JP3554586B2 - ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

ポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、融点及び低温域での溶融粘度が低下して塗工作業性に優れ、かつ酢酸臭等の異臭を防止したポリ酢酸ビニル系樹脂組成物に関し、更に詳しくは古紙再生の可能な水溶性ないし水分散性ホットメルト接着剤に適したポリ酢酸ビニル系樹脂組成物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホットメルト接着剤は他の接着剤と比べて、広範な被接着体に適用できること、接着速度が非常に速いこと、毒性や危険性がないこと、経済的に有利であることなどの理由により、製本用、包装用、木工用、製靴用、織物接着用などの用途に盛んに使用されている。
ホットメルト接着剤としては、接着性、溶融性、耐熱性、耐寒性、柔軟性などの性能を満たすことが要求され、一般的にはエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等がベースポリマーとして用いられており、特に製本用、製袋用、包装用、紙管用、ラベル用等の用途には、接着性、作業性、柔軟性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体をベースとしたホットメルト接着剤が広く使用されている。
しかし、該接着剤が疎水性であるため、例えば古紙を再生処理するときに、水に溶解ないし分散しない部分が残り該処理に困難をきたすため、最近では、水溶性であるポリビニルアルコール系樹脂からなるホットメルト接着剤が注目されている。
【0003】
しかしながら、ポリビニルアルコール系樹脂は、融点が高く、低温域での溶融粘度が高いため、該樹脂のみではホットメルト接着剤の適性を有せず、又原料に起因する酢酸臭等の異臭を発生するという問題点がある。
かかる問題点を解決すべく、該樹脂に対してグリセリン、エチレングリコールなどの可塑剤の添加が行われているが、かかる可塑剤の添加のみでは、目的とする融点や溶融粘度まで低下させることは不可能であり、該樹脂からなるホットメルト接着剤は、やむを得ず高温(180℃以上)で使用せざるを得ない。このような高温域で溶融させる場合はポリビニルアルコール系樹脂が熱分解を起こし易い上、ポリビニルアルコール系樹脂と通常使用されているホットメルト接着剤中の各種の添加剤との相溶性が低下する傾向がある。
そこで、熱溶融性及び水溶性を両立すべく、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の併用(特公昭58−8434号公報、特公昭54−39017号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭58−8434号公報開示技術は、軟化点(融点)及び溶融粘度についての記載があるものの、具体的数値を見ると全て140℃以上でまだまだ満足のいくものではなく、又特公昭54−39017号公報開示技術についても、軟化点は115℃〜130℃と比較的高く溶融粘度も180℃で4000cps〜5000cpsと高くまだまだ満足できるレベルではなく、改善の余地が残るところであり、ポリ酢酸ビニル系樹脂においても同様の問題を抱えており、更にこれらの開示技術では酢酸臭等の異臭に対しては何等考慮されておらず、ポリ酢酸ビニル系樹脂をベースとした場合には、その異臭が原因でホットメルト接着剤の用途が限定されることも多く、溶融粘度が低くて、かつ異臭発生の少ないポリ酢酸ビニル系樹脂からなるホットメルト接着剤が望まれているのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、接着強度や耐ブロッキング性の向上策として、先に親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂、炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体及び可塑剤からなるポリ酢酸ビニル系樹脂組成物を出願(特願平6−43215号)したが、本発明者は更に溶融粘度の改良や異臭発生の防止について鋭意研究を重ねた結果、ケン化度30モル%未満である親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)、一般式MAl(OH)2x+3y−2z(E)・aHO(式中MはMg,Ca又はZn、EはCO又はHPO、x,y,zは正数、2x+3y−2zは正数、aは0又は正数)で示されるハイドロタルサイト系化合(B)及び炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)からなるポリ酢酸ビニル系樹脂組成物が、かかる目的に合致することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の最大な特徴は、上記のハイドロタルサイト系化合物と炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸を配合したことにあり、かかる樹脂組成により融点及び低温域での溶融粘度を充分に低下せしめて塗工作業性を向上させると同時に酢酸臭等の臭いを防止することに成功した。
以下、本発明について詳述する。
【0007】
本発明における親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)は、酢酸ビニルを主成分とし、これと共重合可能な親水性基を有するモノマーを共重合して得られる。かかるポリ酢酸ビニルの平均重合度は50〜600、特に100〜500が好ましい。平均重合度が50以下では接着強度が小さく、600を超える場合は溶融粘度が大きくなる
発明における親水性基を有するモノマーとは、オレフィンスルホン酸またはオレフィンスルホン酸アルカリ塩等のスルホン酸基含有モノマー、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸アルカリ塩、オキシアルキレン基含有モノマー等が挙げられる。
【0008】
上記のスルホン酸基含有モノマーとしては、(メタ)アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸ソーダ、エチレンスルホン酸ソーダ、モノスルホン酸ソーダアルキルマレートやジスルホン酸ソーダアルキルマレート等のスルホン酸マレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダー、2−(メタ)アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸ソーダーなどが挙げられる。
上記の不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸アルカリ塩としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩、部分エステルなどが挙げられる。
【0009】
上記のオキシアルキレン基含有モノマーとしては、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシアルキレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシアルキレンビニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリルアミン、ポリオキシアルキレンビニルアミンなどが挙げられる。かかるポリオキシアルキレンの縮合度は1〜300、特に3〜50が適当である。
【0010】
かかる親水性基を有するモノマーの共重合割合は0.1〜30モル%、好ましくは1〜20モル%が適する。共重合割合が0.1モル%未満では十分な水溶性ないし水分散性が得られず、30モル%を超える場合は接着力が低下する。
本発明における一般式MAl(OH)2x+3y−2z(E)・aHO(式中MはMg,Ca又はZn、EはCO又はHPO、x,y,zは正数、2x+3y−2zは正数、aは0又は正数)で示されるハイドロタルサイト系化合物(B)としては、例えば
Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO,
MgAl(OH)14CO・4HO,
MgAl(OH)16CO・4HO,
MgAl(OH)20CO・5HO,
Mg10Al(OH)22(CO・4HO,
MgAl(OH)16HPO・4HO,
Ca Al ( OH ) 16 CO ・4H O,
どが挙げられる。
【0011】
又、以上に限らず例えば、MgAl(OH)・3HO中のOHの一部がCO又はHPOに置換された如き化学式の明確に示されないものや更には結晶水の除去されたもの(a=0)であっても同等の効果が期待できる。特にこれらのうちMがMgであり、EがCOである化合物が最も顕著な効果を示す。
かかるハイドロタルサイト系化合物(B)の配合量は特に限定されないが、親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜5重量部で、該配合量が0.1重量部未満では配合効果があまり発揮できず、逆に10重量部を越えると該樹脂組成物の溶融粘度が増大する傾向にあり好ましくない。
【0012】
本発明における炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)としては、2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン酸、2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルペンタン酸、8−ヒドロキシテトラデカン酸、11−ヒドロキシテトラデカン酸、10−ヒドロキシヘキサデカン酸、11−ヒドロキシヘキサデカン酸、14−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、9−ヒドロキシオクタデカン酸、22−ヒドロキシドコサン酸及びこれらのアルカリ塩、エステル化物等があげられ、特に8−ヒドロキシテトラデカン酸、10−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸が好ましく、殊に12−ヒドロキシオクタデカン酸が実用的である。本発明では、上記の如き炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸を用いることが特徴で、炭素数が5以下のヒドロキシ脂肪酸では本発明のごとき効果を得ることはできない。
【0013】
かかるヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)の配合量は特に限定されないが、親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対して10〜50重量部が好ましく、更に好ましくは15〜45重量部で、該配合量が10重量部未満では配合効果があまり発揮できず、逆に50重量部を越えると樹脂組成物の水溶性ないし水分散性がなくなる傾向にあり好ましくない。
【0014】
本発明においては、(A)〜(C)の配合成分だけでも本発明の効果は十分得ることができるが、柔軟性等の更なる向上を目的として通常は更に可塑剤(D)を配合することが有利であり、該可塑剤(D)としては、親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)に対して可塑効果をもつ化合物であれば特に限定はなく、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ペンタメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルペンタントリオール、ソルビット、マンニット等の多価アルコール、エチレン尿素などの尿素誘導体等が挙げられる。
【0015】
かかる可塑剤(D)の配合量は、特に限定されないが、親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対して10〜40重量部が好ましく、更に好ましくは15〜35重量部で、該配合量が10重量部未満では可塑効果があまり発揮できず、逆に40重量部を越えると樹脂組成物に常温でタックを生じる傾向にあり好ましくない。
【0016】
本発明のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物を得るための上記(A)〜(C)或いは(A)〜(D)のブレンド方法としては、通常よく知られている方法、即ち撹拌機付き溶融缶、押出機、ロール混練機等により溶融混合される。またブレンド順序にも特別の制限はないが、溶融缶を使用する場合には、通常溶融粘度の低いものから投入していくことが混合性の上で好ましい。かかる溶融混合温度は120〜180℃程度が好適である。
かかる樹脂組成物は、本発明の趣旨を損なわない範囲で他のポリマー、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等を配合することもでき、あるいは逆に他のポリマーに上記の樹脂組成物を配合することもできる。また、ロジン類、ロジンエステル類、ピネン系ポリマー、水添石油樹脂、炭化水素樹脂等のホットメルト接着剤用の周知の添加剤、酸化防止剤、滑剤、充填剤、着色剤、香料、安定剤をはじめ、種々の添加剤を配合することができる。
【0017】
該樹脂組成物は溶融ブレンド後、任意の形状に成形して製品化される。
例えば、ホットメルト接着剤として製品化するには、従来より行われている任意の方法が実施でき、ブロック、短冊、ビスケット、ペレット、ロープ、粉末、フィルム状など適当な形状に加工できる。成形方法はかかる形状によって異なる。例えば、短冊状に成形する場合、上記のごとく溶融混合した溶融物をステンレス等のベルト板上にフィーダーから流出させ、ベルトの内側から冷却水をスプレーして間接的に吐出されたストランドを冷却固化し、固化後、カッターで短冊状にカットして成形する方法が挙げられる。
【0018】
かくして得られたホットメルト接着剤は低融点を示し、かつ低温域の溶融粘度が低いので塗工作業に極めて優れ、更には従来より用いられているエチレン−酢酸ビニル共重合体用などの製造、塗工機械をそのまま利用できるので工業的に非常に有利であり、かつ酢酸臭等の異臭発生防止効果が高く商品価値の高いものである。
【0019】
かかるホットメルト接着剤の被接着体は特に制限はなく、段ボール箱・カートン箱の製函ないし封函用、製薬・菓子・おもちゃ・コピー用紙等の包装用、電話帳・カタログ・伝票等の製本(無線綴)用、トップ・ボトム・胴貼り等の製袋用、段ボールパレット・ファイバー缶・紙管・ラベル等の紙製品用、紙オムツ等の衛生材料用、家具・棚類の組立て等の木工用、アルミニウムやポリプロピレン等の製缶用、アルミサッシ・天井の化粧紙の貼り合わせ等の建築用、折り込み・底付等の製靴用、オイルフィルター・ヘッドランプ等の自動車用、コート類の裾・皮革や生地の貼り合わせ及び補強等の衣料用、テレビのヨーク・スピーカーのコイルの仮止め等の電気部品用、日曜大工関係・その他の補修等の一般工作用等として用いられ、該ホットメルト接着剤を用いた紙製品としては、製本された本、接着層が形成された紙袋、封函された函体、製管された紙管、接着層が設けられた感熱テープ或いはラベル、再湿テープ或いはラベル製品が挙げられ、これらの紙製品の製造は、常法に従って行われ、該接着剤の塗工方法としては公知のロール、ダイ、ノズル等のホットメルト用塗工機によって行われる。
【0020】
以上、ホットメルト接着剤について述べてきたが、本発明の樹脂組成物はホットメルト接着剤のみならず、ボトル、フィルム、シート、ホース、チューブ、容器、袋、繊維、発泡体などの成形物、紙加工剤等の種々の用途に用いることも可能である。
【0021】
【作 用】
本発明の樹脂組成物は、融点及び低温域での溶融粘度が低く、従来のホットメルト接着剤の塗工機における均一塗工性に優れ、該組成物を用いたホットメルト接着剤の塗工作業性を向上させ、かつ酢酸臭等の異臭発生防止効果が高く、特に、水溶性ないし水分散性のホットメルト接着剤として有効で、該ホットメルト接着剤を用いて、製本された本、接着層が形成された紙袋、封函された函体、製管された紙管、接着層が設けられた感熱テープ或いはラベル、再湿テープ或いはラベル等、特に古紙再生を要する紙製品用途に大変有用である。
【0022】
【実施例】
以下、本発明において実施例を挙げて更に詳述する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り、重量基準を表す。
実施例1
樹脂組成物
アリルスルホン酸ソーダで3モル%変性された平均重合度300のポリ酢酸ビニル(A)100部、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO(B)0.5部、12−ヒドロキシオクタデカン酸(C)30部、分子量300のポリエチレングリコール(D)25部を溶融缶に仕込み、150℃で溶融混合して本発明の樹脂組成物を得た。
かかる樹脂組成物の融点及び溶融粘度を以下の要領で測定した。
(融点)
PERKIN−ELMER DSC−7(PERKIN−ELMER社製)を用い、昇温速度20℃/minで測定した。
(溶融粘度)
JAI−7−1991に従い、ブルックフィールド型回転粘度計を用い、スピンドルNO,29、回転数100rpmにて140℃、170℃の溶融粘度を測定した。
【0023】
ホットメルト接着剤
上記組成で得た溶融物をフィーダーからスチールベルト上にストランド状に流し、スチールベルトの内側から冷却水をスプレーしてストランドを冷却固化した。ついで該ストランド(幅20mm、厚み3mm)をベルトより剥離し、ロータリーカッターにて長さ20mmの短冊状にカッティングした。
かかるホットメルト接着剤についての臭気、接着強度及び水溶性ないし水分散性を以下の要領で測定した。
(臭気)
上記ホットメルト接着剤20gを250mlのマヨネーズビンに入れて密封し、20℃で24時間放置後開封して臭いの有無を調べた。
評価基準は以下の通り。
○ −−− 異臭がほとんどない。
× −−− 異臭が激しい。
【0024】
(接着強度)
上記のホットメルト接着剤を加熱再溶融し、クラフト紙に100〜150μmの厚さで塗工し、塗工面に上質紙をのせて150℃で0.5秒間熱圧着(2kg/cm)して接着紙を得た。かかる接着紙を20℃×65%RH、24時間以上放置後、同条件下で90°剥離強度を引張速度30mm/分で測定した。
(水溶性)
上記で得た短冊状のホットメルト接着剤から0.5gの矩形試料を採取し、20℃,100ml(100ccのビーカー使用)の水中に入れてマグネチックスターラーを用いて約300rpmで撹拌し、1時間後の状態を調べた。
評価基準は以下の通り。
○ −−− 溶解ないし完全分散
△ −−− 一部溶解
× −−− ほとんど原形保持
【0025】
実施例2〜7及び比較例1、2
表1に示す如く(A)〜(D)成分の配合組成を変化させて実施例1に準じて樹脂組成物を製造し、実施例1と同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表2に示す。
【表1】
Figure 0003554586
注)実施例2、3の(A)はアリルスルホン酸ソーダで2モル%変性
実施例4の(A)はアリルスルホン酸ソーダで4モル%変性
実施例5の(A)はアリルスルホン酸ソーダで3.5モル%変性
実施例6の(A)は縮合度15のヒドロキシエチレンで4モル%変性
実施例7の(A)は縮合度8のヒドロキシエチレンで8モル%変性
【0026】
略号は以下の通り。
SV;ケン化度(モル%を表す)、P;平均重合度、
B1; Mg4.5Al(OH)13CO・3.5H
B2; MgAl(OH)14CO・4H
B3; MgAl(OH)16CO・4H
12−ヒドロキシ;12−ヒドロキシオクタデカン酸
8−ヒドロキシ;8−ヒドロキシテトラデカン酸
PEG;ポリエチレングリコール(分子量300)
* 未ケン化(ケン化度=0モル%)のポリ酢酸ビニルで比較例1及び2は実施例1と同様の変性ポリ酢酸ビニルを用いた。
【0027】
【表2】
Figure 0003554586
表2の結果から明らかなように、本発明のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物は、140℃及び170℃の溶融粘度が低く塗工作業性に優れ、かつ異臭がなく、またホットメルト接着剤として紙との接着性にも優れ、水溶性であることから古紙再生を必要とする各種紙製品の接着用途に大変有用である。
【0028】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、融点及び低温域での溶融粘度が低く、従来のホットメルト接着剤の塗工機における均一塗工性に優れ、該組成物を用いたホットメルト接着剤の塗工作業性を向上させ、かつ酢酸臭等の異臭発生防止効果が高く、特に、水溶性ないし水分散性のホットメルト接着剤として有効で、該ホットメルト接着剤を用いて、製本された本、接着層が形成された紙袋、封函された函体、製管された紙管、接着層が設けられた感熱テープ或いはラベル、再湿テープ或いはラベル等、特に古紙再生を要する紙製品用途に大変有用である。

Claims (8)

  1. 親水性基の導入により水溶性ないし水分散性を有するようにされたポリ酢酸ビニル系樹脂であって、かつ、ケン化度が30モル%未満である親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)、一般式MAl(OH)2x+3y−2z(E)・aHO(式中MはMg,Ca又はZn、EはCO又はHPO、x,y,zは正数、2x+3y−2zは正数、aは0又は正数)で示されるハイドロタルサイト系化合物(B)及び炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)からなることを特徴とするポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  2. 更に可塑剤(D)を配合したことを特徴とする請求項1記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  3. 親水性基がスルホン酸基またはオキシアルキレン基のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  4. ケン化度が30モル%未満である親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)の平均重合度が50〜600で、かつ親水性基による変性度が0.1〜30モル%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  5. ケン化度が30モル%未満である親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対してハイドロタルサイト系化合物(B)が0.1〜10重量部、炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)が10〜50重量部配合されてなることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  6. ケン化度が30モル%未満である親水性ポリ酢酸ビニル系樹脂(A)100重量部に対してハイドロタルサイト系化合物(B)が0.1〜10重量部、炭素数6以上のヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(C)が10〜50重量部、可塑剤(D)が10〜40重量部配合されてなることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載のポリ酢酸ビニル系樹脂組成物を用いたことを特徴とするホットメルト接着剤。
  8. 請求項7記載のホットメルト系接着剤を用いたことを特徴とする紙製品。
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