JP2003003140A - 水溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤 - Google Patents

水溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤

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JP2003003140A
JP2003003140A JP2001185131A JP2001185131A JP2003003140A JP 2003003140 A JP2003003140 A JP 2003003140A JP 2001185131 A JP2001185131 A JP 2001185131A JP 2001185131 A JP2001185131 A JP 2001185131A JP 2003003140 A JP2003003140 A JP 2003003140A
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JP
Japan
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water
soluble
melt adhesive
hot melt
pva
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JP2001185131A
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English (en)
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Masashi Yamaguchi
真史 山口
Hideki Furuichi
英樹 古市
Akinobu Oharada
明信 小原田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Unitika Ltd
Unitika Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Unitika Ltd
Unitika Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性及び水分散性と、高温高湿時における
接着力、加熱安定性及び低温塗工性などの他の性能を何
れおもバランスよく高めることができ、かつ工業的に安
価に提供され得る水溶性もしくは水分散性ホットメルト
接着剤を提供する。 【解決手段】 平均重合度50〜1200及びケン化度
60モル%以下のポリビニルアルコール系樹脂100重
量部に対し、アニオン界面活性剤0.01〜30重量部
及び可塑剤0.1〜50重量部が含有されている、水溶
性もしくは水分散性ホットメルト接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性もしくは水
分散性を備えたホットメルト接着剤に関し、より詳細に
は、ホットメルト接着剤が吸湿しやすい高温高湿環境下
において、接着力の低下が生じ難い、水溶性もしくは水
分散性ホットメルト接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤では、溶剤を用いる
ことなく、瞬間接着または高速接着が可能である。従っ
て、ホットメルト接着剤は、製本、包装、木工、製鞄、
織物などの様々な分野に広く用いられている。
【0003】ホットメルト接着剤では、接着性、溶融
性、耐熱性、耐寒性及び柔軟性などに優れていることが
要求されている。そこで、従来、ホットメルト接着剤の
ベースポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチルエステル共
重合体(EEA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リアミドまたはポリエステルなどが用いられている。特
に、包装、製本及び製袋などの用途では、接着性、作業
性及び柔軟性に優れたEVAをベースポリマーとして含
むホットメルト接着剤が広く利用されている。
【0004】しかしながら、上記ベースポリマーは、疎
水性であるため、例えば古紙を再生処理する場合には、
水に溶解もしくは分散しない部分が残り、再生処理が困
難となる。そこで、近年、リサイクル適性に優れた水溶
性もしくは水分散性のポリビニルアルコール(PVA)
系樹脂をベースポリマーとして含む水溶性もしくは水分
散性ホットメルト接着剤が注目されている。
【0005】従来、この種の水溶性もしくは水分散性ホ
ットメルト接着剤として、下記の種々の接着剤が提案さ
れている。例えば、特開昭51−77632号公報、特
開昭51−95440号公報及び特開昭51−1493
28号公報などでは、重合度が低い部分ケン化PVA系
樹脂をベースポリマーとして含み、これに5価以上のア
ルコール、グリセリン、ポリエチレングリコールまたは
エチレン尿素などのPVA用可塑剤,粘度低下剤,及び
その他の添加剤を混合してなる水溶性もしくは水分散性
ホットメルト接着剤が提案されている。これらの接着剤
では、溶融粘度の低下により、塗工性を改善することが
でき、かつ接着剤皮膜の柔軟性を高めることができると
されている。
【0006】また、特開昭53−50239号公報、特
開昭54−138033号公報及び特開昭54−139
945号公報などでは、カルボン酸、スルホン酸もしく
はアミドなどの親水基を含むモノマーまたはビニルピロ
リドンと、酢酸ビニルとを共重合して得られた変性ポリ
酢酸ビニルをケン化することにより得られた変性PVA
系樹脂をベースポリマーとして含む水溶性もしくは水分
散性ホットメルト接着剤が提案されている。これらの先
行技術に記載のホットメルト接着剤では、上記特定の変
性PVA系樹脂を用いることにより水溶性が高められる
とされている。
【0007】また、特開昭54−76634号公報また
は特開昭55−94978号公報などには、酢酸アリル
または飽和分岐脂肪酸ビニルなどのビニルモノマーを酢
酸ビニルモノマーと共重合することにより得られた変性
ポリ酢酸ビニルをケン化し、得られた変性PVA系樹脂
をベースポリマーとして含むホットメルト接着剤が開示
されている。このホットメルト接着剤では、高温高湿下
における接着力が高められ、耐寒性が高められ、接着剤
に含有される他の樹脂との相溶性に優れているとされて
いる。
【0008】上記のように、PVA系樹脂をベースポリ
マーとして含むホットメルト接着剤として従来種々の接
着剤が提案されており、水溶性、高温高湿下における接
着力(耐湿熱接着性)、溶融粘度及び熱安定性などの諸
物性の改良がなされている。
【0009】しかしながら、従来、各物性についての個
々の改善は図られているものの、高温高湿下における
接着力、常温中性条件下における水溶性もしくは水分
散性、優れた加熱安定性及び容易に塗工され得る程
度の溶融粘度といった4つの物性をすべて満足するもの
は存在しなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、上記4つの物性
をすべて満足する水溶性もしくは水分散性ホットメルト
接着剤を開発することが困難であったのは、以下の理由
による。すなわち、重合度の低い部分ケン化PVA系樹
脂をベースポリマーとして含む水溶性もしくは水分散性
ホットメルト接着剤では、水溶性多価アルコール、尿素
またはこれらの誘導体などのPVA用可塑剤の添加によ
り溶融時の粘度が低下されたり、皮膜が柔軟にされ得る
ものの、完全ケン化PVA系樹脂または変性PVA系樹
脂をベースポリマーとして含む接着剤に比べて、吸湿に
よる強度の低下が大きく、特に梅雨時や夏場などの高温
高湿時には耐湿熱接着性が著しく低下しがちであった。
【0011】特開平5−65465号公報では、耐湿熱
接着性を高めるために、常温で固体の疎水性可塑剤が配
合されている。しかしながら、固体の疎水性可塑剤を用
いた場合、耐湿熱接着性は高められるものの、接着剤の
水溶性が著しく低下する。すなわち、得られた接着剤
は、見かけの上では水分散性接着剤となるが、必要上十
分な水分散性を有するものではなかった。
【0012】また、PVA系樹脂のケン化度を低めるこ
とにより、耐湿熱接着性を高めることも可能であるか、
この場合には水溶性が著しく低下する。従って、耐湿熱
接着性と水溶性とをバランスよく発現させることは極め
て困難であった。
【0013】なお、完全ケン化PVA系樹脂をベースポ
リマーとして含むホットメルト接着剤では、PVA系樹
脂自体の水素結合力が大きくなりすぎて、樹脂の水溶性
が著しく低下する。従って、完全ケン化PVA系樹脂で
は、部分ケン化PVA系樹脂を用いた場合に比べて十分
な水溶性は得られない。
【0014】また、従来のPVA系樹脂をベースポリマ
ーとして含むホットメルト接着剤では、水溶性を確保す
るためにPVA系樹脂のケン化度を高くする必要があっ
たが、ケン化度が高くなると、軟化点が高くなり、接着
剤を低温で溶融塗工することができなくなる。
【0015】また、PVA系樹脂は高温で加熱されると
酸化されやすいので、従来のPVA系ホットメルト接着
剤の加熱安定性は非常に悪かった。なお、ビニルアルコ
ールと他の単量体樹脂を共重合したり、PVA系樹脂に
他の官能基を化学修飾して変性することにより得られた
変性PVA系樹脂を用いた場合には、共重合や化学修飾
により導入された変性基の特性によりPVA系樹脂の融
点を低下させたり、耐湿熱接着性や水溶性を改善した
り、可塑剤との相溶性を改善することができる。しかし
ながら、PVA系樹脂を特殊な条件で製造する必要があ
り、あるいはPVA系樹脂を製造した後にさらなる化学
処理が必要となる。従って、接着剤の製造コストが高く
なり、かつ製造工程が煩雑になるという欠点があった。
【0016】本発明の目的は、上述した従来技術の現状
に鑑み、高温高湿下における接着力に優れ、水溶性
に優れ、加熱安定性に優れ、かつ容易に塗工され得
る程度の溶融粘度を備えており、かつ工業的に安価に提
供される水溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明によれ
ば、平均重合度50〜1200及びケン化度60モル%
以下のポリビニルアルコール系樹脂100重量部と、ア
ニオン界面活性剤0.01〜30重量部と、可塑剤0.
1〜50重量部とを含む水溶性もしくは水分散性ホット
メルト接着剤が提供される。
【0018】また、本願の第2の発明に係るホットメル
ト接着剤は、第1の発明の好ましい範囲を規定したもの
であり、平均重合度100〜600、ケン化度20〜5
0モル%のポリビニルアルコール系樹脂100重量部
と、アニオン界面活性剤0.1〜5重量部と、可塑剤
0.1〜50重量部とを含むことを特徴とする、水溶性
もしくは水分散性ホットメルト接着剤である。
【0019】従来の水溶性もしくは水分散性ホットメル
ト接着剤においてベースポリマーとして用いられていた
部分ケン化PVA系樹脂のケン化度は、一般に65%以
上であった。これは、水溶性を確保するために、ケン化
度をこのように高くする必要があったためである。しか
しながら、このような高いケン化度の部分ケン化PVA
系樹脂では、融点が高くなり、高温高湿下で十分な接着
力を発現させるには、多量の可塑剤を添加しなければな
らなかった。
【0020】これに対して、本発明に係る水溶性もしく
は水分散性ホットメルト接着剤組成物では、アニオン界
面活性剤の添加により、水溶性を確保することができる
ので、従来水溶性が低く、使用することができないと考
えられていたケン化度の低い部分ケン化PVA系樹脂を
ベースポリマーとして用いることが可能とされている。
部分ケン化PVA系樹脂のケン化度を低くすることがで
きるので、本発明に係る水溶性もしくは水分散性ホット
メルト接着剤は低温で塗工することができ、かつ高温高
湿下であっても優れた接着力を発現する。
【0021】また、可塑剤を比較的多量に添加したとし
ても、高温高湿下における十分な接着力を得ることがで
きるので、可塑剤の添加により溶融粘度の低い接着剤を
得ることができる。
【0022】さらに、部分ケン化PVA系樹脂が変性P
VA系樹脂である場合には、変性PVA系樹脂の種類に
よっては、耐湿熱接着性や溶融粘度を低下させる恐れが
あるが、このような場合であっても、アニオン界面活性
剤の添加により、耐湿熱接着性や溶融粘度を低下させる
ことなく、水溶性を高めることができる。よって、従来
の変性PVA系樹脂を用いたホットメルト接着剤に比べ
て、本発明によれば、水溶性と、水溶性以外の性能の双
方を高めることができる。
【0023】また、本発明に係る接着剤では、上記のよ
うにケン化度の低いPVA系樹脂を用いることができ
る。このようなケン化度の低いPVA系樹脂の融点は低
いので、従来の部分ケン化PVA系樹脂を用いたホット
メルト接着剤に比べて粘度が低く、低温で塗布すること
ができる。従って、結果として、加熱安定性に優れた接
着剤を提供することができる。
【0024】本発明において、PVA系樹脂の平均重合
度が50未満の場合には接着力が低下し、1200を超
えると、接着剤の溶融粘度が著しく高くなり、ホットメ
ルト接着剤として使用することが困難となる。PVA系
樹脂の平均重合度の好ましい範囲は100〜600であ
り、より好ましい範囲は100〜400である。
【0025】本発明において用いられるPVA系樹脂に
おけるケン化度が60モル%を超えると、水溶性は高め
られるものの、PVA系樹脂の融点が高くなり、低温塗
工性が低下し、かつ低温塗工性を高めるために可塑剤を
大量に配合する必要が生じ、さらに高温高湿下における
接着力が著しく低下する。PVA系樹脂のケン化度の好
適な範囲は20〜50モル%であり、より好ましくは3
0〜45モル%である。
【0026】また、本発明におけるPVA系樹脂は、部
分ケン化PVA系樹脂であれば、未変性PVA系樹脂で
あってもよく、変性PVA系樹脂であってもよい。変性
PVA系樹脂としては、例えばクロトン酸、アクリル
酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸及び該モノカル
ボン酸のエステル、塩、無水物、アミドもしくはニトリ
ル類;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのジカル
ボン酸及びその塩;またはマレイン酸モノメチルもしく
はイタコン酸モノメチル等の該ジカルボン酸のモノアル
キルエステル類;炭素数2〜30のα−オレフィン類;
アルキルビニルエーテル類;ビニルピロリドン類などに
より変性されたPVA系樹脂が挙げられる。また、PV
A系樹脂や上記変性PVA系樹脂を、部分的にウレタン
化、アセタール化、エーテル化、グラフト化もしくはリ
ン酸エステル化などの反応により変性もしくはさらに変
性させた変性樹脂を用いてもよい。
【0027】これらのPVA系樹脂は、一種のみが用い
られてもよく、二種以上併用されてもよい。本発明で用
いられるアニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ソ
ーダ、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩
類;直鎖第二級アルキル(炭素12〜16)スルホン酸
ソーダなどのアルキルスルホン酸塩類;ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダなどの長鎖アルキル基を有する水溶
性のアルキルベンゼンスルホン酸塩類;ジオクチルスル
ホコハク酸ソーダなどのジアルキルベンゼンスルホコハ
ク酸塩類;オレイン酸ソーダ、半硬化牛脂ナトリウム石
鹸、オレイン酸カリウム、半硬化牛脂カリウム石鹸、ヒ
マシ油カリウム石鹸、ステアリン酸ソーダもしくはステ
アリン酸カリウムなどの脂肪酸アルカリ塩類などが挙げ
られる。
【0028】アニオン界面活性剤の内、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルホスフォネート
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等はPVA系樹脂
の水溶性及び水分散性を付与する効果が小さい。また、
高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、高級脂
肪酸アルキロールアミドスルホン酸塩などはPVA系樹
脂の水溶性及び水分散性を付与する効果がポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸塩などよりも大きいが、そ
れでもPVA系樹脂の水溶性及び水分散性を高める効果
はそれほど大きくはない。
【0029】これに対して、アルキル硫酸塩、アルキル
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアル
キルスルホコハク酸塩及び脂肪酸アルカリ塩などはPV
A系樹脂の水溶性及び水分散性を付与する効果が顕著で
あり、本発明のアニオン界面活性剤として特に好まし
い。
【0030】上記アニオン界面活性剤は、一種のみ用い
られてもよく、二種以上用いられてもよい。また、ホッ
トメルト接着剤は使用時に加熱され、高温となる。従っ
て、加熱安定性に優れたアニオン界面活性剤が好まし
い。また、加熱安定性に優れたアニオン界面活性剤であ
っても、PVA系樹脂の水溶性及び水分散性を付与させ
るためにアニオン界面活性剤が多量に使用されると、他
の性能が低下する。従って、少量で水溶性及び水分散性
を高める効果が得られるものが好ましく、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩が特に好適に用いられる。
【0031】上記アニオン界面活性剤は、水不溶性であ
るPVA系樹脂に対しては水分散性もしくは水溶性を付
与するために用いられ、水分散性のPVA系樹脂に対し
ては水分散性を改善するために用いられ、可能であれば
水溶性を付与して水に対して可溶化させるために用いら
れる。アニオン界面活性剤の配合量が多過ぎると、ホッ
トメルト接着剤としての凝集力が低下するため、配合量
は、PVA系樹脂100重量部に対して0.01〜30
重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましく
は0.5〜5重量部である。
【0032】本発明において用いられる可塑剤として
は、使用するPVA系樹脂との相溶性の良好なものが用
いられる。このような可塑剤としては、グリセリン、ジ
グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エチ
レングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、
ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、3−メチ
ルペンタン−1,3,5−トリオール、キシリット、キ
シロール、アラビット、アドニット、マンニット、ソル
ビット、ダルシットなどの多価アルコール類またはこれ
らの高級脂肪酸エステル、及びこれらにエチレンオキサ
イドもしくはプロピレンオキサイドが付加された付加
物;エチレン尿素などの尿素誘導体などが挙げられる
が、PVA系樹脂と相溶性のよいものであればこれらに
限られず、また複数種の可塑剤が用いられてもよい。
【0033】これらの可塑剤は、水溶性もしくは水分散
性ホットメルト接着剤の柔軟性を高め、かつ溶融粘度を
低下させる効果を有し、可塑剤の添加量が少ないとこれ
らの効果が少なく、また添加量が多いと高温高湿下での
接着力が著しく低下する。可塑剤の配合量は、PVA系
樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部であり、
好ましくは0.1〜20重量部である。
【0034】本発明の水溶性もしくは水分散性ホットメ
ルト接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で粘着
剤、酸化防止剤、滑剤、充填剤、着色剤、香料、安定剤
などの種々の添加剤を配合してもよい。
【0035】本発明に係る水溶性もしくは水分散性ホッ
トメルト接着剤は、上述した各成分を溶融ブレンドした
後、任意の形状に成形され、製品化される。この製造方
法としては、従来よりホットメルト接着剤の製品化に用
いられている任意の方法を用いることができる。従っ
て、本発明に係るホットメルト接着剤は、ブロック状、
短冊、ビスケット、ペレット、ロープ、粉末もしくはフ
ィルム状などの適宜の形状とされ得る。
【0036】成形方法はこのような形状によって異な
る。例えば、短冊状に成形する場合には、溶融混合され
た溶融物をステンレスなどのベルト板上にフィーダーか
ら流出させ、ベルトの内側から冷却水をスプレーし、間
接的に溶融物を冷却固化してストランドとし、固化後カ
ッタ―によりストランドを短冊状に切断する方法が用い
られ得る。
【0037】上記のようにして得られた水溶性もしくは
水分散性ホットメルト接着剤の製造及び塗工に際して
は、エチレン酢酸ビニル系ホットメルト接着剤などの一
般的なホットメルト接着剤の製造装置や塗工機械をその
まま利用することができる。従って、本発明に係る水溶
性もしくは水分散性ホットメルト接着剤は工業的に安価
にかつ容易に提供され得る。
【0038】上記のように、接着剤塗工方法は一般的な
ホットメルト接着剤の塗工機械を用いて行われ得るの
で、塗工に際して、公知のロール、ダイ、ノズル及びリ
ップなどのホットメルト塗工機を用いることができる。
【0039】本発明に係る水溶性もしくは水分散性ホッ
トメルト接着剤が適用され得る被着体は特に制限されな
い。例えば、コピー用紙、包装紙、おもちゃ等を包装す
る包装容器、段ボール箱やカートン箱などの製函ないし
封函容器、電話帳やカタログや伝票等の製本物品、段ボ
ールパレット、ファイバー缶、紙管、紙おむつ等の衛生
材料製品などの各種複着体に対して用いることができ
る。また、本発明に係るホットメルト接着剤は、おもち
ゃ等を包装する包装容器や段ボール箱やカートン箱など
を製函ないし封函する際に使用する接着剤、袋の上端、
下端もしくは胴部が接着シールされた袋製品の接着シー
ルに使用する接着剤として使用されてもよい。さらに、
本発明の接着剤をクラフト紙などの支持体に塗工して接
着テープを製造し、これを加熱により貼り付け可能とな
る感熱接着テープや吸湿により貼り付け可能となる感湿
接着テープやこれらを用いたラベルとして用いてもよ
い。なお、紙製品はリサイクル適性に優れるので、本発
明に係るホットメルト接着剤を適用する物品として好適
である。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例及
び比較例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明
する。
【0041】〔使用した材料〕 (PVA系樹脂) PVA1,平均重合度150、ケン化度40モル%のP
VA(ユニチカケミカル社製試作品) PVA2,平均重合度240、ケン化度35モル%のP
VA(ユニチカケミカル社製試作品) PVA3,平均重合度150、ケン化度10モル%のP
VA(ユニチカケミカル社製試作品) PVA4,平均重合度80、ケン化度65モル%のPV
A(ユニチカケミカル社製試作品) (界面活性剤) 界面活性剤1,ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(ハ
ード型、アニオン界面活性剤) 界面活性剤2,ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(ノニオン界面活性剤) 界面活性剤3,ラウリルトリメチルアンモニウムクロラ
イド(カチオン界面活性剤) (可塑剤) ジグリセリン誘導体(阪本薬品社製、商品名:SCE−
750)
【0042】〔実施例1〜7〕PVA系樹脂と、界面活
性剤1と、ジグリセリン誘導体(DG誘導体)とを下記
の表1に示す配合割合となるように配合し、配合物を1
50℃で溶融混合し、均一な混合組成物を得、該混合組
成物を実施例の水溶性もしくは水分散性ホットメルト接
着剤とした。
【0043】〔比較例1〜8〕下記の表2に示すように
各成分を配合したことを除いては、実施例1〜7と同様
にして、ホットメルト接着剤を得た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】〔実施例及び比較例の評価〕実施例及び比
較例で得られた各接着剤について、下記の方法で耐湿
熱接着性、水溶性及び水分散性、溶融粘度、加熱
安定性を評価し、かつ総合評価を行った。結果を下記
の表3に示す。
【0047】耐湿熱接着性 接着剤を2枚の汎用段ボール(サイズ50mm×100
mm、「Kライナー」)の一方に塗布温度150℃、塗
布量0.03g/cm、塗布速度7.5m/分にて塗布
し、ホットメルトオープンタイムテスターを用いて、オ
ープンタイム2秒、プレス荷重2kgで2枚の段ボール
を貼り合わせて耐湿熱接着性試験片を作製した。次い
で、上記のようにして得られた耐湿熱接着性試験片を2
5mm×100mmサイズに切断し、温度40℃、湿度
80%の条件で放置し、手で強制的に剥離して材破率を
測定した。表3では、24時間放置後の材破率が80%
以上のものを耐湿熱接着性良好(〇印)とした。
【0048】水溶性及び水分散性 25mm×50mm×1mmの接着剤小片を準備し、こ
れを試験片として温度20℃の200mLの水中に30
分浸漬し、ジューサーミキサーを用いて攪拌条件の違い
による接着剤の溶解・分散状態を目視で観察し、接着剤
の水溶性及び水分散性の良否を下記のレベル1〜5の何
れに該当するかにより調べた。 レベル5:攪拌なしで水溶する(溶解後の溶液は透明)
または攪拌なしで微分散する(分散後の溶解は白濁) レベル4:攪拌する(10秒程度攪拌する程度)ことに
より微分散する レベル3:白化し、著しく軟化する(数分攪拌すると微
分散する) レベル2:白化し、著しく軟化する(30分攪拌すると
微分散する) レベル1:30分攪拌しても微分散しない(砕けるだ
け)
【0049】溶融粘度 JIS−K−6862に準じて溶融粘度を測定した。な
お、表3における溶融粘度の〇印及び×印の意味は以下
の通りである。 〇:150℃での溶融粘度が10,000mPa.s未
満となるもの ×:150℃での溶融粘度が10,000mPa.s以
上となるもの
【0050】加熱安定性 あらかじめ溶融された試料30mLを入れ、アルミ箔で
蓋をした試料容器(140mlマヨネーズ瓶)を使用温
度(溶融粘度が10,000mPa.s未満となる温
度)±2℃に保持した恒温槽に入れる。試料が使用温度
に達してから24時間毎に表面に皮が発生する時間を観
察した。 〇:24時間以上表面に皮はりが発生しなかった ×:表面に皮はりが発生するまでの時間が24時間未満
であった
【0051】総合評価 上記〜の各評価を総合し、全ての項目において性能
が良好である場合、下記の表3に総合評価として〇印を
付し、1つ以上の性能が劣っている場合には×印を付し
た。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】第1の発明に係る水溶性もしくは水分散
性ホットメルト接着剤では、平均重合度50〜1200
及びケン化度60モル%以下のポリビニルアルコール系
樹脂をベースポリマーとして含む。すなわち、ケン化度
が低いPVA系樹脂を用いるため、低温塗工が容易であ
り、高温高湿環境下においても優れた接着力を発現し、
さらに接着剤の加熱安定性が高められる。また、上記ケ
ン化度が低いPVA系樹脂をベースポリマーとして用い
ているが、アニオン界面活性剤の添加により、水溶性及
び水分散性を高めることができる。
【0054】従って、水溶性と、耐湿熱接着性や低温塗
工性などの他の性能とのバランスに優れた水溶性もしく
は水分散性ホットメルト接着剤を提供することができ
る。
【0055】第2の発明に係る水溶性もしくは水分散性
ホットメルト接着剤では、第1の発明と同様に、ケン化
度の低いPVA系樹脂を用いており、かつアニオン界面
活性剤の添加により、水溶性もしくは水分散性と、耐湿
熱接着性や低温塗工性などの他の性能とのバランスに優
れた水溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤を提供
することができ、さらに、ケン化度が20〜50モル%
であるため、低温塗工性においてより一層優れており、
アニオン界面活性剤の添加量が上記範囲内であるため、
接着剤の凝集力も充分な大きさとされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 真史 滋賀県甲賀郡水口町泉1259 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 古市 英樹 大阪市中央区久太郎町四丁目1番3号 ユ ニチカ株式会社内 (72)発明者 小原田 明信 大阪府堺市築港新町3丁11番 ユニチカケ ミカル株式会社内 Fターム(参考) 4J040 DD021 HB24 HD12 HD13 JA02 JA03 JB01 KA31 KA38 LA07 LA08 MB03 NA06 NA07 NA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均重合度50〜1200及びケン化度
    60モル%以下のポリビニルアルコール系樹脂100重
    量部と、 アニオン界面活性剤0.01〜30重量部と、 可塑剤0.1〜50重量部とを含むことを特徴とする水
    溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリビニルアルコール系樹脂の平均
    重合度が100〜600の範囲にある、請求項1に記載
    の水溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤。
  3. 【請求項3】 前記ポリビニルアルコールのケン化度が
    20〜50モル%の範囲にある、請求項1または2に記
    載の水溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤。
  4. 【請求項4】 平均重合度100〜600、ケン化度2
    0〜50モル%のポリビニルアルコール系樹脂100重
    量部と、 アニオン界面活性剤0.1〜5重量部と、 可塑剤0.1〜50重量部とを含むことを特徴とする、
    水溶性もしくは水分散性ホットメルト接着剤。
  5. 【請求項5】 前記可塑剤が0.1〜20重量部の割合
    で配合されている、請求項4に記載の水溶性もしくは水
    分散性ホットメルト接着剤。
  6. 【請求項6】 前記アニオン界面活性剤が、アルキル硫
    酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
    ン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩及び脂肪酸アルカ
    リ塩からなる群から選択された少なくとも一種である、
    請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性もしくは水分散
    性ホットメルト接着剤。
  7. 【請求項7】 前記アニオン界面活性剤がアルキルベン
    ゼンスルホン酸塩の少なくとも一種である請求項1〜5
    のいずれかに記載の水溶性もしくは水分散性ホットメル
    ト接着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011101758A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Unitika Ltd 衛生マスク
JP2018137242A (ja) * 2012-07-18 2018-08-30 住友化学株式会社 接着層、及び組成物

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