JP4934469B2 - 電気ケーブル用絶縁部品 - Google Patents
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Description
従来から、送電用、変電用、配電用に用いられる、がいし、がい管、避雷装置、相間スペーサ、ブッシング、屋内外終端接続部品、分岐接続部品、直線接続部品などのケーブル用接続、端末部品に使用可能な電気ケーブル用絶縁部品は、電気的に劣化しにくい磁器からなる電気絶縁性の構造部品が使用されている。
しかし、磁器は比重が大きく磁器自体が重くなるため、電線の支持がいしまたはスペーサなどに用いると鉄塔の強度に制限が生じるうえ、支持する部材の小型化に限界があるので、鉄塔を含む送電線や変配電用部品の占める空間のコンパクト化を防げ、美観を損ねるという難点がある。
また、トラッキング現象(絶縁物の表面に漏電性の経路が生じる現象)が生じた場合、磁器自体が硬くかつ脆い性質を有しているため、種々の問題が生じる。例えば、がいしの外側で気中閃絡が起こると、電気エネルギーによる衝撃でがいしの笠が割れてしまい、鉄塔から部品の落下が生じる。
同様にアレスター素子を内蔵するがい管では過大な雷サージを吸収する際に素子の貫通が生じたり、素子外側での閃絡時のエネルギーにより素子とがい管との隙間にある空気が膨張・爆発してがい管が飛散するという問題がある。
このような背景から、磁器の代替として相対的に耐衝撃性が高くかつ軽量であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、シリコーンゴムなどの高分子有機化合物(以下、これらの高分子有機化合物を有機ポリマー材料ということがある。)を絶縁体各部の構造部品に用いる事が検討されている。
上記シリコーンゴムは、固形型−液状型という観点からは、混練が可能であるミラブル型(Millable) シリコーンゴムと液状型シリコーンゴムとに分類される。この場合、使用する原料ポリマーの重合度がミラブル型ゴムでは、5,000〜10,000程度であるのに対し、液状型ゴムはより低重合度である。
また、ミラブル型ゴムは粘度が高いという意味でHCR(High Consistency Rubber)と称されることがあり、この場合、液状型シリコーンゴムはLCR(Low Consistency Rubber)と称される。
しかし、有機ポリマー材料はその材質の特性から真菌類(カビ、苔)、細菌(バクテリア)、藻類が繁殖する可能性がある。特にこれらの真菌類等がその内部まで侵入すると機械的強度、特に硬度、引張強さ、引裂強さ等の特性が低下する恐れがある。
一般に有機ポリマー材料の多くは、その骨格のほとんどが炭素と酸素からなっていることから、真菌類(カビ、苔)、細菌(バクテリア)、藻類が繁殖し易く、特にEPDM、EPM、EVA、EEA樹脂は表面の撥水性が乏しいため、屋外に長期間曝露されると汚損物が付着しやすく、真菌類、細菌類が繁殖しやすい環境になりやすい。一方、シリコーンゴムは表面を覆う低分子量シリコーンが塵埃等の付着物を包み込み、表面に汚染層を形成するため、真菌類、細菌類、藻類の繁殖に好適な養分が堆積してしまう。その結果、EPDM、EPM、EVA、EEA樹脂同様に真菌類、細菌類、藻類の繁殖が促進される。
屋外用絶縁物の有機ポリマー材料に使用可能な防カビ剤として、抗菌性金属、およびその化合物、尿素系化合物、有機スズ化合物、フェノール誘導体、有機銅化合物、キノン系化合物、イミダゾール系化合物、チアゾリン系化合物、脂肪族イミド系化合物等が知られている(特許文献1参照)。
特許文献2には、ジヨードメチルパラトリルスルホンとピリジンチオール−1−オキシドの亜鉛塩を有効成分とする工業用防カビ剤組成物が開示されている。
特許文献3には、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタリル、1,2−ベンズイソチアゾロン、2−メトキシカルボニルアミノベンツイミダゾール、及びジヨードメチルパラトリルスルホンからなる抗菌防カビ剤を含有するプレコート被膜を形成した鋼板が開示されている。
屋外用に使用されるがいしおよびケーブル用接続部品には、耐トラッキング性を付与するため金属水和物が添加されている例が多いが、有機ポリマー材料自身の耐トラッキング性が低下すれば、高電圧機器の寿命は予測不可能な環境因子に大きく影響を受けることになりかねない。
一般に有機系の抗菌・防カビ剤は硫黄や窒素を含む化合物で構成されているものが多い。有機ポリマー材料を硬化させる硬化反応(架橋反応)には、有機過酸化物によるラジカル反応、白金化合物などの触媒による付加反応及び加水分解による縮合反応の3つに大きく分けられる。この付加反応は、一般的に液状型シリコーンゴムに用いられるが、白金化合物触媒を用いた場合に、硫黄、リン、窒素、スズなどを含む化合物に対し、硬化阻害の現象が起こり成形加工性に影響を与えるおそれがある。
本発明は、有機ポリマー材料の機械的強度、電気特性、特に耐トラッキング性を維持しつつ、真菌類、細菌類及び藻類の繁殖によるこれらの特性低下による表面欠損等の懸念のない電気ケーブル用絶縁部品を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、(1)エチレン系共重合体及び/又はシリコーンゴムを含む熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂A)100質量部に、メチル(ベンズイミダゾール−2−イル)カルバメート(防カビ剤B1)0.03〜9.5質量部、ジヨードメチルパラトリルスルホン(防カビ剤B2)5×10 −6 〜3.0質量部、及び2−チアゾリル−1H−ベンズイミダゾール(防カビ剤B3)5×10 −6 〜3.0質量部からなり、かつ防カビ剤B1、B2及びB3の合計質量が0.05〜10質量部である防カビ剤(混合防カビ剤B)を含有させた樹脂組成物(樹脂組成物C)を成形して得られる電気ケーブル用絶縁部品、及び(2)エチレン系共重合体及び/又はシリコーンゴムを含む熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂A)100質量部に、メチル(べンズイミダゾール−2−イル)カルバメート(防カビ剤B1)5×10 −6 〜3.0質量部、ジヨードメチルパラトリルスルホン(防力ビ剤B2)0.03〜9.5質量部、及び2−チアゾリル−1H−べンズイミダゾール(防カビ剤B3)5×10 −6 〜3.0質量部からなり、かつ防カビ剤B1、B2及びB3の合計質量が0.05〜10質量部である防カビ剤(混合防カビ剤B)を含有させた樹脂組成物(樹脂組成物C)を成形して得られる電気ケーブル用絶縁部品に関する発明である。
(3)前記(1)又は(2)におけるエチレン系共重合体がエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)から選択された1種以上であること。
(4)前記(1)又は(2)におけるシリコーンゴムが付加反応型シリコーンゴムであること。
本発明の混合防カビ剤は、防カビと共に抗菌及び防藻効果をも有しているので、真菌類(カビ、苔)、細菌(バクテリア)、及び藻類に関して生育、繁殖を有効に防止できる。
(1)熱可塑性樹脂A
本発明の電気ケーブル用絶縁部品の製造に使用する有機ポリマー材料である熱可塑性樹脂Aとしては、通常使用される電気絶縁性高分子材料、例えばエチレン系共重合体及び/又はシリコーンゴムを使用することができる。これらのうち、エチレン系共重合体としてはエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン共重合体などが挙げられる。
電気ケーブル用絶縁部品として、特に高度な耐トラッキング性が要求される場合には、エチレン系共重合体としてエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、及びエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、並びにシリコーンゴムを使用することが好ましい。
シリコーンゴムとしては、1分子中にケイ素原子に結合している有機基のうち少なくとも2個がビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等のアルケニル基であるポリオルガノシロキサンが用いられる。これらのポリシロキサンの中でも、原料の入手、合成が容易であることから、ビニル基を有するものが好ましい。
その配合量は、樹脂100質量部に対して0.05〜15質量部であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物Cに使用する混合防カビ剤Bは、少なくともメチル(ベンズイミダゾール−2−イル)カルバメート[Methyl(benzimidazol−2−yl)carbamate]、ジヨードメチルパラトリルスルホン[Diiodomethyl−P−tolyl−sulfone]、及び2−チアゾリル−1H−ベンズイミダゾール[2−Thiazolyl−1H−benzimidazole]からなる防カビ剤である。これら3成分を必須の成分とする混合防カビ剤Bを熱可塑性樹脂Aに配合することにより優れた防カビ、抗菌及び防藻効果が発現する。
尚、本発明において抗菌、防カビ及び防藻効果とは真菌類(カビ、苔)、細菌(バクテリア)、及び藻類に関して生育と繁殖を有効に防止できる事を示す。
混合防カビ剤Bの配合割合は、熱可塑性樹脂A100質量部に、0.05〜10質量部である。
混合防カビ剤Bの配合量が前記0.05質量部未満では真菌類、細菌類及び藻類の繁殖抑制効果が低下し、一方前記10質量部を越えると、防カビ剤が表面に浸出するおそれがあり、また機械特性と電気特性が低下する場合があり好ましくない。
混合防カビ剤Bにおいて、これらの3種類の防カビ剤を必須成分とすることにより、本発明の顕著な効果が発揮される理由は定かではないが、メチル(ベンズイミダゾール−2−イル)カルバメート(防カビ剤B1)又はジヨードメチルパラトリルスルホン(防力ビ剤B2)を上記範囲に示す主要成分であるとし、それぞれジヨードメチルパラトリルスルホン(防力ビ剤B2)又はメチル(べンズイミダゾール−2−イル)カルバメート(防カビ剤B1)、と2−チアゾリル−1H−ベンズイミダゾールをそれぞれ相対的に少量配合することにより、抗菌、防カビ、及び防藻効果についてバランスのよい性能を発揮するものと思われる。
また、混合防カビ剤Bは、第4類危険物に該当する有機溶剤、又は水等の無機溶剤を担体として用いることができる。担体を使用することにより、樹脂への防カビ剤の配合をより均一にすることが可能となる。前記有機溶剤の例として、エポキシ化大豆油、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル、プロピレングルコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルシリコーンオイル等が挙げられる。
尚、混合防カビ剤Bには本発明の特性を損なわない範囲で他の防カビ剤が配合されていても良い。
本発明の樹脂組成物Cには、樹脂の硬化のための架橋剤以外に、金属水和物、酸化防止剤及び耐熱性向上剤等を必要に応じて配合することができる。
(3−1)金属水和物
がいし等、高度の耐トラッキング性を要求する屋外用高電圧機器の場合には、熱可塑性樹脂Aに金属水和物が配合されていることが好ましい。金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられるが、耐候性の観点から水酸化アルミニウムがより好ましい。金属水和物の配合量は熱可塑性樹脂A100質量部に対して10〜150質量部とすることが好ましい。金属水和物が10質量部未満では耐トラッキング性の改善効果が少なく、150質量部を越えると強度が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物Cの耐熱性を向上するために、耐熱性向上剤として、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、及びセリウム系金属酸化物から選択された1種以上を使用することができる。
前記耐熱性向上剤配合量は、熱可塑性樹脂A100質量部に対し、0.5〜5質量部が好ましい。
(3−3)その他の添加剤
本発明の樹脂組成物Cには、本発明の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、加工安定剤等を配合することができ、更に、酸化チタン、酸化亜鉛、クレー、シリカ、炭酸カルシウム等の顔料、加工安定剤、充填剤等を添加することができる。
本発明の電気ケーブル用絶縁部品は、(1)電気ケーブル接続部品として屋外、屋内(地中含む)用の分岐接続部品、直接分岐接続部品(共に送電用、配電用)等に使用可能であり、また、(2)電気ケーブル端末部品として屋外、屋内(地中含む)用のがい管(送電用、変電用)、がいし型端末(配電用)、ブッシング(送電用、配電用、変電用)また、(3)電線など導体をその支持物から絶縁するために用いるがいし、スペーサ等の電気ケーブル付属用絶縁部品に使用可能である。
1.有機ポリマー材料、防カビ剤及びその他の添加剤
本実施例及び比較例で使用した有機ポリマー材料、防カビ剤、架橋剤、金属水和物、酸化防止剤、及び耐熱性向上剤は下記の通りである。
(1)有機ポリマー材料(表1〜5中には熱可塑性樹脂と記載する。)
(i)EPDM;日本合成ゴム(株)製、商品名:JSR EP21
(ii)EVA;三井デュポンポリケミカル(株)、商品名:EV360
(iii)ラジカル反応型シリコーンゴム;信越化学工業(株)製、商品名:KE4603−U
(iv)付加反応型シリコーンゴム;信越化学工業(株)製、商品名:KE1990−50
用いた防カビ剤を以下に記載する。尚、下記(1)混合防カビ剤は本発明に使用する防カビ剤である。
(i)混合防カビ剤(防カビ剤a):あらかじめ、メチル(ベンズイミダゾール−2−イル)カルバメート85質量%、ジヨードメチルパラトリルスルホン14.8質量%、及び2−チアゾリル−1H−ベンズイミダゾール0.2質量%からなる防カビ剤の混合物を、防カビ剤混合物:シクロヘキサノン=26:74となるように、シクロヘキサノンに添加し、混合防カビ剤を調製した。
(ii)銀系無機防カビ剤(防カビ剤b):カッパー(II)アセチルアセトネエイト
(iii)イミダゾール系防カビ剤(防カビ剤c):2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダゾール
(iv)アルシン系防カビ剤(防カビ剤d):10,10’−オキシビスフェノキシアルシン
(3)他の添加剤
(i)架橋剤:2,5−ジメチル2,5−t−ブチルパーオキサイドヘキサン、日本油脂(株)製
(ii)金属水和物:水酸化アルミニウム、昭和電工(株)製、商品名:ハイジライトH42M
(iii)酸化防止剤:大内新興(製)製、商品名:ノクラック224
(iv)耐熱性向上剤:カーボンブラック、旭カーボン(株)製、商品名:HAFカーボン旭#70
本実施例及び比較例で下記の評価方法を採用した。
(1)かび抵抗性試験
JIS Z 2911プラスチック製品 方法Bに準拠した。尚、試験に用いる真菌はJIS規格では5菌であるが、本実施例及び比較例においては、優れた防カビ性及び抗菌性を目的にJIS菌を含む51菌を用いた。
乾湿式法による試験菌混合胞子混濁液直接接種(スプレー散布)、30℃±5℃、90%RH以上で60日間という長期間の培養を行い、試料の真菌類及び細菌類の生育を観察した。
結果の観察は、目視および50倍の実態顕微鏡で観察した。
(i) かび抵抗性試験に用いた菌体
かび抵抗性試験に用いた、51菌を下記に示す。
ニグロスポラオリゼー、クラドスポリウムレジネ、クラドスポリウムヘルバレム、クラドスポリムクラドスポリオイダス、クラドスポリウムサファエロスペルマ、トリコデルマコニンギ、トリコデルマピリディ、フォーマグロメラーテ、フォーマテレスチアス、プルラリアプルランス、ギリオクラディウムビレンス、ゲオトリカムエアクタス、ゲオトリカムカンディタス、ペスタロチアダスタ、ペスタロチアネグレクタ、アルテルナリアテナース、アルテリナリアプラッシュコーラ、アルテルナリアアルテルナータ、アスペルギルスニガー、アスペルギルスフレーバス、アスペルギルスフェルシコール、アスペルギルスオリゼー、アシペルギルステレウス、アスペルギルスフェミガタス、オーレオバシディウムプルランス、フザリウムモニリフォルメ、フザリウムセミタクタム、フザリウムプラリフェラタム、フザリウムロゼウム、フザリウムソラニ、フザリウムオキシスポラム、リゾプスニグリカンス、リゾプスストロニフェル、ペニシリウムシトリナム、ペニシリウムイクパンサ、ペニシリウムフェニキュローザム、ペニシリウムリラシナム、ペニシリウムニグリカンス、ペニシリウムフレクエンタス、ペニシリウムシトリオビリディ、ムコールラセマサス、ユーロチウムトナフィラム、トリコフィートンメンタグルフィテス、アナベーナスピーシーズ、ケトミウムグロボーザム、エビコッカムパープラセンス、アクレモニウムチャルティコーラ、ワレミアセビ、カンシダアルビカンス、ボトリティスシネレア、プロテウスバルガリス。
表1、3〜5におけるかび抵抗性試験中の「発育阻止帯」とは、抗菌、防カビ剤成分の溶出、染み出しによる試料周辺の効果の見られる範囲であり、JIS Z2911プラスチック製品試験 方法Bにおいて試料の周囲にその発育阻止帯が認められる場合に記載されるその幅である。
(2)引張試験
JIS K6251に準拠し、厚み2mmの試験シートを用いて引張強さ、伸びを測定した。
(3)硬さ試験
JIS K6253に準拠し、厚み6mmの試験シートを用いてタイプAデュロメータ硬さを測定した。
IEC Pubi.587傾斜平板法に準拠し、50mm×125mmのサイズで、厚み6mmの試験シートを用いて測定した。試験電圧は3.5kVで行った。
(i)下部電極から25mmの位置にトラッキング跡が到達するまでの時間を測定した。
(ii)傾斜平板法により6時間の耐トラッキング試験を行い、トラッキング破壊に至るまでの時間を測定した。
(iii)6時間以内にトラッキング破壊が起こらず、25mmの位置にトラッキング跡が到達する時間が長い程、耐トラッキング性が良好であると判断される。
有機ポリマー材料100質量部に対して、防カビ剤、架橋剤、充填剤、加工安定剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤を表1、3〜5に示す割合で配合した(有機ポリマー材料100質量部に対しての質量部数)。
付加反応型シリコーンゴムについては、ポリジメチルシロキサンなどポリマー、架橋剤および白金触媒など組成構成物として製品に組み込まれている。
オープンロール機を用いて樹脂組成物を均一に混練し、160℃プレス成形して試験シートを得た。
なお付加反応型シリコーンゴムについては、撹拌機で混合し、真空脱泡処理を行い、160℃プレス成形して試験シートを得た。
評価結果をまとめて、表1、3〜5示す。
実施例1〜12における機械物性評価のために、防カビ剤を添加しない実験例を参考例1〜4として記載した。実験方法は、防カビ剤を添加しない以外は実施例1〜12と同様である。参考例1〜4の結果はまとめて表2に示す。
尚、防カビ剤dを用いた比較例18、37は防カビ剤配合量10質量部で十分な抑制効果が確認できたが、物性評価において耐トラッキング性が低下している。
付加反応型シリコーンゴムに防カビ剤cを配合した比較例31は、硬化不良を起こし、引張強さ、伸び、硬さが組成物本来の特性を得られていない。
すなわち、参考例4と比較すると、伸びが約3倍になっており、硬度が14ポイント減少している結果が示す通り、硬化の阻害が起きている。
また、比較例33においては、防カビ剤配合量を10質量部に増量したことにより、硬化した成形物を得ることも出来なかった。
特に実施例7〜12に示すシリコーンゴムでは防カビ剤配合量0.05質量部でも真菌類及び細菌類の生育、繁殖は見られなかった。
さらに、付加反応型シリコーンゴムに防カビ剤aを配合した樹脂組成物は、比較例31で観察された硬化不良の現象も観察されなかった。
また、送変配電用がいし等の電気ケーブル接続用絶縁部品、電気ケーブル端末用絶縁部品等に使用可能な電気ケーブル用絶縁部品のほか、電線など導体をその支持物から絶縁するために用いるがいし、スペーサ等の電気ケーブル用端末あるいは付属用部品の絶縁性能設計の際に寿命推定時に真菌類及び細菌類の繁殖という環境因子を極めて小さく見積もることが可能となるため、製品種類を統一することができ、生産性の向上、製造コストの低減という面でも大きな効果を発揮する。
Claims (7)
- エチレン系共重合体及び/又はシリコーンゴムを含む熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂A)100質量部に、メチル(ベンズイミダゾール−2−イル)カルバメート(防カビ剤B1)0.03〜9.5質量部、ジヨードメチルパラトリルスルホン(防カビ剤B2)5×10 −6 〜3.0質量部、及び2−チアゾリル−1H−ベンズイミダゾール(防カビ剤B3)5×10 −6 〜3.0質量部からなり、かつ防カビ剤B1、B2及びB3の合計質量が0.05〜10質量部である防カビ剤(混合防カビ剤B)を含有させた樹脂組成物(樹脂組成物C)を成形して得られる電気ケーブル用絶縁部品。
- エチレン系共重合体及び/又はシリコーンゴムを含む熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂A)100質量部に、メチル(べンズイミダゾール−2−イル)カルバメート(防カビ剤B1)5×10 −6 〜3.0質量部、ジヨードメチルパラトリルスルホン(防カビ剤B2)0.03〜9.5質量部、及び2−チアゾリル−1H−べンズイミダゾール(防カビ剤B3)5×10 −6 〜3.0質量部からなり、かつ防カビ剤B1、B2及びB3の合計質量が0.05〜10質量部である防カビ剤(混合防カビ剤B)を含有させた樹脂組成物(樹脂組成物C)を成形して得られる電気ケーブル用絶縁部品。
- 前記エチレン系共重合体がエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気ケーブル用絶縁部品。
- 前記シリコーンゴムが付加反応型シリコーンゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気ケーブル用絶縁部品。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の電気ケーブル用絶縁部品を使用して得られる電気ケーブル接続用絶縁部品。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の電気ケーブル用絶縁部品を使用して得られる電気ケーブル端末用絶縁部品。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の電気ケーブル用絶縁部品を使用して得られる電気ケーブル付属用絶縁部品。
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