JP4037330B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の制動用に用いられるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等の制動用に用いられるディスクブレーキに関するものとして、キャリパ本体の略中央に設けられたパッド組付用空間をロータ軸線方向に跨ぐようにキャリパ本体に連結部を形成することでキャリパ本体の剛性向上を図ったものがある。そして、このディスクブレーキにおいては、ブレーキパッドを付勢するためのパッドスプリングが、一対の爪部で上記の連結部を挟持することによってキャリパ本体に取り付けられるようになっており、その構造が簡素化されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−254768号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したディスクブレーキのパッドスプリングは、制動時の異音発生防止を主目的としてブレーキパッドを制動時の移動方向であるロータ回出方向に予め移動させた状態に維持するものであるため、逆向きに取り付けると、ブレーキパッドをロータ回入方向に付勢してしまうことになり、制動時に異音が発生する可能性がある。
【0005】
したがって、本発明は、パッドスプリングを常に適正な向きに取り付けることができるディスクブレーキの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ディスクロータを跨いで配置されるとともに略中央にロータ半径方向に開口するパッド組付用空間が設けられ該パッド組付用空間をロータ軸線方向に跨いで連結部が設けられてなるキャリパ本体と、前記ディスクロータに対向配置されるブレーキパッドと、互いに対向する一対の爪部によって前記連結部を挟持することで前記キャリパ本体に取り付けられ、前記ブレーキパッドをロータ回出方向に付勢するパッドスプリングとを有するディスクブレーキにおいて、前記連結部のロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなしており、前記一対の爪部は、前記パッドスプリングが前記ブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する向きで取り付けられるときに前記連結部に合致する非対称な形状をなしていることを特徴としている。
【0007】
これにより、キャリパ本体の連結部をパッドスプリングの一対の爪部で挟持するようにしてパッドスプリングをキャリパ本体に取り付けると、パッドスプリングがブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する向きで取り付けられるときに、ロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなす連結部に対し非対称な形状をなす一対の爪部が合致する一方、パッドスプリングが逆向きで取り付けられるときに、ロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなす連結部に対し非対称な形状をなす一対の爪部が合致しないことになる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記連結部は、ロータ回入側とロータ回出側とがそれぞれ非対称な幅の凹部を有するとともにロータ回出側の前記凹部がロータ回入側の前記凹部よりも幅広に形成されており、前記一対の爪部は、ロータ回出側の前記爪部がロータ回入側の前記爪部よりも幅広に形成されていることを特徴としている。
【0009】
このように、パッドスプリングは爪部のうち反力を受けるロータ回出側の爪部がロータ回入側の爪部よりも幅広に形成されているため、ロータ回出側の爪部の幅を広くすることで反力に抗する剛性を効率的に高めることができるとともにロータ回入側の爪部の幅を狭くすることで軽量化を図れる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記キャリパ本体は、ロータ軸線方向に分割された一対のキャリパ分割体を連結してなり、一方の前記キャリパ分割体の前記連結部の一側を構成するボス部はロータ回入側とロータ回出側とが対称な形状をなしており、他方の前記キャリパ分割体の前記連結部の他側を構成するボス部はロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなしていることを特徴としている。
【0011】
このように、一方のキャリパ分割体の連結部の一側を構成するボス部は、ロータ回入側とロータ回出側とが対称な形状をなしているため、左右いずれの取り付けに対しても、この一方のキャリパ分割体は共用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態のディスクブレーキを図1〜図7を参照して説明する。第1実施形態のディスクブレーキは自動二輪車用であり、図1〜図3において符号11はディスクブレーキのキャリパを示している。このキャリパ11は、図2および図3に示すようにディスクロータ12を跨いで配置されるキャリパ本体13と、ディスクロータ12の両面に対向するようにキャリパ本体13に設けられる図2に示すピストン14,15とを有する対向ピストン型のキャリパである。なお、説明中、ディスクロータ12の半径方向をロータ半径方向と称し、ディスクロータ12の軸線方向をロータ軸線方向と称し、ディスクロータ12の回転方向をロータ回転方向と称す。なお、各図において矢印Rは車両前進制動時におけるディスクロータ12の回転方向を示しており、この回転方向におけるディスクロータ12の出口側をロータ回出側と称し、同回転方向におけるディスクロータ12の入口側をロータ回入側と称す。また、図2は、ディスクブレーキのキャリパ11のインナ側を示すものであるが、説明の都合上、キャリパ11のアウタ側に係る部材の図示を省略している。
【0013】
キャリパ本体13は、図3に示すように、ディスクロータ12を挟んでアウタ側(車輪に対し反対側)とインナ側(車輪側)とにロータ軸線方向において分割されたキャリパ分割体13A,13Bを有しており、これらキャリパ分割体13A,13Bは、ロータ回出側(図3における左側)にて互いに近接する方向に迫り出す迫出部16A,16Bを当接させるとともに、ロータ回転方向における略中央位置にて互いに近接するように迫り出すように形成されたボス部17A,17Bを当接させ、さらにロータ回入側(図3における右側)にて互いに近接する方向に迫り出す迫出部18A,18Bを当接させた状態で複数のタイボルト20によって互いに連結されている。
【0014】
つまり、アウタ側のキャリパ分割体13Aおよびインナ側のキャリパ分割体13Bは、ロータ回転方向における中間位置で互いに当接するボス部17A,17B同士がロータ軸線方向に沿うタイボルト20により連結され、また、ボス部17A,17Bよりもロータ回出側で互いに当接する迫出部16A,16B同士がロータ軸線方向に沿うタイボルト20により連結され、さらに、ボス部17A,17Bよりもロータ回入側で互いに当接する迫出部18A,18B同士がロータ軸線方向に沿うタイボルト20により連結されている。
【0015】
このように連結された状態のキャリパ本体13は、ロータ軸線方向およびロータ回転方向の略中央にロータ半径方向に開口するパッド組付用空間22を有することになり、このパッド組付用空間22をロータ軸線方向に跨ぐようにボス部17A,17Bで構成される連結部17が架設されている。
【0016】
そして、第1実施形態において、ボス部17A,17Bで構成される連結部17には、そのロータ回出側にロータ回入側に向けて凹む凹部24が形成されるとともに、そのロータ回入側にロータ回出側に向けて凹む凹部25が形成されており、これら凹部24と凹部25とが、ボス部17A,17B同士の合わせ面26のロータ回転方向における中点位置を中心として非対称な形状をなしている。具体的には、これら凹部24,25のロータ軸線方向の幅(以下凹幅と称す)が非対称となっており、ロータ回出側の凹部24の凹幅がロータ回入側の凹部25の凹幅よりも幅広に形成されている。
【0017】
ここで、アウタ側のキャリパ分割体13Aのボス部17Aのロータ回出側に形成されて凹部24の一部を構成する段部24Aの合わせ面26からのロータ軸線方向の長さ(以下段長さと称す)L1と、インナ側のキャリパ分割体13Bのボス部17Bのロータ回出側に形成されて凹部24の一部を構成する段部24Bの段長さL2と、アウタ側のキャリパ分割体13Aのボス部17Aのロータ回入側に形成されて凹部25の一部を形成する段部25Aの段長さL3と、インナ側のキャリパ分割体13Bのボス部17Bのロータ回入側に形成されて凹部25の一部を形成する段部25Bの段長さL4との関係は、以下のようになっている。
【0018】
L1+L2>L3+L4
L1>L2
L3>L4
以上により、L1>L4
【0019】
また、アウタ側のキャリパ分割体13Aのボス部17Aの段部24A,25A間の幅(以下ボス幅と称す)W1は、インナ側のキャリパ分割体13Bのボス部17Bの段部24B,25B間のボス幅W2よりも大きく設定されている。これらボス幅W1,W2の差は、キャリパ製造時に発生する寸法公差等の集積による、キャリパ分割体13Aとキャリパ分割体13Bとの相対寸法差よりも大きく設定されている。
【0020】
キャリパ本体13には、連結部17のロータ回転方向における両側に、それぞれパッドピン28,29がロータ軸線方向に沿ってパッド組付用空間22を跨ぐように設けられている。
【0021】
アウタ側のキャリパ分割体13Aとインナ側のキャリパ分割体13Bのそれぞれの互いに対向する位置には、ロータ軸線方向に平行な中心軸線を有する図2に示すシリンダボア30,31がロータ回転方向に複数具体的には二つずつ設けられ、これらシリンダボア30,31にはそれぞれピストン14,15が嵌挿されている。
【0022】
そして、キャリパ本体13の両パッドピン28,29には、一対のブレーキパッド35A,35Bが、それぞれに二カ所ずつ設けられた被支持部36,37に形成されたピン穴38,39にパッドピン28,29を挿通させることで支持されている。これらブレーキパッド35A,35Bは、ディスクロータ12の軸線方向における両側にそれぞれ配置されることになり、キャリパ本体13に設けられたピストン14,15でそれぞれディスクロータ12に押し付けられ、これにより、車両に制動力を発生させるようになっている。
【0023】
また、このときの制動トルクは、ブレーキパッド35A,35Bをロータ回入側からロータ回出側へ移動させる力として作用し、その力は、キャリパ本体13のブレーキパッド35A,35Bが当接するロータ回出側の迫出部16A,16Bおよびこれよりもロータ半径方向内側に形成された図2においてインナ側のみ示すトルク受部41からキャリパ本体11自体に伝わり、さらに、キャリパ11を介して車体側で受け止められる。ここで、ブレーキパッド35A,35Bは、被支持部36,37が形成された裏金42とこの裏金42のディスクロータ12側にロータ回転方向に分離して取り付けられたライニング43とから構成されている。
【0024】
そして、ボス部17A,17Bからなる連結部17に、図2および図3に示すように、ブレーキパッド35A,35Bのガタ付きを防止するパッドスプリング45が組み付けられている。
【0025】
パッドスプリング45は、図4および図5に示すように、アウタ側のブレーキパッド35Aを押圧するパッド押圧部45Aと、インナ側のブレーキパッド35Bを押圧するパッド押圧部45Bと、これら両パッド押圧部45A,45B間に設けられて、当該パッドスプリング45をキャリパ本体13のボス部17A,17Bからなる連結部17に組み付ける挟持部45Cとを備えるものであって、バネ板を切断並びに折り曲げ加工することによって形成されるものである。
【0026】
パッド押圧部45A,45Bは、中央部分が挟持部45Cを介して互いにつながっているものの、それぞれ独立にブレーキパッド45A,45Bを押圧するように設けられていて、各々独立して動き得るようになっている。
【0027】
パッド押圧部45A,45Bは、互いにロータ軸線方向において鏡面対称形状に形成されており、しかもそれぞれがロータ回転方向に非対称に形成されている。
【0028】
具体的に、パッド押圧部45A,45Bは、それぞれ、挟持部45Cにつながる中央部47、この中央部47からロータ半径方向外側へ斜めにそれぞれ所定の傾斜角をもって折れ曲がる傾斜部48,49、傾斜部48の中央部47に対し反対側から中央部47に平行になるようにロータ半径方向内側へ折れ曲がる中間部50、傾斜部49の中央部47に対し反対側から中央部47に平行になるようにロータ半径方向内側へ折れ曲がる中間部51、中間部50の傾斜部48に対し反対側からロータ半径方向内側へ斜めに所定の傾斜角をもって折れ曲がる外側傾斜部52、および中間部51の傾斜部49に対し反対側からロータ半径方向内側へ斜めに所定の傾斜角をもって折れ曲がる外側傾斜部53を有する。そして、図4および図5における左側つまりロータ回出側の傾斜部48は、ロータ回入側の傾斜部49よりも延出長さが長く設定され、その結果、ロータ回出側の中間部50の中央部47からの高さがロータ回入側の中間部51の中央部47からの高さよりも高くなるように設定されている。
【0029】
そして、図2においてインナ側のみを示すが、パッド押圧部45A,45Bは、それぞれ、図2における左側つまりロータ回出側の傾斜部48の上部が、組付時において同傾斜部48に対向するブレーキパッド35A,35Bのロータ回出側の被支持部36のロータ半径方向外側かつロータ回入側の角部に形成された面取部36aに当接しこれを押圧して、この面取部36aをロータ半径方向内方およびロータ回出方向に押し付ける付勢力F1を発生させる。これにより、両ブレーキパッド35A,35Bは、それぞれ、ロータ回出側の被支持部36のピン穴38のロータ半径方向外側かつロータ回入側においてパッドピン28に押し付けられるとともに裏金42のロータ回出側の端面42aがキャリパ本体13のロータ回出側のトルク受部41に押し付けられる。
【0030】
また、図2においてインナ側のみを示すが、パッド押圧部45A,45Bは、それぞれ、図2における右側つまりロータ回入側の中間部51が、組付時において同中間部51に対向するブレーキパッド35A,35Bのロータ回入側の被支持部37の半径方向外側の端面37bに当接しこれを押圧して、この端面37bをロータ半径方向内方に押し付ける付勢力F2を発生させる。これにより、両ブレーキパッド35A,35Bは、それぞれ、ロータ回入側の被支持部37のピン穴39のロータ半径方向外側においてパッドピン29にロータ半径方向内方側に向け押し付けられる。
【0031】
逆に、パッドスプリング45は、連結部17に当接するロータ回出側の爪部56においてロータ回出側からロータ回入側への反力F3を受けることになり、連結部17に当接する中央部47においてロータ半径方向外方へ向けた反力F4を受けることになる。
【0032】
なお、図2においてインナ側のみを示すが、この組付状態において、パッドスプリング45のパッド押圧部45A,45Bは、それぞれのロータ回出側の中間部50およびロータ回出側の外側傾斜部52が、これらに対応するブレーキパッド35A,35Bのロータ回出側の被支持部36に対して接することなく若干の隙間をあけるように配設され、また、パッドスプリング45のパッド押圧部45A,45Bのロータ回入側の傾斜部49および外側傾斜部53は、これらに対応するブレーキパッド35A,35Bのロータ回入側の被支持部37に対して接することなく、若干隙間をあけるように配設される。
【0033】
挟持部45Cは、パッド押圧部45A,45Bと共通する中央部47と、この中央部47から相反する方向にそれぞれ延出したのちロータ半径方向外側に起立する一対の爪部56,57とを有しており、中央部47のロータ半径方向外側において連結部17のロータ半径方向内側に当接するとともに、爪部56,57で連結部17をロータ回入側およびロータ回出側から挟み込むようにセットされることで、キャリパ本体13内の所定位置に組み付けられるようになっている。
【0034】
ここで、第1実施形態において、上記したようにキャリパ本体13の連結部17のロータ回出側の凹部24とロータ回入側の凹部25とが非対称な形状をなしていることに合わせて、連結部17を挟持するパッドスプリング45の挟持部45Cもロータ回出側の爪部56とロータ回入側の爪部57とが非対称な形状をなしている。具体的には、各凹部24,25に入り込む各爪部56,57がロータ軸線方向における幅(以下爪幅と称す)を非対称としており、ロータ回出側の爪部56の爪幅がロータ回入側の爪部57の爪幅よりも幅広に形成されている。また、爪幅の狭い爪部57は爪幅の広い爪部56とでボス幅の広いアウタ側のボス部17Aを挟持するようにディスクロータ12の軸線方向における中央位置に対してアウタ側にオフセットされている。
【0035】
そして、上記のように、アウタ側のボス部17Aのロータ回出側に形成された段部24Aの段長さL1と、インナ側のボス部17Bのロータ回入側に形成された段部25Bの段長さL4との関係がL1>L4となっていることに合わせて、パッドスプリング45は、図6に示す正常な向きではロータ回出側の幅広の爪部56が段部24Aの段長さL1の範囲に収まる一方、反転したときにこの爪部56が図7に示すようにロータ回入側の段部25Bの段長さL4の範囲に収まることができないように設定されている。このようにして、パッドスプリング45の反転誤組み付けを防止するようになっている。
【0036】
なお、例えば、アウタ側のボス部17Aのボス幅W1が、インナ側のボス部17Bのボス幅W2よりも小さく設定されている場合に、爪幅の狭い爪部57は爪幅の広い爪部56とでボス幅の広いインナ側のボス部17Bを挟持するようにディスクロータ12の軸線方向における中央位置に対してインナ側にオフセットされることになるが、この場合、上記したL1〜L4の関係を、以下のように設定すれば良い。
【0037】
L1+L2>L3+L4
L1<L2
L3<L4
【0038】
また、これらに限らず、パッドスプリング45の誤組み付けを防止するためには、少なくとも連結部17がそのロータ回入側とロータ回出側とを非対称な形状としていれば良い。例えば、ロータ回出側の凹部24の凹幅をロータ回入側の凹部25の凹幅よりも大きく設定し、正常取付時にロータ回出側となって凹部24に入り込む爪部56の爪幅自体をロータ回入側の凹部25の凹幅よりも大きく設定する等しても良い。
【0039】
以上に述べた第1実施形態のディスクブレーキによれば、キャリパ本体13の連結部17をパッドスプリング45の挟持部45Cの一対の爪部56,57で挟持するようにしてパッドスプリング45をキャリパ本体13に取り付けると、パッドスプリング45がパッド押圧部45A,45Bでブレーキパッド35A,35Bをロータ回出方向に付勢する向きで取り付けられるときに、ロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなす連結部17に対し非対称な形状をなす一対の爪部56,57が合致する一方、パッドスプリング45が逆向きで取り付けられるときに、ロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなす連結部17に対し非対称な形状をなす一対の爪部56,57が合致しないことになる。したがって、パッドスプリング45の誤組み付けを防止しパッドスプリング45を常に適正な向きに取り付けることができる。しかも、キャリパ本体13の略中央にロータ半径方向に開口するように設けられたパッド組付用空間22をロータ軸線方向に跨ぐ連結部17と、この連結部17を挟持する一対の爪部56,57とが非対称形状とされているため、パッド組付用空間22を介して目視による合致の確認が容易かつ確実にできる。
【0040】
また、パッドスプリング45は、図2においてインナ側のみを示すが、パッド押圧部45A,45Bにより、ロータ回出側の傾斜部48でブレーキパッド35A,35Bのロータ回出側の被支持部36をロータ半径方向内方およびロータ回出方向に押し付ける付勢力F1を発生させるとともに、ロータ回入側の中間部51でブレーキパッド35A,35Bのロータ回入側の被支持部37をロータ半径方向内方に押し付ける付勢力F2を発生させる。またこれによって、パッドスプリング45は、ロータ回出側の爪部56においてロータ回出側からロータ回入側への反力F3を受けることになり、中央部47においてロータ半径方向外方へ向けた反力F4を受けることになる。そして、爪部56,57のうち、このように反力を受けるロータ回出側の爪部56がロータ回入側の爪部57よりも幅広に形成されているため、ロータ回出側の爪部56の幅を広くすることで反力に抗する剛性を効率的に高めることができるとともにロータ回入側の爪部57の幅を狭くすることで軽量化を図れる。したがって、パッドスプリング45によるブレーキパッド35A,35Bのロータ回出側への付勢力を良好に確保した上で軽量化を図ることができる。
【0041】
本発明の第2実施形態のディスクブレーキを主に図8を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0042】
第1実施形態のディスクブレーキは、パッドスプリング45の爪幅の狭い爪部57がロータ軸線方向における一側具体的にはアウタ側にオフセットされており、これに合わせてこの爪部57が嵌合する連結部17の凹部25もロータ軸線方向における一側具体的にはアウタ側にオフセットされていて、インナ側のキャリパ分割体13Bは、段部25Bの段長さL4を段部24Bの段長さL2よりも短くせざるを得ないが、第2実施形態のディスクブレーキは、図8に示すように、パッドスプリング45の爪部56,57がロータ軸線方向における一側にオフセットされておらず、キャリパ分割体13A,13B間の合わせ面26に位置を合わせている。また、前記段長さL1〜L4の関係は以下の様になっている。
L1=L2=L4>L3
このように、インナ側のキャリパ分割体13Bの段部25Bの段長さL4と段部24Bの段長さL2とを同じに設定することになる。
【0043】
このように設定することで、一方であるインナ側のキャリパ分割体13Bの連結部17の一側を構成するボス部17Bは、ロータ回入側とロータ回出側とが対称な形状をなすことになる。このため、車輪に対し、左右いずれの取り付けに対しても、このインナ側のキャリパ分割体13Bは共用できることになる。したがって、コストを低減することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に係る発明によれば、キャリパ本体の連結部をパッドスプリングの一対の爪部で挟持するようにしてパッドスプリングをキャリパ本体に取り付けると、パッドスプリングがブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する向きで取り付けられるときに、ロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなす連結部に対し非対称な形状をなす一対の爪部が合致する一方、パッドスプリングが逆向きで取り付けられるときに、ロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなす連結部に対し非対称な形状をなす一対の爪部が合致しないことになる。したがって、パッドスプリングの誤組み付けを防止しパッドスプリングを常に適正な向きに取り付けることができる。しかも、キャリパ本体の略中央にロータ半径方向に開口するように設けられたパッド組付用空間をロータ軸線方向に跨ぐ連結部と、この連結部を挟持する一対の爪部とが非対称形状とされているため、パッド組付用空間を介して目視による合致の確認が容易かつ確実にできる。
【0045】
請求項2に係る発明によれば、パッドスプリングは爪部のうち反力を受けるロータ回出側の爪部がロータ回入側の爪部よりも幅広に形成されているため、ロータ回出側の爪部の幅を広くすることで反力に抗する剛性を効率的に高めることができるとともにロータ回入側の爪部の幅を狭くすることで軽量化を図れる。したがって、パッドスプリングによるブレーキパッドのロータ回出側への付勢力を良好に確保した上で軽量化を図ることができる。
【0046】
請求項3に係る発明によれば、一方のキャリパ分割体の連結部の一側を構成するボス部は、ロータ回入側とロータ回出側とが対称な形状をなしているため、左右いずれの取り付けに対しても、この一方のキャリパ分割体は共用できる。したがって、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキを示すアウタ側から見た側面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキをアウタ側の構成を除いてアウタ側から見た側面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキに用いられるパッドスプリングを示すアウタ側から見た側面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキに用いられるパッドスプリングを示す平面図である。
【図6】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキにおけるパッドスプリングの適正な取付状態を示す部分拡大平面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキにおけるパッドスプリングの不適正な取付状態を示す部分拡大平面図である。
【図8】 本発明の第2実施形態のディスクブレーキが車両の左右両側に配置された状態を示す平面図である。
【符号の説明】
12 ディスクロータ
13 キャリパ本体
13A,13B キャリパ分割体
17 連結部
17A,17B ボス部
22 パッド組付用空間
24,25 凹部
35A,35B ブレーキパッド
45 パッドスプリング
56,57 爪部
Claims (3)
- ディスクロータを跨いで配置されるとともに略中央にロータ半径方向に開口するパッド組付用空間が設けられ該パッド組付用空間をロータ軸線方向に跨いで連結部が設けられてなるキャリパ本体と、
前記ディスクロータに対向配置されるブレーキパッドと、
互いに対向する一対の爪部によって前記連結部を挟持することで前記キャリパ本体に取り付けられ、前記ブレーキパッドをロータ回出方向に付勢するパッドスプリングとを有するディスクブレーキにおいて、
前記連結部のロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなしており、前記一対の爪部は、前記パッドスプリングが前記ブレーキパッドをロータ回出方向に付勢する向きで取り付けられるときに前記連結部に合致する非対称な形状をなしていることを特徴とするディスクブレーキ。 - 前記連結部は、ロータ回入側とロータ回出側とがそれぞれ非対称な幅の凹部を有するとともにロータ回出側の前記凹部がロータ回入側の前記凹部よりも幅広に形成されており、
前記一対の爪部は、ロータ回出側の前記爪部がロータ回入側の前記爪部よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。 - 前記キャリパ本体は、ロータ軸線方向に分割された一対のキャリパ分割体を連結してなり、一方の前記キャリパ分割体の前記連結部の一側を構成するボス部はロータ回入側とロータ回出側とが対称な形状をなしており、他方の前記キャリパ分割体の前記連結部の他側を構成するボス部はロータ回入側とロータ回出側とが非対称な形状をなしていることを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ。
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