JP3571123B2 - 立体造形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性の流動材料を用いて立体、すなわち3次元の物体を造形する立体造形装置、特に未硬化の光硬化性流動材料をその液面側で露光して硬化させるようにした立体造形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、未硬化の光硬化性樹脂を選択的に露光して所定形状の硬化層を形成するとともに、その硬化層を順次積層することで、形状の複雑な物体や組立体を一体造形可能にした立体造形装置が知られており、この立体造形装置においては、積層される各層の硬化層を高精度かつ迅速に成形することが要求される。
【0003】
この種の立体造形装置としては、例えば特公平2−48422号公報に記載されたものがある。この装置では、未硬化の光硬化性樹脂液を収容した容器中に昇降式のプラットホームを配設し、その光硬化性樹脂の液面に対しレーザ走査による選択的な露光を行って前記液面近傍の光硬化性樹脂をプラットホーム上で所定形状に硬化させた後、その硬化層をプラットホームと共に一層分を超える深さまで沈めてプラットホーム上に未硬化の光硬化性樹脂液を自動的に積層させ、次いでプラットホームを自由液面から積層ピッチ量(積層される層の層厚)を隔てる位置まで上昇させることで次層の未硬化材料層を比較的迅速に形成できるようになっている。
【0004】
ところで、この種の立体造形装置は形状の複雑な部品を低コストかつ短時間で試作するのに好適であるため、近時においては、造形作業の高速化と更なる造形精度の向上に加えて、造形された立体をより広範な用途に対応させ得ることが要求されている。具体的には、造形された物体を高温に晒される部品、例えば自動車の排気マニホールドの試作品としたり、高温高圧に晒されるプラスチック成形用の型として用いたりすることが要求されるようになった。
【0005】
しかし、このような要求に応え得る光硬化性流動材料は高粘度であり、上述のようにプラットホームを未硬化液中に沈めてその上(下層の硬化層上)に自動的に未硬化樹脂層を形成する方式では、粘性の高い1層分の未硬化流動材料をプラットホーム上に迅速に延展させることができない。また、安全性確保の観点からも、光硬化性樹脂には低臭気、低揮発となる程度の粘性を有するのが好ましいが、上述の方式では、十分に粘度の低い光硬化性樹脂が必要になる。
【0006】
そこで、特公平7−10566号公報に記載されるように、未硬化の光硬化性樹脂を強制的に下層の硬化層上に供給するディップコート方式を採用し、高粘度の光硬化性樹脂材料を使用しつつ高速化と層厚の高精度化とを実現可能にしたものが提案され、注目を集めている。
この装置は、所定の光によって硬化し得る未硬化の光硬化性樹脂を収容してその樹脂の自由液面を形成する容器と、自由液面と略直交する方向に移動するよう容器中に移動可能に設けられた自由液面に対し略平行な可動プラットホームと、容器から未硬化の光硬化性樹脂を汲み上げて可動プラットホーム上に供給するディッパーと、可動プラットホームの移動方向に対して直交する方向に移動可能に設けられその移動により可動プラットホーム上の光硬化性樹脂の表面部を平坦化するスクレーパー(ドクターナイフ)とを備えている。そして、プラットホームを自由液面より積層ピッチ量だけ低い位置に配置した状態で、未硬化の光硬化性樹脂をディッパーにより汲み上げて可動プラットホーム上に供給し、この光硬化性樹脂の表面部を自由液面に沿って移動するスクレーパーにより平坦化して、プラットホーム上の自由液面近傍に所定層厚の未硬化の光硬化性樹脂層を迅速かつ均一に形成するともに、その未硬化材料層を所定の光により選択的に露光して光硬化性樹脂を積層硬化させるという工程を繰り返すことで、所要形状の立体を造形するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように改善された立体造形装置にあっても、前記スクレーパーの先端部が粘度の高い光硬化性樹脂の自由液面に常時接触する位置に位置するため、より高粘度の光硬化性流動材料を使用すると、この先端部に樹脂が付着し易く、例えばディッパーの進行方向前方側のスクレーパーの先端部に光硬化性樹脂の樹脂溜まりを生じることがあり、その場合、スクレーパーおよびディッパーが後退するのに伴って平坦化された未硬化の樹脂層の上に前記樹脂溜まりから分離した光硬化性樹脂がわずかに残留してしまい、コーティングにむらが出てしまうという未解決の課題があった。
【0008】
すなわち、スクレーパー2又は3の先端部に光硬化性流動材料が付着し易い状態で、例えば図15に示すようにディッパー1およびスクレーパー2,3が一方向(図中の右側)に進行し、進行方向前方側のスクレーパー3の前方にこのスクレーパー3により運ばれた材料の溜まり4ができると、プラットホームおよび硬化層からなる下層体6上で、図16に示すようにディッパー1およびスクレーパー2,3が他方向(図中の左側)に進行するときには、これらの後退に伴って平坦化された未硬化層5の上に流動材料の溜まり4を形成していた材料がわずかに付着してしまい、結果的にスクレーパー3による高精度なコーティングにむらが出た状態になってしまうのである。
【0009】
また、造形する物体の形状によっては、例えば図17(a)又は図17(b)に示すような中海形状となるが、その場合、ディッパーにより汲み上げられプラットホーム上に供給される未硬化樹脂材料は下層の積層体によって囲まれた中海部分で自由液面レベルより高く盛り上がった液面を形成し易く、スクレーパーの先端部に未硬化樹脂材料が付着してコーティングむらを生じ易い。さらに、図18に示すような湾形状(一方向に閉じた形状)の場合にも、スクレーパーと下層の積層体との接近時に中海の場合と同様な液面の上昇が生じることで、未硬化材料がスクレーパーの先端部に付着し易く、同様な問題が生じる。
【0010】
このような理由から、従来の光造形装置においては、特に薄い未硬化材料層をコーティングするような場合、要求される高度なコーティング精度を満足しつつ安定したコーティング作業を行なうことができなかった。
そこで本発明は、スクレーパーに付着が生じ難い状態で未硬化材料層を形成するか、若しくはスクレーパーに付着した付着物を除去することにより、未硬化材料層がきわめて薄い場合であっても、その層厚精度を満足しつつ安定した積層作業を行なうことができるようにして、造形精度の高い立体造形装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1に記載の発明は、所定の光によって硬化し得る未硬化の光硬化性流動材料を収容し該流動材料の自由液面を形成する容器と、前記自由液面に対し略平行な上面部を有し、前記自由液面と略直交する方向に移動するよう前記容器中に移動可能に設けられた可動プラットホームと、前記容器から未硬化の光硬化性流動材料を汲み上げ前記プラットホームの移動方向に対して直交する方向に往復移動して前記プラットホーム上に前記未硬化材料を供給する未硬化材料供給手段と、該未硬化材料供給手段の移動方向での両側にそれぞれ該未硬化材料供給手段と一体的に移動するスクレーパーを有し、かつ各スクレーパーを自由液面に最も近接するスクレーパーの先端部が前記自由液面から上方に常時所定距離を隔てるよう配置し、前記自由液面より上方の位置にて前記プラットホーム上に供給された未硬化の光硬化性流動材料の表面部を前記スクレーパーの往復移動により平坦化して所定層厚の未硬化材料層を形成し、該未硬化材料層を所定の光により選択的に露光して光硬化性流動材料の硬化層を形成するとともに、該硬化層を下層の硬化層上に順次積層して立体を造形するようにしている。
したがって、中海形状の物体を造形する場合でも、各スクレーパーの先端部が光硬化性流動材料の盛り上がった自由液面とは接触せず、各スクレーパーは容器中から前記供給手段でくみ上げられた未硬化流動材料を所定厚さの層に形成する時のみ該流動材料と接触することになるから、スクレーパーの先端部に該流動材料が付着し難くなる。しかも、流動材料が往復運動する供給手段により供給され、該供給手段と一体的に移動するスクレーパーによって直ちに均されるため、効率的に所定層厚の未硬化材料層を形成できる。
【0012】
また、請求項2に記載のように、前記スクレーパーの先端部が前記自由液面から隔たる距離を、前記未硬化材料層の所定層厚より大きくし、前記自由液面より上方で前記所定層厚の未硬化材料層を形成するようにすることができる。その場合、未硬化材料層をそのまま露光することができ、容器に収容される未硬化の光硬化性流動材料の量を必要量だけにすることができ、更に、容器内の自由液面の変動に影響されずに造形作業を進めることができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載のように、前記プラットホームが、その上面部又は積層された硬化層の最上層が前記自由液面より上方に上昇する上昇位置および前記自由液面より下方に下降する下降位置に変位可能であり、前記プラットホームが上昇位置に変位したとき、前記プラットホームの上面部又は前記最上層の上に前記所定層厚の未硬化材料層が形成され、該未硬化材料層の上面が前記自由液面と略同一高さになるよう前記プラットホームの下降位置が設定されたものであってもよい。その場合、例えば未硬化材料が比較的低粘度であっても、プラットホーム上に下層の硬化層が存在しない部分には自由液面を利用して所定高さに硬化層を形成することができ、所謂オーバーハング形状等の場合にも安定した積層作業が可能になる。また、未硬化材料層の形成領域を各層の硬化層を形成するのに必要な範囲だけにすることができ、造形速度を高めることができる。
【0014】
さらに、請求項4に記載の発明は、前記の装置において、前記未硬化材料供給手段が、容器から未硬化の光硬化性流動材料を汲み上げる汲み上げ部、および、該汲み上げ部からの光硬化性流動材料を前記可動プラットホーム上に供給するとともに所定の第1の位置と第2の位置の間で前記可動プラットホームの移動方向に対して直交する方向に往復移動する供給部、を有し、未硬化材料供給手段の供給部の移動方向で該供給部の両側に設けられ、かつ、前記供給部と一体的に移動して前記可動プラットホーム上の光硬化性流動材料の表面部を平坦化する複数の板状のスクレーパーと、を備え、前記未硬化材料供給手段により前記可動プラットホーム上に供給した未硬化の光硬化性流動材料を前記複数のスクレーパーによって移動させるとともに、前記光硬化性流動材料の表面部を前記複数のうち移動方向後方側のスクレーパーにより平坦化して所定層厚の未硬化材料層を形成し、該未硬化材料層を所定の光により選択的に露光して光硬化性流動材料の硬化層を形成するとともに、前記供給部が前記第1又は第2の位置に移動したとき、前記供給部の一方側又は他方側で前記スクレーパーの先端部に接触して該先端部に付着した未硬化の光硬化性流動材料を除去する付着材料除去手段を設けたこと前記スクレーパーの先端部が前記自由液面から隔たる距離を、前記未硬化材料層の所定層厚より大きくし、前記自由液面より上方で前記所定層厚の未硬化材料層を形成するようにしたものである。したがって、スクレーパーの先端部に付着した未硬化の光硬化性流動材料を除去することで、スクレーパーの先端部に光硬化性流動材料が付着した場合でも流動材料の溜まりをなくすことができ、この流動材料溜まりによって、均しのむらが生じるのを防止することができる。
【0015】
そして、請求項5記載のように、前記付着材料除去手段が、弾性体を含み、前記スクレーパーに接触したとき該弾性体に撓みを生じさせて前記接触した部分をスクレーパーに対し変位させるようにするのが好ましい。このように付着材料除去手段を弾性体で構成すれば、スクレーパーとの接触によってスクレーパー先端に付着した流動材料が自動的に掻き取られるので、構成の簡素化が可能となる。
【0016】
さらに、請求項6記載の発明は、前記の装置を使用する方法であって、前記プラットホーム上の硬化層の上面が該容器内の未硬化性の光硬化性流動材料の自由液面より高い位置に上昇させた状態で、未硬化材料供給手段で、前記容器中から未硬化の光硬化性流動材料を汲み上げて前記可動プラットホーム上に供給すると同時に、該未硬化材料供給手段の移動方向上での両側に設けた複数のスクレーパーを往復運動させ、自由液面より高い位置で未硬化の光硬化性流動材料の表面部を平坦化して所定層厚の未硬化材料層を形成し、しかる後、光硬化性流動材料層の上面が前記自由液面と一致するよう可動プラットホームを下降させて露光することを特徴とする立体造形物の製造方法であり、これによって中海形状の立体造形物でも良好に製造できるようにしたものである。
【0017】
上述のような本発明の立体造形装置および立体造形物の製造方法によれば、光造形によって中海形状を有する物体を製造する立体造形物でも、円滑に造形可能となり良好な製品を製造することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施形態>
まず、図1〜図3に示した立体造形装置について説明する。なお、この装置は請求項1,2に記載の発明に係るものである。
【0019】
図1〜図3において、10は所定の光硬化性樹脂(例えばUV硬化性樹脂)を含む流動性材料であり、この未硬化の流動性材料は図示しない容器に収容され、その上部に水平な自由液面Lを形成している。前記未硬化の流動性材料は、例えば液状の光硬化性樹脂(例えば重合性のビニル系化合物、エポキシ系化合物)に所定温度範囲内で実質的な非収縮性をもつ平均粒径3〜70μm、好ましくは10〜60μm程度の微粒子(例えばガラスビーズや樹脂製ビーズ)を5〜70容量%、好ましくは10〜55容量%だけ配合したペースト状(例えば粘度が5,000cps〜100,000cps)の組成物であり、その微粒子は公知のシランカップリング剤によって硬化後の機械的強度を増すよう処理されている。あるいは、前記未硬化の流動性材料は、前記微粒子に代え、直径が0.3 〜1μm、長さが10〜70μmでアスペクト比が10〜100の範囲にあるウイスカーを用いる(その場合、液状光硬化性樹脂にこのウイスカーを5〜30容量%配合する)ものであってもよい。
【0020】
また、造形容器は図示しない公知の液面調整手段により未硬化材料10の自由液面Lの高さを略一定に保つようになっており、この容器中には前記自由液面に対し略平行な上面部11aを有する可動プラットホーム11が設けられている。
プラットホーム11は、前記自由液面と略直交する鉛直方向に移動すなわち昇降可能であり、層厚に対応する下降ピッチ量を単位として段階的に下降し、造形完了時に上昇するようになっている。
【0021】
プラットホーム11の上方にはその前後長(図1の断面と直交する方向の長さ)とほぼ等しい長さを有するディッパー20とこれを支持する図示しない移動台とが設けられており、ディッパー20の下面部には長手方向に所定ピッチで離間する複数の供給穴(図示していない)が設けられている。前記移動台は、スライドレールのような公知の案内手段によって図1の左右方向に移動可能に支持されるとともに、例えばワイヤやプーリを介してモータ駆動されるようになっている。ディッパー20は、図示しない移動台と共に可動プラットホーム11の上面部に沿って水平に移動し、図2に示すように、この移動中に前記複数の供給穴を通してプラットホーム11上に所定の光によって硬化する未硬化材料10aを供給する。また、ディッパー20の上端部は図示しないローラを介して図外の昇降駆動カムに常時係合しており、ディッパー20はプラットホーム11に接近するよう水平方向に移動するときこの昇降駆動カムに駆動されて図1に仮想線で示す位置から実線で示す位置まで上昇し、プラットホーム11上ではその上面11aから所定距離Hを隔てて水平移動し、プラットホーム11から離隔するよう水平方向に移動するときには前記昇降駆動カムに駆動されて図1に実線で示す位置から仮想線で示す位置まで下降する。そして、この下降と上昇によってディッパー20は前記造形容器内の未硬化の光硬化性流動材料10の一部を汲み上げ、これを未硬化材料10aとしてプラットホーム11上に供給することができる。すなわち、ディッパー20は前記昇降駆動機構と共に未硬化材料供給手段を構成する汲み上げ部としての機能をも有している。なお、このようなディッパー構成に代えて、ディッパー20の長手方向両側に例えば羽根車を有する汲み上げ機構(汲み上げ部)を装着し、この汲み上げ機構とディッパー20とによって未硬化材料供給手段を構成することもできる。
【0022】
ディッパー20の移動方向両側には前記移動台に支持されてディッパー20と共に可動プラットホーム11の上面部11aに沿ってプラットホーム11の昇降方向と直交する方向に移動するスクレーパー25A,25Bが設けられており、これら一対のスクレーパー25A,25Bは可動プラットホーム11の上面部11aに沿って移動するとき可動プラットホーム11上の未硬化材料10aの表面部をならし、プラットホーム11の上面部11aの形状に対応する層厚の均一な未硬化材料層12を形成するようになっており、この実施形態においてはプラットホーム11の平坦な上面部11aに対応して未硬化材料10aを平坦化する。
【0023】
また、プラットホーム11の上方にはレーザ光走査装置30が設けられており、この走査装置30は例えばレーザ光源から出射したレーザ光を反射光学系を介して偏向しつつプラットホーム11上の未硬化材料層12の表面部に集光させ、その光Bをプラットホーム11上の所定領域内での主・副両走査方向に走査するようになっている。また、この光走査装置30からの光Bによる描画パターンは、造形する3次元物体を硬化層の積層体としたときの各層の形状に対応するもので、その走査を制御する制御装置には、例えば公知の3次元CAD(computer aided design)システムが接続されている。なお、前記制御装置は、3次元CADシステムからのモデリングデータに基づき、図示しないプラットホーム昇降駆動手段、ディッパー20およびスクレーパー25A,25Bを移動させる前記モータ、レーザ光源、並びにレーザ光走査装置30等の作動を制御する。すなわち、本実施形態の立体造形装置では、スクレーパー25A,25Bにより平坦化して整形した未硬化材料層12を前記所定の光により選択的に露光して光硬化性流動材料の硬化した部分である硬化層13を形成するとともに、その硬化層13をプラットホーム11の上面部又は下層の硬化層上に順次積層し、硬化層の積層体としての3次元物体を造形するようになっている。
【0024】
一方、スクレーパー25A,25Bは、自由液面Lに最も近接するそれらの先端部Ea,Ebが自由液面Lから常時所定の離間距離Hを隔てるように配置されており、その離間距離Hに対応して、自由液面Lからプラットホーム11の上面部11aまでの高さh1 が例えば4.95mmに、プラットホーム11の上面部11aからスクレーパー25A,25Bの先端部Ea,Ebまでの距離h2 が例えば0.05mm(50μm)に、それぞれ設定されている。
【0025】
さらに、スクレーパー25A,25Bの先端部Ea,Ebが自由液面Lから隔たる前記離間距離Hは、プラットホーム11上の未硬化性流動材料層12の所定層厚h2 より十分に大きく設定されており、プラットホーム11の上面部11aが自由液面Lより上方に位置する状態で所定層厚の未硬化材料層12を形成することができるようになっている。
【0026】
この装置では、前記制御装置が、3次元CADシステムからのモデリングデータに基づいて、前記プラットホーム昇降駆動手段、ディッパー20およびスクレーパー25A,25Bを移動させる前記モータ、レーザ光源、並びにレーザ光走査装置30等の作動を制御することで、まず、自由液面Lから所定距離H(プラットホーム11の上面部11aから距離h2 )を隔てたスクレーパー25A,25Bがディッパー20と共に図2の仮想線位置から矢印方向に移動して、プラットホーム11上に距離h2 に対応する所定層厚の未硬化材料層12が形成され、次いで、走査装置30からの光Bが未硬化材料層12の表面部に集光されるとともにプラットホーム11上の所定領域内での主・副両走査方向に走査され、一層の硬化層13が形成され下層に積層されることになる。
【0027】
このような造形作業に際して、本実施形態の立体造形装置においては、スクレーパー25A,25Bの先端部Ea,Ebが光硬化性流動材料10の自由液面Lから常時所定距離Hを隔て、自由液面Lと接触しないので、スクレーパー25A,25Bの先端部Ea,Ebは未硬化材料層12の層形成時のみ光硬化性流動材料10と接触することになる。したがって、スクレーパー25A,25Bの先端部Ea,Ebに光硬化性流動材料が付着し難くなる。
【0028】
また、プラットホーム11上の未硬化材料層12を未硬化の光硬化性流動材料10に浸すことなくそのまま露光することができるから、前記容器に収容される未硬化の光硬化性流動材料10の量をほぼ造形に必要な量だけに抑えることができ、未硬化材料 10を容器内に多量に残留させることによって該材料の汚染や劣化を招くおそれがなくなる。
【0029】
さらに、未硬化の光硬化性流動材料10を汲み上げること等によって容器内の自由液面Lが変動しても、露光されるべき未硬化材料層12は自由液面Lから離れているので、液面変動に影響されずに層形成および露光作業、すなわち造形作業を進めることができる。
このように本実施形態の装置では、スクレーパー25A,25Bに自由液面部分の流動材料の付着が生じ難い状態で未硬化材料層12を形成しているので、未硬化材料層12がきわめて薄い場合であっても、その層厚精度を満足しつつ安定した積層作業を行なうことができるようになり、造形精度の高い立体造形装置を提供することができる。
【0030】
ちなみに、自由液面Lからプラットホーム11の上面部11aまでの高さh1 を4.975mm、プラットホーム11の上面部11aからスクレーパー25A,25Bの先端部Ea,Ebまでの距離h2 を0.025mm(25μm)にそれぞれ設定し、層厚25μmの未硬化材料層12を形成したところ、このように層厚の極めて小さい未硬化材料層を塗工するコーティングにおいても、コーティングむらのない良好な層形成ができた。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、図4〜図7に示した立体造形装置について説明する。
なお、この装置は請求項3に記載の発明に係るものであり、上述の装置と同一又はそれに相当する部材には同一符号を付し、上述の装置と異なる構成について詳細に説明する。
【0032】
図4〜図7において、プラットホーム11は、その上面部11a又はその上に積層された硬化層13のうち最上層を自由液面Lより上方に上昇させる上昇位置(図5参照)と、これを自由液面Lより下方に下降させる下降位置(図7参照)とに変位可能であり、プラットホーム11の上面部11aが上昇位置に変位したときプラットホーム11上に所定層厚の未硬化材料層12が形成され、その未硬化材料層12の上面が自由液面Lと略同一高さになるように、プラットホーム11の下降位置が設定されている。すなわち、前記制御装置が、3次元CADシステムからのモデリングデータに基づいて、前記プラットホーム昇降駆動手段、ディッパー20およびスクレーパー25A,25Bを移動させる前記モータ、レーザ光源、並びにレーザ光走査装置30等の作動を制御することで、まず、図4に示すように、プラットホーム11又はその上の硬化層が未硬化材料10の液面から出るようプラットホーム11が上昇し、次いで、自由液面Lから所定距離H(プラットホーム11の上面部11aから距離h2 )を隔てたスクレーパー25A,25Bがディッパー20と共に図5の仮想線位置から矢印方向に移動し、図6に示すように、プラットホーム11上に距離h2 に対応する未硬化材料層12が形成される。そして、その後、未硬化材料層12の上面が自由液面レベルと同一高さとなるようプラットホーム11が所定量だけ下降し、その状態で走査装置30により例えばレーザ光源から出射したレーザ光が反射光学系を介して偏向されつつプラットホーム11上の未硬化材料層12の表面部に集光されるとともに、プラットホーム11上の所定領域内での主・副両走査方向に走査されることで、所定形状の硬化層13が形成されることになる。
【0033】
この実施形態の立体造形装置では、例えば未硬化材料10が比較的低粘度のものであっても、プラットホーム11上に下層の硬化層13が存在しない部分、すなわち未硬化材料層に対する確実な支持がない部分に、自由液面Lを利用して硬化層13を形成することができ、所謂オーバーハング形状等の場合にも安定した積層作業が可能になる。また、未硬化材料層12の形成領域をプラットホーム11上の全域でなく、各層の硬化層13を形成するのに必要な範囲だけに狭めることができるから、造形速度を高めることができる。
【0034】
<第3の実施形態>
また、第3の実施形態として、図1〜図3に図示された装置、若しくは図4〜図7に図示された装置において、図8のようにスクレーパーがプラットホームの範囲外に位置するときに該スクレーパーと接する付着材料除去手段50を設けたものを挙げることが出来る。付着材料除去手段 50 は、プラットホームが図1〜図7のように自由液面より上位に位置するときにスクレーパーと当接する当に設置してもよく、図8にようにプラットホームが自由液面下に下降した段階で当接するように設けることも可能である。
ここでは便宜上、後者について詳細に説明するが、前者の場合も同様であることは言うまでもない。
【0035】
図8において、本実施形態の立体造形装置は、プラットホーム11と、プラットホーム11上に所定の光によって硬化する未硬化の光硬化性流動材料10を供給する未硬化材料供給手段としてのディパー20と、プラットホーム11に沿って移動可能に設けられその移動によりプラットホーム11上に供給された光硬化性流動材料10の表面部10aをならすスクレーパー35A,35Bとを備えており、スクレーパー35A,35Bによりプラットホーム11上でならされた所定層厚の未硬化材料層12は光走査装置30からの所定の光Bにより選択的に露光され、光硬化性流動材料の硬化層13となる。そして、その硬化層13が下層の硬化層上に順次積層されて3次元物体が造形される。
【0036】
また、スクレーパー35A,35Bは、プラットホーム11上から外れる所定の第1の位置と第2の位置の間で、ディッパー20と共にプラットホーム11の昇降方向に対して直交する水平方向に往復移動するようになっている。
さらに、スクレーパー35A,35Bが前記第1の位置又は第2の位置の何れかに到達するとき、スクレーパー35A,35Bの先端部Ea,Ebに付着した未硬化の光硬化性流動材料10bを除去するよう、第1、第2の位置の近傍には付着材料除去手段50が設けられている。
【0037】
この付着材料除去手段50は、ディッパー20(供給部)が第1又は第2の位置に移動したとき、ディッパー20の一方側又は他方側で自由液面Lに近接するスクレーパー35A又は35Bの先端部Ea又はEbに接触し、その先端部Ea又はEbの外側面に付着した未硬化の光硬化性流動材料10bを除去するようになっている。具体的には、付着材料除去手段50は、弾性体からなる左右一対のワイパープレード51(図8には一方のみを図示している)と、その上端部を支持する図示しない支持部材とを有しており、そのワイパープレード51は例えば図8に図示するような湾曲形状を有し、第1又は第2の位置に到達するスクレーパー35A又は35Bに接触したとき、その湾曲がきつくなる(曲率半径が小さくなる)よう撓みを生じつつスクレーパー35A,35Bに接触した先端部分51aをスクレーパー35A又は35Bに摺動させつつ自由液面L側に変位させる。すなわち、ワイパーブレード51は、スクレーパー35A,35Bに当接して撓むことにより、その先端部51aで付着物である未硬化材料10bをスクレーパー35A,35Bから掻き取るようになっている。
【0038】
このように、スクレーパー35A,35Bの先端部Ea,Ebに付着した未硬化の光硬化性流動材料10bを除去する付着材料除去手段50を設けているので、スクレーパー35A,35Bの先端部に付着した未硬化の光硬化性流動材料10bを除去することで、スクレーパー35A,35Bの先端部Ea,Ebから光硬化性流動材料の溜まり10bをなくすことができ、スクレーパー35A,35Bに付着した付着物を次のコーティングの前に確実に除去することができる。その結果、コーティングのむらを防止するとともに、未硬化材料層12がきわめて薄い場合であっても、その層厚精度を満足しつつ安定した積層作業を行なうことができるようになり、造形精度の高い立体造形装置を提供することができる。
【0039】
また、付着材料除去手段50は、ディッパー20が前記第1又は第2の位置に移動したときに、スクレーパー35A,35Bの先端部Ea,Ebに付着した未硬化の光硬化性流動材料10bを除去するので、スクレーパー35A,35Bの移動を利用してスクレーパー35A,35Bから流動材料10bを除去することで、付着材料除去手段50をメンテナンス作業等の容易な位置に設けることができる。しかも、付着材料除去手段50が弾性体からなるワイパーブレード51を含むとともに、スクレーパー35A,35Bに接触したときそのワイパーブレード51に撓みを生じさせて接触部分であるその先端部分51aをスクレーパー35A,35Bに対し変位させるようにしているので、付着材料除去手段50を弾性体を利用した簡単な掻き取り装置として実現することができ、装置の構成を簡素化するとともにそのコストを低減させることができる。
【0040】
<参考実施形態>
次に、参考例として図9〜図14に示した立体造形装置について説明する。なお、これらの図では、上述の実施例とはスクレーパーの配置が異なる。この装置は、可動プラットホーム11に沿って移動可能なディッパー20(供給部)を有し、これによってプラットホーム11上に未硬化の光硬化性流動材料10aを供給する未硬化材料供給手段(符号なし)と、プラットホーム11に沿って往復移動可能に設けられ、その移動によりプラットホーム11上に供給された光硬化性流動材料10aの表面部を均すスクレーパー65とを備えており、プラットホーム11上でならされた所定層厚の未硬化材料層12が図14に示すように所定の光Bにより選択的に露光されて硬化層13が形成され、その硬化層13を下層の硬化層上に順次積層して立体を造形するようになっている。
【0041】
スクレーパー65は、自由液面Lに近接するその先端部が鋭利な角度θを有し、その一面65a側が自由液面Lに対し所定交差角(90°−θ)をなすとともに、他面65b側が自由液面Lと略直交するような向きで、未硬化材料供給手段の供給部であるディッパー20の移動方向の一方側にのみ配置されている。そして、スクレーパー65が一方向に移動するときそのスクレーパー65の通過したプラットホーム11上にディッパー20によって未硬化の光硬化性流動材料が供給され、スクレーパー65が他方向に移動するときプラットホーム11上に供給された光硬化性流動材料10aの表面部がスクレーパー65によって平坦化されるようになっている。すなわち、スクレーパー65は、ディッパー20が水平方向に移動するときこのディッパー20と共に水平方向に移動し、プラットホーム11上に供給された高粘度の未硬化材料10aを、先端部の傾斜した一面65a側で平坦化することができる。
【0042】
上記構成を有する本実施形態の装置では、図9に示すようにディッパー20がプラットホーム11上から外れた移動領域において同図の仮想線位置まで下降し、再び実線の高さまで上昇して未硬化の光硬化性流動材料10が汲み上げられ、ディッパー20およびスクレーパー65が図10に示すように一方向に移動するとき、スクレーパー65の通過したプラットホーム11上にディッパー20から未硬化の光硬化性流動材料10aが供給される。
【0043】
次いで、プラットホーム11の上昇および位置合わせ、例えば図11に示すようにプラットホーム11の上面又はその上の積層体の上面(造形面)からスクレーパー65の先端までの距離を5mmにする位置合わせの後、昇降スクレーパー65が図12に示すように他方向に移動するときには、プラットホーム11上に供給され記光硬化性流動材料10aの表面部がスクレーパー65によって平坦化される。なお、図12に示すように平坦化の段階でもディッパー20からプラットホーム11上に材料を供給するようにするのが好ましいが、図12又は図10に示すディッパー20の往復移動のうち片方への移動中にのみ材料供給することもできる。その場合には前記材料供給穴を開閉する手段が必要になる。プラットホーム11上に新しい未硬化材料層12が形成されると、図13に示すように未硬化材料層12が自由液面Lと同一レベルに達するまでプラットホーム11が降下し、その後、図14に示すように所定の光Bによる選択的露光がなされて所定形状の硬化層13が下層の硬化層上に積層形成される。そして、以下、図9〜図14に示す上述の工程が繰り返され、所要形状の3次元物体が造形される。
【0044】
このような造形動作中に、未硬化材料層12のコーティング(未硬化材料10aの平坦化)のためにスクレーパー65が一方側へ移動するとき、スクレーパー65の先端部の一面65a側は傾斜しているので、スクレーパー65の先端部に未硬化流動材料10の溜まりが形成され難い。
しかも、その先端部にわずかに付着した材料ですら、スクレーパー65の他方向への移動時に未硬化層12上に付着するということがない。したがって、スクレーパーからの未硬化材料の付着によるコーティングむらの発生が確実に防止されることになる。さらに、スクレーパー65がディッパー20の一方側にのみ配置されるので、スクレーパーをディッパー20の両側に設ける場合に比べて装置の構成が簡素なものになるとともに、それらの微妙な位置合わせも不要になるという効果がある。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、スクレーパーの先端部を、光硬化性流動材料の自由液面に接触させず、未硬化材料層形成時のみ光硬化性流動材料と接触するようにして、スクレーパーの先端部に流動材料が付着するのを防止することができ、コーティングのむらを防止することができる。その結果、未硬化材料層がきわめて薄い場合であっても、その層厚精度を満足しつつ安定した積層作業を行なうことができ、造形精度の高い立体造形装置を提供することができる。
【0046】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記自由液面より上方で前記所定層厚の未硬化材料層を形成するようにしているので、前記未硬化材料層を自由液面から切り離すことができ、容器に収容される未硬化の光硬化性流動材料の量を必要量だけにすることができるとともに、容器内の自由液面の変動に影響されずに造形作業を進めることができる。
【0047】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、前記プラットホームの上面部又はそこに積層された硬化層の最上層が上昇位置に変位したとき前記プラットホーム上に前記所定層厚の未硬化材料層を形成し、該未硬化材料層の上面が前記自由液面と略同一高さになるよう前記プラットホームの下降位置を設定しているので、未硬化材料が比較的低粘度でプラットホーム上に下層の硬化層が存在しない部分にも自由液面を利用して所定高さに硬化層を形成することができ、所謂オーバーハング形状等の場合にも安定した積層作業ができる。また、未硬化材料層の形成領域を各層の硬化層を形成するのに必要な範囲だけにすることができ、造形速度を高めることができる。
【0048】
一方、請求項4記載の発明によれば、スクレーパーの先端部に付着した未硬化の光硬化性流動材料を除去する付着材料除去手段を設けているので、スクレーパーの先端部に付着した未硬化の光硬化性流動材料を除去することで、スクレーパーの先端部から光硬化性流動材料の溜まりをなくすことができ、この流動材料溜まりに起因するむらが生じるのをより完全に防止することができる。
【0049】
さらに、この発明によれば、未硬化材料供給手段の供給部が第1又は第2の位置に移動したときに、これと一体的に移動するスクレーパーが付着材料除去手段に接触し、スクレーパーの先端部に付着した未硬化の光硬化性流動材料が除去するようにしているので、スクレーパーの移動を利用して先端部に流動材料が付着しても該スクレーパーからその付着材料を除去することができ、逆方向に戻るスクレーパーから流動材料が落ちて平坦化のむらが生じるのを防止することができるとともに、付着材料除去手段をメンテナンス作業等の容易な位置に設けることができる。
【0050】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、付着材料除去手段の弾性体としているので、スクレーパーに接触した部分の撓みによってスクレーパーとを接触する部分を変位させるようにしているので、付着材料除去手段を弾性体を利用した簡単な掻き取り装置として実現することができる。
【0051】
また、請求項6に記載の発明によれば、中海形状を有する立体造形物でもトラブルなく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る立体造形装置の第1の実施形態を示すその概略構成図である。
【図2】前記第1の実施形態の装置における未硬化材料のコーティング動作(流動材料層の形成)の説明図である。
【図3】前記第1の実施形態の装置における光ビームによる描画動作の説明図である。
【図4】本発明に係る立体造形装置の第2の実施形態を示すその概略構成図であり、コーティング動作に先立ってプラットホームを上昇させ始める状態を示している。
【図5】前記第2の実施形態の装置におけるコーティング動作の説明図である。
【図6】前記第2の実施形態の装置におけるコーティング動作完了後、光ビームによる描画動作の前にプラットホームを下降させ始める状態を示す図である。
【図7】前記第2の実施形態の装置における光ビームによる描画動作の説明図である。
【図8】本発明に係る立体造形装置の第3の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図9】スクレーパーの配置が異なる参考実施形態の概略構成図であって、光ビームによる描画動作直後の状態を示す図である。
【図10】参考実施形態の装置におけるコーティングのための材料供給動作の説明図である。
【図11】参考実施形態の装置におけるコーティングのためにプラットホームを上昇させ高さを調整する段階を示す図である。
【図12】参考実施形態の装置におけるコーティングのためのスクレーパーによる平坦化動作を説明する図である。
【図13】参考実施形態の装置におけるコーティング動作完了後、光ビームによる描画動作の前にプラットホームを下降させ始める状態を示す図である。
【図14】参考実施形態の装置における光ビームによる描画動作の説明図である。
【図15】従来の立体造形装置の課題を説明する図で、スクレーパーが一方向に進む状態を示している。
【図16】従来の立体造形装置の課題を説明する図で、スクレーパーが他方向に進む状態を示している。
【図17】従来の立体造形装置の課題を説明する図で、同図(a)および同図(b)共に所謂中海が生じる場合を例示している。
【図18】従来の立体造形装置の課題を説明する図で、所謂湾形状の場合を示している。
【符号の説明】
10 未硬化の光硬化性液状材料(光硬化性樹脂液)
10b スクレーパーに付着した光硬化性液状材料
11 可動プラットホーム
11a 前記プラットホームの上面部
12 未硬化流動材料の層
13 硬化層
20 未硬化材料供給手段(ディッパー)
25A,25B,35A,35B,65 スクレーパー
30 レーザー光走査装置
50 付着材料除去手段
51 弾性体からなるワイパープレード
Ea,Eb スクレーパーの先端部
L 光硬化性流動材料の自由液面
Claims (6)
- 所定の光によって硬化し得る未硬化の光硬化性流動材料を収容し該流動材料の自由液面を形成する容器と、前記自由液面に対し略平行な上面部を有し、前記自由液面と略直交する方向に移動するよう前記容器中に移動可能に設けられた可動プラットホームと、前記容器から未硬化の光硬化性流動材料を汲み上げ前記プラットホームの移動方向に対して直交する方向に往復移動して前記プラットホーム上に前記未硬化材料を供給する未硬化材料供給手段と、該未硬化材料供給手段の移動方向での両側にそれぞれ該未硬化材料供給手段と一体的に移動するスクレーパーを有し、かつ各スクレーパーを自由液面に最も近接するスクレーパーの先端部が前記自由液面から上方に常時所定距離を隔てるよう配置し、前記自由液面より上方の位置にて前記プラットホーム上に供給された未硬化の光硬化性流動材料の表面部を前記スクレーパーの往復移動により平坦化して所定層厚の未硬化材料層を形成し、該未硬化材料層を所定の光により選択的に露光して光硬化性流動材料の硬化層を形成するとともに、該硬化層を下層の硬化層上に順次積層して立体を造形することを特徴とする立体造形装置。
- 前記スクレーパーの先端部が前記自由液面から隔たる距離を、前記未硬化材料層の所定層厚より大きくし、前記自由液面より上方で前記所定層厚の未硬化材料層を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
- 前記プラットホームが、その上面部又は積層された硬化層の最上層が前記自由液面より上方に上昇する上昇位置および前記自由液面より下方に下降する下降位置に変位可能であり、前記プラットホームが上昇位置に変位したとき、前記プラットホームの上面部又は前記硬化層の最上層の上に前記所定層厚の未硬化材料層が形成され、該未硬化材料層の上面が前記自由液面と略同一高さになるよう前記プラットホームが下降位置に変位したときに露光するよう設定されたことを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
- 前記未硬化材料供給手段が、容器から未硬化の光硬化性流動材料を汲み上げる汲み上げ部、および、該汲み上げ部からの光硬化性流動材料を前記可動プラットホーム上に供給するとともに所定の第1の位置と第2の位置の間で前記可動プラットホームの移動方向に対して直交する方向に往復移動する供給部、を有し、未硬化材料供給手段の供給部の移動方向で該供給部の両側に設けられ、かつ、前記供給部と一体的に移動して前記可動プラットホーム上の光硬化性流動材料の表面部を平坦化する複数の板状のスクレーパーと、を備え、前記未硬化材料供給手段により前記可動プラットホーム上に供給した未硬化の光硬化性流動材料を前記複数のスクレーパーによって移動させるとともに、前記光硬化性流動材料の表面部を前記複数のうち移動方向後方側のスクレーパーにより平坦化して所定層厚の未硬化材料層を形成し、該未硬化材料層を所定の光により選択的に露光して光硬化性流動材料の硬化層を形成するとともに、前記供給部が前記第1又は第2の位置に移動したとき、前記供給部の一方側又は他方側で前記スクレーパーの先端部に接触して該先端部に付着した未硬化の光硬化性流動材料を除去する付着材料除去手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
- 前記付着材料除去手段が弾性体を含み、前記スクレーパーに接触したとき該弾性体に撓みを生じさせて前記接触した部分をスクレーパーに対し変位させることを特徴とする請求項4に記載の立体造形装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の立体造形装置を使用して立体造形物を製造する方法において、前記プラットホーム上の硬化層の上面が該容器内の未硬化性の光硬化性流動材料の自由液面より高い位置に上昇させた状態で、未硬化材料供給手段で、前記容器中から未硬化の光硬化性流動材料を汲み上げて前記可動プラットホーム上に供給すると同時 に、該未硬化材料供給手段の移動方向上での両側に設けた複数のスクレーパーを往復運動させ、自由液面より高い位置で未硬化の光硬化性流動材料の表面部を平坦化して所定層厚の未硬化材料層を形成し、しかる後、光硬化性流動材料層の上面が前記自由液面と一致するよう可動プラットホームを下降させて露光することを特徴とする立体造形の製造方法。
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