JP2014111340A - インクジェットプリンター - Google Patents

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Abstract

【課題】 パス数に対する印刷画像の画質の安定性を従来より向上することができるインクジェットプリンターを提供する。
【解決手段】 インクジェットプリンター10は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径に影響する加熱を記録媒体に対して実行するヒーターであるプリントヒーター13、プレヒーター14と、プリントヒーター13、プレヒーター14の温度を制御するヒーター制御手段20aとを備えており、ヒーター制御手段20aは、記録媒体の所定の領域に対する記録ヘッドの走査回数であるパス数に応じてプリントヒーター13、プレヒーター14の温度を制御することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを備えているインクジェットプリンターに関する。
従来のインクジェットプリンターとして、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径に影響する加熱を記録媒体に対して実行するヒーターとを備えていて、記録媒体上でのインクの密度に応じてヒーターの温度を制御するものが知られている(特許文献1、2参照。)。
ここで、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、ヒーターの温度が高いほど、乾燥し易い。記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、乾燥し易い場合、乾燥して径が固定化されるまでの時間が短いので、記録媒体上で広がり難い。すなわち、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径は、ヒーターの温度が高いほど小さい。
一方、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、ヒーターの温度が低いほど、乾燥し難い。記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、乾燥し難い場合、乾燥して径が固定化されるまでの時間が長いので、記録媒体上で広がり易い。すなわち、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径は、ヒーターの温度が低いほど大きい。
したがって、従来のインクジェットプリンターは、記録媒体上でのインクの密度に応じてヒーターの温度を制御することによって、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径を、記録媒体上でのインクの密度によらず安定化することができる。
ここで、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径は、インクジェットプリンターによって印刷された画像(以下「印刷画像」と言う。)の画質に影響する。
したがって、従来のインクジェットプリンターは、記録媒体上でのインクの密度に対する印刷画像の画質の安定性を向上することができる。
特開平9−131861号公報 特開2001−301131号公報
記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、記録媒体の所定の領域に対する記録ヘッドの走査回数であるパス数が多いほど、記録媒体上に生成された時点で未乾燥のドットが隣接している可能性が低い。ここで、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、記録媒体上に生成された時点で未乾燥のドットが隣接していないほど、周囲の空間に存在するインクの溶媒成分の蒸気の量が少ないので、乾燥し易い。記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、乾燥し易い場合、乾燥して径が固定化されるまでの時間が短いので、記録媒体上で広がり難い。すなわち、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径は、ヒーターの温度が一定であってもパス数が多いほど小さい。
一方、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、パス数が少ないほど、記録媒体上に生成された時点で未乾燥のドットが隣接している可能性が高い。ここで、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、記録媒体上に生成された時点で未乾燥のドットが隣接しているほど、周囲の空間に存在するインクの溶媒成分の蒸気の量が多いので、乾燥し難い。記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットは、乾燥し難い場合、乾燥して径が固定化されるまでの時間が長いので、記録媒体上で広がり易い。すなわち、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径は、ヒーターの温度が一定であってもパス数が少ないほど大きい。
したがって、従来のインクジェットプリンターにおいては、ヒーターの温度が一定である場合であっても、パス数が多いときと、パス数が少ないときとで、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径が異なるという問題がある。すなわち、従来のインクジェットプリンターは、印刷画像の画質がパス数によって異なるという問題がある。
そこで、本発明は、パス数に対する印刷画像の画質の安定性を従来より向上することができるインクジェットプリンターを提供することを目的とする。
本発明のインクジェットプリンターは、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドによって吐出された前記インクの前記記録媒体上でのドットの径に影響する加熱を前記記録媒体に対して実行するヒーターであるドット径影響ヒーターと、前記ドット径影響ヒーターの温度を制御するヒーター制御手段とを備えており、前記ヒーター制御手段は、前記記録媒体の所定の領域に対する前記記録ヘッドの走査回数であるパス数に応じて前記ドット径影響ヒーターの温度を制御することを特徴とする。
この構成により、本発明のインクジェットプリンターは、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径に影響する加熱をこの記録媒体に対して実行するドット径影響ヒーターの温度をパス数に応じて制御するので、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径を、パス数によらず安定化することができる。すなわち、本発明のインクジェットプリンターは、パス数に対する印刷画像の画質の安定性を従来より向上することができる。
また、本発明のインクジェットプリンターにおいて、前記ドット径影響ヒーターは、前記インクが付着された前記記録媒体を加熱するヒーターであるプリントヒーターを含んでいても良い。
この構成により、本発明のインクジェットプリンターは、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径に直接的に影響するプリントヒーターの温度をパス数に応じて制御するので、パス数に対する印刷画像の画質の安定性を向上することができる。
また、本発明のインクジェットプリンターにおいて、前記ドット径影響ヒーターは、前記インクが付着される前の前記記録媒体を加熱するヒーターであるプレヒーターを含んでいても良い。
この構成により、本発明のインクジェットプリンターは、記録ヘッドによって吐出されたインクの記録媒体上でのドットの径に間接的に影響するプレヒーターの温度をパス数に応じて制御するので、パス数に対する印刷画像の画質の安定性を向上することができる。
本発明のインクジェットプリンターは、パス数に対する印刷画像の画質の安定性を従来より向上することができる。
本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンターの斜視図である。 図1に示すインクジェットプリンターの側面図である。 図1に示すインクジェットプリンターのブロック図である。 図3に示すヒーター出力テーブルの一例を示す図である。 図1に示すインクジェットプリンターのパス数を説明する図である。 プリントヒーターおよびプレヒーターの温度を制御する場合の図1に示すインクジェットプリンターの動作のフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係るインクジェットプリンターの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るインクジェットプリンター10の斜視図である。
図1に示すように、インクジェットプリンター10は、矢印10aで示す主走査方向に延在する本体11と、記録媒体90を搬送する搬送装置12とを備えている。
本体11は、矢印10aで示す主走査方向に延在しているガイドレール11aと、矢印10aで示す主走査方向に移動可能にガイドレール11aに支持されているキャリッジ11bとを備えている。キャリッジ11bは、ノズルからインクを記録媒体90に向けて吐出する記録ヘッド11cを搭載している。記録ヘッド11cが吐出するインクとしては、ソルベントインク、水性インク、ソルベントUVインクなど、加熱によって乾燥、すなわち、溶媒が蒸発することによって固まるインクであれば、任意のインクが使用されることができる。
搬送装置12は、本体11の記録ヘッド11cに対して矢印10bで示す副走査方向に記録媒体90を搬送する装置である。
図2は、インクジェットプリンター10の側面図である。
図2に示すように、インクジェットプリンター10は、記録ヘッド11cによって吐出されたインクが付着された記録媒体90を加熱するヒーターであるプリントヒーター13と、搬送装置12による記録媒体90の搬送方向においてプリントヒーター13より上流に配置されているヒーターであるプレヒーター14と、搬送装置12による記録媒体90の搬送方向においてプリントヒーター13より下流に配置されているヒーターであるアフターヒーター15とを備えている。
なお、プリントヒーター13が記録媒体90に対して実行する加熱は、記録ヘッド11cによって吐出されたインクが付着した後の記録媒体90の温度を上昇させるので、記録媒体90の熱によって記録媒体90上のインクを乾燥させる。したがって、プリントヒーター13が記録媒体90に対して実行する加熱は、記録ヘッド11cによって吐出されたインクの記録媒体90上でのドットの径に直接的に影響する。すなわち、プリントヒーター13は、本発明のドット径影響ヒーターの一部を構成している。
プレヒーター14は、記録ヘッド11cによって吐出されるインクが付着される前の記録媒体90を加熱するヒーターである。プレヒーター14が記録媒体90に対して実行する加熱は、記録ヘッド11cによって吐出されたインクが付着する前の記録媒体90の温度を予め上昇させるので、記録ヘッド11cによって吐出されたインクが記録媒体90に付着した後、記録媒体90の熱によって記録媒体90上のインクを乾燥させる。したがって、プレヒーター14が記録媒体90に対して実行する加熱は、記録ヘッド11cによって吐出されたインクの記録媒体90上でのドットの径に間接的に影響する。すなわち、プレヒーター14は、本発明のドット径影響ヒーターの一部を構成している。
アフターヒーター15が記録媒体90に対して実行する加熱も、プリントヒーター13およびプレヒーター14が記録媒体90に対して実行する加熱と同様に、記録媒体90の熱によって記録媒体90上のインクを乾燥させる。しかしながら、記録媒体90上でのインクのドットの径は、プリントヒーター13が記録媒体90に対して実行する加熱によって固定される。したがって、アフターヒーター15が記録媒体90に対して実行する加熱は、記録媒体90上でのインクのドットの径には影響しない。
図3は、インクジェットプリンター10のブロック図である。
図3に示すように、インクジェットプリンター10は、搬送装置12、プリントヒーター13、プレヒーター14およびアフターヒーター15と、キャリッジ11bを駆動するキャリッジ駆動装置16と、記録ヘッド11cを駆動するヘッド駆動装置17と、ネットワーク経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部18と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部19と、インクジェットプリンター10全体を制御する制御部20とを備えている。
記憶部19は、記録媒体90の所定の領域に対する記録ヘッド11cの走査回数であるパス数と、プリントヒーター13、プレヒーター14それぞれの出力との対応関係を示すヒーター出力テーブル19aを記憶している。
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行するようになっている。
制御部20は、ROMまたは記憶部19に記憶されているプログラムを実行することによって、プリントヒーター13、プレヒーター14およびアフターヒーター15の温度を制御するヒーター制御手段20aとして機能する。
図4は、ヒーター出力テーブル19aの一例を示す図である。
図4に示すように、ヒーター出力テーブル19aは、記録媒体90の所定の領域に対する記録ヘッド11cの走査回数であるパス数と、プリントヒーター13、プレヒーター14それぞれの出力との対応関係を示すテーブルである。
図4によれば、プリントヒーター13の出力、すなわち、プリントヒーター13の温度は、パス数が1段階多くなる毎に、パス数が1段階少ない場合と同じか、パス数が1段階少ない場合より低くなる。
同様に、プレヒーター14の出力、すなわち、プレヒーター14の温度は、パス数が1段階多くなる毎に、パス数が1段階少ない場合と同じか、パス数が1段階少ない場合より低くなる。
次に、インクジェットプリンター10の動作について説明する。
インクジェットプリンター10の制御部20は、ネットワーク通信部18を介して印刷データを受信すると、印刷データに応じて搬送装置12、プリントヒーター13、プレヒーター14、アフターヒーター15、キャリッジ駆動装置16およびヘッド駆動装置17を制御する。すなわち、制御部20は、印刷データに応じて搬送装置12によって記録媒体90を矢印10bで示す副走査方向に移動させ、印刷データに応じてキャリッジ駆動装置16によってキャリッジ11bをガイドレール11aに沿って矢印10aで示す主走査方向に移動させ、印刷データに応じてヘッド駆動装置17によって記録ヘッド11cにインクを吐出させる。すなわち、インクジェットプリンター10は、印刷データに基づいた画像をインクによって記録媒体90に印刷する。なお、インクジェットプリンター10の制御部20のヒーター制御手段20aは、記録媒体90に画像を印刷している間、プリントヒーター13、プレヒーター14およびアフターヒーター15の温度を制御する。
ここで、制御部20は、記録媒体90の所定の領域に対する記録ヘッド11cの走査回数であるパス数を変更することができる。
図5は、インクジェットプリンター10のパス数を説明する図である。
図5に示す例では、制御部20は、記録媒体90の所定の領域に対して記録ヘッド11cによって4回の走査でインクを吐出している。すなわち、図5に示す例のパス数は、4である。
制御部20は、図5(a)に示すように、1パス目のドット91を記録媒体90に生成する。次いで、制御部20は、図5(b)に示すように、2パス目のドット91を記録媒体90に生成する。次いで、制御部20は、図5(c)に示すように、3パス目のドット91を記録媒体90に生成する。最後に、制御部20は、図5(d)に示すように、4パス目のドット91を記録媒体90に生成する。
なお、制御部20は、パス数が4である場合であっても、図5に示す順番とは異なる順番でドット91を記録媒体90に生成するようになっていても良い。また、図5においては、パス数が4である場合について説明しているが、制御部20は、4以外のパス数でドット91を記録媒体90に生成することもできる。
図6は、プリントヒーター13およびプレヒーター14の温度を制御する場合のインクジェットプリンター10の動作のフローチャートである。
プリントヒーター13およびプレヒーター14による加熱を開始するか、パス数が変化すると、制御部20は、図6に示す動作を実行する。
図6に示すように、制御部20のヒーター制御手段20aは、記憶部19上のヒーター出力テーブル19aに基づいて、現在のパス数に応じたプレヒーター14の出力を取得する(S31)。
次いで、ヒーター制御手段20aは、記憶部19上のヒーター出力テーブル19aに基づいて、現在のパス数に応じたプリントヒーター13の出力を取得する(S32)。
次いで、ヒーター制御手段20aは、プレヒーター14の出力を、S31において取得した出力に変更する(S33)。
次いで、ヒーター制御手段20aは、プリントヒーター13の出力を、S32において取得した出力に変更して(S34)、図6に示す動作を終了する。
以上に説明したように、インクジェットプリンター10は、記録ヘッド11cによって吐出されたインクの記録媒体90上でのドット91の径に直接的に影響する加熱をこの記録媒体90に対して実行するプリントヒーター13の温度を、パス数に応じて制御するので、記録ヘッド11cによって吐出されたインクの記録媒体90上でのドット91の径を、パス数によらず安定化することができる。すなわち、インクジェットプリンター10は、パス数に対する印刷画像の画質の安定性を従来より向上することができる。
また、インクジェットプリンター10は、記録ヘッド11cによって吐出されたインクの記録媒体90上でのドット91の径に間接的に影響する加熱をこの記録媒体90に対して実行するプレヒーター14の温度を、パス数に応じて制御するので、記録ヘッド11cによって吐出されたインクの記録媒体90上でのドット91の径を、パス数によらず安定化することができる。すなわち、インクジェットプリンター10は、パス数に対する印刷画像の画質の安定性を従来より向上することができる。
なお、インクジェットプリンター10は、本実施の形態においてプリントヒーター13およびプレヒーター14の両方の温度をパス数に応じて制御するようになっているが、プリントヒーター13およびプレヒーター14の何れか一方のみの温度をパス数に応じて制御するようになっていても良い。
また、インクジェットプリンター10は、本実施の形態においてパス数に応じたプリントヒーター13、プレヒーター14の温度をヒーター出力テーブル19aに基づいて取得するようになっているが、パス数に応じたプリントヒーター13、プレヒーター14の温度を、所定の計算式に基づいて都度算出するようになっていても良い。
10 インクジェットプリンター
11c 記録ヘッド
13 プリントヒーター(ドット径影響ヒーター)
14 プレヒーター(ドット径影響ヒーター)
20a ヒーター制御手段
90 記録媒体
91 ドット

Claims (3)

  1. 記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドによって吐出された前記インクの前記記録媒体上でのドットの径に影響する加熱を前記記録媒体に対して実行するヒーターであるドット径影響ヒーターと、前記ドット径影響ヒーターの温度を制御するヒーター制御手段とを備えており、
    前記ヒーター制御手段は、前記記録媒体の所定の領域に対する前記記録ヘッドの走査回数であるパス数に応じて前記ドット径影響ヒーターの温度を制御することを特徴とするインクジェットプリンター。
  2. 前記ドット径影響ヒーターは、前記インクが付着された前記記録媒体を加熱するヒーターであるプリントヒーターを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンター。
  3. 前記ドット径影響ヒーターは、前記インクが付着される前の前記記録媒体を加熱するヒーターであるプレヒーターを含んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリンター。
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