JP5790618B2 - 電線及びケーブル - Google Patents

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本発明は、電線及びケーブルに関する。
塩素含有樹脂として、例えばポリクロロプレン等は電線の絶縁層を構成する樹脂に用いられる。塩素含有樹脂を絶縁層に成形する場合、一般的には、架橋系として、金属酸化物と促進剤、あるいは過酸化物などを樹脂成分に添加し、樹脂組成物とした後、樹脂組成物を成形して加熱することで架橋を行う。
ただし、加熱により架橋を行う場合、架橋を十分に行うために100℃以上の温度で少なくとも10分以上加熱する必要がある。このため、多くの熱エネルギーを消費するといった問題があった。
この点、加熱による架橋ではなく、水分により低温度で架橋するシラン架橋が提案されている(例えば特許文献1参照)。シラン架橋は、シラン化合物を塩素含有樹脂にグラフト重合した後、水分と反応させることで架橋する方法である。シラン化合物は、水分により加水分解してシラノールとなり、シラノールが脱水縮合することで、塩素含有樹脂の分子間をシラン架橋する。塩素含有樹脂はシラン架橋により硬化して、樹脂成形体(絶縁層など)となる。
特開昭61−228010号公報
しかしながら、特許文献1に示すシラン架橋によれば、水分により低温度で架橋できるものの、架橋されて形成される絶縁層などは架橋度が低いという問題があった。塩素含有樹脂にシラン化合物をグラフト重合させる際には反応の副生成物として塩化水素が発生するが、塩化水素はシラン化合物の縮合を促進し、未反応のシラン化合物同士を縮合させる。この縮合により、塩素含有樹脂にグラフト重合されるべきシラン化合物が消費され、その量が減少するため、シラン化合物の塩素含有樹脂へのグラフト化率が低下する。この結果、塩素含有樹脂が架橋されて形成される樹脂成形体においては架橋度が低くなる場合がある。
また、未反応のシラン化合物同士が縮合した縮合物は、樹脂成形体において、押出成形の際の外観不良を引き起こす場合がある。しかも、縮合物は、樹脂成形体中の異物となり、樹脂成形体の引張特性などを低下させる場合がある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、水分により低温度で架橋可能であって、架橋した際には架橋度が高く、引張特性に優れ、且つ外観が良好となる電線、及びケーブルを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、
塩素含有樹脂100質量部に、1級アミノ基及びケイ素原子にアルコキシル基が2基結合したジアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基とを有するシラン化合物1.0質量部以上10.0質量部以下を前記アミノ基によりグラフト重合してなり、
前記シラン化合物が、等重量の水との100℃の雰囲気下での反応により縮合して粘度が1000mPa・secとなるまでに20分以上を要するような縮合特性を有する塩素含有樹脂組成物が水分により架橋された樹脂成形体からなる絶縁層を導体上に備える電線が提供される。
本発明の第の態様によれば、
前記シラン化合物は、3−アミノプロピルジエトキシメチルシランである第1の態様の電線が提供される。
本発明の第の態様によれば、
前記塩素含有樹脂はクロロプレンゴムからなる第1又は第2の態様のいずれかの電線が提供される。
本発明の第の態様によれば、
塩素含有樹脂100質量部に、1級アミノ基及びケイ素原子にアルコキシル基が2基結合したジアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基とを有するシラン化合物1.0質量部以上10.0質量部以下を前記アミノ基によりグラフト重合してなり、
前記シラン化合物が、等重量の水との100℃の雰囲気下での反応により縮合して粘度が1000mPa・secとなるまでに20分以上を要するような縮合特性を有する塩素含有樹脂組成物が水分により架橋された樹脂成形体からなるシースを、導体上に絶縁層を有する電線又は前記電線を複数撚り合わせてなるコア上に備えるケーブルが提供される。
本発明の第の態様によれば、
前記シラン化合物は、3−アミノプロピルジエトキシメチルシランであるの態様のケーブルが提供される。
本発明の第の態様によれば、
前記塩素含有樹脂はクロロプレンゴムからなる第4又は第5の態様のいずれかのケーブルが提供される。
本発明によれば、水分により低温度で架橋可能であって、架橋した際には架橋度が高く、引張特性に優れ、且つ外観が良好となる電線、及びケーブルが得られる。
本発明の一実施形態にかかるケーブルの断面を示す図である。
上述したように、塩素含有樹脂をシラン架橋させる場合、塩素含有樹脂にシラン化合物をグラフト重合させるが、グラフト重合の際に発生する塩化水素によって未反応のシラン化合物同士の縮合が促進される。これにより、シラン化合物の塩素含有樹脂へのグラフト化率が低下し、塩素含有樹脂が架橋された樹脂成形体においては架橋度が低下することになる。また、未反応のシラン化合物同士の縮合により生成する縮合物は、架橋された樹脂成形体の外観不良を引き起こすばかりか、引張特性を低下させる。
本発明者らは上記課題を解決するため、グラフト重合により発生する塩化水素の存在下であっても縮合が生じにくいシラン化合物の同定について鋭意検討を行った。シラン化合物の縮合は、シラン化合物がシラノールとなる加水分解反応と、加水分解したシラノールの脱水縮合反応との2段階の反応により生じている。塩化水素によれば、シラン化合物の加水分解が促進され、結果的にシラン化合物の縮合が促進される。この点、本発明者らは、2段階の反応が遅く、縮合の反応速度が小さいシラン化合物であれば、塩化水素により反応が促進されたとしても縮合が生じにくいものと考えた。
そこで、本発明者らは、シラン化合物の縮合の反応速度を判断する方法として、水との反応によりシラン化合物を縮合させて、その縮合物が所定の粘度となるまでの時間(反応時間)に着目した。そして、反応時間の長さによる縮合の発生を検討した。その結果、水との反応により縮合して所定の粘度となるまでに所定の時間を要するような特性(縮合特性)を有するシラン化合物によれば、塩化水素の存在下にあっても縮合が生じにくく、塩素含有樹脂に安定してグラフト重合されることを見出した。つまり、所定の縮合特性を有するシラン化合物によれば、縮合が抑制されて、塩素含有樹脂へ安定してグラフト重合されることで、塩素含有樹脂へのグラフト化率が高いことを見出した。本発明は、以上の知見に基づきなされたものである。
〈本発明の一実施形態〉
以下に、本発明に係る一実施形態について説明をする。
(1)塩素含有樹脂組成物
本実施形態の塩素含有樹脂組成物は、塩素含有樹脂100質量部に、1つのアミノ基と加水分解性シリル基とを有するシラン化合物1.0質量部以上10.0質量部以下をアミノ基によりグラフト重合してなる。そして、シラン化合物が、等重量の水との100℃の雰囲気下での反応により縮合して粘度が1000mPa・secとなるまでに20分以上を要するような縮合特性を有する。
〈塩素含有樹脂〉
塩素含有樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロヒドリンゴムなどの塩素含有モノマーから合成された樹脂類、塩素化ポリオレフィン、塩素化ブチルゴムなどのポリマ合成された後に塩素化された樹脂類などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの樹脂を単独あるいはブレンドしたものであっても良い。
〈シラン化合物〉
シラン化合物は、1つのアミノ基と加水分解性シリル基とを有するとともに、所定の縮合特性を有している。
アミノ基は、塩素含有樹脂と反応してグラフト重合する置換基である。シラン化合物はアミノ基により塩素含有樹脂にグラフト重合することで、塩素含有樹脂に加水分解性シリル基を導入する。アミノ基としては1級アミノ基を用いる。
アミノ基の数は、シラン化合物において1つである。シラン化合物においてアミノ基が2つ以上存在する場合、2つ以上のアミノ基のそれぞれが塩素含有樹脂にグラフト重合されることによって塩素含有樹脂の分子間に架橋構造が形成されるため、樹脂組成物の成形加工中に早期架橋が生じ、形成される樹脂成形体の外観に不良が生じることとなる。
加水分解性シリル基は、加水分解によりシラノール基となり、脱水縮合(シラノール縮合)することで塩素含有樹脂を架橋する。加水分解性シリル基としては、アルコキシ基を用いる。
そして、シラン化合物は、上記置換基を有するとともに所定の縮合特性を有している。本実施形態において、縮合特性とは、シラン化合物と等重量の水との100℃の雰囲気下での反応により縮合して粘度が1000mPa・secとなるまでに20分以上を要するような特性を示す。この縮合特性は、シラン化合物がシラノールとなる加水分解反応が比較的遅く、結果的にシラン化合物の縮合が遅いことを示す。つまり、所定の縮合特性を有するシラン化合物は、縮合の反応速度が小さく、塩化水素により促進されたとしても比較的小さいことを示す。このようなシラン化合物によれば、グラフト重合の際に縮合して縮合物を生成しにくく、消費が少ないため、塩素含有樹脂へのグラフト化率が高い。また、シラン化合物の縮合物の生成が少ないため、縮合物の混入量が少ない。
上記シラン化合物が架橋されて形成される樹脂成形体は、シラン化合物のグラフト化率が高いため、架橋度が高い。しかも、縮合物の混入量が少ないため、引張特性に優れ、外観が良好となっている。
一方、等重量の水との100℃の雰囲気下での反応において20分未満で粘度が1000mPa・secとなるような縮合特性を有するシラン化合物では、縮合の反応速度が大きく、塩化水素の存在下にあっては縮合が促進され、未反応のシラン化合物同士が縮合することとなる。このため、シラン化合物のグラフト化率が低く、架橋される樹脂成形体の架橋度が低い。また、シラン化合物の縮合物が混入するため、樹脂成形体の外観不良が生じ、引張特性が低下することになる。
上述した所定の置換基及び所定の縮合特性を有するシラン化合物としては、1級アミノ基及びケイ素原子にアルコキシル基が2基結合したジアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基を有するシラン化合物を用いる。具体的には、3−アミノプロピルジエトキシメチルシランなどが好ましい。
塩素含有樹脂にグラフト化されるシラン化合物の量は、塩素含有樹脂100質量部に対して1.0質量部以上10.0質量部以下である。1.0質量部未満の場合、塩素含有樹脂の分子間を架橋するのに量的に不充分であり、樹脂成形体の架橋度が低くなる。一方、10.0質量部を超える場合、塩素含有樹脂にグラフト化されていないシラン化合物が、樹脂成形体の成形後に表面に析出する、いわゆるブリード現象が発生する。
〈その他添加剤〉
また、上記塩素含有樹脂組成物は、その目的に応じて、以下に示す塩素捕捉剤、シラノール縮合触媒、老化防止剤、加工助剤、難燃剤または充填剤・補強剤などの各種添加剤を含有してもよい。
(塩素捕捉剤)
塩素捕捉剤は、塩素含有樹脂とシラン化合物とのグラフト重合の際に生じる塩化水素と反応し、塩化水素を中和又は構造中に捕捉して塩化水素の作用を抑制する化合物である。塩素捕捉剤としては、シラン化合物のアミノ基に反応する化学構造を有さないものであれば特に限定されない。アミノ基と反応する置換基としては、例えばクロル基、クロロカルボニル基、グリシジル基、イソシアネート基、スルホ基、カルボキシル基などがある。これらの基を含む化合物を塩素捕捉剤として使用した場合、シラン化合物中のアミノ基が塩素捕捉剤と反応し、塩素含有樹脂にグラフトされるシラン化合物量が低減してしまう。
塩素捕捉剤には、塩化水素と反応し中和するものとして、例えば金属酸化物、金属カルボン酸塩、亜リン酸エステル化合物、3級アミン化合物、ピリジン類などがある。
金属酸化物としては、特に限定はしないが、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化錫、酸化鉛、酸化カドミウムなどがあるが、環境汚染性がよく、塩化水素の捕捉性能がよいことから酸化亜鉛、酸化マグネシウムが好ましい。
金属カルボン酸塩としては、特に限定はしないが、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム、カドミウム、ストロンチウム、鉛、ナトリウムなどの金属元素と、炭素数7〜20の長鎖カルボン酸との塩などがあるが、樹脂との相溶性、環境汚染性、塩化水素捕捉性能が良いことから、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛などが好ましい。また、金属カルボン酸塩を2種類以上併用してもかまわない。
亜リン酸エステル化合物としては、特に限定されず、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニル・フェニル)ホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリチルジホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリラウリル・トリチオホスファイトなどが挙げられるが、塩化水素の捕捉性能が良いことから、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイトが好ましい。
3級アミン化合物としては、特に限定されず、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリステアリルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミンなどがある。
ピリジン類としては、ピリジン、ビピリジニル、ピコリン、5−エチル−2−ピコリン、ルチジン、2,6−ジターシャリーブチルピリジンなどがある。
また、塩素捕捉剤には、塩化水素を構造中に捕捉するものとして、例えばハイドロタルサイト系化合物、ゼオライトなどがある。
ハイドロタルサイト系化合物としては、マグネシウム、アルミニウム等の金属イオンを含む天然に産出するハイドロタルサイト、又は2価の金属塩及び3価の金属塩を含む水溶液とアルカリ性溶液との混合による共沈法等により合成される合成品としてのハイドロタルサイトを用いることができる。更に、亜鉛等の金属イオンを添加して合成されるハイドロタルサイトを用いることができる。
ゼオライトとしては、アルカリ金属元素もしくはアルカリ土類金属元素と、酸化アルミニウム、酸化ケイ素からなる多孔質な骨格構造の結晶体を用いることができる。
(シラノール縮合触媒)
塩素含有樹脂組成物の架橋速度を向上させることを目的として、シラノール縮合触媒を含有してもよい。シラノール縮合触媒としては、ジブチル錫ジラウリレートやジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫ジアセトアセトネートなどの有機錫化合物、ネオデカン酸錫などの無機錫化合物、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)などのチタン化合物、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などのジルコニウム化合物などを用いても構わない。
(老化防止剤)
老化防止剤には、一次老化防止剤としてフェノール系又はアミン系などがあり、二次老化防止剤として硫黄系などがあり、これらを単独で用いてもよく、これらを併用してもよい。
フェノール系の一次老化防止剤には、モノフェノール系、ビスフェノール系、及びポリフェノール系のそれぞれに分類される一次老化防止剤がある。モノフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,2’−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、又はモノ(α−メチルベンジル)などが挙げられる。また、ビスフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンとのブチル化反応生成物、又はジ(α−メチルベンジル)などが挙げられる。更に、ポリフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,5’−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5’−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリ(α−メチルベンジル)などが挙げられる。
アミン系の一次老化防止剤には、キノリン系や芳香族第二級アミン系などがある。キノリン系の老化防止剤は、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、又は6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリンなどが挙げられる。芳香族第二級アミン系の老化防止剤は、例えば、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジエニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、又はN−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
硫黄系の二次老化防止剤には、ベンゾイミダゾール系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系、及び有機チオ酸系のそれぞれに分類される二次老化防止剤がある。ベンゾイミダゾール系の二次老化防止剤は、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩などが挙げられる。また、ジチオカルバミン酸塩系の二次老化防止剤は、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、又はジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどが挙げられる。更に、チオウレア系の二次老化防止剤は、例えば、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、又はトリブチルチオ尿素などが挙げられる。更に、有機チオ酸系の二次老化防止剤は、チオジプロピオン酸ジラウリルなどが挙げられる。
(加工助剤)
混練又は成形時の加工性を安定させることを目的として、加工助剤を含有してもよい。加工助剤としては、例えば、石油系油(すなわち、プロセス油)、又は芳香環(ベンゼン環)を含むエステル系可塑剤などが挙げられる。プロセス油としては、パラフィン系油、アロマチック系油、又はナフテン系油等を用いることができる。エステル系可塑剤としては、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(Dioctyl phthalate:DOP)、フタル酸ジイソノニル(Diisononyl phthalate:DINP)、フタル酸ジイソデシル(Diisodecyl phthalate:DIDP)、又はトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(Trioctyl trimellitate:TOTM)等の芳香環を分子中に有した可塑剤を用いることができる。なお、加工助剤は、プロセス油又はエステル系可塑剤のいずれかを単独で用いるか、若しくは、プロセス油及び/又はエステル系可塑剤の中から複数の化合物を選択して混合した混合物を用いることができる。
(難燃剤)
塩素含有樹脂組成物の難燃性を向上することを目的として、難燃剤を含有してもよい。難燃剤には、無機系の難燃剤または有機系の難燃剤がある。無機系の難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、又はリン系化合物などが挙げられる。有機系の難燃剤としては、塩素系、臭素系などのハロゲン系有機難燃剤が挙げられる。塩素系の難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、又はパークロロシクロペンタデカンなどが挙げられる。臭素系の難燃剤としては、例えば、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモ無水フタル酸、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレン−(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)などが挙げられる。これらの難燃剤は、無機系の難燃剤または有機系の難燃剤のいずれかを単独で用いるか、若しくは、無機系の難燃剤及び/または有機系の難燃剤の中から複数の難燃剤を選択して混合した混合物を用いることができる。
(充填剤・補強剤)
また、充填剤・補強剤を含有してもよい。充填剤・補強剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、焼成クレーなどが挙げられる。
(2)塩素含有樹脂組成物の製造方法
次に、上記塩素含有樹脂組成物の製造方法について説明をする。
上記塩素含有樹脂組成物は、塩素含有樹脂100質量部に対して所定のシラン化合物を1.0質量部以上10質量部以下添加し、混練するとともにシラン化合物をグラフト重合することで製造する。シラン化合物がアミノ基により塩素含有樹脂にグラフト重合されることで、塩素含有樹脂には加水分解性シリル基が導入されることになる。
シラン化合物の塩素含有樹脂へのグラフト重合は、任意の混練装置により行うことが可能であり、塩素含有樹脂を混練するときの温度により行われる。
シラン化合物のグラフト重合の際には副生成物として塩化水素が発生し、シラン化合物の縮合が促進されるが、本実施形態のシラン化合物によれば、加水分解反応または脱水縮合反応の反応速度が遅いため、未反応のシラン化合物同士の縮合が生じにくく、未反応のシラン化合物の消費が少ない。この結果、未反応のシラン化合物は塩素含有樹脂に安定してグラフト重合されこととなり、シラン化合物の塩素含有樹脂へのグラフト化率は高い。また、シラン化合物の縮合の反応速度が小さいため、シラン化合物同士の縮合による縮合物の発生量が少ない。
(3)樹脂成形体、電線、ケーブル
次に、上記塩素含有樹脂組成物からなる樹脂成形体、電線、及びケーブルについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るケーブルの断面図を示す。図1に示すように、ケーブル20は、導体1及び導体1を被覆する絶縁層2を備える電線10からなるコア(図中では1本の電線10)の外周にシース3を備える。絶縁層2及びシース3は、上記塩素含有樹脂組成物が架橋された樹脂成形体からなっている。
導体1は、例えば、銅又は銅合金等の導電性材料から形成され、所定の導体断面積を有する。導体1の導体径は特に限定されず、用途に応じて最適な数値が適宜選択される。また、導体1の断面形状は図1に示す円形に限定されず、例えば四角形(四隅が湾曲したものを含む)とすることもできる。
絶縁層2は、押出成形機などにより導体1の外周上に押出された塩素含有樹脂組成物が架橋された樹脂成形体からなっている。押出された塩素含有樹脂組成物は、例えば室温雰囲気中で湿気によりシラン架橋を起こすことで、樹脂成形体としての絶縁層2となる。樹脂成形体の形成において、塩素含有樹脂組成物は、加水分解性シリル基が室温雰囲気中の湿気により加水分解してシラノール基となり、シラノール基が脱水縮合(シラノール縮合)して塩素含有樹脂の異なる分子間を架橋することで、樹脂成形体となる。本実施形態の塩素含有樹脂組成物はシラン化合物のグラフト化率が高いため、樹脂成形体の架橋度が高い。また、塩素含有樹脂組成物はシラン化合物の縮合物の混入量が少ないため、樹脂成形体の引張特性が高く、また外観が良好である。なお、絶縁層2の厚さは特に限定されず、用途に応じて最適な厚さが選択される。
続いて、上記電線10をコアとして、コアの周囲に押出成形機などを用いて塩素含有樹脂組成物を押し出して被覆する。その後、絶縁層2の形成と同様にして、樹脂成形体としてのシース3を形成し、ケーブル20を得る。
なお、上記実施形態においては、1本の電線上にシースを形成したケーブルの場合について説明したが、電線を2本以上とすることも可能である。また、絶縁層又はシースのいずれか一方を塩素含有樹脂組成物で構成してもよい。
(4)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態によれば、1つのアミノ基と加水分解性シリル基とを有し、所定の縮合特性を示すシラン化合物を含有している。このシラン化合物は縮合の反応速度が遅く、グラフト重合の際に発生する塩化水素の存在下であっても縮合しにくいため、グラフト重合の際の消費が少なく、シラン化合物の塩素含有樹脂へのグラフト化率が高い。そして、水分により架橋した際には架橋度が高い樹脂成形体を得ることができる。
また、本実施形態によれば、未反応のシラン化合物の縮合により生成する縮合物の量が少ないため、水分により架橋した際には縮合物の混入量が少なく、引張特性に優れ、外観が良好な樹脂成形体を得ることができる。
また、塩素含有樹脂組成物が水分により架橋された樹脂成形体からなる絶縁層又はシースによれば、架橋度が高く、引張特性に優れ、且つ外観が良好な電線又はケーブルを得ることができる。
次に、本発明の実施例を説明する。本実施例では、塩素含有樹脂組成物を調整し、それを用いてケーブルを製造した。そして、製造されたケーブルのシースにおける外観や架橋度により塩素含有樹脂組成物を評価した。これらの実施例は、本発明に係る塩素含有樹脂組成物及びケーブルの一例であって、本発明はこれらの実施例により限定されない。
(1)原材料
以下の実施例、参考例及び比較例において用いた原材料は次のとおりである。
塩素含有樹脂として、次のものを用いた。
メルカプタン変性ポリクロロプレン:昭和電工製「ショウプレンW」(ムーニー粘度:ML1+4@100℃:42−51)
シラン化合物として、次の6種類を用いた。
N−フェニルアミノプロピルトリメトキシラン:信越シリコーン製「KBM−573」(サンプル1)
N−n−ブチルアミノプロピルトリメトキシラン:エボニックデグザ製「Dynasylan1189」(サンプル2)
3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン:東京化成製(サンプル3)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン:信越シリコーン製「KBM−903」(サンプル4)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン:信越シリコーン製「KBE−903」(サンプル5)
N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン:信越シリコーン製「KBM−603」(サンプル6)
塩素捕捉剤として、次のものを用いた。
酸化マグネシウム:協和化学製「キョーワマグ30」
(2)縮合特性の評価
まず、塩素含有樹脂組成物の調整に先立ち、上記サンプル1〜6のシラン化合物の縮合特性について評価した。縮合特性の評価においては、これらのサンプル1〜6とイオン交換水とを等重量混合し、この混合物を100℃の雰囲気に放置して縮合させて、縮合物の粘度が所定の数値となるまでの時間を測定した。具体的には、B型粘度計を用いて測定される縮合物の粘度が1000mPa・secとなるまでの時間を測定した。そして、所定の粘度となるまでに20分以上を要するシラン化合物、または縮合しにくく所定の粘度とはならないシラン化合物を、所定の縮合特性を有するものと判断し、表1に示すように「○」とした。一方、縮合して所定の粘度となるまでに20分以上を要さないシラン化合物、つまり縮合して20分未満で所定の粘度となるようなシラン化合物は、所定の縮合特性を有さないものと判断し、「×」とした。
Figure 0005790618
サンプル1及び2は、2級アミノ基、及びケイ素原子にアルコキシル基が3基結合したトリアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基を有しており、非水溶性のシラン化合物である。表1に示すように、サンプル1及び2は加水分解性シリル基が加水分解しにくいシラン化合物であり、粘度が1000mPa・secとなるまでにサンプル1では24時間以上、サンプル2では30分の時間を要し、所定の縮合特性を有することが確認された。
サンプル3は、1級アミノ基、及びケイ素原子にアルコキシル基が2基結合したジアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基を有しており、アルコキシ基の数が少ないシラン化合物である。サンプル3は、表1に示すように、サンプル1及び2と同様に粘度が1000mPa・secとなるまでに24時間の時間を要し、所定の縮合特性を有することが確認された。
サンプル4及び5は、1級アミノ基、及びケイ素原子に3基結合したトリアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基を有しており、比較的加水分解しやすく、またシラノール縮合が進行しやすいシラン化合物である。表1に示すように、粘度が1000mPa・secとなるまでにサンプル4では13分、サンプル5では16分の時間を要し、ともに所定の縮合特性を有さないことが確認された。
サンプル6は、1級アミノ基と2級アミノ基とを1つずつ有するシラン化合物である。サンプル6は、サンプル4及びサンプル5と比較して、ケイ素原子近くのアミノ基の電気吸引性が弱いため、加水分解の反応速度が遅い。これにより、サンプル6は、粘度が1000mPa・secとなるまでに30分を要し、所定の縮合特性を有することが確認された。
(3)塩素含有樹脂組成物の調整
続いて、上記シラン化合物を用いて塩素含有樹脂組成物を調整した。
メルカプタン変性ポリクロロプレン100質量部に対して、酸化マグネシウム2質量部を混合し、ニーダにより混練した。その後、得られた混練物を130mm押出機のフィーダより供給し、シラン化合物をフィーダの下部より注入して、塩素含有樹脂組成物を調整した。なお、本実施例において、シラン化合物のグラフト化は調整の段階では行わず、後述する電線への塩素含有樹脂組成物の被覆と同時に行うこととする。
実施例1、参考例1〜7及び比較例1〜5の塩素含有樹脂組成物の調整条件を以下の表2に示す。
Figure 0005790618
表2に示すように、参考例1〜5では、シラン化合物としてN−フェニルアミノプロピルトリメトキシラン(表1におけるサンプル1)を用いて、その含有量を1、3、5、7、10質量部にそれぞれ変更して参考例1〜5の塩素含有樹脂組成物を調整した。
参考例6、実施例1では、シラン化合物の種類を変更してN−n−ブチルアミノプロピルトリメトキシラン(サンプル2)、または3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン(サンプル3)を用いて参考例6及び実施例1の塩素含有樹脂組成物を調整した。
参考例7では、酸化マグネシウムを添加しない以外は、参考例2と同様に塩素含有樹脂組成物を調整した。
比較例1〜3では、シラン化合物の種類を変更して3−アミノプロピルトリメトキシシラン(サンプル4)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(サンプル5)、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(サンプル6)を用いた以外は実施例と同様に塩素含有樹脂組成物を調整した。
比較例4、5では、シラン化合物の含有量を本発明の規定する範囲外とした以外は、実施例と同様に塩素含有樹脂組成物を調整した。比較例4ではサンプル1のシラン化合物の含有量を0.9質量部、比較例5では含有量を11質量部とした。
(4)ケーブルの製造
実施例1、参考例1〜7及び比較例1〜5の塩素含有樹脂組成物を、絶縁層を備える電線の外側へ被覆すると同時にポリクロロプレンにシラン化合物をグラフト化させた。その後、室温雰囲気中に放置して、湿気による架橋を起こし、実施例1、参考例1〜7及び比較例1〜5のケーブルを製造した。なお、電線において、導体としての軟銅撚線の断面積を38mm2、絶縁層の厚さを1.2mmとした。また、ケーブルにおけるシースの厚さを2.1mmとした。
(5)シースの評価方法
続いて、実施例1、参考例1〜7及び比較例1〜5のケーブルにおけるシースについて、その外観、架橋度及び引張特性を評価した。それぞれの評価方法について以下に説明する。
〈外観評価〉
シースの外観評価としては、押出表面荒れ、及び表面積出物の有無を確認した。
押出表面荒れは、押し出したシースの表面を目視で観察評価した結果であり、「○」は良を示し、「×」は不良であって鮫肌状に荒れているものを示す。
また、製造したケーブルを室温雰囲気に30日間放置した後のシース表面を目視で観察して表面析出物のないものを良と判断し「○」、粉状あるいは液状の析出物があったものを不良と判断し「×」とした。
〈架橋度〉
シースの架橋度は、ポリクロロプレンのゲル分率を測定することによって評価した。ケーブルを23℃50%RHの雰囲気内に1週間放置架橋した後、ケーブルを65℃のTHF(テトラヒドロフラン)溶媒に浸漬させて、シース中の未架橋分子を溶媒中に抽出した。そして、未架橋分子の抽出前の重量と抽出後の残存した重量との重量比からゲル分率を算出し、ゲル分率が80%以上のものを良と判断し、80%に満たないものを不良と判断した。
〈引張特性〉
シースの引張特性は、ポリクロロプレンの引張破断強度を測定することによって評価した。ケーブルを23℃50%RHの雰囲気内に1週間放置架橋した後、シースを剥離して約1.0mmにスライスした。スライスされたシース(サンプル)をJIS 3号ダンベル形状に打ち抜き、速度500mm/minにて引張試験を行い、引張破断強度を測定した。引張破断強度が13MPa以上のものを良と判断し、13MPaに満たないものを不良と判断した。
(6)評価結果
評価結果を表2に示す。
実施例1及び参考例1〜7では、シースの表面荒れが確認されず、良好な押出し外観であった。また表面析出物も確認されなかった。また、シースの架橋度はゲル分率が80%であり、高い架橋度を有することが確認された。また、引張破断強度がいずれも13MPa以上であり、優れた引張特性を有することが確認された。
比較例1、2では、良好な押出し外観であることが確認された。しかし、グラフト重合の際に未反応のシラン化合物が縮合して消費されたため、シースの架橋度が低いことが確認された。また、未反応のシラン化合物の縮合による縮合物が混入したため、引張破断強度が低く、引張特性に劣ることが確認された。
比較例3では、所定の縮合特性を有するシラン化合物(サンプル6)を用いているが、サンプル6がアミノ基を2つ有するため、塩素含有樹脂組成物の成形加工中に早期架橋が生じることとなり、シースの外観が不良であることが確認された。
比較例4では、シラン化合物の含有量が少ないため、製造されるシースの架橋度が低く、また引張特性も低いことが確認された。一方、比較例5では、シース表面に液状の析出物の発生が確認され、外観が不良であることが確認された。
以上に示すように、本発明によれば、所定の置換基及び縮合特性を有するシラン化合物を用いることによって、水分により低温度で架橋可能であって、架橋した際の架橋度が高く、且つ外観が良好となる塩素含有樹脂組成物を得ることができる。また、この塩素含有樹脂組成物からなるシースによれば、シラン化合物の縮合物の混入が抑制され、優れた引張特性を得ることができる。
1 導体
2 絶縁層
3 シース
10 電線
20 ケーブル

Claims (6)

  1. 塩素含有樹脂100質量部に、1級アミノ基及びケイ素原子にアルコキシル基が2基結合したジアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基を有するシラン化合物1.0質量部以上10.0質量部以下を前記アミノ基によりグラフト重合してなり、
    前記シラン化合物が、等重量の水との100℃の雰囲気下での反応により縮合して粘度が1000mPa・secとなるまでに20分以上を要するような縮合特性を有する塩素含有樹脂組成物が水分により架橋された樹脂成形体からなる絶縁体を導体上に備えることを特徴とする電線。
  2. 前記シラン化合物は、3−アミノプロピルジエトキシメチルシランであることを特徴とする請求項1に記載の電線
  3. 前記塩素含有樹脂はクロロプレンゴムからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電線
  4. 塩素含有樹脂100質量部に、1級アミノ基及びケイ素原子にアルコキシル基が2基結合したジアルコキシシリル基からなる加水分解性シリル基を有するシラン化合物1.0質量部以上10.0質量部以下を前記アミノ基によりグラフト重合してなり、
    前記シラン化合物が、等重量の水との100℃の雰囲気下での反応により縮合して粘度が1000mPa・secとなるまでに20分以上を要するような縮合特性を有する塩素含有樹脂組成物が水分により架橋された樹脂成形体からなるシースを、導体上に絶縁層を有する電線又は前記電線を複数撚り合わせてなるコア上に備えることを特徴とするケーブル。
  5. 前記シラン化合物は、3−アミノプロピルジエトキシメチルシランであることを特徴とする請求項に記載のケーブル
  6. 前記塩素含有樹脂はクロロプレンゴムからなることを特徴とする請求項4又は5に記載のケーブル
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