JP4672345B2 - 脱墨パルプの製造方法 - Google Patents

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本発明は新聞、雑誌等の古紙を用いて製造される脱墨パルプの製造方法に関する。
古紙の利用は環境意識の高まりのみならず、製造費削減の面からもその重要性は益々高まっている。古紙パルプには古紙を離解するだけの離解パルプと、脱墨工程を経た脱墨パルプがあるが、より高品質の紙製品に配合できる脱墨パルプの技術開発が近年目覚しい。
脱墨パルプの製造は、離解・除塵・脱墨・洗浄・脱水・分級・漂白等の工程を適宜組み合わせることにより行われるが、古紙パルプ品質の中で最も重要な残インキ率に対し、製造工程の中で大きな影響を与えるのは、離解および脱墨工程である。
離解工程では、高濃度パルパー、ドラムパルパーの利用が一般的であり、古紙の繊維を解きほぐすとともに、機械的な作用によるパルプ繊維からのインキ剥離が行われる。また、化学的作用によりインキ剥離を促進する薬品としては、苛性ソーダ、珪酸ソーダ、炭酸ソーダ等のアルカリ剤と共に、脱墨剤が使用されてきた。脱墨剤には、パルプ繊維からインキを剥離し微細分散させる効果の強いものや、インキを凝集させフローテーション工程でのインキ捕集能を高める効果の強いもの等がある。これらの中で、離解工程ではインキ剥離力の高い脱墨剤が求められる。
脱墨工程は、離解工程で剥離されたインキをフローテーターまたは洗浄により排出する工程である。特にフローテーターは水の使用量が制限される昨今、インキを中心とした異物を濃縮された形で選択的に除去できるため、脱墨パルプの製造には必須の工程となっている。ここで使用される脱墨剤はインキ捕集能が高いこと、即ち、気泡にインキを効果的に付着させ、系外除去するための起泡性が求められるとともに、洗浄時の破泡性に優れることが要求される。
離解工程とフローテーション工程のそれぞれに適した脱墨剤があるため、より高い効果を引き出す方法として脱墨剤を二段で添加することが行われている。例えば特許文献1で示されるように、灰分除去装置で分離されたそれぞれの工程において二段添加を行うことにより、脱インキ効果は非常に高くなると述べられている。
また、二段添加をする際の脱墨剤の選定についても色々な試みがなされている。離解工程ではインキ剥離力の高い高級アルコール系脱墨剤の使用が主流となっているが、フローテーション工程前で使用される脱墨剤についてはインキ捕集能を中心に、発泡性など他の品質も考慮しバランスの優れたものを使用する必要がある。特にインキ捕集能の高い脱墨剤に脂肪酸塩(石鹸)或いは脂肪酸(以下、脂肪酸塩と脂肪酸とをあわせて脂肪酸等という)があり、ある限定された条件で使用されてきた。
脂肪酸等を用いた技術としては、特許文献2で示されるように、インキ捕集剤として最強で泡切れ性の良好な飽和脂肪酸石鹸又は飽和脂肪酸(系内のアルカリ剤により石鹸となる)とインキ剥離剤あるいは起泡剤とを混合することにより、再生パルプの高品質化がもたらされる。
また、特許文献3に開示されているように、脂肪酸を非イオン界面活性剤又はアニオン性界面活性剤と併用してO/W型乳化物として操作性を改善する技術も知られている。更に、特許文献4には、飽和脂肪酸のインキ捕集性等を損なうことなく、且つ製品形態を液状として操業性を改善し、しかも再生パルプの脱墨品質を向上するような脱墨剤を得るために、総炭素数12〜14の飽和脂肪酸を必須として含有する脂肪酸混合物を非イオン性界面活性剤で溶解させて液状組成物とすることが記載されている。
一方、脂肪酸の問題点として、スケールの生成付着トラブルや低温時の固化などが挙げられる。脂肪酸の中で、微細インキの捕集を目的に、インキ捕集剤としてステアリン酸又はステアリン酸石鹸、オレイン酸を用いることは公知である。ステアリン酸やステアリン酸石鹸は、インキ捕集剤としては優れているが、常温固体であるため、添加等の作業性が著しく悪いこと、添加後に系中のカルシウムイオンと塩を形成し、スカム状と固形物となり洗浄機や異物除去に用いるスクリーンにおいてスケールが発生し著しく生産性を低下させること、などにより多くのトラブル発生の原因となる。一方、オレイン酸は常温液状であるため作業性は良好であり、設備でのスケール発生頻度も少ないが、インキ捕集性は悪く、発泡性を低下させることとも相俟ってフロテーターでのインキ排出性を悪化させる傾向がある。近年では、脱墨パルプの配合率が上昇し、脱インキ性や粘着物除去性等の脱墨性能の向上、生産性の向上が要求されており、こうした従来の脂肪酸や脂肪酸混合物では十分な対応が困難である。
スケールトラブルに対しては特許文献5で示されるように、パルプを洗浄白水で希釈する際に、酸性白土の酸処理物とアルミニウム塩との反応二次凝集物とタルクからなるピッチコントロール剤を添加し、次の洗浄工程で白水もピッチも共々系外に排出することも問題を軽減する対策のひとつとして挙げられる。しかしこれらの余計な添加剤を加えることは、製品パルプの品質低下や廃棄物の増加につながってしまうため、凝集、発泡、スケールなどすべてにわたり問題のない脱墨システムの構築が求められていた。
特開2004−068175号公報 特開昭62−250291号公報 特開平5−501286号公報 特許第2992210号公報 特開平6−287880号公報
本発明の課題は、インキ捕集性が高く、スケールトラブルの発生もなく、高品質な脱墨パルプを製造できる方法を提供することである。
本発明は、下記工程(1)〜(3)を有する脱墨パルプの製造方法に関する。
工程(1):HLBが2〜12の非イオン性界面活性剤(a)を含むパルプスラリーを洗浄する工程
工程(2):工程(1)で得られる洗浄後のパルプスラリーに、飽和脂肪酸(b1)と不飽和脂肪酸(b2)とを含有し、炭素数12の飽和脂肪酸の含有量が40〜50重量%であり、飽和脂肪酸(b1)と不飽和脂肪酸(b2)の重量比が(b1)/(b2)=90/10〜75/25である脂肪酸混合物(b)を添加する工程
工程(3):工程(2)で得られたパルプスラリーをフロテーションする工程
本発明によれば、インキ捕集性が高く、スケールトラブルの発生もなく、残インキが少ない、白色度が高いなど高品質な脱墨パルプを製造できる方法が提供される。
脱墨に脂肪酸を用いる場合、長鎖飽和脂肪酸は、インキ捕集力は強いが常温では固体で操作性が悪い。また、長鎖飽和脂肪酸は、系中のカルシウムイオンと塩を形成し不溶化することから洗浄機や異物除去に用いるスクリーンにおいてスケールが発生し著しく生産性を低下させる。この傾向は脂肪酸のアルキル鎖が長いほど顕著である。また、スケール発生は、インキ剥離を目的とするパルパーに長鎖飽和脂肪酸を、またはその他の脱墨剤を併用して添加した場合に著しいが、スケール発生を回避するためにインキ剥離工程以降に添加することも可能であるが、系内の温度が低い場合は、析出が起こりうまくパルプスラリーに混じらず、高いインキ捕集性は得られない。高温で機械攪拌力が強いディスパーザーやニーダーを用いて添加し、インキ捕集性を得ることも可能であるが、パルパーでの投入と同様にそれ以後の洗浄機やスクリーンでスケールが発生する。一方、不飽和脂肪酸は、スケール発生の頻度は低下するが、インキ捕集性は弱く、単独で優れた性能を得るには限界がある。
一方、脱墨システムにおいて、使用される原料古紙、あるいはフロテーター機種によって脱墨剤に要求される発泡性レベルが異なり、操業トラブルを引き起こしてしまうことがある。また、古紙の劣化度合い、パルパーあるいはニーダーの機械力の違いによりインキの微細化度合いに影響を及ぼし、インキの微細化が大きいと白色度の低下につながるため、脂肪酸と非イオン性界面活性剤の比率でそれらをコントロールすることができる。例えば、高発泡システムでは発泡性の低い脂肪酸単独あるいはその比率の高いものが好適であり、低発泡システムでは泡が立ちにくいため泡を立たせる目的で非イオン性界面活性剤を用いるのが好適である。また、脂肪酸比率が高い方がインキの微細化を抑制することができる。
そこで、本発明では、HLBが2〜12の非イオン性界面活性剤(a)〔以下、(a)成分という〕と、炭素数12の飽和脂肪酸40〜50重量%と不飽和脂肪酸とを含有し、且つ飽和脂肪酸(b1)と不飽和脂肪酸(b2)の重量比が(b1)/(b2)=90/10〜75/25である脂肪酸混合物(b)〔以下、(b)成分という〕とを併用することにより、インキ捕集力、スケール防止性に優れる脱墨パルプの製造方法を得たものである。そして、これら(a)成分と(b)成分とを、上記工程(1)〜(3)という、特定の方法で用いることが、こうした効果を得る上で重要であることを見出したものである。
<(a)成分>
(a)成分としては、インキ剥離作用を持ち、脱墨剤として認識されるものが使用される。非イオン性界面活性剤としては、活性水素を有するアルコール類、アミド類もしくは脂肪酸類に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)をランダム付加あるいはブロック付加して得られる化合物又はそれらの脂肪酸エステル化物が好ましく、特にアルコール系非イオン性界面活性剤が好ましい。具体的には以下のようなものが挙げられる。
(1)アルコール系非イオン性界面活性剤
総炭素数8〜24の飽和もしくは不飽和の第1級もしくは第2級アルコールのアルキレンオキサイド付加物又は総炭素数8〜12のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。構成アルコールとしては、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。また、アルコールに付加するAOは、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイドが挙げられ、特にEOを必須とするのが望ましい。AOの付加モル数は、アルコール又はアルキルフェノール1モルに対し3〜200モル、特に10〜80モルが好ましく、この範囲において特にインキ剥離性が良好で液状化が容易な非イオン性界面活性剤が得られる。付加形態はランダム付加又はブロック付加どちらでも良い。
(2)脂肪酸系非イオン性界面活性剤
総炭素数10〜24の飽和もしくは不飽和の高級脂肪酸のAO付加物が挙げられる。高級脂肪酸としては、飽和脂肪酸はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。また不飽和脂肪酸ではパルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシノール酸等が挙げられる。またAOの種類及び付加モル数は上記と同様である。
(3)エステル−油脂系非イオン性界面活性剤
総炭素数8〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸とグリセリンとのエステルからなる油脂と2〜10価の多価アルコールとの混合物のAO付加物が挙げられる。脂肪酸としては上記(2)で例示したものが挙げられる。2〜10価の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン、ショ糖等が挙げられる。またAOの種類及び付加モル数は上記と同様である。
これらの非イオン性界面活性剤以外でも脱墨剤として好適な性質を持つものであれば(a)成分として使用できる。また(a)成分は、デービス(Davies)氏によるHLBが2〜12であり、特に3〜10の範囲のものが好ましく使用される。
<(b)成分>
(b)成分のうち、飽和脂肪酸(b1)の炭素数は8〜22、更に12〜18が好ましく、脂肪酸混合物(b)中、炭素数12の飽和脂肪酸の比率は40〜50重量%、更に43〜48重量%が好ましい。また、不飽和脂肪酸(b2)の炭素数は12〜18、更に16〜18が好ましい。
本発明において、飽和脂肪酸(b1)と不飽和脂肪酸(b2)の重量比は(b1)/(b2)=90/10〜75/25であり、更に85/15〜80/20が好ましい。
また、本発明の(b)成分は、タイター(融点;JIS K−0065)が10〜50℃の範囲、好ましくは20〜45℃の範囲にあるものが良い。このタイター範囲内であれば不飽和脂肪酸、重合脂肪酸、樹脂酸を含んでも良い。
本発明において、前記した(a)成分と(b)成分の比率は重量比で(b)/(a)=10/90〜40/60、更に15/85〜30/70の範囲が好ましい。この範囲であると、固化・分離が抑制され液状化も容易となり、またインキ剥離性、インキ捕集性、泡切れ性も良好となる。
<製造方法>
本発明の脱墨パルプの製造方法は、従来の脱墨パルプの製造方法に準じて行うことができ、(a)成分と(b)成分は、原料古紙から脱墨パルプを製造する工程において、フロテーション工程以前、すなわち、古紙離解工程、ニーダー処理工程、熟成タワー工程及びフロテーション処理工程の何れか、もしくは複数の工程で添加されるが、本発明では、少なくとも(a)成分を含むパルプスラリーを洗浄する工程(1)と、該工程(1)で得られた洗浄後のパルプスラリーに(b)成分を添加する工程(2)が行われ、次いで工程2で得られたパルプスラリーをフロテーションする工程(3)が行われる。
工程(1)の洗浄とは、パルプスラリーの水分(通常は白水)を一部排出して濃縮することにより、遊離インキを系外に排出することである。また、工程(3)でフロテーションする工程は、一般的なフロテーターを用いて気泡によりインキを浮上させ、除去する工程である。
また、本発明では、工程(1)の前に、(a)成分により古紙パルプのインキを剥離する工程を行う。ここで、パルプのインキを剥離する工程とは、パルパーあるいはディスパーサー、ニーダー等の機械を用いて印刷古紙からインキを剥離する工程である。(a)成分の添加量は、パルプスラリー中のパルプ100重量部(絶乾重量)に対して0.01〜1重量部、更に0.05〜0.5重量部が好ましい。
工程(1)の後のパルプスラリーに(b)成分を添加する工程は、フロテーション工程の前であれば、特に限定されるものではない。また、(b)成分を添加するパルプスラリーのpHは8〜13が好ましい。(b)成分を添加するパルプスラリーのカルシウムイオン濃度は10〜1000ppm、更に20〜500ppmが好ましい。また、(b)成分の添加量は、パルプスラリー中のパルプ100重量部(絶乾重量)に対して0.005〜0.5重量部、更に0.01〜0.2重量部が好ましい。
本発明では、全ての工程で用いられる(a)成分と(b)成分の合計の添加量は、パルプ100重量部(絶乾重量)に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.02〜0.7重量部が更に好ましい。
なお、本発明の製造方法では、必要に応じて従来から一般に用いられている公知の脱墨剤、例えば高級アルコール硫酸塩、ポリオキシアルキレン高級アルコール硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等を使用することも可能である。
実施例1〜3及び比較例1〜5
(1)脱墨剤
表1、2に以下の実施例で使用した脱墨剤を示す。表1は高級アルコール系脱墨剤であり、表2は脂肪酸系脱墨剤である。これらを表3の通り用いた。
Figure 0004672345
Figure 0004672345
表2中、脂肪酸組成のCは炭素を、その次の数字は炭素数を意味する。また、Fは不飽和結合を、その次の数字は不飽和結合の数を意味する。
(2)シートの作製
古紙原料として新聞古紙(新聞:チラシ=6:4、重量比)を固形分濃度が3重量%となるように含むパルプスラリー(残部は水)に、水酸化ナトリウム0.5重量%(対パルプ)および脱墨剤I(種類及び添加量は表3の通り)を添加した上で、Tappi標準離解器にて40℃で15分間離解した。離解した試料を20重量%濃度まで濃縮した後、必要に応じて脱墨剤II(種類及び添加量は表3の通り)を添加し、過酸化水素水1重量%(対パルプ)、水酸化ナトリウム1重量%(対パルプ)、珪酸ナトリウム1重量%(対パルプ)を加え50℃、120分間晒し処理を行った。引き続き必要に応じて脱墨剤III(種類及び添加量は表3の通り)を添加し、古紙濃度が1重量%になるように良く攪拌しながら希釈し、これをラボフローテーターに注入して40℃、10分間フローテーション処理を行なった。フローテーション後のパルプスラリーをJIS P 8209(1994)に従い絶乾坪量60g/cm2の手抄きシートを作製した。脱墨剤II添加時のパルプスラリーのpHは9.5〜10.5であり、カルシウムイオン濃度は300ppmであった。脱墨剤III添加時のパルプスラリーのpHは10〜11であり、カルシウムイオン濃度は300ppmであった。
(3)評価
<スケール発生評価>
上記(2)の条件で、古紙原料として市中回収新聞古紙(新聞:チラシ=6:4)を用い、パルパー、漂白設備、フロテータを有する工場設備において約200t/日の古紙処理を行い、フロテーション後の精選スクリーンでスケール付着を目視にて観測し、以下の評価基準によって判定する。
5:操業30日目までまったくスケール付着が無い
4:操業30日目でスケールの付着がある
3:操業10日目でスケールの付着がある
2:操業5日目でスケールの付着がある
1:操業3日目でスケールの付着が著しい
実操業において、評価点4以上で効果があると確認できる。
<フロス率>
上記(2)において、フローテーションにおけるフロス排出物全量の絶乾重量を、古紙原料パルプの絶乾重量で除した値をフロス率(%)とした。
<白色度>
上記(2)で得られた手抄きシートを5枚重ね、分光白色度測色計(スガ試験機製)にて白色度を測定した。
<残インキ面積率>
上記(2)で得られた手抄きシートについて、画像解析装置(ルーゼックスIIIU、ニレコ社製)で残インキ面積率を測定した。
Figure 0004672345
表3に示されるように、本発明の製造方法(実施例1〜3)は、比較例1〜5の製造方法と比較して、スケールを生成することなく、高白色度でありかつ低残インキ面積率のパルプを得ることが可能であり、さらには他の操業性安定化に大きく貢献することができる。言い方を変えれば、同じ品質のパルプを得るために、脱墨剤の使用量の低減等、経済的、作業的に負担の少ない処理条件を選定することができる。よって、本発明の方法が優れていることは明らかである。

Claims (5)

  1. HLBが2〜12の非イオン性界面活性剤(a)〔以下、(a)成分という〕と、炭素数12の飽和脂肪酸40〜50重量%と不飽和脂肪酸とを含有し、且つ炭素数8〜18の飽和脂肪酸(b1)と炭素数12〜18の不飽和脂肪酸(b2)の重量比が(b1)/(b2)=90/10〜75/25である、炭素数8〜18の脂肪酸から構成される脂肪酸混合物(b)〔以下、(b)成分という〕とを併用する脱墨パルプの製造方法であって、
    下記工程(1)〜(3)を有する脱墨パルプの製造方法。
    工程(1):(a)成分と(b)成分のうち(a)成分のみを含むパルプスラリーを洗浄する工程
    工程(2):工程(1)で得られる洗浄後のパルプスラリーに、(a)成分と(b)成分のうち(b)成分のみを添加する工程
    工程(3):工程(2)で得られたパルプスラリーをフロテーションする工程
  2. 工程(1)の前に、HLBが2〜12の非イオン性界面活性剤(a)の存在下に原料古紙からインキを剥離する工程を行う、請求項1記載の脱墨パルプの製造方法。
  3. 工程(2)における脂肪酸混合物(b)の添加量が、パルプ100重量部(絶乾重量)に対して0.005〜0.5重量部である請求項1又は2記載の脱墨パルプの製造方法。
  4. 工程(2)で脂肪酸混合物(b)をpHが8〜13であるパルプスラリーに添加する請求項1〜3の何れか1項記載の脱墨パルプの製造方法。
  5. 工程(2)で脂肪酸混合物(b)をカルシウムイオン濃度が10〜1000ppmであるパルプスラリーに添加する請求項1〜4の何れか1項記載の脱墨パルプの製造方法。
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