JPH06322340A - アルカリ水可溶性粘着剤 - Google Patents

アルカリ水可溶性粘着剤

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JPH06322340A
JPH06322340A JP13267793A JP13267793A JPH06322340A JP H06322340 A JPH06322340 A JP H06322340A JP 13267793 A JP13267793 A JP 13267793A JP 13267793 A JP13267793 A JP 13267793A JP H06322340 A JPH06322340 A JP H06322340A
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JP
Japan
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adhesive
weight
sensitive adhesive
pressure
alkaline water
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JP13267793A
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English (en)
Inventor
Kinnosuke Hino
欣之輔 比野
Satoyuki Takimoto
智行 瀧本
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Nichiban Co Ltd
Original Assignee
Nichiban Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘着力や保持力等の粘着性能に優れていると
共に、耐水性、耐湿性、粘着特性の経時安定性が良好
で、しかも低濃度のアルカリ水溶液に短時間で溶解する
粘着剤を提供すること。 【構成】(a)一般式(I) CH2=CR1COOR2 (I) (式中、R1は、HまたはCH3であり、R2は、C1〜C
14のアルキル基である。)で表されるアクリル酸エステ
ル55〜85重量%、(b)一般式(II) CH2=CR3COO(Cm2mCOO)nH (II) (式中、R3は、HまたはCH3であり、mは、1ないし
5の整数であり、nは、1または2である。)で表され
るアクリル酸エステル誘導体10〜40重量%、及び
(c)エチレン性不飽和カルボン酸2〜10重量%を含
むモノマー混合物を共重合して得られる共重合体をベー
スポリマーとして含有するアルカリ水可溶性粘着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ水可溶性粘着
剤に関し、さらに詳しくは、粘着特性とアルカリ水可溶
性が共に優れているアルカリ水可溶性粘着剤に関する。
本発明のアルカリ水可溶性粘着剤は、古紙再生工程にお
いて、段ボール等から剥さずに再生処理できるリサイク
ル可能なクラフト粘着テープの粘着剤等として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の一環として、資源
のリサイクルに対する認識と要求が高まっている。紙資
源についても、使用済みの段ボール箱、紙箱、牛乳パッ
ク、新聞紙、雑誌等の再生使用が行われている。しかし
ながら、古紙の再生使用には、多くの問題点があり、十
分な有効利用が行われていないのが現状である。
【0003】古紙再生使用における問題点の一つに、段
ボール箱や紙箱等の封緘用に使用されている粘着テープ
が、古紙の再生工程において、異物となるため、様々な
トラブルを引き起こすことにある。古紙の再生工程で
は、一般に、数%以下の低濃度の水酸化ナトリウム水溶
液中にて、古紙を粉砕、叩解し、再パルプ化してから、
抄紙している。ところが、従来、段ボール箱や紙箱等の
封緘用に使用されている粘着テープの粘着剤は、水及び
低濃度のアルカリ水溶液には溶解しないものが多い。
【0004】例えば、段ボール箱等の封緘用に汎用され
ているクラフト紙粘着テープは、一般に、粘着剤とし
て、天然ゴム、合成ポリイソプレン等のゴム、あるいは
スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体
(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロッ
ク共重合体(SBS)等の熱可塑性エラストマーをベー
スポリマーとし、これに石油系樹脂、ロジン系樹脂、テ
ルペン系樹脂等の粘着性付与剤、その他の各種添加剤を
ブレンドしたゴム系粘着剤が使用されている。これらの
ゴム系粘着剤は、比較的高い粘着力と高い保持力を有し
ているため、段ボール箱封緘用には好適であるが、水は
勿論のこと、低濃度のアルカリ水溶液にも溶解しない。
【0005】そこで、ゴム系粘着剤を用いたクラフト紙
粘着テープは、段ボール箱や紙箱を古紙として回収する
際に、予め剥がして取り除いたり、あるいは古紙再生工
程において、特別の濾過装置により異物として取り除く
必要があるため、人手がかかり、かつ、工程が煩雑とな
る。また、クラフト紙粘着テープやその粘着剤を十分に
除去することができない場合には、再生紙の品質が悪化
する。したがって、これらの粘着テープは、古紙再生工
程において、工程上あるいは紙製品の品質上のトラブル
の原因になっていた。
【0006】一方、水溶性あるいはアルカリ水可溶性の
粘着剤として各種組成のものが提案されているが、粘着
特性等に難があるため、段ボール箱等の封緘用には適さ
ないものが多い。段ボール箱の封緘に使用される粘着テ
ープの粘着剤には、段ボール箱のフラップの反発力に耐
えて封緘する必要上、比較的高い粘着力と高い保持力が
要求され、しかも様々な環境条件下に曝されるため、耐
水性、耐湿性、粘着特性の経時安定性などが求められ
る。
【0007】これに対して、例えば、水溶性の粘着剤と
して、ポリビニルアルコール系の粘着剤が知られている
が、耐水性や耐湿性に劣るため、段ボール箱や紙箱の封
緘等の一般に広い環境条件において使用される粘着テー
プの粘着剤には適さない。また、水溶性粘着剤として、
ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルメチルエーテル、デキストリンなど
が知られているが、いずれも粘着力や保持力が十分では
なく、しかも耐水性や耐湿性に劣るため、段ボール箱等
の封緘に使用される粘着テープの粘着剤としては不適当
であり、生理用ナプキンの両面粘着テープ、水溶性ラベ
ル、紙つなぎテープ、仮止めテープ、表面保護テープ、
マスキングテープ等の特殊用途に使用されているに過ぎ
ない。
【0008】ところで、アクリル酸エステルとアクリル
酸やイタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸との共
重合体などからなるアクリル系粘着剤は、アルカリ水溶
液中で加水分解し、溶解する性質を有している。しかし
ながら、エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの共重合
割合が10重量%以下と少ない場合には、アクリル系粘
着剤のアルカリ水溶液に対する溶解速度は、非常に小さ
く、例えば、アクリル酸を10重量%以下の割合で含有
する2エチルヘキシルアクリレート−アクリル酸共重合
体からなる粘着剤は、10重量%の水酸化ナトリウム水
溶液中で溶解するのに数十時間を要する。したがって、
このようなアクリル系粘着剤を用いた粘着テープは、低
濃度のアルカリ水溶液を使用する実際の古紙再生工程に
おいて、除去しなければ未溶解のままで異物となる。
【0009】アクリル系粘着剤において、エチレン性不
飽和カルボン酸の共重合割合を高めると、アルカリ水溶
液に対する溶解性が向上する。例えば、アクリル酸を2
0重量%の割合で含有する2エチルヘキシルアクリレー
ト−アクリル酸共重合体からなる粘着剤は、低濃度の水
酸化ナトリウム水溶液に対して容易に溶解する。しか
し、アクリル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カル
ボン酸モノマーは、少量の範囲で使用する場合には、ア
クリル系粘着剤の接着性や凝集力を高めることができる
が、その組成比が10重量%を越えると共重合体のガラ
ス転移点が高くなり過ぎて、粘着剤の初期タックが低下
し、粘着性能が消失してしまう。したがって、従来、ア
クリル系粘着剤は、一般に、接着性や初期タックのバラ
ンスを考慮して、エチレン性不飽和カルボン酸モノマー
の組成比が10重量%を超えない範囲内で設計されてい
る。
【0010】このように、従来、段ボールや紙箱等の封
緘用に使用される粘着テープの粘着剤には、高い粘着力
と保持力、耐水性、耐湿性等が要求されるために、粘着
特性とアルカリ水可溶性の両者を共に十分満足するもの
は、見出されていなかったのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粘着
力や保持力等の粘着性能に優れていると共に、耐水性、
耐湿性、粘着特性の経時安定性が良好で、しかも低濃度
のアルカリ水溶液に短時間で溶解する粘着剤を提供する
ことにある。また、本発明の目的は、特に、段ボール箱
や紙箱等の封緘に使用される粘着テープの粘着剤であっ
て、古紙再生工程において、取り除くことなく、再生処
理が可能な粘着テープを与えることができる粘着剤を提
供することにある。
【0012】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、アクリル系粘着剤にお
いて、アクリル酸エステルの共重合成分として、エチレ
ン性不飽和カルボン酸と共に、特定のアクリル酸エステ
ル誘導体を使用して得られた共重合体をベースポリマー
とすることにより、優れた粘着特性を有し、かつ、低濃
度のアルカリ水溶液に短時間で容易に溶解する粘着剤の
得られることを見出した。本発明の粘着剤は、耐水性や
耐湿性に優れ、広い環境条件においても粘着機能を損な
わず、粘着特性の経時での安定性にも優れている。
【0013】アルカリ水可溶性の従来品では、アルカリ
水可溶性が良好であるものの粘着特性に劣るか、あるい
はアルカリ水可溶性及び粘着特性が共に不十分であり、
本発明の粘着剤の有する優れた特性・機能は、驚くべき
ものである。本発明の粘着剤をクラフト紙等の基材に塗
布して得られた粘着テープは、段ボール箱等に対する封
緘性に優れており、しかも剥すことなく古紙再生処理を
行うことができる。本発明は、これらの知見に基づいて
完成するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、(a)一般式(I) CH2=CR1COOR2 (I) (式中、R1は、HまたはCH3であり、R2は、C1〜C
14のアルキル基である。)で表されるアクリル酸エステ
ル55〜85重量%、(b)一般式(II) CH2=CR3COO(Cm2mCOO)nH (II) (式中、R3は、HまたはCH3であり、mは、1ないし
5の整数であり、nは、1または2である。)で表され
るアクリル酸エステル誘導体10〜40重量%、及び
(c)エチレン性不飽和カルボン酸2〜10重量%を含
むモノマー混合物を共重合して得られる共重合体をベー
スポリマーとして含有するアルカリ水可溶性粘着剤が提
供される。
【0015】以下、本発明について詳述する。本発明の
アルカリ水可溶性粘着剤は、前記(a)、(b)及び
(c)の各モノマーを必須成分として含有するモノマー
混合物を共重合して得られる共重合体をベースポリマー
として使用するものである。 (a)アクリル酸エステル 一般式(I)で表されるアクリル酸エステルとしては、
例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、イソノリル
(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレ
ート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)ア
クリレート等を挙げることができる。これらのモノマー
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。これらの中でも、特にn−ブチ
ルアクリレートは、粘着特性とアルカリ水可溶性とのバ
ランスに優れた粘着剤を得る上で好ましい。
【0016】一般式(I)で表されるアクリル酸エステ
ルは、モノマー混合物中、55〜85重量%の割合で使
用される。この割合が55重量%未満の場合には、初期
タックが不足し、低温での粘着性が悪くなり、逆に、8
5重量%を超えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が
低下する。アクリル酸エステル(a)の好ましい使用割
合は、60〜80重量%である。
【0017】(b)アクリル酸エステル誘導体 一般式(II)で表されるアクリル酸エステル誘導体と
しては、例えば、カルボキシメチル(メタ)アクリレー
ト、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキ
シプロピル(メタ)アクリレート、カルボキシブチル
(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)ア
クリレート、2−アクリロイルオキシエチルこはく酸、
5−アクリロイルオキシペンチルピメリン酸等が挙げら
れる。これらのモノマーは、それぞれ単独で、あるいは
2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】一般式(II)で表されるアクリル酸エス
テル誘導体は、モノマー混合物中、10〜40重量%の
割合で使用される。この割合が10重量%未満の場合、
あるいは40重量%を超える場合には、いずれも粘着特
性とアルカリ水溶液に対する溶解性のバランスが取れな
くなる。アクリル酸エステル誘導体(b)は、エチレン
性不飽和カルボン酸(c)と併用することにより、エチ
レン性不飽和カルボン酸の割合が10重量%以下であっ
ても、共重合体にアルカリ水溶液に対する易溶解性を付
与すると共に、アクリル系粘着剤が本来有している優れ
た粘着特性を損なうことがない。アクリル酸エステル誘
導体(b)の好ましい使用割合は、15〜35重量%で
ある。
【0019】また、一般式(II)で表されるアクリル
酸エステル誘導体は、そのホモポリマーのガラス点移転
(Tg)が50℃以下のものであることが好ましい。こ
のガラス点移転が50℃を超えると、該アクリル酸エス
テル誘導体を共重合成分とする共重合体のガラス点移転
が高くなり過ぎて、粘着性能が低下する。
【0020】(c)エチレン性不飽和カルボン酸 本発明で使用されるエチレン性不飽和カルボン酸として
は、例えば、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸、
クロトン酸、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸の使用割合は、2〜10重
量%、好ましくは3〜8重量%である。この割合が小さ
過ぎると、アクリル酸エステル誘導体(b)と併用して
も、アルカリ水溶液に対する溶解性の改善効果が小さ
く、逆に、大き過ぎると、粘着力やタック等の粘着性能
が損なわれる。
【0021】本発明では、前記(a)、(b)及び
(c)のモノマー成分を必須成分として含有するモノマ
ー混合物を使用するが、所望により、酢酸ビニル、アク
リロニトリル、アクリルアミド、スチレン、エチレン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等の共重合可能な各種ビニ
ルモノマーを少量(必須成分のモノマー混合物100重
量部に対して20重量部以下の割合)使用してもよい。
【0022】モノマー混合物の共重合は、酢酸エチル、
アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の有機溶媒、水、
あるいは有機溶媒と水との混合溶媒中で行う。共重合を
有機溶媒中で行う場合には、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ベイゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド等の重合触媒を使用し、水あるいは有
機溶媒と水との混合溶媒中で行う場合には、過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム等の重合触媒を使用する。粘
着テープ作成時の塗布作業性等の観点から、有機溶媒中
で共重合を行い、得られた共重合体含有溶液を粘着剤溶
液として使用することが好ましい。共重合条件は、通
常、反応温度が60〜80℃で、反応時間が6〜12時
間程度である。
【0023】共重合反応により得られた共重合体は、凝
集力を高めるために架橋剤を添加して架橋することがで
きる。架橋剤としては、例えば、エポキシ樹脂、イソシ
アネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、多価金属塩などを
挙げることができ、所望の架橋の程度に応じて適宜の量
比で使用される。また、本発明の粘着剤には、本発明の
目的を損なわない範囲内において、粘着付与剤、可塑
剤、軟化剤、着色剤、充填剤、老化防止剤等を添加する
ことができる。
【0024】本発明の粘着剤は、各種粘着テープの粘着
剤として、優れた粘着特性とアルカリ水可溶性が要求さ
れる分野での用途に使用することができる。特に、クラ
フト紙等の紙基材に本発明の粘着剤を塗布した粘着テー
プは、段ボール箱や紙箱等の封緘用に適しており、しか
も低濃度のアルカリ水溶液に容易に溶解するため、被着
物から剥さずに古紙の再生処理ができるリサイクル可能
な粘着テープとして有用である。
【0025】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて、さらに具体的に説明するが、本発明は、これら
実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実
施例及び比較例における物性の測定方法は、以下のとお
りである。
【0026】(1)粘着力:粘着テープ試料の23℃に
おける対ステンレススチールパネル粘着力をJIS Z
−0237に従って測定した。(gf/24mm) (2)ボールタック(J.DOW法):粘着テープ試料
の23℃でのボールタックをJIS Z−0237に従
って測定した。(ボールNo.) (3)アルカリ水可溶性:架橋剤を添加した粘着液か
ら、溶剤を120℃で2分間乾燥除去して、粘着剤のブ
ロックを作成し、該ブロックから粘着剤片約50mg
(50±5mg)を秤量、採取し、これを200メッシ
ュのステンレスで作成された2.0cm×2.0cm×
1.0cmのハリスカゴに封入して、1重量%NaOH
水溶液中に浸漬し、NaOH水溶液を撹拌しながら1時
間後の粘着剤の溶解度(%)を測定した。アルカリ水可
溶性は、次の2段階で評価した。 ○:1時間以内の溶解度が90重量%以上、 ×:1時間以内の溶解度が90重量%未満。
【0027】[実施例1] n−ブチルアクリレート 100g(70重量%) 2−アクリロイルオキシエチルこはく酸(*1) 35g(25重量%) アクリル酸 7g(5重量%) (*1)東亜合成化学社製、アロニックスM−550
0;ホモポリマーのガラス転移点は−40℃。 を、酢酸エチル140g及びアセトン60gと共に1リ
ットルの反応容器に仕込み、窒素置換後、70〜75℃
で、アゾビスイソブチロニトリル0.3gを25mlの
酢酸エチルに溶解した溶液を滴下し、10時間重合し
た。
【0028】このようにして得られた共重合体を含有す
る粘着液の固形分100重量部に対し、0.3重量部の
アセチルアセトンアルミニウム(日本化学産業社製、ナ
ーセムアルミニウム)を架橋剤として添加し、次いで、
ポリエステルフィルム#25に乾燥後の厚さが25μm
になるように塗布し、120℃で2分間乾燥後、粘着テ
ープ試料とした。得られた結果を表1に示す。
【0029】[実施例2]モノマー組成を次のように変
えたこと以外は、実施例1と同様にした。 n−ブチルアクリレート 100g(70重量%) カルボキシエチルアクリレート(*2) 35g(25重量%) アクリル酸 7g(5重量%) (*2)ダイセルUCB社製、β−CEA;ホモポリマ
ーのガラス転移点は約35℃。
【0030】[実施例3]モノマー組成を次のように変
えたこと以外は、実施例1と同様にした。 n−ブチルアクリレート 100g(70重量%) 5−アクリロイルオキシペンチルピメリン酸(*3)35g(25重量%) アクリル酸 7g(5重量%) (*3)東亜合成化学社製、アロニックスM5300;
ホモポリマーのガラス転移点は約−35℃。
【0031】[比較例1]モノマー組成を次のように変
えたこと以外は、実施例1と同様にした。 2エチルヘキシルアクリレート 120g(80重量%) アクリル酸 30g(20重量%)
【0032】[比較例2]モノマー組成を次のように変
えたこと以外は、実施例1と同様にした。 n−ブチルアクリレート 140g(95重量%) カルボキシエチルアクリレート(*2) 10g(5重量%) (*2)前記と同じ。
【0033】[比較例3]モノマー組成を次のように変
えたこと以外は、実施例1と同様にした。 n−ブチルアクリレート 120g(80重量%) 5−アクリロイルオキシペンチルピメリン酸(*3)30g(20重量%) (*3)前記と同じ。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、本発明の粘着剤
(実施例1〜3)は、粘着力及びタックが共に良好で、
しかも、1重量%NaOH水溶液中で1時間以内に90
重量%以上が溶解するという易溶解性を示している。こ
れに対し、アクリル酸を20重量%の割合で使用した共
重合体(比較例1)は、アルカリ水溶液に対して容易に
溶解するものの、タックがなく、粘着力も小さく、粘着
特性が劣悪なものである。アクリル酸エステル(a)の
共重合成分として、アクリル酸(c)を使用せずに、ア
クリル酸エステル誘導体(b)のみを使用した場合(比
較例2〜3)には、アルカリ水可溶性が不十分である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、粘着力、タック、保持
力等の粘着特性に優れていると共に、耐水性、耐湿性、
粘着特性の経時での安定性が良好で、広い環境条件下で
も粘着機能を損なうことがなく、しかも、数%以下の弱
アルカリ水溶液に対し、短時間で溶解可能なアルカリ水
可溶性粘着剤が提供される。本発明の粘着剤は、特に、
段ボール箱等の封緘に使用するクラフト紙粘着テープの
粘着剤として好適であり、低濃度のアルカリ水溶液に容
易に溶解するため、該粘着テープは、被着物から剥さず
に古紙の再生処理ができるリサイクル可能な粘着テープ
として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 ところで、アクリル酸エステルとアクリ
ル酸やイタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸との
共重合体などからなるアクリル系粘着剤は、アルカリ水
溶液中で加水分解し、溶解する性質を有している。しか
しながら、エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの共重
合割合が10重量%以下と少ない場合には、アクリル系
粘着剤のアルカリ水溶液に対する溶解速度は、非常に小
さく、例えば、アクリル酸を10重量%以下の割合で含
有する2エチルヘキシルアクリレート−アクリル酸共重
合体からなる粘着剤は、10重量%の水酸化ナトリウム
水溶液中で、その50重量%が溶解するのに70時間以
を要する。したがって、このようなアクリル系粘着剤
を用いた粘着テープは、低濃度のアルカリ水溶液を使用
する実際の古紙再生工程において、除去しなければ未溶
解のままで異物となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 アクリル系粘着剤において、エチレン性
不飽和カルボン酸の共重合割合を高めると、アルカリ水
溶液に対する溶解性が向上する。しかしながら、例え
ば、アクリル酸を20重量%の割合で含有する2エチル
ヘキシルアクリレート−アクリル酸共重合体からなる粘
着剤は、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で、そ
の50重量%が溶解するのに約24時間を要する。しか
、アクリル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カル
ボン酸モノマーは、少量の範囲で使用する場合には、ア
クリル系粘着剤の接着性や凝集力を高めることができる
が、その組成比が10重量%を越えると共重合体のガラ
ス転移点が高くなり過ぎて、粘着剤の初期タックが低下
し、粘着性能が消失してしまう。したがって、従来、ア
クリル系粘着剤は、一般に、接着性や初期タックのバラ
ンスを考慮して、エチレン性不飽和カルボン酸モノマー
の組成比が10重量%を超えない範囲内で設計されてい
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 表1から明らかなように、本発明の粘着
剤(実施例1〜3)は、粘着力及びタックが共に良好
で、しかも、1重量%NaOH水溶液中で1時間以内に
90重量%以上が溶解するという易溶解性を示してい
る。これに対し、アクリル酸を20重量%の割合で使用
した共重合体(比較例1)は、タックがなく、粘着力も
小さく、粘着特性が劣悪なものである。また、この比較
例1も、アクリル酸エステル(a)の共重合成分とし
て、アクリル酸(c)を使用せずに、アクリル酸エステ
ル誘導体(b)のみを使用した場合(比較例2〜3)
、アルカリ水可溶性不十分(1時間で1%未満が溶
解する程度)である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式(I) CH2=CR1COOR2 (I) (式中、R1は、HまたはCH3であり、R2は、C1〜C
    14のアルキル基である。)で表されるアクリル酸エステ
    ル55〜85重量%、(b)一般式(II) CH2=CR3COO(Cm2mCOO)nH (II) (式中、R3は、HまたはCH3であり、mは、1ないし
    5の整数であり、nは、1または2である。)で表され
    るアクリル酸エステル誘導体10〜40重量%、及び
    (c)エチレン性不飽和カルボン酸2〜10重量%を含
    むモノマー混合物を共重合して得られる共重合体をベー
    スポリマーとして含有するアルカリ水可溶性粘着剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表されるアクリル酸エス
    テルが、アクリル酸n−ブチルである請求項1記載のア
    ルカリ水可溶性粘着剤。
  3. 【請求項3】 一般式(II)で表されるアクリル酸エ
    ステル誘導体が、そのホモポリマーのガラス転移点が5
    0℃以下のものである請求項1項記載のアルカリ水可溶
    性粘着剤。
  4. 【請求項4】 粘着剤片約50mgを200メッシュの
    ステンレス製のカゴ(2.0cm×2.0cm×1.0
    cm)に封入して、1重量%NaOH水溶液中に浸漬
    し、液温20〜30℃で1時間攪拌した後の溶解度が9
    0重量%以上である請求項1記載のアルカリ水可溶性粘
    着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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