JP4928891B2 - 自己拡張型生体内留置用ステント - Google Patents

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Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器などの管腔内に生じた狭窄部もしくは閉塞部の治療に使用する生体内留置用ステントに関する。
ステントは、血管あるいは他の生体内管腔が狭窄若しくは閉塞する事によって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄若しくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するために留置される管状の医療用具である。ステントは、体外から体内に挿入するため、挿入時には直径が小さく、目的の狭窄若しくは閉塞部位で拡張もしくは復元させて直径を大きくし、大きくなった状態にて管腔を保持するものである。ステントは、機能及び拡張様式によって、セルフエクスパンダブルステントとバルーンエクスパンダブルステントに区別される。バルーンエクスパンダブルステントはステント自体に拡張機能はなく、ステントを目的部位に挿入した後、ステント内にバルーンを位置させてバルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的管腔の内面に密着させて固定する。
このタイプのステントでは、上記のようなステントの拡張作業が必要になる。一方、セルフエクスパンダブルステントは基本的に弾性のある素材で作られており、大きさは拡張された最終形状で作られる。セルフエクスパンダブルステントは、ステントを体内に導入するためには、小さく折りたたんで、その形状を拘束する部材(ほとんどの場合はプラスチック製チューブ)の中に入れられ、その部材即ちチューブごと体内に導入し、目的部位でチューブから放出することで、ステントがその弾性により自分自身で拡張する。
セルフエクスパンダブルステントとしては、複数の支柱部を複数のループ部で接続してなる概ジグザグ状のパターンで形成された環状体を互いに接続部で連結して略円筒状に形成した形状のものが主流となっている。
特表2006−501942号公報 特表2000−506753号公報 特表平11−505441号公報 特表2003−512888号公報
上記の特許文献1ないし4のタイプのステントは、血管拡張力としては十分であるが、血管の変形に対する追従性が十分なものではなかった。
本発明の目的は、十分な拡張力を備えるとともに血管の変形に対する良好な追従性を有する自己拡張型の生体内留置用ステントを提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1)超弾性特性を付与可能な金属パイプより、ステントを構成する線状部以外を除去することにより、略円筒形かつ一体に形成された自己拡張型の生体内留置用ステントであって、前記ステントは、軸方向に前記線状部からなる複数の波線状環状体を備え、かつ、前記波線状環状体は、前記ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部および前記ステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、かつ、ステントの軸方向基端側に隣り合う波線状環状体は、前記ステントの軸方向一端側の波線状環状体における前記他端側屈曲部の1つの頂点もしくはその付近に始端を有し、該他端側屈曲部の前記頂点と前記一端側屈曲部の頂点間に終端を有する共有線状部を有し、該共有線状部により、隣り合う波状環状体が一体化しているものであり、かつ、前記ステントは、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる第1パターン共有線状部と、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めにかつ前記第1パターン共有線状部と異なる方向に延びる第2パターン共有線状部を備え、さらに、前記ステントは、生体内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性特性を示すものであり、かつ、前記ステントの前記線状部の各線幅は、100〜170μmであり、線状部の厚さは、180〜230μmであり、さらに、前記ステントは、該ステントの軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重が、10〜20gfである自己拡張型の生体内留置用ステント。
) 前記ステントは、前記共有線状部の前記始端部位が形成する始端分岐部と、前記共有線状部の前記終端部位が形成する終端分岐部とを有するものである()に記載の生体内留置用ステント。
) 前記隣り合う波線状環状体間には、複数の共有線状部を備えている()または()に記載の生体内留置用ステント。
) 前記隣り合う波線状環状体間には、複数の共有線状部を備えており、該複数の共有線状部は、前記ステントの中心軸に対して、向かい合うようにもしくはほぼ等角度となるように形成されている()ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記波線状環状体の前記一端側屈曲部の頂点は、隣り合う一方の波線状環状体の他端側屈曲部間に形成される空間に侵入し、前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入している()ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記第1パターン共有線状部と前記第2パターン共有線状部は、前記ステントの軸方向に対して交互となるように配置されている(1)ないし(5)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記第2パターン共有線状部は、前記第1パターン共有線状部の配置位置に対して、ステントの外周方向にずれた位置に配置されている(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記ステントは、一端が前記波線状環状体の共有線状部の始端または終端に位置し、他端が前記波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部の始端または終端に位置し、かつ一端側屈曲部または/および他端側屈曲部を有する屈曲線状部を備えている()ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
) 前記ステントは、両端に位置する波線状環状体と隣り合う波線状環状体とを接続する連結部を備えている()ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
10) 前記ステントは、両端に位置する波線状環状体と隣り合う波線状環状体間には、他の部分の波線状環状体間より多い前記共有線状部が設けられている()ないし()のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
11) 前記ステントは、該ステントの端部に設けられた造影性マーカーを備え、該造影性マーカー配置部位の端部は、前記ステントの端部より突出していない(1)ないし(10)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
12) 前記ステントは、該ステントの端部に設けられた造影性マーカーを備え、さらに、前記マーカー配置部位より、前記ステントの中央方向に延びかつ離間する2本の脚部を有しており、収縮状態において、該2本の脚部は、離間しかつ近接する線状部とほぼ平行となっている(1)ないし(11)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(13) 前記ステントは、該ステントの軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重が、12〜18gfである(1)ないし(12)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
本発明の生体内留置用ステントは、超弾性特性を付与可能な金属パイプより、ステントを構成する線状部以外を除去することにより、略円筒形かつ一体に形成された自己拡張型生体内留置用ステントであって、該ステントは、生体内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性特性を示すものであり、かつ、前記ステントの前記線状部の各線幅は、100〜170μmであり、線状部の厚さは、180〜230μmであり、さらに、前記ステントは、該ステントの軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重が、10〜20gfとなっている。
このため、十分な拡張力を備えるとともに、軸方向に低荷重にて変形するため、ステントの軸方向の伸び縮みが容易であり、血管の変形に対する良好な追従性を有する。例えば、浅大腿動脈や、膝禍動脈等の下肢動脈などの伸び縮みの激しい血管への埋込に特に好適である。
本発明の実施例の自己拡張型生体内留置用ステントについて図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の自己拡張型生体内留置用ステントの正面図である。図2は、図1に示したステントの展開図である。図3は、図1に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。
本発明の自己拡張型生体内留置用ステント1は、超弾性特性を付与可能な金属パイプより、ステントを構成する線状部以外を除去することにより、略円筒形かつ一体に形成されている。そして、ステント1は、生体内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性特性を示すものであり、かつ、ステント1の線状部の各線幅は、100〜170μmであり、線状部の厚さは、180〜230μmである。
さらに、ステントは、ステントの軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重が、10〜20gfとなっている。言い換えれば、本発明のステントは、10〜20gfの圧縮荷重により、ステントを軸方向に20%圧縮可能となっている。
なお、本発明のステントとしては、12〜14gfの圧縮荷重により、ステントを軸方向に20%圧縮可能であることが好ましい。また、本発明のステントは、10〜20gfの圧縮荷重により、ステントを軸方向に20%以上圧縮可能であることが好ましい。
この実施例の自己拡張型の生体内留置用ステント1は、図1ないし図3に示すように、軸方向に複数の波線状環状体2を備え、波線状環状体2は、ステント1の軸方向の一端側に頂点2aを有する複数の一端側屈曲部およびステント1の軸方向の他端側に頂点2bを有する複数の他端側屈曲部を有し、かつ、ステント1の軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、ステント1の軸方向一端側の波線状環状体2における他端側屈曲部の1つの頂点2bもしくはその付近に始端22を有し、他端側屈曲部の頂点2bと一端側屈曲部の頂点2a間に終端23を有する共有線状部21を有し、共有線状部21により、隣り合う波状環状体が一体化している。
この実施例のステントでは、部分的共有部を有することにより、隣り合う波線状環状体が一体化した複数の環状体からなるものであり、いわゆる接続部としてのみ設けられた部分を備えず、すべてが、拡張力を発揮する部分でありかつ圧縮時に変形可能な部分のみにより構成されているため、低荷重による圧縮が可能なものとなっている。
また、この実施例のステントは、略円筒形状に形成され、生体内挿入時には縮径され、生体内留置時には縮径前の形状に復元可能なステント、いわゆる自己拡張型ステントである図1は、ステント1の拡張時の外観形状を示している。
ステント1を形成する波線状環状体2の数としては、図1に示すものでは、11となっている。波線状環状体2の数としては、ステントの長さによって相違するが、2〜150が好ましく、特に、5〜100が好ましい。
そして、各波線状環状体2は、ステント1の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部およびステント1の軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有するとともに、環状に連続した無端の波線状体により構成されている。環状体2における一端側屈曲部と他端側屈曲部は、交互に形成されており、かつそれぞれの数は同じとなっている。1つの波線状環状体2における一端側屈曲部(他端側屈曲部)の数としては、図1に示すものでは、8つとなっている。一端側屈曲部および他端側屈曲部のそれぞれの数としては、4〜20が好ましく、特に、6〜12が好ましい。そして、この実施例1のステントにおける波線状環状体2を形成する線状体は、常に湾曲しており、直線状部分が極めて少ないものとなっている。このため、環状体2を形成する線状体は十分な長さを有するため、拡張時における高い拡張力を発揮する。また、波線状環状体2の軸方向の長さとしては、1〜10mmが好ましく、特に、1.5〜5mmが好ましい。
そして、ステント1の軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、ステント1の軸方向一端側の波線状環状体2における他端側屈曲部の1つの頂点2bもしくはその付近に始端22を有し、他端側屈曲部の頂点2aと一端側屈曲部の頂点2b間に終端23を有する共有線状部21を有し、共有線状部21により、隣り合う波状環状体が一体化している。
具体的には、図1および図2に示すように、共有線状部21は、ステント1の軸方向一端側の波線状環状体2における他端側屈曲部の1つの頂点2bを始端22とするものであり、始端22と頂点2bは同じものとなっている。また、共有線状部21は、上記の頂点2b(始端22でもある)と連続する一端側屈曲部の頂点2a間に終端23を有する。特に、この実施例では、共有線状部21は、上記の頂点2b(始端22でもある)と連続する一端側屈曲部の頂点2a間のほぼ中点付近に終端を有するものとなっている。なお、この終端23の位置としては、中点に位置することが好ましいが、上記の頂点2b(始端22でもある)と連続する一端側屈曲部の頂点2a間の全長の1/100〜49/100程度いずれかの頂点側となる位置であってもよい。なお、この場合、この終端23の位置としては、中点より、頂点2a側にずれることが好ましい。
ステント1は、上記のような構成を有するため、共有線状部21の始端部位が形成する始端分岐部と、共有線状部21の終端部位が形成する終端分岐部とを有する。具体的には、始端分岐部は、始端22を分岐点として、一端側に向かって二股に分岐する形態となっており、終端分岐部は、終端23を分岐点として、他端側に向かって二股に分岐する形態となっている。
また、この実施例のステント1では、図2に示すように、各波線状環状体2は、共有線状部21の終端23と一端側屈曲部の頂点2a間を連結する短線状部26を有している。また、上記の短線状部26を有する環状体2と共有線状部21により一体化した環状体2は、図2に示すように、共有線状部21の始端22と他端側屈曲部の頂点2b間を連結する短線状部25と、共有線状部21の終端23と他端側屈曲部の他の頂点2b間を連結する長線状部24とを有している。
そして、このステントでは、いわゆる接続部がなく、接続部に起因する湾曲障害および拡張力低下といったことがなく、ステント全体として、均質な拡張保持力を発揮する。
そして、この実施例のステント1では、隣り合う波線状環状体間には、複数の共有線状部21を備えている。具体的には、隣り合う波線状環状体間には、2つの共有線状部21が設けられている。そして、2つの共有線状部21は、ステント1の中心軸に対して、ほぼ向かい合うように形成されている。
また、図2に示すように、波線状環状体2の一端側屈曲部の頂点2aは、隣り合う一方の波線状環状体の他端側屈曲部の頂点2b間に形成される空間に侵入しており、波線状環状体2の他端側屈曲部の頂点2bは、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部の頂点2a間に形成される空間に侵入している。
さらに、この実施例のステント1では、図3に示す収縮状態では、周方向における隙間が殆どなく、各要素が並んでいる。このため、高いカバレッジを持つ。
また、後述する図10ないし図13に示す実施例のステントのように、造影用マーカー11を設けることが好ましい。造影用マーカー11は、ステントの端部側に設けることが好ましい。特に、両端部側にそれぞれ設けることが好ましい。具体的には、ステントの両端側にそれぞれ複数のマーカー11を設けることが好ましい。
このステント1では、隣り合う2つの環状体2は、2つの共有線状部21(第1パターン共有線状部)もしくは2つの共有線状部41(第2パターン共有線状部)により一体化されている。そして、2つの共有線状部21は、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。同様に、2つの共有線状部41も、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。
このステント1では、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41が、ステントの軸方向に対して交互となるように配置されており、かつ、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41が、軸方向に連続しないように配置されている。具体的には、第2パターン共有線状部41は、第1パターン共有線状部21の配置位置に対して、ステントの外周方向にずれた位置に配置されている。
また、ステント1では、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるととともに、両者の向きが異なるものとなっている。
具体的に説明すると、このステント1では、1つの環状体2は、2つの大波部を有しており、2つの大波部は、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。さらに、隣り合う2つの環状体2は、2つの共有線状部により一体化されている。さらに、このステント1では、第1パターン共有線状部21の終端は、線状部24により、他端側屈曲部と連結する形態となっており、同様に、第2のパターン共有線状部41の終端も、線状部24により、他端側屈曲部と連結する形態となっている。この線状部24は、他の線状部より若干長いものとなっている。
また、このステント1では、第1パターン共有線状部21に対して、ステントの軸方向に隣り合う第2パターン共有線状部41は、1つの一端側屈曲部と1つの他端側屈曲部分ずれた位置に設けられている。そして、ステントの軸方向基端側に隣り合う2つの第1パターン共有線状部21および2つの第2パターン共有線状部41は、ステント1の中心軸に対してほぼ等角度に配置された状態となっている。このため、ステントは、全体においてほぼ均一の拡張力を発現可能である。
また、このステント1では、図2に示すように、第1パターン共有線状部21は、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっており、同様に、第2パターン共有線状部41も、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっている。
また、このステント1では、図2に示すように、ステントの軸方向に配置された11の波線状環状体を備えている。そして、第1パターン共有線状部21は、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっており、同様に、第2パターン共有線状部41も、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっている。具体的には、一つおきに隣り合う波線状環状体は、2つの第1パターン共有線状部21より連結されており、それぞれの第1パターン共有線状部21は、ステントの軸方向に螺旋状となるように配置されている。このため、第1パターン共有線状部21による2つの螺旋が形成されている。そして、一つの螺旋は、5つの第1パターン共有線状部21により構成される。また、同様に、一つおきに隣り合う波線状環状体(第1パターン共有線状部21により連結されていない)は、2つの第2パターン共有線状部41により連結されており、それぞれの第2パターン共有線状部41は、ステントの軸方向に螺旋状となるように配置されている。このため、第2パターン共有線状部41による2つの螺旋が形成されている。そして、一つの螺旋は、5つの第2パターン共有線状部41により構成されている。
また、上述したように、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるとともに、両者の向きが異なるものとなっており、特に、両者の向きは、ステントの中心軸に対して、ほぼ対称であることが好ましい。このようにすることにより、ステントは、全体においてほぼ均一の拡張力を発現可能である。
なお、この実施例のステント1では、図2に示すように、波線状環状体2は、第1パターン共有線状部21の終端23と一端側屈曲部の頂点2a間を連結する短線状部26を有している。そして、この波線状環状体と軸方向に隣り合う波線状環状体は、第1パターン共有線状部21の始端22と他端側屈曲部の頂点2b間を連結する短線状部25と、第2パターン共有線状部41の終端41bと一端側屈曲部の頂点間を連結する短線状部47を有している。
そして、このステント1は、図1および図3に示すように、一端が波線状環状体2の共有線状部の始端または終端に位置し、他端が波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部の始端または終端に位置し、かつ一端側屈曲部または/および他端側屈曲部を有する屈曲線状部を備えている。
そして、この実施例のステント1は、上記のような形態を備えることにより、軸方向の伸び縮みに対する抵抗力が小さく、血管の変形に対する追従性が良好なものとなる。
具体的には、この実施例のステント1は、図1および図3に示すように、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置し、他端が上記共有線状部を有する波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の始端41aに位置する屈曲線状部(第1パターン屈曲線状部)28を備えている。また、屈曲線状部28は、複数の屈曲部(具体的には、4つの屈曲部、正確には、2つの一端側屈曲部と2つの他端側屈曲部)を備えている。
また、この実施例のステント1は、図1および図3に示すように、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の終端41bに位置する屈曲線状部29(第2パターン屈曲線状部)を備えている。また、屈曲線状部29は、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備えている。
よって、ステントの一端に位置する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部28および屈曲線状部29を有する。
また、このステント1は、図1および図3に示すように、ステントの一端部においては、屈曲線状部28と屈曲線状部29が、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部28と屈曲線状部29を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部41)の始端41aに位置し、他端が上記共有線状部を有する波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置する屈曲線状部31(第3パターン屈曲線状部)を備え、さらに、一端が波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の終端41bに位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置する屈曲線状部32(第4パターン屈曲線状部)を備えている。よって、上述した屈曲線状部28および屈曲線状部29を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部31および屈曲線状部32を有する。
屈曲線状部31(第3パターン屈曲線状部)は、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備え、屈曲線状部32(第4パターン屈曲線状部)は、複数の屈曲部(具体的には、4つの屈曲部、正確には、2つの一端側屈曲部と2つの他端側屈曲部)を備えている。
また、このステント1は、図1および図3に示すように、上述した屈曲線状部31と屈曲線状部32が、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
そして、上述した屈曲線状部31および屈曲線状部32を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部28および屈曲線状部29を有するものとなっている。上記の波線状環状体より軸方向基端側における波線状環状体では、上記のパターンが繰り返されるものとなっている。
また、ステントとしては、図4ないし6に示すようなパターンのステント10であってもよい。図4は、本発明のステントの他の実施例の正面図である。図5は、図4に示したステントの展開図である。図6は、図4に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。
このステント10と上述したステント1は、基本構成において同じである。なお、このステント10では、各共有線状部21(第1パターン共有線状部)は、ステントの軸方向に対してほぼ直線上に整列した状態となっており、同様に、各共有線状部41(第2パターン共有線状部)も、ステントの軸方向に対してほぼ直線上に整列した状態となっている。
このステント10では、1つの環状体2における一端側屈曲部および他端側屈曲部の数はステント1と同じ(具体的には、それぞれ9)であり、軸方向には、13の環状体が配置されたものとなっている。隣り合う2つの環状体2は、3つの共有線状部21(第1パターン共有線状部)もしくは3つの共有線状部41(第2パターン共有線状部)により一体化されている。そして、3つの共有線状部21は、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度に設けられている。同様に、3つの共有線状部41も、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度に設けられている。
また、ステント10では、共有線状部21(第1パターン共有線状部)と共有線状部41(第2パターン共有線状部)は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるとともに、両者の向きが異なるものとなっている。
具体的に説明すると、このステント10では、第1パターン共有線状部21の終端は、線状部24により、他端側屈曲部(共有線状部ではない)と連結する形態となっており、同様に、第2のパターン共有線状部41の終端も、他の線状部により、他端側屈曲部(共有線状部ではない)と連結する形態となっている。なお、共有線状部と連結する線状部24は、上述したステント1に比べて明確な長線状部となっていない。なお、この線状部24は、他の線状部より若干長い程度である。なお、この線状部24は、長線状部であってもよい。
また、このステント10では、第1パターン共有線状部21に対して、ステントの軸方向に隣り合う第2パターン共有線状部41は、1つの一端側屈曲部と1つの他端側屈曲部分ずれた位置に設けられている。そして、ステントの軸方向に隣り合う2つの第1パターン共有線状部21および2つの第2パターン共有線状部41は、ステント10の中心軸に対してほぼ等角度に配置された状態となっている。このため、ステントは、全体においてほぼ均一の拡張力を発現可能である。
また、このステント10では、図5に示すように、ステントの軸方向に配置された13の波線状環状体を備えている。そして、第1パターン共有線状部21は、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっており、同様に、第2パターン共有線状部41も、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっている。
具体的には、一端側波線状環状体(第1波線状環状体)とこれと隣り合う波線状環状体(第2波線状環状体)は、3つの第1パターン共有線状部21により連結されており、他端側波線状環状体とこれと一端方向に隣り合う波線状環状体は、3つの第2パターン共有線状部41により連結されている。そして、両端部を除く隣り合う波線状環状体は、一端側より、3つの第2パターン共有線状部41により連結された状態が2つ連続し、そして、3つの第1パターン共有線状部21により連結された状態が2つ連続するというパターンが繰り返されるものとなっている。
具体的には、第2波線状環状体と隣り合う波線状環状体(第3波線状環状体)および第3波線状環状体と隣り合う波線状環状体(第4波線状環状体)は、3つの第1パターン共有線状部41により連結されている。そして、第4波線状環状体と隣り合う波線状環状体(第5波線状環状体)および第5波線状環状体と隣り合う波線状環状体(第6波線状環状体)は、3つの第1パターン共有線状部21により連結されている。そして、ステントの基端方向に向かって上記のパターンが繰り返される。
また、このステント10では、軸方向にほぼ直線状に位置する複数(具体的には、3つ)の第1パターン共有線状部21からなる列が、6つ形成された状態となっており、6つの第1パターン共有線状部列は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となっている。同様に、このステント10では、軸方向にほぼ直線状に位置する複数(具体的には、3つ)の第2パターン共有線状部41からなる列が、6つ形成された状態となっており、6つの第2パターン共有線状部列は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となっている。
また、上述したように、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるととともに、両者の向きが異なるものとなっており、特に、両者の向きは、ステントの中心軸に対して、ほぼ対称であることが好ましい。このようにすることにより、ステントは、全体においてほぼ均一の拡張力を発現可能である。
ステントの軸方向での並びで言うと、まず第1パターン共有線状部21が3つ円周方向に均等に存在し、次のステント軸方向では、第2パターン共有線状部41が3つ円周方向に均等に存在する。次のステント軸方向では、第2パターン共有線状部41が3つ円周方向に均等に存在する。
次のステント軸方向では、第1パターン共有線状部21が3つ円周方向に均等に存在する。繰り返すと、21、41,41,21、21、41,41・・・・・・という並び方をしているのが特徴である。
そして、この実施例のステント10は、上記のような形態を備えることにより、軸方向の伸び縮みに対する抵抗力が小さく、血管の変形に対する追従性が良好なものとなる。
また、このステント10は、図4ないし図6に示すように、先端の波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置し、他端が上記共有線状部を有する波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の始端41aに位置する屈曲線状部(第1パターン屈曲線状部)28と、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の終端41bに位置する屈曲線状部29(第2パターン屈曲線状部)を備えている。よって、先端の波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、屈曲線状部28と屈曲線状部29を有する。
この実施例のステント10では、屈曲線状部28は、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備え、屈曲線状部29も、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備えている。そして、屈曲線状部28と屈曲線状部29は、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部28と屈曲線状部29を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部41)の終端41bに位置し、他端が該波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の始端41aに位置する屈曲線状部31(第3パターン屈曲線状部)を備え、さらに、一端が波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の始端41aに位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の終端41bに位置する屈曲線状部32(第4パターン屈曲線状部)を備えている。よって、曲線状部28と屈曲線状部29を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、屈曲線状部31と屈曲線状部32を有する。
屈曲線状部31および屈曲線状部32は、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備えている。
また、このステント10は、図4ないし図6に示すように、上述した屈曲線状部31と屈曲線状部32が、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
そして、上述した屈曲線状部31および屈曲線状部32を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の終端41bに位置し、他端が該波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置する屈曲線状部33(第5パターン屈曲線状部)を備え、さらに、一端が波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の始端41aに位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置する屈曲線状部34(第6パターン屈曲線状部)を備えている。よって、上述した屈曲線状部31および屈曲線状部32を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部33および屈曲線状部34を有する。
屈曲線状部33および屈曲部34は、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備えている。
また、図4ないし図6に示すように、上述した屈曲線状部33と屈曲線状部34が、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
そして、上述した屈曲線状部33および屈曲線状部34を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置し、他端が該波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置する屈曲線状部35(第7パターン屈曲線状部)を備え、さらに、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置する屈曲線状部36(第8パターン屈曲線状部)を備えている。よって、上述した屈曲線状部33および屈曲線状部34を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部35および屈曲線状部36を有する。
屈曲線状部35および屈曲線状部36は、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備えている。また、図4ないし図6に示すように、上述した屈曲線状部35と屈曲線状部36が、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
そして、上述した屈曲線状部35および屈曲線状部36を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述したパターンの屈曲線状部28および屈曲線状部29を有している。
また、ステントとしては、図7ないし図9に示すようなパターンのステント20であってもよい。図7は、本発明のステントの他の実施例の正面図である。図8は、図7に示したステントの展開図である。図9は、図7に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。
このステント20では、1つの環状体2における一端側屈曲部および他端側屈曲部の数は、それぞれ9であり、軸方向には、10の環状体が配置されたものとなっている。隣り合う2つの環状体2は、3つの共有線状部21(第1パターン共有線状部)もしくは3つの共有線状部41(第2パターン共有線状部)により一体化されている。そして、3つの共有線状部21は、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度に設けられている。同様に、3つの共有線状部41も、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度に設けられている。
このステント20では、共有線状部21(第1パターン共有線状部)と共有線状部41(第2パターン共有線状部)が、ステントの軸方向に対して交互となるように配置されており、かつ、共有線状部21(第1パターン共有線状部)と共有線状部41(第2パターン共有線状部)が、軸方向に連続しないように配置されている。具体的には、共有線状部41(第2パターン共有線状部)は、共有線状部21(第1パターン共有線状部)の配置位置に対して、ステントの外周方向にずれた位置に配置されている。また、共有線状部21(第1パターン共有線状部)同士は、ステントの軸方向に対してほぼ直線上に配置されている。同様に、共有線状部41(第2パターン共有線状部)同士も、ステントの軸方向に対してほぼ直線上に配置されている。
また、ステント20では、共有線状部21(第1パターン共有線状部)と共有線状部41(第2パターン共有線状部)は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるととともに、両者の向きが異なるものとなっている。
具体的に説明すると、このステント20では、第1パターン共有線状部21の終端は、線状部24により、他端側屈曲部と連結する形態となっており、同様に、第2のパターン共有線状部41の終端も、線状部24により、他端側屈曲部と連結する形態となっている。なお、この線状部24は、他の線状部より若干長い程度である。なお、この線状部24は、長線状部であってもよい。
また、このステント20では、第1パターン共有線状部21に対して、ステントの軸方向に隣り合う第2パターン共有線状部41は、1つの一端側屈曲部と1つの他端側屈曲部分ずれた位置に設けられている。そして、ステントの軸方向に隣り合う2つの第1パターン共有線状部21および2つの第2パターン共有線状部41は、ステント20の中心軸に対してほぼ等角度に配置された状態となっている。このため、ステントは、全体においてほぼ均一の拡張力を発現可能である。
また、上述したように、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるとともに、両者の向きが異なるものとなっており、特に、両者の向きは、ステントの中心軸に対して、ほぼ対称であることが好ましい。このようにすることにより、ステントは、全体においてほぼ、均一の拡張力を発現可能である。ステントの軸方向での並びで言うと、まず、1パターン共有線状部21が3つ円周方向に均等に存在し、次のステント軸方向では、第2パターン共有線状部41が3つ円周方向に均等に存在する。次のステント軸方向では、第1パターン共有線状部21が3つ円周方向に均等に存在する。
次のステント軸方向では、第2パターン共有線状部41が3つ円周方向に均等に存在する。繰り返すと、21、41,21,41、21、41,21・・・・・・という並び方をしているのが特徴である。
そして、この実施例のステント20は、軸方向の伸び縮みに対する抵抗力が小さく、血管の変形に対する追従性が良好なものとなる。
なお、この実施例のステント20では、図8に示すように、波線状環状体2は、第1パターン共有線状部21の終端23と一端側屈曲部の頂点2a間を連結する短線状部26を有している。そして、この波線状環状体と隣り合う波線状環状体は、第1パターン共有線状部21の始端22と他端側屈曲部の頂点間を連結する短線状部25と、第2パターン共有線状部41の終端41bと一端側屈曲部の頂点間を連結する短線状部47を有している。
そして、このステント20は、上述したステント1と同様に、図7および図8に示すように、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置し、他端が上記共有線状部を有する波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の始端41aに位置する屈曲線状部(第1パターン屈曲線状部)28と、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の終端41bに位置する屈曲線状部29(第2パターン屈曲線状部)を備えている。よって、ステントの一端に位置する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部28および屈曲線状部29を有する。また、屈曲線状部28と屈曲線状部29が、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部28と屈曲線状部29を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部41)の始端41aに位置し、他端が上記共有線状部を有する波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の始端22に位置する屈曲線状部31(第3パターン屈曲線状部)を備え、さらに、一端が波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部41)の終端41bに位置し、他端がこの波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部(第1パターン共有線状部21)の終端23に位置する屈曲線状部32(第4パターン屈曲線状部)を備えている。よって、上述した屈曲線状部28および屈曲線状部29を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部31および屈曲線状部32を有する。そして、上述した屈曲線状部31と屈曲線状部32が、ステントの外周方向に交互となるように配置されている。
また、各屈曲線状部28,29,31,32は、複数の屈曲部(具体的には、一つの一端側屈曲部と一つの他端側屈曲部)を備えている。
そして、上述した屈曲線状部31および屈曲線状部32を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部28および屈曲線状部29を有するものとなっている。
また、ステントとしては、図10および図11に示すような、パターンのステント30であってもよい。図10は、本発明のステントの他の実施例の展開図である。図11は、図10に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。
このステント30と上述したステント1との相違は、両端部に設けられたマーカー、両端部に位置する波線状体に設けられた連結部である。このステント30の形態は、上述したステント1と基本構成は同じであり、相違点を中心に説明する。
このステント30では、1つの環状体2における一端側屈曲部および他端側屈曲部の数はそれぞれ8となっており、軸方向には、11の環状体が配置されたものとなっており、隣り合う2つの環状体2、2つの共有線状部21(第1パターン共有線状部)もしくは2つの共有線状部41(第2パターン共有線状部)により一体化されている。そして、2つの共有線状部21は、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。同様に、2つの共有線状部41も、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。
このステント30では、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41が、ステントの軸方向に対して交互となるように配置されており、かつ、第1パターン共有線状部21と第2パターン共有線状部41が、軸方向に連続しないように配置されている。具体的には、第2パターン共有線状部41は、第1パターン共有線状部21の配置位置に対して、ステントの外周方向にずれた位置に配置されている。
このステント30では、図10および図11に示すように、造影用マーカー11が設けられている。造影用マーカー11は、ステントの端部に設けることが好ましい。特に、両端部にそれぞれ設けることが好ましい。具体的には、図10および図11に示すように、両端部にそれぞれ複数のマーカー11を設けることが好ましい。この実施例のステント30では、ステントの端部に位置する頂点部に形成された開口部27を有し、この開口部27を閉塞するようにマーカー11が固定されている。
マーカーとしては、例えば、ステントに形成された小開口に、この小開口より若干小さい部分と大きい部分を有するX線造影用物質の円盤状部材を配置し両面より押圧して、リベット状に、かしめることにより取り付けられることが好ましい。
なお、造影用マーカーとしては、X線造影用、超音波造影用などどのようなものであってもよい。マーカーとしては、X線造影性物質、超音波造影性物質などの造影性物質により形成される。マーカーの形成材料としては、例えば、金、白金、タングステン、タンタル、イリジウム、パラジウムあるいはそれらの合金、あるいは金−パラジウム合金、白金−イリジウム、NiTiPd、NiTiAu等が好適である。
そして、開口部27の外側端は、図10および図11に示すように、ステントの端部に位置する他の頂点部の外側端と同じ位置となっている。つまり、このステント30では、マーカーが設けられる開口部27の外側端は、ステントの端部に位置する他の頂点部の外側端より突出していない。ステントの端部の位置を揃えることにより、ステントが曲がった状態でも確実に、ステントを押し出すことができる。
また、ステントは、マーカー配置部位より、ステントの中央方向に延びかつ離間する2本の脚部を有している。図11に示すように収縮状態(マウント時)において、これら2本の脚部は、離間しかつ近接する線状部とほぼ平行となっている。
具体的には、このステント30では、マーカーが配置される開口部27を有する屈曲部における開口部27より延びる2本の脚部は、開口部27のステントの内側部位でありかつ所定距離離間した2つの位置を始端として、ステントの内側方向に延びるものとなっている。このため、マーカー形成部(開口部27)付近の形状が安定する。そして、開口部27より延びる2本の脚部の始端部分付近は、離間したものとなっている。このように、開口部27より延びる2本の脚部を離間させることにより、マーカー形成部(開口部27)付近の形状がより安定する。このため、マーカー形成部(開口部27)付近に強い力(ステント押出時)が負荷されても、ステントの変形がない。このため、ステントを確実に押し出すことができる。
特に、このステント30では、開口部27を有する屈曲部における開口部27より延びる2本の脚部は、開口部27における所定距離離間した2つの位置を始端として、ステントの軸方向内側に延びるものとなっている。そして、このステント30では、ステントの両端部に3つの開口部27を有しており、そのうちの2つの開口部27より延びる2本の脚部の端部は、離間したものとなっている。また、残りの一つの開口部より延びる脚部の端部は、近接したものとなっている。
さらに、このステント30では、図10および図11に示すように、両端に位置する波線状環状体2には、この波状環状体2と隣り合う波線状環状体2とを連結する連結部81が設けられている。ステント30では、両端に位置する波線状環状体2とこれと隣り合う波線状環状体2間には、2本の連結部81が設けられている。なお、ステント30では、両端部に位置する2つの波線状環状体間にのみ連結部81が設けられている。そして、2本の連結部81は、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。
そして、図10および図11に示すように、ステント30の一端部(上端部)では、2つの共有線状部21および上述した2本の連結部81が、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度となるように配置されている。同様に、ステント30の他端部(下端部)では、上述した2つの共有線状部41および上述した2本の連結部81が、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度となるように配置されている。
このようにステント30では、ステントの両端部に共有線状部とともに連結部を有するため、ステントの拡張後における両端部の形態安定性が良好なものとなる。なお、上述した実施例のステント30では、ステントの両端部に2つの連結部を有するが、これに限定されるものではなく、1つもしくは3つであってもよい。
そして、この実施例のステント30は、上述したステント1と構造が異なることにより、軸方向の伸び縮みに対する抵抗力が小さく、血管の変形に対する追従性が良好なものとなる。
また、ステントとしては、図12および図13に示すような、パターンのステント40であってもよい。図12は、本発明のステントの他の実施例の展開図である。図13は、図12に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。
このステント40と上述したステント1との相違は、隣り合う環状体を一体化する共有線状部の数、共有線状部の配置形態およびその向き、両端部に設けられたマーカーなどである。
このステント40と上述したステント1とは、基本構成は同じである。
このステント40では、1つの環状体2における一端側屈曲部および他端側屈曲部の数はステント1と同じ(具体的には、それぞれ8)ものとなっており、軸方向には、21個の環状体が配置されたものとなっている。ステント40では、隣り合う2つの環状体2、共有線状部51(第1パターン共有線状部)もしくは共有線状部52(第2パターン共有線状部)により一体化されている。そして、ステント40では、隣り合う2つの環状体2は、少なくとも2つの共有線状部により一体化されている。そして、2つの共有線状部51は、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。同様に、2つの共有線状部52も、ステントの中心軸に対して、向かい合う位置に設けられている。
なお、このステント40では、図12および図13に示すように、両端に位置する波線状環状体2と隣り合う波線状環状体2とは、4つの共有線状部により一体化されている。そして、ステント40の一端部(上端部)では、上述した4つの共有線状部51が、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度となるように配置されている。同様に、ステント40の他端部(下端部)では、上述した4つの共有線状部52が、ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度となるように配置されている。
このようにステント40では、ステントの両端部にのみ、他の部分より多くの共有線状部を有するため、ステントの拡張後における両端部の形態安定性が良好なものとなる。
そして、このステント40では、第1パターン共有線状部51と第2パターン共有線状部52が、ステントの軸方向に対して交互となるように配置されており、かつ、第1パターン共有線状部51と第2パターン共有線状部52が、軸方向に連続しないように配置されている。具体的には、第2パターン共有線状部52は、第1パターン共有線状部51の配置位置に対して、ステントの外周方向にずれた位置に配置されている。
また、ステント40では、第1パターン共有線状部51と第2パターン共有線状部52は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるととともに、両者の向きが異なるものとなっている。
また、このステント40では、ステント40の両端部を除き、第1パターン共有線状部51に対して、ステントの軸方向に隣り合う第2パターン共有線状部52は、1つの一端側屈曲部と1つの他端側屈曲部分ずれた位置に設けられている。そして、ステントの軸方向に隣り合う2つの第1パターン共有線状部51および2つの第2パターン共有線状部52は、ステント40の中心軸に対してほぼ等角度に配置された状態となっている。このため、ステントは、全体においてほぼ均一の拡張力を発現可能である。
また、このステント40では、図12に示すように、第1パターン共有線状部51は、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっており、同様に、第2パターン共有線状部52も、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっている。
また、このステント40では、図12に示すように、ステントの軸方向に配置された21個の波線状環状体を備えている。そして、第1パターン共有線状部51は、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっており、同様に、第2パターン共有線状部52も、ステントの軸方向に対して、螺旋状となるように配置されたものとなっている。具体的には、一つおきに隣り合う波線状環状体は、2つの第1パターン共有線状部51より連結されており、それぞれの第1パターン共有線状部51は、ステントの軸方向に螺旋状となるように配置されている。このため、第1パターン共有線状部51による2つの螺旋が形成されている。また、同様に、一つおきに隣り合う波線状環状体(第1パターン共有線状部51により連結されていない)は、2つの第2パターン共有線状部52により連結されており、それぞれの第2パターン共有線状部52は、ステントの軸方向に螺旋状となるように配置されている。このため、第2パターン共有線状部52による2つの螺旋が形成されている。
また、上述したように、第1パターン共有線状部51と第2パターン共有線状部52は、ステントの軸方向に対して斜めに延びるとともに、両者の向きが異なるものとなっており、特に、両者の向きは、ステントの中心軸に対して、ほぼ対称であることが好ましい。このようにすることにより、ステントは、全体においてほぼ均一の拡張力を発現可能である。
なお、この実施例のステント40では、図12に示すように、波線状環状体2は、第1パターン共有線状部51の終端51bと一端側屈曲部の頂点2a間を連結する短線状部26を有している。そして、この波線状環状体と隣り合う波線状環状体は、第1パターン共有線状部51の始端22と他端側屈曲部の頂点2b間を連結する短線状部25と、第2パターン共有線状部52の終端52bと一端側屈曲部の頂点間を連結する線状部を有している。
このステント40では、図12および図13に示すように、造影用マーカー11が設けられている。造影用マーカー11は、ステントの端部に設けることが好ましい。特に、両端部にそれぞれ設けることが好ましい。具体的には、図12および図13に示すように、両端部にそれぞれ複数のマーカー11を設けることが好ましい。この実施例のステント40では、ステントの端部に位置する頂点部に形成された開口部27を有し、この開口部27を閉塞するようにマーカー11が固定されている。造影マーカーとしては、ステント30において説明したものと同じである。
そして、開口部27の外側端は、図12および図13に示すように、ステント40の端部に位置する他の頂点部の外側端と同じ位置となっている。つまり、このステント40では、マーカーが設けられる開口部27の外側端は、ステントの端部に位置する他の頂点部の外側端より突出していない。ステントの端部の位置を揃えることにより、ステントが曲がった状態でも確実に、ステントを押し出すことができる。
さらに、このステント40では、開口部27を有する屈曲部における開口部27より延びる2本の脚部は、開口部27における所定距離離間した2つの位置を始端として、ステントの軸方向内側方向に延びるものとなっている。このため、マーカー形成部(開口部27)付近の形状が安定する。そして、このステント40では、ステントの両端部に3つの開口部27を有しており、そのうちの1つの開口部27より延びる2本の脚部の端部は、離間したものとなっている。また、他の2つの開口部27より延びる脚部の端部は、近接したものとなっている。
そして、このステント40では、図12に示すように、ステントの一端に位置する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部)51の始端51aに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部51の終端51bに位置する屈曲線状部(第1パターン屈曲線状部)53を備えている。そして、この屈曲線状部53が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、ステントの一端部には、4つの共有線状部51を有しており、これに対応して、ステントの一端に位置する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、4つの屈曲線状部53を備えている。そして、この4つの屈曲線状部53は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。
また、このステント40では、図12に示すように、一端の波線状環状体2の共有線状部51の終端51bと一端の波線状環状体2と隣り合う波線状環状体2の共有線状部52(上記共有線状部と近接する)の終端52bとを直接接続する線状部57(具体的には、短接続部)を備えている。このため、一端の波線状環状体(第1波線状環状体)と一端より三番目の波線状環状体(第3波線状環状体)は、上記の線状部57により接続された状態となっている。また、一端の波線状環状体(第1波線状環状体)および一端より三番目の波線状環状体(第3波線状環状体)は、一端より二番目の波線状環状体(第2波線状環状体)と共有線状部によりそれぞれ接続されている。よって、このステント40では、一端部の拡張保持力が高いものとなっている。
同様に、このステント40では、図12に示すように、他端の波線状環状体2の共有線状部52の終端52bと他端の波線状環状体2と隣り合う波線状環状体2の共有線状部51(上記共有線状部と近接する)の終端51bとを直接接続する線状部58(具体的には、短接続部)を備えている。このため、他端の波線状環状体(他端側第1波線状環状体)と他端より三番目の波線状環状体(他端側第3波線状環状体)は、上記の線状部58により接続された状態となっている。また、他端の波線状環状体(他端側第1波線状環状体)および他端より三番目の波線状環状体(他端側第3波線状環状体)は、他端より二番目の波線状環状体(他端側第2波線状環状体)と共有線状部により接続されている。よって、このステント40では、他端部の拡張保持力が高いものとなっている。
そして、上記の屈曲線状部53を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部52)の終端52bに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部52の始端52aに位置する屈曲線状部54(第2パターン屈曲線状部)を備えている。そして、この屈曲線状部54が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、隣り合う波線状環状体間には、2つの共有線状部52を有しており、これに対応して、上記屈曲線状部53を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、2つの屈曲線状部54を備えている。そして、この2つの屈曲線状部54は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部54を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部51)の始端51aに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部51の終端51bに位置する屈曲線状部55(第3パターン屈曲線状部)を備えている。そして、この屈曲線状部55が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、隣り合う波線状環状体間には、2つの共有線状部51を有しており、これに対応して、上記屈曲線状部54を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、2つの屈曲線状部55を備えている。そして、この2つの屈曲線状部53は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部55を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部54を2つ有するものとなり、このパターンが基端の波線状環状体の一つ先端側の波線状環状体まで繰り返される。
そして、ステント40の基端に位置する波線状環状体2は、基端の波線状環状体の一つ先端側の波線状環状体間に、4つの共有線状部(第2パターン共有線状部52)を備え、そして、一端が基端の波線状環状体の一つ先端側の波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部)52の終端52bに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部52の始端52aに位置する屈曲線状部(第4パターン屈曲線状部)56を備えている。そして、この屈曲線状部56が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、ステントの基端部には、上述のように、4つの共有線状部52を有しており、これに対応して、4つの屈曲線状部56を備えている。そして、この4つの屈曲線状部56は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。
そして、本発明のステントとしては、留置対象部位により異なるが、一般的に、拡張時(非縮径時、復元時)の外径が2.0〜30mm、好ましくは2.5〜20mm、肉厚(線状部の厚さ)は、180〜230μmであり、好ましくは、190〜210μmであり、長さは、10〜150mm、より好ましくは15〜100mmである。特に、血管内留置用ステントの場合には、外径が2.0〜14mm、好ましくは2.5〜12mm、肉厚(線状部の厚さ)は、180〜230μmであり、好ましくは、190〜210μmであり、長さは5〜100mm、より好ましくは10〜80mmである。
そして、開口部27の外側端は、図12および図13に示すように、ステントの端部に位置する他の頂点部の外側端と同じ位置となっている。つまり、このステント40では、マーカーが設けられる開口部27の外側端は、ステントの端部に位置する他の頂点部の外側端より突出していない。ステントの端部の位置を揃えることにより、ステントが曲がった状態でも確実に、ステントを押し出すことができる。
そして、このステント40では、図12に示すように、ステントの一端に位置する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部)51の始端51aに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部51の終端51bに位置する屈曲線状部(第1パターン屈曲線状部)53を備えている。そして、この屈曲線状部53が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、ステントの一端部には、4つの共有線状部51を有しており、これに対応して、ステントの一端に位置する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、4つの屈曲線状部53を備えている。そして、この4つの屈曲線状部53は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部53を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部52)の終端52bに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部52の始端52aに位置する屈曲線状部54(第2パターン屈曲線状部、)を備えている。そして、この屈曲線状部54が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、隣り合う波線状環状体間には、2つの共有線状部52を有しており、これに対応して、上記屈曲線状部53を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、2つの屈曲線状部54を備えている。そして、この2つの屈曲線状部54は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部54を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、一端が波線状環状体2の共有線状部(第1パターン共有線状部51)の始端51aに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部51の終端51bに位置する屈曲線状部55(第3パターン屈曲線状部)を備えている。そして、この屈曲線状部55が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、隣り合う波線状環状体間には、2つの共有線状部51を有しており、これに対応して、上記屈曲線状部54を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、2つの屈曲線状部55を備えている。そして、この2つの屈曲線状部53は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように配置されている。
そして、上記の屈曲線状部55を有する波線状環状体2と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体2は、上述した屈曲線状部54を2つ有するものとなり、このパターンが基端の波線状環状体の一つ先端側の波線状環状体まで繰り返される。
そして、ステント40の基端に位置する波線状環状体2は、基端の波線状環状体の一つ先端側の波線状環状体間に、4つの共有線状部(第2パターン共有線状部52)を備え、そして、一端が基端の波線状環状体の一つ先端側の波線状環状体2の共有線状部(第2パターン共有線状部)52の終端52bに位置し、他端が同じ波線状環状体における他の共有線状部52の始端52aに位置する屈曲線状部(第4パターン屈曲線状部)56を備えている。そして、この屈曲線状部56が、ステントの外周方向に複数配置された形態となっている。特に、このステント40では、ステントの基端部には、上述のように、4つの共有線状部52を有しており、これに対応して、4つの屈曲線状部56を備えている。そして、この4つの屈曲線状部56は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。
そして、本発明のステントとしては、留置対象部位により異なるが、一般的に、拡張時(非縮径時、復元時)の外径が2.0〜30mm、好ましくは2.5〜20mm、肉厚が0.04〜1.0mm、好ましくは0.06〜0.5mmのものであり、長さは、10〜150mm、より好ましくは15〜100mmである。特に、血管内留置用ステントの場合には、外径が2.0〜14mm、好ましくは2.5〜12mm、肉厚が0.04〜0.3mm、好ましくは0.06〜0.22mmのものであり、長さは5〜100mm、より好ましくは10〜80mmである。
そして、上述したすべての実施例のステントは、超弾性特性を付与可能な金属パイプより、ステントを構成する線状部以外を除去することにより、略円筒形かつ一体に形成されている。
超弾性特性を付与可能な金属としては、いわゆる超弾性合金が好適に使用される。特に好ましくは、49〜54原子%NiのTiNi合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTiNi合金である。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,B、Au,Pdなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0%原子で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
また、上記のTi−Ni−X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。そして、使用される超弾性合金の座屈強度(超弾性特性発現時における負荷時の降伏応力)は、5〜200kgf/mm(22℃)、より好ましくは、8〜150kgf/mm、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kgf/mm(22℃)、より好ましくは、5〜130kgf/mmである。ここでいう超弾性とは、使用温度において通常の金属が塑性変形する領域まで変形(曲げ、引張り、圧縮)させても、荷重の解放後、加熱を必要とせずにほぼ元の形状に回復することを意味する。
そして、ステントは、上記の超弾性特性付与可能な金属パイプを用いて、ステント非構成部分を除去(例えば、切削、溶解)することによって作製され、これにより、一体形成物となっている。なお、本発明のステントの形成に用いられる超弾性金属パイプは、不活性ガスまたは真空雰囲気にて溶解しTi−Ni合金などの超弾性合金のインゴットを形成し、このインゴットを機械的に研磨し、続いて、熱間プレスおよび押し出しにより、太径パイプを形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および熱処理工程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径のパイプに細径化し、最終的に表面を化学的または物理的に研磨することにより製造することができる。そして、この超弾性金属パイプによるステント基材の形成は、切削加工(例えば、機械研磨、レーザー切削加工)、放電加工、化学エッチングなどにより行うことができ、さらにそれらの併用により行ってもよい。
そして、上記のように形成されたステントに適宜熱処理を行うことにより、ステントは、生体内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性特性を示すものとなる。また、形成されるステントの線状部の各線幅は、100〜170μmとなっている。線幅は、100〜 140μmが好ましい。また、線状部の厚さ(言い換えれば、金属パイプの肉厚)は、180〜230μmとなっている。線状部の厚さ(言い換えれば、金属パイプの肉厚)は、190〜210μmが好ましい。
そして、上述したすべての実施例において、ステントは、ステントの軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重が、10〜20gfとなっている。言い換えれば、本発明のステントは、10〜20gfの圧縮荷重により、ステントを軸方向に20%圧縮可能となっている。そして、本発明のステントは、12〜18gfの圧縮荷重により、ステントを軸方向に20%圧縮可能であることが好ましい。また、更に、本発明のステントは、12〜14gfの圧縮荷重により、ステントを軸方向に20%以上圧縮可能であることが好ましい。
また、本発明のステントは、内面または外面、さらには両面に生体適合性材料を被覆してもよい。生体適合性材料としては、生体適合性を有する合成樹脂または金属が考えられる。ステントの表面を不活性な金属で被覆する方法としては、電気メッキ法を用いた金メッキ、蒸着法を用いたステンレスメッキ、スパッタ法を用いたシリコンカーバイド、ダイヤモンドライクカーボン、窒化チタンメッキ、金メッキなどが考えられる。また、合成樹脂としては、熱可塑系または熱硬化系の樹脂から選択できるが、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が使用でき、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルあるいはポリウレタン、シリコーン樹脂、また、生体内分解性樹脂(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、両者のコポリマー)である。合成樹脂被膜は、ステントを構成するフレームの湾曲の妨げにならない程度に柔軟であることが好ましい。合成樹脂被膜の肉厚は、3〜300μm、好ましくは、5〜100μmである。
ステントの表面に合成樹脂を薄く被覆する方法としては、例えば、溶融状態または溶液状態の合成樹脂の中に、ステントを挿入して被覆する方法、モノマーを超弾性金属パイプの表面で重合させながら被覆する化学蒸着などがある。極薄な樹脂被覆が要求される場合は、希薄溶液を用いた被覆、または化学蒸着が好適である。さらに、より生体適合性材料を向上させるために、上記樹脂被膜に抗血栓性材料を被覆または固定してもよい。抗血栓性材料として、公知の各種の樹脂を単独または混合して使用することができるが、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)などが好適に使用できる。
また、上述したすべての実施例において、図10ないし図13に示すようなマーカー11を設けることが好ましい。造影用マーカー11は、ステントの端部側に設けることが好ましい。特に、両端部側にそれぞれ設けることが好ましい。具体的には、両端側にそれぞれ複数のマーカー11を設けることが好ましい。マーカーについては、上述した通りである。
次に、本発明のステントの具体的実施例について述べる。
(実施例1)
TiNi合金(51原子%Ni)の合金パイプを冷間加工して、外径約1.9mm、肉厚0.25mm、長さ約100mmの金属パイプを作製した。そして、金属パイプを軸がぶれないようにファスナー機構の付いた回転モーター付治具にセットし、さらにこれを数値制御可能なXテーブル上にセットした。そして、Xテーブルおよび回転モーターをパーソナルコンピュータに接続し、パーソナルコンピュータの出力が、Xテーブルの数値制御コントローラーおよび回転モーターに入力されるものとした。パーソナルコンピュータ内には図面ソフトが記憶されており、ここに図2に示すような構図のステントの展開図面を入力した。このような構成により、パーソナルコンピュータより出力される図面データに基づいて、Xテーブルおよび回転モーターが駆動する。
このようにして金属パイプにレーザーを照射することにより、図2のような展開図を有する形状のステント基材を作製した。
上記金属パイプのレーザー加工条件としては、平均出力5.5W、駆動スピード180mm/分にて行った。そして、上記のステント基材に内面研削加工を行った。
次に、ステント基材内腔に、ステント基材内腔よりやや太い直径の芯金を挿入することによりステント基材を拡径し、芯金を挿入したままステント基材を熱処理して拡径した形状を記憶させた。この拡径熱処理工程により、ステント基材は元の直径よりやや太い(元の直径+1mm前後)形状に成形される。なお、芯金の材質は例えばステンレス等の金属が適当であり、熱処理温度は450℃〜550℃、時間は2分〜30分程度が好適である。続いて、さらにやや太い(拡径後の直径+2mm前後)芯金をステント基材内腔に挿入して拡径し、熱処理を施す。このようにして、ステント基材が目的とする外径に達するまで拡径熱処理を繰り返すことにより、図1に示すようなステント基材を作製する。なお、一つの熱処理工程を経る毎に、必要に応じて化学研磨工程を施しても良い。
目的とする形状に成形したステント基材は、このあと適宜、ブラスト処理、化学研磨工程と電解研磨工程を経て、表面を平滑にし、かつ金属光沢を付与する工程を施した。
このようにして作製したステントは、外径約8mm、全長約45mm、肉厚約200μm、各環状体における線状部の線幅約113μm、環状体の軸方向の長さ約3mm、共有線状部の長さ約1.6mmであった。
このステントは、十分な拡張力を有するとともに、接続部に歪みの集中が生じにくいものであった。
(実施例2)
パーソナルコンピュータに、図5に示すような構図のステントの展開図面を入力した以外は、実施例1と同様に行い、図4に示すようなステント基材を作製した。そして、実施例1と同様に成形したステント基材を適宜、ブラスト処理、化学研磨工程と電解研磨工程を経て、表面を平滑にし、かつ金属光沢を付与する工程を施した。
このようにして作製したステントは、外径約8mm、全長約45mm、肉厚約200μm、各環状体における線状部の線幅約113μm、環状体の軸方向の長さ約3mm、共有線状部の長さ約1.6mmであった。
このステントは、十分な拡張力を有するとともに、接続部に歪みの集中が生じにくいものであった。
(実施例3)
パーソナルコンピュータに、図8に示すような構図のステントの展開図面を入力した以外は、実施例1と同様に行い、図7に示すようなステント基材を作製した。そして、実施例1と同様に成形したステント基材を適宜、ブラスト処理、化学研磨工程と電解研磨工程を経て、表面を平滑にし、かつ金属光沢を付与する工程を施した。
このようにして作製したステントは、外径約8mm、全長約45mm、肉厚約200μm、各環状体における線状部の線幅約113μm、環状体の軸方向の長さ約3mm、共有線状部の長さ約1.6mmであった。
このステントは、十分な拡張力を有するとともに、接続部に歪みの集中が生じにくいものであった。
(実施例4)
パーソナルコンピュータに、図10に示すような構図のステントの展開図面を入力した以外は、実施例1と同様に行い、ステント基材を作製した。そして、実施例1と同様に成形したステント基材を適宜、ブラスト処理、化学研磨工程と電解研磨工程を経て、表面を平滑にし、かつ金属光沢を付与する工程を施した。
このようにして作製したステントは、外径約8mm、全長約45mm、肉厚約200μm、各環状体における線状部の線幅約113μm、環状体の軸方向の長さ約3mm、共有線状部の長さ約1.4mmであった。
このステントは、十分な拡張力を有するとともに、接続部に歪みの集中が生じにくいものであった。
(実施例5)
パーソナルコンピュータに、図12に示すような構図のステントの展開図面を入力した以外は、実施例1と同様に行い、ステント基材を作製した。そして、実施例1と同様に成形したステント基材を適宜、ブラスト処理、化学研磨工程と電解研磨工程を経て、表面を平滑にし、かつ金属光沢を付与する工程を施した。
このようにして作製したステントは、外径約8mm、全長約45mm、肉厚約200μm、各環状体における線状部の線幅約113μm、環状体の軸方向の長さ約3mm、共有線状部の長さ約1.4mmであった。
このステントは、十分な拡張力を有するとともに、接続部に歪みの集中が生じにくいものであった。
(比較例)
パーソナルコンピュータに、図14に示すような構図のステント60の展開図面を入力した以外は、実施例1と同様に行い、ステント基材を作製した。そして、実施例1と同様に成形したステント基材を適宜、ブラスト処理、化学研磨工程と電解研磨工程を経て、表面を平滑にし、かつ金属光沢を付与する工程を施した。
このようにして作製したステントは、外径約8mm、全長約45mm、肉厚約200μm、各環状体62における線状部の線幅約113μm、環状体62の軸方向の長さ2mm、接続部63の長さ約0.2mmであった。
このステントは、十分な拡張力を有するとともに、接続部に歪みの集中が生じにくいものであった。
(実験)
ステントは、体内管腔の様々な部位に植え込まれるが、その場所によって求められる機能が異なる。例えば頚動脈や腎動脈等の場合は、ステントの軸方向の伸びや圧縮に対しては比較的抵抗力があって強い方が良い。その理由は、これらの血管は生体の動きによって伸び縮みが少なく、ステントも伸び縮みの少ない、且つしっかり血管をホールドするタイプの方が良い。また、腸骨動脈も比較的生体の動きによる血管の伸び縮みが少ない場所であって、且つ血管径が比較的大きいため、ステントもしっかり血管をホールドするタイプが良い。また、血管が石灰化していて固い場合は、ラジアルフォース(径方向の耐圧縮力)が必要であり、後述する実験測定結果において、径方向圧縮荷重の高いステントの方が、血管径を拡張維持することが出来て好ましい。
一方、浅大腿動脈や膝禍動脈は、生体の動きによって、血管が大きく伸び縮みし、且つ多くの場合病変が長いため長いステントを植え込む必要がある。求められるステントの機能としては、ステントの軸方向の伸び縮みに対しては比較的抵抗力がなく、軸方向に柔軟な方が良い。そこで、鋭意研究した結果、ほぼ同じステント構造であっても、軸方向の伸び縮みに対する抵抗性(柔軟性)の異なるステントを開発した。
実施例および比較例について、軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重(軸方向圧縮荷重)を測定した。具体的には、外径8mm、長さ45mmの各ステントの両端部を把持し、ステントの有効長を20mmとり、37℃水中において、圧縮スピード5mm/分で圧縮し、ステント有効長が16mmとなった時の力を測定した。その結果は、表1に示す通りであった。
実施例および比較例について、径方向圧縮荷重を測定した。具体的には、水中にて2枚の平板間に各ステントを配置し、平板を押圧し、ステントの外径が4mmとなったときの力を測定した。その結果は、表1に示す通りであった。
(表1)
┌─────┬─────────────┬─────────────┐
│ステント │ 軸方向圧縮荷重(gf) │ 径方向圧縮荷重(gf) │
├─────┼─────────────┼─────────────┤
│実施例1 │ 11.5 │ 70.0 │
├─────┼─────────────┼─────────────┤
│実施例2 │ 18.3 │ 50.5 │
├─────┼─────────────┼─────────────┤
│実施例3 │ 17.3 │ 53.6 │
├─────┼─────────────┼─────────────┤
│実施例4 │ 17.2 │ 63.6 │
├─────┼─────────────┼─────────────┤
│実施例5 │ 13.0 │ 72.5 │
├─────┼─────────────┼─────────────┤
│比較例 │ 124.1 │ 75.0 │
└─────┴─────────────┴─────────────┘
図1は、本発明の実施例のステントの正面図である。 図2は、図1に示したステントの展開図である。 図3は、図1に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。 図4は、本発明の他の実施例のステントの正面図である。 図5は、図4に示したステントの展開図である。 図6は、図4に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。 図7は、本発明の他の実施例のステントの正面図である。 図8は、図7に示したステントの展開図である。 図9は、図7に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。 図10は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図11は、図10に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。 図12は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図13は、図12に示したステントを縮径させた状態のステントの展開図である。 図14は、比較例のステントの展開図である。
符号の説明
1 ステント
2 環状体
21 共有線状部

Claims (13)

  1. 超弾性特性を付与可能な金属パイプより、ステントを構成する線状部以外を除去することにより、略円筒形かつ一体に形成された自己拡張型の生体内留置用ステントであって、
    前記ステントは、軸方向に前記線状部からなる複数の波線状環状体を備え、かつ、前記波線状環状体は、前記ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部および前記ステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、かつ、ステントの軸方向基端側に隣り合う波線状環状体は、前記ステントの軸方向一端側の波線状環状体における前記他端側屈曲部の1つの頂点もしくはその付近に始端を有し、該他端側屈曲部の前記頂点と前記一端側屈曲部の頂点間に終端を有する共有線状部を有し、該共有線状部により、隣り合う波状環状体が一体化しているものであり、かつ、
    前記ステントは、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる第1パターン共有線状部と、前記ステントの中心軸に対して所定角度斜めにかつ前記第1パターン共有線状部と異なる方向に延びる第2パターン共有線状部を備え、さらに、
    前記ステントは、生体内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性特性を示すものであり、かつ、前記ステントの前記線状部の各線幅は、100〜170μmであり、線状部の厚さは、180〜230μmであり、さらに、前記ステントは、該ステントの軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重が、10〜20gfであることを特徴とする自己拡張型の生体内留置用ステント。
  2. 前記ステントは、前記共有線状部の前記始端部位が形成する始端分岐部と、前記共有線状部の前記終端部位が形成する終端分岐部とを有するものである請求項に記載の生体内留置用ステント。
  3. 前記隣り合う波線状環状体間には、複数の共有線状部を備えている請求項1または2に記載の生体内留置用ステント。
  4. 前記隣り合う波線状環状体間には、複数の共有線状部を備えており、該複数の共有線状部は、前記ステントの中心軸に対して、向かい合うようにもしくはほぼ等角度となるように形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  5. 前記波線状環状体の前記一端側屈曲部の頂点は、隣り合う一方の波線状環状体の他端側屈曲部間に形成される空間に侵入し、前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入している請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  6. 前記第1パターン共有線状部と前記第2パターン共有線状部は、前記ステントの軸方向に対して交互となるように配置されている請求項1ないし5のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  7. 前記第2パターン共有線状部は、前記第1パターン共有線状部の配置位置に対して、ステントの外周方向にずれた位置に配置されている請求項1ないし6のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  8. 前記ステントは、一端が前記波線状環状体の共有線状部の始端または終端に位置し、他端が前記波線状環状体と軸方向基端側に隣り合う波線状環状体の共有線状部の始端または終端に位置し、かつ一端側屈曲部または/および他端側屈曲部を有する屈曲線状部を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  9. 前記ステントは、両端に位置する波線状環状体と隣り合う波線状環状体とを接続する連結部を備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  10. 前記ステントは、両端に位置する波線状環状体と隣り合う波線状環状体間には、他の部分の波線状環状体間より多い前記共有線状部が設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  11. 前記ステントは、該ステントの端部に設けられた造影性マーカーを備え、該造影性マーカー配置部位の端部は、前記ステントの端部より突出していない請求項1ないし10のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  12. 前記ステントは、該ステントの端部に設けられた造影性マーカーを備え、さらに、前記マーカー配置部位より、前記ステントの中央方向に延びかつ離間する2本の脚部を有しており、収縮状態において、該2本の脚部は、離間しかつ近接する線状部とほぼ平行となっている請求項1ないし11のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  13. 前記ステントは、該ステントの軸方向長を20%圧縮するための圧縮荷重が、12〜18gfである請求項1ないし12のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
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