JP6031640B2 - ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Description
本発明は、ホットメルト接着剤に関する。
ホットメルト接着剤は、加熱によって溶融された状態で、接着対象物である被着体に塗布し、溶融されたホットメルト接着剤を介して、被着体同士を接触させた状態で保持することにより、被着体同士を接着させるものである。このようなホットメルト接着剤は、例えば、段ボールや小箱等の包装分野、紙おむつや生理用品等の衛生材料分野、製本分野、合板分野、木工分野、自動車分野、家電分野、住宅分野等の、様々な分野に用いられている。
また、ホットメルト接着剤は、上述したように、加熱によって溶融された状態で塗布されるものであるので、溶剤を特に必要としないものである。このため、ホットメルト接着剤は、人体への安全性が高い接着剤として、例えば、衛生材料分野で好ましく用いられている。具体的には、紙おむつや生理用品等の使い捨て衛生材料において、その構成部材の固定や組み立てにホットメルト接着剤が広く用いられている。
このような衛生材料分野でホットメルト接着剤を用いた場合、その用途から、体液等の水分と接触する機会が多い。ホットメルト接着剤の中には、水分と接触すると接着性が低下するもの、すなわち、湿潤状態での接着性が低いものがあることが知られている。このようなホットメルト接着剤であると、水分との接触機会が多い分野では、製品の使用時等に構成材料間の接着が維持されず、製品自体が崩壊するおそれがある。このため、ホットメルト接着剤には、湿潤状態での接着性の維持が求められている。
このような湿潤状態での接着性を高めた接着剤としては、例えば、特許文献1〜3に記載の接着剤が挙げられる。
特許文献1には、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックとエチレン−ブチレン共重合体ブロックとの共重合体の1種もしくは2種以上の混合物であり、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有するか、或いは酸価が1以上である熱可塑性ブロック共重合体Aと、上記ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックとイソプレン重合体との共重合体の1種もしくは2種以上の混合物からなる熱可塑性ブロック共重合体Bとを含有する接着剤組成物が記載されている。
特許文献1によれば、得られた接着剤組成物は、セルロース質製品や不織布、紙製品等の繊維製品、オレフィン系樹脂シートなどに対し、特に湿潤状態における接着性が向上する旨が開示されている。
また、特許文献2には、酸変性熱可塑性ブロック共重合体、粘接着性付与樹脂、可塑化オイルおよびワックスが含有されてなるホットメルト接着剤が記載されている。
特許文献2によれば、得られたホットメルト接着剤は、ポリオレフィン樹脂系被着体およびセルロース系被着体のいずれに対しても優れた接着性を有し、しかも被着体が乾燥状態であっても湿潤状態であっても、接着直後から長期保管後に至るまで優れた接着性を発現する旨が開示されている。
また、特許文献3には、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体と、カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物で変性されたワックスとを、含有するホットメルト接着剤が記載されている。
特許文献3によれば、得られたホットメルト接着剤は、湿潤接着性が改良される旨が開示されている。
ところで、ホットメルト接着剤を用いた接着方法では、まず、ホットメルト接着剤を、加熱によって溶融させる。そして、その溶融状態のホットメルト接着剤を、被着体から一定距離離れた塗工機のノズルから、圧縮空気を用いて、被着体に向かって吐出する。そうすることによって、溶融されたホットメルト接着剤は、被着体に線状等の形状で塗布される。そして、この塗布されたホットメルト接着剤に、もう一方の被着体を接触させた状態で放置することで、このホットメルト接着剤が冷却し、固化される。この固化されたホットメルト接着剤が、被着体同士を接着させる。また、塗工機のノズルからホットメルト接着剤を吐出させる際、ホットメルト接着剤の押し出し方向を偏向させることで、被着体にホットメルト接着剤が、一定の形状、例えば、螺旋状に描画されるように塗布される。このような、ホットメルト接着剤の塗布形状は、求められる接着強度等に応じて適宜選択される。
一方で、ホットメルト接着剤を用いて製造される製品の生産効率を高めるために、高速で少量のホットメルト接着剤で、被着体同士の充分な接着性を確保することが求められる。具体的には、塗工機のノズル径を小さくし、溶融されたホットメルト接着剤の流速を高めて、塗布されるホットメルト接着剤の量を少なくしても、被着体同士の充分な接着性を確保することが求められる。
しかしながら、塗工機のノズル径を小さくし、溶融されたホットメルト接着剤の流速を高めると、ノズル内での、ホットメルト接着剤の流れが不安定となり、均一な塗布が困難になる傾向がある。特に、ホットメルト接着剤の粘弾性の均一性が低下していると、ノズル内の圧力や流速が急激に変化し、ホットメルト接着剤を充分に偏向できなかったり、ホットメルト接着剤が飛散したり閉塞したりする等して、ホットメルト接着剤の塗布形状が急激に変わることがある。このような塗布形状の急激な変化等の、塗工性の悪化は、接着性の低下の原因にもなりうるので、良好な塗工性の維持は、塗工開始時に求められるだけではなく、長期間にわたって求められる。長期間にわたって、ホットメルト接着剤を塗布していると、塗工機内で、溶融されたホットメルト接着剤が部分的に長期間滞留することもありうる。そういった場合であっても、ホットメルト接着剤の良好な均一性が維持されることが求められる。このことから、ホットメルト接着剤には、良好な塗工性を長期間にわたって維持するために、塗工機内での不溶融物の堆積や流路の閉塞等を起こすことがないような、良好な均一性が維持されるような長期熱安定性が求められる。
本発明は、湿潤状態での接着性に優れ、さらに、長期熱安定性及び塗工性にも優れたホットメルト接着剤を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤とを含み、前記粘着付与剤が、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている酸変性粘着付与剤を含むことを特徴とするホットメルト接着剤である。
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載から明らかになるだろう。
本発明者等の検討によれば、特許文献1〜3に記載の接着剤であれば、湿潤状態での接着性が向上したとしても、種々の不具合が発生することがわかった。
例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の接着剤では、上述したように、酸変性した熱可塑性ブロック共重合体を用いることで、粘着力の低下が発生する場合があった。また、このような接着剤では、寒冷状態での性能低下や、臭気の発生等の不具合が発生する場合もあった。
また、特許文献3に記載の接着剤では、湿潤状態での接着性を充分に向上させることができない場合があった。このことは、酸変性されたワックスである、カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物で変性されたワックスは、熱可塑性ブロック共重合体との相溶性が低いためであると考えられる。まず、湿潤状態での接着性を高めるために、酸変性されたワックスの含有量を増やそうとすると、ホットメルト接着剤の均一性が低下して、塗工性が低下する。このため、酸変性されたワックスの含有量を増やして、湿潤状態での接着性を高めることは困難である。さらに、酸変性されたワックスを比較的少量で添加した場合であっても、ホットメルト接着剤を溶融状態で長期間にわたって使用すると、ワックスと熱可塑性ブロック共重合体との相溶性が低いために、塗工機内の、溶融したホットメルト接着剤が滞留しやすい領域において、ホットメルト接着剤の不均一性が高まってしまう。また、酸変性されたワックスの含有量が増えると、粘着力の低下や粘度の変化により、同一塗布条件では湿潤状態での接着性の向上効果が充分に得られない場合もあった。このように、粘着力や粘度が変化すると、ホットメルト接着剤の配合を変更するたびに、塗工条件を見直す必要があった。
そこで、ホットメルト接着剤には、上記のことを解消するために、湿潤状態での接着性に優れ、さらに、長期熱安定性及び塗工性にも優れていることが求められる。また、本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るホットメルト接着剤は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤とを含む。そして、前記粘着付与剤は、マレイン酸及びマレイン酸無水物(無水マレイン酸)の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている酸変性粘着付与剤を含む。すなわち、本実施形態に係るホットメルト接着剤は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤とを含み、前記粘着付与剤が、前記酸変性粘着付与剤を含むものであれば、特に限定されない。このようなホットメルト接着剤は、通常のホットメルト接着剤が発揮しうる性能、例えば、接着性等を発揮しつつ、さらに、湿潤状態での接着性、長期熱安定性、及び塗工性にさらに優れたものである。すなわち、このようなホットメルト接着剤は、湿潤状態での接着性を高めつつ、通常のホットメルト接着剤が発揮しうる性能を充分発揮し、さらに、優れた長期熱安定性及び塗工性を実現するものである。なお、ホットメルト接着剤とは、常温で固形(又は固体)であり、加熱することで流動性を有し、例えば、芯材、被着体等の接着対象物に塗布することができ、再度、冷却することで固化し接着する接着剤である。
まず、本実施形態において用いられる熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤を構成する成分として用いられる熱可塑性ポリマーであれば、特に限定されない。また、この熱可塑性ポリマーとしては、ホットメルト接着剤の主成分であるベースポリマーとして用いられる熱可塑性ポリマー等が挙げられる。熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、エラストマー系の熱可塑性ポリマー、オレフィン系の熱可塑性ポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)系の熱可塑性ポリマー、ポリエステル系の熱可塑性ポリマー、及びポリアミド系の熱可塑性ポリマーが挙げられる。この中でも、本実施形態においては、エラストマー系の熱可塑性ポリマー及びオレフィン系の熱可塑性ポリマーが好ましく、エラストマー系の熱可塑性ポリマーがより好ましい。
エラストマー系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、エラストマー系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、共役ジエン化合物に基づく構成単位(共役ジエン単位)を有する重合体である共役ジエン系重合体等が挙げられる。また、エラストマー系の熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体等が挙げられる。すなわち、前記熱可塑性ポリマーとして、このような熱可塑性ブロック共重合体が好ましく用いられる。
共役ジエン系化合物は、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物であれば、特に限定されない。共役ジエン系化合物としては、具体的には、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。
ビニル系芳香族炭化水素は、ビニル基を有する芳香族炭化水素であれば、特に限定されない。ビニル系芳香族炭化水素としては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセン等が挙げられる。
共役ジエン系重合体としては、水素添加した水素添加型の共役ジエン系共重合体であってもよいし、水素添加していない非水素添加型の共役ジエン系共重合体であってもよい。
熱可塑性ポリマーとしては、熱可塑性ブロック共重合体が好ましく、その具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマー、及び水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマー等が挙げられる。また、これらの共重合体は、ABA型トリブロック共重合体を含む。スチレン−ブタジエンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)等が挙げられる。また、スチレン−イソプレンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)等が挙げられる。また、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)等が挙げられる。また、水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)等が挙げられる。
また、熱可塑性ポリマーとして、上記のような熱可塑性ブロック共重合体を用いた場合、優れた接着性や粘着性等を発揮するものの、被着体の素材等によっては、湿潤状態での接着性が低下する場合があった。本実施形態に係るホットメルト接着剤であれば、他の性能を維持しつつ、湿潤状態での接着性を高めることができるので、熱可塑性ブロック共重合体の有する、優れた接着性や粘着性等を維持しつつ、湿潤状態での接着性を高めることができる。このため、熱可塑性ポリマーとして、上記熱可塑性ブロック共重合体を用いることが好ましい。
オレフィン系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、オレフィン系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、α−オレフィン等のオレフィン(アルケン)をモノマーとして重合されたポリマー等が挙げられる。オレフィン系の熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、プロピレンの単独重合体(プロピレンホモポリマー)等が挙げられ、より具体的には、メタロセン触媒を用いてプロピレンを重合して得られたプロピレンホモポリマー等が挙げられる。
EVA系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、EVA系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、エチレンと酢酸ビニルから合成される共重合体等が挙げられる。
ポリエステル系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリエステル系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されない。ポリエステル系の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、モノマーとしてダイマー酸を用いて重合されたポリエステル等が挙げられる。
ポリアミド系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリアミド系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリアミド等が挙げられる。
前記熱可塑性ポリマーは、上述したような熱可塑性ポリマーを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、熱可塑性ポリマーの種類等によっても異なり、特に限定されないが、例えば、1万〜50万であることが好ましく、5万〜30万であることがより好ましい。熱可塑性ポリマーの分子量が小さすぎると、凝集力が低下し、また経時安定性が低下する傾向がある。また、熱可塑性ポリマーの分子量が大きすぎると、溶融粘度が上昇して塗工性が低下する傾向がある。なお、ここでの重量平均分子量は、一般的な測定方法で測定した重量平均分子量であればよく、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した重量平均分子量等が挙げられる。
次に、本実施形態において用いられる粘着付与剤は、前記酸変性粘着付与剤を含む。前記酸変性粘着付与剤は、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方(マレイン酸成分)と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ((メタ)アクリル酸成分)との両者で変性されていればよい。また、前記酸変性粘着付与剤は、前記変性以外に、マレイン酸成分や(メタ)アクリル酸成分以外の、カルボン酸やカルボン酸無水物等でも変性されていてもよい。すなわち、前記酸変性粘着付与剤は、マレイン酸成分と、(メタ)アクリル酸成分との両方で変性されているものであれば、特に限定されない。
また、酸変性粘着付与剤は、例えば、ホットメルト接着剤において粘着付与剤として一般的に用いられる粘着付与剤を、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性したもの等が挙げられる。また、より具体的には、酸変性粘着付与剤としては、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとが、粘着付与剤にグラフト付加することで得られる酸変性粘着付与剤が挙げられる。また、酸変性粘着付与剤としては、粘着付与剤を重合により合成する際に、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとを、粘着付与剤の原料となるモノマーとともに共重合することで得られる酸変性粘着付与剤が挙げられる。
この酸変性粘着付与剤における、変性させる前の粘着付与剤としては、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる粘着付与剤であれば、特に限定されない。この変性前の粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、トールロジン及びウッドロジン等の天然ロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル及びペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。また、このロジン系樹脂は、上記各ロジン系樹脂を、水素添加していないものであってもよいし、水素添加したもの、すなわち、上記ロジン系樹脂の水素添加物(水素化物)であってもよい。
テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、及びフェノール系変性テルペン樹脂等が挙げられる。また、このテルペン系樹脂は、上記各テルペンを、水素添加していないものであってもよいし、水素添加したもの、すなわち、上記テルペン系樹脂の水素添加物(水素化物)であってもよい。
石油系樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、及びこれらの水素添加物(水素化物)等が挙げられる。
変性前の粘着付与剤としては、上記粘着付与剤の中でも、テルペン系樹脂や石油系樹脂水素化物が好ましく、テルペン系樹脂がより好ましい。変性前の粘着付与剤としてのテルペン系樹脂は、再生可能資源であり、臭気や着色の面で優れ、さらに、熱可塑性ポリマーとの相溶性に優れる。また、前記酸変性粘着付与剤の中でも、テルペン系樹脂を上記酸変性させた酸変性粘着付与剤が、乾燥状態での接着性、例えば、ポリオレフィンとの乾燥状態での接着性をより高める点で好ましい。
また、テルペン系樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン樹脂水素化物が好ましく、芳香族変性テルペン樹脂水素化物がより好ましい。すなわち、変性前の粘着付与剤として、テルペン系樹脂を用いた酸変性粘着付与剤としては、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、芳香族変性テルペン樹脂、及びテルペン樹脂水素化物が好ましい。また、前記酸変性粘着付与剤としては、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物がより好ましい。
また、石油系樹脂水素化物としては、脂肪族石油樹脂水素化物、脂環族石油樹脂水素化物、芳香族石油樹脂水素化物が好ましい。すなわち、変性前の粘着付与剤として、石油系樹脂水素化物を用いた酸変性粘着付与剤としては、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている、脂肪族石油樹脂水素化物、脂環族石油樹脂水素化物、芳香族石油樹脂水素化物が好ましい。
変性前の粘着付与剤としては、上記粘着付与剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、酸変性に用いるカルボン酸やカルボン酸無水物等としては、上述したように、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとを用いる。
また、前記アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びアクリル酸ブチル等が挙げられる。また、前記メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、及びメタクリル酸ブチル等が挙げられる。
また、酸変性に用いるカルボン酸等としては、これら以外のカルボン酸やカルボン酸無水物等を用いてよく、この他のカルボン酸やカルボン酸無水物(マレイン酸成分や(メタ)アクリル酸成分以外の、カルボン酸やカルボン酸無水物)等としては、特に限定されない。
酸変性に用いる、マレイン酸以外のカルボン酸としては、例えば、フマル酸、コハク酸、フタル酸、グルタル酸、イタコン酸、アクリル酸、及びメタクリル酸等が挙げられる。
酸変性に用いる、マレイン酸無水物以外のカルボン酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、及び無水グルタル酸等が挙げられる。
また、酸変性粘着付与剤は、上記構成のものであれば、特に限定されない。具体的には、酸変性粘着付与剤としては、下記式(1)で表される化合物等が挙げられる。また、下記式(1)で表される化合物は、下記式(1)で表される繰り返し単位を有していればよく、例えば、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。また、下記式(1)で表される化合物は、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するランダム共重合体であることが好ましい。
式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は下記式(2)で表される官能基を示す。また、aは、R1の置換度を示し、0〜3を示し、0〜1であることが好ましい。また、複数のR1とR2とのうちの少なくとも1つが、下記式(2)で表される官能基を示す。また、m,nは、重合度を示し、nは、nとmとの合計に対する比率が、0以上1未満であれば、特に限定されない。また、上記式(1)で表される化合物は、重量平均分子量が、100〜10000であることが好ましく、300〜4000であることがより好ましい。すなわち、nとmとは、重量平均分子量が上記範囲内になる重合度であることが好ましい。また、重量平均分子量は、一般的な分子量測定で測定することができ、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等を用いて測定することができる。また、下記式(2)で表される官能基は、下記式(2)で表される繰り返し単位を有していればよく、例えば、ランダム共重合体からなる官能基であっても、ブロック共重合体からなる官能基であってもよい。また、下記式(2)で表される官能基は、下記式(2)で表される繰り返し単位を有するランダム共重合体からなる官能基であることが好ましい。また、式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子又は官能基を示す。この官能基としては、例えば、メチル基、エチル基、及びブチル基等が挙げられる。また、l,kは、重合度を示し、それぞれ1以上であれば特に限定されない。また、下記式(2)で表される官能基は、上記式(1)で表される化合物の重量平均分子量が上記範囲内になる重合度であることが好ましい。また、下記式(2)で表される官能基の官能基数は、上記式(1)で表される化合物1分子中に1以上である。
酸変性粘着付与剤の製造方法としては、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている酸変性粘着付与剤を製造することができれば、特に限定されない。酸変性粘着付与剤の製造方法としては、具体的には、原料となる粘着付与剤の溶融物に、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとの両者を添加し、付加反応させる方法等が挙げられる。この付加反応させる際に、ラジカル発生剤を用いてもよい。また、酸変性粘着付与剤の製造方法としては、原料となる粘着付与剤、ラジカル発生剤、及びマレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとを、加熱溶融させ、溶融混合させることにより、付加反応させる方法等が挙げられる。この際、溶融混合時の温度としては、粘着付与剤が溶融できる温度であればよいが、例えば、160〜200℃等が挙げられる。また、この方法を実現する装置としては、原料を溶融混合させることができる装置であれば、特に限定されない。この装置としては、例えば、加熱装置を備えた、攪拌混練機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等が挙げられる。
上記付加反応に用いられるラジカル発生剤は、上記付加反応を進行させることができるものであれば、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができる。ラジカル発生剤としては、例えば、有機過酸化物系化合物等が挙げられる。有機過酸化物系化合物としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエ−ト、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート等が挙げられる。この中でも、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
ラジカル発生剤の添加量は、上記付加反応を好適に進行させることができれば、特に限定されない。ラジカル発生剤の添加量としては、カルボン酸及びカルボン酸無水物の合計質量に対し、1〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。ラジカル発生剤の添加量を上記範囲内とすることにより、酸変性粘着付与剤の低分子量化を抑制しつつ、主鎖に付加反応させることができる。
また、本実施形態において用いられる粘着付与剤は、前記酸変性粘着付与剤を含んでいればよく、前記酸変性粘着付与剤からなるものであってもよいし、前記酸変性粘着付与剤以外の粘着付与剤を含むものであってもよい。すなわち、粘着付与剤としては、前記酸変性粘着付与剤と、酸変性されていない粘着付与剤とを含むものであってもよい。
この酸変性されていない粘着付与剤としては、特に限定されず、例えば、変性させる前の粘着付与剤と同様のものが挙げられる。
前記酸変性粘着付与剤の含有量は、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。前記酸変性粘着付与剤の含有量としては、例えば、粘着付与剤の全量、すなわち、前記酸変性粘着付与剤と、酸変性されていない粘着付与剤との合計質量に対して、0.1〜100質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。前記酸変性粘着付与剤の含有量が少なすぎると、前記酸変性粘着付与剤を含有させた効果を充分に発揮できず、湿潤状態での接着性が充分に高まらない傾向がある。また、前記酸変性粘着付与剤の含有量が多くても、本発明の効果を充分に発揮できる。その一方で、必要とされる湿潤接着性を満たす以上に酸変性粘着付与剤の含有量が多くなると、経済性の面で不利である。
次に、本実施形態に係るホットメルト接着剤には、軟化剤をさらに含有することが好ましい。この本実施形態において用いられる軟化剤は、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる軟化剤であれば、特に限定されない。軟化剤としては、例えば、流動パラフィン 等のパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、及び芳香族系オイル等が挙げられる。また、前記軟化剤は、上記例示した各軟化剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記熱可塑性ポリマー、前記粘着付与剤及び前記軟化剤の各含有量は、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。前記各含有量としては、例えば、以下のような範囲が挙げられる。
前記熱可塑性ポリマーの含有量は、前記熱可塑性ポリマーと前記粘着付与剤と前記軟化剤との合計質量に対して、10〜75質量%であることが好ましく、15〜65質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましい。前記熱可塑性ポリマーの含有量が少なすぎると、凝集力が不足する傾向がある。また、前記熱可塑性ポリマーの含有量が多すぎると、溶融粘度が上昇して、塗工性が低下する傾向がある。なお、この含有量は、ホットメルト接着剤全量に対しての含有量である。
前記粘着付与剤の含有量が、前記合計質量に対して、20〜80質量%であることが好ましく、35〜70質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることがさらに好ましい。前記粘着付与剤の含有量が少なすぎると、粘着力が低下し、接着強度が低下する傾向がある。また、前記粘着付与剤の含有量が多すぎると、柔軟性や可撓性を喪失し、応力分散性が低下して保持力が低下する傾向がある。なお、この含有量は、ホットメルト接着剤全量に対しての含有量である。
また、前記軟化剤を含有する場合は、その含有量が、前記合計質量に対して、5〜40質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。前記軟化剤の含有量が少なすぎると、溶融粘度が上昇して、塗工性が低下する傾向がある。また、前記軟化剤の含有量が多すぎると、凝集力や接着力が低下し、保持力が低下する傾向がある。なお、この含有量は、ホットメルト接着剤全量に対しての含有量である。
これらのことから、前記ホットメルト接着剤において、前記熱可塑性ポリマーの含有量が、ホットメルト接着剤全量に対して、10〜75質量%であり、前記粘着付与剤の含有量が、ホットメルト接着剤全量に対して、20〜80質量%であることが好ましい。また、ホットメルト接着剤に前記軟化剤を含有する場合は、その軟化剤の含有量が、前記合計質量に対して、5〜40質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るホットメルト接着剤には、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で、前記熱可塑性ポリマー、前記粘着付与剤、及び前記軟化剤以外のものを含有してもよい。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填材、界面活性剤、カップリング剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、ワックス、及び可塑剤等の添加剤を含有してもよい。
また、酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤や有機硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。有機硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、上記例示した酸化防止剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ワックスは、ホットメルト接着剤に含有されるワックスであれば、特に限定されない。ワックスとしては、例えば、合成ワックス、石油ワックス、及び天然ワックス等が挙げられる。また、合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等の、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。石油ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトラタム等が挙げられる。天然ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、木ロウ、カルバナロウ、ミツロウ、及びカスターワックス等が挙げられる。これらのワックスは、上記例示したワックスを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るホットメルト接着剤を製造する方法としては、上記構成のホットメルト接着剤を製造することができる製造方法であれば、特に限定されない。ホットメルト接着剤を製造する方法としては、例えば、ホットメルト接着剤を構成する成分を加熱溶融し、攪拌混練する方法等が挙げられる。そうすることによって、ホットメルト接着剤を構成する成分の分散性の高いホットメルト接着剤が得られる。また、この方法を実現する装置としては、例えば、加熱装置を備えた、攪拌混練機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、及び押出機等が挙げられる。
ホットメルト接着剤を用いた接着方法は、ホットメルト接着剤を用いた接着方法として用いることができる方法であれば、特に限定されない。ホットメルト接着剤を用いた接着方法としては、例えば、ホットメルト接着剤を、加熱によって溶融させる。そして、その溶融状態のホットメルト接着剤を接着対象物である被着体に塗布する。この塗布されたホットメルト接着剤に、もう一方の被着体を接触させた状態で放置することで、このホットメルト接着剤が冷却し、固化される。この固化されたホットメルト接着剤が、被着体同士を接着させる。
ホットメルト接着剤を塗布する方法は、ホットメルト接着剤を被着体に好適に塗布できれば、特に限定されない。この塗布方法としては、例えば、接触塗布方法と非接触塗布方法とに大別される。接触塗布方法とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、塗工機等の、塗布に用いる装置を被着体に接触させた状態で塗布する塗布方法をいう。また、非接触塗布方法とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、塗工機等を被着体に接触させない状態で塗布する塗布方法をいう。接触塗布方法としては、例えば、スロット塗工(ノードソン株式会社製のスロットコートガン等)及びロールコーター塗工等が挙げられる。また、非接触塗布方法として、例えば、螺旋状に塗布できるスパイラル塗工(株式会社サンツール製のスパイラルスプレーノズル等)、波状に塗布できるスプレー塗工(ITWダイナテック株式会社製のオメガコート等)、面状に塗布できるスプレー塗工(株式会社サンツール製のカーテンスプレーヘッド等)、点状に塗工できるドット塗工等が挙げられる。本実施形態に係るホットメルト接着剤は、スパイラル塗工に適している。スパイラル塗工とは、間欠または連続塗工で接着剤をエアーでらせん状に非接触塗布する方法である。
本明細書は、上述したように、様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一局面は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤とを含み、前記粘着付与剤が、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている酸変性粘着付与剤を含むことを特徴とするホットメルト接着剤である。
このような構成によれば、湿潤状態での接着性に優れ、さらに、長期熱安定性及び塗工性にも優れたホットメルト接着剤を提供することができる。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記酸変性粘着付与剤が、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されているテルペン系樹脂であることが好ましい。
このような構成によれば、湿潤状態での接着性、長期熱安定性、及び塗工性により優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記酸変性粘着付与剤における、前記変性前のテルペン系樹脂が、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、芳香族変性テルペン樹脂、及びテルペン樹脂水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。すなわち、前記酸変性粘着付与剤が、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性されている、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、芳香族変性テルペン樹脂、及びテルペン樹脂水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
このような構成によれば、湿潤状態での接着性、長期熱安定性、及び塗工性により優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記酸変性粘着付与剤が、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている石油系樹脂水素化物であることが好ましい。
このような構成によれば、湿潤状態での接着性、長期熱安定性、及び塗工性により優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記酸変性粘着付与剤における、前記変性前の石油系樹脂水素化物が、脂肪族石油樹脂水素化物、脂環族石油樹脂水素化物、及び芳香族石油樹脂水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。すなわち、前記酸変性粘着付与剤が、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性されている、脂肪族石油樹脂水素化物、脂環族石油樹脂水素化物、及び芳香族石油樹脂水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
このような構成によれば、湿潤状態での接着性、長期熱安定性、及び塗工性により優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記熱可塑性ポリマーが、共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体であることが好ましい。
前記熱可塑性ポリマーとして、共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体を含むホットメルト接着剤は、優れた接着性や粘着性等を発揮するものの、被着体の素材等によっては、湿潤状態での接着性が低下する場合があった。上記の構成によれば、すなわち、前記酸変性粘着付与剤を含有するホットメルト接着剤であれば、前記熱可塑性ポリマーとして、前記熱可塑性ブロック共重合体を含む場合であっても、湿潤状態での接着性だけではなく、乾燥状態の接着性、粘着性、長期熱安定性及び塗工性にも優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記共重合体が、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマー、及び水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、湿潤状態での接着性に優れるだけではなく、乾燥状態の接着性、粘着性、長期熱安定性及び塗工性にもより優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記酸変性粘着付与剤の含有量が、前記粘着付与剤全量に対して、0.1〜100質量%であることが好ましい。
このような構成によれば、前記酸変性粘着付与剤を含有することによる、湿潤状態での接着性の向上効果をより効果的に発揮できる。すなわち、湿潤状態での接着性、長期熱安定性、及び塗工性により優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記ホットメルト接着剤において、前記熱可塑性ポリマーの含有量が、10〜75質量%であり、前記粘着付与剤の含有量が、20〜80質量%であることが好ましい。
また、前記ホットメルト接着剤において、軟化剤をさらに含むことが好ましい。
このような構成によれば、長期熱安定性及び塗工性に優れ、湿潤状態での接着性により優れたホットメルト接着剤が得られる。
また、前記ホットメルト接着剤において、軟化剤を含む場合、前記軟化剤の含有量が、5〜40質量%であることが好ましい。
このような構成によれば、湿潤状態での接着性、長期熱安定性、及び塗工性により優れたホットメルト接着剤が得られる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例で用いる酸変性粘着付与剤について説明する。
[酸変性粘着付与剤]
(製造例1:酸変性粘着付与剤1)
ステンレス鋼(SUS)製の反応釜中に、粘着付与剤である芳香族変性テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンK4100:軟化点100℃)750gを投入し、170℃で溶融させた。その後、反応釜内を窒素雰囲気下にし、反応釜中の溶融物に、無水マレイン酸22.5gとジクミルパーオキサイド5gとメタクリル酸ブチル22.5gとを1時間かけて滴下した。滴下完了後、170℃で30分間攪拌した後、反応釜内を減圧することにより、未反応物及びジクミルパーオキサイドの分解した低分子量化合物の除去を1時間行った。そうすることにより、淡黄色の固体が得られた。この固体が、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物(酸変性粘着付与剤1)であった。この得られた酸変性粘着付与剤1は、140℃での溶融粘度が3500mPa・sであり、重量平均分子量が1260であった。
(製造例1:酸変性粘着付与剤1)
ステンレス鋼(SUS)製の反応釜中に、粘着付与剤である芳香族変性テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンK4100:軟化点100℃)750gを投入し、170℃で溶融させた。その後、反応釜内を窒素雰囲気下にし、反応釜中の溶融物に、無水マレイン酸22.5gとジクミルパーオキサイド5gとメタクリル酸ブチル22.5gとを1時間かけて滴下した。滴下完了後、170℃で30分間攪拌した後、反応釜内を減圧することにより、未反応物及びジクミルパーオキサイドの分解した低分子量化合物の除去を1時間行った。そうすることにより、淡黄色の固体が得られた。この固体が、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物(酸変性粘着付与剤1)であった。この得られた酸変性粘着付与剤1は、140℃での溶融粘度が3500mPa・sであり、重量平均分子量が1260であった。
(製造例2:酸変性粘着付与剤2)
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンP115:軟化点115℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤2を製造した。この酸変性粘着付与剤2は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されているテルペン樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤2は、140℃での溶融粘度が3200mPa・sであり、重量平均分子量が1120であった。
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンP115:軟化点115℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤2を製造した。この酸変性粘着付与剤2は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されているテルペン樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤2は、140℃での溶融粘度が3200mPa・sであり、重量平均分子量が1120であった。
(製造例3:酸変性粘着付与剤3)
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、脂環族系石油樹脂水素化物(荒川化学工業株式会社製のアルコンM100:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤3を製造した。この酸変性粘着付与剤3は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂環族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤3は、140℃での溶融粘度が3700mPa・sであり、重量平均分子量が1170であった。
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、脂環族系石油樹脂水素化物(荒川化学工業株式会社製のアルコンM100:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤3を製造した。この酸変性粘着付与剤3は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂環族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤3は、140℃での溶融粘度が3700mPa・sであり、重量平均分子量が1170であった。
(製造例4:酸変性粘着付与剤4)
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、芳香族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のリガライトS5100:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤4を製造した。この酸変性粘着付与剤4は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤4は、140℃での溶融粘度が1990mPa・sであり、重量平均分子量が990であった。
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、芳香族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のリガライトS5100:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤4を製造した。この酸変性粘着付与剤4は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤4は、140℃での溶融粘度が1990mPa・sであり、重量平均分子量が990であった。
(製造例5:酸変性粘着付与剤5)
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、脂肪族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のイーストタックC100R:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤5を製造した。この酸変性粘着付与剤5は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂肪族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤5は、140℃での溶融粘度が2630mPa・sであり、重量平均分子量が1000であった。
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、脂肪族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のイーストタックC100R:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤5を製造した。この酸変性粘着付与剤5は、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂肪族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤5は、140℃での溶融粘度が2630mPa・sであり、重量平均分子量が1000であった。
(製造例6:酸変性粘着付与剤6)
メタクリル酸ブチルを添加しないこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤6を製造した。この酸変性粘着付与剤6は、無水マレイン酸で変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤6は、(メタ)アクリル酸成分で変性されておらず、140℃での溶融粘度が3500mPa・sであり、重量平均分子量が1240であった。
メタクリル酸ブチルを添加しないこと以外、製造例1と同様にして、酸変性粘着付与剤6を製造した。この酸変性粘着付与剤6は、無水マレイン酸で変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤6は、(メタ)アクリル酸成分で変性されておらず、140℃での溶融粘度が3500mPa・sであり、重量平均分子量が1240であった。
(製造例7:酸変性粘着付与剤7)
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、芳香族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のリガライトS5100:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例6と同様にして、酸変性粘着付与剤7を製造した。この酸変性粘着付与剤7は、無水マレイン酸で変性されている芳香族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤7は、(メタ)アクリル酸成分で変性されておらず、140℃での溶融粘度が1980mPa・sであり、重量平均分子量が980であった。
芳香族変性テルペン樹脂水素化物の代わりに、芳香族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のリガライトS5100:軟化点100℃)を用いたこと以外、製造例6と同様にして、酸変性粘着付与剤7を製造した。この酸変性粘着付与剤7は、無水マレイン酸で変性されている芳香族系石油樹脂水素化物であった。この得られた酸変性粘着付与剤7は、(メタ)アクリル酸成分で変性されておらず、140℃での溶融粘度が1980mPa・sであり、重量平均分子量が980であった。
次に、ホットメルト接着剤を構成する各成分について説明する。
[熱可塑性ポリマー]
熱可塑性ポリマー1:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(旭化成ケミカルズ株式会社のアサプレンT436)
熱可塑性ポリマー2:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)(日本ゼオン株式会社のクインタック3421)
熱可塑性ポリマー3:熱可塑性ポリマー3:アモルファス−ポリα−オレフィンポリマー(エボニック社製のベストプラスト704 )
[粘着付与剤]
粘着付与剤1:芳香族変性テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンK4100)
粘着付与剤2:芳香族変性テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンP115)
粘着付与剤3:脂環族系石油樹脂水素化物(荒川化学工業株式会社製のアルコンM100)
粘着付与剤4:芳香族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のリガライトS5100)
粘着付与剤5:脂肪族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のイーストタックC100R)
酸変性粘着付与剤1:上記製造例1により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤2:上記製造例2により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されているテルペン樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤3:上記製造例3により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂環族系石油樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤4:上記製造例4により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族系石油樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤5:上記製造例5により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂肪族系石油樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤6:上記製造例6により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸で変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤7:上記製造例7により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸で変性されている芳香族系石油樹脂水素化物)
[軟化剤]
軟化剤1:オイル(出光興産株式会社製のダイアナフレシアS32)
軟化剤2:流動パラフィン(株式会社MORESCO製のモレスコホワイトP200)
[添加剤]
酸化防止剤1:BASF社製のイルガノックス1010
酸化防止剤2:BASF社製のイルガフォス168
酸変性ワックス1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業株式会社製のユーメックス1010)
酸変性ワックス2:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(クラリアントジャパン株式会社製のリコセンPPMA6252)
[ホットメルト接着剤の製造方法]
上記各成分を、下記表1及び表2に示す配合量(組成:質量部)となるように、以下のような手順で混練してホットメルト接着剤を作成した。攪拌混練機中に、酸変性粘着付与剤以外の粘着付与剤、軟化剤、及び添加剤を投入し、150〜190℃になるように加熱した状態で攪拌することによって、充分に溶融させた。その溶融物の中に、熱可塑性ポリマーを投入し、150〜190℃になるように加熱した状態で混練することにより、熱可塑性ポリマーも充分に溶融させ、溶融物の中に均一に分散させた。その後、その溶融物の中に、酸変性粘着付与剤を投入し、攪拌混練した。その際、可能な限り、ホットメルト接着剤の均一性が高まるまで混練した。そうすることで、ホットメルト接着剤を製造した。
熱可塑性ポリマー1:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(旭化成ケミカルズ株式会社のアサプレンT436)
熱可塑性ポリマー2:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)(日本ゼオン株式会社のクインタック3421)
熱可塑性ポリマー3:熱可塑性ポリマー3:アモルファス−ポリα−オレフィンポリマー(エボニック社製のベストプラスト704 )
[粘着付与剤]
粘着付与剤1:芳香族変性テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンK4100)
粘着付与剤2:芳香族変性テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンP115)
粘着付与剤3:脂環族系石油樹脂水素化物(荒川化学工業株式会社製のアルコンM100)
粘着付与剤4:芳香族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のリガライトS5100)
粘着付与剤5:脂肪族系石油樹脂水素化物(イーストマン・ケミカル社製のイーストタックC100R)
酸変性粘着付与剤1:上記製造例1により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤2:上記製造例2により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されているテルペン樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤3:上記製造例3により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂環族系石油樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤4:上記製造例4により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている芳香族系石油樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤5:上記製造例5により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている脂肪族系石油樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤6:上記製造例6により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸で変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物)
酸変性粘着付与剤7:上記製造例7により製造された酸変性粘着付与剤(無水マレイン酸で変性されている芳香族系石油樹脂水素化物)
[軟化剤]
軟化剤1:オイル(出光興産株式会社製のダイアナフレシアS32)
軟化剤2:流動パラフィン(株式会社MORESCO製のモレスコホワイトP200)
[添加剤]
酸化防止剤1:BASF社製のイルガノックス1010
酸化防止剤2:BASF社製のイルガフォス168
酸変性ワックス1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三洋化成工業株式会社製のユーメックス1010)
酸変性ワックス2:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(クラリアントジャパン株式会社製のリコセンPPMA6252)
[ホットメルト接着剤の製造方法]
上記各成分を、下記表1及び表2に示す配合量(組成:質量部)となるように、以下のような手順で混練してホットメルト接着剤を作成した。攪拌混練機中に、酸変性粘着付与剤以外の粘着付与剤、軟化剤、及び添加剤を投入し、150〜190℃になるように加熱した状態で攪拌することによって、充分に溶融させた。その溶融物の中に、熱可塑性ポリマーを投入し、150〜190℃になるように加熱した状態で混練することにより、熱可塑性ポリマーも充分に溶融させ、溶融物の中に均一に分散させた。その後、その溶融物の中に、酸変性粘着付与剤を投入し、攪拌混練した。その際、可能な限り、ホットメルト接着剤の均一性が高まるまで混練した。そうすることで、ホットメルト接着剤を製造した。
[評価]
(均一性)
製造されたホットメルト接着剤を目視で確認した。その結果、不均一になった部分が確認できない場合は、「○」と評価し、不均一になった部分が確認できても、スロットダイ塗工機(株式会社サンツール製のミラーコータ)で塗布可能であれば、「△」と評価し、前記スロットダイ塗工機で塗布できないと判断した場合は、「×」と評価した。なお、前記スロットダイ塗工機で塗布できないということは、ホットメルト接着剤が著しく不均一であることがわかる。
(均一性)
製造されたホットメルト接着剤を目視で確認した。その結果、不均一になった部分が確認できない場合は、「○」と評価し、不均一になった部分が確認できても、スロットダイ塗工機(株式会社サンツール製のミラーコータ)で塗布可能であれば、「△」と評価し、前記スロットダイ塗工機で塗布できないと判断した場合は、「×」と評価した。なお、前記スロットダイ塗工機で塗布できないということは、ホットメルト接着剤が著しく不均一であることがわかる。
(長期熱安定性)
製造されたホットメルト接着剤を140℃に保たれた恒温槽内で5日間静置した。その高温下で保持されたホットメルト接着剤を目視で確認した。そして、上記均一性と同様の基準で評価を行った。
製造されたホットメルト接着剤を140℃に保たれた恒温槽内で5日間静置した。その高温下で保持されたホットメルト接着剤を目視で確認した。そして、上記均一性と同様の基準で評価を行った。
(塗工性)
製造されたホットメルト接着剤を、ノズルヘッド(株式会社サンツール製のスパイラルガン)を備えた塗工機(株式会社瑞光製のテンションコーター)を用いて、エアー圧力0.30kgf/cm2(約30kPa)、塗工速度200m/分で、不織布(目付量20g/m2)にスパイラル塗工をした。不織布上に塗布された螺旋形状の塗工パターンから任意の10cmを抽出し、その範囲内の螺旋回数と螺旋直径とに基づく、以下の基準で評価を行った。なお、酸変性粘着付与剤や酸変性ワックス等の酸変性材料を添加していない、下記比較例1におけるホットメルト接着剤を用いた場合での、螺旋回数と螺旋直径とが、塗工性の観点からは目標値である。この目標値に対する、以下の基準で評価を行った。
製造されたホットメルト接着剤を、ノズルヘッド(株式会社サンツール製のスパイラルガン)を備えた塗工機(株式会社瑞光製のテンションコーター)を用いて、エアー圧力0.30kgf/cm2(約30kPa)、塗工速度200m/分で、不織布(目付量20g/m2)にスパイラル塗工をした。不織布上に塗布された螺旋形状の塗工パターンから任意の10cmを抽出し、その範囲内の螺旋回数と螺旋直径とに基づく、以下の基準で評価を行った。なお、酸変性粘着付与剤や酸変性ワックス等の酸変性材料を添加していない、下記比較例1におけるホットメルト接着剤を用いた場合での、螺旋回数と螺旋直径とが、塗工性の観点からは目標値である。この目標値に対する、以下の基準で評価を行った。
その結果、螺旋回数と螺旋直径とが、上記目標値に対して、ともに90%以上であれば、「○」と評価した。また、螺旋回数又は螺旋直径が、上記目標値に対して、90%未満であれば、「△」と評価した。螺旋回数と螺旋直径とが、上記目標値に対して、ともに90%未満であれば、「×」と評価した。なお、「×」の場合は、塗工時に、ホットメルト接着剤が飛散し、螺旋状の塗布パターンを形成できない場合、ノズルが閉塞する場合、螺旋形状の塗工パターンの任意の10cmの中に、螺旋直径のばらつきが20%以上ある場合等が含まれる。
なお、塗工機の設定によって塗布条件を容易に設定できるのは、上記目標値に対する比率で上下10%以内であり、上下20%を超えると調整困難である。このことから、「○」であれば、塗工性を良好な状態に調整可能である。
(湿潤状態での接着性:湿潤接着強度)
製造されたホットメルト接着剤を、スロットダイ塗工機(株式会社サンツール製のミラーコータ)を用いて、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に10μmの厚みで塗布し、そのホットメルト接着剤の上に、0.018mm厚の透明カラーセロファンを置いた。その後、300mm/分の速度で、2kgローラを用いて貼り合わせた後、24時間常温で放置した。この貼り合わせた状態のものを試験体とした。そして、この試験体を、各ホットメルト接着剤毎に3個用意した。そして、この試験体を、水に30秒間浸漬させた後、300mm/分の速度で、剥離した時の強度を測定した。この強度を、3個の試験体に対して、測定し、その3個の測定値の平均値を算出した。この平均値を、湿潤状態の接着強度(湿潤接着強度)とし、この強度で、湿潤状態での接着性を評価した。
製造されたホットメルト接着剤を、スロットダイ塗工機(株式会社サンツール製のミラーコータ)を用いて、50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に10μmの厚みで塗布し、そのホットメルト接着剤の上に、0.018mm厚の透明カラーセロファンを置いた。その後、300mm/分の速度で、2kgローラを用いて貼り合わせた後、24時間常温で放置した。この貼り合わせた状態のものを試験体とした。そして、この試験体を、各ホットメルト接着剤毎に3個用意した。そして、この試験体を、水に30秒間浸漬させた後、300mm/分の速度で、剥離した時の強度を測定した。この強度を、3個の試験体に対して、測定し、その3個の測定値の平均値を算出した。この平均値を、湿潤状態の接着強度(湿潤接着強度)とし、この強度で、湿潤状態での接着性を評価した。
なお、塗工性が悪すぎて、この評価を行うことができない場合は、「−」と、下記表1に示す。
(ポリエチレンに対する接着性:乾燥接着強度)
製造されたホットメルト接着剤を、スロットダイ塗工機(株式会社サンツール製のミラーコータ)を用いて、50μm厚のPETフィルム上に10μmの厚みで塗布した。このホットメルト接着剤が塗布されたPETフィルムを、3mm厚のポリエチレン(PE)板(TP技研株式会社製)上に、ホットメルト接着剤がPE板に接触するように置いた。その後、300mm/分の速度で、2kgローラを用いて貼り合わせた後、24時間常温で放置した。この貼り合わせた状態のものを試験体とした。そして、この試験体を、各ホットメルト接着剤毎に3個用意した。そして、この試験体を、300mm/分の速度で、剥離した時の強度を測定した。この強度を、3個の試験体に対して、測定し、その3個の測定値の平均値を算出した。この平均値を、ポリエチレンとの乾燥状態での接着強度(乾燥接着強度)とし、この強度で、乾燥状態での接着性を評価した。
製造されたホットメルト接着剤を、スロットダイ塗工機(株式会社サンツール製のミラーコータ)を用いて、50μm厚のPETフィルム上に10μmの厚みで塗布した。このホットメルト接着剤が塗布されたPETフィルムを、3mm厚のポリエチレン(PE)板(TP技研株式会社製)上に、ホットメルト接着剤がPE板に接触するように置いた。その後、300mm/分の速度で、2kgローラを用いて貼り合わせた後、24時間常温で放置した。この貼り合わせた状態のものを試験体とした。そして、この試験体を、各ホットメルト接着剤毎に3個用意した。そして、この試験体を、300mm/分の速度で、剥離した時の強度を測定した。この強度を、3個の試験体に対して、測定し、その3個の測定値の平均値を算出した。この平均値を、ポリエチレンとの乾燥状態での接着強度(乾燥接着強度)とし、この強度で、乾燥状態での接着性を評価した。
なお、塗工性が悪すぎて、この評価を行うことができない場合は、「−」と、下記表1に示す。
各評価結果を、ホットメルト接着剤の配合量とともに、表1〜3に示す。
表1〜3からわかるように、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤と、軟化剤とを含み、前記粘着付与剤が、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている酸変性粘着付与剤を含むホットメルト接着剤の場合(実施例1〜16)は、そうでない場合(比較例1〜15)と比較して、均一性、長期熱安定性、塗工性、及び湿潤接着強度に優れていた。また、実施例1〜16に係るホットメルト接着剤は、乾燥状態での接着強度にも優れていた。具体的には、実施例1〜16に係るホットメルト接着剤は、粘着付与剤として、比較例1,比較例8〜15のような、酸変性粘着付与剤を含まない場合と比較して、湿潤接着強度が高かった。なお、粘着付与剤として、酸変性粘着付与剤を含まなくても、酸変性ワックスを含有する場合(比較例2〜4)は、湿潤接着強度はある程度向上しても、長期熱安定性等が劣る場合があった。また、酸変性ワックスを比較的多量に含む場合(比較例5)は、塗工性等が悪すぎた。また、酸変性粘着付与剤を含んでいても、その酸変性粘着付与剤が、無水マレイン酸で変性されていても、(メタ)アクリル酸成分で変性されていないものである場合(比較例6,7)は、湿潤接着強度が充分に向上しない場合があった。
これらのことから、実施例1〜16に係るホットメルト接着剤は、比較例2〜7より、湿潤接着強度が優れていたり、長期熱安定性等に優れていることがわかった。よって、実施例1〜16に係るホットメルト接着剤は、湿潤状態での接着性に優れ、さらに、長期熱安定性及び塗工性にも優れたホットメルト接着剤であることがわかる。
また、酸変性粘着付与剤の含有量が、少ない場合(実施例6,8)は、他の実施例1〜5,7〜16より、湿潤接着強度が低いが、比較例1,比較例8〜15のような、酸変性粘着付与剤を含まない場合よりは、湿潤接着強度が高かった。このように、酸変性粘着付与剤の含有量が少なくても、酸変性粘着付与剤による湿潤接着強度を高める効果を充分に発揮できることがわかった。
また、無水マレイン酸及びメタクリル酸ブチルで変性されている酸変性粘着付与剤を含むと、その含有量が少ない場合(実施例6,8)であっても、上述したように、湿潤接着強度を高める効果を発揮することができる。これに対し、無水マレイン酸で変性されていても、(メタ)アクリル酸成分で変性されていない酸変性粘着付与剤を含む場合(比較例6,7)は、同様の含有量であるにもかかわらず、湿潤接着強度が、実施例6,8より低かった。このことから、無水マレイン酸で変性されていても、(メタ)アクリル酸成分で変性されていない酸変性粘着付与剤では、湿潤接着強度を高める効果を充分に発揮することができないことがわかる。
また、前記酸変性粘着付与剤における、変性前の粘着付与剤として、テルペン系樹脂を用いた場合(実施例1〜9,13,14)は、石油系樹脂水素化物を用いた場合(実施例10〜12)と比較して、乾燥接着強度が低い傾向があった。このことから、前記酸変性粘着付与剤における、変性前の粘着付与剤として、テルペン系樹脂を用いた場合の方が、石油系樹脂水素化物を用いるより、乾燥状態での接着性に優れることがわかった。
この出願は、2014年2月21日に出願された日本国特許出願特願2014−31504号を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を逸脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、湿潤状態での接着性に優れ、さらに、長期熱安定性及び塗工性にも優れたホットメルト接着剤が提供される。
Claims (11)
- 熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤とを含み、
前記粘着付与剤が、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている酸変性粘着付与剤を含むことを特徴とするホットメルト接着剤。 - 前記酸変性粘着付与剤が、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されているテルペン系樹脂である請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- 前記酸変性粘着付与剤における、前記変性前のテルペン系樹脂が、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、芳香族変性テルペン樹脂、及びテルペン樹脂水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項2に記載のホットメルト接着剤。
- 前記酸変性粘着付与剤が、マレイン酸及びマレイン酸無水物の少なくとも一方と、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つとで変性されている石油系樹脂水素化物である請求項1に記載のホットメルト接着剤。
- 前記酸変性粘着付与剤における、前記変性前の石油系樹脂水素化物が、脂肪族石油樹脂水素化物、脂環族石油樹脂水素化物、及び芳香族石油樹脂水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項4に記載のホットメルト接着剤。
- 前記熱可塑性ポリマーが、共役ジエン系化合物とビニル系芳香族炭化水素との共重合体である請求項1〜5のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
- 前記共重合体が、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマー、及び水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項6に記載のホットメルト接着剤。
- 前記酸変性粘着付与剤の含有量が、前記粘着付与剤全量に対して、0.1〜100質量%である請求項1〜7のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
- 前記熱可塑性ポリマーの含有量が、10〜75質量%であり、
前記粘着付与剤の含有量が、20〜80質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。 - 軟化剤をさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤。
- 前記軟化剤の含有量が、5〜40質量%である請求項10に記載のホットメルト接着剤。
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