JP2000119398A - ペースト状水性分散液及びその製法 - Google Patents

ペースト状水性分散液及びその製法

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一之 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多価金属水酸化物を多量に含有し、長期間分
散安定性の良い水性分散液及びその製法の提供。 【解決手段】(A)不飽和カルボン酸含量5〜30重量
%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体・・・全分散
液に対し16〜40重量% (B)共重合体(A)のカルボキシル基を中和可能なカ
ウンターカチオン、 (C)多価金属水酸化物・・・共重合体(A)100重
量部当たり、80〜300重量部及び (D)30%水溶液における粘度が200mPa・s以
下で分子量が60以上のアルコール性水酸基含有化合物
・・・0.1〜20重量部とからなるペースト状水性分
散液、及びその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散安定性に優れ
たペースト状水性分散液及びその製法に関する。とくに
多量の多価金属水酸化物を含有する塗布膜、とりわけ難
燃性に優れた塗布膜を形成させるのに好適なペースト状
水性分散液及びその製法に関する。本発明はまた、基材
に、上記塗布膜を形成させてなる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、非ハロゲン系の難燃材料として、
水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムのような多価
金属水酸化物を多量に配合したオレフィン重合体組成物
が注目されるようになってきた。このような組成物は、
オレフィン重合体と同様の成形方法によって成形され、
例えば押出成形によって電線、ケーブルなどの被覆材に
して使用されている。しかしながらこのような組成物
は、加工上の制約から、薄肉の被覆材として使用するこ
とは非常に難しい。そこで多価金属水酸化物を多量に配
合したオレフィン重合体の分散液にして使用することが
考えられるが、分散安定性に優れた分散液を得ることは
容易ではなかった。
【0003】例えば、エチレン・アクリル酸共重合体や
エチレン・メタクリル酸共重合体で代表されるエチレン
・不飽和カルボン酸共重合体と、そのカルボキシル基を
中和することが可能なカウンターカチオンからなる分散
安定性に優れた水性分散液は古くから知られている。こ
のような水性分散液への無機化合物の添加可能性につい
ては、多くの提案において示唆されてはいるが、実際こ
のような水性分散液に多価金属水酸化物を共重合体の等
重量以上のような多量の配合割合で配合しようとする
と、固化やゲル化が生じたり、あるいは短期間に相分離
するなど、分散安定性に優れた水性分散液を得ることは
難しかった。
【0004】例えば、特開昭47−27241号公報に
は、アクリル酸含量が20モル%のエチレン・アクリル
酸共重合体のアルカリ水溶液に消石灰や水酸化アルミニ
ウムを大量に分散させた水性分散液が開示されている
が、時間の経過とともに分散液粘度が上昇することが示
されているところから、分散安定性に優れた水性分散液
でないことは明らかである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
多価金属水酸化物を多量に含有し、しかも長期にわたっ
て均一な分散状態を保持することのできるエチレン・不
飽和カルボン酸共重合体の水性分散液を得るべく検討を
行った。その結果、使用する原料やその使用量を選択す
るとともに適当な助剤を使用すること及びその製法を工
夫することにより、目的とする分散安定性に優れた水性
分散液が得られることを見いだすに至った。したがって
本発明の目的は、多価金属水酸化物を多量に含有し、長
期にわたって安定な分散状態を維持しうるエチレン・不
飽和カルボン酸共重合体水性分散液及びその製造方法を
提供することにある。本発明の他の目的は、基材に、上
記水性分散液を塗布、乾燥して塗布膜を形成させてなる
積層体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、全分散液に対
し16〜40重量%となる量の、不飽和カルボン酸含量
5〜30重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(A)、共重合体(A)のカルボキシル基を中和可能な
カウンターカチオン(B)、共重合体(A)100重量
部当たり、多価金属水酸化物(C)80〜300重量部
及び30%水溶液における粘度が200mPa・s以下
で分子量が60以上のアルコール性水酸基含有化合物
(D)0.1〜20重量部とからなる分散安定性に優れ
たペースト状水性分散液に関する。
【0007】本発明はまた、基材に、上記水性分散液を
塗布、乾燥して塗布膜を形成させてなる積層体に関す
る。
【0008】本発明はまた、全分散液に対し16〜40
重量%となる量の、不飽和カルボン酸含量5〜30重量
%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)、共重
合体(A)のカルボキシル基を中和可能なカウンターカ
チオン(B)、共重合体(A)100重量部当たり、多
価金属水酸化物(C)80〜200重量部、30%水溶
液における粘度が200mPa・s以下で分子量が60
以上のアルコール性水酸基含有化合物(D)及び水
(E)を、圧力容器中、共重合体(A)の融点以上の温
度で剪断力をかけて混合させることを特徴とする上記分
散安定性に優れたペースト状水性分散液の製造方法に関
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は既述のように、使用する
原料、その使用割合、その製法などの選択が重要であ
り、これらの組み合わせによって分散安定性に優れたペ
ースト状水性分散液が得られるのである。
【0010】まず本発明の水性分散液のベースポリマー
となるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、
不飽和カルボン酸含有量が5〜30重量%、好ましくは
10〜30重量%の共重合体が用いられる。共重合体に
おける不飽和カルボン酸含量が少なすぎると、水分散性
良好な分散液を得ることが難しく、一方、不飽和カルボ
ン酸含量が上記範囲より多い共重合体を使用すると、安
定な水性分散液が得られないのみならず、形成される塗
布膜の耐水性、機械的強度の低下が起こるので好ましく
ない。
【0011】このようなエチレン・不飽和カルボン酸共
重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸の二元共重合体
のみならず、任意に他の単量体が共重合された多元共重
合体であってもよく、任意の単量体は、例えば、0〜3
0重量%、好ましくは0〜20重量%の量で共重合され
ていてもよい。
【0012】ここに不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例
示することができる。とくに好ましいのは、アクリル酸
又はメタクリル酸である。
【0013】上記任意に共重合されていてもよい他の単
量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのよう
なビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸
ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸
エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などを例示すること
ができる。
【0014】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とし
てはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフ
ローレートが10〜10000g/10分、好ましくは
20〜5000g/10分の範囲のものを使用するのが
望ましい。すなわち、メルトフローレートの非常に低い
ものを用いた場合には、良好な水性分散液を得ることが
難しく、またその値が非常に大きいものを使用すると、
水性分散液から得られる塗布膜の強度が不足するので好
ましくない。
【0015】これらエチレン共重合体は、構成する単量
体を、高圧ラジカル重合法によって共重合することによ
り、得ることができる。
【0016】本発明の水性分散液においては、エチレン
・不飽和カルボン酸共重合体(A)は、そのカルボキシ
ル基を中和することが可能なカウンターカチオン(B)
の作用によって、アイオノマーとして水中に微分散され
る。カウンターカチオン(B)は、リチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属のイオンやアンモニウ
ムイオンである。これらカウンターカチオンは、水性分
散液を調製する際に、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、
濃厚アンモニア水などを使用することによって形成させ
ることができる。
【0017】共重合体(A)を中和するために添加する
カウンターカチオンの量は、その種類にもよるが、共重
合体(A)のカルボキシル基基準で30〜120モル
%、好ましくは40〜100モル%中和するのに相当す
る量を存在させることが望ましい。カウンターカチオン
の使用量が少なすぎると良好な水性分散液を得ることが
できず、またその使用量が多すぎるとゲル化を起こすこ
とがあるからである。
【0018】本発明において使用される多価金属水酸化
物(C)は、1個以上の水酸基を有する多価金属の化合
物であって、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、
水酸化コバルト、水酸化鉄、水酸化銅、ドーソナイト、
ハイドロタルサイトなどを例示することができる。これ
らの中では、とくに水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等を使用す
るのが好ましい。これらはまた、粒子径が0.1〜5μ
m、とくに0.2〜3μm程度のものを使用するのが好
ましい。
【0019】本発明において使用されるアルコール性水
酸基含有化合物(D)は、水溶性のものであって、30
%水溶液の粘度(23℃)が200mPa・s以下、好
ましくは150mPa・sの範囲にあって、分子量が6
0以上のものである。すなわち化合物(D)を使用する
ことによって、水性分散液のポットライフが改善される
のみならず、金属水酸化物(C)配合によって生ずる水
性分散液からの塗布膜の脆さが改善される。化合物
(D)の代わりに、水不溶性のアルコール性水酸基含有
化合物を用いても、効果が全くないかあるいはその効果
が小さく、また水溶性のアルコール性水酸基含有化合物
であっても30%水溶液の粘度が上記範囲を越えるよう
な粘調な水溶液を与えるようなものを使用すると、水性
分散液の粘度が高くなり過ぎるので、安定な水性分散液
とならない。また水溶性であっても、メタノール、エタ
ノールのような分子量が小さく、共重合体(A)に対す
る可塑化効果の小さいものを使用すると、調製した水性
分散液中の多価金属水酸化物が沈殿しやすくなり、保存
安定性に優れた水性分散液とするのは難しい。
【0020】アルコール性水酸基含有化合物(D)とし
て好ましいものは、分子量が2000以下の多価アルコ
ール、多価アルコールの部分エステル、多価アルコール
の部分エーテル、これらのアルキレンオキサイド付加
物、アルキルアミンのアルキレンオキシド付加物、アル
キルアミドのアルキレンオキシド付加物などである。
【0021】多価アルコールとしては、具体的には、グ
リセリン、プロパントリオール、ヘキサントリオール、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジグリセリン、
トリグリセリンなどを例示することができるが、とくに
水酸基を3個以上有する炭素数が3〜6程度のものを使
用するのが好ましい。
【0022】多価アルコールの部分エステルとしては、
例えば、グリセリンのモノ又はジ脂肪酸エステル、ソル
ビタンのモノ又はジ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂
肪酸エステルのモノ硼酸エステル、ジグリセリンのモノ
脂肪酸エステルのモノ硼酸エステルなどである。このよ
うな部分エステルを構成する脂肪酸成分としては、炭素
数が12〜22程度、とくに14〜20程度のものが好
ましい。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレ
イン酸、ヒドロキシステアリン酸などを挙げることがで
きる。多価アルコールのアルキレンオキシド付加物とし
ては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリ
コールなどを挙げることができる。
【0023】又、上記アルキルアミンのアルキレンオキ
シド付加物としては、例えば式(1)で表されるものを
代表として挙げることができる。
【化1】 (式中、Rは炭素数12〜22程度のアルキル基、m,
nは任意の整数でm+n>≧1)
【0024】また、上記アルキルアミドのアルキレンオ
キシド付加物としては、例えば式(2)で表されるもの
を代表例として挙げることができる。
【化2】 (式中、R、m、nは式(1)と同じ。)
【0025】本発明において、水性分散液におけるエチ
レン・不飽和カルボン酸共重合体(A)の濃度も重要で
あって、多価金属水酸化物(C)の使用量によっても若
干異なるが、一般には16〜40重量%、好ましくは1
8〜35重量%の濃度となるように調製する必要があ
り、この濃度が低すぎると水性分散液の粘度が小さくな
り過ぎて、多価金属水酸化物(C)が沈殿しやすくな
り、また逆にその濃度が高くなり過ぎると、水性分散液
の粘度も高くなり過ぎ、安定な分散液となりにくくな
る。
【0026】水性分散液における多価金属水酸化物
(C)の使用量は、共重合体(A)100重量部に対
し、80〜300重量部、好ましくは100〜250重
量部の範囲である。すなわち金属水酸化物(C)の使用
量が前記範囲より少ないと、水性分散液の粘度が充分に
上がらず、金属水酸化物の多くが沈殿するか、又は金属
水酸化物を含む無機層と分散液層とが分離してしまい、
安定性が損なわれる。また金属水酸化物の使用量を多く
しすぎると、水性分散液の塗布膜が脆くなりすぎるの
で、いずれも好ましくない。
【0027】いずれにしても、共重合体(A)と多価金
属水酸化物(C)に起因する固形分濃度が26〜75重
量%程度、とくに40〜70重量%程度になるように調
整するのがよい。
【0028】本発明の水性分散液におけるアルコール性
水酸基含有化合物(D)の使用量は、共重合体(A)1
00重量部に対し、0.1〜20重量部、とくに1〜1
0重量部の範囲である。すなわち化合物(D)の使用量
が過少であると、安定性に優れた水性分散液を得ること
が難しく、またその配合量が多くなりすぎると粘度が低
下し、多価金属水酸化物が沈殿や分離を起こすので好ま
しくない。
【0029】このような成分(A)、(B)、(C)、
(D)を含有する水性分散液は、後述の方法により製造
することが可能であり、ペースト状となる。とくにポッ
トライフの長い水性分散液を得るためには、水性分散液
の粘度(23℃)が、1000〜100000mPa・
s、とくに1500〜5000mPa・s程度となるよ
うに、また平均粒子径が1000〜50000nm、と
くに1500〜10000nmとなるようなペースト状
に調製するのが好ましい。すなわちこのような粘度及び
平均粒子径を維持することにより、簡単に水性分散液が
固化したり、あるいは分離や沈殿を生ずるようなことが
なく、ポットライフを100日以上にすることができ
る。なおポットライフは、水性分散液を調製後、外観の
変化がない期間、すなわち上記のような固化、沈殿、分
離などを生ぜず、均一な状態で存在できる期間をいう。
【0030】上記ペースト状水性分散液を製造するに
は、上記のような場合の(A)、(B)、(C)、
(D)各成分及び所定量の水(E)とを、(A)成分の
融点以上、好ましくは100℃以上、一層好ましくは1
30〜160℃程度の温度で、剪断力をかけながら混合
させることによって調製することができる。好ましく
は、撹拌装置を設けたオートクレーブ中、撹拌条件下に
上記各成分を混合することによって調製することができ
る。
【0031】本発明の水性分散液には、任意に種々の添
加剤を配合することができる。このような添加剤の例と
しては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防
止剤、可塑剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止
剤、接着剤、架橋剤、補強剤、増粘剤、発泡剤、抗菌
剤、防黴剤、筆記性改良剤、無機充填剤などを挙げるこ
とができる。
【0032】本発明の水性分散液は、コーティング剤と
して種々の基材に塗布することにより、塗布膜を形成す
ることができる。
【0033】本発明の水性分散液はまた、他の重合体分
散液により改質され、あるいは他の重合体分散液の改質
を目的として、他の重合体分散液と任意割合で配合する
ことができる。一般には固型分換算(重量比)で10/
90〜90/10、とくに20/80〜80/20の割
合で配合するのがよい。
【0034】このような他の重合体水性分散液として
は、pHが7以上のもの、あるいはアンモニア水等でp
Hを7以上にしたものであって、本発明の水性分散液と
混合したときにゲル化しないようなものを選択する必要
がある。またその固型分濃度が2〜60%、好ましくは
5〜50%程度のものであって、その平均粒子径が1〜
10000nm、好ましくは5〜5000nmのものを
選択することが望ましい。
【0035】このような他の重合体水性分散液として
は、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、水溶性
アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、メタアクリルアミ
ド樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタアクリロニトリル
樹脂、スチレン・アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレ
タン樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸共重合体、スチ
レン・ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレ
ン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、酸化ポ
リエチレン、プロピレン・エチレン共重合体、無水マレ
イン酸グラフトポリオレフィン、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、EPDM、フェノール樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散液を挙げるこ
とができる。これらは勿論、2種以上使用してもよい。
【0036】本発明の水性分散液、あるいはこれと他の
重合体水性分散液の混合水性分散液は、任意の基材に塗
布することができる。このような基材としては、高、
中、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共
重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレ
ン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体又はそのアイオノマー、ポリプロピレン、ポリ
−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのよう
なオレフィン重合体又は共重合体、ポリスチレン、ハイ
インパクトポリスチレン、ABS型樹脂、スチレン・ブ
タジエンブロック共重合体又はその水素添加物のような
スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートのようなポリエステル、ナイロン
6、ナイロン66のようなポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル及びこれらの任意割合の混合物など
の熱可塑性重合体、天然ゴム、合成ゴムのようなゴム材
料、フェノール樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性樹
脂、鉄、銅、アルミニウム、ステンレスのような金属、
木材、紙、レーヨン、皮革等の天然素材などを例示する
ことができる。熱可塑性重合体にあっては、フィルム、
シート、中空成形品、射出成形品、織布、不織布、合成
皮革など種々の成形品に適用することができる。
【0037】基材に水性分散液を塗布するには、公知の
方法、例えばロールコーティング、刷毛塗り、スプレー
塗布などを採用することができる。基材には、接着性等
を改良する目的で下塗り剤を塗布しておいてもよく、ま
たコロナ処理等の表面処理を施しておいてもよい。塗布
膜の厚みは任意であるが、1〜100μm程度の薄膜の
みならず、10mm以下程度の厚肉の膜を形成すること
ができる。塗布膜には、耐水性、耐久性等を改良する目
的で、電子線照射による架橋処理を施してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、多価金属水酸化物を多
量に含有する貯蔵安定性が優れた水性分散液を提供する
ことができる。このような水性分散液から得られる塗布
膜は、難燃性に優れているところから、基材の難燃化被
覆として有用である。また他の各種重合体水性分散液の
改質剤として利用することができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
る。なお、実施例及び比較例において用いた水性分散液
を構成する原料成分の種類、及び水性分散液の物性測定
法は次の通りである。
【0040】1. 原料 (A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
【0041】(B)カウンターカチオン B:KOH(純度86%) 和光純薬株式会社製 B:NaOH 和光純薬株式会社製
【0042】(C)多価金属水酸化物 C:Mg(OH)2 C:Ca(OH)2
【0043】(D)アルコール性水酸基含有化合物
【0044】2.水性分散液の物性評価方法 粘度 JIS 6833準拠
【0045】ポットライフ 外観が変化(固化又は分離沈殿)するまでの日数
【0046】外観 目視により下記3段階で評価 ○:適度な粘度を保ち、長期に渡って安定に存在。 ×:粘度が増加し、固化してしまう。 ××;沈殿・分離が発生。
【0047】pH JIS K6833準拠
【0048】平均粒径 レーザー光散乱式粒度分布測定装置NICOMP 37
0HPLによる。
【0049】難燃試験 UL94垂直燃焼試験に準拠して測定した。
【0050】[実施例1〜8]300mlオートクレー
ブ中に共重合体(A)、カチオン(B)、多価金属水酸
化物(C)及び水酸基含有化合物(D)を表1に示す量
仕込み、150℃で1時間撹拌して水分散液を得た。結
果を表2に示す。何れの分散液も良好な分散性及び安定
性を示した。
【0051】[比較例1]実施例1に於いて、水酸基含
有化合物を用いなかった以外は実施例1と同様にして水
性分散液を得た。結果を表2に示す。水分散液は徐々に
増粘し、数日で固化してしまった。
【0052】[比較例2]実施例1に於いて、エチレン
・メタクリル酸共重合体濃度を15wt%にして水性分散
液を調製した。結果を表2に示す。水性分散液の粘度が
非常に小さく、水酸基含有化合物が数日で沈殿してしま
った。
【0053】[比較例3]実施例1に於いて、水酸化マ
グネシウムの添加量を共重合体に対し50重量%とし、
実施例1と同様にして水性分散液を調製した。結果を表
2にしめす。水分散液の粘度が小さく、多価金属水酸化
物が数日で沈殿してしまった。
【0054】
【表1】 *カチオン(B)の添加量:いずれも共重合体の全カル
ボン酸に対する中和度が70モル% ** (C)及び(D)の添加量:共重合体100重量
部に対する重量部
【0055】
【表2】
【0056】[実施例9](難燃性テスト) 実施例3で得られたペースト状水性分散液をPET上に
塗布し、100℃で30分乾燥し、約2mm厚のシート
を得た。このシートのUL94垂直テストによる難燃性
評価結果はV−0であった。
【0057】[実施例10]実施例3で得られたペース
ト状水性分散液を上質紙両面に塗布し、100℃で30
分乾燥し、全体で約2mm厚の3層積層体を得た。この
積層体のUL94垂直テストによる難燃性評価結果はV
−0であった。
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月13日(1999.4.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】又、上記アルキルアミンのアルキレンオキ
シド付加物としては、例えば式(1)で表されるものを
代表として挙げることができる。
【化1】 (式中、Rは炭素数12〜22程度のアルキル基、m,
nは任意の整数でm+n≧1)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】また、上記アルキルアミドのアルキレンオ
キシド付加物としては、例えば式(2)で表されるもの
を代表例として挙げることができる。
【化2】 (式中、R、m、nは式(1)と同じ。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 123/08 Fターム(参考) 4F070 AA13 AA29 AC12 AC13 AC36 AE14 CA02 CA18 CB01 CB12 4J002 BB081 DE029 DE056 DE077 DE087 DE097 DE287 EC058 FD206 FD207 FD208 FD209 GF00 4J038 CB061 CB071 GA06 HA196 HA206 HA216 JA21 JA27 JA58 MA08 MA10 MA14 MA15 NA15 NA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全分散液に対し16〜40重量%となる
    量の、不飽和カルボン酸含量5〜30重量%のエチレン
    ・不飽和カルボン酸共重合体(A)、共重合体(A)の
    カルボキシル基を中和可能なカウンターカチオン
    (B)、共重合体(A)100重量部当たり、多価金属
    水酸化物(C)80〜300重量部及び30%水溶液に
    おける粘度が200mPa・s以下で分子量が60以上
    のアルコール性水酸基含有化合物(D)0.1〜20重
    量部とからなる分散安定性に優れたペースト状水性分散
    液。
  2. 【請求項2】 ポットライフが100日以上である請求
    項1又は2記載のペースト状水性分散液。
  3. 【請求項3】 基材に、請求項1又は2記載のペースト
    状水性分散液を塗布、乾燥して塗布膜を形成させてなる
    積層体。
  4. 【請求項4】 全分散液に対し16〜40重量%となる
    量の、不飽和カルボン酸含量5〜30重量%のエチレン
    ・不飽和カルボン酸共重合体(A)、共重合体(A)の
    カルボキシル基を中和可能なカウンターカチオン
    (B)、共重合体(A)100重量部当たり、多価金属
    水酸化物(C)80〜300重量部、30%水溶液にお
    ける粘度が200mPa・s以下で分子量が60以上の
    アルコール性水酸基含有化合物(D)及び水(E)を、
    圧力容器中、共重合体(A)の融点以上の温度で剪断力
    をかけて混合させることを特徴とする請求項1または2
    に記載のペースト状水性分散液の製造方法。
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