図1及び図2に示すように、遊技機の1実施例であるパチンコ機2は、本体枠3の内部に遊技盤4が配設されており、本体枠3の前面には前面扉5が開閉自在に組み付けられている。前面扉5の下方には、打球供給用の供給皿6及びパチンコ球7の発射強さを調節する操作ハンドル8が設けられている。遊技盤4のパチンコ球7が発射される遊技領域4aの略中央には、センター役物9が設けられている。パチンコ機2は、通常モードと、通常モードよりも有利となる当たりモードと、が設けられている。
センター役物9の内部には、回転体からなるクルーン(変位部材)10が回転自在に設けられている。図3及び図4に示すように、クルーン10には、45°ピッチで8個の開口が設けられており、8個の開口のうち1個は、入賞することにより当たりとなる当たり口11、その他の7個の開口は、ハズレとなるハズレ口12とされている。クルーン10は、半時計方向(図中矢印方向)に回転自在に設けられている。クルーン10は、センター役物9に形成された役物開口9a(図1参照)を介して視認することができる。当たり口11には、パチンコ球7を検知する当たり入賞検知センサが設けられており、入賞検知センサはパチンコ球7を検知したことに応答して、制御基板30のCPU31(図6参照)に入賞検知信号を出力する。CPU31は、入賞検知信号が入力されたことに応答して、パチンコ機2を当たりモードに移行させる。本実施形態では、CPU31は、パチンコ球7が当たり口11に入ったことに応答して、通常モードよりも有利な当たりモードに移行させる当たり制御手段としても機能する。
図1及び図2に示すように、センター役物9の左側端部には、センター役物9内部にパチンコ球7を導入する左導入開口9bが形成され、センター役物9の右側端部には、センター役物9内部にパチンコ球7を導入する右導入開口9cが形成されており、遊技領域4aを流下するパチンコ球7は、各導入開口9b,9cを通ってセンター役物9内部に導入される。
センター役物9の左端端部には、左導入開口9bを遮蔽する遮蔽位置(図1参照)と、左導入開口9bを開放する開放位置(図2参照)との間で開閉自在な左羽根部材13が取り付けられている。センター役物9の右側端部には、右導入開口9cを遮蔽する遮蔽位置(図1参照)と、右導入開口9cを開放する開放位置(図2参照)との間で開閉自在な右羽根部材14が取り付けられている。左羽根部材13及び右羽根部材14は、それぞれ羽根開閉用モータ20(図6参照)により開閉するようにされている。羽根開閉用モータ20は制御基板30のCPU31に接続され、CPU31により駆動が制御される。
センター役物9の下方には、左開放チャッカー15、中央開放チャッカー16、右開放チャッカー17、アウト口18が設けられている。遊技者は、供給皿6にパチンコ球7を投入してパチンコ球7を供給皿6内に設けられた誘導路を介して球発射装置へと導き、回動式の操作ハンドル8を所定量回動して球発射装置19(図6参照)の駆動を制御することで、遊技盤4の遊技領域4aの上方に向けてパチンコ球7を発射させる。発射されたパチンコ球7は遊技領域4aの上方から流下する途中でセンター役物9内部及び各開放チャッカー15〜17のいずれかに入るか、あるいはアウト口18から回収される。なお、本実施形態では、操作ハンドル8を回動させた場合にも、遊技者が操作ハンドル8に触れていないときには、球発射装置19が駆動しない(パチンコ球7が発射されない)ようにされている。また、パチンコ機2の遊技領域4aに設けられている複数の釘、風車などの構造体は公知であるので説明は省略する。
左開放チャッカー15の内部には左入賞検知センサ21が、中央開放チャッカー16の内部には中央入賞検知センサ22が、右開放チャッカー17の内部には右入賞検知センサ23が、それぞれ設けられている(図6参照)。各入賞検知センサ21〜23は、パチンコ球7の入賞を検知するものであり、パチンコ球7の入賞を検知したことに応答して、CPU31にチャッカー入賞信号を出力する。
CPU31は、左入賞検知センサ21及び右入賞検知センサ23からチャッカー入賞信号が入力されたことに応答して、羽根開閉用モータ20の駆動を制御して、各羽根部材13,14を、所定時間(例えば、0.5秒)開放して閉じる開閉動作を行う。遊技者は、各羽根部材13,14が開放している間に、パチンコ球7が各羽根部材13,14上を転動して各導入開口9b,9cに入るように、パチンコ球7を発射させる。なお、各羽根部材13,14を0.5秒開放して閉じる開閉動作とは、遮蔽位置に位置する各羽根部材13,14を開放位置まで変位させた後、遮蔽位置まで変位させるまでの時間が0.5秒であることを示している。また、各羽根部材13,14は、羽根開閉用モータ20の駆動により、遮蔽位置から開放位置まで変位するために0.1秒、開放位置から遮蔽位置まで変位するために0.1秒かかるようにされている。このため、各羽根部材13,14を0.5秒開放して閉じるときには、各羽根部材13,14は0.3秒開放位置に位置することとなる。
CPU31は、中央入賞検知センサ22からチャッカー入賞信号が入力されたことに応答して、羽根開閉用モータ20の駆動を制御して、各羽根部材13,14を0.5秒開放して閉じる開閉動作を2回繰り返す。
図2及び図3に示すように、センター役物9には、各導入開口9b,9cから導入されたパチンコ球7を後方に誘導する誘導板9dが設けられている。センター役物9内部には、誘導板9dにより誘導されたパチンコ球7を、クルーン10に向けて案内する筒状のガイド部材26が設けられている。誘導板9dの後端部には、誘導口9eが形成されており、この誘導口9eは、ガイド部材26の入口26aに連通している。各導入開口9b,9cから導入されたパチンコ球7は、誘導板9d及び誘導口9eを介して入口26aからガイド部材26の中に入り、ガイド部材26の中を通って出口26bから当たり口11またはハズレ口12に送られる。なお、ガイド部材26は、透明な素材により構成されており、遊技者は、筒状のガイド部材26の中を通るパチンコ球7の様子を視認することができる。
誘導板9d及びガイド部材26は、パチンコ球7がクルーン10に向けて転動するように傾斜されて形成されている。当たり口11及びハズレ口12のいずれもが出口26bに連通していないときには、出口26bに位置するパチンコ球7は、クルーン10の側面に当接し、出口26bに位置し続ける。そして、当たり口11及びハズレ口12のいずれか(例えば、当たり口11)が、出口26bに連通する連通位置までクルーン10が回転したときに、出口26bに位置するパチンコ球7が当たり口11に向けて転動し、当たり口11に入賞する。センター役物9のクルーン10が載せられる面には、当たり口11またはハズレ口12が連通位置に位置するときに、各口11,12に連通して各口11,12に入ったパチンコ球7を回収するための回収用開口が設けられており、回収用開口に入ったパチンコ球7は、図示しない回収通路を通って回収される。
センター役物9内には、誘導口9eを通過したパチンコ球7を検知する役物入賞検知センサ27(図6参照)が設けられている。役物入賞検知センサ27は、パチンコ球7を検知したことに応答して、制御基板30のCPU31に役物入賞検知信号を出力する。そして、CPU31は、役物入賞検知信号が入力されたことに応答して、所定数量(例えば、10発)のパチンコ球7を供給皿6に払い出す制御を行う。
誘導板9d及びガイド部材26は、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから導入されてから、出口26bに達するまでの時間が、略一定(例えば、1秒)となるように形成されている。また、パチンコ機2では、遊技者は、パチンコ球7をぶっこみ位置と称される位置に向けて発射させることにより、遊技を行うことがほとんどである。パチンコ機2は、パチンコ球7をぶっこみ位置に向けて発射する発射強さの場合には、パチンコ球7が球発射装置19から発射されてから、各導入開口9b,9cに入るまでの時間が略一定(例えば、1秒)となるようにされている。すなわち、パチンコ機2は、パチンコ球7が球発射装置19から発射されてから、出口26bに達するまでの時間は略一定(2秒)となる。さらに、クルーン10は、クルーン回転用モータ28(図5参照)により一定の速度(8秒で1回転)で回転するように制御される。このため、当たり口11にパチンコ球7が入賞する確率が高い高確率発射タイミングと、当たり口11にパチンコ球7が入賞する確率が低い高確率発射タイミングと、が存在することとなる。
当たり口11が連通位置に位置するときに発射されたパチンコ球7が、導入開口9b,9cから導入されて出口26bに達したとき(当たり口11が連通位置を通過してから2秒経過したとき)には、図4(A)に示すように、当たり口11は、連通位置から90°(8秒で1回転するクルーン10が、2秒で回転する角度)回転した位置に位置しており、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は当たり口11に入賞することがない。同様にして、当たり口11が連通位置に位置するときから5秒経過したときに発射されたパチンコ球7が、出口26bに達したときには、図4(B)に示すように、当たり口11は、連通位置から315°(8秒で1回転するクルーン10が、7秒で回転する角度)回転した位置に位置しており、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は当たり口11に入賞することがない。すなわち、当たり口11が連通位置に位置するときから5秒の間に発射されたパチンコ球7は、当たり口11に入賞することがない。
また、当たり口11が連通位置に位置するときから6秒を超えて8秒(クルーン10が1回転して当たり口11が再び連通位置に位置する)までの間に発射されたパチンコ球7が、出口26bに達したときには、当たり口11は連通位置を通過しており、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は当たり口11に入賞することがない。なお、図4(C)は、当たり口11が連通位置に位置するときから5.5秒経過したときに発射されたパチンコ球7が、出口26bに達したときの当たり口11の位置を示す図であり、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は、当たり口11に入賞する。
図5に示すように、当たり口11が連通位置に位置するときから5秒を僅かに超えた時間(例えば、5.1秒)経過したとき(図5(A)参照)から、賞口11が連通位置に位置するときから6秒経過したとき(図5(B)参照)までの間(以下、高確率期間と称する)に発射されたパチンコ球7のみが、当たり口11に入賞する可能性がある(当たり口11に入賞する確率が高い)。本実施形態では、上記高確率期間に当たり口11の中心部が位置する区間を、高確率区間(予め設定された設定変位位置が連続する区間)Aとする形態について説明を行う。すなわち、クルーン10は、高確率区間Aに位置するときに発射検知センサ37(図6参照)により発射が検知されたパチンコ球7を、前記高確率区間A以外の変位位置に位置するときに発射検知センサ37により発射が検知されたパチンコ球7に比べて、高い確率で当たり口11に入れる。
図6に示すように、パチンコ機2の内部に配された制御基板30には、CPU31、RAM32、判定部33、タイマ34が設けられている。クルーン回転用モータ28、RAM32、判定部33、タイマ34は、CPU31に接続されており、CPU31により駆動が制御される。
パチンコ機2には、球発射装置19がパチンコ球7を発射したことを検知する発射検知センサ37が設けられている。この発射検知センサ37は、CPU31に接続されており、パチンコ球7の発射を検知したことに応答して、CPU31に発射検知信号を出力する。
操作ハンドル8には、遊技者が操作ハンドル8に触れているか否かを判定する公知の接触センサ38が設けられている。接触センサ38は、CPU31に接続されており、遊技者が操作ハンドル8に触れていると判定した場合には、CPU31に接触信号を出力する。CPU31は、接触信号が入力されている間は球発射装置19を駆動し、接触信号が入力されていない(遊技者が操作ハンドル8に触れていない)間は球発射装置19の駆動を停止する。
操作ハンドル8には、パチンコ球7の発射を停止する発射停止スイッチ39が設けられている。発射停止スイッチ39は、遊技者に操作可能に設けられている。発射停止スイッチ39は、CPU31に接続されており、操作されたことに応答して、CPU31に発射停止信号を出力する。CPU31は、発射停止信号が入力されたことに応答して、接触信号が入力されている(遊技者が操作ハンドル8に触れている)ときにも、球発射装置19の駆動を停止して、パチンコ球7の発射を停止する。
球発射装置19は、1分間で100発のパチンコ球7を発射するようにされている。すなわち、球発射装置19は、0.6秒で1発ずつパチンコ球7を発射する。
センター役物9内には、当たり口11が高確率区間Aに位置することを検知する当たり口検知センサ41が設けられている。当たり口11には、当たり口11と共に回転するLED42が設けられている。当たり口検知センサ41は、光を受光可能な受光センサから構成されるとともに、高確率区間Aに位置する当たり口11のLED42から発せられた光のみを受光するように設けられている。当たり口検知センサ41は、LED42からの光を受光した場合に、当たり口11が高確率区間Aに位置することを検知する。当たり口検知センサ41は、LED42からの光を受光している(当たり口11が高確率区間Aに位置していることを検出している)ときには、CPU31に当たり口検知信号を出力する。なお、当たり口検知センサ41による検知方法は、適宜変更可能である。
判定部33は、発射検知センサ37から発射検知信号が入力されてから0.6秒以内に発射検知信号が入力されたか否かを、タイマ34を用いて判定するものである。判定部33で、0.6秒以内に発射検知信号が入力されていないと判定された場合には、CPU31は、止打ちが行われたと判断し、止打ち確認データをRAM32に記憶する。また、所定時間(例えば、15分)遊技が行われなかった(パチンコ球7が発射されなかった)とき、チャンスモード終了後等には、CPU31は、RAM32の止打ち確認データを消去する。
パチンコ球7が当たり口11に入賞したときには、当たりとなり、CPU31は、各羽根部材13,14を、所定時間(例えば、0.5秒)開放して閉じる開閉動作を18回行うか、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから10発導入された(CPU31に、役物入賞検知センサ27から役物入賞検知信号が10回入力された)ことを1ラウンドとして、これを最大15ラウンド継続するように制御する。本実施形態では、CPU31は、当たりとなったことに応答して、ラウンド数を、5ラウンド、15ラウンドのどちらにするかを抽選により決定する。
当たり中には、パチンコ球7が当たり口11に入賞し、さらに、各羽根部材13,14の開閉動作が18回行われるか、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから10発導入されたことに応答して、CPU31は、次のラウンドに移行するように制御する。なお、5ラウンド当たりが抽選された場合の1〜4ラウンド、及び15ラウンド当たりが抽選された場合の1〜14ラウンドでは、CPU31は、当たり口11が連通位置に位置する状態でクルーン10の回転が停止するように制御する。また、以下では、5ラウンド当たりが抽選された場合の1〜4ラウンド、15ラウンド当たりが抽選された場合の1〜14ラウンドを、継続補助有りラウンドと称し、5ラウンド当たりが抽選された場合の5〜14ラウンドを、継続補助無しラウンドと称する。
継続補助有りラウンドでは、当たり口11が連通位置に位置する状態でクルーン10の回転が停止するように制御されており、各導入開口9b,9cから1発でもパチンコ球7が導入されれば、確実にパチンコ球7が当たり口11に入賞することとなる。
一方、継続補助無しラウンドでは、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから7発導入されるまでは、CPU31は、当たり口11が連通位置から180°回転した位置に位置し、ハズレ口12が連通位置に位置する状態でクルーン10の回転が停止するように制御する。そして、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから7発導入されたことに応答して、CPU31は、クルーン10を通常時と同様に回転させるように制御する。すなわち、継続補助無しラウンドでは、8発目から10発目までの3発のパチンコ球7が、当たり口11に入賞する可能性がある。
継続補助無しラウンドでは、パチンコ球7が当たり口11に入賞した場合、各羽根部材13,14の開閉動作が18回行われるか、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから10発導入されたことに応答して、CPU31は、次のラウンドに移行するように制御する。
継続補助無しラウンド消化中に、役物入賞検知センサ27で7発のパチンコ球7を検知した後に、当たり口11が高確率区間A以外の位置に位置しているときには、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声(「パチンコ球の発射を停止して下さい」)を出力する。本実施形態では、役物入賞検知センサ27で7発のパチンコ球7を検知されるまでは、CPU31は、当たり口11が連通位置から180°回転した位置に位置する状態でクルーン10の回転が停止するように制御している。このため、役物入賞検知センサ27で7発のパチンコ球7を検知したときには、当たり口11が高確率区間A以外の位置に位置している、これにより、役物入賞検知センサ27で7発のパチンコ球7を検知した後には、常に、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声を出力することとなる。また、本実施形態では、CPU31は、当たり口11が高確率区間A以外の位置に位置するときに、パチンコ球7の発射停止が検知されていない場合に、パチンコ球7の発射を停止するように指示する発射停止指示手段としても機能する。
遊技者が、音声に従って止打ちを行った場合には、RAM32に止打ち確認データが記憶される。そして、当たり口検知センサ41から当たり口検知信号が入力されている(当たり口11が高確率区間Aに位置している)間は、CPU31は、センター役物9に設けられたセンターLED(位置報知手段)45を点灯する。さらに、CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶されている状態で、且つ当たり口検知センサ41から当たり口検知信号が入力されている(当たり口11が高確率区間Aに位置している)状態であるときには、スピーカ44から、パチンコ球7を発射するように指示する音声(「パチンコ球を発射して下さい」)を出力する。
CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶された後に最初にパチンコ球7が発射されたこと(発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたこと)に応答して、当たり口検知センサ41から当たり口検知信号が入力されている(当たり口11が高確率区間Aに位置している)か否かを判定する(以下、発射タイミングが一致しているか否かを判定すると称する)。CPU31は、発射タイミングが一致していると判定した場合には、スピーカ(判定結果報知手段)44から、パチンコ球7を発射するタイミングが一致している旨の音声(「一致しています」)を出力する。
なお、CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶されている場合のみ上記判定を行い、RAM32に止打ち確認データが記憶されていない場合には、上記判定を行わないようにされている。また、本実施形態では、CPU31は、発射検知センサ37によりパチンコ球7の発射が検知されたときに、当たり口11が高確率区間Aに位置するか否かを判定する発射タイミング判定手段としても機能する。さらに、RAM32に止打ち確認データが記憶された後に最初に発射したパチンコ球7の発射強さを記憶し、その記憶した発射強さを報知するようにしてもよい。これにより、遊技者は、次にパチンコ球7を発射するときに、報知された発射強さと同じ発射強さで、パチンコ球7を発射することができる。
一方、CPU31は、発射タイミングが一致していないと判定した場合には、そのときにクルーン10(当たり口11)が位置する変位位置から高確率区間Aまでのクルーン10の変位量に係る情報として時間(以下、ズレ時間と称する)を算出し、スピーカ44から、算出したズレ時間に応じた音声(例えば0.5秒早い場合には「0.5秒早いです」、例えば0.5秒遅い場合には「0.5秒遅いです」)を出力する。
15ラウンドでは、パチンコ球7の当たり口11への入賞の有無に関わらず、各羽根部材13,14の開閉動作が18回行われるか、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから10発導入されたことに応答して、CPU31は、当たりを終了する。
当たり終了後は、チャンスモード(低速モード)となる。チャンスモードでは、クルーン10は、クルーン回転用モータ28により16秒で1回転するように制御される。チャンスモードでは、各開放チャッカー15〜17にパチンコ球7が入賞し、各入賞検知センサ21〜23からチャッカー入賞信号が入力されたことに応答して、CPU31は、羽根開閉用モータ20の駆動を制御して、各羽根部材13,14を、所定時間(例えば、16秒)開放して閉じる開閉動作を行う。チャンスモードは、各羽根部材13,14を16秒開放して閉じる開閉動作を所定回数(例えば、3回)行うと終了する。
チャンスモードでは、当たり口11が連通位置に位置するときに発射されたパチンコ球7が、各導入開口9b,9cから導入されて出口26bに達したとき(当たり口11が連通位置を通過してから2秒経過したとき)には、図7(A)に示すように、当たり口11は、連通位置から45°(16秒で1回転するクルーン10が、2秒で回転する角度)回転した位置に位置しており、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は当たり口11に入賞することがない。同様にして、当たり口11が連通位置に位置するときから12秒経過したときに発射されたパチンコ球7が、出口26bに達したときには、図7(B)に示すように、当たり口11は、連通位置から315°(16秒で1回転するクルーン10が、14秒で回転する角度)回転した位置に位置しており、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は当たり口11に入賞することがない。すなわち、当たり口11が連通位置に位置するときから12秒の間に発射されたパチンコ球7は、当たり口11に入賞することがない。
また、当たり口11が連通位置に位置するときから14秒を超えて16秒(クルーン10が1回転して当たり口11が再び連通位置に位置する)までの間に発射されたパチンコ球7が、出口26bに達したときには、当たり口11は連通位置を通過しており、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は当たり口11に入賞することがない。なお、図7(C)は、当たり口11が連通位置に位置するときから13秒経過したときに発射されたパチンコ球7が、出口26bに達したときの当たり口11の位置を示す図であり、このときに出口26bに位置するパチンコ球7は、当たり口11に入賞する。
図8に示すように、チャンスモードでは、当たり口11が連通位置に位置するときから12秒を僅かに超えた時間(例えば、12.1秒)経過したとき(図8(A)参照)から、当たり口11が連通位置に位置するときから14秒経過したとき(図8(B)参照)までの間(以下、高確率期間と称する)に発射されたパチンコ球7のみが、当たり口11に入賞する可能性がある(当たり口11に入賞する確率が高い)。すなわち、チャンスモードでは、通常モードに比べて、発射されたパチンコ球7が当たり口11に入賞する可能性がある時間が長い。本実施形態では、上記高確率期間に当たり口11の中心部が位置する区間を、チャンスモード高確率区間(予め設定された設定変位位置が連続する区間)Bとする形態について説明を行う。また、クルーン10は、16秒で1回転するように制御されており、各羽根部材13,14を16秒開放して閉じる開閉動作を行った場合、各羽根部材13,14が開放している間に、当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置する期間が確実にある。
チャンスモード中に、各開放チャッカー15〜17にパチンコ球7が入賞し、各入賞検知センサ21〜23からチャッカー入賞信号が入力されたことに応答して、CPU31は、各羽根部材13,14を16秒開放して閉じる開閉動作を行う。CPU31は、各羽根部材13,14を開放しているときに、当たり口検知センサ41から当たり口検知信号が入力されている(当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置している)か否かをチェックする。当たり口検知センサ41から当たり口検知信号が入力されていない(当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置していない)間は、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声(「パチンコ球の発射を停止して下さい」)を出力する。
一方、当たり口検知センサ41から当たり口検知信号が入力されている(当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置している)間は、CPU31は、センターLED45を点灯するとともに、スピーカ44から、パチンコ球7を発射するように指示する音声(「パチンコ球を発射して下さい」)を出力する。
チャンスモード中は、各開放チャッカー15〜17にパチンコ球7が入賞するまでは、CPU31は、当たり口11がチャンスモード高確率区間B以外の位置(例えば、連通位置から180°回転した位置)に位置する状態でクルーン10の回転が停止するように制御している。このため、各開放チャッカー15〜17にパチンコ球7が入賞したときには、当たり口11が高確率区間A以外の位置に位置している。これにより、各開放チャッカー15〜17にパチンコ球7が入賞した後には、常に、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声を出力することとなる。なお、チャンスモード中にも、常にクルーン10を回転させる(各開放チャッカー15〜17にパチンコ球7が入賞するまでもクルーン10を回転させる)ようにしてもよい。
CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶された後に最初にパチンコ球7が発射されたこと(発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたこと)に応答して、発射タイミングが一致しているか否かを判定する。発射タイミングが一致していると判定した場合には、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7を発射するタイミングが一致している旨の音声(「一致しています」)を出力する。これにより、遊技者は、パチンコ球7を発射したタイミングが正しい発射タイミングであることを知ることができる。
一方、発射タイミングが一致していないと判定した場合には、CPU31は、ズレ時間を算出し、スピーカ44から、算出したズレ時間に応じた音声(例えば0.5秒早い場合には「0.5秒早いです」、例えば0.5秒遅い場合には「0.5秒遅いです」)を出力する。これにより、遊技者は、パチンコ球7を発射したタイミングが正しい発射タイミングからズレていること、及びそのズレ時間を知ることができる。ズレ時間を知ることができると、次にパチンコ球7を発射するときには、ズレ時間に応じてパチンコ球7を発射するタイミングを修正することができる。
上記のように構成されたパチンコ機2の作用について、図9のフローチャートを用いて説明を行う。継続補助無しラウンドでは、CPU31は、役物入賞検知センサ27で7発のパチンコ球7を検知したか否かをチェックする(ステップ(以下、S)1)。役物入賞検知センサ27で7発のパチンコ球7を検知したこと(S1でY)に応答して、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声(「パチンコ球の発射を停止して下さい」)を出力する(S2)。
遊技者が、音声に従って止打ちを行った場合には、RAM32に止打ち確認データが記憶される。CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶されているか否かを判定し(S3)、RAM32に止打ち確認データが記憶されていないと判定された場合(S3でN)には、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声(「パチンコ球の発射を停止して下さい」)を出力する(S2)。
RAM32に止打ち確認データが記憶されていると判定された場合(S3でY)には、CPU31は、当たり口検知センサ41から、当たり口11が高確率区間Aに位置していることを示す当たり口検知信号が入力されたこと(S4でY)に応答して、センターLED45を点灯するとともに、スピーカ44から、パチンコ球7を発射するように指示する音声(「パチンコ球を発射して下さい」)を出力する(S5)。
CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶された後に最初にパチンコ球7が発射されたこと(発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたこと)に応答して、発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたことに応答して、当発射タイミングが一致しているか否かを判定する(S6)。発射タイミングが一致していると判定した場合(S6でY)には、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7を発射するタイミングが一致している旨の音声(「一致しています」)を出力する(S7)。
一方、発射タイミングが一致していないと判定した場合(S6でN)には、CPU31は、そのズレ時間を算出し(S8)、スピーカ44から、算出したズレ時間に応じた音声(例えば0.5秒早い場合には「0.5秒早いです」、例えば0.5秒遅い場合には「0.5秒遅いです」)を出力する(S9)。
次に、チャンスモードにおける制御の流れをについて、図10に示すフローチャートを用いて説明を行う。
チャンスモード中に、各開放チャッカー15〜17にパチンコ球7が入賞したこと(S1でY)に応答して、CPU31は、各羽根部材13,14を16秒開放して閉じる開閉動作を行う(S2)と同時に、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声(「パチンコ球の発射を停止して下さい」)を出力する(S3)。
遊技者が、音声に従って止打ちを行った場合には、RAM32に止打ち確認データが記憶される。CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶されているか否かを判定し(S4)、RAM32に止打ち確認データが記憶されていないと判定された場合(S4でN)には、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7の発射を停止する(止打ちを行う)ように指示する音声(「パチンコ球の発射を停止して下さい」)を出力する(S3)。
CPU31は、各羽根部材13,14を開放しているときに、当たり口検知センサ41から当たり口検知信号が入力されている(当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置している)か否かをチェックする(S5)。CPU31は、当たり口検知センサ41から、当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置していることを示す当たり口検知信号が入力されたこと(S5でY)に応答して、センターLED45を点灯するとともに、スピーカ44から、パチンコ球7を発射するように指示する音声(「パチンコ球を発射して下さい」)を出力する(S6)。
CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶された後に最初にパチンコ球7が発射されたこと(発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたこと)に応答して、発射タイミングが一致しているか否かを判定する(S7)。発射タイミングが一致していると判定した場合(S7でY)には、CPU31は、スピーカ44から、パチンコ球7を発射するタイミングが一致している旨の音声(「一致しています」)を出力する(S8)。
一方、発射タイミングが一致していないと判定した場合(S7でN)には、CPU31は、そのズレ時間を算出し(S9)、スピーカ44から、算出したズレ時間に応じた音声(例えば0.5秒早い場合には「0.5秒早いです」、例えば0.5秒遅い場合には「0.5秒遅いです」)を出力する(S10)。
このように、CPU31は、当たりモードの継続補助無しラウンドにおけるセンター役物9内に7発のパチンコ球7が導入された後にパチンコ球7を発射したときに、当たり口11が高確率区間Aに位置しているか否かを判定し、その判定結果に応じた音声をスピーカ44から出力するから、遊技者は、容易にパチンコ球7が発射されたときに当たり口11が高確率区間Aに位置するか否かを識別することができる。これにより、遊技に不慣れな遊技者にも遊技への興味を失わせることがない。
また、CPU31は、パチンコ球7を発射したときに、当たり口11が高確率区間Aに位置しているか否かの判定結果を、ズレ時間に応じてスピーカ44から出力するから、遊技者は、次のパチンコ球7の発射タイミングを調整することができる。
さらに、当たり口11が高確率区間A以外の位置に位置しているときには、CPU31は、スピーカ44から、止打ちを行うように指示する音声を出力し、RAM32に止打ち確認データが記憶された(止打ちが行われた)後に最初にパチンコ球7が発射されたこと(発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたこと)に応答して、発射タイミングが一致しているか否かを判定し、発射タイミングが一致していないと判定した場合には、そのときにクルーン10(当たり口11)が位置する変位位置から高確率区間Aまでのズレ時間を算出するから、ズレ時間を、正確且つ安定的に算出するとともに、遊技者に報知することができる。
また、当たり終了後に突入するチャンスモード(低速モード)を設け、このチャンスモードでは、CPU31は、パチンコ球7を発射したときに、当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置しているか否かを判定し、その判定結果に応じた音声をスピーカ44から出力するから、遊技者は、容易にパチンコ球7が発射されたときに当たり口11がチャンスモード高確率区間Bに位置するか否かを識別することができる。これにより、通常モードと当たりモードとは異なるチャンスモードへの遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上記実施形態では、一定周期で変位する変位部材としてクルーン10を設けたが、これに限定されることなく、例えば、センター役物9内の当たり口を固定し、固定当たり口にパチンコ球7を誘導する位置と、固定当たり口にパチンコ球7を誘導しない位置と、の間を一定周期で移動する移動部材を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ガイド部材26により、センター役物9内に導入されたパチンコ球7をクルーン10まで案内するようにしたが、これに限定されることなく、パチンコ球7が各導入開口9b,9cから導入されてから、クルーン10に達するまでの時間が、略一定となるようにされていればよく、例えば、ガイド部材26に代えて、センター役物9内に、パチンコ球7を案内する案内リブを立設するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、判定部33は、発射検知センサ37から発射検知信号が入力されてから0.6秒以内に発射検知信号が入力されたか否かを判定し、この判定結果に基づいて、CPU31はパチンコ球7の発射停止を検知するようにしたが、これに限定されることなく、操作ハンドル8に設けられた接触センサ38から接触信号が入力されていないときに、CPU31はパチンコ球7の発射停止を検知するようにしてもよい。また、発射停止スイッチ39から発射停止信号が入力されたときに、CPU31はパチンコ球7の発射停止を検知するようにしてもよい。さらに、上記した複数のパチンコ球7の発射停止方法を、組み合わせて実施してもよい。
さらに、上記実施形態では、CPU31は、パチンコ球7の発射を停止した場合(止打ちを行った場合)に、RAM32に止打ち確認データを記憶し、CPU31は、RAM32に止打ち確認データが記憶されている状態のときに、発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたことに応答して、発射タイミングが一致しているか否かを判定するようにしたが、CPU31が、当たり口11が高確率区間A以外の第1の位置と高確率区間Aに変位する直前の第2の位置との間で変位しているときに発射停止(止打ち)が検知され続けた状態、及び、当たり口11が高確率区間Aに位置するときに止打ちが検知された回数が予め設定された設定回数(例えば、2回)以上となった状態の少なくとも一方の状態のときに判定を行い、それ以外の状態のときに判定を行わないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、センター役物9内に当たり口検知センサ41を設け、当たり口検知センサ41により、当たり口11が高確率区間Aに位置することを検知するようにしたが、当たり口11が高確率区間Aに位置することを検知する方法は適宜変更可能である。例えば、クルーン回転用モータ28を、20パルスの駆動信号の入力に基づいてクルーン10が1回転するようにし(クルーン10は、8秒で1回転するため、各パルス間のピッチは0.4秒)、20個のパルス信号のうちの予め設定された駆動信号(例えば、11個目のパルス信号及び12個目のパルス信号)が入力されているときに、当たり口11が高確率区間Aに位置するように設定するようにしてもよい。この場合には、発射検知センサ37から発射検知信号が入力されたときに、何個目のパルス信号が入力されているかにより、発射タイミングが一致しているか否かを判定するとともに、ズレ時間を算出する(例えば、7個目のパルス信号が入力されていた場合には、パルス信号が3個分(0.4秒×3=1.2秒)早いことを算出する。