JP4935288B2 - 信号分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、輝度信号と色信号とが合成された合成映像信号から、輝度信号と色信号とを分離する信号分離装置に関する。
テレビ受像機では、輝度信号と色信号とが合成された合成映像信号から、輝度信号と色信号とを分離する必要がある。簡易な手法としては、色信号の周波数のみを通過させるBPF(Band Pass Filter)を用いて分離する手法や、上下ラインの色位相相関からの判断情報を元に分離する手法(いわゆる「くし形フィルタ」を用いる手法)が知られている。
前者の手法は、合成映像信号を、色信号の周波数のみを通すBPFに入力しその出力信号を色信号とし、その色信号によって合成映像信号を減算した結果の信号を輝度信号とするものである。また、後者の手法は、1ライン遅延させた合成信号と遅延させる前の合成信号とを加算した結果の信号を輝度信号とし、遅延させる前の合成信号を1ライン遅延させた合成信号により減算した結果の信号を色信号とするものである。
これらの手法は簡易ではあるが、クロスカラーやドット妨害を発生させ、映像の品質低下を招く。
そこで、これらの不具合を除去するためにフィールドメモリと複雑な回路を用いて上記問題に対応している。例えば、下記の特許文献1では、フィールド遅延回路とライン遅延回路の出力を各種のフィルタに入力し、それらのフィルタの出力結果を、時間、垂直、水平方向に帯域制限した非相関検出結果に応じて切り替えて用いる技術が記載されている。
特開平9−163398号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような回路を、車載ディスプレイや携帯型ディスプレイ等の小型ディスプレイに用いると、これらのディスプレイのサイズに比較して回路部分が大変大きなものになってしまう。また、これらのディスプレイの表示領域面積を考慮すれば、若干の映像情報の欠落があったとしても、ユーザが感じる表示品質への影響は少ないと考えられる。このため、特許文献1に記載されたような回路を、上述した小型ディスプレイに用いることは、過剰な分離性能を有した回路を用いているとも言える。
本発明は、このような事情にかんがみなされたものであり、大規模な回路を用いなくても、クロスカラーやドット妨害等の映像不具合の発生を抑えることができる信号分離装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の信号分離装置は、合成映像信号を1ライン分遅延させて出力する第一のライン遅延手段と、合成映像信号を2ライン分遅延させて出力する第二のライン遅延手段と、第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これらの出力信号を加算して輝度信号として出力する加算手段と、第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、第一のライン遅延手段の出力信号から第二のライン遅延手段の出力信号を減算して出力する減算手段と、加算手段の出力信号を入力し、輝度信号と色信号との分離が難しい分離困難周波数帯の信号を通過させて制御信号として出力する制御信号出力手段と、制御信号出力手段の制御信号と減算手段の出力信号とを入力し、制御信号出力手段の制御信号に対応させて減算手段の出力信号を低減させて色信号として出力するゲイン制御手段とを備える。
一般的に、輝度信号が分離困難周波数帯に存在するタイミングでは、色信号に輝度信号が乗ってしまい不正な色信号になっているケースも多い。本発明の信号分離装置によれば、輝度信号が分離困難周波数帯に存在するタイミングに出力される色信号は、振幅が抑えられた色信号になる。したがって、大規模な回路を用いなくても、クロスカラーの発生を抑えることができる。
上記課題を解決するためになされた請求項2に記載の信号分離装置は、合成映像信号を1ライン分遅延させて出力する第一のライン遅延手段と、合成映像信号を2ライン分遅延させて出力する第二のライン遅延手段と、合成映像信号と第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これら信号の相関度合いを判断してその結果を出力する相関判断手段と、第一のライン遅延手段の出力信号を入力し、色信号成分の周波数帯の信号を通過させて出力する帯域通過フィルタと、第一のライン遅延手段の出力信号と帯域通過フィルタの出力信号とを入力し、第一のライン遅延手段の出力信号から帯域通過フィルタの出力信号を減算して出力する第一の減算手段と、第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これらの出力信号を加算して出力する加算手段と、第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、第一のライン遅延手段の出力信号から第二のライン遅延手段の出力信号を減算して出力する第二の減算手段と、加算手段の出力信号を入力し、輝度信号と色信号との分離が難しい分離困難周波数帯の信号を通過させて制御信号として出力する制御信号出力手段と、制御信号出力手段の制御信号と第二の減算手段の出力信号とを入力し、制御信号出力手段の制御信号に対応させて第二の減算手段の出力信号を低減させて出力するゲイン制御手段と、相関判断手段の出力結果と第一の減算手段の出力信号と加算手段の出力信号とを入力し、相関判断手段の出力結果に応じて第一の減算手段の出力信号と加算手段の出力信号と切り替えて輝度信号として出力する第一のセレクタと、相関判断手段の出力結果と帯域通過フィルタの出力信号とゲイン制御手段の出力信号とを入力し、相関判断手段の出力結果に応じて帯域通過フィルタの出力信号とゲイン制御手段の出力信号とを切り替えて色信号として出力する第二のセレクタとを備える。
このような信号分離装置によれば、輝度信号が分離困難周波数帯に存在するタイミングに出力される色信号は、振幅が抑えられた信号になる。したがって、大規模な回路を用いなくても、クロスカラーの発生を抑えることができる。なお、本発明の信号分離装置は、上下ラインの相関に応じて(相関が所定以下の場合には)、第一の減算手段の出力信号が輝度信号になり、帯域通過フィルタの出力信号が色信号になる。このため、合成映像信号が上下ラインの相関が取れていない映像のものである場合でも、切り替え条件を上手く調整すれば、効果的にクロスカラーの発生やドット妨害の発生を抑えることができる。
上記課題を解決するためになされた請求項3に記載の信号分離装置は、合成映像信号を1ライン分遅延させて出力する第一のライン遅延手段と、合成映像信号を2ライン分遅延させて出力する第二のライン遅延手段と、合成映像信号と第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これら信号の相関度合いを判断してその結果を出力する相関判断手段と、第一のライン遅延手段の出力信号を入力し、輝度信号と色信号との分離が難しい分離困難周波数帯及び色信号成分の周波数帯の信号を通過させて出力する第一の帯域通過フィルタと、第一の帯域通過フィルタの出力信号を入力し、色信号成分の周波数帯から分離困難周波数帯を除いた周波数帯の信号を通過させて出力する第二の帯域通過フィルタと、第一のライン遅延手段の出力信号と第一の帯域通過フィルタの出力信号とを入力し、第一のライン遅延手段の出力信号から第一の帯域通過フィルタの出力信号を減算して出力する第一の減算手段と、第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これらの出力信号を加算して出力する加算手段と、第一のライン遅延手段の出力信号と第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、第一のライン遅延手段の出力信号から第二のライン遅延手段の出力信号を減算して出力する第二の減算手段と、加算手段の出力信号を入力し、分離困難周波数帯の信号を通過させて制御信号として出力する制御信号出力手段と、制御信号出力手段の制御信号と第二の減算手段の出力信号とを入力し、制御信号出力手段の制御信号に対応させて第二の減算手段の出力信号を低減させるゲイン制御手段と、相関判断手段の出力結果と第一の減算手段の出力信号と加算手段の出力信号とを入力し、相関判断手段の出力結果に応じて第一の減算手段の出力信号と加算手段の出力信号と切り替えて輝度信号として出力する第一のセレクタと、相関判断手段の出力結果と第二の帯域通過フィルタの出力信号とゲイン制御手段の出力信号とを入力し、相関判断手段の出力結果に応じて第二の帯域通過フィルタの出力信号とゲイン制御手段の出力信号とを切り替えて色信号として出力する第二のセレクタとを備える。
このような信号分離装置によれば、第一の減算手段の出力信号が第一のセレクタから輝度信号として出力されている場合、その輝度信号は、輝度信号と色信号との分離が難しい周波数帯が除かれた信号である。また、第二の帯域通過フィルタからの出力信号が第二のセレクタから色信号として出力されている場合、その色信号は、輝度信号と色信号との分離が難しい周波数帯が除かれた信号である。また、ゲイン制御手段からの出力信号が第二のセレクタから色信号として出力されている場合であって輝度信号が分離困難周波数帯に存在するタイミングに出力される色信号は、振幅が抑えられた信号になる。したがって、大規模な回路を用いなくても、クロスカラーの発生やドット妨害の発生を効果的に抑えることができる。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態の信号分離装置1の概略構成を示すブロック図である。入力信号端子11は、輝度信号と色信号とが合成されたNTSC方式の合成映像信号を入力する端子である。入力信号端子11に入力された合成映像信号は、第一ライン遅延回路13と第二ライン遅延回路15と相関判断回路17とに出力される。
第一ライン遅延回路13は、入力信号端子11より入力した合成映像信号を1ライン遅延させる遅延回路である。1ライン遅延させた合成映像信号は、相関判断回路17とBPF18と第一減算回路23と加算回路25と第二減算回路27とに出力される。
第二ライン遅延回路15は、入力信号端子11より入力した合成映像信号を2ライン遅延させる遅延回路である。2ライン遅延させた合成映像信号は、相関判断回路17と加算回路25と第二減算回路27とに出力される。
相関判断回路17は、入力信号端子11より入力した合成映像信号と、第一ライン遅延回路13から入力した1ライン遅延された合成映像信号と、第二ライン遅延回路15から入力した2ライン遅延された合成映像信号との相関を判断し、第一セレクタ33及び第二セレクタ35に対して切り替え信号を出力する。なお、上記信号間の相関が所定閾値以上ある場合は、オン信号が出力され、上記信号間の相関が所定値未満である場合はオフ信号が出力される。また、この閾値は、後述する輝度信号出力端子37から出力される輝度信号と色信号出力端子39から出力される色信号とによって形成される映像の具合を見ながら調整されるものである。
BPF18は、第一ライン遅延回路13から入力した1ライン遅延された合成映像信号を入力し、色信号の周波数帯の信号のみを通過させて、第一減算回路23と第二セレクタ35とに出力する。なお、「色信号の周波数帯」というのは、3MHz〜4MHz帯を意味する。
第一減算回路23は、第一ライン遅延回路13から入力した1ライン遅延された合成映像信号からBPF18によって色信号の周波数帯のみになった信号を減算し、第一セレクタ33へ出力する。
加算回路25は、第一ライン遅延回路13から入力した1ライン遅延された合成映像信号と第二ライン遅延回路15から入力した2ライン遅延された合成映像信号とを加算し、加算した信号を、第一セレクタ33へ出力する。
第二減算回路27は、第一ライン遅延回路13から入力した1ライン遅延された合成映像信号から第二ライン遅延回路15から入力した2ライン遅延された合成映像信号を減算し、第二セレクタ35へ出力する。
周波数検出回路29は、加算回路25の出力信号を入力し、特定の周波数帯のみを通過させる周波数特性を有し、その出力をゲイン制御回路31に出力する回路である。
ここで図2を用い、周波数検出回路29の周波数特性について説明する。まず、合成映像信号について説明する。図2(a)は、合成映像信号の存在する周波数成分とレベルとを表したグラフである。合成映像信号は輝度信号上に色信号が重畳されており、図2(a)に示すように、所定の周波数帯に色信号が存在するようになっている(円弧P参照)。したがって、円弧Pに沿った周波数特性を有するフィルタを用いれば、輝度信号と色信号とを分離することができる。しかし、円弧Pの境界付近は、色信号と輝度信号とが混ざり合っており、完全に分離するフィルタを設計することは難しい。また、分離精度を追求すると回路が複雑なものになってしまう。なお、本願では、この分離が難しい周波数帯を「分離困難周波数帯」という。
周波数検出回路29は、図2(b)に示す特性を有するBPFと、図2(c)に示す特性を有するトラッピングフィルタを重ね合わせたものであり、図2(d)に示すような周波数特性を有するフィルタ回路である。
図2(b)に示すグラフの特性を有するBPFは、図2(a)に示した円弧Pに類似した形状の周波数特性を有するBPFである。
図2(c)に示すグラフの特性を有するトラッピングフィルタは、特定の周波数帯を減衰させる特性を有したものであり、その減衰させる周波数帯と、図2(a)に示した円弧Pとが一部重なるようになったフィルタである。
図2(d)の示すグラフは、図2(b)に示すグラフの特性を有するBPFと、図2(c)に示すグラフの特性を有するトラッピングフィルタとを組み合わせた回路の周波数特性を示すものであり、図2(a)に示した円弧Pの両端付近の信号(分離困難周波数帯付近の信号)のみを通過させる周波数特性を有するものである。
つまり、周波数検出回路29は、周波数検出回路29に入力された信号の中に、図2(a)に示した円弧Pの両端付近の信号(分離困難周波数帯の信号)が含まれていた場合、そのタイミングで電圧を出力し、ゲイン制御回路31に入力する。
説明を図1に戻し、ゲイン制御回路31は、周波数検出回路29から入力された電圧に基づいて、第二減算回路27から入力した信号のゲインを制御し、第二セレクタ35へ出力する。具体的には、電圧がかかると第二減算回路27から入力した信号のゲインを下げるように制御する。具体的な構成としては、例えば、減算回路や割り算回路が考えられる。
第一セレクタ33は、第一減算回路23から入力した信号と加算回路25から入力した信号とを、相関判断回路17からの信号に基づいて切り替えて出力する。具体的には、相関判断回路17からオフ信号が出力されている間は、第一減算回路23からの信号を出力し、相関判断回路17からオン信号が出力されている間は加算回路25からの信号を輝度信号出力端子37へ出力する。
第二セレクタ35は、BPF18から入力した信号とゲイン制御回路31から入力した信号とを、相関判断回路17からの信号に基づいて切り替えて出力する。具体的には、相関判断回路17からオフ信号が出力されている間は、BPF18からの信号を出力し、相関判断回路17からオン信号が出力されている間はゲイン制御回路31からの信号を色信号出力端子39へ出力する。
輝度信号出力端子37は、第一セレクタ33から入力した信号を出力可能な端子である。
色信号出力端子39は、第二セレクタ35から入力した信号を出力可能な端子である。
次に、信号分離装置1の作用効果について説明する。
BPF18により、合成映像信号から色信号が分離されて出力される。また、第一減算回路23により、合成映像信号からBPF18の出力信号(色信号)が減算され、輝度信号が出力される。
また、周知の通り合成映像信号中の色信号はライン間で位相が反転されているため、ライン間で信号の相違が少ない場合(相関判断回路17で相関が所定閾値以上あると判断される場合)、ライン間で合成映像信号を加算すれば色信号が相殺されて輝度信号のみになる。したがって、加算回路25からは輝度信号が出力される。
また、ライン間で信号の相違が少ない場合(相関判断回路17で相関が所定閾値以上あると判断される場合)、ライン間で合成映像信号を減算すれば輝度信号が除かれ、2倍の振幅を持つ色信号になる。したがって、第二減算回路27からは色信号が出力される。
そして、加算回路25から出力された輝度信号の周波数帯を周波数検出回路29で検出し、その出力結果に応じて第二減算回路27の出力信号である色信号のレベルを絞るようになっている。
つまり、信号分離装置1は、BPF18と第一減算回路23とを備えるBFP回路と、加算回路25と第二減算回路27と周波数検出回路29とゲイン制御回路31とを備える改良型くし形フィルタ回路とを有する。そして、相関判断回路17の出力によって、BFP回路と改良型くし形フィルタ回路とを切り替えるようになっている。したがって、それぞれの回路の利点を利用することができる。
また、改良型くし形フィルタ回路では、輝度信号が分離困難周波数帯に存在するタイミングに色信号のレベルを絞るようになっている。一般的に、輝度信号が分離困難周波数帯に存在するタイミングでは、色信号に輝度信号が乗ってしまい不正な色信号になっているケースも多い。したがって、上述したように色信号のレベルを絞るようになっていれば、クロスカラーによる映像の不具合を視聴者に感じさせにくくすることができる。
[第二実施形態]
次に第二実施形態の信号分離装置2について説明する。なお、信号分離装置2の説明において第一実施形態の信号分離装置1と同一の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図3は、第二実施形態の信号分離装置2の概略構成を示すブロック図である。第一実施形態の信号分離装置1との相違点は、BPF18の代わりに第一BPF19を配置し、その後段に第二BPF21を配置し、第二BPF21の出力を第二セレクタ35へ出力する点である。
次に、第一BPF19及び第二BPF21の特性について図4を用いて説明する。
図4(a)は、第一BPF19が通過させる周波数の特性を示すグラフである。第一BPF19は、図2(a)で示した円弧Pよりも若干広い周波数帯であって分離困難周波数帯を含む周波数帯の信号を通す特性を有する。なお、第一BPF19が、円弧Pよりもあまりに広過ぎる周波数帯の信号を通す特性を有していると、結果的に、輝度信号成分が失われ過ぎてしまうことになるため、使用するディスプレイのサイズ等を考慮しながら、適切な特性のフィルタを選択する必要がある。
図4(b)は、第二BPF21が通過させる周波数の特性を示すグラフである。第二BPF21は、図2(a)で示した円弧Pよりも若干狭い周波数帯であって、分離困難周波数帯を含まない周波数帯の信号を通す特性を有する。なお、第二BPF21が、円弧Pよりもあまりに狭すぎる周波数帯の信号のみを通す特性を有していると、色信号成分が失われ過ぎてしまうことになるため、使用するディスプレイのサイズ等を考慮しながら、適切な特性のフィルタを選択する必要がある。
次に、信号分離装置2の作用効果について説明する。
第一BPF19によって出力される信号は、分離困難周波数帯の信号を含む色信号である(図4(a)参照)。そして、その分離困難周波数帯の信号を含む色信号から、第二BPF21によって分離困難周波数帯の信号が取り除かれた色信号が第二BPF21から出力される(図4(b)参照)。つまり、二段のBPFにより、分離困難周波数帯が除かれた色信号が出力されるようになっている。
また、第一減算回路23によって、合成映像信号から第一BPF19の出力信号(分離困難周波数帯の信号を含む色信号)が減算されるため、分離困難周波数帯の信号を含まない輝度信号が第一減算回路23から出力される。
このように、第一BPF19、第二BPF21及び第一減算回路23によって構成される回路(「改良型BPF回路」と称す)によって出力される輝度信号及び色信号は、分離困難周波数帯の信号を含まないため、クロスカラーの発生やドット妨害の発生を従来より抑えることができる。
また、加算回路25から出力された輝度信号の周波数帯を周波数検出回路29で検出し、その出力結果に応じて第二減算回路27の出力信号である色信号のレベルを絞るようになっている。
一般的に、輝度信号が分離困難周波数帯に存在するタイミングでは、加算回路25から出力される色信号に輝度信号が乗ってしまい不正な色信号になっているケースも多い(クロスカラー)。このため、色信号のレベルを絞るようになっていれば、クロスカラーによる映像の不具合を視聴者に感じさせにくくすることができる。
[特許請求の範囲との対応]
次に上記実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
BPF18が請求項2の帯域通過フィルタに相当し、第一BPF19が第一の帯域通過フィルタに相当し、第二BPF21が第二の帯域通過フィルタに相当し、第一減算回路23が減算手段及び第一の減算手段に相当する。また、第一ライン遅延回路13が第一のライン遅延手段に相当し、第二ライン遅延回路15が第二のライン遅延手段に相当し、相関判断回路17が相関判断手段に相当する。また、加算回路25が加算手段に相当し、第二減算回路27が第二の減算手段に相当し、第一セレクタ33が第一のセレクタに相当し、第二セレクタ35が第二のセレクタに相当する。また、周波数検出回路29が制御信号出力手段に相当し、ゲイン制御回路31がゲイン制御手段に相当する。
第一実施形態の信号分離装置の概略構成を示すブロック図である。 周波数検出回路の特性を説明するためのグラフである。 第二実施形態の信号分離装置の概略構成を示すブロック図である。 第一BPF及び第二BFPの特性を説明するためのグラフである。
符号の説明
1…信号分離装置、2…信号分離装置、11…入力信号端子、13…第一ライン遅延回路、15…第二ライン遅延回路、17…相関判断回路、18…BPF、19…第一BPF、21…第二BPF、23…第一減算回路、25…加算回路、27…第二減算回路、29…周波数検出回路、31…ゲイン制御回路、33…第一セレクタ、35…第二セレクタ、37…輝度信号出力端子、39…色信号出力端子。

Claims (3)

  1. 輝度信号と色信号とが合成された合成映像信号を入力し、輝度信号と色信号とを分離して出力する信号分離装置において、
    前記合成映像信号を1ライン分遅延させて出力する第一のライン遅延手段と、
    前記合成映像信号を2ライン分遅延させて出力する第二のライン遅延手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これらの出力信号を加算して輝度信号として出力する加算手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、前記第一のライン遅延手段の出力信号から前記第二のライン遅延手段の出力信号を減算して出力する減算手段と、
    前記加算手段の出力信号を入力し、輝度信号と色信号との分離が難しい分離困難周波数帯の信号を通過させて制御信号として出力する制御信号出力手段と、
    前記制御信号出力手段の前記制御信号と前記減算手段の出力信号とを入力し、前記制御信号出力手段の前記制御信号に対応させて前記減算手段の出力信号を低減させて色信号として出力するゲイン制御手段と、
    を備えることを特徴とする信号分離装置。
  2. 輝度信号と色信号とが合成された合成映像信号を入力し、輝度信号と色信号とを分離して出力する信号分離装置において、
    前記合成映像信号を1ライン分遅延させて出力する第一のライン遅延手段と、
    前記合成映像信号を2ライン分遅延させて出力する第二のライン遅延手段と、
    前記合成映像信号と前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これら信号の相関度合いを判断してその結果を出力する相関判断手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号を入力し、前記色信号成分の周波数帯の信号を通過させて出力する帯域通過フィルタと、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記帯域通過フィルタの出力信号とを入力し、前記第一のライン遅延手段の出力信号から前記帯域通過フィルタの出力信号を減算して出力する第一の減算手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これらの出力信号を加算して出力する加算手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、前記第一のライン遅延手段の出力信号から前記第二のライン遅延手段の出力信号を減算して出力する第二の減算手段と、
    前記加算手段の出力信号を入力し、輝度信号と色信号との分離が難しい分離困難周波数帯の信号を通過させて制御信号として出力する制御信号出力手段と、
    前記制御信号出力手段の前記制御信号と前記第二の減算手段の出力信号とを入力し、前記制御信号出力手段の前記制御信号に対応させて前記第二の減算手段の出力信号を低減させて出力するゲイン制御手段と、
    前記相関判断手段の出力結果と前記第一の減算手段の出力信号と前記加算手段の出力信号とを入力し、前記相関判断手段の出力結果に応じて前記第一の減算手段の出力信号と前記加算手段の出力信号と切り替えて輝度信号として出力する第一のセレクタと、
    前記相関判断手段の出力結果と前記帯域通過フィルタの出力信号と前記ゲイン制御手段の出力信号とを入力し、前記相関判断手段の出力結果に応じて前記帯域通過フィルタの出力信号と前記ゲイン制御手段の出力信号とを切り替えて色信号として出力する第二のセレクタと、
    を備えることを特徴とする信号分離装置。
  3. 輝度信号と色信号とが合成された合成映像信号を入力し、輝度信号と色信号とを分離して出力する信号分離装置において、
    前記合成映像信号を1ライン分遅延させて出力する第一のライン遅延手段と、
    前記合成映像信号を2ライン分遅延させて出力する第二のライン遅延手段と、
    前記合成映像信号と前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これら信号の相関度合いを判断してその結果を出力する相関判断手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号を入力し、輝度信号と色信号との分離が難しい分離困難周波数帯及び色信号成分の周波数帯の信号を通過させて出力する第一の帯域通過フィルタと、
    前記第一の帯域通過フィルタの出力信号を入力し、色信号成分の周波数帯から前記分離困難周波数帯を除いた周波数帯の信号を通過させて出力する第二の帯域通過フィルタと、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第一の帯域通過フィルタの出力信号とを入力し、前記第一のライン遅延手段の出力信号から前記第一の帯域通過フィルタの出力信号を減算して出力する第一の減算手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、これらの出力信号を加算して出力する加算手段と、
    前記第一のライン遅延手段の出力信号と前記第二のライン遅延手段の出力信号とを入力し、前記第一のライン遅延手段の出力信号から前記第二のライン遅延手段の出力信号を減算して出力する第二の減算手段と、
    前記加算手段の出力信号を入力し、前記分離困難周波数帯の信号を通過させて制御信号として出力する制御信号出力手段と、
    前記制御信号出力手段の前記制御信号と前記第二の減算手段の出力信号とを入力し、前記制御信号出力手段の前記制御信号に対応させて前記第二の減算手段の出力信号を低減させるゲイン制御手段と、
    前記相関判断手段の出力結果と前記第一の減算手段の出力信号と前記加算手段の出力信号とを入力し、前記相関判断手段の出力結果に応じて前記第一の減算手段の出力信号と前記加算手段の出力信号と切り替えて輝度信号として出力する第一のセレクタと、
    前記相関判断手段の出力結果と前記第二の帯域通過フィルタの出力信号と前記ゲイン制御手段の出力信号とを入力し、前記相関判断手段の出力結果に応じて前記第二の帯域通過フィルタの出力信号と前記ゲイン制御手段の出力信号とを切り替えて色信号として出力する第二のセレクタと、
    を備えることを特徴とする信号分離装置。
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