JP2011135327A - 無線通信システム,無線通信端末 - Google Patents

無線通信システム,無線通信端末 Download PDF

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成資 西池
Chitaka Manabe
知多佳 真鍋
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Abstract

【課題】無線通信端末や基地局各々の個体差を考慮してドップラーシフト周波数を正確に取得し,そのドップラーシフト周波数によって特定される無線通信端末と基地局各々との位置関係に応じて無線通信を確立する基地局を切り替えることにより,シームレスな大容量通信を維持することのできる無線通信端末及び無線通信システムを提供すること。
【解決手段】接続先指定部53は,無線通信端末Yの移動中に周波数検出部421で検出されて記憶された移動時テーブルD2の通信周波数から,無線通信端末Yの停止中に周波数検出部421で検出されて予め記憶された停止時テーブルD1の通信周波数を減算したドップラーシフト周波数に基づいて,基地局各々が無線通信端末Yの前方又は後方のいずれに位置するかを判別し,無線通信端末Yの前方に位置すると判別された一又は複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立させる。
【選択図】図2

Description

本発明は,無線通信端末と該無線通信端末が移動する軌道に沿って配置された複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を行う無線通信システムに関し,特に,無線通信端末が移動しながら無線通信の確立先の基地局を切り換えるハンドオーバー処理の技術に関するものである。
一般に,予め定められた軌道に沿って移動する車両などに搭載された無線通信端末と,上記軌道に沿って所定間隔ごとに配置された複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を行う無線通信システムが知られている。例えば,上記無線通信システムは,上記車両などに設けられたカメラで撮影された映像などを上記無線通信端末から上記基地局に送信するために用いられる。
このような無線通信システムでは,無線通信端末の移動に伴って無線通信の確立先の基地局を順に切り換える所謂ハンドオーバー処理を実行する必要がある。このとき,例えば携帯電話などに関する無線通信技術では,その移動方向などが不定であるため,常に無線通信可能な基地局を検索し,その中で電界強度が高い基地局に接続先を切り替える必要がある。
これに対し,上述したように無線通信端末の移動が予め定められた軌道に限定されている構成では,最も望ましい接続先の基地局が無線通信端末の現在位置によって定まる。そのため,このような構成では,常に無線通信可能な基地局を検索する必要はなく,無線LANの通信規格(例えばIEEE802.11a,b,g,n)に準拠した無線通信を行うことが可能であり,携帯電話などにおける無線通信と比較して大きい伝送容量を得ることができる。例えば,現在無線通信が確立している基地局との無線通信のRSSI(電界強度,無線信号の強度と同義)が下限閾値を下回ったことを条件に,次の通信先の基地局をリストアップするスキャン処理を実行し,その中からRSSIが最も高い基地局を選択して無線通信を確立させることが考えられる。
但し,その一方で,無線LANの通信規格は,携帯電話のように移動を想定して常に接続先の候補を監視する通信規格ではないため,ハンドオーバー処理による基地局の切り替えが遅れて一時的に切断状態が発生し,シームレスな大容量通信を維持することができなくなるおそれがある。
特に,上記基地局各々が無線通信端末の移動方向と逆方向に指向性を有するアンテナを備える無線通信システムでは,無線通信端末が移動して基地局に近づくに連れてRSSIが徐々に増加するが,該基地局を通り過ぎた後は,急激にRSSIが低下することとなる。
そのため,例えば無線通信端末から基地局に対して映像を送信する構成では,その送信映像のフレーム落ちやフリーズが発生するという問題がある。このようなフレーム落ちやフリーズを発生させる主な原因を調査した結果,その原因は,急激な電界強度の低下により,無線通信における変調モードが追随できずにパケットロスが発生することや,ハンドオーバー処理における下限閾値を下回ったことへの反応が遅れることにあることが判明した。即ち,シームレスな大容量通信を維持するためには,無線通信端末が基地局を通過した後,電界強度が急激に低下する前に次の基地局に切り替えることが望ましい。
そこで,例えば無線通信端末が基地局を通過したことを検知する手法として,無線通信端末と基地局との間の無線通信におけるドップラー効果を利用することが考えられる。具体的に,無線通信端末が基地局に近づく方向に移動している場合には,該基地局から受信されるビーコン信号の通信周波数が,その通信チャンネルに対応する基準通信周波数に対して高い値となる。一方,無線通信端末が基地局から離れる方向に移動している場合には,該基地局から受信されるビーコン信号の通信周波数が,その通信チャンネルに対応する基準通信周波数に対して低い値となる。そのため,無線通信端末が現在無線通信を確立している基地局との間の通信周波数が,上記基準通信周波数に対してプラス又はマイナスのいずれに振れているかを判断することで,その基地局が無線通信端末の前後のいずれに位置するかを特定することが可能である。
従って,無線通信端末が現在無線通信を確立している基地局との間の通信周波数が上記基準通信周波数に対してマイナスとなったことを条件に,次の基地局に切り替えれば,無線通信端末がその基地局を通過した直後に基地局の切り替えを行うことができ,シームレスな大容量通信を維持することが可能となる。なお,ドップラーシフト周波数を利用して無線通信端末の位置を特定する技術は,例えば特許文献1に開示されている。
特開平7−111675号公報
ところで,上記基準通信周波数は例えば2.4GHz程度であるが,これに対して,ドップラー効果により生じるドップラーシフト周波数(周波数のシフト量)は数百Hz程度であって,上記基準通信周波数に対して極めて小さいものである。一方,無線通信端末と基地局各々との無線通信の通信周波数は,その無線通信端末や基地局各々の個体差によって数MHz単位の差異が生じる。
そのため,例えば実際に検出された通信周波数と上記基準通信周波数との差分周波数をドップラーシフト周波数として考えると,その無線通信端末や基地局各々の個体差によって生じる通信周波数のズレ量如何によって,ドップラーシフト周波数を正確に取得することができないという問題が生じる。なお,上記特許文献1には,基地局各々の間で予め行われる無線通信の通信周波数を記憶しておき,その記憶された通信周波数と,実際に無線通信端末及び基地局の間で行われる無線通信の通信周波数との差分周波数をドップラーシフト周波数として検出することが記載されているが,この場合は,無線通信端末の個体差による通信周波数のズレが考慮されていないため,ドップラーシフト周波数を正確に検出しているとは言えない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,無線通信端末や基地局各々の個体差を考慮してドップラーシフト周波数を正確に取得し,そのドップラーシフト周波数によって特定される無線通信端末と基地局各々との位置関係に応じて無線通信を確立する基地局を切り替えることにより,シームレスな大容量通信を維持することのできる無線通信端末及び無線通信システムを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,予め定められた移動経路に沿って移動する当該無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性のある基地局用アンテナを有してなり上記移動経路に沿って所定間隔ごとに配置された複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信端末に適用されるものであって,下記の(1)〜(4)を備えてなることを特徴とするものである。
(1)上記基地局各々から予め設定された所定時間ごとに送信されるビーコン信号を当該無線通信端末に設けられた端末用アンテナで受信したときの通信周波数を検出する周波数検出手段。具体的に,上記基地局各々から上記ビーコン信号が送信される上記所定時間は,少なくとも上記無線通信端末が現在無線通信確立中の上記基地局の位置から該基地局との無線通信における電界強度が急激に低下し始める位置に移動するまでの時間よりも短い時間である。
(2)上記無線通信端末の停止中に上記周波数検出手段で検出された上記基地局各々に対応する通信周波数が予め記憶された停止時周波数記憶手段。
(3)上記無線通信端末の移動中に上記周波数検出手段により検出された該基地局各々に対応する通信周波数から上記停止時周波数記憶手段に記憶された上記基地局各々に対応する通信周波数を減算した差分周波数に基づいて,上記基地局各々が上記無線通信端末の前方又は後方のいずれに位置するかを判別する前後位置判別手段。例えば,上記前後位置判別手段は,上記差分周波数が0以上であることを条件に上記無線通信端末の前方に位置する上記基地局であると判別するものである。
(4)上記前後位置判別手段によって上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する基地局切替手段。具体的に,上記基地局切替手段は,上記前後位置判別手段によって現在無線通信確立中の上記基地局が上記無線通信端末の後方に位置すると判別されたことを条件に,無線通信の確立先を,上記前後位置判別手段によって上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のいずれか一つの基地局に切り替えるものであることが考えられる。
本発明によれば,上記所定時間間隔で受信される上記ビーコン信号に基づいて当該無線通信端末の前方に位置すると判別された基地局との間で無線通信が確立されることとなる。
そのため,上記所定時間を,例えば上記無線通信端末が現在無線通信確立中の上記基地局の位置から該基地局との無線通信における電界強度が急激に低下し始める位置に移動するまでの時間よりも短い時間に設定しておけば,その急激な電界強度の低下までに無線通信の確立先を次の基地局に切り替えることができ,無線通信の一時的な遮断を防止することができる。従って,本発明によれば,例えば上記無線通信端末と上記基地局各々との間で映像を送信する場合に,その映像におけるフレーム落ちやフリーズなどの不具合の発生を防止することができる。
ところで,上記基地局各々から上記ビーコン信号を受信したときの電界強度を測定する電界強度測定手段を更に備えてなり,上記基地局切替手段が,上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のうち上記電界強度測定手段による測定結果が最も高い基地局との間で無線通信を確立するものであることが考えられる。これにより,上記無線通信端末の前方に位置すると判別された上記基地局が複数存在する場合に,その中で適切な基地局を選定することができる。
他方,上記移動経路上における上記基地局各々の配置順序が予め記憶された配置順序記憶手段を更に備えてなり,上記基地局切替手段が,上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のうち上記配置順序記憶手段に記憶された配置順序が最先である基地局との間で無線通信を確立するものであることが考えられる。これにより,上記無線通信端末の前方に位置すると判別された上記基地局が複数存在する場合に,その中で適切な基地局を選定することができる。
また,本発明は無線通信システムの発明として捉えることも可能である。即ち,予め定められた移動経路に沿って移動する無線通信端末と,上記移動経路に沿って移動する当該無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性のある基地局用アンテナを有してなり,上記移動経路に沿って所定間隔ごとに配置された複数の基地局とを備えてなり,上記無線通信端末と複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信システムに適用されるものであって,上記基地局各々及び上記無線通信端末が以下のように構成される。
即ち,上記基地局各々が,予め設定された所定時間ごとに上記無線通信端末にビーコン信号を送信するビーコン信号送信手段を備えている。具体的に,上記基地局各々から上記ビーコン信号が送信される上記所定時間は,少なくとも上記無線通信端末が現在無線通信確立中の上記基地局の位置から該基地局との無線通信における電界強度が急激に低下し始める位置に移動するまでの時間よりも短い時間である。
そして,上記無線通信端末が,上記基地局各々から送信されるビーコン信号を当該無線通信端末に設けられた端末用アンテナで受信したときの通信周波数を検出する周波数検出手段と,上記無線通信端末の停止中に上記周波数検出手段で検出された上記基地局各々に対応する通信周波数が予め記憶された停止時周波数記憶手段と,上記無線通信端末の移動中に上記周波数検出手段により検出された該基地局各々に対応する通信周波数から上記停止時周波数記憶手段に記憶された上記基地局各々に対応する通信周波数を減算した差分周波数に基づいて,上記基地局各々が上記無線通信端末の前方又は後方のいずれに位置するかを判別する前後位置判別手段と,上記前後位置判別手段によって上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する基地局切替手段とを備えている。
このように構成された無線通信システムによれば,急激な電界強度の低下までに無線通信の確立先を次の基地局に切り替えることができ,無線通信の一時的な遮断を防止することができる。
本発明によれば,上記所定時間間隔で受信される上記ビーコン信号に基づいて当該無線通信端末の前方に位置すると判別された基地局との間で無線通信が確立されることとなる。そのため,上記所定時間を,例えば上記無線通信端末が現在無線通信確立中の上記基地局の位置から該基地局との無線通信における電界強度が急激に低下し始める位置に移動するまでの時間よりも短い時間に設定しておけば,その急激な電界強度の低下までに無線通信の確立先を次の基地局に切り替えることができ,無線通信の一時的な遮断を防止することができる。従って,本発明によれば,例えば上記無線通信端末と上記基地局各々との間で映像を送信する場合に,その映像におけるフレーム落ちやフリーズなどの不具合の発生を防止することができる。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXの概略構成を示す模式図。 本実施の形態に係る無線通信端末Yの概略構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態に係る無線通信端末Yで実行される停止時テーブル作成処理及び移動時テーブル作成処理の手順の一例を説明するためのフローチャート。 停止時テーブル作成処理及び移動時テーブル作成処理で作成される停止時テーブル及び移動時テーブルの一例を説明するための図。 本発明の実施の形態に係る無線通信端末Yで実行されるハンドオーバー処理の手順の一例を説明するためのフローチャート。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。なお,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1に示すように,本実施の形態に係る無線通信システムXは,無線通信端末Y及び複数の基地局W1〜W4を備えている。なお,以下では,基地局W1〜W4のうち不特定の基地局を基地局Wという。
上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Yと上記基地局W1〜W4のいずれか一つの基地局Wとの間で無線通信が確立され,無線信号の送受信が行われる。このとき,上記無線通信端末Yと上記基地局Wとの間では,無線LANの通信規格(例えばIEEE802.11a,b,g,n)に準拠した無線通信がTCP/IPなどの通信プロトコルに従って実行される。
上記無線通信端末Yは,予め定められた線路や道路などの軌道L(移動経路)に沿って走行(移動)する車両(列車や自動車など)1の先頭部に搭載されることにより,該軌道Lに沿って移動する。ここに,図1における右方向は上記車両1の進行方向であって該車両1の前方である。本実施の形態では,上記無線通信端末Yが上記車両1に搭載される場合を例に挙げて説明するが,これに限られない。例えば,生産工場などにおいてベルトコンベア(移動経路の一例)上を移動する移動物体に上記無線通信端末Yが搭載されることも考えられる。
また,上記基地局W1〜W4は,上記軌道Lに沿って所定間隔ごとに配置されている。なお,図1には上記基地局W1〜W4だけを図示しているが,該基地局W1の前段や上記基地局W4の後段にも所定間隔ごとに同様の基地局が配置される。また,上記軌道L上には,上記車両1と同様に上記無線通信端末Yが搭載された複数の車両が走行する。
まず,上記基地局W1〜W4の概略構成について説明する。
上記基地局W1〜W4各々は,アンテナユニット21,22(以下「アンテナ21,22」と略称する),及び無線通信ユニット23,24を備えている点で共通している。
一方,上記基地局W1は,上記無線通信ユニット23に管理ユニット3が有線接続されており,該管理ユニット3との間で有線通信を行うことが可能である点で上記基地局W2〜W4と異なる。上記管理ユニット3は,上記車両1で撮影される映像を表示するための不図示のモニタ等を備えている。なお,上記基地局W1は,上記管理ユニット3との間で無線通信を行うものであってもよい。
上記アンテナ21(基地局用アンテナの一例)は,一方向に指向性を有する二つのアンテナ素子を有しており,その二つのアンテナ素子のうち電波状況の優れた方を優先的に利用するダイバーシティアンテナである。もちろん,上記アンテナ21は,一つのアンテナ素子のみを有するものであってもよい。
そして,上記基地局Wにおいて,上記アンテナ21の二つのアンテナ素子は,指向方向が上記車両1の移動方向と反対方向(図1における左方向)になるように向けられている。即ち,上記アンテナ21は,上記軌道Lに沿って移動する上記車両1に搭載された上記無線通信端末Yの移動方向と反対方向に無線通信の指向性を有している。
一方,上記アンテナ22は,例えば左右双方向に指向性を有する二つのアンテナ素子からなるダイバーシティアンテナである。そして,上記アンテナ22の二つのアンテナ素子は,指向方向が上記車両1の移動方向及び該移動方向の反対方向の双方向(図1における左右双方向)になるように向けられている。即ち,上記アンテナ22は,上記車両1の移動方向及び該移動方向の反対方向に無線通信の指向性を有している。
上記無線通信ユニット23,24は,CPU等の演算装置や各種の記憶装置などの制御機器を有している。上記無線通信ユニット23,24は,上記記憶装置に記憶された制御プログラムに従って処理を実行することにより上記アンテナ21,22を用いる無線通信処理を実行する。なお,上記無線通信ユニット23,24は有線接続されており,相互間で有線通信が可能である。
また,上記無線通信ユニット23は,上記基地局W1〜W4の識別情報としてMACアドレス(或いはIPアドレス等)を含むビーコン信号と呼ばれるフレームを,予め設定された所定時間ごとに断続的に上記アンテナ21から送信させる。例えば,上記ビーコン信号は,10ms〜100ms間隔で送信される。これにより,上記無線通信端末Yは,上記無線通信ユニット23から送信されたビーコン信号を上記所定時間ごとに受信することとなる。なお,ここでは上記ビーコン信号にMACアドレスが含まれている場合を例に挙げて説明するが,上記基地局W1〜W4ごとに通信周波数の通信チャンネルが異なる場合には,その通信チャンネルによって該ビーコン信号の送信元を識別することも可能である。
一方,上記無線通信ユニット24は,上記アンテナ22を用いて隣接する基地局との間で無線信号の送受信を行う無線通信処理を実行する。例えば,上記基地局W1の無線通信ユニット24は,該基地局W1の図1における右側に配置された上記基地局W2や,該基地局W1の図1における左側に配置された不図示の基地局との間で無線通信を行う。上記無線通信システムXでは,上記管理ユニット3に接続されている上記基地局W1を除く基地局は,上記無線通信ユニット24によって上記基地局W1との間で直接又はその間の基地局を介して間接的に無線通信を行うことにより,上記管理ユニット3との間で通信を行う。例えば,上記基地局W4が,上記無線通信端末Yから送信された無線信号を受信した場合,該基地局W4は,その無線信号を上記基地局W3,W2,W1を順に介して上記管理ユニット3に伝送する。
次に,図2を用いて,上記無線通信端末Yの概略構成について説明する。
図2に示すように,上記無線通信端末Yは,アンテナユニット11(端末用アンテナの一例,以下「アンテナ11」と略称する),カメラ12及び無線通信制御装置13(以下「制御装置13」と略称する)を備えている。
上記アンテナ11は,一方向に指向性を有する二つのアンテナ素子を有しており,その二つのアンテナ素子のうち電波状況の優れた方を優先的に利用するダイバーシティアンテナである。もちろん,上記アンテナ11は,一つのアンテナ素子のみを有するものであってもよい。
そして,上記無線通信端末Yにおいて,上記アンテナ11の二つのアンテナ素子は,その指向方向が上記車両1の移動方向(図1における右方向)になるように向けられている。即ち,上記アンテナ11は,上記軌道Lに沿って移動する上記車両1に搭載された上記無線通信端末Yの移動方向に無線通信の指向性を有している。なお,上記アンテナ11は,少なくとも上記無線通信端末Yの移動方向の電波の送受信を行い得るものであればよく,該移動方向と逆方向の電波の送受信を行い得るものであってもよい。
上記カメラ12は,上記車両1の先頭部に配置されており,該車両1の前方に見える映像を撮影する。例えば,上記カメラ12は,アナログビデオカメラやデジタルビデオカメラなどである。上記無線通信端末Yでは,上記制御装置13によって,上記カメラ12で撮影された映像データが上記アンテナ11から無線通信によって送信される。
上記制御装置13は,図2に示すように,電波受信部41,周波数追随部42,RSSI測定部43,通信チャンネル判定部44,MACアドレス取得部45,電波送信部46,パケット生成部47などを有する無線LANモジュール14と,データ受信部51,テーブル作成部52,接続先指定部53などを有する接続先制御部15とを備えている。
上記パケット生成部47は,上記カメラ12で撮影された映像に対応する映像データを分割して複数のパケットデータを生成する。そして,上記電波送信部46は,上記パケット生成部47で生成されたパケットデータを,上記アンテナ11を介して無線信号によって送信する。なお,上記無線送信部46によるデータ送信は上記パケットデータのようなデジタルデータに限らずアナログデータであってもよい。
上記電波受信部41は,上記アンテナ11を介して無線信号を受信する受信回路であって,該電波受信部41で受信される後述のビーコン信号などの無線信号は上記周波数追随部42に入力される。
上記周波数追随部42は,上記電波受信部41で受信された無線信号の通信周波数を数十〜数百Hzオーダーで検出する周波数検出部421と,該周波数検出部421によって検出された通信周波数を予め設定された通信チャンネルの通信周波数に一致させるように信号処理を行う周波数調整部422とを有している。
例えば,上記周波数検出部421は,上記アンテナ11で受信された無線信号の中心周波数を該無線信号の通信周波数として検出する。このとき,上記周波数追随部42では,上記周波数調整部422において少なくとも数十〜数百Hzオーダーの高い精度で通信周波数の追随処理を実行するため,上記周波数検出部421には,少なくとも数十〜数百Hzオーダーの高い精度で通信周波数を測定し得るものが用いられる。
上記周波数検出部421で検出された通信周波数は,上記接続先制御部15にも入力され,該接続先制御部15において当該無線通信端末Yの通信先の基地局を選択するための指標として用いられるが,この点については後段で説明する。
上記RSSI測定部43は,上記アンテナ11で受信されて,上記周波数追随部42から入力された無線信号の強度である電界強度(RSSI)を測定するものである。具体的に,上記RSSI測定部43は,上記無線信号によって誘起される電力を測定することにより電界強度を測定する。特に,上記RSSI測定部43は,上記基地局W1〜W4から個別に送信されるビーコン信号に基づいて,該基地局W1〜W4各々との無線通信における電界強度を個別に測定する。なお,上記制御装置13では,上記RSSI測定部43による電界強度の測定と,上記無線通信端末Y及び上記基地局W間の無線通信とが,上記アンテナ11を用いた時分割処理などによって並行処理される。もちろん,各々の機能のために個別のアンテナを有することも考えられる。
また,上記通信チャンネル判定部44は,上記周波数追随部42の周波数調整部422から入力される通信周波数に基づいて,上記アンテナ11で受信された無線信号の通信チャンネルを判定する。具体的に,通信周波数が2414MHzである場合には1チャンネルであり,その後,5MHzごとに2チャンネル,3チャンネル…であると判定する。この場合,例えば2442MHzである場合には7チャンネル,2472MHzである場合には13チャンネルとなる。
上記MACアドレス取得部45は,上記基地局W1〜W4から個別に送信されるビーコン信号から該基地局W1〜W4ごとに対応するMACアドレスを取得する。上述したように,上記ビーコン信号には自局のMACアドレスやIPアドレスなどの識別情報などが含まれているため,上記MACアドレス取得部45において上記ビーコン信号に含まれたMACアドレスを取得することで,該ビーコン信号の送信元の上記基地局Wを特定することができる。
一方,上記接続先制御部15のデータ受信部51は,上記基地局Wから無線信号を受信するごとに,上記RSSI測定部43で測定されたRSSI,上記通信チャンネル判定部44で判定された通信チャンネル,上記MACアドレス取得部45で取得されたMACアドレス,及び上記周波数検出部421で測定された通信周波数を,上記無線LANモジュール14から受信する。また,上記データ受信部51は,上記車両1の制御部などから該車両1が移動しているか停止しているかを示す状態信号を受信する。
上記テーブル作成部52は,上記無線通信端末Yの無線通の接続先を切り替えるために上記制御装置13で実行される後述のハンドオーバー処理(図5参照)で判断指標として用いられる停止時テーブルD1及び移動時テーブルD2(図4参照)を,上記データ受信部51で受信された上記の各種情報に基づいて作成する。
ここで,図3のフローチャートに従って,上記無線通信端末Yにおいて上記制御装置13で実行される停止時テーブル更新処理及び移動時テーブル更新処理の手順の一例について説明する。なお,図3中のS11,S12,…及びS21,S22,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。
まず,図3(a)のフローチャートに従って,停止時テーブル作成処理について説明し,その後,図3(b)のフローチャートに従って,移動時テーブル作成処理について説明する。
上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Yと上記基地局Wとの間の無線通信を行う運用(車両1の通常運転)を開始する前に,上記無線通信端末Yを任意の位置で停止させた状態で上記基地局W1〜W4各々からビーコン信号を受信させ,図3(a)に示す停止時テーブルD1を作成する停止時テーブル作成処理を伴うキャリブレーション動作を行う。
(ステップS11)
図3(a)に示すように,停止時テーブル作成処理において,まずステップS11では,上記データ受信部51によって,上記無線通信端末Yが停止中であるか否か判断される。具体的に,上記データ受信部51は,上記無線通信端末Yが搭載された上記車両1の制御部などから入力され,該車両1が移動状態又は停止状態のいずれにあるかを示す状態信号に基づいて判断する。もちろん,上記無線通信端末Yの移動及び停止を検出するセンサを設けておくことも考えられる。
ここで,上記無線通信端末Yが停止中であると判断された場合(S11のYes側),処理はステップS12に移行し,停止中ではないと判断された場合(S11のNo側),処理はステップS11で待機する。
(ステップS12)
ステップS12では,上記電波受信部41によって,上記基地局Wからビーコン信号を受信したか否かが判断される。ここで,上記ビーコン信号が受信されたと判断されると(S12のYes側),処理はステップS13に移行し,受信していなければ(S12のNo側),処理はステップS11に戻される。なお,複数のビーコン信号を受信した場合,後述のステップS13〜S14は並列処理されてもよい。
(ステップS13)
ステップS13では,上記制御装置13は,上記ビーコン信号から通信周波数,RSSI,通信チャンネル,MACアドレスを取得する。具体的には,上記周波数追随部42の周波数検出部421によってビーコン信号の通信周波数が検出され,上位RSSI測定部43によってRSSIが測定される。ここに,係る通信周波数を検出するときの上記周波数検出部421が周波数検出手段に相当し,係るRSSIを測定するときの上記RSSI測定部43が電界強度測定手段に相当する。
また,上記通信チャンネル判定部44によって通信チャンネルが判定され,上記MACアドレス取得部45によってMACアドレスが取得される。そして,これらの情報は,上記データ受信部51を介して上記テーブル作成部52に入力される。
(ステップS14)
次に,ステップS14では,上記テーブル作成部52が,図4(a)に示すように,上記データ受信部51から入力された上記通信周波数,RSSI,通信チャンネル,MACアドレスに基づいて停止時テーブルD1を作成する。上記停止時テーブルD1は,上記テーブル作成部52に設けられた不揮発性メモリなどの記憶手段に記憶される。特に,上記停止時テーブルD1には,上記無線通信端末Yの停止中に検出された上記基地局W1〜W4各々に対応する通信周波数が記憶されている。ここに,上記停止時テーブルD1を記憶するときの記憶手段が,停止時周波数記憶手段に相当する。
なお,既に上記停止時テーブルD1が作成されている場合には,その内容が更新されることとなる。例えば,このようなキャリブレーション動作において上記停止時テーブルD1が作成された後,通常の運用において上記無線通信端末Yが停止したときに受信した上記ビーコン信号に基づいて上記停止時テーブルD1を適宜更新することによって,該無線通信端末Yや上記基地局Wの経年劣化や環境の変化に対応して適切な停止時テーブルD1を得ることができる。
ここで,上記無線通信端末Yの停止中に上記周波数検出部421で検出される通信周波数は,その無線通信で用いられる通信チャンネルの通信周波数として予め設定された通信周波数に対して,上記無線通信端末Y及び上記基地局Wの個体差に応じたズレが生じたものである。なお,上記無線通信端末Yが停止中であるため,ここで検出される通信周波数はドップラーシフト周波数を含まないものである。
具体的には,図4(a)に示すように,上記基地局W1に対応する通信周波数には,該基地局W1及び上記無線通信端末Yの個体差の影響により,予め設定された1チャンネルの通信周波数(2414MHz)に対して+d1のズレが生じている。また,同様に,上記基地局W2〜W4に対応する通信周波数についてもd2〜d4のズレが生じている。
次に,図3(b)に従って,上記制御装置13で実行される移動時テーブル作成処理について説明する。
当該移動時テーブル作成処理は,上記図3(a)で説明した停止時テーブル作成処理が実行されることにより上記停止時テーブルD1が作成された後,上記無線通信システムXにおいて上記車両1の走行による上記無線通信端末Yの移動中に上記制御装置13によって実行される。
(ステップS21)
図3(b)に示すように,移動時テーブル作成処理において,まずステップS21では,上記データ受信部51によって,上記無線通信端末Yが移動中であるか否か判断される。具体的には,前述したように上記車両1の制御部などから入力される上記状態信号などによって判断される。
ここで,上記無線通信端末Yが移動中であると判断された場合(S21のYes側),処理はステップS22に移行し,移動中ではないと判断された場合(S21のNo側),処理はステップS21で待機する。
(ステップS22)
ステップS22では,上記電波受信部41によって,上記基地局Wからビーコン信号を受信したか否かが判断される。ここで,上記ビーコン信号が受信されたと判断されると(S22のYes側),処理はステップS23に移行し,受信していなければ(S22のNo側),処理はステップS21に戻される。なお,複数のビーコン信号を受信した場合,後述のステップS23〜S24は並列処理されてもよい。
ここで,上記基地局Wから上記ビーコン信号が送信される間隔(例えば10ms〜100ms間隔)は,少なくとも上記無線通信端末Yが現在無線通信確立中の上記基地局Wの位置から該基地局Wとの無線通信における電界強度が急激に低下し始める位置に移動するまでの時間よりも短い所定時間に設定されている。このとき,上記所定時間は,例えば上記車両1の走行速度などに応じて設定される。これにより,上記無線通信端末Yは,上記無線通信端末Yが現在無線通信確立中の上記基地局Wの位置から該基地局Wとの無線通信における電界強度が急激に低下し始めるまでに,少なくとも一度は上記ビーコン信号を受信することができ,上記制御装置13によって後述のステップS23〜S24の処理が実行されることとなる。
(ステップS23)
ステップS23では,上記制御装置13は,上記ビーコン信号から通信周波数,RSSI,通信チャンネル,MACアドレスを取得する。具体的には,上記周波数追随部42の周波数検出部421によってビーコン信号の通信周波数が検出され,上位RSSI測定部43によってRSSIが測定される。ここに,係る通信周波数を検出するときの上記周波数検出部421が周波数検出手段に相当し,係るRSSIを測定するときの上記RSSI測定部43が電界強度測定手段に相当する。
また,上記通信チャンネル判定部44によって通信チャンネルが判定され,上記MACアドレス取得部45によってMACアドレスが取得される。そして,これらの情報は,上記データ受信部51を介して上記テーブル作成部52に入力される。
(ステップS24)
次に,ステップS24では,上記テーブル作成部52が,図4(b)に示すように,上記データ受信部51から入力された上記通信周波数,RSSI,通信チャンネル,MACアドレスに基づいて移動時テーブルD2を作成する。特に,上記移動時テーブルD2には,上記無線通信端末Yの移動中に検出された上記基地局W1〜W4各々に対応する通信周波数が記憶されている。
なお,図4(b)に示す上記移動時テーブルD2は,図1に示すように上記無線通信端末Yが上記基地局W2,W3の間に位置している状態で作成されたものである。上記移動時テーブルD2は,上記テーブル作成部52に設けられた不揮発性メモリなどの記憶手段に記憶される。
ここで,上記無線通信端末Yの移動中に上記周波数検出部421で検出された通信周波数は,その無線通信で用いられる通信チャンネルの通信周波数として予め設定された通信周波数に対して,上記無線通信端末Y及び上記基地局Wの個体差に応じたズレが生じたものである。さらに,上記無線通信端末Yが移動中であるため,ここで検出された通信周波数にはドップラーシフト周波数が含まれる。
具体的には,図4(b)に示すように,上記基地局W1〜W4に対応する通信周波数には,該基地局W1〜W4及び上記無線通信端末Yのそれぞれの個体差の影響により,予め設定された通信チャンネルの通信周波数に対してd1〜d4のズレが生じている。このズレ量d1〜d4は,上記停止時テーブルD1と同一の値である。
さらに,上記基地局W1,W2は上記無線通信端末Yの後方に位置するため(図1参照),該基地局W1,W2に対応する通信周波数は,予め設定された通信チャンネルの通信周波数に上記ドップラーシフト周波数ΔF1,ΔF2を減算した周波数(−ΔF1,−ΔF2)となっている。一方,上記基地局W3,W4は上記無線通信端末Yの前方に位置するため(図1参照),該基地局W3,W4に対応する通信周波数は,予め設定された通信チャンネルの通信周波数に上記ドップラーシフト周波数ΔF3,ΔF4を加算した周波数(+ΔF3,+ΔF4)となっている。このように,上記移動時テーブルD2では,上記ズレ量d1〜d4を考慮しなければ,上記無線通信端末Yの後方に位置する基地局W1,2については,その通信周波数が既定の通信チャンネルの通信周波数に対して低い(マイナス)の周波数となり,上記無線通信端末Yの前方に位置する基地局W3,4については,その通信周波数が既定の通信チャンネルの通信周波数に対して高い(プラス)の周波数となる。
そして,上記無線通信システムXにおける上記無線通信端末Yの移動中,上記制御装置13では,上記接続先指定部53が上記無線通信端末Yの通信の確立先を切り替えるハンドオーバー処理(図5のフローチャート参照)を実行する。即ち,当該ハンドオーバー処理は上記移動時テーブル作成処理と並行して実行される。
以下,図5のフローチャートに従って,上記接続先指定部53によって実行されるハンドオーバー処理の手順の一例について説明する。なお,図5中のS31,S32,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。 当該ハンドオーバー処理は,上記無線通信端末Yと上記基地局W1〜W4のいずれか一つの基地局Wと間で無線通信が確立された状態で実行される。その後,上記無線通信端末Yでは,当該ハンドオーバー処理が実行されることにより,上記車両1の移動に伴って無線通信の確立先の基地局が上記基地局W1〜W4に順次切り換えられる。これにより,上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Yのカメラ12で撮影された映像データが,上記基地局W1〜W4のいずれかに送信され,該映像データは上記管理ユニット3に伝送される。
(ステップS31)
ステップS31において,上記接続先指定部53は,上記移動時テーブルD2に記憶された上記基地局W1〜W4各々に対応する通信周波数から上記停止時テーブルD1に記憶された上記基地局W1〜W4各々に対応する通信周波数を減算した差分周波数を算出し,該差分周波数に基づいて,上記基地局W1〜W4各々が上記無線通信端末Yの前方又は後方のいずれに位置するかを判別する。ここに,係る処理を実行するときの上記接続先指定部53が前後位置判別手段に相当する。具体的に,上記接続先指定部53は,上記ドップラーシフト周波数が0未満である上記基地局W1,2は上記無線通信端末Yの後方,ドップラーシフト周波数が0以上である上記基地局W3,4は上記無線通信端末Yの前方に位置すると判別することができる。
例えば,上記基地局W1,W2について,図4(b)に示す上記移動時テーブルD2の通信周波数から,図4(a)に示す上記停止時テーブルD1の通信周波数を減算すれば,上記ドップラーシフト周波数として−ΔF1,−ΔF2が抽出される。一方,上記基地局W3,W4については,図4(b)に示す上記移動時テーブルD2の通信周波数から,図4(a)に示す上記停止時テーブルD1の通信周波数を減算すれば,上記ドップラーシフト周波数として+ΔF3,+ΔF4が抽出される。このように,上記移動時テーブルD2の通信周波数から上記停止時テーブルD1の通信周波数を減算すれば,上記無線通信端末Yと上記基地局W1〜W4との個体差によるズレ量d1〜d4は相殺され,上記ドップラーシフト周波数のみを抽出することができる。この場合,上記ドップラーシフト周波数がマイナスである上記基地局W1,W2は上記無線通信端末Yの後方,上記ドップラーシフト周波数がプラスである上記基地局W1,W2は上記無線通信端末Yの前方に位置していることがわかる。
即ち,上記無線通信端末Yでは,上記無線通信端末Yと上記基地局W1〜W4各々との個体差による上記ズレ量d1〜d4による影響を受けずに,正確に上記ドップラーシフト周波数を検出することが可能となり,該ドップラーシフト周波数に基づいて上記無線通信端末Yと上記基地局W1〜W4との位置関係を正確に把握することが可能となる。
(ステップS32)
そして,ステップS32において,上記接続先指定部53は,上記無線通信端末Yが現在通信接続確立中の上記基地局Wが,該無線通信端末Yの前方に位置するか否かを判断する。
ここで,上記無線通信端末Yが現在通信接続確立中の上記基地局Wが,該無線通信端末Yの前方に位置すると判断された場合には(S32のYes側),処理はステップS33に移行し,前方に位置しない,即ち上記無線通信端末Yの後方に位置すると判断された場合には(S32のNo側),処理はステップS34に移行する。
(ステップS33)
ステップS33では,上記接続先指定部53は,上記無線通信端末Yと現在通信接続確立中の上記基地局Wが,上記ステップS31において上記無線通信端末Yの前方に位置すると判別された上記基地局Wのうち上記移動時テーブルD2に記憶されたRSSIが最も高い基地局であるか否かを判断する。
ここで,上記無線通信端末Yと現在通信接続確立中の上記基地局Wが,該無線通信端末Yの前方に位置する上記基地局Wのうち最もRSSIが高い基地局であると判断された場合には(S33のYes側),その基地局Wとの無線通信の確立状態が維持されたまま処理が上記ステップS31に戻される。他方,最もRSSIが高い基地局でないと判断された場合には(S33のNo側),無線通信の確立先を切り替える必要があるため,処理はステップS34に移行する。
(ステップS34〜S35)
上記無線通信端末Yと現在通信接続確立中の上記基地局Wが,上記無線通信端末Yの後方に位置すること,或いは最もRSSIが高い基地局ではないことを条件に(S32,S33のNo側),続くステップS34では,上記ステップS31において上記無線通信端末Yの前方に位置すると判別された上記基地局Wのうち上記移動時テーブルD2に記憶されたRSSIが最も高い基地局が選択される。具体的に,図4(b)に示す例では,上記無線通信端末Yの前方に位置する上記基地局W3,W4のうちRSSIの高い基地局W3が選択されることとなる。
そして,ステップS35において,上記接続先指定部53は,上記無線通信端末Yの無線通信の確立先を,現在通信接続確立中の上記基地局Wから,上記ステップS31において上記無線通信端末Yの前方に位置すると判別された上記基地局Wのうち上記ステップS34で選択されたいずれか一つの基地局に切り替えるための処理が実行される。ここに,係る処理を実行するときの上記接続先指定部53が基地局切替手段に相当する。
以上,説明したように,本発明の実施の形態に係る上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Yの無線通信の確立先の基地局が,該無線通信端末Yの前方に位置する上記基地局Wの中から選択された一の基地局に順次切り替えられる。
そして,上述したように,上記基地局Wからのビーコン信号の受信は,少なくとも上記無線通信端末Yが現在無線通信確立中の上記基地局Wの位置から該基地局Wとの無線通信における電界強度が急激に低下し始める位置に移動するまでの時間よりも短い所定時間の間隔で行われる。そのため,上記無線通信端末Yが現在通信確立中の上記基地局Wを通過した後,その無線通信における電界強度が急激に低下する前に,次に無線通信を確立するべき基地局Wへの切り換えが行われることとなる。従って,上記無線通信システムXでは,上記無線通信端末Yと上記基地局Wとの間において,シームレスな大容量通信を維持することができる。
また,本実施の形態では,上記ハンドオーバー処理(図5参照)のステップS33,S34によって,上記無線通信端末Yの前方に位置すると判別された上記基地局Wのうち上記移動時テーブルD2に記憶されたRSSIが最も高い基地局が選択されるように構成されている場合を例に挙げて説明した。
一方,上記接続先指定部53が,上記無線通信端末Yが移動する上記軌道L上における上記基地局W1〜W4各々の配置順序を内部メモリなどの記憶媒体(配置順序記憶手段の一例)に予め記憶しておき,上記ステップS31において上記無線通信端末Yの前方に位置すると判別された上記基地局Wのうちその記憶媒体に記憶された配置順序が最先である基地局Wとの間で無線通信を確立することも他の実施例として考えられる。これによっても,上記無線通信端末Yの無線通信の接続先を該無線通信端末Yの位置において適切な基地局Wに順次切り替えることが可能である。
W(W1〜W4)…基地局
X…無線通信システム
Y…無線通信端末
1…車両
11,21,22…アンテナユニット
12…カメラ
13…無線通信制御装置
14…無線LANモジュール
15…接続先制御部
23,24…無線通信ユニット
3…管理ユニット
41…電波受信部
42…周波数追随部
421…周波数検出部
422…周波数調整部
43…RSSI測定部
44…チャンネル判定部
45…MACアドレス取得部
46…電波送信部
47…パケット生成部
51…データ受信部
52…テーブル作成部
53…接続先指定部

Claims (7)

  1. 予め定められた移動経路に沿って移動する当該無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性のある基地局用アンテナを有してなり,上記移動経路に沿って所定間隔ごとに配置された複数の基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信端末であって,
    上記基地局各々から予め設定された所定時間ごとに送信されるビーコン信号を当該無線通信端末に設けられた端末用アンテナで受信したときの通信周波数を検出する周波数検出手段と,
    上記無線通信端末の停止中に上記周波数検出手段で検出された上記基地局各々に対応する通信周波数が予め記憶された停止時周波数記憶手段と,
    上記無線通信端末の移動中に上記周波数検出手段により検出された該基地局各々に対応する通信周波数から上記停止時周波数記憶手段に記憶された上記基地局各々に対応する通信周波数を減算した差分周波数に基づいて,上記基地局各々が上記無線通信端末の前方又は後方のいずれに位置するかを判別する前後位置判別手段と,
    上記前後位置判別手段によって上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する基地局切替手段と,
    を備えてなることを特徴とする無線通信端末。
  2. 上記基地局各々から上記ビーコン信号が送信される上記所定時間が,少なくとも上記無線通信端末が現在無線通信確立中の上記基地局の位置から該基地局との無線通信における電界強度が急激に低下し始める位置に移動するまでの時間よりも短い時間である請求項1に記載の無線通信端末。
  3. 上記前後位置判別手段が,上記差分周波数が0以上であることを条件に上記無線通信端末の前方に位置する上記基地局であると判別するものである請求項1又は2のいずれかに記載の無線通信端末。
  4. 上記基地局切替手段が,上記前後位置判別手段によって現在無線通信確立中の上記基地局が上記無線通信端末の後方に位置すると判別されたことを条件に,無線通信の確立先を,上記前後位置判別手段によって上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のいずれか一つの基地局に切り替えるものである請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信端末。
  5. 上記基地局各々から上記ビーコン信号を受信したときの電界強度を測定する電界強度測定手段を更に備えてなり,
    上記基地局切替手段が,上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のうち上記電界強度測定手段による測定結果が最も高い基地局との間で無線通信を確立するものである請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信端末。
  6. 上記移動経路上における上記基地局各々の配置順序が予め記憶された配置順序記憶手段を更に備えてなり,
    上記基地局切替手段が,上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のうち上記配置順序記憶手段に記憶された配置順序が最先である基地局との間で無線通信を確立するものである請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信端末。
  7. 予め定められた移動経路に沿って移動する無線通信端末と,上記移動経路に沿って移動する当該無線通信端末の移動方向と反対方向に指向性のある基地局用アンテナを有してなり,上記移動経路に沿って所定間隔ごとに配置された複数の基地局とを備えてなり,上記無線通信端末と複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する無線通信システムであって,
    上記基地局各々が,予め設定された所定時間ごとに上記無線通信端末にビーコン信号を送信するビーコン信号送信手段を備えてなり,
    上記無線通信端末が,上記基地局各々から送信されるビーコン信号を当該無線通信端末に設けられた端末用アンテナで受信したときの通信周波数を検出する周波数検出手段と,上記無線通信端末の停止中に上記周波数検出手段で検出された上記基地局各々に対応する通信周波数が予め記憶された停止時周波数記憶手段と,上記無線通信端末の移動中に上記周波数検出手段により検出された該基地局各々に対応する通信周波数から上記停止時周波数記憶手段に記憶された上記基地局各々に対応する通信周波数を減算した差分周波数に基づいて,上記基地局各々が上記無線通信端末の前方又は後方のいずれに位置するかを判別する前後位置判別手段と,上記前後位置判別手段によって上記無線通信端末の前方に位置すると判別された一又は複数の上記基地局のいずれか一つの基地局との間で無線通信を確立する基地局切替手段とを備えてなることを特徴とする無線通信システム。
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