(実施例)
以下に、ヘッドレスト(の支承部)がリンク機構によってシートバックに対して相対移動する場合を例に挙げて、本発明の一実施例について適宜図面を参照しながら説明するが、これに限られず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることはいうまでもない。シート1は、自動車に搭載される車両用のシートであって、図1に示すように、乗員の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト4とから成る。なお、図1などの各図では、シート1の構造を分かり易くするために、シートバック2やヘッドレスト4の内部構造のみを図示している。
ヘッドレスト4は、その下部に立設された左右2本の棒状のステー4B,4Bを、シートバック2の上部左右2箇所に設置された筒状のサポート2S,2Sの挿込口Sa,Sa内にそれぞれ挿し込むことにより、シートバック2の上部に装着されている。詳しくは、各サポート2S,2Sは、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2Fの上腕を成すアッパフレームFuに一体的に固定されている。このヘッドレスト4は、シート1に着座した乗員の頭部をその後方かつ下方側の位置で受け止められるように、車両が後突する前の通常時はその設置された姿勢位置で保持されている。しかし、このヘッドレスト4は、車両が後面衝突(後突)することにより、乗員の頭部を受け止める前面側の支承部4Aを、瞬時に前方かつ上方へ移動させられるようになっている。すなわち車両後突時に、シートバック2やヘッドレスト4から身体を前方に浮かした着座姿勢となっている乗員に対して、支承部4Aを後頭部の直ぐ後ろまで斜め前方に接近移動させられるようになっている。これにより、車両後突時に乗員の頭部がその勢いで後傾し過ぎるのを防止することができ、頚部にかかる負荷が軽減されてムチ打ち症を軽減することができる。
車両後突時におけるヘッドレスト4の支承部4Aの斜め前方への移動は、ヘッドレスト4の内部に組み込まれたヘッドレスト移動機構10によって行われる。ヘッドレスト移動機構10は、車両が後突する前の通常時は、支承部4Aをその斜め前方移動を規制した後方の初期位置(図9参照)に保持している。一方、車両が後突すると、ヘッドレスト移動機構10は、支承部4Aの移動規制状態を解除して、支承部4Aを前方かつ上方へ斜め前方に移動させる(図12参照)。これにより、ヘッドレスト移動機構10は、支承部4Aを乗員の後頭部の直ぐ後ろまで接近させた衝突対応位置まで移動させる。ヘッドレスト移動機構10は、支承部4Aを衝突対応位置まで移動させた状態では、車両後突時に乗員の頭部が後傾してきた荷重を受けても、支承部4Aが後方側に押し戻されないようになっている。
支承部4Aの移動規制を解除する操作は、シートバック2内に配設され、車両後突時に乗員からの背凭れ荷重を受けてこれを機械的操作量として検知する検知機構20と連結された、機械的操作量伝達手段を介して行われる。機械的操作量伝達手段は、シートバック2の内部に配索されその下端が検知機構20に連結される第1のケーブル40と、ヘッドレスト4の内部に配索されてその上端がヘッドレスト移動機構10に連結される第2のケーブル50とからなる。第1のケーブル40は、その上端側が第2のケーブル50の下端と連結されている。
ヘッドレスト移動機構10は、図2及び図9に示されるように、ステー4Bに固定される基台11と、支承部4Aと基台11とをリンク連結し、基台11にリンク連結された軸支位置を中心として支承部4Aを回動可能とするリンク部材12と、支承部4Aに固設されて該支承部4Aと一体的に動き、リンク部材12のリンク連結による支承部4Aの回動に伴う支承部4Aの姿勢位置の位置決めを行う係合ピン13と、車両が後突する前の通常時に係合ピン13を初期位置でロックするロック機構7と、係合ピン13を衝突対応位置側へ付勢する引張ばね16と、車両後突時に係合ピン13が初期位置側へ逆戻りすることを規制する規制プレート17と、を有する。ここで、規制プレート17が本発明の逆戻り規制手段としての逆戻り規制部材に相当する。
基台11は合成樹脂製の一体形成品であって、後面部11Bと、その下端側方寄り部位の前方に設けられた軸穴リング11Dと、後面部11Bの左右両側縁からそれぞれ前方へ延設する板状の側面部11S,11Sとを一体的に有し、左右のステー4B,4Bの間に架設された架設板4Cに不動状にビス留めされている。ステー4B,4Bは上下面が開口する中空管状に形成されており、その上面開口から第2のケーブル50のインナー部材51が挿通される。なお、両ステー4B,4Bは、上下中間部が屈曲したく字状に形成されている。両側面部11S,11Sには、係合ピン13をスライド案内する長孔11H,11Hが、それぞれ貫通状に形成されている。この長孔11Hが本発明の案内経路に相当し、車両の後突に伴い、支承部4Aを車両が後突する前の初期位置から基台11に対して相対的に前方かつ上方に移動させた衝突対応位置まで移動させることが可能な斜め上方に延びる円弧状の案内形状となっている。
リンク部材12は合成樹脂製の一体形成品であって、基台11の上部と支承部4Aの後面とをリンク連結する状態で、左右の側面部11S,11Sの間に亘って配設されている。詳しくは、リンク部材12の上部左右両側方に貫通状に穿設された連結孔12A,12Aと、基台11の左右両側面部11S,11Sの上部にそれぞれ貫通状に穿設された連結孔11Aとに亘って、基台11の左右幅寸法より長寸な連結軸18が挿通されていることで、リンク部材12が連結軸18を回動中心として軸回動可能に基台11に連結されている。側面部11Sの連結孔11Aとリンク部材12の連結孔12Aは、略同じ内径となっている。連結軸18の一端には、連結孔12Aの内径より大径の頭部18Aが一体形成されており、当該頭部18Aと連結軸18の他端に嵌合され連結孔12Aの内径より大径の固定リング19とによって、連結軸18の抜け外れが防止されている。一方、リンク部材12の先端部左右両側方にはそれぞれストライカ12B,12Bが形成されており、支承部4Aの後面上方の左右両側方部に一体的に後方へ突出形成された2つのフック部4D,4Dが、それぞれ左右のストライカ12B,12Bに係合されることで、リンク部材12が支承部4Aに回動可能に連結されている。
係合ピン13は、基台11の左右幅寸法より長寸であり、左右の長孔11H,11Hと、支承部4Aの後面上下中間部の左右両側方に一体的に後方へ突出形成された連結腕4E,4Eの先端部に穿設された連結孔4F,4Fとに亘って挿通されている。長孔11H,11Hと連結孔4F,4Fとは略同一内径となっている。これにより、車両後突時に支承部4Aが斜め前方へ移動する際に、係合ピン13が長孔11H内をスライド移動しながら、連結腕4Eは係合ピン13を回動中心として移動し、支承部4Aの姿勢位置が位置決めされる。なお、左右の連結腕4E,4Eは、それぞれ左右の側面部11S,11Sの外側に位置している。係合ピン13の一端には、連結孔4Fの内径より大径の頭部13Aが一体形成されており、当該頭部13Aと係合ピン13の他端に嵌合され連結孔4Fの内径より大径の固定リング19とによって、係合ピン13の抜け外れが防止されている。係合ピン13は連結軸18と互いに平行となっており、係合ピン13と連結軸18との間に左右2つの引張りばね16,16が掛け止められている。この引張ばね16,16は、係合ピン13を連結軸18に引き寄せる方向に付勢しており、通常時に長孔11H,11Hの下端部H0,H0に保持されている係合ピン13を長孔11H,11Hの上端部H3,H3に向けて常時付勢している。
図9に示されるようにロック機構7は、係合ピン13を初期位置にて保持するフック14と、フック14による係合ピン13の保持状態をロック及びロック解除するロックレバー15と、を有する。ここで、フック14が本発明の保持部材に相当し、ロックレバー15が本発明の操作部材に相当する。フック14は金属製であり、全体がカム形状に形成されている。詳しくは、フック14の周縁部において、爪状に突出した形状の上顎部位14Bと下顎部位14Cとが一体形成されている。フック14は、基台11の下端寄り部位において、連結軸30を回動中心として回動可能に配設されている。フック14は、連結軸30に巻き掛けられる捩りばね31によって、図9に示される係合ピン13を初期位置で保持する状態から、基台11に対して反時計回り(前方のロックレバー15側)に回動する方向へ常時付勢されている。捩りばね31は、予め捩り込まれた状態で設けられており、その一端がフック14の掛着顎14Eに掛着され、他端は、基台11に固定された掛着プレート32に掛着されている。フック14の周縁部には係止溝14Dが凹み形成されており、当該係止溝14Dに、後述するロックレバー15の操作腕15Cが係合される。これにより、車両が後突する前の通常時には、各フック14に作用する捩りばね31の付勢力による反時計回り方向への回動が規制された状態となっている。
ロックレバー15も金属製であり、第2のケーブル50の操作力を受けて回動する操作軸9の先端に嵌合される固定ピン9Aを回動中心として、基台11に対して軸回動可能に軸支されている。操作軸9は、真円の上下面が切り落とされたような小判型の空洞を有する円筒形を呈し、一方の側面部11Sの下端部に穿設された連結孔11Eと軸孔リング11Dとの間に亘って回動可能に挿通されており、その先端部は軸孔リング11Dより他方の側面部11S側へ突き抜けている。符号9Bは、操作軸9の抜け外れを防止する突起である。固定ピン9Aは小判型であり、当該固定ピン9Aが、ロックレバー15と後述の2枚の規制プレート17,17とを介して操作軸9の空洞内に圧入される。詳しくは、ロックレバー15及び規制プレート17,17には、それぞれ小判型の挿通孔が穿設されており、当該挿通孔内に固定ピン9Aが挿通された状態で、操作軸9と固定ピン9Aとが嵌合される。これにより、ロックレバー15と2枚の規制プレート17,17とは、固定ピン9Aを回動中心として軸回動可能に操作軸9と固定ピン9Aとによって挟持されており、操作軸9、ロックレバー15、規制プレート17、及び固定ピン9Aが、それぞれ小判型形状を介して嵌合されていることで、これらの部材9・15・17・9Aは一体的に回動可能となっている。
一方、軸孔リング11Dと規制プレート17との間には、操作軸9に巻き掛けられる捩りばね33が配されている。当該捩りばね33は、予め捩じり込んだ状態で、その一端を掛着プレート32の下顎部位32Aに掛着させ、他端は2枚の規制プレート17,17に亘って貫通掛着されると共に、ロックレバー15の操作腕15Cの前縁に掛着された状態で、掛着プレート32の上顎部位32Bに掛着されている。これにより、規制プレート17,17は固定ピン9A(操作軸9)を中心として時計回りに回動する方向、すなわち側面視において長孔11Hと交差する方向へ常時付勢されている。同時に、規制プレート17,17と回動中心を同じにして一体的に回動するロックレバー15も、規制プレート17,17と同じ方向、すなわちフック14側へ常時付勢されている。なお、操作軸9は、第2のケーブル50(正確にはインナー部材51)の上端と連結されていて、この第2のケーブル50の軸方向(上下方向)への押引操作によって、軸回動操作されるようになっている。また、掛着プレート32は、長孔11H、連結軸30、及び操作軸9を避けるような形状に形成されている。
ロックレバー15の操作腕15Cは、捩りばね33の付勢力に抗して反時計回り(フック14から離間する方向)に回動操作されることにより、フック14との係合ロック状態が解除される。これによりフック14は、操作腕15Cによる回動規制状態が解除され、ロックレバー15と共に反時計方向(ロックレバー15側)へ回動し、ロックレバー15の基部15Bと当接することによって回動が停止する。フック14は、ロックレバー15の操作腕15Cによって回動規制されたロック状態では、図9に示されるように、側面視において上顎部位14Bを長孔11Hの孔内に露出させ、長孔11Hの下端部H0を上顎部位14Bと下顎部位14Cとの間に挟み込んだ姿勢状態として保持される。そして、フック14は、操作腕15Cとの係合が外されて捩りばね31の付勢力により反時計回りに回動することで、図10に示されるように、側面視において上顎部位14Bを長孔11Hの孔外に移動させ、下顎部位14Cを下側から押し上げるように長孔11Hの孔内に露出させた姿勢状態となる。
上記構成のフック14は、係合ピン13を長孔11H,11Hの下端部H0,H0まで落とし込む操作を行うことにより、このロックレバー15と係合してこれを初期位置で保持することができる。詳しくは、フック14は係合ピン13が長孔11H,11Hの下端部H0,H0に無いとき、上述のように下顎部位14Cを長孔11H,11Hの孔内に露出させた姿勢状態となっている。したがって、この状態で、係合ピン13を長孔11H,11Hの下端部H0,H0に落とし込むことにより、フック14の下顎部位14Cが、係合ピン13に押圧されるかたちで長孔11H,11Hの孔外に押し出される。そして、この下顎部位14Cが押し出される動きによって、フック14が時計回りに回動し、上顎部位14Bが係合ピン13の上方から長孔11H,11Hの孔内に回し込まれる。そして、フック14の時計回りの回動により、ロックレバー15の操作腕15Cがフック14の係止溝14Dに付勢によって入り込み、フック14がその姿勢状態でロックされる。これにより、係合ピン13がフック14の上顎部位14Bと下顎部位14Cとの間に挟まれた状態となり、長孔11H,11Hの下端部H0,H0の位置(初期位置)で保持される。そして、係合ピン13が長孔11H,11Hの下端部H0,H0の位置で保持されることにより、支承部4Aがこの初期位置の状態で保持される。
図2及び図9に戻って一対の規制プレート17,17は、金属板によって固定ピン9A(操作軸9)から長孔11Hの上端部H3近傍に至る長尺形状に形成されている。規制プレート17,17は、ロックレバー15を左右両側方から挟む込みように設置されており、通常時は係合ピン13の長孔11H,11Hに沿うスライド軌跡を遮断する姿勢位置で保持付勢されている。係合ピン13が規制プレート17,17より下方(初期位置側)にある場合、当該係合ピン13は規制プレート17,17の付勢力に抗して長孔11H,11H内を衝突対応位置側へスライド移動可能である。すなわち、規制プレート17,17は、車両後突時の係合ピン13の初期位置側から衝突対応位置側へのスライド移動を許容する。一方、詳細は後述するが、係合ピン13の衝突対応位置側から初期位置側へのスライド移動は、規制プレート17,17によって規制される。そして、規制プレート17,17の後縁(長孔11Hとの対向縁)長手方向中間部に、1つの段部17Bが形成されている。これにより、規制プレート17,17の上面17Aと段部17Bによって、係合ピン13のスライド軌跡を段階的に遮断できる構成となっている。
図2に示されるように、支承部4Aは、合成樹脂の一体成形によって全体が曲板状に形成され、ヘッドレスト移動機構10の前面を覆うに十分な大きさを有する。ヘッドレスト移動機構10の後面は、後面カバー4Rによって覆われている。後面カバー4Rは、支承部4Aの左右両側縁及び上縁から一体的に後方へ延びる4つの係合片4Sが、後面カバー4Rの左右両側面及び上面の外面に突出形成された4つの係合突起4Tとそれぞれ係合することで、係着保持されている。ヘッドレスト移動機構10が支承部4Aと後面カバー4Rとで覆われているとき、左右のステー4B,4Bは、後面カバー4Rの下面に前後方向に延びる長孔4L,4L内に前後スライド可能に収納されている。なお、係合片4Sや係合突起4Tの数や形成位置は、支承部4Aと後面カバー4Rとを確り係着できるようになっていれば、特に限定されない。
次に、車両後突時に乗員からの背凭れ荷重を受けて機械的操作移動量として検知し、第1のケーブル40を牽引操作する検知機構20について説明する。図1及び図3に示されるように、シートバック2の内部には、バックフレーム2Fの左右のサイドフレームFs,Fsに亘ってロアフレームFlが架設されている。ロアフレームFlは、乗員の腰部の後方に位置する高さ位置にあり、当該ロアフレームFlの前面左右中央部に検知機構20が設置されている。検知機構20は、第1のケーブル40を牽引操作する解除プレート21と、解除プレート21を回動操作する操作ピン22と、乗員の背凭れ荷重を受ける受承板23と、受承板23と操作ピン22との間に係着されるリンク24とを有する。
解除プレート21は、軸ピン34を回動中心として左右側方が上下に動くように回動可能に軸支されており、これの一側方(図1及び図3の左方)に第1のケーブル40(正確にはインナー部材41)が連結されている。操作ピン22は、ロアフレームFlの前面に固定された支持プレート26の上部に穿設された上下縦長の長孔26A内に、上下スライド可能に挿通されている。受承板23は、支持プレート26の下部に挿通固定される軸ピン35を回動中心として、前後方向に回動可能に軸支されている。リンク24は、受承板23の側面上部に挿通固定される軸ピン36と操作ピン22とに回動可能に連結される。解除プレート21の他方(図1及び図3の右方)は、当該解除プレート21の他方と軸ピン35との間に掛着された引張りばね(図示せず)によって、常時下方へ付勢されている。これにより、解除プレート21の一側方(左方)は、常時上方へ付勢されている。また、軸ピン36には、捩じりばね27が巻き掛けられている。当該捩じりばね27の一端は下方の軸ピン35に掛着されており、捩じりばね27の他端はリンク24に掛着されている。この捩じりばね27によって、受承板23は常時前方へ付勢されており、車両後突する前の通常時はロアフレームFlから前方へ傾斜する姿勢で保持されている。同時に、リンク24と係合している操作ピン22は、通常時には長孔26Aの下端にある。このとき、操作ピン22の先端は、解除プレート21の他方(右方)上縁から前方へ突出するように一体形成された突片21Aと当接している。
図4に示されるように、第1のケーブル40と第2のケーブル50は、ヘッドレスト4の左側のステー4Bがサポート2Sに挿し込まれる挿込連結部において、互いの連結端部が連結されるようになっている。これら第1のケーブル40と第2のケーブル50との連結構造は、左側のステー4Bをサポート2Sに対して抜き挿しする動きによって、互いを連結させたり分離させたりできるようになっている。これにより、ヘッドレスト4をシートバック2に対して取り付けたり取り外したりする作業が自在に行えるようになっている。
詳しくは、第1のケーブル40は、可撓性を有した線状のインナー部材41が管状のアウター部材42の内部に挿し通された二重構造となっている。インナー部材41の上端部には、T字状に半径方向の外方に突出した係合突起41Pが形成されている。そして、アウター部材42の上端側の周壁には、上記のT字状に突出した係合突起41Pの両端をそれぞれ半径方向に貫通させることのできる長孔42S,42Sが形成されている。これら長孔42S,42Sは、アウター部材42の周壁に、軸方向に長尺となる形状に形成されており、その長孔42S,42Sの範囲内で、インナー部材41の軸方向への相対移動を許容している。また、アウター部材42の上端部には、その管状の開口端部を塞ぐかたちで頭部42Hが形成されている。
上記構成の第1のケーブル40は、その上端側の連結端部をサポート2Sの挿込口Sa内に下側から挿し込むことにより、これに吊り下げられた状態として保持されるようになっている。詳しくは、左側のサポート2Sの周壁には、その軸対称の2箇所の位置に、下端部から上方に向けて軸方向に延びる挿入溝Sd,Sdが貫通して形成されている。ここで、図4では、紙面左手前側と右奥側に、実線と破線で挿入溝Sd,Sdがそれぞれ表されている。これら挿入溝Sd,Sdは、インナー部材41の上端部に形成されたT字状の係合突起41Pの両端を、それぞれ、軸方向に受け入れられるようになっている。そして、各挿入溝Sd,Sdは、第1のケーブル40の連結端部をサポート2Sの挿込口Sa内に下側から挿し込むことにより、係合突起41Pをこれらに係合させた状態でその軸方向に沿って挿通移動させられるようになっている。
ここで、紙面左手前側に図示されている一方側の挿入溝Sdは、その軸方向の終端部が、紙面内左方向(周方向)に向けて湾曲した形状に形成されている。そして、左奥側に形成された他方側の挿入溝Sdは、一方側の挿入溝Sdと軸対称となるかたちで、紙面内右方向(周方向)に向けて湾曲した形状に形成されている。これら挿入溝Sd,Sdの終端部は、共に、周方向、かつ、軸方向の下方に向けて湾曲したかたちで形成されている。したがって、第1のケーブル40の挿し込みにより、係合突起41Pを挿入溝Sd,Sdの形状に沿って軸方向に挿通して、その後に、各挿入溝Sd,Sdの湾曲形状に倣って第1のケーブル40を周方向に回動させることにより、係合突起41Pを各挿入溝Sd,Sdの終端部まで挿通することができる(図5参照)。これにより、係合突起41Pのサポート2Sに対する軸方向(重力方向及びその逆方向)への相対移動が規制された状態となり、第1のケーブル40の連結端部が、サポート2Sの挿込口Sa内に挿し込まれた状態として、これに吊り下げられた状態として保持される。
アウター部材42の上端側の周壁は合成樹脂によって形成されており、その軸方向の一部が、挿込口Saの内径と合致するように部分的に半径方向の外方に膨らんだ形状に形成されている。そして、この外方に膨らんだ部位の外周面部には、軸方向に延びる複数の凹凸がセレーション状に全周にわたって形成されている。これにより、アウター部材42が挿込口Saに対してガタツキのない状態で嵌め込めるようになっていると共に、アウター部材42の挿込口Saに対する軸方向移動がスムーズに行えるようになっている。
上記構成の第1のケーブル40は、インナー部材41の下端が解除プレート21によって下方向に牽引されることにより、同インナー部材41の下端がアウター部材42の下端から引き出されるかたちで牽引操作される。この第1のケーブル40は、図1に示されるように、インナー部材41及びアウター部材42が共に撓み易い可撓性を有した構成となっており、シートバック2の内部に配設された空調等の各種の構造物(図示省略)を回避するよう湾曲させた姿勢状態で配索されている。
第2のケーブル50は、ヘッドレスト4の内部に配索されており、比較的剛性の高い棒状のインナー部材51が、管状のステー4Bによって構成されたアウター部材52の内部に挿し通された二重構造となっている。すなわち、図1などに図示されている左側の管状のステー4Bが、アウター部材52として構成されている。したがって、以下の説明では、この左側のステー4Bによって、アウター部材52の構成を説明することとする。第2のケーブル50の下端部は、第1のケーブル40の上端部と連結される連結端部として構成されている。具体的には、図4及び図5に示されるように、インナー部材51の下端部は、管状のステー4Bの内部に吊り下げられた状態として保持されている。詳しくは、ステー4Bの周壁には、その軸対称の2箇所の位置に、下端部から上方に向けて軸方向に延びる受入溝Bd,Bdが貫通して形成されている。ここで、図4及び図5では、紙面左手前側と右奥側に、実線と破線で受入溝Bd,Bdがそれぞれ表されている。これら受入溝Bd,Bdは、図6に示されるように、ステー4Bをサポート2Sの挿込口Sa内に挿し込むことにより、その口内に保持されている第1のケーブル40のインナー部材41の上端部に形成されたT字状の係合突起41Pの両端を、それぞれ、軸方向に受け入れられるようになっている。詳しくは、ステー4Bは、その管状の内部に、第1のケーブル40のアウター部材42の頭部42Hを受け入れながら、両受入溝Bd,Bdの内部に、係合突起41Pの両端を受け入れていく。そして、各受入溝Bd,Bdは、ステー4Bをサポート2Sの挿込口Sa内に挿し込む移動によって、係合突起41Pをこれらに係合させた状態でその軸方向に沿って挿通移動させられるようになっている。
図4及び図5に戻って、紙面左手前側に図示されている一方側の受入溝Bdは、その軸方向の終端部が、紙面内右方向(周方向)に向けて湾曲した形状に形成されている。そして、右奥側に形成された他方側の受入溝Bdは、一方側の受入溝Bdと軸対称となるかたちで、紙面内左方向(周方向)に向けて湾曲した形状に形成されている。すなわち、各受入溝Bd,Bdは、前述した各挿入溝Sd,Sdに対して、それぞれ、周方向の逆向き(互い違いとなる方向)に湾曲した形状に形成されている。そして、図6に示されるように、上記構成のステー4Bがサポート2Sの挿込口Sa内に挿し込まれることにより、例えば紙面右手前側にある係合突起41Pの一端は、ステー4Bに形成された紙面右手前側の受入溝Bdの右方向に曲がった終端部の形状に案内されるかたちで、挿入溝Sdの終端部から同方向に押し戻されていく。なお、紙面左奥側にある係合突起41Pの他端(同図では省略されている。)は、上記した一端と軸対称な動きによって、挿入溝Sdの終端部から押し戻されていく。そして、係合突起41Pは、上記の移動により、受入溝Bd,Bdの終端部まで移動すると共に、挿入溝Sd,Sdの終端部から脱してその軸方向に延びる形状部位まで移動する。これにより、係合突起41Pは、サポート2Sに対する軸方向(重力方向及びその逆方向)への相対移動が許容された状態となる一方で、ステー4Bに対しては軸方向への相対移動が規制された状態となる。この状態では、係合突起41Pは、受入溝Bd,Bdと挿入溝Sd,Sdとの交差した形状により、ステー4Bに対しては軸方向に一体的な状態に保持され、サポート2Sに対しては軸方向にのみ移動可能な状態とされる。すなわち、この係合突起41Pとステー4Bとの係合により、第1のケーブル40のインナー部材41の上端部と第2のケーブル50のアウター部材52(ステー4B)の下端部とが軸連結された状態となる。
そして、この軸連結がなされた状態では、ステー4Bの更なる挿し込み移動が可能とされる。したがって、図7に示されるように、上記の軸連結状態で、ステー4Bを、サポート2Sにロックされる挿し込み位置まで挿し込むことができる。ここで、左側のステー4Bの周壁には、凹状に切欠かれた形状の係止溝Bsが形成されている。また、同左側のサポート2Sには、挿込口Saの口内に向けて付勢された係止爪Stが設けられている。この係止爪Stは、通常時は挿込口Saの内部に突出した姿勢状態に保持されており、ツマミSbを横から押込む操作を行うことによって、挿込口Saの口外に押し退けられるようになっている。したがって、ツマミSbの押込み操作をした状態でステー4Bを挿込口Sa内に挿し込んで、そのままステー4Bを挿し込むことにより、係止爪Stを係止溝Bsと合致する位置でこれを自動的に落とし込んでステー4Bの挿込方向への移動をロックすることができる。この係止溝Bsは、ステー4Bの周壁における軸方向の複数の位置に形成されている。したがって、ツマミSbの押込み操作を行いながらステー4Bの挿込量を変更することにより、ヘッドレスト4の設置高さ位置を自在に調整することができる。
また、同じように、ツマミSbの押込み操作を行いながら各ステー4B,4Bを各サポート2S,2Sから引き抜くことにより、ヘッドレスト4をシートバック2から取り外すことができる。そして、このステー4B,4Bの引き抜き移動によって、上記した第1のケーブル40のインナー部材41の上端部とステー4Bの下端部との軸連結状態が解除されて外される。具体的には、図6を参照して、左側のステー4Bをサポート2Sの挿込口Saから引き抜く方向に移動させると、例えば紙面右手前側にある係合突起41Pの一端は、前述した挿し込み時の動きとは逆に、サポート2Sに形成された紙面右手前側の挿入溝Sdの左方向に曲がった終端部の形状に案内されるかたちで、案内溝の終端部から同方向に押し戻されていく。なお、紙面左奥側にある係合突起41Pの他端(同図では省略されている。)は、上記した一端と軸対称な動きによって、受入溝Bdの終端部から押し戻されていく。そして、係合突起41Pは、上記の移動により、挿入溝Sd,Sdの終端部に向けて移動すると共に、受入溝Bd,Bdの終端部から脱してその軸方向に延びる形状部位まで移動する。これにより、係合突起41Pは、ステー4Bに対する軸方向への相対移動が許容された状態となる一方で、サポート2Sに対しては軸方向への相対移動が規制された状態となる。これにより、ステー4Bと第1のケーブル40との軸連結状態が外れ、ステー4Bのみをサポート2Sから引き抜くことができる。
ここで図7に示されるように、両者40・50が軸連結された状態では、第2のケーブル50のインナー部材51の下端は、第1のケーブル40のアウター部材42の頭部42Hから上方側に少し離れた位置に位置している。これにより、ステー4Bの挿し込み操作時に、第2のケーブル50のインナー部材51が、第1のケーブル40のアウター部材42の頭部42Hに下方から押し上げ操作されないようになっている。この軸連結状態とされた第2のケーブル50は、図8に示されるように、第1のケーブル40のインナー部材41が下方に牽引操作されることにより、アウター部材42の頭部42Hに押し上げられるかたちで、インナー部材51が上方に押し上げ操作される。すなわち、第2のケーブル50のアウター部材52とされているステー4Bは、第1のケーブル40のインナー部材41と軸連結されてこれと一体的な状態とされている。したがって、この軸連結状態で、第1のケーブル40のインナー部材41が下方に牽引操作されると、アウター部材42が相対的に上方に押し動かされるかたちとなる。これにより、アウター部材42の頭部42Hによって、第2のケーブル50のインナー部材51が下方から押し上げ操作される。
第2のケーブル50のインナー部材51が押し上げ操作されることにより、操作軸9が軸回動操作されて、支承部4Aの初期位置での保持状態が解除される。すなわち、第1のケーブル40は、インナー部材41が下方側に牽引操作される牽引式のケーブル構造となっており、第2のケーブル50は、インナー部材51が上方側に押し上げられる押出式のケーブル構造となっている。そして、これら第1のケーブル40や第2のケーブル50の軸連結構造は、ステー4Bの挿し込み操作を行うことによって、インナー部材41とアウター部材52(ステー4B)とが軸連結状態とされ、アウター部材42とインナー部材51とが軸連結状態(押出しによるケーブル操作が可能な状態)とされる逆転式の軸連結構造となっている。
次に、本実施例の作用について説明する。図1に示すごとく、ヘッドレスト4は、シートバック2に対して着脱可能に構成されており、その下部にあるステー4B,4Bをサポート2S,2Sの挿込口Sa,Sa内にそれぞれ挿し込むことによって、シートバック2の上部に装着される。そして、この左側のステー4Bが挿し込まれる操作によって、第1のケーブル40と第2のケーブル50とが軸連結された状態となる。このように組み付けられたシート1は、車両が後突する前の通常時は、ヘッドレスト4の支承部4Aを、初期位置の姿勢状態に保持している。
そして、車両の後面衝突(後突)が発生して、シートバック2に乗員が圧し掛かる背凭れ荷重がかかると、図3に示されるように、検知機構20の受承板23が後方側に押し動かされる。すると、受承板23に連結されているリンク24により、操作ピン22が長孔26A内を上方に押圧操作される。すると、操作ピン22が突片21Aを上方へ押圧操作することで、解除プレート21の左方が下方へ回動し、第1のケーブル40のインナー部材41が牽引操作される。なお、操作ピン22が長孔26Aの上端まで移動すると、操作ピン22と突片21Aとの接触が解除されて、解除プレート21は引張りばねの付勢力により初期位置へ戻される。したがって、第1のケーブル40のインナー部材41が牽引されるのは僅かな時間の間だけである。解除プレート21の突片21Aの上方にまで移動した操作ピン22は、捩じりばね27の付勢力により突片21Aの前方側を回りこんで、再度突片21Aの下面に接触する位置に戻される。同時に、受承板23も初期姿勢に戻される。
第1のケーブル40のインナー部材41が下方へ牽引されると、図8に示されるように、アウター部材42が相対的に上方に押し動かされるかたちとなる。これにより、アウター部材42の頭部42Hによって、第2のケーブル50のインナー部材51が下方から押し上げ操作される。そして、第2のケーブル50のインナー部材51が押し上げ操作されることにより、操作軸9が軸回動操作されて、支承部4Aの初期位置での保持状態が解除される。詳しくは、操作軸9は、第2のケーブル50のインナー部材51が上方に押し上げ操作されることにより、図9に示す初期姿勢から反時計回りに軸回動操作される。これにより、図10に示されるように、ロックレバー15も一体となって反時計回り方向(フック14から離間する方向)に回動すると共に、1対の規制プレート17,17も、ロックレバー15と共に係合ピン13のスライド軌跡から外れるように反時計回り方向へ回動する。なお、本実施例では、ロックレバー15及び規制プレート17,17は、図9に示す初期姿勢から最大約20°回動する。ロックレバー15がフック14から離間する方向に回動すると、この回動によって操作腕15Cと係止溝14Dとの係合が解除されることで、フック14の回動規制状態すなわちロック状態が解除される。すると、フック14も反時計回り方向に回動することで、フック14による係合ピン13の保持状態が解除される。フック14は、ロックレバー15の基部15Bと接触することで、回動限界が規定される(図11参照)。
フック14による係合ピン13の保持状態が解除されると、側面視においてフック14の上顎部位14Bが長孔11Hから離間する方向に回動しながら、下顎部位14Cが係合ピン13の下方から長孔11H内へ入り込むように係合ピン13を押し圧操作すると共に、引張ばね16の付勢力によって、図11に示されるように係合ピン13が長孔11H,11Hに沿って上端部H3,H3に向けてスライド移動していく。これに伴って、支承部4Aが、リンク部材12の回動と連結腕4Eの移動を伴いながら、図9に示された初期位置から相対的に前方かつ上方に移動していき、乗員の頭部に近接した衝突対応位置にまで移動することになる。なお、第2のケーブル50のインナー部材51が上方へ押圧操作される時間も僅かな間である。したがって、係合ピン13の保持状態が解除されて長孔11H,11Hに沿って係合ピン13が上方へスライド移動する間に、規制プレート17,17は、捩りばね33の付勢力によって再度係合ピン13のスライド軌跡を遮断する方向へ回動してくる。また、ロックレバー15も、規制プレート17,17と同時にフック14に接触する方向へ回動する。このとき、係合ピン13が長孔11H,11Hの上端部H3,H3に到達する前に規制プレート17,17が係合ピン13のスライド軌跡を遮断し得る姿勢にまで戻っても、係合ピン13を上方側へ付勢する引張りばね16の付勢力は、規制プレート17,17を初期位置側へ付勢する捩りばね33の付勢力より強いことから、係合ピン13は規制プレート17,17を付勢している捩りばね33の付勢力に抗して規制プレート17,17を押し退けながら上方へスライド移動可能となっている。
そして、図12に示されるように、係合ピン13が長孔11H,11Hの上端部H3,H3に到達すると、側面視において長孔11H,11H内に一対の規制プレート17,17が進入している、すなわち係合ピン13のスライド軌跡が規制プレート17,17で遮断されていることで、長孔11H,11Hの上端部H3,H3にある係合ピン13は、規制プレート17,17の上面17Aに接触して初期位置である長孔11H,11Hの下端部H0、H0側への逆戻りが規制される。このとき、規制プレート17,17には、係合ピン13から下方かつ後方への押圧力が作用するが、ロックレバー15の操作腕15Cがフック14の上顎部位14Bの上面に当接していることで、規制プレート17,17が後方(時計方向)へ回動することはない。これにより、車両後突時に乗員の頭部がヘッドレスト4に衝突しても、支承部4Aが衝突対応位置にて確り保持される。
ここで、車両後突時には、支承部4Aが初期位置から前方かつ上方に移動していく過程、すなわち、図11に示されるように衝突対応位置に到達する前の段階で、乗員の頭部が支承部4Aに衝突してしまうことがある。しかし、この場合でも、図13に示されるように、係合ピン13が規制プレート17,17の長手方向中間部に形成された段部17Bで受け止められる。これにより、係合ピン13が長孔11H,11Hの初期位置側へ押し戻されないようにその逆戻りを規制することができ、支承部4Aを衝突対応位置に到達する前の位置でも後方側に押し戻さるのを防止することができる。これにより、乗員の頭部を、一定の位置に保持されている支承部4Aによって、安定して受け止めることができる。
また、車両後突時には、乗員の頭部が支承部4Aに複数回繰り返し衝突する場合もある。この場合、初めて頭部が支承部4Aに衝突する時(1回目衝突)に、初期位置から衝突対応位置側へのスライド途中で逆戻りが規制されたとしても、一度頭部が支承部4Aから離間すると係合ピン13はさらに規制プレート17を押し退けて衝突対応位置までスライド移動できる。したがって、再度頭部が支承部4Aに衝突するとしても、2回目又は3回目以降の衝突時には頭部を衝突対応位置にて支持できる。
(変形例)
上記実施例では、ロックレバー15を挟み込むように2枚の規制プレーと17,17を設けているが、係合ピン13の逆戻りを規制できる限り規制プレート17の設置個数は特に限定されず、1枚でもよいし、3枚以上でもよい。また、規制プレート17に形成する段部も、1段に限らず2段や3段以上形成することもできる。段部を複数段形成していれば、係合ピン13が長孔11H内をスライド移動している間の複数箇所で逆戻りを規制できるので、車両後突時に乗員の頭部をより的確に支持することができる。また、係合ピン13は、長孔11Hに挿通される独立した棒部材のほか、支承部4Aの連結腕4Eに一体形成してもよい。上記実施例では、ヘッドレストの支承部をリンク機構を介して相対移動させているが、車両後突時にヘッドレストの支承部を初期位置から衝突対応位置へシートバックに対して相対移動させる機構としては、これに限らずスライド機構やヒンジ機構を採用することもできる。