JP4926662B2 - 脱インキパルプの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は中性新聞を含む古紙を用いて製造される脱インキパルプの製造方法に関する。
古紙の利用は環境意識の高まりのみならず、製造費削減の面からもその重要性は益々高まっている。古紙パルプには古紙を離解するだけの離解パルプと、脱墨工程を経た脱インキパルプがあるが、より高品質の紙製品に配合できる脱インキパルプの技術開発が近年目覚しい。
脱インキパルプを製造するには、まず、印刷インキをパルプ繊維から剥離しなくてはならない。未剥離インキが残留したままの繊維(黒ひげ状繊維)は、最終的に紙製品のダートとなり、外観を損ねるため好ましくないばかりか、白色度の低下を招き、更には漂白しても白色度が上がりにくくなるといった問題を生じる。剥離したインキは、フローテーターや洗浄装置などを用いた脱墨工程において、容易に除去可能であり、黒ひげ状繊維が少なく、高白色の脱インキパルプが得られる。
そのため、インキ剥離性を向上し、黒ひげ状繊維を減少するために、さまざまな技術開発がなされてきた。たとえば、従来よりミキサーやニーダー、ディスパーザーなどを用いた機械的処理によるインキ剥離や、脱インキ剤の使用によるインキ剥離が一般的に行われている。
機械的処理によるインキ剥離技術として、3時間以上アルカリソーキングを行った後、ミキサー、またはニーダーで攪拌処理を行う方法が開示されている(たとえば特許文献1参照)。また、脱墨剤および漂白剤を添加し、約15%以上のパルプ濃度ならびに5.0g/l(NaOHとして)以上のアルカリ濃度において、レファイナー、ニーダー、ミキサーまたはディスパーザーを使用し、加温下で圧縮力を与えながら機械的攪拌を行う方法が開示されている(たとえば特許文献2参照)。更に、ソーキングの前後で、2段の機械的処理を行う方法が開示されている(たとえば特許文献3参照)。
また、脱インキパルプの製造に用いられる脱インキ剤としては、アルコール誘導体が知られている。例えば、特許文献4には、操業性が良好で未剥離インキの少ない脱墨パルプを得ることができる、特定の炭素数分布のアルコールにアルキレンオキサイドを付加した特定のヨウ素価を有する脱墨剤が開示されている。
また、特許文献5には、高白色度、高L値、高b値の紙製品が得られ、脱墨工程中の抑泡効果に優れる脱墨剤組成物として、アルコールにアルキレンオキサイドを付加した成分と、油脂誘導体成分とを含有する脱墨剤組成物が開示されている。
一方、新聞用紙として従来の酸性新聞紙と同等以上の性能を有する中性新聞紙が開発され(例えば特許文献6)、近年では酸性新聞紙に代わり中性新聞紙が用いられる様になってきた。それに伴い古紙中の中性新聞の含有量が増加しつつある。
ところが近年、この中性新聞古紙が難インキ剥離性であることがわかり、大きな問題となっている。原因については未だ不明であるが、残留未剥離インキの増加や、それに伴う白色度低下が生じており、高品質の紙製品への脱インキパルプの配合が難しくなってきている。
特開昭54−120705号公報 特開昭55−40850号公報 特開昭63−28992号公報 特開平5−25789号公報 特開平10−292279号公報 特許2889159号公報
従来のインキ剥離技術は、このような中性新聞古紙に対するインキ剥離性能が不十分である。たとえば機械的処理では、2段の機械的処理をはじめとする従来技術を用いても、十分なインキ剥離効果が得られない。
そのため、機械的処理によらない、中性新聞古紙に対するインキ剥離性能の優れる技術が望まれている。本発明の課題は、中性新聞を含む古紙から、未剥離インキの少ない脱インキパルプを製造できる方法を提供することである。
本発明は、少なくとも中性新聞を含む古紙を原料とする脱インキパルプの製造方法であって、下記一般式(1−1)〜(1−5)からなる群より選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤(1)と、下記脱インキ剤(2)との存在下で脱インキを行う工程を有する脱インキパルプの製造方法に関する。
非イオン界面活性剤(1):
Figure 0004926662
〔式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜13の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R1とR2の合計の平均炭素数は7〜14であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、mは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
Figure 0004926662
〔式中、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜12の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R5は炭素数1〜12の直鎖のアルキレン基であり、R3とR4とR5の合計の平均炭素数は5〜14であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、nは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
6O−(AO)pH (1−3)
〔式中、R6は平均炭素数6〜15の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、pは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
Figure 0004926662
〔式中、R7は平均炭素数4〜9の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基であり、R8及びR9はそれぞれ水素原子又はグリセロール基である。〕
Figure 0004926662
〔式中、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、q及びrはそれぞれ平均付加モル数で1〜25の数である。〕
脱インキ剤(2):
下記の(2−1)〜(2−3)からなる群より選ばれる1種以上の脱インキ剤であって、該脱インキ剤の曇点が20〜90℃であり、活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られ、オキシアルキレン基を除く活性水素1個当りの平均炭素数が15超〜24であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が、活性水素を有する化合物1モルあたり10〜500である脱インキ剤。
(2−1)高級アルコール系脱インキ剤
(2−2)脂肪酸系脱インキ剤
(2−3)油脂/多価アルコール系脱インキ剤
また、本発明は、前記非イオン界面活性剤(1)を含有する脱インキ用添加剤(A剤)と、前記脱インキ剤(2)を含有する脱インキ用添加剤(B剤)とから構成される、少なくとも中性新聞を含む古紙を原料とする脱インキパルプの製造に用いられる添加剤キットに関する。
また、本発明は、少なくとも中性新聞を含む古紙を原料とする脱インキパルプの製造方法であって、前記非イオン界面活性剤(1)の存在下で脱インキを行う工程を有する脱インキパルプの製造方法に関する。
本発明によれば、中性新聞を含む古紙から、未剥離インキの少ない脱インキパルプを製造できる方法が提供される。
本発明は、少なくとも中性新聞を含む古紙を原料とする古紙に対して脱インキ剤を用いる脱インキパルプの製造方法であって、脱インキ剤(2)だけでは剥離できない未剥離インキを古紙表面に対し浸透性に優れる非イオン界面活性剤(1)を脱インキ剤(2)と併用あるいは単独で使用して、未剥離インキの少ない脱インキパルプを製造するものである。従来、非イオン界面活性剤(1)は脱インキ剤(2)と比べて脱インキ性能が劣ると考えられてきた(例えば、特許文献4の実施例の本発明品1と本発明品7の対比等)が、意外にも中性新聞古紙のインキ剥離性に対して有効である。効果の発現機構は不明であるが、非イオン界面活性剤(1)は中性新聞古紙に対する浸透性に優れるためインキ剥離性が高いと推定される。更に脱インキ剤(2)に非イオン界面活性剤(1)を併用すると、脱インキ剤(2)の印刷古紙パルプへの浸透性も向上し、相乗的にインキの剥離が促進するものと推定される。
本発明に係る非イオン界面活性剤(1)は、中性新聞古紙のパルプへの浸透力を有する化合物である。浸透力の観点から、一般式(1−1)〜(1−3)、(1−5)の化合物では、式中のAO(オキシアルキレン基)を除く平均炭素数が15以下の化合物である。これらの化合物の製造に用いられるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)及びプロピレンオキサイド(以下、POと略記する)が挙げられるが、アルキレンオキサイドの全平均付加モル数中にしめるEOの平均付加モル数の比率は50〜100モル%が好ましく、更に100モル%が好ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は浸透力の観点から25モル以下である。2種以上のアルキレンオキサイドの付加物の場合は、ランダム、ブロック等、付加形態を問わない。POを導入する場合は、アルキレンオキサイドの平均付加モル中、POの平均付加モル数は2〜10が好ましく、2〜5モルがより好ましい。POの付加形態はブロックが好ましく、末端ブロックがより好ましい。非イオン界面活性剤(1)は、下記の(1−1)〜(1−5)からなる群より選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤である。
(1−1)一般式(1−1)で表される非イオン界面活性剤
Figure 0004926662
〔式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜13の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R1とR2の合計の平均炭素数は7〜14であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、mは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
本発明においては、例えば、R1が炭素数10、R2が炭素数1の分子がある場合、この分子のR1とR2の合計の炭素数は11とし、(1−1)に属する分子全部のR1とR2の合計の炭素数の平均値をR1とR2の合計の平均炭素数とする。オキシアルキレン基を除く平均炭素数は1H−NMRで求めることができる。〔以下、非イオン界面活性剤(1−2)及び(1−3)について同様〕
アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、活性水素を有する化合物1モルあたりの付加モル数でありアルキレンオキサイド付加時のアルキレンオキサイド仕込み量から計算することができる〔以下、非イオン界面活性剤(1−2)及び(1−3)について同様〕。
1とR2の合計の平均炭素数は9〜14が好ましく、11〜13がより好ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数mは、1〜16が好ましく、1〜10モルがより好ましく、1〜5モルが更に好ましい。
(1−1)の非イオン界面活性剤としては、具体的には直鎖の2級アルコールアルキレンオキサイド付加物であり、sec-オクタノール、sec-ノナノール、sec-デカノール、sec-ウンデカノール、sec-ドデカノール、sec-トリデカノール、sec-テトラデカノール、sec-ペンタデカノールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられ、6−ドデカノールのアルキレンオキサイド付加物、6−テトラデカノールのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
(1−2)一般式(1−2)で表される非イオン界面活性剤
Figure 0004926662
〔式中、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜12の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R5は炭素数1〜12の直鎖のアルキレン基であり、R3とR4とR5の合計の平均炭素数は5〜14であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、nは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
3の平均炭素数は2〜5が好ましく、R4の平均炭素数は4〜7が好ましい。R3とR4とR5の合計の平均炭素数は7〜12が好ましく、8〜10がより好ましい。R5の平均炭素数は1〜3が好ましく、1がより好ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数nは、1〜10が好ましく、3〜7がより好ましく、4〜6が更に好ましい。
(1−2)の非イオン界面活性剤としては、具体的には分岐アルコールのアルキレンオキサイド付加物であり、分岐ヘキサノール、分岐へプタノール、分岐オクタノール、分岐ノナノール、分岐デカノール、分岐ウンデカノール、分岐ドデカノール、分岐トリデカノール、分岐テトラデカノール、分岐ペンタデカノールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられ、2−プロピルヘプタノールのアルキレンオキサイド付加物、2−ブチルヘプタノールのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
(1−3)下記一般式(1−3)で表される非イオン界面活性剤
6O−(AO)pH (1−3)
〔式中、R6は平均炭素数6〜15の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、pは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
6の平均炭素数は、8〜14が好ましく、8〜13がより好ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数pは、1〜10が好ましく、1〜5モルが好ましい。
(1−3)の非イオン界面活性剤としては、具体的には直鎖の1級アルコールアルキレンオキサイド付加物であり、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられ、オクタノールのアルキレンオキサイド付加物、デカノールのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
(1−4)下記一般式(1−4)で表される非イオン界面活性剤
Figure 0004926662
〔式中、R7は平均炭素数4〜9の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基であり、R8及びR9はそれぞれ水素原子又はグリセロール基である。〕
(1−4)の非イオン界面活性剤は、グリセリルエーテルであり、式中、R7即ち、エーテル結合を介して結合する基の平均炭素数は、5〜8がより好ましい。R7の平均炭素数は1H−NMRで求めることができる。
(1−4)の非イオン界面活性剤としては、具体的には、ペンチルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル等が挙げられる。
(1−5)下記一般式(1−5)で表される非イオン界面活性剤
Figure 0004926662
〔式中、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、q及びrはそれぞれ平均付加モル数で1〜25の数である。〕
一般式(1−5)中、AOはオキシエチレン基が好ましい。q及びrはそれぞれ異なっていてもよく、5〜15が好ましい。
本発明に用いられる脱インキ剤(2)は、下記の(2−1)〜(2−3)からなる群より選ばれる1種以上の脱インキ剤であって、該脱インキ剤の曇点が20〜90℃であり、活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られ、オキシアルキレン基を除く活性水素1個当りの平均炭素数が15超〜24であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が、活性水素を有する化合物1モルあたり10〜500である脱インキ剤である。
(2−1)高級アルコール系脱インキ剤
(2−2)脂肪酸系脱インキ剤
(2−3)油脂/多価アルコール系脱インキ剤
(2−1)〜(2−3)の脱インキ剤は、活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られる。該脱インキ剤はオキシアルキレン基を除く活性水素(エステル結合を有する時はエステル基を活性水素として他の基は活性水素とはしない)1個当りの平均炭素数(以下、平均炭素数という場合、特記しない限りこれを意味する)が15超〜24である。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数は、活性水素(エステル結合も活性水素とする)を有する化合物1モルあたり10〜500であることが好ましい。エステル結合を活性水素とするのはエステル結合がエステル交換反応により反応点として機能するからである。
また、脱インキ性能の観点から、(2−1)〜(2−3)の脱インキ剤は、曇点が20〜90℃であり、30〜70℃がより好ましい。曇点の測定は、2重量%水溶液を一度曇点以上の温度に上げた後、温度を下げることにより行い、液が透明になる温度を曇点とする。
脱インキ剤(2)は、非イオン界面活性剤(1)の平均炭素数との差が1以上であることが好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。
以下、脱インキ剤(2)である(2−1)〜(2−3)の脱インキ剤について説明する。
(2−1)高級アルコール系脱インキ剤
該脱インキ剤は、平均炭素数が15超〜24である高級アルコール系脱インキ剤である。
具体的には、平均炭素数15超〜24の飽和もしくは不飽和の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する第1級アルコールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。構成アルコールとしては、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。また、アルコールに付加するアルキレンオキサイドは、EO、PO、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)が挙げられ、特にEOを必須とするのが望ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、アルコール1モルに対し10〜200モル、更に20〜100モル、特に40〜80モルが好ましく、この範囲において特にインキ剥離性が良好で液状化が容易な脱インキ剤が得られる。付加形態はランダム付加又はブロック付加のどちらでも良く、具体的にはPO付加、EO付加、(EO/POランダム付加)の何れか2つを段階的に付加した2段付加、何れか3つを段階的に付加した3段付加、何れか4つを段階的に付加した4段付加形態が挙げられる。
(2−2)脂肪酸系脱インキ剤
平均炭素数15超〜24の飽和もしくは不飽和の高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物及び多価カルボン酸もしくは無水物のアルキレンオキサイド付加物、更にこれらのエステル化合物が挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和脂肪酸はパルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。また不飽和脂肪酸ではパルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシノール酸等が挙げられる。
多価カルボン酸又はその酸無水物には、炭素数20〜40の高級脂肪酸のダイマー酸及び/又はポリマー酸、更にはそれらのエステル化物も含まれる。ここで言うダイマー酸及び/又はポリマー酸は、モノエン酸又はジエン酸、具体的にはオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸モノマーをディールス・アルダー反応のような熱重合により反応させる方法又はその他の反応方法によって合成できる。また、ダイマー酸、ポリマー酸等の多価カルボン酸はアルコールとの混合物を用いることができる。
また、高級脂肪酸又は多価カルボン酸もしくはその無水物に付加するアルキレンオキサイドは、EO、PO、BOが挙げられ、特にEOを必須とするのが望ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、高級脂肪酸又は多価カルボン酸もしくはその無水物1モルに対し50〜450モル、特に100〜400モルが好ましい。付加形態はランダム付加又はブロック付加どちらでも良い。多価カルボン酸はアルコール共存下でアルキレンオキサイドを付加して、部分的にエステル化した化合物を含むことができる。平均炭素数にはエステル結合したアルコールの炭素数も含む。
(2−3)油脂/多価アルコール系脱インキ剤
(2−3)の油脂/多価アルコール系脱インキ剤としては、平均炭素数15超〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸とグリセリンとのエステルからなる油脂と2〜10価の多価アルコールとの混合物のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。脂肪酸としては上記(2−2)で例示したものが挙げられる。2〜10価の多価アルコールとしては、油脂にアルキレンオキサイドを付加する際に反応効率を上げるのに有効であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン、ショ糖等が挙げられる。該混合物において、油脂と多価アルコールとの比率は、油脂/多価アルコール=10/1〜1/1(モル比)が好ましい。また、該混合物に付加するアルキレンオキサイドは、EO、PO、BOが挙げられ、特にEOを必須とするのが望ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、油脂及び多価アルコールの合計1モルに対し10〜200モル、特に20〜80モルが好ましい。付加形態はランダム付加又はブロック付加どちらでも良い。
これらの非イオン界面活性剤(1)及び脱インキ剤(2)は、それぞれ非イオン界面活性剤(1)を含有する脱インキ用添加剤(A剤)と、脱インキ剤(2)を含有する脱インキ用添加剤(B剤)とから構成される、少なくとも中性新聞を含む古紙を原料とする脱インキパルプの製造に用いられる添加剤キットとすることができる。
非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)は、これらの水溶液の中性新聞古紙に対する浸透時間が短くなるように、その組み合わせとパルプスラリーにおける水中の濃度を調整することが好ましい。中性新聞紙に5μL滴下した際に、滴下から中性新聞紙に完全に吸収されるまでの浸透時間が、水の浸透時間を100%とした時の相対浸透時間で40%以下が好ましく、25%以下がより好ましい。
本発明の脱インキパルプの製造方法は、少なくとも中性新聞を含む古紙を原料として用いる。古紙原料中の中性新聞の含有量は、インキ剥離性効果発現の観点から10重量%以上が好ましく、更に20〜100重量%が好ましい。中性新聞古紙以外の古紙原料としては、酸性抄紙新聞古紙、チラシ古紙、雑誌古紙、色上古紙、OA古紙及びこれらの混合古紙等が挙げられる。
本発明の脱インキパルプの製造方法は、古紙等を原料として再生紙を製造する際に使用され、詳しくは、フロテーション法、洗浄法、及びその折衷法で脱インキ処理する工程で用いられ、具体的には、離解、除塵、希釈、脱水、ニーディング、漂白、インキ除去及び洗浄等の工程を適宜組み合わせるパルプの製造方法に用いることができる。これらの中で脱インキを行う工程とは、インキを剥離させる工程及び除去する工程であり、離解、希釈、脱水、ニーディング、漂白、インキ除去及び洗浄工程が挙げられる。本発明ではこれらの工程の少なくとも何れかを非イオン界面活性剤(1)の存在下で又は非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)との存在下で行う。
本発明の脱インキパルプの製造方法は、従来の脱インキパルプの製造方法に準じて行うことができ、非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)は、原料古紙から脱インキパルプを製造する工程において、例えば、古紙離解工程、ニーダー処理工程、ソーキング工程、フロテーション処理工程の何れか、もしくは複数の工程で添加される。非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)は、両者が共存して印刷古紙に接触できれば、同じ工程で添加しても良いし、別の工程で添加しても良い。同じ工程で添加する場合は、予め非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)との混合物を調整し、該混合物を添加しても良い。
非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)の両者を添加する工程以外の脱インキパルプ製造のいずれかの工程で、非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)の少なくとも1つを添加することがより好ましい。すなわち、非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)との存在下で脱インキを行う工程と、非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)との少なくとも一方の存在下で脱インキを行う他の工程とを有する脱インキパルプの製造方法が好ましい。例えば、離解工程で、非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)を添加し、その工程以後のニーディング工程で脱インキ剤(2)を更に添加することが挙げられる。また、脱インキ剤(2)を添加する複数の工程の間に脱水工程を行うことが好ましい。例えば、1度目の脱インキ剤(2)を添加した工程の後、2度目を添加するニーディング工程以前に脱水工程を行うことが、2度目の脱インキ剤(2)の効果発現の点で好ましい。複数添加する脱インキ剤(2)は、インキ剥離性とインキ捕集性の両立の観点から、各工程毎に異なった化合物を選択して添加することが好ましい。脱インキ剤(2)の添加を2回行う場合、1度目に添加する脱インキ剤(2)の曇点は20〜70℃が好ましく、更に30〜60℃が好ましい。2度目に添加する脱インキ剤(2)の曇点は30〜90℃が好ましく、更に40〜70℃が好ましい。
非イオン界面活性剤(1)が、一般式(1−1)〜(1−3)からなる群より選ばれる1種以上である場合は、脱インキを行う工程でのパルプスラリー中の水100重量部に対する非イオン界面活性剤(1)の含有量が0.03重量部以上で用いることが好ましい。以下、パルプスラリー中の水100重量部に対する非イオン界面活性剤(1)の重量部を、水溶液濃度とする。パルプスラリー添加量と浸透性効果の観点から、これらの非イオン界面活性剤(1)の水溶液濃度は0.03〜10重量部が好ましく、0.03〜1重量部がより好ましく、0.04〜0.3重量部が更に好ましい。数回に分けて添加する場合は、各添加量の合計が上記範囲であることが好ましい。
また、非イオン界面活性剤(1)が、一般式(1−1)〜(1−3)からなる群より選ばれる1種以上である場合の添加量は、パルプスラリー中のパルプ100重量部(絶乾重量)に対して0.05重量部以上、更に0.1〜5重量部が好ましい。
脱インキ剤(2)の添加量は、パルプスラリー中のパルプ100重量部(絶乾重量)に対して0.01〜2重量部、更に0.05〜1重量部が好ましい。数回に分けて添加する場合は、各添加量の合計が上記範囲であることが好ましい。
また、脱インキを行う工程でのパルプスラリー中の水100重量部に対する脱インキ剤(2)の含有量は0.001重量部以上が好ましい。以下、パルプスラリー中の水100重量部に対する脱インキ剤(2)の重量部を、水溶液濃度とする。脱インキ剤(2)の水溶液濃度は0.001〜0.5重量部が好ましく、0.005〜0.5重量部がより好ましく、0.05〜0.1重量部が更に好ましい。
本発明では、全ての工程で用いられる非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)の合計の添加量は、パルプ100重量部(絶乾重量)に対して、0.01〜5重量部となるように添加するのが好ましく、0.02〜3重量部が更に好ましい。なお、非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)の比率(重量比)は、非イオン界面活性剤(1)/脱インキ剤(2)=1/100〜500/1、更に1/10〜100/1が好ましく、特に1/5〜10/1が好ましい。
また、非イオン界面活性剤(1)は、脱インキ剤(2)と併用せずに単独で使用しても中性新聞古紙に対するインキ剥離性に優れるため、効果的に脱インキを行うことができる。すなわち、非イオン界面活性剤(1)の存在下で脱インキを行う工程を有する製造方法により脱インキパルプを得ることができる。この場合、非イオン界面活性剤(1)の添加量は、パルプスラリー中のパルプ100重量部(絶乾重量)に対して0.05〜10重量部、更に0.1〜7重量部が好ましい。また、この方法においても、非イオン界面活性剤(1)が、一般式(1−1)〜(1−3)からなる群より選ばれる1種以上である場合は、非イオン界面活性剤(1)の水溶液濃度は、0.03重量部以上が好ましい。パルプスラリー添加量と浸透性効果の観点から、これらの非イオン界面活性剤(1)の水溶液濃度は0.03〜10重量部が好ましく、0.03〜1重量部がより好ましく、0.04〜0.3重量部が更に好ましい。数回に分けて添加する場合は、各添加量の合計が上記範囲であることが好ましい。
なお、本発明の製造方法では、必要に応じて、従来から一般に用いられている非イオン界面活性剤以外の公知の脱インキ剤、例えば高級アルコール硫酸塩、ポリオキシアルキレン高級アルコール硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸あるいはその塩等を、脱インキ剤として使用することも可能である。更に本発明の製造方法では、苛性ソーダや珪酸ソーダ等の公知のアルカリ薬剤、過酸化水素、次亜塩素酸塩、次亜硫酸塩等の漂白剤、スケール防止剤等、ピッチコントロール剤、消泡剤、スライムコントロール剤等の公知のパルプ製造薬品を併用することもできる。
(中性新聞と酸性新聞の選別方法)
新聞紙片をpH電極に巻き付け少量のイオン交換水で濡らし1分後のpHを測定した。pHが6.0超の新聞紙を中性新聞とし、6.0以下の新聞紙を酸性新聞とし選別した。
(脱墨処理方法)
離解工程1(パルパー工程):5cm角に裁断した古紙原料(中性新聞、酸性新聞、チラシ)100重量部(絶乾重量)、苛性ソーダ1.0重量部、表1の非イオン界面活性剤(1)及び脱インキ剤(2)を離解機に入れ、水で合計2857重量部にした(パルプ濃度3.5重量%)。この時、非イオン界面活性剤(1)及び脱インキ剤(2)は、パルプスラリー中の水100重量部に対する添加量(重量部)を水溶液濃度として算出し、更に脱インキ剤(2)はパルプ重量(絶乾重量)に対する重量部で添加量も算出した。40℃、2500rpm、5分間の条件で離解した。
脱水工程:パルプ濃度が25重量%になるまで80メッシュステンレスワイヤーにて濃縮した。
離解工程2(ニーディング工程):パルプ100重量部(絶乾重量)に対し、苛性ソーダ0.5重量部、3号珪酸ソーダ1.0重量部、過酸化水素0.5重量部、更に表1の脱インキ剤を添加し、熊谷理機工業(株)製PFIミルを用い300回更に離解した。
漂白工程:60℃、120分間漂白した。
希釈工程:パルプ濃度1重量%となるよう水を加え、パルプをよく分散しパルプスラリーを得た。
(インキ剥離性評価方法)
離解工程1及び希釈工程で得られたパルプスラリーをそれぞれ絶乾重量で2.5g採取し、4Lの水で希釈した後、80メッシュワイヤーでパルプ濃度13重量%となるように濃縮した。それを更に4Lの水で希釈後80メッシュワイヤーでパルプ濃度13重量%に濃縮する操作を3回繰り返し、完全に遊離インキを除去したパルプスラリーを得た。
150メッシュワイヤーで坪量150g/cm2となるようにJIS P8209−1994に従い手すきシートを作製した。
このシートを、王子計測機器(株)製画像解析処理紙塵測定装置DF−1000を用いて測定し、パルプシート中に残存しているインキを主体とする0.01mm2以上の着色物の個数を未剥離インキ数としてカウントした。離解工程1からなるシートをパルパー後の未剥離インキ数とし、希釈工程からなるシートをPFIミル後の未剥離インキ数とし表1に示した。
(浸透時間評価)
非イオン界面活性剤(1)及び脱インキ剤(2)の含有量が、表1に示すパルパーでの水溶液濃度となるよう水溶液を調製し、それを中性新聞古紙表面に5μL滴下した。滴下してから完全に吸水するまでの時間を目視で観察し浸透時間とした(点滴吸水度)。水の浸透時間は133秒であった。表1に水の浸透時間を100%とした時の相対浸透時間を示した。
(平均炭素数)
対象となる非イオン界面活性剤又は脱インキ剤から、2重量%重クロロホルム溶液を作製し、VARIAN社製核磁気共鳴装置MMERCURY400を用い1H−NMRスペクトルからオキシアルキレン基を除く活性水素(エステル結合を有する時はエステル基を活性水素として、その他の基は活性水素とはしない)1個当りの平均炭素数を求めそれをもって平均炭素数とした。なお、脱インキ剤(2)の多価カルボン酸のアルキレンオキサイド付加物については、30重量%重クロロホルム溶液を作成し、13C−NMRスペクトルから、オキシアルキレン基を除く活性水素(エステル結合を有する時はエステル基を活性水素として、その他の基は活性水素とはしない)1個当りの平均炭素数を求めそれをもって平均炭素数とした。
Figure 0004926662
表1中、非イオン界面活性剤(1−1)〜(1−3)の平均炭素数は、NMR測定によるオキシアルキレン基を除く活性水素1個当りの平均炭素数である。非イオン界面活性剤(1−4)のアルキル基の平均炭素数は、NMR測定によるアルキル基の平均炭素数である。脱インキ剤(2)の平均炭素数は、NMR測定によるオキシアルキレン基を除く活性水素(エステル結合を有する時はエステル基を活性水素として、その他の基は活性水素とはしない)1個当りの平均炭素数であり、多価アルコールを構成する炭素原子は含まない。また、非イオン界面活性剤(1)及び脱インキ剤(2)のアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、活性水素(エステル結合を含む)を有する化合物1モルあたりの全アルキレンオキサイドの平均付加モル数である。「中/酸/チ」は、中性新聞/酸性新聞/チラシ=30/30/40(重量比)の混合古紙である。
また、表1の脱インキ剤(2)及び非イオン界面活性剤(1)は以下のものである。
・脱インキ剤A:ステアリルアルコールのEO・PO付加物(ステアリルアルコ−ル1モルに対し、PO付加モル数4モル/(EO/POランダム付加モル数3モル/3モル)/EO付加モル数24モル/PO付加モル数20モル、4段ブロック付加、曇点37℃:)
・脱インキ剤B:ステアリン酸のEO・PO付加物(ステアリン酸1モルに対し、EO付加モル数19モル、PO付加モル数9モル、ブロック付加、曇点56℃)
・脱インキ剤C:ダイマー酸/2エチルヘキサノール(モル比1/1)混合物のEO・PO付加物(ダイマー酸1モルに対し、EO付加モル数235モル、PO付加モル数105モル、ランダム付加、曇点60℃)
・脱インキ剤D:牛脂/グリセリン(モル比1/0.3)混合物のEO・PO付加物(牛脂1モルに対し、EO付加モル数40モル、PO付加モル数20モル、ランダム付加、曇点52℃)
・非イオン界面活性剤A:6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)のEO付加物(6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)1モルに対し、EO付加モル数3モル)
・非イオン界面活性剤B:6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)のEO・PO付加物(6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)1モルに対し、EO付加モル数5モル、PO付加モル数3.5モル、ブロック付加)
・非イオン界面活性剤C:6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)のEO・PO付加物(6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)1モルに対し、EO付加モル数7モル、PO付加モル数8.5モル、ブロック付加)
・非イオン界面活性剤D:6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)のEO・PO付加物(6−ドデカノール/6−テトラデカノール混合物(50/50重量%)1モルに対し、EO付加モル数9モル、PO付加モル数15モル、ブロック付加)
・非イオン界面活性剤E:2−プロピルヘプタノールのEO付加物(2−プロピルヘプタノール1モルに対し、EO付加モル数4モル)
・非イオン界面活性剤F:2−プロピルヘプタノールのEO付加物(2−プロピルヘプタノール1モルに対し、EO付加モル数5モル)
・非イオン界面活性剤G:2−プロピルヘプタノールのEO付加物(2−プロピルヘプタノール1モルに対し、EO付加モル数6モル)
・非イオン界面活性剤H:2−エチルヘキサノールのEO・PO付加物(2−エチルヘキサノール1モルに対し、PO付加モル数2モル、EO付加モル数1モル、ブロック付加)
・非イオン界面活性剤I:2−エチルヘキサノールのEO・PO付加物(2−エチルヘキサノール1モルに対し、PO付加モル数6モル、EO付加モル数3モル、ブロック付加)
・非イオン界面活性剤J:オクタノールのPO付加物(オクタノール1モルに対し、PO付加モル数2.7モル)
・非イオン界面活性剤K:ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール混合物(70/30重量%)のEO・PO付加物(ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール混合物(70/30重量%)1モルに対し、EO付加モル数2.5モル/PO付加モル数1.5モル/EO付加モル数3.0モル、3段ブロック付加)
・非イオン界面活性剤L:2−エチルヘキシルグリセリルエーテル
・非イオン界面活性剤M:一般式(1−5)で表されるアセチレンジオールのEO付加物(活性水素1個あたりEO平均付加モル数5モル(アセチレンジオール1モルに対し、EO付加モル数10モル))
・非イオン界面活性剤N:イソデシルグリセリルエーテル
実施例19と20は非イオン界面活性剤(1)のみをパルパーで添加した例であるが、パルパーでの未剥離インキ数が、脱インキ剤(2)のみをパルパーで添加する比較例2〜7よりも少なくなっており、非イオン界面活性剤(1)のみでもパルパーでのインク剥離効果が従来からの脱インキ剤(2)よりも高く、非イオン界面活性剤(1)単独でも中性新聞古紙に対する脱インキパルプの製造に用いることができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも中性新聞を含む古紙を原料とする脱インキパルプの製造方法であって、
    下記一般式(1−1)〜(1−)からなる群より選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤(1)と、下記脱インキ剤(2)との存在下で脱インキを行う離解工程と、脱インキ剤(2)の存在下で行う前記離解工程以後のニーディング工程とを有し、
    一般式(1−1)〜(1−3)からなる群より選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤(1)を含むパルプスラリーを用いて脱インキを行い、且つ該パルプスラリー中の水100重量部に対する非イオン界面活性剤(1)の含有量が0.04〜0.3重量部であり、
    全ての工程で用いられる非イオン界面活性剤(1)と脱インキ剤(2)の比率(重量比)が、非イオン界面活性剤(1)/脱インキ剤(2)=1/5〜10/1である、
    脱インキパルプの製造方法。
    非イオン界面活性剤(1):
    Figure 0004926662

    〔式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜13の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R1とR2の合計の平均炭素数は7〜14であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、mは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
    Figure 0004926662

    〔式中、R3及びR4はそれぞれ炭素数1〜12の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R5は炭素数1〜12の直鎖のアルキレン基であり、R3とR4とR5の合計の平均炭素数は5〜14であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、nは平均付加モル数で1〜25の数である。〕
    6O−(AO)pH (1−3)
    〔式中、R6は平均炭素数6〜15の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基、pは平均付加モル数で1〜の数である。〕
    脱インキ剤(2):
    下記の(2−1)〜(2−3)からなる群より選ばれる1種以上の脱インキ剤であって、該脱インキ剤の曇点が20〜90℃であり、活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られ、オキシアルキレン基を除く活性水素1個当りの平均炭素数が15超〜24であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が、活性水素を有する化合物1モルあたり10〜500である脱インキ剤。
    (2−1)高級アルコール系脱インキ剤
    (2−2)脂肪酸系脱インキ剤
    (2−3)油脂/多価アルコール系脱インキ剤
  2. 古紙原料中の中性新聞の含有量が20〜100重量%である、請求項1記載の脱インキパルプの製造方法。
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