JP4925423B2 - 導電性高分子の製造方法及び導電性高分子 - Google Patents

導電性高分子の製造方法及び導電性高分子 Download PDF

Info

Publication number
JP4925423B2
JP4925423B2 JP2006212878A JP2006212878A JP4925423B2 JP 4925423 B2 JP4925423 B2 JP 4925423B2 JP 2006212878 A JP2006212878 A JP 2006212878A JP 2006212878 A JP2006212878 A JP 2006212878A JP 4925423 B2 JP4925423 B2 JP 4925423B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive polymer
producing
phenol
poly
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006212878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008037975A (ja
Inventor
勝夫 田沢
敦 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takemoto Oil and Fat Co Ltd filed Critical Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP2006212878A priority Critical patent/JP4925423B2/ja
Publication of JP2008037975A publication Critical patent/JP2008037975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4925423B2 publication Critical patent/JP4925423B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

本発明は導電性高分子の製造方法及び導電性高分子に関する。近年、ピロール、アニリン、チオフェン、更にはこれらの誘導体等から合成される電子共役系の導電性高分子が、優れた導電性、耐熱性及びドライアップ防止性等を有することから、キャパシタ電極材料、電池電極材料、帯電防止材料等に使用されている。本発明はかかる導電性高分子の製造方法及びこの製造方法によって得られる導電性高分子に関する。
従来、導電性高分子は一般に、導電性高分子用モノマー及び支持電解質(ドーパント)を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供することにより製造されている(例えば特許文献1及び2参照)。得られる導電性高分子の物性乃至性能の向上を図るため、その製造方法としては、更にアニオン界面活性剤を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供する方法(例えば特許文献3及び4参照)、非イオン界面活性剤を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供する方法(例えば特許文献5及び6参照)等が提案されている。
ところが、これら従来の導電性高分子の製造方法には、電解酸化重合反応に供する重合用溶液が安定性に劣るため、得られる導電性高分子が均一性に劣り、したがってかかる導電性高分子を例えば電極材料として用いた場合に導電性に劣るという問題がある。
特開平6−45200号公報 特開平6−124853号公報 特開平6−120086号公報 特開平8−288184号公報 特開平2−235321号公報 特開平3−64014号公報
本発明が解決しようとする課題は、導電性高分子用モノマー、支持電解質及び非イオン界面活性剤を含有する溶液を電解酸化重合反応に供することにより導電性高分子を製造する方法において、電解酸化重合反応に供する重合用溶液に優れた安定性を持たせ、これにより得られる導電性高分子に優れた均一性を持たせて、かかる導電性高分子を例えば電極材料として用いた場合に優れた導電性を発現する導電性高分子を製造する方法を提供する処にあり、またそのような導電性高分子を提供する処にある。
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、導電性高分子用モノマー、支持電解質及び非イオン界面活性剤を含有する溶液を電解酸化重合反応に供することにより導電性高分子物質を製造する方法としては、非イオン界面活性剤として特定のポリオキシアルキレン化合物群から選ばれる一つ又は二つ以上用いることが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、導電性高分子用モノマー、支持電解質及び非イオン界面活性剤を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供することにより導電性高分子を製造する方法において、非イオン界面活性剤として下記のA群から選ばれる一つ又は二つ以上を用いることを特徴とする導電性高分子の製造方法に係る。また本発明は、かかる導電性高分子の製造方法によって得られる導電性高分子に係る。
A群:いずれもオキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とを構成単位とするポリオキシアルキレン基を有する化合物であって、(ポリ)スチリル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物及び硬化ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物
先ず、本発明に係る導電性高分子の製造方法(以下単に本発明の製造方法という)について説明する。本発明の製造方法では、導電性高分子用モノマー、支持電解質及び非イオン界面活性剤を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供する。本発明の製造方法に供する導電性高分子用モノマーとしては、1)ピロール、ビピロール、3−メチルピロール、2,5−ビフェニルターピロール、ターピロール、p,p’−ビピロイルベンゼン、2,5−ビチエニルピロール、2,5−ビチエニルビピロール等のピロール化合物、2)チオフェン、ビチオフェン、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェン、ターチオフェン、2,5−ビピロイルチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−オクチルチオフェン、trans−ビチエニルエチレン、trans−ビチエニル−1,4−ブタジエン等のチオフェン化合物、3)アニリン、4−アミノジフェニルアミン等のアニリン化合物、等が挙げるが、ピロール化合物が好ましく、ピロールがより好ましい。
本発明の製造方法に供する支持電解質において、そのアニオン成分としては、1)フッ素陰イオン、塩素陰イオン、臭素陰イオン、ヨウ素陰イオン等のハロゲン陰イオン、2)硫酸陰イオン、リン酸陰イオン、過塩素酸陰イオン、四フッ化ホウ素陰イオン等の無機酸陰イオン、3)メタンスルホン酸陰イオン、ドデシルスルホン酸陰イオン、パラトルエンスルホン酸陰イオン、キシレンジスルホン酸陰イオン、ナフタレンスルホン酸陰イオン、ナフタレンジスルホン酸陰イオン等の有機スルホン酸陰イオン、4)モノプロピルリン酸エステル陰イオン、ジプロピルリン酸エステル陰イオン、モノブチルリン酸エステル陰イオン、ジブチルリン酸エステル陰イオン、モノヘキシルリン酸エステル陰イオン、ジヘキシルリン酸エステル陰イオン、モノオクチルリン酸エステル陰イオン、ジオクチルリン酸エステル陰イオン、モノドデシルリン酸エステル陰イオン、ジドデシルリン酸エステル陰イオン等の有機リン酸エステル陰イオン、5)メチル硫酸エステル陰イオン、ドデシル硫酸エステル陰イオン等の有機硫酸エステル陰イオン、6)酢酸陰イオン、カプリル酸陰イオン、ラウリン酸陰イオン等のカルボン酸陰イオン、7)スルホ安息香酸陰イオン、スルホイソフタル酸陰イオン、スルホオキシ安息香酸陰イオン等の複陰イオン等が挙げられる。また支持電解質のカチオン成分としては、1)水素イオン、2)ナトリウム陽イオン、リチウム陽イオン、カリウム陽イオン等のアルカリ金属陽イオン、3)ベリリウム陽イオン、マグネシウム陽イオン、カルシウム陽イオン等のアルカリ土類金属陽イオン、4)テトラメチルアンモニウム陽イオン、トリエチルメチルアンモニウム陽イオン、テトラエチルアンモニウム陽イオン、テトラブチルアンモニウム陽イオン等の有機アンモニウム陽イオン、5)テトラメチルホスホニウム陽イオン、トリエチルメチルホスホニウム陽イオン、テトラエチルホスホニウム陽イオン、テトラブチルホスホニウム陽イオン等の有機ホスホニウム陽イオン、6)鉄陽イオン、銅陽イオン等の金属陽イオン、等が挙げられる。かかるアニオン成分とカチオン成分とを有する支持電解質のなかでも、アニオン成分として有機スルホン酸陰イオン及び有機リン酸エステル陰イオンから選ばれるものを有するものが好ましい。
本発明の製造方法に供する非イオン界面活性剤は、前記したA群の化合物から選ばれる一つ又は二つ以上である。A群の化合物としては、いずれもオキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とを構成単位とするポリオキシアルキレン基を有する化合物であって、(ポリ)スチリル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物、硬化ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物が挙げられる。
前記の(ポリ)スチリル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物としては、1)フェノールにスチレンを1個付加したスチリル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、2)フェノールにスチレンを2〜5個付加したポリスチリル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が挙げられる。なかでもフェノールにスチレンを1個付加したスチリル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、フェノールにスチレンを2又は3個付加したポリスチリル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が好ましい。かかる(ポリ)スチリル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物中のポリオキシアルキレン基としては、全構成単位の50モル%以上がオキシエチレン単位であるものが好ましく、全構成単位の85モル%以上がオキシエチレン単位であるものがより好ましい。またかかる(ポリ)スチリル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量は、400〜10000が好ましく、400〜2000がより好ましい。
前記の(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物としては、1)フェノールにスチレンを1個付加したスチリル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、2)フェノールにスチレンを2〜5個付加したポリスチリル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が挙げられる。なかでもフェノールにスチレンを1個付加したスチリル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、フェノールにスチレンを2又は3個付加したポリスチリル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が好ましい。また(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物の平均縮合度は2〜10が挙げられる。かかる(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物中のポリオキシアルキレン基としては、全構成単位の50モル%以上がオキシエチレン単位であるものが好ましく、全構成単位の85モル%以上がオキシエチレン単位であるものがより好ましい。またかかる(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量は、400〜10000が好ましく、700〜7000がより好ましい。
前記の(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物としては、1)フェノールにアルキル基を1個置換したアルキル置換フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、2)フェノールにアルキル基を2〜5個置換したポリアルキル置換フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が挙げられる。フェノールに置換するアルキル基としては、オクチル基、ノニル基、ドデシル基等の炭素数8〜12のアルキル基が挙げられる。また(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物の平均縮合度は2〜10が挙げられる。かかる(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物中のポリオキシアルキレン基としては、全構成単位中の50モル%以上がオキシエチレン単位であるものが好ましく、全構成単位の85モル%以上がオキシエチレン単位であるものがより好ましい。またかかる(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量、400〜10000が好ましく、700〜4000がより好ましい。
前記の(ポリ)ベンジル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物としては、1)フェノールにベンジルを1個付加したベンジル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、2)フェノールにベンジルを2〜5個付加したポリベンジル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が挙げられる。なかでもフェノールにベンジルを1個付加したベンジル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、フェノールにベンジルを2又は3個付加したポリベンジル化フェノールにエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が好ましい。かかる(ポリ)ベンジル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物中のポリオキシアルキレン基としては、全構成単位の50モル%以上がオキシエチレン単位であるものが好ましく、全構成単位の85モル%以上がオキシエチレン単位であるものがより好ましい。またかかる(ポリ)ベンジル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量は、400〜10000が好ましく、400〜2000がより好ましい。
前記の(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物としては、1)フェノールにベンジルを1個付加したベンジル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、2)フェノールにベンジルを2〜5個付加したポリベンジル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が挙げられる。なかでもフェノールにベンジルを1個付加したベンジル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物、フェノールにベンジルを2又は3個付加したポリベンジル化フェノールをホルムアルデヒドで縮合反応させた縮合物にエチレンオキサイドのみ又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加反応させた化合物が好ましい。また(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物の平均縮合度は2〜10が挙げられる。かかる(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物中のポリオキシアルキレン基としては、全構成単位の50モル%以上がオキシエチレン単位であるものが好ましく、全構成単位の85モル%以上がオキシエチレン単位であるものがより好ましい。またかかる(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量は、400〜10000が好ましく、400〜5000がより好ましい。
前記のヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物としては、1)ヒマシ油にエチレンオキサイドを付加した化合物、2)ヒマシ油にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加した化合物が挙げられる。かかるヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物中のポリオキシアルキレン基としては、全構成単位の50モル%以上がオキシエチレン単位であるものが好ましく、全構成単位の85モル%以上がオキシエチレン単位であるものがより好ましい。またかかるヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量は、1200〜10000が好ましく、1600〜6000がより好ましい。
前記の硬化ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物としては、1)硬化ヒマシ油にエチレンオキサイドを付加した化合物、2)硬化ヒマシ油にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加した化合物が挙げられる。かかる硬化ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物中のポリオキシアルキレン基としては、全構成単位の50モル%以上がオキシエチレン単位であるものが好ましく、全構成単位の85モル%以上がオキシエチレン単位であるものがより好ましい。またかかる硬化ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量は、1200〜10000が好ましく、1600〜6000がより好ましい。
本発明の製造方法では、非イオン界面活性剤として、以上説明したような(ポリ)スチリル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物及び硬化ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物から選ばれる一つ又は二つ以上を用いるが、なかでもそのIOBが0.7〜1.7であるものを用いるのが好ましく、0.85〜1.55であるものを用いるのがより好ましい。ここでIOBとは、有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域Vol.11,No.10(1957)719−725)に基づき求められる無機性値及び有機性値の比(Inorganic Organic Balance)を表わすもので、下記の数1により求められる。
Figure 0004925423
本発明の製造方法では、以上説明したような導電性高分子用モノマー、支持電解質及び非イオン界面活性剤を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供する。電解酸化重合反応に供する重合用溶液の調製に用いる溶媒としては、水単独又は水と有機溶媒との混合物が挙げられ、かかる有機溶媒としてはアルコール、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、ジメチルフォルムアミド等が挙げられるが、なかでも水単独又は水とアルコールとの混合物が好ましく、水単独がより好ましい。
前記のような重合用溶液において、導電性高分子用モノマーの濃度は、0.01〜3モル/リットルとするのが好ましく、0.03〜0.5モル/リットルとするのがより好ましい。また支持電解質の濃度は、0.005〜1モル/リットルとするのが好ましく、0.03〜0.5モル/リットルとするのがより好ましい。更に非イオン界面活性剤の濃度は、0.001〜5質量%とするのが好ましく、0.01〜1質量%とするのがより好ましい。
本発明の製造方法では、以上説明した導電性高分子用モノマー、支持電解質、非イオン界面活性剤及び溶媒を用いて、電解酸化重合反応に供する重合用溶液を調製する。これらの投入方法や溶解の順序等、調製方法は特に限定されないが、導電性高分子用モノマー及び支持電解質を溶媒に溶解した後、非イオン界面活性剤を加えて溶解し、溶液とするのが好ましい。
重合用溶液を調製するに際し、本発明の効果を損なわない範囲内で他の物質を加えることもできる。かかる他の物質としては、例えばpH調整剤が挙げられる。
本発明の製造方法において、以上説明したような重合用溶液を供する電解酸化重合反応それ自体は、従来公知の反応を利用できる。
次に、本発明に係る導電性高分子について説明する。本発明に係る導電性高分子は、導電性高分子用モノマー、支持電解質及び非イオン界面活性剤を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供することにより導電性高分子を製造する以上説明したような本発明の製造方法によって得られるものである。
本発明に係る導電性高分子としては、1)ピロール、ビピロール、3−メチルピロール、2,5−ビチエニルピロール、2,5−ビフェニルターピロール、ターピロール、p,p’−ビピロイルベンゼン、2,5−ビチエニルビピロール等のピロール化合物から重合されたポリピロール化合物、2)チオフェン、ビチオフェン、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェン、ターチオフェン、2,5−ビピロイルチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−オクチルチオフェン、trans−ビチエニルエチレン、trans−ビチエニル−1,4−ブタジエン等のチオフェン化合物から重合されたポリチオフェン化合物、3)アニリン、4−アミノジフェニルアミン等のアニリン化合物から重合されたポリアニリン化合物、等が挙げられるが、ポリピロール化合物が好ましく、ポリピロールがより好ましい。
本発明に係る導電性高分子は、電池電極材料、コンデンサ用固体電解質材料、電磁波シールド材料、帯電防止材料等として好適に利用することができる。
本発明の製造方法によると、電解酸化重合反応に供する重合用溶液に優れた安定性を持たせ、これにより得られる導電性高分子に優れた均一性を持たせて、かかる導電性高分子を例えば電極材料として用いた場合に優れた導電性を発現する。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(導電性高分子の製造)
・実施例1
蒸留水170mlを300mlビーカーに入れ、この中に導電性高分子用モノマーとしてピロール13.4g(0.2モル/リットル)、支持電解質としてナフタレンジスルホン酸ナトリウム16.6g(0.05モル/リットル)を投入し、攪拌して溶解した。次いで非イオン界面活性剤(A−1)(モノスチレン化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物:数平均分子量730、ポリオキシアルキレン基の構成単位:オキシエチレン単位100モル%、IOB:1.33)0.2g(0.1質量%)を加え、攪拌し、溶解して、重合用溶液を調製した。そしてこの重合用溶液を入れたビーカーにSUS304製の作用極8cm、SUS304製の対極40cm、電極間距離4cmとなるように電極を取り付け、電流値16mA、重合時間50分間、20℃の条件下で電解酸化重合反応を行なった。電解酸化重合反応終了後、作用極上に形成された黒色の薄膜をそのまま蒸留水で洗浄した。洗浄後、製造した薄膜を傷つけないように作用極から剥離し、剥離した薄膜を50mlの水に30分浸漬して再洗浄した。再洗浄した後、100℃で1時間乾燥して評価用薄膜とした。
・実施例2〜28及び比較例1〜4
実施例1と同様にして、実施例2〜28及び比較例1〜4の電解酸化重合反応による導電性高分子の製造を行なった。以上の各例における重合用溶液の組成を表1にまとめて示した。
Figure 0004925423
表1において、
非イオン界面活性剤(A−1)〜(A−24)及び(a−1)〜(a−4):表2に記載
導電性高分子用モノマーの濃度:モル/リットル
支持電解質の濃度:モル/リットル
非イオン界面活性剤の濃度:質量%
導電性高分子用モノマー(CM−1):ピロール
導電性高分子用モノマー(CM−2):3−メチルピロール
導電性高分子用モノマー(CM−3):チオフェン
導電性高分子用モノマー(CM−4):3,4−エチレンジオキシチオフェン
支持電解質(SE−1):ナフタレンジスルホン酸ナトリウム
支持電解質(SE−2):p-トルエンスルホン酸
支持電解質(SE−3):ブチルリン酸エステルナトリウム
支持電解質(SE−4):ヘキシルリン酸エステル
溶媒(S−1):蒸留水
溶媒(S−2):蒸留水/2−プロパノ―ル=60/40(質量比)の混合溶媒
Figure 0004925423
表2において、
EO割合:ポリオキシアルキレン基中のオキシエチレン単位の割合(モル%)
試験区分2(重合用溶液及び導電性高分子の評価)
・重合用溶液の安定性の評価
試験区分1で調製した重合用溶液100mlを、直径3cm、高さ25cmの透明ガラス製の円筒形容器に入れ、20℃の恒温槽に24時間静置した後、重合用溶液を観察して、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
◎:透明な状態が維持されていた
○:真珠色様又は半透明の状態が維持されていた
△:青白色又は乳白色の状態になっていた
×:分離が生じていた
・導電性高分子の膜表面の均一性の評価
試験区分1で製造した導電性高分子の評価用薄膜を、走査型電子顕微鏡により倍率500倍にて、凸形状部位の大きさと視野内の凸形状部位の均一性を観察し、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
◎:凸形状部位の大きさが2μm以下であり、視野内の凸形状部位の均一性が良好である
○:凸形状部位の大きさが2μm超、4μm以下であり、視野内の凸形状部位の均一性が良好である
△:凸形状部位の大きさが4μm超、7μm以下であり、視野内の凸形状部位の均一性がやや不良である
×:凸形状部位の大きさが7μ超であり、視野内の凸形状部位の均一性が著しく不良である
・導電性高分子の導電率の評価
試験区分1で製造した導電性高分子の評価用薄膜について、四探針法で導電率を測定し、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
◎:導電率が10S/cm以上
○〜◎:導電率が5S/cm以上〜10S/cm未満
〇:導電率が1S/cm以上〜5S/cm未満
△:導電率が0.1S/cm以上〜1S/cm未満
×:導電率が0.1S/cm未満





















Figure 0004925423

Claims (10)

  1. 導電性高分子用モノマー、支持電解質及び非イオン界面活性剤を含有する重合用溶液を電解酸化重合反応に供することにより導電性高分子を製造する方法において、非イオン界面活性剤として下記のA群から選ばれる一つ又は二つ以上を用いることを特徴とする導電性高分子の製造方法。
    A群:いずれもオキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とを構成単位とするポリオキシアルキレン基を有する化合物であって、(ポリ)スチリル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)スチリル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)アルキル置換フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノール型ポリオキシアルキレン化合物、(ポリ)ベンジル化フェノールホルムアルデヒド縮合物型ポリオキシアルキレン化合物、ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物及び硬化ヒマシ油型ポリオキシアルキレン化合物
  2. 非イオン界面活性剤として用いるA群の化合物が、IOBが0.7〜1.7のものである請求項1記載の導電性高分子の製造方法。
  3. 非イオン界面活性剤として用いるA群の化合物が、数平均分子量400〜10000のものである請求項1又は2記載の導電性高分子の製造方法。
  4. 非イオン界面活性剤として用いるA群の化合物が、全構成単位の50モル%以上がオキシエチレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の導電性高分子の製造方法。
  5. 電解酸化重合反応に供する重合用溶液が、非イオン界面活性剤を0.001〜5質量%の濃度で含有するものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の導電性高分子の製造方法。
  6. 導電性高分子用モノマーが、ピロール化合物から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1〜5のいずれか一つの項記載の導電性高分子の製造方法。
  7. 電解酸化重合反応に供する重合用溶液が、導電性高分子用モノマーを0.01〜3モル/リットルの濃度で含有するものである請求項1〜6のいずれか一つの項記載の導電性高分子の製造方法。
  8. 支持電解質が、そのアニオン成分が有機スルホン酸陰イオン及び有機リン酸エステル陰イオンから選ばれるものである請求項1〜7のいずれか一つの項記載の導電性高分子の製造方法。
  9. 電解酸化重合反応に供する重合用溶液が、支持電解質を0.005〜1モル/リットルの濃度で含有するものである請求項1〜8のいずれか一つの項記載の導電性高分子の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つの項記載の導電性高分子の製造方法によって得られる導電性高分子。
JP2006212878A 2006-08-04 2006-08-04 導電性高分子の製造方法及び導電性高分子 Active JP4925423B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006212878A JP4925423B2 (ja) 2006-08-04 2006-08-04 導電性高分子の製造方法及び導電性高分子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006212878A JP4925423B2 (ja) 2006-08-04 2006-08-04 導電性高分子の製造方法及び導電性高分子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008037975A JP2008037975A (ja) 2008-02-21
JP4925423B2 true JP4925423B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=39173377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006212878A Active JP4925423B2 (ja) 2006-08-04 2006-08-04 導電性高分子の製造方法及び導電性高分子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4925423B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4767150B2 (ja) * 2006-11-07 2011-09-07 三洋電機株式会社 固体電解コンデンサ
JP2010017690A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Honda Motor Co Ltd 水分離膜
JP6048799B2 (ja) 2012-09-05 2016-12-21 日本ケミコン株式会社 重合液、この重合液から得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサ
JP7256572B1 (ja) * 2022-10-11 2023-04-12 竹本油脂株式会社 水硬性組成物用添加剤及び水硬性組成物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1311715C (en) * 1985-12-20 1992-12-22 Stanley J. Jasne Method for the electropolymerization of conductive polymers
JP2733618B2 (ja) * 1989-03-09 1998-03-30 旭硝子株式会社 固体電解コンデンサとその製造方法
JPH0364014A (ja) * 1989-08-02 1991-03-19 Marcon Electron Co Ltd 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH0453115A (ja) * 1990-06-18 1992-02-20 Japan Carlit Co Ltd:The 固体電解コンデンサの製造方法
JPH11106484A (ja) * 1997-09-30 1999-04-20 Mitsui Chem Inc チオフェン構造を有する共重合体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008037975A (ja) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pei et al. Electrochromic and highly stable poly (3, 4-ethylenedioxythiophene) switches between opaque blue-black and transparent sky blue
EP2014718B2 (en) Conductive composition, and their production method
JP6645138B2 (ja) 導電性高分子水溶液、及び導電性高分子膜並びに該被覆物品
US20070096066A1 (en) Conductive composition, conductive coating material, conductive resin, capacitor, photoelectric transducer, and their production method
WO2010015468A1 (de) Verfahren zur herstellung von polythiophenen mit wasserstoffperoxid als oxidationsmittel
EP2208746A1 (en) Selenium containing electrically conductive polymers and method of making electrically conductive polymers
JP4925423B2 (ja) 導電性高分子の製造方法及び導電性高分子
JP2017045868A (ja) 電解コンデンサ
TWI466918B (zh) Novel polyvinyl sulfonic acid, its manufacturing method and use thereof
US9224540B2 (en) Conductive polymer for solid electrolyte capacitor
JP2010090397A (ja) ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリ陰イオンとの複合体の水分散体の製造方法
SG189334A1 (en) Conductive composition and method for producing conductive coating film
US9536675B2 (en) Polymerization liquid, conductive polymer film obtained from polymerization liquid, and solid electrolytic capacitor
KR20120022803A (ko) 도전성 코팅 조성물 및 도전성 코팅막의 제조 방법
KR20100110836A (ko) 폴리티오펜 및 이의 유도체에 기반한 증가된 도전성을 나타내는 코팅층의 제조 방법
CN104194280A (zh) 一种聚噻吩类衍生物水分散体及其制备方法
JP2015048370A (ja) 導電性複合材料
JP4619660B2 (ja) 光電変換素子およびその製造方法
CN1350038A (zh) 具有远红外反射性能的节能材料及其制备方法
JP2005154481A (ja) 導電性高分子およびその用途
Inagi Synthesis of Fluoro-functional Conjugated Polymers by Electrochemical Methods
JP2023019100A (ja) 導電性高分子溶液及びその用途
JP2022105937A (ja) 導電性高分子組成物及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120206

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4925423

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250