JP4846414B2 - 生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具 - Google Patents

生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具 Download PDF

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Description

本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に生じた狭窄部、もしくは閉塞部の改善に使用される生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具に関する。
ステントは、血管あるいは他の生体内管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置する一般的には管状の医療用具である。
ステントは、体外から体内に挿入するため、そのときは直径が小さく、目的の狭窄もしくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくし、かつその管腔をそのままで保持する物である。
ステントとしては、金属線材、あるいは金属管を加工した円筒状のものが一般的である。カテーテルなどに細くした状態で装着され、生体内に挿入され、目的部位で何らかの方法で拡張させ、その管腔内壁に密着、固定することで管腔形状を維持する。ステントは、機能および留置方法によって、セルフエクスパンダブルステントとバルーンエクスパンダブルステントに区別される。バルーンエクスパンダブルステントはステント自体に拡張機能はなく、ステントを目的部位に挿入した後、ステント内にバルーンを位置させてバルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的管腔の内面に密着させて固定する。このタイプのステントでは、上記のようなステントの拡張作業が必要になる。
そして、血管系、特に冠動脈治療に用いられているステントは、バルーンエクスパンドタイプがその大半を占めている。そして、ステントとしては、より多くの症例に対応させるために軸方向に柔軟な構造が求められている。
バルーンエクスパンドタイプステントは、ストラットの形状によりクローズドセルタイプとオープンドセルタイプ2種に大別できる。オープンドセルタイプは、血管に刺激を与えないように血管走行に追随して留置されるという柔軟性という長所を持つ半面で、ストラットが外側にフレアになるという短所を持つ。一方、クローズドセルタイプはフレアにならない長所を持つ反面、血管走行に追随する柔軟性には劣る。双方ともに一長一短があり、適用する血管形状等に応じて使い分けがされる。
オープンドセルタイプのバルーンエクスパンドタイプステントとしては、例えば、特開2002−136601(特許文献1)を本件出願人が提案している。
特開2002−136601
特許文献1のものでも、オープンドセル部分による十分な拡張保持力を備えているが、より高い拡張保持力を有することが望ましい。また、生体器官に対するより高い追従性が望まれている。
本発明の目的は、生体器官に対するより高い追従性および高い拡張保持力を有する生体内留置用ステントおよび生体器官拡張器具を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1)波線状環状体がステントの軸方向に隣り合うよう複数配列されるとともに、隣り合う波線状環状体が接続部により接続されたステントであって、各波線状環状体は、前記ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部および前記ステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、かつ、前記波線状環状体の一端側屈曲部の頂点は、隣り合う一方の波線状環状体の他端側屈曲部間に形成される空間に侵入し、前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入しており、かつ、前記各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっており、かつ、前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点間ではなく、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点より前記ステントの軸方向にずれた位置に設けられている生体内留置用ステント。
(2)前記波線状環状体を形成する線状体は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる複数の直線状線状部と、隣り合う一方の前記直線状線状部の上端と他方の前記直線状線状部の下端とを連結し、かつS字状に湾曲した複数のS字状湾曲部により形成されている上記(1)の生体内留置用ステント。
(3)前記波線状環状体は、他の一端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態の頂点部および他の他端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態の頂点部を有し、上記窪んだ状態の2つの頂点部は近接するとともに非噛合部を形成している上記(1)または(2)に記載の生体内留置用ステント。
(4)前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点よりステントの軸方向にずれかつ近接する部位を接続する短い接続部である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
(5)前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位間を接続するものである上記(1)ないし(4)のいずれかの生体内留置用ステント。
(6)前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点間ではなく、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている前記屈曲部の内側を接続するものである上記(1)ないし(4)のいずれかの生体内留置用ステント。
(7)前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位間を接続する第1の接続部と、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている前記屈曲部の内側を接続する第2の接続部とを有するものである上記(1)ないし(4)のいずれかの生体内留置用ステント。
(8)前記ステントは、前記隣り合う波線状環状体を前記第1の接続部もしくは前記第2の接続部のいずれかにより接続するものでありかつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの軸方向に対して交互となるように設けられている上記(7)の生体内留置用ステント。
(9)前記ステントは、前記隣り合う波線状環状体を複数の前記第1の接続部もしくは複数の前記第2の接続部により接続するものでありかつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの軸方向に向かって交互となるように設けられている上記(7)の生体内留置用ステント。
(10)前記ステントは、前記隣り合う波線状環状体をほぼ向かい合う位置に配置された2つの前記第1の接続部により接続する部分と、前記隣り合う波線状環状体をほぼ向かい合う位置に配置された2つの前記第2の接続部により接続する部分とを有し、かつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの軸方向に対して交互となるように形成されており、かつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度となる位置に配置されている上記(7)の生体内留置用ステント。
(11)前記ステントにおける前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位間を接続する接続部のみにより形成されており、かつ、該接続部が、前記ステントの軸方向に連続しないように形成されている上記(1)ないし(4)のいずれかの生体内留置用ステント。
(12)前記ステントは、該ステントの両端部における隣り合う波線状環状体を複数の接続部により接続するものである上記(1)ないし(11)のいずれかの生体内留置用ステント。
(13)前記波線状環状体を形成する線状体は、常に湾曲しており、実質的に直線状部分を持たないものとなっている上記(1)の生体内留置用ステント。
(14)前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入しており、かつ、前記各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっており、かつ、前記かみあった状態となっている部分の前記ステントの軸方向の長さは、0.2mm以上である上記(1)ないし(13)のいずれかの生体内留置用ステント。
(15)前記ステントは、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能なステントである上記(1)ないし(14)のいずれかの生体内留置用ステント。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(16)チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であって、前記ステントは、上記(1)ないし(15)のいずれかのステントである生体器官拡張器具。
(17)前記バルーンに装着された状態における前記ステントの線状体部分が占める面積は、該ステントの空隙部を含む外周面の面積の60%〜80%である上記(16)の生体器官拡張器具。
(18)前記バルーンに装着された状態における前記ステントの前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入しており、かつ、前記各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっており、かつ、前記かみあった状態となっている部分の前記ステントの軸方向の長さは、0.2mm以上である上記(16)または(17)の生体器官拡張器具。
本発明の生体内留置用ステントは、波線状環状体がステントの軸方向に隣り合うよう複数配列されるとともに、隣り合う波線状環状体が接続されたステントであって、各波線状環状体は、前記ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部および前記ステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、かつ、前記波線状環状体の一端側屈曲部の頂点は、隣り合う一方の波線状環状体の他端側屈曲部間に形成される空間に侵入し、前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入しており、かつ、前記各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、前記ステントの周方向に対して異なる方向に湾曲している。
特に、各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および他端側屈曲部の頂点は、ステントの周方向に湾曲しているため、ストラットが外側にフレアになりにくく、血管走行に追随が良好となる。さらに、各環状体は、波線状環状体により構成されているため、柔軟かつ均一に屈曲しやすく、また、一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、ステントの周方向に対して異なる方向に湾曲しているため、隣り合う環状体の空間に侵入する部分が多くなり、高い拡張保持力を有する。
本発明のステントについて以下の好適実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例のステントの正面図である。図2は、図1のステントの展開図である。図3は、図2の部分拡大図である。図4は、図1に示すステントの製造時の展開図である。図5は、本発明の実施例のステントの拡張時の形態を説明するための説明図である。
本発明のステント1は、波線状環状体2がステント1の軸方向に隣り合うよう複数配列されるとともに、隣り合う波線状環状体2が接続されたステントである。各波線状環状体2は、ステント1の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部21およびステント1の軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部22を有する。波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。そして、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aおよび他端側屈曲部22の頂点22aは、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっている。
ステント1は、略管状体に形成され、生体内への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向外方に広がる力が付与されたときに伸長可能なものであり、いわゆるバルーン拡張型ステントである。
本発明のステント1は、図1および図2に示すように、複数の波線状環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。
ステント1を形成する波線状環状体2の数としては、図1に示すものでは、23となっている。波線状環状体2の数としては、ステントの長さによって相違するが、4〜50が好ましく、特に、10〜35が好ましい。
そして、各波線状環状体2は、ステント1の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部21およびステント1の軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部22を有するとともに、環状に連続した無端の波線状体により構成されている。環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22は、交互に形成されており、かつそれぞれの数は同じとなっている。1つの波線状環状体2における一端側屈曲部21(他端側屈曲部22)の数としては、図1に示すものでは、6つとなっている。一端側屈曲部21(他端側屈曲部22)の数としては、4〜12が好ましく、特に、6〜8が好ましい。そして、この実施例のステント1における波線状環状体2を形成する線状体は、常に湾曲しており、実質的に直線状部分を持たないものとなっている。このため、環状体2を形成する線状体は十分な長さを有するため、拡張時における高い拡張力を発揮する。特に、この実施例のステント1では、環状体2は、頂点21a,22aを結ぶストラット部分は、短いS字状部分と短いS字状部分側に傾斜した長いS字状部分とにより構成されており、各頂点21a,22aは、その2つのS字状部分を連結している。
また、波線状環状体2の軸方向の長さとしては、0.5〜2.0mmが好ましく、特に、0.9〜1.5mmが好ましい。
また、ステント1の両端に位置する波線状環状体2のステントの端部側の屈曲部2a、2bは、他の屈曲部に比べて、広がった状態となっている。このようにすることにより、拡張時における端部の拡張力を高めることができる。
そして、図2および図3に示すように、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。つまり、各波線状環状体2は、ステント1の軸方向に対して、部分的に重なった状態となっている。この部分的に重なる部分(言い換えれば、後述する噛合部)の軸方向の長さは、0.2mm以上であることが好ましい。特に、0.2〜0.8mmが好ましく、さらには、0.3〜0.6mmが好ましい。また、隣り合う波線状環状体の近接する頂点間の軸方向距離(後述するバルーンへの装着時)は、0.2mm以上であることが好ましい。特に、0.2〜0.8mmが好ましく、さらには、0.3〜0.6mmが好ましい。
そして、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aおよび他端側屈曲部22の頂点22aは、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっている。具体的には、隣り合う環状体2の空間に侵入している一端側屈曲部21は、ステント1の周方向(円周方向)に湾曲しており、これと噛合う他端側屈曲部22は、一端側屈曲部2の湾曲方向と反対方向に湾曲している。これにより、両者は、近接する方向に湾曲するものとなる。このように、一端側屈曲部21の頂点21aおよび他端側屈曲部22の頂点22aがかみ合った状態となっているため、拡張時において高い拡張維持力を発揮する。また、血管屈曲部においてはステントが曲がる際頂点同士の衝突が回避され、高い柔軟性を発揮する。
そして、隣り合う波線状環状体2は、短い接続部3により接続されている。この実施例のステント1では、隣り合う波線状環状体2の屈曲部21,22の頂点21a,22aより若干ステントの軸方向側となる位置、言い換えれば、若干ステントの軸方向にずれた位置(さらに、言い換えれば、ステントの一端側もしくは他端側によった位置)に設けられた接続部3を有する。
そのため、拡張時のステント全長の収縮(ショートニング)を軽減することができる。また隣り合う屈曲部の頂点が互いに向かい合うことなく交互に入れ子になっている為、血管屈曲部においてステントが曲がる際、頂点同士が衝突することなくステントが通過し高い柔軟性を発揮する。また、頂点部からずれた位置に接続部を設けているので、拡張の均一性および強度の均衡を保つことができる。頂点同士を接続部にてつないだ場合には、接続部の存在する屈曲部と接続部が存在しない屈曲部において強度の差が生じ、拡張状態が不均一となる可能性があり、ステント全体に強度の強弱分布が生じるおそれがある。
特に、この実施例のステント1では、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位(言い換えれば、お互いに離反する方向に湾曲する部位、さらに言い換えれば、近接する屈曲部の外側部位)に設けられた離反部位接続型接続部(言い換えれば、近接屈曲部外側接続部)31となっている。このように、一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の頂点付近であり、お互いに離反する方向に湾曲する部位に接続部を設けることにより、拡張時における頂点部位の開きを阻害することがない。
さらに、この実施例のステント1では、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部位に設けられた噛合部位接続型接続部32を備えている。噛合部位接続型接続部は、近接する屈曲部の内側を接続するものであり、この噛合部位接続型接続部は、近接屈曲部内側接続部と言い換えることができる。かみ合った状態となっている部位に接続部を設けることにより、マウント時にしっかりとかみこむことでバルーンへの保持力を強化することができ、ステントデリバリー時の脱落を防止することができる。
つまり、この実施例のステント1では、上記の隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位に設けられた第1の接続部(離反部位接続型接続部)31と、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部位に設けられた第2の接続部(噛合部位接続型接続部)32との両者のタイプの接続部を有している。
さらに、ステント1では、第1の接続部(離反部位接続型接続部)31により接続された2つの波線状環状体2からなる隣り合う環状ユニットを、第2の接続部(噛合部位接続型接続部)32により接続した形態となっている。つまり、第1の接続部31および第2の接続部32は、ステント1の軸方向に対して交互となるように形成されている。さらに、この実施例のステント1では、第1の接続部(離反部位接続型接続部)31は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように2つ設けられている。さらに、第1の接続部(離反部位接続型接続部)31は、ステント1の軸方向に対して直線状となるように配置されている。同様に、この実施例のステント1では、第2の接続部(噛合部位接続型接続部)32は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように2つ設けられている。さらに、第2の接続部(噛合部位接続型接続部)32は、ステント1の軸方向に対して連続せずかつ直線状となるように配置されている。そして、2つの第1の接続部31および2つの第2の接続部32は、ステント1の中心軸に対して、それぞれがほぼ等角度となる位置に配置されている。つまり、ステント1では、隣り合う波線状環状体を第1の接続部31もしくは第2の接続部32のいずれかにより接続するものであり、かつ、第1の接続部31および第2の接続部32は、ステントの軸方向に対して交互となるように配置されている。また、このステント1では、隣り合う波線状環状体は、複数の第1の接続部31もしくは複数の第2の接続部32により接続するものであり、かつ、第1の接続部31および第2の接続部32は、ステントの軸方向に向かって交互となるように配置されている。
そして、接続部3は、短くかつステント1の軸方向に対して所定角度斜めとなるように形成されている。このため、ステント全体において、拡張時における拡張維持力に寄与しにくい接続部分の割合が少なく、全体として高い拡張維持力を発揮する。
そして、第1の接続部31と第2の接続部32は、ステント1の軸方向に対して傾斜方向が異なるものとなっている。傾斜方向がすべて同じであると曲がりに対して不利な曲げモード(曲げの方向性)が生じる可能性がある(ある曲げ方向に対しては曲がりやすく、ある曲げ方向に対しては曲がりにくい)。すべての方向における曲げの均一性を保つ為に傾斜方向を異なるものとしている。
また、ステント1は、図1および図2に示した状態より外径の大きい、図4の展開図を有する状態に形成した後、拡張可能なバルーンを有する器具のバルーン上に縮径させることにより装着される。そして、ステント1は、バルーンを拡張することにより、図4の展開図を有する状態よりさらに外径の大きい状態に拡径される。拡径された状態を図5に示す。このように拡径された状態においても、各波線状環状体は、基本骨格を維持するとともに、各屈曲部は、隣り合う環状体の空隙に侵入した状態を維持する。また、環状体を構成する波線要素は、変形するものの波線状態を維持する。さらに、この実施例のステント1では、隣り合う環状体における各頂点がステント1の中心軸に対して直線状に位置せず、ずれた状態となっている。さらに、それぞれの開口部の形状がほぼ同じでありかつほぼ同じ面積となる。よって、この実施例のステント1は、拡張時において上記のような形態を持つため、高い拡張維持力を発揮する。さらに、各屈曲部は、ステントの拡張後においても、ステントの周方向に若干屈曲した形態が残るため、頂点部位が、外側にフレアしにくい。
また、ステント1の両端に位置する波線状環状体2のステントの端部側の屈曲部2a、2bは、図6および図7に示すようなものとしてもよい。図6は、本発明のステントの他の実施例の展開図であり、図7は、図6に示すステントの製造時の展開図である。この実施例のステント10では、上述したステント1に比べて、ステント10の両端に位置する波線状環状体2のステントの端部側の屈曲部27、28は、広がった状態となっている。このようにすることにより、拡張時における端部の拡張力を高めることができる。
また、ステント1の両端に位置する波線状環状体2と隣り合う波線状環状体2とは多くの接続部により接続してもよい。図8は、本発明の他の実施例のステントの展開図であり、図9は、図8に示すステントの製造時の展開図である。この実施例のステント20では、ステント20の一端の波線状環状体27とこの環状体27と隣り合う環状体2は、すべての離反部位(近接屈曲部の外側部位)において、第1の接続部(離反部位接続型接続部、近接屈曲部外側接続部)31により接続されている。よって、これら2つの環状体間には、6つの接続部31が設けられている。なお、接続部としては、噛合部位接続型接続部であってもよい。同様に、ステント20の他端の波線状環状体28とこの環状体28と隣り合う環状体2は、すべての離反部位(近接屈曲部の外側部位)において、第1の接続部(離反部位接続型接続部)31により接続されている。よって、これら2つの環状体間には、6つの接続部31が設けられている。なお、接続部としては、噛合部位接続型接続部であってもよい。
全周接続することにより、小さなユニット(周方向6個)を形成し、端部の強度を強くすることができる。ステントの脱落防止およびバルーンのドッグボーン(バルーンを拡張する際に、ステントの両端部が初めに拡張し始める現象)を防ぐことができる。ステントが均等に拡張することで血管に与えるダメージを最小限に抑えることができる。
また、ステントとしては、図10ないし図12に示すようなステント30であってもよい。図10は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。図11は、図10の部分拡大図である。図12は、図10に示すステントの製造時の展開図である。
このステント30と上述したステント1との相違は、接続部3の形態のみである。このステント30では、図10ないし図12に示すように、隣り合う波線状環状体2は、離反部位接続型接続部(近接屈曲部外側接続部)31により接続されている。そして、隣り合う波線状環状体2は、1つの離反部位接続型接続部31により接続されている。さらに、接続部31は、連続することなく直線状となるように2列配置されており、接続部が形成する2つ列は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うものとなっている。具体的には、接続部31は、ステントの軸方向に隣り合う環状体2を一つおきに接続するように設けられており、かつ、接続部は、直線状となるように配置された第1の列を形成する。さらに、ステント30は、上記の第1の列の接続部が接続しない環状体間を接続する接続部31を備えており、この接続部もステントの軸方向に隣り合う環状体2を一つおきに接続するものとなり、この接続部は、直線状となるように配置された第2の列を形成する。そして、これら接続部が形成する2つ列は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うものとなっている。また、接続部31は、ステントの軸方向にみると、第1の列の接続部31と、第2の列の接続部31は、交互に配置された状態となっている。
このようにすることにより、ある曲げ方向に対しては曲がりやすく、ある曲げ方向に対しては曲がりにくいといった、曲がりの不均一性が形成されることなく、すべての方向における曲げの均一性を保つことが可能となる。
また、ステントとしては、図13および図14に示すようなステント40であってもよい。図13は、本発明のステントの他の実施例の展開図であり、図14は、図13に示すステントの製造時の展開図である。
このステント40と上述したステント1との相違は、波線状環状体2の数、1つの波線状環状体2における一端側屈曲部および他端側屈曲部の数、接続部3の形態のみである。このステント40では、環状体2の数がステント1より多い(具体的には、それぞれ30)ものとなっている。また、1つの環状体2における一端側屈曲部および他端側屈曲部の数もステント1より多い(具体的には、それぞれ8)ものとなっている。
そして、このステント40では、図12および図13に示すように、隣り合う波線状環状体2は、すべて離反部位接続型接続部(近接屈曲部の外側部位)31により接続されている。なお、噛合部位接続型接続部、もしくはそれらの混合であってもよい。そして、隣り合う波線状環状体2は、複数、具体的には、2つの離反部位接続型接続部31により接続されている。さらに、同じ環状体を接続する2つの接続部31は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うものとなっている。さらに、接続部31は、連続することなくかつ直線状となるように配置されている。具体的には、接続部31は、ステントの軸方向に隣り合う環状体2を一つおきに接続するように設けられており、かつ、接続部は、直線状となるように配置された第1の列を形成する。さらに、ステント40は、この第1の列と同様に配置された接続部を持ちかつ、ステントの中心軸に対して向かい合う位置に配置された第2の列を有する。さらに、ステント40は、上記の第1の列および第2の列の接続部が接続しない環状体間を接続する接続部を備えており、この接続部もステントの軸方向に隣り合う環状体2を一つおきに接続するものとなり、かつ、接続部は、直線状となるように配置された第3の列を形成する。さらに、ステント40は、この第3の列と同様に配置された接続部を持ちかつ、ステントの中心軸に対して向かい合う位置に配置された第4の列を有する。そして、これら接続部が形成する4つ列は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。また、接続部31は、ステントの軸方向にみると、第1の列および第2の列の接続部31と、第3の列の接続部および第4の列の接続部は、交互に配置された状態となっている。
このようにすることにより、曲がりの均一性を有するものとなる。また、屈曲部の数を多くすることにより、隣り合う環状体をつなぐ接続部間の波の距離が長くなり高い柔軟性を発揮する。
また、ステントとしては、図15および図16に示すようなステント50であってもよい。図15は、本発明のステントの他の実施例の展開図であり、図16は、図15に示すステントの製造時の展開図である。
このステント50と上述したステント1との相違は、接続部3の配置形態のみである。このステント50では、図15および図16に示すように、隣り合う波線状環状体2は、すべて離反部位接続型接続部(近接屈曲部の外側部位)31により接続されている。なお、噛合部位接続型接続部、もしくはそれらの混合であってもよい。具体的には、隣り合う波線状環状体2は、3つの離反部位接続型接続部31により接続されている。さらに、接続部31は、ステントの軸方向に連続することなく、かつ、直線状(言い換えれば、破線状)となるように6列配置されており、接続部が形成する6つ列は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。
具体的には、接続部31は、ステントの軸方向に隣り合う環状体2を一つおきに接続するように設けられており、かつ、接続部は、直線状となるように配置された第1の列を形成する。さらに、ステント50は、この第1の列と同様に配置された接続部を持ちかつ、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置された第2の列および第3の列を有する。さらに、ステント50は、上記の第1の列、第2の列および第3の列の接続部が接続しない環状体間を接続する接続を備えており、この接続部もステントの軸方向に隣り合う環状体2を一つおきに接続するものであり、直線状となるように配置され、第4の列を形成する。さらに、ステント50は、この第4の列と同様に配置された接続部を持ちかつ、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置された第5の列および第6の列を有する。そして、これら接続部が形成する6つ列は、ステントの中心軸に対してほぼ等角度となるように配置されている。また、接続部31は、ステントの軸方向にみると、第1の列、第2の列および第3の接続部31と、第4の列、第5の列および第6の列の接続部31は、交互に配置された状態となっている。
このようにすることにより、拡張時により均一性を保つことができる。隣り合う波との間にフリーな部分が少ない分、拡張時に自由な拡張は妨げられ、結果として均一な拡張状態を得ることができる。それにより、拡張力の均一性、薬剤をコーティングした際には血管への薬剤分布の均一性を保つことが可能となる。
本発明の他の実施例のステントについて説明する。
図20は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。図21は、図20に示すステントの製造時の展開図である。
この実施例のステント60は、波線状環状体2がステント60の軸方向に隣り合うよう複数配列されるとともに、隣り合う波線状環状体2が接続されたステントである。各波線状環状体2は、ステント60の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部21およびステント60の軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部22を有する。波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。そして、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、潰れた形状となっており、一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、かみ合った状態となっている。
ステント60の基本構成は、上述したステント1と同じである。相違点のみ説明する。
ステント60は、図20および図21に示すように、複数の波線状環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。
ステント60では、17個の波線状環状体2が直線状に配列されている。
そして、ステント60では、波線状環状体2は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる複数の直線状線状部61と、隣り合う一方の直線状線状部61の上端と他方の直線状線状部61の下端とを連結し、かつS字状に湾曲した複数のS字状湾曲部63により形成されている。特に、この実施例のステント60の環状体2では、頂点21a,22aを結ぶストラット部分は、直線状線状部61とS字状湾曲部63とにより構成されており、各頂点21a,22aは、直線状線状部61とS字状湾曲部63により連結されている。また、ステント60の両端に位置する波線状環状体2のステントの端部側の屈曲部2a、2bは、他の屈曲部とほぼ同じ形状となっている。なお、ステント1のように、ステント60の両端に位置する波線状環状体2のステントの端部側の屈曲部2a、2bは、広がった状態としてもよい。
そして、このステント60においても、ステント1と同様に、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。つまり、各波線状環状体2は、ステント60の軸方向に対して、部分的に重なった状態となっている。
そして、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、潰れた形状となっているとともに、両者は、かみ合った状態となっている。
そして、隣り合う波線状環状体2は、短い接続部3により接続されている。この実施例のステント60では、隣り合う波線状環状体2の屈曲部21,22の頂点21a,22a間に、接続部3が設けられている。具体的には、隣り合う波線状環状体2の屈曲部21の頂点21aと屈曲部22の頂点22aとの中間部付近に、接続部3が設けられている。言い換えれば、接続部3は、屈曲部21,22の頂点21a,22aではなく、頂点より若干ステントの軸方向にずれた位置(さらに、言い換えれば、ステントの一端側もしくは他端側によった位置)に設けられている。
特に、この実施例のステント60では、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位(言い換えれば、直線状線状部61)に設けられた直線状線状部接続型接続部31となっている。
さらに、この実施例のステント60では、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aがかみ合った状態となっている部位に設けられた噛合部位接続型接続部32を備えている。噛合部位接続型接続部32は、噛合部内側接続部と言い換えることができ、上記の直線状線状部接続型接続部31は、噛合部外側接続部と言い換えることができる。
この実施例のステント60では、直線状線状部接続型接続部(噛合部外側接続部)31と噛合部位接続型接続部(噛合部内側接続部)32の2つのタイプの接続部を有し、それらが軸方向に交互に配置された形態となっている。このように、異なる形状の接続部が交互に配置されているため、拡張保持力が向上する。
ステント60では、ステント1と同様に、第1の接続部(直線状線状部接続型接続部)31により接続された2つの波線状環状体2からなる隣り合う環状ユニットを、第2の接続部(噛合部位接続型接続部)32により接続した形態となっている。つまり、第1の接続部31および第2の接続部32は、ステント60の軸方向に対して交互となるように形成されている。さらに、この実施例のステント60では、第1の接続部(離反部位接続型接続部)31は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように2つ設けられている。さらに、第1の接続部31は、ステント60の軸方向に対して直線状となるように配置されている。同様に、この実施例のステント60では、第2の接続部32は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように2つ設けられている。さらに、第2の接続部32は、ステント60の軸方向に対して連続せずかつ直線状となるように配置されている。そして、2つの第1の接続部31および2つの第2の接続部32は、ステント60の中心軸に対して、それぞれがほぼ等角度となる位置に配置されている。
そして、接続部3は、短くかつステント60の軸方向に対して所定角度斜めとなるように形成されている。このため、ステント全体において、拡張時における拡張維持力に寄与しにくい接続部分の割合が少なく、全体として高い拡張維持力を発揮する。
さらに、ステント60では、図20および図21に示すように、波線状環状体は、幅の太い線状体で形成された波線状環状体62aと、幅の細い線状体で形成された波線状環状体62bを備えている。さらに、幅の太い線状体で形成された波線状環状体62aと、幅の細い線状体で形成された波線状環状体62bとは、交互となるように配置されている。波線状環状体62bを形成する線状部の幅は、波線状環状体62aの線状部の幅の1/3〜2/3程度であることが好ましい。このように一つおきの波線状環状体62bの線状部の幅を細いものとすることにより、拡張可能なバルーンを有する器具のバルーン上へのステントの縮径装着が、容易となるとともに、装着時の外径を小さいものとすることができる。
なお、ステント60としては、奇数個の波線状環状体により構成し、かつ、奇数番目の波線状環状体62aは、それを形成する線状部の幅が太く、偶数番目の波線状環状体62bは、それを形成する線状部の幅が細いものとすることが好ましい。このようにすることにより、ステント60の両端部に位置する波線状環状体62aは、線状部の幅が太いものとなり、ステント60の両端部は、十分な拡張保持力を有する。
また、上述したステント1と同様に、ステント60は、図20に示した状態より外径の大きい、図21の展開図を有する状態に形成した後、拡張可能なバルーンを有する器具のバルーン上に縮径させることにより装着される。そして、ステント60は、バルーンを拡張することにより、図21の展開図を有する状態よりさらに外径の大きい状態に拡径される。
また、ステントの形態としては、図22および図23に示すようなものであってもよい。
図22は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。図23は、図22に示すステントの製造時の展開図である。
ステント70の基本構成は、上述したステント1およびステント60と同じである。ステント60との相違点は、すべての波線状環状体2を形成する線状体の幅がほぼ同じ幅となっている点および第2の接続部32付近の形状である。
ステント70では、図22および図23に示すように、複数の波線状環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。そして、このステント70においても、ステント1と同様に、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。つまり、各波線状環状体2は、ステント70の軸方向に対して、部分的に重なった状態となっている。
また、このステント70においても、ステント60と同様に、波線状環状体2の一つの波は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる直線状線状部61とこの直線状線状部61の上端と連結し、かつS字状に湾曲したS字状湾曲部63により形成されている。そして、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、潰れた形状となっているとともに、両者は、かみ合った状態となっている。
この実施例のステント70では、上述したステント60と同様に、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位(言い換えれば、直線状線状部61)に設けられた直線状線状部接続型接続部31を備えている。この実施例のステント70では、上述したステント60に比べ、直線状線状部接続型接続部31は、幅が広いものとなっている。このため、直線状線状部接続型接続部31は、直線状線状部一体化部でもある。
さらに、このステント70では、偶数番目の波線状環状体2の他端側屈曲部22の1つの頂点部72は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態となっている。そして、上記他の頂点部より窪んだ状態の頂点部72に近接する奇数番目の波線状環状体2の一端側屈曲部21の1つの頂点部71は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態となっている。よって、頂点部71と頂点部72の近接部では、波線状環状体の屈曲部は、ステント70の軸方向に対して、重なるものの重なりの浅い低噛合部となっている。
そして、この実施例のステント70では、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点71,72がかみ合った状態となっている低噛合部位に設けられた低噛合部位接続型接続部32を備えている。低噛合部位接続型接続部32は、低噛合部内側接続部と言い換えることができ、上記の直線状線状部接続型接続部31は、噛合部外側接続部と言い換えることができる。この実施例のステント70では、低噛合部位接続型接続部32は、低噛合部位一体化部でもある。
この実施例のステント70では、直線状線状部接続型接続部(噛合部外側接続部)31と低噛合部位接続型接続部(低噛合部内側接続部)32の2つのタイプの接続部を有し、それらが軸方向に交互に配置された形態となっている。このように、異なる形状の接続部が交互に配置されているため、拡張保持力が向上する。
また、接続部3は、ステント1およびステント60と同様に、隣り合う波線状環状体2の屈曲部21の頂点と屈曲部22の頂点との中間部付近に、設けられている。言い換えれば、接続部3は、屈曲部21,22の頂点ではなく、頂点より若干ステントの軸方向にずれた位置(さらに、言い換えれば、ステントの一端側もしくは他端側によった位置)に設けられている。
このステント70においても、ステント1と同様に、第1の接続部(直線状線状部接続型接続部)31により接続された2つの波線状環状体2からなる隣り合う環状ユニットを、第2の接続部(低噛合部位接続型接続部)32により接続した形態となっている。
そして、このステント70では、第1の接続部(離反部位接続型接続部)31は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように2つ設けられている。さらに、第1の接続部31は、ステント70の軸方向に対して直線状となるように配置されている。同様に、この実施例のステント70では、第2の接続部(低噛合部位接続型接続部)32は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように2つ設けられている。さらに、第2の接続部32は、ステント70の軸方向に対して連続せずかつ直線状となるように配置されている。そして、2つの第1の接続部31および2つの第2の接続部32は、ステント70の中心軸に対して、それぞれがほぼ等角度となる位置に配置されている。
また、ステントの形態としては、図24および図25に示すようなものであってもよい。
図24は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。図25は、図24に示すステントの製造時の展開図である。
ステント80の基本構成は、上述したステント1およびステント70と同じである。ステント70との相違点は、接続部付近の形状である。
ステント80では、図24および図25に示すように、複数の波線状環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。 また、このステント80においても、ステント60と同様に、波線状環状体2の一つの波は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる直線状線状部61とこの直線状線状部61の上端と連結し、かつS字状に湾曲したS字状湾曲部63により形成されている。そして、このステント80においても、ステント1と同様に、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。つまり、各波線状環状体2は、ステント80の軸方向に対して、部分的に重なった状態となっている。
そして、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、潰れた形状となっているとともに、両者は、かみ合った状態となっている。
この実施例のステント80では、波線状環状体2の他端側屈曲部22の1つの頂点部72は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態となっている。そして、上記他の頂点部より窪んだ状態の頂点部72に近接する波線状環状体2の一端側屈曲部21の1つの頂点部71は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態となっている。よって、頂点部71と頂点部72の近接部では、波線状環状体の屈曲部は、ステント80の軸方向に対して、重なるものの重なりの浅い低噛合部となっている。
そして、この実施例のステント80では、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点71,72がかみ合った状態となっている低噛合部位に設けられた低噛合部位接続型接続部32となっている。このステント80では、接続部3はすべて低噛合部位接続型接続部32となっている。
そして、このステント80では、接続部32は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うように2つ設けられている。さらに、接続部32は、ステント80の軸方向に対して螺旋状となるように配置されている。この実施例のステント80では、低噛合部位接続型接続部32は、低噛合部位一体化部でもある。
また、ステントの形態としては、図26および図27に示すようなものであってもよい。
図26は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。図27は、図26に示すステントの製造時の展開図である。
ステント90の基本構成は、上述したステント1およびステント60と同じである。ステント60との相違点は、すべての波線状環状体2を形成する線状体の幅がほぼ同じ幅となっている点および接続部31,32付近の形状である。
ステント90では、図26および図27に示すように、複数の波線状環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。そして、このステント90においても、ステント1と同様に、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。つまり、各波線状環状体2は、ステント90の軸方向に対して、部分的に重なった状態となっている。
また、このステント90においても、ステント60と同様に、波線状環状体2の一つの波は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる直線状線状部61とこの直線状線状部61の上端と連結し、かつS字状に湾曲したS字状湾曲部63により形成されている。そして、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、潰れた形状となっているとともに、両者は、かみ合った状態となっている。
この実施例のステント90では、上述したステント60と同様に、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位(言い換えれば、直線状線状部61)に設けられた直線状線状部接続型接続部31を備えている。この実施例のステント90では、上述したステント60に比べ、直線状線状部接続型接続部31は、幅が広いものとなっている。このため、直線状線状部接続型接続部31は、直線状線状部一体化部でもある。
さらに、この実施例のステント90では、上述したステント60と同様に、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aがかみ合った状態となっている部位に設けられた噛合部位接続型接続部32を備えている。噛合部位接続型接続部32は、噛合部内側接続部と言い換えることができ、上記の直線状線状部接続型接続部31は、噛合部外側接続部と言い換えることができる。この実施例のステント90では、上述したステント60に比べ、噛合部位接続型接続部32は、幅が広いものとなっている。噛合部位接続型接続部32は、噛合部位一体化部でもある。
この実施例のステント90では、上述したステント60と同様に、直線状線状部接続型接続部(噛合部外側接続部)31と噛合部位接続型接続部(噛合部内側接続部)32の2つのタイプの接続部を有し、それらが軸方向に交互に配置された形態となっている。このように、異なる形状の接続部が交互に配置されているため、拡張保持力が向上する。
また、ステントの形態としては、図28および図29に示すようなものであってもよい。
図28は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。図29は、図28に示すステントの製造時の展開図である。
ステント120の基本構成は、上述したステント1およびステント90と同じである。ステント90との相違点は、波線状環状体2の形状である。
ステント120では、図28および図29に示すように、複数の波線状環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。そして、このステント120においても、ステント1と同様に、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。そして、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、潰れた形状となっており、一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、かみ合った状態となっている。しかし、このステント120では、すべての頂点部が、噛み合った状態とはなっていない。また、噛み合いの浅い、低噛合部も備えている。
このステント120では、ステント120の端部に位置する一端側屈曲部21を除く、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の複数の頂点21aのうち2つの頂点部71は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部21aより窪んだ状態(言い換えれば、軸方向に短い)となっている。また、ステント120の端部に位置する他端側屈曲部22を除く、各波線状環状体2の他端側屈曲部22の複数の頂点22aのうち2つの頂点部の頂点部72は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部22aより窪んだ状態(言い換えれば、軸方向に短い)となっている。そして、奇数番目(ステント120の軸方向順)の波線状環状体2の他の頂点部より窪んだ状態の頂点部72と、偶数番目の波線状環状体2の他の頂点部より窪んだ状態の頂点部71とは、近接している。しかし、両者は、近接するものの噛み合う状態とはなっていない。つまり、奇数番目の波線状環状体2と偶数番目の波線状環状体2間には、複数(具体的には、4つ)の屈曲部の頂点部の噛合部と、2つの近接部(非噛合部)が形成されている。また、2つの頂点部72は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うものとなっている。また、2つの頂点部71は、ステントの中心軸に対してほぼ向かい合うものとなっている。
また、偶数番目(ステント120の軸方向順)の波線状環状体2の他の頂点部より窪んだ状態の頂点部72は、奇数番目の波線状環状体2の窪んだ状態となっていない普通の頂点部21aと近接している。この頂点部72と頂点部21aの近接部では、波線状環状体の屈曲部は、ステント120の軸方向に対して、重なるものの重なりの浅い低噛合部となっている。つまり、偶数番目の波線状環状体2と奇数番目の波線状環状体2間には、複数(具体的には、4つ)の屈曲部の頂点部の噛合部と、2つの低噛合部が形成されている。
この実施例のステント120では、上述したステント60と同様に、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aが近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位(言い換えれば、直線状線状部61)に設けられた直線状線状部接続型接続部31を備えている。この実施例のステント120では、上述したステント60に比べ、直線状線状部接続型接続部31は、幅が広いものとなっている。このため、直線状線状部接続型接続部31は、直線状線状部一体化部でもある。
さらに、この実施例のステント120では、上述したステント60と同様に、接続部3は、隣り合う波線状環状体2における一端側屈曲部21と他端側屈曲部22の両者の頂点21a,22aがかみ合った状態となっている部位に設けられた噛合部位接続型接続部32を備えている。噛合部位接続型接続部32は、噛合部内側接続部と言い換えることができ、上記の直線状線状部接続型接続部31は、噛合部外側接続部と言い換えることができる。この実施例のステント120では、上述したステント60に比べ、噛合部位接続型接続部32は、幅が広いものとなっている。このため、噛合部位接続型接続部32は、噛合部位一体化部でもある。
そして、このステント120では、すべての直線状線状部接続型接続部31は、上述した非噛合部および低噛合部ではなく、噛合部外側を接続(一体化)するものとなっている。また、このステント120では、すべての噛合部位接続型接続部32は、上述した非噛合部および低噛合部ではなく、噛合部内側を接続(一体化)するものとなっている。
この実施例のステント120では、上述したステント60と同様に、直線状線状部接続型接続部(噛合部外側接続部)31と噛合部位接続型接続部(噛合部内側接続部)32の2つのタイプの接続部を有し、それらが軸方向に交互に配置された形態となっている。このように、異なる形状の接続部が交互に配置されているため、拡張保持力が向上する。
また、ステントの形態としては、図30および図31に示すようなものであってもよい。
図30は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。図31は、図30に示すステントの製造時の展開図である。
ステント130の基本構成は、上述したステント1およびステント90と同じである。ステント90との相違点は、波線状環状体2の形状である。
ステント130では、図30および図31に示すように、複数の波線状環状体2を軸方向に隣り合うように配列するとともに、それぞれを接続した形態となっている。そして、このステント130においても、ステント1と同様に、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入している。そして、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、潰れた形状となっており、一端側屈曲部21の頂点部21aおよび他端側屈曲部22の頂点部22aは、かみ合った状態となっている。しかし、このステント130では、すべての頂点部が、噛み合った状態とはなっていない。噛み合わない非噛合部を備えている。
このステント130では、図30および図31に示すように、1つの波線状環状体2は、8つの一端側屈曲部21および8つの他端側屈曲部22を持っている。このステント130では、ステント130の端部に位置する一端側屈曲部21を除く、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の複数の頂点21aのうち一つおき(4つ)の頂点部71は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部21aより窪んだ状態(言い換えれば、軸方向に短い)となっている。また、ステント130の端部に位置する他端側屈曲部22を除く、各波線状環状体2の他端側屈曲部22の複数の頂点22aのうち一つおき(4つ)の頂点部の頂点部72は、同じ波線状環状体2における他の他端側屈曲部の頂点部22aより窪んだ状態(言い換えれば、軸方向に短い)となっている。そして、波線状環状体2の他の頂点部より窪んだ状態の頂点部72と、波線状環状体2の他の頂点部より窪んだ状態の頂点部71とは、近接している。しかし、両者は、近接するものの噛み合う状態とはなっていない。つまり、波線状環状体2は、複数(具体的には、4つ)の屈曲部の頂点部の噛合部と、4つの近接部(非噛合部)を持っている。また、4つの頂点部71は、ステント130の中心軸に対して、それぞれがほぼ等角度となる位置に配置されている。また、4つの頂点部72は、ステント130の中心軸に対して、それぞれがほぼ等角度となる位置に配置されている。
この実施例のステント130では、波線状環状体2の他の頂点部より窪んだ状態の頂点部71と波線状環状体2の他の頂点より窪んだ頂点部72とを接合する近接部接続型接続部31を備えている。この実施例のステント130では、近接部接続型接続部31は、近接部一体化部でもある。接続部31は、頂点部71と頂点部72とをそれらの頂点において一体化している。
この実施例のステント130の波線状環状体2では、噛合部と近接部(非噛合部)が交互に配置された形態となっている。このため、このステント130では、拡張可能なバルーンを有する器具のバルーン上へのステントの縮径装着が、容易となるるとともに、装着時の外径を小さいものとすることができる。また。このステント130では、ステント拡張時における軸方向長の短縮が少ない。
そして、上述したすべての実施例におけるステントは、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能なステント、いわゆるバルーン拡張型ステントであることが好ましい。
バルーン拡張型ステントの形成材料としては、ある程度の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもしくはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ニオブ合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好適である。
さらに、ステント1の最終形状を作製したのち、焼なましすることが好ましい。焼きなましを行うことにより、ステント全体の柔軟性および可塑性が向上し、屈曲した血管内での留置性が良好となる。焼きなましを行わない場合に比べて、ステントを拡張した後の拡張前形状に復元しようとする力、特に、屈曲した血管部位で拡張したときに発現する直線状に復帰しようとする力が減少し、屈曲した血管内壁に与える物理的な刺激が減少し、再狭窄の要因を減少させることができる。焼きなましは、ステント表面に酸化被膜が形成されないように、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素と水素の混合ガス)にて、900〜1200℃に加熱したのち、ゆっくりと冷却することにより行うことが好ましい。
また、ステントの非拡張時の直径は、0.8〜1.8mm程度が好適であり、特に、0.9〜1.6mmがより好ましい。また、ステントの非拡張時の長さは、8〜40mm程度が好適である。また、一つの波線状環状体2の長さは、8〜25mm程度が好適である。接続部3の長さは、20〜200μm程度が好適である。
そして、ステントの成形は、管状体(具体的には、金属パイプ)よりフレーム構造体となる部分以外を除去することにより行われる。具体的には、金属パイプを、例えば、フォトファブリケーションと呼ばれるマスキングと化学薬品を使用したエッチング方法、型による放電加工法、切削加工(例えば、機械研磨、レーザー切削加工)などにより不要部分を除去することによりステントが形成される。また、フレーム構造体を作製した後に、化学研磨あるいは電解研磨を用いて、構造体のエッジを研磨することが好ましい。
また、本発明のステントは、上述したようなバルーン拡張型のものに限定されるものではない。つまり、本発明のステントとしては、略円筒形状に形成され、生体内挿入時には縮径され、生体内留置時には縮径前の形状に復元可能なステント、いわゆる、自己拡張型ステントであってもよい。ステントの形態としては、上述したいずれの実施例のものであってもよい。
そして、ステントは、留置対象部位により異なるが、一般的に、拡張時(非縮径時、復元時)の外径が2.0〜30mm、好ましくは2.5〜20mm、肉厚が0.04〜1.0mm、好ましくは0.06〜0.5mmのものであり、長さは、10〜150mm、より好ましくは15〜100mmである。特に、血管内留置用ステントの場合には、外径が2.0〜14mm、好ましくは2.5〜12mm、肉厚が0.04〜0.3mm、好ましくは0.06〜0.22mmのものであり、長さは5〜100mm、より好ましくは10〜80mmである。
そして、ステントは、超弾性金属により形成されており、応力負荷を解除することにより作製時の形状に復元する。そして、ステントは、生体内挿入前および生体内挿入後のいずれにおいても超弾性を示す超弾性金属により略円筒形状に一体に形成されていることが好ましい。
超弾性金属としては、超弾性合金が好適に使用される。ここでいう超弾性合金とは一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性を示すものである。特に好ましくは、49〜54原子%NiのTiNi合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性金属体が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTiNi合金である。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,B、Au,Pdなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0%原子で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
また、上記のTi−Ni−X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。そして、使用される超弾性合金の座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜200kg/mm(22℃)、より好ましくは、8〜150kg/mm、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm(22℃)、より好ましくは、5〜130kg/mmである。ここでいう超弾性とは、使用温度において通常の金属が塑性変形する領域まで変形(曲げ、引張り、圧縮)させても、荷重の解放後、加熱を必要とせずにほぼ元の形状に回復することを意味する。
そして、ステントは、例えば、超弾性金属パイプを用いて、ステント非構成部分を除去(例えば、切削、溶解)することにより作製され、これにより、一体形成物となっている。なお、本発明のステントの形成に用いられる超弾性金属パイプは、不活性ガスまたは真空雰囲気にて溶解しTi−Ni合金などの超弾性合金のインゴットを形成し、このインゴットを機械的に研磨し、続いて、熱間プレスおよび押し出しにより、太径パイプを形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および熱処理工程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径のパイプに細径化し、最終的に表面を化学的または物理的に研磨することにより製造することができる。そして、この超弾性金属パイプによるステント基材の形成は、レーザー加工(例えば、YAGレーザー)、放電加工、化学エッチング、切削加工などにより行うことができ、さらにそれらの併用により行ってもよい。
また、本発明のステントは、内面または外面、さらには両面に生体適合性材料を被覆してもよい。生体適合性材料としては、生体適合性を有する合成樹脂または金属が考えられる。ステントの表面を不活性な金属で被覆する方法としては、電気メッキ法を用いた金メッキ、蒸着法を用いたステンレスメッキ、スパッタ法を用いたシリコンカーバイド、ダイヤモンドライクカーボン、窒化チタンメッキ、金メッキなどが考えられる。また、合成樹脂としては、熱可塑系または熱硬化系の樹脂から選択できるが、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が使用でき、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルあるいはポリウレタン、シリコーン樹脂、また、生体内分解性樹脂(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、両者のコポリマー)である。合成樹脂被膜は、ステントを構成するフレームの湾曲の妨げにならない程度に柔軟であることが好ましい。合成樹脂被膜の肉厚は、3〜300μm、好ましくは、5〜100μmである。
ステントの表面に合成樹脂を薄く被覆する方法としては、例えば、溶融状態または溶液状態の合成樹脂の中に、ステントを挿入して被覆する方法、モノマーを超弾性金属パイプの表面で重合させながら被覆する化学蒸着などがある。極薄な樹脂被覆が要求される場合は、希薄溶液を用いた被覆、または化学蒸着が好適である。さらに、より生体適合性材料を向上させるために、上記樹脂被膜に抗血栓性材料を被覆または固定してもよい。抗血栓性材料として、公知の各種の樹脂を単独または混合して使用することができるが、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)などが好適に使用できる。
次に、本発明の血管拡張器具を図面に示す実施例を用いて説明する。
図17は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。図18は、図17に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大部分断面図である。
本発明の血管拡張器具100は、チューブ状のシャフト本体部102と、シャフト本体部102の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン103と、折り畳まれた状態のバルーン103を被包するように装着され、かつバルーン103の拡張により拡張されるステント101とを備えるものである。
ステント101としては、上述したステント1のように、波線状環状体2がステント1の軸方向に隣り合うよう複数配列されるとともに、隣り合う波線状環状体2が接続されたステントであり、各波線状環状体2は、ステント1の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部21およびステント1の軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部22を有し、波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aは、隣り合う一方の波線状環状体2の他端側屈曲部22間に形成される空間23に侵入し、波線状環状体2の他端側屈曲部22の頂点22aは、隣り合う他方の波線状環状体2の一端側屈曲部21間に形成される空間24に侵入し、さらに、各波線状環状体2の一端側屈曲部21の頂点21aおよび他端側屈曲部22の頂点22aは、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっているものが用いられる。
そして、この血管拡張器具では、ステントとしては、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能なステント、いわゆるバルーン拡張型ステントが用いられる。
具体的には、ステント101としては、上述した実施例のいずれのステントを用いてもよい。具体的には、ステント101としては、例えば、上述したステント1,10,20,30,40,50のいずれを用いてもよい。そして、ステントとしては、バルーン103に装着された状態におけるステントの線状体部分が占める面積は、ステントの空隙部を含む外周面の面積の60%〜80%であることが好ましい。 さらに、本発明の血管拡張器具100は、シャフト本体部102は、一端がバルーン103内と連通するバルーン拡張用ルーメンを備える。生体器官拡張器具100は、ステントの中央部となる位置のシャフト本体部の外面に固定されたX線造影性部材もしくはステントの中央部分の所定長の両端となる位置のシャフト本体部の外面に固定された2つのX線造影性部材を備えている。
この実施例の生体器官拡張器具100では、図17に示すように、シャフト本体部102は、シャフト本体部102の先端にて一端が開口し、シャフト本体部102の後端部にて他端が開口するガイドワイヤールーメン115を備えている。
この生体器官拡張器具100は、シャフト本体部102と、シャフト本体部102の先端部に固定されたステント拡張用バルーン103と、このバルーン103を上に装着されたステント101とを備える。シャフト本体部102は、内管112と外管113と分岐ハブ110とを備えている。
内管112は、図17に示すように、内部にガイドワイヤーを挿通するためのガイドワイヤールーメン115を備えるチューブ体である。内管112としては、長さは、100〜2000mm、より好ましくは、150〜1500mm、外径が、0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mm、肉厚10〜150μm、より好ましくは、20〜100μmのものである。そして、内管112は、外管113の内部に挿通され、その先端部が外管113より突出している。この内管112の外面と外管113の内面によりバルーン拡張用ルーメン116が形成されており、十分な容積を有している。外管113は、内部に内管112を挿通し、先端が内管112の先端よりやや後退した部分に位置するチューブ体である。
外管113としては、長さは、100〜2000mm、より好ましくは、150〜1500mm、外径が、0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7〜1.1mm、肉厚25〜200μm、より好ましくは、50〜100μmのものである。
この実施例の生体器官拡張器具100では、外管113は、先端側外管113aと本体側外管113bにより形成され、両者が接合されている。そして、先端側外管113aは、本体側外管113bとの接合部より先端側の部分において、テーパー状に縮径し、このテーパー部より先端側が細径となっている。
先端側外管113aの細径部での外径は、0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1mmである。また、先端側外管113aの基端部および本体側外管113bの外径は、0.75〜1.5mm、好ましくは0.9〜1.1mmである。
そして、バルーン103は、先端側接合部103aおよび後端側接合部103bを有し、先端側接合部103aが内管112の先端より若干後端側の位置に固定され、後端側接合部103bが外管の先端に固定されている。また、バルーン103は、基端部付近にてバルーン拡張用ルーメン116と連通している。
内管112および外管113の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィンである。
バルーン103は、図18に示すように、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管112の外周に折りたたまれた状態となることができるものである。バルーン103は、図19に示すように、装着されるステント101を拡張できるようにほぼ同一径の筒状部分(好ましくは、円筒部分)となった拡張可能部を有している。略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。そして、バルーン103は、上述のように、先端側接合部103aが内管112にまた後端側接合部103bが外管113の先端に接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。また、このバルーン103では、拡張可能部と接合部との間がテーパー状に形成されている。
バルーン103は、バルーン103の内面と内管112の外面との間に拡張空間103cを形成する。この拡張空間103cは、後端部ではその全周において拡張用ルーメン116と連通している。このように、バルーン103の後端は、比較的大きい容積を有する拡張用ルーメンと連通しているので、拡張用ルーメン116よりバルーン内への拡張用流体の注入が確実である。
バルーン103の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。特に、延伸可能な材料であることが好ましく、バルーン103は、高い強度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好ましい。
バルーン103の大きさとしては、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の外径が、2〜4mm、好ましくは2.5〜3.5mmであり、長さが10〜50mm、好ましくは20〜40mmである。また、先端側接合部103aの外径が、0.9〜1.5mm、好ましくは1〜1.3mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは1〜1.3mmである。また、後端側接合部103bの外径が、1〜1.6mm、好ましくは1.1〜1.5mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは、2〜4mmである。
そして、この血管拡張器具100は、図18に示すように、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の両端となる位置のシャフト本体部の外面に固定された2つのX線造影性部材117、118を備えている。なお、ステント101の中央部分の所定長の両端となる位置のシャフト本体部102(この実施例では、内管112)の外面に固定された2つのX線造影性部材を備えるものとしてもよい。さらに、ステントの中央部となる位置のシャフト本体部の外面に固定された単独のX線造影性部材を設けるものとしてもよい。
X線造影性部材117、118は、所定の長さを有するリング状のもの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなどが好適であり、形成材料は、例えば、金、白金、タングステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好適である。
そして、バルーン103を被包するようにステント101が装着されている。ステントは、ステント拡張時より小径かつ折り畳まれたバルーンの外径より大きい内径の金属パイプを加工することにより作成される。そして、作成されたステント内にバルーンを挿入し、ステントの外面に対して均一な力を内側に向けて与え縮径させることにより製品状態のステントが形成される。つまり、上記のステント101は、バルーンへの圧縮装着時により完成する。
また、図12に示すように、内管112と外管113との間(バルーン拡張用ルーメン116内)には、線状の剛性付与体が挿入されていてもよい。剛性付与体は、生体器官拡張器具100の可撓性をあまり低下させることなく、屈曲部位での生体器官拡張器具100の本体部102の極度の折れ曲がりを防止するとともに、生体器官拡張器具100の先端部の押し込みを容易にする。剛性付与体の先端部は、他の部分より研磨などの方法により細径となっていることが好ましい。また、剛性付与体は、細径部分の先端が、本体部外管113の先端部付近まで延びていることが好ましい。剛性付与体としては、金属線であることが好ましく、線径0.05〜1.50mm、好ましくは0.10〜1.00mmのステンレス鋼等の弾性金属、超弾性合金などであり、特に好ましくは、ばね用高張力ステンレス鋼、超弾性合金線である。
この実施例の生体器官拡張器具100では、図17に示すように、基端に分岐ハブ110が固定されている。分岐ハブ110は、ガイドワイヤールーメン115と連通しガイドワイヤーポートを形成するガイドワイヤー導入口109を有し、内管112に固着された内管ハブと、バルーン拡張用ルーメン116と連通しインジェクションポート111を有し、外管113に固着された外管ハブとからなっている。そして、外管ハブと内管ハブとは、固着されている。この分岐ハブ110の形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
なお、生体器官拡張器具の構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、生体器官拡張器具の中間部分にガイドワイヤールーメンと連通するガイドワイヤ挿入口を有するものであってもよい。
図1は、本発明の一実施例のステントの正面図である。 図2は、図1のステントの展開図である。 図3は、図2の部分拡大図である。 図4は、図1に示すステントの製造時の展開図である。 図5は、本発明の実施例のステントの拡張時の形態を説明するための説明図である。 図6は、本発明のステントの他の実施例の展開図である。 図7は、図6に示すステントの製造時の展開図である。 図8は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図9は、図8に示すステントの製造時の展開図である。 図10は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図11は、図10の部分拡大図である。 図12は、図10に示すステントの製造時の展開図である。 図13は、本発明のステントの他の実施例の展開図である。 図14は、図13に示すステントの製造時の展開図である。 図15は、本発明のステントの他の実施例の展開図である。 図16は、図15に示すステントの製造時の展開図である。 図17は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。 図18は、図17に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大部分断面図である。 図19は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。 図20は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図21は、図20に示すステントの製造時の展開図である。 図22は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図23は、図22に示すステントの製造時の展開図である。 図24は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図25は、図24に示すステントの製造時の展開図である。 図26は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図27は、図26に示すステントの製造時の展開図である。 図28は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図29は、図28に示すステントの製造時の展開図である。 図30は、本発明の他の実施例のステントの展開図である。 図31は、図30に示すステントの製造時の展開図である。
符号の説明
1、10、20、30、40、50 ステント
2 波線状環状体
3 接続部
21 一端側屈曲部
22 他端側屈曲部
31 第1の接続部
32 第2の接続部

Claims (18)

  1. 波線状環状体がステントの軸方向に隣り合うよう複数配列されるとともに、隣り合う波線状環状体が接続部により接続されたステントであって、
    各波線状環状体は、前記ステントの軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部および前記ステントの軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部を有し、かつ、前記波線状環状体の一端側屈曲部の頂点は、隣り合う一方の波線状環状体の他端側屈曲部間に形成される空間に侵入し、前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入しており、かつ、前記各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっており、かつ、前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点間ではなく、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点より前記ステントの軸方向にずれた位置に設けられていることを特徴とする生体内留置用ステント。
  2. 前記波線状環状体を形成する線状体は、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに延びる複数の直線状線状部と、隣り合う一方の前記直線状線状部の上端と他方の前記直線状線状部の下端とを連結し、かつS字状に湾曲した複数のS字状湾曲部により形成されている請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  3. 前記波線状環状体は、他の一端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態の頂点部および他の他端側屈曲部の頂点部より窪んだ状態の頂点部を有し、上記窪んだ状態の2つの頂点部は近接するとともに非噛合部を形成している請求項1または2に記載の生体内留置用ステント。
  4. 前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点よりステントの軸方向にずれかつ近接する部位を接続する短い接続部である請求項1ないしのいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  5. 前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位間を接続するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  6. 前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体の前記屈曲部の頂点間ではなく、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている前記屈曲部の内側を接続するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  7. 前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位間を接続する第1の接続部と、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている前記屈曲部の内側を接続する第2の接続部とを有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  8. 前記ステントは、前記隣り合う波線状環状体を前記第1の接続部もしくは前記第2の接続部のいずれかにより接続するものでありかつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの軸方向に対して交互となるように設けられている請求項に記載の生体内留置用ステント。
  9. 前記ステントは、前記隣り合う波線状環状体を複数の前記第1の接続部もしくは複数の前記第2の接続部により接続するものでありかつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの軸方向に向かって交互となるように設けられている請求項に記載の生体内留置用ステント。
  10. 前記ステントは、前記隣り合う波線状環状体をほぼ向かい合う位置に配置された2つの前記第1の接続部により接続する部分と、前記隣り合う波線状環状体をほぼ向かい合う位置に配置された2つの前記第2の接続部により接続する部分とを有し、かつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの軸方向に対して交互となるように形成されており、かつ、前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記ステントの中心軸に対して、ほぼ等角度となる位置に配置されている請求項に記載の生体内留置用ステント。
  11. 前記ステントにおける前記接続部は、前記隣り合う波線状環状体における一端側屈曲部と他端側屈曲部の両者の頂点が近接するとともにかみ合った状態となっている部分の背面部位間を接続する接続部のみにより形成されており、かつ、該接続部が、前記ステントの軸方向に連続しないように形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  12. 前記ステントは、該ステントの両端部における隣り合う波線状環状体を複数の接続部により接続するものである請求項1ないし11のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  13. 前記波線状環状体を形成する線状体は、常に湾曲しており、実質的に直線状部分を持たないものとなっている請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  14. 前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入しており、かつ、前記各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっており、かつ、前記かみあった状態となっている部分の前記ステントの軸方向の長さは、0.2mm以上である請求項1ないし13のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  15. 前記ステントは、略管状体に形成され、生体内管腔への挿入のための直径を有し、該管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能なステントである請求項1ないし14のいずれかに記載の生体内留置用ステント。
  16. チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り畳まれた状態の前記バルーンを被包するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントとを備える生体器官拡張器具であって、前記ステントは、請求項1ないし15のいずれかに記載のステントであることを特徴とする生体器官拡張器具。
  17. 前記バルーンに装着された状態における前記ステントの線状体部分が占める面積は、該ステントの空隙部を含む外周面の面積の60%〜80%である請求項16に記載の生体器官拡張器具。
  18. 前記バルーンに装着された状態における前記ステントの前記波線状環状体の他端側屈曲部の頂点は、隣り合う他方の波線状環状体の一端側屈曲部間に形成される空間に侵入しており、かつ、前記各波線状環状体の一端側屈曲部の頂点および前記他端側屈曲部の頂点は、近接する方向に湾曲することによりかみ合った状態となっており、かつ、前記かみあった状態となっている部分の前記ステントの軸方向の長さは、0.2mm以上である請求項16または17に記載の生体器官拡張器具。
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