JP4412945B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4412945B2
JP4412945B2 JP2003304672A JP2003304672A JP4412945B2 JP 4412945 B2 JP4412945 B2 JP 4412945B2 JP 2003304672 A JP2003304672 A JP 2003304672A JP 2003304672 A JP2003304672 A JP 2003304672A JP 4412945 B2 JP4412945 B2 JP 4412945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic member
liquid chamber
polysilicon
droplet discharge
droplet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003304672A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005074664A (ja
Inventor
博道 駒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2003304672A priority Critical patent/JP4412945B2/ja
Publication of JP2005074664A publication Critical patent/JP2005074664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4412945B2 publication Critical patent/JP4412945B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は液滴吐出装置に関する。
液滴を吐出する液滴吐出装置は様々な分野に応用されているが、とりわけ、染料や顔料などの着色剤を含む液体(インク)を吐出して記録を行うインクジェット記録装置は、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置として応用されている。
インクジェット記録は所謂記録ヘッドから被記録材へインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、カラーインクを使用してカラー画像を形成するのが容易であるなどの利点を有している。
また、このようなインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドを電子部品や電子部品の配線形成に、有機ELパネル等のディスプレイ製造に、またマイクロレンズ加工などに応用することが近年活発に行われている。
このような応用分野では、インクジェット記録での記録画像の高精細化や電子部品の微細配線の要請などから、より微小の液滴を効率よく吐出することが要請されている。また、インクジェット記録での記録画像の諧調表現や抵抗、容量などの電子部品形成のために、吐出液滴径を可変にすることが要請されている。さらに、インクジェット記録での高速記録や電子部品形成や有機ELパネル製造のスループット向上の要請から吐出口を高密度で長尺に形成することが要請されている。
従来、このような液滴吐出装置としては、圧電方式や静電方式のものが、用いられ、これらの方式では液室の一部にエネルギー作用部を設け、エネルギー作用部に対して平行に(エッジシューター)、あるいは垂直(サイドシューター)に離間して配置された吐出口より液滴を吐出させている。
しかしながら、より微小の液滴を形成すること、吐出効率を向上するなどの点からは吐出口を形成する弾性部材を直接振動させる方法が好ましい。
そこで、従前、液室の一部を構成する弾性部材に吐出口となる開口を形成するとともに、弾性部材に圧電素子を配置し、圧電素子への電圧印加で吐出口を有する弾性部材を機械振動させて液滴を吐出させるものが知られている。
USP第4533082号明細書 USP第4605167号明細書 USP第6445109号明細書
また、液室の一部を構成する弾性部材に吐出口となる開口を形成するとともに、弾性部材に離間して電極を対向配置し、弾性部材と電極間への電圧印加で静電力を発生させることにより弾性部材を機械振動させて液滴を吐出させるものも知られている。
特開平3−293141号公報 特開平3−295654号公報 USP第5828394号明細書
さらに、吐出口が形成された弾性部材の振動による液滴吐出方法ではないものの、静電力を利用した液滴吐出方法で印加電圧低減のために、高誘電率の液体を静電力を発生させる領域に充填させるものも知られている。
特許第2854876号公報
しかしながら、上述した従来の液滴吐出装置にあっては、液滴数を変化させことによって対象物上の液滴径を変化させることは可能であるが、吐出する液滴の径を直接変化させることが困難であるという課題があることが判明した。
また、インクジェット記録での高速記録や、電子部品形成や有機ELパネル製造のスループット向上の要請から吐出口を高密度で長尺に形成した場合、消費電力や突入電流を低減するためにさらなる液滴吐出の効率化が必要であるという課題があることが判明した。
さらに、長期使用時の信頼性を更に向上させることが必要であるという解決しなければならない課題のあることも判明した。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、吐出液滴径の変調が可能で、吐出効率や信頼性に優れる液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出装置は、
液体を貯留する液室と、
この液室の一方の壁面を構成し液滴を吐出する吐出口を有する第1の弾性部材と、
前記液室の他方の壁面を構成し前記第1の弾性部材に離間して対向配置された第2の弾性部材とを備え、
前記第2の弾性部材上に圧電素子部材を形成し、
前記第1の弾性部材と第2の弾性部材間の電圧印加に伴う静電力で前記第1の弾性部材と第2の弾性部材を機械振動させるとともに、前記圧電素子への電圧印加で前記第2の弾性部材を振動させるとき、前記圧電素子に対して第1駆動電圧を印加して前記第2の弾性部材を変位させた後、前記第1駆動電圧と所要の位相差を持って前記第1、第2の弾性部材間に第2駆動電圧を印加して前記第1、第2の弾性部材を変位させる手段を備えている
構成とした。
本発明に係る液滴吐出装置によれば、液体を貯留する液室と、この液室の一方の壁面を構成し液滴を吐出する吐出口を有する第1の弾性部材と、液室の他方の壁面を構成し第1の弾性部材に離間して対向配置された第2の弾性部材とを備え、第2の弾性部材上に圧電素子部材を形成し、第1の弾性部材と第2の弾性部材間の電圧印加に伴う静電力で第1の弾性部材と第2の弾性部材を機械振動させるとともに、圧電素子への電圧印加で第2の弾性部材を振動させるとき、圧電素子に対して第1駆動電圧を印加して第2の弾性部材を変位させた後、第1駆動電圧と所要の位相差を持って第1、第2の弾性部材間に第2駆動電圧を印加して第1、第2の弾性部材を変位させる手段を備えている構成としたので、両弾性部材を共振周波数近傍で駆動することによって対象物上の液滴径の変調が容易になり、また長期使用時の信頼性に優れる液滴吐出装置が得られる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、前述したように、液滴吐出装置は、インクジェット記録での高速記録や電子部品形成や有機ELパネル製造時のスループット向上のために複数個配列されるものであるが、以下の説明では単一の液滴吐出装置についてのみ説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置ついて図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同装置の概略構成を説明するための説明図、図2は同装置の駆動波形の説明図、図3は同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。
図1を参照して、液室形成部材1には液体を貯留する液室2を形成している。この液室2の一方の壁面は、液滴を吐出する吐出口3を有する第1の弾性部材4で構成されており、液室2の他方の壁は、第2の弾性部材5で構成している。
また、第2の弾性部材5を介して液室2の反対側には振動室形成部材6に設けて、第2の弾性部材5の臨む振動室7を形成している。
ここで、第1の弾性部材4と第2の弾性部材5間に駆動回路8から駆動電圧パルスPが印加されると、第1の弾性部材4と第2の弾性部材5間には静電力が発生し、両方の弾性部材4,5は液室2の容積を縮小させるように内方に変位する。その結果、液室2内部の圧力が増加し吐出口3より液滴を吐出する。このとき、駆動電圧パルスPの波高値は、両方の弾性部材4,5が当接するように選定することが吐出液滴の安定性の点から好ましい。
前述した背景技術に記載した従来例では第1の弾性部材4のみが圧電素子や静電力で変位して吐出口から液滴を吐出させている。一方、本実施形態では、両弾性部材4,5が変位するため液室容積変化が大きいこと、及び圧力増加の相乗効果があることから、従来例に比べて、効率の良い液滴吐出が可能となる。
また、上記従来例では第1の弾性部材4のみが変位して固定壁に当接するために第1の弾性部材4の変位量は液室2の厚さ分必要であった。一方、本実施形態では、液室2の厚さの半分の変位で両弾性部材4,5が当接することとなる。このため、弾性部材の疲労や破壊の原因である内部応力増加を防止することができ長期使用時の信頼性が向上する。
次に、図2を参照して液滴径変調方法について説明する。ここで、周期Tgは、例えばインクジェット記録では画像記録周波数に相当する繰り返し周期である。また、周期Trは、第1、第2の弾性部材4,5の共振周波数近傍に設定された周期である。
この例では、共振周波数近傍の3個の駆動電圧パルスPで3個の液滴が周期Tgで吐出されるが、共振周波数は上記繰り返し周波数より非常に高いため、3個の液滴は対象物上で位置ずれを起こすことなく対象物のほぼ一点に着弾される。このため、この駆動電圧パルスの数を変化させることにより、対称物上の液滴径を任意に可変することができる。
なお、第1、第2の弾性部材4,5を共振周波数近傍で駆動するため、両者の共振周波数は同じであることが好ましい。このため、第1、第2の弾性部材4,5を同一材質で、同一厚さで形成するするとともに、第1、第2の弾性部材4,5を液室形成部材1に同じ保持方法で固定することが好ましい。
次に、MEMS技術を利用した第1実施形態の製作方法について図3を参照して説明する。
ここでは、基板としてSi基板20を用い、Si基板20上には絶縁用の熱酸化膜21を形成している。この熱酸化膜上21には振動室形成用のポリシリコン22をパターニングして形成し、ポリシリコン22の一部を犠牲層として除去して振動室7を形成している。
そして、ポリシリコン22上には保護用のHTO膜23、電極用のポリシリコン24、及び第2の弾性部材用の窒化膜25を順次積層している。さらに、この窒化膜25上には液室形成用ポリシリコン26がパターニングして形成され、ポリシリコン26の一部を犠牲層とし除去して液室2を形成している。さらにまた、ポリシリコン26上には保護膜用のHTO膜27、電極用にパターニングされたポリシリコン28、及び第1の弾性部材用の窒化膜29を順次積層して、HTO膜27、ポリシリコン28、及び窒化膜29には吐出口3を形成する穴部を形成している。
この構成においては、静電力を発生するための電圧は電極用ポリシリコン24と電極用ポリシリコン28間に印加する。
また、HTO膜23とHTO膜27、ポリシリコン24とポリシリコン28、及び窒化膜25と窒化膜29は同一の厚さで構成され、同じ保持方法で構成されているために、第1、第2の弾性部材の共振周波数は同じとなる。なお、各層構成、犠牲層除去、及び吐出口形成などは、いずれも周知のMEMS技術を用いることにより容易に行うことができ、吐出口間隔が300dpi相当以上の高密度配列の液滴吐出装置を長尺に製作することができる。
このように、本実施形態によれば、吐出効率や長期使用時の信頼性に優れる液滴吐出装置を得ることができる。また、両弾性部材を共振周波数近傍で駆動する(機械振動させる)ことにより、液滴径の変調が容易な液滴吐出装置を得ることができる。さらに、MEMS技術の応用で製作できるため高密度で長尺化が容易な液滴吐出装置を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る液滴吐出装置ついて図4ないし図6を参照して説明する。なお、図4は同装置の概略構成を説明するための説明図、図5は同装置の駆動波形の説明図、図6は同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。
図4を参照して、液室形成部材1には液体11を貯留する液室2を形成している。この液室2の一方の壁面は、液滴が吐出される吐出口3を有する第1の弾性部材4で構成されており、液室2の他方の壁面は第2の弾性部材5で構成されている。また、第2の弾性部材5を介して液室2の反対側に配置された振動室形成部材6に振動室7を形成し、この振動室7内には第2の弾性部材5にギャップを置いて対向する導電体である電極9を配置している。
この装置では、図5をも参照して、第1の弾性部材4と第2の弾性部材5間に駆動回路10Aからの駆動電圧パルスPAが印加されると、第1の弾性部材4と第2の弾性部材5間には静電力が発生し、その結果、両方の弾性部材4,5は液室2の容積を縮小するように内方に変位する。また、第2の弾性部材5と電極9間に駆動回路10Bからの駆動電圧パルスPBが印加されると第2の弾性部材5は液室2の容積を拡大するように電極9側に変位する。
次に、図5を参照して液滴径制御方法について説明する。駆動電圧パルスPA及び駆動電圧パルスPBは周期Tgで印加される。ここで、周期Tgは、例えばインクジェット記録では画像記録周波数に相当する繰り返し周期である。
そして、はじめに駆動電圧パルスPBが印加されると、第2の弾性部材5は液室2の容積を拡大するように電極9側に変位するため、吐出口3のメニスカスは液室2の内側に後退する。続いて、駆動電圧パルスPBが解除される(印加されなくなる)と第2の弾性部材5はその剛性で液室2容積を縮少するように内側に復元するため、メニスカスは吐出口3側に前進する。
この駆動電圧パルスPBを印加した後に所定時間Tdの間隔をおいて駆動電圧パルスPAを印加する、つまり、駆動電圧パルスPBと位相差を持って駆動電圧パルスPAを印加すると、第1、第2の両方の弾性部材4,5は液室2の容積を縮小するように変位して液室内部の圧力を増加させ液滴を吐出することとなる。
このとき、間隔Tdを所定の値に設定することで駆動電圧パルスPBの印加に伴うメニスカス運動の任意のメニスカス位置で駆動電圧パルスPAを印加できるため、吐出液滴径を可変とすることができる。すなわち、駆動電圧パルスPB印加後のメニスカス後退中に駆動電圧パルスPAを印加すると、相対的に少量の液滴が吐出し、メニスカスが前進中に駆動電圧パルスPAを印加すると、相対的に多量の液滴が吐出することとなる。
また、第2の弾性部材5は液室2の容積を縮小するように復元してその平衡位置よりオーバーシュートする。間隔Tdをこの時点に設定すると、相対的に多量の液滴吐出が可能なばかりでなく、両弾性部材4,5の間隔が小さくなるため、より低電圧での液滴吐出が可能となる。
さらに、駆動電圧パルスPBを複数の液室2を有する第2の弾性部材5に共通に、駆動電圧パルスPAをその波高値を変化させて個別の第1の弾性部材4に印加することにより、複数の吐出口3から液滴径の異なる液滴を吐出することができるようになる。
このように、第2の弾性部材を介して液室の反対側に振動室を形成し、この振動室に導電体を離間して対向配置して第2の弾性部材を導電体間の静電力で第2の弾性部材を個別に振動できる構成としているので、第1、及び第2の弾性部材を位相差をもって振動させることにより、メニスカス位置制御が可能で液滴径の直接変調が可能になる。
次に、MEMS技術を利用した第2実施形態の液滴吐出装置の製作方法について図6を参照して説明する。
ここでは、基板としてSi基板20を用い、Si基板20上には絶縁用の熱酸化膜21を形成している。熱酸化膜上21には電極用のポリシリコン30、及び保護膜用のHTO膜31を順次形成している。このHTO膜31には振動室形成用のポリシリコン32をパターニングして形成し、ポリシリコン32の一部を犠牲層として除去することで振動室7を形成している。
ポリシリコン32上には保護膜用のHTO膜33、電極用のポリシリコン34、及び第2の弾性部材用の窒化膜35を順次積層形成している。さらに、窒化膜35上には液室形成用ポリシリコン36をパターニングして形成し、ポリシリコン36の一部を犠牲層とし除去することで液室2を形成している。
ポリシリコン36上には平坦化用のHTO膜27、電極用にパターニングされたポリシリコン38、及び第1の弾性部材用の窒化膜39を順次積層して形成し、HTO膜37、ポリシリコン38、及び窒化膜39には吐出口3となる孔部を形成している。
ここで、第1の弾性部材を構成する窒化膜39と第2の弾性部材を構成する窒化膜35間に静電力を発生するための電圧はポリシリコン34とポリシリコン38間に印加する。また、ポリシリコン30とポリシリコン34間に電圧を印加することにより第2の弾性部材を構成する窒化膜35が変位する。
この場合、HTO膜33とHTO膜37、ポリシリコン34とポリシリコン38、及び窒化膜35と窒化膜39は同一の厚さに構成されている。なお、上述した各層(膜)の形成方法、犠牲層除去方法、及び吐出口形成方法などは、いずれも周知のMEMS技術を用いることにより容易に行うことができ、吐出口間隔が300dpi相当以上の高密度配列の液滴吐出装置を長尺に製作することができる。
このように、本実施形態では、液滴径の直接変調が可能な液滴吐出装置を得ることができる。また、MEMS技術の応用で製作できるため高密度で長尺化が容易な液滴吐出装置を得ることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る液滴吐出装置ついて図7を参照して説明する。なお、図7は同装置の概略構成を説明するための説明図である。
本実施形態は、上記第2実施形態とはほぼ同じであるが、第2の弾性部材5に開口12を形成し、液室2と振動室7とを開口12を通じて連通し、振動室7にも液室2の液体11を充填している点のみが異なる。
本実施形態においても、第2実施形態の場合と同様に、駆動電圧パルスPA、及び駆動電圧パルスPBの印加により液滴が吐出されるが、本実施形態の場合、液滴吐出後の液室2への液体11の充填性が改善され、液滴吐出の繰り返し周波数が向上する。
すなわち、第2実施形態の場合には、液体は紙面垂直方向の一方、又は両方の端部に設けられた図示しない共通のインク溜めより供給されるが、低電圧駆動を目的として液室の厚さを薄くした場合に、液体の粘性抵抗が大きくなり、液滴吐出の繰り返し周波数向上が困難になることが確認された。
そこで、本実施形態の場合、開口12は紙面垂直方向にスリット状に形成することにより、上記粘性抵抗増加を防止し、液滴吐出の繰り返し周波数を向上することができる。
このように、第2の弾性部材には液室に連通する開口を形成して振動室を液体で充填する構成とすることで、液滴吐出の繰り返し周波数を向することができる。なお、その他の液滴径制御方法、製作方法の詳細は前記第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
次に、本発明の第4実施形態に係る液滴吐出装置ついて図8を参照して説明する。なお、図8は同装置の概略構成を説明するための説明図である。
本実施形態は、上記第2実施形態とはほぼ同じであるが、振動室7に高誘電率液体13を充填している点のみが異なる。
本実施形態においても、第2実施形態の場合と同様に、駆動電圧パルスPA、及び駆動電圧パルスPBの印加により液滴が吐出されるが、本実施形態の場合には駆動電圧パルスPBの低電圧化を図れる。
すなわち、前述した特許文献7に記載されているように、第2の弾性部材5を変位するための静電エネルギーは振動室7の液体の誘電率に比例するため、振動室7に高誘電率液体13を充填することにより、低電圧化を図れる。なお、このような高誘電率液体13としては前述した特許文献7に記載されている液体を用いることができる。
このように、振動室に高誘電率液体を充填することにより、低電圧で液滴吐出が可能になる。なお、その他の液滴径制御方法、製作方法の詳細は前記第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
次に、本発明の第5実施形態に係る液滴吐出装置ついて図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同装置の概略構成を説明するための説明図、図10は同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。
図9を参照して、第2の弾性部材5上には圧電素子14を設け、その周囲に保護部材16を設けている。なお、第1、第2実施形態などの振動室7及び振動室形成部材6は設けていない。そして、駆動回路10Bから圧電素子14に対して駆動電圧パルスPBを印加する構成としている。その他の構成は第2実施形態と同様である。
このように構成したので、第1の弾性部材4と第2の弾性部材5間に駆動電圧パルスPAを印加すると、第1の弾性部材4と第2の弾性部材5間の静電力により液室2の容積を縮小するように内方に変位する。また、第2の弾性部材5上に設けた圧電素子14に駆動電圧パルスPBを印加すると、圧電素子14の変形により第2の弾性部材5は液室2の容積を縮小するように内側に変位する。
液滴径直接変調を行う場合の第1、第2の弾性部材4,5の駆動方法は前記第2実施形態(図5の駆動電圧パルス)と同様である。すなわち、駆動電圧パルスPA,及び駆動電圧パルスPBは各々周期Tgで印加され、駆動電圧パルスPB印加後の時間Tdの間隔をおいて駆動電圧パルスPAを印加する。
本実施形態の場合、第2の弾性部材5は圧電素子14のたわみ振動で変位するために、静電力で変位させる場合に比べてより低電圧で第2の弾性部材5を変位させることができる。
また、静電力を利用した弾性部材の変位では両弾性部材間の距離が平衡状態の間隔の1/3を超える、弾性部材の剛性と静電力のバランスが壊れ弾性部材が原理的に相互に当接してしまう現象が避けられない。これに対し、本実施形態の場合、第2の弾性部材5は圧電素子14で変位されるため、第2の弾性部材5の変位量は駆動電圧パルスPBの波高値に比例して任意に制御することができ、その結果、液滴径の制御性が向上する。
なお、駆動電圧パルスPBを複数の液室2を有する第2の弾性部材5に共通に、駆動電圧パルスPAをその波高値を変化させて個別の第1の弾性部材4に印加することにより、複数の吐出口3から液滴径の異なる液滴を吐出することができる。また、図2の駆動電圧パルスによる駆動方法と同じく、両弾性部材4,5を共振周波数近傍で駆動して液滴数を変調し、液滴径を制御することができる。
このように、第1、第2の弾性部材間の静電力に加えて第2の弾性部材に圧電素子部材を設け、この圧電素子への電圧印加で一方の弾性部材を振動させる構成としたので、液滴吐出効率が向上し、液滴径の直接変調範囲を広くすることができる。
次に、MEMS技術を利用した第5実施形態の液滴吐出装置の製作方法について図10を参照して説明する。
ここでは、基板としてSi基板20を用い、Si基板20上には絶縁用の熱酸化膜21を形成している。熱酸化膜上21には電極用のポリシリコン40、及び第2弾性部材を構成する窒化膜41を形成する。窒化膜41上には液室形成用ポリシリコン42をパターニングして形成し、ポリシリコン42の一部を犠牲層とし除去することで液室2を形成している。
ポリシリコン42上には保護膜用のHTO膜43、電極用にパターニングしたポリシリコン44、及び第1の弾性部材を構成する窒化膜45を順次積層して、HTO膜43、ポリシリコン44、及び窒化膜45には吐出口3となる孔部を形成している。また、ポリシリコン40の液室2と反対側には金などからなる電極46と圧電素子としてのPZT47と電極46とを積層して形成している。
第1の弾性部材を構成する窒化膜45と第2の弾性部材を構成する窒化膜41間に静電力を発生するための電圧はポリシリコン40とポリシリコン44間に印加する。また、第2の弾性部材を構成する窒化膜41はPZT47により変位される。
なお、上述した各層(膜)の形成方法、犠牲層除去方法、及び吐出口形成方法などは、いずれも周知のMEMS技術を用いることにより容易に行うことができ、吐出口間隔が300dpi相当以上の高密度配列の液滴吐出装置を長尺に製作することができる。
このように、本実施形態では、更に吐出効率の向上と、液滴径の直接変調範囲の拡大が可能な液滴吐出装置を得ることができる。また、MEMS技術の応用で製作できるため高密度で長尺化が容易な液滴吐出装置を得ることができる。
次に、本発明の第6実施形態に係る液滴吐出装置ついて図11及び図12を参照して説明する。なお、図11は同装置の概略構成を説明するための説明図、図12は同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。
図11を参照して、第1の弾性部材4の外面側には圧電素子14を設けている。そして、駆動回路10Aから圧電素子14に対して駆動電圧パルスPAを印加する構成としている。その他の構成は第2実施形態と同様である。
このように構成したので、第2の弾性部材5と電極9の間に駆動電圧パルスPBを印加することにより、第2の弾性部材5は静電力により電極9側に変位する。また、第1の弾性部材4上に設けられた圧電素子14に対して駆動電圧パルスPAを印加すると、圧電素子14の変形により第1の弾性部材4は液室2の容積を縮小するように変位する。
液滴径直接変調を行う場合の第1、第2の弾性部材4,5の駆動方法は前記第2実施形態(図5の駆動電圧パルス)と同様である。すなわち、駆動電圧パルスPA及び駆動電圧パルスPBは各々周期Tgで印加され、駆動電圧パルスPBを印加した後の時間Tdの間隔をおいて駆動電圧パルスPAを印加する。本実施形態の場合、吐出口3を有する第1の弾性部材4を圧電素子14で変位させるために、第5実施例に比べて更に効率の良い液滴吐出が可能である。
なお、駆動電圧パルスPBを複数の液室2を有する第2の弾性部材5に共通に、駆動電圧パルスPAをその波高値を変化させて個別の第1の弾性部材4に印加することにより、複数の吐出口3から液滴径の異なる液滴を吐出することができる。また、前記第1実施形態と同じ方法で、両弾性部材4,5を共振周波数近傍で駆動して液滴数を変調し液滴径を制御することができる。
このように、第1、第2の弾性部材間の静電力に加えて第1の弾性部材に圧電素子部材を設け、この圧電素子への電圧印加で一方の弾性部材を振動させる構成としたので、液滴吐出効率が向上し、液滴径の直接変調範囲を広くすることができる。
続いて、MEMS技術を利用した第6実施形態の液滴吐出装置の製作方法について図12を参照して説明する。
ここでは、基板としてSi基板20を用い、Si基板20上には絶縁用の熱酸化膜21を形成している。熱酸化膜上21には電極として作用するポリシリコン30、及び保護膜として作用するHTO膜31を形成する。HTO膜31には振動室形成用のポリシリコン32をパターニングして形成し、ポリシリコン32の一部を犠牲層として除去することで振動室7を形成している。
ポリシリコン32上には平坦化用のHTO膜33、電極として作用するポリシリコン34、及び第2の弾性部材を構成する窒化膜35を順次積層している。窒化膜35上には液室形成用ポリシリコン36をパターニングして形し、ポリシリコン36の一部を犠牲層とし除去することで液室2を形成している。
ポリシリコン36上には平坦化用のHTO膜27、及び第1の弾性部材を構成する窒化膜39を順次積層し、これらのHTO膜37、及び窒化膜39には吐出口3となる孔部を形成している。また、窒化膜39には金などからなる電極46と圧電素子としてのPZT47が形成されており、更に保護膜48としての樹脂膜で圧電素子47及び電極48を覆っている。
第1の弾性部材を構成する窒化膜45と第2の弾性部材を構成する窒化膜41間に静電力を発生するための電圧はポリシリコン40とポリシリコン44間に印加される。また、第2の弾性部材41はPZT47により変位される。
なお、説明した各層の形成方法、犠牲層除去方法、吐出口形成方法、及び圧電素子形成方法などはいずれも周知のMEMS技術を用いることにより容易に行うことができるため、吐出口間隔が300dpi相当以上の高密度配列の液滴吐出装置を長尺に製作することができる。
このように、本実施形態では液滴径の直接変調が可能で、高効率液滴吐出が可能な液滴吐出装置を得ることができる。また、MEMS技術の応用で製作できるため高密度で長尺化が容易な液滴吐出装置を得ることができる。そして、本実施形態では更に吐出効率の向上拡大が可能な液滴吐出装置を得ることができる。

また、本発明に係る液滴吐出装置によれば、上記構成に加えて、第2の弾性部材を介して液室の反対側に振動室を形成し、この振動室に導電体を離間して対向配置して第2の弾性部材を導電体間の静電力で第2の弾性部材を個別に振動できる構成とした。このため、第1、及び第2の弾性部材を位相差をもって振動させることによりメニスカス位置制御が可能で液滴径の直接変調が可能な液滴吐出装置を提供することができる。
さらに、第2の弾性部材には液室に連通する開口を形成して振動室を液体で充填する構成としたため液滴吐出の繰り返し周波数の向上した液滴吐出装置を提供することができる。さらにまた、振動室に高誘電率液体を充填する構成としたため低電圧で液滴吐出が可能な液滴吐出装置を提供することができる。
さらにまた、本発明に係る液滴吐出装置によれば、第1、第2の弾性部材間の静電力に加えて第1振動部材、または第2振動部材に圧電素子部材を形成し、この圧電素子への電圧印加で一方の弾性部材を振動させり構成とした。このため、液滴吐出口率が高く、液滴径の直接変調範囲の広い液滴吐出装置を提供することができる。
さらにまた、液滴吐出装置はMEMS技術応用で製作できるため、高密度に吐出口が配列した液滴吐出装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を説明するための説明図である。 同装置の駆動波形の説明図である。 同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を説明するための説明図である。 同装置の駆動波形の説明図である。 同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を説明するための説明図である。 本発明の第4実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を説明するための説明図である。 本発明の第5実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を説明するための説明図である。 同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。 本発明の第6実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を説明するための説明図である。 同実施形態の一製作例を説明するための説明図である。
符号の説明
1…液室形成部材
2…液室
3…ノズル孔
4…第1の弾性部材
5…第2の弾性部材
6…振動室形成部材
7…振動室
8、10A、10B…駆動回路
9…電極(導電体)
11…液体
12…開口
13…高誘電率液体
14…圧電素子

Claims (1)

  1. 液体を貯留する液室と、
    この液室の一方の壁面を構成し液滴を吐出する吐出口を有する第1の弾性部材と、
    前記液室の他方の壁面を構成し前記第1の弾性部材に離間して対向配置された第2の弾性部材とを備え、
    前記第2の弾性部材上に圧電素子部材を形成し、
    前記第1の弾性部材と第2の弾性部材間の電圧印加に伴う静電力で前記第1の弾性部材と第2の弾性部材を機械振動させるとともに、前記圧電素子への電圧印加で前記第2の弾性部材を振動させるとき、前記圧電素子に対して第1駆動電圧を印加して前記第2の弾性部材を変位させた後、前記第1駆動電圧と所要の位相差を持って前記第1、第2の弾性部材間に第2駆動電圧を印加して前記第1、第2の弾性部材を変位させる手段を備えている
    ことを特徴とする液滴吐出装置。
JP2003304672A 2003-08-28 2003-08-28 液滴吐出装置 Expired - Fee Related JP4412945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003304672A JP4412945B2 (ja) 2003-08-28 2003-08-28 液滴吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003304672A JP4412945B2 (ja) 2003-08-28 2003-08-28 液滴吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005074664A JP2005074664A (ja) 2005-03-24
JP4412945B2 true JP4412945B2 (ja) 2010-02-10

Family

ID=34408303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003304672A Expired - Fee Related JP4412945B2 (ja) 2003-08-28 2003-08-28 液滴吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4412945B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7035649B2 (ja) * 2018-03-13 2022-03-15 株式会社リコー 液滴形成装置及び液滴形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005074664A (ja) 2005-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7410233B2 (en) Liquid droplet ejecting apparatus and a method of driving a liquid droplet ejecting head
EP2184168B1 (en) Inkjet recording apparatus
JP2010179651A (ja) インクジェットプリンタ及びその駆動方法
JP2006205504A (ja) 液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの駆動方法
JP5315697B2 (ja) 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置
JP5533298B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6943022B2 (ja) 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法
JP5459695B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP3500692B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4412945B2 (ja) 液滴吐出装置
US6805420B2 (en) Drive unit for liquid ejection head and liquid ejection apparatus provided with such unit
JPH08281948A (ja) インク噴射装置
JP2010228145A (ja) 記録装置
JP4670838B2 (ja) インク滴噴射装置
JP2004042414A (ja) インクジェットヘッドの駆動方法およびその駆動方法を用いたインクジェット印刷装置
JP4763418B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動方法、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JP5304498B2 (ja) インクジェット記録装置
JP5181711B2 (ja) インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを備えた塗布装置及びインクジェットヘッドの駆動方法
JP4269647B2 (ja) 液体噴射装置
JP4678158B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置
JP3362732B2 (ja) インクジェットヘッド駆動方法
JP6935735B2 (ja) 液体吐出装置
JP3648598B2 (ja) インク吐出制御方法およびインク吐出装置
JP3302401B2 (ja) インクジェットの駆動装置及びインクジェットの駆動方法
JP2003266683A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees