JP2004167765A - カード及びその絵付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】間接昇華転写法による絵柄転写するカードにおいて、絵柄の欠けや尾引きの無いカードやその絵付け方法を提供する。
【解決手段】本発明のカード1は、表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜14からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状2が形成されていることを特徴とする。
微細凹凸形状2は、微細ヘアラインやレリーフ型ホログラム、回折格子パターンであっても良い。本発明の絵付け方法は、これらのパターンの形成されたプレス板等を使用した白紙カードに絵付けする特徴がある。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のカード1は、表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜14からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状2が形成されていることを特徴とする。
微細凹凸形状2は、微細ヘアラインやレリーフ型ホログラム、回折格子パターンであっても良い。本発明の絵付け方法は、これらのパターンの形成されたプレス板等を使用した白紙カードに絵付けする特徴がある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面に磁気テープ等の非転写部を有する一般カードに昇華熱転写型プリンタにて転写絵付けをしたカード、及びその絵付け方法に関する。
詳しくは、カードの磁気テープ等以外の部分に選択的に絵柄転写する場合において、カード基体表面の粗さと形状に関して特定することにより、安定した絵柄接着性の付与と転写皮膜の膜切れの確実な誘発を可能とする技術に関する。
従って、本発明の利用分野はカードの製造や利用の分野に関する。
【0002】
【従来技術】
カード表面に個別情報を記録する方法としては、カード基体表面に絵柄を直接感熱転写や感熱昇華転写にて形成する方法が一般的に用いられているが、カードの平滑性が印字品質を左右するため、ICカード等のように表面に凹凸があるカードに対しては、全面に絵付け印字することは困難であった。
近年、絵柄の一時的キャリアである中間転写シートに、一旦昇華転写印刷を行なった後、この受容層皮膜をカード全面に熱ロールで転写する間接昇華転写法(るいは再転写法)が採用されるようになってきている。これにより多少の凹凸があるカード表面に対しても昇華転写印刷が可能となった。
この間接昇華転写法の詳細については、特許文献1や特許文献2に詳細に記載されているところであるが、当該方法によるカードの絵付け方法を以下に概説する。
【0003】
図2は、感熱昇華転写用の中間転写シートの層構成を示す断面図、図3は、当該従来法によりカードに絵付けする状況を示す断面図、である。
中間転写シート20は、図2のように、表面に離型性を有する透明基材21に染料受容性を有する受容層22が形成されている。透明基材に離型性を持たせるためには、剥離性透明保護層24を塗工するものであってもよい。
受容層22には通常の昇華性染料の受容性の材料が使用され、加熱により移行する染料を容易に受容する材料、例えば、ポリエステル樹脂やポリアクリル酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、等が使用される。
【0004】
受容層22に、通常のようにサーマルヘッド等の電気信号により染料画像を印刷または記録した後は、必要により、受容層上に接着剤層23を形成する。
この接着剤層23は、カード基体に受容層を転写させるときに、カード基体と受容層22の接着力を確保するためのものである。
受容層22は、一般に染料で熱着可能な熱可塑性樹脂から形成されているので、何らの接着剤を必要とせずにそのままカード基体に熱融着させることも可能である。この方法では、さらにクッション性を与える材料を受容層と接着剤層の間に介入させても良い。また、接着剤層自体がクッション性を有するものであってもよい。
【0005】
受容層22の厚みは非常に薄く(通常0.5μm〜数μm程度)、かつ十分な柔軟性を有するため、カード基体の表面形状が曲面や凹凸形状であっても、それらの表面形状に十分に追従することが可能であり、カード基体の表面形状によって貼着が制限されることがない。また、同様に染料画像を有する受容層22は非常に薄いため、従来のシールとは異なり、カード基体との一体化が容易であり、貼着による盛り上がりが無く、いわゆる貼着感を与えない。
【0006】
【特許文献1】特開平6−8649号公報
【特許文献2】特開平6−8677号公報
【0007】
受容層のカード面への転写は、中間転写シート20の剥離層から受容層22だけを剥離して、平行にスライドして移動しカード面へ転写することもでき、あるいは中間転写シート20から受容層22を剥離しない状態で、受容層とカード表面を対面させて、受容層皮膜のカード表面への圧着転写後、または同時に透明基材21を剥離して除去する、転写法のいずれをも採用することができる。
これらは、出力する画像の向きに影響するものであるが、通常は後者の転写方法が採用される場合が多い。
【0008】
従来、出願人が採用する転写方法は、中間転写シート20に接着剤を使用せずにそのままカード基体と対面させて転写する方法である。その場合、カード面に転写された磁気テープ部分の表面は、磁気転写シートから剥離して転写した部分であるため離型剤が残っていて、塩化ビニール等からなるカード基体部分とは、受容層22の接着性も本来的に相違している。
【0009】
図3は、従来法によりカードに絵付けする状況を示す断面図であって、受容層皮膜14を転写後、透明基材21を剥離した状態を示している。
カード基体部分と磁気テープ15部分は、そのような特性の違いがあるにもかかわらず、従来法で転写した場合には、図3のように、磁気テープ15部分に必要とする絵柄部分に欠け3が生じたり、尾引き4という現象のように不必要な絵柄が残る場合が生じていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、受容層皮膜をカード全面に転写する昇華再転写型印字の採用により、カード表面に凹凸のあるICカードへの絵付けも可能となり個別情報記録にも採用されるようになってきている。
しかし、磁気カードの場合は、▲1▼全面転写で磁気テープ上に転写絵柄が形成されると磁気出力が低下してしまうという問題がある。また、▲2▼ロール転写方式では、全面に加熱・加圧されるため、パターン形状に転写することが難しく、カード基体表面に非接着性の素材を形成したとしても、転写部と非転写部の境界が上記のように明瞭に形成できない、という問題、が生じていた。
【0011】
これらの問題は、特に、磁気テープをまたいで、その両側に絵付け転写する場合に、磁気テープ上に転写しないように非接着性の素材を形成した場合でも、磁気テープ境界部で皮膜の不均一な破断が生じたり、絵柄の欠けや磁気テープ面に皮膜が残ったりする、という現象において顕著になる。
そこで、本発明では、これらの現象の生じない美麗なカードを得ることと、その絵付け方法を達成すべく研究して本発明の完成に至ったものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状が形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0013】
本発明の要旨の第2は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状が一方向に配列して形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0014】
本発明の要旨の第3は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンが形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0015】
本発明の要旨の第4は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンが形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0016】
本発明の要旨の第5は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状を形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0017】
本発明の要旨の第6は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状を形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0018】
本発明の要旨の第7は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンを形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0019】
本発明の要旨の第8は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンを形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、感熱昇華転写用の中間転写シートを使って絵柄転写されたカードであって、良好な絵柄転写を目的として、カード表面に特定の微細凹凸形状が形成されていることを特徴とするカードと当該カードの絵付け方法、に関する。
微細凹凸形状を形成することで、安定した皮膜接着性の付与と転写皮膜の膜切れの確実な誘発を生じ、これがシャープな境界形成に効果すると考えられる。
【0021】
はじめに、本発明のカードに付いて説明する。
図1は、本発明のカードに絵付けする状況を示す断面図である。本発明のカード1は、コアシート11とその両面に積層されたオーバーシート12,13から構成されたカード基体10を有し、オーバーシート12面に転写された受容層皮膜14からなる絵柄層を有している。
図1の場合、磁気テープ15を有しているが、磁気テープに限定されず、何らかの意味で絵柄転写部と絵柄非転写部との境界を有するカードに適用することができる。その意味では、ホログラム箔転写部を有するカードや発行会社のマーク転写部を有するカードも適用対象となり得る。
また、図1の場合は、特定のカード基体構成が図示されているが、この構成例に限られるものでもない。
【0022】
本発明のカードの特徴は、カード基体10と転写された受容層皮膜14の界面に、特定の微細凹凸形状2が形成されている特徴がある。図1の場合、微細凹凸形状2は、オーバーシート12の面と磁気テープ15の面に全面に形成されている。微細凹凸形状2を形成する結果、図3の従来例に比較して絵柄の欠け3や尾引き4の無い美麗なカードが得られる。
このようなカードは、次の要件を満たすことにより得られる。
【0023】
(1)カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされていること。このことは、塩ビカード基体自体が本来熱融着性であることと、磁気テープ転写部の表層には離型性材料が形成されていることから条件を満たすことが認められる。
この(1)の条件は、全てのカードに共通的に必要とされる要件である。
【0024】
微細凹凸形状2は、カードの表面性状を悪化させたり、次に述べる問題の生じない範囲において適用できるが、以下の(2)から(5)の要件を満たせば好結果が得られることが確認されている。これらはいずれかの要件を満たせば良い選択的な要件である。
【0025】
(2)絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状が形成されていること。
ここで、下限を100nmとするのは、100nmより凹凸が小さいと転写直後の転写直後の接着性が不安定な状態での食いつきが十分ではなく、また、転写皮膜を破断するきっかけとしては効果が少なく、転写部と非転写部の境界で従来のように不均一な破断面となり易いからである。また、上限を400nmとするのは、表面平均高さが、400nm以上あると、カード表面が多孔質状となり、汚れが定着して取れなくなったり、磁気記録部の磁気ヘッドと磁気層の空間的距離が遠くなり分解能や磁気出力の低下が生じることが認められたからである。
【0026】
(3)JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状が絵柄転写部と非転写部の全面にわたって形成されていること。微細ヘアライン形状は全面に形成されていて、かつ一方向に配列していることが必要である。また、少なくとも絵柄転写部と非転写部の境界に形成されていて、かつヘアラインの方向が当該境界の境界線に平行するように形成されているものであっても良い。
下限と上限の意義については、前記微細凹凸形状の場合と同一である。
【0027】
(4)JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンが形成されていること。
(5)JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンが形成されていること。
レリーフ型ホログラムや回折格子パターンの干渉縞ピッチdは、可視光線の波長λの1/4〜2倍(100nm〜1600nm)程度で生じるが、凹凸差はそれよりは小さくするのが一般的であるからである。
下限と上限の意義については、前記微細凹凸形状の場合と同一である。
【0028】
次に、本発明のカードの絵付け方法について説明する。
本発明のカードの絵付け方法は、カード表面に昇華転写による中間転写シート法を用いて絵付けする方法にる。この方法自体は従来技術において説明したように公知の技術である。
本発明のカードの絵付け方法の特徴は、以下の4種の方法を採用するところにある。
【0029】
(1)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状を形成する。
カード基体の微細凹凸化は、磁気テープ転写済みのカード基体の両面をプレス板に挟んで、熱圧プレスする際の当該プレス板表面を微細凹凸化することにより実現する。プレス板にはステンレス板等が使用されるが、所定の条件によりサンドブラスト加工することで、一定の凹凸高さからなる粗面を形成できる。
なお、通常の鏡面板状のプレス板を使用した場合の表面は、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raは50nm程度の微細凹凸である。
【0030】(2)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状を形成する。同様に、ステンレン等のプレス板表面を、一定方向に研磨することにより微細ヘアライン形状を形成できる。
【0031】(3)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンを形成する。
この場合は、プレス板としては通常のステンレス製鏡面板を使用できるが、プレス板とカード基体の間に、表面にレリーフ型ホログラムがエンボスが形成されたシートをカード基体側にレリーフが接するように配置することで、カード基体表面にレリーフ形状を形成できる。
【0032】
(4)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンを形成する。
この場合も、プレス板としては通常のステンレス製鏡面板を使用できるが、プレス板とカード基体の間に、表面に回折格子パターンが形成されたシートをカード基体側にレリーフが接するように配置することで、カード基体表面に回折格子パターンを形成できる。
【0033】
【実施例】
図1、図2を参照して、本発明の実施例を説明する。
各実施例に使用するカード基体を、以下のようにして準備した。
厚み100μmの軟質透明塩化ビニルシートの表面に、磁気転写シートを用いて磁気塗料と接着剤層からなる磁気層を転写して、磁気テープ15付きオーバーシート12とした。
磁気転写シートは、厚み約25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに離型層(酢酸セルロース系樹脂を使用した離型層)を介して磁気塗料、接着剤層を順次塗布したシートであり、このものを幅6.5mmのテープ状にスリットしたものを用いた。なお、転写後は接着剤層と磁気塗料、および薄層の離型層がカード側に残り、PETフィルムは剥離除去される。
【0034】
この磁気テープ付きオーバーシート12と磁気テープを転写しないオーバーシート13を、図1のように、磁気テープ15が外面になるようにして、コアシートである厚み560μmの硬質乳白塩化ビニルシート11の表裏に積層してから、プレス板に挟み熱プレス装置に導入して加熱圧着する。
プレス後は、各シート間は熱融着して一体化される。磁気テープ15はオーバーシート面内に埋入して凹凸の無い平面になっている。冷却後、プレス機から取り出して個々のカードサイズにする打ち抜きを行なう。
本発明はこの熱プレスの際のプレス板21,22の表面に微細凹凸形状を設けることに特徴がある。
以下の実施例1から実施例4の実施形態の試験を行なった。
【0035】
(実施例1)
カード基体を熱圧プレスする際のプレス板として次のものを準備した。
プレス板として平滑なステンレス板(厚み、1mm)を用い、この表面を、ガラスビーズを用いるサンドブラスト加工により、微細な凹凸形状が形成されたマット艶板面に加工した。
マット艶板面の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raは、300nmであった。マット艶板面はプレス板の全面が均一に形成されていた。
【0036】
磁気テープ15転写済みのオーバーシート12と未転写のオーバーシート13を厚み560μmの硬質乳白塩化ビニルシート11の表裏に積層してから、上記により準備したマット艶板プレス板に挟み熱プレス装置に導入して加熱圧着した。加熱・加圧は、120°C、20kg/cm2 、10分間の条件で行なった。その後、加圧したままの状態で常温まで冷却を行なった。
【0037】
冷却後、マット艶板プレス板からカードを離型すると、カード基体表面には、マット艶板プレス板の表面凹凸形状が均一に転写されていた。
このカード表面の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raは、200nmであった。なお、表面粗さは、磁気テープ部についても測定したが、カード基体表面部分と同一の測定値が得られた。
このカード基体を所定の抜き刃により、カードサイズに打ち抜くことにより磁気テープ付き白紙カードが得られた。
【0038】
この白紙カードに対して、昇華転写型のカードプリンタにより、あらかじめ昇華転写用受容層が形成された感熱昇華転写用の中間転写シートを熱ロールを用いて転写した。
転写は、ロール表面温度が180°C、圧力5kg/cm2 、ロール走行速度200cm/分の条件で行なった。
中間転写シート20は、PETシートからなる透明基材(厚み38μm)21に、剥離性透明保護層24と染料受容層22を設けたシートであり、当該シートに対して、サーマルヘッドと昇華転写用熱転写リボンを用いて必要な絵柄を色順次転写し画像を形成したものである。受容層22は、ポリエステル系樹脂からなり厚み約7μmのものである。
【0039】
中間転写シート20をカード基体10に全面転写した後、転写シートの透明基材21をカード面に対して、約90°の角度で剥離したところ、図1のように、塩化ビニールからなるカード基体表面には受容層皮膜14が転写し、磁気テープ15の表面には、受容層皮膜が転写していなかった。磁気テープ両縁の塩化ビニールカード基体との境界部分では、転写皮膜が美麗な状態で破断しており、転写欠けや転写層の尾引きの現象は見られなかった。
【0040】
(実施例2)
カード基体を熱圧プレスする際のプレス板として次のものを準備した。
プレス板として平滑なステンレス板(厚み、1mm)を用い、このステンレス板表面を、♯4000番の研磨シートで一方向に方向性を生じるように研磨し、微細ヘアライン状の表面凹凸を持つ艶板面のプレス板を得た。
ヘアライン状の表面凹凸の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、250nmであった。なお、マット艶板面はプレス板の全面が均一に形成されていた。
【0041】
実施例1と同様にして、磁気テープ15転写済みのカード基体10を準備し、上記により準備したマット艶板プレス板に挟み熱プレス装置に導入して加熱圧着した。加熱・加圧は、120°C、20kg/cm2 、10分間であり、実施例1と同一条件であった。
その後、加圧したままの状態で常温まで冷却を行なった。
【0042】
冷却後、マット艶板プレス板からカードを離型すると、カード基体表面には、マット艶板プレス板の微細ヘアライン凹凸形状が均一に転写されていた。
このカード表面の粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、塩ビカード基体10部分、磁気テープ15部分共に、250nmの均質な表面粗さのカードであった。
このカード基体を所定の抜き刃により、カードサイズに打ち抜くことにより磁気テープ付き白紙カードが得られた。
【0043】
この白紙カードに対して、実施例1と同一条件で、感熱昇華転写用の中間転写シートを熱ロールを用いて転写した。
中間転写シート20の各要素も実施例1と同一条件のものである。
【0044】
中間転写シート20を全面転写した後、転写シートの透明基材21をカード面に対して、約90°の角度で剥離したところ、図1のように、塩化ビニールからなるカード基体表面には受容層皮膜14が転写し、磁気テープの表面には、受容層皮膜が転写していなかった。磁気テープ両縁の塩化ビニールカード基体との境界部分では、転写皮膜が美麗な状態で破断しており、転写欠けや転写層の尾引きの現象は見られなかった。
【0045】
(実施例3)
実施例3では、プレス板としては通常のステンレス製鏡面板(厚み、1mm)を使用し、プレス板とカード基体10の間に、表面にレリーフ型ホログラム(JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raが200nm)が形成された約100μm厚のポリエステルシートをカード基体側にレリーフが接するように配置してから、上記実施例1と同一の条件で、加熱プレスを行なった。
【0046】
冷却後、カード基体表面には、レリーフ型ホログラムが転写されていた。
このカード基体表面の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、塩ビカード基体部、磁気テープ部共に、180nmであった。
このカード基体を所定の抜き刃により、カードサイズに打ち抜くことにより磁気テープ付き白紙カードが得られた。
この白紙カードに対して、実施例1と同一条件で、感熱昇華転写用中間転写シートを熱ロールを用いて転写した。
中間転写シート20の各要素も実施例1と同一条件のものである。
【0047】
中間転写シート20を全面転写した後、転写シートの透明基材21をカード面に対して、約90°の角度で剥離したところ、塩化ビニールからなるカード基体表面には受容層皮膜14が転写し、磁気テープの表面には、受容層が転写していなかった。これはカード基体表面では、ホログラムによる凹凸が埋まり、画像が消失しているのに対し、磁気テープ部分では表面に凹凸が露出していて、ホログラム画像が視認できることからも確認することができた。
磁気テープ両縁の塩化ビニールカード基体との境界部分では、転写皮膜が美麗な状態で破断しており、転写欠けや転写層の尾引きの現象は見られなかった。
【0048】
(実施例4)
実施例4では、実施例3と同様にプレス板としては通常のステンレス製鏡面板(厚み、1mm)を使用し、プレス板とカード基体の間に、表面にレリーフ型の回折格子がエンボスが形成された約100μm厚のポリエステルシートをカード基体側にレリーフが接するように配置してから、上記実施例3と同一の条件で、加熱プレスを行なった。
なお、回折格子の凹凸を実施例3と同一の条件で測定したところ、格子ピッチは1.5μmであり、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、150nmであった。
熱プレス後の、塩ビカード基体部表面、磁気テープ部の表面のJISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、共に、100nmであった。
以下の条件は実施例3と同一条件で熱プレス、絵柄転写を行い、実施例3と同様に美麗なカードを製造することができた。
【0049】
本発明のカードや絵付け方法は、上述の構成からなるので、社員証、学生証等のIDカード、クレジットカード、キャッシュカード等の金銭決済用カード等のプラスチックカードの発行分野において好適に使用することができる。
特に、カード券面に個別情報をプリントする場合において顕著な有用性を発揮できるものである。
【0050】
【発明の効果】
上述のように、本発明のカードは、カード基体表面に微細な凹凸形状等が形成されているため、間接昇華転写法による絵柄転写部と非転写部の境界を明瞭にでき、絵柄欠けや尾引き現象の無い美麗なカードになる。
特に、絵柄非転写部が磁気テープであって、その両側に絵柄を設けたカードにおいて顕著な効果が得られる。
凹凸の形状を回折格子やレリーフ型ホログラムにすることにより、意匠性や偽造防止性の付与も可能となる。
本発明のカードの絵付け方法では、カード基体表面に微細な凹凸形状等を形成してから受容層皮膜からなる絵柄層を転写するので、絵柄転写部と非転写部の境界を明瞭にでき、安定した高品質な部分転写が可能となる。従って、絵柄欠けや尾引き現象の無い美麗なカードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカードに絵付けする状況を示す断面図である。
【図2】感熱昇華転写用の中間転写シートの層構成を示す断面図である。
【図3】従来法による転写後のカードの絵付けする状況を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カード
2 微細凹凸形状
3 欠け
4 尾引き
10 カード基体
11 コアシート
12,13 オーバーシート
14 受容層皮膜(絵柄層)
15 磁気テープ
20 中間転写シート
21 透明基材
22 受容層
23 接着剤層
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面に磁気テープ等の非転写部を有する一般カードに昇華熱転写型プリンタにて転写絵付けをしたカード、及びその絵付け方法に関する。
詳しくは、カードの磁気テープ等以外の部分に選択的に絵柄転写する場合において、カード基体表面の粗さと形状に関して特定することにより、安定した絵柄接着性の付与と転写皮膜の膜切れの確実な誘発を可能とする技術に関する。
従って、本発明の利用分野はカードの製造や利用の分野に関する。
【0002】
【従来技術】
カード表面に個別情報を記録する方法としては、カード基体表面に絵柄を直接感熱転写や感熱昇華転写にて形成する方法が一般的に用いられているが、カードの平滑性が印字品質を左右するため、ICカード等のように表面に凹凸があるカードに対しては、全面に絵付け印字することは困難であった。
近年、絵柄の一時的キャリアである中間転写シートに、一旦昇華転写印刷を行なった後、この受容層皮膜をカード全面に熱ロールで転写する間接昇華転写法(るいは再転写法)が採用されるようになってきている。これにより多少の凹凸があるカード表面に対しても昇華転写印刷が可能となった。
この間接昇華転写法の詳細については、特許文献1や特許文献2に詳細に記載されているところであるが、当該方法によるカードの絵付け方法を以下に概説する。
【0003】
図2は、感熱昇華転写用の中間転写シートの層構成を示す断面図、図3は、当該従来法によりカードに絵付けする状況を示す断面図、である。
中間転写シート20は、図2のように、表面に離型性を有する透明基材21に染料受容性を有する受容層22が形成されている。透明基材に離型性を持たせるためには、剥離性透明保護層24を塗工するものであってもよい。
受容層22には通常の昇華性染料の受容性の材料が使用され、加熱により移行する染料を容易に受容する材料、例えば、ポリエステル樹脂やポリアクリル酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、等が使用される。
【0004】
受容層22に、通常のようにサーマルヘッド等の電気信号により染料画像を印刷または記録した後は、必要により、受容層上に接着剤層23を形成する。
この接着剤層23は、カード基体に受容層を転写させるときに、カード基体と受容層22の接着力を確保するためのものである。
受容層22は、一般に染料で熱着可能な熱可塑性樹脂から形成されているので、何らの接着剤を必要とせずにそのままカード基体に熱融着させることも可能である。この方法では、さらにクッション性を与える材料を受容層と接着剤層の間に介入させても良い。また、接着剤層自体がクッション性を有するものであってもよい。
【0005】
受容層22の厚みは非常に薄く(通常0.5μm〜数μm程度)、かつ十分な柔軟性を有するため、カード基体の表面形状が曲面や凹凸形状であっても、それらの表面形状に十分に追従することが可能であり、カード基体の表面形状によって貼着が制限されることがない。また、同様に染料画像を有する受容層22は非常に薄いため、従来のシールとは異なり、カード基体との一体化が容易であり、貼着による盛り上がりが無く、いわゆる貼着感を与えない。
【0006】
【特許文献1】特開平6−8649号公報
【特許文献2】特開平6−8677号公報
【0007】
受容層のカード面への転写は、中間転写シート20の剥離層から受容層22だけを剥離して、平行にスライドして移動しカード面へ転写することもでき、あるいは中間転写シート20から受容層22を剥離しない状態で、受容層とカード表面を対面させて、受容層皮膜のカード表面への圧着転写後、または同時に透明基材21を剥離して除去する、転写法のいずれをも採用することができる。
これらは、出力する画像の向きに影響するものであるが、通常は後者の転写方法が採用される場合が多い。
【0008】
従来、出願人が採用する転写方法は、中間転写シート20に接着剤を使用せずにそのままカード基体と対面させて転写する方法である。その場合、カード面に転写された磁気テープ部分の表面は、磁気転写シートから剥離して転写した部分であるため離型剤が残っていて、塩化ビニール等からなるカード基体部分とは、受容層22の接着性も本来的に相違している。
【0009】
図3は、従来法によりカードに絵付けする状況を示す断面図であって、受容層皮膜14を転写後、透明基材21を剥離した状態を示している。
カード基体部分と磁気テープ15部分は、そのような特性の違いがあるにもかかわらず、従来法で転写した場合には、図3のように、磁気テープ15部分に必要とする絵柄部分に欠け3が生じたり、尾引き4という現象のように不必要な絵柄が残る場合が生じていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、受容層皮膜をカード全面に転写する昇華再転写型印字の採用により、カード表面に凹凸のあるICカードへの絵付けも可能となり個別情報記録にも採用されるようになってきている。
しかし、磁気カードの場合は、▲1▼全面転写で磁気テープ上に転写絵柄が形成されると磁気出力が低下してしまうという問題がある。また、▲2▼ロール転写方式では、全面に加熱・加圧されるため、パターン形状に転写することが難しく、カード基体表面に非接着性の素材を形成したとしても、転写部と非転写部の境界が上記のように明瞭に形成できない、という問題、が生じていた。
【0011】
これらの問題は、特に、磁気テープをまたいで、その両側に絵付け転写する場合に、磁気テープ上に転写しないように非接着性の素材を形成した場合でも、磁気テープ境界部で皮膜の不均一な破断が生じたり、絵柄の欠けや磁気テープ面に皮膜が残ったりする、という現象において顕著になる。
そこで、本発明では、これらの現象の生じない美麗なカードを得ることと、その絵付け方法を達成すべく研究して本発明の完成に至ったものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状が形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0013】
本発明の要旨の第2は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状が一方向に配列して形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0014】
本発明の要旨の第3は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンが形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0015】
本発明の要旨の第4は、カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンが形成されていることを特徴とするカード、にある。
【0016】
本発明の要旨の第5は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状を形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0017】
本発明の要旨の第6は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状を形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0018】
本発明の要旨の第7は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンを形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0019】
本発明の要旨の第8は、カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンを形成することを特徴とするカードの絵付け方法、にある。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、感熱昇華転写用の中間転写シートを使って絵柄転写されたカードであって、良好な絵柄転写を目的として、カード表面に特定の微細凹凸形状が形成されていることを特徴とするカードと当該カードの絵付け方法、に関する。
微細凹凸形状を形成することで、安定した皮膜接着性の付与と転写皮膜の膜切れの確実な誘発を生じ、これがシャープな境界形成に効果すると考えられる。
【0021】
はじめに、本発明のカードに付いて説明する。
図1は、本発明のカードに絵付けする状況を示す断面図である。本発明のカード1は、コアシート11とその両面に積層されたオーバーシート12,13から構成されたカード基体10を有し、オーバーシート12面に転写された受容層皮膜14からなる絵柄層を有している。
図1の場合、磁気テープ15を有しているが、磁気テープに限定されず、何らかの意味で絵柄転写部と絵柄非転写部との境界を有するカードに適用することができる。その意味では、ホログラム箔転写部を有するカードや発行会社のマーク転写部を有するカードも適用対象となり得る。
また、図1の場合は、特定のカード基体構成が図示されているが、この構成例に限られるものでもない。
【0022】
本発明のカードの特徴は、カード基体10と転写された受容層皮膜14の界面に、特定の微細凹凸形状2が形成されている特徴がある。図1の場合、微細凹凸形状2は、オーバーシート12の面と磁気テープ15の面に全面に形成されている。微細凹凸形状2を形成する結果、図3の従来例に比較して絵柄の欠け3や尾引き4の無い美麗なカードが得られる。
このようなカードは、次の要件を満たすことにより得られる。
【0023】
(1)カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされていること。このことは、塩ビカード基体自体が本来熱融着性であることと、磁気テープ転写部の表層には離型性材料が形成されていることから条件を満たすことが認められる。
この(1)の条件は、全てのカードに共通的に必要とされる要件である。
【0024】
微細凹凸形状2は、カードの表面性状を悪化させたり、次に述べる問題の生じない範囲において適用できるが、以下の(2)から(5)の要件を満たせば好結果が得られることが確認されている。これらはいずれかの要件を満たせば良い選択的な要件である。
【0025】
(2)絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状が形成されていること。
ここで、下限を100nmとするのは、100nmより凹凸が小さいと転写直後の転写直後の接着性が不安定な状態での食いつきが十分ではなく、また、転写皮膜を破断するきっかけとしては効果が少なく、転写部と非転写部の境界で従来のように不均一な破断面となり易いからである。また、上限を400nmとするのは、表面平均高さが、400nm以上あると、カード表面が多孔質状となり、汚れが定着して取れなくなったり、磁気記録部の磁気ヘッドと磁気層の空間的距離が遠くなり分解能や磁気出力の低下が生じることが認められたからである。
【0026】
(3)JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状が絵柄転写部と非転写部の全面にわたって形成されていること。微細ヘアライン形状は全面に形成されていて、かつ一方向に配列していることが必要である。また、少なくとも絵柄転写部と非転写部の境界に形成されていて、かつヘアラインの方向が当該境界の境界線に平行するように形成されているものであっても良い。
下限と上限の意義については、前記微細凹凸形状の場合と同一である。
【0027】
(4)JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンが形成されていること。
(5)JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンが形成されていること。
レリーフ型ホログラムや回折格子パターンの干渉縞ピッチdは、可視光線の波長λの1/4〜2倍(100nm〜1600nm)程度で生じるが、凹凸差はそれよりは小さくするのが一般的であるからである。
下限と上限の意義については、前記微細凹凸形状の場合と同一である。
【0028】
次に、本発明のカードの絵付け方法について説明する。
本発明のカードの絵付け方法は、カード表面に昇華転写による中間転写シート法を用いて絵付けする方法にる。この方法自体は従来技術において説明したように公知の技術である。
本発明のカードの絵付け方法の特徴は、以下の4種の方法を採用するところにある。
【0029】
(1)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状を形成する。
カード基体の微細凹凸化は、磁気テープ転写済みのカード基体の両面をプレス板に挟んで、熱圧プレスする際の当該プレス板表面を微細凹凸化することにより実現する。プレス板にはステンレス板等が使用されるが、所定の条件によりサンドブラスト加工することで、一定の凹凸高さからなる粗面を形成できる。
なお、通常の鏡面板状のプレス板を使用した場合の表面は、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raは50nm程度の微細凹凸である。
【0030】(2)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状を形成する。同様に、ステンレン等のプレス板表面を、一定方向に研磨することにより微細ヘアライン形状を形成できる。
【0031】(3)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンを形成する。
この場合は、プレス板としては通常のステンレス製鏡面板を使用できるが、プレス板とカード基体の間に、表面にレリーフ型ホログラムがエンボスが形成されたシートをカード基体側にレリーフが接するように配置することで、カード基体表面にレリーフ形状を形成できる。
【0032】
(4)カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンを形成する。
この場合も、プレス板としては通常のステンレス製鏡面板を使用できるが、プレス板とカード基体の間に、表面に回折格子パターンが形成されたシートをカード基体側にレリーフが接するように配置することで、カード基体表面に回折格子パターンを形成できる。
【0033】
【実施例】
図1、図2を参照して、本発明の実施例を説明する。
各実施例に使用するカード基体を、以下のようにして準備した。
厚み100μmの軟質透明塩化ビニルシートの表面に、磁気転写シートを用いて磁気塗料と接着剤層からなる磁気層を転写して、磁気テープ15付きオーバーシート12とした。
磁気転写シートは、厚み約25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに離型層(酢酸セルロース系樹脂を使用した離型層)を介して磁気塗料、接着剤層を順次塗布したシートであり、このものを幅6.5mmのテープ状にスリットしたものを用いた。なお、転写後は接着剤層と磁気塗料、および薄層の離型層がカード側に残り、PETフィルムは剥離除去される。
【0034】
この磁気テープ付きオーバーシート12と磁気テープを転写しないオーバーシート13を、図1のように、磁気テープ15が外面になるようにして、コアシートである厚み560μmの硬質乳白塩化ビニルシート11の表裏に積層してから、プレス板に挟み熱プレス装置に導入して加熱圧着する。
プレス後は、各シート間は熱融着して一体化される。磁気テープ15はオーバーシート面内に埋入して凹凸の無い平面になっている。冷却後、プレス機から取り出して個々のカードサイズにする打ち抜きを行なう。
本発明はこの熱プレスの際のプレス板21,22の表面に微細凹凸形状を設けることに特徴がある。
以下の実施例1から実施例4の実施形態の試験を行なった。
【0035】
(実施例1)
カード基体を熱圧プレスする際のプレス板として次のものを準備した。
プレス板として平滑なステンレス板(厚み、1mm)を用い、この表面を、ガラスビーズを用いるサンドブラスト加工により、微細な凹凸形状が形成されたマット艶板面に加工した。
マット艶板面の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raは、300nmであった。マット艶板面はプレス板の全面が均一に形成されていた。
【0036】
磁気テープ15転写済みのオーバーシート12と未転写のオーバーシート13を厚み560μmの硬質乳白塩化ビニルシート11の表裏に積層してから、上記により準備したマット艶板プレス板に挟み熱プレス装置に導入して加熱圧着した。加熱・加圧は、120°C、20kg/cm2 、10分間の条件で行なった。その後、加圧したままの状態で常温まで冷却を行なった。
【0037】
冷却後、マット艶板プレス板からカードを離型すると、カード基体表面には、マット艶板プレス板の表面凹凸形状が均一に転写されていた。
このカード表面の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raは、200nmであった。なお、表面粗さは、磁気テープ部についても測定したが、カード基体表面部分と同一の測定値が得られた。
このカード基体を所定の抜き刃により、カードサイズに打ち抜くことにより磁気テープ付き白紙カードが得られた。
【0038】
この白紙カードに対して、昇華転写型のカードプリンタにより、あらかじめ昇華転写用受容層が形成された感熱昇華転写用の中間転写シートを熱ロールを用いて転写した。
転写は、ロール表面温度が180°C、圧力5kg/cm2 、ロール走行速度200cm/分の条件で行なった。
中間転写シート20は、PETシートからなる透明基材(厚み38μm)21に、剥離性透明保護層24と染料受容層22を設けたシートであり、当該シートに対して、サーマルヘッドと昇華転写用熱転写リボンを用いて必要な絵柄を色順次転写し画像を形成したものである。受容層22は、ポリエステル系樹脂からなり厚み約7μmのものである。
【0039】
中間転写シート20をカード基体10に全面転写した後、転写シートの透明基材21をカード面に対して、約90°の角度で剥離したところ、図1のように、塩化ビニールからなるカード基体表面には受容層皮膜14が転写し、磁気テープ15の表面には、受容層皮膜が転写していなかった。磁気テープ両縁の塩化ビニールカード基体との境界部分では、転写皮膜が美麗な状態で破断しており、転写欠けや転写層の尾引きの現象は見られなかった。
【0040】
(実施例2)
カード基体を熱圧プレスする際のプレス板として次のものを準備した。
プレス板として平滑なステンレス板(厚み、1mm)を用い、このステンレス板表面を、♯4000番の研磨シートで一方向に方向性を生じるように研磨し、微細ヘアライン状の表面凹凸を持つ艶板面のプレス板を得た。
ヘアライン状の表面凹凸の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、250nmであった。なお、マット艶板面はプレス板の全面が均一に形成されていた。
【0041】
実施例1と同様にして、磁気テープ15転写済みのカード基体10を準備し、上記により準備したマット艶板プレス板に挟み熱プレス装置に導入して加熱圧着した。加熱・加圧は、120°C、20kg/cm2 、10分間であり、実施例1と同一条件であった。
その後、加圧したままの状態で常温まで冷却を行なった。
【0042】
冷却後、マット艶板プレス板からカードを離型すると、カード基体表面には、マット艶板プレス板の微細ヘアライン凹凸形状が均一に転写されていた。
このカード表面の粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、塩ビカード基体10部分、磁気テープ15部分共に、250nmの均質な表面粗さのカードであった。
このカード基体を所定の抜き刃により、カードサイズに打ち抜くことにより磁気テープ付き白紙カードが得られた。
【0043】
この白紙カードに対して、実施例1と同一条件で、感熱昇華転写用の中間転写シートを熱ロールを用いて転写した。
中間転写シート20の各要素も実施例1と同一条件のものである。
【0044】
中間転写シート20を全面転写した後、転写シートの透明基材21をカード面に対して、約90°の角度で剥離したところ、図1のように、塩化ビニールからなるカード基体表面には受容層皮膜14が転写し、磁気テープの表面には、受容層皮膜が転写していなかった。磁気テープ両縁の塩化ビニールカード基体との境界部分では、転写皮膜が美麗な状態で破断しており、転写欠けや転写層の尾引きの現象は見られなかった。
【0045】
(実施例3)
実施例3では、プレス板としては通常のステンレス製鏡面板(厚み、1mm)を使用し、プレス板とカード基体10の間に、表面にレリーフ型ホログラム(JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raが200nm)が形成された約100μm厚のポリエステルシートをカード基体側にレリーフが接するように配置してから、上記実施例1と同一の条件で、加熱プレスを行なった。
【0046】
冷却後、カード基体表面には、レリーフ型ホログラムが転写されていた。
このカード基体表面の表面粗さを、株式会社東京精密製「Surfcom480A」で測定したとところ、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、塩ビカード基体部、磁気テープ部共に、180nmであった。
このカード基体を所定の抜き刃により、カードサイズに打ち抜くことにより磁気テープ付き白紙カードが得られた。
この白紙カードに対して、実施例1と同一条件で、感熱昇華転写用中間転写シートを熱ロールを用いて転写した。
中間転写シート20の各要素も実施例1と同一条件のものである。
【0047】
中間転写シート20を全面転写した後、転写シートの透明基材21をカード面に対して、約90°の角度で剥離したところ、塩化ビニールからなるカード基体表面には受容層皮膜14が転写し、磁気テープの表面には、受容層が転写していなかった。これはカード基体表面では、ホログラムによる凹凸が埋まり、画像が消失しているのに対し、磁気テープ部分では表面に凹凸が露出していて、ホログラム画像が視認できることからも確認することができた。
磁気テープ両縁の塩化ビニールカード基体との境界部分では、転写皮膜が美麗な状態で破断しており、転写欠けや転写層の尾引きの現象は見られなかった。
【0048】
(実施例4)
実施例4では、実施例3と同様にプレス板としては通常のステンレス製鏡面板(厚み、1mm)を使用し、プレス板とカード基体の間に、表面にレリーフ型の回折格子がエンボスが形成された約100μm厚のポリエステルシートをカード基体側にレリーフが接するように配置してから、上記実施例3と同一の条件で、加熱プレスを行なった。
なお、回折格子の凹凸を実施例3と同一の条件で測定したところ、格子ピッチは1.5μmであり、JISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、150nmであった。
熱プレス後の、塩ビカード基体部表面、磁気テープ部の表面のJISB0601(2001)の4.2.1で規定される算術平均高さ;Raは、共に、100nmであった。
以下の条件は実施例3と同一条件で熱プレス、絵柄転写を行い、実施例3と同様に美麗なカードを製造することができた。
【0049】
本発明のカードや絵付け方法は、上述の構成からなるので、社員証、学生証等のIDカード、クレジットカード、キャッシュカード等の金銭決済用カード等のプラスチックカードの発行分野において好適に使用することができる。
特に、カード券面に個別情報をプリントする場合において顕著な有用性を発揮できるものである。
【0050】
【発明の効果】
上述のように、本発明のカードは、カード基体表面に微細な凹凸形状等が形成されているため、間接昇華転写法による絵柄転写部と非転写部の境界を明瞭にでき、絵柄欠けや尾引き現象の無い美麗なカードになる。
特に、絵柄非転写部が磁気テープであって、その両側に絵柄を設けたカードにおいて顕著な効果が得られる。
凹凸の形状を回折格子やレリーフ型ホログラムにすることにより、意匠性や偽造防止性の付与も可能となる。
本発明のカードの絵付け方法では、カード基体表面に微細な凹凸形状等を形成してから受容層皮膜からなる絵柄層を転写するので、絵柄転写部と非転写部の境界を明瞭にでき、安定した高品質な部分転写が可能となる。従って、絵柄欠けや尾引き現象の無い美麗なカードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカードに絵付けする状況を示す断面図である。
【図2】感熱昇華転写用の中間転写シートの層構成を示す断面図である。
【図3】従来法による転写後のカードの絵付けする状況を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カード
2 微細凹凸形状
3 欠け
4 尾引き
10 カード基体
11 コアシート
12,13 オーバーシート
14 受容層皮膜(絵柄層)
15 磁気テープ
20 中間転写シート
21 透明基材
22 受容層
23 接着剤層
Claims (12)
- カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状が形成されていることを特徴とするカード。
- カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状が一方向に配列して形成されていることを特徴とするカード。
- カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンが形成されていることを特徴とするカード。
- カード表面に絵柄転写部と非転写部を有し、間接昇華転写法による受容層皮膜からなる絵柄層が転写されたカードであって、カード表面の当該絵柄非転写部分は絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にされており、かつ絵柄転写層の下面の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンが形成されていることを特徴とするカード。
- 微細ヘアライン形状が、絵柄転写部と非転写部の境界に平行するように、形成されていることを特徴とする請求項2記載のカード。
- 絵柄非転写部分がカード基体にあらかじめ転写した磁気テープの表面であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1の請求項に記載のカード。
- カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細凹凸形状を形成することを特徴とするカードの絵付け方法。
- カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの微細ヘアライン形状を形成することを特徴とするカードの絵付け方法。
- カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmのレリーフ型ホログラムパターンを形成することを特徴とするカードの絵付け方法。
- カード表面に昇華転写による受容層皮膜法により絵柄層を転写するカードの絵付け方法であって、カード表面の絵柄非転写部分を絵柄転写部に比較して離型性の表面特性にすると共に、絵柄層である受容層を転写する前のカード基体の絵柄転写部と非転写部の全面にわたって、JISB0601の4.2.1で規定する算術平均高さ;Raが、100nm〜400nmの回折格子パターンを形成することを特徴とするカードの絵付け方法。
- 微細ヘアライン形状を、絵柄転写部と非転写部の境界に平行するように形成することを特徴とする請求項8記載のカードの絵付け方法。
- 絵柄非転写部分がカード基体にあらかじめ転写した磁気テープの表面であることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1の請求項に記載のカードの絵付け方法。
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