JP3664808B2 - オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液およびその製造方法 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物水性分散液およびその製造方法、特に、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
オレフィン系熱可塑性樹脂は、良好な熱接着性を有する皮膜を形成することができることから、ヒートシール剤、ディレードタック剤、インモールドラベル、パートコート剤、繊維処理剤および各種バインダー等の広範な用途に利用されている。
【0003】
このような各種用途に用いられるオレフィン系熱可塑性樹脂は、固体状で用いられる場合と、溶剤や水に溶解または分散した状態で用いられる場合とがあるが、前者の場合は薄膜の皮膜を形成するのが困難であるため、後者のようにして用いられることが多い。また、後者のうちでも、特に環境衛生の観点から、溶剤を用いる必要のない水性のもの、特に水性分散型のものの利用が進められている。
【0004】
オレフィン系熱可塑性樹脂水性分散液としては、例えば、ケン化度が65モル%以上のポリビニルアルコールを保護コロイド剤(分散剤)として用い、オレフィン系熱可塑性樹脂を水系分散液中に分散させたもの(特開昭57−195759号公報)や、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体を保護コロイド剤(分散剤)として用い、オレフィン系熱可塑性樹脂を水系分散液中に分散させたもの(特開平1−108236号公報)が知られている。ところが、これらのオレフィン系熱可塑性樹脂水性分散液は、分散液の安定性等を高めるために分散剤を多量に含んでいるため、それにより形成される皮膜のヒートシール性が不十分である。
【0005】
また、オレフィン系熱可塑性樹脂水性分散液として、ワックスおよび粘着樹脂のうちの少なくとも1種とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂との溶融混合物からなる粒子が分散されているものが知られている(特開平7−196997号公報)。しかし、この種のオレフィン系熱可塑性樹脂水性分散液は、ヒートシール性が比較的良好な皮膜を形成することができるものの、予め予備乳化物を作成し、この予備乳化物を高価な高圧ホモジナイザーを用いて1,300kg/cm2 程度の高圧力でさらに微細な乳化物にすることにより製造されるため、製造コストが高くなり、また、製造工程も複雑である。
【0006】
本発明の目的は、安価にかつ容易に製造することができ、しかもヒートシール性の良好な皮膜を形成することができるオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、オレフィン系熱可塑性樹脂と粘着樹脂とを含む樹脂組成物に特定の分散剤を特定の割合で含有させることにより、ヒートシール性の良好なオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を安価にかつ容易に製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液は、水系分散媒と、この水系分散媒中に分散された、オレフィン系熱可塑性樹脂40〜90重量%および軟化点が50〜180℃の粘着樹脂10〜60重量%を含む樹脂組成物と、ノニオン性界面活性剤とを含んでいる。ノニオン性界面活性剤は、下記の一般式(1)および(2)で示されるものからなる群から選ばれた少なくとも1種のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体であり、かつ、含有量が樹脂組成物の0.1〜3重量%に調整されている。
【化7】
Figure 0003664808
[一般式(1)中、Xは40〜200、Yは25〜100、Zは40〜200である。]
【化8】
Figure 0003664808
[一般式(2)中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ10〜150、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ8〜75である。]
【0009】
また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液は、オレフィン系熱可塑性樹脂40〜90重量%と軟化点が50〜180℃の粘着樹脂10〜60重量%とを含む樹脂組成物を調製する工程と、樹脂組成物100重量部に対して3〜50重量部のノニオン性界面活性剤を用いて樹脂組成物を水系分散媒中で分散させ、樹脂分散液を得る工程と、得られた樹脂分散液中に含まれるノニオン性界面活性剤の一部を除去することにより、樹脂分散液中に存在するノニオン性界面活性剤の含有量を樹脂組成物の0.1〜3重量%に調整する工程とを含む製造工程を経て得られたものである。ここで用いられるノニオン性界面活性剤は、上記一般式(1)および(2)で示されるものからなる群から選ばれた少なくとも1種のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体である。
【0010】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液の製造方法は、オレフィン系熱可塑性樹脂40〜90重量%と軟化点が50〜180℃の粘着樹脂10〜60重量%とを含む樹脂組成物を調製する工程と、樹脂組成物100重量部に対して3〜50重量部のノニオン性界面活性剤を用いて樹脂組成物を水系分散媒中で分散させ、樹脂分散液を得る工程と、得られた樹脂分散液中に含まれるノニオン性界面活性剤の一部を除去することにより、樹脂分散液中に存在するノニオン性界面活性剤の含有量を樹脂組成物の0.1〜3重量%に調整する工程とを含んでいる。ここで用いられるノニオン性界面活性剤は、上記一般式(1)および(2)で示されるものからなる群から選ばれた少なくとも1種のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液で用いられるオレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、オレフィンと他のモノマーとの共重合体樹脂、および前記ポリオレフィン系樹脂と前記共重合体樹脂との混合樹脂からなる群から選ばれたものを例示することができる。
【0012】
ここで、ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィンのホモポリマー、コポリマーおよびこれらの酸変性ポリマーのいずれが用いられてもよい。オレフィンのホモポリマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレンを例示することができる。また、オレフィンのコポリマーとしては、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、エチレン−1−オクテンコポリマー、エチレン−1−ヘキセンコポリマーを例示することができる。なお、このようなポリオレフィン系樹脂は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0013】
上述の共重合体樹脂を構成するためのオレフィンとしては、エチレンやプロピレンを例示することができる。一方、他のモノマーとしては、前記オレフィンと共重合可能なモノマーが用いられ、例えば、ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸無水物、α,β−不飽和カルボン酸の金属塩およびα,β−不飽和カルボン酸エステルを挙げることができる。ここで、ビニルエステルとしては、酢酸ビニルを例示することができる。また、α,β−不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸を例示することができる。α,β−不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸を例示することができる。さらに、α,β−不飽和カルボン酸の金属塩としては、(メタ)アクリル酸のナトリウム塩やマグネシウム塩を例示することができる。さらに、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートを例示することができる。なお、本明細書では、アクリル酸とメタクリル酸とを総称して(メタ)アクリル酸と表示し、また、アクリレートとメタクリレートとを総称して(メタ)アクリレートと表示することにする。
【0014】
なお、上述の共重合体樹脂を構成する他のモノマーは、2種以上のものが用いられてもよい。
【0015】
このような共重合体樹脂の具体例としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−メチル(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−酢酸ビニル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、およびこれらの金属塩の樹脂を挙げることができる。
【0016】
なお、上述の各種共重合体樹脂のうち好ましいものとしては、本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液の安定性を高めることができる点でエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を挙げることができる。
【0017】
なお、上述の共重合体樹脂は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0018】
上述の混合樹脂としては、上述のポリオレフィン系樹脂と上述の共重合体樹脂のうちの少なくとも1種との混合物が用いられる。このような混合樹脂としては、例えば、ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物を挙げることができる。
【0019】
本発明で用いられる上述のオレフィン系熱可塑性樹脂は、JIS K−7210に従って測定したメルトフローレート(MFR)が0.5〜3,000g/10分のものが好ましい。MFRが0.5g/10分未満の場合は、溶融時の濡れ性が低下したり、溶融乳化時に粘度が高まり過ぎて乳化が困難になり、本発明の水性分散液の粒子径が大きくなって、当該分散液の静置安定性が低下する場合がある。逆に、MFRが3,000g/10分を超えると、凝集力が低下し、本発明の水性分散液による皮膜のヒートシール性が低下する場合がある。
【0020】
本発明で用いられる粘着樹脂としては、例えば、ロジン,重合ロジン,不均化ロジン,水添ロジン,マレイン化ロジン,フマル化ロジン,およびこれらのグリセリンエステル,ペンタエリスリトールエステル,メチルエステル,トリエチレングリコールエステルなどのロジン類、テルペン重合体,β−ピネン重合体,芳香族変性テルペン重合体,α−ピネン重合体,テルペン系水素添加樹脂などのテルペン系樹脂、炭素数が5個の石油留分を重合した石油系樹脂,炭素数が9個の石油留分を重合した石油系樹脂,およびこれらの水素添加樹脂,マレイン酸変性物並びにフマル酸変性物などの石油系樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂などが挙げられる。
【0021】
なお、上述の粘着樹脂のうち好ましいものは、上述のオレフィン系熱可塑性樹脂との相溶性がよく、接着性(ヒートシール性)を高めることができる点で、ロジン類、テルペン系樹脂、炭素数が5個の石油留分を重合した石油系樹脂、炭素数が5個の石油留分を重合した石油系樹脂の水素添加樹脂、炭素数が9個の石油留分を重合した石油系樹脂、炭素数が9個の石油留分を重合した石油系樹脂の水素添加樹脂、クマロン樹脂およびインデン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0022】
本発明で用いられる粘着樹脂は、上述の粘着樹脂のうち、JIS K−5903に従って測定した環球法軟化点が50℃以上180℃以下のものである。この軟化点が50℃未満の場合は、凝集力が低下し、本発明の水性分散液により形成される皮膜の接着性(ヒートシール性)が低下する。逆に、180℃を超える場合は、本発明の水性分散液の造膜性が低下し、この結果、本発明の水性分散液により形成された乾燥皮膜の凝集力が低下して接着性(ヒートシール性)が低下する。
【0023】
なお、上述の粘着樹脂は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0024】
本発明で用いられる樹脂組成物は、上述のオレフィン系熱可塑性樹脂と粘着樹脂とを含むものである。このような樹脂組成物としては、オレフィン系熱可塑性樹脂を40〜90重量%含み、上述の粘着樹脂を10〜60重量%含むものが好ましく用いられる。オレフィン系熱可塑性樹脂が40重量%未満でありかつ粘着樹脂が60重量%を超えると、本発明の水性分散液により形成される乾燥皮膜の耐ブロッキング性が低下するおそれがある。逆に、オレフィン系熱可塑性樹脂が90重量%を超えかつ粘着樹脂が10重量%未満の場合は、本発明の水性分散液により形成される皮膜の低温ヒートシール性が低下するおそれがある。
【0025】
本発明で用いられるノニオン性界面活性剤は、分散剤として用いられるものであり、例えばエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体が好ましい。エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体としては、例えば、疎水基として作用するポリプロピレングリコールにエチレンオキシドが付加されている、下記の一般式(1)または(2)で示されるものが好ましく用いられる。
【0026】
【化9】
Figure 0003664808
【0027】
一般式(1)中、XおよびZは、エチレンオキシド単位の付加モル数を示し、Yは、プロピレンオキシド単位の付加モル数を示している。なお、エチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位とは、ブロック状態で配列されている。このような一般式(1)で示されるエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体としては、粒子径が小さく、静置安定性が良好な水性分散液が得られる点で、Xが40〜200、Zが40〜200およびYが25〜100のものでありかつ重量平均分子量が3,000〜45,000のものを用いるのが好ましい。このような条件を満たすエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体としては、例えば、旭電化工業株式会社製の商品名”プルロニック”を挙げることができる。
【0028】
【化10】
Figure 0003664808
【0029】
一般式(2)中、A1、A2、A3およびA4は、エチレンオキシド単位の付加モル数を示し、B1、B2、B3およびB4は、プロピレンオキシド単位の付加モル数を示している。なお、エチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位とは、ブロック状態で配列されている。このような一般式(2)で示されるエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体としては、粒子径が小さく、静置安定性が良好な水性分散液が得られる点で、A1、A2、A3およびA4がそれぞれ10〜150、B1、B2、B3およびB4がそれぞれ8〜75でありかつ重量平均分子量が3,000〜45,000のものを用いるのが好ましい。このような条件を満たすエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体としては、例えば、旭電化工業株式会社製の商品名”テトロニック”を挙げることができる。
【0030】
上述のノニオン性界面活性剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上混合して用いられてもよい。また、必要に応じて、上述のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体を主成分として、他のノニオン性界面活性剤を併用してもよい。このようにすると、樹脂組成物の種類によってはより微細な粒子の水性分散液が得られる場合がある。なお、他のノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどを挙げることができる。このように他のノニオン性界面活性剤を併用する場合、その使用量はエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体との合計量の5〜50重量%程度に設定するのが好ましい。
【0031】
本発明の水性分散液において、上述のノニオン性界面活性剤の含有量は、上述の樹脂組成物に対して0.1〜3.0重量%、好ましくは0.2〜2.8重量%に設定されている。この含有量が0.1重量%未満の場合は、本発明の水性分散液の静置安定性が低下するおそれがある。逆に、3.0重量%を超えると、本発明の水性分散液により形成される乾燥皮膜の表面に分散剤がブリードし易くなり、この結果、当該皮膜のヒートシール時の強度が極端に低下し、また、当該皮膜の耐水性も低下するおそれがある。
【0032】
本発明で用いられる水系分散媒は、一般に通常の水道水や脱イオン水であるが、例えば、水性分散液の安定性をより高めることを目的として、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性樹脂を添加して粘度を調整した水が用いられてもよい。
【0033】
本発明の水性分散液は、上述の必須成分の他、消泡剤、粘度調整剤、防かび剤などを含んでいてもよい。また、必要に応じて、樹脂組成物の酸化防止剤、脂肪酸アミド,ワックス、シリコーンオイルなどのスリッピング性改良剤などが配合されていてもよい。さらに、本発明の目的を阻害しない範囲において、アニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤が添加されていてもよい。
【0034】
なお、本発明の水性分散液は、樹脂分濃度が6〜67重量%に設定されるのが好ましい。樹脂分濃度が6重量%未満の場合は、水分量が多過ぎて、使用上不都合である。逆に、67重量%を超えると、水性分散液の粘度が高くなり過ぎ、取扱いが困難となる。
【0035】
次に、上述のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液の製造方法について説明する。
先ず、分散槽を用意し、これに上述の樹脂組成物、ノニオン性界面活性剤および水系分散媒を投入する。ここでは、通常、樹脂組成物100重量部に対してノニオン性界面活性剤を3〜50重量部(好ましくは4〜30重量部)、水系分散媒を50〜1,500重量部(好ましくは100〜500重量部)用いる。ノニオン性界面活性剤の使用量が3重量部未満の場合は、水中に樹脂組成物を十分に分散させるのが困難になる。逆に、ノニオン性界面活性剤の使用量が50重量部を超えると、使用量に比例した効果が得られず、経済的ではない。一方、水系分散媒の使用量が50重量部未満の場合は、樹脂組成物が水中で十分に分散しにくくなる。逆に、水系分散媒の使用量が1,500重量部を超えると、得られる水性分散液の濃度が薄くなり過ぎ、実用的な分散液が得られない。
【0036】
なお、分散槽としては、通常、樹脂組成物の融点以上に加熱可能な加熱装置と、内容物に対して剪断力を与えることができる撹拌機とを備えた耐圧容器が用いられる。撹拌機は、特殊なものを用いる必要はなく、通常のものを用いることができる。このような耐圧容器としては、例えば、撹拌機付耐圧オートクレーブが挙げられる。なお、「樹脂組成物の融点以上」とは、「樹脂組成物に含まれる樹脂成分中の最も高融点の樹脂の融点以上」の意味であり、以下についても同様である。
【0037】
次に、分散槽を密閉して加熱し、水系分散媒中で樹脂組成物を溶融させる。ここでの加熱温度は、樹脂組成物の融点以上、分解温度以下に設定する。具体的には、80〜300℃、好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは140〜200℃に設定する。
【0038】
次に、上述の温度を維持しつつ、撹拌機を用いて分散槽の内容物を撹拌する。ここでは、撹拌機の剪断力とノニオン性界面活性剤との作用により、樹脂組成物が微細に分散される。なお、撹拌機による撹拌は、通常、0.1〜40kg/cm2 (ゲージ圧)、好ましくは0.1〜10kg/cm2 (ゲージ圧)程度の加圧下で行う。撹拌機の回転数は、特に高速に設定する必要はなく、50〜300r.p.m.程度の比較的低回転数であっても最終的には所望の中位粒子径を有する水性分散液を得ることができる。
【0039】
次に、得られた分散液を冷却する。これにより、樹脂組成物の微細な粒子を含む水性分散液が得られる。この際、分散液は、樹脂組成物の軟化点以下に冷却するのが好ましい。このようにすれば、冷却過程で樹脂組成物が凝集することなく、樹脂組成物の微細で均質な粒子が得られる。なお、「樹脂組成物の軟化点以下」とは、「樹脂組成物に含まれる樹脂成分中の最も軟化点の低い樹脂の軟化点以下」の意味である。
【0040】
このようにして得られた水性分散液の中位粒子径は、通常2μm以下であり、静値安定性が良好である。
【0041】
次に、得られた水性分散液中のノニオン性界面活性剤量を調整する。ここでは、製造工程においてノニオン性界面活性剤が過剰に用いられているため、得られた水性分散液から過剰なノニオン性界面活性剤を分離除去し、ノニオン性界面活性剤の含有量を上述の範囲、すなわち樹脂組成物100重量部に対して0.1〜3重量%の範囲に調整する。
【0042】
ノニオン性界面活性剤を分離除去する際には、通常、遠心分離機、平均細孔径が水性分散液の平均粒子径よりも小さい細孔を有する濾過フィルター(好ましくは、0.05〜0.5μmの平均細孔径を有する精密濾過膜)、または限外濾過膜などが用いられる。
【0043】
ノニオン性界面活性剤の含有量が調整された水性分散液は、必要に応じて水系分散媒を加えて樹脂分濃度が上述の範囲、すなわち6〜67重量%に調整される。これにより、目的とするオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液が得られる。
【0044】
上述のように、本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液は、従来のもののように特殊な装置を用いて製造する必要がないので、容易に製造することができる。
【0045】
また、本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液は、上述のように中位粒子径が通常2μm以下であり、低粘度でもクリーミングを起こしにくく静値安定性が良好である。また、この水性分散液は、樹脂組成物を溶融させてから媒体中に分散させることにより製造されているので、当該分散液では、樹脂組成物を構成する個々の樹脂成分からなる粒子が混在しているのではなく、個々の分散粒子が樹脂組成物により形成されることになり均質である。しかも、当該水性分散液中に含まれるノニオン性界面活性剤は、上述の範囲に設定されているので、樹脂組成物の接着特性を損ないにくい。この結果、この水性分散液を用いて形成された皮膜は、ヒートシール性が良好である。
【0046】
本発明のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液は、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステルなどのプラスチックフイルム、紙、アルミ箔など用のヒートシール剤、繊維処理剤、各種バインダーとして用いられる。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた分散槽は、径が250mmのタービン型撹拌羽根を備えた、内径が500mmで高さが1,100mmの油循環加熱ジャケット付き200リットル耐圧オートクレーブである。
【0048】
実施例1
オレフィン系熱可塑性樹脂として25.2kgのエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業株式会社製のスミテートHE−10:エチレン含有率=80重量%、MFR=300g/10分)、粘着樹脂として16.8kgのロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学工業株式会社製のスーパーエステルA−125:軟化点=125℃)、ノニオン性界面活性剤として4.2kgのエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(旭電化工業株式会社製のプルロニックF108:重量平均分子量=15,500)、および水性分散媒として73.8kgの水を分散槽中に仕込み、密閉した。
【0049】
次に、撹拌機を始動し、毎分200回転で分散槽の内容物を撹拌しながら分散槽内を180℃まで加熱した。この時の分散槽内のゲージ圧力は10kg/cm2 Gを示した。分散槽内の温度を180℃に保持して30分間撹拌し、その後、撹拌を継続しながら内容物を50℃まで冷却して分散槽から取り出した。こうして得られた樹脂水性分散液について、それに含まれる過剰なノニオン性界面活性剤を遠心分離機を用いて取り除き、ノニオン性界面活性剤の含有量を樹脂組成物(上述のエチレン−酢酸ビニル共重合体とロジンペンタエリスリトールエステルとの組成物)の1.0重量%に調整した。このようにしてノニオン性界面活性剤の含有量が調整された樹脂水性分散液に水を加えて樹脂固形分濃度を40重量%に調整し、目的とするオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0050】
実施例2
オレフィン系熱可塑性樹脂として25.2kgのエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(住化アトケム株式会社製のボンダインHX8210:エチレン含有率=91重量%、MFR=200g/10分)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0051】
実施例3
オレフィン系熱可塑性樹脂として25.2kgのエチレン−アクリル酸共重合体(ダウケミカル株式会社製のプリマコール5990:エチレン含有率=80重量%、MFR=1,300g/10分)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0052】
実施例4
オレフィン系熱可塑性樹脂として25.2kgのエチレン−エチルアクリレート共重合体(日本ユニカー株式会社製のNUC6070:オレフィン含有率=75重量%、MFR=250g/10分)を用い、ノニオン性界面活性剤として4.2kgのエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(旭電化工業株式会社製のテトロニック1508:重量平均分子量=26,600)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液から実施例1と同様にしてノニオン性界面活性剤を取り除き、ノニオン性界面活性剤の含有量を樹脂組成物の0.1重量%に調整した。さらに、この樹脂水性分散液に水を加えて樹脂固形分濃度を40重量%に調整し、目的とするオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0053】
実施例5
粘着樹脂として16.8kgのロジングリセリンエステル(荒川化学工業株式会社製のスーパーエステルA75:軟化点=75℃)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0054】
実施例6
粘着樹脂として16.8kgのテルペンフェノール樹脂(安原ケミカル株式会社製のYS−レジンTO105:軟化点=105℃)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液から実施例1と同様にしてノニオン性界面活性剤を取り除き、ノニオン性界面活性剤の含有量を樹脂組成物の0.2重量%に調整した。さらに、この樹脂水性分散液に水を加えて樹脂固形分濃度を40重量%に調整し、目的とするオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0055】
実施例7
粘着樹脂として16.8kgのロジンフェノール樹脂(荒川化学工業株式会社製のタマノル803L:軟化点=160℃)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液から実施例1と同様にしてノニオン性界面活性剤を取り除き、ノニオン性界面活性剤の含有量を2.8重量%に調整した。さらに、この樹脂水性分散液に水を加えて樹脂固形分濃度を40重量%に調整し、目的とするオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0056】
実施例8
粘着樹脂として16.8kgの重合ロジンペンタエリスリトールエステル樹脂(荒川化学工業株式会社製のペンセルPH−A:軟化点=180℃)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0057】
実施例9〜13
オレフィン系熱可塑性樹脂、粘着樹脂およびノニオン性界面活性剤の他にワックス(三井石油化学工業株式会社製のハイワックス220MP)を用い、さらにこれらの使用量を表1に示す通りに設定した点以外は実施例1と同様にして樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液から実施例1と同様にしてノニオン性界面活性剤を取り除き、ノニオン性界面活性剤の含有量を1.0重量%に調整した。さらに、この樹脂水性分散液に水を加えて樹脂固形分濃度を40重量%に調整し、目的とするオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0058】
【表1】
Figure 0003664808
【0059】
比較例1
実施例1において、ノニオン性界面活性剤の含有量を3.5重量%に調整した点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0060】
比較例2
実施例1において、ノニオン性界面活性剤の含有量を0.05重量%に調整した点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0061】
比較例3
12.6kgのエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業株式会社製のスミテートHE−10:エチレン含有率=80重量%、MFR=300g/10分)、29.4kgのロジンフェノール樹脂(荒川化学工業株式会社製のタマノル803L:軟化点=160℃)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0062】
比較例4
39.9kgのエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業株式会社製のスミテートHE−10:エチレン含有率=80重量%、MFR=300g/10分)、2.1kgのロジンペンタエリスリトールエステル(荒川化学工業株式会社製のスーパーエステルA125:軟化点=125℃)を用いた点を除いて実施例1と同様にし、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を得た。
【0063】
比較例5
ノニオン性界面活性剤に代えて4.2kgのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アニオン性界面活性剤)を用いた点以外は実施例1と同様にし、樹脂組成物の水分散化を試みたが、分散不良が起こり、目的とするオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液は得られなかった。
【0064】
評価
実施例1〜13および比較例1〜4で得られたオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液について、粒度分布および中位粒子径を測定し、また、静置安定性、造膜性およびヒートシール強度を評価した。測定方法および評価方法は下記の通りである。結果を表2および表3に示す。
【0065】
(粒度分布および中位粒子径)
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所株式会社製のSALD−2000)を用いて測定した。
【0066】
(静置安定性)
オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液100mlを200mlの内容量のビーカー内に入れて密閉し、20℃、50RH%の恒温室内で3か月間保存した後の状態を目視観察した。評価の基準は下記の通りである。
【0067】
○:相分離無し。
△:一部相分離有り。
×:完全に相分離。
【0068】
(造膜性)
アルミニウム箔(三井金属株式会社製のダイヤホイル:肉厚=17μm)上に、乾燥後の塗膜の厚さが3〜5μmとなるよう幅1cm、長さ50cmにバーコーターを用いてオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を塗布した。これを熱風乾燥機を用いて100℃で1分間加熱して水分を除去し、塗膜を得た。得られた塗膜を目視で評価した。評価の基準は下記の通りである。
【0069】
○:連続塗膜。
△:一部不連続塗膜。
×:不連続塗膜。
【0070】
(ヒートシール強度)
上質紙(秤量=120g)上に、乾燥後の塗膜の厚さが3〜5μmとなるようバーコーターを用いてオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液を塗布した。これを熱風乾燥機を用いて100℃で1分間加熱乾燥し、ヒートシール皮膜を有する紙を得た。この紙のヒートシール皮膜上に、厚さ17μmのポリエステルフイルム(PET)、厚さ25μmのアルミニウム箔(Al)および厚さ25μmのポリプロピレンフイルム(PP)をそれぞれ配置し、東洋精機製作所株式会社製のヒートシーラーを用いてシール圧2kg/cm2 、シール温度120℃、シール時間2秒で熱接着させた。このようにして作成したヒートシール基材を1インチ幅で切り出し、これを試験片としてJIS K−6854に記載されたT型剥離試験を実施した。このときに実測された剥離強度をヒートシール強度とした。なお、T型剥離試験は、オートグラフ(島津製作所株式会社製のIS−2000型)を用い、引張強度を50mm/分に設定して実施した。
【0071】
【表2】
Figure 0003664808
【0072】
【表3】
Figure 0003664808
【0073】
【発明の効果】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液は、オレフィン系熱可塑性樹脂と粘着樹脂とを含む樹脂組成物に対して特定のノニオン性界面活性剤を特定の割合で含有させたので、安価にかつ容易に製造することができ、しかもヒートシール性の良好な皮膜を形成することができる。
【0074】
また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液の製造方法は、オレフィン系熱可塑性樹脂と粘着樹脂とを含む樹脂組成物を特定のノニオン性界面活性剤を用いて水系分散媒中に分散させ、その後ノニオン性界面活性剤の一部を取り除いてその含有量を調整しているので、ヒートシール性の良好な皮膜を形成することができるオレフィン系熱可塑性樹脂水性分散液を、安価にかつ容易に製造することができる。

Claims (8)

  1. 水系分散媒と、
    前記水系分散媒中に分散された、オレフィン系熱可塑性樹脂40〜90重量%と軟化点が50〜180℃の粘着樹脂10〜60重量%とを含む樹脂組成物と、
    ノニオン性界面活性剤とを含み、
    前記ノニオン性界面活性剤は、下記の一般式(1)および(2)で示されるものからなる群から選ばれた少なくとも1種のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体であり、かつ、含有量が前記樹脂組成物の0.1〜3重量%に調整されている、
    オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液。
    Figure 0003664808
    [一般式(1)中、Xは40〜200、Yは25〜100、Zは40〜200である。]
    Figure 0003664808
    [一般式(2)中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ10〜150、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ8〜75である。]
  2. 前記オレフィン系熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、オレフィンと他のモノマーとの共重合体樹脂、および前記ポリオレフィン系樹脂と前記共重合体樹脂のうちの少なくとも1種との混合樹脂からなる群から選ばれたものである、請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液。
  3. 前記共重合体樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体である、請求項2に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液。
  4. 前記粘着樹脂が、ロジン類、テルペン系樹脂、炭素数が5個の石油留分を重合した石油系樹脂、炭素数が5個の石油留分を重合した石油系樹脂の水素添加樹脂、炭素数が9個の石油留分を重合した石油系樹脂、炭素数が9個の石油留分を重合した石油系樹脂の水素添加樹脂、クマロン樹脂およびインデン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1、2または3に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液。
  5. オレフィン系熱可塑性樹脂40〜90重量%と、軟化点が50〜180℃の粘着樹脂10〜60重量%とを含む樹脂組成物を調製する工程と、
    前記樹脂組成物100重量部に対して3〜50重量部のノニオン性界面活性剤を用いて前記樹脂組成物を水系分散媒中で分散させ、樹脂分散液を得る工程と、
    前記樹脂分散液中に含まれる前記ノニオン性界面活性剤の一部を除去することにより、前記樹脂分散液中に存在する前記ノニオン性界面活性剤の含有量を前記樹脂組成物の0.1〜3重量%に調整する工程とを含み、
    前記ノニオン性界面活性剤として下記の一般式(1)および(2)で示されるものからなる群から選ばれた少なくとも1種のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体を用いる製造工程を経て得られる、
    オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液。
    Figure 0003664808
    [一般式(1)中、Xは40〜200、Yは25〜100、Zは40〜200である。]
    Figure 0003664808
    [一般式(2)中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ10〜150、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ8〜75である。]
  6. オレフィン系熱可塑性樹脂40〜90重量%と、軟化点が50〜180℃の粘着樹脂10〜60重量%とを含む樹脂組成物を調製する工程と、
    前記樹脂組成物100重量部に対して3〜50重量部のノニオン性界面活性剤を用いて前記樹脂組成物を水系分散媒中で分散させ、樹脂分散液を得る工程と、
    前記樹脂分散液中に含まれる前記ノニオン性界面活性剤の一部を除去することにより、前記樹脂分散液中に存在する前記ノニオン性界面活性剤の含有量を前記樹脂組成物の0.1〜3重量%に調整する工程とを含み、
    前記ノニオン性界面活性剤として下記の一般式(1)および(2)で示されるものからなる群から選ばれた少なくとも1種のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体を用いる、
    オレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液の製造方法。
    Figure 0003664808
    [一般式(1)中、Xは40〜200、Yは25〜100、Zは40〜200である。]
    Figure 0003664808
    [一般式(2)中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ10〜150、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ8〜75である。]
  7. 前記水系分散媒を、前記樹脂組成物100重量部に対して50〜1,500重量部用いる、請求項6に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液の製造方法。
  8. 前記樹脂分散液を得る工程において、前記樹脂組成物を前記水系分散媒中で溶融させる、請求項6または7に記載のオレフィン系熱可塑性樹脂組成物水性分散液の製造方法。
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