JP6186489B1 - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

【課題】レイヤー印刷によって品質に優れた印刷物を作成することができるインクジェットプリンタを提供する。【解決手段】プリンタ１０は、主走査方向Ｙに並んで配置される第１インクヘッド４１と第２インクヘッド４２とを有するインクヘッド４０と、副走査方向Ｘにおいてプラテン１６より上流側に配置され、記録媒体５を加熱する第１ヒータ３７と、プラテン１６の下方に配置され、プラテン１６上に載置された記録媒体５を加熱する第２ヒータ３５と、を備え、制御装置２５は、第１上流側ノズル列４４Ａから吐出された第１のインクが着弾する第１領域Ｓ１の表面温度が、第２下流側ノズル列４６Ｂから吐出された第２のインクが着弾する第２領域Ｓ２の表面温度よりも高くなるように、第１ヒータ３５および第２ヒータ３７を制御するヒータ制御部２８を備えている。【選択図】図３

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。

従来から、異なる種類のインクを重ねて記録媒体上に画像を形成するインクジェットプリンタが知られている。即ち、２層以上のインク層を積層するレイヤー印刷が可能なインクジェットプリンタが知られている。

例えば特許文献１の図４，５に開示されるインクジェットプリンタは、ホワイトインクを吐出する下地形成用サブヘッドと、プロセスカラーインクを吐出する画像形成用サブヘッドとを有する吐出ヘッドを備えている。このインクジェットプリンタは、下地形成用サブヘッドのうち記録媒体の搬送方向の上流側半分のノズルからホワイトインクを吐出して、記録媒体上に第１のインク層を形成した後、画像形成用サブヘッドのうち記録媒体の搬送方向の下流側半分のノズルからプロセスカラーインクを吐出して、上記形成した第１のインク層の上に第２のインク層を積層している。

特許第５４２５３５７号公報 特許第４８８９０５９号公報

ここで、特許文献２には、記録媒体に吐出されたインクの乾燥を促進するために記録媒体を加熱するプリントヒータと、プラテンの上流側に配置され、記録媒体を予備的に加熱するプリヒータとを備えたインクジェットプリンタが開示されている。なお、特許文献２のインクジェットプリンタでは、記録媒体表面の温度が３０℃〜７０℃になることを目的として、プリントヒータの記録媒体の温度とプリヒータの記録媒体の温度とを同じに設定している。このため、記録媒体に着弾したインクは同じ温度下において乾燥され、同じ印象の画像が得られる。

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レイヤー印刷によって品質に優れた印刷物を作成することができるインクジェットプリンタを提供することである。

本発明者は、記録媒体上に第１のインク層を形成しかつ第１のインク層上に第２のインク層を形成して印刷物を作成するとき、記録媒体に着弾したインクを乾燥させるときの記録媒体の表面温度を変更することによって、第１のインク層および第２のインク層のインクのドットのサイズを異ならせ、その結果、同じ条件で吐出されたインクであっても視覚的効果の異なる画像を印刷することができることを見出した。さらに、記録媒体上に形成される第１のインク層および第２のインク層のドットのサイズを統一しなくとも、品質に優れた印刷物を作成できることを見出したので、プリントヒータによって加熱される記録媒体の表面温度とプリヒータによって加熱される記録媒体の表面温度とを異ならせることによって、印象の異なる画像を印刷できるようにした。

本発明に係るインクジェットプリンタは、記録媒体が載置されるプラテンと、主走査方向に移動自在に設けられ、前記記録媒体にインクを吐出するインクヘッドと、前記記録媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構と、前記副走査方向において前記インクヘッドより上流側に配置され、前記記録媒体を加熱する第１ヒータと、前記プラテンの下方かつ前記インクヘッドと対向する位置に配置され、前記プラテン上に載置された前記記録媒体を加熱する第２ヒータと、前記インクヘッドと前記搬送機構と前記第１ヒータと前記第２ヒータとに接続され、前記インクヘッドと前記搬送装置と前記第１ヒータと前記第２ヒータとを制御する制御装置と、を備え、前記インクヘッドは、前記主走査方向に並んで配置される第１インクヘッドと第２インクヘッドとを備え、前記第１インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１下流側ノズル列とを有し、前記第２インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２下流側ノズル列とを有し、前記制御装置は、前記記録媒体に前記第１上流側ノズル列のノズルから第１のインクを吐出させる第１制御部と、前記第１のインク上に前記第２下流側ノズル列のノズルから第２のインクを吐出させる第２制御部と、前記第１上流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第１のインクが着弾する前記記録媒体の第１領域の表面温度が、前記第２下流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第２のインクが着弾する前記記録媒体の第２領域の表面温度よりも高くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータを制御するヒータ制御部と、を備えている。

本発明のインクジェットプリンタによると、第１上流側ノズル列のノズルから吐出される第１のインクが着弾する記録媒体の第１領域の表面温度は、第２下流側ノズル列のノズルから吐出される第２のインクが着弾する記録媒体の第２領域の表面温度よりも高い。これにより、記録媒体の第１領域および第２領域の上流側から下流側に向けて記録媒体の表面の温度が徐々に上昇する。即ち、先に吐出される第１のインクは相対的に高い温度域で乾燥され、後に吐出される第２のインクは相対的に低い温度域で乾燥される。この結果、第１のインク層では、第１のインクがより速く乾燥されるため、第１のインクの広がりが抑えられた状態で記録媒体上に定着する。このため、よりシャープな画像が形成される。また、第２のインク層では、第２のインクが相対的に広がった状態で第１のインク層上に定着する。このため、より均一な画像が形成される。このように、第１のインク層と第２のインク層とが形成されるときの記録媒体の表面温度を異ならせることで、品質に優れかつ印象の異なる画像を印刷することができる。

また、本発明に係るインクジェットプリンタは、記録媒体が載置されるプラテンと、主走査方向に移動自在に設けられ、前記記録媒体にインクを吐出するインクヘッドと、前記記録媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構と、前記副走査方向において前記インクヘッドより上流側に配置され、前記記録媒体を加熱する第１ヒータと、前記プラテンの下方かつ前記インクヘッドと対向する位置に配置され、前記プラテン上に載置された前記記録媒体を加熱する第２ヒータと、前記インクヘッドと前記搬送機構と前記第１ヒータと前記第２ヒータとに接続され、前記インクヘッドと前記搬送装置と前記第１ヒータと前記第２ヒータとを制御する制御装置と、を備え、前記インクヘッドは、前記主走査方向に並んで配置される第１インクヘッドと第２インクヘッドとを備え、前記第１インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１下流側ノズル列とを有し、前記第２インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２下流側ノズル列とを有し、前記制御装置は、前記記録媒体に前記第１上流側ノズル列のノズルから第１のインクを吐出させる第１制御部と、前記第１のインク上に前記第２下流側ノズル列のノズルから第２のインクを吐出させる第２制御部と、前記第１上流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第１のインクが着弾する前記記録媒体の第１領域の表面温度が、前記第２下流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第２のインクが着弾する前記記録媒体の第２領域の表面温度よりも低くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータを制御するヒータ制御部と、を備えている。

本発明のインクジェットプリンタによると、第１上流側ノズル列のノズルから吐出される第１のインクが着弾する記録媒体の第１領域の表面温度は、第２下流側ノズル列のノズルから吐出される第２のインクが着弾する記録媒体の第２領域の表面温度よりも低い。これにより、記録媒体の第１領域および第２領域の上流側から下流側に向けて記録媒体の表面の温度が徐々に下降する。即ち、先に吐出される第１のインクは相対的に低い温度域で乾燥され、後に吐出される第２のインクは相対的に高い温度域で乾燥される。この結果、第１のインク層では、第１のインクが相対的に広がった状態で記録媒体に定着する。このため、より均一な画像が形成される。また、第２のインク層では、第２のインクがより速く乾燥されるため、第２のインクの広がりが抑えられた状態で第１のインク層上に定着する。このため、よりシャープな画像が形成される。このように、第１のインク層と第２のインク層とが形成されるときの記録媒体の表面温度を異ならせることで、品質に優れかつ印象の異なる画像を印刷することができる。

本発明によれば、レイヤー印刷によって品質に優れた印刷物を作成することができるインクジェットプリンタを提供することができる。

一実施形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。 一実施形態に係るインクヘッドの下面の構成を示す模式図である。 図１中のＩＩＩ‐ＩＩＩ線に沿う断面図である。 一実施形態に係る制御装置のブロック図である。 第１インクヘッドから特色インクが吐出される状態を示す模式図である。 第２インクヘッドからプロセスカラーインクが吐出される状態を示す模式図である。 記録媒体上にインクが吐出された状態を示す模式図である。 第１インクヘッドからプロセスカラーインクが吐出される状態を示す模式図である。 第２インクヘッドから特色インクが吐出される状態を示す模式図である。 変形例に係る記録媒体上にインクが吐出された状態を示す模式図である。

以下、図面を参照しながら、一実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。以下の説明では、インクジェットプリンタを正面から見たときに、インクジェットプリンタから遠ざかる方を前方、インクジェットプリンタに近づく方を後方とする。また、図面中の符号Ｙは主走査方向を示し、符号Ｘは主走査方向Ｙと直交する副走査方向Ｘを示している。また、図面中の符号Ｆ、Ｒｒ、Ｌ、Ｒ、は、それぞれ前、後、左、右を表している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、インクジェットプリンタの設置態様等を限定するものではない。

＜第１実施形態＞
図１は、一実施形態に係る大判のインクジェットプリンタ（以下、「プリンタ」とする。）１０の正面図である。図２は、インクヘッド４０のうち記録媒体５と対向する側の面（本実施形態では下面）の構成を示す模式図である。図３は、図１中のＩＩＩ‐ＩＩＩ線に沿う断面図である。図４は、制御装置２５のブロック図である。プリンタ１０は、ロール状の記録媒体５を順次前方（副走査方向Ｘの下流側）に移動させると共に、主走査方向Ｙに移動するインクヘッド４０（図２も参照）からインクを吐出することによって、記録媒体５上に画像を印刷する。

記録媒体５は、画像が印刷される対象物である。記録媒体５は特に限定されない。記録媒体５は、例えば、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類であってもよいし、ポリ塩化ビニル（polyvinyl chloride、PVC）やポリエステルなどの樹脂製やガラス製などの透明なシートであってもよいし、金属製やゴム製等のシートであってもよい。なお、記録媒体５にコーティング剤が塗布されている場合、記録媒体５の表面に着弾したインクは着弾箇所の周囲に浸透されず、インクは小径ドットの状態で記録媒体５に定着される。

図１に示すように、プリンタ１０は、プリンタ本体１０Ａと、プリンタ本体１０Ａを支持する脚１１とを備えている。プリンタ本体１０Ａは、主走査方向Ｙに延びている。プリンタ本体１０Ａは、ガイドレール１２と、ガイドレール１２に係合したキャリッジ３０とを備えている。ガイドレール１２は、主走査方向Ｙに延びている。ガイドレール１２は、キャリッジ３０の主走査方向Ｙへの移動をガイドする。キャリッジ３０には無端状のベルト１３が固定されている。ベルト１３は、ガイドレール１２の右側に設けられたプーリ１４Ａおよび左側に設けられたプーリ１４Ｂに巻き掛けられている。右側のプーリ１４Ａにはキャリッジモータ１５が取り付けられている。キャリッジモータ１５は、制御装置２５と電気的に接続されている。キャリッジモータ１５は、制御装置２５によって制御される。キャリッジモータ１５が駆動するとプーリ１４Ａが回転し、ベルト１３が走行する。すると、キャリッジ３０がガイドレール１２に沿って主走査方向Ｙに移動する。このように、キャリッジ３０が主走査方向Ｙに移動することによって、インクヘッド４０も主走査方向Ｙに移動する。本実施形態では、ベルト１３とプーリ１４Ａとプーリ１４Ｂとキャリッジモータ１５とが、キャリッジ３０およびインクヘッド４０を主走査方向Ｙに移動させる移動機構の一例である。

図１に示すように、キャリッジ３０の下方には、プラテン１６が配置されている。プラテン１６は、主走査方向Ｙに延びている。プラテン１６には記録媒体５が載置される。図３に示すように、プラテン１６の上方には、記録媒体５を上から押さえつけるピンチローラ１７が設けられている。ピンチローラ１７は、キャリッジ３０より後方に配置されている。プラテン１６には、グリッドローラ１８が設けられている。グリッドローラ１８は、ピンチローラ１７の下方に配置されている。グリッドローラ１８は、ピンチローラ１７と対向する位置に設けられている。グリッドローラ１８は、フィードモータ２２（図４参照）に連結されている。グリッドローラ１８は、フィードモータ２２の駆動力を受けて回転可能に形成されている。フィードモータ２２は、制御装置２５と電気的に接続されている。フィードモータ２２は、制御装置２５によって制御される。ピンチローラ１７とグリッドローラ１８との間に記録媒体５が挟まれた状態でグリッドローラ１８が回転すると、記録媒体５は副走査方向Ｘに搬送される。本実施形態では、ピンチローラ１７とグリッドローラ１８とフィードモータ２２とが、記録媒体５を副走査方向Ｘに移動させる搬送機構の一例である。印刷時には、記録媒体５は後述する第１上流側ノズル列４４Ａ（図２参照）分ずつ副走査方向Ｘの下流側（前方）に搬送される。

プリンタ１０は、インクヘッド４０を備えている。図２に示すように、インクヘッド４０は、キャリッジ３０に設けられている。インクヘッド４０は、第１インクヘッド４１と、第２インクヘッド４２とを備えている。第１インクヘッド４１と第２インクヘッド４２とは主走査方向Ｙに並んで配置されている。

図２に示すように、第１インクヘッド４１は、インクを吐出するためのヘッド部４１Ｗを備えている。ヘッド部４１Ｗは、カラー画像の色調や意匠性に変化を与えるための、所謂、特色インクを吐出する。特色インクは第１のインクの一例である。ヘッド部４１Ｗはホワイトインクを吐出する。本実施形態では、第１インクヘッド４１のヘッド部の数は１個であるが、これに限定されない。第１インクヘッド４１のヘッド部の数は、例えば２個以上であってもよい。また、特色インクの色調は何ら限定されるわけではない。第１インクヘッド４１は、例えばシルバーインクやゴールドインクなどのメタリックインクを吐出するヘッド部や、グロスインクを吐出するヘッド部や、クリアインクを吐出するヘッド部を有していてもよい。

図２に示すように、ヘッド部４１Ｗは、副走査方向Ｘに並んだ複数のノズル４３を有している。本実施形態において、ヘッド部４１Ｗでは、複数のノズル４３が１列に並んでノズル列４４を構成している。ただし、ノズル４３の配置は何ら限定されるわけではない。ノズル列４４は、副走査方向Ｘの上流側に位置する第１上流側ノズル列４４Ａと、副走査方向Ｘの下流側に位置する第１下流側ノズル列４４Ｂとを備えている。なお、本実施形態では、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３の数と、第１下流側ノズル列４４Ｂのノズル４３の数とは同じであるが、これに限定されない。

図２に示すように、第２インクヘッド４２は、インクを吐出するための複数のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋを備えている。複数のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋは、主走査方向Ｙに並んでいる。複数のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋは、それぞれ、カラー画像を形成するためのプロセスカラーインク（画像形成用インク）を吐出する。プロセスカラーインクは第２のインクの一例である。ヘッド部４２Ｃは、シアンインクを吐出する。ヘッド部４２Ｍは、マゼンタインクを吐出する。ヘッド部４２Ｙは、イエローインクを吐出する。ヘッド部４２Ｋは、ブラックインクを吐出する。ただし、第２インクヘッド４２のヘッド部の数は４個に限定されない。第２インクヘッド４２のヘッド部の数は、例えば５個以上であってもよいし、１個（例えばヘッド部３１Ｋのみ）であってもよい。また、プロセスカラーインクの色調は何ら限定されるわけではない。

図２に示すように、複数のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋは、それぞれ、副走査方向Ｘに並んだ複数のノズル４５を有している。本実施形態において、各ヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋでは、複数のノズル４５が１列に並んでノズル列４６を構成している。ただし、ノズル４５の配置は何ら限定されるわけではない。ノズル列４６は、副走査方向Ｘの上流側に位置する第２上流側ノズル列４６Ａと、副走査方向Ｘの下流側に位置する第２下流側ノズル列４６Ｂとを備えている。複数のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋのノズル４５は、副走査方向Ｘに関して揃った位置に配置されている。複数のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋのノズル４５と、ヘッド部４１Ｗのノズル４３とは、副走査方向Ｘに関して揃った位置に配置されている。なお、本実施形態では、第２上流側ノズル列４６Ａのノズル４５の数と、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５の数とは同じであるが、これに限定されない。

なお、図２において、第１インクヘッド４１のヘッド部４１Ｗおよび第２インクヘッド４２のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋには、それぞれ１０個のノズル４３、４５が表されているが、実際にはさらに多数（例えば３００個）のノズル４３、４５が形成されている。ただし、ノズル４３、４５の個数は何ら限定されるわけではない。

第１インクヘッド４１のヘッド部４１Ｗおよび第２インクヘッド４２のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋの内部には、圧電素子等を備えたアクチュエータ（図示せず）が設けられている。アクチュエータは、制御装置２５と電気的に接続されている。アクチュエータは、制御装置２５によって制御される。アクチュエータが駆動することによって、ヘッド部４１Ｗのノズル４３およびヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋのノズル４５から記録媒体５に向かってインクが吐出される。

ヘッド部４１Ｗ、４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋは、それぞれ、図示しないインク供給路によって、図示しないインクカートリッジと連通されている。インクカートリッジは、例えばプリンタ本体１０Ａの右端部に着脱可能に配置されている。なお、インクの材料は何ら限定されず、従来からインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。上記インクは、例えば、ソルベント系（溶剤系）顔料インクや水性顔料インクであってもよいし、水性インク、あるいは、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化型顔料インク等であってもよい。

図３に示すように、プリンタ１０は上流側ガイド２１を備えている。上流側ガイド２１は、副走査方向Ｘにおいてプラテン１６より上流側に配置されている。本実施形態では、上流側ガイド２１は、プラテン１６より後方に配置されている。上流側ガイド２１は、横断面円弧状に形成されている。上流側ガイド２１には、直線状に延びる部分が設けられていてもよい。上流側ガイド２１は、プラテン１６から離れるほど下方に向かうように湾曲している。上流側ガイド２１は、記録媒体５をプラテン１６に案内する。即ち、記録媒体５は、上流側ガイド２１に沿って搬送される。

図３に示すように、プリンタ１０は下流側ガイド２３を備えている。下流側ガイド２３は、副走査方向Ｘにおいてプラテン１６より下流側に配置されている。本実施形態では、下流側ガイド２３は、プラテン１６より前方に配置されている。下流側ガイド２３は、横断面円弧状に形成されている。下流側ガイド２３には、直線状に延びる部分が設けられていてもよい。下流側ガイド２３は、プラテン１６から離れるほど下方に向かうように湾曲している。下流側ガイド２３は、インクヘッド４０から吐出されたインクが付着した記録媒体５を案内する。下流側ガイド２３は、例えば、記録媒体５を巻き取り装置（図示せず）に案内する。

図３に示すように、プリンタ１０は、第１ヒータ３７と第２ヒータ３５とを備えている。第１ヒータ３７は、上流側ガイド２１の下方に配置されている。第１ヒータ３７は、副走査方向Ｘにおいてインクヘッド４０より上流側に配置されている。第１ヒータ３７は、インクヘッド４０より後方に配置されている。第１ヒータ３７は、副走査方向Ｘにおいてプラテン１６より上流側に配置されている。第１ヒータ３７は、プラテン１６より後方に配置されている。第１ヒータ３７は、上流側ガイド２１を加熱する。上流側ガイド２１が加熱されることによって、上流側ガイド２１上に載置されている記録媒体５の表面が加熱される。第１ヒータ３７は、記録媒体５を例えば概ね３０℃〜７０℃に加熱することができる。第１ヒータ３７は、制御装置２５に電気的に接続されている。第１ヒータ３７の温度は、制御装置２５に制御される。

図３に示すように、第２ヒータ３５は、プラテン１６の下方に配置されている。第２ヒータ３５は、インクヘッド４０と対向する位置に配置されている。第２ヒータ３５は、副走査方向Ｘにおいてグリッドローラ１８より下流側に配置されている。第２ヒータ３５は、グリッドローラ１８より前方に配置されている。本実施形態では、第２ヒータ３５の後端は、インクヘッド４０より後方に位置していないが、インクヘッド４０より後方に位置していてもよい。第２ヒータ３５は、プラテン１６を加熱する。プラテン１６が加熱されることによって、プラテン１６上に載置されている記録媒体５の表面が加熱される。第２ヒータ３５は、記録媒体５を例えば概ね３０℃〜７０℃に加熱することができる。第２ヒータ３５は、制御装置２５に電気的に接続されている。第２ヒータ３５の温度は、制御装置２５に制御される。

図１に示すように、プリンタ本体１０Ａの右端部には、操作パネル２０が設けられている。操作パネル２０には、操作状態を表示する表示部と、ユーザーによって操作される入力キー等が設けられている。操作パネル２０の内側には、プリンタ１０の各種の動作を制御する制御装置２５が収容されている。制御装置２５は、フィードモータ２２、キャリッジモータ１５、第１ヒータ３７、第２ヒータ３５およびインクヘッド４０とそれぞれ通信可能に接続されており、それらを制御可能に構成されている。図４に示すように、制御装置２５は、第１制御部２６と第２制御部２７とヒータ制御部２８とを備えている。

制御装置２５の構成は特に限定されない。インクヘッド４０、キャリッジモータ１５、フィードモータ２２、第１ヒータ３５および第２ヒータ３７を制御する制御装置２５は、別個独立に構成されていてもよいし、一体となって構成されていてもよい。制御装置２５は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器から印刷データ等を受信するインターフェイス（Ｉ／Ｆ）と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置（ＣＰＵ：central processing unit）と、ＣＰＵが実行するプログラムを格納したＲＯＭ（read only memory）と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるＲＡＭ（random access memory）と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置とを備えている。なお、制御装置２５は必ずしもプリンタ本体１０Ａの内部に設けられている必要はなく、例えば、プリンタ本体１０Ａの外部に設置され、有線または無線を介してプリンタ本体１０Ａと通信可能に接続されたコンピュータ等であってもよい。

制御装置２５には印刷する画像等のデータが入力される。制御装置２５は、このデータに基づいて印刷を実行する。制御装置２５は、記録媒体５が順次前方（副走査方向Ｘの下流側）に送り出されるように、フィードモータ２２を制御する。また、制御装置２５は、キャリッジモータ１５を駆動してキャリッジ３０を主走査方向Ｙに移動させると共に、アクチュエータを駆動して第１インクヘッド４１および第２インクヘッド４２からインクを吐出させ、記録媒体５の印刷面にインクを着弾させる。制御装置２５は、例えば、キャリッジ３０を主走査方向Ｙに１回または複数回移動させて記録媒体５上に特色インクを吐出させた後、記録媒体５を第１上流側ノズル列４４Ａ分だけ下流側（前方）に搬送させ、吐出された特色インク上にプロセスカラーインクを吐出させる。これを繰り返し行うことによって、記録媒体５上に画像を印刷する。

プリンタ１０は、第２インクヘッド４２のみを用いた通常の印刷に加えて、特色インクの層の上にプロセスカラーインクの層を重ねるレイヤー印刷が可能なように構成されている。

第１制御部２６は、記録媒体５に第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から特色インク（例えばホワイトインク）を吐出させる。第１制御部２６は、第１インクヘッド４１のヘッド部４１Ｗについて、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３からインクを吐出させるように制御する。

第２制御部２７は、記録媒体５に吐出された特色インク上に第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５から画像形成用インク（プロセスカラーインク）を吐出させる。第２制御部２７は、第２インクヘッド４２のヘッド部４２Ｃ、４２Ｍ、４２Ｙ、４２Ｋのうちの少なくとも一つについて、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５からインクを吐出させるように制御する。

ヒータ制御部２８は、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から吐出された第１のインク（例えば特色インク）が着弾する記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５から吐出された第２のインク（例えば画像形成用インク）が着弾する記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも高くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。ヒータ制御部２８は、例えば、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５自体の温度を検出してフィードバック制御してもよい。ここで、表面温度Ｔ１は、記録媒体５に第１のインク（例えば特色インク）が着弾する前の温度である。例えば、表面温度Ｔ１と表面温度Ｔ２とにおいて、０．５℃≦（Ｔ１−Ｔ２）≦３０℃の関係式が成り立つ。ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７によって加熱される記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が、第２ヒータ３５によって加熱される記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも高くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７の温度が第２ヒータ３５の温度よりも高くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。なお、第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも高くなる限りにおいて、第１ヒータ３７の温度と第２ヒータ３５の温度とは同じであってもよい。本実施形態では、第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも高いため、第１領域Ｓ１および第２領域Ｓ２の上流側から下流側に向けて記録媒体５の表面温度が徐々に上昇する。なお、第１領域Ｓ１は、インクヘッド４０が主走査方向Ｙに移動するときの第１上流側ノズル列４４Ａと対向する領域である。第２領域Ｓ２は、インクヘッド４０が主走査方向Ｙに移動するときの第２下流側ノズル列４６Ｂと対向する領域である。

図５Ａ〜図５Ｃは、レイヤー印刷を説明するための模式図である。キャリッジ３０とこれに設けられたインクヘッド４０が主走査方向Ｙの一方向に一回移動する間または左右方向に一往復移動する間に、第１インクヘッド４１の第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から特色インク５０が吐出される（図５Ａ参照）。そして、特色インク５０が吐出された記録媒体５は、第１上流側ノズル列４４Ａ分だけ副走査方向Ｘの下流側に搬送される。その後、第２インクヘッド４２の第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５から特色インク５０上にプロセスカラーインク５２が吐出される（図５Ｂ参照）。ここで、ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７によって加熱される記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１を例えば５５℃に制御し、第２ヒータ３５によって加熱される記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２を例えば３５℃に制御する。本実施形態では、先に吐出された特色インク５０は相対的に高い温度域（ここでは凡そ５５℃）で温められて乾燥するため、特色インク５０の広がりが抑えられた状態で記録媒体５に定着する。また、特色インク５０上に吐出されたプロセスカラーインク５２は相対的に低い温度域（ここでは凡そ３５℃）で温められて乾燥するため、プロセスカラーインク５２が特色インク５０上に広がった状態で定着する。その結果、図５Ｃに示すように、記録媒体５上には特色インク層Ｌ１と、プロセスカラーインク層Ｌ２とが積層される。かかる態様は、例えば特色インク５０としてのホワイトインクを使用して、記録媒体５としての透明のメディア上にカラーの画像を印刷する場合等に好適である。

以上のように、本実施形態のプリンタ１０によると、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から吐出される特色インク５０が記録媒体５に着弾する第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１は、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５から吐出されるプロセスカラーインク５２が記録媒体５に着弾する第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも高い。これにより、記録媒体５の第１領域Ｓ１および第２領域Ｓ２の上流側から下流側に向けて記録媒体５の表面の温度が徐々に上昇する。即ち、先に吐出される特色インク５０は相対的に高い温度域で乾燥され、後に吐出されるプロセスカラーインク５２は相対的に低い温度域で乾燥される。この結果、特色インク層Ｌ１では、特色インク５０がより速く乾燥されるため、特色インク５０の広がりが抑えられた状態で記録媒体５上に定着する。このため、よりシャープな画像が形成される。また、プロセスカラーインク層Ｌ２では、プロセスカラーインク５２が相対的に広がった状態で特色インク層Ｌ１上に定着する。このため、より均一な画像が形成される。このように、特色インク層Ｌ１とプロセスカラーインク層Ｌ２とが形成されるときの記録媒体５の表面温度を異ならせることで、品質に優れかつ印象の異なる画像を印刷することができる。

本実施形態のプリンタ１０によると、ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７の温度が第２ヒータ３５の温度より高くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。これにより、記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１を記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも高くすることができる。

本実施形態のプリンタ１０によると、第１ヒータ３７は、上流側ガイド２１の下方に配置されている。これにより、プラテン１６より上流側において記録媒体５を加熱することができる。

本実施形態のプリンタ１０によると、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から吐出されるインクはホワイトインク等の特色インク５０であり、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５から吐出されるインクはプロセスカラーインク５２である。例えば、記録媒体５が透明材料から構成される場合には、記録媒体５上に特色インク層Ｌ１を形成した後にプロセスカラーインク層Ｌ２を形成することができるため、品質に優れた印刷物を得ることができる。

＜第２実施形態＞
第２実施形態に係るヒータ制御部２８は、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から吐出された第１のインク（例えば特色インク）が着弾する記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５から吐出された第２のインク（例えば画像形成用インク）が着弾する記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも低くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。例えば、０．５℃≦（Ｔ２−Ｔ１）≦３０℃の関係式が成り立つ。ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７によって加熱される記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が、第２ヒータ３５によって加熱される記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも低くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７の温度が第２ヒータ３５の温度よりも低くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。なお、第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも低くなる限りにおいて、第１ヒータ３７の温度と第２ヒータ３５の温度とは同じであってもよい。本実施形態では、第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１が第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも低いため、第１領域Ｓ１および第２領域Ｓ２の上流側から下流側に向けて記録媒体５の表面温度が徐々に下降する。

キャリッジ３０とこれに設けられたインクヘッド４０が主走査方向Ｙの一方向に一回移動する間または左右方向に一往復移動する間に、第１インクヘッド４１の第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から特色インク５０が吐出される（図５Ａ参照）。また、第２インクヘッド４２の第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５からプロセスカラーインク５２が吐出される（図５Ｂ参照）。ここで、ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７によって加熱される記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１を例えば３５℃に制御し、第２ヒータ３５によって加熱される記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２を例えば５５℃に制御する。本実施形態では、先に吐出された特色インク５０は相対的に低い温度域（ここでは凡そ３５℃）で温められて乾燥するため、特色インク５０が記録媒体５に広がった状態で定着する。また、特色インク５０上に吐出されたプロセスカラーインク５２は相対的に高い温度域（ここでは凡そ５５℃）で温められて速く乾燥するため、プロセスカラーインク５２の広がりが抑えられた状態で特色インク５０上に定着する。その結果、図５Ｃに示すように、記録媒体５上には特色インク層Ｌ１と、プロセスカラーインク層Ｌ２とが下から順に積層される。

本実施形態のプリンタ１０によると、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３から吐出される特色インク５０が記録媒体５に着弾する第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１は、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５から吐出されるプロセスカラーインク５２が記録媒体５に着弾する第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも低い。これにより、記録媒体５の第１領域Ｓ１および第２領域Ｓ２の上流側から下流側に向けて、記録媒体５の表面の温度が徐々に下降する。即ち、先に吐出される特色インク５０は相対的に低い温度域で乾燥され、後に吐出されるプロセスカラーインク５２は相対的に高い温度域で乾燥される。この結果、特色インク層Ｌ１では、特色インク５０が相対的に広がった状態で記録媒体５に定着する。このため、より均一な画像が形成される。また、プロセスカラーインク層Ｌ２では、プロセスカラーインク５２がより速く乾燥されるため、プロセスカラーインク５２の広がりが抑えられた状態で特色インク層Ｌ１上に定着する。このため、よりシャープな画像が形成される。このように、特色インク層Ｌ１とプロセスカラーインク層Ｌ２とが形成されるときの記録媒体５の表面温度を異ならせることで、品質に優れかつ印象の異なる画像を印刷することができる。

本実施形態のプリンタ１０によると、ヒータ制御部２８は、第１ヒータ３７の温度を第２ヒータ３５の温度より低くなるように、第１ヒータ３７および第２ヒータ３５を制御する。これにより、記録媒体５の第１領域Ｓ１の表面温度Ｔ１を記録媒体５の第２領域Ｓ２の表面温度Ｔ２よりも低くすることができる。

以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。

上述した実施形態では、第１制御部２６は、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３からホワイトインク（特色インク）を吐出させ、第２制御部２７は、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５からプロセスカラーインク（画像形成用インク）を吐出させていたがこれに限定されない。第１制御部２６は、第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３からプロセスカラーインクを吐出させ、第２制御部２７は、第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５からホワイトインクを吐出させてもよい。

この場合、キャリッジ３０とこれに備えられたインクヘッド４０が主走査方向Ｙの一方向に一回移動する間または左右方向に一往復移動する間に、第１インクヘッド４１の第１上流側ノズル列４４Ａのノズル４３からプロセスカラーインク５２が吐出される（図６Ａ参照）。そして、プロセスカラーインク５２が吐出された記録媒体５は、第１上流側ノズル列４４Ａ分だけ副走査方向Ｘの下流側に搬送される。その後、第２インクヘッド４２の第２下流側ノズル列４６Ｂのノズル４５からプロセスカラーインク５２上に特色インク５０が吐出される（図６Ｂ参照）。例えば、先に吐出された特色インク５０は相対的に低い温度域（ここでは凡そ３５℃）で温められて乾燥する場合、プロセスカラーインク５２が記録媒体５に広がった状態で定着する。また、プロセスカラーインク５２上に吐出された特色インク５０は相対的に高い温度域（ここでは凡そ５５℃）で温められて乾燥する場合、特色インク５０の広がりが抑えられた状態でプロセスカラーインク５２上に定着する。その結果、図６Ｃに示すように、記録媒体５上にはプロセスカラーインク層Ｌ２と、特色インク層Ｌ１とが下から順に積層される。

上記した実施形態では、第１インクヘッド４１と第２インクヘッド４２とが同じキャリッジ３０に搭載されていたが、これには限定されない。第１インクヘッド４１と第２インクヘッド４２とは、それぞれ別々のキャリッジに搭載され、別々のキャリッジモータによって移動可能なように構成されていてもよい。

上記した実施形態では、キャリッジ３０が主走査方向Ｙに移動し、記録媒体５が副走査方向Ｘに移動するように構成されていたが、これには限定されない。キャリッジ３０と記録媒体５との移動は相対的なものであり、そのどちらが主走査方向Ｙまたは副走査方向Ｘに移動してもよい。例えば、記録媒体５は移動不能に載置され、キャリッジ３０が主走査方向Ｙおよび副走査方向Ｘの両方向に移動可能なように構成されていてもよい。また、キャリッジ３０および記録媒体５のいずれもが両方向に移動可能なように構成されていてもよい。

上記した実施形態において、第２ヒータ３５は、第２領域Ｓ２のみを加熱してもよいし、第２領域Ｓ２に加えて第１領域Ｓ１を加熱してもよい。この場合、第１領域Ｓ１および第２領域Ｓ２を同程度で加熱するように構成されていてもよいし、第１領域Ｓ１よりも第２領域Ｓ２をより強く加熱するように構成されていてもよいし、第１領域Ｓ１よりも第２領域Ｓ２をより弱く加熱するように構成されていてもよい。

さらに、ここに開示される技術は様々なタイプのインクジェットプリンタに適用することができる。上記実施形態で示したロール状の記録媒体５を搬送する、所謂、Roll-to-Rollタイプのプリンタ１０の他、例えばフラットベッドタイプのインクジェットプリンタにも同様に適用することができる。また、プリンタ１０は独立したプリンタとして単独で使用されるものに限定されず、他の装置と組み合わせたものであってもよい。例えば、プリンタ１０は、他の装置に内蔵されていてもよい。

５ 記録媒体
１０ インクジェットプリンタ（プリンタ）
２５ 制御装置
２６ 第１制御部
２７ 第２制御部
２８ ヒータ制御部
３５ 第２ヒータ
３７ 第１ヒータ
４１ 第１インクヘッド
４２ 第２インクヘッド
４３ ノズル
４４Ａ 第１上流側ノズル列
４５ ノズル
４６Ｂ 第２下流側ノズル列

Claims (11)

1. 記録媒体が載置されるプラテンと、
   主走査方向に移動自在に設けられ、前記記録媒体にインクを吐出するインクヘッドと、 前記記録媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構と、
   前記副走査方向において前記インクヘッドより上流側に配置され、前記記録媒体を加熱する第１ヒータと、
   前記プラテンの下方かつ前記インクヘッドと対向する位置に配置され、前記プラテン上に載置された前記記録媒体を加熱する第２ヒータと、
   前記インクヘッドと前記搬送機構と前記第１ヒータと前記第２ヒータとに接続され、前記インクヘッドと前記搬送装置と前記第１ヒータと前記第２ヒータとを制御する制御装置と、を備え、
   前記インクヘッドは、前記主走査方向に並んで配置される第１インクヘッドと第２インクヘッドとを備え、
   前記第１インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１下流側ノズル列とを有し、
   前記第２インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２下流側ノズル列とを有し、
   前記制御装置は、
   前記記録媒体に前記第１上流側ノズル列のノズルから第１のインクを吐出させる第１制御部と、
   前記第１のインク上に前記第２下流側ノズル列のノズルから第２のインクを吐出させる第２制御部と、
   前記第１上流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第１のインクが着弾する前記記録媒体の第１領域の表面温度が、前記第２下流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第２のインクが着弾する前記記録媒体の第２領域の表面温度よりも高くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータを制御するヒータ制御部と、を備え、
   前記第１のインクは特色インクであり、前記第２のインクは画像形成用インクである、インクジェットプリンタ。
2. 前記ヒータ制御部は、前記第１ヒータによって加熱される前記記録媒体の前記第１領域の表面温度が、前記第２ヒータによって加熱される前記記録媒体の前記第２領域の表面温度よりも高くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータを制御する、請求項１に記載のインクジェットプリンタ。
3. 前記第２ヒータは、前記第１領域よりも前記第２領域をより強く加熱するように構成されている、請求項１に記載のインクジェットプリンタ。
4. 前記ヒータ制御部は、前記第１ヒータの温度が前記第２ヒータの温度より高くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータを制御する、請求項２または３に記載のインクジェットプリンタ。
5. 記録媒体が載置されるプラテンと、
   主走査方向に移動自在に設けられ、前記記録媒体にインクを吐出するインクヘッドと、 前記記録媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構と、
   前記副走査方向において前記インクヘッドより上流側に配置され、前記記録媒体を加熱する第１ヒータと、
   前記プラテンの下方かつ前記インクヘッドと対向する位置に配置され、前記プラテン上に載置された前記記録媒体を加熱する第２ヒータと、
   前記インクヘッドと前記搬送機構と前記第１ヒータと前記第２ヒータとに接続され、前記インクヘッドと前記搬送装置と前記第１ヒータと前記第２ヒータとを制御する制御装置と、を備え、
   前記インクヘッドは、前記主走査方向に並んで配置される第１インクヘッドと第２インクヘッドとを備え、
   前記第１インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第１下流側ノズル列とを有し、
   前記第２インクヘッドは、前記副走査方向の上流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２上流側ノズル列と、前記副走査方向の下流側に位置しかつ前記副走査方向に並んだ複数のノズルからなる第２下流側ノズル列とを有し、
   前記制御装置は、
   前記記録媒体に前記第１上流側ノズル列のノズルから第１のインクを吐出させる第１制御部と、
   前記第１のインク上に前記第２下流側ノズル列のノズルから第２のインクを吐出させる第２制御部と、
   前記第１上流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第１のインクが着弾する前記記録媒体の第１領域の表面温度が、前記第２下流側ノズル列の前記ノズルから吐出された前記第２のインクが着弾する前記記録媒体の第２領域の表面温度よりも低くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータを制御するヒータ制御部と、を備えている、インクジェットプリンタ。
6. 前記ヒータ制御部は、前記第１ヒータによって加熱される前記記録媒体の前記第１領域の表面温度が、前記第２ヒータによって加熱される前記記録媒体の前記第２領域の表面温度よりも低くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータを制御する、請求項５に記載のインクジェットプリンタ。
7. 前記第２ヒータは、前記第１領域よりも前記第２領域をより弱く加熱するように構成されている、請求項５に記載のインクジェットプリンタ。
8. 前記ヒータ制御部は、前記第１ヒータの温度が前記第２ヒータの温度より低くなるように、前記第１ヒータおよび前記第２ヒータの温度を制御する、請求項６または７に記載のインクジェットプリンタ。
9. 前記副走査方向において前記プラテンより上流側に配置され、前記記録媒体を案内する上流側ガイドを備え、
   前記第１ヒータは、前記上流側ガイドの下方に配置されている、請求項１から８のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
10. 前記第１のインクは特色インクであり、前記第２のインクは画像形成用インクである、請求項５から８のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
11. 前記第１のインクは画像形成用インクであり、前記第２のインクは特色インクである、請求項５から８のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。

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