
袋、封函された函体、製管された紙管、接着層が設けら
れた感熱テープ或いはラベル、再湿テープ或いはラベル
製品が挙げられ、これらの紙製品の製造は、常法に従っ
て行われ、該接着剤の塗工方法としては公知のロール、
ダイ、ノズル、リップ等のホットメルト用塗工機によっ
て行われる。
【0017】以上、ホットメルト接着剤について述べて
きたが、本発明の樹脂組成物はホットメルト接着剤のみ
ならず、ボトル、フィルム、シート、ホース、チュー
ブ、容器、袋、繊維、発泡体などの成形物、紙加工剤等
の種々の用途に用いることも可能である。
【0018】
【作 用】本発明の樹脂組成物は、融点及び低温域で
の溶融粘度が低く、従来のホットメルト塗工機における
均一塗工性に優れ、更に湿熱時の接着性にも優れ、特
に、水溶性ないし水分散性のホットメルト接着剤として
有効で、該ホットメルト接着剤を用いて、製本された
本、接着層が形成された紙袋、封函された函体、製管さ
れた紙管、接着層が設けられた感熱テープ或いはラベ
ル、再湿テープ或いはラベル等、特に古紙再生を必要と
する紙製品用途に大変有用である。
【0019】
【実施例】以下、本発明において実施例を挙げて更に詳
述する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に
断りのない限り、重量基準を表す。 実施例1樹脂組成物 アリルスルホン酸ソーダで3モル%変性された平均重合
度300のポリ酢酸ビニル(A)100部、酢酸ビニル
含有量が28%でメルトフローインデックス(MFI)
が2300g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)15部、12−ヒドロキシオクタデカン酸(C)2
5部、分子量300のポリエチレングリコール(D)2
5部を溶融缶に仕込み、150℃で溶融混合して本発明
の樹脂組成物を得た。かかる樹脂組成物の融点、溶融粘
度を以下の要領で測定した。 (融点) PERKIN−ELMER DSC−7(PERKIN−ELMER社製)を用
い、昇温速度20℃/minで測定した。 (溶融粘度) JAI−7−1991に従い、ブルックフィールド型回
転粘度計を用い、スピンドルNO,29、回転数100
rpmにて140℃、170℃の溶融粘度を測定した。
【0020】ホットメルト接着剤 上記組成で得た溶融物をフィーダーからスチールベルト
上にストランド状に流し、スチールベルトの内側から冷
却水をスプレーしてストランドを冷却固化した。ついで
該ストランド(幅20mm、厚み3mm)をベルトより
剥離し、ロータリーカッターにて長さ20mmの短冊状
にカッティングした。かかるホットメルト接着剤につい
て接着強度、耐ブロッキング性及び水溶性を以下の要領
で測定した。 (接着強度)上記のホットメルト接着剤を加熱再溶融
し、クラフト紙に100〜150μmの厚さで塗工し、
塗工面に上質紙をのせて150℃の熱ローラーを通して
接着紙を得た。かかる接着紙を20℃,65%RHで2
4時間放置後、同条件下で90°剥離強度を引張速度3
0mm/分で測定した。
【0021】(耐ブロッキング性)上記のホットメルト
接着剤を加熱再溶融し、クラフト紙に100〜150μ
mの厚さで塗工し、塗工面が完全に冷えてから塗工面に
上質紙をのせ、約0.5kg/cm2の荷重をかけ、4
0℃,80%RHの条件下で24時間放置した後、90
°剥離強度を引張速度30mm/分で測定し、耐ブロッ
キング性を以下の如く評価した。 ○:ブロッキングが全くなし (剥離強度<0.05kg/3
0mm) △:部分的にブロッキングがあり(剥離強度が0.05〜0.
15kg/30mm) ×:全面にブロッキングがあり (剥離強度>0.15kg/3
0mm) (水溶性)上記で得た短冊状のホットメルト接着剤から
0.5gの矩形試料を採取し、20℃,100ml(1
00ccのビーカー使用)の水中に入れてマグネチック
スターラーを用いて約300rpmで撹拌し、1時間後
の状態を調べた。評価基準は以下の通り。 ○ −−− 溶解ないし完全分散 △ −−− 一部溶解 × −−− ほとんど原形保持
【0022】実施例2〜6及び比較例1〜3 表1に示す如く(A)〜(D)成分の配合組成を変化さ
せて実施例1に準じて樹脂組成物を製造し、実施例1と
同様に評価を行った。実施例及び比較例の評価結果を表
2に示す。
【表1】 注)実施例2の(A)はアリルスルホン酸ソーダで2モ
ル%変性 実施例3の(A)はアリルスルホン酸ソーダで3モル%
変性 実施例4の(A)はアリルスルホン酸ソーダで2.5モ
ル%変性 実施例5の(A)は縮合度15のヒドロキシエチレンで
5モル%変性 実施例6の(A)は縮合度10のヒドロキシエチレンで
3モル%変性し、かつケン化度25モル%、平均重合度
100のポリビニルアルコールを65重量部併用
【0023】略号は以下の通り。 SV;ケン化度(モル%を表す)、P;平均重合度、 EVA;酢酸ビニル含有量が28%でMFIが2300
g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体 (軟化点70℃、160℃における粘度3500cp
s) TP;分子量750のテルペンフェノール系樹脂 (ヤスハラケミカル社製、商品名;YSポリスターT−
100軟化点100℃、160℃における粘度500c
ps) ST;分子量700のスチレン系樹脂 (東邦化学工業社製、商品名;ハイレジンRS−21、
軟化点120℃、160℃における粘度3000cp
s) 12−ヒドロキシ;12−ヒドロキシオクタデカン酸、 8−ヒドロキシ;8−ヒドロキシテトラデカン酸、 PEG;ポリエチレングリコール(分子量300) * 未ケン化(ケン化度=0モル%)のポリ酢酸ビニル
で比較例1及び2は実施例1と同様の変性ポリ酢酸ビニ
ルを用い、比較例3では未変性のポリ酢酸ビニルを用い
た。
【0024】
【表2】 融点 溶融粘度(cps) 接着強度 耐ブロッキング性 水溶性 (℃) 140℃ 170℃ (kg/20mm) 実施例1 80 5800 2000 0.56(紙破) ○ ○ 〃 2 80 5500 1600 0.55(紙破) ○ ○ 〃 3 78 6300 2300 0.56(紙破) ○ ○ 〃 4 80 5400 1400 0.54(紙破) ○ ○ 〃 5 78 5600 1700 0.54(紙破) ○ ○ 〃 6 82 5700 1700 0.55(紙破) ○ ○ 比較例1 95 9000 4200 0.55(紙破) × ○ 〃 2 92 測定不能 8500 0.56(紙破) × ○ 〃 3 75 5700 1900 0.56(紙破) ○ × 表2の結果から明らかなように、本発明のポリ酢酸ビニ
ル系樹脂組成物は、140℃及び170℃の溶融粘度が
低く塗工作業性に優れ、又ホットメルト接着剤として湿
熱時の接着性にも優れ、各種紙製品の接着剤用途に大変
有用である。
【0025】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、融点及び低温域
での溶融粘度が低く、従来のホットメルト塗工機におけ
る均一塗工性に優れ、更に湿熱時の接着性にも優れ、特
に、水溶性ないし水分散性のホットメルト接着剤として
有効で、該ホットメルト接着剤を用いて、製本された
本、接着層が形成された紙袋、封函された函体、製管さ
れた紙管、接着層が設けられた感熱テープ或いはラベ
ル、再湿テープ或いはラベル等、特に古紙再生を必要と
する紙製品用途に大変有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 129/04 C09J 129/04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 29/04 C08K 5/09 C08L 25/00 C08L 61/06 C08L 101/00 C09J 129/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性の導入により水溶性ないし水分散
    性を有するようにされたポリ酢酸ビニル系樹脂であっ
    て、かつ、ケン化度が30モル%未満である親水性ポリ
    酢酸ビニル系樹脂(A)、疎水性樹脂(B)及び炭素数
    6以上のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)からな
    ることを特徴とするポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】更に可塑剤(D)を配合したことを特徴と
    する請求項1記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】疎水性樹脂(B)の軟化点が50〜150
    ℃で、かつ160℃における粘度が5000cps以下
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリ酢酸
    ビニル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】疎水性樹脂(B)がエチレン−酢酸ビニル
    系共重合体、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂から選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    〜3いずれか記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ケン化度が30モル%未満である親水性ポ
    リ酢酸ビニル系樹脂(A)の平均重合度が50〜600
    で、かつ親水性基による変性度が0.1〜30モル%で
    あることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリ
    酢酸ビニル系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】親水性基がスルホン酸基またはオキシアル
    キレン基のいずれかであることを特徴とする請求項1〜
    5いずれか記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】ケン化度が30モル%未満である親水性ポ
    リ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対して疎水性
    樹脂(B)が10〜50重量部、炭素数6以上のヒドロ
    キシ脂肪酸又はその誘導体(C)が10〜60重量部配
    合されてなることを特徴とする請求項1〜6いずれか記
    載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】ケン化度が30モル%未満である親水性ポ
    リ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対して疎水性
    樹脂(B)が10〜50重量部、炭素数6以上のヒドロ
    キシ脂肪酸又はその誘導体(C)が10〜60重量部、
    可塑剤(D)が10〜40重量部配合されてなることを
    特徴とする請求項2〜6いずれか記載のポリ酢酸ビニル
    系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8いずれか記載のポリ酢酸ビニ
    ル系樹脂組成物を用いたことを特徴とするホットメルト
    接着剤。
  10. 【請求項10】請求項9記載のホットメルト接着剤を用
    いたことを特徴とする紙製品。
JP21666394A 1994-08-17 1994-08-17 ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途 Expired - Fee Related JP3526630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21666394A JP3526630B2 (ja) 1994-08-17 1994-08-17 ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21666394A JP3526630B2 (ja) 1994-08-17 1994-08-17 ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0859946A JPH0859946A (ja) 1996-03-05
JP3526630B2 true JP3526630B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=16691983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21666394A Expired - Fee Related JP3526630B2 (ja) 1994-08-17 1994-08-17 ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3526630B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023238676A1 (ja) * 2022-06-10 2023-12-14 ナガセケムテックス株式会社 部品捕捉用水溶性粘着組成物及び部品捕捉用水溶性粘着シート並びに電子部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0859946A (ja) 1996-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102257086B (zh) 基于茂金属催化的烯烃-c3-c20-烯烃共聚物的接触型粘合剂
JPS6411078B2 (ja)
JP2005538220A (ja) ホットメルト接着剤及びその使用
US2553816A (en) Pressure-sensitive adhesive and adhesive tape
JP3527547B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂組成物及びその用途
JP3523679B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂組成物、ホットメルト接着剤及びその製造方法
JPH11323305A (ja) 水溶性ホットメルト接着剤
JP3526630B2 (ja) ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途
JP3664808B2 (ja) オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液およびその製造方法
JP4905880B2 (ja) 水性剥離剤、その製造方法及び粘着テープ
US5430090A (en) Hot-melt adhesive
JP3554586B2 (ja) ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途
JP3483222B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂組成物及びその用途
JP3512240B2 (ja) ポリビニルエステル系樹脂組成物及びその用途
JP3578416B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂組成物及びその用途
JP3523680B2 (ja) ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物、ホットメルト接着剤及びその製造方法
JPH0649423A (ja) 水溶性ホットメルト接着剤及びその製造方法
JP3093312B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂ホットメルト接着剤
JPS5823867A (ja) 再湿ホツトメルト接着剤組成物
JPH0892537A (ja) 水溶性ホットメルト接着剤
JP3604202B2 (ja) 水溶性ホットメルト接着剤
JP2997587B2 (ja) ラミネート用水性印刷インキ組成物
WO2002036703A1 (en) Hot melt adhesive film partially comprising an eva resin
JPH0565464A (ja) ホツトメルト接着剤
JPS6210553B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees