JPH08176372A - 水分散系離型剤組成物 - Google Patents

水分散系離型剤組成物

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JPH08176372A
JPH08176372A JP6318844A JP31884494A JPH08176372A JP H08176372 A JPH08176372 A JP H08176372A JP 6318844 A JP6318844 A JP 6318844A JP 31884494 A JP31884494 A JP 31884494A JP H08176372 A JPH08176372 A JP H08176372A
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water
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JP6318844A
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Tsunehisa Ueda
倫久 上田
Toshiharu Otsuka
敏治 大塚
Fujiaki Yamakawa
藤明 山河
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塗布後短時間の加熱で離型性能を発現すること
ができ、長期間にわたって沈降や凝集が起こらず、安定
性の優れた水分散系の離型剤組成物を提供する。 【構成】部分的にケン化された酢酸ビニル共重合体
(a)の水酸基1当量に対して、イソシアネート基、カ
ルボン酸基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及
びエポキシ基からなる群より選ばれる1種以上の水酸基
と反応する官能基を有し炭素数6以上の長鎖アルキル化
合物(b)を0.5当量以上の割合で反応させて得られ
る離型剤成分が、(c)酸価0.2〜800の酸変成ポ
リオレフィン共重合体と共に水中に分散されたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分散系離型剤組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープやシートには、これら使用時
まで粘着剤層を保護するために、保護シートが用いられ
ており、この保護シートは使用時に剥離される。このよ
うな保護シートには、粘着剤層からの剥離を容易にする
ために、粘着剤層と保護シートとの間の粘着力は余り強
固であってはならない。このような剥離を容易にする目
的で、通常、保護シートの粘着剤層との接触面には、離
型剤が塗布されている。従って、離型剤には、粘着剤層
から保護シートの剥離を容易にする以外に、剥離時に離
型剤層が凝集破壊を起こして粘着剤層面を汚染し、粘着
性を悪化しないような非移行性能が要求される。
【0003】上記離型剤は、通常、ポリオルガノシロキ
サンからなるシリコン系離型剤以外に、ポリビニルアル
コールの長鎖アルキル変成物やポリエチレンイミンの長
鎖アルキル変成物が用いられている。これらの変成物
は、有機溶剤に溶かして塗布乾燥させて使用する。しか
しながら、近年、安全上又は環境上の問題から、無溶剤
化が要求され、水系の離型剤が必要とされている。
【0004】この要求に応えるために、特開平3−86
778号公報には、ポリビニルアルコール又はその変性
物と、アルキルイソシアネートとを反応させることによ
って得られる、長鎖アルキルグラフトポリマーを乳化
し、水に分散させた水性剥離剤が開示されている。ま
た、特開平3−86778号公報には、ポリエチレンイ
ミンとアルキルイソシアネートとを反応させることによ
って得られる水性剥離剤が開示されている。
【0005】しかしながら、上記水性剥離剤は、離型性
能や非移行性能を発現するために、溶剤系の離型剤に比
べて、塗布後長時間加熱しなければならないという問題
点があり、さらに、溶剤系の離型剤に比べて離型性能や
非移行性能が不十分であり、これらの性能を向上させる
ために組成を変えると、水性剥離剤の安定性が悪化し、
離型剤の沈降や凝集が起こったり、離型剤が水に分散で
きなくなるという問題点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、その目的は、塗布後短時間の加熱で離型性能を
発現することができ、長期間にわたって凝集や沈殿の起
こらない、安定性の優れた水分散系の離型剤組成物を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の水分散系離型剤
組成物は、部分的にケン化された酢酸ビニル共重合体
(a)の水酸基1当量に対して、イソシアネート基、カ
ルボン酸基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及
びエポキシ基からなる群より選ばれる1種以上の水酸基
と反応する官能基を有し炭素数6以上の長鎖アルキル化
合物(b)を0.5当量以上の割合で反応させて得られ
る離型剤成分が、(c)酸価0.2〜800の酸変成ポ
リオレフィン共重合体と共に水中に分散されたものであ
る。
【0008】上記酢酸ビニル共重合体(a)に使用され
るケン化前の酢酸ビニル共重合体(a1)としては、エチ
レン等のオレフィン系ビニル化合物と酢酸ビニルとの共
重合体であって、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合
体やアクリル酸−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0009】上記ケン化前の酢酸ビニル共重合体(a1)
の重合度は、低くなると離型性能が悪くなり、高くなる
と離型剤成分が水に分散し難くなるので、500〜3,
000に制限され、好ましくは800〜2,500であ
る。
【0010】上記酢酸ビニル共重合体(a)は、酢酸ビ
ニル共重合体(a1)を構成する酢酸ビニル部分が部分的
にケン化されたものであって、そのケン化度は、低くな
ると反応性を有する水酸基の量が少なくなって離型性能
が悪くなるので、50モル%以上に制限され、好ましく
は60モル%以上である。
【0011】上記長鎖アルキル化合物(b)は、水酸基
と反応する、イソシアネート基、カルボン酸基、酸ハラ
イド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からな
る群より選ばれる1種以上の官能基を有するものであ
り、そのアルキル基の炭素数は、小さくなると離型性能
が低下するので、6以上に制限され、好ましくは8以上
である。
【0012】上記長鎖アルキル化合物(b)は、イソシ
アネート基を有するものとして、オクチルイソシアネー
ト、ドデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネ
ート、ドコサニルイソシアネート等;カルボン酸基を有
するものとして、オクタン酸、ドデカン酸、オクタデカ
ン酸、ドコサン酸等;酸ハライド基を有するものとし
て、オクタノイルクロライド、ドデカノイルクロライ
ド、オクタデカノイルクロライド、ドコサノイルクロラ
イド等;ケテン基を有するものとして、オクチルケテン
ダイマー、ドデシルケテンダイマー、オクタデシルケテ
ンダイマー、ドコサニルケテンダイマー等;アルデヒド
基を有するものとして、オクチルアルデヒド、ドデシル
アルデヒド、オクタデシルアルデヒド、ドコサニルアル
デヒド等;エポキシ基を有するものとして、オクチルグ
リシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、オク
タデシルグリシジルエーテル、ドコサニルグリシジルエ
ーテル等が、それぞれ挙げられる。
【0013】上記離型剤成分は、溶剤中で酢酸ビニル共
重合体(a)と長鎖アルキル化合物(b)とを反応させ
ることにより得られる。この反応において、長鎖アルキ
ル化合物(b)の割合は、少なくなると離型性能が悪く
なるので、酢酸ビニル共重合体(a)の水酸基1当量に
対して、長鎖アルキル化合物(b)0.5当量以上であ
り、好ましくは0.6当量以上である。
【0014】上記溶剤としては、上記長鎖アルキル化合
物(b)の官能基がイソシアネート基やケテン基の場合
は、イソシアネート基やケテン基と反応しない、トルエ
ンやジメチルスルホキシドのような不活性な溶剤中で懸
濁又は溶解させて反応を行うのが好ましい。
【0015】上記長鎖アルキル化合物(b)の官能基が
カルボン酸基の場合は、トルエンのような通常のエステ
ル化反応に用いられる溶媒中で反応するのが好ましい。
また、官能基が酸ハライド基の場合は、不活性な溶媒中
で反応させるのが好ましく、反応時にピリジンのような
脱ハロゲン化剤を添加することが好ましい。
【0016】上記長鎖アルキル化合物(b)の官能基が
アルデヒド基の場合は、不活性な溶媒中で反応させるの
が好ましく、反応時に塩酸のような酸触媒を添加するこ
とが好ましい。また、官能基がエポキシ基の場合は、不
活性な溶媒中で反応させるのが好ましく、反応時に水酸
化ナトリウムのようなアルカリ触媒を添加することが好
ましい。
【0017】上記反応では、赤外線吸収スペクトル等の
測定により、水酸基と反応する官能基が事実上消失した
時点を反応の終点とする。
【0018】上記酸変成ポリオレフィン共重合体(c)
の酸価は、小さくなると水に分散し難くなって凝集、沈
降が起こり易くなり、大きくなると離型剤成分と分離す
るので、0.2〜800に制限され、好ましくは10〜
200である。
【0019】上記酸変成ポリオレフィン共重合体(c)
としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン
等のオレフィンと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、ビニルピロリドン等の極性基をもつ
ビニルモノマーとの共重合体;化学的、物理的に酸化処
理されたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等
のポリオレフィン(共)重合体などが挙げられる。
【0020】上記酸変成ポリオレフィン共重合体(c)
が上記の極性基をもつビニルモノマーとの共重合体の場
合、該共重合体(c)における該ビニルモノマーの割合
は、0.01〜40モル%が好ましく、より好ましくは
0.5〜10モル%である。
【0021】また、上記酸変成ポリオレフィン共重合体
(c)の重合度は、低くなると室温で軟化状態となって
離型性に悪影響を及ぼし、高くなると水に分散し難くな
ったり、離型剤として塗布した後離型性能が発現するま
での加熱が長時間になるので、10〜2,000が好ま
しく、より好ましくは200〜1,000である。
【0022】上記酸変成ポリオレフィン共重合体(c)
の融点及び溶融粘度については、融点が低くなると離型
性能に悪影響を及ぼし、高温での溶融粘度が高くなると
水に分散し難くなったり、塗布後離型性能が発現するま
での加熱に長時間を要するので、融点が40℃以上で、
140℃での溶融粘度が10,000(Pa・s)以下
であることが好ましく、より好ましくは、融点が60℃
以上で、140℃での溶融粘度が 5,000(Pa・
s)以下である。
【0023】上記酸変成ポリオレフィン共重合体(c)
としては、マレイン酸変成のポリエチレンワックス、ア
クリル酸変成のポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0024】本発明の水分散系離型剤組成物には、必要
に応じて、高沸点液状物質、界面活性剤、架橋剤等が添
加されてもよい。上記高沸点液状物質としては、沸点が
低くなると乾燥時に揮発して環境上の問題が生じるので
沸点は100℃よりも高いものが好ましく、また、常温
での粘度が高くなると流動性が低くなり造膜性を向上さ
せる効果が小さくなるので、粘度は100,000(m
Pa・s)以下のものが好ましい。さらに、粘着テープ
やシートの粘着剤層に移行しても、粘着剤の粘着性能が
著しく阻害されないものが好ましい。
【0025】上記高沸点液状物質としては、例えば、ナ
フテン系のオイル、ラノリン、オレフィン類のオリゴマ
ー、植物油、動物油、鉱物油等のプロセスオイル;液状
ロジン、テレビン油等の液状粘着付与樹脂;ポリブテ
ン、ジイソデシルフタレート、1−デカノール等の可塑
剤などが挙げられる。
【0026】上記界面活性剤としては、ノニオン系界面
活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性
剤、両性界面活性剤等が使用可能である。ノニオン系界
面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の
エーテル類;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル類;
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステルエーテル
類;脂肪酸アルカノールアミド類などが挙げられる。
【0027】上記アニオン系界面活性剤としては、脂肪
酸モノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等
のカルボン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフ
タレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スルホ
こはく酸ジアルキルエステル等のスルホン酸類;硫酸ア
ルキル塩等の硫酸エステル類;リン酸アルキル塩等のリ
ン酸エステル類などが挙げられる。
【0028】上記カチオン系界面活性剤としては、アル
キルアミン塩等のアミン塩類;アルキルトリメチルアン
モニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アル
キルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第四級アンモ
ニウム塩類などが挙げられる。
【0029】上記両性界面活性剤としては、N,N'-ジ
メチル−N−アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカルボキ
シベタイン類;2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−
1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のグ
リシン類などが挙げられる。
【0030】上記架橋剤としては、離型剤組成物塗布後
の造膜中に熱、光等で離型剤成分と反応し架橋させるも
のであればよく、例えば、多価イソシアネート化合物、
ブロックド多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化
合物、多価アクリロイル化合物、多価メチロール化合
物、多価イオン金属、多価アジリジン化合物などが挙げ
られる。
【0031】本発明の水分散系離型剤組成物を調製する
方法としては、上記離型剤成分と酸変成ポリオレフィン
共重合体とを有機溶剤に溶解した後、高速乳化機で攪拌
しながら水と混合して乳化分散させ、その後有機溶剤を
除去する溶剤溶解法;有機溶剤を使用せず離型剤成分と
酸変成ポリオレフィン共重合体とを熱溶融させ、加圧ニ
ーダー、コロイドミル、高速攪拌シャフト等で高剪断を
かけながら水と混合し乳化分散させる高圧乳化法などが
挙げられる。
【0032】上記調製方法の中で、高圧乳化法は有機溶
剤を除去する工程を必要としないので好ましい。高圧乳
化法としては、離型剤成分と酸変成ポリオレフィン共重
合体とを120℃以上で溶融混合した後、100℃以上
に加熱、加圧された水に高剪断力をかけながら混合して
水中に分散させ、分散された乳化粒子が凝集融着しない
ように冷却する方法;水中に離型剤と酸変成ポリオレフ
ィン共重合体とを投入した後、加圧下120℃程度に昇
温し、高剪断をかけながら水中に分散させる方法等が挙
げられる。
【0033】上記水分散系離型剤組成物は、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、セロファン等のフ
ィルム類;上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン
紙等の紙類;含浸紙、プラスチクコート紙等の目止めを
施した紙類;布などの基材上に塗布乾燥して使用され
る。尚、上記基材には、乾燥後に形成された離型剤層と
の密着性を高めるために、予めコロナ処理、プラズマ処
理、プライマー処理等の表面処理が施されてもよい。
【0034】上記水分散系離型剤組成物の塗布には、ロ
ールコーター、グラビアコーター、メイヤーバーコータ
ー、リップコーター等の一般的な塗布装置が用いられ
る。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。離型剤成分の合成 (1)離型剤成分(R1) 攪拌機、冷却器、滴下ロートをもつ反応容器中に、脱水
したキシレン50gを加えた後、部分ケン化された酢酸
ビニル重合体(重合度1,100、ケン化度98モル
%)10gを入れ均一に分散させた。還流温度で、オク
タデシルイソシアネート67g及び触媒(ジラウリン酸
ジブチル錫)0.01gを加え、酢酸ビニル共重合体と
反応させた。反応の進行に伴い、酢酸ビニル共重合体の
粉末が完全に消失してから、さらに2時間反応を継続し
た。次いで、40℃まで冷却し、反応溶液を1,000
gのメタノール中に注入して白色沈殿物を得た。得られ
た白色沈殿物をメタノール及びヘキサンで洗浄した後乾
燥し、離型剤成分(R1)を得た。
【0036】(2)離型剤成分(R2) 酢酸ビニル重合体に代えて、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(重合度1,500、ケン化度69モル%、エチレ
ン含有量30モル%)10gを使用し、オクタデシルイ
ソシアネートの使用量を57gとしたこと以外は、
(1)と同様にして、離型剤成分(R2)を得た。
【0037】(3)離型剤成分(R3) 酢酸ビニル重合体に代えて、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(重合度1,500、ケン化度69モル%、エチレ
ン含有量30モル%)10gを使用し、オクタデシルイ
ソシアネートに代えて、オクタデシロイルクロライド8
0gを使用したこと以外は、(1)と同様にして、離型
剤成分(R3)を得た。
【0038】(4)離型剤成分(CR1) 酢酸ビニル重合体として、重合度200、ケン化度98
モル%の酢酸ビニル共重合体10gを使用したこと以外
は、(1)と同様にして離型剤成分(CR1)を得た。
【0039】(5)離型剤成分(CR2) 酢酸ビニル共重合体として、重合度1,100、ケン化
度40モル%の酢酸ビニル共重合体10gを使用し、オ
クタデシルイソシアネートの使用量を67gとしたこと
以外は、(1)と同様にして離型剤成分(CR2)を得
た。
【0040】(6)離型剤成分(CR3) オクタデシルイソシアネートに代えて、エチルイソシア
ネート16gを使用したこと以外は、(1)と同様にし
て離型剤成分(CR3)を得た。
【0041】(7)離型剤成分(CR4) オクタデシルイソシアネートの使用量を30としたこと
以外は、(1)と同様にして離型剤成分(CR4)を得
た。
【0042】(実施例1〜4、比較例1〜9)表1に示
した所定量の離型剤成分、酸変成ポリオレフィン共重合
体、界面活性剤〔アルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸塩(花王社製「ペレックスSS−L」)とポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル(花王社製「エマル
ゲン910」等量混合物)、油分(1−デカノール)及
び水を混合して、高圧式乳化機(特殊機化社製)に入
れ、120℃、500rpmで10分間攪拌して溶融状
態にした。次いで、135℃に昇温し、5,000rp
mで1時間高速攪拌して乳化させ、水分散系離型剤組成
物を得た。
【0043】次いで、上記水分散系離型剤組成物を離型
剤成分が濃度3重量%となるように水で希釈し、坪量7
7mg/m2 のクルパック紙上にポリエチレンを厚さ2
0μmとなるように押出ラミネートし、コロナ処理した
(44dyne/cm)目止め紙のポリエチレン側に、
#8のメイヤーバーコーターで塗布(wet塗布量8.
5g/m2)した。その後、表1に示した所定の温度、時
間で乾燥させ、離型紙を得た。
【0044】(比較例9〜11)R1 〜R3 の離型剤成分
を水でなくトルエンで濃度3重量%となるように希釈し
たものを、実施例1と同様にして、クルパック紙上に塗
布し離型紙を得た。
【0045】上記実施例、比較例及び参考例で得られた
水分散系離型剤組成物及び離型紙につき、下記の性能評
価を行い、その結果を表1〜4 (但し、比較例9〜11に
ついては離型紙の性能評価のみ行った)に示した。 (1)水分散系離型剤組成物の安定性 離型剤成分が濃度1重量%となるようにイオン交換水で
希釈し、23℃で72時間放置した後目視観察して、沈
殿、凝集、分離の全くないものを○、沈殿、凝集、分離
の起こしたものを△、イオン交換水で希釈直後に凝集、
沈殿を起こしたものを×と記した。尚、凝集、沈殿を起
こしたものについては、上記水分散系離型剤組成物の水
希釈物を200メッシュのステンレスフィルターで濾過
し濾過物を乾燥した後、その重量を測定し、凝集、沈殿
物を水希釈物中の全離型剤成分に対する重量比率(%)
で表した。
【0046】(2)展開力の測定 離型紙の離型剤塗布面に、25mm幅に短冊状に切断さ
れた粘着テープ(積水化学社製「クラフトテープ#50
4」)を、JIS Z0237に準拠して圧着ローラー
で貼り付け23℃で24時間放置したものを試験片と
し、高速剥離試験機を用いて10(m/min)の剥離
速度で180度引き剥がし試験を行い、引き剥がし力を
測定し展開力とした。
【0047】(3)残存粘着力の測定 (2)で作製した試験片の粘着テープを離型紙から剥離
し、該粘着テープをJIS Z0237に準拠して圧着
ローラーでステンレス板に貼り付け、23℃で24時間
放置した後、300(mm/min)の剥離速度で18
0度引き剥がし試験を行い、引き剥がし力 P1(g/2
5mm)を測定した。別途、離型紙に貼り付けなかった
粘着テープを、同様にしてステンレス板に貼り付けて引
き剥がし力を測定したところ、2010(g/25m
m)であった。両方の引き剥がし力の比〔(P1 /20
10)×100〕(%)を残存粘着力とした。この比が
100%に近い程、離型剤の粘着剤層への移行量が少な
いことを示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明の水分散系離型剤組成物の構成
は、上述の通りであり、塗布後短時間の加熱で優れた離
型性能を発現することができ、長期間にわたって沈降や
凝集が起こらなず、安定性に優れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)重合度が300〜5,000、ケン
    化度50モル%以上の酢酸ビニル共重合体の水酸基1当
    量に対して、(b)イソシアネート基、カルボン酸基、
    酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基
    からなる群より選ばれる1種以上の水酸基と反応する官
    能基を有しアルキル基の炭素数6以上の長鎖アルキル化
    合物を0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型
    剤成分が、(c)酸価0.2〜800の酸変成ポリオレ
    フィン共重合体と共に水中に分散されていることを特徴
    とする水分散系離型剤組成物。
JP6318844A 1994-12-21 1994-12-21 水分散系離型剤組成物 Pending JPH08176372A (ja)

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