JP4187491B2 - インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクの一部を沸騰させ気泡を発生させることによって、インク液滴をインク吐出ノズルから吐出させるインクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ、すなわち、サーマルインクジェットヘッドおよびサーマルインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルインクジェットプリンタのインクジェットヘッドは、例えば、ヘッド基板に対して略垂直方向にインク液滴を吐出するトップシュータ方式の場合、ヘッド基板であるシリコン基板等の半導体基板上に形成された薄膜抵抗体と、この薄膜抵抗体の略垂直上方に設けられたインク吐出ノズルと、このインク吐出ノズルに連通する、半導体基板上の隔壁層によって形成されたインク流路とを有し、インク流路内のインクの一部を急速に沸騰させ気泡を発生させることによって、インク吐出ノズルからインク液滴を吐出させる。
【0003】
このようなインクジェットヘッドは、インクの加熱によって発生する気泡の膨張力によって、インクをインク吐出ノズルから押し出して吐出させるため、吐出するインク液滴の大きさ (サイズ、インク吐出量) は形成されたインク吐出ノズルの径やインク液滴の吐出直前のインク吐出ノズル内のインクの量、すなわち、インクのメニスカスの位置等に依存し、インク吐出ノズルから吐出するインク液滴の大きさ(インク吐出量) はばらつきやすい。
そのため、インク液滴の大きさをインク吐出ノズルごとに制御することが望まれる。しかし、インク液滴の吐出は、インクの沸騰によって発生する気泡の膨張力によるため、その制御が困難である。
【0004】
一方、上記サーマルインクジェットヘッドと異なり、駆動信号の印加によりインク加圧室の容積を増減させる電気機械変換素子を上記薄膜抵抗体の替わりに用いて、インク吐出ノズルからインク液滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式のインクジェットヘッドの場合、電気機械変換素子であらかじめインク吐出ノズル内のインクのメニスカスの位置を振動させ、メニスカスの振動のタイミングに合わせて、インク液滴を吐出させることで、インク液滴の大きさを調整することができる。例えば、特許文献1では、ピエゾ方式のインクジェットヘッドにおいて、第1の電圧パルス(駆動信号)で励起されたメニスカスの振動における所望のメニスカスの位置において、第2の電圧パルス(駆動信号)を印加してインク液滴を吐出することで、インク液滴の大きさを調整することができる旨が開示されている。
【0005】
ところで、半導体製造技術を用いて基板上に薄膜抵抗体や薄膜導体電極を形成し、インク液滴を吐出させるサーマルインクジェットヘッド、特に、基板面に対して略垂直方向にインク液滴を吐出させるトップシュータ方式のサーマルインクジェットヘッドは、ピエゾ方式に比べて、インク吐出ノズルの大規模かつ高密度化がきわめて容易である利点を持つことから、サーマルインクジェットヘッドを用いて、ピエゾ方式では実現の困難な高精度かつ高画質の画像を出力することが期待されている。特に、インク吐出ノズルの高密度化に伴って各インク吐出ノズルから吐出する小型化されたインク液滴の大きさが、インク吐出ノズル毎に変動することがないように、一様に揃えることが高画質化の点で必要とされる。
【0006】
しかし、サーマルインクジェットヘッドでは、発生する気泡の消滅後でなければインク吐出のための駆動信号を与えることはできないという問題があるため、ピエゾ方式のように、第1の電圧パルス(駆動信号)および第2の電圧パルスを近づけて自由に駆動させることはできず、減衰したメニスカスの振動に合わせてインクを吐出しなければならず、所望の大きさのインク液滴を吐出させることは困難であるといった問題があった。
従って、サーマルインクジェットヘッドでは、ピエゾ方式と同様にメニスカスの振動によって変化するメニスカスの位置を自由に制御して、大きさを調整したインク液滴の吐出を行うことは困難であり、ピエゾ方式においてインク液滴の大きさを調整して実現できる画像と同程度の画質を持つ画像をサーマルインクジェットヘッドで出力することが困難であるのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−71538号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、大規模かつ高集積化が容易で、高画質の画像記録を可能とする、いわゆる、サーマルインクジェットヘッドにおいて、吐出するインク液滴の大きさを自在に調整することのできるインクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、インク液滴をインク吐出ノズルから記録媒体に吐出するインクジェットヘッドであって、各インク吐出ノズルに対応して設けられ、インクの一部を沸騰させて気泡を発生させ、この気泡の膨張により、前記インク液滴を前記インク吐出ノズルから吐出させる薄膜抵抗体と前記薄膜抵抗体に通電するための薄膜導体電極とが基板面上に形成された第1の駆動素子と、前記第1の駆動素子の近傍に形成され、前記第1の駆動素子に対応する前記インク吐出ノズルにおけるインクのメニスカスの位置を振動させる第2の駆動素子と、前記インク吐出ノズルにおける前記インクのメニスカスの所望の位置で前記インク液滴を吐出させるように、前記第1の駆動素子に付与する駆動信号と前記第2の駆動素子に付与する駆動信号とを制御する駆動信号制御手段とを有し、前記インク吐出ノズルは、そのノズル内表面がノズル開口端に近づくにつれ、親水性から撥水性に連続的に変わることを特徴とするインクジェットヘッドを提供するものである。
【0010】
ここで、前記駆動信号制御手段は、前記第1の駆動素子に付与する駆動信号と前記第2の駆動素子に付与する駆動信号とのタイミング、強度および幅の少なくとも1つを制御するのが好ましい。
また、前記インク吐出ノズルは、前記基板面上に設けられた隔壁層の上層として設けられたプレートの前記薄膜抵抗体に対向する位置に穿孔され、前記インク液滴は、前記インク吐出ノズルから前記インクジェットヘッド基板面に対して略垂直方向に吐出される、いわゆる、トップシュータ方式が好ましい。
その際、前記隔壁層によって前記インク吐出ノズルに連通するインク流路が前記基板面上に形成され、このインク流路の流路高さは15μm以下であるとともに、前記インク吐出ノズルのノズル長さは35μm以下であるのが好ましい。
【0011】
また、前記第2の駆動素子は、前記インクを加熱して一部を沸騰させて気泡を発生させることで、前記インク吐出ノズルにおける前記メニスカスの位置を振動させる薄膜抵抗体とこの薄膜抵抗体に通電するための薄膜導体電極とを有するのが好ましい。
その際、少なくとも前記第2の駆動素子は、さらに、前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体の上層の前記インクと接する表面には、前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体を保護するための保護膜あるいは前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体の表面を自ら酸化して形成された自己酸化被膜を有するのが好ましく、特に、前記第1の駆動素子の前記薄膜抵抗体の上層のインクと接する表面にも、前記第1の駆動素子の前記薄膜抵抗体を保護するための保護膜あるいは前記第1の駆動素子の前記薄膜抵抗体の表面を自ら酸化して形成された自己酸化被膜を有するのがより好ましい。
さらに、その際、特に、前記第2の駆動素子が前記第1の駆動素子に近づく方向と直交する方向の、前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体の横幅が、前記第1の駆動素子に近づくにつれ、段階的にあるいは連続的に、増大あるいは減少するのが好ましい。
【0012】
また、前記インク吐出ノズル、前記第1の駆動素子および前記第2の駆動素子は、それぞれ複数であり、前記第1の駆動素子の各々が、前記インク吐出ノズルと一対一に対応するとともに、前記第2の駆動素子の各々が、前記第1の駆動素子と一対一に対応して形成されたものであるのが好ましく、その際、前記第1の駆動素子および前記第2の駆動素子は、一方向に一列に配置されたものであるのが好ましい。
あるいは、少なくとも前記インク吐出ノズルおよび前記第1の駆動素子は、それぞれ複数であり、前記第1の駆動素子の各々が前記インク吐出ノズルと一対一に対応するとともに、少なくとも2つ以上の前記第1の駆動素子に対して1つの前記第2の駆動素子が形成されるものも、同様に好ましい。
【0013】
また、前記第2の駆動素子は、前記第1の駆動素子が形成された同一の前記基板上に形成されるのが好ましい。
また、前記第2の駆動素子は、他のインク吐出ノズルに対応して設けられた前記第1の駆動素子であるのが好ましい。
【0014】
また、本発明は、上述の種々の形態のインクジェットヘッドを用いたことを特徴とするインクジェットプリンタを提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係るインクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタを添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
図1(a)および(b)は、本発明のインクジェットヘッドの一実施例を搭載するインクジェットプリンタの一実施例であるプリンタ10を示している。
図1(a)は、プリンタ10の概略の構成図であり、図1(b)は、プリンタ10の概略斜視図である。
【0016】
プリンタ10は、インクジェットヘッド52が、記録紙等の記録媒体Pの少なくとも1辺の長さを超えてインクを吐出する複数のインク吐出ノズルが一方向に大規模かつ高密度に配列されたラインヘッドによって構成されたインクジェットプリンタである。プリンタ10は、記録部12、供給部14、プレヒート部16および排出部18を有する。
【0017】
供給部14は、搬送ローラ対20および22と、ガイド24および26とを有し、記録媒体Pは、供給部14によって横方向から上方に搬送され、プレヒート部16に供給される。
【0018】
プレヒート部16は、3本のローラおよびエンドレスベルトからなるコンベア28と、コンベア28の外方からエンドレスベルトに押圧される圧着ローラ30と、コンベア28の内方から圧着ローラ30に押圧される加熱装置32と、プレヒート部16内を排気する排気ファン34とを有する。
このようなプレヒート部16は、インクジェットによる記録に先立ち記録媒体Pを加熱することで、記録媒体Pに吐出されたインクの乾燥を促進し、高速記録を実現するためのもので、供給部14から搬送された記録媒体Pは、コンベア28と圧着ローラ30とによって挟持搬送されつつ、加熱装置32によって記録面側から加熱され、記録部12に搬送される。
【0019】
記録部12は、記録ヘッド部50と記録媒体搬送部58とを有する。記録ヘッド部50は、Si基板からなるヘッドチップを有するインクジェットヘッド52と、記録制御部54と、インクタンク56とを有し、インクジェットヘッド52は、記録制御部54に接続される。
【0020】
インクジェットヘッド52は、プリンタ10の画像記録の対象とする最大幅サイズの記録媒体Pの少なくとも1辺を超える長さにわたって、インク液滴を吐出するインク吐出ノズルが複数配列された大規模なラインヘッドで、インク吐出ノズルは、図1(a)中の紙面において垂直方向に配列される。インク吐出ノズルの密度は、例えば、1600npi(ノズル/インチ)以上である。
従って、記録ヘッド部50は、駆動ローラ62および搬送ローラ60a、60bに巻回されたベルト64を有する記録媒体搬送部58によって搬送される記録媒体P上に、図1(a)の紙面に垂直方向に走査することなく、記録幅全体に渡って、一度に記録される。
記録された記録媒体Pは、ローラ対72、74を有する排出部18より排出される。
なお、プリンタ10のインクジェットヘッド52は、ラインヘッドには限られず、記録媒体Pの搬送方向と直交する方向にインクジェットヘッド10が走査するシリアルタイプのインクジェットヘッドであってもよい。
【0021】
このようなプリンタ10のインクジェットヘッド52の1つのインク吐出ノズルに対応したヘッド断面構造が図2に示されている。
すなわち、Si基板100の上にスパッタリングによって設けられた薄膜抵抗体102と、この薄膜抵抗体102に通電するための薄膜導体電極104および薄膜導体からなる共通電極106と、薄膜導体電極104にビアホール108を介して接続される、駆動信号制御機能を有する駆動部110とを有する。なお、薄膜抵抗体102と薄膜導体電極104と共通電極106とによって本発明におけるインク液滴の吐出用の第1の駆動素子が形成される。すなわち、薄膜抵抗体102は、インクの一部を沸騰させて気泡を発生させ、この気泡の膨張により、インク吐出ノズル116からSi基板100の面に対して略垂直(80度〜100度)方向にインク液滴を吐出させる、本発明の薄膜抵抗体に相当する。また、薄膜導体電極104および共通電極106は、薄膜抵抗体102に通電する、本発明の薄膜導体電極に相当する。
【0022】
ここで、薄膜抵抗体102は、公知の薄膜発熱抵抗体であれば、特に限定されないが、Ta−Si−O三元合金からなるのが好ましい。Ta−Si−O三元合金からなる薄膜抵抗体102の場合、電気絶縁性があるとともに耐キャビテーション性にも優れた自己酸化被膜(図示されない)が、その表面に形成される。この自己酸化被膜は、厚みが0.01μmと非常に薄くて済むので、印加電圧に対する気泡の発生の応答性を上げ、しかも、印加電圧も小さくて済むという利点を持つ。
また、インクと接触する表面には、自己酸化被膜の替わりに、厚さが1μm以下の保護層が形成されてもよい。
【0023】
また、薄膜抵抗体102の一部分と、薄膜導体電極104と、ビアホール108と、駆動部110の略全体の上方を被うように、ポリイミド等の樹脂材料によって形成された隔壁層112が設けられる。この隔壁層112には、一方向に配列する薄膜抵抗体102(図2において紙面に対して垂直方向)に1対1に対応して個別インク通路114(インク流路)を形成するように隔壁112a,112b(図3参照)が配置され、個別インク通路114は、共通インク通路115およびSi基板100に間歇的に穿孔されたインク供給孔119を介して、実装フレーム120に設けられたインクタンク56と接続されたインク供給路121に接続されるように構成される。
ここで、個別インク通路114の高さは、発生した気泡によってインク液滴を吐出させる際、気泡の膨張によって、インクをインク液滴として吐出すべきインクと残留するインクとに分断して、吐出すべきインクをインク液滴として吐出させ、しかも、インクのスプラッシュを発生させないように、気泡の最大成長に対応した個別インク通路114の流路高さが設定される。個別インク通路114の流路高さは、具体的には15μm以下に設定される。
【0024】
インク吐出ノズル116は、図2中において、薄膜抵抗体102の略垂直上方の、個別インク通路114の壁面の一部を成す、隔壁層112の上面に上層として貼り付けられたプレート(オリフィスプレートともいう)118に穿孔され、インク液滴をプレート118の面に対して略垂直に吐出するノズルである。インク吐出ノズル116は、プレート118に対して一定の傾斜角度を付けてインク液滴を吐出するノズルであってもよい。ここで、プレート118は、インク液滴として吐出すべきインクと残留するインクとを分断して、吐出すべきインクをインク液滴として吐出させ、その際インクのスプラッシュを発生させないように、具体的には、プレート118の厚み、すなわち、インク吐出ノズル116の長さが35μm以下となるように設定される。発生する気泡の最大成長高さは略20〜40μmであるので、このようなインク吐出ノズル116の長さの設定と、上記個別インク通路114の流路高さの設定とにより、インク吐出ノズル116内のインクをすべて吐出させることができる。
【0025】
図3は、図2に示されるA−A’断面で切断したインクジェットヘッド52の断面図である。図3では、複数の薄膜抵抗体102や、複数の個別インク通路114や複数の薄膜導体電極104等を1つ1つ区別するために、「a」,「b」等の符号を付している。
隔壁層112は、薄膜抵抗体102a,102bの各々に1対1に対応する個別インク通路114a,114bが形成されるように、共通インク通路115に向かって延在する隔壁112a,112bを有し、この隔壁112a,112b等によって隣接する個別インク通路が隔てられる。
【0026】
ここで、隔壁で隔てられる個別インク通路114a,114bの各々には、インク吐出用の薄膜抵抗体102a,102bの近傍に一対一に対応して、メニスカス振動用の薄膜抵抗体102’a,102’bが一列に併設され、薄膜抵抗体102’a,102’bの一方の端部は、駆動部110に接続された薄膜導体電極104a’,104’bに、他方の端部は共通電極106にそれぞれ接続される。このようにインク吐出用の薄膜抵抗体102a,102bおよびメニスカス振動用の薄膜抵抗体102’a,102’bが一列に併設されるので、薄膜導体電極104a,104’a,104b,104’bの横幅を広く設定することができ、電極による配線抵抗を低く抑えることができる。
なお、薄膜抵抗体102’a、薄膜導体電極104’aおよび共通電極106は、本発明における第1の駆動素子の近傍に形成された第2の駆動素子を構成する。
なお、本発明において、第2の駆動素子を第1の駆動素子の近傍に形成するとは、第2の駆動素子が、第1の駆動素子に対応するインク吐出ノズルにおけるインクのメニスカスの位置を振動させることができる位置に設けられていることをいう。
【0027】
薄膜抵抗体102' a,102’bは、駆動部110からの駆動信号によって発熱し、この発熱によって沸騰したインクから気泡を発生させるが、薄膜抵抗体102a,102bと異なり、上方にインク吐出ノズルがないため、発生した気泡の膨張、消滅によるインクの圧力変動によって、それぞれの個別インク通路114a,114bに位置するインク吐出ノズル116a,116b内のインクのメニスカスの位置を振動させる。
【0028】
このように、薄膜抵抗体102' a,102’bの発熱によって発生する気泡の膨張力によって、対応するインク吐出ノズル116a,116b内のインクのメニスカスの位置が振動し、メニスカスの位置が、インク吐出ノズル116a,116bにおいて、図4に示すメニスカスM3 のようにメニスカスの開口端に位置する状態、あるいは、図4に示すメニスカスM1 のようにメニスカスの最も低くなる状態、あるいは、図4に示すメニスカスM2 のようにメニスカスがメニスカスM1 とメニスカスM3 との中間の状態の各タイミングで、薄膜抵抗体102a,102bを加熱して、インク液滴を吐出させることができる。上述したように、インク吐出ノズル116内にあるインクはすべてインク液滴として吐出されるため、メニスカスの位置がインク吐出ノズル116の開口端近傍にある時にインク液滴を吐出させると、最も大きなインク液滴となり、メニスカスの位置がインク吐出ノズル116内で最も低くなる時にインク液滴を吐出させると、最も小さなインク液滴となる。また、メニスカスの位置が中間に位置する時にインク液滴を吐出させると、中サイズのインク液滴となる。
【0029】
薄膜抵抗体102' a,102’bのインクと接触する表面には、薄膜抵抗体102' a,102’bによって発生した気泡が消滅する際に生じやすいキャビテーション破壊を防止する点から、薄膜抵抗体102' a,102’bを保護するために、薄膜抵抗体102' a,102’bの表面が自ら酸化した自己酸化被膜が形成され、あるいはSiO2 やTa2 5 等によって構成された保護膜が設けられる。特に、薄膜抵抗体102' a,102’bがTa−Si−O三元合金からなる場合、電気絶縁性があり耐キャビテーション性にも優れた自己酸化被膜を形成することができ、しかも、厚みが0.01μmと非常に薄くて済むので、印加電圧に対する気泡の発生の応答性を上げ、しかも、印加電圧も小さくて済むといった点から、自己酸化被膜を形成するのが好ましい。
【0030】
一方、プレート118の表面は、図4に示されるように、撥水処理が施されるとともに、インク吐出ノズル116の内表面も撥水処理が施され、薄膜抵抗体102の側から開口端側の方向(図4中、上方向)にいくに従って、インク吐出ノズル116の内表面が親水性から撥水性に徐々にあるいは段階的に変化するように構成される。ここで、親水性とはインクの接触角が90(度)以下の場合をいい、撥水性とはインクの接触角が90(度)より大きい場合をいう。
【0031】
この撥水処理は、具体的には、プレート118がポリイミドフィルムによって構成される場合、このフィルム表面を酸素ガスによるプラズマエッチング処理を行って30〜60nmの凹凸を作ることによって、フィルム表面の撥水処理を行うとともに、インク吐出ノズル116の内表面116aは、例えば、フッ素化した界面活性材(C8 17CH2 CH2 SiCl3 )をシクロヘキサン溶液に溶解し、この溶液をフレキソ印刷法によって均一の厚さでプレート118の表面に印刷することで、インク吐出ノズル116の内表面に撥水性単分子膜を化学吸着させる。そして、フッ素化した界面活性材の濃度と、フレキソ印刷法による印刷の厚さとを変えてこの印刷法を繰り返すことによって、インク吐出ノズル116の開口端側にいくに従って、親水性から撥水性に徐々にあるいは段階的に変化させることができる。こうして、インク吐出ノズル116の内表面の撥水処理を施すことができる。
また、インク吐出ノズル116の内表面の、親水性から撥水性に徐々にあるいは段階的に変化させる撥水処理は、フッ素化した界面活性材を溶解したシクロヘキサン溶液等を穿孔されたインク吐出ノズル116内に、吹きつけ角度を変えて吹き付けることで行ってもよい。
【0032】
このようにインク吐出ノズル116の内表面117は、図4中の下方から上方にいくに従って、親水性から撥水性に徐々にあるいは段階的に変化するので、メニスカスの振動を励起させるインクの圧力の変動が小さくても、メニスカスM1 〜M3 のように、インクのメニスカスの位置を、インク吐出ノズル116の内表面117,116a内で大きく変動させることができる。
【0033】
一方、インク吐出ノズル116の内表面117が撥水処理されておらず親水性を持つ場合、プレート118の表面の撥水性との境界、すなわち、インク吐出ノズル116の開口端近傍でメニスカスの位置が維持固定されやすく、インク吐出ノズル116内でメニスカスの位置を大きく移動させるためには大きなインクの圧力を必要とする。そのため、メニスカスの位置を大きく振動させるには、上記薄膜抵抗体102’a,102’bの発熱により発生する気泡も大きくしなければならず、あるいは、上記薄膜抵抗体102’a,102’bのサイズを大きくしなければならず、その結果、印加電圧を大きくしなければならないといった印加エネルギーの効率の点で不都合が生じる。また、インク吐出ノズル116の内表面117の親水性、撥水性がステップ状に一気に変化する場合も、メニスカスの位置を大きく振動させるためには、上記薄膜抵抗体102’a,102’bに印加する印加電圧を大きく、あるいは、上記薄膜抵抗体102’a,102’bのサイズを大きくしなければならないという不都合がある。
以上の点より、インク吐出ノズル116の内表面117を親水性から撥水性に徐々にあるいは段階的に変化させることで、メニスカスの振動を励起させるインクの圧力の変動が小さくても、インクのメニスカスの位置を大きく動かすことができ、インク液滴の大きさ(吐出量)を大きく変化させることができる。
【0034】
このようなインクジェットヘッド52では、図5(a)に示すように、制御部110内の駆動信号制御回路110aから、薄膜抵抗体102’にメニスカス振動用の駆動信号Vm が供給され、メニスカス振動用の気泡Bm が発生する。この気泡Bm は、薄膜抵抗体102' が自己酸化被膜で保護されたTa−Si−O三元合金からなる場合、インクの加熱が略315℃まで1×108 ℃/秒〜5×108 ℃/秒を超える加熱速度で所定の印加エネルギを与えると、発生した気泡の成長が薄膜抵抗体の表面に対して垂直方向に偏り、しかも急激な気泡の膨張を特徴とする、いわゆるゆらぎ核沸騰が発生する。このようなゆらぎ核沸騰を用いることで、駆動信号Vm の印加開始から略3μ秒といった極めて早い段階で気泡の成長を最大にすることができ、その後収縮して消滅する。
【0035】
その際、図5(b)に示すように、上記気泡Bm の成長が最大となり、これに伴ってインク吐出ノズル116内におけるインクのメニスカスの位置が最大となる位置でインク液滴が吐出するように、駆動信号Vj を薄膜抵抗体102に印加してインク吐出用の気泡Bj を適切なタイミングで発生させる。これによって、大きなインク液滴が吐出される。駆動信号制御回路110aでは、一例として、図6(a)に示すように、駆動信号Vm ,Vj が一部重なるように駆動信号が作成される。
【0036】
一方、上記の気泡Bm の収縮が始まり、これに伴ってインク吐出ノズル116内におけるインクのメニスカスの位置が最低となる位置で、インク液滴が吐出するように、駆動信号Vj を薄膜抵抗体102に印加してインク吐出用の気泡Bj を適切なタイミングで発生させる。これによって、小さなインク液滴が吐出される。駆動信号制御回路110aでは、一例として、図6(b)に示すような駆動信号Vm ,Vj が作成される。中サイズのインク液滴を吐出させる場合も同様である。
【0037】
このように、薄膜抵抗体102’の発熱で発生する気泡Bm の膨張や収縮によって生じる、インク吐出ノズル116内のインクのメニスカスの振動のタイミングに合わせて、所望のメニスカスの位置で、インク液滴を吐出させることによって、インク液滴の大きさを調整することができる。従って、インクジェットヘッドの高密度化に伴って各インク吐出ノズルから吐出する小型化されたインク液滴の大きさも正確に揃えることができ、例えば、インク吐出ノズルの大きさの微妙な寸法誤差によって生じるインク液滴の大きさの誤差を調整することができ、均一な大きさのインク液滴を吐出させることができる。
特に、薄膜抵抗体や薄膜導体電極が形成された基板に対して、インク液滴を略垂直方向に吐出させる、いわゆる、トップシュータ方式では、上述したように、半導体製造技術を用いて高集積化した薄膜抵抗体や薄膜導体電極を基板上に容易に形成することができるので、上記メニスカスの振動に合わせて所望のタイミングでインク液滴を吐出させる方法を用いることによって、インク吐出ノズルの高密度化に伴う小型化されたインク液滴の大きさを一定に揃えることが容易にできる。
【0038】
ところで、上述した例は、インク吐出ノズルのメニスカスの振動に合わせてインク液滴を吐出させるタイミングを制御するものであるが、本発明はこれに限定されず、インク液滴を吐出させるタイミングに合わせてメニスカスの振動を制御するものであっても良いし、両者を同時に制御するものであっても良い。すなわち、本発明においては、駆動信号制御回路によって、インク吐出用の駆動素子である薄膜抵抗体を駆動する駆動信号の付与タイミングとメニスカス振動用の駆動素子である薄膜抵抗体を駆動する駆動信号の付与タイミングの少なくとも一方を制御するものであれば良い。
【0039】
また、本発明は、インク吐出用の駆動素子の駆動タイミングとメニスカス振動用の駆動素子の駆動タイミングの少なくとも一方を制御するものに限定されず、駆動タイミングに加え、または、駆動タイミングとは独立に、インク吐出用の駆動素子とメニスカス振動用の駆動素子との駆動信号の強度や幅の少なくとも一つを制御するものであっても良い。
例えば、図5(a)および(b)に示す実施例において、図7(a)および(b)に示すように、駆動信号制御回路110a(図5(a)参照)により、インク吐出用の薄膜抵抗体102に付与する駆動信号(パルス)Vj の信号強度(パルス強度)、例えば10Vに対して、メニスカス振動用の薄膜抵抗体102’に付与する駆動信号Vm の信号強度を、例えば8Vから9Vに変えることにより、インク吐出時のインク吐出ノズル116におけるインクのメニスカスの位置を変えることができ、インク吐出ノズル116から吐出されるインク液滴のサイズを変えることができる。なお、図7(a)および(b)において、駆動信号Vm およびVj の信号幅(パルス幅)は、ともに1μsecであり、駆動信号Vj は、駆動信号Vm の立ち上がりから1.6μsec後のタイミングで立ち上がるものである。
【0040】
また、例えば、図8(a)および(b)に示すように、図示しない駆動信号制御回路110a(図5(a)参照)により、インク吐出用の薄膜抵抗体102に付与する駆動信号Vj の幅(パルス幅)、例えば1μsecに対して、メニスカス振動用の薄膜抵抗体102’に付与する駆動信号Vm のパルス幅を、例えば0.5μsecから0.7μsecに変えることにより、インク吐出時のインク吐出ノズル116におけるインクのメニスカスの位置を変えることができ、インク吐出ノズル116から吐出されるインク液滴のサイズを変えることができる。なお、図示例において、駆動信号Vm およびVj の信号強度は、ともに10Vであり、駆動信号Vj は、駆動信号Vm の立ち上がりから1.6μsec後のタイミングで立ち上がるものである。
【0041】
さらに、例えば、図9(a)および(b)に示すように、図示しない駆動信号制御回路110a(図5(a)参照)により、メニスカス振動用の薄膜抵抗体102’に付与する駆動信号Vm の立ち上がりのタイミングからインク吐出用の薄膜抵抗体102に付与する駆動信号Vj の立ち上がりのタイミングを、例えば3μsecから6μsecに変えて、インク吐出時のメニスカスの位置を変え、インク吐出ノズル116から吐出されるインク液滴のサイズを変えることができることは、上述したように、もちろんのことである。なお、図示例において、駆動信号Vm およびVj の信号強度は、ともに10Vであり、パルス幅は、ともに1μsecである。
以上から、本発明においては、駆動信号制御回路は、インク吐出用の駆動素子の駆動信号と、メニスカス振動用の駆動素子の駆動信号との駆動タイミング、信号強度および信号幅の少なくとも一つを制御すれば良い。
【0042】
上記実施例は、メニスカスの振動を励起させる駆動素子として、薄膜抵抗体を用いるものであるが、本発明においては、電気機械変換素子であるピエゾタイプの駆動素子を薄膜抵抗体102’の替わりに用いて、個別インク通路の体積を変化させて、インクに圧力変動を与えてもよい。また、静電引力を用いてダイヤフラムを励起させインクに圧力変動を与える静電引力タイプの駆動素子を用いてもよい。
【0043】
また、図10に示すように、個別インク通路214a〜214cの各々に、インク吐出ノズル216a〜216cに対応した薄膜抵抗体202a〜202cを1つずつ設け、この薄膜抵抗体202a〜202cに共通するメニスカス振動用の駆動素子202’を、個別インク通路214a〜214cの開口端前方に設けてもよい。この場合、駆動素子202’は、ピエゾタイプの駆動素子や静電引力タイプの駆動素子を用いるとよい。
【0044】
さらに、図11(a)〜(f)に示すようなインク吐出用の薄膜抵抗体とメニスカス振動用の薄膜抵抗体との配置ならびに隔壁の形態を用いてもよい。
例えば、図11(a)に示すように、隔壁312a,312bに囲まれる個別インク通路314内に、インク吐出ノズル316に対応するインク吐出用の薄膜抵抗体302と、メニスカス振動用の薄膜抵抗体302’とを設け、この薄膜抵抗体302’の、薄膜抵抗体302に近づく方向と直交する方向の横幅が、薄膜抵抗体302に近づく方向に連続的に減少するものであってもよい。図11(a)では、台形形状を示している。このような形状にすることで、薄膜抵抗体302’に印加電圧が与えられた場合、横幅の狭い側から気泡が発生し、徐々に横幅の広い側に向かって気泡は成長していくので、薄膜抵抗体302’で発生する気泡は薄膜抵抗体302から遠ざかる方向に膨張する。従って、吐出用の駆動信号がメニスカス振動用の駆動信号と時間的に一部分が重なる場合(図6(a)参照)等のように、お互いの駆動信号のタイミングが近接して双方から発生する気泡が併存したとしても、薄膜抵抗体302で発生するインク吐出用の気泡が薄膜抵抗体302’で既に発生している気泡と接触して、お互いの膨張や収縮を互いに干渉することはない。従って、薄膜抵抗体302’が図11(a)に示すような形状の場合、図3に示すような形状の場合に比べて、薄膜抵抗体302と薄膜抵抗体302’を互いに近接させることができる。
【0045】
一方、図11(b)に示すように、隔壁412a,412bに囲まれる個別インク通路414内に、インク吐出ノズル416に対応するインク吐出用の薄膜抵抗体402と、メニスカス振動用の薄膜抵抗体402’とを設け、この薄膜抵抗体402’の、薄膜抵抗体402に近づく方向と直交する方向の横幅が、薄膜抵抗体402に近づく方向に連続的に増加するものであってもよい。図11(b)では、台形形状を示している。このような形状により、薄膜抵抗体402’に印加電圧が与えられた場合、横幅の狭い側から気泡が発生し、徐々に横幅の広い側に気泡が成長していくので、発生する気泡は薄膜抵抗体402に近づく方向に膨張する。従って、薄膜抵抗体402,402’を、発生する気泡同士が接触しない程度に離間させても、薄膜抵抗体402’で発生した気泡の膨張により励起したインクの圧力変動をインク吐出ノズル416内のインクに効率よく伝えることができ、メニスカスの位置を大きく振動させることができる。
図11(a)または図11(b)に示される薄膜抵抗体の配置は、お互いに発生する気泡の接触の有無やメニスカス振動用の薄膜抵抗体のインク吐出ノズルまでの距離等を考慮して、いずれか一方を選択するのがよい。
さらに、メニスカス振動用の薄膜抵抗体の、インク吐出用の薄膜抵抗体に近づく方向と直交する方向の横幅が、インク吐出用の薄膜抵抗体に近づく方向に段階的に(ステップ状に)増加あるいは減少するものであってもよい。
【0046】
図11(c)、(d)は、中間部が屈曲した隔壁512a,512bや隔壁612a,612bによって囲まれる個別インク通路514や個別インク通路614内の薄膜抵抗体の配置を示している。この場合、隔壁512a,512bや隔壁612a,612bによって個別インク通路514や個別インク通路614が囲まれるので、メニスカス振動用の薄膜抵抗体で発生する気泡の膨張力によって生じるインクの圧力変動は、インク吐出ノズル516やインク吐出ノズル616内のインクに効率よく伝えることができ、メニスカスの位置を効率よく振動させることができる。
特に、図11(c)に示す薄膜抵抗体の配置の場合は、個別インク通路514の開口部側にインク吐出用の薄膜抵抗体516が設けられ、個別インク通路514の奥側にメニスカス振動用の薄膜抵抗体502’が設けられるので、メニスカス振動用の薄膜抵抗体502で発生した気泡の収縮時に起こる減圧により、個別インク通路514の開口部からインク吐出用の薄膜抵抗体516に向けてインクが効率よくリフィルされる。
一方、図11(d)の薄膜抵抗体の配置は、インク吐出用の薄膜抵抗体616が隔壁612bで囲まれた個別インク通路614の奥側に設けられるので、インク吐出ノズル616内のインクに、メニスカス振動用薄膜抵抗体602’で発生した気泡によるインクの圧力の変動を効率よく伝えることができる。
【0047】
図11(e)や図11(f)は、一方向に伸びる隔壁712a,712bや隔壁812a,812bに挟まれた個別インク通路714,814内の薄膜抵抗体の配置を示している。
図11(e)や図11(f)に示される薄膜抵抗体の配置は、図11(c)や図11(d)が示すのと同様に、メニスカス振動用の薄膜抵抗体702’や薄膜抵抗体802’が、個別インク通路714や個別インク通路814の開口側に設けられているか、あるいは奥側に設けられているかを示す配置であり、各々の効果は、図11(c)や図11(d)に示す薄膜抵抗体の配置による効果と同様である。
【0048】
なお、上記実施例は、いずれも、インク吐出用の薄膜抵抗体とメニスカス振動用の薄膜抵抗体とを略同等の大きさとするものであるが、本発明においては、必ずしも、略同等の大きさにする必要はなく、メニスカス振動用の薄膜抵抗体の大きさは、メニスカスの位置が振動するのに十分なインクの圧力を励起する程度であればよい。
【0049】
上述した例は、いずれも、インク吐出用の薄膜抵抗体とメニスカス振動用の薄膜抵抗体とを同一の基板上に隣接して設けるものであるが、本発明はこれに限定されず、メニスカス振動用の薄膜抵抗体を、インク吐出用の薄膜抵抗体が形成される基板以外に形成しても良い。
例えば、図12(a)および(b)に示すように、図4、図5(a)および(b)に示す実施例とは異なり、オリフィスプレート118に穿孔されたインク吐出ノズル116の直下において基板100上に形成されるインク吐出用の薄膜抵抗体102に対し、メニスカス振動用の薄膜抵抗体102’を基板100上に形成された隔壁層112の前壁面113に設けても良い。ここで、隔壁層112の前壁面113、隔壁112aおよび112bならびにプレート118の下面 (天井面)119によって、個別インク通路114が形成される。
【0050】
また、例えば、基板100上に形成されるインク吐出用の薄膜抵抗体102に対し、メニスカス振動用の薄膜抵抗体102’を、図13(a)および(b)に示すように、隔壁層112の隔壁112aの側面に設けても良いし、図14(a)および(b)に示すように、プレート118の下面 (天井面)119に設けても良い。なお、いずれの場合も、メニスカス振動用の薄膜抵抗体102’は、インク吐出用の薄膜抵抗体102の近傍に設けられるものであるのは、いうまでもないことである。
なお、図12、図13および図14(a)は、1つのインク吐出ノズル116のみに対応する側面断面図を示し、図12、図13および図14(b)は、それぞれ、図12、図13および図14のプレート118の下面 (天井面)から基板100側を見た断面図を示す。
【0051】
なお、上述したように、インク吐出用の薄膜抵抗体の他に、メニスカス振動用の駆動素子として、薄膜抵抗体を用いる場合、メニスカス振動用の薄膜抵抗体の発熱によってインクの温度が全体的に上昇し、インクの粘性が低下する。そのため、インクのリフィルが早く行われるといった効果が発揮される。また、気泡の収縮に伴って、負圧が発生するので、気泡周りのインク、特に個別インク通路から新たなインクが流入しやすくなり、インクのリフィルが一層早くなる。
【0052】
また、上述した実施例におけるインク吐出用の薄膜抵抗体とメニスカス振動用の薄膜抵抗体との配置ならびに隔壁の形態は、メニスカス振動用の駆動素子として薄膜抵抗体を用いる場合にのみに限定されるわけではなく、メニスカス振動用の駆動素子として、ピエゾタイプの駆動素子や静電引力タイプの駆動素子を用いる場合にも適用可能であることはいうまでもない。
また、上述した実施例においては、インク吐出用の駆動素子である薄膜発熱抵抗体とは別に、新たに、メニスカス振動用の駆動素子を設けているが、本発明はこれに限定されず、インク吐出用の薄膜抵抗体に対応するインク吐出ノズルのメニスカスを振動でき、かつ振動しているメニスカス位置に合わせて、インク吐出用の薄膜抵抗体を駆動できれば、他のインク吐出ノズルのインク吐出用の駆動素子である薄膜抵抗体を、メニスカス振動用の駆動素子として用いても良い。この場合には、メニスカス振動用の駆動素子として用いるインク吐出用の薄膜抵抗体に付与する駆動信号は、対応するインク吐出ノズルからのインク液滴の吐出を発生しないように与える必要がある。
【0053】
なお、本発明においては、駆動制御手段によるインク吐出用の駆動素子の薄膜発熱抵抗体とメニスカス振動用の駆動素子に付与する駆動信号との制御、すなわち、インク吐出用の駆動素子に付与する駆動信号とメニスカス振動用の駆動素子に付与する駆動信号との間の駆動タイミングや、信号強度や、信号幅の制御は、予め両駆動素子の駆動信号間の関係(駆動タイミング、信号強度、信号幅も含む)に対するインク吐出ノズルのメニスカスの位置あるいはインク吐出量(インク液滴のサイズ)をテーブル(LUT)化しておき、駆動制御手段は、予め作成されたテーブルを用いて、必要なインク吐出量(インク液滴のサイズ)やインク吐出ノズルのメニスカスの位置から、両駆動素子に付与する駆動信号を決定すれば良い。
なお、上記実施例はいずれも基板面に対してインク液滴を略垂直方向に吐出させるトップシュータ方式のサーマルインクジェットヘッドであるが、本発明はこれに限定されず、基板面に対して略平行にインク液滴を吐出させる、いわゆるサイドシュータ方式のサーマルインクジェットヘッドおよびこのインクジェットヘッドを用いたプリンタであってもよい。
【0054】
以上、本発明のインクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタについて種々の実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0055】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、インク吐出用の薄膜抵抗体の他に、メニスカス振動用の駆動素子を設けるので、メニスカスの変位する位置に合わせてインク液滴の大きさ(サイズ)を自在に調整することができる。特に、本発明によれば、インク吐出用の駆動素子として薄膜抵抗体を用いるサーマルインクジェット方式において、1つの薄膜抵抗体でメニスカスの振動を励起して、インク液滴を吐出させることが困難であった、インク吐出ノズルの任意のメニスカス位置でのインク吐出を、メニスカスの振動のため薄膜抵抗体の駆動信号とインク吐出用の薄膜抵抗体の駆動信号とを近接させることができ、さらに両駆動信号の一部分を時間的に重ねることもでき、駆動タイミングを自在に設定することができる。
【0056】
従って、本発明によれば、大規模、かつ高集積化が容易なサーマルインクジェットヘッド、特に、トップシュータ方式のサーマルインクジェットヘッドにおいて、高集積化のために小サイズ化されたインク液滴の大きさを一定に揃えることができ、高画質の画像を記録媒体に記録することができる。
また、本発明によれば、任意のサイズのインク液滴を吐出できるので、大規模かつ高集積化されたサーマルインクジェットヘッドにおけるインク吐出ノズル、隔壁およびその駆動素子等の製造バラツキに起因する吐出量バラツキを均一または略均一に調整できるので、サーマルインクジェットヘッドの半導体プロセスの負担を軽減でき、製造歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明のインクジェットプリンタの一実施例の概略の構成を説明する図であり、(b)は、その斜視図である。
【図2】 本発明のインクジェットヘッドの一実施例の概略の断面を示す断面図である。
【図3】 図2に示されるA−A’線から見たインクジェットヘッドの断面図である。
【図4】 本発明のインクジェットヘッドのメニスカスの振動を説明する模式図である。
【図5】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドの一実施例で行うメニスカスの振動に合わせたインクの吐出を説明する模式図である。
【図6】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドの一実施例で行うメニスカスの振動に合わせたインクの吐出を行うための駆動信号を説明するタイムチャートである。
【図7】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドのインク吐出用の薄膜抵抗体とメニスカスの振動用の薄膜抵抗体とに付与する駆動信号の強度を変えてインクの吐出を行う場合のタイムチャートである。
【図8】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドのインク吐出用の薄膜抵抗体とメニスカスの振動用の薄膜抵抗体との駆動信号の幅を変えてインクの吐出を行う場合のタイムチャートである。
【図9】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドのインク吐出用の薄膜抵抗体とメニスカスの振動用の薄膜抵抗体との駆動信号のタイミングを変えてインクの吐出を行う場合のタイムチャートである。
【図10】 本発明のインクジェットヘッドの他の実施例の概略の断面を示す断面図である。
【図11】 (a)〜(f)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドの他の実施例の概略の断面を示す断面図である。
【図12】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドの他の実施例の概略の側面断面図および正面断面図である。
【図13】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドの他の実施例の概略の側面断面図および正面断面図である。
【図14】 (a)および(b)は、それぞれ本発明のインクジェットヘッドの他の実施例の概略の側面断面図および正面断面図である。
【符号の説明】
10 プリンタ
12 記録部
14 供給部
16 プレヒート部
18 排出部
50 記録ヘッド部
52 インクジェットヘッド
54 記録制御部
56 インクタンク
58 記録媒体搬送部
100 Si基板
102,102a,102b,102’a,102’b,202a,202b,202c,202’,302,302’,402,402’,502,502’,602,602’,702,702’,802,802’ 薄膜抵抗体
104,104a,104’a,104b,104’b 薄膜導体電極
106 共通電極
108 ビアホール
110 駆動部
112 隔壁層
112a,112b,212a,212b,212c,312a,312b,412a,412b,512a,5512b,612a,612b,712a,712b,812a,812b 隔壁
114,114a,114b,214a,214b,214c,314,414,514,614,714,814 個別インク通路
115 共通インク通路
116,116a,116b,216a,216b,216c,316,416,516,616,716,816 インク吐出ノズル
117 内表面
118 プレート
120 実装フレーム
121 インク供給路

Claims (14)

  1. インク液滴をインク吐出ノズルから記録媒体に吐出するインクジェットヘッドであって、
    各インク吐出ノズルに対応して設けられ、インクの一部を沸騰させて気泡を発生させ、この気泡の膨張により、前記インク液滴を前記インク吐出ノズルから吐出させる薄膜抵抗体と前記薄膜抵抗体に通電するための薄膜導体電極とが基板面上に形成された第1の駆動素子と、
    前記第1の駆動素子の近傍に形成され、前記第1の駆動素子に対応する前記インク吐出ノズルにおけるインクのメニスカスの位置を振動させる第2の駆動素子と、
    前記インク吐出ノズルにおける前記インクのメニスカスの所望の位置で前記インク液滴を吐出させるように、前記第1の駆動素子に付与する駆動信号と前記第2の駆動素子に付与する駆動信号とを制御する駆動信号制御手段とを有し、
    前記インク吐出ノズルは、そのノズル内表面がノズル開口端に近づくにつれ、親水性から撥水性に連続的に変わることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記駆動信号制御手段は、前記第1の駆動素子に付与する駆動信号と前記第2の駆動素子に付与する駆動信号とのタイミング、強度および幅の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記インク吐出ノズルは、前記基板面上に設けられた隔壁層の上層として設けられたプレートの前記薄膜抵抗体に対向する位置に穿孔され、
    前記インク液滴は、前記インク吐出ノズルから前記インクジェットヘッド基板面に対して略垂直方向に吐出されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記隔壁層によって前記インク吐出ノズルに連通するインク流路が前記基板面上に形成され、このインク流路の流路高さは15μm以下であるとともに、前記インク吐出ノズルのノズル長さは35μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記第2の駆動素子は、前記インクを加熱して一部を沸騰させて気泡を発生させることで、前記インク吐出ノズルにおける前記メニスカスの位置を振動させる薄膜抵抗体とこの薄膜抵抗体に通電するための薄膜導体電極とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 少なくとも前記第2の駆動素子は、さらに、前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体の上層の前記インクと接する表面に、前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体を保護するための保護膜あるいは前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体の表面を自ら酸化して形成された自己酸化被膜を有することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記第1の駆動素子は、さらに、前記第1の駆動素子の前記薄膜抵抗体の上層のインクと接する表面にも、前記第1の駆動素子の前記薄膜抵抗体を保護するための保護膜あるいは前記第1の駆動素子の前記薄膜抵抗体の表面を自ら酸化して形成された自己酸化被膜を有することを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記第2の駆動素子が前記第1の駆動素子に近づく方向と直交する方向の、前記第2の駆動素子の前記薄膜抵抗体の横幅が、前記第1の駆動素子に近づくにつれ、段階的にあるいは連続的に、増大あるいは減少することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記インク吐出ノズル、前記第1の駆動素子および前記第2の駆動素子は、それぞれ複数であり、
    前記第1の駆動素子の各々が、前記インク吐出ノズルと一対一に対応するとともに、前記第2の駆動素子の各々が、前記第1の駆動素子と一対一に対応して形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記第1の駆動素子および前記第2の駆動素子は、一方向に一列に配置されたことを特徴とする請求項9に記載のインクジェットヘッド。
  11. 少なくとも前記インク吐出ノズルおよび前記第1の駆動素子は、それぞれ複数であり、
    前記第1の駆動素子の各々が前記インク吐出ノズルと一対一に対応するとともに、少なくとも2つ以上の前記第1の駆動素子に対して1つの前記第2の駆動素子が形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記第2の駆動素子は、前記第1の駆動素子が形成された同一の前記基板上に形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  13. 前記第2の駆動素子は、他のインク吐出ノズルに対応して設けられた前記第1の駆動素子であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェットヘッドを用いたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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