JP5407162B2 - インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法に関するものである。
インクジェットヘッドには種々の方式が提案されているが、その一つにせん断モードタイプのインクジェットヘッドがある(特許文献1〜5参照)。
このせん断モードタイプのインクジェットヘッドでは、隣接するインクチャネルのクロストークが原因となって、連続駆動する場合の端部のインクチャネルに対応するノズルから吐出されるインク液滴の液滴量あるいは液滴速度が低下するという問題がある。
従来、このようなクロストークの問題を解決するための技術として、駆動波形を変更する技術(特許文献1)、個々のインクチャネルの駆動電圧またはパルス幅を調整する技術(特許文献2)、印字しているインクチャネルに隣接しているインクチャネルにダミーパルスを与える技術(特許文献3)、同相で駆動される隣接チャネルの駆動位相が重ならないようにする技術(特許文献4)、全インクチャネルを4つのグループに分けて4サイクルで分割駆動し、同一サイクルの駆動位相をずらす技術(特許文献5)等が知られている。
特開平10−16212号公報 特開2000−79684号公報 特開2000−255055号公報 特開2000−255054号公報 特開2001−239665号公報
インクジェット方式による印刷や塗布を高速で行うシステムとして、複数のせん断モードタイプのインクジェットヘッドをライン状に並べて固定し、被印刷物や被塗布物に対して1パスで印刷あるいは塗布するシステムが考えられ、例えば、ロール状の被印刷物や被塗布物を連続的に処理することができる。
このとき問題になるのがヘッドの端部に発生するクロストークによる印刷濃度むらである。ヘッドの端部は構造的にクロストークが避けられないことから、ヘッドの繋ぎ目部分の濃度異常は筋状に固定した塗布欠陥となり、印刷物の品質を著しく損ねる。
図21は、ノズルの形状が同じである32個のインクチャネルを有するせん断モードタイプのインクジェットヘッドについて、共通の電圧パルスを印加して全インクチャネルを時分割で3周期(インクチャネル2本おきに)駆動させた場合の液適量分布の一例であり、一方の端部3チャネルと他方の端部3チャネルで液適量が著しく低下しているのが判る。
クロストーク対策として上記の従来技術が知られているが、駆動方法が複雑であるため、駆動回路が複雑化し、コストが上がる問題がある。一方で、ヘッドの端部に位置するインクチャネルでは、その外側に隣接部がほとんど存在しないために十分なクロストーク対策がとれない問題がある。
本発明は、単純な駆動回路を用いているにもかかわらず、クロストークに起因するヘッド単体の端部のインクチャネルからのインク滴の液滴量の低下を改善し、印刷物品質を改善できるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法を提供することを課題とする。
本発明の課題は、以下のような構成により達成される。
1.
少なくとも一部が圧電材料で構成された側壁により隔てられ、前記側壁表面の上方から底面に亘って繋がる電極が密着形成された複数のインクチャネルが配列され、前記側壁のせん断変形によりインクチャネル内の圧力を変化させて、インクチャネルに連通したノズルからインクを吐出せしめるインクジェットヘッドであって、
前記インクチャネルにおける圧力波の音響的共振周期の1/2をALとしたとき、インクを吐出する前記複数のインクチャネルの配列方向の両端に位置する2つのインクチャネルと、中央に位置するインクチャネルとで、ノズルのインク吐出側の開口径は同一であり、且つ、ALが異なる値となるようにノズルの形状が異なることを特徴とするインクジェットヘッド。
2.
前記両端に位置する2つのインクチャネルは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする1に記載のインクジェットヘッド。
3.
前記インクを吐出する複数のインクチャネルのうち、前記両端に位置する2つのインクチャネルと前記中央に位置するインクチャネルとを除いた他のインクチャネルと、前記中央に位置するインクチャネルとは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする1または2に記載のインクジェットヘッド。
4.
前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルと、前記中央に位置するインクチャネルとで、ALが異なる値となるようにノズルの形状が異なることを特徴とする1に記載のインクジェットヘッド。
5.
前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする4に記載のインクジェットヘッド。
6.
前記インクを吐出する複数のインクチャネルのうち、前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルと前記中央に位置するインクチャネルとを除いた他のインクチャネルと、前記中央に位置するインクチャネルとは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする4または5に記載のインクジェットヘッド。
7.
前記ノズルの形状が異なるとは、ノズルのインクチャネル側の開口径が異なることであ
ることを特徴とする1乃至6の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
8.
前記ノズルが、インク吐出側の開口に連続して設けられたストレート部を有し、前記ノズルの形状が異なるとは、前記ストレート部の長さが異なることであることを特徴とする1乃至6の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
9.
前記両端に位置する2つのインクチャネルの外側にインクを吐出しないダミーチャネルを有することを特徴とする1乃至8の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
10.
前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルのALと、中央に位置するインクチャネルのALとの差の絶対値が0.1μs以上5μs以下であることを特徴とする1乃至9の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
11.
前記ノズルが形成されているノズル形成部材は、シリコンで構成されることを特徴とする1乃至10の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
12.
1乃至11の何れか1項に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とする塗布装置。
13.
前記側壁は、側壁の少なくとも一部に形成された電極に印加される電圧パルスによりせん断変形され、前記電圧パルスは、前記インクチャネルの容積を膨張させた後、収縮させる膨張パルスを有し、前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルの側壁の電極に印加される膨張パルスのパルス幅と、前記中央に位置するインクチャネルの側壁の電極に印加される膨張パルスのパルス幅とは互いに等しいことを特徴とする12に記載の塗布装置。
14.
前記インクを吐出する複数のインクチャネルの全てのインクチャネルの側壁の電極に印加される膨張パルスのパルス幅が互いに等しいことを特徴とする13に記載の塗布装置。
15.
前記中央に位置するインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量及び前記一方のインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量のうちの大きい方の液滴量に対する小さい方の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内の値になるように前記膨張パルスのパルス幅が設定されていることを特徴とする13または14に記載の塗布装置。
16.
前記インクを吐出する複数のインクチャネルのうち、間に2本のインクチャネルを挟んで離れているインクチャネルをまとめて1つの組として、全インクチャネルを3つの組に分割し、各組毎に順次電圧パルスが印加されることを特徴とする13乃至15の何れか1項に記載の塗布装置。
17.
前記インクを吐出する複数のインクチャネルの全てのインクチャネルの側壁の電極に共通の電圧パルスが印加されることを特徴とする13乃至16の何れか1項に記載の塗布装置。
18.
前記電圧パルスは矩形波の電圧パルスであることを特徴とする13乃至17の何れか1項に記載の塗布装置。
19.
連続搬送される長尺状の支持体上に、支持体の幅方向に塗布幅に対応して配置された複数の前記インクジェットヘッドから塗布液の液滴を吐出させて塗膜を形成させることを特徴とする12乃至18の何れか1項に記載の塗布装置。
20.
1乃至11の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動方法であって、前記インクジェットヘッドの各インクチャネルにインクを供給し、前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルの側壁の少なくとも一部に形成された電極に前記インクチャネルの容積を膨張させた後、収縮させる膨張パルスを有する電圧パルスを印加してノズルからインク液滴を吐出させ、前記膨張パルスのパルス幅の変化に対するインク液滴の液滴量の変化の関係を示す液滴量のパルス幅依存性を測定する工程と、
前記中央に位置するインクチャネルの側壁の少なくとも一部に形成された電極に前記インクチャネルの容積を膨張させた後、収縮させる膨張パルスを有する電圧パルスを印加してノズルからインク液滴を吐出させ、前記膨張パルスのパルス幅の変化に対するインク液滴の液滴量の変化の関係を示す液滴量のパルス幅依存性を測定する工程と、
前記一方のインクチャネルの側壁の電極に印加する膨張パルスのパルス幅と、前記中央に位置するインクチャネルの側壁の電極に印加する膨張パルスのパルス幅とは互いに等しく、かつ前記中央に位置するインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量と前記一方のインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量のうちの大きい方の液滴量に対する小さい方の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内の値になるように前記膨張パルスのパルス幅を設定する工程と、
を有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
本発明によれば、単純な駆動回路を用いているにもかかわらず、クロストークに起因するヘッド単体の端部のインクチャネルからのインク滴の液滴量の低下を改善し、印刷物品質を改善できるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法を提供することができる。
以下に本発明に関する実施の形態の例を示すが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
図1は、ライン型の塗布装置1の構成を示す模式図である。
ロール状に巻かれた長尺状の支持体10は、図示しない駆動手段により巻き出しロール10Aから矢印X方向に繰り出され搬送される。
長尺状の支持体10はバックロール20に巻回され支持されながら搬送される。インクジェットヘッドユニット30より塗布液であるインクが支持体10に向け吐出され、インクが支持体10に塗布される。インクジェットユニット30は、支持体幅方向に塗布幅に対応した複数のインクジェットヘッド31を有する。また、各インクジェットヘッド31毎に設けられた電圧パルス発生手段101(図5参照)を備え、制御部(図示せず)は、電圧パルス発生手段101を制御して、各インクジェットヘッド31毎に共通の所定のパルス幅の膨張パルスを有する電圧パルスをインクジェットヘッド31に出力させ、ノズルからインク液滴を吐出させる。
図2は、インクジェットヘッドユニット30のインクジェットヘッド31の配置例である。また、全てのインクジェットヘッド31が、インクを一時的に貯留する中間タンク40に対して同じ高さに配置されている例である。前述のように、1つのインクジェットヘッドで吐出できる塗布幅(吐出幅)はインクジェットヘッドの外形寸法よりも狭いことから、隙間なく塗布するために複数のインクジェットヘッドを支持体搬送方向に対して千鳥配置している。図2に示す例では、支持体幅方向に塗布幅に対応した複数のインクジェットヘッドを2列の千鳥配置としている。図3に、インクジェットヘッド31の外形、吐出幅及び千鳥配置の関係を示す。インクジェットヘッド31の数及び千鳥配置の列数は、インクジェットヘッド31の吐出幅、塗布幅等により適宜設定されるものであり、図2の例に限定されるものではない。
インクは、インクジェットヘッド31のインクの背圧を調整する中間タンク40から複数の送液配管43を介してインクジェットヘッド31毎に供給される。なお、本説明において、図中の送液配管43は、複数の配管である。
中間タンク40へのインク供給は、インクを貯留する貯留タンク50から供給管51の途中に配設された送液ポンプPで行われる。
塗膜が形成された支持体は、乾燥部100で塗膜の乾燥が行われ、巻き取りロール10Bに巻き取られる。
次に、せん断モードタイプのインクジェットヘッド31について説明する。
各インクジェットヘッド31は、ノズル面側が支持体10の塗布面と対向するように配置されており、フレキシケーブル6を介して、電圧パルスを生成するための回路が設けられる電圧パルス発生手段101(図5参照)に電気的に接続されている。
図4は、せん断モードタイプのインクジェットヘッド31の一例の概略構成を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。図9は、インクチャネル列の断面図であり、わかりやすいように各インクチャネルに対応して設けられたノズルのインク吐出側の開口を示してある。図13,14は、1つのノズルの断面図とインク吐出側から見た正面図である。正面図にはノズルに対応して配置されるインクチャネルの位置を示してある。
図5(a)〜(c)はその動作を示す図である。
図4及び図5において101は電圧パルス発生手段、31はインクジェットヘッド、22はノズル形成部材、23はノズル、24はカバープレート、25はインク供給口、26は基板、27は側壁、Lはインクチャネルの長さ、Dはインクチャネルの深さ、Wはインクチャネルの幅である。そして、インクチャネル28が側壁27、カバープレート24及び基板26によって形成されている。
ここで、図からも明らかなように、インクチャネルにおけるインクチャネルの配列方向の長さをインクチャネルの幅、配列方向に垂直な2方向のうち、長手方向の長さをインクチャネルの長さ、もう一方の長さをインクチャネルの深さと定義している。
インクジェットヘッド31は、図5、図9に示すように、カバープレート24と基板26の間に、電気・機械変換手段であるPZT等の圧電材料からなる複数の側壁27で隔てられたインクチャネル28が17個配列されたせん断モードタイプのヘッドである。図5では17個のインクチャネル28の一部である3本(28A、28B、28C)が示されている。インクチャネル28の一端(以下、これをノズル端という場合がある)はノズル形成部材22に形成されたノズル23につながり、他端(以下、これをマニホールド端という場合がある)はインク供給口25を経て、送液配管43に接続されている。そして、各インクチャネル28内の側壁27表面には両側壁27の上方から基板26の底面に亘って繋がる電極29A、29B、29Cが密着形成され、各電極29A、29B、29Cは電圧パルス発生手段101に接続している。
インクを吐出する17個のインクチャネル28の両外側には、ノズル23が形成されておらず、インクの吐出を行わない2つのダミーチャネル128が設けられている。本実施形態では、このダミーチャネルにインクが供給されるように構成されている。
図13(b)、(c)、図14(b)は、インクを吐出する17個のインクチャネル28の配列方向の端部に位置するインクチャネルの各ノズルの形状、図13(a)、図14(a)は中央に位置するインクチャネルのノズルの形状をそれぞれ示したものである。
本実施形態のノズル23は、図13(a)、(b)に示すようにインク吐出側の開口に連続して設けられたストレート部から構成され、インク吐出側の開口とインクチャネル側の開口とも円形形状である。ここでストレート部とは、テーパ角が±5°の範囲にあることを意味し、後述するテーパ部とは、テーパ角が5°より大きく90°より小さい範囲にあることを意味する。
図13(a)、(b)において、インクを吐出する17個のインクチャネル28の配列方向の両端に位置する2つのインクチャネルのノズルのインク吐出側の開口径d2とインクチャネル側の開口径D2の両方を、中央に位置するインクチャネルのノズルのインク吐出側の開口径d1、インクチャネル側の開口径D1より相対的に大きくしている(d2>d1かつD2>D1)。なお開口径は、ノズルのインク吐出側の開口径あるいはインクチャネル側の開口径の少なくとも一方が異なるようにすればいい。
また、開口径が異なる以外は、例えばストレート部の長さ(ノズルの長さ)t、テーパ角α等のノズル形状は同じにしてある。また、その他のインクチャネルのノズルにおける開口径を含めたノズルの形状は、中央に位置するインクチャネルのノズルの形状と同じにしてある。
ここで、開口径とは、開口が円形の場合は、その直径をさす。なお、開口形状は円形形状に限定されることはなく、円形形状の代わりに、楕円形状や多角形状や星形形状等としてもよい。尚、形状が円でない場合、その面積を同じ面積の円形に置き換えた場合の直径を開口径とする。
インクジェットヘッド31のインクチャネル数は、インクジェットヘッド31の吐出幅により適宜、10個〜1000個程度に設定されるものであり、図9の例に限定されるものではない。なお、例えば、インクチャネル数が偶数の場合のように、中央にインクチャネルが存在しない場合の中央に位置するインクチャネルとは、中央近傍に位置する2つのインクチャネルのうちの何れか一方のインクチャネルを指す。
また、図9では両端に位置する2つのインクチャネルのノズルのインク吐出側の開口径d2とインクチャネル側の開口径D2の両方を、中央部に位置するインクチャネルのノズルより相対的に大きくしているが、インクチャネルにおける圧力波の音響的共振周期の1/2をALとしたとき、両端に位置する2つのインクチャネルと、中央に位置するインクチャネルとで、ALが異なる値となるようにノズルの形状が異なっていればよく、様々な実施形態をとりうる。
図10は、インクの吐出を行わない4つのダミーチャネルが設けられている例である。端部のインクチャネルに隣接して設けられたダミーチャネルは、端部に位置するインクチャネルと隣接するダミーチャネルを仕切る側壁の金属電極に電圧パルスを印加し、この側壁も駆動して両端のインクチャネルからより安定的にインクを吐出させるためのものであるが、さらにその外側にダミーチャネルを設けることにより、端部に位置するインクチャネルのクロストークの影響を低減できるため好ましい。
図11は、両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルのノズルのインク吐出側の開口径d2とインク吐出側の開口径D2の両方を、中央部に位置するインクチャネルのノズルのインク吐出側の開口径d1、インク吐出側の開口径D1より相対的に大きくしている。また、その他のインクチャネルのノズルにおける開口径を含めたノズルの形状は、中央に位置するインクチャネルのノズルの形状と同じにしてある。複数のインクチャネルのうち間に2本のインクチャネルを挟んで離れているインクチャネルをまとめて1つの組として、全インクチャネルを3つの組に分割し、各組毎にインク吐出動作を時分割で順次行う場合に特に有効であり、本発明の効果がより一層顕著に発揮される。これは、前述の図21に示すように3つの組に分割して駆動すると、各駆動において両端に位置することになる各端部の3チャネルにおいて液滴量が低下するからである。
図9〜図11の実施形態において開口径を異ならせることに代えて、あるいは、加えてストレート部の長さを異ならせるようにしても良い。例えば、端部に位置するインクチャネルのノズルの形状を図13の(c)に示すように、インク吐出側の開口に連続して設けられたストレート部23aとインクチャネル側に向かって径が徐々に増加するテーパ部23bとから構成する。端部に位置するインクチャネルのノズルのストレート部の長さt1を、図13の(a)に示す中央に位置するインクチャネルのノズルのストレート部の長さtより相対的に小さくすればいい。なお、テーパ部を設けたことに伴ってインクチャネル側の開口形状を長さD3、幅D4の長円形状とし、それぞれテーパ角α1、α2を有する以外は、例えばノズルの長さt、インク吐出側の開口径d2、テーパ角α等のノズル形状は同じである。
ノズルの形状は、ストレート部だけの形状、ストレート部とテーパ部とを有する形状に限らず、テーパ部だけの形状、あるいは、2段以上の階段形状でもよい。
図9〜図11の実施形態において、2段の階段形状のノズル形状とし、インク吐出側の開口径あるいはインクチャネル側の開口径の少なくとも一方を異ならせるようにしても良い。例えば、図14に示すようにノズルは、インク吐出側の小径部23cとインクチャネル側の大径部23dとから構成され、小径部23cは、中央部、端部共に開口形状が円形となっており、それぞれのインク吐出側の開口径は、同じである。また、大径部23dは、中央部の開口形状が一辺の長さがD4の正方形、端部の開口形状が長辺の長さがD3、短辺の長さがD4の長方形となっている。又、大径部23dの開口形状の中心と小径部23cの開口形状の中心は同心としている。
次に、インクジェットヘッド31の製造方法と構成材料について説明する。
基板26上に互いに分極方向が異なる2枚の圧電材料27a、27bを接着剤を介して上下に貼り合わせ、その上側の圧電材料27aからダイヤモンドブレード等により、インクチャネル28となる複数の溝が全て同じ幅、同じ長さ、同じ深さで平行に切削加工される。隣接するインクチャネル28は、矢印の方向に分極された側壁27によって区画される。また、インクチャネル28は、インクチャネル28の出口側(図4における左側)の深溝部28aと、該深溝部28aからインクチャネル28の入口側(図4における右側)に行くに従って徐々に浅くなる浅溝部28bとを有している。
各側壁27は、ここでは図5の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料27a、27bによって構成されているが、圧電材料は例えば符号27aの部分のみであってもよく、側壁27の少なくとも一部にあればよい。
圧電材料27a,27bに使用される圧電材料としては、電圧を加えることにより変形を生じるものであれば特に限定されず、公知のものが用いられ、有機材料からなる基板であっても良いが、圧電性非金属材料からなる基板が好ましく、この圧電性非金属材料からなる基板として、例えば成形、焼成等の工程を経て形成されるセラミックス基板、又は塗布や積層の工程を経て形成される基板等がある。有機材料としては、有機ポリマー、有機ポリマーと無機物とのハイブリッド材料が挙げられる。
セラミックス基板としては、PZT(PbZrO3−PbTiO3)、第三成分添加PZTがあり、第三成分としてはPb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Mn1/3Sb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3等があり、さらにBaTiO3、ZnO、LiNbO3、LiTaO3等を用いて形成することができる。
また、塗布や積層の工程を経て形成される基板として、例えば、ゾル−ゲル法、積層基板コーティング等で形成することができる。
圧電材料27aの上面には、全インクチャネル28に亘って深溝部28a上を覆うようにカバープレート24が接着剤を介して接着されると共に、各インクチャネル28の浅溝部28b上に、インクチャネル28内へのインク流入口77が形成されている。
カバープレート24の接着後、ノズル23が開設された1枚のノズル形成部材22が接着剤を介して接着される。
カバープレート24及び基板26の材料は、特に限定されず、有機材料からなる基板であっても良いが、非圧電性非金属材料からなる基板が好ましく、この非圧電性非金属材料からなる基板として、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、分極されていないPZTの少なくとも1つから選ばれることが好ましい。有機材料としては、有機ポリマー、有機ポリマーと有機物とのハイブリッド材料が挙げられる。
また、ノズル形成部材23の材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー、アロマティックポリアミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリサルフォン樹脂等の樹脂材料のほか、ステンレス等の金属材料、シリコンを用いることもできる。
樹脂材料のノズル形成部材にノズルを形成する方法として、高分子材料の穿孔に適するエキシマレーザーによるアブレーション加工が好ましい。
エキシマレーザーによるアブレーション加工は、常温、常圧、短時間で、サブミクロン〜ミクロンオーダーの精度で、熱歪みやバリのない孔や溝を形成でき、また、マスクを透過したエキシマレーザー光を、レンズで被加工物に結像させれば、マスクパターンを数分の1に縮小、転写して、任意の形状の孔や溝を一括して形成できる。即ち、焦点加工でなく、マスク加工ができる特徴がある。エキシマレーザーは短パルス(〜20ns)、高輝度(〜数十MW)の紫外光を出力できる。発振波長は、レーザーガスの種類により異なるが、アブレーションに良く使用されるのは、XeCl(波長308nm)、KrF(波長248nm)である。
ノズル形成部材は、シリコンを用いることが好ましい。
シリコン基板は、マイクロマシン分野の微細加工技術であるシリコン基板等を対象とした半導体プロセスを用いて高精度のノズル穴加工ができる。
シリコン基板を用いて、公知のフォトリソグラフィ処理(レジスト塗布、露光、現像)及びシリコン異方性ドライエッチング技術によりノズルを加工する。
以上のように、シリコン基板は、エッチング技術により、ノズル形状の制御が容易であるため加工精度が極めて良く、所望のノズル形状を得ることができる。
各インクチャネル28及びダミーチャネル128内には、その両側面から底面にかけて金属電極29が形成されており、この金属電極29は、浅溝部28bを通って圧電材料27aの後部側表面まで延びている。各金属電極29には、この後部側表面において異方導電性フィルム78を介してフレキシブルケーブル6が接着されており、電圧パルス発生手段101から各金属電極29に電圧パルスを印加することにより側壁27をせん断変形させ、その変形時の圧力によりインクチャネル28内のインクをノズルプレート22に形成されたノズル23から吐出するようになっている。また、両端に位置するインクチャネルと隣接するダミーチャネルを仕切る側壁の金属電極にも電圧パルスが印加され、この側壁も駆動して両端のインクチャネルからインクを吐出させる。
金属電極29に用いられる金属としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タンタル、チタンを用いることができ、特に、電気的特性、加工性の点から、金、アルミニウム、銅、ニッケルが好ましく、めっき、蒸着、スパッタで形成される。
せん断モードタイプのインクジェットヘッド31は、以上のように圧電材料27a,27bにインクチャネル28を形成して、その側壁27に金属電極29を形成するだけで、ヘッドの主要部分を構成できるので、製造が簡単で、多数のインクチャネル28を高密度に配置できるために、高精細な画像記録を行う上で好ましい態様である。
次に、吐出動作について説明する。
各側壁27表面に密着形成された電極29A、29B、29Cに電圧パルス発生手段101から電圧パルスが印加されると、以下に例示する動作によってインク滴をノズル23から吐出する。なお、図5ではノズルは省略してある。
なお、かかるインクジェットヘッド31では、以上のように、側壁27の変形によってインクチャネル28内のインクに正負の圧力が付与されるものであり、この側壁27は圧力付与手段を構成している。
図6は、本発明に係る実施の形態の液滴吐出方法における電圧パルスを示している。図6において、横軸は時間、縦軸は駆動電圧を表す。
(1)かかるインクジェットヘッド31は、図5(a)に示す状態において、電極29A及び29Cをアースに接続すると共に電極29Bに、パルス幅がPWの矩形波からなる膨張パルス(正電圧)を印加すると、まず、パルスの最初の立ち上がり(P1)によって、側壁27B、27Cを構成する圧電材料27a、27bの分極方向に直角な方向の電界が生じ、27a、27bともに側壁の接合面にズリ変形を生じ、図5(b)に示すように側壁27B及び側壁27Cは互いに外側に向けて変形し、インクチャネル28Bの容積が膨張する。これによりインクチャネル28B内のインクに負の圧力が生じてインクが流れ込む(Draw)。
(2)この最初のP1の印加からPW時間経過後に電位を0に戻す(P2)と、側壁27B,27Cは膨張位置から図5(a)に示す中立位置に戻り、インクチャネル28B内のインクに高い圧力が掛かる。
引き続いて、矩形波からなるパルス幅が2PWの収縮パルス(負電圧)を印加する。まず収縮パルスの立ち下がり(P3)によって、図5(c)に示すように、側壁27B及び27Cは互いに逆方向に変形し、インクチャネル28Bの容積が収縮する。この収縮によりインクチャネル28B内のインクに更に高い圧力を掛かる(Reinforce)。これによりノズル内のインクメニスカスがノズル23から押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズルから吐出させるほど大きくなるとインク滴はノズルから吐出する。
(3)更に、2PW時間経過すると、電位を0に戻し(P4)、側壁27B、27Cを収縮位置から中立位置に戻す。
これらの一連の動作によりインクチャネル28B内のインクの一部がインク滴としてノズル23から飛翔する。
このような液滴吐出方法は、いわゆるDRR(Draw−Release−Reinforce)方式による液滴吐出方法であり、膨張パルスのパルス幅PWはインク滴の吐出力に大きく影響し、1AL近傍にこのパルス幅が一致したときにインク滴吐出力(吐出速度)は最大となる。
なお、AL(Acoustic Length)とは、上述したように、インクチャネルの音響的共振周期の1/2である。このALは、電気・機械変換手段である側壁27に矩形波のパルスを印加して吐出するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。このALの値は、ヘッドの構造やインクの密度等に依存して決まるものである。
また、パルスとは、一定電圧波高値の矩形波であり、0Vを0%、波高値電圧を100%とした場合に、パルス幅とは、電圧の0Vからの電圧の立ち上がり始め又は立ち下がり始めの10%から波高値電圧からの立ち下がり始め又は立ち上がり始めの10%との間の時間として定義する。更に、ここで矩形波とは、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2以内、好ましくは1/4以内であるような波形を指す。
電圧パルスとして矩形波を用いることは、吐出効率が向上するとともにパルス幅の設定が容易になるため好ましい。
また、図6の電圧パルスでは、膨張パルスの駆動電圧Von(V)と収縮パルスの駆動電圧Voff(V)の比を|Von|>|Voff|とすることが好ましい。このように|Von|>|Voff|の関係とすると、インクチャネル内へのインクの供給を促進する効果があり、特に、高粘度インクで高周波駆動を行う場合に好ましい。なお、この電圧Vonと電圧Voffの基準電圧は0とは限らない。この電圧Vonと電圧Voffは、それぞれ基準電圧からの差分の電圧である。また、|Von|/|Voff|=2とすることがより好ましい。
かかるせん断モードタイプのインクジェットヘッドでは、側壁27の変形は壁の両側に設けられる電極に掛かる電圧差で起こるので、インク吐出を行うインクチャネルの電極に負電圧を掛ける代わりに、インク吐出を行うインクチャネルの電極を接地して、その両隣のインクチャネルの電極に正電圧を掛けるようにしても同様に動作させることができる。この後者の方法によれば、正電圧だけで駆動できるため、電源コストの点で好ましい態様である。
このように少なくとも一部が圧電材料で構成された側壁27によって隔てられた複数のインクチャネル28を有するインクジェットヘッドを駆動する場合、一つのインクチャネルの側壁が吐出の動作をすると、隣のインクチャネルが影響を受けるため、通常、複数のインクチャネル28のうち、互いに1本以上のインクチャネル28を挟んで離れているインクチャネル28をまとめて1つの組となすようにして、2つ以上の組に分割し、各組毎にインク吐出動作を時分割で順次行うように駆動制御される。例えば、全インクチャネル28を駆動してベタ画像を出力する場合には、インクチャネル28を2チャネルおきに選んで3相に分けて吐出する、いわゆる3サイクル吐出法が行われる。
本実施形態では、17個のインクチャネルについて、一方の端部のインクチャネルから他方の端部のインクチャネルに向かって順次チャネル番号1、2,3・・・・・17としたとき、全インクチャネルを、チャネル番号1,4,7,10、13、16をA組、チャネル番号2,5,8,11、14、17をB組、チャネル番号3,6,9,12、15をC組として3組に分けて分割駆動する。
かかる3サイクル吐出動作について図6の電圧パルスで駆動する場合について図7を用いて説明する。図7には、17個のインクチャネルのうち中央近傍の各組3個づつ計9固のインクチャネル28が図示されている。また、このときのA、B、Cの各組のインクチャネル28に印加される電圧パルスのタイミングチャートを図8に示す。
インク吐出時には、まずA組の各チャネルの電極に図6の電圧パルスを印加し、その両隣のチャネルの電極を接地して、A組の各チャネルのノズルからインク滴を吐出させる。
続いてB組の各チャネル28、更に続いてC組の各チャネル28へと上記同様に動作する。
次に、本実施形態のインクジェットヘッドの作用について説明する。
(従来例1)
図12は、各インクチャネルのノズルの形状が互いに等しい従来のインクジェットヘッドのインクチャネル列の断面図である。このヘッドにおいて、インクチャネルの密度は180dpi(141μmピッチ)とし、各インクチャネルの深さDは310μm、幅Wは85μm、長さLは6.5mm、各ノズルは図13(a)に示す形状とし、インクには水系インクを使用した場合について説明する。
ノズル形成部材の材料として、厚さ75μmのポリイミド樹脂シートを用意し、エキシマレーザー(λ=248nm)を用いてインク吐出側の開口及びインクチャネル側の開口がともに円形状であるストレート形状となるように17個の貫通孔を形成し、これをノズルとするノズル形成部材を作成した。
なお、各ノズルに対する加工条件は以下のようにすべて同一とした。
直径d1:39μm
直径D1:50μm
テーパ角:4.2°
得られたノズル形成部材を17個のインクチャネルを形成したPZTを含むアクチュエータ基板の前端面に接着剤を用いて接着し、図4に示すようなインクジェットヘッドを作成した。
インクチャネルのALが10.4μsであった。
ヘッドの評価は、図6に示す電圧パルスを基本とし矩形波の膨張パルスの駆動電圧Vonと矩形波の収縮パルスの駆動電圧Voffの比(|Von|/|Voff|)を2とし、膨張パルスの駆動電圧Vonが13.2Vになる電圧で、膨張パルスのパルス幅PWを変更しながら、電圧パルスを印加してヘッドを図8に示すように全インクチャネルを時分割で3周期(インクチャネル2本おきに)駆動させることにより、一方の端部と中央部のインクチャネルのノズルから吐出される1つのインク滴の液滴量を測定した。なお、図6の電圧パルスでは、収縮パルスのパルス幅を2PWとしているため、膨張パルスのパルス幅PWを変更すると、同時に収縮パルスのパルス幅も変更される事になる。収縮パルスのパルス幅を、PWに依存しない全インクチャネルに共通に所定のパルス幅に設定しても良い。
図15にパルス幅PWと液滴量のグラフを示す。
図15より、中央のインクチャネル、端部のインクチャネルともパルス幅PWがインクチャネルのALである10.4μsに一致したときに液滴量が最大になることがわかる。
従来、圧力室の容積を膨張させた後、収縮させることで圧力室の圧力を高めノズルからインク滴を吐出させる場合に、圧力室の容積を膨張させた後、収縮させる膨張パルスのパルス幅PWは、ALに一致したときに最も効率良く吐出できると考えられ、用いられてきた。
図15より、パルス幅PWがALである10.4μsにおける、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は0.85であり、端部のノズルの液滴量が大きく低下していることが判る。また、パルス幅PWを変更しても中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は0.90程度で変化がないことが判る。
従来のヘッドで、中央部と端部の液滴量を均一にするには、各チャネル毎に駆動電圧や電圧パルス幅を最適化する方法があるが、各チャネル毎に駆動回路を用意する必要があり、コストがかかる問題がある。
(実施の形態1)
次に、図11に示すインクジェットヘッドを、両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルのノズルを図13(b)に示すd2:42μm、D2:53μmとし、中央に位置するインクチャネルとその他のインクチャネルのノズルを従来例1と同じとした以外は、従来例1のヘッドと同様にして作製し、同様の評価を行った場合について説明する。
端部のインクチャネルに対するALが9.9μs、中央のインクチャネルに対するALが10.4μsであった。このように、開口径を大きくすることによりALが短くなっている。
図16にパルス幅PWと液滴量のグラフを、それぞれ示す。
図16より、中央のインクチャネルはパルス幅PWがインクチャネルのALである10.4μsに一致したときに液滴量が最大になり、端部のインクチャネルはパルス幅PWがインクチャネルのALである9.9μsに一致したときに液滴量が最大になることがわかる。
ここで、図16から明らかなように、端部のインクチャネルのパルス幅PWと中央部のインクチャネルのパルス幅PWを等しくした場合においても、最適なパルス幅を選択することにより、端部と中央部の液滴量の差を小さくすることができる。特に、中央部の液滴量分布曲線と端部の液滴量分布曲線が交差する位置である9.0μsにパルス幅PWを設定すれば、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は1.00となり、中央部と端部の液滴量を同じにすることができる。
また、従来のヘッドと同じパルス幅PWが10.4μsにおける、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は0.97であり、分布が改善されている。このパルス幅PWを7.8μs〜11.8μsの範囲内のいずれか1つに選定した上で、各インクチャネルにこのパルス幅PWの共通の電圧パルスを印加し、全インクチャネルの各ノズルから吐出される液滴量を測定したところ、最大の液滴量に対する最小の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内に収まっていることが確認できた。
(実施の形態2)
次に、図11に示すインクジェットヘッドを、両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルのノズルを図13(c)に示す形状でd2:40μm、D3:110μm、D4:60μm、t1:30μm、t2:45μm、α:4.2°、α1:36.1°、α2:9.8°とし、中央に位置するインクチャネルとその他のインクチャネルのノズルを従来例1と同じとした以外は、従来例1のヘッドと同様にして作製し、同様の評価を行った場合について説明する。
端部のノズルに対するALが10.1μs、中央部のノズルに対するALが10.4μsであった。このように、ストレート部の長さを短くすることによりALが短くなっている。
図17にパルス幅PWと液滴量のグラフを、それぞれ示す。
図17より、中央のインクチャネルはパルス幅PWがインクチャネルのALである10.4μsに一致したときに液滴量が最大になり、端部のインクチャネルはパルス幅PWがインクチャネルのALである10.1μsに一致したときに液滴量が最大になることがわかる。
ここで、図17から明らかなように、端部のインクチャネルのパルス幅PWと中央部のインクチャネルのパルス幅PWを等しくした場合においても、最適なパルス幅を選択することにより、端部と中央部の液滴量の差を小さくすることができる。特に、中央部の液滴量分布曲線と端部の液滴量分布曲線が交差する位置である8.7μsにパルス幅PWを設定すれば、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は1.00となり、中央部と端部の液滴量を同じにすることができる。
また、従来のヘッドと同じパルス幅PWが10.4μsにおける、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は0.97であり、分布が改善されている。このパルス幅PWを7.4μs〜11.2μsの範囲内のいずれか1つに選定した上で、各インクチャネルにこのパルス幅PWの共通の電圧パルスを印加し、全インクチャネルの各ノズルから吐出される液滴量を測定したところ、最大の液滴量に対する最小の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内に収まっていることが確認できた。
(従来例2)
図12は、各インクチャネルのノズルの形状が互いに等しい従来のインクジェットヘッドのインクチャネル列の断面図である。このヘッドにおいて、インクチャネルの密度は180dpi(141μmピッチ)とし、各インクチャネルの深さDは310μm、幅Wは85μm、長さLは6.5mm、各ノズルは図14(a)に示す形状とし、インクには水系インクを使用した場合について説明する。
ノズル形成部材の材料として、厚み200μmのシリコン基板を用意し、フォトリソグラフィ処理(レジスト塗布、露光、現像)及びシリコン異方性ドライエッチング技術を用いて、図14(a)に示す小径部23cの直径d1を39μm、テーパ角α:0°、長さt1:30μm、大径部23dのD4:50μm、テーパ角α:0°、長さt2:170μmとした2段ノズル17個を形成し、これをノズルとするノズル形成部材を作成した以外は、従来例1のヘッドと同様にして作製し、同様の評価を行った場合について説明する。
インクチャネルに対するALが9.9μsであった。
図18にパルス幅PWと液滴量のグラフを示す。
図18より、中央のインクチャネル、端部のインクチャネルともパルス幅PWがインクチャネルのALである9.9μsに一致したときに液滴量が最大になることがわかる。
図18より、パルス幅PWがALである9.9μsにおける、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は0.85であり、端部のノズルの液滴量が大きく低下していることが判る。また、パルス幅PWを変更しても中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は0.90程度で変化がないことが判る。
従来のヘッドで、中央部と端部の液滴量を均一にするには、各チャネル毎に駆動電圧や電圧パルス幅を最適化する方法があるが、各チャネル毎に駆動回路を用意する必要があり、コストがかかる問題がある。
(実施の形態3)
次に、図11に示すインクジェットヘッドを、両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルのノズルを図14(b)に示す形状で小径部23cの直径d2を39μm、テーパ角α:0、長さt1:30μm、大径部23dのD3=150μm、D4=50μm、テーパ角α:0、長さt1:170μmとし、中央に位置するインクチャネルとその他のインクチャネルのノズルを従来例2と同一形状とした以外は、従来例2のヘッドと同様にして作製し、同様の評価を行った場合について説明する。
端部のインクチャネルに対するALが9.5μs、中央部のインクチャネルに対するALが9.9μsであった。このように、大径部(インクチャネル側)の開口径を大きくすることによりALが短くなっている。
図19にパルス幅PWと液滴量のグラフを示す。
図19より、中央のインクチャネルはパルス幅PWがインクチャネルのALである9.9μsに一致したときに液滴量が最大になり、端部のインクチャネルはパルス幅PWがインクチャネルのALである9.5μsに一致したときに液滴量が最大になることがわかる。
ここで、図19から明らかなように、端部のインクチャネルのパルス幅PWと中央部のインクチャネルのパルス幅PWを等しくした場合においても、最適なパルス幅を選択することにより、端部と中央部の液滴量の差を小さくすることができる。特に、中央部の液滴量分布曲線と端部の液滴量分布曲線が交差する位置である8.5μsにパルス幅PWを設定すれば、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は1.00となり、中央部と端部の液滴量を同じにすることができる。
また、従来例2のヘッドと同じパルス幅PWが9.9μsにおける、中央部のノズルの液滴量に対する端部のノズルの液滴量の比は0.96であり、分布が改善されている。このパルス幅PWを7.3μs〜11.4μsの範囲内のいずれか1つに選定した上で、各インクチャネルにこのパルス幅PWの共通の電圧パルスを印加し、全インクチャネルの各ノズルから吐出される液滴量を測定したところ、最大の液滴量に対する最小の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内に収まっていることが確認できた。
以上のように、本実施の形態では、インクを吐出する前記複数のインクチャネルの配列方向の両端に位置する2つのインクチャネルと、中央に位置するインクチャネルとで、ALが異なる値となるようにノズルの形状が異なっているので、最適な膨張パルスのパルス幅PWを選択することにより、端部ノズルより吐出されるインク滴量の低下を補うことができ、高品質の印字を行うことができる。これにより、各インクチャネルに共通の電圧パルスを印加する単純な駆動回路を用いることが可能になる。
また、図16、17,19に示す端部ノズルと中央部ノズルの液滴量分布曲線において、交差する位置の近傍の適正パルス幅範囲内にパルス幅PWを設定することにより、中央に位置するインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量及び前記一方のインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量のうちの大きい方の液滴量に対する小さい方の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内の値になるように膨張パルスのパルス幅PWを設定することが可能になる。
また、中央のインクチャネルのALに対する端部のインクチャネルのALのシフト量は、前述の図16、17,19に示す端部ノズルと中央部ノズルの液滴量分布曲線が交差するように設定されることが好ましく、端部のインクチャネルのALと、中央のインクチャネルのALとの差の絶対値が0.1μs以上5μs以下であることが好ましい。この範囲を外れると、端部の液滴量低下を十分に補うことができない場合があり、また、5μsより大きいとインク滴の吐出効率が低下し、駆動電圧が上昇する場合がある。
さらに、本発明は、図20に示すような、1チャネルおきにインクを供給してインクチャネル28とし、その間のチャネルにはインク供給せずに空気チャネルとし、インクチャネル28と空気チャネル28’が交互に形成された独立チャネルヘッドにも適用できる。インクチャネルに対応してノズル23を設けることにより、ノズル23からインクが吐出される。また、入口と出口を有するインクチャネルの略中央部分に設けたノズルからインクを吐出するサイドシューターと呼ばれるタイプのヘッドにも適用できる。例えば、図4に示すインクジェットヘッドにおいて、ノズル形成部材側をインク出口側として、カバープレート24あるいは基板26におけるインクチャネル長手方向の略中央の位置に各ノズルを設け、インクチャネルの入口から出口に向かって連続的にインクを流しながら、インクチャネルの略中央に設けたノズルからインクを吐出させる。
ライン型の塗布装置の構成を示す模式図である。 インクジェットヘッドの配置例を示す図である。 インクジェットヘッドの千鳥配置の位置関係を示す図である。 実施の形態に係るせん断モード(シェアモード)タイプのインクジェットヘッドの概略構成を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。 (a)〜(c)はヘッドの動作を示す図である。 電圧パルスの波形を示す図である。 (a)〜(c)はヘッドの時分割駆動の説明図である。 A、B、Cの各組のインクチャネルの電極に印加される電圧パルスのタイミングチャートである。 実施の形態に係るインクチャネル列の断面図である。 他の実施の形態に係るインクチャネル列の断面図である。 他の実施の形態に係るインクチャネル列の断面図である。 従来のインクジェットヘッドのインクチャネル列の断面図である。 ノズルの形状の一例を示す正面図と断面図である。(a)は中央のノズル、(b)は端部のノズル、(c)は端部のノズルの別の例を示している。 ノズルの形状の一例を示す正面図と断面図である。(a)は中央のノズル、(b)は端部のノズルを示している。 従来のインクジェットヘッドの膨張パルスのパルス幅PWと液滴量の関係を示す図である。 実施の形態に係るインクジェットヘッドの膨張パルスのパルス幅PWと液滴量の関係を示す図である。 他の実施の形態に係るインクジェットヘッドの膨張パルスのパルス幅PWと液滴速度の関係を示す図である。 従来のインクジェットヘッドの膨張パルスのパルス幅PWと液滴量の関係を示す図である。 田の実施の形態に係るインクジェットヘッドの膨張パルスのパルス幅PWと液滴量の関係を示す図である。 他の実施の形態に係るインクチャネル列の断面図である。 従来のインクジェットヘッドの液適量分布の一例を示す図である。
符号の説明
1 塗布装置
10 支持体
10A 捲き出しロール
10B 巻き取りロール
20 バックロール
30 インクジェットユニット
31 インクジェットヘッド

Claims (20)

  1. 少なくとも一部が圧電材料で構成された側壁により隔てられ、前記側壁表面の上方から底面に亘って繋がる電極が密着形成された複数のインクチャネルが配列され、前記側壁のせん断変形によりインクチャネル内の圧力を変化させて、インクチャネルに連通したノズルからインクを吐出せしめるインクジェットヘッドであって、
    前記インクチャネルにおける圧力波の音響的共振周期の1/2をALとしたとき、インクを吐出する前記複数のインクチャネルの配列方向の両端に位置する2つのインクチャネルと、中央に位置するインクチャネルとで、ノズルのインク吐出側の開口径は同一であり、且つ、ALが異なる値となるようにノズルの形状が異なることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記両端に位置する2つのインクチャネルは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記インクを吐出する複数のインクチャネルのうち、前記両端に位置する2つのインクチャネルと前記中央に位置するインクチャネルとを除いた他のインクチャネルと、前記中央に位置するインクチャネルとは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルと、前記中央に位置するインクチャネルとで、ALが異なる値となるようにノズルの形状が異なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記インクを吐出する複数のインクチャネルのうち、前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルおよび他方のインクチャネルから中央に位置するインクチャネルに向かって連続する3つのインクチャネルと前記中央に位置するインクチャネルとを除いた他のインクチャネルと、前記中央に位置するインクチャネルとは、ノズルの形状が同じであることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記ノズルの形状が異なるとは、ノズルのインクチャネル側の開口径が異なることであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記ノズルが、インク吐出側の開口に連続して設けられたストレート部を有し、前記ノズルの形状が異なるとは、前記ストレート部の長さが異なることであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記両端に位置する2つのインクチャネルの外側にインクを吐出しないダミーチャネルを有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルのALと、中央に位置するインクチャネルのALとの差の絶対値が0.1μs以上5μs以下であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記ノズルが形成されているノズル形成部材は、シリコンで構成されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とする塗布装置。
  13. 前記側壁は、側壁の少なくとも一部に形成された電極に印加される電圧パルスによりせん断変形され、前記電圧パルスは、前記インクチャネルの容積を膨張させた後、収縮させる膨張パルスを有し、前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルの側壁の電極に印加される膨張パルスのパルス幅と、前記中央に位置するインクチャネルの側壁の電極に印加される膨張パルスのパルス幅とは互いに等しいことを特徴とする請求項12に記載の塗布装置。
  14. 前記インクを吐出する複数のインクチャネルの全てのインクチャネルの側壁の電極に印加される膨張パルスのパルス幅が互いに等しいことを特徴とする請求項13に記載の塗布装置。
  15. 前記中央に位置するインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量及び前記一方のインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量のうちの大きい方の液滴量に対する小さい方の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内の値になるように前記膨張パルスのパルス幅が設定されていることを特徴とする請求項13または14に記載の塗布装置。
  16. 前記インクを吐出する複数のインクチャネルのうち、間に2本のインクチャネルを挟んで離れているインクチャネルをまとめて1つの組として、全インクチャネルを3つの組に分割し、各組毎に順次電圧パルスが印加されることを特徴とする請求項13乃至15の何れか1項に記載の塗布装置。
  17. 前記インクを吐出する複数のインクチャネルの全てのインクチャネルの側壁の電極に共通の電圧パルスが印加されることを特徴とする請求項13乃至16の何れか1項に記載の塗布装置。
  18. 前記電圧パルスは矩形波の電圧パルスであることを特徴とする請求項13乃至17の何れか1項に記載の塗布装置。
  19. 連続搬送される長尺状の支持体上に、支持体の幅方向に塗布幅に対応して配置された複数の前記インクジェットヘッドから塗布液の液滴を吐出させて塗膜を形成させることを特徴とする請求項12乃至18の何れか1項に記載の塗布装置。
  20. 請求項1乃至11の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動方法であって、前記インクジェットヘッドの各インクチャネルにインクを供給し、前記両端に位置する2つのインクチャネルの一方のインクチャネルの側壁の少なくとも一部に形成された電極に前記インクチャネルの容積を膨張させた後、収縮させる膨張パルスを有する電圧パルスを印加してノズルからインク液滴を吐出させ、前記膨張パルスのパルス幅の変化に対するインク液滴の液滴量の変化の関係を示す液滴量のパルス幅依存性を測定する工程と、
    前記中央に位置するインクチャネルの側壁の少なくとも一部に形成された電極に前記インクチャネルの容積を膨張させた後、収縮させる膨張パルスを有する電圧パルスを印加してノズルからインク液滴を吐出させ、前記膨張パルスのパルス幅の変化に対するインク液滴の液滴量の変化の関係を示す液滴量のパルス幅依存性を測定する工程と、
    前記一方のインクチャネルの側壁の電極に印加する膨張パルスのパルス幅と、前記中央に位置するインクチャネルの側壁の電極に印加する膨張パルスのパルス幅とは互いに等しく、かつ前記中央に位置するインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量と前記一方のインクチャネルのノズルから吐出されるインク液滴の液滴量のうちの大きい方の液滴量に対する小さい方の液滴量の比率が、0.95以上1.0以下の範囲内の値になるように前記膨張パルスのパルス幅を設定する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
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