JP4930507B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出方法に係り、特にフラットノズルを有する液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
従来から、液体吐出ヘッドの微小化されたノズルから低粘度の液体のみならず高粘度の液体を吐出させる技術として、ノズル内の液体を帯電させ、ノズルと液体の液滴の着弾を受ける対象物となる各種の基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により吐出させる静電吸引方式の液体吐出技術が知られている(特許文献1など参照)。
また、この液体吐出技術と、ピエゾ素子の変形や液体内部での気泡の発生による圧力を利用して液体を吐出する技術とを組み合わせた電界アシスト方式を用いた液体吐出装置の開発が進んでいる(特許文献2〜6など参照)。このうち、特許文献5には、ピエゾ素子による印字パルスに静電電圧を同期させて液体を吐出する液体吐出ヘッドが記載されている。この電界アシスト法は、メニスカス形成手段と静電吸引力を用いてノズルの吐出口に液体のメニスカスを隆起させることにより、メニスカスに対する静電吸引力を高め、液表面張力に打ち勝ってメニスカスを液滴化し吐出する方法である。
上記のような静電吸引方式や電界アシスト方式の液体吐出ヘッドに、体積抵抗率1015Ωm以上である高抵抗の材質のノズルプレートを採用することで、吐出口が突出していないフラットな形状であっても、ノズル内の液体への静電電圧の印加によりヘッドと対向電極との間に電界が形成されてノズルの吐出孔に液体のメニスカスが形成され、そのメニスカスへ強い電界集中が起こり、メニスカスが集中電界による静電吸引力により液滴化されて吐出することが知られている(特許文献7など参照)。
更に、圧力発生手段(ピエゾなど)によるメニスカス形成手段と組み合わせることで、印加する静電電圧を低電圧化できることも知られている(特許文献8など参照)。
国際公開第03/070381号パンフレット 特開平5−104725号公報 特開平5−278212号公報 特開平6−134992号公報 特開平10−166592号公報 特開2003−53977号公報 国際公開第06/067966号パンフレット 国際公開第06/068036号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜特許文献6に記載のような静電吸引方式や電界アシスト方式の液体吐出ヘッドに、高抵抗の材質のノズルプレートを組み合わせたり、メニスカス形成手段を組み合わせたとしても、長時間連続して静電電圧を印加し続けた場合、液滴の吐出が不安定になったり、液体の吐出が停止してしまうという問題があることが判明した。
この現象は、ノズルプレートの空間電荷分極(イオン分極)によってメニスカス先端への集中電界強度が低下してしまい、液滴の吐出が不可能な状態になるというものである。この場合はノズルプレートの空間電荷分極を解消して初期状態に戻さなければ、再び液滴を吐出することができない。しかし、空間電荷分極の解消には時間がかかり、その間吐出動作ができないため、この液体吐出ヘッドを工業用途などに用いた場合に生産性が低下するといった問題があった。
そこで本発明は、ノズルプレートの分極状態を短時間で容易に回復させることにより吐出動作を継続させることが可能な液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため請求の範囲第1項記載の発明は、液体が供給される液体供給口及び前記液体供給口から供給された液体を基材に吐出する吐出口を有するノズルが設けられた絶縁性のノズルプレートと、前記液体供給口に連通し前記吐出口から吐出される液体を貯蔵するキャビティと、前記ノズル及び前記キャビティの内部の液体と前記基材との間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段と、前記静電電圧印加手段による前記静電電圧の印加を制御する制御手段と、を備えた液体吐出ヘッドであって、前記ノズルは前記ノズルプレートから突出していないフラットなノズルであり、前記制御手段は前記静電電圧印加手段が液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加する分極回復動作を行うように制御することを特徴とする。
請求の範囲第1項記載の発明によれば、絶縁性のフラットなノズルプレートと対向電極との間に同一極性の静電電圧を印加して液体の吐出動作を長時間続けると、ノズルプレートの分極により電界強度が低下して液体の吐出ができなくなるが、液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加することでノズルプレートの分極を回復させることが可能となる。これにより、単に静電電圧の印加を停止してノズルプレートの分極の回復を待つよりも、短時間で容易にノズルプレートの分極を回復させることができる。したがって、液体吐出ヘッドが生産ラインで使用される場合にも、液体の吐出不良により生産性を低下させることなく吐出動作を継続させることが可能となる。
請求の範囲第2項記載の発明は、請求の範囲第1項記載の液体吐出ヘッドであって、前記静電電圧印加手段による液体吐出時における静電電圧の印加時間及び印加電圧値を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記印加時間及び前記印加電圧値に基づき、液体吐出時に印加した静電電圧値の印加時間による積分値と前記逆極性の静電電圧値の印加時間による積分値の絶対値が等しくなるように前記逆極性の静電電圧値を決定し、前記静電電圧印加手段に前記静電電圧値によって前記分極回復動作を行わせることを特徴とする。
請求の範囲第2項記載の発明によれば、分極回復動作において、液体吐出時と静電電圧値の印加時間による積分値が等しくなるように逆電圧を印加することによって、ノズルプレートの分極を回復させることができる。したがって、例えば、分極回復動作時間を短縮したい場合は、静電電圧値を大きくすることにより、液体吐出時の静電電圧印加によるノズルプレートの分極を回復させることが可能となる。
請求の範囲第3項記載の発明は、請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項記載の液体吐出ヘッドであって、前記キャビティの容積を変化させることにより液体に圧力を発生させ、前記吐出口に前記液体の吐出方向に凸状のメニスカスを形成する圧力発生手段を備えることを特徴とする。
請求の範囲第3項記載の発明によれば、圧力発生手段でメニスカスを形成することにより、液滴吐出に必要な静電電圧を低下させることが可能となる。また、液体吐出動作の制御を高電圧の静電電圧でなくメニスカスを隆起させるだけの圧力発生手段の駆動により行うことが可能となる。
請求の範囲第4項記載の発明は、請求の範囲第1項〜請求の範囲第3項のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドであって、前記ノズルプレートの体積抵抗率は1015Ωm以上であることを特徴とする。
請求の範囲第4項記載の発明によれば、ノズルプレートの体積抵抗率を1015Ωm以上とすることで、メニスカス先端に強い電界を生じさせることができ、液滴を効率よく安定的に吐出させることが可能となる。
請求の範囲第5項記載の発明は、請求の範囲第1項〜請求の範囲第4項のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドであって、前記吐出口の開口径は15μm未満であることを特徴とする。
請求の範囲第5項記載の発明によれば、液体の吐出口を開口径15μm未満とすることで、メニスカス先端部への電界集中が効果的に生じるため、液滴を効率よく安定的に吐出させることが可能となる。
請求の範囲第6項記載の発明は、液体吐出装置であって、請求の範囲第1項〜請求の範囲第5項のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極とを備え、前記液体吐出ヘッドと前記対向電極との間に生じる前記静電吸引力により液体を吐出させることを特徴とする。
請求の範囲第6項記載の発明によれば、液体吐出装置において請求の範囲第1項〜請求の範囲第5項と同様の作用を得ることが可能となる。
請求の範囲第7項記載の発明は、請求の範囲第1項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極とを備え、前記液体吐出ヘッドと前記対向電極との間に生じる前記静電吸引力により液体を吐出させる液体吐出装置であって、
前記分極回復動作時に前記液体吐出ヘッド及び前記対向電極の位置を調整して双方の離間距離を小さくする位置決め手段を備えることを特徴とする。
請求の範囲第7項記載の発明によれば、逆極性の静電電圧の印加時に液体吐出ヘッド及び対向電極の離間距離を小さくすることにより、分極回復時に使用する逆極性の静電電圧値を抑制することが可能となる。
請求の範囲第8項記載の発明は、液体吐出方法であって、液体が供給される液体供給口及び前記液体供給口から供給された液体を基材に吐出する吐出口を有するノズルが設けられた絶縁性のノズルプレートと、前記液体供給口に連通し前記吐出口から吐出される液体を貯蔵するキャビティと、前記ノズル及び前記キャビティの内部の液体と前記基材との間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段と、前記静電電圧印加手段による前記静電電圧の印加を制御する制御手段と、を備えた液体吐出ヘッドを使用して、前記ノズルは前記ノズルプレートから突出しないフラットなノズルとし、前記静電電圧印加手段が液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加する分極回復動作を行うように制御することを特徴とする。
請求の範囲第8項記載の発明によれば、絶縁性のフラットなノズルプレートと対向電極との間に同一極性の静電電圧を印加して液体の吐出動作を長時間続けると、ノズルプレートの分極により電界強度が低下して液体の吐出ができなくなるが、液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加することでノズルプレートの分極を回復させることが可能となる。これにより、単に静電電圧の印加を停止してノズルプレートの分極の回復を待つよりも、短時間で容易にノズルプレートの分極を回復させることができる。したがって、液体吐出ヘッドが生産ラインで使用される場合にも、液体の吐出不良により生産性を低下させることなく吐出動作を継続させることが可能となる。
請求の範囲第9項記載の発明は、請求の範囲第8項記載の液体吐出方法であって、前記静電電圧印加手段による液体吐出時における静電電圧の印加時間及び印加電圧値を記憶する記憶手段を使用し、前記印加時間及び前記印加電圧値に基づき、液体吐出時に印加した静電電圧値の印加時間による積分値と前記逆極性の静電電圧値の印加時間による積分値の絶対値が等しくなるように前記逆極性の静電電圧値を決定し、前記静電電圧印加手段に前記静電電圧値によって前記分極回復動作を行わせることを特徴とする。
請求の範囲第9項記載の発明によれば、分極回復動作において、液体吐出時と静電電圧値の印加時間による積分値が等しくなるように逆電圧を印加することによって、ノズルプレートの分極を回復させることができる。したがって、例えば、分極回復動作時間を短縮したい場合は、静電電圧値を大きくすることにより、液体吐出時の静電電圧印加によるノズルプレートの分極を回復させることが可能となる。
請求の範囲第10項記載の発明は、請求の範囲第8項又は請求の範囲第9項記載の液体吐出方法であって、前記キャビティの容積を変化させることにより液体に圧力を発生させ、前記吐出口に前記液体の吐出方向に凸状のメニスカスを形成する圧力発生手段を使用して液体を吐出させることを特徴とする。
請求の範囲第10項記載の発明によれば、圧力発生手段でメニスカスを形成することにより、液滴吐出に必要な静電電圧を低下させることが可能となる。また、液体吐出動作の制御を高電圧の静電電圧でなくメニスカスを隆起させるだけの圧力発生手段の駆動により行うことが可能となる。
請求の範囲第11項記載の発明は、請求の範囲第8項〜請求の範囲第10項のいずれか一項に記載の液体吐出方法であって、前記ノズルプレートの体積抵抗率は1015Ωm以上であることを特徴とする。
請求の範囲第11項記載の発明によれば、ノズルプレートの体積抵抗率を1015Ωm以上とすることで、メニスカス先端に強い電界を生じさせることができ、液滴を効率よく安定的に吐出させることが可能となる。
請求の範囲第12項記載の発明は、請求の範囲第8項〜請求の範囲第11項のいずれか一項に記載の液体吐出方法であって、前記吐出口の開口径は15μm未満であることを特徴とする。
請求の範囲第12項記載の発明によれば、液体の吐出口を開口径15μm未満とすることで、メニスカス先端部への電界集中が効果的に生じるため、液滴を効率よく安定的に吐出させることが可能となる。
請求の範囲第13項記載の発明は、請求の範囲第8項〜請求の範囲第12項のいずれか一項に記載の液体吐出方法であって、前記液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極とを備え、前記液体吐出ヘッドと前記対向電極との間に生じる前記静電吸引力により液体を吐出させることを特徴とする。
請求の範囲第13項記載の発明によれば、液体吐出方法において請求の範囲第8項〜請求の範囲第12項と同様の作用を得ることが可能となる。
請求の範囲第14項記載の発明は、請求の範囲第8項に記載の液体吐出方法であって、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極をさらに備え、前記分極回復動作時には前記液体吐出ヘッド及び前記対向電極の位置を調整して双方の離間距離を小さくするように制御することを特徴とする。
請求の範囲第14項記載の発明によれば、逆極性の静電電圧の印加時に液体吐出ヘッド及び対向電極の離間距離を小さくすることにより、分極回復時に使用する逆極性の静電電圧値を抑制することが可能となる。
請求の範囲第1項又は請求の範囲第8項記載の発明によれば、単に静電電圧の印加を停止してノズルプレートの分極の回復を待つよりも、短時間で容易にノズルプレートの分極を回復させることにより、液体の吐出不良により生産性を低下させることなく吐出動作を継続させることが可能となる。
請求の範囲第2項又は請求の範囲第9項記載の発明によれば、液体吐出時と分極回復時とで印加時間又は印加電圧値が相違する場合でも、両者の静電電圧値の印加時間による積分値を等しくすることにより、ノズルプレートの分極を回復させることが可能となる。
請求の範囲第3項又は請求の範囲第10項記載の発明によれば、液滴吐出に必要な静電電圧を低下させることが可能となる。また、液体吐出動作の制御を圧力発生手段の駆動により行うことが可能となる。
請求の範囲第4項又は請求の範囲第11項記載の発明によれば、液滴を効率よく安定的に吐出させることが可能となる。
請求の範囲第5項又は請求の範囲第12項記載の発明によれば、液体を吐出するのに必要な駆動電圧を低減することができる。
請求の範囲第6項又は請求の範囲第13項記載の発明によれば、液体吐出装置又は液体吐出方法において前項と同様の効果を得ることが可能となる。
請求の範囲第7項又は請求の範囲第14項記載の発明によれば、分極回復時に使用する逆極性の静電電圧値を抑制することが可能となる。
第1の実施形態に係る液体吐出装置の全体構成を示す概略構成図である。 ノズル径と電界強度との関係例を示すグラフである。 ノズル径と電界強度との他の関係例を示すグラフである。 第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドに印加される印加される静電電圧の一例を示すグラフである。 静電電圧印加時間に対するメニスカス先端部の電界強度の変化を示すグラフである。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドに印加される印加される静電電圧の他の例を示すグラフである。 第1の実施形態に係る液体吐出方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る液体吐出装置の全体構成を示す概略構成図である。 第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの配置例を示す正面図である。 第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの他の配置例を示す正面図である。 第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの他の配置例を示す正面図である。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 液体吐出ヘッド
3 対向電極
4 位置決め手段
5 吐出面
6 ノズルプレート
7 帯電用電極
8 ボディ層
9 可撓層
10 吐出口
11 ノズル
12 液体供給口
13 大径部
14 小径部
15 静電電圧電源
16 キャビティ
17 ピエゾ素子
18 駆動電圧電源
19 制御手段
20 印加時間計測手段
21 記憶手段
22 ヘッド選択手段
23 電圧印加制御手段
24 ドラム
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態の液体吐出装置1の全体構成を示す断面模式図である。
図1に示すように、液体吐出装置1は、インクなどの帯電可能な液体の液滴を吐出するライン方式の液体吐出ヘッド2と、液体吐出ヘッド2に対向し液滴の着弾を受ける基材Kを支持する対向電極3と、位置決め手段4とを備えて構成されている。
図1に示すように、液体吐出ヘッド2には、吐出面5、ノズルプレート6、帯電用電極7、ボディ層8及び可撓層9が層状となるように設けられている。
吐出面5は液体吐出ヘッド2の対向電極3に対向する側に位置しており、吐出面5に開口された吐出口10から対向電極3に支持された基材Kに液体が吐出されるようになっている。
ノズルプレート6は、石英ガラスによって構成されており、複数のノズル11が穿孔されることによって形成されている。また、ノズルプレート6の体積抵抗率は1015Ωm以上とされている。これにより、吐出口10に形成されるメニスカスの先端部では強い電界強度が得られるようになっている。
なお、ノズルプレート6に使用する材料は石英ガラスに限らず、絶縁性の樹脂材料などを用いても良い。特に、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)など、体積抵抗率が1015Ωm以上である高抵抗の樹脂材料も好ましく用いることが出来る。
各ノズル11は、液体の供給を受ける液体供給口12と連通する大径部13と、大径部13の底面に開口されるとともに吐出口10と連通する小径部14との2段構造とされている。
本実施形態では、液体供給口12の開口面積が吐出口10の開口面積の10倍以上となるように構成されている。また、小径部14の長さは15μm以下とされている。これにより、液体のメニスカスを所定量隆起させ、さらには吐出するのに必要な駆動電圧を低減させても安定して液体の吐出を行うことできるようになっている。
また、ノズル11の大径部13及び小径部14は、それぞれ断面形状が円形となっており、大径部13及び小径部14の各側面は、ノズル11の内部を通過する液体と各側面との間に生じる抵抗を低減させるため、液体供給口12から吐出口10に向かってそれぞれテーパ状となるように、すなわち大径部13及び小径部14の各断面積がそれぞれ液体供給口12から吐出口10に向かって減少するように形成されている。なお、大径部12及び小径部13はテーパ状に形成されていなくてもよい。
また、小径部14が連通する吐出口10の開口径は15μm未満とされている。これにより、吐出口に形成されるメニスカスの先端部へ強い電界強度が得られ、液滴を安定に吐出させることができる。
ここで、図2及び図3に一般的な吐出口の開口径に対するメニスカス先端部の電界強度を示す。図2は、ノズルプレート6の厚さHを10μm〜100μmとした場合の吐出口の開口径に対するメニスカス先端部の電界強度を示すものである。また、図3は、小径部14の長さLを5μm〜20μmとした場合の吐出口の開口径に対するメニスカス先端部の電界強度を示すものである。図2及び図3のいずれにおいても、吐出口の開口径が小さくなるほどメニスカス先端部の電界強度が大きくなっている。このように、開口径が小さいほど高い電界強度を得られて液滴を安定に吐出することが可能となるため、吐出口10の開口径はより小さい方が好ましい。
帯電用電極7は、NiPなどの導電素材によって構成されており、ノズルプレート6のうち吐出面5と反対側の面に設けられると共に、ノズル11の大径部13の内周面まで延設されている。このように、帯電用電極7がノズル11の内部を通過する液体に接する構成とすることにより、帯電用電極7はノズル11の内部を通過する液体を帯電させるようになっている。
また、帯電用電極7には、静電吸引力を生じさせる静電電圧を印加する静電電圧印加手段としての静電電圧電源15が電気的に接続されている。静電電圧電源15から帯電用電極7に静電電圧が印加されると、これにより、単一の帯電用電極7がすべてのノズル11内の液体に接触しているため、全ノズル11内の液体が同時に帯電され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間、特に液体と基材Kとの間に静電吸引力が発生するようになっている。
ボディ層8には、各ノズル11の液体供給口12に対応する位置に、液体供給口12とほぼ等しい内径を有するキャビティ16がそれぞれ形成され、吐出される液体を一時貯蔵するようになっている。
可撓層9は、可撓性を有する金属薄板やシリコンなどによって構成され、液体吐出ヘッド2のうち吐出面5と反対側の面を覆って外界と画するようになっている。なお、ボディ層8と可撓層9との境界には、キャビティ16に液体を供給するための図示しない流路が形成されている。
また、可撓層9の上面であってキャビティ16に対応する位置には、圧力発生手段として、圧電素子アクチュエータであるピエゾ素子17が設けられている。なお、圧力発生手段は、本実施形態のような圧電素子アクチュエータのほか、静電アクチュエータやサーマル方式などを採用することも可能である。
また、各ピエゾ素子17には、素子に駆動電圧を印加して素子を変形させるための駆動電圧電源18がそれぞれ接続されている。
また、静電電圧電源15及び駆動電圧電源18には、制御手段19が電気的に接続されており、制御手段19には印加時間計測手段20及び記憶手段21が電気的に接続されている。
次に、対向電極3は、基材Kを支持する平板状の対向電極であり、液体吐出ヘッド2の下方において、液体吐出ヘッド2の吐出面5に対して平行となるように所定距離離間されて配置されている。
対向電極3は接地されており、常時接地電位に維持されている。これにより、静電電圧電源15から帯電用電極7に静電電圧が印加されると、吐出口10の液体と対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界が生じるようになっている。
位置決め手段4は、液体吐出ヘッド2及び対向電極3に接続されている。
次に、本実施形態の液体吐出ヘッド2の制御構成について説明する。
静電電圧電源15は、液体の吐出時に帯電用電極7に静電電圧を印加するようになっている。これにより、全ノズル11の内部の液体が同時に帯電され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間、特に液体と基材Kとの間に静電吸引力が発生する。
なお、静電電圧電源15は、液体吐出ヘッド2が吐出可能状態にあるときに常に一定電圧を印加する構成とする他に、液滴を吐出するタイミングに合わせて任意の波形で印加する構成としてもよい。
駆動電圧電源18は、液体の吐出時に、各ピエゾ素子17に駆動電圧を印加することによりピエゾ素子17を変形させて、ノズル11の内部の液体に圧力を発生させ、吐出口10に液体の吐出方向に凸状のメニスカスを形成させるようになっている。これにより、メニスカス先端部では非常に強い電界集中が生じる。そのため、電界の静電力によってメニスカスが引きちぎられ、ノズル11の内部の液体から分離されて液滴となる。更に、液滴は静電力により加速され、対向電極3に支持された基材Kに引き寄せられて着弾する。その際、液滴は静電力の作用で基材Kに対して垂直に飛翔しようとするため、飛翔方向が安定し着弾位置の精度が高くなる。
印加時間計測手段20は、液体吐出ヘッド2における帯電用電極7への静電電圧印加時間を計測して、計測結果を記憶手段21に記憶するようになっている。
記憶手段21は、書き込み可能な不揮発性の記憶媒体であるフラッシュメモリなどにより構成され、液体吐出時の静電電圧印加データを記憶するようになっている。ここで、液体吐出時の静電電圧印加データとは、液体吐出時における静電電圧電源15の帯電用電極7への静電電圧印加時間t及び静電電圧値vなどを意味する。
制御手段19は、図示しないCPU19a、ROM19b及びRAM19cを備えて構成され、CPU19aがROM19bに格納されたプログラムを実行することにより、駆動電圧電源18及び静電電圧電源15を駆動して、液体吐出ヘッド2に液体吐出動作を行わせるようになっている。
また、制御手段19は、静電電圧電源15に液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加する分極回復動作を行わせるようになっている。すなわち、静電電圧電源15は液体吐出時に帯電用電極7に所定時間、所定の電圧値で静電電圧を印加した後、ノズルプレート6の分極を回復させるため、液体吐出時と逆極性の静電電圧を所定時間、所定の電圧値で印加するようになっている。なお、液体吐出時と逆極性の静電電圧の電圧値は、絶縁破壊電圧値以下とされている。
図4に、静電電圧電源15により印加される静電電圧を示す。本実施形態では、図4に示すように、液体吐出時の静電電圧値をv、印加時間をtとし、分極回復時の静電電圧値をv、印加時間をtとして、印加時間t=印加時間t,|静電電圧値v|=|静電電圧値v|となるように静電電圧値vを決定した上で、分極回復時に逆極性の静電電圧を印加するようになっている。
また、液体吐出時の「印加時間t」は、静電電圧電源15が連続して静電電圧を印加することによりノズルプレート6が分極してメニスカス先端部の電界強度の低下により液滴の安定吐出が不可能になるまでの時間となっている。
図5に、静電電圧印加時間に対するメニスカス先端部の電界強度の変化を示す。図5に示すように、帯電用電極7に所定時間連続して静電電圧を印加すると、ノズルプレート6が分極してメニスカス先端部の電界強度が低下し始める。なお、電界強度が低下し始めるまでの所定時間は、ノズルプレート6の体積抵抗率により相違し、体積抵抗率の高い方が電界強度の高い状態が長い時間保たれる。従って、ノズルプレート6に使用する材料は体積抵抗率のより高い材料を用いることが好ましい。
このように、ノズルプレート6と対向電極3との間に静電電圧を印加して液体の吐出動作を続けると、ノズルプレート6の分極により電界強度が低下して液体の吐出状態が変化する。そこで、制御手段19は、ノズルプレート6が分極する前に静電電圧電源15に分極回復動作をさせることにより、電界強度の低下によって液体の吐出状態が変化することを防止するようになっている。
次に、図6に、帯電用電極7への他の静電電圧印加パターンを示す。図6の例では、静電電圧値vの印加時間tによる積分値及び静電電圧値vの印加時間tによる積分値の絶対値が等しくなるように、すなわち|印加時間t×静電電圧値v|=|印加時間t×静電電圧値v|となるように静電電圧値vを決定した上で、分極回復時に逆極性の静電電圧を印加するようになっている。
このように、液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性で大きさの等しい静電電圧を印加することにより、ノズルプレート6の分極を回復させることが可能となっている。
更に、制御手段19は、液体吐出時と分極回復時とで液体吐出ヘッド2と対向電極3とのギャップが変化した場合は、そのギャップに応じて逆極性の静電電圧を印加するようになっている。すなわち、液体吐出時と分極回復時とで、静電電圧値vの時間による積分値の絶対値にギャップの逆数を乗じた値が等しくなるように逆極性の静電電圧を印加するようになっている。
例えば、液体吐出時における液体吐出ヘッド2と対向電極3とのギャップを1として、分極回復時におけるギャップを1/2とした場合、逆極性の静電電圧値は1/2でよい。したがって、|静電電圧値v×印加時間t×1|=|静電電圧値v×印加時間t×2|となるような逆極性の静電電圧値vを印加するようになっている。
位置決め手段4は、液体吐出ヘッド2と対向電極3に支持された基材Kとを相対的に移動させることにより、液体吐出ヘッド2の各ノズル11から吐出された液滴を、基材Kの表面における任意の位置に着弾させるようになっている。
また、位置決め手段4は、対向電極3と液体吐出ヘッド2との離間距離(ギャップ)を0.1〜3.0mm程度の範囲内で適宜設定するようになっている。これにより、静電電圧電源15が液体吐出時と逆極性の静電電圧を印加する際に、対向電極3と液体吐出ヘッド2とのギャップを小さくするようになっている。例えば、分極回復時における液体吐出ヘッド2と対向電極3とのギャップを液体吐出時の1/2程度とすれば、分極回復時に印加する静電電圧値は1/2でよいという効果が得られる。
次に、液体吐出ヘッド2を使用した本発明の液体吐出方法について、図7のフローチャートを参照して説明する。
図示しない入力手段などにより液体吐出動作の指示信号が入力されると、制御手段19は液体の吐出を開始するか否かを判断し(ステップS1)、開始しないと判断した場合は処理を終了する。
一方、液体の吐出を開始すると判断した場合は、制御手段19は静電電圧電源15の制御により帯電用電極7に静電電圧を印加する。これにより、全ノズル11の内部の液体が同時に帯電され、液体と基材Kとの間に静電吸引力が発生する。
続いて、制御手段19は駆動電圧電源18の制御により、各ピエゾ素子17に駆動電圧を印加することによりピエゾ素子17を変形させて、ノズル11の内部の液体に圧力を発生させ、吐出口10に液体の吐出方向に凸状のメニスカスを形成させる。すると、メニスカス先端部で非常に強い電界集中が生じ、電界の静電力によってメニスカスが引きちぎられ、ノズル11の内部の液体から分離されて液滴となる。更に、液滴は静電力により加速され、対向電極3に支持された基材Kに引き寄せられて着弾する(ステップS2)。
一方、記憶手段21は、液体吐出時に静電電圧電源15による静電電圧印加時間t及び静電電圧値vを記憶する。
続いて、制御手段19は静電電圧の印加開始から静電電圧印加時間tが経過したか否かを判断し(ステップS3)、経過していない場合は静電電圧電源15に液体の吐出を継続させ(ステップS2)、経過した場合は静電電圧値vの印加を停止して液体吐出動作を終了させる(ステップS4)。
なお、液体吐出動作の終了後、逆極性の静電電圧を印加する前に、位置決め手段4により対向電極3と液体吐出ヘッド2との離間距離(ギャップ)を小さくしてもよい。
次に、制御手段19は、記憶手段21に記憶された静電電圧印加時間t及び静電電圧値vに基づき、ノズルプレート6の分極を回復させるための分極回復時間t及び逆極性の静電電圧値vを決定する。
例えば、図4の例に示すように、静電電圧印加時間t=分極回復時間t,|静電電圧値v|=|静電電圧値v|となるように逆極性の静電電圧値vを決定する。また、図6の例に示すように、|静電電圧印加時間t×静電電圧値v|=|分極回復時間t×静電電圧値v|となるように逆極性の静電電圧値vを決定することもできる。こうして静電電圧値vの印加時間tによる積分値及び静電電圧値vの印加時間tによる積分値の絶対値を等しくすることによって、静電電圧値vの印加によりノズルプレート6の分極を回復させることが可能となる。
また、制御手段19は、液体吐出時と分極回復時とで液体吐出ヘッド2と対向電極3とのギャップが変化した場合は、そのギャップに応じて逆極性の静電電圧を印加する。すなわち、液体吐出時と分極回復時とで、静電電圧値の印加時間による積分値の絶対値にギャップの逆数を乗じた値が等しくなるように逆極性の静電電圧を印加する。
次に、静電電圧電源15は、制御手段19の制御により、帯電用電極7に逆極性の静電電圧値vを印加する(ステップS5)。続いて、逆極性の静電電圧の印加開始から静電電圧印加時間tが経過したか否かを判断し(ステップS6)、経過していない場合は分極回復動作を継続し(ステップS5)、経過した場合は分極回復動作を終了する(ステップS7)。
次に、制御手段19は液体の吐出を継続するか否かを判断し(ステップS8)、継続する場合は、再び静電電圧の印加により液体を吐出する(ステップS2)。一方、液体の吐出を継続しない場合は処理を終了する。
このように本実施形態に係る液体吐出ヘッド2、液体吐出装置1及び液体吐出方法によれば、絶縁性のフラットなノズルプレート6と対向電極3との間に同一極性の静電電圧を印加して液体の吐出動作を長時間続けると、ノズルプレート6の分極により電界強度が低下して液体の吐出ができなくなるが、液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加することでノズルプレート6の分極を回復させることが可能となる。これにより、単に静電電圧の印加を停止してノズルプレート6の分極の回復を待つよりも、短時間で容易にノズルプレート6の分極を回復させることができる。したがって、液体吐出ヘッド2が生産ラインで使用される場合にも、液体の吐出不良により生産性を低下させることなく吐出動作を継続させることが可能となる。
また、分極回復動作において、液体吐出時と静電電圧値の印加時間による積分値が等しくなるように逆電圧を印加することによって、ノズルプレートの分極を回復させることができる。したがって、例えば、分極回復動作時間を短縮したい場合は、静電電圧値を大きくすることにより、液体吐出時の静電電圧印加によるノズルプレートの分極を回復させることが可能となる。
また、圧力発生手段でメニスカスを形成することにより、液滴吐出に必要な静電電圧を低下させることが可能となる。また、液体吐出動作の制御を高電圧の静電電圧でなくメニスカスを隆起させるだけの圧力発生手段の駆動により行うことが可能となる。
また、ノズルプレート6の体積抵抗率を1015Ωm以上とすることで、メニスカス先端に強い電界を生じさせることができ、液滴を効率よく安定的に吐出させることが可能となる。
また、吐出口10を開口径15μm未満とすることで、メニスカス先端部への電界集中が効果的に生じるため、液滴を効率よく安定的に吐出させることが可能となる。
また、液体吐出ヘッド及び対向電極の位置を調整して双方の離間距離を小さくすることにより、分極回復時に使用する逆極性の静電電圧値を抑制することが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図8〜図11を参照して説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の液体吐出装置1は、複数の液体吐出ヘッド2を備えている。また、図8に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッド2には、ヘッド選択手段22及び切替手段としての電圧印加制御手段23が電気的に接続されている。
次に、複数の液体吐出ヘッド2の配置について説明する。図9に示すように、液体吐出装置1には、基材Kの搬送方向に直交する方向に沿って設けられたライン方式の液体吐出ヘッド2が、4列に平行となるように並設されている。なお、本発明の液体吐出ヘッドは4列でなくとも複数並設されていればよい。
なお、複数の液体吐出ヘッド2の配置としては、図10に示すように図示しない回転機構を備えたドラム24の外周に等間隔となるように取り付けてもよく、また、図11に示すように、ドラム24の外周に複数の液体吐出ヘッド2の各々を回転可能に取り付けることも可能である。この場合、所定の液体吐出ヘッド2から液体を吐出する際は、その液体吐出ヘッド2の吐出面5が基材Kの側に向くように、図示しないヘッド移動手段により図示しない回転機構を駆動制御してドラム24を回転させる。
次に、液体吐出装置1の制御構成について説明する。
ヘッド選択手段22は、図示しないCPU、ROM及びRAMを備えて構成され、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより、液体吐出動作を開始させる液体吐出ヘッド2を選択して、選択結果を電圧印加制御手段23に出力するようになっている。
すなわち、ヘッド選択手段22は、印加時間計測手段20の計測結果に基づき、液体を吐出する液体吐出ヘッド2への静電電圧の印加時間が静電電圧印加時間tに達したときは、4列の液体吐出ヘッド2から他の液体吐出ヘッド2を選択するようになっている。
電圧印加制御手段23は、図示しないCPU、ROM及びRAMを備えて構成され、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより、各液体吐出ヘッド2が備える制御手段19を制御して、液体吐出ヘッド2ごとの液体の吐出を制御するようになっている。
すなわち、電圧印加制御手段23は切替手段としての機能を果たすようになっており、ヘッド選択手段22により液体吐出動作を開始させる液体吐出ヘッド2が選択されると、選択された液体吐出ヘッド2に静電電圧が印加されるように切り替えを行うようになっている。
次に、液体吐出ヘッド2を使用した本発明の液体吐出方法のうち、上記実施形態と相違する部分について説明する。
液体吐出処理が開始されると、電圧印加制御手段23は、4列のうちいずれかの液体吐出ヘッド2の制御手段19に、液体吐出動作の開始の指示信号を送信する。
続いて、所定の液体吐出ヘッド2において液体吐出動作が開始されると、印加時間計測手段20は、静電電圧印加時間を計測して、計測結果を記憶手段21に記憶すると共にヘッド選択手段22に出力する。また、記憶手段21は静電電圧電源15の静電電圧値を記憶する。
次に、液体吐出時の静電電圧の印加時間が静電電圧印加時間tに達すると、電圧印加制御手段23はその液体吐出ヘッド2の液体吐出動作を終了させる。また、ヘッド選択手段22は、4列の液体吐出ヘッド2から他の液体吐出ヘッド2を選択して、選択結果を電圧印加制御手段23に出力する。
続いて、電圧印加制御手段23は、ヘッド選択手段22により選択された液体吐出ヘッド2の制御手段19に、液体吐出動作の開始の指示信号を送信する。
一方で、電圧印加制御手段23は、液体吐出動作を終了した液体吐出ヘッド2の制御手段19に、分極回復動作の開始の指示信号を送信する。
続いて、分極回復動作の開始の指示信号を受信した液体吐出ヘッド2の制御手段19は、静電電圧電源15の制御により液体吐出時と逆極性の静電電圧を印加して、ノズルプレート6の分極を回復させる。
このように本実施形態に係る液体吐出ヘッド2、液体吐出装置1及び液体吐出方法によれば、複数の液体吐出ヘッド2を備える液体吐出装置1において、一つの液体吐出ヘッド2について液体吐出動作を行っている間に、液体吐出動作を終了した他の液体吐出ヘッド2について分極回復動作を行うことができる。これにより、分極回復動作を行いつつ、液体吐出装置1の全体として液体吐出動作を継続することが可能となる。
以上詳細に説明したように、本発明の液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出方法によれば、ノズルプレートの分極状態を短時間で容易に回復させることにより、液体吐出ヘッドが生産ラインで使用される場合にも、液体の吐出不良により生産性を低下させることなく吐出動作を継続させることが可能となる。
なお、ここまでは液体吐出ヘッド内の液体に静電電圧を印加し、対向電極を接地させる形態で説明を行ってきたが、逆に対向電極に静電電圧を印加し、液体吐出ヘッド内の液体を接地させる形態を取ることも可能であり、同様の効果を得ることが出来る。

Claims (14)

  1. 液体が供給される液体供給口及び前記液体供給口から供給された液体を基材に吐出する吐出口を有するノズルが設けられた絶縁性のノズルプレートと、
    前記液体供給口に連通し前記吐出口から吐出される液体を貯蔵するキャビティと、
    前記ノズル及び前記キャビティの内部の液体と前記基材との間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段と、
    前記静電電圧印加手段による前記静電電圧の印加を制御する制御手段と、
    を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記ノズルは前記ノズルプレートから突出していないフラットなノズルであり、
    前記制御手段は前記静電電圧印加手段が液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加する分極回復動作を行うように制御することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記静電電圧印加手段による液体吐出時における静電電圧の印加時間及び印加電圧値を記憶する記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記印加時間及び前記印加電圧値に基づき、液体吐出時に印加した静電電圧値の印加時間による積分値と前記逆極性の静電電圧値の印加時間による積分値の絶対値が等しくなるように前記逆極性の静電電圧値を決定し、前記静電電圧印加手段に前記静電電圧値によって前記分極回復動作を行わせることを特徴とする請求の範囲第1項記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記キャビティの容積を変化させることにより液体に圧力を発生させ、前記吐出口に前記液体の吐出方向に凸状のメニスカスを形成する圧力発生手段を備えることを特徴とする請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記ノズルプレートの体積抵抗率は1015Ωm以上であることを特徴とする請求の範囲第1項〜請求の範囲第3項のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記吐出口の開口径は15μm未満であることを特徴とする請求の範囲第1項〜請求の範囲第4項のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求の範囲第1項〜請求の範囲第5項のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極とを備え、前記液体吐出ヘッドと前記対向電極との間に生じる前記静電吸引力により液体を吐出させることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 請求の範囲第1項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極とを備え、前記液体吐出ヘッドと前記対向電極との間に生じる前記静電吸引力により液体を吐出させる液体吐出装置であって、
    前記分極回復動作時に前記液体吐出ヘッド及び前記対向電極の位置を調整して双方の離間距離を小さくする位置決め手段を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 液体が供給される液体供給口及び前記液体供給口から供給された液体を基材に吐出する吐出口を有するノズルが設けられた絶縁性のノズルプレートと、
    前記液体供給口に連通し前記吐出口から吐出される液体を貯蔵するキャビティと、
    前記ノズル及び前記キャビティの内部の液体と前記基材との間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段と、
    前記静電電圧印加手段による前記静電電圧の印加を制御する制御手段と、
    を備えた液体吐出ヘッドを使用して、
    前記ノズルは前記ノズルプレートから突出しないフラットなノズルとし、
    前記静電電圧印加手段が液体吐出時に印加した静電電圧と逆極性の静電電圧を印加する分極回復動作を行うように制御することを特徴とする液体吐出方法。
  9. 前記静電電圧印加手段による液体吐出時における静電電圧の印加時間及び印加電圧値を記憶する記憶手段を使用し、
    前記印加時間及び前記印加電圧値に基づき、液体吐出時に印加した静電電圧値の印加時間による積分値と前記逆極性の静電電圧値の印加時間による積分値の絶対値が等しくなるように前記逆極性の静電電圧値を決定し、前記静電電圧印加手段に前記静電電圧値によって前記分極回復動作を行わせることを特徴とする請求の範囲第8項記載の液体吐出方法。
  10. 前記キャビティの容積を変化させることにより液体に圧力を発生させ、前記吐出口に前記液体の吐出方向に凸状のメニスカスを形成する圧力発生手段を使用して液体を吐出させることを特徴とする請求の範囲第8項又は請求の範囲第9項記載の液体吐出方法。
  11. 前記ノズルプレートの体積抵抗率は1015Ωm以上であることを特徴とする請求の範囲第8項〜請求の範囲第10項のいずれか一項に記載の液体吐出方法。
  12. 前記吐出口の開口径は15μm未満であることを特徴とする請求の範囲第8項〜請求の範囲第11項のいずれか一項に記載の液体吐出方法。
  13. 前記液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極とを備え、前記液体吐出ヘッドと前記対向電極との間に生じる前記静電吸引力により液体を吐出させることを特徴とする請求の範囲第8項〜請求の範囲第12項のいずれか一項に記載の液体吐出方法。
  14. 請求の範囲第8項に記載の液体吐出方法であって、前記液体吐出ヘッドに対向する対向電極をさらに備え、前記分極回復動作時には前記液体吐出ヘッド及び前記対向電極の位置を調整して双方の離間距離を小さくするように制御することを特徴とする液体吐出方法。
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