JP4930592B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に係り、特に、記録ヘッドを複数回走査することにより1つのバンドを形成するように記録を行うインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関するものである。
一般に、少量多品種の需要に対して臨機応変に対応できるインクジェット記録装置として、従来インクジェット方式の記録装置(以下「インクジェット記録装置」と称する。)が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドの記録媒体に対向する面に設けられたノズルからインクを吐出して記録媒体上に着弾、定着させることにより記録媒体に画像を記録するものであり、従来のグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式による画像記録手段と異なって製版工程を必要としないため少量の需要にも簡易かつ迅速に対応することができるという特徴を有している。また、騒音が少なく多色のインクを用いることによってカラーでの画像記録も容易に行うことができるという長所がある。
このようなインクジェット記録装置の一つとして、記録媒体の搬送方向(記録ヘッドに対する記録媒体の相対的副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査させながら記録を行うシリアル方式のインクジェット記録装置において、記録ヘッドを主走査方向に複数回走査することにより1つのバンド(走査毎の副走査方向の記録媒体の送り量に相当する領域)を形成するものが知られている。
しかし、このように複数回の走査により1つのバンドを形成する場合には、各バンドの境界部分にいわゆる繋ぎすじが生じることがあり、このような繋ぎすじが目立つ場合には、画質が低下してしまう。
そこで、特に従来の水系のインクを用いるインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの端部に位置するノズル列からのインク吐出の吐出割合を記録ヘッドの中央部分に位置するノズル列からのインク吐出に比べて低くすることにより、このような繋ぎすじを目立たなくする手法が考案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2002−36515号公報 特開2002−62375号公報
しかしながら、近年は、様々な記録媒体に対応可能なインクジェット記録装置として、例えば紫外線等の光に対して所定の感度を有する光開始剤が含有された光硬化性インクを用い、記録媒体上に着弾したインクに光を照射することで、インクを硬化させ記録媒体上に定着させる光硬化性インクを用いたインクジェット記録装置が知られている。このような光硬化性インクを用いたインクジェット記録装置等、活性エネルギー線を照射することによって硬化するインクを用いて記録を行うインクジェット記録装置の場合には、記録媒体に吐出されたインクを記録媒体に吸収させずに、記録媒体の表面で硬化させることによって定着させることにより記録を行う。そして、このような記録方法による場合、隣接するバンドの記録開始時点と記録終了時とに時間差があると、インクの硬化タイミングが異なること等に起因して繋ぎすじがより目立つとの問題がある。
さらに、特許文献1及び特許文献2に記載されている技術のように記録ヘッドの端部のインク吐出の吐出割合を記録ヘッドの中央部分より低くすると、各バンドを形成する最後の走査において記録ヘッドの端部で記録される領域と、記録ヘッドの中央部分で記録される領域とのインクの密度(インク量)が異なることになるが、活性エネルギー線硬化性のインクを用いる場合には、水系のインクを用いる場合と異なって、領域内のインクの密度(インク量)が異なると活性エネルギー線が照射された際の硬化具合が異なること等に起因して、かえって光沢感の異なる帯状の斑が目立ってしまうとの問題がある。
そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、シリアル方式により複数回の主走査で1つのバンドを形成する場合に、各バンドの境界部分に発生する帯状の繋ぎすじを目立たなくして高品質の画像記録を行うことのできるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明のインクジェット記録装置は、
記録媒体上にインクを吐出する第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとが副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、
前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査手段と、
前記記録媒体及び前記記録ヘッドのうち少なくとも一方を前記副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査手段と、を備え、
前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記主走査手段は、前記1つのバンドを形成するために必要な走査回数がnである場合に、前記1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行うものであり、
前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×(n+1)+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、(n+1)+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てる制御部を備えていることを特徴としている。
また、本発明のインクジェット記録装置は、
記録媒体上にインクを吐出する第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとが副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、
前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査手段と、
前記記録媒体及び前記記録ヘッドのうち少なくとも一方を前記副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査手段と、を備え、
前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置であって、
1つのバンドを形成するために必要な走査回数をnとし、前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×n+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、n+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜n回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てる制御部を備えていることを特徴としている。
本発明のインクジェット記録方法は、
記録媒体及び記録ヘッドのうち少なくとも一方を副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査工程と、
記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査工程と、
前記記録ヘッドの副走査方向に沿って列状に複数設けられた第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとから記録媒体上にインクを吐出させ、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行う記録工程と、を備えるインクジェット記録方法であって、
前記主走査工程は、前記1つのバンドを形成するために必要な走査回数がnである場合に、前記1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行うものであり、
前記記録工程の際に、前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×(n+1)+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、(n+1)+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てることを特徴としている。
また、本発明のインクジェット記録方法は、
記録媒体及び記録ヘッドのうち少なくとも一方を副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査工程と、
記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査工程と、
前記記録ヘッドの副走査方向に沿って列状に複数設けられた第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとから記録媒体上にインクを吐出させ、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行う記録工程と、を備えるインクジェット記録方法であって、
前記記録工程の際に、1つのバンドを形成するために必要な走査回数をnとし、前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×n+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、n+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜n回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てることを特徴としている。
請求の範囲第1項及び請求の範囲第8項に記載された発明によれば、1つのバンドを形成するために必要な走査回数がnである場合に、1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行うことにより、第2群のノズルによって記録される領域を1主走査分ずらすことができる。これによって、より適切な位置に第2群のノズルによる記録を行うことができる。
そして、バンド毎にインクの硬化タイミング等が異なると、バンドの境界部分に繋ぎすじが発生するが、本発明では、(n+1)+1回目以降の主走査の際に、第2群のノズルによって、副走査手段による移動量Mよりも副走査方向の長さ(第2群のノズルのノズル列長さα)が小さい領域について記録を行って、当該主走査によって記録される領域の、記録媒体に対する記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるようにしている。このため、あるバンドの記録開始時、記録終了時と、当該バンドに隣接する次のバンドの記録開始時、記録終了時との間に時間差が生じる場合でも、バンド間の境界に発生する繋ぎすじを目立たなくすることができるという効果を奏する。
請求の範囲第2項に記載された発明によれば、第2群のノズルにより記録される記録画素は、1〜(n+1)回目までの主走査においては記録されないので、当該部分についてインクの重なり合いがなく、より高品質の画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求の範囲第3項に記載された発明によれば、第2群のノズルにより記録される記録画素は、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの前記相対的副走査方向下流側の境界よりも前記相対的副走査方向上流側の画素のみとなっているので、重複する記録を無駄に行うことがなく、効果的に繋ぎすじの発生を防止して、高品質の画像記録を行うことができるという効果を奏する。
請求の範囲第4項に記載された発明によれば、1つのバンドを形成するために必要な走査回数nが偶数である場合に、往路走査の記録動作と復路走査の記録動作とで、記録ヘッドの異なる端部に位置するノズルに記録データを割り当てないようになっている。これにより、繋ぎすじの発生を防止するとともに、いずれのバンドでも記録動作の走査方向の組合せを一致させることができ、バンド毎にインク吐出順序、乾燥時間、活性エネルギー線の照射タイミング等が異なることによる色調、濃度、光沢感等の差に起因するバンディングむらの発生を防止して、高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
請求の範囲第5項に記載された発明によれば、1つのバンドを形成するために必要な走査回数nが奇数である場合に、往路走査及び復路走査のうち一方の記録動作において、記録ヘッドの両端部に位置するノズルに記録データを割り当てないようになっている。これにより、繋ぎすじの発生を防止するとともに、いずれのバンドでも記録動作の走査方向の組合せを一致させることができ、バンド毎にインク吐出順序、乾燥時間、活性エネルギー線の照射タイミング等が異なることによる色調、濃度、光沢感等の差に起因するバンディングむらの発生を防止して、高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
請求の範囲第6項及び請求の範囲第9項に記載された発明によれば、n+1回目以降の主走査の際に、第2群のノズルによって、副走査手段による移動量Mよりも副走査方向の長さ(第2群のノズルのノズル列長さα)が小さい領域について記録を行って、当該主走査によって記録される領域の、記録媒体に対する記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜n回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるようにしている。バンド毎にインクの硬化タイミング等が異なると、バンドの境界部分に繋ぎすじが発生するが、本発明では、第2群のノズルによる記録を行うことによって、あるバンドの記録開始時、記録終了時と、当該バンドに隣接する次のバンドの記録開始時、記録終了時との間に時間差が生じる場合でも、バンド間の境界に発生する繋ぎすじを目立たなくすることができるという効果を奏する。
請求の範囲第7項に記載された発明によれば、インクが活性化エネルギー線硬化性インクであるので、様々な記録媒体に対して記録を行うことが可能である。そして、このようなインクを用いて画像記録を行う場合でも活性エネルギー線の照射タイミング等がバンド毎に異なることによる色調、濃度、光沢感等の差に起因する繋ぎすじの発生を防止して、高品質の画像を形成することができるという効果を奏する。
本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施形態の要部構成を示した上面図である。 第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の記録ヘッドの各ノズル領域を示した図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施形態の制御構成の概略を示した要部ブロック図である。 6回の走査で全画素の記録を行う場合に各パスで記録される画素を模式的に示す説明図であり、それぞれ(a)は1パス目、(b)は2パス目、(c)は3パス目、(d)は4パス目、(e)は5パス目、(f)は6パス目の記録画素を示した図である。 第1の実施形態における各バンドを記録する記録ヘッドの対応するノズル領域を示した模式図である。 第1の実施形態におけるインクジェット記録方法を示したフローチャートである。 第1の実施形態の一変形例における各バンドを記録する記録ヘッドの対応するノズル領域を示した模式図である。 第2の実施形態におけるインクジェット記録装置の記録ヘッドの各ノズル領域を示した図である。 第2の実施形態における各バンドを記録する記録ヘッドの対応するノズル領域を示した模式図である。 第2の実施形態の一変形例における各バンドを記録する記録ヘッドの対応するノズル領域を示した模式図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 記録媒体
6 記録ヘッド
7 紫外線照射装置
10 制御部
11 キャリッジ駆動機構(主走査手段)
12 記録媒体搬送機構(副走査手段)
61 ノズル
62 インク吐出面
X 主走査方向
Y 副走査方向
以下、図1から図5を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施形態について説明する。
なお、図中の矢印Yは、記録媒体2に対する記録ヘッド6の相対的副走査方向Yを示していて、以下、単に、副走査方向Yと記す場合がある。
まず、図1に示すように、本実施の形態において、インクジェット記録装置1は、シリアルプリント方式によるインクジェット記録装置1であり、このインクジェット記録装置1には、平板状に形成され記録媒体2を非記録面から支持するプラテン3が設けられている。
プラテン3の上方には、記録媒体2の幅方向に延在する棒状のガイドレール4が設けられている。このガイドレール4には、キャリッジ5が支持されており、キャリッジ5は主走査手段としてのキャリッジ駆動機構11(図3参照)によりガイドレール4に沿って記録媒体2の幅方向(以下「主走査方向X」と称する。)に往復移動自在となっている。
また、インクジェット記録装置1には、複数の搬送ローラ15等により構成され、主走査方向Xと直交し、記録ヘッド6に対する記録媒体2の相対的副走査方向(図中に示されている記録媒体2に対する記録ヘッド6の相対的副走査方向Yと反対方向)に記録媒体2を送る副走査手段としての記録媒体搬送機構12(図3参照)が設けられている。画像記録時において、キャリッジ駆動機構11による主走査と記録媒体搬送機構12による副走査とは交互に行われるようになっており、記録媒体搬送機構12は、搬送ローラ15を回転させることによって、キャリッジ駆動機構11による走査毎に、キャリッジ5の動作に合わせて、記録媒体2を所定量ずつ副走査方向Yと反対方向の上流側から下流側に搬送するようになっている。
図1に示すように、キャリッジ5には、本実施形態におけるインクジェット記録装置1で使用される各色(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)。)に対応した4つの記録ヘッド6が搭載されている。各記録ヘッド6は、外形が略直方体状に形成されており、長手方向が互いに平行となるように並んで配置されている。なお、インクジェット記録装置1で使用されるインクはこれに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)等の色インクや、白インク、透明インク等を使用することもできる。この場合には、各インクに対応した記録ヘッド6がキャリッジ5に搭載される。
図2に示すように、記録ヘッド6の記録媒体2に対向する面は、記録ヘッド6の長手方向(副走査方向Y)に沿って複数のノズル61が列状に形成されたインク吐出面62となっており、各記録ヘッド6はノズル61からそれぞれインクを吐出させるようになっている。
本実施形態において、インクジェット記録装置1は、いわゆるマルチパス記録を行うものである。マルチパス記録とは、ノズル列を構成するノズル61を数ブロックに分割しこれら分割したノズル61に記録データの分担を分散させて記録媒体2の送り(移動)を上記分割した1ブロック分に対応する量ずつ間欠搬送するようにして画像記録を行う画像記録方法であり、ある領域(1つのバンド)を構成する全画素を複数回の走査(nパス)によって埋めるものである。なお、ノズル列はストレート配列でもスタガ配列でもよいが、本実施形態ではストレート配列のものを例として説明する。
本実施形態では、後述するように1つのバンド(主走査毎の副走査方向Yと反対方向における記録媒体2の送り量に相当する領域)を形成するのに必要な走査回数n(1つのバンドを構成する画素を埋めるのに必要な走査回数)が6回(6パス)となっており、ノズル61が設けられている領域(以下「ノズル領域」と称する。)は、例えば、図2に示すように、1つのバンドを記録するのに必要な走査回数nよりも2つ多い8つの領域に分割されている。
このうち、バンドを記録するための主要記録に用いられるノズル61(第1群のノズル)が設けられている領域は7つの領域(ノズル領域A〜G)であり、記録ヘッド6の端部に位置するノズル領域(ノズル領域P)には、ノズル領域A〜Gに位置するノズル61による記録を補完するための補完記録に用いられる第2群のノズル61が設けられている。
ノズル領域A〜Gの副走査方向Yにおける長さは、それぞれ、1つのバンド(記録媒体搬送機構12による記録媒体2の走査毎の移動量Mに相当する長さに対応する領域)の幅とほぼ同じ幅寸法となっている。また、記録ヘッド6は、後述する制御部10(図3参照)がヘッド駆動部14(図3参照)を動作させることによって各ノズル61に対して記録データ(記録データに対応する駆動信号)が割り当てられるようになっており、これによって、あるノズル領域のノズル61からはインクを吐出させないようにするといったインクの吐出制御が行われる。
なお、本実施形態のインクジェット記録装置1は、副走査において、キャリッジ駆動機構11による主走査における走査毎に記録媒体搬送機構12が記録媒体2を副走査方向Yと反対方向に移動させる移動量をMとし、1つのバンドを形成するために必要な走査回数をnとし、記録ヘッド6の全ノズル61のノズル列の長さをLとし、第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×(n+1)+αであって、M>αとの関係を満たすようになっている。
なお、ここで、ノズル列の長さLは、1つの記録ヘッド6におけるノズル列の長さである場合に限定されない。例えば、同種のインクを吐出する記録ヘッドが副走査方向Yに2つ以上並んで配置されるような場合には、当該複数の記録ヘッドのノズル列の長さを合計した長さがノズル列の長さLとなる。
また、キャリッジ5の内であって一群として設けられた記録ヘッド6の両側部には、記録媒体2の上に吐出され着弾したインクを硬化定着させる活性エネルギー線としての紫外線を照射する照射装置として紫外線照射装置7が配設されている。
紫外線照射装置7は、紫外線を照射する紫外線光源(図示せず)を有している。この紫外線光源としては、例えば高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、半導体レーザー、冷陰極管、エキシマーランプ、又はLED(Light Emitting Diode)等を適用することが可能であるが、紫外線光源はここに例示したものに限定されない。
なお、紫外線照射装置7の配置はこれに限定されず、各記録ヘッド6の間にもそれぞれ紫外線照射装置7を設けるようにしてもよい。また、紫外線照射装置7は、キャリッジ5内に搭載されている場合に限られず、キャリッジ5の外に設けられていてもよい。
ここで本実施形態に用いられるインクについて説明する。
本実施形態に用いられるインクは、活性エネルギー線としての紫外線が照射されることにより硬化する性質を具備する紫外線硬化性インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。上記光硬化性インクは、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、この両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能である。また、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。しかしながら、酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合系インクの方が機能性、汎用性に優れるため、特に、カチオン重合系インクを用いることが好ましい。カチオン重合系インクは、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物である。
また、記録媒体2としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の種々の材質からなる記録媒体が適用可能である。また、記録媒体2の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等の各種形態を適用することができる。
次に、図3及び図4を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェット記録装置1の制御構成について説明する。
図3に示すように、インクジェット記録装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、各種の制御プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)、画像データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)(いずれも図示せず)等を備えて構成される制御部10を備えている。
制御部10は、ROMに記録された制御プログラムをRAMの作業領域に展開してCPUにより実行するようになっている。
また、制御部10には、画像処理部13、記録ヘッド6を駆動するヘッド駆動部14、キャリッジ駆動機構11、記録媒体搬送機構12及び紫外線照射装置7が電気的に接続されている。
画像処理部13は、ホストシステム17からインタフェース(I/F)16を介して送られる符号化された入力画像データを、インクジェット記録装置1で処理できるデータ形式にするために復号化し、記録データをヘッド駆動部14に送るようになっている。ホストシステム17にはネットワークを通じて外部装置(図示せず)が接続されており、ホストシステム17及び外部装置は、記録用の画像データをインクジェット記録装置1に送るほか、インクジェット記録装置1の全体の動作制御を行うための入力を行うようになっている。また、ホストシステム17及び外部装置においては、記録ヘッド6を駆動する駆動周波数の設定のための入力などを行うことも可能となっている。
制御部10は、ヘッド駆動部14を制御して記録ヘッド6の各ノズルにどのように記録データを割り当てるかを制御する。これにより、各記録ヘッド6のノズル61から適切な吐出量のインクが吐出され、記録媒体2上に所定の画像を記録されるようになっている。
また、制御部10は、キャリッジ駆動機構11を制御してキャリッジ5を主走査方向Xに往復走査させるとともに、キャリッジ5の動作に合わせて記録媒体2を副走査方向Yと反対方向に搬送させるように、記録媒体搬送機構12の動作を制御するようになっている。
さらに、制御部10は、紫外線照射装置7を制御して記録媒体2上に吐出されたインクに対して紫外線を照射するようになっている。
本実施形態においては、1つのバンドを形成するために走査回数n(nは偶数)の記録が必要であり、n回の記録走査(インク吐出を伴う記録のための走査)を行う。さらに、本実施形態では、インク吐出を伴わないn+1回目の走査を行うようになっている。すなわち、例えば、1つのバンドを形成するために6回の走査が必要な場合には、1つのバンドについて6回の記録走査を行い、その後、7回目にインク吐出を伴わない走査を行う。このように、本実施形態では、ノズル領域A〜Gに位置するノズル61(第1群のノズル)により、1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行う主要記録を行う。
そして、さらに、n+2回目の走査で、ノズル領域Pに位置するノズル61(第2群のノズル)により、主要記録を補完する補完記録を行うようになっている。
例えば、6画素×6画素のある領域を6回の記録走査(6パス)で埋める(記録する)場合について、図4を参照しつつ説明する。
この場合、まず、図4(a)に示すように、1回目の記録走査(1パス目)で、例えばノズル領域Gに位置するノズル61により「1」の網掛け部分の画素について記録が行われる。次に、図4(b)に示すように、2回目の記録走査(2パス目)で、例えばノズル領域Fに位置するノズル61により「2」の網掛け部分の画素について記録が行われる。続いて、図4(c)に示すように、3回目の記録走査(3パス目)で、例えばノズル領域Eに位置するノズル61により「3」の網掛け部分の画素について記録が行われる。さらに、図4(d)に示すように、4回目の記録走査(4パス目)で、例えばノズル領域Dに位置するノズル61により「4」の網掛け部分の画素について記録が行われる。次に、図4(e)に示すように、5回目の記録走査(5パス目)で、例えばノズル領域Cに位置するノズル61により「5」の網掛け部分の画素について記録が行われる。そして最後に、図4(f)に示すように、6回目の記録走査(6パス目、n回目)で、例えばノズル領域Bに位置するノズル61により「6」の網掛け部分の画素について記録が行われ、当該領域内の全画素について記録が完了する。
また、本実施形態では、その後に行われる7回目の走査(7パス目、n+1回目)では、ノズル領域Aに位置するノズル61からはインクを吐出させないようにして、インク吐出を伴わない走査を行う。これにより、当該領域についてノズル領域A〜Gに位置するノズル61(第1群のノズル)による、1つのバンドを形成するための主要記録が完了する。
そして、n+2回目の走査となる8回目の走査(8パス目)で、ノズル領域Pに位置するノズル61(第2群のノズル)により、主要記録を補完する補完記録を行う。
なお、図4では、説明の便宜上、1パス目から6パス目までの記録によって、当該領域内の全ての画素(記録画素)を埋め、8パス目の補完記録では6パス目までで既に記録されている画素(記録画素)について重ねて記録が行われる例となっているが、本実施形態では、後述するように、2パス目となるノズル領域Fに位置するノズル61による記録の際に、後の補完記録で記録される画素(記録画素)を記録せずに残しておき、この部分(記録画素)を第2群のノズルであるノズル領域Pに位置するノズル61により補完記録を行うようになっている。
また、本実施形態においては、制御部10は、キャリッジ駆動機構11による主走査方向Xへの移動の往路における往路走査及び復路における復路走査の双方において記録動作を行うように記録ヘッド6及び紫外線照射装置7を制御するようになっている。さらに、往路走査及び復路走査のうち少なくとも一方の記録動作において、記録ヘッド6の端部の所定のノズル領域内に位置するノズル61に記録データを割り当てないようにすることによりノズル61からのインク吐出を制御するようになっている。
ここで、図5を参照しつつ、制御部10によるインク吐出制御について具体的に説明する。
なお、図5において縦線の区切りは図2に示した記録ヘッド6を示しており、記録ヘッド6を図5の左手側から右手側に向かって斜めにずらして図示しているのは、主走査ごとに記録媒体2を副走査方向Yと反対方向に搬送しながら記録を行った場合の、各走査における記録ヘッド6の記録媒体2に対する相対的な位置関係を模式的に示したものである。
本実施形態において、インクジェット記録装置1は、図5に示すように、副走査手段である記録媒体搬送機構12による1回の搬送で副走査方向Yと反対方向に搬送される記録媒体2の移動量(送り幅)Mを1バンドとしたときに、1つのバンドを形成するために必要な走査回数n(1つのバンドを構成する画素(記録画素)を埋めるのに必要な走査回数(記録走査に必要な走査回数))が6回となっている。
制御部10は、以下に述べるように、一部のノズル61に記録データを割り当てないようになっている。これにより、一部のノズル61を記録動作に使用しないで記録(主要記録)が行われ、1つのバンドを形成するために、記録ヘッド6を主走査方向Xに6+1回(n+1回 =7回)の走査を行うように、キャリッジ駆動機構11、記録媒体搬送機構12及び各記録ヘッド6を制御するようになっている。また、制御部10は、記録ヘッド6を主走査方向Xに6+2回目((n+1)+1回目)に走査させる際(=8回目の走査)に記録ヘッド6の端部に位置するノズル領域Pのノズル61を用いて主要記録を補完する補完記録を行うように該当するノズル61に記録データを割り当てるようになっている。さらに、制御部10は、あるノズル領域の一部のみに対して記録データを割り当てないようにすることができ、これにより、8回目の走査によって補完記録を行う箇所については予め記録を行わずにおくようになっている。
図5において、実線で区切った領域は記録ヘッド6のノズル領域A〜G及びノズル領域Pであり、このうち、主要記録を行う第1群のノズル61が属するノズル領域は、1つのバンドを形成するために行う走査回数(6回+1回=7回)に対応して、7つのノズル領域A〜Gに分割されている。
なお、各ノズル領域A〜Gは、副走査手段である記録媒体搬送機構12による記録媒体2の走査毎の移動量M(搬送量)に相当する長さに対応する領域となっている。また、ノズル領域Pのノズル列の長さαは、記録媒体2の走査毎の移動量M(搬送量)よりも小さくなっている。ノズル領域Pのノズル列の長さαは、移動量Mよりも小さければよく、特に限定されないが、本実施形態では、移動量Mの半分程度である場合を図示している。
また、図5中、実線で区切った領域内に示した矢印は、各ノズル領域による記録が主走査方向Xの往路、復路のいずれで行われるか、すなわち、記録が行われる際の記録ヘッド6の走査方向(移動方向)を示したものである。また、実線で区切った領域のうち横線を付した領域(矢印の記載されていない領域)は、記録動作に使用しない領域であり、制御部10は、当該記録動作に使用しない領域内に位置するノズル61に記録データを割り当てないことにより当該ノズル61からインクを吐出させないように記録ヘッド6のインク吐出を制御するようになっている。
なお、実際の記録動作では、記録ヘッド6の副走査方向Yにおける位置は固定され、記録媒体2が副走査方向Yと反対方向に所定量ずつ移動する(搬送される)が、図5では、説明の便宜上、記録媒体2の位置を固定し、記録ヘッド6の記録媒体2に対する相対的位置が副走査方向Yの上流側から下流側に順次移動しているように表現している。
本実施形態において、制御部10は、往路走査では、記録ヘッド6のノズル領域A〜G及びノズル領域Pのうち、副走査方向Yの最も上流側(図5において上側)に位置するノズル領域P及びこれに隣接するノズル領域Aを記録動作に使用しない領域とし、制御部10は、当該ノズル領域P及びノズル領域A内に位置するノズル61に記録データを割り当てないことにより当該ノズル61からインクを吐出させないように記録ヘッド6のインク吐出を制御する。
また、復路走査では、記録ヘッド6のノズル領域A〜G及びノズル領域Pのうち、副走査方向Yの最も下流側(図5において下側)に位置するノズル領域G及びこれに隣接するノズル領域Fの副走査方向Yの下流側の一部分を記録動作に使用しない領域とし、制御部10は、当該ノズル領域G及びノズル領域Fの一部分内に位置するノズル61に記録データを割り当てないことにより当該ノズル61からインクを吐出させないように記録ヘッド6のインク吐出を制御する。なお、記録データを割り当てられないノズル領域Fの副走査方向Yの一部分の長さは、補完記録を行う第2群のノズル61が属するノズル領域Pの長さαと一致する。
このように、本実施形態においては、制御部10は、往路走査の記録動作と復路走査の記録動作とで、記録ヘッド6の異なる端部に位置するノズル61(ノズル領域A及びノズル領域Pに位置するノズル61又はノズル領域G及びノズル領域Fの一部分に位置するノズル61)に記録データを割り当てないことにより当該ノズル61を使用しないようにノズル61からのインク吐出を制御するようになっている。
具体的には、例えば、図5においてバンドiに着目すると、バンドiの書き出し部分は、ノズル領域Gによる往路走査(図5中、右向きの矢印)の記録動作によって記録される。そして、副走査方向Yと反対方向に記録媒体2を搬送して、ノズル領域Fによる復路走査(図5中、左向きの矢印)の記録動作を行う。この際、制御部10は、ノズル領域Fのうちノズル領域Gに隣接する側のほぼ半分の領域に位置するノズル61に記録データを割り当てないことにより当該領域に対応する箇所を記録しないようにする。
さらに、副走査方向Yと反対方向に記録媒体2を順次搬送するに従ってバンドiの記録を行うノズル領域A〜Gも移動していき、以下バンドiの記録は、ノズル領域Eによる往路走査(図5中、右向きの矢印)の記録動作、ノズル領域Dによる復路走査(図5中、左向きの矢印)の記録動作…の順に6回の走査(記録走査)によって記録される。そして、バンドiについての7回目の走査となるノズル領域Aによる往路走査(図5中、右向きの矢印)の記録動作において、制御部10はノズル領域A内に位置するノズル61からはインクを吐出させないように制御する。これにより、バンドiは書き出し部分が往路走査で始まり、往路走査と復路走査とを順に繰り返しながら7回の走査(6回の記録走査+1回のインク吐出を伴わない走査)で記録されるようになっている。本実施形態では、このノズル領域A〜Gに位置するノズル61(第1群のノズル)による7回の走査を、1つのバンドを形成するための主要記録とする。
そして、制御部10は、次の8回目の走査((n+1)+1回目の主走査)の際に、ノズル領域Pに位置するノズル61(第2群のノズル)に記録データを割り当てて、先のバンドiの形成のための主要記録で記憶されなかった箇所(ノズル領域Fの一部の領域で記録されなかった記録画素)に対応する部分の記録を行わせる(本実施形態における補完記録)。これにより、当該主走査によって記録される領域の境界(ノズル領域Pで記録される領域の副走査方向Yの上流側の境界)が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドiと次のバンドiiとの境界(図5における一点鎖線で示す境界)よりも副走査方向Yの上流側に来る。すなわち、ノズル領域Pで記録される領域の副走査方向Yの上流側の境界が1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドiの幅の途中に形成されるようになっている。
バンドiについての1回目の走査と次のバンドiiについての1回目の走査との間には時間的な間隔があるため、単に記録を行うと、インクの硬化タイミングの差等に起因してバンドiとバンドiiとの間の境界(図5における一点鎖線で示す境界)にいわゆる繋ぎすじが発生するが、本実施形態のように、8回目の走査において、ノズル領域Pのノズル61(第2群のノズル)を用いてバンドiとバンドiiとの間の境界にかかるように補完記録を行うことにより、この繋ぎすじが目立たないようにすることができる。
さらに、次のバンドiiに着目すると、バンドiiについての1回目の走査となるノズル領域Gによる復路走査(図5中、左向きの矢印)の記録動作において、制御部10はノズル領域G内に位置するノズル61からはインクを吐出させないように制御する。これにより、バンドiiの書き出し部分は、ノズル領域Fによる往路走査(図5中、右向きの矢印)の記録動作によって記録される。そして、副走査方向Yと反対方向に順次記録媒体2を搬送するに従ってバンドiiの記録を行うノズル領域A〜Gも移動していき、以下バンドiiの記録は、ノズル領域Eによる復路走査(図5中、左向きの矢印)の記録動作、ノズル領域Dによる往路走査(図5中、右向きの矢印)の記録動作、ノズル領域Cによる復路走査(図5中、左向きの矢印)の記録動作…の順に6回の走査(バンドiiについての1回目の走査から数えて7回の走査、記録走査)によって記録される。これにより、バンドiと同様にバンドiiも、書き出し部分が往路走査で始まり、往路走査と復路走査とを順に繰り返しながら7回の走査(1回のインク吐出を伴わない走査+6回の記録走査)で記録されるようになっている。このノズル領域A〜Gに位置するノズル61(第1群のノズル)による7回の走査が、当該バンドにおける1つのバンドを形成するための主要記録である。
そして、バンドiiについての1回目の走査から数えて8回目の主走査時には、制御部10はノズル領域P内に位置するノズル61(第2群のノズル)からはインクを吐出させないように制御する。なお、前述のバンドiとバンドiiとの場合と異なり、バンドiiについての1回目の走査と次のバンドiiiについての1回目の走査との間には時間的な間隔がない(同時に記録が開始される)ため、8回目の走査においてバンドiとバンドiiとの間の境界にかかるような補完記録を行わなくても繋ぎすじが目立つことはない。
次に、図6を参照しつつ、本実施形態におけるインクジェット記録方法について説明する。
なお、図6のS4とS7における「記録媒体を副走査方向に移動量Mだけ搬送」なる記載は、記録媒体2を、記録ヘッド6に対する記録媒体2の相対的副走査方向(記録媒体2に対する記録ヘッド6の相対的副走査方向Yと反対方向)に移動量Mだけ搬送することを意味している。
ホストシステム17や図示しない外部装置からインタフェース(I/F)16を介して入力された画像データがインクジェット記録装置1に送られると、送られた画像データは画像処理部13で復号化処理等の所定の処理が行われ、画像処理部13に備えられた図示しない記憶部(メモリ)等に記憶される。そして、画像記録に必要なデータが全て揃うと、制御部10は記録動作に移行するように装置各部の制御を行う。すなわち、制御部10が記録媒体搬送機構12を制御することにより記録媒体2が順次副走査方向Yと反対方向の上流側から下流側に搬送される。また、制御部10がキャリッジ駆動機構11を制御することによりキャリッジ5に搭載された記録ヘッド6を記録媒体2の上を主走査方向Xに沿って走査させるとともに、制御部10はヘッド駆動部13を制御することにより各記録ヘッド6を動作させ、主走査方向Xの往路及び復路において所定の吐出量のインクを所定の画素に吐出させる。また、制御部10は紫外線照射装置7を制御して記録媒体2上に吐出されたインクに紫外線を照射させる。
具体的には、制御部10は、まず、主走査方向Xの左方向から右方向に記録ヘッド6を走査させる(往路における往路走査、ステップS1)。この往路における往路走査の際には、制御部10は、ノズル領域A及びノズル領域P内に位置するノズル61からはインクを吐出させないように当該ノズル61に記録データを割り当てないように制御する。
往路走査が終了すると、制御部10は、全画像を記録するのに必要な記録動作が終了したかを常に判断し(ステップS2)、記録動作が終了した場合(ステップS2;YES)には、制御部10は、キャリッジ駆動機構11を制御することによりキャリッジ5に搭載された記録ヘッド6を往路走査の起点(本実施形態では、インクジェット記録装置1におけるキャリッジ5の移動可能範囲の左端)まで移動させた上で(ステップS3)、その処理を終了する。
他方、記録動作が終了していない場合(ステップS2;NO)には、制御部10は、記録媒体2を副走査方向Yと反対方向の上流側から下流側に移動量Mだけ搬送させる(ステップS4)。
続いて、制御部10は、主走査方向Xの右方向から左方向に記録ヘッド6を走査させる(復路における復路走査、ステップS5)。この復路における復路走査の際には、制御部10は、ノズル領域G内に位置するノズル61及びノズル領域Fのうちノズル領域Gに隣接する側の一部分に位置するノズル61からはインクを吐出させないように当該ノズル61に記録データを割り当てないように制御する。そして、記録媒体2上に吐出されたインクに紫外線照射装置7から紫外線が照射されることによりインクが硬化定着し、記録媒体2上に画像が記録される。
制御部10は、全画像を記録するのに必要な記録動作が終了したかを常に判断し(ステップS6)、終了していない場合(ステップS6;NO)には、制御部10は、記録媒体2を副走査方向Yと反対方向の上流側から下流側に移動量Mだけ搬送させた上で(ステップS7)、ステップ1に戻って往路走査及び復路走査を交互に繰り返す。
これにより、1つのバンドに着目してみたときに1つのバンドについて6回(n回)の走査(記録走査)により当該バンド内の全画素について記録が完了し、その後に行われる7回目(n+1回目)の走査でインク吐出を伴わない走査を行うことにより、7回(n+1回)の走査で当該バンドについてノズル領域A〜Gに位置するノズル61(第1群のノズル)による、1つのバンドを形成するための主要記録が完了する。さらに、n+2回目の走査となる8回目の走査(記録走査)で、ノズル領域Pに位置するノズル61(第2群のノズル)により、主要記録を補完する補完記録を行う。
他方、全画像を記録するのに必要な記録動作が終了した場合(ステップS6;YES)には、制御部10は処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、(n+1)+1回目の主走査の際に、第2群のノズル61によって、記録媒体搬送機構12による記録媒体2の送り量(移動量M)よりも副走査方向Yの長さ(第2群のノズル61のノズル列長さα)が小さい領域の記録画素について記録を行って、当該主走査によって記録される領域の副走査方向Y上流側の境界が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるようにしているので、あるバンドの記録開始時、記録終了時と、当該バンドに隣接するバンドの記録開始時、記録終了時との間に時間差が生じることによりバンド間の境界に発生する繋ぎすじを目立たなくする。
また、一定の送り量(移動量M)で記録媒体を搬送すればよいので、装置構成が簡素化できると共に制御が容易になる。
また、本実施形態のように記録を行うことにより、いずれのバンドでも書き出し部分が往路走査で始まり、往路走査と復路走査とを順に繰り返しながら記録を行い、1つのバンドを形成するのに必要な走査回数n+1回の走査で1つのバンドを形成するようになっているので、全てのバンドにおいて、ある走査回数のときに往路走査又は復路走査のうちいずれで記録されるかの順番(各バンドを形成する記録動作の走査方向の組合せ)が一致している。
このため、往路、復路ともに記録を行う双方向の記録を行う場合であって、1つのバンドを複数回(偶数回)の走査で形成する場合でも、バンド毎にインク吐出順序、乾燥時間、活性エネルギー線の照射タイミング等が異なることによる色調、濃度、光沢感等の差に起因するバンディングむらの発生を防止して、高品質の画像を形成することができる。
なお、本実施形態においては、1つのバンドを6回の走査(記録走査)で形成する場合を例としたが、1つのバンドを形成するために必要な走査回数はこれに限定されない。例えば4回の走査(記録走査)等の少ない走査回数で1つのバンドを形成してもよいし、さらに多くの走査回数で1つのバンドを形成するようにしてもよい。
このような場合にも、1つのバンドを形成するのに必要な走査回数(記録走査回数)n+1回の走査で主要記録を行い、(n+1)+1回目の走査で主要記録を補完する補完記録を行う。また、記録ヘッドのノズル領域も走査回数(n+1)+1に分割して、このうち副走査方向Yの上流側端部に位置するノズル領域(α部分)に位置するノズル(第2群のノズル)及びこれに隣接するノズル領域と、副走査方向Yの下流側端部に位置するノズル領域及びこれに隣接するノズル領域のうちの一部と、を往路走査と復路走査とにおいて交互に記録動作に使用しない領域とする。
また、本実施形態においては、往路走査では、記録ヘッド6のノズル領域A〜Gのうち、副走査方向Yの最も上流側(図5において上側)に位置するノズル領域P及びこれに隣接するノズル領域Aを記録動作に使用しない領域とし、復路走査では、記録ヘッド6のノズル領域A〜Gのうち、副走査方向Yの最も下流側(図5において下側)に位置するノズル領域G及びこれに隣接するノズル領域Fのうちノズル領域G側の一部分を記録動作に使用しない領域としたが、例えば、往路走査ではノズル領域G及びこれに隣接するノズル領域Fのうちノズル領域G側の一部分を記録動作に使用しない領域とし、復路走査ではノズル領域P及びこれに隣接するノズル領域Aを記録動作に使用しない領域としてもよい。
また、本実施形態においては、1つのバンドを形成するために必要な走査回数(記録走査を行う回数)がnである場合に、1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行い、(n+1)+1回目の主走査(記録走査)の際に、第2群のノズル61による記録(補完記録)を行うようにしたが、第2群のノズル61による記録(補完記録)を行うタイミングはここに例示したものに限定されない。例えば、(n+1)+2回目以降の主走査の際に、第2群のノズル61による記録を行ってもよい。さらに、1つのバンドを形成するためにn回の走査を行い、n+1回目以降の主走査の際に、第2群のノズル61による記録を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、復路走査において、ノズル領域Fの一部分に位置するノズル61からはインクを吐出させないことにより記録されずに残されている箇所に、(n+1)+1回目の走査においてノズル領域Pに位置するノズル61からインクを吐出させて記録を行うようにしたが、復路走査において、ノズル領域Fの全部からインクを吐出させ、(n+1)+1回目の走査においてノズル領域Pに位置するノズル61からインクを吐出させたインクがノズル領域Fから吐出されたインクの上に重なるように記録を行ってもよい。この場合でも、ノズル領域Pに位置するノズル61で記録される領域の副走査方向Yの上流側の境界が、バンドiとバンドiiとの境界部分よりも副走査方向Yの上流側であって、バンドiの幅の途中に形成されるので、バンドiとバンドiiとの境界に現れる繋ぎすじが目立ちにくくなる。
また、本実施形態では、記録ヘッド6の副走査方向Yにおける位置は固定され、記録媒体2が副走査方向Yと反対方向に所定量ずつ移動する(搬送される)場合を例として説明したが、インクジェット記録装置はこれに限定されず、記録媒体及び記録ヘッドのうち少なくとも一方を副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させればよく、例えば、記録媒体2を静止させた状態で、記録ヘッド6を副走査方向Yの上流側から下流側に所定量ずつ移動するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、往路走査、復路走査の双方において記録動作を行う双方向記録方式の場合を例として説明したが、インクジェット記録装置はこれに限定されず、往路走査、復路走査のいずれか一方において記録動作を行う片方向記録方式であってもよい。この場合には、制御部は、各走査の記録動作ごとに、記録ヘッド6の異なる端部に位置するノズル61(ノズル領域A及びノズル領域Pに位置するノズル61又はノズル領域G及びノズル領域Fの一部分に位置するノズル61)に記録データを割り当てないことにより当該ノズル61を使用しないようにノズル61からのインク吐出を制御するようになっている。
ここで、図7を参照しつつ、片方向記録方式の場合の記録方法について、双方向記録方式の場合と異なる点につき説明する。
片方向記録方式の場合には、制御部は、ノズル領域A及びノズル領域P内に位置するノズル61からはインクを吐出させないように当該ノズル61に記録データを割り当てないように制御して、主走査方向Xの左方向から右方向に記録ヘッド6を走査(記録走査)させる(1回目の主走査)。次に、制御部は、記録媒体2を副走査方向Yと反対方向の上流側から下流側に移動量Mだけ搬送させるとともに、主走査方向Xの右方向から左方向に記録ヘッド6を移動させ、記録ヘッド6を元の位置に戻す。
続いて、制御部は、主走査方向Xの左方向から右方向に記録ヘッド6を走査(記録走査)させる(2回目の主走査)。この2回目の走査の際には、制御部は、ノズル領域G内に位置するノズル61及びノズル領域Fのうちノズル領域Gに隣接する側の一部分に位置するノズル61からはインクを吐出させないように当該ノズル61に記録データを割り当てないように制御する。制御部は、このような動作を全画像を記録するのに必要な記録動作が終了するまで繰り返す。これにより、2回目の主走査、4回目の主走査…において、ノズル領域Fの一部分に位置するノズル61からはインクを吐出させないことにより記録されずに残されている箇所(画素)に、(n+1)+1回目の走査においてノズル領域Pに位置するノズル61からインクを吐出させて記録を行うことができる。
すなわち、1つのバンドに着目してみたときに1つのバンドについて6回(n回)の走査(記録走査)により当該バンド内の全画素について記録が完了し、その後に行われる7回目(n+1回目)の走査でインク吐出を伴わない走査を行うことにより、7回(n+1回)の走査で当該バンドについてノズル領域A〜Gに位置するノズル61(第1群のノズル)による、1つのバンドを形成するための主要記録が完了する。さらに、n+2回目の走査となる8回目の走査(記録走査)で、ノズル領域Pに位置するノズル61(第2群のノズル)により、主要記録を補完する補完記録が行われる。
これにより、ノズル領域Pに位置するノズル61で記録される領域の副走査方向Yの上流側の境界が、バンドivとバンドvとの境界部分よりも副走査方向Yの上流側であって、バンドivの幅の途中に形成される。
なお、このような片方向記録方式の場合にも、2回目の主走査、4回目の主走査…において、ノズル領域Fの全部からインクを吐出させ、(n+1)+1回目の走査においてノズル領域Pに位置する第2群のノズル61からインクを吐出させたインクがノズル領域Fから吐出されたインクの上に重なるように記録を行ってもよい。
また、ノズル領域Pに位置する第2群のノズル61による記録を行うタイミングについても、前述の双方向記録方式の場合と同様特に限定されない。
また、本実施形態においては、紫外線を照射することにより硬化するインクを用いて画像記録を行うものとしたが、インクは必ずしもこれには限定されず、例えば、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波といった紫外線以外の活性化エネルギー線を照射することにより硬化するインクであってもよい。この場合、インクには、紫外線以外の活性化エネルギー線で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の活性化エネルギー線で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用される。また、紫外線以外の活性化エネルギー線で硬化する光硬化性のインクを用いる場合は、紫外線光源に代えて、その活性化エネルギー線を照射する光源を適用する。
さらに、活性化エネルギー線を照射することなく硬化するインクを用いてもよい。この場合には活性化エネルギー線を照射する光源を設ける必要がない。
また、本発明によるインクジェット記録装置1で使用する記録ヘッド6は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、例えば、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)等のうち、いずれの吐出方式を用いても構わない。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
次に、図8及び図9を参照しつつ、本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、1つのバンドを形成するのに必要な走査回数のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態におけるインクジェット記録装置は、第1の実施形態と同様に、図示しないキャリッジに搭載された記録ヘッド8(図8参照)を備えている。また、インクジェット記録装置は、主走査手段としてのキャリッジ駆動機構(図示せず)と、副走査手段としての記録媒体搬送機構(図示せず)とを備えており、記録媒体搬送機構によって図示しない記録媒体を副走査方向Yと反対方向に移動させるとともに、キャリッジ駆動機構によってキャリッジに搭載された記録ヘッド8を主走査方向Xに移動させ、順次記録動作を行うようになっている。記録ヘッド8から吐出されたインクには図示しない紫外線照射装置から活性エネルギー線としての紫外線が照射される。
本実施形態において、インクジェット記録装置は、1つのバンドを形成するために走査回数n(nは奇数)の記録が必要であり、n回の記録走査(インク吐出を伴う記録のための走査)を行う。さらに、本実施形態では、インク吐出を伴わないn+1回目の走査を行うようになっている。すなわち、例えば、1つのバンドを形成するために5回の走査が必要な場合には、1つのバンドについて5回の記録走査を行い、その後、6回目にインク吐出を伴わない走査を行う。このように、本実施形態では、ノズル領域A〜Fに位置するノズル81(第1群のノズル)により、1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行う主要記録を行う。
そして、さらに、n+2回目の走査で、ノズル領域Pに位置するノズル81(第2群のノズル)により、主要記録を補完する補完記録を行うようになっている。
以下本実施形態においては、後述するように1つのバンドを形成するために必要な走査回数nが5回である場合を例として以下説明する。
前記記録ヘッド8の記録媒体に対向する面は、例えば図8に示すように、記録ヘッド8の長手方向(副走査方向Y)に沿って複数のノズル81が列状に形成されたインク吐出面82となっており、各記録ヘッド8はノズル81からそれぞれインクを吐出させるようになっている。
ノズル81が設けられている領域(ノズル領域)は、例えば、図8に示すように、1つのバンドを記録するのに必要な走査回数nよりも1つ多い6つの領域(ノズル領域A〜F)に分割されている。記録ヘッド8は、図示しない制御部によって各ノズル81に対して記録データ(記録データに対応する駆動信号)が割り当てられるようになっており、これによって、あるノズル領域からはインクを吐出させないようにするといったインクの吐出制御が行われるようになっている。
また、インクジェット記録装置は、第1の実施形態と同様の制御部(図示せず)を備えている。
また、本実施形態においては、制御部は、キャリッジ駆動機構による主走査方向Xへの移動の往路における往路走査及び復路における復路走査の双方において記録動作を行うように記録ヘッド8及び紫外線照射装置を制御するようになっている。さらに、制御部は、往路走査及び復路走査のうち一方の記録動作において、記録ヘッド8の両端部の所定のノズル領域内に位置するノズル81に記録データを割り当てないことにより当該ノズル81を使用しないようにノズル81からのインク吐出を制御する。
ここで、図9を参照しつつ、制御部によるインク吐出制御について具体的に説明する。
なお、図9は、図5において説明したのと同様に、説明の便宜上、記録媒体の位置を固定し、記録ヘッド8の記録媒体に対する相対的な位置が副走査方向Yの上流側から下流側に順次移動しているように表現した模式図である。図9において縦線の区切りは図8に示した記録ヘッド8を示しており、記録ヘッド8を図9の左手側から右手側に向かって斜めにずらして図示しているのは、主走査ごとに記録媒体を副走査方向Yと反対方向に搬送しながら記録を行った場合の、各走査における記録ヘッド8の記録媒体に対する相対的な位置関係を模式的に示したものである。
本実施形態において、インクジェット記録装置は、図9に示すように、副走査手段である記録媒体搬送機構による1回の搬送で副走査方向Yと反対方向に搬送される記録媒体2の送り幅を1バンドとしたときに、1つのバンドを形成するために必要な走査回数(記録走査回数)nが5となっており、制御部は、記録ヘッド8を主走査方向Xに6回(=記録走査5回+インク吐出を伴わない走査1回)走査することにより1つのバンドが形成されるように、キャリッジ駆動機構、記録媒体搬送機構及び各記録ヘッド8を制御するようになっている。
図9において、実線で区切った領域は記録ヘッド8のノズル領域A〜F及びノズル領域Pであり、このうち、ノズル領域A〜Fは主要記録を行う第1群のノズル81が設けられている領域であって、ノズル領域Pは主要記録を補完する補完記録を行う第2群のノズル81が設けられている領域となっている。このように主要記録を行う第1群のノズル81が設けられる領域は、1つのバンドを形成するために行う走査回数(6回)に対応して、ノズル領域が6つ(ノズル領域A〜F)に分割されている。
また、図9中、実線で区切った領域内に示した矢印は、各ノズル領域による記録が主走査方向Xの往路、復路のいずれで行われるか、すなわち、記録が行われる際の記録ヘッド8の移動方向を示したものである。また、実線で区切った領域のうち横線が付されている領域(矢印の記載されていない領域)は、記録動作に使用しない領域であり、制御部は、当該記録動作に使用しない領域内に位置するノズル81に記録データを割り当てないことにより当該ノズル81からインクを吐出させないように記録ヘッド8のインク吐出を制御するようになっている。
本実施形態では、制御部は、復路走査では、記録ヘッド8のノズル領域A〜F及びノズル領域Pのうち、副走査方向Yの最も上流側(図9において上側)に位置するノズル領域P及びノズル領域Aと、副走査方向Yの最も下流側(図9において下側)に位置するノズル領域F及びこれに隣接するノズル領域Eのうち副走査方向Yの下流側の一部分を記録動作に使用しない領域とし、制御部は、当該ノズル領域P及びノズル領域Aと、ノズル領域F及びノズル領域Eのうち副走査方向Yの下流側の一部分に位置するノズル81からインクを吐出させないように当該領域内に位置するノズル81に記録データを割り当てないようにして記録ヘッド8のインク吐出を制御する。なお、往路走査においては、記録ヘッド8のすべてのノズル領域A〜F及びノズル領域Pを記録動作に使用し、すべてのノズル81からインクを吐出させる。このように、本実施形態においては、制御部は、復路走査の記録動作において、記録ヘッド8の両端部に位置するノズル81(ノズル領域P及びノズル領域Aに位置するノズル81、ノズル領域F及びノズル領域Eのうち副走査方向Yの下流側の一部分に位置するノズル81)に記録データを割り当てないことにより当該ノズル81を使用しないようにノズル81からのインク吐出を制御するようになっている。
具体的には、例えば、図9においてバンドxに着目すると、バンドxの書き出し部分は、ノズル領域Fによる往路走査(図9中、右向きの矢印)の記録動作によって記録される。そして、副走査方向Yと反対方向に記録媒体を搬送して、ノズル領域Eによる復路走査(図9中、左向きの矢印)の記録動作を行う。この際、制御部は、ノズル領域Eのうちノズル領域Fに隣接する側のほぼ半分の領域に位置するノズル81に記録データを割り当てないことにより当該領域に対応する箇所を記録しないようにする。
さらに、副走査方向Yと反対方向に記録媒体を順次搬送するに従ってバンドxの記録を行うノズル領域A〜Fも移動していき、以下バンドxの記録は、ノズル領域Dによる往路走査(図9中、右向きの矢印)の記録動作、ノズル領域Cによる復路走査(図9中、左向きの矢印)の記録動作…の順に5回の走査(記録走査)によって記録される。
そして、バンドxについての6回目の走査となるノズル領域Aによる復路走査(図9中、左向きの矢印)の記録動作において、制御部はノズル領域A内に位置するノズル81からはインクを吐出させないように当該ノズル81に記録データを割り当てないように制御する。これにより、バンドxは書き出し部分が往路走査で始まり、往路走査と復路走査とを順に繰り返しながら6回の走査(=記録走査5回+インク吐出を伴わない走査1回)で記録される主要記録が行われる。
そして、制御部は、次の7回目の走査((n+1)+1回目の主走査)の際に、ノズル領域Pに位置するノズル81(第2群のノズル)に記録データを割り当てて、先のバンドxの形成のための主要記録で記録されなかった箇所(ノズル領域Eの一部の領域で記録されなかった箇所)に対応する部分の記録を行わせる。これにより、当該主走査によって記録される領域の境界(ノズル領域Pで記録される領域の副走査方向Yの上流側の境界)が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドxと次のバンドxiとの境界(図9における一点鎖線で示す境界)よりも副走査方向Yの上流側に来る。すなわち、ノズル領域Pで記録される領域の副走査方向Yの上流側の境界が1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドxの幅の途中に形成されるようになっている。
バンドxについての1回目の走査と次のバンドxiについての1回目の走査との間には時間的な間隔があるため、単に記録を行うと、インクの硬化タイミングの差等に起因してバンドxとバンドxiとの間の境界(図9における一点鎖線で示す境界)にいわゆる繋ぎすじが発生するが、本実施形態のように、7回目の走査において、ノズル領域Pのノズル81(第2群のノズル)を用いてバンドxとバンドxiとの間の境界にかかるように補完記録を行うことにより、この繋ぎすじが目立たないようにすることができる。
さらに、次のバンドxiに着目すると、バンドxiについての1回目の走査となるノズル領域Fによる復路走査(図9中、左向きの矢印)の記録動作において、制御部はノズル領域F内に位置するノズル81からはインクを吐出させないように制御する。これにより、バンドxiの書き出し部分は、ノズル領域Eによる往路走査(図9中、右向きの矢印)の記録動作によって記録される。そして、副走査方向Yと反対方向に順次記録媒体を搬送するに従ってバンドxiの記録を行うノズル領域A〜Fも移動していき、以下バンドxiの記録は、ノズル領域Dによる復路走査(図9中、左向きの矢印)の記録動作、ノズル領域Cによる往路走査(図9中、右向きの矢印)の記録動作、ノズル領域Bによる復路走査(図9中、左向きの矢印)の記録動作…の順に5回の走査(バンドxiについての1回目の走査から数えて6回目の走査)によって記録される。これにより、バンドxと同様にバンドxiも、書き出し部分が往路走査で始まり、往路走査と復路走査とを順に繰り返しながら5回の走査で記録されるようになっている。
そして、バンドxiについての1回目の走査から数えて7回目の主走査時には、制御部はノズル領域P内に位置するノズル81からはインクを吐出させないように制御する。なお、前述のバンドxとバンドxiとの場合と異なり、バンドxiについての1回目の走査と次のバンドxiiについての1回目の走査との間には時間的な間隔がない(同時に記録が開始される)ため、7回目の走査においてバンドxとバンドxiとの間の境界にかかるような補完記録を行わなくても繋ぎすじが目立つことはない。
なお、その他の構成は、第1の実施形態のものと同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるインクジェット記録方法について説明する。
記録動作において、制御部は、まず、主走査方向Xの左方向から右方向に記録ヘッド8を走査させる。この往路における往路走査の際には、制御部は、すべてのノズル領域A〜F及びノズル領域P内に位置するノズル81からはインクを吐出させるように、当該ノズル81への記録データの割り当てを制御する。
往路走査が終了すると、制御部は、全画像を記録するのに必要な記録動作が終了したかを判断し、記録動作が終了した場合には、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド6を往路走査の起点まで移動させて、その処理を終了する。
他方、記録動作が終了していない場合には、制御部は、記録媒体を副走査方向Yと反対方向の上流側から下流側に移動量Mだけ搬送させる制御する。
続いて、制御部は、主走査方向Xの右方向から左方向に記録ヘッド8を走査させる。この復路における復路走査の際には、制御部は、ノズル領域A及びノズル領域Pと、ノズル領域F及びノズル領域Eのうちノズル領域Fに隣接する側の一部分に位置するノズル81からはインクを吐出させないように当該領域内に位置するノズル81に記録データを割り当てないように制御する。記録媒体上に吐出されたインクに紫外線照射装置から紫外線が照射されることによりインクが硬化定着し、記録媒体上に画像が記録される。制御部は、全画像を記録するのに必要な記録動作が終了したかを常に判断し、終了していない場合には、往路走査及び復路走査を交互に繰り返す。
これにより、1つのバンドに着目してみたときに1つのバンドについて5回(n回)の走査(記録走査)により当該バンド内の全画素について記録が完了し、その後に行われる6回目(n+1回目)の走査でインク吐出を伴わない走査を行うことにより、6回(n+1回)の走査で当該バンドについてノズル領域A〜Fに位置するノズル81(第1群のノズル)による、1つのバンドを形成するための主要記録が完了する。さらに、n+2回目の走査となる7回目の走査(記録走査)で、ノズル領域Pに位置するノズル81(第2群のノズル)により、主要記録を補完する補完記録を行う。
他方、全画像を記録するのに必要な記録動作が終了した場合には、制御部は処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、奇数回(n回)の走査で1つのバンドを形成する場合であっても、(n+1)+1回目の主走査の際に、第2群のノズル81によって、記録媒体搬送機構による記録媒体の送り量(移動量M)よりも副走査方向Yの長さ(第2群のノズル81のノズル列長さα)が小さい領域について記録を行って、当該主走査によって記録される領域の副走査方向Y上流側の境界が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるようにしているので、あるバンドの記録開始時、記録終了時と、当該バンドに隣接するバンドの記録開始時、記録終了時との間に時間差が生じることによりバンド間の境界に発生する繋ぎすじを目立たなくすることができる。
また、本実施形態によれば、いずれのバンドでも書き出し部分が往路走査で始まり、往路走査と復路走査とを順に繰り返しながら5回の走査(記録走査)で記録されるようになっているので、各バンドを形成する記録動作の走査方向の組合せが一致している。このため、往路、復路ともに記録を行う双方向の記録を行う場合であって、1つのバンドを複数回(奇数回)の走査で形成する場合でも、バンド毎にインク吐出順序、乾燥時間、活性エネルギー線の照射タイミング等が異なることによる色調、濃度、光沢感等の差に起因するバンディングむらの発生を防止して、高品質の画像を形成することができる。
なお、本実施形態においては、1つのバンドを5回の走査(記録走査)で形成する場合を例としたが、1つのバンドを形成するために必要な走査回数はこれに限定されない。例えば3回の走査等、本実施形態よりも少ない走査回数で1つのバンドを形成するようにしてもよいし、7回等、さらに多くの走査回数で1つのバンドを形成するようにしてもよい。
このような場合にも、1つのバンドを形成するのに必要な走査回数n+1回の走査を行う。また、記録ヘッドのノズルのうち主要記録に用いられる第1群のノズルのノズル領域も走査回数n+1と一致する数に分割して、このうち副走査方向Yの上流側端部に位置するノズル領域及び副走査方向Yの下流側端部に位置するノズル領域を往路走査又は復路走査のいずれかにおいて記録動作に使用しない領域とする。
なお、本実施形態においては、復路走査の際にノズル領域A及びノズル領域Pと、ノズル領域F及びノズル領域Eのうちノズル領域Fに隣接する側の一部分に位置するノズル81からインクを吐出させないようにしたが、往路走査の際にノズル領域A及びノズル領域Pと、ノズル領域F及びノズル領域Eのうちノズル領域Fに隣接する側の一部分に位置するノズル81からインクを吐出させないようにしてもよい。
また、本実施形態では、往路走査、復路走査の双方において記録動作を行う双方向記録方式の場合を例として説明したが、インクジェット記録装置はこれに限定されず、往路走査、復路走査のいずれか一方において記録動作を行う片方向記録方式であってもよい(図10参照)。
この場合には、制御部は、記録を行う走査(例えば図10においては往路走査)において、交互に、全てのノズル領域からインクを吐出させる回と、記録ヘッド8のノズル領域A及びノズル領域Pと、ノズル領域F及びノズル領域Eのうちノズル領域Fに隣接する側の一部分に位置するノズル81からはインクを吐出させない回とを切り替えるようにし、一部の領域に位置するノズル81からインクを吐出させない回には、当該領域内に位置するノズル81に記録データを割り当てないように制御する。
ここで、図10を参照しつつ、片方向記録方式の場合の記録方法について、双方向記録方式の場合と異なる点につき説明する。
片方向記録方式の場合には、制御部は、まず、全てのノズル81からインクを吐出させるように各ノズル81に記録データを割り当てて、主走査方向Xの左方向から右方向に記録ヘッド8を走査させる(1回目の主走査)。次に、制御部は、記録媒体を副走査方向Yと反対方向の上流側から下流側に移動量Mだけ搬送させるとともに、主走査方向Xの右方向から左方向に記録ヘッド8を移動させ、記録ヘッド8を元の位置に戻す。
続いて、制御部は、主走査方向Xの左方向から右方向に記録ヘッド8を走査させる(2回目の主走査)。この2回目の走査の際には、制御部は、記録ヘッド8のノズル領域A及びノズル領域Pと、ノズル領域F及びノズル領域Eのうちノズル領域Fに隣接する側の一部分に位置するノズル81からはインクを吐出させないように当該ノズル81に記録データを割り当てないように制御する。制御部は、このような動作を全画像を記録するのに必要な記録動作が終了するまで繰り返す。これにより、2回目の主走査、4回目の主走査…において、ノズル領域Eの一部分に位置するノズル81からはインクを吐出させないことにより記録されずに残されている箇所に、(n+1)+1回目の走査においてノズル領域Pに位置するノズル81からインクを吐出させて記録を行うことができる。
すなわち、1つのバンドに着目してみたときに1つのバンドについて5回(n回)の走査(記録走査)により当該バンド内の全画素について記録が完了し、その後に行われる6回目(n+1回目)の走査でインク吐出を伴わない走査を行うことにより、6回(n+1回)の走査で当該バンドについてノズル領域A〜Fに位置するノズル81(第1群のノズル)による、1つのバンドを形成するための主要記録が完了する。さらに、n+2回目の走査となる7回目の走査(記録走査)で、ノズル領域Pに位置するノズル81(第2群のノズル)により、主要記録を補完する補完記録が行われる。
これにより、ノズル領域Pに位置するノズル81で記録される領域の副走査方向Yの上流側の境界が、バンドxiiiとバンドxivとの境界部分よりも副走査方向Yの上流側であって、バンドxiiiの幅の途中に形成される。
その他、本発明が本実施の形態に限られないことは、第1の実施形態と同様である。

Claims (9)

  1. 記録媒体上にインクを吐出する第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとが副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査手段と、
    前記記録媒体及び前記記録ヘッドのうち少なくとも一方を前記副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査手段と、を備え、
    前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記主走査手段は、前記1つのバンドを形成するために必要な走査回数がnである場合に、前記1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行うものであり、
    前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×(n+1)+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、(n+1)+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てる制御部を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第2群のノズルにより記録される記録画素は、1〜(n+1)回目までの主走査においては記録されないことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記第2群のノズルにより記録される記録画素は、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの前記相対的副走査方向下流側の境界よりも前記相対的副走査方向上流側の画素のみであることを特徴とする請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記1つのバンドを形成するために必要な走査回数nが偶数であって、前記主走査手段による移動の往路における往路走査及び復路における復路走査の双方において記録動作を行う場合に、前記制御部は、前記往路走査の記録動作と復路走査の記録動作とで、前記記録ヘッドの異なる端部に位置する前記ノズルに記録データを割り当てないことにより前記ノズルからのインク吐出を制御することを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第3項のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記1つのバンドを形成するために必要な走査回数nが奇数であって、前記主走査手段による移動の往路における往路走査及び復路における復路走査の双方において記録動作を行う場合に、前記制御部は、前記往路走査及び復路走査のうち一方の記録動作において、前記記録ヘッドの両端部に位置する前記ノズルに記録データを割り当てないことにより前記ノズルからのインク吐出を制御することを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第3項のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 記録媒体上にインクを吐出する第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとが副走査方向に沿って列状に複数設けられた記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査手段と、
    前記記録媒体及び前記記録ヘッドのうち少なくとも一方を前記副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査手段と、を備え、
    前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置であって、
    1つのバンドを形成するために必要な走査回数をnとし、前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×n+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、n+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜n回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てる制御部を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記インクは、活性化エネルギー線硬化性化合物を含んでおり、活性化エネルギー線を照射することによって硬化する活性化エネルギー線硬化性インクであることを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第6項のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 記録媒体及び記録ヘッドのうち少なくとも一方を副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査工程と、
    記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査工程と、
    前記記録ヘッドの副走査方向に沿って列状に複数設けられた第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとから記録媒体上にインクを吐出させ、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行う記録工程と、を備えるインクジェット記録方法であって、
    前記主走査工程は、前記1つのバンドを形成するために必要な走査回数がnである場合に、前記1つのバンドを形成するためにn+1回の走査を行うものであり、
    前記記録工程の際に、前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×(n+1)+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、(n+1)+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜(n+1)回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てることを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 記録媒体及び記録ヘッドのうち少なくとも一方を副走査方向に所定の移動量Mずつ相対走査させる副走査工程と、
    記録ヘッドを前記副走査方向と直交する主走査方向に主走査させる主走査工程と、
    前記記録ヘッドの副走査方向に沿って列状に複数設けられた第1群のノズルと端部に位置する第2群のノズルとから記録媒体上にインクを吐出させ、前記主走査手段による主走査と前記副走査手段による副走査とを交互に行い、複数回の主走査及び副走査によって第1群のノズルにより前記所定の移動量Mに対応する幅の1つのバンドを形成するようにして前記記録媒体上に記録を行う記録工程と、を備えるインクジェット記録方法であって、
    前記記録工程の際に、1つのバンドを形成するために必要な走査回数をnとし、前記記録ヘッドの全ノズルのノズル列の長さをLとし、前記第2群のノズルのノズル列の長さをαとしたとき、L=M×n+αであって、M>αとの関係を満たすものであり、n+1回目以降の主走査の際に、前記第2群のノズルによる記録を行わせるとともに、当該主走査によって記録される領域の、前記記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的副走査方向上流側の境界が、1〜n回の主走査により形成されたバンドの幅の途中に形成されるように各ノズルに記録データを割り当てることを特徴とするインクジェット記録方法。
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