JP2003170583A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2003170583A
JP2003170583A JP2001369772A JP2001369772A JP2003170583A JP 2003170583 A JP2003170583 A JP 2003170583A JP 2001369772 A JP2001369772 A JP 2001369772A JP 2001369772 A JP2001369772 A JP 2001369772A JP 2003170583 A JP2003170583 A JP 2003170583A
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inkjet head
ink chamber
drive pulse
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Takeshi Kaneda
剛士 家根田
Hitoshi Isono
仁志 磯野
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチドロップ駆動方式のインクジェットヘ
ッドにおけるチャンネル列方向の吐出速度の差を減少
し、良好な印字を得る。 【解決手段】 本発明のインクジェットヘッドは、駆動
パルス発生手段からの駆動パルスによりインク室7内に
圧力を発生させてインクを吐出し、吐出期間にあるイン
ク室7に駆動パルスを連続的に印加し、駆動パルスに応
じてインク室7から吐出する液滴の数を制御してドット
径を制御するマルチドロップ方式のインクジェットヘッ
ドであって、インクの吐出によりインクジェットヘッド
に生じる温度上昇の差を低減する加熱部材8を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、インクジェットプリンタは、簡単
に鮮やかなカラーのプリントアウトが得られること、そ
して安価なことの理由から、世間で広く使われている。
【0003】そのインクジェットプリンタの例としてサ
ーマルジェット型がある。しかしながら、この方式はヒ
ーターの発熱によってインクを吐出させるため、必然的
にエネルギ効率が悪く、消費電力が大きいという欠点が
ある。それに比べて特開昭63−247051号公報に
開示されているようなせん断モード型は、壁のせん断歪
みによって形成される圧力波により液滴を吐出し、エネ
ルギ効率がよい。以下、そのせん断モード型のインクジ
ェットヘッドについて説明する。
【0004】図4に示すように、ヘッドは圧電材料部2
(以下、PZT)とカバープレート1とノズルプレート
6と基板(図示せず)より構成される。図4(a)は通
常状態、図4(b)はインク室NBに第1駆動パルスを
印加したインク室NBの膨張状態、図4(c)はインク
室NA,NCに第3駆動パルスを印加したインク室NB
の収縮状態を示す。また、矢印はPZTの分極方向を表
わす。
【0005】PZT2にダイヤモンドブレードなどによ
る切削加工を行ない、複数の溝を形成する。寸法の一例
を示すと、各インク室の高さは300μm、幅は71μ
m、隔壁の幅は70μm、インク室のピッチは180d
piである。隔壁の上半分(150μm)にAl電極を
斜め真空蒸着により形成し、蒸着後隔壁上面に付着した
電極を研磨するなどにより隔壁の両側の電極を分離した
後、インク室を挟んで対向する電極を電気的に接続する
(接続部は図示せず)。接続層の厚みは1μm以下が望
ましい。
【0006】共通インク室5はインクジェットの後部に
あり、インク室に滑らかにインクを供給する。ノズルプ
レート6に形成されたノズル4の吐出側の径はφ15〜
50μm程度である。ポリイミドフィルムに撥水膜を塗
布後、エキシマレーザにてスルーホールを形成する。ノ
ズルピッチはインク室のピッチと同じ180dpiであ
る。
【0007】PZT2は厚さ(垂直)方向に分極処理さ
れており、隔壁両側面の金属電極3に電位差を与えるこ
とによって、分極方向と垂直に電界が発生し、圧電せん
断歪み効果により隔壁が変形する。この変形によってイ
ンク室中に圧力波が発生し、インクが吐出される。
【0008】次にバイナリー方式(1ドロップだけ吐出
するとき)の吐出原理を説明する。せん断モード型イン
クジェットヘッドは構造上隣接するインク室から同時に
インクを吐出することができない(隔壁を共有してお
り、クロストークが発生するため)。そのため、インク
室を3つ以上のグループに分け、順次各グループの駆動
を行なう方法が提唱されている。
【0009】インク室をA,B,Cの3つのグループに
分け、Bグループの駆動を行なう場合の隔壁の動きを図
6に示す。Bグループのインク室のインクを吐出するイ
ンク室2B,3Bには、図5(a)の第1駆動パルスを
与える。Bグループのインク室のうち、インクを吐出し
ないインク室1B、またA、Cグループのインク室には
図5(b)の第3駆動パルスを与える。以上をたとえば
A→B→C→A→B→C…とグループを遷移させ繰返す
ことにより、インクを連続的に吐出する。
【0010】第1駆動パルス、第3駆動パルスを両隣の
インク室に与えることにより、インクを吐出するインク
室の壁には、図5(c)のように電位差が与えられる。
この電位差により、吐出するインク室2B,3Bは、膨
張(インク室内負圧)→膨張状態維持→圧縮(インク室
内正圧)が行なわれ、インクを吐出する。この膨張維持
時間APは第1駆動パルス幅で決まり、インク室内の圧
力波がインク室の長手方向を片道伝搬する時間AL=L
/a(Lはインク室の長さ、aはインク中の音速)の1
〜2倍で最も有効に圧力変動を増大することができ、吐
出効率が上がる(高い吐出速度が得られる)。
【0011】AP=k×AL ただしk=1〜2 この係数kはノズル部メニスカスの動きにも依存してお
り、通常1〜2程度であるがバイナリー方式のようにイ
ンク室長が長くメニスカスの動きが速い場合には係数は
1となる。第2駆動パルスはインク室内の圧力波を打消
すために与えられるパルスで、そのパルス幅は第1駆動
パルス幅の2倍が最もよい。インク室の長さが4mmの
とき、AP=AL=4μs程度、1液滴の駆動周期は1
6μs程度である。
【0012】次にマルチドロップ方式の駆動方法を説明
する。最大7液滴を連続吐出し、0を含み8階調のマル
チドロップ方式における駆動波形の一例を図7に示す。
図7では4ドロップを吐出する場合の駆動波形を示す。
図6においてBグループのインク室のうちインクを吐出
するインク室2B,3Bだけ吐出するとする。インクを
吐出するインク室2B,3Bには、図7(a)のように
上記バイナリー方式の第1駆動パルスの動きを4回繰返
し、残りの吐出しない期間においては上記バイナリー方
式の第3駆動パルスを3回繰返す。
【0013】インクを吐出しないインク室においては、
図7(b)のように上記バイナリー方式の第3駆動パル
スを7回繰返す。このような駆動パルスを与えること
で、吐出する期間においては図7(c)のようにインク
室の壁に電位差が加わり、膨張(インク室内負圧)→膨
張状態維持→圧縮(インク室内正圧)の動作が行なわれ
インクが吐出される。吐出しない期間においては、イン
ク室の壁に電位差が加わらず、壁が動かないためインク
は吐出しない。
【0014】マルチドロップ方式の場合、最大7液滴吐
出させるのに28×ALの時間を必要とするため、ヘッ
ドの駆動周波数は必然的に小さくなる。そのため、バイ
ナリー方式よりもインク室の長さを短くすることでヘッ
ド駆動周波数を大きくしている。たとえばインク室の長
さが1mmのとき、AP=2×AL=2μs、1液滴の
駆動周期は28μsである。このとき係数が2になるの
は、ALがメニスカスの動きに比べて速くなるためであ
る。
【0015】一方、PZTは電界が加えられるとその誘
電損失により発熱する。上記のようなマルチドロップの
駆動方式の場合、数多く(たとえば5〜7ドロップ)吐
出するインク室とあまり吐出しない(0〜3ドロップ)
インク室の温度差が大きくなり、チャンネル間で加速ば
らつきが生じる。これはインク室の壁に加わる電位差変
化が短時間に極めて多い、マルチドロップ特有の問題で
あり、最悪の場合印字に悪影響を及ぼす。
【0016】これを回避するために特表平11−511
410号公報では、ドロップ数が異なることによるチャ
ンネル間の速度ばらつきを減少するために、吐出選択状
態で非吐出のインク室の第3駆動パルスをわずか(0.
5μs程度)ずらし、電位差を発生させ温度ばらつきを
抑えている(図8,図9)。図8(a)は吐出するイン
ク室2B,3Bに与える駆動パルス、図8(b)はBグ
ループの非吐出インク室に与える第2駆動パルス、図8
(c)はその他のインク室(非吐出)に与える第3駆動
パルスである。
【0017】図9(a)は吐出するインク室2B,3B
に与える駆動パルス、図9(b),(d)はその他のイ
ンク室(非吐出)に与える第3駆動パルス、図9(c)
は吐出するインク室の壁に加わる電位差、図9(e)は
Bグループの非吐出インク室に与える第2駆動パルス、
図9(f)はBグループの非吐出インク室の壁に加わる
電位差である。
【0018】すなわち、図8(b)のような第2駆動パ
ルスをBグループの非吐出インク室に与えると、図9
(f)のようにBグループの非吐出インク室にも電位差
が加わる。この電位差のパルス幅は0.5μs程度とイ
ンク室の圧力波がインク室の長手方向を片道伝搬する時
間AL(約1μs)よりも小さいため、インクを吐出す
るまでには至らず、PZTのヒステリシスにより発熱し
チャンネル間の温度ばらつきを減少させるために効果が
大きい。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
駆動方法で印字を行なうと、インクジェットヘッドの温
度が全体的に上昇し、ドロップ数が異なることによる吐
出速度の差を減少させることができるが、逆に図10の
ようにチャンネル列方向において温度上昇の変化が生じ
インクジェットヘッド中央部に比べて端部の温度が低い
分布となる。
【0020】つまり、インクジェットヘッド中央部の温
度は左右に位置するチャンネルからの熱の寄与により高
温となり、インクジェットヘッドの最端のチャンネルお
よび色分けのために吐出が不可とされているチャンネル
の近傍に位置する吐出可能なチャンネルの温度は、熱の
寄与が低減する結果、さらには放熱作用が勝る結果、上
記インクジェットヘッド中央部の温度に対して低下す
る。
【0021】その結果、インクジェットヘッドの端のチ
ャンネルは吐出速度が遅くなる。つまり、ノズル列方向
で紙面上の着弾位置の差が生じ、印字結果に悪影響を及
ぼすこととなる。
【0022】我々の行なった実験によれば、印加電圧3
3Vの場合、図10に示すようにチャンネル列の端以外
のヘッドの温度は室温から約10℃上昇したが、チャン
ネルの端では7℃程度しか上昇しておらず、該温度差に
起因して吐出速度に差が見られた。
【0023】また、このような紙面上での着弾位置ず
れ、印字品位の悪化を防止するため、中央部との温度差
があるインクジェットヘッドの端近辺のチャンネル(N
o.(2),(3)などで示したチャンネル)は吐出に
は用いないようにする場合があった。
【0024】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の目的は、マルチドロップ駆動
方式のインクジェットヘッドにおけるチャンネル列方向
の吐出速度の差を減少し、良好な印字が得られるインク
ジェットヘッドの構造を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ットヘッドは、駆動パルス発生手段からの駆動パルスに
よりインク室内に圧力を発生させてインクを吐出し、吐
出期間にあるインク室に駆動パルスを連続的に印加し、
駆動パルスに応じてインク室から吐出する液滴の数を制
御してドット径を制御するマルチドロップ方式のインク
ジェットヘッドであって、インクの吐出によりインクジ
ェットヘッドに生じる温度上昇の差を低減する加熱手段
を備える。
【0026】これによれば、インクジェットヘッドにお
いてインク吐出により相対的に温度が低くなる部分を加
熱することができるので、相対的に温度が高くなる部分
との温度差を小さくすることができる。それにより、イ
ンク室が並ぶ方向(チャンネル列方向)におけるインク
ジェットヘッドの温度分布を均一化でき、インク室(チ
ャンネル)間のインク吐出能力を平均化することができ
る。
【0027】上記加熱手段は、インクジェットヘッドの
端部と、インクジェットヘッドにおける色分けの境界部
との少なくとも一方を加熱するためにインクジェットヘ
ッドに取付けられる加熱部材を含む。
【0028】インクジェットヘッドの端部や色分けの境
界部は、インクの吐出により相対的に温度が低くなる
が、加熱部材を設けることにより、これらの部分を加熱
することができ、インクジェットヘッドの温度分布を均
一化できる。
【0029】インクジェットヘッドの端部に位置するイ
ンク室に対しノズル孔を設けないようにしてもよい。つ
まり、吐出に寄与しないチャンネルに対してノズル孔を
設けないようにする。それにより、ノズル加工に係わる
製造時間を短縮することができる。
【0030】上記加熱手段は、加熱用とされるダミーイ
ンク室(ダミーチャンネル)を含み、このダミーインク
室に加熱のための駆動パルスを与える。
【0031】このように特定のインク室(チャンネル)
を加熱用とすることにより、別途加熱部材を設置する必
要がなくなる。そのため、製造時間を増大することがな
く、また異なる製造プロセスの付加がないので、信頼性
の低下という問題を生じるおそれがない。
【0032】印字モードに応じて上記ダミーインク室の
数を変化させてもよい。この場合には、たとえば低解像
度の場合にはダミーインク室の数を少なくして印字の高
速化を図り、高解像度の場合にはダミーインク室の数を
多くして印字品位を保証するといった選択が可能とな
る。
【0033】上記ダミーインク室の数を最高の印字モー
ドにおける数に固定してもよい。これによれば、印字条
件等によってダミーインク室の数を変化させる必要がな
いので、ドライバ回路の負担をなくすことができる。
【0034】インクジェットヘッドの温度が所定温度以
上となったときにダミーインク室からインクを吐出さ
せ、ダミーインク室を放熱用として用いてもよい。
【0035】また、ダミーインク室を断熱材で封止して
もよい。これによれば、ダミーインク室で発生した熱を
インクジェットヘッド外へ逃げにくくすることができる
ので、ダミーインク室の温度低下を防止することがで
き、インク室が並ぶ方向であるチャンネル列方向にの温
度上昇の差を小さくすることができる。
【0036】上記断熱材は空気を含む。この場合、ダミ
ーインク室にインクが流入することがないので、インク
を無駄に消費することがない。また、インクの物性的あ
るいは経時的な特性変化が生じても影響を受けない。
【0037】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態1におけるインクジェットヘッド構造につい
て説明する。
【0038】図1に示すように、本実施の形態1におけ
るインクジェットヘッドは、マルチドロップ方式のイン
クジェットヘッドであり、図4等に示すインクジェット
ヘッドと基本的に同様の構成を有している。そして、上
記ヘッドは、カバープレート1と、圧電材料部(PZ
T)2と、駆動電極3と、複数のインク室(チャンネ
ル)7と、ノズルを有するノズルプレート(図示せず)
と、インク吐出用あるいはヘッド加熱用の駆動パルスを
発生させる駆動パルス発生手段(図示せず)と、所定の
インク室にインク吐出用あるいはヘッド加熱用の駆動パ
ルスを印加する駆動パルス印加手段(図示せず)とを備
える。
【0039】圧電材料部2は、複数のインク室7を形成
する複数の溝部を有し、該溝部の一端における開口を閉
じるようにカバープレート1を設ける。駆動電極3は、
インク室7の側壁に取付けられ、駆動パルス発生手段で
発生した駆動パルスが印加される。インク室7は、図1
における横方向(チャンネル列方向)に並ぶように配置
され、所定のインク室7に対し上記駆動パルスが印加さ
れることによりインク室7内に圧力が発生し、インク室
7からインクが吐出される。
【0040】図1に示す例では、インクジェットヘッド
の端に位置するインク室7が不吐出チャンネルであり、
これよりも中央側に位置するインク室7を吐出チャンネ
ルとしている。なお、図1において、(1)〜(11)
は、各インクチャンネルの番号を示している。
【0041】図1に示すように、本実施の形態1では、
インクジェットヘッドの端に加熱(発熱)部材8を設け
ている。また、図2のようにチャンネル列方向に色分け
がある場合、色分け境界のチャンネル近傍に加熱部材8
を設ける。
【0042】本実施の形態では、加熱部材8として、温
度が低いチャンネル部分の近傍に面状ヒーターを取付け
た。ヒーターとしてはシリコンラバーヒーターなどを後
付けする形態に限らず、薄膜によってインクジェットヘ
ッドに一体形成してもよい。
【0043】また、ヒーターの取付位置あるいは形成位
置は、加熱位置あるいはその近傍に限られず、加熱位置
あるいはその近傍から離れていても熱良導体を介して加
熱部材8の温度を伝搬することができるのであれば制約
されない。このとき、熱良導体としては、アルミニウ
ム、銅などの金属の他、ヒートパイプによる熱輸送手段
を採用可能である。
【0044】以上の構成によれば、蓄熱作用よりも放熱
作用が大きく働くインクジェットヘッドの端近傍のチャ
ンネルに対して積極的に加熱を行なうので、該チャンネ
ルの温度をインクジェットヘッド中央部などのチャンネ
ルの温度とほぼ等しくすることができ、チャンネル列方
向での温度勾配をなくすことができる。したがって、チ
ャンネル列方向でのインクの吐出速度を均一化すること
ができ、良好な印字を行なうことができる。
【0045】図1における一番端のチャンネルNo.
(1)は物理的に左側の壁が動かないためインクの吐出
ができない。図示しない右端のチャンネルも同様であ
る。従来のように吐出ドロップ数が異なるチャンネル間
の吐出速度の差を抑えるため、インクジェットヘッドを
加熱する駆動パルスを与えると、チャンネル列方向に温
度勾配が発生し、インクジェットヘッドの端近辺のチャ
ンネル2,3あたり(No.(2),(3)で示したチ
ャンネル)は吐出速度が遅くなり、紙面上での着弾位置
がずれ、印字品位が悪化する。
【0046】それを防ぐため、チャンネル列方向の温度
勾配がなくなるよう、面状ヒーター等の加熱部材8を制
御する。具体的にはインクジェットヘッドを加熱する駆
動パルスを与えたまま、全チャンネルを吐出駆動させ
る。そして、全チャンネルの吐出速度をTVカメラなど
で、モニタし、該吐出速度が一定となるように面状ヒー
ターを制御する。
【0047】そうすることで、ヘッドの端近辺のチャン
ネルも吐出速度が遅くならず、良好な印字品位を得るこ
とができる。また、インクジェットヘッド端近辺のチャ
ンネルを吐出チャンネルとして使用することが可能とな
るため、効率的なインクジェットヘッドを提供すること
ができる。
【0048】また、ヘッドの左端に位置するチャンネル
No.(1)のノズル4の孔はなくてもよい。これによ
り、ノズル4の孔の数が少なくて済み、インクジェット
ヘッドのコスト低減、孔加工に伴う製造時間の短縮を行
なうことができる。
【0049】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2のインクジェットヘッド構造について説明する。
【0050】本実施の形態2はチャンネルをインクジェ
ットヘッドの加熱手段として用いる構造である。
【0051】すなわち、図3に示すようにチャンネルN
o.(1),(2),(3)を不吐出チャンネルとして
印字には使用しないが、インクジェットヘッドを加熱す
る駆動パルスを与え、インクジェットヘッドの加熱手段
として使用する。このチャンネルを以下ダミーチャンネ
ルと称することにする。ダミーチャンネルの数の決め方
を以下に説明する。
【0052】印字に許される着弾位置のばらつきは経験
などにより解像度の1/2とされている。たとえば、印
字解像度が600dpi(dot per inch)であった場
合、許容される着弾ばらつきは21μmとなる。また、
インクジェットヘッドの端近辺のチャンネルAAの吐出
速度をvd′、温度勾配のない中央のチャンネルBBの
吐出速度をvdとする。インクジェットヘッドの端の温
度が中央に比べ低いためvdとvd′との間にはvd>
vd′…(1)の関係が成り立つ。
【0053】一方、紙面間距離をL’、チャンネルAA
とチャンネルBBのキャリッジスキャン方向の着弾ばら
つきをdx、キャリッジ速度をvcとすると、チャンネ
ルAAの吐出速度vd′は以下のように与えられる。
【0054】 vd′=1/(dx/(vc×L’)+1/vd)…(2) 印字に許される着弾位置ばらつきがdxである場合、チ
ャンネルの吐出速度は以下の関係式を満たさなければな
らない。
【0055】 1/(dx/(vc×L’)+1/vd)<vd′<1/(−dx/vc×L ’)+1/vd)…(3) たとえば解像度600dpi、紙面間距離2.0mm、
キャリッジ速度20IPS、吐出速度8m/sである場
合、関係式(3)は6.9<vd′<9.6…(4)と
なる。
【0056】吐出チャンネルは上記関係式(4)を満た
さなければならない。実験で用いたインクジェットヘッ
ドはチャンネルNo.(2),(3)が上記(4)の関
係を満たさなかったので、ダミーチャンネルとした。こ
のように上述の関係式(4)を満たさないチャンネルN
o.(2),(3)をダミーチャンネルとして用いるこ
とで、良好な画像を得ることができる。
【0057】さらに、インクジェットヘッドの仕様によ
り許容される着弾位置のばらつきが小さくなる場合に
は、ダミーチャンネルを増やせばよい。また、印字の解
像度が300dpiの場合には関係式(3)は6.0<
vd′<12.0…(5)となり、許容される着弾位置
ばらつきが600dpiよりも大きくなる。
【0058】実験で用いたインクジェットヘッドでは、
チャンネルNo.(2)だけが関係式(5)を満たさな
いため、ダミーチャンネルはチャンネルNo.(2)の
みとなる。このように、印字品位によってダミーチャン
ネル数を変化させてもよい。
【0059】たとえば、印字解像度として300dpi
と600dpiの切換えが可能なインクジェットヘッド
の場合には、300dpiおよび600dpiのとき、
それぞれ上述した関係式(5)および式(4)を満足す
るチャンネルのみを吐出に用い、満足しないチャンネル
はインクジェットヘッドの加熱部材として機能させるこ
とにする。これにより、チャンネルを効率的に用いるこ
とができ、高速の印字が可能となる。
【0060】また、実際にダミーチャンネルの数を解像
度などの印字条件によって変えることは、ドライバの複
雑化、信頼性の低下という問題を招く場合がある。これ
を回避するため、すべての印字解像度で、最も解像度の
高いときのダミーチャンネルの数、すなわち最も多いダ
ミーチャンネル数に合わせてもよい。そのようにするこ
とで、ドライバが複雑とならず、低コストのヘッドを提
供することができる。
【0061】インクジェットヘッドの全体の温度が高温
になりすぎた場合には、インクジェットヘッドがメンテ
ポジションあるいはパージポジションに移ったときに、
吐出チャンネルからインクを吐出するのと同時にダミー
チャンネルからインクを吐出させてもよい。そのように
することで、PZTの分極が喪失するおそれがなく、熱
量を放熱し、インクジェットヘッドを適度な温度に速や
かに移すことができ、高速の印字が可能となる。
【0062】また、チャンネルの温度検知手段(温度セ
ンサ等)を設置して、チャンネルの温度を検知し、チャ
ンネル列方向で高温となるチャンネルからインクを吐出
させるようにする。それにより、該チャンネル部分の温
度を低下させ、加熱部材あるいはダミーチャンネルによ
る加熱量を低減することができ、インクジェットヘッド
全体の温度を低下させるとともに、加熱のための消費電
力を低減するという効果がある。
【0063】また、ダミーチャンネルは断熱部材で封止
されていてもよい。これにより、インクジェットヘッド
端の放熱が抑えられ、ダミーチャンネルを少なくするこ
とができ、吐出チャンネルが多くなり、高速の印字が可
能となる。
【0064】また、その断熱部材は空気であってもよ
い。そのようにすることで、安価なヘッドを提供するこ
とができる。
【0065】上述のように本発明の実施の形態について
説明を行なったが、今回開示した実施の形態はすべての
点で例示であって制限的なものではないと考えられるべ
きである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示さ
れ、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべ
ての変更が含まれる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、マルチドロップ駆動方
式のインクジェットヘッドにおいて加熱手段を設けたの
で、インク室(チャンネル)間のインク吐出速度のばら
つきを低減することができ、良好な印字を行うことがで
きる。また、低消費電力のヘッドを提供し、ヘッドの発
熱を抑えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェットヘッドの構造の
一例を示す断面図である。
【図2】 本発明によるインクジェットヘッドの構造の
他の例を示す断面図である。
【図3】 本発明によるインクジェットヘッドの構造の
さらに他の例を示す断面図である。
【図4】 (a)〜(c)は、インクジェットヘッドの
基本的な吐出動作を説明するための図であり、(d),
(e)は、基本的な構造を示す図である。
【図5】 (a)〜(c)は、バイナリー方式の駆動パ
ルスの一例を示す図である。
【図6】 (a)〜(c)は、マルチドロップ方式の吐
出状態を説明するための図である。
【図7】 (a)〜(c)は、マルチドロップ方式の駆
動パルスの一例を示す図である。
【図8】 (a)〜(c)は、マルチドロップ方式の駆
動パルスの他の例を示す図である。
【図9】 (a)〜(f)は、マルチドロップ方式の駆
動パルスの他の例を示す図である。
【図10】 チャンネル列方向の温度上昇の勾配を模式
的に示す図である。
【符号の説明】
1 カバープレート、2 圧電材料部、3 駆動電極、
4 ノズル、5 共通インク室、6 ノズルプレート、
7 インク室(チャンネル)、8 加熱部材、9 色分
けの仕切。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF30 AG01 AG12 AG45 AG65 AG68 AL25 AM16 AM40 BA03 BA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動パルス発生手段からの駆動パルスに
    よりインク室内に圧力を発生させてインクを吐出し、吐
    出期間にある前記インク室に前記駆動パルスを連続的に
    印加し、前記駆動パルスに応じて前記インク室から吐出
    する液滴の数を制御してドット径を制御するマルチドロ
    ップ方式のインクジェットヘッドであって、 前記インクの吐出により前記インクジェットヘッドに生
    じる温度上昇の差を低減する加熱手段を備えた、インク
    ジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段は、前記インクジェットヘ
    ッドの端部と、前記インクジェットヘッドにおける色分
    けの境界部との少なくとも一方を加熱するために前記イ
    ンクジェットヘッドに取付けられる加熱部材を含む、請
    求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インクジェットヘッドの端部に位置
    する前記インク室に対しノズル孔を設けないようにし
    た、請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段は、加熱用とされるダミー
    インク室を含み、 前記ダミーインク室に前記加熱のための駆動パルスを与
    える、請求項1または請求項2に記載のインクジェット
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 印字モードに応じて前記ダミーインク室
    の数を変化させる、請求項4に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 前記ダミーインク室の数を最高の印字モ
    ードにおける数に固定する、請求項4に記載のインクジ
    ェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記インクジェットヘッドの温度が所定
    温度以上となったときに前記ダミーインク室からインク
    を吐出させる、請求項4に記載のインクジェットヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 前記ダミーインク室を断熱材で封止す
    る、請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 前記断熱材は空気を含む、請求項8に記
    載のインクジェットヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009190380A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Riso Kagaku Corp 印刷装置
JP2009248325A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法
JP2013067145A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッド

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