JP4925945B2 - 光学的立体造形装置および光学的立体造形方法 - Google Patents

光学的立体造形装置および光学的立体造形方法 Download PDF

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本発明は光硬化性液を用いて光造形を行う際に使用する光学的立体造形装置および当該装置を用いて立体造形物を製造する光学的立体造形方法に関する。より詳細には、本発明は、構造が簡単で取り扱い性に優れ、しかも光硬化層上に光硬化性液を所定の厚さで円滑に被覆することのできるコータを備える光学的立体造形装置、および当該光学的立体造形装置を用いて、寸法精度、外観、強度、均質性などに優れる高品質の立体造形物を、高い造形精度で且つ速い造形速度で、生産性良く製造する光学的立体造形方法に関する。
近年、三次元CADに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂を硬化させて立体造形物を製造する光学造形方法および装置が実用化されている。この光造形技術は、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するためのベースモデルなどのような複雑な三次元物体を容易に造形できることから注目を集めている。
光造形技術によって造形物を製造するに当たっては、造形浴を用いる方法が汎用されており、その手順としては、造形浴に液状の光硬化性樹脂組成物などの光硬化性液を入れ、光硬化性液の液面に光を選択的に照射して所定の厚みおよび形状パターンを有する光硬化層を形成し、その光硬化層を造形浴内で下方に移動(沈降)させて造形浴内の光硬化性液を当該光硬化層上に流動させて光硬化層を光硬化液で被覆し、光硬化性液の液面に光を再度照射して光硬化層を形成するという一連の工程を所定の形状および寸法の立体造形物が得られるまで繰り返して行う方法が一般的に広く採用されている。
その際に、光を照射した形成した光硬化層を造形浴内で下方に移動(沈降)させただけでは、光硬化性液の表面張力などによって光硬化層上に所定の厚さを有する1層分の光硬化性液層が形成されにくいことから、光学的立体造形装置にコータを設け、沈降した光硬化層の上をコータを走行させて光硬化層上に1層分の光硬化性液を被覆することが広く行われている。
光学的立体造形装置におけるコータとしては、平滑板をコータとして用いて、当該平滑板の前面で未硬化の光硬化性液を押し出して光硬化層上に光硬化性液を被覆するようにした光学的立体造形装置が知られている(特許文献1を参照)。しかし、この方式による場合は、十分な量の光硬化性液を光硬化層上に押し出してゆくことが困難で、特に光硬化層の面積が大きいと、光硬化性液で被覆されていない部分や被覆されていても1層分の光硬化性液層としては薄すぎて厚さが足りない部分が発生し易い。そのような問題を解消して光硬化層上に所定の厚さを有する1層分の光硬化性液層を形成させるためには、コータを何回も往復させなければならず、造形に長い時間を要するようになり、生産性が大きく低下する。
かかる点から、例えば図11の模式図に示すように、光硬化性液の液面に対向する下面で開放した凹部2を有するコータ1を備え、当該コータ1を真空ポンプなどの外部装置3とパイプライン4で連結し、真空ポンプなどの外部装置3によってコータ1の凹部2内を減圧にして凹部2内に光硬化性液5を汲み上げ、その状態でコータ1を光硬化層(既に形成された造形物)の上を走行させて光硬化層6の上に光硬化性液5を被覆し、以後光照射による光硬化層6の形成、光硬化層6の造形浴中への沈降を行うようにした光学的立体造形装置が提案されている(特許文献2を参照)。そして、この特許文献2には、外部に配置した真空ポンプ3とパイプライン4によって連結したコータ1の凹部2の上面にソレノイドバルブ(電磁弁)を取り付け、当該ソレノイドバルブの開閉を電気的に制御することによって、ソレノイドバルブを開いた状態での真空ポンプ3の吸引によるコータ1の凹部2内への光硬化性液5の汲み上げと、ソレノイドバルブを閉じることによる凹部2への光硬化性液5の汲み上げの停止を行うようにした装置も開示されている(特許文献2の図9kを参照)。
特許文献2の光学的立体造形装置による場合は、真空ポンプによる吸引作用によってコータの凹部に光硬化性液が汲み上げられているので、その状態でコータを光硬化層上で走行させたときに所定の1層分の光硬化性液層を光硬化層上に被覆することが可能である。
しかしながら、特許文献2の光学的立体造形装置では、コータとは別に、コータの凹部内を減圧にするための真空ポンプなどの外部装置を設ける必要があるため、装置が複雑になり、それに伴って光硬化層上に1層分の光硬化性液を被覆するためコート作業の制御も複雑になる。しかも、特許文献2の光学的立体造形装置では、真空ポンプなどの外部装置とコータをパイプラインで連結する必要があり、当該パイプラインとしては減圧吸引によっても潰れない重くて丈夫なものを使用し、それをコータに取り付けなければならない。そのため、コータによって光硬化層上に光硬化性液を被覆するに当たっては、コータと共にパイプラインも一緒に光硬化層上を走行させなければならず、コート操作時に当該パイプラインがしばしば邪魔になりコータの円滑な走行を阻害したり、光硬化性液層の厚さ制御に悪影響を及ぼしたり、更にはコータを走行させる際に余分のエネルギーが必要になるなどの種々の問題を生じ易い。
また、真空ポンプなどの外部装置をパイプラインによってコータに連結した引用文献2の光学的立体造形装置において、コータの凹部上面に更にソレノイドバルブを設けたものでは、上記した種々の問題に加えて、更に次のような多数の問題が同時に発生する。
まず、コータの凹部上面に設けたソレノイドバルブは、電気的な制御によってその開閉が制御されるため、当該ソレノイドバルブに電気信号を送るための電気配線が別途必要であり、ソレノイドバルブの開閉のための電気配線の処理が複雑にならざるを得ない。
また、真空ポンプの作動、コータの走行などとタイミングを合わせてソレノイドバルブに電気信号を送ってソレノイドバルブの開閉を行うことが必要なため、コータの走行制御とは別の制御が更に必要になり、光学的立体造形を行う際の制御が複雑になる。
しかも、ソレノイドバルブは、開時または閉時のどちらかに励磁させるか(バネ弁式のソレノイドバルブは一方で励磁すればよい)、或いは常時励磁させておかなければならず、励磁時にソレノイドバルブが高温(通常手でさわれない温度)になるために、光硬化性液の近傍に設置する必要のあるソレノイドバルブの発熱によって、造形に用いるレーザー光線など光線の光軸のゆらぎが生じて造形精度の低下が生じ易く、またソレノイドバルブの励磁時の発熱(高熱)による光硬化性液の物性変化や寿命の低下などが生じ易い。
さらに、光学的立体造形装置は、造形操作時に殆ど音のしない静かな装置であるが、ソレノイドバルブをコータに設けることにより、ソレノイドバルブの開閉時の金属音(カチッ、カチッという音)が発生して騒音を生じ易く、しかもソレノイドバルブの開閉時に微震度が生ずるために造形精度の低下を生じやすい。
その上、ソレノイドバルブを構成する電磁石は、通常、鉄製の薄板を積層したブロックに単線を巻き付けたコイルからなっていてかなりの重量があり、当該ソレノイドバルブの重量がコータに付加されるため、コータの高さ精度をミクロン台で維持するのに悪影響を及ぼし易く、光硬化層上に厚さの均一な1層分の光硬化性液層を被覆するのが困難になり易い。
しかも、ソレノイドバルブは、バルブ部にゴミなどが詰まった場合に、分解して清掃する必要があるが、構造が複雑なため経験者でないと分解、清掃、組み立てが困難であり、しかも高価で寿命が比較的短い。
特開昭61−114818号公報 特許第3839479号公報
本発明の目的は、真空ポンプなどの外部装置をコータに別途取り付けなくても、コータの凹部内に必要な量の光硬化性液を極めて簡単に且つ良好に取り込むことができ、それによって光硬化層の上に所定の厚さを有する1層分の光硬化性液の層を、良好な作業性で円滑に被覆することのできる、構造が簡単で、複雑な制御を要しないコータを有する光学的立体造形装置を提供することである。
更に、本発明は、種々の問題のある上記したソレノイドバルブなどを用いずに、構造が極めて簡単で、それにも拘わらずコート時の制御および操作が簡単で且つ清掃や保守管理が容易でありながら、コータの凹部内に必要な量の光硬化性液を円滑に取り込んで、光硬化層上に所定の厚さの光硬化性液層を良好に被覆することのできるコータを備えた光学的立体造形装置を提供することである。
そして、本発明の目的は、前記した光学的立体造形装置を使用して、寸法精度、外観、強度、均質性などに優れる高品質の立体造形物を、高い造形精度で且つ速い造形速度で、生産性良く製造することのできる光学的立体造形方法を提供することである。
上記の目的を達成すべく本発明者は検討を重ねてきた。その結果、光硬化性液の液面に光を選択的に照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成し、次いでその上に1層分の未硬化の光硬化液をコータを用いて被覆した後に光を選択的に照射して前記の光硬化層上にそれと連続した光硬化層を新たに形成して積層する操作を繰り返して立体的造形物を製造する光学的立体造形装置において、当該コータを、光硬化性液の液面に対向する下面において開放している凹部を有し且つ当該凹部内が加圧状態になったときに自動的に開いて凹部内の気体を凹部外へ排出する逆止弁を有する構造にすると、構造が極めて簡単であるにも拘わらず、コータの凹部内に光硬化性液を簡単に且つ円滑に取り込む(吸入する)ことができること、そして凹部内に光硬化性液を吸い込んだコータを光硬化層の上を走行させることによって光硬化層上に、光硬化性液を所定の厚さで気体の混入を生ずることなく円滑に被覆することができ、それによって寸法精度、外観、強度、均質性に優れる立体造形物を円滑に製造できることを見出した。
さらに、本発明者は、コータの凹部の形状やサイズなどに応じて、コータに設ける前記逆止弁は1個であってもよいしまたは2個以上であってもよいこと、またコータの凹部の上面は平坦な形状または凸状の形状のいずれであってもよく、いずれの場合も逆止弁をコータの凹部の上面の最も高い位置またはその近傍に配置することが、コータの凹部内の気体を逆止弁を通して凹部外へより円滑に排出し得ることを見出した。
また、本発明者は、コータに逆止弁を設けるに当たっては、コータの凹部の上面に短尺の管状体を連設し、当該管状体内に逆止弁を配置すると、構造が極めて簡単でありながら、コータの凹部内の気体が当該逆止弁部分からコータ外に円滑に排出され、しかも逆止弁の清掃や保守管理が簡単であること、逆止弁としては球体またはバネ弁を用いた逆止弁が構造が簡単でありながら逆止弁としての機能、分解清掃性、維持管理性などに優れていることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する光照射手段、前記光硬化層を沈降させる沈降手段、および沈降した光硬化層の上を走行して光硬化層上に光硬化性液を被覆するコータを備える光学的立体造形装置であって、前記コータが、光硬化性液の液面に対向する下面において開放している凹部と、当該凹部内が加圧状態になったときに自動的に開いて凹部内の気体を凹部外へ排出する逆止弁を備えることを特徴とする光学的立体造形装置である。
そして、本発明は、
(2) コータに前記逆止弁を1個または2個以上設けた前記(1)の光学的立体造形装置;
(3) コータの凹部の上面が平坦な形状または凸状の形状を有し、逆止弁をコータの凹部の上面の最も高い位置またはその近傍に配置してなる前記(1)または(2)の光学的立体造形装置;
(4) 短尺の管状体内に逆止弁機能を発揮する部材を配置して形成した逆止弁をコータの凹部の上面に取り付けて、当該逆止弁によって凹部内の気体を凹部外へ排出させるようにした上記(1)〜(3)のいずれかの光学的立体造形装置;および、
(5) 逆止弁が、短尺の管状体内に逆止弁機能を発揮する球体またはバネ弁を配置して形成した逆止弁である前部(1)〜(4)のいずれかの光学的立体造形装置;
である。
さらに、本発明は、
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかの光学的立体造形装置を用いて立体造形物を製造する光学的立体造形方法であって、光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する工程、前記光硬化層を沈降させる工程および沈降した光硬化層の上をコータを走行させて当該光硬化層上に光硬化性液を被覆する工程よりなる一連の工程を複数回にわたって繰り返して目的とする立体造形物を製造するに当たり、コータによる光硬化層上への光硬化性液の被覆工程を、光硬化層が存在しない位置でコータの凹部の下端が光硬化性液の液面よりも下方に位置するまでコータを光硬化性液中に進入させてコータの凹部内に光硬化性液を吸入させると共にコータの凹部内の気体を逆止弁から凹部外に排出させ、凹部内に光硬化性液を吸入した状態でコータを光硬化層の上を走行させて光硬化層上に光硬化性液を被覆することにより行うことを特徴とする光学的立体造形方法である。
本発明の光学的立体造形装置では、コータに取り付けた逆止弁の作用を利用して、コータの凹部内に光硬化性液を取り込んだ状態で光硬化層上に光硬化性液を被覆するため、光硬化層上に被覆される光硬化性液の層に気体の混入がなく、寸法精度、外観、強度、均質性に優れる立体造形物を円滑に製造することができる。
本発明の光学的立体造形装置では、コータの凹部内への光硬化性液の取り込み(吸入)を、コータに取り付けたコータの凹部内の圧力上昇によって自動的に開く逆止弁単独で行うものであるため、真空ポンプなどの外部装置をパイプラインによってコータに取り付けて当該真空ポンプなどの外部装置でコータの凹部内に光硬化性液を吸入する(汲み上げる)ようにした特許文献2に記載されている従来技術に比べて、装置の構造が簡単であり、それによって光硬化層上に1層分の光硬化性液を被覆するためコート作業の制御も複雑にならない。しかも、真空ポンプなどの外部装置とコータを連結するパイプラインが不要なため、光硬化性液のコート操作時にパイプラインが走行の邪魔になるという問題やパイプラインによってコータに余分の重量が負荷されるという問題がなくなり、更には光硬化性液層の厚さの制御を精密に行うことができ、またコータを走行させる際に余分のエネルギーが不要である。
本発明の光学的立体造形装置では、コータの凹部内への光硬化性液の取り込み(吸入)をコータの凹部内の圧力上昇によって自動的に開く逆止弁によって自動的に行うものであって、電気信号によって開閉を制御するソレノイドバルブを使用していないため、弁を開閉させるための電気配線および電気的な制御が不要である。
本発明の光学的立体造形装置において、コータの取り付けた逆止弁は、ソレノイドバルブのような発熱が全く生じないので、弁の発熱に伴う、レーザー光線など光線の光軸のゆらぎによる造形精度の低下、光硬化性液の物性変化や寿命の低下などが生じない。
本発明の光学的立体造形装置においては、コータに取り付けた逆止弁はその開閉時にソレノイドバルブのような開閉音を生じないので、光学的立体造形を行う作業環境を騒音のない静かな状態に維持することができる。
本発明において光学的立体造形装置のコータに用いる逆止弁は、軽量(通常1g〜50g程度)な球体またはバネ体により形成され、コータに余分な重量負荷を与えないため、コータの高さ精度をミクロン台で精密に維持することができ、しかも構造が簡単で清掃、取り替えなどの保守管理が容易であり、その上安価である。
本発明の光学的立体造形装置では、コータに取り付けた逆止弁を構成する球体の重さやバネ体のバネ力(荷重)を選択したり、コータに取り付ける逆止弁の数などを調整することによって、コータの凹部への光硬化性液の流入量や流入速度を簡単に変えたり調整することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の光学的立体造形装置は、光硬化性樹脂組成物などからなる光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する光照射手段、前記光硬化層を沈降させる沈降手段、および沈降した光硬化層の上を走行して光硬化層上に光硬化性液を被覆するコータを備えている。
当該光学的立体造形装置を用いて立体造形物を製造するに当たっては、一般に、光硬化性液を充填した造形浴中に立体造形物を載置するための手段(造形テーブル等)を配置し、造形テーブル等を下降させることによって造形テーブル等の上に1層分の光硬化性液面(造形面)を形成させ、その造形面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成させ、次いで造形テーブル等を下降(造形浴中に沈降)させた後、下降させた光硬化層の上をコータを走行させて当該光硬化層上に1層分の光硬化性液を被覆させ、それに光を再度照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成させるという操作を目的とする形状およびサイズを有するまで繰り返す方法が一般に広く採用されており、本発明においてもかかる方法によって立体造形物を製造する。
本発明の光学的立体造形装置では、光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する光照射手段の種類は特に制限されず、光学的立体造形装置において従来から用いられている光照射手段であればいずれも採用できる。
本発明では、光照射手段として、光発射装置から発射された点状に絞った光線を線描方式で光硬化性液よりなる液面に照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成するようにしたものを採用してもよいし、または光発射装置から発射された光を描画マスクを介して光硬化性液よりなる液面(造形面)に照射して、描画マスクのマスク画像に対応した所定の形状パターンを有する光硬化層を形成させるようにしたものを採用してもよい。その際の描画マスクとしては光学的立体造形において従来から用いられている描画マスクのいずれもが使用でき、例えば、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な液晶シャッター(液晶描画マスク)またはデジタルマイクロミラーシャッターなどを挙げることができる。
また、光硬化層の形成に用いる光発射装置の種類は特に制限されず、光学的立体造形で使用され得る光発射装置であればいずれでもよく、例えばArレーザー、He−Cdレーザー、LDレーザー(半導体励起固体レーザー)、LED、キセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、白熱ランプなどを挙げることができる。
光照射手段によって形成した所定の形状パターンを有する光硬化層を、光硬化性液を充填した造形浴中で沈降(下降)させるための手段および当該沈降手段を用いての沈降方法(下降方法)は特に制限されず、光学的立体造形において従来から採用されている沈降手段および沈降方法のいずれもが採用可能である。
光硬化層を造形浴内に沈降(下降)させる際の沈降距離(沈降深さ)は、使用する光硬化性液の種類、粘度、光照射によって形成しようとしている1層分の光硬化層の厚さ、光学的立体造形装置の性能や設定内容などに応じて決めることができ、一般的には、50〜200μm程度が採用される。
本発明の光学的立体造形装置は、沈降させた光硬化層上に光硬化性液を被覆するためのコータとして、光硬化性液の液面に対向する下面において開放している凹部と、当該凹部内が加圧状態になったときに自動的に開いて凹部内の気体を凹部外へ排出する逆止弁を備えるコータを備えていることが必要である。
コータにおける前記凹部の形状は、光硬化性液の液面に対向する下面(下部)で開放していて、当該開放した下面(下部)から光硬化性液を凹部内に吸い込む(取り込む)ことができ、しかも当該開放した下面(下部)と逆止弁が取り付けられている箇所でのみ外部と連通していてそれ以外の箇所は閉鎖している(外部に気体が漏れない)形状にする。
光硬化性液の液面と接する凹部の下端(下面)(ひいてはコータの下端)は、コータを光硬化層の上を走行させたときに光硬化層の上に光硬化性液の平らな被覆層が形成されるような形状としておくことが必要である。
また、コータの凹部の上面は平坦な形状であってもよいし、または凸状の形状であってもよい。凹部の上面が凸状の形状をなしている場合は、例えば、なだらかに湾曲した山型形状であってもよいし、2つの斜面が組み合わさった「∧型形状」(逆V字型形状)であってもよいし、3つ以上の斜面が組み合わさった形状(三角錐、四角錐、五角錐など)であってもよいし、円錐形状であってもよいし、一方が垂直壁でもう一方が斜面からなる形状であってもよい。
コータに設ける逆止弁は、コータの凹部内に光硬化性液を取り込んだときに、凹部内の気体が逆止弁を通って凹部外に円滑に排出される位置に設けることが必要である。
一般的には、逆止弁を凹部の上面に設けると、逆止弁を凹部の側面や下面に近い箇所に設ける場合に比べて、逆止弁を通して凹部内の気体の排出をより円滑に行うことができるので好ましく、特に逆止弁を凹部の上面の最も高い位置またはその近傍に設けることが、逆止弁を通して凹部内の気体を一層円滑に凹部外に排出させることができるのでより好ましい。
コータには逆止弁を1個だけ設けてもよいし、または2個以上設けてもよい。コータのサイズが大きく、それに伴ってコータにおける凹部の容積が大きい場合には、2個以上の逆止弁をその設置位置を考慮して設けると、逆止弁を通して凹部内の気体をより速やかに且つ均一に凹部外に排出させることができる。
限定されるものではないが、本発明の光学的立体造形装置で用いるコータの例を模式図で示すと、図1〜図7に示すものなどを挙げることができる。
図1の(a)は、上面7が平ら長方形からなり、周囲を4つの垂直壁8a,8b,8c,8dで包囲した底のない細長い箱型形状のコータ1の該略図であり、図1の(b)は図1の(a)のコータ1における逆止弁9を設けてある位置での縦断面図である。
図2の(a)および図3の(a)は、2つの斜面から形成された逆V字型の断面形状を有する上面7を有し、周囲を4つの垂直壁8a,8b,8c,8dで包囲した底のない細長いコータ1の該略図であり、図2の(b)および図3の(b)は図2の(a)または図3の(a)のコータ1における逆止弁9を設けてある位置での縦断面図である。
図4の(a)は、上面7が四角錐型をなし、周囲を4つの垂直壁8a,8b,8c,8dで包囲した底のない細長いコータ1の該略図であり、図4の(b)は図4の(a)のコータ1における逆止弁9を設けてある位置での断面図である。
図5の(a)は、逆U字型の断面形状を有する上面7を有し、周囲を4つの垂直壁8a,8b,8c,8dで包囲した底のないカマボコ型の細長いコータ1の該略図であり、図5の(b)は図5の(a)のコータ1における逆止弁9を設けてある位置での断面図である。
図6は、図1に示すコータにおいて、コータの下部に、ブレード機能を有するフランジ部分18aおよびフランジ部分18bを直接形成したものを示す図である。
図7は、図1に示すコータなどをコータ部材として、当該コータ部材を2個のブレード11a,11bの間に密接配置したコータを示す図である。
本発明の光学的立体造形装置で用いるコータでは、図1、図2、図4、図5に示すように、逆止弁9は1個だけ設けてもよいし、また例えば図3に例示するように2個設けてもよいし、あるいは図示していないが3個以上設けてもよい。
いずれの場合も、逆止弁9は、コータにおける凹部の上面、特に上面の一番高い位置またはその近傍に設けることが、凹部2内の気体を逆止弁9を通して凹部外により円滑に排出できるので好ましい。また、逆止弁9をコータ1の凹部2の上面に設けるに当たっては、凹部2の形状やサイズなどに応じて、凹部2からの気体の排出がより円滑に行われる位置に設けるようにする。
光学的立体造形装置では、図7に例示するように、コータ1は、一般にコータ1の長さ方向の両端に配置した2本のレール(例えば図7における10a,10b)に沿って光硬化性液の液面上および光硬化層上を走行するように構成されている。
本発明では、前記した図1〜図6に例示したようなコータをそのまま当該2本のレールに沿って走行させてもよいし、或いは図7に例示するように、光硬化性液の液面を平坦化する作用を有する2個のブレード11a,11bを間隔をあけて配置し、ブレード11a,11bの間に図1〜図6に例示したコータ部材を挿入して、当該ブレード11a,11bおよびその間に挿入したコータ部材を一まとめにしたものをコータとして使用し、その一まとめにしたコータを光硬化液の液面上および光硬化層上を走行させるようにしてもよい。また、図7のようにブレード11a,11bをコータ部材と別体に設けずに、図1〜図6に例示するようなコータ部材の前部と後部の下部(光硬化性液の液面と接する部分)にリブなどのようなブレードとなる部分を一体に形成してもよい。
本発明の光学的立体造形装置では、コータに設けてなる逆止弁は、コータの凹部内が加圧状態になったときに自動的に開いて凹部内の気体を凹部外へ排出し、その一方で当該逆止弁を通してコータの凹部内に気体が流入するのを阻止する。
コータに設ける逆止弁としては、前記した逆止弁の機能を円滑に発揮する逆止弁であればいずれを用いてもよい。そのうちでも、本発明では、逆止弁として、短尺の管状体内に逆止弁機能を発揮する部材を配置して形成した逆止弁が、軽量でコータに対して余分の負荷を生じず、構造が簡単であり、しかも清掃や保守管理が容易であり、且つ安価であることから好ましく用いられる。
限定されるものではないが、本発明で好ましく用いられる逆止弁の代表例としては、図8に示す球体を用いた逆止弁、図9に示すバネ弁を用いた逆止弁を挙げることができる。
図8に示す逆止弁9は、短尺の管状体内に逆止弁機能を発揮する球体を配置して形成した逆止弁である。図8において、短尺の管状体12は、コータ1の凹部2内と連通するようにしてコータ1の凹部2の上面7に配設されており、当該管状体12内にゴム製Oリング13を取り付け、そのOリング13に球体(鋼球体など)14が載置されている。図8に示す逆止弁9では、管状体12内にOリングを確実に安定して保持すると共に球体14が管状体12から脱落するのを防止するために、管状体12を嵌合や螺合などによって結合し得る下部管状体12aと上部管状体12bから構成し、下部管状体12aの上端と上部管状体12bの下端との間でOリング13を保持し、且つ上部管状体12bに球体14の直径よりも孔径の小さな排気孔15を設けて上部管状体12bを蓋体として機能させている。
図8のものでは、コータ1の凹部2内の圧力が、球体14の自重よりも大きくなると、球体14が上方に持ち上げられて、Oリング13と球体14との間に隙間が生じ、当該隙間から凹部2内の気体が排気孔15から凹部2(コータ1)の外に排出される。
図9に示す逆止弁9は、短尺の管状体内に逆止弁機能を発揮するバネ弁を配置して形成した逆止弁である。図9において、短尺の管状体12は、コータ1の凹部2内と連通するようにしてコータ1の凹部2の上面7に配設されており、当該管状体12内にゴム製Oリング13を取り付け、バネ弁16をその先端に設けた栓体がOリング13に当接するようにして管状体12内に取り付けてある。コータ1の凹部2内の圧力が、バネ弁16の伸張力(バネ力)よりも大きくなると、バネ弁16の先端の栓体が上方に持ち上げられて、Oリング13と栓体との間に隙間が生じて当該隙間から凹部2内の気体が排気孔15から凹部2(コータ1)の外に排出される。図9に示す逆止弁では、管状体12内にOリングを確実に安定して保持すると共にバネ弁16が管状体12から脱落するのを防止するために、管状体12を嵌合や螺合などによって結合し得る下部の管状体12aと上部の管状体12bから構成し、下部の管状体12aの上端と上部の管状体12bの下端との間でOリング13を保持し、且つ上部の管状体12bにバネ弁16のバネ部分の直径よりも孔径の小さな排気孔15を設けて上部の管状体12bを蓋体として機能させている。
図8に示す逆止弁では、管状体12内に配置する球体の重さ、球体の大きさ、排気孔の径、Oリングの硬さなどを調整することによって、光学的立体造形時のそれぞれの状況(例えば光硬化性液の粘度、コータの走行速度、光硬化層上に形成する光硬化性液の被覆層の厚さなど)に応じて、コータ1の凹部2から外部に排出させる気体の量や排出速度を極めて簡単に調整することができる。限定されるものではないが、一般的には、球体として、1〜50g程度の金属、セラミック、プラスチック、ゴムなどからなる球体を用いることによって、コータの凹部からの気体の排出を円滑に行うことができる。
また、図9に示す逆止弁では、管状体12内に配置するバネ弁におけるバネの強さ(圧出に対する反発力)を調整することによって、光学的立体造形時のそれぞれの状況(例えば光硬化性液の粘度、コータの走行速度、光硬化層上に形成する光硬化性液の被覆層の厚さなど)に応じて、コータ1の凹部2から外部に排出させる気体の量や排出速度を極めて簡単に調整することができる。限定されるものではないが、一般的には、バネ弁としては、1〜50gf程度のバネ力(荷重)を示すものを用いることによって、コータの凹部からの気体の排出を円滑に行うことができる。
上記した本発明の光学的立体造形装置を用いて、光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する工程、前記光硬化層を沈降させる工程および沈降した光硬化層の上をコータを走行させて当該光硬化層上に光硬化性液を被覆する工程よりなる一連の工程を目的とする立体造形物が得られるまで繰り返して行い、その際にコータによる光硬化層上への光硬化性液の被覆工程を、光硬化層が存在しない位置でコータの凹部の下端が光硬化性液の液面よりも下方に位置するまでコータを光硬化性液中に進入させてコータの凹部内に光硬化性液を吸入させる(取り込む)と共にコータの凹部内の気体を逆止弁を通して凹部外に排出させ、凹部内に光硬化性液を吸入させた状態でコータを光硬化層の上を走行させて、光硬化層上に光硬化性液を所定の厚さで被覆することによって行う。
上記した本発明の光学的立体造形方法について図10を参照して説明する。
光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成し、当該光硬化層(造形テーブル17に載置されている光硬化層の積層体である造形途中の立体造形物)を沈降させた後[図10の(a)]、造形浴中における光硬化層が存在しない位置でコータ1の凹部2の下端が光硬化性液5の液面よりも下方に位置するまでコータ1を光硬化性液5中に進入させる[図10の(b)]。それによって、コータ1の凹部2内に光硬化性液5が取り込まれると同時に凹部2内に取り込まれた光硬化性液5によって凹部内に存在していた気体が圧縮されて凹部2内が加圧状態になり、凹部2に連通させて設けられている逆止弁9が開いて凹部2内の気体が凹部外に排出される。そして、凹部1内の気体が逆止弁9を通して凹部外に排出されると凹部2内が減圧状態になって逆止弁9が閉じ、それと共に凹部2内には光硬化性液5が取り込まれた状態(吸入された状態)で保持される[図10の(b)と(c)の間]。そのような状態でコータ1を塗工を行う位置まで上昇させ[図10の(c)]、次いでコータ1を、光硬化層6上を走行させる[図10の(d)]。その結果、コータの凹部2内に吸引保持されていた光硬化性液5がコータ1の凹部2の開放した下端から徐々に排出されながら被覆が行われて、光硬化層6上に光硬化性液からなる所定の厚さを有する1層分の被覆層が形成される。それによって形成された光硬化性液よりなる被覆層に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する。
光硬化性液の液面に対向する下面において開放している凹部2と、当該凹部2内が加圧状態になったときに自動的に開いて凹部内の気体を凹部外へ排出する逆止弁9を有するコータ1を備える本発明の光学的立体造形装置を用いた場合には、当該コータ1の1回の走行(往路走行)で、光硬化層上に、光硬化性液よりなる厚さが均一な1層分の被覆層を形成することができる。但し、厚さのより均一な光硬化性液の被覆層を形成したい場合には、光硬化層上にコータを2回(1往復)またはそれ以上の回数で走行させてもよい。2回目以降の走行は、コータの凹部内に光硬化性液を吸入させた状態で行ってもよいし、またはコータの凹部が空の状態(光硬化性液が取り込まれていない状態)で行ってもよい。
前記した図10の(b)のコータ1の光硬化性液5中への進入操作において、コータ1の光硬化性液5中への進入深さは、光硬化性液5の粘度、当該被覆工程およびそれに続く光照射工程により形成しようとしている光硬化層の面積および厚さ、コータ1の凹部2のサイズなどに応じて調整し得るが、一般的には、コータ1の先端(開口面)を光硬化性液5の液面から0.1〜50mm、特に10〜50mm程度の深さにまで進入させることが、光硬化性液保持および流入時間の促進などの点から好ましい。
また、図10の(d)に示すコータ1の走行に当たっては、その走行手段および走行方法は特に制限されず、従来の光学的立体造形装置におけるのと同様の走行手段および走行方法を採用することができる。
コータ1を光硬化層6上で走行させて光硬化層6上に光硬化性液よりなる1層分の被覆層を形成する工程が終了したときに、コータ1の凹部2内に吸入保持されていた光硬化性液5の量が少なくなったり、全くなくなって、コータ1の凹部2が凹部の下面を通して外部と連通すると、コータ1の凹部2にその下端の開放部分から再度気体が進入する。塗工工程が終了した段階で、コータ1の凹部2内に未だ光硬化性液5が残留している場合は、コータ1の凹部2の下端が光硬化性液5の液面から離れる位置までコータ1を上昇させて、凹部2内に残留している光硬化性液5を凹部2から造形浴中に排出させるようにしてもよい。
本発明の光学的立体造形装置を用いて上記した本発明の光学的立体造形方法で立体造形物を製造することによって、コータの凹部内の気体をコータの外部の設けた真空ポンプなどの外部装置を用いて吸引する必要がなくなり、そのため真空ポンプなどの外部装置とコータの凹部内を連結するパイプラインも不要になるため、コータにはその走行の邪魔になったり、コータに余分の重量負荷を与えるパイプラインを取り付ける必要がなく、コータの走行制御を円滑に行うことができる。
しかも、コータの凹部内の気体の吸引を、光硬化性液の被覆と同期させてその作動を別途制御することが必要な真空ポンプ、更には弁の開閉を電気回路で別途制御することが必要なソレノイドバルブを使用して行う必要がなくなり、コータの凹部内が加圧状態になったときに自動的に開いて凹部内の気体を凹部外へ排出する逆止弁の作用で単独に行うことができるため、光硬化性液の被覆時の制御やコータの走行の制御を極めて簡単に行うことができる。
本発明では、光学的立体造形に用いる光硬化性液の種類は特に制限されず、光学的立体造形に従来から用いられている液状の光硬化性樹脂組成物のいずれもが使用できる。限定されるものではないが、本発明で用い得る液状の光硬化性樹脂組成物としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレートオリゴマー、多官能エポキシ樹脂などの各種光硬化性化合物;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタクリルアミド、アクリルアミドなどのアクリル系化合物やN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の単官能性ビニル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど多官能性ビニル化合物;水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの各種エポキシ系化合物などの1種または2種以上と光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する液状の光硬化性樹脂組成物などを挙げることができる。
また、液状の光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも、必要に応じて、レベリング剤、リン酸エステル塩系界面活性剤以外の界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤、固体微粒子やウィスカーなどの充填材を含有することができる。
以下に実施例によって本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
《実施例1》
(1) 光学的立体造形装置におけるコータとして、図7に示す構造のものを使用した。具体的には、下面で開放した直方体[外部寸法=幅×長さ×高さ=55mm×620mm×50mm、内部寸法(凹部の寸法)=53mm×618mm×49mm]の上面7の中央部分に、図8に示す逆止弁9[球体(鋼球)の重さ=5g、球体の直径=11mm、管状体12における下部管状体12aの内径=9.4mm、上部管状体12bの内径=14.2mm、ゴム製Oリングの内径=9.8mm、管状体12の全体の高さ=25mm]1個を取り付けて凹部2内の気体が逆止弁9から排出され得るようにし、当該直方体の前部と後部にブレード11aと11bを密接配置したコータを使用した。
(2) 光学的立体造形装置として超高速光造形システム「RM−6000II」(シーメット株式会社製)を使用し、当該光学的立体造形装置に上記(1)のコータを取り付け、光硬化層上への被覆作業を図10に示す工程にしたがって行い[図10の(b)の工程におけるコータの光硬化性液中への進入深さ=20mm(光硬化性液5の液面からの進入深さ)、図10の(c)の工程におけるコータの上昇高さ=0.1mm(光硬化性液5の液面とコータ下端の距離)、図10の(d)の工程におけるコータの走行速度は30mm/sec]、続いて半導体レーザー(定格出力800mW、波長355nm、スペクトラフィジックス社製「半導体励起固体レーザーBL6型」)で、液面640mW、液面照射エネルギー100mJ/cm2、スライスピッチ(積層厚み)0.10mm、1層当たりの平均造形時間2分で光学的立体造形を行って立体造形物(25mm×75mm×15mmのブロック形状)を製造した。
(3) 上記(2)で得られた立体造形物は、コータによるコーティングが良好に行われていて泡の混入がなく、しかも寸法精度および外観に優れていた。
本発明の光学的立体造形装置は、寸法精度および外観に優れ、しかも高い強度を有する高品質の立体造形物を、速い造形速度および高い造形精度で、生産性良く製造するのに有効に使用することができる。
そして、本発明の光学的立体造形装置は、小型から大型に至る各種の立体造形物の製造に有効に使用することができる。
本発明の光学的立体造形装置による場合は、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物を、高い造形速度および寸法精度で円滑に製造することができる。
本発明の光学的立体造形装置におけるコータの例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置におけるコータの別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置におけるコータの更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置におけるコータの更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置におけるコータの更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置におけるコータの更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置におけるコータの更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置で用いる、球体を配置した逆止弁を取り付けたコータの例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置で用いる、バネ体を配置した逆止弁を取り付けたコータの例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置を用いて、光硬化性液を光硬化層上に被覆する際の工程について説明した図である。 真空ポンプよりなる外部装置をパイプラインでコータに連結した従来の光学的立体造形装置を示した図である。
符号の説明
1 コータ
2 コータの凹部
3 真空ポンプなどの外部装置
4 パイプライン
5 光硬化性液
6 光硬化層または造形途中の立体造形物
7 コータの凹部の上面
8a,8b,8c,8d コータの側壁
9 逆止弁
10a,10b レール
11a,11b ブレード
12 短尺の管状体
12a 下部管状体
12b 上部管状体
13 ゴム製Oリング
14 球体
15 排気孔
16 バネ体
17 造形テーブル
18a,18b フランジ

Claims (6)

  1. 光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する光照射手段、前記光硬化層を沈降させる沈降手段、および沈降した光硬化層の上を走行して光硬化層上に光硬化性液を被覆するコータを備える光学的立体造形装置であって、前記コータが、光硬化性液の液面に対向する下面において開放している凹部と、当該凹部内が加圧状態になったときに自動的に開いて凹部内の気体を凹部外へ排出する逆止弁を備えることを特徴とする光学的立体造形装置。
  2. コータに前記逆止弁を1個または2個以上設けた請求項1に記載の光学的立体造形装置。
  3. コータの凹部の上面が平坦な形状または凸状の形状を有し、逆止弁をコータの凹部の上面の最も高い位置またはその近傍に配置してなる請求項1または2に記載の光学的立体造形装置。
  4. 短尺の管状体内に逆止弁機能を発揮する部材を配置して形成した逆止弁をコータの凹部の上面に取り付けて、当該逆止弁によって凹部内の気体を凹部外へ排出させるようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  5. 逆止弁が、短尺の管状体内に逆止弁機能を発揮する球体またはバネ弁を配置して形成した逆止弁である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置を用いて立体造形物を製造する光学的立体造形方法であって、光硬化性液の液面に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化層を形成する工程、前記光硬化層を沈降させる工程および沈降した光硬化層の上をコータを走行させて当該光硬化層上に光硬化性液を被覆する工程よりなる一連の工程を複数回にわたって繰り返して目的とする立体造形物を製造するに当たり、コータによる光硬化層上への光硬化性液の被覆工程を、光硬化層が存在しない位置でコータの凹部の下端が光硬化性液の液面よりも下方に位置するまでコータを光硬化性液中に進入させてコータの凹部内に光硬化性液を吸入させると共にコータの凹部内の気体を逆止弁から凹部外に排出させ、凹部内に光硬化性液を吸入した状態でコータを光硬化層の上を走行させて光硬化層上に光硬化性液を被覆することにより行うことを特徴とする光学的立体造形方法。
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