JP4932637B2 - 人造米およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多糖類(食物繊維)であるカードランを主原料として用いた人造米およびその製造方法に関する。
米は日本人の主食であり、食生活に不可欠なものである。しかしながら、糖尿病や肥満等のため摂取カロリーを制限しなければならない場合、または若い女性を中心としたダイエットのため、米のカロリーを気にする者が増えている。従って、天然米に比べて低カロリーであり、外観および食感が天然米と比較して遜色なく、且つ味のよい人造米が求められている。
そのような需要から、これまでに種々の人造米が作られてきた。中でも、コンニャクまたはコンニャク中の成分であるグルコマンナンを利用したものが最も知られている。コンニャクを主原料として使用した場合、米のように粘りのある食感は出ず、独特のアルカリ臭もあることから米の代わりに主食として食するには問題が多い。そこで、天然米と混合して炊飯することにより米飯の低カロリー化を図ることを目的とした、コンニャクを主原料とする食品が提案されてきた(例えば、特許文献1)。
米粉とある一定の成分を混合した人造米を製造する場合、混合する米粉の量を増やせば当然天然米に近い製品が得られるが、それではカロリーを低く抑えるという目的に反する。そのような問題を克服するために、原料およびその配合の工夫等の繰り返しの改良により、人造米の食感および外観は天然米に近づいてきてはいる。しかしながら、天然米に独特の適度な粘性によるもちもちとした食感が再現できておらず、日本人が好んで食する程の製品の開発には至っていない。例えば、特許文献2には、デンプン、デキストリン、コンニャクマンナン等のゲル化剤、およびセルロース等の白濁剤からなる乾燥粒状物の低カロリー食材が記載されている。食物繊維であるカードランを配合した人造米も提案されているが、この場合にも、実情は上記と同様である(特許文献2〜5)。
また、これらの人造米の製造方法は、原料と少量の水を混合して半固形状にし、それをエクストルーダー等で押し出し、米粒の大きさに切断するというものが主流である。例えば、特許文献2に記載の低カロリー食材も、半固形物を押し出しおよびカッティングして粒状に成型するという方法で製造されている。このような製造方法は、使用する水分量が少ないため、得られたペレットをさらにゲル化して含水形態にする必要がある。本発明者らは、このような製造方法も天然米と同等の食感が出ない一因であると考えた。
特開平9−154507号公報 特開平6−225719号公報 特開2003−310187号公報 特開2002−233317号公報 特開平6−197713号公報
本発明の目的は、従来の製品と比較してより天然米に近い食感を有し、且つ天然米と比較して低カロリーである人造米およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第一の側面によると、カードランおよび米粉等の穀物粉を含んでなる主原料を水に分散させて原料ゾルを形成する第一の工程と、該原料ゾルを加熱してゲル化させることにより米粒状に成形する第二の工程とを含んでなることを特徴とする人造米の製造方法が提供される。
本発明の第二の側面によると、前記第一の側面に記載の方法により製造された人造米が提供される。
本発明によると、従来の製品と比較してより天然米に近い食感を有し、且つ天然米と比較して低カロリーである人造米およびその製造方法を提供することができる。
本発明による人造米は、主原料としてカードランおよび穀粉を含んでなることを特徴とする。
ここで、本発明において主原料として使用するカードランは、微生物(グラム陰性菌Agrobacterium biovar 1)により生産される多糖類(食物繊維)であり、吸水性が非常に高いという特性を有する。現在、多くの食品において品質改良剤として使用されており、具体的には、麺類のこしの向上、水産練り製品の弾力の増強、食肉加工品の食感の改善等を目的として添加される。このように品質改良剤として使用する場合、カードランの添加量は、通常、食品に対して1重量%以下である。
本発明では、食物繊維であるカードランを主成分として使用することにより、天然米と比較して低カロリーである人造米を製造することができる。本発明において、カードランの使用量は、原料におけるカードランと穀粉の合計重量の30〜95%である。好ましくは40〜80%であり、良好な食感および味を有する人造米が得られる。
本発明において使用することができる穀粉としては、例えば、米粉、小麦粉、そば粉、大麦粉、トウモロコシ粉、カラス麦粉、ライ麦粉、大豆粉等が挙げられる。
本発明の1つの実施形態において、人造米の原料には種々の添加剤が含まれてよく、例えば、デンプンおよび/または糖類であってよい。
デンプンとしては、食用に供されているいずれのデンプンも使用することができ、例えば、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、または小麦デンプンである。穀粉およびデンプンを加えることにより、味および食感を天然米により近づけることができる。添加剤としてのデンプンの使用量は、好ましくは0.1〜10%である。
糖類は、食品のうまみを引き立て、品質を良くする効果を有し、種々の食品中に使用されている。米に混ぜて炊くとふっくらとした仕上がりになるという効果およびデンプンの老化抑制効果もあり、本発明においては、得られる人造米に天然米と同等の品質を付与するために用いられる。糖類としては、食用に供されているいずれの糖類も使用することができ、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース等が挙げられる。ここでは、市販の糖類または既知の方法によって得られた糖類を使用することができる。糖類の使用量は、好ましくは0.1〜10%である。量が少ない場合には品質改良の効果が出ず、多い場合には糖類自体の甘みが出すぎてしまうため、適切な量で使用する必要がある。
本発明による人造米は、カードランおよび穀粉を含んでなる主原料を水に分散させて原料ゾルを形成する第一の工程と、該原料ゾルを加熱してゲル化させることにより米粒状に成形する第二の工程とを含んでなる方法により製造される。
本明細書において、「ゾル」とは流動性がある状態をいい、また、「ゲル」とは流動性を失った状態をいう。
前記原料ゾルの粘度は、後述する実施例に記載のようにビスコベーシック回転式粘度計を用いて測定した場合、約600mPa・s以上であることが好ましい。これより低い粘度の場合は、加熱してもうまく固まらず、米粒を作ることができないことが多い。一方、原料として用いるカードランの量が多いほど前記粘度は高くなる。
ここで分散媒として使用する水の量は、好ましくはカードランと穀粉からなる乾燥原料成分1重量部に対して約2.7重量部以上約130.5重量部未満の範囲であり、好ましくは約5.4重量部〜約60.0重量部の範囲であり、最も好ましくは約7重量部〜約10重量部である。
本発明により得られる人造米は多量の水を含むため、その結果として低カロリー化を図ることができ、且つ米飯に特有のもちもちとした食感に近づけることができる。
前記製造方法は、以下に示す2種類に分類することができる。
本発明の1つの実施形態において、前記第一の工程は、穀粉の一部あるいは全部を水に分散させ、加温することにより前記穀粉を膨潤およびα化させたゾル溶液を形成し、該溶液をゾル状態のまま冷却する第1のステップと、該ゾル溶液にカードランおよび残りの穀粉を添加して撹拌することにより前記原料ゾルを形成する第2のステップとを含んでなることを特徴とする(以下、2段階法とする)。
前記第1のステップでは、穀粉を含んでなる原料を水に分散させ、加温する。これは穀粉をα化するための操作である。その後、好ましくは30℃以下に冷却する。これは、高温で粘性が増大する性質を有するカードランとの混合を容易にするための操作である。
続く第2のステップでは、前記冷却液にカードランを添加して撹拌する。このように、第1のステップおよび第2のステップの二段階に分けて原料を加えるのは、穀粉とカードランの吸水性およびゲル特性の違いを利用したブレンド法によってカードラン高含有の米粒を作り出すことを可能にするためである。すなわち、穀粉に一定の水を吸わせた後に吸水性の非常に高いカードランを加えることで、食物繊維であるカードランを多く含んでもその性質を抑えることができ、出来上がった米飯においても好ましい食感を得ることが可能となる。
上述したように、本発明の方法により製造される人造米には糖類、デンプン等の添加剤を加えることが可能である。前記2段階法においては、前記第1のステップにおいて、穀粉と共に糖類を水に分散させ、前記第2のステップにおいて、カードランを加えた後に添加剤としてのデンプンを添加することが好ましい。
本発明のもう1つの実施形態において、前記第一の工程は、穀粉およびカードランの両者を含む主原料を水に分散させ、加温することによりゾル粘度を適度に上昇させるステップを含んでなることを特徴とする(以下、1段階法とする)。
前記1段階法では、前記2段階法における第1のステップおよび第2のステップを同時に行う、すなわち主原料を全て同時に水に分散させ、その後加温することにより行う。この方法においても、糖類および/またはデンプンを添加剤として加えることが可能であり、水に分散させる前の原料粉に予め加えておくことが好ましい。
1段階法を用いた場合、原料におけるカードランの割合が低い範囲においては、2段階法と比較してより好ましい硬さおよび粘性を有することが分かった。
上述した通り、本発明の加熱前の混合物は水を非常に多く含んだゾルであるため、米粒にするためには、カードランが不可逆ゲルとなる加熱処理により、前記ゾルをゲル化する必要がある。
1つの実施形態において、原料ゾルを加熱してゲル化させることにより米粒状に成形する前記第二の工程は、前記原料ゾルを米粒形状の型に充填した後加熱することにより行われる。前記加熱は、蒸すことにより行われてよい。
もう1つの実施形態において、前記第二の工程は、前記原料ゾルのゲル化温度以上の温度に加熱された水の中に前記原料ゾルを滴下することにより行われてもよい。この場合、その滴下によりゲル化した米粒が得られる。
さらなる工程として、上記方法により製造した米粒を熱風等で乾燥することにより、炊飯可能な乾燥米を得ることができる。具体的には、加熱後の米粒を、90℃の乾燥機で30分間加熱するのが好ましい。得られた乾燥米は、水で米粒に戻すことにより乾燥前と同じように多量の水を含ませることができる。また、通常の米と同様に炊飯することも可能である。該乾燥米を用いて製造した米飯、無菌包装米飯、およびレトルト米飯等は、通常の米飯に近い食味・食感を有していた。
また、本発明の1つの実施形態として、穀粉の代わりにデンプンを主原料として使用することが可能である。上述した添加剤としてのデンプンと同様、食用に供されているいずれのデンプンも使用することができる。
本発明により得られる人造米は、種々の方法で使用することが可能である。例えば、普通の米と同様に炊飯することができ、また、耐熱性のプラスチック容器等の適当な容器に充填し、通常の方法を用いて加熱殺菌処理することにより、レトルト食品とすることもできる。人造米単独ではなく、通常の米と混合して利用することももちろん可能である。
実施例1(カードラン:米粉=67:33(カードラン67%))<2段階法>
下記一定量の原料を用いて、本発明の人造米を製造した。以下の配合は、カードランと米粉の合計重量のうち、67%がカードランである。
1. カードラン 6.6g
2. 米粉(コシヒカリ) 3.2g
3. デンプン(馬鈴薯モチデンプン) 0.64g
4. トレハロース 0.2g
5. 水 80ml
水80mlに0.2gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉3.2gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。該冷却液にカードラン6.6gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン0.64gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型(多数の米粒型の溝のある金型)に入れ、蒸し器に型のまま入れて5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃の乾燥機にて30分間乾燥し、乾燥米を得た。結果として、本発明の最も好ましい形態である人造米が得られた。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例2(カードラン:米粉=1:1(カードラン50%))<2段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉12.25gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン12.25gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例3(カードラン:米粉=3:2(カードラン60%))<2段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉9.8gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン14.7gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例4(カードラン:米粉=4:1(カードラン80%))<2段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉4.9gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン19.6gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例5(カードラン:米粉=95:5(カードラン95%))<2段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉1.23gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン23.3gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例6(カードラン:米粉=95:5(カードラン95%))<2段階法
水400mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉1.23gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン23.3gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米7.5gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例7(カードラン:米粉=95:5(カードラン95%))<2段階法>
水800mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉1.23gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン23.3gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米3.75gと天然米37.5gを135mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例8(カードラン:米粉=95:5(カードラン95%))<2段階法>
水1,600mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉1.23gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン23.3gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米1.88gと天然米37.5gを125mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例9(カードラン:米粉=2:3(カードラン40%))<1段階法
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン9.8gを分散させた後、米粉14.7gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを140mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例10(カードラン:米粉=3:7(カードラン30%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン7.35gを分散させた後、米粉17.15gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを140mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例11(カードラン:米粉=1:1(カードラン50%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン12.25gを分散させた後、米粉12.25gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例12(カードラン:米粉=3:2(カードラン60%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン14.7gを分散させた後、米粉9.8gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例13(カードラン:米粉=3:2(カードラン60%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン22.05gを分散させた後、米粉14.7gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例14(カードラン:米粉=67:33(カードラン67%))<2段階法>
水200mlに0.5gのグルコースを溶解した。その溶液に米粉8.0gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン16.5gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例15(カードラン:米粉=67:33(カードラン67%))<2段階法>
水200mlに0.5gのマルトースを溶解した。その溶液に米粉8.0gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン16.5gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例16(カードラン:米粉=67:33(カードラン67%))<2段階法>
水200mlに0.5gのスクロースを溶解した。その溶液に米粉8.0gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン16.5gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例17(カードラン:米粉=2:3(カードラン40%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン19.6gを分散させた後、米粉29.4gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例18(カードラン:米粉=2:3(カードラン40%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン29.4gを分散させた後、米粉44.1gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例19(カードラン:米粉=4:1(カードラン80%))<2段階法>
水400mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉4.9gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン19.6gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例20(カードラン:米粉=3:2(カードラン60%))<2段階法>
水400mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉9.8gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン14.7gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例21(カードラン:米粉=3:2(カードラン60%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン19.6gを分散させた後、米粉29.4gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて50℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例22(カードラン:米粉=3:2(カードラン60%))<2段階法>
水200mlに1.0gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉9.8gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン14.7gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを90℃の湯槽に一粒ずつ滴下して固化させ、米粒のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例23(カードラン:そば粉=67:33(カードラン67%))<2段階法>
水80mlに0.2gのトレハロースを溶解した。その溶液にそば粉3.2gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン6.6gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン0.64gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを90℃の湯槽に一粒ずつ滴下して固化させ、米粒のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例24(カードラン:そば粉=1:1(カードラン50%))<2段階法>
水80mlに0.2gのトレハロースを溶解した。その溶液にそば粉4.9gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン4.9gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン0.64gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを90℃の湯槽に一粒ずつ滴下して固化させ、米粒のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
実施例25(カードラン:そば粉=2:3(カードラン40%))<2段階法>
水80mlに0.2gのトレハロースを溶解した。その溶液にそば粉5.88gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン3.92gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン0.64gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを90℃の湯槽に一粒ずつ滴下して固化させ、米粒のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを150mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
比較例1(カードラン:米粉=1:4(カードラン20%))<2段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉19.6gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン4.9gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸したが、ゾルがうまく固まらず、ゲルが形成されなかった。
比較例2(カードラン:米粉=3:7(カードラン30%))<2段階法
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉17.2gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン7.35gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを140mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
比較例3(カードラン:米粉=95:5(カードラン95%))<2段階法>
水3,200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉1.23gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン23.3gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸したがゾルはうまく固まらず、ゲルが形成されなかった。
比較例4(カードラン:米粉=2:3(カードラン40%))<2段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉29.4gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン19.6gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸したがゾルはうまく固まらず、ゲルが形成されなかった。
比較例5(カードラン:米粉=2:3(カードラン40%))<2段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液に米粉22.1gを分散させて85℃まで加熱した後、25℃まで冷却した。その後、カードラン14.7gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプン1.6gを分散させてゾルを調製した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸したがゾルはうまく固まらず、ゲルが形成されなかった。
比較例6(カードラン:米粉=1:4(カードラン20%))<1段階法>
水200mlに0.5gのトレハロースを溶解した。その溶液にカードラン4.9gを分散させた後、米粉19.6gを分散させ、さらに添加剤としてのデンプンを1.6g分散させて53℃まで加熱し、ゾルを調製した。調製したゾルを25℃まで冷却した。そのゾルを俵型の型に入れ、5分間蒸し、米型のゲルを調製した。調製したゲルを90℃で30分間乾燥し、乾燥米を得た。パネル試験のために、この乾燥米15gと天然米37.5gを140mlの水に30分間浸漬した後に、家庭用炊飯器で炊飯した。
上記の実施例および比較例について物性を比較し、さらにパネル試験を行った。その結果を以下に示す。
〔断面構造の比較〕
(1)実施例1に従って製造した人造米に用いたものと同様のゾルを、熱水に滴下した後および蒸した後の断面の様子、それらを乾燥させて作った乾燥米を水で戻した後の断面の様子、ならびに乾燥米を用いたレトルト米飯の米粒の断面の様子を顕微鏡で観察した。湯槽への滴下により成形した人造米断面の様子を図1Aに、蒸して形成した人造米断面の様子を図1Bに示す。また、比較例としてミルキークイーン(天然米)を用いたレトルト米飯の米粒の断面の様子も観察した(図1C)。
図1Aおよび図1Bより、蒸したもの、熱水に滴下したもの共に多孔質であり、水分を多く含む様子が観察できる。また、それらの乾燥米を水で戻した時、およびそれをレトルト処理した後でも、乾燥前と同様に水を多量に含んでいることが分かる。ミルキークイーン(天然米)と比較しても実施例1の米は水分量が多く、本発明の目的の1つである低カロリー化を実現できると言える。
(2)実施例2〜5、および8〜10に従って製造した人造米についても同様に顕微鏡で断面を観察した。蒸した後の様子を図2に、乾燥米を水で戻した後の様子を図3に示す。
〔各種人造米原料粉の粘度測定結果〕
原料粉中におけるカードランおよび米粉の配合割合を変化させ、それぞれの粘度をBRABENDERアミログラフにより測定した。測定方法としては、原料粉15gに450mlの水を加え、1.5℃/分で加温しながら粘度(B.U.)をプロットするという方法を用いた。加えて、比較例Aとして原料粉がカードランのみの場合の粘度を同様に測定し、比較例Bとして特開平6-225719で開示されている人造米の原料を用いて同様に粘度を測定した。その結果を以下の表に示す。
Figure 0004932637
結果から、本発明の人造米は、カードラン単独(比較例A)と比較して最高粘度が低値を示す一方で、従来の人造米の一例である比較例Bと比較して粘度の高さを特徴としていることが分かる。
〔最低粘度の決定〕
加熱することにより米粒ゲルを形成し得る、原料ゾルの粘度の下限を調べる実験を行った。実施例1および2については、トレハロースおよび米粉を80mlの水に懸濁し、加熱してα化した後、室温まで冷却した。その後、カードランおよびデンプンを分散させ、ビスコベーシック回転式粘度計を用いて粘度を測定した。実施例9〜11については、原料粉(米粉、カードラン、トレハロース、およびデンプン)を80mlの水に懸濁し、湯浴で50℃まで加熱した後、室温まで冷却したサンプルについて、同様に粘度を測定した。
ビスコベーシック回転式粘度計は、測定サンプル中に浸したスピンドルを回転させ、サンプルの粘度による粘性抵抗をトルク検出器で計測するもので、スピンドル速度と受ける応力の計測から直読可能な粘度値(mPa・s)単位で表す。スピンドルはL1、L2、L3、L4等様々な種類があり、L1は最も低粘度のサンプルに適している。粘度値はトルクが20-30%台の範囲の時に計測した値を採用することとし、スピンドルの型式をL2として粘度の測定を行った。なお比較として実施例1、2のゾルについても粘度を測定したが、スピンドルL2では粘度が高く、トルクが20〜30%の範囲から外れるため、L4を使用した。その結果を以下の表に示す。
Figure 0004932637
上述したように、加えるカードランの量が多くなるほど粘度は高くなる。本発明の実施例において最もカードランの添加量が少ないのは実施例10(カードラン30%)である。上記表2のカードラン30%配合粉末の結果より、本発明を実施することができるゾルの粘度の下限値は約600mPa・sであることが分かった。
〔米粒の弾力と粘性の測定〕
原料中のカードランと米粉の配合割合を変化させ、実施例1〜5および8〜10に従って製造した乾燥前の米粒と乾燥した後に水で戻した米粒の硬さおよび粘りを比較する実験を行った。実施例に記載の方法に従って製造した人造米を3粒、測定機器であるテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製、商品名:TA.XT.plus)の測定台の上、圧縮プレートの真下中央位置に並べ、上方に配置した圧縮プレートを試料に向けて垂直に下降させて接触後、2.0mm/秒の速度で、試料の厚さの90%の位置まで押圧した。その後、10.0mm/秒の速度で圧縮プレートを試料から離れるように上昇させて測定前の高さまで戻し、この時の圧縮プレートに加わる圧力(押圧、引圧)を測定した。測定された圧力のプラス値(押圧)を試料の硬さとし、圧力のマイナス値(引圧)を試料の粘りとした。乾燥前の米粒の結果を図4に、水戻し後の米粒の結果を図5に示す。
図4において、カードランが40%および30%のサンプルは、実施例1に記載した方法において、米粉とトレハロースを水に分散させて加温するという第1のステップを行わず、原料を全て一度に水に分散させてから加温する1段階法で製造した米粒を用いた結果である(実施例9および10)。図より、カードランの割合が高くなると硬く、粘性が低くなることがわかる。カードランの割合が30%および40%のサンプルは、予備加温をしないことにより、他の結果から予想されるよりも硬さがあり、粘性の低い米粒となることが分かった。
図5において、水戻し後の米粒の結果は、乾燥前(図4)とほぼ同様の結果となった。従って、乾燥米にした場合であっても、水で戻すことにより乾燥前とほぼ同じ状態になることが分かる。
〔乾燥人造米の吸水性〕
実施例1〜5、および8に従って製造した乾燥米約0.45gに50mlの水(水温25℃)を加え、室温で30分間静置した時の重量増加を算出した。結果を図6に示す。図より、それぞれ約4倍の重量増加を示すことが分かる。普通米(新潟産コシヒカリ)で同様の試験を行った場合には、90分間の浸漬の後でさえ約1.3倍の重量増加であったことから、本発明の乾燥人造米の高い吸水性を確認することができた。
〔パネル試験〕
実施例1〜25および比較例1〜6に従って、天然米と混合して炊飯した人造米をパネルに試食させ、結果を以下の表にまとめた。天然米と同様においしく食べられた場合は「良好」、天然米と比較してやや劣るが食べられた場合は「可」、劣る場合は「不可」として判定した。その結果を以下の表に示す。
Figure 0004932637
上記結果より、本発明の人造米は、カードランと穀粉の合計重量のうち30〜95%がカードランである場合が好ましく、40〜80%がカードランである場合がより好ましいことが分かる。予備加熱をしない方法(1段階法)により製造した場合、カードランと米粉の合計重量のうちカードランが40%、30%のものについても良好な結果が得られた。一方、カードランと米粉の合計重量のうちカードランを40%、30%として2段階法で製造した場合(比較例2および4)については、良好な結果が得られなかった。従って、原料中におけるカードランの割合が低い範囲においては、1段階法で製造する方が好ましいと言える。
〔レトルト製品の製造〕
1つの実施形態として、米(ミルキークイーン)と本発明の人造米を混合したレトルト製品を製造する方法を以下に示す。
まず米を洗米する。洗った米を90分以上、水に浸漬する。浸漬米を水からあげ、蒸し器で約11分間蒸す。途中で、2回お湯をかける(目標収量−浸漬後重量程度の量)。目標収量になるように蒸した米にお湯を加え、よくかきまぜる。一方、本発明の人造米も水に浸漬しておく。トレーに等量(75gずつ)の前記蒸し米および前記人造米を計量し、よく混ぜた後、フタシール(窒素置換)を行う。レトルト機(高温高圧調理殺菌機 千代田製作所製YRF-50・80)を用いて、殺菌条件を113℃、35分とし、圧力2.0Kで加圧加熱殺菌する(F≧4)。殺菌終了後、冷却したレトルト米飯を通常の方法で加熱して食したところ、食味は良好なものであった。
図1Aは、湯槽への滴下により成形した本発明の人造米断面(実施例1)の顕微鏡写真を示す。 図1Bは、蒸して成形した本発明の人造米断面(実施例1)の顕微鏡写真を示す。 図1Cは、ミルキークインの米断面の顕微鏡写真を示す。 図2Aは、蒸して成形した本発明の人造米断面(実施例2〜5)の顕微鏡写真を示す。 図2Bは、蒸して成形した本発明の人造米断面(実施例8〜10)の顕微鏡写真を示す。 図3Aは、乾燥後に水で戻した本発明の人造米断面(実施例2〜5)の顕微鏡写真を示す。 図3Bは、乾燥後に水で戻した本発明の人造米断面(実施例8〜10)の顕微鏡写真を示す。 図4は、乾燥前の人造米の弾力および粘性の測定結果を示した図である。 図5は、乾燥後に水で戻した人造米の弾力および粘性の測定結果を示した図である。 図6は、乾燥した人造米の吸水性の測定結果を示した図である。

Claims (13)

  1. カードランおよび穀粉を含んでなる主原料を水に分散させて原料ゾルを形成する第一の工程と、該原料ゾルを米粒形状の型に充填した後加熱してゲル化させることにより米粒状に成形する第二の工程とを含んでなることを特徴とする人造米の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記加熱は蒸すことにより行われる人造米の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の人造米の製造方法であって、前記原料ゾルの粘度が、ビスコベーシック回転式粘度計を用いて測定した場合に600mPa・s以上であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記水の量が、カードランと穀粉からなる乾燥原料成分1重量部に対して、2.7重量部以上130.5重量部未満の範囲であることを特徴とする人造米の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、前記第一の工程は、穀粉の一部あるいは全部を水に分散させ、加温することにより前記穀粉を膨潤およびα化させたゾル溶液を形成し、該溶液をゾル状態のまま冷却する第1のステップと、該ゾル溶液にカードランおよび残りの穀粉を添加して撹拌することにより前記原料ゾルを形成する第2のステップとを含んでなることを特徴とする人造米の製造方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、更に添加剤としての糖類および/またはデンプンを加えることを特徴とする人造米の製造方法。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、前記第一の工程は、穀粉およびカードランの両者を含む主原料を水に分散させ、加温することによりゾル粘度を上昇させるステップを含んでなることを特徴とする人造米の製造方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、更に添加剤としての糖類および/またはデンプンを加えることを特徴とする人造米の製造方法。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の方法であって、成形した米粒を乾燥米とするステップをさらに含んでなることを特徴とする人造米の製造方法。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の方法であって、前記穀粉が米粉であることを特徴とする人造米の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の方法であって、穀粉の代わりに主原料としてのデンプンを使用する方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の方法により製造される人造米。
  13. 請求項12に記載の人造米であって、原料中におけるカードランと穀粉または主原料としてのデンプンの合計重量のうち、30〜95%がカードランであることを特徴とする人造米。
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