JP4930785B2 - 磁気隠蔽カードとその製造方法 - Google Patents
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Description
また、磁気テープを隠蔽する隠蔽層や絵柄印刷は、表裏オーバーシートとコアシートを仮積みし熱圧プレス成形して一体にしてから、表側のオーバーシート面に直刷りするか、または転写印刷するのが従来の製造方法である。
熱圧プレス後に、表面オーバーシート23面に転写フィルム30を転写して絵付けがされる。転写フィルム30には、転写基材フィルム29に磁気隠蔽層25および/または印刷絵柄26、アンカー層27、剥離層28が施されている。アンカー層27はカード側に転写されて保護層の役割をする。このように転写フィルム30を載置して、低温条件で印刷層をプレスして転写する方法が採用されている。すなわち、カードの完成までには、一般に2回のプレス工程(仮貼り)が必要である。
本願に特に関連する先行技術は検出できないが、特許文献1には、単層コアシートの両面に接着性メジュウムインキを使用して、透明オーバーシートを積層した構成の磁気カードが記載されている。しかし、層構成は単層コアシートを中心層として表裏対称にされていて本願とは相違している。特許文献2は、絵柄層転写面に微細凹凸形状を設けることを記載しているが、カードの層構成は本願と相違し、微細凹凸の範囲も相違している。
(2)の工程で準備した裏面側オーバーシートを磁気記録層が外面になるように重ね、表側に前記(3)、(4)の工程で準備した表面側オーバーシートをオーバープリント印刷が最外面になるように重ねる工程、(6)表面側オーバーシートと白色コア層、裏面側オーバーシートの3層を仮貼りしてから、熱圧プレスして一体にする工程、を有することを特徴とする磁気隠蔽カードの製造方法、にある。
従来、2層のコア層を使用する場合は、前記のように、まず、2層のコア層と表裏のオーバーシート間の仮貼り工程(熱プレス工程)を経てから、最終的な絵付けプレスを行うため、2工程の熱プレスが必要であったが、白色コア層を1層にしたため、熱プレス工程を1回に減らすことができる。すなわち、エネルギーの節減が図れる。
プレス前のオーバーシートの状態で、隠蔽印刷、絵柄印刷が可能のため既存の汎用印刷機で印刷できる。従来の転写絵付け方式に比較して転写フィルム基材を節減できる。
図1は、本発明の磁気隠蔽カードの断面図、図2は、磁気隠蔽カードの製造工程を説明する図、図3は、マットロール加工後の磁気記録層の表面粗さを測定したチャート、図4は、表面加工を鏡面の金属ロールで行った場合の同チャート、である。
まず、コアシート11に裏面絵柄印刷を行う。この絵柄印刷はカードの裏面、すなわちカードが完成した際に透明オーバーシート13側から視認可能となる印刷のことである。通常は、磁気隠蔽カード1の使用上の注意事項等が印刷されることが多い。また、この印刷と同時に、多面付け状態から個々のカードに化粧断ちする際や位置合わせする際の目安となる断裁マーク(トンボ)も同時に印刷することが多い。このマークは透明オーバーシート12側から見えるように印刷するが、化粧裁ちした後は製品状態のカードには残らないようにする。裏面側オーバーシート13にも必要により磁気記録層5の転写を行ってよい。
磁気記録層5を転写済みの透明オーバーシート12の隠蔽印刷7を設けた面側の全面に、マットロール加工を行う。具体的には、表面に微細凹凸形状が形成された金属ロール(プレスロール)を使用し、当該金属ロールと圧ロールの間を透明オーバーシート12を熱圧をかけながら通過させて、透明オーバーシート12の全面と磁気記録層5の面に、当該金属ロールの微細凹凸形状を転写することを行う。金属ロールは、表面が銅や鋼鉄からなり、その金属面をサンドブラスト等の加工により微細な凹凸形状を付与したものを使用する。金属ロールの最表面は、通常クロムめっきがされていて、耐久性を高めた状態にされている。
その後、文字エンボス加工やサインパネルの貼着、磁気エンコード等を行うが、それらの工程は通常の磁気カードの製造方法と異なることはない。
通常の加工では、表面加工を鏡面の金属ロールで行うので、磁気記録層表面を粗さ計で走査すると、図4のようなチャートを示す。横軸に沿う矢印は磁気記録層5の存在域を示すが、その両端部で顕著に落ち込み部(陥没した線)を示している。これは、磁気記録層5とオーバーシート12の境界部分には、目視不可能な程度の微細の落ち込み部があることを示唆していて、これに起因して印刷スジが発生するものと考えられる。
なお、図3のチャート、および粗さ測定値は、前記「サーフコム480」を用いた測定によるものである。以下の各測定条件も同一である。
オーバーシート12の磁気記録層5側に、隠蔽シルク印刷、オフセット絵柄印刷、オーバープリント印刷を順に印刷した。次に、柔軟温度80°C、厚み400μmの白色塩化ビニルシートをコアシート11とし、柔軟温度73°C、厚み50μmの透明塩化ビニールシートを裏面オーバーシート13とし、図1のように仮貼り積層した後、155°C、25kg/cm2、10分の条件でプレスし、JISX8301規格サイズに打ち抜き磁気隠蔽カード1を完成した。なお、カードの全体厚みは、800μmとなった。
オーバーシート12の磁気記録層5側に、隠蔽シルク印刷、オフセット絵柄印刷、オーバープリント印刷を順に印刷した。次に、柔軟温度80°C、厚み400μmの白色塩化ビニルシートをコアシート11とし、柔軟温度73°C、厚み100μmの透明塩化ビニールシートを裏面オーバーシート13とし、図1のように仮貼り積層した後、155°C、25kg/cm2、10分の条件でプレスし、JISX8301規格サイズに打ち抜き磁気隠蔽カード1を完成した。なお、カードの全体厚みは、800μmとなった。
柔軟温度73°C、厚み350μmの透明塩化ビニルシートをオーバーシート12に使用した以外は、実施例1と同一の条件で磁気隠蔽カード1を製造した。マットロール加工も実施例1と同一の金属ローラを使用した。表面加工後の断面形状の粗さは、Ra=1.14μm、Rmax=31.3μm、Rz=16.0μmとなった。
隠蔽シルク印刷、オフセット絵柄印刷、オーバープリント印刷、およびプレス加工も実施例1と同一にして行い、JISX8301規格サイズに打ち抜き磁気隠蔽カード1を完成した。なお、カードの全体厚みは、800μmとなった。
5 磁気記録層
6 印刷
7 隠蔽印刷
8 絵柄印刷
9 オーバープリント
11 白色コア層
12 透明オーバーシート
13 透明オーバーシート
Claims (2)
- 単層の白色コア層を中心層基材とし、その白色コア層のカードの表面側となる面に前記白色コア層の厚みの70%から88%の厚みの透明オーバーシートを積層し、白色コア層の他方の面に前記白色コア層の厚みの12%から20%の厚みの透明オーバーシートを積層し、少なくとも表面側オーバーシートの外面に磁気記録層を転写した磁気カードにおいて、表面側オーバーシートと前記転写した磁気記録層の表面には、JISB0601(1994)の3.1で規定する算術平均粗さ;Raが、0.80μm〜1.50μmの範囲の微細凹凸形状が形成され、当該微細凹凸形状からなる面に、磁気記録層を隠蔽する隠蔽印刷と絵柄印刷を順に設け、さらに最表面の全体にシルクスクリーン印刷によるオーバープリントが設けられていることを特徴とする磁気隠蔽カード。
- 単層の白色コア層を中心層基材とし、その両面に透明オーバーシートを積層した磁気隠蔽カードの製造方法において、
(1)白色コア層の厚みの70%から88%の厚みの透明オーバーシートのカードの表面側となる面に磁気記録層を転写する工程、
(2)白色コア層の厚みの12%から20%の厚みの透明オーバーシートのカードの裏面側となる面に必要により磁気記録層を転写する工程、
(3)表面側オーバーシートの磁気記録層を含む全面に、JISB0601(1994)の3.1で規定する算術平均粗さ;Raが、0.80μm〜1.50μmの範囲の微細凹凸形状を付与する金属ロールによるマットロール加工を行う工程、
(4)表面側オーバーシートの当該微細凹凸形状を付与した加工面に隠蔽印刷と絵柄印刷、およびシルクスクリーン印刷によるオーバープリント印刷を順に行う工程、
(5)白色コア層を中心層として、その裏側に前記(2)の工程で準備した裏面側オーバーシートを磁気記録層が外面になるように重ね、表側に前記(3)、(4)の工程で準備した表面側オーバーシートをオーバープリント印刷が最外面になるように重ねる工程、
(6)表面側オーバーシートと白色コア層、裏面側オーバーシートの3層を仮貼りしてから、熱圧プレスして一体にする工程、
を有することを特徴とする磁気隠蔽カードの製造方法。
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