JP4102479B2 - 光硬化造形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光硬化造形装置において、特に硬化層の上面を未硬化の光硬化性液で被覆するためにその液面に沿って移動させるリコータが改良された光硬化造形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばCADシステムで設計された3次元形状などのように、実在していない3次元形状を実際に造形するために光硬化造形の技術が開発されている。この技術では、光照射を受けると硬化する性質の液体を用い、これを液槽中に貯留しておく。そして第1工程として光硬化性液の液面の特定領域に光を照射し、ある断面に対応する硬化層を造形する。つぎに第2工程として硬化層を液中に沈降させ、第3工程として沈降した硬化層の上面に未硬化の光硬化性液を導入する。この第1〜第3工程を一つのサイクルとし、このサイクルを繰返すことで硬化層が積層されて一体化された立体物が造形される。前記の第1工程において、断面毎の照射領域をコントロールすることにより、任意の3次元形状を有する立体物が造形される。この技術は、例えば特開昭56−144478号公報や米国特許2,775,758に開示されている。
【0003】
さて光硬化造形の技術において、硬化層の1回あたりの沈降量が大きい場合、あるいは光硬化性液の粘度が低い場合は、硬化層を沈降させるだけでその上面に未硬化液が周囲から自然に流れ込む。このため前記の第3工程のために特別な工夫は不要である。しかしながら最近では、1回あたりの硬化層の厚みを小さくして造形物の精度を高めるために硬化層の1回の沈降量をより小さくする傾向にある。そうすると光硬化性液の界面張力により、硬化層を沈降させただけでは硬化層の上面に未硬化液が流れ込まなくなり、あるいは流れ込むのに長い時間を要することになる。この現象は、造形物の強度を高めるために高粘度の光硬化性液を用いた場合により顕著となる。
【0004】
そこで前記の第3工程を実現、あるいは促進するために各種の提案がなされている。その一例としては、例えば図6に示すリコータの技術を挙げることができる。この技術では、光照射によって硬化した硬化層23を液中に沈降させた後、ドクターブレードと称されるリコータ70を光硬化性液22の液面に沿って移動させることにより、硬化層23の上面を未硬化液で被覆(リコート)している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6で示す技術では、リコート層の厚みが前記リコータ70と硬化層23との間のクリアランス及びリコータ70の移動速度によって決まる。そして光硬化性液22の粘度が低い場合はその分、リコータ70の移動速度を速くする必要が生じる。ただし光硬化性液22が低粘度の場合、リコータ70の移動速度を速くしただけでは、一旦硬化層23の上に盛られた未硬化液を規定の厚みにコントロールすることが困難となる。また極端な場合にはリコータ70の移動に対する光硬化性液22の粘性抵抗が原因となって硬化層23に振動を与えることがあり、このときの硬化層23の揺れが造形物の精度に悪影響を及ぼす。
【0006】
ドクターブレード形式のリコータ70は、その構造上、リコート中の光硬化性液22に対する空気の巻き込みが発生しやすい。またリコート中において硬化層23に僅かな剥離が生じても、それをリコータ70が引っかけてしまい、造形物を破損することがある。さらに光硬化性液22の粘度が高い場合は、その界面張力が原因となってリコート時間が長くなり、造形時間そのものに影響する。
【0007】
請求項1記載の発明の目的は、光硬化性液による硬化層の上面へのリコートを、予定どおりの厚みで、かつ空気の混入や硬化層の破壊を招くことなく、常に安定して行えるようにすることである。
【0008】
請求項2または3記載の発明の目的は、前記目的に加え、低粘度から高粘度まで広い範囲の光硬化性液に対応可能とし、より適正なリコートの実現を図ることである。
【0009】
請求項4記載の発明の目的は、前記目的に加え、リコートの開始可能な状態を短時間で達成できるようにすることである。
【0010】
請求項5記載の発明の目的は、様々なリコートモードの設定も可能とすることである。
【0011】
請求項6記載の発明の目的は、前記目的に加え、硬化層の上面に対する未硬化液の供給をより安定させることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、光硬化性液の液面に対し、造形データに基づいて決定される光照射領域で光を照射する光照射手段と、光照射によって硬化した硬化層を液中に沈降させる沈降手段と、光硬化性液の液面に沿って移動させることで沈降させた硬化層の上面に未硬化液を供給するリコータとを備えた光硬化造形装置であって、前記リコータは、光硬化性液の液面に接した状態で回転することにより光硬化性液を汲み上げることが可能なアプリケータロールと、このアプリケータロールによって汲み上げられた光硬化性液を転移させるピックアップロールと、このピックアップロールの回転によって送られてくる光硬化性液を受ける位置で、かつ前記アプリケータロールの外周面との間に所定のクリアランスを有する位置において回転するメタリングロールとを備え、リコータを移動させるに先立って各ロールが回転して光硬化性液を汲み上げることによって、ピックアップロール及びメタリングロールの間に、ピックアップロールから送られてくる光硬化性液の液溜りを形成しておき、その状態でリコータの移動を開始し、メタリングロールで受け止められた光硬化性液が前記クリアランスを通じて前記硬化層の上面に押し出されるように構成されている。
【0013】
このように前記アプリケータロールによって汲み上げられ、ピックアップロールを経てメタリングロールに送られた光硬化性液は、アプリケータロールとメタリングロールとの間の前記クリアランスから押し出されるので、これと並行してリコータを光硬化性液の液面に沿って移動させることにより、硬化層の上面に対して未硬化液を安定して供給することができる。したがって光硬化性液の粘度の差に関係なく、硬化層の上面を未硬化液により予定した厚みで均一に被覆(リコート)することができる。また、リコータを移動させるに先立って、アプリケータロールの回転によって汲み上げられる光硬化性液が前記液溜りに貯められるため、この液溜りの光硬化性液が前記クリアランスを通じて硬化層の上面へ安定して供給される。
【0014】
またリコート時に光硬化性液に巻き込まれた空気は、この液がアプリケータロールとメタリングロールとの間のクリアランスを通るときの圧縮力によって大気中へ押し出される。このためリコート層内への空気の混入が防止あるいは低減されるので、造形物の品質が向上し、かつ強度が高まる。さらにリコータがロール形式であることから、硬化層に生じた僅かな剥離などを引っかけて造形物を破損するといった事態は回避される。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光硬化造形装置であって、アプリケータロールとメタリングロールとの間のクリアランスが調整可能となっている。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記アプリケータロールとメタリングロールとの回転速度差が調整可能となっている。
【0017】
これらの構成によれば、アプリケータロールとメタリングロールとのクリアランス及び回転速度差のいずれか一方、あるいは双方を光硬化性液の粘度に応じて適正な設定することにより、低粘度から高粘度まで広い範囲の光硬化性液に対応でき、より安定したリコートが可能となる。この結果、リコート時において低粘度による液面のトラップ現象(盛り上がり現象)あるいは高粘度による造形時間の増加などが解消される。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記アプリケータロールが接している光硬化性液の液面を一時的に上昇させることが可能な手段を備えている。
【0019】
この場合には、リコートの開始時において光硬化性液の液面を上昇させ、かつリコータを移動させないで各ロールを回転させれば、光硬化性液を前記クリアランスから硬化層の上面へ供給できる状態、つまりリコートの開始可能な状態が短時間で達成される。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記リコータが正回転ロール方式またはリバースロール方式への選定可能となっている。
このようにリコータの方式を選択可能とすることにより、様々なリコートモードの設定が可能となる。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記液溜りの光硬化性液がメタリングロールの外周を乗り越えて流れ出るのを阻止可能なバルブが設けられている。
このバルブの制御により、光硬化性液の回り込みが防止されて適正な液量の供給が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は光硬化造形装置の全体的な概要を表した構成図である。この図面に示されている液槽20の中には、光照射を受けると硬化する性質の光硬化性液22が満たされている。なお液槽20の内部に対しては、ポンプ26によって補助液槽28の中の光硬化性液22を送り込んだり、逆に液槽20から補助液槽28へ光硬化性液22を送り出したりすることが可能である。また液槽20の内部の液面レベルを計測する測定器(図示外)からの計測結果がコントローラ10に送信され、コントローラ10は予め入力されている液面規定値と測定値とを比較し、その差に応じた指令によってポンプ26を駆動制御する。これによって液槽20の中の光硬化性液22の液面レベルを一定に保ったり、任意に変更することができる。
【0025】
前記液槽20の内部において光硬化性液22の液面と平行に配置されている昇降台21は、昇降装置14によって昇降制御可能となっている。また液槽20の近くに配置されたレーザ発振器12は、光硬化性液22を硬化させる波長のレーザ光を射出可能で、射出されたレーザ光は液槽20の上方に設けられているガルバノミラー13に入射される。このガルバノミラー13はミラー角度の調整によってレーザ光を光硬化性液22の液面の任意の位置に指向させることができ、したがってミラー角度を造形データに基づいて連続的に変化させることにより、液面の特定領域にレーザ光を照射することができる。
【0026】
リコータ30は走行装置15により、光硬化性液22の液面に沿って移動できるようになっている。なお前記レーザ発振器12によるレーザ光の射出制御、ガルバノミラー13の角度制御、昇降装置14及び走行装置15の駆動制御は、造形データに基づく前記コントローラ10からの信号によって行われる。また光硬化性液22の液面レベルを一定に保つための手段、あるいはこの液面の特定領域にレーザ光を照射する手段は、前記の構成に限るものではなく、適宜に合理的な手段を採用すればよい。
【0027】
さて図1で示す光硬化造形装置によって任意の3次元形状を造形するには、まず前記光硬化性液22の液面の特定領域にレーザ光を照射し、ある断面に対応する硬化層23を前記昇降台21の上に造形する。つぎに昇降台21を所定量だけ下降させて硬化層23を光硬化性液22の中に沈降させ、さらに前記リコータ30を液面に沿って移動させることにより、沈降した硬化層23の上面に未硬化の光硬化性液22を導入して被覆(リコート)する。以上を一つのサイクルとし、このサイクルを繰返すことによって昇降台21の上に硬化層23が積層されて一体化された立体物が造形される。なおリコートの際、光硬化性液22の種類によっては前記ポンプ26を駆動制御し、液槽20の内部の液面レベルを硬化層23の上面よりも上昇させる場合、硬化層23の上面と一致させる場合、あるいは硬化層23の上面よりも下降させる場合がある。
【0028】
前記コントローラ10によって制御されるレーザ発振器12及びガルバノミラー13が主体となって「光照射手段」が構成され、同じくコントローラ10によって制御される昇降装置14とそれによって昇降動作する昇降台21とを主体として硬化層23を液中に沈降させる「沈降手段」が構成されている。
【0029】
つぎに前記リコータ30について説明する。
図2はリコータ30の一部を表した正面図、図3は図2のIII-III線断面図である。これらの図面で示すようにリコータ30は、そのリコート幅を充分にカバーできる長さのアプリケータロール40と、このアプリケータロール40の上部の両側に位置する第2,第3ロール42,44とを備えている。アプリケータロール40の両端部は縦フレーム32に対して回転可能に支持され、第2ロール42及び第3ロール44の両端部は横フレーム34に対してそれぞれ回転自在に支持されている。ただし各ロール40,42,44の支持構造については、図2においてそれぞれの片側(右側)のみが示されている。
【0030】
前記の各ロール40,42,44は、モーターなどの個々の駆動源(図示外)により、正逆いずれの方向へも個別に回転駆動されるようになっている。また前記縦フレーム32は図1で示す前記走行装置15によって横フレーム34と共に移動制御されるようになっており、かつ横フレーム34は図2で示す上下調整機構36の操作によって縦フレーム32に対して上下位置の調整が可能となっている。この調整により、アプリケータロール40に対する第2ロール42及び第3ロール44の位置調整が可能である。
【0031】
前記横フレーム34の上面には、その長さ方向(リコート幅方向)の両側二箇所においてバルブ切り換え用のアクチュエータとして用いたソレノイド50が組み付けられている。ただし、図2においては片側(右側)のソレノイド50のみが示されている。このソレノイド50のオン・オフ制御によって図3の左右方向へ移動する可動部材52の中央部には、横フレーム34の上下に貫通する孔35を通って下方に延びる軸54が結合されている。
【0032】
前記軸54の端部には、横フレーム34の下部においてアーム56が固定されており、アーム56には左右一対のバルブ60,62が取り付けられている。これらのバルブ60,62は、個々に対応する第2ロール42及び第3ロール44の外周に対し、前記ソレノイド50のオン・オフ制御によって選択的に接触するようになっている。例えば図3で示すように一方のバルブ60が第2ロール42の外周から離反しているとき、他方のバルブ62は第3ロール44の外周に接触している。
【0033】
図4,5はリコータ30をリバースロール方式で用いた場合の概要を表した説明図である。まず図4で示すようにリコータ30を図面の左方向へ移動させてリコートを行う場合は、前記の各ロール40,42,44をそれぞれ時計回り方向へ回転させるとともに、第2ロール42に対するバルブ60は外周から離反(開放)させ、かつ第3ロール44に対するバルブ62は外周に接触(閉塞)させておく。またアプリケータロール40の外周は光硬化性液22の種類などにより、その液面に対して接触もしくは所定のクリアランスをもって位置するようにリコータ30の高さが設定されている。
【0034】
前記アプリケータロール40の回転により、光硬化性液22がその粘性によって連れ回りを起こして汲み上げられ、第2ロール42に転移される。そして第2ロール42に転移された液は第3ロール44まで送られ、アプリケータロール40の上部で、かつ第2ロール42及び第3ロール44の間に構成されている液溜まり64に一時的に貯められる。この場合は第2ロール42がピックアップロールとして機能し、第3ロール44がメタリングロールとして機能する。なお液溜まり64に貯められた液がメタリングロール(第3ロール44)の外周を乗り越えて流れ出ようとするのは前記バルブ62によって阻止され、これによって液溜まり64には充分な液量が確保される。
【0035】
リコート開始(造形開始)に際しては、リコータ30を移動させないで各ロール40,42,44を回転させれることにより、前記液溜まり64に所定量の液を予め貯めておくことが望ましい。この場合に各ロール40,42,44をリコート時よりも高速で回転させ、あるいは光硬化性液22の液面を一時的に上昇させれば短時間で液溜まり64に液を貯めることができる。光硬化性液22の液面を一時的に上昇させる手段としては、前記ポンプ26によって補助液槽28から液槽20へ光り硬化性液22を送り込む他に、液槽20の中に所定の容積をもつブロックなどを沈めるといった簡単な方法でもよい。
【0036】
リコート時には各ロール40,42,44をリコート層の厚みやその他の諸条件に基づいて設定された速度で回転させつつ、リコータ30を液面に沿って移動させる。これによって前記液溜まり64の液がアプリケータロール40とメタリングロール(第3ロール44)との間のクリアランス46から押し出され、すでに説明したように硬化層23の上面に安定して供給される。したがってこのリコータ30によれば、硬化層23の上面に対して未硬化液を所望の厚みで効率よくリコートすることができる。
【0037】
リバースロール方式においてリコータ30を図5で示すように図面の右方向へ移動させてリコートを行う場合は、前記の各ロール40,42,44をそれぞれ反時計回り方向へ回転させるとともに、第2ロール42に対するバルブ60は外周に接触(閉塞)させ、かつ第3ロール44に対するバルブ62は外周から離反(開放)させる。これによって図4の場合と同様のリコートが可能である。ただし、この場合は第3ロール44がピックアップロールとして機能し、第2ロール42がメタリングロールとして機能する。
【0038】
このように前記リコータ30はロール形式であることから、硬化層23に生じた僅かな剥離などを引っかけて破損を招くといった事態も回避される。さらに光硬化性液22の中に巻き込まれる空気は、光硬化性液22がアプリケータロール40とメタリングロールとの間のクリアランス46を通るときの圧縮力によって大気中へ押し出され、リコート層に対する空気の混入ほぼ解消される。なおクリアランス46は、前記上下調整機構36による第2ロール42及び第3ロール44の位置調整によって変更可能である。
【0039】
リコート層の厚みが決定される条件としては、つぎの事項を挙げることができる。
A.アプリケータロール40と硬化層23との間隙。
B.アプリケータロール40とメタリングロールとのクリアランス46。
C.アプリケータロール40とメタリングロールとの回転速度差(速度差が大きいほどリコート層は薄くなる)。
D.リコータ30の移動速度(移動速度が速いほどリコート層は薄くなる)。
【0040】
前記の条件Aについてはリコータ30の高さの位置設定によって決まり、光硬化性液22の粘度に応じて調整するのは困難である。これに対して条件B〜Dについては調整可能であり、特に条件B,Dについては光硬化性液22の粘度に応じた適正値となるように調整可能である。したがって前記のクリアランス46及び回転速度差のいずれか一方、あるいは双方を光硬化性液22の粘度に応じて調整することにより、低粘度により液が過剰に供給されてトラップ現象(盛り上がり現象)を招くこと、あるいは高粘度による界面張力が原因となって液の供給に時間がかかるといったことが解消される。したがって低粘度から高粘度まで広範囲の光硬化性液22に適用でき、予定した厚みのリコートが可能となる。
【0041】
図4で示すようにピックアップロール(第2ロール42)の外周にゴミ除去部材66を設けることにより、液槽20から汲み上げられる光硬化性液22に混入しているゴミを取り除くことも可能である。なおこのゴミ除去部材66としてはフィルターやブラシの他に金網あるいは針金なども効果的である。なお図5の場合には、そのときのピックアップロール(第3ロール44)の外周にゴミ除去部材66を設ける。
【0042】
さてリコータ30を正回転ロール方式で用いることも可能である。この方式は例えば図4で示すようにリコータ30を図面の左方向へ移動させてリコートを行う場合、前記の各ロール40,42,44をそれぞれ反時計回り方向へ回転させる。この正回転ロール方式では、リバースロール方式と比較して光硬化性液22の粘度に対する適用範囲が多少狭くなるといった可能性があるものの、リバースロール方式とほとんど同様の機能が得られる。
【0043】
そこで両方式によって種々のリコートモードを設定することができる。まず図4,5で示すようにリバースロール方式でリコータ30を往復させるモード、あるいは逆に正回転ロール方式で往復させるモードがある。またリコータ30の往動及び復動の一方をリバースロール方式または正回転ロール方式とし、他方を逆の方式とするモードも可能である。この場合、各ロール40,42,44の回転方向を切り換えることなく、リコータ30を往復させることとなるので便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光硬化造形装置の全体的な概要を表した構成図。
【図2】リコータの一部を表した正面図。
【図3】図2のIII-III線断面図。
【図4】リコータをリバースロール方式で往動させている場合の説明図。
【図5】リコータをリバースロール方式で復動させている場合の説明図。
【図6】従来のリコータの概要を表した説明図。
【符号の説明】
22 光硬化性液
23 硬化層
30 リコータ
40 アプリケータロール
42 第2ロール(ピックアップロールまたはメタリングロール)
44 第3ロール(メタリングロールまたはピックアップロール)
46 クリアランス
60,62 バルブ
64 液溜まり
Claims (6)
- 光硬化性液の液面に対し、造形データに基づいて決定される光照射領域で光を照射する光照射手段と、光照射によって硬化した硬化層を液中に沈降させる沈降手段と、光硬化性液の液面に沿って移動させることで沈降させた硬化層の上面に未硬化液を供給するリコータとを備えた光硬化造形装置であって、前記リコータは、光硬化性液の液面に接した状態で回転することにより光硬化性液を汲み上げることが可能なアプリケータロールと、このアプリケータロールによって汲み上げられた光硬化性液を転移させるピックアップロールと、このピックアップロールの回転によって送られてくる光硬化性液を受け取る位置で、かつ前記アプリケータロールの外周面との間に所定のクリアランスを有する位置において回転するメタリングロールとを備え、
リコータを移動させるに先立って各ロールが回転して光硬化性液を汲み上げることによって、前記ピックアップロール及びメタリングロールの間に、ピックアップロールから送られてくる光硬化性液の液溜りを形成しておき、その状態でリコータの移動を開始し、メタリングロールで受け止められた光硬化性液が前記クリアランスを通じて前記硬化層の上面に押し出されるように構成されていることを特徴とする光硬化造形装置。 - 請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記アプリケータロールとメタリングロールとの間のクリアランスが調整可能となっていることを特徴とする光硬化造形装置。
- 請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記アプリケータロールとメタリングロールとの回転速度差が調整可能となっていることを特徴とする光硬化造形装置。
- 請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記アプリケータロールが接している光硬化性液の液面を一時的に上昇させることが可能な手段を備えていることを特徴とする光硬化造形装置。
- 請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記リコータが正回転ロール方式またはリバースロール方式への選定可能となっていることを特徴とする光硬化造形装置。
- 請求項1記載の光硬化造形装置であって、前記液溜りの光硬化性液がメタリングロールの外周を乗り越えて流れるのを防止可能なバルブが設けられていることを特徴とする光硬化造形装置。
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