JP2016065162A - ホットメルト系粘着剤及び水分散系離型剤を用いた粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】基材背面にもテープがしっかり貼れ、スプライシング時テープが破断せず、一方で手切れ性がよく、さらに低温環境での作業性が高い粘着テープを提供すること
【解決手段】粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープであって、該テープ基材の片面に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡が形成されており、
テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであり、かつ
該離型剤層が、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる、粘着テープ
【選択図】なし
【解決手段】粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープであって、該テープ基材の片面に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡が形成されており、
テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであり、かつ
該離型剤層が、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる、粘着テープ
【選択図】なし
Description
ホットメルト系粘着剤及び水分散系離型剤を用いた粘着テープに関する。
従来より、例えば段ボール箱等で各種内容物を梱包する時の封緘用としてクラフト紙粘着テープが広く用いられている。上記クラフト紙粘着テープは、一般的に、クラフト紙の一方の面にポリエチレン樹脂層が積層され、そのポリエチレン樹脂層上にシリコーン系離型剤等からなる離型剤層が設けられおり、クラフト紙の他方の面( 非離型剤層側の面)にゴム系粘着剤、熱可塑性エラストマー系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤等からなる粘着剤層が設けられた構成を有している。
従来、環境汚染への配慮から、エマルジョン系又は溶剤系の粘着剤ではなく、熱可塑性ゴムを主成分としたホットメルト系粘着剤(以下HM系粘着剤と略記する)を用いた粘着テープ(特許文献1)、溶剤系の離型剤ではなく水を溶媒とする水分散系離型剤を用いた粘着テープ(特許文献2)等が開発されている。
しかし、クラフト紙粘着テープを使用する際には、
1.基材背面にもテープがしっかり貼れること
2.スプライシング時テープが破断しないこと
3.手切れ性がよいこと
4.低温環境での作業性が高いこと
の全てを満たすテープが所望されている。しかし、従来のホットメルト系粘着剤及び水分散系離型剤を用いた粘着テープは条件を全て満たすものではなかった。
1.基材背面にもテープがしっかり貼れること
2.スプライシング時テープが破断しないこと
3.手切れ性がよいこと
4.低温環境での作業性が高いこと
の全てを満たすテープが所望されている。しかし、従来のホットメルト系粘着剤及び水分散系離型剤を用いた粘着テープは条件を全て満たすものではなかった。
本発明が解決すべき課題は、基材背面にもテープがしっかり貼れ、スプライシング時テープが破断せず、一方で手切れ性がよく、さらに低温環境での作業性が高い粘着テープを提供することである。
かかる状況の下、本発明者らは、鋭意研究の結果、粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープであって、粘着剤層に特定の方法で気泡を形成させ、テープ基材に特定の基材強度を有するものを用い、かつ離型剤層に特定の酢酸ビニル(共)重合体を含む離型剤組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。本発明はかかる新規の知見に基づくものである。
本発明にかかる粘着テープは、基材背面にもテープがしっかり貼れ、低温環境での作業性が高い。さらに、本発明にかかる粘着テープは紙、フィルムや布などを、巻始めや原反同士で継ぎあわせる際に使用する、すなわちスプライシング時にテープが破断しないにもかかわらず、一方で手切れ性がよいという効果を奏する。
粘着テープ
本発明は、粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープであって、該テープ基材の片面に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡が形成されており、テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであり、かつ
該離型剤層が、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる、粘着テープを提供する。
本発明は、粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープであって、該テープ基材の片面に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡が形成されており、テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであり、かつ
該離型剤層が、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる、粘着テープを提供する。
粘着剤層
本発明における粘着剤層の製造方法を図1のフローシートに示す。
本発明における粘着剤層の製造方法を図1のフローシートに示す。
図1において、まず、背面に離型処理を施したテープ基材1 の離型剤層4 とは反対の面に発泡剤を塗布又は噴霧することにより、テープ基材上に発泡剤を点在又は被覆させる。次に、この発泡剤塗布又は噴霧面2 に粘着剤を塗布し、その後、加熱により発泡剤を分解させることにより発泡させ、粘着剤層3 中に無数の気泡5 を生成させる。こうして、無数の気泡を含有した粘着テープを製造する。
熱分解型発泡剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記する)やアゾジカルボンアミド、ニトロソ化合物(例えばN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン)等が挙げられるが、特には限定しない。
テープ基材への発泡剤の塗布または噴霧方法としては、これをアセトンやメチルエチルケトン、ジメチルスルホキシドなどに溶解させた後、この溶液をテープ基材にロール塗工する方式や、同溶液をテープ基材に噴霧して基材面に点在又は被覆させる方法が挙げられるが、該発泡剤の分解温度以下の温度で行う塗布又は噴霧であれば、方法は特に限定されるものではない。発泡剤の塗布又は噴霧量は、粘着剤の種類や発泡倍率にもよるが、好ましくは0.05〜15g/m2 程度であり、発泡倍率の制御等を考えると、より好ましくは0.1〜13g/m2 である。
本発明方法で用いられる粘着剤としては、天然ゴムを主成分とした溶剤系粘着剤や、天然ゴムと粘着付与樹脂等を混練した粘着剤、熱可塑性ゴムを主成分としたホットメルト系粘着剤等が挙げられるが、粘着剤は特に限定されるものではない。溶剤系粘着剤は、少ない粘着剤塗布量で大きな粘着剤厚みを得ることができ、かつ、高温性能に優れた粘着テープを安価で提供できる利点を有する。熱可塑性ゴムとしては、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−イソプレン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・ブロック共重合体等が例示される。このような熱可塑性ゴム100重量部に、たとえばロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着性付与剤を20〜200重量部、および必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレートなどの軟化剤:酸化チタンなどの充填剤:ブチルヒドロキシトルエンなどの老化防止剤などを適量添加してなるものが使用される。粘着剤層の厚みは、好ましくは20〜200μmである。
発泡剤を分解させるための加熱については、通常の熱風加熱が一般的であるが、赤外線ヒーターによる加熱などでもよく、加熱手段は特に限定されるものではない。
本発明にかかる粘着テープを製造する際には、テープ基材の片面に熱分解型発泡剤を塗布又は噴霧させ、この発泡剤塗布又は噴霧面に粘着剤を塗布するので、テープ基材と粘着剤層の間に発泡剤が介在させられる。その後、発泡剤を加熱により分解ガス化させるため、気化したガスが粘着剤層中に分散し、粘着剤層中に無数の気泡が形成される。また、ガス化後、得られた粘着テープを短時間で冷却することによって、粘着剤層が冷却、固化され、分散された気泡がそのまま維持される。
テープ基材
本発明の粘着テープは、テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであることを特徴とする。
本発明の粘着テープは、テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであることを特徴とする。
本発明において、テープ基材の横方向の基材強度は、JIS Z0237の引張強さ及び伸び試験方法に準じて測定することができる。本発明において、テープ基材の横方向とは、テープの長手方向に対し垂直方向であり、図2に示す方向である。本発明において、粘着テープの横方向の基材強度は、120N/25mm以上であり、130N/25mm以上であることが好ましく、140N/25mm以上であることがより好ましい。本発明において、粘着テープの横方向の基材強度の上限は特に限定されないが、例えば、180N/25mm以下であり、好ましくは160N/25mm以下の範囲で適宜設定できる。
テープ基材の縦方向の基材強度も、上記と同様に測定することができる。本発明において、テープ基材の縦方向とは、テープの長手方向であり、図2に示す方向である。本発明において、粘着テープの縦方向の基材強度は、[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が上記範囲となるかぎりにおいて限定されないが、例えば、100〜260N/25mmであり、110〜190N/25mmであることが好ましい。
本発明において、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、1.0〜1.3であることが好ましく、1.1〜1.2であることがより好ましい。
本発明において、テープ基材は、引裂強度が0.7〜1.2Nであり、0.7〜1.1Nであることが好ましく、0.7〜1.0Nであることがより好ましい。テープ基材の引裂強度は、JIS Z0237の引張強さ及び伸び試験方法に準じて測定することができる。
この方法で使用できるテープ基材は特に限定されないが、ポリプロピレンやセロハン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムや、ポリエチレン(以下PEと略記する)層で背面を目止め処理した紙、クラフト紙、織布、不織布等が挙げられる。特に好ましくは、テープ基材に発泡剤を塗布又は噴霧した際にテープ基材に発泡剤が付着し易いという点で、クラフト紙や織布、不織布が用いられる。テープ基材の厚みは、好ましくは20〜200μmである。
離型剤層
本発明においては、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる離型剤層が用いられる。
本発明においては、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる離型剤層が用いられる。
離型剤成分の(a)成分として用いられる部分鹸化酢酸ビニル(共)重合体としては、鹸化される前の酢酸ビニル(共)重合体が、酢酸ビニル単独重合体又はこれと共重合できるビニルモノマーとの共重合体であるものが挙げられ、例えば、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの部分鹸化酢酸ビニル(共)重合体は、1種単独で、2種以上を混合して使用できる。これらの重合度は、300〜5000であり、好ましくは、800〜2500である。300未満の場合は、得られる離型剤成分の離型性能が悪化し、5000を超えると、得られる離型剤が水に分散し難くなる。
酢酸ビニル(共)重合体の鹸化度は、50%以上である必要があり、好ましくは、60%以上である。鹸化度が50%未満の場合は、反応性を有する水酸基の量が減少するので、これを用いて得られる離型剤の離型性能が低下する。鹸化度とは、酢酸ビニル(共)重合体を構成するモノマーの総ユニット数に対する鹸化された酢酸ビニル部分のユニット数のモル比(%)を意味する。
離型剤成分の(b)成分として用いられる長鎖アルキル化合物は、イソシアネート基、カルボニル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応性官能基を有し、部分鹸化酢酸ビニル(共)重合体の水酸基と反応し、アルキル基の炭素数は、6〜30である必要があり、好ましくは、8〜28である。アルキル基の炭素数が6未満であると、得られる離型剤成分の離型性能が不十分となり、逆にアルキル基の炭素数が30を超えると、(a)成分である部分鹸化酢酸ビニル(共)重合体への反応性が低下する。
かくして、(b)成分として用いられる長鎖アルキル化合物は、本発明を特に限定するものではないが、イソシアネート基を有するものとしては、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ドコサニルイソシアネート等が挙げられ、カルボキシル基を有するものとしては、オクタン酸、ドデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸等が挙げられ、酸ハライド基を有するものとしては、オクタノイルクロライド、ドデカノイルクロライド、オクタデカノイルクロライド、ドコサノイルクロライド等が挙げられ、ケテン基を有するものとしては、オクチルケテンダイマー、ドデシルケテンダイマー、オクタデシルケテンダイマー、ドコサニルケテンダイマー等が挙げられ、アルデヒド基を有するものとしては、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、ドコサニルアルデヒド等が挙げられ、エポキシ基を有するものとしては、オクチルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、ドコサニルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらの少なくとも1種が好適に用いられる。
離型剤成分〔A〕は、(a)成分である部分鹸化酢酸ビニル(共)重合体の水酸基1当量に対し、(b)成分である長鎖アルキル化合物が官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させられたものである必要があり、好ましくは、0.6当量以上である。0.5当量未満であると、得られる離型剤成分の離型性が不十分となる。
離型剤成分の合成方法は、特別な方法ではなく、溶媒中で、(a)成分である酢酸ビニル(共)重合体の水酸基1当量に対し、(b)成分である長鎖アルキル化合物を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて、所望の離型剤成分を得ることができる。離型剤成分の合成に用いる溶媒の種類は、特に限定されるものではないが、(b)成分である長鎖アルキル化合物が有する官能基の種類によって選択されることが好ましい。
即ち、イソシアネート基やケテン基の場合は、トルエンやジメチルスルホキシド等の如きイソシアネート基、ケテン基と反応しない不活性溶媒を用いて、懸濁法や溶解法で反応を行う。カルボキシル基の場合は、トルエンのような通常のエステル化反応に用いられる溶媒を用い、酸ハライド基の場合は、酸ハライド基と反応しない不活性な溶媒を用いて反応を行うことが好ましく、この反応時には、ピリジンのような脱ハロゲン化水素剤を添加することがより好ましい。
官能基がアルデヒド基の場合は、アルデヒド基と反応しない不活性な溶媒を用いて反応を行うことが好ましく、塩酸のような酸触媒を添加することがより好ましい。さらに、官能基がエポキシ基の場合は、エポキシ基と反応しない不活性な溶媒を用いて反応を行うことが好ましく、この反応時には、水酸化ナトリウムのようなアルカリ触媒を添加することがより好ましい。
(a)成分と(b)成分との反応は、赤外吸収スペクトル等により、追跡でき、部分鹸化酢酸ビニル(共)重合体の水酸基や長鎖アルキル化合物の官能基が消失した時点をもって終了とする。
本発明においては、離型剤組成物は、高分子界面活性剤〔B〕をさらに含んでいても良い。
高分子界面活性剤〔B〕を用いる場合、従来の界面活性剤の分子量に比べ、高分子量の界面活性を有する物質を使用する。具体的に例示すると、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ブチル(メタ)アクリレート−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体などポリアルキル(メタ)アクリル酸の単独重合体又は共重合体;酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−マレイン酸共重合体等のマレイン酸共重合体;メチル(メタ)アクリレート−フマール酸共重合体、酢酸ビニル−フマール酸共重合体等のフマール酸共重合体;ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ブチルナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ホルマリン縮合物等の芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物;等のナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムなどのアルカリ塩類;ポリN−メチルビニルピリジニウムクロライド等のポリアルキルピリジニウム塩(ビニルピリジンとこれと共重合するビニルモノマーとの共重合体からの誘導体も含む)などが挙げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。
従来のイオン系(カチオン、アニオン、両性)又はノニオン系界面活性剤の重量平均分子量は、それぞれ、1000未満、2000未満であるが、本発明に使用される高分子界面活性剤の重量平均分子量は、イオン系界面活性剤では、1000〜300万であり、さらに好ましくは2000〜40万である。高分子界面活性剤の重量平均分子量が、小さ過ぎると、従来の界面活性剤と同じように、離型剤成分の水に対する分散安定効果が乏しくなる。又、大き過ぎると、離型剤成分を水に分散させる時、粘度が高くなり過ぎて、分散操作が困難になる。
高分子界面活性剤の配合量は、離型剤成分100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは10〜70重量部である。1重量部未満の場合は、離型剤成分の乳化、分散が困難になったり、得られた水分散系離型剤の安定性が低下する。又、100重量部を超える場合は、得られた水分散系離型剤を使用する時に、離型剤成分が粘着層へ移行する傾向が発現する。
本発明において、離型剤組成物は、さらにワックス〔C〕を含んでいても良い。ワックス〔C〕は、離型シートを製造する場合、水分散系離型剤を離型シート基材に塗布、乾燥・加熱する時に、離型剤組成物の溶融を促進し、分散した離型剤組成物の粒子の製膜性を向上させる役割を果たすので、短時間の加熱・乾燥で、離型性の優れた離型シートを製造できるようにする。その為、ワックス〔C〕は、製造された離型シートが在庫されている時、添加したワックスが離型剤組成物を軟化させて、離型性能を悪化させるものであっては不適当であるので、融点が50℃以上の熱可塑性の中分子量のオリゴマーであって、融点以上の温度で、溶融粘度が極めて低いものが好ましく、具体的には、1〜5000mPa・sが好適である。
〔C〕ワックス(蝋)は、天然ワックスと合成ワックスとがある。例えば、天然ワックスとしては、蜜ロウ、鯨ロウ、支那昆虫ロウ、セラックロウなどの動物系ワックス;カルナバワックス、オリキュリーワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ケーンワックスなどの植物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシンなど鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックスが挙げられる。
また、合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックスやその誘導体、低分子ポリエチレンやそのその誘導体、アタクティックポリプロピレン、α−オレフィンワックスなどの合成炭化水素系ワックスやモンタン誘導体のワックス、マイクロワックス誘導体、合成酸化ワックス等の変性ワックス;ポリエチレングリコール、ステアリン酸ソルビトール等のエステルワックス;カストールワックス、オパールワックスなどの水素化ワックス;アクラワックス、アーモワックス、モノステアリル尿素、ジステアリル尿素、N,N´−エチレン・ビス・ステアリルアミド等のアミン、アミド系ワックス;ハロゲン化炭化水素系ワックスなどが挙げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。
これらのワックスの配合量は、離型剤成分100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、さらに好ましくは3〜40重量部である。1重量部未満の場合は、離型剤組成物の造膜性を向上させる効果が乏しく、50重量部を超える場合は、離型性能が悪化する。
本発明の粘着テープに用いる水分散系の離型剤組成物には、離型剤成分の他に、水中に樹脂を容易に分散させたり、水分散系離型剤を基材に塗布する際の濡れ性を向上させたり、塗工時の発泡を抑えたり、塗布後の離型膜の強度を上げる為に、脂肪酸、酸変性ポリオレフィン(共)重合体、溶剤、高沸点液状物質、一般の界面活性剤、架橋剤などの任意添加物を、目的に応じて、配合しても構わない。
脂肪酸は、炭素数が10〜30が好ましく、さらに好ましくは、12〜26である。脂肪酸の炭素数が10未満であると、極性が高くなり過ぎて、脂肪酸が離型剤成分と分離したり、融点を低くさせたりして、得られる水分散系離型剤の離型性や非移行性を低下させる。炭素数が30を超えると、極性が低くなり過ぎて、水に分散し難くなり、溶融粘度が高くなり過ぎて、得られる水分散系離型剤を基材に塗布した後に、離型性や非移行性を発現させるためには、長時間の加熱を要し、作業工程の支障をきたす。
脂肪酸を具体的に例示すると、例えば、ドデカン酸(ラウリン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、オクタデセン酸(オレイン酸)、イコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)等の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。
尚、これらの脂肪酸は、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類の水酸化物の共存下では、脂肪酸が、当然、それらの塩となっているから、本発明での脂肪酸は、脂肪酸塩も含むものとする。
脂肪酸の添加量は、特に限定されるものではないが、(a)成分と(b)成分とを反応させて得られる離型剤成分100重量部に対し、1〜50重量部であることが好ましく、更に好ましくは、3〜40重量部である。脂肪酸の添加量が1重量部未満であると、水分散系離型剤を製造する時、離型剤成分を水中に、均一で、安定的に、乳化分散させることが困難となり、得られる水分散系離型剤を基材に塗布して、離型性、非移行性を発現させるためには、長時間の加熱を要するなど、作業工程の支障をきたす。逆に、脂肪酸の添加量が50重量部を超えると、得られる水分散系離型剤の非移行性が低下する。
酸変性ポリオレフィン(共)重合体は、本発明の離型剤成分を水中に均一且つ安定に乳化分散させる機能を有し、酸価は0.2〜800の範囲が好ましく、更に好ましくは、10〜200である。酸価が0.2未満であると、それ自体の水中への分散が困難となり、酸価が800を超えると、離型剤成分と分離し易くなり、均一かつ安定な水分散系離型剤を得ることが困難となる。
酸変性ポリオレフィン(共)重合体としては、特に限定されるものではないが、エチレン、プロピレン、ブテン−1等のオレフィンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルピロリドン等の極性基を有するビニルモノマーとの共重合体、アクリル酸変性のポリエチレンワックス、化学的又は物理的に酸化処理されたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン(共)重合体等が挙げられ、これらの少なくとも1種が好適に用いられる。
オレフィンと極性基を有するビニルモノマーとの共重合体に於いて、極性ビニルモノマーの含有量は、特に限定されるものではないが、0.01〜40モル%であることが好ましく、更に好ましくは、0.5〜10モル%である。
酸変性ポリオレフィン(共)重合体の重合度は、特に限定されるものではないが、10〜2000であることが好ましく、さらに好ましくは、20〜1000である。重合度が10未満であると、常温に於いても軟化状態であるので、得られる水分散系離型剤の離型性や非移行性が悪化する。逆に、重合度が2000を超えると、水への分散が困難となり、得られる水分散系離型剤を基材に塗布して、離型性や非移行性を発現させるのに、長時間の加熱を要し、作業工程の支障をきたす。
酸変性ポリオレフィン(共)重合体の融点及び溶融粘度は、特に限定されるものではないが、融点が40℃以上で、140℃に於ける溶融粘度が10000Pa・s以下であることが好ましく、なかでも、融点が60℃以上で、140℃に於ける溶融粘度が5000Pa・s以下であることがより好ましい。融点が40℃未満であると、得られる水分散系離型剤の離型性や非移行性が不十分となり、又、140℃に於ける溶融粘度が10000Pa・sを超えると、水に分散し難くなる。
酸変性ポリオレフィン(共)重合体の添加量は、特に限定されるものではないが、(a)成分と(b)成分とを反応させて得られる離型剤成分100重量部に対し、1〜50重量部であることが好ましく、更に好ましくは、3〜40重量部である。添加量が1重量部未満であると、水分散系離型剤を製造する時、離型剤成分を水中に均一かつ安定に乳化分散させることが困難となり、得られる水分散系離型剤を基材に塗布して、離型性や非移行性を発現させるのに、長時間の加熱を要し、作業工程の支障をきたす。逆に、添加量が50重量部を超えると、得られる水分散系離型剤の非移行性が低下する。
溶剤としては、オクタンなどの炭化水素系の溶剤、トルエンなどの芳香族系の溶剤が用いられ、水分散系離型剤の溶液全体100重量部に対して、10重量部以下が好ましい。10重量部を超える場合は、安全衛生上好ましくない。
高沸点液状物質は、常圧下の沸点が100℃以上であり、常温の粘度が100Pa・s以下で、粘着テープ等の粘着加工品の粘着層に移行しても、粘着剤の粘着性能を著しく阻害しないものであることが好ましい。沸点が100℃未満であると、得られる水分散系離型剤を、塗布・乾燥する時に、揮発し易いので、排気、回収装置等が必要となり、製造コストアップにつながる。又、粘度が100Pa・sを超えると、流動性が低くなるので、水分散系離型剤の濡れ性や造膜性を向上させる効果が乏しくなる。
高沸点液状物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナフテン系オイル、ラノリン、オレフィン類のオリゴマー、植物油、動物油、鉱物油等のプロセスオイル、液状ロジン、テレビン油等の液状粘着付与樹脂、ポリブテン、ジイソデシルフタレート等の可塑剤などが挙げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。
一般の界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤などが挙げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル型;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル糖のエステル型;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエステルエーテル型、脂肪酸アルカノールアミド型が挙げらる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸モノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等のカルボン酸型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スルホ琥珀酸ジアルキルエステル等のスルホン酸型、硫酸アルキル塩等の硫酸エステル型、燐酸アルキル塩の燐酸エステル型等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩等のアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩型等が挙げられる。
両性系界面活性剤としては、例えば、N,N−ジメチル−N−アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカルボキシベタイン型、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のグリシン型等が挙げられる。
架橋剤は、水分散系離型剤を基材に塗布して、造膜する時に、熱、光等で離型剤成分と反応し架橋させ得るものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、多価イソシアネート化合物、ブロックド多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アクリロイル化合物、多価メチロール化合物、多価イオン金属、多価アジリジン化合物などが挙げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。
本発明の水分散系離型剤に於いては、水中に分散される離型剤組成物の平均粒子径(体積平均粒子径)は、これらの任意添加物成分も含めて、1μm以下となるように分散されていることが好ましい。
尚、ここで言う平均粒子径(体積平均粒子径)とは、「新実験化学講座18(界面とコロイド)」p.368〜407に紹介され、電子顕微鏡法、レーザー回折光散乱法、動的光散乱法などの方法で測定できるが、本発明での平均粒子径は、体積基準の平均粒子径であって、レーザー回折光散乱法により、レーザー回折散乱式粒度分布計(例えば、商品名「9220FRA」、MICROTRAC社製)を用いて測定した粒子径分布(粒度分布)曲線における下限もしくは上限からの頻度の累積値が50%になったところの粒子径を意味する。
本発明の粘着テープに用いる水分散系離型剤組成物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、離型剤組成物を、予め加熱溶融し、これに加熱水を加え、加圧ニーダー、コロイドミル、高速攪拌シャフト等の混合機を用いて、高剪断をかけて平均粒子径が1μm以下となるまで均一に乳化分散させた後、分散粒子が融着凝集しないように冷却して、所望の水分散系離型剤を得る方法(高圧乳化法)や、離型剤組成物を予め有機溶剤に溶解し、その溶液と水とを、高速乳化機を用いて、高剪断をかけて平均粒子径が1μm以下となるまで均一に乳化分散させた後、有機溶剤を除去して、所望の水分散系離型剤を得る方法(溶剤溶解法)等が挙げられ、いずれの方法も好適に採用されるが、なかでも有機溶剤の除去が不要で工程の簡略な高圧乳化法がより好適に採用される。
高圧乳化法の具体的な手順は、例えば、離型剤成分、高分子界面活性剤、ワックスに、必要に応じて、任意添加物を混合し、加熱溶融し、次いで、その溶融液に加熱した水を加えて、高剪断を加えて分散させ、先ず、W/O型エマルジョン(油の中に、水が分散している型の乳化物)を作製し、さらに、これに熱水を加えて、転相させて、水分散系離型剤(O/W型エマルジョン)にする。しかる後に、分散粒子が、凝集しないように、冷却する。加熱溶融温度は、特に限定されるものではないが、60℃以上が好ましく、さらに好ましくは、加圧して、120℃以上にすることである。又、離型剤組成物を予め加熱溶融することなく、水中に一挙に投入し、加圧下、120℃程度の温度で、高剪断をかけて平均粒子径が1μm以下となるまで均一に乳化分散させた後、冷却して所望の水分散系離型剤を得る方法を採っても良い。
高圧乳化法、若しくは、溶剤溶解法のいずれの方法に於いても、離型剤成分と水との混合割合は、特に限定されるものではないが、離型剤組成物5〜50重量%、水95〜50重量%であることが好ましい。離型剤組成物の含有量が5重量%未満であると、乳化分散時の剪断効果が減殺されて製造効率が低下し、逆に、離型剤組成物の含有量が50重量%を超えると、粘度が高くなり過ぎて均一な乳化分散が困難となる。又、乳化分散工程を経て得られた水分散系離型剤は、貯蔵安定性が損なわれない範囲で必要に応じて、水で希釈されても良い。
本発明の粘着テープを製造するに際し、水分散系離型剤組成物は、通常の離型シートを製造するのに使用され、離型シートは、基材に水分散系離型剤を塗布、加熱、乾燥して、基材の上に、離型層を設けることにより製造される。離型シートに用いられる基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セロファン等のプラスチックフィルム類、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の紙類、含浸紙、プラスチックコート紙等の目止めを施した紙類、不織布、布等の布類等が挙げられ、これらの少なくとも1種を積層して使用しても構わない。尚、基材は、水分散系離型剤組成物と基材との接着性を向上させる為に、その少なくとも片面に、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等の前処理が施されていることが好ましい。
基材に水分散系離型剤組成物を塗布する方法としては、ロールコーター、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、リップコーターなどの一般的な塗布装置を用いる方法が挙げられ、この後、加熱・乾燥炉を通して、水分散系離型剤の水を揮散させることにより離型シートを得る。基材に塗布する水分散系離型剤の厚みは、基材の片面につき、固形分で膜厚が1μm以下であることが好ましい。1μmを超えると、加熱・乾燥に長時間を要して、コストアップになり、得られる離型層の非移行性も低下する。 通常、水分散系離型剤組成物は、単に水を蒸発させただけでは、離型剤組成物の粒子のままの状態で、基材の上に残り、基材と離型剤組成物との密着性が悪く、離型剤性や非移行性が充分でない場合が多い。その為、水分散系離型剤の塗布・乾燥後に、更に、基材の水分散系離型剤塗布層に、加圧・加熱操作を行うことが好ましく、基材の上の微粒子状に沈着した離型剤組成物を、溶融、平滑化させて、基材との密着性を高める必要がある。
加圧・加熱操作の方法としては、例えば、水分散系離型剤を塗布・乾燥した基材を、高温プレスの間に挟んで加圧・加熱する方法(プレス法)や、加熱ロールの間を通して、加圧・加熱する方法(ロール法)等が挙げられ、いずれも好適に採用されるが、生産性に優れるロール法がより好適に採用される。
加圧・加熱時の加熱温度は、特に限定されるものではないが、離型剤成分の軟化点より高い温度であることが好ましく、通常60℃以上、より好ましくは80℃以上である。加圧・加熱時の圧力は、特に限定されるものではなく、基材の耐圧性に依存するが、通常0.1〜500kg/cm2 であることが好ましい。加圧・加熱時は、ロールと離型剤組成物との密着性が、離型剤成分と離型シート基材との密着性より低いことが必要で、逆の場合は、溶融した離型剤成分がロールに転写して不都合である。従って、加熱ロールの材質としては、耐熱・離型性で、且つ、離型剤成分を均一に加圧する弾性材料が要求され、例えば、耐熱性シリコーンライニングゴムローラーや耐熱性テフロンライニングゴムローラー等が好ましく、いずれも好適に用いられている。
生産性を向上させる為に、加圧・加熱ロールは、塗布・乾燥設備に連結し、そのロールの周速度は、ライン速度と同調させるのが好ましく、ロールの径は、加圧・加熱工程に要する時間とライン速度とによって決定される。
ポリエチレン系樹脂層
本発明の粘着テープにおいては、テープ基材と離型剤層との間にポリエチレン系樹脂の層が積層されていても良い。
本発明の粘着テープにおいては、テープ基材と離型剤層との間にポリエチレン系樹脂の層が積層されていても良い。
本発明の好ましい一実施形態においては、、(a)密度が0.950g/cm3 以上であり、メルトフローレート(以下、「MFR」と記す)が5〜45g/10分である高密度ポリエチレン樹脂、(b)MFRが2〜20g/10分であり、MFRと溶融弾性指数(以下、「MT」と記す)との関係が下式(1)を満たす高圧法低密度ポリエチレン樹脂、(c)MFRが0.2〜8g/10分であり、MFRとMTとの関係が下式(2)を満たす高圧法低密度ポリエチレン樹脂からなり、且つ、上記各ポリエチレン樹脂の溶融混合物は、密度が0.930〜0.950g/cm3 であり、MFRが2〜20g/10分であるポリエチレン系樹脂層が積層されていてもよい。
MT≦−0.4×log(MFR)+4.0 式(1)
MT≧−0.5×log(MFR)+4.2 式(2)
MT≦−0.4×log(MFR)+4.0 式(1)
MT≧−0.5×log(MFR)+4.2 式(2)
上記密度とは、JISK−6760「ポリエチレン試験方法」に準拠して測定された密度を意味し、上記MFRとは、JIS K−6760に準拠して、試験温度190℃、試験荷重21.18Nの条件で測定されたMFRを意味する。また、上記MTとは、23℃−50%RHの雰囲気下において、MFR測定時と同一の試験温度及び試験荷重で押出しされた溶融ポリエチレン樹脂のストランドを8m/分の速度で引取った時の引取り張力(g)を意味する。
(a)成分である高密度ポリエチレン樹脂の密度が0.950g/cm3 未満であると、上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分の各ポリエチレン樹脂の溶融混合物の密度が低くなり、ポリエチレン系樹脂層の耐熱性が不十分となる。
また、(a)成分である高密度ポリエチレン樹脂のMFRが5g/10分未満であると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時の高速加工性が阻害され、逆に上記高密度ポリエチレン樹脂のMFRが45g/10分を超えると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時にネックインが大きくなり、生産性が低下する。
(b)成分である高圧法低密度ポリエチレン樹脂のMFRが2g/10分未満であると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時の高速加工性が阻害され、逆に上記高圧法低密度ポリエチレン樹脂のMFRが20g/10分を超えると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時にネックインが大きくなり、生産性が低下する。
また、(b)成分である高圧法低密度ポリエチレン樹脂のMFRとMTとの関係が前記式(1)を満たさないと、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時の高速加工性が阻害される。
(c)成分である高圧法低密度ポリエチレン樹脂のMFRが0.2g/10分未満であると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時の高速加工性が阻害され、逆に上記高圧法低密度ポリエチレン樹脂のMFRが8g/10分を超えると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時にネックインが大きくなり、生産性が低下する。
また、(c)成分である高圧法低密度ポリエチレン樹脂のMFRとMTとの関係が前記式(2)を満たさないと、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時にネックインが大きくなり、生産性が低下する。
本発明の製造方法においては、高圧法低密度ポリエチレン樹脂として、(b)成分である前記式(1)を満たす低MT樹脂と(c)成分である前記式(2)を満たす高MT樹脂とが併用されることが必要である。
高圧法低密度ポリエチレン樹脂として低MT樹脂のみを用いると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時にネックインが非常に大きくなり、生産性が著しく低下する。また、高圧法低密度ポリエチレン樹脂として高MT樹脂のみを用いると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を高速で積層する時のクラフト紙に対するポリエチレン系樹脂層の初期接着性が低下したり、離型処理や粘着剤層の積層に伴う熱履歴後の接着性が不十分となる。また、展開力(巻戻し力)の高いクラフト紙粘着テープの場合、巻重体状とされたクラフト紙粘着テープの展開(巻戻し)時にクラフト紙からポリエチレン系樹脂層が剥離しやすくなる。
当該実施形態においては、上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分の溶融混合物の密度が0.930〜0.950g/cm3 であり、MFRが2〜20g/10分であることが好ましい。
上記溶融混合物の密度が0.930g/cm3 未満であると、ポリエチレン系樹脂層の耐熱性が不十分となって、粘着剤層中へ気泡を生成させるための加熱時にポリエチレン系樹脂層が溶融状態となって発泡し、粘着剤層中の気泡生成量が減少したり、テープ背面が凹凸を帯びる等の不都合が発生し、逆に上記溶融混合物の密度が0.950g/cm3 を超えると、ポリエチレン系樹脂層の腰が強くなって、クラフト紙粘着テープで段ボール箱等を封緘する時の作業性が低下したり、クラフト紙粘着テープ自体の反発力が強くなって、段ボール箱等に貼り付けた後に剥がれやすくなる。
また、上記溶融混合物のMFRが2g/10分未満であると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時の高速加工性が阻害され、逆に上記溶融混合物のMFRが20g/10分を超えると、クラフト紙にポリエチレン系樹脂層を積層する時にネックインが大きくなり、生産性が低下する。
クラフト紙の一方の面に上述した(a)成分、(b)成分及び(c)成分からなるポリエチレン系樹脂層を積層する方法としては、生産性が良く、クラフト紙とポリエチレン系樹脂層との接着性も優れたものとなることから、押出しラミネーション法を採用することが好ましい。上記ポリエチレン系樹脂層は、単層であっても良いし、2層以上の多層であっても良い。
また、上記ポリエチレン系樹脂層中には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
ポリエチレン系樹脂層の全体の厚みは、特に限定されるものではないが、10〜25μmであることが好ましい。ポリエチレン系樹脂層の全体の厚みが10μm未満であると、ポリエチレン系樹脂層の強度や耐熱性が不十分となることがあり、逆にポリエチレン系樹脂層の全体の厚みが25μmを超えると、ポリエチレン系樹脂層の腰が強くなって、クラフト紙粘着テープがカールや反りを起こしやすくなることがある。
粘着テープの製造方法
本発明は、粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープの製造方法であって、該テープ基材の片面に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡を形成させる工程を含み、
テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであり、かつ
該離型剤層が、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる、方法を提供する。
本発明は、粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープの製造方法であって、該テープ基材の片面に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡を形成させる工程を含み、
テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであり、かつ
該離型剤層が、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる、方法を提供する。
本発明の方法は、テープ基材、離型剤層及び任意選択でポリエチレン系樹脂層がこの順に積層されている積層体に対し、テープ基材の片面(離型剤層に接していない面)に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡を形成させる工程を含む。テープ基材がポリエチレン系樹脂層を備えるものである場合、テープ基材と離型剤層との間にポリエチレン系樹脂層が配置されるように、テープ基材が有する2面のうちポリエチレン系樹脂層が積層されている方の面に粘着剤層を積層する。
粘着層の形成方法、テープ基材への離型剤層のポリエチレン系樹脂層及び積層方法の積層方法などは前述したとおりである。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明がかかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
(製造例1)
離型剤成分R1の合成
攪拌機、冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた反応容器中に、ポリビニルアルコール(重合度1100、鹸化度98モル%)10gを、脱水したキシレン50g中に分散させ、還流温度で、オクタデシルイソシアネート67gと触媒(ジラウリン酸ジブチル錫)0.01gを加えて反応させた。反応の進行に伴い、ポリビニルアルコールの粉末が無くなって行くが、完全に消失してから、さらに2時間反応させた。その後、40℃まで冷却し、反応溶液を1000gのメタノール中に注いで、白色沈殿物を得た。これをメタノールで洗浄し、次いで、ヘキサンで洗浄して、乾燥させて、離型剤成分R1を得た。
離型剤成分R1の合成
攪拌機、冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた反応容器中に、ポリビニルアルコール(重合度1100、鹸化度98モル%)10gを、脱水したキシレン50g中に分散させ、還流温度で、オクタデシルイソシアネート67gと触媒(ジラウリン酸ジブチル錫)0.01gを加えて反応させた。反応の進行に伴い、ポリビニルアルコールの粉末が無くなって行くが、完全に消失してから、さらに2時間反応させた。その後、40℃まで冷却し、反応溶液を1000gのメタノール中に注いで、白色沈殿物を得た。これをメタノールで洗浄し、次いで、ヘキサンで洗浄して、乾燥させて、離型剤成分R1を得た。
(製造例2)
水分散系離型剤の作製方法
加圧・加熱状態にある高圧式乳化機に、離型剤成分R1、高分子界面活性剤S1(カルボン酸含有ビニル重合体のナトリウム塩、Mw4000)高沸点溶剤のケロシンからなる離型剤成分を投入し、95℃で、10分間、500rpmで、攪拌して、溶融混合物を得た。次に、一般の界面活性剤SA1(1g)を溶解した水800gを加圧下に100℃に昇温し、先ず、その中の50gの水を、前記高圧式乳化機の中に、1000rpmで攪拌しながら、ゆっくりと滴下して、離型剤組成物の中に水を分散させ、W/O型のエマルジョンを作製した。しかる後に、残りの100℃の水750gを、攪拌速度5000rpmの下で、滴下して、O/W型のエマルジョンに転相乳化を行い、更に、徐々に冷却して、水分散系離型剤を作製した。表1に示されるように、得られた水分散系離型剤の平均粒子径は、0.39μmで、長時間、沈降や凝集がなく、安定であった。
水分散系離型剤の作製方法
加圧・加熱状態にある高圧式乳化機に、離型剤成分R1、高分子界面活性剤S1(カルボン酸含有ビニル重合体のナトリウム塩、Mw4000)高沸点溶剤のケロシンからなる離型剤成分を投入し、95℃で、10分間、500rpmで、攪拌して、溶融混合物を得た。次に、一般の界面活性剤SA1(1g)を溶解した水800gを加圧下に100℃に昇温し、先ず、その中の50gの水を、前記高圧式乳化機の中に、1000rpmで攪拌しながら、ゆっくりと滴下して、離型剤組成物の中に水を分散させ、W/O型のエマルジョンを作製した。しかる後に、残りの100℃の水750gを、攪拌速度5000rpmの下で、滴下して、O/W型のエマルジョンに転相乳化を行い、更に、徐々に冷却して、水分散系離型剤を作製した。表1に示されるように、得られた水分散系離型剤の平均粒子径は、0.39μmで、長時間、沈降や凝集がなく、安定であった。
(実施例1)
クルパック加工及びウェットストレングス加工が施された坪量75g/m2 の未晒クラフト紙の一方の面上に、(a)成分として密度0.973g/cm3 、MFR28g/10分の高密度ポリエチレン樹脂、(b)成分として密度0.916g/cm3 、MFR4.2g/10分、MT3.2gの高圧法低密度ポリエチレン樹脂、(c)成分として密度0.935g/cm3 、MFR2g/10分、MT8gの高圧法低密度ポリエチレン樹脂からなる密度0.935g/cm3 、MFR7g/10分の溶融混合物を押出しラミネーション法により押出して、厚み15μmのポリエチレン系樹脂層を積層した。次に、このポリエチレン系樹脂層の表面に上記製造例2で製造した離型剤を固形分の塗工量が0.5g/m2 となるように塗工して離型剤層を形成した。尚、用いたクラフト紙の「横方向の基材強度」及び「テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比」を表1に示す。
クルパック加工及びウェットストレングス加工が施された坪量75g/m2 の未晒クラフト紙の一方の面上に、(a)成分として密度0.973g/cm3 、MFR28g/10分の高密度ポリエチレン樹脂、(b)成分として密度0.916g/cm3 、MFR4.2g/10分、MT3.2gの高圧法低密度ポリエチレン樹脂、(c)成分として密度0.935g/cm3 、MFR2g/10分、MT8gの高圧法低密度ポリエチレン樹脂からなる密度0.935g/cm3 、MFR7g/10分の溶融混合物を押出しラミネーション法により押出して、厚み15μmのポリエチレン系樹脂層を積層した。次に、このポリエチレン系樹脂層の表面に上記製造例2で製造した離型剤を固形分の塗工量が0.5g/m2 となるように塗工して離型剤層を形成した。尚、用いたクラフト紙の「横方向の基材強度」及び「テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比」を表1に示す。
次いで、上記クラフト紙の他方の面(ポリエチレン系樹脂層が積層されていない方の面)に水を塗工量が約4g/m2 となるようにスプレー塗工した後、この上に、熱可塑性エラストマーとしてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンTR−1107」、シェル化学社製)100重量部、粘着性付与樹脂として石油樹脂(商品名「クイントンA−100」、日本ゼオン社製)100重量部、軟化剤としてプロセスオイル(商品名「シェルフレックス702」、シェル化学社製)30重量部及び酸化防止剤(老化防止剤)として商品名「ヨシノックス425」(吉富製薬社製)1重量部からなる熱可塑性エラストマー系ホットメルト系粘着剤を塗工量が40g/m2 となるようにダイコーターで溶融塗工して粘着剤層を積層し、引き続き160℃の加熱乾燥装置中に30秒間放置して、粘着剤層中に気泡が生成したクラフト紙粘着テープを作製した。
比較例1
離型剤として、Si系離型剤(信越化学社製、商品名:KNS-320A)を用いる以外、実施例1と同様にして、粘着テープを製造した。
離型剤として、Si系離型剤(信越化学社製、商品名:KNS-320A)を用いる以外、実施例1と同様にして、粘着テープを製造した。
比較例2〜4
表1に示す強度の基材を用いる以外、実施例1と同様にして、粘着テープを製造した。
表1に示す強度の基材を用いる以外、実施例1と同様にして、粘着テープを製造した。
評価
上記で製造した粘着テープについて、下記の方法で評価を行った。
上記で製造した粘着テープについて、下記の方法で評価を行った。
自背面接着性
JIS Z0237に準じ、自背面に2kgローラーにて10mm/秒の早さで2往復圧着後、300mm/分の速度で180度剥離力を測定した。
評価基準は以下の通りである:
○:1N/10mm以上
×:1N/10mm未満。
JIS Z0237に準じ、自背面に2kgローラーにて10mm/秒の早さで2往復圧着後、300mm/分の速度で180度剥離力を測定した。
評価基準は以下の通りである:
○:1N/10mm以上
×:1N/10mm未満。
継ぎ部せん断強度
ボール紙に幅10mm、長さ10mmにカットしたテープを貼付け、2kgローラーにて10mm/秒の早さで2往復圧着後、引張試験機にて300mm/分の速度で180度剥離力を測定した値を継ぎ部剪断力とした。
○:50N/10cm2以上
×:50N/10cm2未満。
ボール紙に幅10mm、長さ10mmにカットしたテープを貼付け、2kgローラーにて10mm/秒の早さで2往復圧着後、引張試験機にて300mm/分の速度で180度剥離力を測定した値を継ぎ部剪断力とした。
○:50N/10cm2以上
×:50N/10cm2未満。
手切れ性
テープに切り込みを入れず、手でスムーズに引裂けるかどうかを下記基準で評価した。
評価基準は以下の通りである:
○:容易に手で引裂く事が出来るもの
×:容易に手で引裂く事が出来ず、切断面が極端に斜めになるもの。
テープに切り込みを入れず、手でスムーズに引裂けるかどうかを下記基準で評価した。
評価基準は以下の通りである:
○:容易に手で引裂く事が出来るもの
×:容易に手で引裂く事が出来ず、切断面が極端に斜めになるもの。
低温(0℃)施工性
0℃環境にて、TAー500タックテスター(UBM社製)にて、圧着時間0.5sec、圧着100g/cm2条件ででタックを測定し低温での貼り付き性を評価した。
○:200g/cm2以上
×:200g/cm2未満。
0℃環境にて、TAー500タックテスター(UBM社製)にて、圧着時間0.5sec、圧着100g/cm2条件ででタックを測定し低温での貼り付き性を評価した。
○:200g/cm2以上
×:200g/cm2未満。
総合評価
本発明が属するクラフトテープの分野においては、 自背面接着性、継ぎ部せん断強度、手切れ性及び低温(0℃)施工性の全てが優れていることが所望される。従って、上記項目の全てが○である場合、総合評価を○とし、上記項目のうち、1つでも×評価がある場合、総合評価を×とする。
本発明が属するクラフトテープの分野においては、 自背面接着性、継ぎ部せん断強度、手切れ性及び低温(0℃)施工性の全てが優れていることが所望される。従って、上記項目の全てが○である場合、総合評価を○とし、上記項目のうち、1つでも×評価がある場合、総合評価を×とする。
Claims (1)
- 粘着剤層、テープ基材及び離型剤層を備える粘着テープであって、該テープ基材の片面に熱分解型発泡剤層を形成し、この発泡剤層の表面に粘着剤を塗布した後、発泡剤を加熱によって発泡させることにより、粘着剤層中に複数の気泡が形成されており、
テープ基材の横方向の基材強度が120N/25mm以上であり、テープ基材の横方向の基材強度に対する縦方向の基材強度の比[縦方向の基材強度]/[横方向の基材強度]が0.9〜1.4であり、テープ基材の引裂強度が0.7〜1.2Nであり、かつ
該離型剤層が、重合度が300〜5000、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体(a)の水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキシ基からなる群より選ばれ、水酸基と反応する官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜30である長鎖アルキル化合物(b)を官能基換算で0.5当量以上の割合で反応させて得られる離型剤成分[A]を含む離型剤組成物からなる、粘着テープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014195317A JP2016065162A (ja) | 2014-09-25 | 2014-09-25 | ホットメルト系粘着剤及び水分散系離型剤を用いた粘着テープ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2014195317A JP2016065162A (ja) | 2014-09-25 | 2014-09-25 | ホットメルト系粘着剤及び水分散系離型剤を用いた粘着テープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016065162A true JP2016065162A (ja) | 2016-04-28 |
Family
ID=55805095
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JP2014195317A Pending JP2016065162A (ja) | 2014-09-25 | 2014-09-25 | ホットメルト系粘着剤及び水分散系離型剤を用いた粘着テープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016065162A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109321893A (zh) * | 2018-10-16 | 2019-02-12 | 清华大学 | 石墨烯保护膜的制备方法、石墨烯保护膜及其使用方法 |
-
2014
- 2014-09-25 JP JP2014195317A patent/JP2016065162A/ja active Pending
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