JP4932071B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の制動用に用いられるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクブレーキには、対向ピストン型キャリパを備えたものがある。この種のディスクブレーキは、例えば、特開平11−63043号公報に開示されているように、ディスクロータを挟んでアウター側とインナー側に分かれたキャリパ本体を複数のタイボルトによって互いに連結したキャリパを備え、アウター側のキャリパ本体とインナー側のキャリパ本体のそれぞれの互いに対向する位置にシリンダを有し、それらシリンダに嵌挿したピストンによって、摩擦パッドをディスクロータの左右両側に押し付け、これにより、車両に制動力を与える構造のものである。
【0003】
また、上記公報に開示されたディスクブレーキでは、ピストンによってディスクロータの左右両側にそれぞれ押し付けられる摩擦パッドは、キャリパの略中央に設けられたパッド組付用空間である開口から、キャリパ内に挿入してセットされるようになっている。また、これらの摩擦パッドは、アウター側とインナー側のキャリパ本体の間であって、前記パッド組付用空間を跨ぐように設けられた一対のパッドピンに吊持されるパッドスプリングによって押圧され、このパッドスプリングにより摩擦パッドがディスクロータの半径方向や周方向へ移動してガタ付くのを防止している。
なお、前記パッド組付用空間には、パッドピンのみが配置されるだけであって、アウター側とインナー側に分かれたキャリパ本体を連結するためのタイボルトは設けられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のディスクブレーキにあっては、次のような問題点があった。
(a) パッド面積を拡大する等の目的で、キャリパのパッド組付用空間を広げた場合、パッド組付用空間を避けて配置されるタイボルトの間隔が所定量以上あいてしまい、液圧を付加した時のキャリパのたわみ剛性が低下する。このため、実車でのブレーキ操作時(例えばレバー操作時)のフィーリングの悪化並びに引き摺りの増加、さらにはパッドの偏摩耗を来すおそれがあった。
(b) 一対のパッドピンによってパッドスプリングを吊持しているため、例えば、車体の振動により摩擦パッドが共振し、これに伴いさらにパッドスプリングが共振した場合に、パッドスプリングによってパッドピンが叩かれて磨滅してしまい、パッドピンの交換頻度が増える。
(c) パッドスプリングが、前述のとおり一対のパッドピンにより吊持される構造であるから形状が複雑になり、このため、製作工数が多く、また寸法管理が難しいため高価となる。
【0005】
本発明の課題は上記の諸問題を解決することであり、キャリパのたわみ剛性を高めることができ、実車での良好なブレーキ操作ーフィーリングが得られ、また引き摺り現象を回避できるディスクブレーキを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、パッドピンの交換頻度を下げるとともに、パッドスプリングのコストを低減できるディスクブレーキを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の少なくとも1つの目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ディスクロータを挟んでアウター側とインナー側との対向する位置にシリンダをそれぞれ設け、該各シリンダに嵌挿したピストンによって摩擦パッドを前記ディスクロータに押圧する対向ピストン型のキャリパを有するとともに、該キャリパにパッドピンにより吊下された前記摩擦パッドのガタ付きを防止するパッドスプリングが設けられたディスクブレーキにおいて、
前記キャリパには、該キャリパの略中央で該キャリパをディスクロータの径方向に貫通して該径方向外方側に開口部位を有するパッド組付用空間と、該パッド組付用空間を跨いだ位置に配置されて前記キャリパに一体に形成されたボス部とが設けられ、前記パッドスプリングは、前記ボス部を挟み込む一対の固定爪を有して前記ボス部に支持され、該ボス部の側方の前記パッド組付用空間内における径方向外方側の前記開口部位に位置するパッド係合部で前記摩擦パッドを押圧し、前記キャリパは、アウター側のキャリパ本体とインナー側のキャリパ本体とに分かれてそれぞれ前記ボス部を有して構成され、該アウター側本体とインナー側本体とのボス部の幅寸法を異ならせ、前記一対の固定爪がボス部のいずれか一方に支持されることとした。
【0007】
上述した請求項1記載の発明では、キャリパに、該キャリパの略中央で該キャリパをディスクロータの径方向に貫通して該径方向外方側に開口部位を有するパッド組付用空間と、該パッド組付用空間を跨いだ位置に配置されて前記キャリパに一体に形成されたボス部とが設けられ、該ボス部にパッドスプリングを支持させているので、たとえ、キャリパのパッド組付用空間を広くとる場合でも、キャリパのたわみ剛性を高く保つことができる。
また、従来の一対のパッドピンに吊持されるものに比べて、パッドスプリング自体の構造が簡単になる。また、たとえ、車体の振動により摩擦パッドを介してパッドスプリングが共振する場合でも、該パッドスプリングの振動が、パッドピンに直接伝わることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1ないし図9は本発明に係るディスクブレーキの実施の形態を示し、図1は、ディスクブレーキの平面図、図2は正面図である。これらの図において符号1はキャリパである。このキャリパ1は、ディスクロータ2を挟んでアウター側とインナー側に分かれたキャリパ本体1A,1Bが、複数のタイボルト3,…によって互いに連結されてなる対向ピストン型のキャリパである。
【0010】
前記アウター側のキャリパ本体1Aと前記インナー側のキャリパ本体1Bは、キャリパ1の略中央に配置されるパッド組付用空間4を跨いだ位置であって、パッド組付用空間4の略中央位置が1本のタイボルト3により連結され、また、この中央のタイボルト3によって連結した箇所よりもディスクロータ2の周方向一側(ディスクロータ1の出側であって、前記パッド組付用空間4から外方にずれた位置(図2における右側))が2本のタイボルト3,3により連結され、さらに、前記中央のタイボルト3によって連結した箇所よりもディスクロータ1の周方向他側(ディスクロータ1の入側であって、前記パッド組付用空間4から外方にずれた位置)が1本のタイボルト3により連結されている。
【0011】
前記アウター側のキャリパ本体1Aとインナー側のキャリパ本体1Bのそれぞれの互いに対向する位置にはシリンダ5,5が設けられ、それらシリンダ5,5に嵌挿した図示せぬピストンによって、摩擦パッド6,6がディスクロータ2の左右両側に押し付けられ、これにより、車両に制動力が与えられるようになっている。
【0012】
また、このときの制動トルクは、摩擦パッド6,6をディスクロータ2の回転方向へ移動させる力として作用し、その力は、キャリパ1のトルク受け部7からキャリパ1自体に伝わり、さらに、キャリパ1の車体取付部8を介して車体側で受け止められる。
ここで、前記摩擦パッド6は、裏金6Aと該裏金6Aの表面に取り付けられたライニング6Bから構成されており、前記アウター側のキャリパ本体1Aとインナー側のキャリパ本体1Bとの間にパッド組付用空間4を跨ぐように設けられた一対のパッドピン19,19によって吊持されている。
【0013】
前記アウター側とインナー側のそれぞれのキャリパ本体1A,1Bには、図1に示すように、前記パッド組付用空間4の略中央位置にて互いに接近するように迫り出すボス部10A,10Bが形成され、これらボス部10A,10B内に前記中央のタイボルト3が挿入セットされている。なお、アウター側のキャリパ本体1Aのボス部10Aは、前記中央のタイボルト3の頭部側が係合されるため、そこには単なるボルト挿通孔が形成され、他方インナー側のキャリパ本体1Bのボス部10Bには雌ねじ部が形成され、該雌ねじ部に前記中央のタイボルト3の先端の雄ねじ部がねじ合わされるようになっている。
ここで、前記アウター側とインナー側のそれぞれのキャリパ本体1A,1Bに形成されたボス部10A,10Bは、前記中央のタイボルト3を囲繞するキャリパ本体部分を構成している。
そして、このボス部10A,10Bの合わせ部Zに、図4に示すように、摩擦パッド6,6のガタ付きを防止するパッドスプリング11が組み付けられている。
【0014】
パッドスプリング11は、図5、図6に示すように、アウター側の摩擦パッド6を押圧するアウター側パッド押圧部11Aと、インナー側の摩擦パッド6を押圧するインナー側パッド押圧部11Bと、それら両パッド押圧部11A,11B間に設けられて、当該パッドスプリング11をキャリパ1の前記ボス部10A,10Bの合わせ部Zに組み付ける係止部11Cとを備えるものであって、バネ板を切断並びに折り曲げ加工されることによって形成されるものである。
【0015】
アウター側パッド押圧部11Aとインナー側パッド押圧部11Bは、中央部分が前記係止部11Cを介して互いにつながっているものの、それぞれ独立に摩擦パッド6,6を押圧するように設けられていて、おのおの独立して動き得るようになっている。また、アウター側パッド押圧部11Aとインナー側パッド押圧部11Bは、互いに左右非対称に形成され、それぞれ前記係止部11Cとつながる中央部12、該中央部12から斜め上方へそれぞれ所定の傾斜角をもって折れ曲がる傾斜部13a,13b、該傾斜部13a,13bの上端位置で前記中央部12に平行になるように折れ曲がる水平部14、該水平部14の外方位置で斜め下方に大略45度の傾斜角をもって折れ曲がる外側傾斜部15を有する。なお、図6における左側の傾斜部13a、つまりディスクロータ2出側の傾斜部13aは、長さ方向の途中に下方へ出っ張るように若干の折曲部が設けられていて、図6における右側の傾斜部13bよりもディスク接線方向の長さが長くなるように設定されている。つまり、具体的には、図6で示すように、当該パッドスプリング11を平面視した場合の同図における左側の傾斜部13aの長さl1が同図における右側の傾斜部13bの長さl2よりも大きくなるように設定されている。
【0016】
そして、図6における左側の傾斜部13の上部は、組付時において同傾斜部13aに対向する摩擦パッド6の図3,図4における左側のパッドピン被支持部18の上部傾斜部18aを押圧して、該上部傾斜部18aを図4に示すようにディスクロータ2の半径方向内方と接線方向に押し付ける付勢力を発生させる。また、図6における右側の水平部14は、組付時において同水平部14に対向する摩擦パッド6の図3,図4における右側のパッドピン被支持部18の上部水平部18bを押圧して、該上部水平部18bを図4に示すようにディスクロータ2の半径方向内方に押し付ける付勢力を発生させる。また、この組付状態において、図4に示すように、パッドスプリング11の左側の水平部14および左側の外側傾斜部15は、それらに対応する摩擦パッド6の左側の被支持部18に対して接することなく若干の隙間をあけて配設されており、また、パッドスプリング11の右側の傾斜部13bは、それに対応する摩擦パッド6の右側の被支持部18に対して接することなく、若干隙間をあけて形成されている。
以上のようにパッドスプリング11は摩擦パッド6を付勢して、摩擦パッド6の不要なガタつきを抑えている。
【0017】
また、前記係止部11Cは、前記アウター側およびインナー側パッド押圧部11A、11Bと共通する中央部12と、該中央部12から左右に起立する一対の起立部(固定爪)16,16からなっていて、中央部12の上面をボス部10A,10Bの合わせ部Zの下面に当接されるとともに、起立部16,16でボス部10A,10Bの合わせ部Zを左右から挟み込むようにセットされることで、キャリパ1内の所定位置に組み付けられるようになっている。
【0018】
そして、上記構成のパッドスプリング11は、タイボルト3,…によってアウター側キャリパ本体1Aとインナー側キャリパ本体1Bとが連結されてなるキャリパ1に対し、キャリパ1の下側からパッド組付用空間4に挿入され、係止部11Cをボス部10A,10Bの合わせ部Zに係合されることで組み付けられる。この組付状態において、パッドスプリング11は、左右一対の起立部16、16によってボス部10A,10Bの合わせ部Zを挟み込むことにより、ディスクロータ2の接線方向の位置が決定され、中央部12の上面をボス部10A,10Bの合わせ部Zの下面に当接されることにより、ディスクロータ2の径方向の位置が決定される。さらに、左右のパッド係合部17a,17bがパッドピン被支持部の上部18a,18bに係合された状態でキャリパ1内にセットされるときに、パッドスプリング11に生じる反力によって、該パッドスプリング11はキャリパ1に対し所定位置に固定される。
【0019】
また、前記ボス部10A,10Bの幅寸法について説明すると、図7、図8に示すように、アウター側キャリパ本体1Aのボス部10Aとインナー側キャリパ本体1Bのボス部10Bの合わせ部Zの幅寸法は、互いに異ならせている。具体的には、アウター側キャリパ本体1Aのボス部10Aの合わせ部の幅寸法Waは、インナー側キャリパ本体1Bのボス部10Bの合わせ部Zの幅寸法Wbよりも大きく設定されている。この寸法差は、キャリパ製造時に発生する寸法公差等の集積による、アウター側キャリパ本体1Aとインナー側キャリパ本体1Bとの相対寸法差よりも大きく設定している。
【0020】
次に、上記構成のディスクブレーキの作用について説明する。図示せぬブレーキレバーあるいはブレーキペダルが操作されて、シリンダ5,5にブレーキ液圧が導入されると、該シリンダ5,5に嵌挿されている図示せぬピストンの移動に伴い、摩擦パッド6,6がディスクロータ2の左右両側にそれぞれ押し付けられ、これにより、車両に制動力を付与する。
【0021】
ここで、前記キャリパ1の略中央に配置されるパッド組付用空間4を跨いだ位置で、タイボルト3によりアウター側とインナー側のそれぞれのキャリパ本体1A,1Bを連結しているので、キャリパ1自体、特にパッド組付用空間4近傍のの剛性は非常に高いものとなっている。このため、前記のようにキャリパ1内のシリンダ5,5にブレーキ液圧が作用し、パッド組付用空間4にたわみ変形が発生しようとする場合でも、そのたわみ変形を最小限に止めることができる。
【0022】
また、このことから、パッド組付用空間4が同程度の寸法のディスクブレーキどうしを比較した場合、従来のディスクブレーキに組み込まれているキャリパに対し、この実施の形態のキャリパ1では、大幅な剛性の向上が可能となる。さらに、パッド組付用空間4の寸法を広くとる場合でも、キャリパ1の剛性はさほど低下せず、摩擦パッド6の有効面積の拡大が容易に行える。
【0023】
また、パッドスプリング11は、一対のパッドピン19,19に支持させるのではなく、パッド組付用空間4を跨いだ位置に配置されるタイボルト3を囲繞するアウター側とインナー側のそれぞれのキャリパ本体のボス部10A、10Bの合わせ部Zに支持させているので、たとえ、パッドスプリング11が車両の振動と共振して異常振動を起こした場合でも、該パッドスプリング11に接していないパッドピン19にダメージを与える心配はない。
【0024】
また、この実施形態のパッドスプリング11は、前述したとおり、アウター側とインナー側のそれぞれのキャリパ本体1A,1Bのボス部10A、10Bの合わせ部Zに支持させているので、従来の一対のパッドピン19,19に支持されるものに比べて、折り曲げ部の少ないシンプルな構造になっており、その分、制作工数が少なく、寸法管理も容易になるのでコストダウンが図れる。
【0025】
また、上記パッドスプリング11は、アウター側パッド押圧部11Aとインナー側パッド押圧部11Bが、基本的に別個に設けられていておのおの独立して動くようになっているので、たとえ、アウター側の摩擦パッド6とインナー側の摩擦パッド6の形状が寸法公差内で変化しても、該パッドスプリング1のアウター側パッド押圧部11Aとインナー側パッド押圧部11Bの左右のパッド係合部17a、17bは、それぞれ対応するアウター側およびインナー側の摩擦パッド6,6の被係合部であるパッドピン被支持部の上部18a,18bにすみやかに係合することとなり、該パッドスプリング11による摩擦パッド6への付勢力は安定したものとなる。
【0026】
さらに、アウター側キャリパ本体1Aのボス部10Aとインナー側キャリパ本体1Bのボス部10Bの合わせ部Zの幅寸法を互いに異ならせているので、キャリパ加工時に生じる加工公差範囲内で前記両ボス部10A,10Bの合わせ部Zがずれる場合であっても、図9に示すように、パッドスプリングの係止部11Cは予め幅寸法を大きく設定した一方のボス部10Aにのみ係合されることとなり、その結果、当該パッドスプリング11を所望する姿勢で組み付けることができる。
【0027】
ちなみに、アウター側キャリパ本体1Aのボス部10Aとインナー側キャリパ本体1Bのボス部10Bの合わせ部Zの幅寸法を、意図的に異ならせない場合には、キャリパ加工時に生じる加工誤差が公差内におさまる場合でも、図10に示すように、パッドスプリングの係止部11Cは双方のボス部10A、10Bにまたがった形で係合され、結局、パッドスプリング11は傾斜した状態でキャリパ1に組み付けられることとなる。このため、パッドスプリング11が摩擦パッド6に付与する付勢力は不安定なものとなり、所望の性能が発揮できなくなるおそれが生じる。
【0028】
なお、上述した実施の形態はあくまで本発明の例示であり、必要に応じて適宜設計変更可能である。
例えば、前記実施の形態では、アウター側のキャリパ本体1Aとインナー側のキャリパ本体1Bのパッド組付用空間4を跨いだ位置には、該パッド組付用空間4の略中央位置に1本のタイボルト3を配置しているが、ここに配置するタイボルト3の数は必ずしも1本に限ることなく、例えば2本であってもよい。
また、前記実施の形態では、アウター側キャリパ本体1Aのボス部10Aとインナー側キャリパ本体1Bのボス部10Bの合わせ部Zの幅寸法を異ならせる場合、アウター側キャリパ本体1Aのボス部10Aの合わせ部の幅寸法Waを、インナー側キャリパ本体1Bのボス部10Bの合わせ部Zの幅寸法Wbよりも大きく設定しているが、これとは逆に、アウター側キャリパ本体1Aのボス部10Aの合わせ部の幅寸法Waを、インナー側キャリパ本体1Bのボス部10Bの合わせ部Zの幅寸法Wbよりも小さく設定してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得られる。
(イ) キャリパに、該キャリパの略中央で該キャリパをディスクロータの径方向に貫通して該径方向外方側に開口部位を有するパッド組付用空間と、該パッド組付用空間を跨いだ位置に配置されてキャリパに一体に形成されたボス部とを設けているので、パッド面積を拡大する等の目的で、キャリパのパッド組付用空間を広くして対応しても、キャリパの剛性を高く保つことができ、したがって、実車でのブレーキ操作(例えばレバー)フィーリングの悪化並びに引き摺りの増加、さらにはパッドの偏摩耗の発生を押えることができる。
(ロ) キャリパに一体に形成されたボス部にパッドスプリングを支持しているので、車両の振動により摩擦パッドが共振し、さらにパッドスプリングが共振した場合でも、パッドスプリングによってパッドピンが叩かれ摩滅してしまうおそれがなく、一対のパッドピンでパッドスプリングを支持するタイプのディスクブレーキに比べてパッドピンの交換頻度が減少する。
(ハ) 使用するパッドスプリングが、従来の一対のパッドピンに吊持されるものに比べて簡単な構造になり、したがって、製作工数が少なくなりまた寸法管理も容易になるため、コストダウンが図れる。
(ニ) さらに、アウター側とインナー側のボス部の幅寸法を異ならせると、キャリパの加工の際、生じる加工公差によるずれを吸収することができ、もって、パッドスプリングの姿勢を安定させてキャリパに組み込むことができ、もって、摩擦パッドに安定した付勢力を与えて、所望どおり、摩擦パッドのガタつきを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示すディスクブレーキの平面図である。
【図2】 本発明の実施の形態を示すディスクブレーキの正面図である。
【図3】 同ディスクブレーキの分解図である。
【図4】 図1のIV-IV矢視図である。
【図5】 パッドスプリングの平面図である。
【図6】 パッドスプリングの正面図である。
【図7】 インナー側キャリパ本体の平面図である。
【図8】 アウター側キャリパ本体の平面図である。
【図9】 上記ディスクブレーキの作用を示す平面図である。
【図10】 上記ディスクブレーキとの比較を示す平面図である。
【符号の説明】
1 キャリパ
1A アウター側キャリパ本体 1B インナー側キャリパ本体
2 ディスクロータ 3 タイボルト
4 パッド組付用空間 5 シリンダ
6 摩擦パッド 10A、10B ボス部(タイボルトを囲繞するアウター側(インナー側)のキャリパ本体部分)
11 パッドスプリング 11A アウター側パッド押圧部
11B インナー側パッド押圧部 11C 係止部
16 固定爪 17a,17b パッド係合部
18a,18b パッドピン被支持部の上部
19 パッドピン
Z タイボルトを囲繞するアウター側(インナー側)のキャリパ本体部分の合わせ部
Claims (1)
- ディスクロータを挟んでアウター側とインナー側との対向する位置にシリンダをそれぞれ設け、該各シリンダに嵌挿したピストンによって摩擦パッドを前記ディスクロータに押圧する対向ピストン型のキャリパを有するとともに、該キャリパにパッドピンにより吊下された前記摩擦パッドのガタ付きを防止するパッドスプリングが設けられたディスクブレーキにおいて、
前記キャリパには、該キャリパの略中央で該キャリパをディスクロータの径方向に貫通して該径方向外方側に開口部位を有するパッド組付用空間と、該パッド組付用空間を跨いだ位置に配置されて前記キャリパに一体に形成されたボス部とが設けられ、
前記パッドスプリングは、前記ボス部を挟み込む一対の固定爪を有して前記ボス部に支持され、該ボス部の側方の前記パッド組付用空間内における径方向外方側の前記開口部位に位置するパッド係合部で前記摩擦パッドを押圧し、
前記キャリパは、アウター側のキャリパ本体とインナー側のキャリパ本体とに分かれてそれぞれ前記ボス部を有して構成され、該アウター側本体とインナー側本体とのボス部の幅寸法を異ならせ、前記一対の固定爪がボス部のいずれか一方に支持されることを特徴とするディスクブレーキ。
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