JPH1135919A - 高速接着性に優れた水溶性ホットメルト接着剤 - Google Patents
高速接着性に優れた水溶性ホットメルト接着剤Info
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- JPH1135919A JPH1135919A JP19998197A JP19998197A JPH1135919A JP H1135919 A JPH1135919 A JP H1135919A JP 19998197 A JP19998197 A JP 19998197A JP 19998197 A JP19998197 A JP 19998197A JP H1135919 A JPH1135919 A JP H1135919A
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Abstract
性に優れ、長時間に亘り安定して高い接着強度を維持し
得る水溶性ホットメルト接着剤を提供する。 【解決手段】 水溶性高分子と、酸価が50〜350
(mgKOH/g)のロジン類化合物と、水溶性又は水
分散性の親水性可塑剤とを含有する水溶性ホットメルト
接着剤を調製する。ここで、ロジン類化合物とは、ロジ
ン、ロジンの塩、ロジン誘導体、ロジン誘導体の塩及び
これらの組合せからなる群から選択されるものである。
Description
高速接着剤、溶融状態での熱安定性が改善された水溶性
ホットメルト接着剤に関する。
異なり、溶融・塗布という簡単な操作で被着体を接着で
きるとともに、有機溶剤を必要とせず環境汚染の虞がな
いという利点を有する。そのため、近年、紙、衣類や木
工などの種々の接着分野にホットメルト接着剤が使用さ
れている。特に紙用接着剤の分野では、包装材の接着、
製本、製袋、段ボール箱の貼合などにホットメルト接着
剤が幅広く利用されている。これらのホットメルト接着
剤には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂が広く利用されているとともに、接着性を
改善するため、粘着付与剤としての石油樹脂、テルペン
系樹脂、ロジン、ロジン誘導体等が添加されている。し
かし、これらの接着剤は溶剤可溶性であり、水には溶解
しない。
などの点から、古紙の回収および再生について検討され
ている。しかし、水不溶性のホットメルト接着剤を用い
るとこれを除去しなければならず、簡単な操作で古紙を
回収および再生することが困難であり、資源を再利用す
る上で大きな障害となる。
接着剤が提案されている。例えば、特開昭51−776
32号公報には、ポリビニルアルコールと、エチレンオ
キサイドを付加した多価アルコールとを含むホットメル
ト接着剤が開示されている。しかし、このホットメルト
接着剤は水溶性ではあるものの、耐熱クリープ性が不充
分であるだけでなく、溶融状態では熱安定性が劣るとい
う欠点を有している。そのため、長時間に亘りホットメ
ルト接着を行う場合には使用することが困難である。
度30〜3000で鹸化度60モル%以上のポリビニル
アルコール(以下、単に「PVA」と称する場合があ
る)100重量部と水10〜50重量部とを主成分とす
る含水ゲル、又はこの含水ゲルにグリセリンなどの有機
物系可塑剤を添加したホットメルト接着剤が開示されて
いる。このホットメルト接着剤も水溶性であり、耐熱ク
リープ性は比較的良好である。しかしながら、この接着
剤は溶融状態での接着剤自体の熱安定性が低いだけでな
く、初期接着性の指標となるセットタイムが長いため、
ホットメルト接着剤の利点である高速接着には適さず、
実用的でない。
合度30〜3000で鹸化度95モル%以上のPVA
と、平均重合度30〜4000で鹸化度50〜95モル
%のPVAと、水とで構成された水溶性ホットメルト接
着剤が開示されている。このホットメルト接着剤は耐熱
クリープ性、安定性が比較的良好であり、初期接着性も
かなり改善されている。しかし、この接着剤のセットタ
イムは5秒程度であり、未だ高速接着には適さない。し
かも、溶融状態での熱安定性も低い。
PVAが使用されているものの、未だ熱安定性が小さい
ため、連続的に長時間に亘り被着体の接着に供すること
が困難であるとともに、セットタイムが長いため、高速
接着を行うことができない。
は、熱安定性の高い水溶性ホットメルト接着剤を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は、接着性およ
び耐熱クリープ性に優れる水溶性ホットメルト接着剤を
提供することにある。本発明の別の目的は、長時間に亘
り安定して高い接着強度で被着体を接着でき、しかも高
速接着を行うことのできる水溶性ホットメルト接着剤を
提供することにある。
性ホットメルト接着剤は、水溶性高分子と、ロジン若し
くはロジン誘導体又はこれらの塩(以下、「ロジン類化
合物」と称することがある)と、水溶性又は水分散性の
親水性可塑剤とを含有している。水溶性高分子として
は、変性酢酸ビニル共重合体、PVAを用いることがで
き、水溶性、接着性及び作業性を損なわない種々のPV
Aを用いることができる。使用し得るPVAとして、例
えば、平均重合度30〜700および鹸化度40〜95
モル%のPVAを挙げることができる。ロジン類化合物
としては、例えば、酸価50〜350(mgKOH/
g)程度、軟化点100〜160℃程度のものを用いる
ことができる。ロジン類化合物は、ロジン変性マレイン
酸樹脂又はエステル型ロジン変性マレイン酸樹脂などの
ように、アルコール可溶性であってもよい。また、親水
性可塑剤には、多価アルコールなどのPVA用の種々の
水溶性可塑剤が含まれる。本発明の水溶性ホットメルト
接着剤は、さらに、フェノール系酸化防止剤などの酸化
防止剤を含んでいてもよい。
性酢酸ビニル共重合体としては、被着体に対する接着強
度、塗工性などを損なわない範囲で種々の変性酢酸ビニ
ル共重合体が使用でき、好ましくは末端にスルホン酸ナ
トリウム等の水溶性を付与させる官能基を有することが
好ましい。変性酢酸ビニル共重合体の平均重合度は、3
0〜700、好ましくは50〜500、さらに好ましく
は100〜400程度であり、平均重合度100〜50
0程度の変性酢酸ビニル共重合体を用いる場合が多い。
平均重合度が30未満では、ホットメルト接着剤の耐熱
接着性(耐熱クリープ性)が低下し、重量物の接着に適
さない虞がある。また、平均重合度が700を超えると
溶融時の粘度上昇により接着作業性が低下するととも
に、水溶性も低下するので好ましくない。
ては、被着体に対する接着強度、塗工性などを損なわな
い範囲で種々のPVAが使用でき、例えば、平均重合度
は、30〜700、好ましくは50〜500、さらに好
ましくは100〜400程度であり、平均重合度100
〜500程度のPVAを用いる場合が多い。平均重合度
が30未満では、ホットメルト接着剤の耐熱接着性(耐
熱クリープ性)が低下し、重量物の接着に適さない虞が
ある。また、平均重合度が700を越えると溶融時の粘
度上昇により接着作業性が低下するとともに、水溶性も
低下するので好ましくない。
損なわない範囲で選択でき、例えば、40〜95モル
%、好ましくは45〜90モル%、さらに好ましくは5
0〜75モル%程度であり、鹸化度45〜75モル%程
度のPVAを用いる場合が多い。鹸化度が40モル%未
満では、PVAが軟質化するとともに、ホットメルト接
着剤の耐熱クリープ性が低下し、鹸化度が90モル%を
越えると水溶性が低下するので好ましくない。
のロジン類化合物を使用する点にあるといえる。酸価が
高くないロジン又はロジン誘導体は、従来より水不溶性
ホットメルト接着剤の粘着付与剤(タッキファイヤー)
として使用されている。しかし、このようなロジン又は
ロジン誘導体を粘着付与剤としてPVAに混合しても水
溶性が発現しないだけでなく、PVAに対する粘着付与
剤の相溶性が小さいため、接着力が向上せず、溶融状態
での接着剤自体の熱安定性も改善されない。これに対し
て、PVAと高酸価のロジン類化合物とを組合せると、
水溶性を損なうことなく、ホットメルト接着剤の熱安定
性を大きく改善できる。さらに、高酸価のロジン類化合
物の添加により、セットタイムを顕著に短縮できるとと
もに、耐熱接着性(耐熱クリープ性)および被着体に対
する接着強度が大きく向上する。
ン、ウッドロジン、トールオイルロジン、不均化ロジ
ン、水添ロジン、重合ロジンなど(以下、これらを単に
ロジンと総称する場合がある)を例示することができ、
これらのロジンから誘導されるロジン誘導体も含まれ
る。ロジン誘導体としては、カルボキシル基が残存又は
導入された化合物を挙げることができ、例えば、ロジン
と多価アルコールとのエステル(ロジンエステル)、ロ
ジンと多塩基酸(例えば、無水マレイン酸)との反応生
成物(ロジン−無水マレイン酸付加体で構成されたロジ
ン変性マレイン酸樹脂など)、ロジン−無水マレイン酸
付加体と多価アルコールとのエステル、多価アルコール
の存在下でロジンと無水マレイン酸とを反応させて生成
したエステル(エステル型ロジン変性マレイン酸樹
脂)、ロジンとアクリル酸を共重合させたロジン−アク
リル酸共重合体などが含まれる。このようなロジン類化
合物は単独又は二種以上組合せて使用してもよい。これ
らのロジン類化合物の中で、ロジン変性マレイン酸樹
脂、エステル型ロジン変性マレイン酸樹脂及びロジン−
アクリル酸共重合体がより好ましい。
価であればよく、その酸価は、例えば、50〜350
(mgKOH/g)、好ましくは80〜345(mgK
OH/g)、さらに好ましくは90〜340(mgKO
H/g)程度のロジン類化合物を用いる場合が多い。酸
価が50(mgKOH/g)未満ではホットメルト接着
剤の相溶性が低下し易く、酸価が350(mgKOH/
g)を越えると熱安定性が低下し、溶融混合物を得るこ
とが困難である場合が多いので好ましくない。
性高分子との混和性などを損なわない範囲で選択でき、
接着性を高めるためには、例えば、100〜160℃、
好ましくは105〜155℃、さらに好ましくは110
〜150℃程度である。ロジン類化合物の使用量は、P
VAの種類などに応じて選択でき、例えば、PVA10
0重量部に対して50〜200重量部、好ましくは60
〜190重量部、さらに好ましくは70〜180重量部
程度である。ロジン類化合物の使用量が50重量部未満
では高い接着性を発現させるのが困難であり、200重
量部を越えると耐熱クリープ性が低下する場合があるの
で好ましくない。
性のものが使用でき、PVA用の可塑剤を用いる場合が
多い。このような可塑剤としては、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、テトラメチレングリコールなどのアルキレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−
プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシアルキ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコー
ルやそれらの誘導体(例えば、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルなどのセロソルブ類、カルビトール類、前記多価
アルコールとアルキレンオキサイド(エチレンオキサイ
ドなど)との付加物など);多価アルコールとホウ酸と
のエステル(例えば、硼酸エチレングリコールエステル
など)、エチレン尿素、尿素などが例示される。多価ア
ルコールには、例えば、ジオール(エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサンジオールなどのアルキレングリコール;ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポ
リオキシアルキレングリコールなど);グリセリン、ペ
ンタリスリトール、ジペンタリスリトールなどが例示さ
れる。これらの多価アルコールは一種または二種以上使
用できる。親水性可塑剤を用いることにより熱溶融性を
向上させ、ホットメルト接着剤の体積収縮による接着不
良の抑制や、柔軟性の付与に効果がある。
子用可塑剤を用いると、組成物の熱溶解性が向上し、接
着後のホットメルト接着剤の体積収縮による接着不良を
抑制できるとともに、柔軟性を付与できる利点がある。
これらの可塑剤のうち、水溶性多価アルコール、例え
ば、2以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール、
特にポリオキシエチレン単位を有する多価アルコールお
よびグリセリンが好ましい。このような可塑剤、特にグ
リセリンを用いると、ホットメルト接着剤の耐熱性およ
び可撓性を向上させることができる。親水性可塑剤の使
用量は、接着性、耐熱性などを損なわない範囲で選択で
き、例えば、水溶性高分子100重量部に対して50〜
150重量部、好ましくは60〜140重量部、さらに
好ましくは65〜130重量部程度である。可塑剤の使
用量が50重量部未満では水溶性高分子とロジン類化合
物とを均一に融合するのが困難となり、接着不良が生じ
易く、150重量部を越えると耐熱クリープ性および接
着性が低下し易いので好ましくない。
が大きく、セットタイムが短いので高速接着に適してい
るとともに、耐熱クリープ性が高く、高い温度でも大き
な接着強度が発現する。特に上述のロジン類化合物と可
塑剤(特に水溶性高分子用可塑剤)とを併用すると、溶
融状態での接着剤の熱安定性が向上し、180℃程度の
高温を数時間以上の長時間保持しても、ホットメルト接
着剤は殆ど変色せず、炭化物の生成や表面に固化層が生
じる所謂”皮張り”現象を生ずることがない。そのた
め、本発明のホットメルト接着剤は、高い水溶性および
実用的な安定性を有しており、長時間に亘り安定に使用
することができる。
定性、特に熱安定性を高めるため、種々の酸化防止剤
(安定剤)を含んでいてもよい。これらの酸化防止剤に
ついては、成書「プラスチックおよびゴム用添加剤実用
便覧」((株)化学工業社、1970年発行)第147
項〜第304項、第1041項〜第1054項を参照で
きる。
熱可塑性樹脂に一般的に使用される安定剤を使用するこ
とができ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、ステリアル−β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート、テトラ
キス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
トリエチレングリコール ビス[3−(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネー
ト]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタンなどのフェ
ノール系酸化防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン、
フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’
−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N−イソ
プロピル−N’−シクロヘキシレンジアミンなどのアミ
ン系酸化防止剤;ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジラウリルチオジプロピオネート、ジステリアルチオジ
プロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤;トリイソデ
シルホスファイト、トリフェニルホスファイト、2,2
−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オ
クチルホスファイトなどのリン系酸化防止剤;2,5−
ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミル
ヒドロキノンなどのヒドロキノン系酸化防止剤;6−エ
トキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリンなどのキノリン系酸化防止剤などの他の酸化防止
剤などが含まれる。
組合せて使用できる。二種以上安定剤を組合せて使用す
ると、ホットメルト接着剤の熱安定性を向上できる。好
ましい酸化防止剤には、フェノール系酸化防止剤及び/
又はリン系酸化防止剤が含まれ、両者を併用するのが好
ましい。フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤と
の割合は、例えば、前者/後者=20/80〜80/2
0(重量比)、好ましくは30/70〜70/30(重
量比)、さらに好ましくは40/60〜60/40(重
量比)程度である。
響を及ぼさない範囲で選択でき、例えば、水溶性ホット
メルト100重量部に対して0.3〜5重量部、好まし
くは0.6〜4重量部、さらに好ましくは0.9〜3重
量部程度である。酸化防止剤の添加量が水溶性ホットメ
ルト100重量部に対して5重量部を越えると耐熱クリ
ープ性が損なわれ易いとともに、経済的にもコスト高と
なり易いので好ましくない。
には、接着性、熱安定性などを損なわない範囲で他の成
分、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂などの水不溶性又は水溶性ホットメル
ト接着剤用ポリマー、粘着付与剤(例えば、石油樹脂、
テルペン樹脂、ロジンエステルなどのロジン誘導体)、
紫外線吸収剤などの劣化防止剤、滑剤、ワックス、充填
剤、着色剤(顔料や染料)、香料などを添加してもよ
い。
は、水不溶性ホットメルト接着剤用ポリマー、水不溶性
粘着付与剤などを比較的多量に添加しても安定性が高い
という利点を有している。例えば、親水性可塑剤と水不
溶性粘着付与剤とを、前者/後者=50/50〜100
/0(重量比)の範囲(典型的には、70/30〜90
/10(重量比))程度の範囲で併用しても、熱安定性
などはさほど損なわれない。
用の方法により調整できる。例えば、前記水溶性高分
子、ロジン類化合物および可塑剤を、必要に応じて安定
化剤や添加剤とともに、加熱溶融し均一に混合した後、
冷却することによりホットメルト接着剤を得ることがで
きる。前記成分の接着剤組成物の加熱溶融温度は、各成
分の種類および組成割合など応じて選択でき、例えば、
溶融温度〜200℃、好ましくは100〜180℃、さ
らに好ましくは130〜170℃程度の範囲から選択で
き、130〜180℃程度で接着剤組成物を加熱溶融す
る場合が多い。加熱溶融温度が200℃を越えると水溶
性高分子の分解が起こるおそれがあるので好ましくな
い。なお、冷却温度は前記接着剤組成物の溶融温度以下
であればよく、通常、作業性の点から室温又はそれ以下
である場合が多い。
ず、種々の形状、例えば、分粒状、ペレット状、フィル
ム状、テープ状、紐状、棒状などであってもよい。ホッ
トメルト接着剤は、慣用の方法、例えば、前記形態のホ
ットメルト接着剤を加熱溶融し、ノズル又はローラー型
コーターなどの手段を備えたホットメルト接着機を用い
て被着体に塗工し、冷却することにより被着体を接着す
ることできる。また、分粒状、フィルム状、テープ状、
紐状などのホットメルト接着剤を被着体間に介装し、ヒ
ートプレスにより接着させることもできる。
着体、例えば、紙類、繊維製品、プラスチック類、金
属、陶磁器を含むセラミックス、コンクリート、セメン
ト製品、ガラス、木材などを接着する上で有用である。
特に水溶性という特性を考慮すれば、古紙として回収・
再生される紙類の接着に有用である。すなわち、水溶性
が高いので、古紙に付着している接着剤を水により容易
に溶解もしくは分散させることができ、古紙を効率よく
回収、再生できる。そのため、使用後の再生が望まれて
いるクラフト紙などを用いた紙製の袋を製造する際の接
着、物品を充填した後の袋の接着に好適に使用すること
ができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
の実施例の配合を示している。
製は、以下のような手順で行った。
ビニル共重合体(日本合成化学(株):L0301)3
0重量部、酸価330および軟化点130℃のロジン−
アクリル酸共重合体(荒川化学(株)、KE−604)
40重量部、グリセリン30重量部、フェノール系酸化
防止剤(旭電化工業(株):AO−70)0.6重量部
およびリン系酸化防止剤(旭電化工業(株):T−48
9)0.6重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭電
化工業(株):AO−412S)0.6重量部を、16
0℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却すること
により、ホットメルト接着剤を得た。
5モル%のPVA(日本合成化学(株):L0302)
40重量部、酸価330および軟化点130℃のロジン
−アクリル酸共重合体(荒川化学(株)、KE−60
4)30重量部、グリセリン30重量部、フェノール系
酸化防止剤(旭電化工業(株):AO−70)0.3重
量部及びリン系酸化防止剤(旭電化工業(株):T−4
89)0.3重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭
電化工業(株):AO−412S)0.3重量部を、1
60℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却するこ
とにより、ホットメルト接着剤を得た。
ビニル共重合体(日本合成化学(株):L0301)3
0重量部、酸価330および軟化点130℃のロジン−
アクリル酸共重合体(荒川化学(株)、KE−604)
50重量部、グリセリン20重量部、フェノール系酸化
防止剤(旭電化工業(株):AO−70)1.0重量部
およびリン系酸化防止剤(旭電化工業(株):T−48
9)1.0重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭電
化工業(株):AO−412S)1.0重量部を、16
0℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却すること
により、ホットメルト接着剤を得た。
ビニル共重合体(日本合成化学(株):L0301)3
5重量部、酸価330および軟化点130℃のロジン−
アクリル酸共重合体(荒川化学(株)、KE−604)
30重量部、グリセリン35重量部、フェノール系酸化
防止剤(旭電化工業(株):AO−70)1.0重量部
およびリン系酸化防止剤(旭電化工業(株):T−48
9)0.3重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭電
化工業(株):AO−412S)0.3重量部を、16
0℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却すること
により、ホットメルト接着剤を得た。
5モル%のPVA(日本合成化学(株):L0302)
25重量部、酸価330および軟化点140℃のマレイ
ン酸レジン(荒川化学(株)、マルキードNo.33)
45重量部、グリセリン30重量部、フェノール系酸化
防止剤(旭電化工業(株):AO−70)0.3重量部
およびリン系酸化防止剤(旭電化工業(株):T−48
9)1.0重量部及びチオエーテル系酸化防止剤(旭電
化工業(株):AO−412S)0.6重量部を、16
0℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却すること
により、ホットメルト接着剤を得た。
したものを調整し、以下に示す比較例1〜4のホットメ
ルト接着剤を得た。
ビニル共重合体(日本合成化学(株):L0301)5
0重量部、酸価1以下および軟化点95℃の脂肪族系石
油樹脂(理化ハーキュレス(株)、ピコタック95)4
0重量部、ポリエチレングリコール(三洋化成(株)、
PEG600)10重量部、フェノール系酸化防止剤
(チバ・ガイギー(株):Irg1010)6重量部
を、160℃で加熱し、溶融混合した後、25℃に冷却
することにより、ホットメルト接着剤を得た。
5モル%のPVA(日本合成化学(株):L0302)
19重量部、酸価20以下および軟化点125℃のロジ
ンエステル(荒川化学(株)、スーパーエステルA12
5)40重量部、トリメチロールプロパン41重量部、
フェノール系酸化防止剤(旭電化工業(株):AO−7
0)0.05重量部およびリン系酸化防止剤(旭電化工
業(株):T−489)1.95重量部及びチオエーテ
ル系酸化防止剤(旭電化工業(株):AO−412S)
0.6重量部を、160℃で加熱し、溶融混合した後、
25℃に冷却することにより、ホットメルト接着剤を得
た。
S K 6730のメルトフローレート30g/10mi
nのエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)):ウ
ルトラセン750)40重量部、酸価330および軟化
点130℃のロジンーアクリル酸共重合体(荒川化学
(株)、KE−604)40重量部、グリセリン20重
量部、フェノール系酸化防止剤(旭電化工業(株):A
O−70)0.6重量部およびリン系酸化防止剤(旭電
化工業(株):T−489)0.6重量部及びチオエー
テル系酸化防止剤(旭電化工業(株):AO−412
S)0.6重量部を、160℃で加熱し、溶融混合した
後、25℃に冷却することにより、ホットメルト接着剤
を得た。
0モル%のPVA(クラレ(株):PVA403)50
重量部、酸価200および軟化点161℃の二塩基酸変
性ロジンエステル(理化ハーキュレス(株):ペンタリ
ン255)50重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電
化工業(株):AO−70)1.96重量部およびリン
系酸化防止剤(旭電化工業(株):T−489)0.0
4重量部を160℃で加熱し、溶融混合した後、25℃
に冷却することにより、ホットメルト接着剤を得た。
例1〜4で得られたホットメルト接着剤について以下の
項目の試験を行った。その試験方法を以下に示し、その
結果を表2に示す。
た(cps/180℃)。
ンレス板上に試料(ホットメルト接着剤)を載せ、30
分後の溶融状態を観察し、下記の基準で評価した。 ○:完全に溶融状態にある △:一部が溶融状態である ×:溶融せず、2相分離が見られる。
ンレス板上に試料を載せ、24時間後の試料の色調変
化、炭化物の発生の有無を観察し、下記の基準で評価し
た。 ◎:皮張り、着色及び炭化物の何れも認められない ○:着色しているもののその程度が小さく、皮張り及び
炭化物が認められない △:濃く着色しているものの、皮張り及び炭化物が認め
られない。
る。
料0.5gを入れ、1時間毎に溶解状態を観察し、下記
の基準で水溶性を評価した。 ◎:2時間未満で完全に溶解する ○:2〜4時間で完全に溶解する △:4〜8時間で完全に溶解する ×:8時間後も溶解しない。
塗布量3g/mの条件で、ホットメルト接着剤を50m
m幅のKライナー段ボールに塗工し、オープンタイム2
秒で張り合わせ、2kgの荷重で圧締時間を変え、各圧
締時間について5個づつの試験片を作製した。
片のうちの4個以上が段ボールの部分で破壊が生ずる試
験片の上記圧締時間を調べ、そのうちの最短のものをセ
ットタイムとした。なお、セットタイムが10秒以内で
あれば、高速接着適性があると判断できる。
℃、塗布量3g/mの条件で、ホットメルト接着剤を2
5mm幅のKライナー紙に塗工し、オープンタイム2秒
で張り合わせ、2kg/25mm×25mmの荷重で2
秒間圧締し、試験片を作製した。
生し、40℃の恒温槽内で10分間放置した後、180
℃剥離を行うために上端を固定し、下端に100gの荷
重を作用させ、昇温速度1℃/分で昇温した。そして、
接着部分が破壊した温度を耐熱クリープ性として評価し
た。耐熱クリープ性が55℃以上であれば、実用的には
問題が生じない。
水溶性ホットメルト接着剤は、何れも、粘度が低く、熱
溶融性及び熱安定性に優れ、水溶性も良好であった。更
に、セットタイムも短く、耐熱クリープ性にも優れてい
た。特に水溶性の点では、比較例1〜4のホットメルト
接着剤より格段に優れていた。
を用いた比較例1及び2のホットメルト接着剤は180
℃で溶融せず、上記各試験を行うことはできなかった。
また、水溶性可塑剤を含まない比較例4のホットメルト
接着剤も180℃で溶融せず、上記各試験を行うことは
できなかった。比較例3のホットメルト接着剤は熱溶融
性及び耐熱クリープ性の点では比較的良好な結果であっ
たが、粘度が高くしかもセットタイムが長いために接着
作業性の点で問題があり、また、熱安定性及び水溶性の
点でも不十分であった。
高分子とロジン類化合物と可塑剤とを含有しているた
め、熱安定性に優れている。そのため、接着剤の変色や
劣化により、接着面および被着体の美観を損ねることが
ないだけでなく、炭化物などが生じないため、長時間に
亘り安定して高い接着強度で被着体を接着できる。すな
わち、例えば、ホットメルト接着機を用いた場合に、ホ
ットメルト接着剤を供給する配管パイプを閉塞すること
なく、ホットメルト接着機を安定かつ連続的に、しかも
高速で運転でき、接着作業性を大幅に改善することがで
きる。また、上述の成分を含んでいるため、本発明の水
溶性ホットメルト接着剤はセットタイムが短く、高速接
着性に優れ、被着体を短時間で接着できる。さらに、接
着性及び耐熱クリープ性が高いので、重量物や重量物を
収容する容器を接着しても、高い接着強度を維持でき
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 水溶性高分子と、 ロジン、ロジンの塩、ロジン誘導体、ロジン誘導体の塩
及びこれらの組合せからなる群から選択される、酸価が
50〜350(mgKOH/g)のロジン類化合物と、 水溶性又は水分散性の親水性可塑剤とを含有する水溶性
ホットメルト接着剤。 - 【請求項2】 前記水溶性高分子が変性酢酸ビニル共重
合体であり、その平均重合度が30〜700である請求
項1記載の水溶性ホットメルト接着剤。 - 【請求項3】 前記水溶性高分子がポリビニルアルコー
ルであり、その平均重合度が30〜700、鹸化度が4
0〜95モル%である請求項1記載の水溶性ホットメル
ト接着剤。 - 【請求項4】 前記ロジン類化合物の軟化点が100〜
160℃である請求項1乃至3の何れかに記載の水溶性
ホットメルト接着剤。 - 【請求項5】 前記ロジン類化合物が、ロジン変性マレ
イン酸樹脂、エステル型ロジン変性マレイン樹脂又はロ
ジン−アクリル酸共重合体である請求項1乃至4の何れ
かに記載の水溶性ホットメルト接着剤。 - 【請求項6】 前記親水性可塑剤が多価アルコールであ
る請求項1乃至5の何れかに記載の水溶性ホットメルト
接着剤。 - 【請求項7】 前記水溶性高分子100重量部に対し
て、前記ロジン類化合物50〜200重量部、前記水溶
性可塑剤50〜150重量部を含有する請求項1記載の
水溶性ホットメルト接着剤。 - 【請求項8】 少なくともフェノール系酸化防止剤を更
に含有する請求項1乃至7の何れかに記載の水溶性ホッ
トメルト接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19998197A JPH1135919A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 高速接着性に優れた水溶性ホットメルト接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19998197A JPH1135919A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 高速接着性に優れた水溶性ホットメルト接着剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1135919A true JPH1135919A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16416806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19998197A Pending JPH1135919A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 高速接着性に優れた水溶性ホットメルト接着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1135919A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006249317A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Chuo Rika Kogyo Corp | 変性粘着付与剤及びこれを用いた接着剤組成物 |
JP2010235471A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Nippon Kenko Kagaku Kenkyu Center:Kk | 被膜形成型製剤 |
-
1997
- 1997-07-25 JP JP19998197A patent/JPH1135919A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006249317A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Chuo Rika Kogyo Corp | 変性粘着付与剤及びこれを用いた接着剤組成物 |
JP2010235471A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Nippon Kenko Kagaku Kenkyu Center:Kk | 被膜形成型製剤 |
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