JP2002264338A - 液体噴射装置、その製造方法、および、インクジェットプリンタ - Google Patents

液体噴射装置、その製造方法、および、インクジェットプリンタ

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JP2002264338A
JP2002264338A JP2001071968A JP2001071968A JP2002264338A JP 2002264338 A JP2002264338 A JP 2002264338A JP 2001071968 A JP2001071968 A JP 2001071968A JP 2001071968 A JP2001071968 A JP 2001071968A JP 2002264338 A JP2002264338 A JP 2002264338A
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liquid
ejecting apparatus
liquid ejecting
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pressure chamber
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JP2001071968A
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Atsushi Komatsu
敦 小松
Yuko Okano
祐幸 岡野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/15Moving nozzle or nozzle plate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、噴射におけるエネルギーの利
用効率が高い液体噴射装置を提供する。 【解決手段】 液体噴射装置は、伸縮素子から成る圧力
室と、その圧力室に液体を導入する液体流路と、その圧
力室の底部を形成する第1の基板と、その第1の基板に
設けられる噴射口とから成り、前記伸縮素子を伸縮さ
せ、これにより前記の圧力室の底部を凹凸に変形し、前
記の圧力室に前記液体流路から液体を導入し、前記の噴
射口から液体を吐出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタ等に利用される液体噴射装置および液体噴射方法
に関する。特に、液体噴射装置に用いられる噴射ヘッ
ド、および、その噴射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、静かで美し
いカラー印刷ができ、しかも低価格なので、家庭向けに
広く普及している。インクジェットプリンタは、インク
ヘッドに並べられたノズルからインクの粒子を吐出さ
せ、そのインク粒子をノズルに対向して位置された用紙
に付着させる。インク粒子を吐出させる方式の1つとし
て、圧電素子を利用した圧電方式がある。以下にその方
式について説明する。
【0003】一般に、圧電方式とは、印加電圧によって
変形する圧電素子によって圧力室(インク室)をへこま
せ、圧力室内の液体(インク)を加圧して、圧力室と連
通する噴射口(ノズル)から液体を吐出させる方式であ
る。圧電方式には、圧電素子のたわみ振動を利用するも
のと、縦振動を利用するものとがある。
【0004】まず、圧電素子のたわみ振動を利用した圧
電方式について説明する。図1は、たわみ振動モードの
圧電素子を用いた液体噴射ユニットの一例である。この
液体噴射ユニット100では、コの字型の流路枠102
の開口面を振動板104で閉じることによって、流路1
06(圧力室)を形成する。さらに、流路枠102に
は、流路106に液体を導入する液体供給口112と、
液体を吐出する噴射口114とが設けられる。振動板1
04には、圧電体108が固着される。さらに、この圧
電体108の両面には、電極110が形成される。
【0005】ここで、電極110つまり圧電体108に
除々に電圧を印加すると、圧電体108は、流路106
の外側に向かって除々に変形し、流路106の体積が拡
大する。これにより、液体供給口112を通して、流路
106に液体が吸引される。その後、印加した電圧を急
激に除去すると、圧電体108は急激に復元され、流路
106の体積が縮小する。これにより、流路106の液
体が急激に加圧され、噴射口114を通して、液体が液
滴116として吐出される。
【0006】次に、圧電素子の縦振動を利用した圧電方
式について説明する。図2は、縦振動モードの圧電素子
を用いた液体噴射ユニットの一例である。図2の液体噴
射ユニット120において、たわみ振動モードの圧電素
子を用いた液体噴射ユニット100と同一の構造には、
図1と同一符号が付されている。この液体噴射ユニット
120には、さらに、圧電体の上方向の伸張を妨げる押
さえ126が取り付けられる。図2において、圧電体1
22は、その先端の面で、振動板104に固着される。
圧電体122の両端には、電極124が形成される。圧
電体122に電圧が印加されると、その圧電体122
は、印加される電圧の方向と平行に収縮または伸張す
る。圧電体122が収縮すると、流路106の体積は拡
大し、たわみ振動モードの圧電体を用いた液体噴射ユニ
ットの場合と同様に、液体供給口112を通じて、流路
106に液体が吸引される。一方、圧電体122が伸張
すると、圧電体流路106の体積が縮小する。ここで、
押さえ126が取り付けられると、圧電体122は、上
方向に伸びることが制限され、代わりに、より下方向
(流路106側)に伸びようとするので、流路106の
体積が効率よく縮小される。そして、たわみ振動モード
の圧電素子を用いた液体噴射ユニットの場合と同様に、
流路106の液体が加圧されて、噴射口114から液体
が液滴116として吐出される。
【0007】例えばインクジェットプリンタにおいて
は、複数個の液体噴射ユニットを並べて、ノズルヘッド
を構成する。印刷時には、各々の噴射口(ノズル)から
インクが吐出されるので、多数の液体噴射ユニットが高
密度で並べられると、高速で高解像度のプリンタが実現
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、たわみ振動モ
ードの圧電素子を用いた液体噴射ユニットは、たわみ振
動を利用するために、圧電素子および振動板において、
ある程度の面積を要する。これは、ユニットにおける噴
射口の高密度配列を困難にする。
【0009】一方、縦振動モードの圧電素子を用いた液
体噴射ユニットは、圧電素子と振動板との接合面積が小
さいので、高密度配列に適している。しかし、そのよう
なユニットの製造では、圧電素子を配列ピッチに一致さ
せて切り分ける工程、および、切り分けられた圧電素子
を圧力室に高精度な位置決めを行って貼り合わせる工程
が必要となり、製造工程が非常に複雑になるという問題
を有する。
【0010】また、例えばインクジェットプリンタにお
いて、噴射口から吐出されるインクの径が広い範囲で変
化でき、さらに、その径を制御できれば、より高品質な
印刷が実現できる。ここで、例えばより小さい液滴を得
るためには、液滴を吐出させるときに、圧力室内の圧力
を急激に高める必要がある。しかし、たわみ振動モード
の圧電素子は印加電圧に対する応答性が悪く、圧電素子
の変形が高周波の電圧波形に追随できない。そこで、従
来のたわみ振動モードの圧電素子を用いた液体噴射ユニ
ットにおいて圧電素子に印加される電圧の周波数領域
は、圧電素子の変位波形が印加する電圧波形にほぼ追随
できるように、完全容量性の領域、すなわち、共振周波
数よりも十分周波数が小さく、G(コンダクタンス)が
0に近い周波数領域に制限される。これは、圧力室内に
おける液体の加圧条件を単調にし、吐出する液滴径を一
様にする。
【0011】さらに、従来の液体噴射ユニットにおいて
は、振動板の変位量が小さい。これも、液体噴射ユニッ
トから吐出される液滴径の変化を小さくする要因であ
る。これを解決する手段として、例えば、たわみ振動モ
ードの圧電素子を用いた液体噴射ユニットにおいて、圧
電素子の両端に対応する部分の振動板を薄くする方法が
考えられる。しかし、この圧電素子の両端に対応する部
分、すなわち、振動板の付け根部分の膜厚を薄くする
と、変位量が大きくなる一方で、強度および耐久性が低
下するという新たな問題が生じる。
【0012】さらに、従来の液体噴射ユニットにおいて
解決されるべき問題は、噴射におけるエネルギーの利用
効率の向上である。従来の液体噴射ユニットは、振動板
と噴射口が離れており、それらの間で、液体供給口が圧
力室に通じている。従って、振動板の変形によって生じ
た圧力が液体供給口に漏洩し、噴射口まで完全に伝わり
難い。つまり、振動板を変形させたエネルギーが、液体
の噴射に有効に利用されていない。
【0013】さらに、液体噴射ユニットにおける他の問
題として、液体導入時などに、圧力室内で気泡が発生す
るという問題がある。この気泡により、噴射口で目詰ま
りが生じる。
【0014】本発明の目的は、噴射口が高密度に配列さ
れた液体噴射装置を提供することである。
【0015】さらに、本発明の他の目的は、液体噴射装
置から噴射される液滴の径が広い範囲で変化できる液体
噴射装置を提供することである。
【0016】さらに、本発明の他の目的は、構造が単純
で、製造がより簡単な液体噴射装置、および、その製造
方法を提供することである。
【0017】さらに、本発明の他の目的は、噴射におけ
るエネルギーの利用効率が改善された液体噴射装置を提
供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の液体
噴射装置は、液体を内部に導入するための液体導入口
と、液体を外部に噴出するための噴射口とを有する圧力
室を備える。圧力室の一部が、伸縮素子からなる内表面
を形成する。また、圧力室の他の一部が、前記の伸縮素
子の伸縮方向に液体を噴出する位置に前記の噴射口を設
けた平板部からなる。
【0019】本発明に係る第2の液体噴射装置は、液体
を内部に導入するための液体導入口を一端に設け、液体
を外部に噴出するための噴射口を前記の一端に対抗する
端部に設けた複数の圧力室を形成した本体と、液体容器
から前記の複数の圧力室の液体導入口まで形成された液
体流路とを備える。各圧力室を形成する基板の内表面の
一部が伸縮素子からなる。また、前記の複数の噴射口
が、本体の一部である1枚の平板部に、前記の伸縮素子
の伸縮方向に液体を噴出する位置に形成される。
【0020】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記の各圧力室の液体導入口の口径が前記の圧力室の断面
より小さい。
【0021】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記伸縮素子が、電圧を印加することによって伸張または
収縮する圧電材料または電歪材料からなる伸縮部を備
え、さらに、この伸縮部に電圧を印加するための2つの
電極が設けられる。
【0022】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記伸縮素子が、前記伸縮部と前記電極が交互に積層され
た積層素子である。
【0023】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記の圧力室に導入される前記の液体が電気絶縁性であ
る。
【0024】前記の液体噴射装置において、例えば、電
圧を印加する2つの電極のうち、少なくとも1つの電極
が前記圧力室の内表面に露出しないように配置される。
【0025】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記圧力室の内表面に電気絶縁膜が形成されている。例え
ば、この電気絶縁膜が防水膜である。
【0026】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記圧力室の断面積が、前記噴射口を形成した平板部との
接合面で拡大している。
【0027】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記噴射口を形成する平板部の少なくとも一面に、凹部を
設ける。例えば、前記凹部が、前記噴射口を形成する平
板部の前記圧力室側の面に設けられている。
【0028】前記の液体噴射装置において、例えば、前
記伸縮素子の周囲の少なくとも一部分に、振動防止阻害
部を設ける。
【0029】本発明に係る液体噴射装置の製造法では、
複数の噴射口が形成された第1の基板と、複数の貫通口
が形成され、少なくとも貫通口の周囲に伸縮素子が形成
された第2の基板と、複数の液体導入口が形成された第
3の基板と、液体流路が形成された第4の基板とを作成
する。次に、1つの前記噴射口、1つの前記貫通口、お
よび、1つの前記液体導入口を、各々、連通することに
よって、1つの前記圧力室を形成し、かつ、前記の複数
の液体導入口を前記液体流路に連通するように、前記の
第1、第2、第3、および、第4の基板を順次積層して
貼り合わせる。
【0030】例えば、前記の伸縮素子は、電圧を印加す
ることによって伸張または収縮する圧電材料または電歪
材料からなる伸縮部と、伸縮部に電圧を印加する導電材
料からなる2つの電極とからなる。
【0031】本発明に係るインクジェットプリンタは、
前記の意の第1または第2の液体噴射装置と、それにイ
ンクを供給するインクタンクとを取り付けたキャリッジ
と、前記キャリッジを駆動するキャリッジ駆動機構と、
前記の液体噴射装置に対向する紙を移動する紙送り機構
と、印字信号に基づいて、前記液体制御装置、前記キャ
リッジ駆動機構および前記紙送り機構を制御する制御部
とからなる。
【0032】好ましくは、前記制御部は、液体噴射装置
の伸縮素子を、前記噴射口を形成する平板部の共振周波
数で駆動する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、添付の図面を参照して、
発明の実施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図3は、本発明による液体噴射ユニ
ット200の断面構造を図式的に示す分解図であり、図
4はその液体噴射ユニット200の図式的な断面図であ
る。液体噴射ユニット200は、基板202、基板20
4、基板206、および、基板208を積層して一体に
貼り合わせた形状を有する。
【0034】基板202は、1つの噴射口201を有す
る平板である。噴射口201の径は、外の方に向かって
減少する。噴射口201の径(口径)は、約15μmか
ら60μmの範囲内であってよい。噴射される液滴径を
小さくしつつ、ノズル詰まりを低減できるという点で、
好ましくは、口径は30μm前後である。基板202
は、例えば、ニッケル基板であり、電鋳によって形成さ
れてもよい。
【0035】基板204は、例えば、サンドブラスト加
工法によって、(圧力室215の一部である)1の貫通
口203が形成された平板である。貫通口203の径
は、約50μmから400μmの範囲内であってよい。
貫通口203の中心の位置は、好ましくは、噴射口20
1に対応する。基板204において、少なくとも貫通口
を形成する内表面は、圧電体から形成される。基板20
4は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧
電体の、厚さ500μmのセラミック基板である。この
基板204の上面および下面において、貫通口203の
上端と下端の周りにそれぞれ電極212が形成される。
さらに、この基板204の内部には、電極212に電源
を供給するための配線が設けられる。電極212に電圧
が印加されると、基板204において、この電極に挟ま
れた圧電体部分が伸縮する。つまり電圧が印加された方
向と平行に振動する。
【0036】基板206は、例えば、セラミック基板で
あり、1の逆流防止口205が貫通された平板である。
逆流防止口205は、上述の基板204の貫通口203
に通じるように位置される。逆流防止口205は、液体
を圧力室内に導入するとともに、圧力室215の圧力の
上昇を助け、かつ、圧力が液体流路207へ漏洩するこ
とを防ぐ。逆流防止口205の径は、貫通口の径より十
分小さくする。この逆流防止口205の径は、約20μ
mから100μmの範囲内であってよい。
【0037】基板208は、液体を圧力室215に導く
液体流路207を形成する。この基板208は、例え
ば、4角形の筒状部とその1開口を閉じる平板部とから
なるステンレス基板であり、筒状部、平板部および上述
の基板206とで液体流路207を形成する。なお、図
示しないが、液体を外部から液体流路207に導入する
ための導入口が備えられる。
【0038】ここで、基板202、基板204および基
板206は、1つの圧力室215を区画する。液体は、
液体流路207から逆流防止口205を通じて圧力室2
15に導入され、圧力室215内で加圧されて、噴射口
201から液滴として外部に吐出される。これらは、基
板204の伸縮および基板202の噴射口201近傍で
の変形によって引き起こされる。
【0039】以下に、液体噴射ユニット200の動作
を、特に、基板202と基板204の動作に注目して述
べる。図5は、液体噴射ユニット200における基板2
02と、1対の電極212を含む基板204との部分的
な断面を図式的に示した図である。ここで、図5の
(1)は、基板202と基板204の定常状態(電極に
電圧が印加されていない状態)を示す。
【0040】まず、図5の(2)に示されるように、電
極212に基板204が伸張する方向に電圧が印加され
ると、基板204の電極212に挟まれた部分(伸縮
部)が伸張し、基板202において対応する部分が変位
して、基板202が、図の下方向に凸型に変形する。こ
れにより、液体流路207から、液面の先端位置が噴射
口201内に引き込まれる。続いて、図5の(3)に示
されるように、今度は、基板204が収縮する方向に電
圧が印加されると、基板204の電極212に挟まれた
部分(伸縮部)が収縮し、基板202において対応する
部分が変位して、基板202が凹型に変形する。これに
より、圧力室215内の圧力が上がり、噴射口201か
ら液滴が噴射される。なお、基板204の電極212に
挟まれた部分(伸縮部)は、一般に、基板202と基板
206の両付近において伸張および収縮するが、基板2
06は、その材料および/または形状により、基板20
4の伸縮に追随せず、基板206の付近において基板2
04の伸縮を制限する。よって、基板204の伸縮は、
効率良く基板202の変形に利用される。
【0041】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態の、複数の噴射口を備える液体噴射装置に
ついて説明する。この液体噴射装置は、上述の液体噴射
ユニット200を同時に多数設けたものに相当する。以
下に、この液体噴射装置について説明する。
【0042】図6は、本実施の形態の液体噴射装置30
0の断面構造を図式的に示す。さらに、図7は、図6の
液体噴射装置の図式的な分解図である。図7に示される
ように、液体噴射装置300は、基板302、基板30
4、基板306、および、基板308を積層して一体に
貼り合わせた形状を有する。基板302、基板304、
基板306、および、基板308は、各々、複数の液体
噴射口301、複数の貫通口303、複数の逆流防止口
305、および、1つの液体流路307を含む。ここ
で、各々1つの液体噴射口301、貫通口303、逆流
防止口305は連通しており、1つの圧力室315とし
て使用される。圧力室は、この例では3行4列の位置に
配列される。1つの圧力室315は、図3、図4に示す
ような1つの液体噴射ユニット200とみなせる。つま
り、本実施の形態の液体噴射装置300は、複数の液体
噴射ユニット200の集合とみなせる。製造の際には、
各基板302、304、306、308は同じ四角形状
であるので、容易に液体噴射口301、貫通口303お
よび逆流防止口305の位置合わせができる。この液体
噴射装置は、その装置を構成する部品数が少ないので、
製造工程が簡単化でき、かつ、製造コストを削減でき
る。
【0043】さらに詳細に説明すると、基板302は、
複数の噴射口301を有する平板である。噴射口301
の径は、外の方に向かって減少する。噴射口301の径
(口径)は、約15μmから60μmの範囲内であって
よい。噴射される液滴径を小さくしつつ、ノズル詰まり
を低減できるという点で、好ましくは、口径は30μm
前後である。基板302は、例えば、ニッケル基板であ
り、電鋳によって形成されてもよい。
【0044】基板304は、例えば、サンドブラスト加
工法によって、複数の貫通口303が形成された平板で
ある。貫通口303の径は、約50μmから400μm
の範囲内であってよい。貫通口303の中心の位置は、
好ましくは、噴射口301に対応する。基板304にお
いて、少なくとも貫通口を形成する内表面は、圧電体か
ら形成される。基板304は、例えば、チタン酸ジルコ
ン酸鉛を主成分とする圧電体の、厚さ500μmのセラ
ミック基板である。この基板304の上面および下面に
おいて、貫通口303の上端と下端の周りにそれぞれ電
極(図示されない)が形成される。さらに、この基板3
04の内部には、電極に電源を供給するための配線が設
けられる。電極に電圧が印加されると、基板304にお
いて、この電極に挟まれた圧電体部分が伸縮する。つま
り電圧が印加された方向と平行に振動する。
【0045】基板306は、例えば、セラミック基板で
あり、複数の逆流防止口305が貫通された平板であ
る。逆流防止口305は、上述の基板304の貫通口3
03に通じるように位置される。逆流防止口305は、
液体を圧力室内に導入するとともに、圧力室315の圧
力の上昇を助け、かつ、圧力が液体流路307へ漏洩す
ることを防ぐ。逆流防止口305の径は、貫通口の径よ
り十分小さくする。この逆流防止口305の径は、約2
0μmから100μmの範囲内であってよい。
【0046】基板308は、液体を圧力室315に導く
液体流路307を形成する。この基板308は、例え
ば、4角形の筒状部とその1開口を閉じる平板部とから
なるステンレス基板であり、筒状部、平板部および上述
の基板306とで液体流路307を形成する。なお、図
示しないが、液体を外部から液体流路307に導入する
ための導入口が備えられる。
【0047】ここで、液体に圧力を与える貫通口303
の口径と、液体を噴射する噴射口301の口径とは、噴
射する液滴の量、噴射スピード、および、噴射周波数等
に応じて、最適化される必要がある。例えば、180d
pi(ドット/インチ)のノズルピッチを実現する場合
には、噴射口301の径を数10μm、貫通口303の
径を約100μmに形成する必要がある。
【0048】液体噴射装置300において、各々の噴射
口301から液滴が吐出される動作は、前述の液体噴射
ユニット200の動作と同様である。この液体噴射装置
300によって、同時に複数の液滴を噴射できる。
【0049】従って、本発明の実施の形態の液体噴射装
置において、基板302における液体噴射口301、基
板304における貫通口303、貫通口303の周囲の
電極、および、基板306における逆流防止口305の
配列密度をできる限り小さくすることで、液体噴射ユニ
ットの配列密度が小さい液体噴射装置を容易に実現でき
る。
【0050】なお、本実施の形態の液体噴射装置におい
て、流路307は全ての液体噴射ユニットに共通する
が、適当に区画されてもよい。例えば、インクジェット
プリンタにおいて、流路を複数の領域に区画し、各々
に、異なる色のインクを導入できる。
【0051】本発明による液体噴射装置において、アク
チュエータとして利用される圧電素子は、たわみ振動を
する屈伸振動素子ではなく、縦振動をする伸縮素子であ
る。よって、この圧電素子は、印加電圧に対する応答性
が良く、その変位は、高周波の電圧信号にも追随でき
る。
【0052】これにより、本実施の形態の液体噴射装置
では、印加する電圧の周波数として、噴射口を形成する
基板の共振領域の周波数が利用できる。共振領域つまり
共振近傍の周波数を利用することにより、伸縮素子の変
位波形は、印加する電圧波形の立ち上がりに追随し、伸
縮素子の変位量、つまり、基板302の変位量が大きく
なる。したがって、噴射におけるエネルギーの利用効率
が改善される。
【0053】以上のことから、本実施の形態の液体噴射
装置は、印加する電圧波形を変化させることにより、噴
射する液滴の径を連続的に変化させることができる。ま
た、液滴変調幅をより大きくできる。例えば、液面の先
端位置を噴射口301内に比較的大きく引き込み、次に
圧力室315内の圧力を急激に高めることにより、噴射
口301からより小さい液滴を噴射できる。また、噴射
口301内に液面を引き込み、圧力室315内の圧力を
比較的長時間、高く保つことにより、噴射口301から
より大きい液滴を噴射できる。
【0054】本実施の形態の液体噴射装置においては、
基板304を伸縮させるために、電極を基板304の上
面および下面に設けている。しかし、その電極に挟まれ
る部分を伸縮させることができれば、電極を基板306
の下面や基板302の上面に設けて、基板304に接合
してもよい。また、電極に電源を供給するための配線
は、基板304の内部に限らず、例えば、基板306の
内部に施されてあってもよい。
【0055】本実施の形態の液体噴射装置において、基
板304として用いられるものは、例えば、チタン酸ジ
ルコン酸鉛を主成分とするセラミック基板である。この
圧電材料の代わりに、例えば、チタン酸バリウムを主成
分とするセラミックなどの電歪材料を用いてもよい。電
歪材料を用いても、同様の効果が得られる。さらに、電
歪材料は、鉛元素を含まないので、環境問題を引き起こ
さないという利点がある。
【0056】本実施の形態の液体噴射装置は、圧力発生
源と噴射口301が近いために、従来のものと比較し
て、エネルギーの利用効率が高い。さらに、この液体噴
射装置は、貫通口303の変形および基板302の変形
という形で、伸縮素子の縦効果と横効果の両効果を圧力
変化に利用でき、このことからも、従来のものと比較し
て、エネルギーの利用効率が高いといえる。
【0057】また、本実施の形態の液体噴射装置は、構
造が非常に簡単である。よって、液体導入時の残留気泡
が低減でき、圧力室315内に気泡が溜まり難い。たと
え気泡が発生しても、噴射口301から容易に排出でき
る。
【0058】(第3の実施の形態)次に、本発明による
第3の実施の形態の液体噴射装置について説明する。図
8は、この液体噴射装置の断面構造を図式的に示す。さ
らに、図9は、図8の液体噴射装置の図式的な分解図で
ある。ここで、第2の実施の形態の液体噴射装置と同様
に構成できる部品については、図6および図7と同一の
符号を付している。図示されるように、この液体噴射装
置は、基板302、基板304、および、基板308を
積層して一体に貼り合わせた形状を有する。
【0059】本実施の形態の液体噴射装置が、第2の実
施の形態の液体噴射装置と異なる点は、逆流防止口30
5を有する基板306を含まない点である。本実施の形
態の液体噴射装置は、前に述べられたように、圧力発生
源と噴射口301が非常に接近しており、噴射における
エネルギー損失が小さい。従って、通常は必要とされる
逆流防止口305を除去できる。また、基板306を含
まなくとも、エネルギーの利用効率を高く維持できる。
【0060】この第3の実施の形態の液体噴射装置は、
構造がさらに簡単である。また、製造歩留まりの向上、
および、製造コストの削減も実現できる。
【0061】なお、本実施の形態の液体噴射装置におい
ても、液体噴射方法として、前述の共振駆動が利用でき
る。共振駆動を利用すると、伸縮素子の変位量は、従来
の噴射方法と比較して5倍以上であった。
【0062】(第4の実施の形態)次に、本発明による
第4の実施の形態の液体噴射装置について説明する。図
10は、この液体噴射装置の断面構造を図式的に示す。
ここで、第2の実施の形態の液体噴射装置と同様に構成
できる部品については、図6と同一符号を付している。
図示されるように、この液体噴射装置は、基板302、
基板304、基板306、および、基板308を積層し
て一体に貼り合わせた形状を有する。
【0063】本実施の形態の液体噴射装置が、第2の実
施の形態の液体噴射装置と異なる点は、まず、基板30
4において、伸縮素子として、圧電材料と内部電極32
0を交互に積層した積層圧電素子を用いた点である。こ
の積層圧電素子は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主
成分とするセラミック基板とパラジウム銀電極が積層さ
れたものであってよい。
【0064】本実施の形態の液体噴射装置において、伸
縮素子として積層素子を用いることによって、伸縮素子
の駆動電圧を低く、かつ、変位量を大きくできる。な
お、この積層素子において、圧電材料の代わりに電歪材
料を利用して、積層電歪素子としてもよい。例えば、チ
タン酸バリウムを主成分とするセラミック基板とニッケ
ル電極が積層されたものであってもよい。電歪材料を用
いても、同様の効果が得られる。さらに、前に述べられ
たように、電歪材料を用いることによって、素子の非鉛
化を容易に実現できる。
【0065】次に、本実施の形態の液体噴射装置が、第
2の実施の形態の液体噴射装置と異なる点は、電気絶縁
性の液体を用いる点である。電気絶縁性の液体を用いれ
ば、圧力室の内表面に露出する内部電極の後処理を行う
必要がないので、この液体噴射装置の製造工程の簡単
化、および、製造コストの削減を実現できる。また、伸
縮素子の構造設計の自由度が増す。
【0066】さらに、本実施の形態の液体噴射装置が、
第2の実施の形態の液体噴射装置と異なる点は、貫通口
303の径が、噴射口301を形成する基板302との
接合面で拡大している点である。この貫通口303の径
の拡大により、基板302の変位量(変形量)を大きく
できる。
【0067】なお、ここでは、基板302との接合面付
近の径だけを拡大しているが、貫通口303の壁面に傾
斜を設けて、基板302に向かって、貫通口303の径
が徐々に大きくなる構造であってもよい。
【0068】また、本実施の形態の液体噴射装置におい
て、逆流防止口305を有する基板306を含まなくて
もよい。この場合には、第3の実施の形態の液体噴射装
置と同様の効果が得られる。
【0069】さらに、本実施の形態においても、液体噴
射方法として、前述の共振駆動が利用できる。
【0070】(第5の実施の形態)次に、本発明による
第5の実施の形態の液体噴射装置について説明する。図
11は、この液体噴射装置の断面構造を図式的に示す。
ここで、第2の実施の形態の液体噴射装置と同様に構成
できる部品については、図6と同一符号を付している。
図示されるように、この液体噴射装置は、基板302、
基板304、基板306、および、基板308を積層し
て一体に貼り合わせた形状を有する。
【0071】本実施の形態の液体噴射装置が、第2の実
施の形態の液体噴射装置と異なる点は、まず、基板30
4において、伸縮素子として、圧電材料と内部電極32
0を交互に積層した積層圧電素子を用いた点である。こ
の積層圧電素子は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主
成分とするセラミック基板とパラジウム銀電極が積層さ
れたものであってよい。
【0072】本実施の形態の液体噴射装置において、伸
縮素子として、積層素子を用いることによって、伸縮素
子の駆動電圧を低く、かつ、変位量を大きくできる。な
お、この積層素子において、圧電材料の代わりに電歪材
料を利用して、積層電歪素子としてもよい。例えば、チ
タン酸バリウムを主成分とするセラミック基板とニッケ
ル電極が積層されたものであってもよい。電歪材料を用
いても、同様の効果が得られる。さらに、前に述べられ
たように、電歪材料を用いることによって、素子の非鉛
化を容易に実現できる。
【0073】次に、本実施の形態の液体噴射装置が、第
2の実施の形態の液体噴射装置と異なる点は、貫通口3
03の壁面に、電気絶縁性保護膜330が形成されてい
る点である。この保護膜は、例えば、二酸化シリコン膜
であってよい。
【0074】本実施の形態の液体噴射装置において、貫
通口303の壁面に保護膜330を設けることにより、
伸縮素子の保護が行える。また、電気絶縁性保護膜33
0により、内部電極が保護される。つまり、貫通口30
3の内表面に露出する内部電極の後処理を行う必要がな
い。従って、この液体噴射装置の製造工程の簡単化、お
よび、製造コストの削減を実現できる。
【0075】さらに、貫通口303の壁面に防水性の保
護膜330を設けることにより、この液体噴射装置は、
保護膜330の防水効果を利用できる。従って、液体の
侵入を完全に防ぐことができ、電極設計の自由度が増す
と同時に、使用する液体の種類および使用する伸縮素子
の材料の種類を自由に選択できる。
【0076】なお、本実施の形態の液体噴射装置におい
て、貫通口303の径を、噴射口301を形成する基板
302との接合面で大きくしてもよい。この場合には、
第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0077】また、逆流防止口305を有する基板30
6を含まなくてもよい。この場合には、第3の実施の形
態と同様の効果が得られる。
【0078】さらに、本実施の形態においても、液体噴
射方法として、前述の共振駆動が利用できる。
【0079】(第6の実施の形態)次に、本発明による
第6の実施の形態について説明する。図12は、この液
体噴射装置の断面構造を図式的に示す。ここで、第2の
実施の形態の液体噴射装置と同様に構成できる部品につ
いては、図6と同一符号を付している。図示されるよう
に、この液体噴射装置は、基板302、基板304、基
板306、および、基板308を積層して一体に貼り合
わせた形状を有する。
【0080】本実施の形態の液体噴射装置が、第2の実
施の形態の液体噴射装置と異なる点は、まず、基板30
4において、伸縮素子として、圧電材料と内部電極32
0を交互に積層した積層圧電素子を用いた点である。こ
の積層圧電素子は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主
成分とするセラミック基板とパラジウム銀電極が積層さ
れたものであってよい。
【0081】本実施の形態の液体噴射装置において、伸
縮素子として、積層素子を用いることによって、伸縮素
子の駆動電圧を低く、かつ、変位量を大きくできる。な
お、この積層素子において、圧電材料の代わりに電歪材
料を利用して、積層電歪素子としてもよい。例えば、チ
タン酸バリウムを主成分とするセラミック基板とニッケ
ル電極が積層されたものであってもよい。電歪材料を用
いても、同様の効果が得られる。さらに、前に述べられ
たように、電歪材料を用いることによって、素子の非鉛
化を容易に実現できる。
【0082】次に、本実施の形態の液体噴射装置が、第
2の実施の形態の液体噴射装置と異なる点は、内部電極
320が圧力室315に露出しない構造を有する点であ
る。
【0083】本実施の形態の液体噴射装置において、内
部電極320が貫通口303に露出しないことにより、
導電性の有無に関係せず、任意の液体を選択できる。ま
た、電気絶縁性の液体を使用する必要、および、保護膜
を形成する必要がないので、この液体噴射装置の製造工
程の簡単化、および、製造コストの削減を実現できる。
【0084】なお、本実施の形態の液体噴射装置におい
て、圧力室の壁面に防水性の電気絶縁性保護膜330を
形成し、その防水効果を利用してもよい。これにより、
使用する液体の種類および使用する伸縮素子の材料の種
類を自由に選択できる。
【0085】さらに、本実施の形態の液体噴射装置が、
第2の実施の形態と異なる点は、基板302に凹部35
0を設けた点である。ここで、凹部350は、基板30
2の少なくとも一面に設けられる。好ましくは、基板3
02の少なくとも圧力室に対向する領域に設けられる。
これにより、基板302の剛性を部分的に低くできるの
で、例えば共振駆動を行う場合などに変位量をより大き
くできる。
【0086】さらに、貫通口303の径を、噴射口30
1を形成する基板302との接合面で大きくしてもよ
い。この場合には、第4の実施の形態と同様の効果が得
られる。
【0087】なお、本実施の形態の液体噴射装置におい
て、逆流防止口305を有する基板306を含まなくて
もよい。この場合には、第3の実施の形態と同様の効果
が得られる。
【0088】また、本実施の形態においても、液体噴射
方法として、前述の共振駆動が利用できる。
【0089】(第7の実施の形態)次に、本発明による
第7の実施の形態の液体噴射装置について説明する。図
13は、この液体噴射装置の断面構造を図式的に示す。
ここで、第2の実施の形態と同様に構成できる部品につ
いては、図6と同一符号を付している。図示されるよう
に、この液体噴射装置は、基板302、基板304、基
板306、および、基板308を積層して一体に貼り合
わせた形状を有する。
【0090】本実施の形態の液体噴射装置が、第2の実
施の形態と異なる点は、まず、基板304において、伸
縮素子として、圧電材料と内部電極320を交互に積層
した積層圧電素子を用いた点である。この積層圧電素子
は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラ
ミック基板とパラジウム銀電極が積層されたものであっ
てよい。
【0091】本実施の形態の液体噴射装置において、伸
縮素子として、積層素子を用いることによって、伸縮素
子の駆動電圧を低く、かつ、変位量を大きくできる。な
お、この積層素子において、圧電材料の代わりに電歪材
料を利用して、積層電歪素子としてもよい。例えば、チ
タン酸バリウムを主成分とするセラミック基板とニッケ
ル電極が積層されたものであってもよい。電歪材料を用
いても、同様の効果が得られる。さらに、前に述べられ
たように、電歪材料を用いることによって、素子の非鉛
化を容易に実現できる。
【0092】次に、本実施の形態の液体噴射装置が、第
2の実施の形態の液体噴射装置と異なる点は、内部電極
320が貫通口303の内表面に露出しない構造を有す
る点である。これにより、導電性の有無に関係せず、任
意の液体を選択できる。また、電気絶縁性の液体を使用
する必要、および、電気絶縁性の保護膜を形成する必要
がないので、この液体噴射装置の製造工程の簡単化、お
よび、製造コストの削減を実現できる。
【0093】なお、本実施の形態の液体噴射装置におい
て、貫通口303の壁面に電気絶縁性保護膜330を形
成し、その防水効果を利用してもよい。これにより、使
用する液体の種類および使用する伸縮素子の材料の種類
を自由に選択できる。
【0094】さらに、本実施の形態の液体噴射装置が、
第2の実施の形態と異なる点は、基板304において、
伸縮素子の周囲に、振動防止阻害手段360としてスリ
ットを設けたことである。このスリットは、例えば、レ
ーザー加工法によって形成されてもよい。
【0095】本実施の形態の液体噴射装置において、ス
リットを設けることにより、伸縮素子が、伸縮しない周
囲の部分と分離される。従って、伸縮素子の伸縮は、周
囲の部分に影響されず、その変位量がさらに大きくな
る。また、そのスリットにより、隣接する他の圧力室3
15への伸縮の影響を抑制できる。
【0096】また、本実施の形態の液体噴射装置におい
て、基板302に凹部350を設けてもよい。この場合
には、第6の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0097】さらに、貫通口303の径を、噴射口30
1を形成する基板302との接合面で大きくしてもよ
い。この場合には、第4の実施の形態と同様の効果が得
られる。
【0098】なお、本実施の形態において、逆流防止口
305を有する基板306を含まなくてもよい。この場
合には、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0099】また、本実施の形態においても、液体噴射
方法として、前述の共振駆動が利用できる。
【0100】前述の第2から第7の実施の形態に示され
た液体噴射装置は、インクジェットプリンタに適用でき
る。図14は、本発明によるいずれかの液体噴射装置を
利用したインクジェットプリンタ500の構成の一例を
示す。このインクジェットプリンタは、液体噴射装置5
02と、液体噴射装置502にインクを供給するインク
タンク504とから成るキャリッジ506、そのキャリ
ッジを駆動するキャリッジ駆動機構508、および、印
刷される紙を移動させる紙送り機構510を含む。さら
に、制御部518において、紙送り制御部516は、印
字信号に基づいて、紙送り機構510を制御して紙を送
り、キャリッジ駆動制御部514は、キャリッジ駆動機
構508を制御して、紙に対向してキャリッジ506の
位置を移動して、液体噴射口の位置を制御する。液体噴
射制御装置512は、液体噴射装置502への印加電圧
を制御して、インクを紙の方に吐出させる。ここで、印
加する電圧の周波数として、噴射口を形成する基板の共
振領域の周波数を利用する。
【0101】このインクジェットプリンタは、液体噴射
装置502を除いて、従来のインクジェットプリンタと
同様の構成を有する。本発明による液体噴射装置502
を用いて、インクを噴射するノズルの配列密度を小さく
できるので、高解像度のプリンタが実現できる。また、
このプリンタは、気泡を排出しやすい単純な構造である
ので、印刷には直接関係ない気泡除去動作等の特別な動
作を必要としない。従って、高速なプリンタが実現でき
る。また、同時に、液滴径が変調できるので、高画質な
印刷が実現できる。
【0102】
【発明の効果】本発明により、縦振動モードの圧電素子
を用いて、構造が単純で、製造がより簡単な液体噴射装
置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 たわみ振動モードの圧電素子を利用した従来
の液体噴射ユニットの図式的な断面図。
【図2】 縦振動モードの圧電素子を利用した従来の液
体噴射ユニットの図式的な断面図。
【図3】 本発明による液体噴射ユニットの図式的な分
解斜視断面図。
【図4】 図3に示された液体噴射ユニットの図式的な
断面図。
【図5】 伸縮素子と噴射口が形成された基板の動作を
説明する図。
【図6】 本発明の第2の実施の形態による液体噴射装
置の図式的な断面斜視図。
【図7】 図6に示された液体噴射装置の図式的な分解
斜視断面図。
【図8】 本発明の第3の実施の形態による液体噴射装
置の図式的な断面斜視図。
【図9】 図8に示された液体噴射装置の図式的な分解
斜視断面図。
【図10】 本発明の第4の実施の形態による液体噴射
装置の図式的な断面斜視図。
【図11】 本発明の第5の実施の形態による液体噴射
装置の図式的な断面斜視図。
【図12】 本発明の第6の実施の形態による液体噴射
装置の図式的な断面斜視図。
【図13】 本発明の第7の実施の形態による液体噴射
装置の図式的な断面斜視図。
【図14】 本発明による液体噴射装置を用いたインク
ジェットプリンタの構成を示すブロック図。
【符号の説明】 200 液体噴射ユニット 300 液体噴射装置 201、301 噴射口 202、302 噴射口形成用基板 203、303 貫通口 204、304 圧力室形成用基板 205、305 逆流防止口 206、306 防止口形成用基板 207、307 液体流路 208、308 流路形成用基板 212 電極 215、315 圧力室 320 内部電極 330 保護膜 350 凹部 360 振動防止阻害手段 500 インクジェットプリンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF51 AG04 AG12 AG38 AG42 AG44 AG48 AG51 AG59 AG60 AH20 AP02 AP16 AP61 BA05 BA14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を内部に導入するための液体導入口
    と、液体を外部に噴出するための噴射口とを有する圧力
    室を備え、 圧力室の一部が、伸縮素子からなる内表面を形成し、 圧力室の他の一部が、前記の伸縮素子の伸縮方向に液体
    を噴出する位置に前記の噴射口を設けた平板部からなる
    液体噴射装置。
  2. 【請求項2】 液体を内部に導入するための液体導入口
    を一端に設け、液体を外部に噴出するための噴射口を前
    記の一端と異なる端部に設けた複数の圧力室を形成した
    本体と、 液体容器から前記の複数の圧力室の液体導入口まで形成
    された液体流路とを備え、 各圧力室を形成する基板の内表面の一部が伸縮素子から
    なり、 前記の複数の噴射口が、本体の一部である1枚の平板部
    に、前記の伸縮素子の伸縮方向に液体を噴出する位置に
    形成される液体噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記の各圧力室の液体導入口の口径が前
    記の圧力室の断面より小さいことを特徴とする請求項2
    に記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記伸縮素子が、電圧を印加することに
    よって伸張または収縮する圧電材料または電歪材料から
    なる伸縮部を備え、さらに、この伸縮部に電圧を印加す
    るための2つの電極が設けられることを特徴とする請求
    項1から3のいずれかに記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記伸縮素子が、前記伸縮部と前記電極
    が交互に積層された積層素子であることを特徴とする請
    求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力室に導入される前記液体が電気
    絶縁性であることを特徴とする請求項5に記載の液体噴
    射装置。
  7. 【請求項7】 電圧を印加する2つの電極のうち、少な
    くとも1つの電極が前記圧力室の内表面に露出しないよ
    うに配置されることを特徴とする請求項4に記載の液体
    噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記圧力室の内表面に電気絶縁膜が形成
    されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記
    載の液体噴射装置。
  9. 【請求項9】 前記電気絶縁膜が防水膜であることを特
    徴とする請求項8に記載の液体噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記圧力室の断面積が、前記噴射口を
    形成した平板部との接合面で拡大していることを特徴と
    する請求項1から9のいずれかに記載の液体噴射装置。
  11. 【請求項11】 前記噴射口を形成する平板部の少なく
    とも一面に、凹部を設けることを特徴とする請求項1か
    ら9のいずれかに記載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】 前記凹部が、前記噴射口を形成する平
    板部の前記圧力室側の面に設けられていることを特徴と
    する請求項11に記載の液体噴射装置。
  13. 【請求項13】 前記伸縮素子の周囲の少なくとも一部
    分に、振動防止阻害部を設けることを特徴とする請求項
    1から12のいずれかに記載の液体噴射装置。
  14. 【請求項14】 複数の噴射口が形成された第1の基板
    と、 複数の貫通口が形成され、少なくとも貫通口の周囲に伸
    縮素子が形成された第2の基板と、 複数の液体導入口が形成された第3の基板と、 液体流路が形成された第4の基板とを作成し、 1つの前記噴射口、1つの前記貫通口、および、1つの
    前記液体導入口を、各々、連通することによって、1つ
    の前記圧力室を形成し、かつ、前記の複数の液体導入口
    を前記液体流路に連通するように、前記の第1、第2、
    第3、および、第4の基板を順次積層して貼り合わせる
    ことを特徴とする液体噴射装置の製造法。
  15. 【請求項15】 前記伸縮素子が、電圧を印加すること
    によって伸張または収縮する圧電材料または電歪材料か
    らなる伸縮部と、伸縮部に電圧を印加する導電材料から
    なる2つの電極とからなることを特徴とする請求項14
    に記載の液体噴射装置の製造法。
  16. 【請求項16】 請求項3に記載された液体噴射装置
    と、それにインクを供給するインクタンクとを取り付け
    たキャリッジと、 前記キャリッジを駆動するキャリッジ駆動機構と、 前記の液体噴射装置に対向する紙を移動する紙送り機構
    と、 印字信号に基づいて、前記液体制御装置、前記キャリッ
    ジ駆動機構および前記紙送り機構を制御する制御部とか
    らなるインクジェットプリンタ。
  17. 【請求項17】 前記制御部は、液体噴射装置の伸縮素
    子を、前記噴射口を形成する平板部の共振周波数で駆動
    することを特徴とする請求項16に記載のインクジェッ
    トプリンタ。
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