JP2004082551A - インクジェットヘッドおよびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】せん断モード変形を利用するマルチドロップの駆動方式において、高速かつ安定したインクの吐出が可能なインクジェットヘッドおよびその駆動方法を提供する。
【解決手段】インクの発生に寄与する領域であり隔壁とカバー部材とが接着固定された圧力発生領域、およびインク室にインクを供給する領域であり隔壁とカバー部材との間に約200μmの間隙が設けられている共通領域で構成される通常のインクジェットヘッドに、インク室内で発生した圧力波を減衰させる領域であり隔壁とカバー部材との間に約15μmの間隙が設けられている狭隙領域が追加する。このとき、第1駆動パルスが印加される期間および第2駆動パルスが印加される期間をそれぞれ略L/aに設定する。
【選択図】図1
【解決手段】インクの発生に寄与する領域であり隔壁とカバー部材とが接着固定された圧力発生領域、およびインク室にインクを供給する領域であり隔壁とカバー部材との間に約200μmの間隙が設けられている共通領域で構成される通常のインクジェットヘッドに、インク室内で発生した圧力波を減衰させる領域であり隔壁とカバー部材との間に約15μmの間隙が設けられている狭隙領域が追加する。このとき、第1駆動パルスが印加される期間および第2駆動パルスが印加される期間をそれぞれ略L/aに設定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、簡単に鮮やかなカラー印刷が可能であり、ランニングコスト等が安価なため、一般に広く使用されている。そして、インクジェットプリンタの中でも、比較的広く用いられている型の1つにサーマルジェット型のインクジェットプリンタがある。
【0003】
ところが、サーマルジェット型ではヒータの加熱による膜沸騰現象でインクを吐出させる手法が用いられており、膜沸騰は一般に高温を必要とするためエネルギ効率が悪く、消費電力が大きいという欠点がある。
【0004】
そこで、インクジェットプリンタの型において、サーマルジェット型以外のものとして、圧電材料のせん断モード変形を利用する方式のせん断モード型のインクジェットプリンタがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
図1は、従来のせん断モード型のインクジェットプリンタに使用されるインクジェットヘッドの構成を示している。図1(a)は、インクを吐出する面をインクジェットヘッドの前面とした場合において、インクジェットヘッドを前面側から見た図であり、図1(b)は、インクジェットヘッドを右側面から見た図である。
【0006】
図1に示すように、インクジェットヘッド20′は圧電材料(以下、PZTという。)102、カバープレート101、およびノズルプレート107を備えている。PZT102には複数の溝が形成され、各溝部に相当する位置にインク室ChA、ChB、ChC等を含む複数のインク室Chが形成されている。
【0007】
これらのインク室Chは、インクジェットヘッド20′の前面側においてPZT102とカバープレート101とが接触しているため、四方をカバープレート101およびPZT102で囲まれている。これに対して、図1(a)における紙面に垂直方向の奥側、すなわち、インクジェットヘッド20′の背面側でPZT102とカバープレート101との間に一定の間隙が設けられており、この間隙部分に共通インク室106が形成される。
【0008】
各インク室ChA、ChB、ChC等の隔壁111には電極103が形成されており、導電性樹脂109を介して外部電極110に電気的に接続されている。また、インクジェットヘッド20′の背面側にはインク室Chになめらかにインクを供給するためのマニホールド108が設けられている。
【0009】
PZT102は厚さ(垂直)方向に、矢印に示す様な分極処理が施されており、隔壁111に対して電極103により電位差を与えることによって隔壁111が変形し、それに伴ってインク室Ch中に圧力波が発生し、インクが吐出される。
【0010】
図2は、インクを吐出する場合の駆動波形を示している。駆動波形は、図2(a)および図2(b)にそれぞれ示す第1駆動パルスおよび第2駆動パルスに分けられる。
【0011】
図2(a)は、吐出インク室Ch内の電極に印加される電圧波形(第1駆動パルス)を示しており、図2(b)は、吐出インク室Chの両隣のインク室Ch内の電極に印加される電圧波形(第2駆動パルス)を示している。そして、図2(c)は、図2(a)、図2(b)で示した電圧波形が印加された場合、吐出インク室Chを挟んで両側に位置する隔壁111にかかる電位差を示したものである。
【0012】
図3は、図2で示した駆動波形を印加した時の各インク室Chの状態を示している。ここで、図3(a)は、通常状態を示しており、図3(b)は、インク室ChAが膨張するように第1駆動パルスが印加されてインク室ChAにインクが導入される状態を示しており、図3(c)は、インク室ChAが収縮するように第2駆動パルスが印加されてノズルよりインク滴が吐出される状態を示している。
【0013】
上述のインクジェットヘッド20′の構成では、通常、マルチドロップ方式と呼ばれる吐出方式が採用される。マルチドロップ方式とは、例えば、短時間に最大4液滴を連続吐出して液滴量を変調するものであり、0を含む5階調の階調表現が可能である。
【0014】
このように、せん断モード変形を利用する方式をインクジェットプリンタによれば、インク室Chを構成する隔壁111のせん断変形によって直接インクに圧力を作用させて液滴を吐出させるため、エネルギー効率を向上させることが可能である。
【0015】
【特許文献1】
特開昭63−247051号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、せん断モード型インクジェットヘッドは、隣接するインク室Chで隔壁111を共有している構造的性質上、クロストークの発生を防止するためには、隣接するインク室Chから同時にインクを吐出することができない。そのため、同一のグループに属するインク室Chが互いに隣接しないようにインク室Chを3つ以上のグループに分けて、順次各グループの駆動が行われるため高速化が困難であるという問題があった。
【0016】
図4は、各インク室ChをA、B、Cの3つのグループに分け、Bグループの駆動を行う場合の隔壁111の状態を示している。また、図5は、同じノズルから連続して2ドロップを吐出する場合の駆動波形を示している。
【0017】
図4において、Bグループに属するインク室Chのうち、インク室2B、3Bだけ吐出するとする。インク室2B、3Bには各々の隔壁111内の電極に、図5(a)のように第1駆動パルスの印加を2回繰り返し、残りの吐出しない期間においては第2駆動パルスの印加を2回繰り返す。
【0018】
Bグループに属するインク室Chのうち、インクを吐出しないインク室1Bや、Aグループ、またはCグループに属するインク室Chに対しては、各々の隔壁111内の電極に図5(b)の第2駆動パルスを与える。このような手順をグループ毎に順次行うことにより、インクを連続的に吐出することが可能になる。
【0019】
第1駆動パルス、または第2駆動パルスを両隣のインク室Chに与えることにより、インクを吐出するインク室Chの隔壁111には、図5(c)に示すように電位差が与えられる。この電位差により、インクを吐出するインク室2B、3Bは、順次、膨張(インク室内負圧)、膨張状態維持、圧縮(インク室内正圧)、圧縮状態維持、および非変形状態というように状態が遷移するため適正にインクが吐出される。
【0020】
これらの膨張および圧縮維持時間は、インク吐出後にインク室Ch内の圧力波をうち消すことができるような最適値に設定される。第1駆動パルスのパルス幅T1は、インク室Ch内で発生する圧力波がインク室Chの圧力発生領域の長手方向(インク流通方向)を片道伝播する時間Δt=L/a(Lは圧力発生領域の長さ、aは圧力波の速度)の2倍程度、例えばT1=2×Δtに設定される。
【0021】
第2駆動パルスは、インク室Ch内の圧力波をうち消すために与えられるパルスで、そのパルス幅T2はΔtの4倍程度、例えばT2=4×Δtに設定される。また、次の吐出まで間隔T3は吐出が安定に行えるような値に設定される必要があり、ここではT3=Δt程度に設定される。したがって1液滴を吐出する時間は7×Δtとなり、最大4連続液滴を吐出するために必要な時間は4×7×Δtとなる。
【0022】
上述のように、隣接するノズルを同時に吐出できないため、3グループに分けた駆動を行うと、1ノズルからのノズル吐出周期は、およそ3×4×7×Δtとなる。ここで、例えば、圧力発生領域の長さLが1.15mmで、インクジェットヘッド20′の幅Dが300μm、各インク室Chの幅B1 が79.3μm、隔壁111の幅B2 が90μmの場合、Δtは1.25μsとなり、T1=2.5μs、1液適の吐出周期は8.75μsで、最大4連続液滴を吐出する時間は35μsとなる。したがって、ノズル吐出周期は105μs、ノズル周波数に変換すると9.52kHzである。
【0023】
このように、従来のせん断モード変形を利用するインクジェットヘッドでは、1ノズル当たりの駆動周波数は9.52kHzと比較的小さいため印刷速度が遅くなり、高速プリンタに適用することが困難であるという不都合があった。
【0024】
この発明の目的は、せん断モード変形を利用するマルチドロップの駆動方式において、高速かつ安定したインクの吐出が可能なインクジェットヘッドおよびその駆動方法を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明は以下の構成を備えている。
【0026】
(1)それぞれの間に隔壁を挟んで複数の溝部が形成された圧電基板および前記複数の溝部を覆うように配設されるカバー部材の間に位置するとともに、インクを吐出するノズルとインク供給部とを連通するインク室と、
前記隔壁の両側面に形成された電極に所定の駆動波形の電圧を印加して前記インク室内のインクを前記ノズルから吐出させる駆動波形発生手段と、を備えたインクジェットヘッドにおいて、
前記インク室は、前記インク供給部から前記ノズルに至るインク流通方向に沿って、前記隔壁の端面および前記カバー部材の間に所定の大きさの第1の間隙が形成されている共通領域、前記隔壁の端面および前記カバー部材の間に前記第1の間隙より小さい第2の間隙が形成されている狭隙領域、および前記隔壁の端面および前記カバー部材が接触している範囲であってインクの吐出に必要な圧力が発生する圧力発生領域、を有することを特徴とする。
【0027】
この構成においては、インクの発生に寄与する領域であり隔壁とカバー部材とが接着固定された圧力発生領域、およびインク室にインクを供給する領域であり隔壁とカバー部材との間に第1の間隙が設けられている共通領域で構成される通常のインクジェットヘッドの構造に、インク室内で発生した圧力波を減衰させる領域であり隔壁とカバー部材との間に前記第1の間隙よりも小さい第2の間隙が設けられている狭隙領域が追加されている。
【0028】
したがって、圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波が減衰されることから、インク吐出時に発生する圧力波に起因する駆動波形発生手段が実用上発生することが可能な駆動波形についての制限が、従来よりも緩和されるため、吐出周期を短縮させる等、駆動パルスの駆動波形を最適に設定して、高速かつ安定したインクの吐出が実現される。
【0029】
(2)(1)に記載のインクジェットヘッドに適用されるインクジェットヘッドの駆動方法であって、
ノズルから1つのインクの液滴を吐出させるために印加される電圧の駆動波形が、前記圧力発生領域内に、外部に対して負の圧力を発生させるための第1駆動パルスが印加される期間と、外部に対して正の圧力を発生させるための第2駆動パルスが印加される期間と、前記第1駆動パルスおよび第2駆動パルスによる残留振動を解消させるために必要な期間と、で構成されるとともに、前記圧力発生領域の前記インク流通方向の長さをL、インク室内の圧力波の速度をaとした場合に、第1駆動パルスが印加される期間が略L/aであり、第2駆動パルスが印加される期間が、k=1.0〜1.5として、k*L/aであることを特徴とする。
【0030】
この構成においては、圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波が減衰されるインクジェットヘッドに対して、インク室の長さをL、インク室内の圧力波の速度をaとした場合に、第1駆動パルスの印加時間と第2駆動パルスの印加時間が共に略L/aになるように設定している。
【0031】
したがって、インク吐出時に発生する圧力波を考慮して第2駆動パルスの印加時間を第1駆動パルスの印加時間よりも大きくする必要があった従来の駆動方法よりも吐出周期が短縮されるため、液滴を連続的に吐出する際の吐出周波数が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明のインクジェットヘッドおよびその駆動方法の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、インク吐出面をインクジェットヘッドの前面とし、吐出されるインクを供給するインク供給部を背面側とする。また、背面側から前面側にインクが流通するため、この方向をインク流通方向とする。
【0033】
図6は、本発明のインクジェットヘッド20の構造を示している。図6(a)は、インクジェットヘッド20の右側断面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるP−P断面図であり、図6(c)は、Q−Q断面図であり、図6(d)は、R−R断面図である。
【0034】
図6に示すように、本発明のインクジェットヘッド20は、PZT2、カバープレート1、およびノズルプレート7を備えている。PZT2は、ダイヤモンドブレード等を用いた切削加工により形成される複数の溝部を有しており、それぞれの溝部の間には隔壁11が配置される。
【0035】
また、それぞれの溝部を覆うようにカバープレート1を配置した場合に、それぞれの溝部とカバープレート1との間にインク室ChA、ChB、ChCを含む複数のインク室Chが構成される。このとき、各インク室Chにおいては、インク流通方向に沿って後述する共通領域、狭隙領域、および圧力発生領域がこの順に形成される。
【0036】
図6(b)に示すように、P−P断面、すなわち圧力発生領域では、各インク室Chは、前面側および背面側を除く四方がカバープレート1およびPZT2で囲まれており、前面側にノズルプレート7が、また、背面側に図示しないインク供給部が配置される。このため、圧力発生領域において、インク供給部からインク室Chに供給されるインクを吐出するために必要な圧力が発生する。
【0037】
また、図6(c)に示すように、Q−Q断面、すなわち狭隙領域では、各インク室Chの仕切っているPZT2とカバープレート1との間に狭隙部5が形成されており、各インク室Chの内圧を外部に逃がすことができる。さらに、図6(d)に示すように、R−R断面では、PZT2とカバープレート1との間に狭隙部5よりも大きな間隙が形成されており、このPZT2とカバープレート1との間隙に共通インク室6が形成される。
【0038】
本実施形態では、インクジェットヘッド20の幅Dは300μm、各インク室Chの幅B1 は79.3μm、隔壁11の幅B2 は90μm、圧力発生領域のインク流通方向の長さLは1.15mm、各インク室Chのピッチは150dpi(dot per inch)である。また、狭隙部5ではPZT2とカバープレート1との間隔は約15μm、同じく共通インク室6では200μmに設定されている。なお、ここでは、狭隙部5と共通インク室6のインク流通方向の長さが略等しくなっているが、これらの長さに特段の制限はなく、狭隙部5のインク流通方向のサイズは、任意の大きさにすることが可能である。
【0039】
各インク室Chの隔壁11には電極3が形成されている。電極3は、例えばアルミニウム等の電極材料を真空蒸着等により成膜し、蒸着後隔壁11上面に付着した電極材料を研磨して除去することで作成される。電極3は導電性樹脂9を介して外部電極10に電気的に接続されている。また、インクジェットヘッド20の背面側には、各インク室Chになめらかにインクを供給するためのマニホールド8が設けられている。
【0040】
ノズルプレート7には、吐出側の径がφ15〜30μm程度のノズル4が形成されている。ノズル4は、ポリイミドフィルムに撥水膜を塗布後、エキシマレーザによって形成される。ノズルピッチはインク室Chのピッチと同じ150dpiである。
【0041】
PZT2は、厚さ(垂直)方向に、矢印に示す様な分極処理を施されており、隔壁11に対し両側面の電極3によって電位差を与えることによって、分極方向と垂直に電界が発生する。この電界による圧電せん断歪み効果によって各インク室Chの隔壁11が変形する。そして、この隔壁11の変形によって、インク室Ch中に圧力波が発生しインク室Ch内のインクが外部に吐出する。
【0042】
上述のように、本発明のインクジェットヘッド20は従来のインクジェットヘッド20′に比較して 圧力発生領域と共通インク室6との間の領域に狭隙部5を備えている点を特徴としている。
【0043】
本発明のインクジェットヘッド20では、狭隙部5を設けることにより、狭隙部5において圧力減衰効果が働き、インク液吐出後のノズル4におけるインク面(メニスカス)の残留振動を大きく抑制することを可能にしている。
【0044】
図7は、狭隙部5による圧力減衰効果を示す図であり、インクジェットヘッド20および20′のそれぞれについてのドットサイクルに対する残留振動の値を測定した際の測定結果を示している。
【0045】
ここでは、図2に示すような従来の駆動波形を用い、T3を0.5〜16.0μsまで変化させながら、すなわち1液滴を吐出するのに要する時間Ttotal を変化させながら、残留振動が2液滴目の吐出速度に与える影響を測定している。なお、1液滴を吐出するのに要する時間Ttotal (ドットサイクル)は、
Ttotal =T1+T2+T3で表される。
【0046】
そして、ここでは、2液滴を連続して吐出させ、1液滴目の吐出速度を8m/sと固定し、2液滴目の吐出速度を測定して1液滴目の吐出速度(8m/s)本からのバラツキを観測することで、インク吐出時に発生する残留振動の大きさを求めている。図7において、横軸はドットサイクル、縦軸は2液滴目の吐出速度である。また、実線は狭隙部5がない従来のインクジェットヘッド20′を用いた場合の測定結果であり、点線は狭隙部5がある本発明のインクジェットヘッド20を用いた場合の測定結果である。
【0047】
同図により、従来のインクジェットヘッド20′に比較して、本発明のインクジェットヘッド20では、狭隙部5による減衰効果が付加され、残留振動が急速に抑制されていることを把握することができる。
【0048】
具体的には、従来のインクジェットヘッド20′では、本来ならば1液滴目の吐出速度(8m/s)に近似すべき2液滴目の吐出速度が、ドットサイクルの大きさによっては残留振動の影響により8m/sを大きく下回る等の不都合を生じている。これに対して、本発明のインクジェットヘッド20では2液滴目の吐出速度が、ドットサイクルを短縮した場合でも8m/sよりもやや大きな値で落ち着いており、従来のインクジェットヘッド20′のように2液滴目の吐出速度が8m/sから大きく外れることがない。なお、インク室Ch内の圧力波の残留振動の他に、メニスカスの振動の影響があるため、メニスカスの振動の周期である40〜50μsが経過するまでは、本発明のインクジェットヘッド20においても2液滴目の吐出速度が完全に8m/sに収束することはないが、これはインク室Ch内の圧力波の残留振動に起因するものではない。
【0049】
このように、従来のインクジェットヘッド20′では、残留振動を抑制するために第2駆動パルスのパルス幅はインク室Ch内の圧力波をうち消すことを目的として設定する必要があり、例えば、パルス幅T2はΔt=L/a(Lは圧力発生領域の長さ、aは圧力波の速度)の4倍、すなわち、T2=4×Δtに設定されていた。これに対して、本発明のインクジェットヘッド20では、狭隙部5の圧力減衰効果によって圧力波を減衰させることができるため、第2駆動パルスの幅は任意に設定することが可能になる。
【0050】
パルス幅T1をΔtに固定し、パスル幅T2を0〜4Δtまでふったときの吐出速度の変化を図8に示す。吐出電圧はパルス幅T2が十分長いときに吐出速度が8m/sとなるように固定した。横軸はT2(単位はΔt)、縦軸は吐出速度である。これから、パルス幅T2が1より小さくなると吐出速度が急激に小さくなることが分かる。高周波数を実現するためにはこの第2駆動パルスの幅は小さい方が良いが、1よりも小さくすると吐出速度が急激に小さくなるため、この実施形態では1を選択した。
【0051】
図9は、本発明のインクジェットヘッド20における最適な第2駆動パルスの幅を探求するための測定に用いた波形を示している。同図に示すように、ここでは、下記の(a)〜(e)の5つの波形(吐出インク室の隔壁11にかかる電位差)を用いて、駆動周波数ごとの安定に吐出する液滴速度限界を測定している。
【0052】
(a)1対1波形:T1=Δt、T2=Δt
(b)1対2波形:T1=Δt、T2=2×Δt
(c)2対1波形:T1=2×Δt、T2=Δt
(d)2対2波形:T1=2×Δt、T2=2×Δt
(e)2対4波形:T1=2×Δt、T2=4×Δt
なお、前述したようにΔtは圧力発生領域内で発生する圧力波がインク室Chの圧力発生領域をインク流通方向に片道伝播する時間に等しく、L/aである。ここで、Lは圧力発生領域のインク流通方向の長さであり、aは圧力波の速度である。
【0053】
図10は、上述の駆動周波数ごとの安定に吐出する速度限界の測定における測定結果を示している。上述の(a)〜(e)の5つの波形の内、(a)1対1波形および、(e)2対4波形の速度限界が高く、さらに(a)1対1波形は、1液滴を吐出するのに必要な時間Ttotal 、すなわちドットサイクルが短くなるため、高駆動周波数まで吐出可能であるといえる。したがって、本実施形態におけるインクジェットヘッド20では高駆動周波数まで安定吐出可能な(a)1対1波形を採用している。
【0054】
図11は、本発明に適用する駆動電圧波形の一例を示している。図11(a)は、インク室ChAを構成する隔壁11内の電極3に印加される電圧波形を示しており、また、図11(b)はインク室Chの両隣のインク室ChB、ChCを構成する隔壁11内の電極に印加される電圧波形を示している。なお、図11(c)は、図11(a)および図11(b)で示した電圧波形が印加された場合、吐出インク室Chを構成する隔壁11にかかる電位差を示したものである。
【0055】
このとき、図11における区間T1ではインク室ChAが膨張するように変形し、インク室ChBにインクが導入される。また、区間T2ではインク室ChBが膨張(インク室ChAが収縮)するように変形し、インク滴が吐出される。区間T3では次の液滴が吐出されるまで、インク室ChAを構成する隔壁11は変形しない状態で保持される。
【0056】
第1駆動パルスのパルス幅T1は、インク室Ch内で発生する圧力波がインク室Chの圧力発生領域をインク流通方向に片道伝播する時間Δt=L/aの1倍程度、すなわちT1=0.80Δt〜1.20Δtに設定される。また、第2駆動パルスのパルス幅T2については、吐出速度が小さくならない程度にできるだけ短くするように、T2=0.80Δt〜2.00Δtに設定される。さらに、吐出ドロップの間隔T3は吐出が安定に持続するように求められ、T3=2.5×Δt程度に設定される。
【0057】
したがって、1液滴を吐出する時間Ttotal は、
Ttotal =T1+T2+T3=Δt+Δt+2.5×Δt=4.5×Δt、
よって、最大4連続液滴を吐出する時間は、
4×Ttotal =約4×4.5×Δt、となる。
【0058】
上述のように、マルチドロップ方式では隣接するノズルを同時に吐出できないため、3グループに分けた駆動を行うと、1ノズルからのノズル吐出周期は、さらに3倍の時間を要し、約3×4×4.5×Δtとなる。
【0059】
例えば、圧力発生領域の長さが1.15mmで、インクジェットヘッドの幅Dが300μm、各インク室Chの幅B1 が79.3μm、隔壁11の幅B2 が90μmの場合、Δtは1.25μsとなり、T1=1.25μs、1液適の吐出周期は約5.625μsで、最大4連続液滴を吐出する時間は約22.5μsとなる。したがって、ノズル吐出周期は約67.5μs、ノズル周波数に変換すると約14.8kHzとなる。
【0060】
よって、本発明のインクジェットヘッド20では、従来のインクジェットヘッド20′による駆動方式に比較して、14.8kHz/9.52kHz=1.6倍高速となり、高速プリンタへの適用が可能となる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0062】
(1)インクの発生に寄与する領域であり隔壁とカバー部材とが接着固定された圧力発生領域、およびインク室にインクを供給する領域であり隔壁とカバー部材との間に第1の間隙が設けられている共通領域で構成される通常のインクジェットヘッドの構造に、インク室内で発生した圧力波を減衰させる領域であり隔壁とカバー部材との間に前記第1の間隙よりも小さい第2の間隙が設けられている狭隙領域を追加していることにより、圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波を減衰できるため、インク吐出時に発生する圧力波に起因する駆動波形発生手段が実用上発生することが可能な駆動波形についての制限を従来よりも緩和でき、吐出周期を短縮させる等、駆動パルスの駆動波形を最適に設定して、高速かつ安定したインクの吐出を実現することができる。
【0063】
(2)圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波が減衰されるインクジェットヘッドに対して、インク室の長さをL、インク室内の圧力波の速度をaとした場合に、第1駆動パルスの印加時間と第2駆動パルスの印加時間が共に略L/aになるように設定していることにより、インク吐出時に発生する圧力波を考慮して第2駆動パルスの印加時間を第1駆動パルスの印加時間よりも大きくする必要があった従来の駆動方法よりも吐出周期を短縮できるため、液滴を連続的に吐出する際の吐出周波数を向上させることができる。
【0064】
また、実験上、第1駆動パルスの印加時間と第2駆動パルスの印加時間とを等しくすることで、1液滴を吐出した後にさらに液滴を吐出する場合において、2液滴目のインクの吐出速度の限界値が高められることが知られているため、吐出周波数およびインクの吐出速度の限界値の両方を向上させることができる。
【0065】
よって、せん断モード変形を利用するマルチドロップの駆動方式において、高速かつ安定したインクの吐出が可能なインクジェットヘッドおよびその駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のせん断モード型のインクジェットヘッドの構成を示す図である。
【図2】インクを吐出させる駆動波形の一例を示す図である。
【図3】図2に示す駆動波形の電圧を印加した時の各インク室の状態を示す図である。
【図4】従来のマルチドロップの駆動方式で駆動されるインク室の状態を示す図である。
【図5】従来のマルチドロップの駆動方式に適用される駆動波形の一例を示している。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの構成を示す図である。
【図7】狭隙部による圧力減衰効果を示す図である。
【図8】パルス幅T2を変えたときの吐出速度の変化を示す図である。
【図9】インクを吐出させる駆動波形のバリエーションを示す図である。
【図10】駆動波形と限界吐出速度との関係を示す図である。
【図11】本発明の駆動方法で使用される駆動波形を示す図である。
【符号の説明】
1−カバープレート
2−PZT
3−駆動電極
4−ノズル
5−狭隙部
6−共通インク室
7−ノズルプレート
8−マニホールド
20−インクジェットヘッド
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、簡単に鮮やかなカラー印刷が可能であり、ランニングコスト等が安価なため、一般に広く使用されている。そして、インクジェットプリンタの中でも、比較的広く用いられている型の1つにサーマルジェット型のインクジェットプリンタがある。
【0003】
ところが、サーマルジェット型ではヒータの加熱による膜沸騰現象でインクを吐出させる手法が用いられており、膜沸騰は一般に高温を必要とするためエネルギ効率が悪く、消費電力が大きいという欠点がある。
【0004】
そこで、インクジェットプリンタの型において、サーマルジェット型以外のものとして、圧電材料のせん断モード変形を利用する方式のせん断モード型のインクジェットプリンタがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
図1は、従来のせん断モード型のインクジェットプリンタに使用されるインクジェットヘッドの構成を示している。図1(a)は、インクを吐出する面をインクジェットヘッドの前面とした場合において、インクジェットヘッドを前面側から見た図であり、図1(b)は、インクジェットヘッドを右側面から見た図である。
【0006】
図1に示すように、インクジェットヘッド20′は圧電材料(以下、PZTという。)102、カバープレート101、およびノズルプレート107を備えている。PZT102には複数の溝が形成され、各溝部に相当する位置にインク室ChA、ChB、ChC等を含む複数のインク室Chが形成されている。
【0007】
これらのインク室Chは、インクジェットヘッド20′の前面側においてPZT102とカバープレート101とが接触しているため、四方をカバープレート101およびPZT102で囲まれている。これに対して、図1(a)における紙面に垂直方向の奥側、すなわち、インクジェットヘッド20′の背面側でPZT102とカバープレート101との間に一定の間隙が設けられており、この間隙部分に共通インク室106が形成される。
【0008】
各インク室ChA、ChB、ChC等の隔壁111には電極103が形成されており、導電性樹脂109を介して外部電極110に電気的に接続されている。また、インクジェットヘッド20′の背面側にはインク室Chになめらかにインクを供給するためのマニホールド108が設けられている。
【0009】
PZT102は厚さ(垂直)方向に、矢印に示す様な分極処理が施されており、隔壁111に対して電極103により電位差を与えることによって隔壁111が変形し、それに伴ってインク室Ch中に圧力波が発生し、インクが吐出される。
【0010】
図2は、インクを吐出する場合の駆動波形を示している。駆動波形は、図2(a)および図2(b)にそれぞれ示す第1駆動パルスおよび第2駆動パルスに分けられる。
【0011】
図2(a)は、吐出インク室Ch内の電極に印加される電圧波形(第1駆動パルス)を示しており、図2(b)は、吐出インク室Chの両隣のインク室Ch内の電極に印加される電圧波形(第2駆動パルス)を示している。そして、図2(c)は、図2(a)、図2(b)で示した電圧波形が印加された場合、吐出インク室Chを挟んで両側に位置する隔壁111にかかる電位差を示したものである。
【0012】
図3は、図2で示した駆動波形を印加した時の各インク室Chの状態を示している。ここで、図3(a)は、通常状態を示しており、図3(b)は、インク室ChAが膨張するように第1駆動パルスが印加されてインク室ChAにインクが導入される状態を示しており、図3(c)は、インク室ChAが収縮するように第2駆動パルスが印加されてノズルよりインク滴が吐出される状態を示している。
【0013】
上述のインクジェットヘッド20′の構成では、通常、マルチドロップ方式と呼ばれる吐出方式が採用される。マルチドロップ方式とは、例えば、短時間に最大4液滴を連続吐出して液滴量を変調するものであり、0を含む5階調の階調表現が可能である。
【0014】
このように、せん断モード変形を利用する方式をインクジェットプリンタによれば、インク室Chを構成する隔壁111のせん断変形によって直接インクに圧力を作用させて液滴を吐出させるため、エネルギー効率を向上させることが可能である。
【0015】
【特許文献1】
特開昭63−247051号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、せん断モード型インクジェットヘッドは、隣接するインク室Chで隔壁111を共有している構造的性質上、クロストークの発生を防止するためには、隣接するインク室Chから同時にインクを吐出することができない。そのため、同一のグループに属するインク室Chが互いに隣接しないようにインク室Chを3つ以上のグループに分けて、順次各グループの駆動が行われるため高速化が困難であるという問題があった。
【0016】
図4は、各インク室ChをA、B、Cの3つのグループに分け、Bグループの駆動を行う場合の隔壁111の状態を示している。また、図5は、同じノズルから連続して2ドロップを吐出する場合の駆動波形を示している。
【0017】
図4において、Bグループに属するインク室Chのうち、インク室2B、3Bだけ吐出するとする。インク室2B、3Bには各々の隔壁111内の電極に、図5(a)のように第1駆動パルスの印加を2回繰り返し、残りの吐出しない期間においては第2駆動パルスの印加を2回繰り返す。
【0018】
Bグループに属するインク室Chのうち、インクを吐出しないインク室1Bや、Aグループ、またはCグループに属するインク室Chに対しては、各々の隔壁111内の電極に図5(b)の第2駆動パルスを与える。このような手順をグループ毎に順次行うことにより、インクを連続的に吐出することが可能になる。
【0019】
第1駆動パルス、または第2駆動パルスを両隣のインク室Chに与えることにより、インクを吐出するインク室Chの隔壁111には、図5(c)に示すように電位差が与えられる。この電位差により、インクを吐出するインク室2B、3Bは、順次、膨張(インク室内負圧)、膨張状態維持、圧縮(インク室内正圧)、圧縮状態維持、および非変形状態というように状態が遷移するため適正にインクが吐出される。
【0020】
これらの膨張および圧縮維持時間は、インク吐出後にインク室Ch内の圧力波をうち消すことができるような最適値に設定される。第1駆動パルスのパルス幅T1は、インク室Ch内で発生する圧力波がインク室Chの圧力発生領域の長手方向(インク流通方向)を片道伝播する時間Δt=L/a(Lは圧力発生領域の長さ、aは圧力波の速度)の2倍程度、例えばT1=2×Δtに設定される。
【0021】
第2駆動パルスは、インク室Ch内の圧力波をうち消すために与えられるパルスで、そのパルス幅T2はΔtの4倍程度、例えばT2=4×Δtに設定される。また、次の吐出まで間隔T3は吐出が安定に行えるような値に設定される必要があり、ここではT3=Δt程度に設定される。したがって1液滴を吐出する時間は7×Δtとなり、最大4連続液滴を吐出するために必要な時間は4×7×Δtとなる。
【0022】
上述のように、隣接するノズルを同時に吐出できないため、3グループに分けた駆動を行うと、1ノズルからのノズル吐出周期は、およそ3×4×7×Δtとなる。ここで、例えば、圧力発生領域の長さLが1.15mmで、インクジェットヘッド20′の幅Dが300μm、各インク室Chの幅B1 が79.3μm、隔壁111の幅B2 が90μmの場合、Δtは1.25μsとなり、T1=2.5μs、1液適の吐出周期は8.75μsで、最大4連続液滴を吐出する時間は35μsとなる。したがって、ノズル吐出周期は105μs、ノズル周波数に変換すると9.52kHzである。
【0023】
このように、従来のせん断モード変形を利用するインクジェットヘッドでは、1ノズル当たりの駆動周波数は9.52kHzと比較的小さいため印刷速度が遅くなり、高速プリンタに適用することが困難であるという不都合があった。
【0024】
この発明の目的は、せん断モード変形を利用するマルチドロップの駆動方式において、高速かつ安定したインクの吐出が可能なインクジェットヘッドおよびその駆動方法を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明は以下の構成を備えている。
【0026】
(1)それぞれの間に隔壁を挟んで複数の溝部が形成された圧電基板および前記複数の溝部を覆うように配設されるカバー部材の間に位置するとともに、インクを吐出するノズルとインク供給部とを連通するインク室と、
前記隔壁の両側面に形成された電極に所定の駆動波形の電圧を印加して前記インク室内のインクを前記ノズルから吐出させる駆動波形発生手段と、を備えたインクジェットヘッドにおいて、
前記インク室は、前記インク供給部から前記ノズルに至るインク流通方向に沿って、前記隔壁の端面および前記カバー部材の間に所定の大きさの第1の間隙が形成されている共通領域、前記隔壁の端面および前記カバー部材の間に前記第1の間隙より小さい第2の間隙が形成されている狭隙領域、および前記隔壁の端面および前記カバー部材が接触している範囲であってインクの吐出に必要な圧力が発生する圧力発生領域、を有することを特徴とする。
【0027】
この構成においては、インクの発生に寄与する領域であり隔壁とカバー部材とが接着固定された圧力発生領域、およびインク室にインクを供給する領域であり隔壁とカバー部材との間に第1の間隙が設けられている共通領域で構成される通常のインクジェットヘッドの構造に、インク室内で発生した圧力波を減衰させる領域であり隔壁とカバー部材との間に前記第1の間隙よりも小さい第2の間隙が設けられている狭隙領域が追加されている。
【0028】
したがって、圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波が減衰されることから、インク吐出時に発生する圧力波に起因する駆動波形発生手段が実用上発生することが可能な駆動波形についての制限が、従来よりも緩和されるため、吐出周期を短縮させる等、駆動パルスの駆動波形を最適に設定して、高速かつ安定したインクの吐出が実現される。
【0029】
(2)(1)に記載のインクジェットヘッドに適用されるインクジェットヘッドの駆動方法であって、
ノズルから1つのインクの液滴を吐出させるために印加される電圧の駆動波形が、前記圧力発生領域内に、外部に対して負の圧力を発生させるための第1駆動パルスが印加される期間と、外部に対して正の圧力を発生させるための第2駆動パルスが印加される期間と、前記第1駆動パルスおよび第2駆動パルスによる残留振動を解消させるために必要な期間と、で構成されるとともに、前記圧力発生領域の前記インク流通方向の長さをL、インク室内の圧力波の速度をaとした場合に、第1駆動パルスが印加される期間が略L/aであり、第2駆動パルスが印加される期間が、k=1.0〜1.5として、k*L/aであることを特徴とする。
【0030】
この構成においては、圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波が減衰されるインクジェットヘッドに対して、インク室の長さをL、インク室内の圧力波の速度をaとした場合に、第1駆動パルスの印加時間と第2駆動パルスの印加時間が共に略L/aになるように設定している。
【0031】
したがって、インク吐出時に発生する圧力波を考慮して第2駆動パルスの印加時間を第1駆動パルスの印加時間よりも大きくする必要があった従来の駆動方法よりも吐出周期が短縮されるため、液滴を連続的に吐出する際の吐出周波数が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明のインクジェットヘッドおよびその駆動方法の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、インク吐出面をインクジェットヘッドの前面とし、吐出されるインクを供給するインク供給部を背面側とする。また、背面側から前面側にインクが流通するため、この方向をインク流通方向とする。
【0033】
図6は、本発明のインクジェットヘッド20の構造を示している。図6(a)は、インクジェットヘッド20の右側断面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるP−P断面図であり、図6(c)は、Q−Q断面図であり、図6(d)は、R−R断面図である。
【0034】
図6に示すように、本発明のインクジェットヘッド20は、PZT2、カバープレート1、およびノズルプレート7を備えている。PZT2は、ダイヤモンドブレード等を用いた切削加工により形成される複数の溝部を有しており、それぞれの溝部の間には隔壁11が配置される。
【0035】
また、それぞれの溝部を覆うようにカバープレート1を配置した場合に、それぞれの溝部とカバープレート1との間にインク室ChA、ChB、ChCを含む複数のインク室Chが構成される。このとき、各インク室Chにおいては、インク流通方向に沿って後述する共通領域、狭隙領域、および圧力発生領域がこの順に形成される。
【0036】
図6(b)に示すように、P−P断面、すなわち圧力発生領域では、各インク室Chは、前面側および背面側を除く四方がカバープレート1およびPZT2で囲まれており、前面側にノズルプレート7が、また、背面側に図示しないインク供給部が配置される。このため、圧力発生領域において、インク供給部からインク室Chに供給されるインクを吐出するために必要な圧力が発生する。
【0037】
また、図6(c)に示すように、Q−Q断面、すなわち狭隙領域では、各インク室Chの仕切っているPZT2とカバープレート1との間に狭隙部5が形成されており、各インク室Chの内圧を外部に逃がすことができる。さらに、図6(d)に示すように、R−R断面では、PZT2とカバープレート1との間に狭隙部5よりも大きな間隙が形成されており、このPZT2とカバープレート1との間隙に共通インク室6が形成される。
【0038】
本実施形態では、インクジェットヘッド20の幅Dは300μm、各インク室Chの幅B1 は79.3μm、隔壁11の幅B2 は90μm、圧力発生領域のインク流通方向の長さLは1.15mm、各インク室Chのピッチは150dpi(dot per inch)である。また、狭隙部5ではPZT2とカバープレート1との間隔は約15μm、同じく共通インク室6では200μmに設定されている。なお、ここでは、狭隙部5と共通インク室6のインク流通方向の長さが略等しくなっているが、これらの長さに特段の制限はなく、狭隙部5のインク流通方向のサイズは、任意の大きさにすることが可能である。
【0039】
各インク室Chの隔壁11には電極3が形成されている。電極3は、例えばアルミニウム等の電極材料を真空蒸着等により成膜し、蒸着後隔壁11上面に付着した電極材料を研磨して除去することで作成される。電極3は導電性樹脂9を介して外部電極10に電気的に接続されている。また、インクジェットヘッド20の背面側には、各インク室Chになめらかにインクを供給するためのマニホールド8が設けられている。
【0040】
ノズルプレート7には、吐出側の径がφ15〜30μm程度のノズル4が形成されている。ノズル4は、ポリイミドフィルムに撥水膜を塗布後、エキシマレーザによって形成される。ノズルピッチはインク室Chのピッチと同じ150dpiである。
【0041】
PZT2は、厚さ(垂直)方向に、矢印に示す様な分極処理を施されており、隔壁11に対し両側面の電極3によって電位差を与えることによって、分極方向と垂直に電界が発生する。この電界による圧電せん断歪み効果によって各インク室Chの隔壁11が変形する。そして、この隔壁11の変形によって、インク室Ch中に圧力波が発生しインク室Ch内のインクが外部に吐出する。
【0042】
上述のように、本発明のインクジェットヘッド20は従来のインクジェットヘッド20′に比較して 圧力発生領域と共通インク室6との間の領域に狭隙部5を備えている点を特徴としている。
【0043】
本発明のインクジェットヘッド20では、狭隙部5を設けることにより、狭隙部5において圧力減衰効果が働き、インク液吐出後のノズル4におけるインク面(メニスカス)の残留振動を大きく抑制することを可能にしている。
【0044】
図7は、狭隙部5による圧力減衰効果を示す図であり、インクジェットヘッド20および20′のそれぞれについてのドットサイクルに対する残留振動の値を測定した際の測定結果を示している。
【0045】
ここでは、図2に示すような従来の駆動波形を用い、T3を0.5〜16.0μsまで変化させながら、すなわち1液滴を吐出するのに要する時間Ttotal を変化させながら、残留振動が2液滴目の吐出速度に与える影響を測定している。なお、1液滴を吐出するのに要する時間Ttotal (ドットサイクル)は、
Ttotal =T1+T2+T3で表される。
【0046】
そして、ここでは、2液滴を連続して吐出させ、1液滴目の吐出速度を8m/sと固定し、2液滴目の吐出速度を測定して1液滴目の吐出速度(8m/s)本からのバラツキを観測することで、インク吐出時に発生する残留振動の大きさを求めている。図7において、横軸はドットサイクル、縦軸は2液滴目の吐出速度である。また、実線は狭隙部5がない従来のインクジェットヘッド20′を用いた場合の測定結果であり、点線は狭隙部5がある本発明のインクジェットヘッド20を用いた場合の測定結果である。
【0047】
同図により、従来のインクジェットヘッド20′に比較して、本発明のインクジェットヘッド20では、狭隙部5による減衰効果が付加され、残留振動が急速に抑制されていることを把握することができる。
【0048】
具体的には、従来のインクジェットヘッド20′では、本来ならば1液滴目の吐出速度(8m/s)に近似すべき2液滴目の吐出速度が、ドットサイクルの大きさによっては残留振動の影響により8m/sを大きく下回る等の不都合を生じている。これに対して、本発明のインクジェットヘッド20では2液滴目の吐出速度が、ドットサイクルを短縮した場合でも8m/sよりもやや大きな値で落ち着いており、従来のインクジェットヘッド20′のように2液滴目の吐出速度が8m/sから大きく外れることがない。なお、インク室Ch内の圧力波の残留振動の他に、メニスカスの振動の影響があるため、メニスカスの振動の周期である40〜50μsが経過するまでは、本発明のインクジェットヘッド20においても2液滴目の吐出速度が完全に8m/sに収束することはないが、これはインク室Ch内の圧力波の残留振動に起因するものではない。
【0049】
このように、従来のインクジェットヘッド20′では、残留振動を抑制するために第2駆動パルスのパルス幅はインク室Ch内の圧力波をうち消すことを目的として設定する必要があり、例えば、パルス幅T2はΔt=L/a(Lは圧力発生領域の長さ、aは圧力波の速度)の4倍、すなわち、T2=4×Δtに設定されていた。これに対して、本発明のインクジェットヘッド20では、狭隙部5の圧力減衰効果によって圧力波を減衰させることができるため、第2駆動パルスの幅は任意に設定することが可能になる。
【0050】
パルス幅T1をΔtに固定し、パスル幅T2を0〜4Δtまでふったときの吐出速度の変化を図8に示す。吐出電圧はパルス幅T2が十分長いときに吐出速度が8m/sとなるように固定した。横軸はT2(単位はΔt)、縦軸は吐出速度である。これから、パルス幅T2が1より小さくなると吐出速度が急激に小さくなることが分かる。高周波数を実現するためにはこの第2駆動パルスの幅は小さい方が良いが、1よりも小さくすると吐出速度が急激に小さくなるため、この実施形態では1を選択した。
【0051】
図9は、本発明のインクジェットヘッド20における最適な第2駆動パルスの幅を探求するための測定に用いた波形を示している。同図に示すように、ここでは、下記の(a)〜(e)の5つの波形(吐出インク室の隔壁11にかかる電位差)を用いて、駆動周波数ごとの安定に吐出する液滴速度限界を測定している。
【0052】
(a)1対1波形:T1=Δt、T2=Δt
(b)1対2波形:T1=Δt、T2=2×Δt
(c)2対1波形:T1=2×Δt、T2=Δt
(d)2対2波形:T1=2×Δt、T2=2×Δt
(e)2対4波形:T1=2×Δt、T2=4×Δt
なお、前述したようにΔtは圧力発生領域内で発生する圧力波がインク室Chの圧力発生領域をインク流通方向に片道伝播する時間に等しく、L/aである。ここで、Lは圧力発生領域のインク流通方向の長さであり、aは圧力波の速度である。
【0053】
図10は、上述の駆動周波数ごとの安定に吐出する速度限界の測定における測定結果を示している。上述の(a)〜(e)の5つの波形の内、(a)1対1波形および、(e)2対4波形の速度限界が高く、さらに(a)1対1波形は、1液滴を吐出するのに必要な時間Ttotal 、すなわちドットサイクルが短くなるため、高駆動周波数まで吐出可能であるといえる。したがって、本実施形態におけるインクジェットヘッド20では高駆動周波数まで安定吐出可能な(a)1対1波形を採用している。
【0054】
図11は、本発明に適用する駆動電圧波形の一例を示している。図11(a)は、インク室ChAを構成する隔壁11内の電極3に印加される電圧波形を示しており、また、図11(b)はインク室Chの両隣のインク室ChB、ChCを構成する隔壁11内の電極に印加される電圧波形を示している。なお、図11(c)は、図11(a)および図11(b)で示した電圧波形が印加された場合、吐出インク室Chを構成する隔壁11にかかる電位差を示したものである。
【0055】
このとき、図11における区間T1ではインク室ChAが膨張するように変形し、インク室ChBにインクが導入される。また、区間T2ではインク室ChBが膨張(インク室ChAが収縮)するように変形し、インク滴が吐出される。区間T3では次の液滴が吐出されるまで、インク室ChAを構成する隔壁11は変形しない状態で保持される。
【0056】
第1駆動パルスのパルス幅T1は、インク室Ch内で発生する圧力波がインク室Chの圧力発生領域をインク流通方向に片道伝播する時間Δt=L/aの1倍程度、すなわちT1=0.80Δt〜1.20Δtに設定される。また、第2駆動パルスのパルス幅T2については、吐出速度が小さくならない程度にできるだけ短くするように、T2=0.80Δt〜2.00Δtに設定される。さらに、吐出ドロップの間隔T3は吐出が安定に持続するように求められ、T3=2.5×Δt程度に設定される。
【0057】
したがって、1液滴を吐出する時間Ttotal は、
Ttotal =T1+T2+T3=Δt+Δt+2.5×Δt=4.5×Δt、
よって、最大4連続液滴を吐出する時間は、
4×Ttotal =約4×4.5×Δt、となる。
【0058】
上述のように、マルチドロップ方式では隣接するノズルを同時に吐出できないため、3グループに分けた駆動を行うと、1ノズルからのノズル吐出周期は、さらに3倍の時間を要し、約3×4×4.5×Δtとなる。
【0059】
例えば、圧力発生領域の長さが1.15mmで、インクジェットヘッドの幅Dが300μm、各インク室Chの幅B1 が79.3μm、隔壁11の幅B2 が90μmの場合、Δtは1.25μsとなり、T1=1.25μs、1液適の吐出周期は約5.625μsで、最大4連続液滴を吐出する時間は約22.5μsとなる。したがって、ノズル吐出周期は約67.5μs、ノズル周波数に変換すると約14.8kHzとなる。
【0060】
よって、本発明のインクジェットヘッド20では、従来のインクジェットヘッド20′による駆動方式に比較して、14.8kHz/9.52kHz=1.6倍高速となり、高速プリンタへの適用が可能となる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0062】
(1)インクの発生に寄与する領域であり隔壁とカバー部材とが接着固定された圧力発生領域、およびインク室にインクを供給する領域であり隔壁とカバー部材との間に第1の間隙が設けられている共通領域で構成される通常のインクジェットヘッドの構造に、インク室内で発生した圧力波を減衰させる領域であり隔壁とカバー部材との間に前記第1の間隙よりも小さい第2の間隙が設けられている狭隙領域を追加していることにより、圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波を減衰できるため、インク吐出時に発生する圧力波に起因する駆動波形発生手段が実用上発生することが可能な駆動波形についての制限を従来よりも緩和でき、吐出周期を短縮させる等、駆動パルスの駆動波形を最適に設定して、高速かつ安定したインクの吐出を実現することができる。
【0063】
(2)圧力波を減衰させる領域の存在によってインク吐出時に発生する圧力波が減衰されるインクジェットヘッドに対して、インク室の長さをL、インク室内の圧力波の速度をaとした場合に、第1駆動パルスの印加時間と第2駆動パルスの印加時間が共に略L/aになるように設定していることにより、インク吐出時に発生する圧力波を考慮して第2駆動パルスの印加時間を第1駆動パルスの印加時間よりも大きくする必要があった従来の駆動方法よりも吐出周期を短縮できるため、液滴を連続的に吐出する際の吐出周波数を向上させることができる。
【0064】
また、実験上、第1駆動パルスの印加時間と第2駆動パルスの印加時間とを等しくすることで、1液滴を吐出した後にさらに液滴を吐出する場合において、2液滴目のインクの吐出速度の限界値が高められることが知られているため、吐出周波数およびインクの吐出速度の限界値の両方を向上させることができる。
【0065】
よって、せん断モード変形を利用するマルチドロップの駆動方式において、高速かつ安定したインクの吐出が可能なインクジェットヘッドおよびその駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のせん断モード型のインクジェットヘッドの構成を示す図である。
【図2】インクを吐出させる駆動波形の一例を示す図である。
【図3】図2に示す駆動波形の電圧を印加した時の各インク室の状態を示す図である。
【図4】従来のマルチドロップの駆動方式で駆動されるインク室の状態を示す図である。
【図5】従来のマルチドロップの駆動方式に適用される駆動波形の一例を示している。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの構成を示す図である。
【図7】狭隙部による圧力減衰効果を示す図である。
【図8】パルス幅T2を変えたときの吐出速度の変化を示す図である。
【図9】インクを吐出させる駆動波形のバリエーションを示す図である。
【図10】駆動波形と限界吐出速度との関係を示す図である。
【図11】本発明の駆動方法で使用される駆動波形を示す図である。
【符号の説明】
1−カバープレート
2−PZT
3−駆動電極
4−ノズル
5−狭隙部
6−共通インク室
7−ノズルプレート
8−マニホールド
20−インクジェットヘッド
Claims (2)
- それぞれの間に隔壁を挟んで複数の溝部が形成された圧電基板および前記複数の溝部を覆うように配設されるカバー部材の間に位置するとともに、インクを吐出するノズルとインク供給部とを連通するインク室と、
前記隔壁の両側面に形成された電極に所定の駆動波形の電圧を印加して前記インク室内のインクを前記ノズルから吐出させる駆動波形発生手段と、を備えたインクジェットヘッドにおいて、
前記インク室は、前記インク供給部から前記ノズルに至るインク流通方向に沿って、前記隔壁の端面および前記カバー部材の間に所定の大きさの第1の間隙が形成されている共通領域、前記隔壁の端面および前記カバー部材の間に前記第1の間隙より小さい第2の間隙が形成されている狭隙領域、および前記隔壁の端面および前記カバー部材が接触している範囲であってインクの吐出に必要な圧力が発生する圧力発生領域、を有することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1に記載のインクジェットヘッドに適用されるインクジェットヘッドの駆動方法であって、
ノズルから1つのインクの液滴を吐出させるために印加される電圧の駆動波形が、前記圧力発生領域内に、外部に対して負の圧力を発生させるための第1駆動パルスが印加される期間と、外部に対して正の圧力を発生させるための第2駆動パルスが印加される期間と、前記第1駆動パルスおよび第2駆動パルスによる残留振動を解消させるために必要な期間と、で構成されるとともに、前記圧力発生領域の前記インク流通方向の長さをL、インク室内の圧力波の速度をaとした場合に、第1駆動パルスが印加される期間が略L/aであり、第2駆動パルスが印加される期間が、k=1.0〜1.5として、k*L/aであることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247558A JP2004082551A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | インクジェットヘッドおよびその駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002247558A JP2004082551A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | インクジェットヘッドおよびその駆動方法 |
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JP2004082551A true JP2004082551A (ja) | 2004-03-18 |
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ID=32055170
Family Applications (1)
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JP2002247558A Pending JP2004082551A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | インクジェットヘッドおよびその駆動方法 |
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JP (1) | JP2004082551A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006130850A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-25 | Sharp Corp | インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 |
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2002
- 2002-08-27 JP JP2002247558A patent/JP2004082551A/ja active Pending
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