JP4928531B2 - 無線通信端末,無線通信システム,無線通信制御方法 - Google Patents

無線通信端末,無線通信システム,無線通信制御方法 Download PDF

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Description

本発明は,無線通信端末が複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を行う無線通信システムに関し,特に,無線通信端末が移動しながら無線通信の確立先の基地局を切り換える所謂ハンドオーバー処理の技術に関するものである。
一般に,無線LANや無線MANなどの無線通信網では,無線通信端末が,移動しながら複数の基地局の中から一つの基地局を選択して無線通信の確立先を切り換える所謂ハンドオーバー処理を実行することが知られている。
例えば,上記ハンドオーバー処理は,通信可能な複数の基地局の中から電界強度(無線信号の強度と同義)が最も高い基地局を選択し,その基地局との無線通信を確立させるものである。一般的な無線通信端末は,移動しながらある基地局と通信しているときに,その通信の電界強度が下限閾値を下回ると,次の基地局を探し始めるインターフェースを有して構成される。ここで,無線通信端末及び基地局のアンテナに無指向性のアンテナを用いる場合を考える。この場合,上記ハンドオーバー処理では,二つの基地局の中間地点周辺で基地局の切り換えが行われることになる。即ち,二つの基地局の電界強度のレベル差が小さい状態で基地局の切り換えが行われる。そのため,電波伝搬環境の一時的変化などによる電界強度の揺らぎによって,二つの基地局の切り換えが複数回繰り返されることがある(以下,「切り戻り現象」という)。
一方,特許文献1には,上記切り戻り現象を防止するべく,無線通信端末及び基地局のアンテナに指向性アンテナを用いる無線通信システムが開示されている。以下,具体的に説明する。ここに,図9は,特許文献1の図3を引用したものである。
図9に示されているように,特許文献1に開示された無線通信システムでは,通信端末100が列車300の最後尾に配置されている。そして,通信端末100は,列車300の移動方向と反対方向に向けられた受信エリア150の範囲で電波を送受信する。即ち,通信端末100は列車300の移動方向の反対方向に無線通信の指向性を有している。
一方,基地局201,202は,列車300の移動方向に向けられたサービスエリア251,252の範囲で電波を送受信する。即ち,基地局201,202は列車300の移動方向に無線通信の指向性を有している。
このように構成された無線通信システムでは,通信端末100が,基地局201,202のうち電界強度の高い方の基地局を選択して無線通信を行うハンドオーバー処理を実行する。この場合,基地局201から基地局202への切り換えは,該基地局202を少し超えた位置で行われることになる。即ち,基地局201,202の電界強度のレベル差が大きい状況で基地局201から基地局202への切り換えが行われる。従って,無指向性アンテナを用いる場合に生じていた切り戻り現象を防止することができる。
また,常に通信可能な基地局の検索や電界強度の測定を行い,その通信可能な基地局のうち最も電界強度の高い基地局に切り換えるという手法を採用したハンドオーバー処理が従来から知られている。この手法を採用する無線通信端末には,無線通信用のアンテナ及びハンドオーバー処理用のアンテナを個別に設ける構成が考えられる。しかし,無線通信端末に二つのアンテナを設けることは望ましくない。
そこで,一つのアンテナを用いて無線通信及びハンドオーバー処理を行う手法がある。この場合,無線通信端末が,常に通信可能な基地局の検索や電界強度の測定を行うと,無線通信で伝送可能なデータ量(単位時間あたりのデータ通信容量)は少なくなる。そのため,現在無線通信が確立されている基地局の電界強度が予め設定された閾値以下となった場合に,最も電界強度の高い基地局の選択を開始するように構成される。このように,必要が生じた場合にのみ基地局の選択を行うことにより,無線通信端末では,現在無線通信が確立されている基地局との間で大容量のデータ伝送を行うことが可能である。
特開2006−319593号公報
ところで,上記特許文献1に開示された無線通信システムでは,通信端末100が列車300の最後尾に配置されている。そのため,例えば列車300の先頭部に設けたカメラで撮影された映像を無線通信によって送信する場合には,そのカメラが設置された列車300の先頭部から,通信端末100が設置される最後尾まで有線通信又は無線通信によって映像データを伝送する必要が生じる。従って,カメラで撮影された映像データの信号レベルが,通信端末100に伝送されるまでの間に減衰するという問題が生じる。一方,カメラから通信端末100の間で映像データの信号レベルを増幅させることが考えられる。但し,そのためには増幅を行う増幅装置が必要となり,システム構成が煩雑且つコスト高になるという問題が生じる。
そこで,無線通信端末を車両の先頭部に配置する構成が考えられる。ここに,図1は後述する本発明の実施の形態に係る無線通信システムXの概略構成を示す模式図である。また,図10は無線通信システムXにおいて電界強度が下限閾値K1以下となったときに次の基地局の選択を開始する場合を説明するための図である。なお,図10における二点鎖線A〜Cは基地局A〜C各々の電界強度を示している。
図1に示す無線通信システムXでは,無線通信端末Yが車両1の移動方向に無線通信の指向性を有し,基地局A〜C各々が車両1の移動方向と反対方向に無線通信の指向性を有している。
ここで,上記無線通信システムXにおいて,現在無線通信が確立されている基地局の電界強度が予め設定された下限閾値K1以下になったときに,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始するハンドオーバー処理を実行する場合を考える。ここに,図1は,車両1が無線通信端末Yと基地局Aとの間で無線通信が確立する位置にある状態を示している。以下,車両1が図1に示す位置から基地局Bの方向に向けて移動する場合について説明する。
図10に示すように,無線通信端末Yの移動が開始され,時間の経過と共に該無線通信端末Yが基地局Aに近づくと,無線通信端末Yで得られる基地局Aの電界強度は徐々に高くなる。その後,無線通信端末Yが基地局Aを通過する際,該基地局Aの電界強度は急激に低下し,下限閾値K1以下に達する(時点T11)。これにより,上記無線通信端末Yは,最も電界強度の高い基地局の検索を開始する。その後,上記無線通信端末Yは,最も電界強度の高い基地局として基地局Bを選択すると,基地局Aから基地局Bへの切り換えを行う(時点T12)。なお,基地局BからCへの切り換え時も同様である(時点T13,T14)。
このように,無線通信端末Yが移動方向に指向性を有する構成では,基地局Aの電界強度が下限閾値K1以下になるとき,該電界強度は急激に低下している状態である。そして,その状態で次の基地局Bの選択が開始されて通信先が切り換えられるため,その切り換えが行われる際に基地局Aの電界強度が低下し過ぎて無線通信が途切れるおそれがある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,当該無線通信端末の指向性アンテナが移動方向に指向性を有するように配置される場合において,大容量のデータ通信を確保すると共に,基地局の切り換え時における無線通信の途切れを防止することのできる無線通信端末,無線通信システム,及び無線通信制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,予め定められた移動経路に沿って所定間隔ごとに配置され,上記移動経路に沿って移動する当該無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性を有する基地局用指向性アンテナを備える複数の基地局のいずれか一つの基地局と無線通信を行う無線通信端末に適用されるものであって,下記の(1)〜(4)の構成要素を備えてなることを特徴とする無線通信端末として構成される。
(1)当該無線通信端末の移動方向に指向性を有する移動用指向性アンテナ。
(2)現在無線通信が確立している基地局との無線通信における電界強度を測定する第1の電界強度測定手段。
(3)上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が予め設定された上限閾値以上である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する第1の基地局選択手段。なお,上記上限閾値は,予め行われた実験で得られた結果に基づいて予め設定される。具体的には,当該無線通信端末と上記基地局との間の無線通信で得られる電界強度の最大値よりも所定量低い値に設定される。
(4)上記第1の基地局選択手段によって選択された基地局に無線通信の確立先を切り換える第1の基地局切換手段。
このように構成された上記無線通信端末では,上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が上記上限閾値を超えた場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択が開始される。即ち,上記無線通信端末は,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が急激に低下する前に次の基地局を選択して切り換えることが可能である。
従って,上記移動用指向性アンテナが,上記移動経路に沿って移動する列車などの移動体の先頭部に搭載される場合でも,上記無線通信端末では,基地局を切り換える際の無線通信の途切れを防止することができる。しかも,上記無線通信端末では,上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が上記上限閾値以上である場合にのみ,次に無線通信を確立する基地局の選択を行うことになるため,通常の無線通信では大容量のデータ通信を実現することができる。
より具体的には,上記無線通信端末が,上記複数の基地局のうち通信可能な基地局各々との無線通信における電界強度を測定する第2の電界強度測定手段を更に備えてなり,上記第1の基地局選択手段が,上記第2の電界強度測定手段による測定結果に基づいて次に無線通信を確立する基地局を選択するものであることが考えられる。なお,上記第2の電界強度測定手段による測定対象には,現在無線通信が確立している基地局も含まれる。
ところで,上記第1の電界強度測定手段や上記第2の電界強度測定手段は,所定期間内の電界強度の平均値を測定するものであることが望ましい。これにより,電界強度測定時の電波伝搬環境の瞬時的な変化などの影響を防止することができる。
ここで,上記第1の基地局選択手段による選択手法の具体的な例を挙げる。
上記第1の基地局選択手段は,上記第2の電界強度測定手段により測定された電界強度が上位から2番目の基地局を選択するものであることが考えられる。この場合には,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が急激に低下し始める前に,上記第1の基地局選択手段による選択が行われると,その基地局の次に電界強度が高い基地局を選択することが可能なはずである。
しかし,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が上記上限閾値以上に達した直後に急激に低下し始める可能性もある。この場合には,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が,次に無線通信を確立するべき基地局の電界強度を下回ってしまうことも考えられる。そのため,上記のように上位から2番目の基地局を選択すると,引き続き現在無線通信が確立している基地局が選択されることになる。そのため,現在無線通信が確立している基地局から次の基地局への切り換えが行われない可能性がある。
そこで,上記無線通信端末が,上記複数の基地局のうち上記第2の電界強度測定手段により測定された電界強度の上位二つの基地局を次に無線通信を確立する基地局の候補として選択する候補選択手段と,上記候補選択手段により選択された二つの基地局各々との無線通信における電界強度の所定期間内の分散値を測定する分散値測定手段とを更に備えてなる構成が望ましい。そして,この場合,上記第1の基地局選択手段は,上記候補選択手段により選択された二つの基地局のうち上記分散値測定手段によって測定された電界強度の分散値が小さい方の基地局を選択するように構成される。
これにより,上記第1の基地局選択手段は,上記候補選択手段によって二つに絞られた基地局のうち上記分散値測定手段により測定された分散値が小さい方の基地局を選択する。ここで,上述したように現在無線通信が確立している基地局の電界強度が急激に低下し始めてから上記第1の基地局選択手段による選択が行われる場合を考える。このとき,現在無線通信が確立している基地局の電界強度は急激に低下しているため,上記分散値測定手段により測定された分散値は著しく大きくなる。従って,上記第1の基地局選択手段は,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が,次に無線通信を確立するべき基地局の電界強度を下回る場合でも,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が急激に低下する前に,他方の基地局を選択することができる。なお,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が急激に低下し始める前に,上記第1の基地局選択手段による選択が行われる場合には,その基地局との無線通信が継続することが考えられるが,該基地局の電界強度が急激に低下し始めた時点で現在無線通信が確立している基地局ではない方の基地局に切り換えられることになる。
さらに,上記上限閾値が,複数の上記基地局ごとに対応して予め設定されてなり,上記第1の基地局選択手段が,上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が,現在無線通信が確立している基地局に対応する上記上限閾値以上である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する構成も考えられる。これにより,個別に設定された上記上限閾値によって適切なタイミングで基地局の切り換えを行うことができる。
ところで,上記無線端末及び上記基地局各々に設けられた上記移動用指向性アンテナ,上記基地局用指向性アンテナ,その他周辺機器の経年劣化や,上記無線通信端末が移動する移動経路周辺の環境変化などは,上記無線通信端末と上記基地局各々との間の無線通信における電界強度に影響する。例えば,上記移動経路周辺に建造物がある場合には,その建造物が無線通信の障害となることがある。そのため,上記移動経路周辺に新たに建造物が建てられた場合や建造物が撤去された場合には,上記無線通信端末と上記基地局各々との間の無線通信における電界強度が変化する。
従って,常に一定の上限閾値を指標として基地局の切り換え開始タイミングを判断するすると,上記無線通信端末と上記基地局各々との間の無線通信における電界強度が上記上限閾値以上に達するタイミングが変化する。或いは,上記無線通信端末と上記基地局各々との間の無線通信における電界強度が上記上限閾値以上に達しないことも考えられる。
そのため,基地局の切り換え開始タイミングを適切なタイミングに維持するためには,当該無線通信端末の管理者などが,定期的に上記無線通信端末と上記基地局各々との間の無線通信環境の解析などを行い,上記上限閾値を設定変更する必要がある。しかしながら,定期的にこれらの作業を行うことは管理者などにとって非常に手間である。
そこで,上記無線通信端末が下記(5)〜(7)の構成要素を更に備えることが望ましい。
(5)上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が予め設定された強制切換設定値以下である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する第2の基地局選択手段。
(6)上記第2の基地局選択手段によって選択された基地局に無線通信の確立先を切り換える第2の基地局切換手段。
(7)上記第2の基地局切換手段によって基地局が切り換えられた場合に,該切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を現状よりも低い値に設定する上限閾値下方修正設定手段。
これにより,上記無線通信端末では,上記上限閾値下方修正設定手段によって自動的に上記上限閾値が変更されるため,管理者による上記上限閾値の変更作業の手間を省くことができる。そして,上記上限閾値下方修正設定手段によって自動的に上記上限閾値が現状より低い値に変更されると,次に,同じ基地局と上記無線通信端末との無線通信が行われるときに,該無線通信における電界強度が上記上限閾値以上に到達する可能性が高まる。従って,無線通信の電界強度が上記強制切換設定値以下に低下する前の適切なタイミングにおける基地局の切り換えを長期的に実現することができる。
ここで,上記上限閾値下方修正設定手段は,上記第2の基地局切換手段による切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を,該基地局との無線通信における電界強度のピーク値,又は該ピーク値から予め設定された所定値だけ低い値に設定するものであることが考えられる。これにより,次に,同じ基地局と上記無線通信端末との無線通信が行われるときに該無線通信における電界強度が上記上限閾値以上に到達する可能性をより確実にすることができる。
また,上記上限閾値が低く設定されすぎて,現在確立している無線通信における電界強度が上記上限閾値に早く到達しすぎる場合にも問題が生じる。具体的には,次の基地局との無線通信では十分に高い電界強度が得られない状況で基地局の切り換えが行われる可能性がある。
そこで,上記無線通信端末が以下の(8),(9)の構成要素を更に備えることが望ましい。
(8)上記第1の基地局切換手段によって基地局が切り換えられた場合に,該切り換え後の基地局との無線通信における電界強度を測定する第3の電界強度測定手段。
(9)上記第1の基地局切換手段によって基地局が切り換えられたときに上記第3の電界強度測定手段によって測定された電界強度が,予め設定された下限閾値以下である場合に,上記第1の基地局切換手段による切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を現状よりも高い値に設定する上限閾値上方修正設定手段。
これにより,上記無線通信端末では,上記上限閾値上方修正設定手段によって自動的に上記上限閾値が変更されるため,管理者による上記上限閾値の変更作業の手間を省くことができる。そして,上記上限閾値上方修正設定手段によって自動的に上記上限閾値が現状より高い値に変更されると,次に,同じ基地局と上記無線通信端末との無線通信が行われるときに,該無線通信における電界強度が上記上限閾値以上に到達するまでの時間を遅らせることができる。従って,切り換え直後の次の基地局との無線通信における電界強度が低すぎるという事態を回避することができる。
ここで,上記上限閾値上方修正設定手段は,上記第2の基地局切換手段による切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を,現状の上記上限閾値よりも予め設定された所定値だけ高い値に設定するものであることが考えられる。
ところで,本発明は,上記無線通信端末を備える無線通信システム或いは該無線通信システムにおける無線通信制御方法の発明として捉えてもよい。
具体的には,予め定められた移動経路に沿って移動する無線通信端末と上記移動経路に沿って所定間隔で配置された複数の基地局とを備えてなり,上記無線通信端末と複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信システムであって,上記基地局各々が,上記無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性を有する基地局用指向性アンテナを備えてなり,上記無線通信端末が,上記(1)〜(4)の上記移動用指向性アンテナ,上記第1の電界強度測定手段,上記第1の基地局選択手段,及び上記第1の基地局切換手段を備えてなることを特徴とする無線通信システムの発明として捉えることができる。
また,当該無線通信システムにおいても,上記上限閾値が,複数の上記基地局ごとに対応して予め設定されてなり,上記第1の基地局選択手段が,上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が,現在無線通信が確立している基地局に対応する上記上限閾値以上である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始するものであることが考えられる。そして,上記無線通信端末が,上記(5)〜(9)に記載の上記第2の基地局選択手段,上記第2の基地局切換手段,上記上限閾値下方修正設定手段,上記第3の電界強度測定手段,上記上限閾値上方修正設定手段を更に備えてなることが望ましい。これにより,前述したように,上記無線通信システムでは,管理者による上記上限閾値の変更作業の手間を省くと共に,適切なタイミングにおける基地局の切り換えを長期的に実現することができる。
また,予め定められた移動経路に沿って移動し,その移動方向に指向性を有する移動用指向性アンテナを備える無線通信端末と,上記移動経路に沿って所定間隔で配置され,上記無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性を有する基地局用指向性アンテナを備える複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信制御方法であって,上記無線通信端末と現在無線通信が確立している基地局との無線通信における電界強度を測定して,その測定された電界強度が予め設定された上限閾値以上である場合に,上記無線通信端末が次に無線通信を確立する基地局の選択を開始し,その結果選択された基地局に上記無線通信端末の無線通信の確立先を切り換えることを特徴とする無線通信制御方法として捉えることができる。
本発明によれば,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が急激に低下する前に次の基地局を選択して切り換えることが可能である。従って,上記移動用指向性アンテナが,上記移動経路に沿って移動する列車などの移動体の先頭部に搭載される場合でも,上記無線通信端末では,基地局を切り換える際の無線通信の途切れを防止することができる。しかも,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が上記上限閾値以上である場合にのみ,次に無線通信を確立する基地局の選択が行われるため,通常の無線通信では大容量のデータ通信を実現することができる。
また,上記上限閾値下方修正設定手段や上記上限閾値上方修正設定手段などを備えることにより,管理者による上記上限閾値の変更作業の手間を省くと共に,適切なタイミングにおける基地局の切り換えを長期的に実現することができる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。なお,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る無線通信システムXの概略構成を示す模式図,図2は本実施の形態に係る無線通信端末Yの概略構成を示すブロック図,図3は本発明の実施の形態に係る無線通信端末Yが実行するハンドオーバー処理の手順の一例を説明するためのフローチャート,図4は本発明の実施の形態に係る無線通信端末Yが実行するハンドオーバー処理の結果を説明するための図である。
図1に示すように,本実施の形態に係る無線通信システムXは,無線通信端末Y及び基地局A〜Cを備えている。上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cのいずれか一つの基地局との間で無線通信が確立され,無線信号の送受信が行われる。
上記無線通信端末Yは,予め定められた線路や道路などの軌道L(移動経路)に沿って走行(移動)する車両(列車や自動車など)1の先頭部に搭載されている。ここに,図1における右方向は上記車両1の進行方向であって該車両1の前方である。本実施の形態では,上記無線通信端末Yが上記車両1に搭載される場合を例に挙げて説明するが,これに限られない。例えば,生産工場などにおいてベルトコンベア(移動経路の一例)上を移動する移動物体に上記無線通信端末Yが搭載されることも考えられる。
また,上記基地局A〜Cは,上記軌道Lに沿って所定間隔ごとに配置されている。なお,図1には上記基地局A〜Cだけを図示しているが,該基地局Aの前段や上記基地局Cの後段にも所定間隔ごとに同様の基地局が配置される。
まず,図2を参照しつつ,上記無線通信端末Yの概略構成について説明する。
図2に示すように,上記無線通信端末Yは,アンテナユニット11(移動用指向性アンテナの一例,以下「アンテナ11」と略称する),カメラ12及び無線通信制御装置13(以下「制御装置13」と略称する)を備えている。
上記アンテナ11は,一方向に指向性を有するアンテナ素子11a,11bを有している。上記アンテナ11は,上記アンテナ素子11a,11bのうち電波状況の優れた方を優先的に利用するダイバーシティアンテナである。なお,上記ダイバーシティ効果を得る目的でなければ,上記アンテナ素子11bを省略してもよい。
上記アンテナ11では,上記アンテナ素子11a,11bが,指向方向が上記車両1の移動方向(図1における右方向)になるように向けられている。即ち,上記アンテナ11は,上記軌道Lに沿って移動する上記車両1に搭載された上記無線通信端末Yの移動方向に無線通信の指向性を有している。
上記カメラ12は,上記車両1の先頭部に配置されており,該車両1の前方に見える映像を撮影する。例えば,上記カメラ12は,アナログビデオカメラやデジタルビデオカメラなどである。上記無線通信端末Yは,上記カメラ12で撮影された映像データを上記アンテナ11から無線通信によって送信する。
上記制御装置13は,CPU等の演算装置や各種の記憶装置などの制御機器を有している。上記制御装置13は,上記記憶装置に記憶された制御プログラムに従って処理を実行することにより当該無線通信端末Yを制御する。例えば,上記制御装置13は,上記アンテナ11を用いて無線信号の送受信を行う無線通信処理を実行する。具体的に,上記制御装置13は,上記カメラ12から入力された映像データを上記アンテナ11から送信するための送信処理や,上記アンテナ11で受信された受信信号に対して各種の信号処理を施す受信処理などを実行する。なお,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信には,TCP/IPなどの通信プロトコルが採用される。
また,上記制御装置13は,上記アンテナ11で受信される無線信号の強度である電界強度を測定する電界強度測定機能を有している。具体的に,上記制御装置13は,上記アンテナ11で受信される無線信号によって該アンテナ11に誘起された電力を測定することにより電界強度を測定する。また,上記制御装置13の有する電界強度測定機能は,上記基地局A〜Cから送信される後述のビーコン信号に基づいて該基地局A〜C各々の電界強度を個別に測定する。なお,上記制御装置13は,上記アンテナ11だけを用いて,上記電界強度測定機能による電界強度の測定と上記基地局A〜Cとの間の無線通信とを,時分割処理などによって並行処理する。
そして,上記制御装置13は,上記電界強度測定機能で測定された電界強度に基づいて無線通信の確立先(通信相手)となる基地局を切り換えるハンドオーバー処理(図3のフローチャート参照)を実行する。本発明の実施の形態に係る上記無線通信端末Yは,上記ハンドオーバー処理の手法に特徴を有しており,この点については後段で詳述する。
次に,図1に戻り,上記基地局A〜C各々の概略構成について説明する。
上記基地局A〜C各々は,アンテナユニット21,22(以下「アンテナ21,22」と略称する),及び無線通信ユニット23,24を備えている点で共通している。
一方,上記基地局Aは,上記無線通信ユニット23に管理ユニット3が有線接続されており,該管理ユニット3との間で有線通信を行うことが可能である点で上記基地局B,Cと異なる。上記管理ユニット3は,上記車両1で撮影される映像を表示するための不図示のモニタ等を備えている。なお,上記基地局Aは,上記管理ユニット3との間で無線通信を行うものであってもよい。
上記アンテナ21(基地局用指向性アンテナの一例)は,上記アンテナ11と同様に,一方向に指向性を有する二つのアンテナ素子からなるダイバーシティアンテナである。そして,上記アンテナ21では,その二つのアンテナ素子が,指向方向が上記車両1の移動方向(図1における左方向)と反対方向になるように向けられている。即ち,上記アンテナ21は,上記軌道Lに沿って移動する上記車両1に搭載された上記無線通信端末Yの移動方向と反対方向に無線通信の指向性を有している。
一方,上記アンテナ22は,例えば左右双方向に指向性を有する二つのアンテナ素子からなるダイバーシティアンテナである。そして,上記アンテナ22では,その二つのアンテナ素子が,指向方向が上記車両1の移動方向及び該移動方向の反対方向の双方向(図1における左右双方向)になるように向けられている。即ち,上記アンテナ22は,上記車両1の移動方向及び該移動方向の反対方向に無線通信の指向性を有している。
上記無線通信ユニット23,24は,CPU等の演算装置や各種の記憶装置などの制御機器を有している。上記無線通信ユニット23,24は,上記記憶装置に記憶された制御プログラムに従って処理を実行することにより上記アンテナ21,22を用いる無線通信処理を実行する。なお,上記無線通信ユニット23,24は有線接続されており,相互間で有線通信が可能である。
また,上記無線通信ユニット23は,上記基地局A〜Cの識別情報(例えば,IPアドレスなど)を含むビーコン信号と呼ばれるフレームを継続的或いは定期的に上記アンテナ21から送信するための処理を実行する。これにより,上記無線通信端末Yは,上記無線通信ユニット23から送信されたビーコン信号に基づいて上記基地局A〜Cを識別することが可能である。なお,ここでは上記無線通信端末Yが上記ビーコン信号に基づいて基地局A〜Cを識別する手法について説明するが,基地局A〜Cごとに周波数チャネルが異なる場合には,その周波数チャネルによって識別してもよい。
一方,上記無線通信ユニット24は,上記アンテナ22を用いて隣接する基地局との間で無線信号の送受信を行う無線通信処理を実行する。例えば,上記基地局Aの無線通信ユニット24は,該基地局Aの図1における右側に配置された上記基地局Bや,該基地局Aの図1における左側に配置された不図示の基地局との間で無線通信を行う。上記無線通信システムXでは,上記管理ユニット3に接続されている上記基地局Aを除く基地局は,上記無線通信ユニット24によって上記基地局Aとの間で直接又は間の基地局を介して間接的に無線通信を行うことにより,上記管理ユニット3との間で通信を行う。例えば,上記基地局Cが,上記無線通信端末Yから送信された無線信号を受信した場合,該基地局Cは,その無線信号を上記基地局B,Aを順に介して上記管理ユニット3に伝送する。
このように,上記無線通信システムXは,上記無線通信端末Yが移動方向に指向性を有しており,上記基地局A〜Cが上記無線通信端末Yの移動方向と反対方向に指向性を有する構成である。そのため,例えば上記無線通信端末Yが上記基地局Aとの間で無線通信を確立している場合には,該無線通信端末Yが上記基地局Aに近づくほど該基地局Aから受信する無線信号の強度は高くなる。
但し,上記無線通信端末Yが上記基地局Aを通過する際には,該無線通信端末Yが上記基地局Aの無線通信の指向範囲から急に外れることになる。
従って,上記無線通信端末Yが上記基地局Aを通過する際,上記無線通信端末Yで得られる上記基地局Aからの電界強度は,該無線通信端末Yが上記基地局Aに近づくことにより所定の位置で最大値となり,その後,急激に低下する。
ここに,本実施の形態では,図1に示すように,上記無線通信端末Yで得られる上記基地局Aからの電界強度が最大となる位置をP1,上記基地局Aからの電界強度が最大となる位置をP2とする。また,事前の実験により上記位置P1,P2で得られた電界強度の最大値が(K+α)であったとする。以下,上記無線通信端末Yでは,実験結果として得られた電界強度の最大値(K+α)から所定値αだけ低い値Kが,後述のハンドオーバー処理において次の基地局の選択を開始するための判断指標として用いられる上限閾値として予め設定されているものとする。上記上限閾値Kは,上記無線通信端末Yが通信確立中の基地局に近づくことにより電界強度が最大値近傍に達したことを判断するための値として設定されたものである。本実施の形態では図4に示すように上限閾値Kは−58[dBm]に設定されている。なお,上記上限閾値Kは,上記制御装置13内の記憶装置に予め記憶されており,必要に応じて参照される。また,ここでは上記上限閾値Kが一律に設定されている場合を例に挙げて説明するが,上記上限閾値Kは,予め上記基地局A〜Cごとに対応して個別に設定されていてもよい。
以下,図3のフローチャートに従って,上記無線通信端末Yの制御装置13によって実行されるハンドオーバー処理の手順の一例について説明する。なお,図3中のS1,S2,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。なお,本発明は,当該ハンドオーバー処理の各工程を実行する無線通信制御方法として捉えることも可能である。
当該ハンドオーバー処理は,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cのいずれかの間で無線通信が確立された状態で,上記制御装置13によって実行される。なお,初めに無線通信を確立する基地局は,例えばその時点で最も電界強度の高い基地局である。その後,上記無線通信端末Yでは,当該ハンドオーバー処理が実行されることにより,上記車両1の移動に伴って無線通信の確立先の基地局が上記基地局A〜Cに順次切り換えられる。これにより,上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Yのカメラ12で撮影された映像データが,上記基地局A〜Cのいずれかに送信され,該映像データは上記管理ユニット3に伝送される。
(ステップS1〜S2)
上記制御装置13は,上記電界強度測定機能によって,継続的に或いは予め設定された所定時間ごとに,現在無線通信が確立している基地局との無線通信における電界強度を測定する(ステップS1)。ここに,かかる測定処理を実行するときの上記制御装置13が第1の電界強度測定手段に相当する。ここで測定される電界強度は所定期間ごとの平均値であってもよい。
次に,ステップS2では,上記制御装置13は,上記ステップS1で測定された電界強度が,前述したように予め設定された上記上限閾値K以上であるか否かを判断する。
ここで,上記ステップS1で測定された電界強度が上記上限閾値K以上であると判断された場合には(S2のYes側),上記無線通信端末Yが通信中の基地局に接近したと判断され,処理はステップS3に移行する。
なお,上記ステップS2において,上記ステップS1で測定された電界強度が上記上限閾値K以上ではないと判断されている間は(S2のNo側),上記ステップS1〜S2の処理が繰り返し実行される。従って,現在無線通信が確立している基地局との無線通信における電界強度が上記上限閾値K以上になるまでの間は,その基地局を除く基地局の電界強度の測定が行われない。そのため,上記無線通信端末Yの通常の無線通信では,上記アンテナ11だけを用いて,上記カメラ12で撮影された映像データなどの大容量のデータ伝送を実現することができる。
(ステップS3〜S5)
ステップS3では,上記制御装置13が,上記電界強度測定機能によって,上記軌道L上に設けられた複数の基地局のうち通信可能な基地局各々との無線通信における電界強度を所定時間(例えば10ms)ごとに測定するサンプリング処理を開始する。なお,通信可能な基地局は周波数スキャンによって判定される。
このサンプリング処理は,ステップS4において,上記制御装置13が,予め設定されたサンプリング時間t1(例えば200ms〜250ms)が経過したと判断するまで実行される(S4のNo側)。そして,上記制御装置13は,ステップS4においてサンプリング時間t1が経過したと判断されると(S4のYes側),処理はステップS5に移行する。
次のステップS5で,上記制御装置13は,上記ステップS3〜S4で実行されたサンプリング処理によって得られた基地局各々の電界強度に基づいて,その基地局ごとにサンプリング時間t1の間の電界強度の平均値を算出する。ここに,上記ステップS3〜5の処理を実行することにより,通信可能な基地局ごとの電界強度を測定するときの上記制御装置13が第2の電界強度測定手段に相当する。なお,ここでは,電波伝搬環境の瞬時的な変化による電界強度の変化を考慮して平均値を用いているが,これに限られない。
(ステップS6〜S7)
そして,ステップS6では,上記制御装置13が,上記ステップS5で算出された電界強度の平均値の上位二つの基地局が,次に無線通信を確立する基地局の候補として選択される。ここに,かかる処理を実行するときの上記制御装置13が候補選択手段に相当する。
次に,ステップS7では,上記制御装置13が,上記ステップS6で選択された二つの基地局各々との無線通信における電界強度を所定時間(例えば10ms)ごとに測定するサンプリング処理を開始する。このサンプリング処理は,ステップS8において,上記制御装置13が,予め設定されたサンプリング時間t2(例えば800ms〜1s)が経過したと判断するまで実行される(S8のNo側)。ここで,当該ハンドオーバー処理では,上記ステップS6で電界強度が上位2つの基地局に候補が絞られているため,上記ステップS7〜S8では,短時間で多くの測定結果を得ることが可能である。
一方,ステップS8においてサンプリング時間t2が経過したと判断されると(S8のYes側),処理はステップS9に移行する。
(ステップS9)
ステップS9では,上記制御装置13は,上記ステップS7〜S8で実行されたサンプリング処理によって得られた二つの基地局各々の電界強度に基づいて,その基地局ごとにサンプリング時間t2の間の電界強度の分散値を算出する。具体的に,上記分散値は下記の式(1)に基づいて算出される。ここに,かかる分散値の測定を行うときの上記制御装置13が分散値測定手段に相当する。なお,RSSI(t)は電界強度,AVRは電界強度の平均値,Vは分散値である。
Figure 0004928531
(ステップS10〜S11)
そして,ステップS10では,上記制御装置13によって,上記ステップS6で選択された二つの基地局のうち,上記ステップS9で算出された分散値Vが低い方の基地局が,上記無線通信端末Yが次に無線通信を確立する基地局として選択される。このように,当該ハンドオーバー処理では,上記制御装置13が,上記ステップS1で測定された電界強度が上記上限閾値K以上である場合に,通信可能な基地局との無線通信における電界強度の測定結果に基づいて,次に無線通信を確立する基地局を選択する。ここに,かかる選択処理を実行するときの上記制御装置13が第1の基地局選択手段に相当する。なお,上限閾値が上記基地局A〜Cごとに対応して個別に設定されている場合には,上記制御装置13は,上記ステップS1で測定された電界強度が,現在無線通信が確立している基地局に対応する上限閾値以上である場合に(S2のYes側),次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する(S3以降)。
その後,ステップS11では,上記制御装置13が,現在無線通信が確立されている基地局から,上記ステップS10で選択された次に無線通信を確立するべき基地局に,通信先を切り換えるための処理を実行する。ここに,かかる切換処理を実行するときの上記制御装置13が第1の基地局切換手段に相当する。これにより,上記無線通信端末Yと上記ステップS10で選択された基地局との間で無線通信が確立する。このとき,上記ステップS10において,現在無線通信が確立されている基地局が選択されている場合には,該基地局との無線通信が継続される。なお,上記ステップS11の後,処理はステップS1に戻され,当該ハンドオーバー処理が繰り返し実行される。
以下,図4を用いて図3を参照しつつ,上記無線通信システムXにおいて上記ハンドオーバー処理が実行された場合に,上記無線通信端末Yの無線通信で得られる電界強度の遷移について説明し,本発明の理解に供する。ここに,図4は,上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの無線通信が確立した状態から,該無線通信端末Yが搭載された上記車両1が移動した場合に,該無線通信端末Yで得られる通信確立中の基地局からの電界強度の測定結果を示している。
図4に示すように,まず,上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの間で無線通信が確立された状態で,該無線通信端末Yが上記基地局Aに向けて移動すると,該基地局Aとの無線通信で得られる電界強度の測定結果は徐々に上昇する(図4の二点鎖線A参照)。
その後,上記無線通信端末Yが図1に示す上記位置P1に到達する時点T1において,該無線通信端末Yで測定される電界強度は上記上限閾値K以上になる(図3のステップS2のYes側)。
そのため,上記無線通信端末Yは,次に無線通信を確立するべき基地局を選択するための処理を開始する(図3のステップS3〜S10)。そして,上記基地局Aの電界強度が急激に低下し始めてその分散値が大きくなると,次に無線通信を確立するべき基地局である上記基地局Bが選択される。これにより,図4に示すように,その選択が行われた時点T2で上記無線通信端末Yの無線通信の確立先が上記基地局Bに切り換えられる(図4の二点鎖線B参照)。
また,その後,同様に上記無線通信端末Yと上記基地局Bとの無線通信が確立された状態で,該無線通信端末Yが上記基地局Bに向けて移動すると,該基地局Bとの無線通信で得られる電界強度の測定結果が徐々に上昇する(図4の二点鎖線B参照)。そして,上記無線通信端末Yが図1に示す上記位置P2に到達する時点T3で,電界強度が上記上限閾値K以上となる。これにより,次に無線通信を確立するべき基地局の選択が開始され,上記基地局Cが選択される。そして,その選択が行われた時点T4で上記無線通信端末Yの無線通信の確立先が上記基地局Cに切り換えられる(図4の二点鎖線C参照)。
なお,図4に示すように,上記基地局Bの電界強度が上記上限閾値K以上に達した後,なめらかに推移する場合には,上記基地局Bの電界強度の分散値が小さく,すぐに次の基地局Cへの切り換えが行われないこともある。しかし,結局その後,上記基地局Bの電界強度が急激に低下し始めると,その時点で該基地局Bの電界強度の分散値が大きくなるため,次の基地局Cへの切り換えが行われる。
以上,説明したように,本発明の実施の形態に係る上記無線通信システムXでは,通信確立中の基地局から受信する電界強度が上記上限閾値K以上に達したことを条件に,次に接続する基地局の選択が開始される。そのため,通信確立中の基地局との無線通信における電界強度が急激に低下する前に,次に無線通信を確立するべき基地局への切り換えが行われる。従って,上記無線通信システムXでは,上記基地局Aから上記基地局Bへの切り換え時や,上記基地局Bから上記基地局Cへの切り換え時など,基地局を切り換える際の無線通信の途切れを防止することができる。なお,この点,従来システムでは,図10に示したように,通信中の基地局の電界強度が急激に低下した後で切り換えが行われるため,その切り換えの際に無線通信が途切れるおそれがあった。
ところで,上記ハンドオーバー処理では,上記ステップS6で二つの基地局に候補を絞った後,その二つの基地局についての電界強度の分散値を測定する場合を例に挙げて説明した。しかし,これに限られず,上記ステップS3〜S4における電界強度のサンプリングを上記サンプリング時間t1+上記サンプリング時間t2の間実行することも考えられる。この場合,上記サンプリング時間t1の測定結果に基づいて通信可能な基地局各々の平均値を算出し,その後,その平均値が上位2つの基地局についての上記サンプリング時間t2の測定結果に基づいて分散値を算出すればよい。なお,このとき,上記サンプリング時間t1は,上記サンプリング時間t2の4倍程度長いことが望ましい。
ここに,図5は,上記ハンドオーバー処理(図3参照)の他の例を示すフローチャートである。
本実施例1では,図5のフローチャートを用いて,上記ハンドオーバー処理の他の例について説明する。なお,図3に示したハンドオーバー処理と同様の処理手順には同じ処理手順番号を付して説明を省略する。
図5に示すように,ステップS5で通信可能な基地局ごとに電界強度の平均値が測定されるまでの処理については,上記実施の形態で説明したハンドオーバー処理(図3参照)と同様である。
しかし,本実施例1に係るハンドオーバー処理では,図5に示すように,上記ステップS5に続くステップS21において,上記制御装置13は,上記ステップS5で測定された通信可能な基地局ごとの電界強度の平均値に基づいて,該平均値が上位から2番目の基地局を選択する。ここに,かかる選択処理を実行するときの上記制御装置13は上記第1の基地局選択手段の一例である。そして,上記ステップS11では,上記ステップS21で選択された基地局への切り換えが行われる。
このような構成では,例えば上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの無線通信が確立された状態で,該無線通信の電界強度が上記上限閾値K以上に達した場合に,その時点で通信可能な基地局のうちから上記無線通信端末Yで得られる電界強度が2番目に高い基地局が選択されて接続される。このような構成では,現在無線通信が確立している基地局の電界強度が上記上限閾値K以上に達した直後に,次に無線通信を確立するべき基地局に切り換えられるため,上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの無線通信における電界強度が急激に低下する前に,次の基地局Bへの切り換えを行うことができ,その切り換え時における無線通信の途切れを防止することができる。
ここに,図6はハンドオーバー処理の他の例を示すフローチャート,図7及び図8はハンドオーバー処理の結果を説明するための図である。
本実施例2では,図6〜図8を用いて,上記ハンドオーバー処理(図3,図5参照)の更なる改良点について説明する。なお,図3,図5に示したハンドオーバー処理と同様の処理手順には同じ処理手順番号を付して説明を省略する。
上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Y及び上記基地局A〜Cに設けられた上記アンテナ11,上記アンテナ21,その他周辺機器の経年劣化や,上記車両1が走行する上記軌道L周辺の環境変化などが,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信における電界強度に影響する。例えば,上記軌道L周辺に建造物がある場合には,その建造物が無線通信の障害となることがある。そのため,上記軌道L周辺に新たに建造物が建てられた場合や建造物が撤去された場合には,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信における電界強度が変化する。
従って,上記ハンドオーバー処理の上記ステップS2において,常に一定の上限閾値Kを指標として基地局の切り換え開始タイミングを判断するすると,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信における電界強度が上記上限閾値K以上に達するタイミングが変化する。或いは,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信における電界強度が上記上限閾値K以上に達しないことも考えられる。
そのため,基地局の切り換え開始タイミングを適切なタイミングに維持するためには,当該無線通信システムXの管理者などが,定期的に上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信環境の解析などを行い,上記上限閾値Kを設定変更する必要がある。しかしながら,定期的にこれらの作業を行うことは管理者などにとって非常に手間である。
そこで,本実施例2に係るハンドオーバー処理(図6のフローチャート参照)では,図3を用いて説明した上述のハンドオーバー処理に加えて,後述するステップS31〜S33及びステップS41〜S43の処理手順が上記制御装置13によって実行される。これにより,上記無線通信端末Yでは,現状の上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信環境に応じて,基地局の切り換えタイミングを判断するための上限閾値が自動的に設定変更される。なお,図5を用いて説明した上述のハンドオーバー処理についても,同様にステップS31〜S33及びステップS41〜S43の処理手順を追加すればよいため説明を省略する。
また,ここで説明するステップS31〜S33及びステップS41〜S43の処理手順は,上記制御装置13とは別に上記無線通信端末Yに設けられた他の制御装置によって実行されてもかまわない。
まず,前提として,本実施例2に係るハンドオーバー処理を実行する上記制御装置13では,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始するタイミングを判断するための上限閾値が上記基地局A〜Cごとに予め設定されている。上記基地局A〜Cごとに設定された上限閾値各々は,上記制御装置13内の記憶装置に予め記憶されており,上記制御装置13は上記上限閾値各々を必要に応じて参照し或いは変更する。
具体的に,上記制御装置13は,図6に示すように,上記ステップS2に相当するステップS2’において上記上限閾値を参照し,上記ステップS1で測定された電界強度が,現在無線通信が確立している基地局に対応する上記上限閾値以上であると判断した場合に(S2’のYes側),処理を上記ステップS3に移行させ,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する(S3以降)。
一方,上記ステップS2において,上記ステップS1で測定された電界強度が上限閾値以上でないと判断された場合には(S2のNo側),上記制御装置13は処理をステップS31に移行させる。
(ステップS31)
ステップS31では,上記制御装置13は,現在確立されている無線通信における電界強度が,予め設定された強制切換設定値以下であるか否かを判断する。ここに,上記強制切換設定値は,現在無線通信が確立されている基地局から次の基地局への切り換えを強制的に実行するための判断指標として予め定められた電界強度である。具体的に,上記強制切換設定値は,上記無線通信端末Yと上記基地局との間の無線通信における電界強度が上記上限閾値に到達することなく低下したために基地局の切り換えが行われず,現在の基地局との間の無線通信を継続することができなくなるおそれが生じた場合に,無線通信の確立先を次の基地局に切り換えて無線通信を継続して行うために設定されている。
そして,ステップS31において,現在確立されている無線通信における電界強度が上記強制切換設定値以下であると判断されると(S31のYes側),処理はステップS32に移行される。なお,上記強制切換設定値以下ではないと判断されている間は(S31のNo側),処理は上記ステップS1に戻される。
(ステップS32)
ステップS32では,上記制御装置13は,現在無線通信が確立されている基地局から次の基地局への切り換えを強制的に実行する。具体的に,上記制御装置13は,現在通信可能な基地局各々の電界強度をサンプリングして,その中で次に無線通信を確立する基地局を選択し,その選択された基地局に無線通信の確立先を切り換える。ここに,係る処理を実行するときの上記制御装置13が第2の基地局選択手段及び第2の基地局切換手段に相当する。なお,上記選択処理や上記切換処理は,上記ステップS3〜S11と同等の手順で行われてもよい。また,このような状況では切り戻り現象の問題は生じないため,現状で電界強度が最も高い基地局を選択し,その基地局に即時に切り換えることも考えられる。
(ステップS33)
上記ステップS32において基地局が切り換えられた場合,続くステップS33では,上記制御装置13は,上位ステップS32における切り換え前の基地局に対応する上限閾値を現状よりも低い値に設定する。ここに,係る設定処理を実行するときの上記制御装置13が上限閾値下方修正設定手段に相当する。
具体的に,上記制御装置13は,上記ステップS1において測定されていた当該基地局との無線通信における電界強度のピーク値よりも所定値だけ低い値を新たな上限閾値として設定する。なお,上記ピーク値を上限閾値として設定することも考えられるが,次に当該基地局との無線通信が行われたときに,該無線通信における電界強度を確実に上記上限閾値以上に到達させるためには,上記ピーク値よりも多少低い値に設定しておくことが望ましい。
また,上記制御装置13によって実行される当該ステップS33における上限閾値の設定手法はこれに限られず,例えば,現状の上限閾値から所定値を減算した値を新たな上限閾値として設定すること等も他の実施例として考えられる。
このように,上記ステップS31〜S33が実行されることにより上記上限閾値が変更されると,次に,上記上限閾値が変更された基地局と上記無線通信端末Yとの間で無線通信が確立された場合は,該無線通信における電界強度が上記上限閾値以上に到達することになるため,上記ステップS2’において処理をステップS3に移行させることができる。これにより,上記無線通信システムXでは,基地局の切り換え時における無線通信の途切れを防止することができる。
(ステップS41)
一方,上記ステップS2’において,現在確立されている無線通信における電界強度が,その無線通信の確立先の基地局に対応する上限閾値以上であると判断された場合には(S2’のYes側),続く上記ステップS3〜S11によって無線通信の確立先の基地局の切り換えが行われる。
但し,上記ステップS11で無線通信の確立先の基地局が切り換えられたとき,次の基地局との無線通信における電界強度が低すぎる場合には,基地局の切り換えタイミングが早すぎたものと考えられる。
そこで,本実施例2に係る上記ハンドオーバー処理では,図6に示すように,上記ステップS11で基地局が切り換えられた場合,上記制御装置13によって以下のステップS41〜S43の処理手順が実行される。
具体的に,上記制御装置13は,ステップS41において,上記ステップS11における切り換え後の基地局との無線通信における電界強度を測定する。ここに,係る処理を実行するときの上記制御装置13が第3の電界強度測定手段に相当する。
(ステップS42)
そして,上記制御装置13は,次のステップS42において,上記ステップS41で測定された電界強度が,予め設定された下限閾値以下であるか否かを判断する。ここに,上記下限閾値は,次の基地局への切り換えのタイミングが早すぎたことを検出するために予め設定された値である。また,上記下限閾値は,上記ステップS11で次の基地局への切り換えが行われる直前に行われていた前の基地局との無線通信における電界強度から所定値を減算した値であってもよい。
ここで,上記下限閾値以下ではないと判断された場合には(S42のNo側),上記制御装置13は,上記ステップS11における切り換え前の基地局に対応する上限閾値が適切であったと判断し,処理を上記ステップS1に戻す。
しかし,上記ステップS42において,上記下限閾値以下であると判断された場合には(S42のYes側),上記制御装置13は,上記ステップS11における切り換え前の基地局に対応する上限閾値が適切に設定されていないものと判断し,処理をステップS43に移行する。
(ステップS43)
ステップS43では,上記制御装置13は,上記ステップS11における切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を現状よりも高く設定する。具体的に,上記制御装置13は,上記ステップS11における切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を,現状の上記上限閾値よりも所定値だけ高い値を新たな上限閾値として設定する。ここに,係る設定処理を実行するときの上記制御装置13が上限閾値上方修正設定手段に相当する。なお,上記上限閾値に加算される上記所定値は,例えば予め設定された固定値であることや,上記上限閾値の所定割合であることが考えられる。
このように,上記ステップS41〜S43が実行されることにより上記上限閾値が変更されると,次に,上記上限閾値が変更された基地局と上記無線通信端末Yとの間で無線通信が確立された場合には,該無線通信における電界強度が上記上限閾値以上に到達するタイミングを遅らせることができる。これにより,上記無線通信システムXでは,基地局を切り換えた直後の無線通信における電界強度が低すぎるという状況を防止することができる。
以上説明したように,上記ハンドオーバー処理(図6参照)では,上記無線通信端末Yの無線通信の確立先の基地局を切り換えるタイミングが早すぎる場合には上記上限閾値が現状よりも高く設定され(S43),遅すぎる場合には上記上限閾値が現状よりも低く設定される(S33)。即ち,上記無線通信端末Yでは,上記基地局各々との間の無線通信についての環境を考慮して上記上限閾値が適宜更新される。
従って,上記無線通信端末Yでは,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜C各々との間の無線通信についての環境が変化した場合であっても,その変化に追従して更新される上記上限閾値に基づいて,通信先の基地局の切り換えを適切なタイミングで行うことができる。
これにより,例えば上記無線通信端末Yの管理者は,上記無線通信端末Yと上記基地局各々との間の無線通信についての環境が変化することを考慮して定期的に上記上限閾値を変更するためのメンテナンス作業を行う必要がなく,システム管理の手間を省くことができる。
以下,図7及び図8を参照しつつ,上記無線通信システムXにおいて上記ハンドオーバー処理(図6参照)が実行された場合の結果の一例について説明し,本発明の理解に供する。
ここに,図7及び図8は,上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの無線通信が確立した状態から,該無線通信端末Yが搭載された上記車両1が上記軌道L上を移動した場合の電界強度の遷移及び基地局の切換位置を説明するための図である。
特に,図7は,上記基地局Aに対応する上限閾値がQ(A),上記基地局Bに対応する上限閾値がQ(B),上記基地局Cに対応する上限閾値がQ(C)に予め設定された状態で上記車両1が移動した場合の電界強度の遷移及び基地局の切換位置P21〜P23を示している。
一方,図8は,図7の状態で上記車両1が上記軌道L上を移動しているときに上記ハンドオーバー処理(図6参照)が実行され,上記基地局A〜C各々に対応する上限閾値Q(A),Q(B),Q(C)が,Q’(A),Q’(B),Q’(C)に変更設定された後,再度,上記車両1が上記軌道L上を移動した場合の電界強度の遷移及び基地局の切換位置P31〜P33を示している。
また,図7及び図8に示す電界強度Mは,現在無線通信が確立されている基地局から次の基地局への切り換えを強制的に実行するか否かを上記ステップS31において判断するために予め設定された強制切換設定値である。さらに,図7及び図8に示す電界強度Q(D)は,次の基地局への切り換えのタイミングが早すぎたか否かを上記ステップS42において判断するために予め設定された下限閾値を示している。
まず,図7を用いて,上記無線通信端末Yと上記基地局A〜Cとの間の無線通信の環境が変化して,該基地局A〜C各々に対応する上記上限閾値Q(A)〜Q(C)が適切ではなくなっている状態において,上記ハンドオーバー処理(図6参照)が実行された結果について説明する。
具体的に,上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの間の無線通信における電界強度のピーク値Q(A1)は,該基地局Aに対応する上記上限閾値Q(A)未満である。同様に,上記無線通信端末Yと上記基地局Cとの間の無線通信における電界強度のピーク値Q(C1)は,該基地局Cに対応する上記上限閾値Q(C)未満である。また,上記無線通信端末Yと上記基地局Bとの間の無線通信における電界強度のピーク値Q(B1)は,該基地局Bに対応する上記上限閾値Q(B)よりも十分に高い値である。
従って,このままでは,以下に説明するように,上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの間で無線通信が確立された状態から該無線通信端末Yが上記基地局A,B,Cの順に通過するように移動するときに,通信先の基地局の切り換えが予め想定された適切なタイミングで行われない。
まず,上記無線通信端末Yと上記基地局Aとの間で無線通信が確立した状態で上記車両1が移動し始めると,図7に示すように,該無線通信端末Yが上記基地局Aに近づくにつれて電界強度が徐々に上昇する。しかし,その電界強度は,上記無線通信端末Yが上記基地局Aに近接しても上記上限閾値Q(A)以上に達することなく,該上限閾値Q(A)よりも低いピーク値Q(A1)に達した後,低下する。
そのため,上記ハンドオーバー処理(図6参照)における上記ステップS2’では,上記上限閾値Q(A)以上に達したと判断されない。一方,上記車両1が更に移動して上記基地局Aを通過して位置P21に到達すると,電界強度が上記強制切換設定値M以下に達するため(S31のYes側),通信先の基地局が基地局Aから基地局Bに切り換えられる(S32)。この場合には,上記ピーク値Q(A1)近傍に到達したタイミング,即ち適切な切り換えタイミングよりも遅いタイミングで,基地局を切り換えるための処理が開始されていることになる。
従って,上記制御装置13は,上記基地局Aに対応する上限閾値Q(A)を,上記ピーク値Q(A1)より所定値だけ低い上限閾値Q’(A)に変更する(S33)。例えば,上記制御装置13は,上限閾値Q(A)が−52dBm,ピーク値Q(A1)が−56dBmの場合,新たな上限閾値Q’(A)を,ピーク値Q(A1)よりも2dBmだけ低く,上限閾値Q(A)よりも6dBmだけ低い−58dBmに設定する。
次に,上記無線通信端末Yと上記基地局Bとの間で無線通信が確立した状態で上記車両1が移動すると,図7に示すように,該無線通信端末Yが上記基地局Bに近づくにつれて電界強度が徐々に上昇する。しかし,その電界強度は,上記無線通信端末Yと上記基地局Bとの無線通信における電界強度のピーク値Q(B1)近傍に到達するよりも前に,上記上限閾値Q(B)以上に達する。
そのため,上記ハンドオーバー処理(図6参照)における上記ステップS2’では,上記上限閾値Q(A)以上に達したと判断され(S2’のYes側),その後,上記ステップS3以降の処理が実行されることによって通信先の基地局が基地局Bから基地局Cに切り換えられる(S11)。
この場合には,上記ピーク値Q(B1)近傍に到達していないタイミング,即ち適切な切り換えタイミングよりも早いタイミングで,基地局を切り換えるための処理が開始されていることになる。そのため,上記基地局Cに切り換えられた位置P22では,該基地局Cとの無線通信における電界強度は上記下限閾値M以下となる。
従って,上記ステップS42では,切り換えられた後の基地局Cとの無線通信における電界強度が上記下限閾値M以下であると判断され(S42のYes側),続く上記ステップS43において,上記制御装置13が,上記基地局Bに対応する上限閾値Q(B)を,該上限閾値Q(B)よりも所定値だけ低い上限閾値Q’(B)に変更する。例えば,上記制御装置13は,上限閾値Q(B)が−60dBmの場合,新たな上限閾値Q’(B)を,上限閾値Q(B)よりも1dBmだけ高い−59dBmに設定する。
ここで,上記無線通信端末Yと上記基地局Bとの無線通信は,その無線通信における電界強度が実際のピーク値に到達する前に切り換えられていることもあるため,実際の電界強度のピーク値は不明である。そのため,上記上限閾値Q’(B)を設定するときにその値を高くしすぎると,該上限閾値Q’(B)がピーク値Q(B)を超えて設定されるおそれがある。従って,上記上限閾値Q(B)から上記上限閾値Q’(B)への上げ幅は小さい値(ここでは1dBm)に設定しておくことが望ましい。この場合でも,上記ハンドオーバー処理(図6参照)が繰り返し実行されることにより,上記基地局Bに対応する上限閾値は徐々に上記ピーク値Q(B1)近傍の適切な値に収束させることができる。
その後,上記無線通信端末Yでは,上記基地局Cとの間の無線通信においても,上記基地局Aとの無線通信が行われていた場合と同様に,上記車両1が上記基地局Cを通過した位置P23において,該基地局Cから次の基地局(不図示)に切り換えられ,上記上限閾値Q(C)が,ピーク値Q(C1)よりも所定値だけ低い上限閾値Q’(C)に設定される。
例えば,上記制御装置13は,上限閾値Q(C)が−52dBm,ピーク値Q(C1)が−55dBmの場合,新たな上限閾値Q’(C)を,ピーク値Q(C1)よりも2dBmだけ低く,上限閾値Q(C)よりも5dBmだけ低い−57dBmに設定する。
そして,このようにして上記基地局A〜C各々に対応する上限閾値Q’(A)〜Q’(C)が新たに設定されると,次に,上記車両1が同様に移動するときには,図8に示すように,無線通信の確立先の基地局の切り換えを図7に示した場合に比べて適切なタイミングで行うことができる。
具体的に,図8に示す状態では,基地局Aを基地局Bに切り換えるための処理(S3〜S11)は,電界強度がピーク値Q(A1)近傍に設定された上記上限閾値Q’(A)に達した時点で開始され,電界強度が急激に低下し始める位置P31において基地局の切り換えが行われる。
また,基地局Bを基地局Cに切り換えるための処理(S3〜S11)は,電界強度が上限閾値Q(B)よりも高い上限閾値Q’(B)に達した時点で開始されるため,図7の位置P22よりも遅い位置P32において基地局の切り換えが行われる。前述したように,上記上限閾値Q’は上記ハンドオーバー処理(図6参照)が繰り返し実行されることにより,いずれ上記ピーク値Q(B)近傍の値に収束する。
さらに,基地局Cを次の基地局(不図示)に切り換えるための処理(S3〜S11)は,電界強度がピーク値Q(C1)近傍に設定された上限閾値Q’(C)に達した時点で開始され,電界強度が急激に低下し始める位置P33において基地局の切り換えが行われる。
以上説明したように,上記無線通信システムXでは,無線通信端末Yによって上記ハンドオーバー処理(図6参照)が実行されることにより,上記基地局A〜C各々との無線通信の状況に応じて該基地局A〜C各々に対応する上限閾値が自動的に更新されるため,通信先の基地局の切り換えタイミングを長期的に適切なタイミングに維持し続けることができる。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXの概略構成を示す模式図。 本実施の形態に係る無線通信端末Yの概略構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態に係る無線通信端末Yが実行するハンドオーバー処理の手順の一例を説明するためのフローチャート。 本発明の実施の形態に係る無線通信端末Yが実行するハンドオーバー処理の結果を説明するための図。 ハンドオーバー処理の他の例を示すフローチャート。 ハンドオーバー処理の他の例を示すフローチャート。 ハンドオーバー処理の結果を説明するための図。 ハンドオーバー処理の結果を説明するための図。 特許文献1の図3を引用した図。 無線通信システムXにおいて電界強度が下限閾値K1以下となったときに次の基地局の選択を開始する場合を説明するための図。
符号の説明
A〜C…基地局
X…無線通信システム
Y…無線通信端末
1…車両
11,21,22…アンテナユニット
11a,11b…アンテナ素子
12…カメラ
13…無線通信制御装置
23,24…無線通信ユニット
3…管理ユニット

Claims (13)

  1. 予め定められた移動経路に沿って所定間隔ごとに配置され,上記移動経路に沿って移動する当該無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性を有する基地局用指向性アンテナを備える複数の基地局のいずれか一つの基地局と無線通信を行う無線通信端末であって,
    当該無線通信端末の移動方向に指向性を有する移動用指向性アンテナと,
    現在無線通信が確立している基地局との無線通信における電界強度を測定する第1の電界強度測定手段と,
    上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が予め設定された上限閾値以上である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する第1の基地局選択手段と,
    上記第1の基地局選択手段によって選択された基地局に無線通信の確立先を切り換える第1の基地局切換手段と,
    を備えてなることを特徴とする無線通信端末。
  2. 上記複数の基地局のうち通信可能な基地局各々との無線通信における電界強度を測定する第2の電界強度測定手段を更に備えてなり,
    上記第1の基地局選択手段が,上記第2の電界強度測定手段による測定結果に基づいて次に無線通信を確立する基地局を選択するものである請求項1に記載の無線通信端末。
  3. 上記第1の電界強度測定手段及び/又は上記第2の電界強度測定手段が,所定期間内の電界強度の平均値を測定するものである請求項2に記載の無線通信端末。
  4. 上記複数の基地局のうち上記第2の電界強度測定手段により測定された電界強度の上位二つの基地局を次に無線通信を確立する基地局の候補として選択する候補選択手段と,上記候補選択手段により選択された二つの基地局各々との無線通信における電界強度の所定期間内の分散値を測定する分散値測定手段と,を更に備えてなり,
    上記第1の基地局選択手段が,上記候補選択手段により選択された二つの基地局のうち上記分散値測定手段によって測定された電界強度の分散値が小さい方の基地局を選択するものである請求項2又は3のいずれかに記載の無線通信端末。
  5. 上記第1の基地局選択手段が,上記第2の電界強度測定手段により測定された電界強度が上位から2番目の基地局を選択するものである請求項2又は3のいずれかに記載の無線通信端末。
  6. 上記上限閾値が,複数の上記基地局ごとに対応して予め設定されてなり,
    上記第1の基地局選択手段が,上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が,現在無線通信が確立している基地局に対応する上記上限閾値以上である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始してなる請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信端末。
  7. 上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が予め設定された強制切換設定値以下である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する第2の基地局選択手段と,
    上記第2の基地局選択手段によって選択された基地局に無線通信の確立先を切り換える第2の基地局切換手段と,
    上記第2の基地局切換手段によって基地局が切り換えられた場合に,該切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を現状よりも低い値に設定する上限閾値下方修正設定手段と,
    を備えてなる請求項6に記載の無線通信端末。
  8. 上記上限閾値下方修正設定手段が,上記第2の基地局切換手段による切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を,該基地局との無線通信における電界強度のピーク値,又は該ピーク値から予め設定された所定値だけ低い値に設定するものである請求項7に記載の無線通信端末。
  9. 上記第1の基地局切換手段によって基地局が切り換えられた場合に,該切り換え後の基地局との無線通信における電界強度を測定する第3の電界強度測定手段と,
    上記第1の基地局切換手段によって基地局が切り換えられたときに上記第3の電界強度測定手段によって測定された電界強度が,予め設定された下限閾値以下である場合に,上記第1の基地局切換手段による切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を現状よりも高い値に設定する上限閾値上方修正設定手段と,
    を更に備えてなる請求項6〜8のいずれかに記載の無線通信端末。
  10. 上記上限閾値上方修正設定手段が,上記第1の基地局切換手段による切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を,現状の上記上限閾値よりも予め設定された所定値だけ高い値に設定するものである請求項9に記載の無線通信端末。
  11. 予め定められた移動経路に沿って移動する無線通信端末と上記移動経路に沿って所定間隔で配置された複数の基地局とを備えてなり,上記無線通信端末と複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信システムであって,
    上記基地局各々が,上記無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性を有する基地局用指向性アンテナを備えてなり,
    上記無線通信端末が,当該無線通信端末の移動方向に指向性を有する移動用指向性アンテナと,現在無線通信が確立している基地局との無線通信における電界強度を測定する第1の電界強度測定手段と,上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が予め設定された上限閾値以上である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する第1の基地局選択手段と,上記第1の基地局選択手段によって選択された基地局に無線通信の確立先を切り換える第1の基地局切換手段とを備えてなることを特徴とする無線通信システム。
  12. 上記上限閾値が,複数の上記基地局ごとに対応して予め設定されてなり,
    上記第1の基地局選択手段が,上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が,現在無線通信が確立している基地局に対応する上記上限閾値以上である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始するものであって,
    上記無線通信端末が,
    上記第1の電界強度測定手段により測定された電界強度が予め設定された強制切換設定値以下である場合に,次に無線通信を確立する基地局の選択を開始する第2の基地局選択手段と,上記第2の基地局選択手段によって選択された基地局に無線通信の確立先を切り換える第2の基地局切換手段と,上記第2の基地局切換手段によって基地局が切り換えられた場合に,該切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を現状よりも低い値に設定する上限閾値下方修正設定手段と,上記第1の基地局切換手段によって基地局が切り換えられた場合に,該切り換え後の基地局との無線通信における電界強度を測定する第3の電界強度測定手段と,上記第1の基地局切換手段によって基地局が切り換えられたときに上記第3の電界強度測定手段によって測定された電界強度が,予め設定された下限閾値以下である場合に,上記第1の基地局切換手段による切り換え前の基地局に対応する上記上限閾値を現状よりも高い値に設定する上限閾値上方修正設定手段とを更に備えてなる請求項11に記載の無線通信システム。
  13. 予め定められた移動経路に沿って移動し,その移動方向に指向性を有する移動用指向性アンテナを備える無線通信端末と,上記移動経路に沿って所定間隔で配置され,上記無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性を有する基地局用指向性アンテナを備える複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信制御方法であって,
    上記無線通信端末と現在無線通信が確立している基地局との無線通信における電界強度を測定して,その測定された電界強度が予め設定された上限閾値以上である場合に,上記無線通信端末が次に無線通信を確立する基地局の選択を開始し,その結果選択された基地局に上記無線通信端末の無線通信の確立先を切り換えることを特徴とする無線通信制御方法。
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