<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿66aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特別入球手段として設けられた特電入賞装置32、作動口(又は始動入球部)33、スルーゲート34,35、可変表示ユニット36、振分入球手段として設けられた振分入賞装置37、メイン表示部としての特図表示部38及び役物表示部としての電役図柄表示部39等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられている。
スルーゲート34,35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、作動口33及び振分入賞装置37への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、作動口33への入球が発生した場合及び振分入賞装置37への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合及び特電入賞装置32への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば作動口33に係る賞球個数よりも振分入賞装置37に係る賞球個数が多いといったように、作動口33と振分入賞装置37とで賞球個数が相違していてもよい。また、振分入賞装置37に係る賞球個数が、一般入賞口31及び特電入賞装置32の少なくとも一方と同一又はそれよりも多い構成としてもよい。また、特電入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、作動口33、スルーゲート34,35及び振分入賞装置37への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
作動口33は、下側領域PE4に設置されている。作動口33は上向きに開放されており、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では遊技状態に依存することなく作動口33への入賞確率は一定となっている。また、作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は作動口33に入賞し易くなっている。作動口33には検知センサ33aが設けられており、当該検知センサ33aにより作動口33に入賞した遊技球が検知される。
ここで、上記のように作動口33が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれにおいても作動口33への入賞が可能である。
スルーゲート34は、左側領域PE2に設置されている。つまり、スルーゲート34は右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。また、スルーゲート35は、右側領域PE3に設置されている。つまり、スルーゲート35は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
スルーゲート34,35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート34,35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。これにより、スルーゲート34,35に入賞した遊技球が振分入賞装置37へ入賞することが可能となっている。スルーゲート34,35には検知センサ34a,35aが設けられており、当該検知センサ34a,35aによりスルーゲート34,35に入賞した遊技球が検知される。
スルーゲート34,35への入賞に基づき振分入賞装置37にて分岐実行モードが開始される。具体的には、スルーゲート34,35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた電役図柄表示部39及び可変表示ユニット36の図柄表示装置42にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に分岐実行モードへ移行する。分岐実行モードでは、電動役物37cが所定の態様にて駆動され、振分入賞装置37への入球が可能となる。電動役物37cの具体的な態様については、後述する。
なお、電役図柄表示部39は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、電役図柄表示部39にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
また、電役図柄表示部39に隣接した位置には、電役保留表示部41が設けられている。遊技球がスルーゲート34,35を入賞した個数は最大4個まで保留され、電役保留表示部41の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
作動口33への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図表示部38及び可変表示ユニット36の図柄表示装置42における表示演出を通じて明示される。
特図表示部38について詳細には、作動口33への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
なお、特図表示部38は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部38にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
図柄表示装置42について詳細には、図柄表示装置42は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置42は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置42では、作動口33への入賞に基づき特図表示部38にて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置42では、作動口33への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する後述の分岐実行モード中や開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図4を参照して詳細に説明する。図4は図柄表示装置42の表示画面42aを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図4(a)に示すように、図柄表示装置42の表示画面42aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図4(b)に示すように、表示画面42aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面42aには、図4(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
作動口33への入賞に基づいて表示画面42aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、後述する開閉実行モードへの移行に対応している場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組み合わせが形成される。
なお、作動口33への入賞に基づいて、特図表示部38及び図柄表示装置42にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置42における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置42にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、可変表示ユニット36の前面側において図柄表示装置42の下方には、図3に示すように、特図保留表示部43が設けられている。遊技球が作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部43の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
作動口33への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
また、既に述べたように、スルーゲート34,35への入賞に基づく抽選にてサポート当選となった場合には、分岐実行モードへ移行し、振分入賞装置37への入賞が可能となる。振分入賞装置37の内部には後述する第1V入賞口案内部が設けられており、当該第1V入賞口案内部へ遊技球が入球(以下、V入賞という)した場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
振分入賞装置37は、下側領域PE4において作動口33の下方の位置に設けられている。つまり、振分入賞装置37は左側領域PE2及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれにおいても入賞が可能である。一方、特電入賞装置32は右側領域PE3においてスルーゲート35の下方であって特図表示部38の上方に設けられている。つまり、特電入賞装置32は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合において入賞が可能である。
両入賞装置32,37のうち振分入賞装置37の構成について、図5を参照しながら説明する。図5(a)〜(c)は振分入賞装置37の構成を示す概略図であり、図5(a)は振分入賞装置37の正面図、図5(b)は前面カバー37aを取り外した状態における振分入賞装置37の正面図、図5(c)は振分ユニット51aを説明するための説明図である。
図5(a)に示すように振分入賞装置37には、遊技球の振分入賞装置37内部への入賞を許容する入球部45a,45b、入球部45a,45bへの入球が発生し易い状態又は発生しにくい状態に切り替え可能な電動役物37c、振分入賞装置37へ入賞した遊技球をV入賞又は外れに振り分ける振分ユニット51a、振分入賞装置37へ入賞した遊技球を入球部45a,45bから振分ユニット51aへ誘導する内部通路44a,44bが設けられており、これらは振分ベース部51bに対して設けられている。
振分ベース部51bは、板状に形成されており、その略中央にはパチンコ機10背面側に凹むように形成された凹部51cが設けられている。また、振分ベース部51bの周縁部にはフランジが形成されており、パチンコ機10前面側から遊技盤24へフランジを押し当てて図示しないネジにて固定されている。そのため、振分ユニット51aは遊技盤24の前面から突出した状態で取り付けられている。
入球部45a,45bは、斜め上方へ開口した開口部を有している。当該開口部の大きさは遊技球1個分よりも若干大きいものとなっており、流下する遊技球は上記開口部を介して1個ずつ入球部45a,45bへ入球可能となっている。
また、入球部45a,45bとしては、流下する遊技球の経路に対応させて、左側入球部45a及び右側入球部45bが設けられている。左側入球部45aは、左側領域PE2を流下する遊技球が入球し易い方向に開口部が設けられており、具体的には、左上を向くように設けられている。右側入球部45bは、右側領域PE3を流下する遊技球が入球し易い方向に開口部が設けられており、具体的には、右上を向くように設けられている。
入球部45a,45bの具体的な位置として、遊技領域PEにおいて作動口33の左下に左側入球部45aが設けられ、作動口33の右下に右側入球部45bが設けられている。
図3に示すように、作動口33の上側を通って遊技領域PEを流下する遊技球は、釘24cによって振分入賞装置37よりも外側へ誘導される。また、作動口33の下側であって作動口33と各入球部45a,45bとの間には釘24dが複数設けられており、各釘24dの間隔は遊技球より小さいものとなっている。また、釘24dと作動口33との間隔、釘24dと入球部45a,45bとの間隔についても遊技球より小さいものとなっている。
上記のように、作動口33、入球部45a,45b及び釘24c,24dが設けられていることにより、左側領域PE2を流下する遊技球は、左側入球部45aへ入賞し易くなっているが、右側入球部45bへは入球しづらくなっている。また、右側領域PE3を流下する遊技球は、右側入球部45bへ入賞し易くなっているが、左側入球部45aへは入賞しづらくなっている。
振分入賞装置37には、遊技球が入球部45a,45bへ入球し易い状態又は入球しづらい状態に切り替える電動役物37cが設けられている。電動役物37cとしては、図5(a)に示すように、左右一対の可動片よりなるガイド片37d及び同じく左右一対の可動片よりなる入球シャッタ37eが設けられている。
ガイド片37dは遊技盤24の背面側に搭載されたガイド用の駆動部37fに連結されており、当該ガイド用の駆動部37fにより駆動されて図5(a)の2点鎖線で示すガイド状態及び図5(a)の実線で示す非ガイド状態のいずれかに配置される。
ガイド状態において、ガイド片37dは流下する遊技球を下方から支持する支持面を生じるように配置され、当該支持面は入球部45a,45bから振分入賞装置37外側へ上方向に傾斜するように配置される。非ガイド状態において、ガイド片37dは、支持面が横方向となるように配置される。
また、入球シャッタ37eは、入球シャッタ用の駆動部37gに連結されており、当該入球シャッタ用の駆動部37gにより駆動されて図5(a)の2点鎖線で示す開放状態及び図5(a)の実線で示す閉鎖状態のいずれかに配置される。
開放状態において、入球シャッタ37eは閉鎖状態よりも上方へスライドした位置となり、入球部45a,45bの開口部の全体を覆わない位置に配置される。閉鎖状態において、入球シャッタ37eは、上記開放状態よりも下方へスライドした位置となり、入球部45a,45bの開口部の全体を覆う位置に配置される。
入球シャッタ37eが閉鎖状態の場合には遊技球が振分入賞装置37に入賞できず、入球シャッタ37eが開放状態の場合に振分入賞装置37への入賞が可能となる。また、ガイド片37dは、入球シャッタ37eが開放状態となった場合にガイド状態となり、遊技球の振分入賞装置37への入賞が発生しやすくなる。
電動役物37cの具体的な態様として、入球シャッタ37eが閉鎖状態から開放状態となる場合には、入球シャッタ37eが上方へスライド移動することで開放位置となり、入球部45a,45bへの遊技球の入球が可能となる。
入球シャッタ37eが開放状態となった後、ガイド片37dは入球部45a,45bの開口部の下端部から当該開口部の開口面が向く方向へ延びるように配置され、ガイド位置となる。ガイド片37dはガイド位置において、遊技領域PEを流下した遊技球を下方から受け、入球部45a,45bへ誘導することが可能となる。
入球シャッタ37eが開放状態から閉鎖状態となる場合には、入球シャッタ37eよりも先にガイド片37dが非ガイド状態となる。また、入球部45a,45bにそれぞれ設けられた電動役物37cは、ガイド片37dを駆動するガイド用の駆動部37f及び入球シャッタ37eを駆動する入球シャッタ用の駆動部37gによって同時に駆動され、同一の動作を実行する。
入球部45a,45bを介して振分入賞装置37へ入賞した遊技球は、内部通路44a,44bを通り、当該内部通路44a,44bにおいて入球部45a,45bと反対側の端部に設けられた排出部46a,46bを介して振分ユニット51aへと誘導される。排出部46a,46bは遊技球1個分よりも若干大きく形成された開口部を有しており、当該開口部から内部通路44a,44b内の遊技球が振分ユニット51aへ1個ずつ排出することが可能となっている。振分ユニット51aでは、誘導された遊技球を開閉実行モードへの移行契機とするか否かを振り分ける振分動作が実行される。
排出部46a,46bには、内部通路44a,44bから誘導された遊技球の移動を止めておく排出シャッタ46c,46dが設けられている。排出シャッタ46c,46dは、遊技盤24の背面側に搭載された排出シャッタ駆動部46e,46fに連結されており、当該排出シャッタ駆動部46e,46fより駆動されて実線で示す閉鎖状態及び2点鎖線で示す開放状態のいずれかに配置される。
開放状態において、排出シャッタ46c,46dは、閉鎖状態よりも上方へスライドした位置となっており、排出部46a,46bの開口部を覆わない位置に配置される。閉鎖状態において、排出シャッタ46c,46dは、開放状態よりも下方へスライドした位置となっており、排出部46a,46bの開口部を覆う位置に配置される。
排出シャッタ46c,46dの閉鎖状態では、振分入賞装置37へ入賞した遊技球は、内部通路44a,44b内に留まることとなり、排出シャッタ駆動部46e,46fが開放状態となることで排出部46a,46bから排出される。遊技球は、排出部46a,46bから排出された後に振分ユニット51aへと誘導される。内部通路44a,44b及び排出部46a,46bの詳細については後述する。また、内部通路44a,44b対応させて設けられた排出シャッタ46c,46dは排出シャッタ駆動部46e,46fによって同時に駆動され、同一の動作を実行する。
振分ユニット51aは、図5(c)に示すような第1振分部材47及び第2振分部材48を備えている。また、第1振分部材47及び第2振分部材48は振分ベース部51bの凹部51cにおいて、パチンコ機10前後方向に並ぶ位置となるように設けられている。
第1振分部材47は、排出部46a,46bの間の距離と略同一の長さの径の略円盤状をしている。そして、第1振分部材47は、振分入賞装置37の背面側に設けられた振分用モータ53の駆動に伴って回転する(図5(b)参照)。また、第1振分部材47の回転軸はパチンコ機10前後方向であってパチンコ機10背面側から前面側に向かって若干上向きとなるように設けられており、振分用モータ53の駆動に伴って特定方向、具体的には時計回りに回転する。
第1振分部材47の外周には内側に凹んだ10個の球案内部47aが形成されており、これら球案内部47aは等間隔で並んでいる。また、球案内部47aは、第1振分部材47の前面側において開口するように設けられている。10個の球案内部47aうち、9個の球案内部47aは有底の外れ口案内部47bとなっており、1個の球案内部47aは無底の第1V入賞口案内部47cとなっている。外れ口案内部47bの底面は、外側に向かうほどパチンコ機10後方へ傾斜している。各球案内部47aは、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、第1振分部材47の中心軸を挟んで対称な位置であって、第1振分部材47の前面側にて第1振分部材47を2等分する線上に設けられた排出部46a,46bから導出される遊技球はいずれかの球案内部47aに入る。
第2振分部材48は、第1振分部材47と略同一の径の略円盤状をしている。そして、第2振分部材48は、第1振分部材47の背面側において第1振分部材47と中心軸が重なる位置に設けられている。また、第2振分部材48は、振分用モータ53の回転軸とは接続されていないため、振分用モータ53の駆動に伴っては第1振分部材47のみが回転し、第2振分部材48は回転しない。
第2振分部材48の外周には内側に凹んだ1個の第2V入賞口案内部48aが形成されている。第2V入賞口案内部48aは無底となっており、第2V入賞口案内部48aの背面側には遊技球を遊技盤24の背面側へ誘導するV入賞通路49が形成されている。第2V入賞口案内部48aは、図5(b)に示すように、回転方向にて球案内部47aが排出部46bを通過した後の位置であって排出部46aを通過する前の位置であるP1の位置に固定されている。
第1V入賞口案内部47cに入った遊技球は第1振分部材47の回転に伴ってP1の位置に到達することで第2V入賞口案内部48a前面側に到達し、当該第1V入賞口案内部47cから第2V入賞口案内部48aに入り、V入賞通路49へ誘導される。
また、回転方向にて球案内部47aがP1の位置を通過した後の位置であって排出部46aを通過する前の位置であるP2の位置において、凹部51cの内側の側壁には、外れ口50が設けられている。外れ口50は、凹部51cの内側へ開放した開口部分となっており、その大きさは遊技球1個よりも若干大きく設けられている。外れ口50は、外れ口案内部47bが第1振分部材47の回転に伴ってP2の位置に到達することで、凹部51cの側壁に対向する外れ口案内部47bの開口部分の下方の位置となる。この位置では、外れ口50の周縁部と外れ口案内部47bの開口部の周縁部とが接するように配置され、外れ口案内部47bに遊技球が入っていた場合には、当該遊技球が下方の外れ口50へ誘導される。外れ口50へ誘導された遊技球は、外れ口50からパチンコ機10背面側へ延びる外れ用通路50aへ案内される。
V入賞通路49及び外れ用通路50aについて、図6を参照しながら説明する。図6(a)は、図5(b)におけるA−A線断面図であり、図6(b)は、図5(b)におけるB−B線断面図であり、図6(c)及び図6(d)は、図5(b)におけるC−C線断面図である。
図5(b)に示すように、振分ユニット51aにおいて所定の球案内部47aは、排出部46aを通過した後、排出部46b、V入賞通路49、外れ口50を順番に通過し、排出部46aに戻るように移動する。
ここで、排出部46aから球案内部47aに排出された遊技球が排出部46bを通過する場合、排出部46bからも遊技球が排出されることで、同一の球案内部47aに2個の遊技球が入球することが懸念される。
図6(a)に示すように、排出部46aから外れ口案内部47bに入球した遊技球は、第1振分部材47前面側が若干上向きとなるように配置されていることにより、パチンコ機10後方へ移動し、外れ口案内部47bの底面と凹部51cの側壁に接する位置で静止する。外れ口案内部47bが排出部46bからの入球に対応した位置となった場合において、遊技球が静止した位置よりも右側には凹部51cの側壁の一部を形成する壁が設けられている。当該壁よりもパチンコ機10前側の上方となる位置に排出部46bの開口部が設けられている。当該壁が設けられていることにより、下方への力を受けた遊技球が上記壁を越えて排出部46bに進入することを防止可能となっている。
第1V入賞口案内部47cにおいても同様に、排出部46aから第1V入賞口案内部47cに入球した遊技球が凹部51cの側壁の一部を形成する壁を越えて、排出部46bに進入することを防止可能となっている。
また、球案内部47aの内部空間は、遊技球1個のみを入球可能な大きさとなっている。さらに、排出部46aから球案内部47aに遊技球が入球している場合には、排出部46bの排出通路の一部が球案内部47a内の遊技球によって塞がれるため、遊技球は排出部46bから排出不可となる。このため、排出部46bから遊技球が排出されて、遊技球が2個同時に球案内部47aに入球することを防止可能となっている。
図6(b)に示すように、第1V入賞口案内部47cに遊技球が入球した場合において、第1V入賞口案内部47cはP1の位置となることで、第2V入賞口案内部48a及び凹部51cの側壁とともにパチンコ機10後方へ延びる通路を形成する。当該通路と連通させてV入賞通路49が形成されている。V入賞通路49は、パチンコ機10背面側へ下方に傾斜させて設けられており、誘導された遊技球がパチンコ機10背面側へ排出されるように形成されている。V入賞通路49の途中位置には、V入賞検知センサ49aが設けられており、V入賞通路49を通過する遊技球はV入賞検知センサ49aにて検知される。その後、パチンコ機10の外へ排出される。
外れ用通路50aは、図6(c)に示すように、凹部51cの側壁に設けられた外れ口50からパチンコ機10背面側へ下方に傾斜させて形成されており、誘導された遊技球がパチンコ機10背面側へ排出されるように形成されている。外れ用通路50aの途中位置には、外れ用検知センサ50bが設けられており、外れ用通路50aを通過する遊技球は外れ用検知センサ50bにて検知される。その後、パチンコ機10の外へ排出される。
第1振分部材47の回転軸がパチンコ機10前後方向となっていることにより、球案内部47aに入球した入球部は全て重力により下方向の力を受けることとなる。当該球案内部47aに入球し下方向に力を受けている遊技球は、球案内部47aがP2の位置となった場合に、下方に位置する外れ口50へ案内され易くなる。これにより、球案内部47aに入球した遊技球のうち、外れ口50と対向する位置に配置された遊技球は、下方へ変位することで外れ口50を介して外れ用通路50aへ案内される。
第1振分部材47が一定の方向へ回転し、球案内部47aが外れ口50を通過する際に球案内部47a内の遊技球が全て外れ用通路50aへ案内される構成において、V入賞通路49は、球案内部47aが排出部46a,46bを通過した後に通過する位置であって、球案内部47aが外れ口50を通過する前に通過する位置に設けられている。具体的には、回転方向において第1V入賞口案内部47cよりも1個前に設けられた球案内部47aが外れ口50を通過している場合に、第1V入賞口案内部47cが通過する第2振分部材48前面側の位置にV入賞通路49が設けられている。
既に述べたように、球案内部47aは第1振分部材47の周縁部において等間隔に10個設けられており、第1振分部材47が一回転することで、最大10個の振り分けが可能となっている。また、各排出部46a,46bは、第1振分部材47の中心軸に対して左右対称な位置であって、第1振分部材47の前面側にて第1振分部材47を2等分する線上に設けられている。このような位置に排出部46a,46bが設けられていることにより、第1振分部材47が半回転することで、各排出部46a,46bから5個ずつの遊技球を球案内部47aに入球させることが可能となる。
振分入賞装置37では、各排出部46a,46bから5個よりも多くの遊技球が連続して排出されないように、各入球部45a,45bへの入球個数を制限する構成となっている。具体的には、各入球部45a,45bへの入球個数は5個となっている。
各入球部45a,45bへの入球個数を制限する構成として、内部通路44a,44bについて詳細に説明する。
内部通路44a,44bとして、左側内部通路44a及び右側内部通路44bが設けられている。左側内部通路44aとして、左側入球部45aから入球した遊技球を排出部46aから排出するよう下方向に延びる通路が形成されており、右側内部通路44bとして、右側入球部45bから入球した遊技球を排出部46bから排出するよう下方に延びる通路が形成されている。各内部通路44a,44bは、独立した経路を有しており、振分ユニット51aの周縁部に沿って左側と右側に設けられている。これにより、一方の内部通路44a,44bに入球した遊技球は、他方の内部通路44a,44bに入球することなく振分ユニット51aへ到達することが可能となる。
図5(a)に示すように、内部通路44a,44bは、通路が直線状に形成されており、長さはほぼ遊技球5個分であって、通路幅はほぼ遊技球1個分となっている。排出シャッタ46c,46dが閉鎖状態である場合には、連続して5個の遊技球が内部通路44a,44bへ入球した場合には、6個目は入球が不可となっている。内部通路44a,44bが一度に5個よりも多くの遊技球を許容しない構成となっていることにより、内部通路44a,44bへ制限個数以上の遊技球が入球することを防止可能となり、5個よりも多くの遊技球が入球した場合に一部の遊技球を無効化する処理などを実行する必要が無くなる。
各内部通路44a,44bの入口には、遊技球の通過を検知する検知センサ37h,37iが設けられている。検知センサ37h,37iは、左側内部通路44aへの入球を検知する左側検知センサ37hと、右側内部通路44bへの入球を検知する右側検知センサ37iとが設けられている。いずれかの検知センサによって5個の遊技球の入球を検知した場合には、左右の入球シャッタ37eを同時に閉鎖状態とする。既に述べたように、入球シャッタ37eを閉鎖状態とする場合には、ガイド片37dが先に非ガイド状態となる。この場合にガイド片37dがガイド状態において遊技球を下方から支持している支持面が非ガイド状態では横方向を向くため、遊技球は下方へ流下することとなる。
また、内部通路44a,44bに5個の遊技球が既に入球している場合には、6個目の遊技球はガイド片37dのみによって支持されることとなり、ガイド片37dが非ガイド状態となることで6個目の遊技球は下方へ流下することとなり内部通路44a,44bへの入球を防止可能となる。
前面カバー37a及び第2振分部材48において、球案内部47aがP2の位置となった場合に、球案内部47aの略中央部分とパチンコ機10前後方向に重なる位置にV入賞口案内部検知センサ52が設けられている。
V入賞口案内部検知センサ52は、前面カバー37aに設けられた発光部52a及び第2振分部材48に設けられた受光部52bによって構成されている。図6(c)に示すように、外れ口案内部47bがP2の位置となった場合は、外れ口案内部47bの底面によって発光部52a及び受光部52b間の光が遮断され、受光部52bの出力信号として非検知時に対応した信号が出力される。図6(d)に示すように、第1V入賞口案内部47cがP2の位置となった場合は、第1V入賞口案内部47cは無底となるように設けられているため、受光部52bは発光部52aの光を受信することが可能となり、受光部52bの出力信号として検知時に対応した信号が出力される。第1V入賞口案内部47cの半分がP2の位置を通過した後は、V入賞口案内部検知センサ52は非検知状態となる。
当該検知結果を用いて、第1V入賞口案内部47cの位置を把握することが可能となる。第1V入賞口案内部47cの位置を把握するための処理については、後述する。
また、振分入賞装置37は、入賞した遊技球が外れ口案内部47b及び第1V入賞口案内部47cのいずれに振り分けられるのかをパチンコ機10前方から視認不可となるように形成されており、具体的には振分ユニット51aの前面側に有色不透明に形成された前面カバー37aが設けられている。
次に、特電入賞装置32について図7を参照しながら説明する。図7(a),(b)は特電入賞装置32の縦断面図である。
特電入賞装置32は、遊技球が通過可能な大きさの大入賞口(又は特別入賞口)32aが形成されているとともに、当該大入賞口32aを遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える特電側の開閉部材32bを備えている。特電側の開閉部材32bは特電用の駆動部32cにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。また、特電入賞装置32には、大入賞口32aを介して特電入賞装置32内に入球した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部32dが形成されており、さらに当該入賞用通過部32dの位置に検知領域が存在するようにして大入賞口用の検知センサ32eが設けられている。当該大入賞口用の検知センサ32eによって、特電入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル62を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の右方に設けられている。また、窓部61の上方にはエラーランプ部64が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部65が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部66と下側膨出部67とが上下に並設されている。上側膨出部66内側には上方に開口した上皿66aが設けられており、下側膨出部67内側には同じく上方に開口した下皿67aが設けられている。上皿66aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿67aは、上皿66a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
主制御装置71を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿66a又は下皿67aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図8のブロック図に基づき説明する。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)85と、を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、ROM83及びRWM84が内蔵されている。
ROM83は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM83は、MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM84は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM83よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM84は、ROM83内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU82又は主制御基板81には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU82に対してROM83及びRWM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び各種入賞検知センサ32e,33a,34a,35a,37h,37i,49a,50bなどが接続されている。停電監視基板85には電源及び発射制御装置78が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。また、各種入賞検知センサ32e,33a,34a,35a,37h,37i,49a,50bの検知結果に基づいて、MPU82において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU82では、作動口33への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート抽選を実行する。
MPU82の出力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び音光制御装置91が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド、最終停止コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
また、MPU82の出力側には、特電入賞装置32の開閉部材32bを開閉動作させる特電用の駆動部32c、振分入賞装置37への入球し易さを切り替える電役用の駆動部としてのガイド用の駆動部37f及び入球シャッタ用の駆動部37g、排出シャッタ46c,46dを開閉動作させる排出シャッタ駆動部46e,46f、第1振分部材47を回転動作させる振分用モータ53、特図表示部38、及び電役図柄表示部39が接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
また、MPU82の出力側には、外部端子板79が接続されている。外部端子板79には、複数の外部端子(出力端子)が設けられている。外部端子は例えば8個設けられており、管理コンピュータに向けて外部出力する情報の種類が相違している。これら複数の外部端子には、開閉実行モード中であることを示す開閉実行信号の外部出力を行うための端子と、分岐実行モード中であることを示す分岐実行信号の外部出力を行うための端子と、高頻度サポートモード中であることを示す高頻度信号の外部出力を行うための端子とが含まれている。MPU82は、RWM84に設けられた外部出力バッファに対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板79に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。なお、各外部端子は、主制御装置71から管理コンピュータへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラを用いて構成されている。
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置78とを中継し、また電源及び発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置78は、遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、発射操作装置28に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構27を駆動する。
音光制御装置91は、主制御装置71から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63、エラーランプ部64及びスピーカ部65を駆動制御するとともに、表示制御装置92を制御するものである。表示制御装置92では、音光制御装置91から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置42の表示制御を実行する。
表示制御装置92では、第1V入賞口案内部47cの位置に対応したV入賞報知用のコマンドを音光制御装置91から受信する。当該V入賞報知用のコマンドに基づき、表示制御装置92は図柄表示装置42において、5個の遊技球を入球させることでV入賞を発生させることができる入球部45a,45bがどちらであるかを報知するためのV入賞報知用の演出を実行する。
また、表示制御装置92ではV入賞報知用のコマンドを受信した場合に、V入賞報知用の演出を実行するか否かを決定する報知抽選処理が実行される。当該報知抽選処理の抽選確率は、複数設けられており表示制御装置92に設けられた抽選モード切換スイッチ92aを手動で切り換えることによって変更可能となっている。抽選モード切換スイッチ92aは、スライド式のハードウェアスイッチとなっており、表示制御装置92はスイッチの位置を検出し、当該検出した位置に対応した抽選確率の当否抽選用のテーブルを表示制御装置92のROMから読み出す。
<MPU82にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU82にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図9を用いて説明する。
MPU82は、各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、入球シャッタ37eの開放抽選、特図表示部38の表示の設定、図柄表示装置42の図柄表示の設定、電役図柄表示部39の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部38及び図柄表示装置42における変動表示時間を決定する第1変動種別カウンタCS1と、入球シャッタ37eを開放状態とし、ガイド片37dをガイド状態とするか否かのサポート抽選に使用する電役乱数カウンタC4と、電役図柄表示部39における変動表示時間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、を用いることとしている。なお、上記カウンタC1〜C4,CINI,CS1〜CS2は、RWM84の抽選用カウンタエリア101に設けられている。
各カウンタC1〜C4,CINI,CS1〜CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。
大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、作動口33への入賞が発生した場合に、大当たり抽選用の取得情報記憶手段として設けられた特図保留エリア102に格納される。特図保留エリア102は、特図用の保留エリア103と、特図用の実行エリア105と、を備えている。
特図用の保留エリア103は、第1エリア103a、第2エリア103b、第3エリア103c及び第4エリア103dを備えており、作動口33への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア103a〜103dに格納される。
この場合、第1エリア103a〜第4エリア103dには、作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア103a→第2エリア103b→第3エリア103c→第4エリア103dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア103a〜103dが設けられていることにより、作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、特図用の保留エリア103において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
特図用の実行エリア105は、特図表示部38にて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、特図表示部38の変動表示を開始する際には、特図用の保留エリア103の第1エリア103aに格納された保留情報が特図用の実行エリア105に移動される。
電役乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート34,35への入賞が発生した場合に、サポート抽選用の取得情報記憶手段として設けられた電役用の保留エリア106に格納される。電役用の保留エリア106は、第1エリア106a、第2エリア106b、第3エリア106c及び第4エリア106dを備えており、スルーゲート34,35への入賞履歴に合わせて、電役乱数カウンタC4の数値情報が電役側の保留情報として、いずれかのエリア106a〜106dに格納される。
この場合、第1エリア106a〜第4エリア106dには、スルーゲート34,35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア106a→第2エリア106b→第3エリア106c→第4エリア106dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア106a〜106dが設けられていることにより、スルーゲート34,35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、電役用の保留エリア106において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
また、電役用の保留エリア106には、電役用の実行エリア107が設けられている。電役用の実行エリア107は、電役図柄表示部39にて変動表示を開始する際に、分岐実行モードの当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、電役図柄表示部39の変動表示を開始する際には、電役用の保留エリア106の第1エリア106aに格納された保留情報が電役用の実行エリア107に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず大当たり乱数カウンタC1について説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜399の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜399)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに大当たり用の当否テーブル(又は大当たり用の当否情報群)として記憶されている。大当たり用の当否テーブルとしては、作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される特図用の当否テーブル(又は当否情報群)が設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、大当たり乱数カウンタC1を参照することによる当否結果として、外れ結果と大当たり結果とが設定されている。大当たり結果とは、特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードへ遊技状態を移行させる結果である。
当該開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた特電用の開放継続時間(又は特電用の上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた特電用の上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本パチンコ機10では、開閉実行モードとして、ラウンド遊技の上限回数が15ラウンドに設定されているもののみが存在しているが、ラウンド遊技の上限回数が相違するように開閉実行モードが複数種類設定されていてもよい。
開閉実行モードの終了後における振分入賞装置37の電動役物37cのサポートモードについて説明する。ここで、本パチンコ機10では、サポートモードとして、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、入球シャッタ37eが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(又は、高頻度サポート状態、高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(又は、低頻度サポート状態、低頻度ガイド状態)とが設定されている。
詳細には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電役乱数カウンタC4を用いたサポート抽選においてサポート当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、サポート当選となった際に入球シャッタ37eが開放状態となる時間が長く設定されている。具体的には、低頻度サポートモードにおいてサポート当選となった場合には遊技球の発射周期よりも短い0.1secの開放が1回行われるのに対して、高頻度サポートモードにおいてサポート当選となった場合には10secの開放が1回行われる。これにより、高頻度サポートモードでは、サポート当選となった場合において振分入賞装置37への入賞が少なくとも1回発生する確率の方が、発生しない確率よりも高いものとなるのに対して、低頻度サポートモードでは、サポート当選となった場合において振分入賞装置37への入賞が発生する確率の方が、発生しない確率よりも低いものとなる。また、分岐実行モードの開始から終了までの間において、いずれかの入球部45a,45bに5個入賞させることは可能となっているが、両方の入球部45a,45bには5個ずつ入賞させることは不可となっている。
また、いずれのサポートモードであってもサポート当選となった場合の分岐実行モードは、振分入賞装置37におけるいずれかの入球部45a,45bに上限個数である5個の入賞が発生した場合に終了するが、当該上限個数は任意であり、さらに当該上限個数が設定されていなくてもよい。上限個数が設定されていない場合には、所定の分岐実行モードにおいて各入球部45a,45bに5個ずつ入球しない構成とする必要がある。例えば、開放時間として片方の入球部45a,45bに5個入球する時間よりも長いが、各入球部45a,45bに5個ずつ入球する時間よりも短い時間を設定する構成とする必要がある。
また、スルーゲート34,35への入賞が発生するとともにそれに対してサポート抽選が行われた場合には電役図柄表示部39にて抽選結果が明示されることとなるが、当該抽選結果が明示されるまで変動表示が継続される時間の設定態様が高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとで相違している。
具体的には、高頻度サポートモードでは高頻度用の電役図柄変動時間として単一の2.74secが設定されており、当該2.74secの間に亘って変動表示が継続された後に抽選結果の表示が固定の最終停止時間である0.6secに亘って維持される。そして、サポート当選である場合にはその最終停止時間が経過した後に入球シャッタ37eが開放状態となる。
一方、低頻度サポートモードでは低頻度用の電役図柄変動時間が複数種類設定されている。かかる複数種類の普図変動時間の情報は、ROM83において電役図柄変動時間テーブル(又はサポート用の表示継続期間情報群)として設定されている。そして、電役図柄表示部39の変動表示を開始する際に第2変動種別カウンタCS2から取得した数値情報に応じた電役図柄変動時間が電役図柄変動時間テーブルから読み出される。複数種類の低頻度用の電役図柄変動時間には、高頻度用の電役図柄変動時間よりも短い時間及び長い時間が含まれているが、それらの選択率を考慮した平均時間は高頻度用の電役図柄変動時間よりも長いものとなっている。
上記のように低頻度用の普図変動時間が複数種類設定されていることにより、低頻度サポートモードではスルーゲート34,35に遊技球が入賞してから振分入賞装置37が開放状態となるまでの時間が不規則なものとなる。そして、上記のとおり低頻度サポートモードではサポート当選となった際に振分入賞装置37への入賞が発生する確率が低く設定されており、かかる構成に対して電役図柄変動時間が不規則な構成を適用することで、低頻度サポートモードにおける振分入賞装置37への入賞を発生しづらいものとすることが可能となる。その一方、低頻度サポートモードにおける上記平均時間は高頻度用の電役図柄変動時間よりも長く設定されているため、低頻度サポートモードではサポート抽選が実行される頻度が高頻度サポートモードの場合よりも低くなる。
ちなみに、低頻度サポートモードにおいて振分入賞装置37への入賞を発生しづらくするための手法としては、上記構成に加えて又は代えて、電役図柄表示部39にてサポート当選に対応した結果を表示してから入球シャッタ37eが開放状態となるまでの時間を複数種類設定し、それら複数種類の時間から抽選により選択する構成としてもよい。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに入球シャッタ37eが開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えばサポート抽選においてサポート当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、高頻度サポートモードにおいても1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート34,35への入賞に基づき電役図柄表示部39にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、電役図柄表示部39における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
作動口33への入賞を契機として開閉実行モードに移行した場合には、開閉実行モードが終了した後のサポートモードは、それ以前のサポートモードの種類に関係なく高頻度サポートモードに設定される。また、振分入賞装置37における振分結果がV入賞となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく低頻度サポートモードに設定される。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置42における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置42を備え、開閉実行モードへの移行が発生する遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置42における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置42の表示画面42aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、リーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
次に、第1変動種別カウンタCS1について説明する。
第1変動種別カウンタCS1は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1は、特図表示部38における変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置42における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とをMPU82において決定する上で用いられる。第1変動種別カウンタCS1は、特図表示部38における変動表示の開始時及び図柄表示装置42による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
変動表示時間の決定に際しては、ROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
この変動表示時間テーブルは、低頻度サポートモードにおいて作動口33に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、高頻度サポートモードにおいて作動口33に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、で区別して記憶されている。そして、高頻度サポートモード中の変動表示時間は低頻度サポートモード中の変動表示時間よりも短く設定されている。具体的には、高頻度サポートモード中の変動表示時間は0.64secに設定されており、さらに変動表示後に大当たり抽選の結果が0.6secに亘って維持される。
また、低頻度サポートモードにおいて作動口33に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には保留情報の数が多いほど短い変動表示時間が選択される構成であるのに対して、高頻度サポートモードにおいて作動口33に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には保留情報の数に依存しない。
次に、電役乱数カウンタC4について説明する。
電役乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電役乱数カウンタC4は定期的に更新され、既に説明したとおり、スルーゲート34,35に入賞したタイミングで電役用の保留エリア106に格納される。既に説明したとおり、電役乱数カウンタC4の値を利用して入球シャッタ37eを開放状態に制御するか否かのサポート抽選が行われる。
次に、第2変動種別カウンタCS2について説明する。
第2変動種別カウンタCS2は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2は、電役図柄表示部39における変動表示時間(表示継続期間)をMPU82において決定する上で用いられる。第2変動種別カウンタCS2は、電役図柄表示部39における変動表示の開始時に取得される。
なお、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれでもなく、さらにサポートモードが低頻度サポートモードである場合が本パチンコ機10の通常遊技状態に相当する。また、各抽選用のカウンタがRWM84に設けられている構成に代えて、MPU82が乱数の更新に寄与しないように専用回路として設けられていてもよい。
<MPU82にて実行される各種処理について>
次に、MPU82にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図10のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRWM84のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU82の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置78に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RWM84の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RWM84の初期化として当該RWM84をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRWM84の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音光制御装置91に送信する。また、払出制御装置77のRWMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置77に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
続く、ステップS110では、振分用駆動開始処理を実行する。振分用駆動開処理では、振分用モータ53への駆動信号の送信を開始することで第1振分部材47の一定速度の回転動作を開始させ、振分入賞装置37における振分動作を実行可能とする。振分用モータ53への駆動信号はパチンコ機10の電源がオンの間送信され続け、パチンコ機10の電源がオフになることで送信が止まる。
その後、ステップS111〜ステップS114の残余処理に進む。つまり、MPU82はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS111〜ステップS114の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS111〜ステップS114の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS111にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS112では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS113にて第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RWM84の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS114にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS114の処理を実行したら、ステップS111に戻り、ステップS111〜ステップS114の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU82にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板81には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU82との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU82にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU82に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU82では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU82における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU82における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU82の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板85から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3及び電役乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3及び電役乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS112と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS113と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、第1V入賞口案内部47cの位置を確認するための案内部確認処理を実行する。
続くステップS206では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS207では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS208以降の処理を実行する。
ステップS208では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,37f,37g,46e,46fに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
また、振分入賞装置37の入球シャッタ37eを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には入球シャッタ用の駆動部37fへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、ガイド片37dをガイド状態に切り替えるべき情報が設定されている場合にはガイド用の駆動部37gへの駆動信号の出力を開始させ、非ガイド状態に切り替えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
また、振分入賞装置37の排出シャッタ46c,46dを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には排出シャッタ駆動部46e,46fへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS209では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS210では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ32e,33a,34a,35a,37h,37i,49a,50bから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、大入賞口32a、作動口33、スルーゲート35、への入球の有無を特定する処理を実行する。当該入賞検知処理において、振分入賞装置37の入球部45a,45bへの遊技球の入球を検知し、当該入球した遊技球がV入賞又は外れのどちらに振り分けられたかを検知する処理である振分入賞用処理が実行される。
続くステップS211では、RWM84に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS212では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS206にて遊技停止用の設定を行い、ステップS207にて肯定判定するようになる。
続くステップS213では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS214では、入力状態監視処理として、ステップS209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ32e,33a,34a,35a,37h,37i,49a,50bの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS215では、遊技回の実行制御、電動役物37cのサポート抽選、分岐実行モードの実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための図柄役物制御処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部38に係る保留情報の増減個数を特図保留表示部43に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、電役図柄表示部39に係る保留情報の増減個数を電役保留表示部41に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部38の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、電役図柄表示部39の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、遊技回、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置42の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板79への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS207にて肯定判定をした場合、又はステップS208〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。MPU82では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。MPU82では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<図柄役物制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図11)のステップS215にて実行される図柄役物制御処理について図12を参照しながら説明する。
図柄役物制御処理では、図12のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、電役側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、RWM84のスルーフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、スルーゲート34,35への入賞が発生しているか否かを判定する。スルーフラグは、スルーゲート34,35に入賞したことを示すフラグであり、タイマ割込み処理のステップS210にて実行される入賞検知処理にてスルーゲート34,35への入賞が検知された場合にセットされる。
スルーフラグに「1」がセットされている場合には、電役用の保留エリア106の保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定し、保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算し、電役乱数カウンタC4の数値情報を、電役用の保留エリア106の空き保留エリア106a〜106dのうち最初の保留エリア、すなわち上記にて1加算した保留数と対応する保留エリアに格納する。その後、スルーフラグをクリアする。
続くステップS302では、特図側の保留情報の取得処理を実行する。RWM84の特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、作動口33への入賞が発生しているか否かを判定する。特図入賞フラグは、作動口33が入賞したことを示すフラグであり、タイマ割込み処理のステップS210にて実行される入賞検知処理にて作動口33への入賞が検知された場合にセットされ、ステップS219にて実行される払出出力処理にて、特図入賞フラグに対応した払い出しが実行された後にクリアされる。
特図入賞フラグに「1」がセットされている場合には、特図用の保留エリア103の保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定し、保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算し、大当たり乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、特図用の保留エリア103の空き保留エリア103a〜103dのうち最初の保留エリア、すなわち上記にて1加算した保留数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS303では、図柄役物カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。図柄役物カウンタは、図柄役物制御処理における処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタである。具体的な値については、後で説明する。
ステップS303にて肯定判定した場合には、ステップS304にてV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。V入賞フラグは、V入賞検知センサ49aにて遊技球を検知した場合にセットされ、開閉実行モードが終了した場合に消去される。
ステップS304にて肯定判定した場合には、ステップS305にてRWM84に設けられた図柄役物カウンタに「3」をセットする。
ステップS305にて否定判定した場合には、ステップS306にて高頻度フラグがセットされているか又は特図側の保留数が0であるか否かを判定する。高頻度フラグは、RWM84に設けられており、高頻度サポートモードであることを示すフラグである。
ステップS306にて肯定判定をした場合には、ステップS307にて図柄役物カウンタに「7」をセットする。
ステップS303にて否定判定をした場合、ステップS305の実行後、ステップS306にて否定判定をした場合又はステップS307の実行後は、ステップS308にて、図柄役物カウンタの情報を読み出す処理を実行する。
続くステップS309にて、ROM83から図柄役物アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS310にて、図柄役物アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS308〜ステップS310の処理内容について説明する。
既に説明したとおり図柄役物制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに係る処理及び分岐実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理と、大入賞口32aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理と、大入賞口32aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理と、が設定されている。
また、分岐実行モードに係る処理として、電役図柄表示部39の変動を開始させるための処理である電役図柄変動開始処理と、電役図柄表示部39の変動を進行させるための処理である電役図柄変動中処理と、電役図柄表示部39の変動を終了させるための処理である電役図柄確定中処理と、入球シャッタ37eを開放状態とし、ガイド片37dをガイド状態とするための処理である電役開始処理と、入球シャッタ37eの開放状態及びガイド片37dのガイド状態を保持し、入球シャッタ37eの開放時間経過後に入球シャッタ37eを閉鎖状態とし、ガイド片37dを非ガイド状態とするための処理である電役開放中処理と、分岐実行モード終了時の振分動作を実行するための処理である電役終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、電役図柄カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、電役図柄アドレステーブルには、電役図柄カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
電役図柄カウンタは「0」〜「12」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」〜「SA12」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA7は、電役図柄変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA8は、電役図柄変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA9は、電役図柄確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA10は、電役開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA11は、電役開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA12は、電役終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
以下に、図柄役物カウンタ及び図柄役物アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理、特図変動中処理、特図確定中処理、特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理、特電終了処理、電役図柄変動開始処理、電役図柄変動中処理、電役図柄確定中処理、電役開始処理、電役開放中処理及び電役終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、続くステップS311では、ステップS310にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS312の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS313の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS314の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS315の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS316の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS317の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS318の特電終了処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA7である場合にはステップS319の電役図柄変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA8である場合にはステップS320の電役図柄変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA9である場合にはステップS321の電役図柄確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA10である場合にはステップS322の電役開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA11である場合にはステップS323の電役開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA12である場合にはステップS324の電役終了処理にジャンプする。ステップS312〜ステップS324の処理を実行した場合には、本図柄役物制御処理を終了する。
以下、ステップS312〜ステップS324の処理について個別に説明する。
ステップS312にて実行される特図変動開始処理では、特図側の保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理を実行する。特図側の保留情報が保留記憶されていない場合には、そのまま、本特図変動開始処理を終了する。
また、当否判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における第1変動種別カウンタCS1の数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音光制御装置91に送信するとともに、特図表示部38における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部38及び図柄表示装置42にて遊技回用の演出が開始される。その後、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「0」から「1」に更新する。
ステップS313にて実行される特図変動中処理では、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、確定コマンドを出力対象に設定する。確定コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に対して今回の遊技回用演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「1」から「2」に更新する。また、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過してなかった場合には、特図表示部38の表示内容の更新処理を実行し、図柄役物カウンタの値は更新せずに、本特図変動中処理を終了する。
ステップS314にて実行される特図確定中処理では、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、今回の遊技回の契機となった当否判定結果が大当たり結果であったか否かを判定する。当該当否判定結果が大当たり結果である場合には、オープニングコマンドを出力対象に設定する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新して本特図確定中処理を終了する。また、今回の遊技回の契機となった当否判定結果が外れ結果であった場合には、図柄役物カウンタを「0」クリアして、本特図確定中処理を終了する。
ステップS315にて実行される特電開始処理では、V入賞が発生しているか否かを判定する。V入賞が発生している場合には、オープニングコマンドを出力対象に設定するとともにオープニング時間を図柄役物タイマカウンタに設定する。V入賞が発生していない場合又は上記オープニング時間の設定後は、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、開放継続時間の情報を設定し、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。その後、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「3」から「4」に更新し、本特電開始処理を終了する。また、オープニング時間が経過していない場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS316にて実行される特電開放中処理では、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において否定判定した場合には、現状のラウンド遊技において上限個数(具体的には10個)の遊技球が大入賞口32aに入賞したか否かを判定する。当該入賞個数の判定において、否定判定をした場合又は大入賞口32aへの入賞を検知していない場合にはそのまま当該特電開放中処理を終了する。また、開放継続時間が経過した場合又は現状のラウンド遊技において上限個数が入賞した場合には、RWM84に設けられラウンド数を記憶するラウンドカウンタを1減算した後、閉鎖時間の情報を設定し、大入賞口32aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。その後、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「4」から「5」に更新し、本特電開放中処理を終了する。
ステップS317にて実行される特電閉鎖中処理では、今回の開閉実行モードにおける全てのラウンド遊技が終了したか否かを判定する。当該判定において、否定判定をした場合には、入賞カウンタにラウンド遊技における大入賞口32aへの入賞上限個数(具体的には10個)をセットし、開放時間の情報を設定し、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。
ラウンド遊技が終了していない場合には、大入賞口32aの閉鎖時間が経過しているか否かを判定する。当該判定にて肯定判定をした場合には、ラウンド遊技における入賞上限個数をセットし、大入賞口32aの開放時間の設定処理を実行する。その後、図柄役物カウンタを1減算することにより図柄役物カウンタの数値情報を「5」から「4」に更新し、本特電閉鎖中処理を終了する。大入賞口32aの閉鎖時間が経過していない場合には、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
ラウンド遊技が終了している場合には、エンディングコマンドを出力対象に設定する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「5」から「6」に更新し、本特電閉鎖中処理を終了する。
ステップS318にて実行される特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、RWM84のフラグを参照することで遊技状態を確認し、その確認した遊技状態に対応したサポートモードへの設定を行う。その後、図柄役物カウンタの数値情報を「0」クリアし、本特電終了処理を終了する。
ステップS319にて実行される電役図柄変動開始処理では、電役側の保留情報が保留記憶されていることを条件に、電役側の保留情報を利用して電動役物37cのサポート抽選を行うとともに、電役図柄表示部39における絵柄の変動表示を開始させる処理を実行し、電役用表示コマンドを出力対象に設定する。電役側の保留情報が保留記憶されていない場合には、図柄役物カウンタの数値情報を「0」クリアし、本電役図柄変動開始処理を終了する。
ここで、電役用表示コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91及び表示制御装置92に対して電役側の保留情報に基づく遊技中である旨の表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドであり、今回の遊技回についての電役図柄表示部39における変動表示時間及びサポート抽選結果の情報を含んでいる。
音光制御装置91は、電役用表示コマンドを受信したか否かを判定し、電役用表示コマンドを受信している場合には、当該電役用表示コマンドに対応した演出を実行する。当該演出の内容としては、特図側の保留情報についての遊技回用の演出とは異なり、図柄表示装置42での図柄の変動表示態様が含まれておらず、電役図柄表示部39における変動表示時間が経過するまではサポート抽選中である旨の表示が実行され、変動表示時間の経過後は今回のサポート抽選結果が当選結果であるか外れ結果であるかを示す表示が実行される。
電役用表示コマンドに含まれる変動表示時間及びサポート抽選結果の情報に基づいて決定された表示態様の情報は、音光制御装置91から表示制御装置92に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置92では、音光制御装置91から受信した表示内容コマンドに基づいた表示が行われるように図柄表示装置42を表示制御する。
また、音光制御装置91は、電役用の表示コマンドに基づく演出に対応したランプの発光と、音楽の再生と、がそれぞれ表示ランプ部63と、スピーカ部65と、を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置91のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って表示ランプ部63及びスピーカ部65において所定の演出を実行させる。表示ランプ部63におけるランプの発光タイミング及びスピーカ部65にて再生される音楽の種類は、特図側の保留情報についての遊技回において用いられるものとは異なるものが設定されている。これにより、遊技者は実行されている演出が特図側の保留情報についての演出か電役側の保留情報についての演出かを認識することができる。
上記の電役側の保留情報に基づく遊技中である旨の表示に対応した演出は、電役図柄変動開始処理にて開始され、以降のステップS320〜ステップS324においても実行される。ただし、V入賞が発生する可能性のある発射操作装置28の操作態様を報知するV入賞報知の実行中は当該V入賞報知の内容が図柄表示装置42に表示される。
また、上記演出は、サポート抽選結果を表示した後、図柄役物カウンタが「0」となったタイミングにて終了する。
電役用表示コマンドを出力対象に設定した後は、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「7」から「8」に更新し、本電役図柄変動開始処理を終了する。
ステップS320にて実行される電役図柄変動中処理では、変動表示時間が経過したか否かを判定し、変動表示時間が経過していなければ電役図柄表示部39における表示を更新させるための処理を実行し、本電役図柄変動中処理を終了する。変動表示時間が経過していれば、電役図柄表示部39にてサポート抽選結果に対応した図柄を表示し、最終停止時間を図柄役物タイマカウンタにセットする。最終停止時間を図柄役物タイマカウンタにセットした後は、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「8」から「9」に更新し、本電役図柄変動中処理を終了する。
ステップS321にて実行される電役図柄確定中処理では、最終停止時間が経過したか否かを判定し、最終停止時間が経過していなければ、本電役図柄確定中処理を終了する。最終停止時間が経過していれば、サポート抽選結果が入球シャッタ37eの開放に対応したものであるか否かを判定する。当該判定処理において否定判定をした場合には、図柄役物カウンタの数値情報を「0」クリアし、本電役図柄確定中処理を終了する。また、上記判定処理において肯定判定をした場合には、図柄役物カウンタの数値情報を「9」から「10」に更新し、本電役図柄確定中処理を終了する。
ステップS322にて実行される電役開始処理では、入球部45a,45bのうち所定個数の遊技球を入賞させることでV入賞が可能な入球部を報知するか否かの判定を実行する処理であるV入賞報知処理を実行する。V入賞報知処理にて報知に当選した場合には、V入賞報知用のコマンドを出力対象に設定する。出力対象に設定されたV入賞報知用のコマンドは、音光制御装置91に送信され、音光制御装置91から表示制御装置92に送信される。表示制御装置92は、当該コマンドの受信を契機として図柄表示装置42にて所定の入球部への入球を促す報知を実行する。
V入賞報知処理の実行後は、入球シャッタ37eを開放状態とし、ガイド片37dをガイド状態とするための処理を実行するとともに、入球シャッタ37eを開放状態とする開放継続時間を設定するための処理を実行する。開放継続時間の設定後は、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「10」から「11」に更新し、本電役開始処理を終了する。
ステップS323にて実行される電役開放中処理では、入球シャッタ37eの開放状態及びガイド片37dのガイド状態を維持し、入球シャッタ37eの開放時間の経過後又は入球部45a,45bのいずれかに5個の遊技球が入球した場合に、入球シャッタ37eを閉鎖状態とし、ガイド片37dを非ガイド状態とするための処理を実行する。その後、図柄役物カウンタを1加算することにより、図柄役物カウンタの数値情報を「11」から「12」に更新し、本電役開放中処理を終了する。入球シャッタ37eの開放時間の経過前又は入球部45a,45bのいずれかに5個の遊技球が入球していない場合には、そのまま本電役開放処理を終了する。
ステップS324にて実行される電役終了処理では、排出シャッタ46c,46dを開放状態とすることで、振分ユニット51aにおける振分動作を実行するための処理を実行する。当該振分動作にて、今回の分岐実行モードにて振分入賞装置37に入球した遊技球が全て排出されたかを判定し、当該判定処理にて肯定判定をした場合に、図柄役物カウンタの数値情報を「0」クリアし、本電役終了処理を終了する。上記判定処理にて否定判定をした場合、そのまま本電役終了処理を終了する。
ステップS312〜ステップS324のいずれかの処理を実行した場合には、本図柄役物制御処理を終了する。
<特電開始処理>
次にステップS315の特電開始処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS401にてV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS401にて肯定判定した場合には、ステップS402に進む。
ステップS402では、オープニングコマンドを出力対象に設定し、続くステップS403にてROM83に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を図柄タイマカウンタにセットする。図柄役物タイマカウンタは、時間の経過に応じた図柄役物カウンタの更新タイミングをMPU82にて特定するために利用されるカウンタである。
ステップS401にて否定判定をした場合又はステップS403の実行後は、ステップS404にて、オープニング時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RWN84に設けられた図柄役物タイマカウンタの値が「0」であるか否かを確認することで、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS404にて否定判定をした場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS404にて肯定判定をした場合には、ステップS405にて、RWM84に設けられたラウンドカウンタに「15」をセットするとともに、ステップS406にて、RWM84に設けられた入賞カウンタに「10」をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数をMPU82にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタは、一のラウンド遊技において上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。
続くステップS407では、特電用の開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、ROM83から開放継続時間の情報を読み出す。そして、その読み出した開放継続時間の情報を、ステップS408にて、図柄役物タイマカウンタにセットする。
続くステップS409では、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。当該開放設定処理では、MPU82における大入賞口32aに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS208のポート出力処理にて、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべく可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力が開始される。
続くステップS410では、図柄役物カウンタを1加算する。この場合、特電開始処理が実行される場合における図柄役物カウンタの数値情報は「3」であるため、ステップS808の処理が実行された場合には図柄役物カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電開始処理を終了する。
<特電終了処理>
次にステップS318の特電終了処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS501では、RWM84に設けられた図柄役物タイマカウンタの値が「0」であるか否かを確認することで、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了し、エンディング時間が経過している場合にはステップS502に進む。
ステップS502では、RWM84の低頻度移行フラグがセットされているか否かを判定する。低頻度移行フラグは、V入賞フラグがセットされた場合にセットされるフラグであり、分岐実行モードにおいてV入賞した場合には、V入賞を契機とした開閉実行モード後のサポートモードを低頻度サポートモードへ移行させることを示すフラグである。
ステップS502にて否定判定をした場合には、ステップS503にて、RWM84の高頻度フラグに「1」をセットする。なお、既に高頻度フラグに「1」がセットされている場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる。
ステップS502にて肯定判定をした場合には、ステップS504にて、RWM84の高頻度フラグをクリアする。なお、既に高頻度フラグが「0」である場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが低頻度サポートモードとなる。
ステップS503又はステップS504の処理を実行した後は、ステップS505にて、V入賞フラグ及び低頻度移行フラグをクリアするとともに、続くステップS506にて、図柄役物カウンタの数値情報を「0」クリアした後、本特電終了処理を終了する。
作動口33の入賞を契機として開始された開閉実行モードが終了した場合には、サポートモードが高頻度サポートモードとなり、振分入賞装置37に入賞し易くなる。その後、V入賞を契機として開始された開閉実行モードが終了した場合には、サポートモードが低頻度サポートモードとなることで、振分入賞装置37に入賞しづらくなるため、遊技者は作動口33に入賞させて開閉実行モードへの移行を期待しつつ遊技を継続することとなる。これにより、遊技の進行状況に応じて発射操作の態様を相違させるという遊技が追加されるとともに、特定の順序に従って発射操作を切り換えることで有利となるという遊技が追加されるため、遊技が多様化することとなり、遊技の注目度を高めることが可能となる。
<電役図柄変動開始処理>
次にステップS319の電役図柄変動開始処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS601では、電役用の保留エリア106の第1エリア106a〜第4エリア106dに保留情報が記憶されているか否かを判定する。保留情報が記憶されている場合には、ステップS602に進みデータ設定処理を実行する。
ステップS602のデータ設定処理では、電役側の保留情報の合計数を1減算し、第1エリア106aに格納された保留情報を電役用の実行エリア107に移動する。その後、第1エリア106aの保留エリアをシフトさせる。具体的には、第1エリア106aの保留情報をクリアするとともに、第2エリア106b→第1エリア106a、第3エリア106c→第2エリア106b、第4エリア106d→第3エリア106cといった具合に各エリア内の保留情報をシフトする。
続くステップS603では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ROM83に設けられた当否テーブルを読み出し、電役用の実行エリア107に格納された保留情報、すなわち電役乱数カウンタC4に係る数値情報がいずれの当否結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、サポート当選及び外れのいずれに該当しているのかを判定する。また、当否テーブルは、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードで共通のテーブルを使用している。
続くステップS604では、電役図柄変動時間及び停止結果の把握処理を実行する。
電役図柄変動時間の把握に際しては、高頻度サポートモードにおいては、既に述べたように2.74secが設定される。また、低頻度サポートモードにおいては、第2変動種別カウンタCS2の現状の数値情報を読み出すとともに、その数値情報に対応した電役図柄変動時間の数値情報を対応する変動表示時間テーブルから読み出す。
また、停止結果の把握に際しては、電役図柄表示部39に表示させるためのサポート抽選結果に対応した停止結果の情報をROM83から読み出す。
続くステップS605では、ステップS604にて読み出した電役図柄変動時間の数値情報を図柄役物タイマカウンタにセットするとともに、続くステップS606にて電役図柄表示部39において変動表示を開始させる。ステップS320にて実行される電役図柄変動中処理では、ステップS605にて図柄電役タイマカウンタに設定した電役図柄変動時間が経過するまで電役図柄表示部39の変動表示を実行する。
続くステップS607では、電役用表示コマンドを出力対象に設定するとともに、続くステップS608では、図柄役物カウンタを1加算して、図柄役物カウンタの数値情報を「7」から「8」に更新する。
ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS609にて図柄役物カウンタの数値情報を「0」クリアする。
ステップS608又はステップS609の実行後は、本電役図柄変動開始処理を終了する。
<電役図柄確定中処理>
次に、ステップS321の電役図柄確定中処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS701にて、図柄役物タイマカウンタにセットされた最終停止時間が経過したか否かを判定する。最終停止時間は、ステップS320にて実行される電役図柄変動中処理において、電役図柄変動時間の経過後に図柄役物タイマカウンタに設定される時間であって電役図柄表示部39の停止結果を表示するための時間である。
最終停止時間が経過していない場合には、そのまま本電役図柄確定中処理を終了し、最終停止時間が経過している場合には、ステップS702にて、今回の変動表示の契機となったサポート用の当否判定の結果がサポート当選であるか否かを判定する。
サポート当選である場合には、ステップS703にて、図柄役物カウンタの数値情報を1加算し、図柄役物カウンタの数値情報を「9」から「10」に更新する。サポート当選ではない場合には、ステップS704にて、図柄役物カウンタの数値情報を「0」クリアする。ステップS703又はステップS704の実行後は、本電役図柄確定中処理を終了する。
<電役開始処理>
次に、ステップS322の電役開始処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801では、RWM84に設けられたV入賞報知判定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。V入賞報知判定フラグはV入賞報知処理を実行した後の処理にてセットされる。
ステップS801にて否定判定をした場合には、ステップS802にてV入賞報知処理を実行する。V入賞報知処理では、第1V入賞口案内部47cの現在位置を確認した後、V入賞し易い入球部45a,45bを遊技者に報知するか否かを判定し、報知する場合には当該報知に対応したコマンドを音光制御装置91に送信する。続くステップS803では、V入賞報知判定フラグをセットする。
ここで、ステップS802にて実行されるV入賞報知処理を説明する。
V入賞報知処理では、タイマ割込み処理のステップS205にて実行される案内部確認処理にて確認した第1V入賞口案内部47cの位置に対応した報知態様にて報知を実行する。そこで、V入賞報知処理の説明に先立って、案内部確認処理について図18を参照しながら説明する。
案内部確認処理では、先ずステップS901にてRWM84に設けられた案内部検知カウンタを1加算する。案内部検知カウンタは、第1V入賞口案内部47cが初期位置に対してどの位置にあるかを示すカウンタである。また、案内部検知カウンタは、0〜2499の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。
ここで、初期位置とは第1V入賞口案内部47cの半分がP2の位置となっており、もう半分が排出部46aと対向する位置となっている位置である。この場合、排出部46aから排出される遊技球は、2つの球案内部47aの間にある仕切り部分と対向するため、当該仕切り部分によって当該2つの球案内部47aのどちらへの入球も妨げられる。その後、第1振分部材47の回転動作により、排出部46aが第1V入賞口案内部47cと完全に対向した位置となるまでの間に排出部46aから遊技球が排出され、第1V入賞口案内部47cに入球することとなる。
初期位置を上記の位置にすることで、初期位置に第1V入賞口案内部47cがある場合に、排出シャッタ46cが開放してから所定の期間後(具体的には、0.5sec後)に遊技球は第1V入賞口案内部47cへ入球可能となる。
当該所定の期間は、排出シャッタ46cの開放タイミングと左側内部通路44a内の遊技球が排出部46aから排出されて球案内部47aに入球するタイミングとの間にタイムラグが発生するため、当該タイムラグを考慮して設定されている。具体的には、案内部検知カウンタの値が「0」であるタイミングで排出シャッタ46cが開放した場合に、0.5秒後に第1V入賞口案内部47cが完全に排出シャッタ46cと対向するように、上記所定の期間が設定されている。このようにタイムラグを考慮して初期位置を設定することにより、第1V入賞口案内部47cが初期位置であれば、排出シャッタ46cの開放後、確実に第1V入賞口案内部47cに遊技球が入球可能となる位置に初期位置が設定されている。
続くステップS902では、V入賞口案内部検知センサ52が第1V入賞口案内部47cを検知しているか否かを判定する。具体的には、V入賞口案内部検知センサ52の受光部52bが発光部52aからの光の検知時に対応した信号を出力しているか否かを判定する。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にて、RWM84に設けられた案内部検知フラグをセットする。案内部検知フラグは、第1V入賞口案内部47cの初期位置を決定する際に用いられるフラグである。案内部検知フラグは、主制御装置71にて受光部52bから光の検知時に対応した信号を受信している間、セットされ続け、案内部検知フラグがセットされた状態にて受光部52bから光の非検知時に対応した信号を受信することで、クリアされる。
ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS904にて案内部検知フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS904にて肯定判定をした場合には、ステップS905にて案内部検知カウンタをクリアし、続くステップS906にて案内部検知フラグをクリアした後、本案内部確認処理を終了する。
案内部検知フラグがセット状態からクリア状態となるタイミングと略同一のタイミングにて案内部検知カウンタがクリアされることで、受光部52bの出力が光の検知時に対応した信号から非検知時に対応した信号に切り替わるタイミングの第1V入賞口案内部47cの位置を初期位置として設定することが可能となる。
ステップS903の実行後、ステップS904にて否定判定をした場合又はステップS906の実行後は、本案内部確認処理を終了する。
ここで、第1振分部材47は一定の速度で回転しており、具体的には10秒間に1回転する速度となっている。第1V入賞口案内部47cの位置が一定の速度で変動している場合において、V入賞口案内部検知センサ52によって第1V入賞口案内部47cの初期位置を把握し、案内部検知カウンタの値を4msecごとに1加算していくことで、第1V入賞口案内部47cの現在位置を確認することが可能となる。
上記案内部確認処理にて確認した第1V入賞口案内部47cの位置の情報に基づいて実行されるV入賞報知処理について図19を参照しながら説明する。図19(a)は、V入賞報知処理を示すフローチャート、図19(b)は、案内部検知カウンタの値と第1V入賞口案内部47cとの対応関係を説明する説明図である。
V入賞報知処理では、図19(a)に示すように、先ずステップS1001にて、案内部検知カウンタの値を確認することで、現在の第1V入賞口案内部47cの振分入賞装置37における位置を確認し、当該確認処理にて確認した案内部検知カウンタの値をRWM84の所定の領域に一時的に記憶する。
続くステップS1002にて、現状のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にて排出時位置算出処理を実行する。
当該排出時位置算出処理を実行することにより、今回の分岐実行モードにおいて排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングでの第1V入賞口案内部47cの位置を算出する。
具体的には、先ず、ROM83の所定の領域に格納されている高頻度用の固定値を読み出す。ここで高頻度用の固定値として、高頻度サポートモード時に実行される分岐実行モードにおける入球シャッタ37eの開放継続時間(例えば、10sec)と、ガイド片37dがガイド状態から非ガイド状態となるのに要する時間(例えば、0.5sec)と、ガイド片37dが非ガイド状態からガイド状態となるのに要する時間(例えば、0.5sec)と、入球シャッタ37eが閉鎖状態から開放状態となるのに要する時間(例えば、0.5sec)と、入球シャッタ37eが開放状態から閉鎖状態となるのに要する時間(例えば、0.5sec)と、入球シャッタ37eの開放前に実行されるV入賞報知に要する時間(例えば、3sec)と、排出シャッタ46c,46dが閉鎖状態から開放状態となるのに要する時間(例えば、0.5sec)と、の和に相当するカウンタ値がROM83に記憶されている。当該カウンタ値の「1」は、「4msec」に相当するものとして記憶されている。これは、案内部検知カウンタの値が4msecごとに1加算されることに対応して設定されている。
次に、ステップS1001にて記憶した案内部検知カウンタの値と高頻度用の固定値を足すことで中間結果を算出し、当該中間結果を「2500」で割った余りを算出結果としてRWM84の所定の領域に記憶する。当該高頻度用の算出処理は、RWM84に設けられた演算用の領域にて実行される。ここで、中間結果を「2500」で割った余りを算出結果とするのは、案内部検知カウンタが「0〜2499」の数値範囲に設定されており、カウンタ値が「2500」となった場合には、「0」に戻るため、その動作に対応させたカウンタ値を算出するためである。
上記のように高頻度用の固定値として、「1」が「4msec」に相当するように時間を換算した値が設定されていることにより、案内部検知カウンタに高頻度用の固定値をそのまま足すことで、今回の分岐実行モードが高頻度サポートモードである場合に、排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングでの第1V入賞口案内部47cの位置をV入賞報知の実行前に算出することが可能となる。
続くステップS1004では、ステップS1003にて算出した結果が案内部検知カウンタの「1499〜2249」に対応した値であるか否かを判定する。つまり、今回の分岐実行モードにおいて排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングにて左側内部通路44aに遊技球が5個入球している場合に、第1V入賞口案内部47cが排出部46aからの入球に対応した位置にあるか否かを判定する。
ここで、当該判定における基準値の終値を「2249」としたのは、ステップS1003にて算出した結果、排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングでの第1V入賞口案内部47cの位置を5個の遊技球が左側内部通路44aに入球していた場合に確実にV入賞する位置に設定するためである。
例えば、算出結果が「0」の場合に排出シャッタ46c,46dを開放したとすると、図19(b)に示すように、第1V入賞口案内部47cはその半分が排出部46aと対向しているが、もう半分は回転方向にて遅れた位置となっている。また、回転方向にて第1V入賞口案内部47cよりも1個分遅れた位置にある外れ口案内部47bには、遊技球は入球不可となっている。
ここで、排出シャッタ46c,46dが開放してから第1V入賞口案内部47cに遊技球が入球するまでの間に既に説明したようなタイムラグが発生する。当該タイムラグが0.5secであった場合には、遊技球は第1V入賞口案内部47cへ入球可能な位置となるが、1secとなった場合には、遊技球は第1V入賞口案内部47cの隣に配置される外れ口案内部47bへと入球する可能性がある。
このようなタイムラグによってV入賞が発生しないことがないように、案内部検知カウンタの値が「0」となる位置よりも回転方向にて1個分遅れた位置の球案内部47aの位置を示す案内部検知カウンタの値である「2249」を終値とすることにした。
また、ステップS1004の判定処理における基準値の始値を「1499」としたのは、「1499」に対応した位置に第1V入賞口案内部47cがあれば、排出シャッタ46c,46dを開放したタイミングにおいて、排出部46aに対向する位置(案内部検知カウンタの値が「0」である場合の第1V入賞口案内部47cの位置)にある外れ口案内部47bに遊技球が入球した場合及び入球しなかった場合のどちらにおいても、5個の遊技球が左側内部通路44aに入球されていれば確実にV入賞となるからである。始値を「1249」とした場合、1個目の遊技球が排出部46aに対向する位置にある外れ口案内部47bに入球するとV入賞しなくなってしまう。
図19(a)に示すように、ステップS1004にて肯定判定をした場合には、ステップS1005にて左側用報知コマンドを出力対象に設定する。出力対象に設定された左側用報知コマンドはS208のポート出力処理にて音光制御装置91へ送信される。
音光制御装置91では、左側用報知コマンドを受信した場合には、当該左側用報知コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、左側報知に対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置91のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って左側報知の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部65にて行わせる。
ステップS1004にて否定判定をした場合には、ステップS1006にて、ステップS1003にて算出した結果が案内部検知カウンタの「249〜999」に対応した値であるか否かを判定する。つまり、今回の分岐実行モードにおいて排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングにて右側内部通路44bに遊技球が5個入球している場合に、第1V入賞口案内部47cが排出部46bからの入球に対応した位置にあるか否かを判定する。
ステップS1006の判定処理における基準値の始値及び終値の設定理由は、ステップS1004と同様の理由である。
まず、当該判定における基準値の終値を「999」としたのは、ステップS1003にて算出した結果、排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングでの第1V入賞口案内部47cの位置を5個の遊技球が右側内部通路44bに入球していた場合に確実にV入賞する位置に設定するためである。
排出シャッタ46c,46dが開放してから第1V入賞口案内部47cに遊技球が入球するまでの間に発生するタイムラグによってV入賞が発生しないことがないように、案内部検知カウンタの値が「1249」となる位置よりも回転方向にて1個分遅れた位置の球案内部47aの位置を示す案内部検知カウンタの値である「999」を終値とすることにした。
また、ステップS1006の判定処理における基準値の始値を「249」としたのは、「249」に対応した位置に第1V入賞口案内部47cがあれば、排出シャッタ46c,46dを開放したタイミングにおいて、排出部46aに対向する位置(案内部検知カウンタの値が「1249」である場合の第1V入賞口案内部47cの位置)にある外れ口案内部47bに遊技球が入球した場合及び入球しなかった場合のどちらにおいても、5個の遊技球が左側内部通路44aに入球されていれば確実にV入賞となるからである。始値を「0」とした場合、1個目の遊技球が排出部46aに対向する位置にある外れ口案内部47bに入球するとV入賞しなくなってしまう。
図19(a)に示すように、ステップS1006にて肯定判定をした場合には、ステップS1007にて、右側用報知コマンドを出力対象に設定する。出力対象に設定された右側用報知コマンドはS208のポート出力処理にて音光制御装置91へ送信される。音光制御装置91では、右側用報知コマンドを受信した場合には、当該右側用報知コマンドに対応した演出を表示ランプ部63及びスピーカ部65にて行わせる。
ステップS1002にて否定判定をした場合、ステップS1005の実行後、ステップS1006にて否定判定をした場合又はステップS1007の実行後は、ステップS1008にて開放前カウンタに「750」をセットする。開放前カウンタに「750」をセットすることでV入賞報知が開始してから入球シャッタ37eの開放前に3secの期間が設けられることとなるため、遊技者にV入賞報知の内容を認識させた状態で、入球シャッタ37eの開放動作を実行することが可能となる。ステップS1008の実行後、本V入賞報知処理を終了する。
左側用報知コマンド及び右側用報知コマンドのいずれも出力対象に設定しない場合であっても、ステップS1008にて開放前カウンタに「750」をセットする構成としたことで、報知コマンドの設定処理についての処理負荷の増大を防止することが可能となる。
電役開始処理(図17)の説明に戻り、ステップS801にて肯定判定をした場合又はステップS803の実行後は、ステップS804にて、RWM84に設けられた開放前カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。開放前カウンタは、ステップS802のV入賞報知処理にてV入賞し易い入球部45a,45bを報知するV入賞報知を実行する場合にセットされるカウンタである。当該カウンタにセットされた時間内に上記報知を実行することで、遊技者は入球シャッタ37eの開放前にV入賞し易い入球部45a,45bを認識することが可能となる。
ステップS804にて否定判定をした場合には、ステップS819にて開放前カウンタを1減算し、その後本電役開始処理を終了する。ステップS804にて肯定判定をした場合には、ステップS805にてRWM84に設けられたシャッタ開放フラグがセットされているか否かを判定する。シャッタ開放フラグは、入球シャッタ用の駆動部37gへ入球シャッタ37eの開放動作に対応した駆動信号を送信するための処理を実行した場合にセットされるフラグである。
ステップS805にて否定判定した場合には、ステップS806にてシャッタ開放用駆動処理を実行する。当該シャッタ開放用駆動処理では、入球シャッタ37eの開放用駆動処理を実行する。当該開放用駆動処理では、MPU82における入球シャッタ37eに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理におけるステップS208のポート出力処理にて、入球シャッタ37eを開放状態に切り換えるべく、入球シャッタ用の駆動部37gへの駆動信号が出力される。
続くステップS807では、シャッタ開放フラグをセットするとともに、続くステップS808では、ROM83に記憶されたシャッタ開放用駆動時間(例えば0.5sec)をシャッタタイマカウンタへ設定する。シャッタタイマカウンタは、入球シャッタ37eの開放動作に要する時間を設定するためのカウンタである。
ステップS805にて肯定判定をした場合には、ステップS809にてシャッタ開放用の時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、RWM84に設けられたシャッタタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS809にて肯定判定した場合には、ステップS810にてRWM84に設けられたガイドフラグがセットされているか否かを判定する。ガイドフラグは、ガイド用の駆動部37fへガイド片37dのガイド動作に対応した駆動信号を送信するための処理を実行した場合にセットされるフラグである。
ステップS810にて否定判定した場合には、ステップS811にてガイド用駆動処理を実行する。当該ガイド用駆動処理では、MPU82におけるガイド片37dに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理におけるステップS208のポート出力処理にて、ガイド片37dをガイド状態に切り換えるべく、ガイド用の駆動部37fへの駆動信号が出力される。
続くステップS812では、ガイドフラグをセットするとともに、続くステップS813では、ROM83に記憶されたガイド用駆動時間(例えば0.5sec)をガイドタイマカウンタへ設定する。
ステップS810にて肯定判定をした場合には、ステップS814にてガイド用の時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、RWM84に設けられたガイドタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ガイドタイマカウンタは、ガイド片37dのガイド動作に要する時間を設定するためのカウンタである。
ステップS814にて肯定判定をした場合には、ステップS815にてV入賞報知判定フラグ、シャッタ開放フラグ及びガイドフラグをクリアする。
続くステップS816にて、今回の分岐実行モードにおける入球シャッタ37eの開放継続時間の数値情報を図柄役物タイマカウンタへ設定する処理を実行する。ここで、開放継続時間の数値情報として、高頻度用の開放継続時間(具体的には10sec)と、低頻度用の開放継続時間(具体的には0.1sec)と、が設けられており、高頻度サポートモードである場合には、高頻度用の開放継続時間を図柄役物タイマカウンタに設定し、低頻度サポートモードである場合には、低頻度用の開放継続時間を図柄役物タイマカウンタに設定する。
続くステップS817では、RWM84に設けられた左側入賞カウンタ及び右側入賞カウンタを「0」クリアする。左側入賞カウンタ及び右側入賞カウンタは、タイマ割込み処理のステップS210にて実行される入賞検知処理において検知センサ37h,37iが遊技球を検知している場合に、後述する電役開放中処理にて1加算されるカウンタであり、左側入賞カウンタが左側検知センサ37hの入賞に対応しており、右側入賞カウンタが右側検知センサ37iの入賞に対応している。
続くステップS818にて図柄役物カウンタを1加算し、図柄役物カウンタの数値情報を「10」から「11」に更新する。
ステップS808の実行後、ステップS809にて否定判定をした場合、ステップS813の実行後、ステップS814にて否定判定をした場合、ステップS818の実行後は、本電役開始処理を終了する。
<電役開放中処理>
次に、ステップS323の電役開放中処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1101にて、RWM84に設けられた入賞終了フラグがセットされているか否かを判定する。入賞終了フラグは、分岐実行モードにおいて入球シャッタ37eの開放時間が経過した場合又はいずれかの入球部45a,45bに5個の遊技球が入球した場合にセットされるフラグである。
ステップS1101にて否定判定した場合には、続くステップS1102にて開放継続時間が経過したか否かを判定する。具体的には、図柄役物タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1103にてRWM84に設けられた右側入賞フラグがセットされているか否かを判定する。右側入賞フラグは、タイマ割込み処理のステップS210にて実行される入賞検知処理において右側検知センサ37iが遊技球を検知している場合に、セットされるフラグである。
ステップS1103にて肯定判定をした場合には、ステップS1104にて右側入賞カウンタを1加算するとともに、ステップS1105にて右側入賞フラグをクリアする。
続くステップS1106では、右側入賞カウンタの値が5であるか否かを判定する。ステップS1103又はステップS1106にて否定判定をした場合には、ステップS1107にて左側入賞フラグがセットされているか否かを判定する。左側入賞フラグは、タイマ割込み処理のステップS1110にて実行される入賞検知処理において左側検知センサ37hが遊技球を検知している場合に、セットされるフラグである。
ステップS1107にて肯定判定をした場合には、ステップS1108にて左側入賞カウンタを1加算するとともに、ステップS1109にて左側入賞フラグをクリアし、続くステップS1110では、左側入賞カウンタの値が5であるか否かを判定する。
ステップS1102、ステップS1106又はステップS1110にて肯定判定をした場合には、ステップS1111にて入賞終了フラグをセットする。入賞終了フラグがセットされている場合には、タイマ割込み処理のステップS211にて図柄役物タイマカウンタの更新処理が実行されない。当該入賞終了フラグは入球シャッタ37eの閉鎖後にクリアされる。
図柄役物タイマカウンタが更新されないことにより、ステップS1111移行のステップにおいてシャッタタイマカウンタ又はガイドタイマカウンタの更新と図柄役物タイマカウンタの更新とが重複して実行されることを防止できる。図柄役物タイマカウンタ、シャッタタイマカウンタ及びガイドタイマカウンタの値が別々に更新されることで、高頻度用の固定値に対応した時間よりも実際に入球シャッタ37eが開放状態となってから排出シャッタ46c,46dが開放するまでの時間が短くなってしまうことを防止可能となる。
ステップS1101にて肯定判定をした場合又はステップS1111の実行後は、ステップS1112にてRWM84に設けられた非ガイドフラグがセットされているか否かを判定する。非ガイドフラグは、ガイド用の駆動部37fへガイド片37dの非ガイド動作に対応した駆動信号を送信するための処理を実行した場合にセットされるフラグである。
ステップS1112にて否定判定した場合には、ステップS1113にて非ガイド用駆動処理を実行する。当該非ガイド用駆動処理では、MPU82におけるガイド片37dに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理におけるステップS208のポート出力処理にて、ガイド片37dを非ガイド状態に切り換えるべく、ガイド用の駆動部37fへの駆動信号が出力される。
続くステップS1114では、非ガイドフラグがセットされるとともに、続くステップS1115では、ROMに記憶された非ガイド用駆動時間(例えば0.5sec)をガイドタイマカウンタへ設定する。
ステップS1112にて肯定判定をした場合には、ステップS1116にて非ガイド用の時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、RWM84に設けられたガイドタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1116にて肯定判定した場合には、ステップS1117にてRWM84に設けられたシャッタ閉鎖フラグがセットされているか否かを判定する。シャッタ閉鎖フラグは、入球シャッタ用の駆動部37gへ入球シャッタ37eの閉鎖動作に対応した駆動信号を送信するための処理を実行した場合にセットされるフラグである。
ステップS1117にて否定判定した場合には、ステップS1118にてシャッタ閉鎖用駆動処理を実行する。当該シャッタ閉鎖用駆動処理では、入球シャッタ37eの閉鎖用駆動処理を実行する。当該閉鎖用駆動処理では、MPU82における入球シャッタ37eに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理におけるステップS208のポート出力処理にて、入球シャッタ37eを閉鎖状態に切り換えるべく、入球シャッタ用の駆動部37gへの駆動信号が出力される。
続くステップS1119では、シャッタ閉鎖フラグがセットされるとともに、続くステップS1120では、ROM83に記憶されたシャッタ閉鎖用駆動時間(例えば0.5sec)をシャッタタイマカウンタへ設定する。
ステップS1117にて肯定判定をした場合には、ステップS1121にてシャッタ閉鎖用の時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、RWM84に設けられたシャッタタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1121にて肯定判定をした場合には、ステップS1122にてシャッタ閉鎖フラグ、非ガイドフラグ及び入賞終了フラグをクリアする。続くステップS1123にて図柄役物カウンタを1加算し、図柄役物カウンタの数値情報を「11」から「12」に更新する。
ステップS1107にて否定判定をした場合、ステップS1110にて否定判定をした場合、ステップS1115の実行後、ステップS1116にて否定判定をした場合、ステップS1120の実行後、ステップS1121にて否定判定をした場合、ステップS1123の実行後は、本電役開放中処理を終了する。
<電役終了処理>
次に、ステップS324の電役終了処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1201にて、RWM84に設けられた排出シャッタ開放中フラグがセットされているか否かを判定する。排出シャッタ開放中フラグは、排出シャッタ46c,46dが開放状態であるか否かを示すフラグであり、セットされている状態では、開放状態となっている。
ステップS1201にて否定判定をした場合には、続くステップS1202にて入球シャッタ37eの開放継続時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、図柄役物タイマカウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。
ステップS1202にて否定判定をした場合には、そのまま本電役終了処理を終了する。ステップS1202にて肯定判定をした場合には、続くステップS1203にて排出シャッタ開放処理を実行し、排出シャッタ46c,46dを開放状態とする。当該開放処理では、MPU82における排出シャッタ46c,46dに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理におけるステップS208のポート出力処理にて、排出シャッタ46c,46dを開放状態に切り換えるべく、排出シャッタ駆動部46e,46fへの駆動信号が出力される。
続くステップS1204では、排出シャッタ開放中フラグをセットし、その後本電役終了処理を終了する。
ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1205にてRWM84に設けられた振分中フラグがセットされているか否かを判定する。振分中フラグが「1」である場合は、振分ユニット51aにて振分動作の実行中である。
ステップS1205にて否定判定をした場合には、ステップS1206にて右側入賞カウンタ及び左側入賞カウンタの合計をRWM84に設けられた入賞カウンタに記憶させる。この処理によって、振分入賞装置37に入球した全ての遊技球数を把握することができる。
続くステップS1207では、振分中フラグをセットするとともに本電役終了処理を終了する。
ステップS1205にて肯定判定をした場合には、ステップS1208にて入賞カウンタと排出カウンタの値が一致するか否かを判定する。排出カウンタはタイマ割込み処理の入賞検知処理において、RWM84に設けられ、V入賞検知センサ49a又は外れ用検知センサ50bにて遊技球を検知した場合に1加算されるカウンタである。
ステップS1208にて肯定判定をした場合には、ステップS1209にて排出シャッタ閉鎖処理を実行し、排出シャッタ46c,46dを閉鎖状態とする。当該閉鎖処理では、MPU82における排出シャッタ46c,46dに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理におけるステップS208のポート出力処理にて、排出シャッタ46c,46dを閉鎖状態に切り換えるべく、排出シャッタ駆動部46e,46fへの駆動信号が出力される。
続くステップS1210では、振分中フラグをクリアするとともに、続くステップS1211にて排出カウンタをクリアし、続くステップS1212にて排出シャッタ開放中フラグをクリアし、続くステップS1214にて図柄役物カウンタを「0」クリアする。
ステップS1208にて否定判定をした場合、ステップS1212の実行後は、本電役終了処理を終了する。
<振分入賞用処理>
タイマ割込み処理におけるステップS210の入賞検知処理にて実行される振分入賞用処理について図22を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1301にて左側入球部45aへの入賞が発生しているか否かを判定する。具体的には、左側検知センサ37hにて遊技球を検知しているか否かを判定する。ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1302にて左側入賞フラグをセットする。
ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1303にて右側入球部45bへの入賞が発生しているか否かを判定する。具体的には、右側検知センサ37iにて遊技球を検知しているか否かを判定する。ステップS1303にて肯定判定をした場合には、ステップS1304にて右側入賞フラグをセットする。
ステップS1302の実行後、ステップS1303にて否定判定をした場合又はステップS1304の実行後は、ステップS1305にてV入賞口案内部検知センサ52にて入賞が発生しているか否かを判定する。
ステップS1305にて肯定判定をした場合には、ステップS1306にてRWM84に設けられたV入賞フラグをセットするとともに、続くステップS1307では、RWM84に設けられた低頻度移行フラグをセットする。
続くステップS1308では、排出カウンタを1加算する。排出カウンタは、一回の電動役物37cの開放によって振分入賞装置37に入球した遊技球のうち、何個の遊技球が排出されたかを記憶するカウンタである。当該排出カウンタは、外れ用検知センサ50bが入賞を検知した場合にも1加算される。
ステップS1305にて否定判定をした場合又はステップS1308の実行後は、ステップS1309にて外れ用検知センサ50bにて入賞が発生しているか否かを判定する。ステップS1309にて肯定判定をした場合には、ステップS1310にて排出カウンタを1加算する。ステップS1310にて否定判定をした場合には、本振分入賞用処理を終了する。
<報知抽選処理>
音光制御装置91にて受信された左側用報知コマンド及び右側用報知コマンドは、表示制御装置92に送信される。表示制御装置92では、左側用報知コマンドを受信した場合又は右側用報知コマンドを受信した場合に報知抽選処理が実行される。当該報知抽選処理について、図23を参照しながら説明する。
報知抽選処理では、先ずステップS1401にて左側用報知コマンド又は右側用報知コマンドを受信しているか否かを判定する。
続くステップS1402では、高確率抽選モードであるか否かを判定する。具体的には、表示制御装置92に設けられたハードウェアの抽選モード切換スイッチ92aの位置を判定する。抽選モード切換スイッチ92aの位置は複数設けられており、その位置により、高確率抽選モード、通常抽選モード、低確率抽選モードが設定されており、抽選モードによって表示制御装置92に設けられたROMから読み出す抽選テーブルが異なっている。例えば、高確率用の抽選テーブルを用いた場合には、20%の当選確率にて報知抽選が実行され、通常用の抽選テーブルを用いた場合には、高確率用の抽選テーブルを用いるよりも当選確率が低い10%の当選確率にて報知抽選が実行され、低確率用の抽選テーブルを用いた場合には、さらに通常用の抽選テーブルを用いるよりも当選確率が低い2%の当選確率にて報知抽選が実行される。したがって、高確率抽選モードが報知の当選確率が最も高く、次に通常抽選モード、低確率抽選モードの順に当選確率が低くなるように設定されている。
上記複数の抽選モードによって右側用報知コマンド及び左側用報知コマンドに基づく演出実行の当選確率が異なっている。当該抽選モード切換スイッチ92aが設けられていることにより、ホール管理者は時間帯等によって抽選モードを切り換えることが可能となる。
ステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1403に進み高確率抽選モードによる抽選処理を実行する。ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1404にて、通常抽選モードであるか否かを判定する。ステップS1404にて肯定判定をした場合には、通常抽選モードによる抽選処理を実行する。
ステップS1404にて否定判定をした場合には、ステップS1406に進み低確率抽選モードによる抽選処理を実行する。
ステップS1403、ステップS1405又はステップS1406の実行後は、ステップS1407にてステップS1403、ステップS1405又はステップS1406の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。
ステップS1407にて肯定判定をした場合には、ステップS1408にて左側用報知コマンド又は右側用報知コマンドに対応した報知用の演出を図柄表示装置42に実行させる処理を実行する。
ステップS1401にて否定判定をした場合、ステップS1407にて否定判定をした場合又はステップS1408の実行後は、本報知抽選処理を終了する。
左側用報知コマンド又は右側用報知コマンドに対応した報知用の演出の具体的な態様について、図柄表示装置42にて遊技球の発射操作の態様を報知する画像が表示される。左側用報知の場合には、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作を行うような報知がなされ、左側入球部45aへ遊技球を入球させるように遊技者を誘導する。また、右側用報知の場合には、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作を行うような報知がなされ、右側入球部45bへ遊技球を入球させるように遊技者を誘導する。
前面カバー37aが設けられていることによって、遊技者は第1V入賞口案内部47cの位置が視認不可となる。したがって、遊技者は分岐実行モードにて第1V入賞口案内部47cの位置を視認し、どちらの入球部45a,45bに5個の遊技球を入賞させることでV入賞が発生するかを予測することが不可となっている。この場合に、遊技者は5個の遊技球の入球によりV入賞が発生する入球部45a,45bがどちらであるかを知るためにV入賞報知の実行を期待することとなり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、分岐実行モードにおける、電動役物37c及び排出シャッタ46c,46dの開閉タイミングについて図24を参照しながら説明する。図24は、V入賞報知のタイミング、分岐実行モードにおける振分入賞装置37の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図24(a)はV入賞報知の報知状況を示し、図24(b)は入球シャッタ37eの開閉状況を示し、図24(c)はガイド片37dのガイド状況を示し、図24(d)は排出シャッタ46c,46dの開閉状況を示し、図24(e)は右側入賞カウンタの値の変化を示し、図24(f)は排出カウンタの値の変化を示し、図24(g)はV入賞の発生タイミングを示す。当該タイミングチャートにて説明される状況ではサポートモードが高頻度サポートモードに設定されているものとする。
t0のタイミングにて、V入賞報知処理にて排出位置算出処理が実行されることにより、案内部検知カウンタの値を取得する。また、現状のサポートモードは高頻度サポートモードとなっており、高頻度用の固定値と現在の案内部検知カウンタの値との和を「2500」で割った余りを算出する。当該算出結果により今回の分岐実行モードにおいて、排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングにおける第1V入賞口案内部47cの位置を把握する。今回のV入賞報知では、把握した第1V入賞口案内部47cの位置に基づいて右側用報知コマンドが出力対象に設定され、表示制御装置92における抽選処理にて報知当選となり、図柄表示装置42にて右側用報知コマンドに対応した報知が実行される。その後、T1の期間に亘って右側用の報知が実行される。
その後のt1のタイミングにて、入球シャッタ用の駆動部37gによって入球シャッタ37eがT2の期間に亘り開放動作を実行する。
その後のt2のタイミングにて、入球シャッタ37eは、開放状態となり、振分入賞装置37へ遊技球が入球可能な状態となる。また、ガイド用の駆動部37fによってガイド片37dがT3の期間に亘りガイド動作を実行する。その後のt3のタイミングで、ガイド片37dはガイド状態となり、図柄役物タイマカウンタに高頻度用の開放継続時間を設定する。開放継続時間の設定後、T4の期間が経過するまで又はいずれかの入球部45a,45bに5個の入球が発生するまで、ガイド片37dのガイド状態及び入球シャッタ37eの開放状態が保持される。
その後のt4〜t6のタイミングにて、それぞれ右側入球部45bに遊技球が入球することで、右側入賞カウンタの値が1ずつ加算され、右側入賞カウンタの値は「0」から「3」に更新される。
その後のt7のタイミングにて、高頻度サポート時の入球シャッタ37eの開放時間が経過したことにより、ガイド用の駆動部37fによってガイド片37dがT5の期間に亘り非ガイド動作を実行する。
その後のt8のタイミングにて、ガイド片37dが非ガイド状態となる。また、入球シャッタ用の駆動部37gによって入球シャッタ37eがT6の期間に亘り閉鎖動作を実行する。
その後のt9のタイミングにて、入球シャッタ37eは閉鎖状態となり、振分入賞装置37へ遊技球が入球不可な状態となる。また、排出シャッタ駆動部46e,46fによって排出シャッタ46c,46dがT7の期間に亘り開放動作を実行する。
その後のt10のタイミングにて、排出シャッタ46c,46dが開放状態となり、球案内部47aに遊技球が入球可能となる。また、第1V入賞口案内部47cは、t0のタイミングにて算出した位置となっている。T1〜T7の期間の長さは、各分岐実行モードにて同じ長さとなっているため、t0のタイミングにて高頻度用の固定値を用いて算出した位置に基づいて正確なV入賞報知を実行することが可能となる。
その後のt11のタイミングにて1個目の遊技球がV入賞通路49に排出され、排出カウンタの値が「0」から「1」に更新される。当該排出された遊技球がV入賞検知センサ49aを通過することでV入賞が発生する。
その後のt12〜t13タイミングにて、2〜3個目に排出部46bから排出された遊技球が外れ用通路50aに排出されることにより、排出カウンタの値が「1」から「3」に更新される。
その後のt14のタイミングにて、排出カウンタの値が「3」となったことにより、排出シャッタ駆動部46e,46fによって排出シャッタ46c,46dが閉鎖動作を実行し、分岐実行モードが終了するとともに、排出カウンタの値が「0」クリアされる。
その後のt15のタイミングにて、排出シャッタ46c,46dが閉鎖状態となる。
今回の分岐実行モードでは、1個目に排出部46bから排出された遊技球が第1V入賞口案内部47cへの入球に対応していたため、右側入球部45bへ3個の遊技球しか入球していない場合であってもV入賞が発生した。しかしながら2点鎖線で示すように5個目に排出部46bから排出される遊技球が第1V入賞口案内部47cへの入球に対応している場合には、右側入球部45bへ入球した遊技球が3個ではV入賞が発生しないこととなる。
V入賞報知の内容に対応した入球部45a,45bにて5個の遊技球が入球した場合に確実にV入賞が発生する構成としつつ、遊技球の入球数が5個よりも少ない場合であってもV入賞が発生し得る構成となっていることで、分岐実行モード中においてV入賞報知の内容に対応した入球部45a,45bに5個の遊技球が入球した場合及び入球していない場合のどちらにおいてもV入賞の発生を期待することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1振分部材47において、10個設けられた球案内部47aのうち、9個が外れ口案内部47b、1個が第1V入賞口案内部47cとなっている。したがって、第1V入賞口案内部47cへの遊技球の排出に対応した所定の入球部45a,45bへ5個の入球を発生させることができれば、V入賞を発生させることが可能となる。これにより、遊技球を入球させる入球部45a,45bを選び、当該入球部45a,45bに5個の遊技球を入球させるという遊技が追加され、遊技が多様化し、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、第1V入賞口案内部47cの排出部46a,46bに対する位置は移動しており、排出シャッタ46c,46dは第1V入賞口案内部47cの位置とは関係なく、入球シャッタ37eの開放タイミングから所定の期間後に開放される。これにより、所定の入球部45a,45bに入球した5個の遊技球のうち、どの遊技球がV入賞の契機となるかは入球部45a,45bへの入球順によっては決まらず、所定の入球部45a,45bに5個の遊技球を入球させることができなかった場合でも、遊技者はV入賞の発生を期待することができ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、内部通路44a,44bは、通路が直線状に形成されており、長さはほぼ遊技球5個分であって、通路幅はほぼ遊技球1個分となっている。排出シャッタ46c,46dが閉鎖状態である場合には、連続して5個の遊技球が内部通路44a,44bへ入球した場合には、6個目は入球が不可となっている。通路内に遊技球5個分の空間を有しており、連続して5個の遊技球が内部通路44a,44bへ入球した場合には、6個目は入球が不可となっている。内部通路44a,44bが一度に5個よりも多くの遊技球を許容しない構成となっていることにより、内部通路44a,44bへ制限個数以上の遊技球が入球することを防止可能となり、一部の遊技球を無効化する処理などを実行する必要が無くなる。
また、入球シャッタ37eの開放状態から閉鎖状態への移行後に排出シャッタ46c,46dが開放状態となることで、振分入賞装置37へ遊技球が排出された後に遊技球が入球部45a,45bへ入球することを防止することができ、所定の分岐実行モードにおいて5個よりも多くの遊技球を入球部45a,45bへ入球することを防止可能となる。
分岐実行モードの開放継続時間を一方の入球部45a,45bには5個の遊技球を入球可能であって、両方の入球部45a,45bに5個ずつの遊技球を入球不可な時間に設定した。これにより、分岐実行モードにて一方の入球部45a,45bに5個の遊技球が入球した場合であっても、V入賞が発生しない可能性があるため、遊技者はV入賞の発生に対応した入球部45a,45bに遊技球を入球させたか否かに注目することとなり、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
左側領域PE2を通って流下する遊技球は、左側入球部45aには入球し易いが右側入球部45bには入球しづらい。また、右側領域PE3を通って流下する遊技球は、右側入球部45bには入球し易いが左側入球部45aには入球しづらい。また、遊技球が通過する領域は発射操作の態様によって異なっている。よって、遊技者は発射操作の態様によって入球可能な入球部45a,45bを異ならせ、積極的に所定の入球部45a,45bを狙って所定個数の遊技球を入球させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
V入賞報知処理にて、今回の分岐実行モードでV入賞の発生に対応した入球部45a,45bに入球させるための発射操作装置28の発射操作の態様が図柄表示装置42にて報知される。遊技者は当該報知された発射操作の態様によって遊技球を発射することで、V入賞の発生に対応した入球部45a,45bに入球させることが可能となる。これにより、遊技者は上記発射操作の態様の報知が図柄表示装置42にて実行されるか否かに注目することとなるため、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
V入賞報知は、分岐実行モードに当選した場合であって、入球シャッタ37eの開放前に実行される。これにより、遊技者はV入賞の発生に対応した入球部45a,45bへの入球が発生し易い発射操作の態様を認識した状態で、分岐実行モードにおける遊技を行うことが可能となり、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、V入賞報知は、図柄表示装置42において遊技回用の演出が実行されていないタイミングにて実行される。これにより、図柄表示装置42について遊技者の注目度が低くなっている期間を利用してV入賞報知を実行することが可能となり、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
V入賞報知処理において、左側用報知コマンド又は右側用報知コマンドを出力対象に設定する場合に、当該報知コマンドに基づいて図柄表示装置42にてV入賞報知が実行されるか否かに関わらず、開放前カウンタに「750」をセットすることで、V入賞報知の有無によって処理内容を変える必要がなく、処理負荷の増大を抑制しつつ、表示制御装置92における報知抽選処理の効果を得ることが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、振分入賞装置137において内部通路の形状及び表示制御装置92にて実行される報知用の演出についての態様が上記第1の実施の形態と異なっている。当該相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。
図25は、本実施の形態にて前面カバー37aを取り外した状態における振分入賞装置137の正面図である。
図25に示すように、振分入賞装置137は1つの入球部145を有しており、第1の実施の形態の振分入賞装置37において左側入球部45aを備え、右側入球部45bを備えていない構成となっている。
具体的に、入球部145は、左側領域PE2を流下する遊技球を入球可能となりやすい方向に開口部が設けられており、具体的には、入球部145の開口部が遊技領域PEの左上方を向くように設けられている。当該入球部145には電動役物137cとして、入球シャッタ用の駆動部137gによって開閉可能な入球シャッタ137eと、ガイド用の駆動部137fによって入球部145への入賞を発生させ易くするガイド状態に配置可能なガイド片137dと、が設けられている。
電動役物137cの入球シャッタ137eが開放状態である場合に、入球部145から内部通路144に遊技球が入球可能となる。内部通路144は、下方向に延びる通路が形成されており、入球部145から入球した遊技球を当該入球部145の下方に設けられた排出部146に誘導される。排出部146には、排出シャッタ146bが設けられており、排出シャッタ146bが閉鎖状態となっている場合には、遊技球を内部通路144に留めておくことが可能となっている。排出シャッタ146bは、排出シャッタ駆動部146cによって開放状態及び閉鎖状態に切り換えられる。
排出部146は内部通路144の入球部145とは反対側の端部に設けられており、第1振分部材147の周縁部において振分ユニット151a側へ開口している。したがって入球シャッタ137eが閉鎖状態となった後、排出シャッタ146bが開放状態となった場合には、内部通路144内の遊技球が排出部146から振分ユニット151aに排出され、V入賞か外れかに振り分けられる。
本実施の形態における第1振分部材147は第1の実施の形態における第1振分部材47と同一の形状をしており、球案内部47a、外れ口案内部47b及び第1V入賞口案内部47cに対応した球案内部147a、外れ口案内部147b及び第1V入賞口案内部147cを有している。また、第1V入賞口案内部147cの位置によって、V入賞報知処理にて主制御装置71から音光制御装置91へ第1V入賞口案内部147cの位置に基づく報知コマンドを送信する。
図26は、本実施の形態におけるV入賞報知処理を示すフローチャートである。図26に示すように、主制御装置71のタイマ割込み処理にて実行されるV入賞報知処理では、先ずステップS1501にて、案内部検知カウンタの値を確認することで、現在の第1V入賞口案内部147cの振分入賞装置137における位置を確認するとともに、続くステップS1502にて現状の遊技状態が高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS1502にて肯定判定をした場合、ステップS1503にて第1の実施の形態におけるV入賞報知処理のステップS1003と同様の算出方法にて、今回の分岐実行モードにおいて排出シャッタ46c,46dが開放されるタイミングでの第1V入賞口案内部47cの位置を算出する。
続くステップS1504では、ステップS1503にて算出した結果が案内部検知カウンタの「1499〜2499」に対応した値であるか否かを判定する。つまり、第1の実施の形態と同様、今回の分岐実行モードにおいて、入球部145に5個の遊技球が入賞した場合、確実にV入賞が発生する位置に第1V入賞口案内部147cがあるか否かを判定する。
ステップS1504にて肯定判定をした場合には、ステップS1505にて発射タイミング報知コマンドを出力対象に設定する。出力対象に設定された発射タイミング報知コマンドはS208のポート出力処理にて音光制御装置91へ送信される。
音光制御装置91にて受信された発射タイミング報知コマンドは、表示制御装置92へ送信され、報知抽選処理にて当選した場合に、図柄表示装置42にて発射タイミング報知用の演出が実行される。
本実施の形態では、振分入賞装置137へ遊技球が入球しても賞球の払い出しがされない構成となっている。当該構成では、分岐実行モードが実行されて5個の遊技球を入球部145に入球したとしても、V入賞をする場合としない場合が発生し得る。具体的には、各分岐実行モードにおいて入球部145に入球可能な遊技球は5個であるが、第1V入賞口案内部147cを含む球案内部147aの数は10個設けられているため、入球部145に入球した5個の遊技球が全て外れ口案内部147bに入球することが発生し得る。
上記のような入球部145の入球自体には賞球の無い分岐実行モードでは、入球部145への5個の入球が発生してもV入賞が発生しない場合、遊技者にとっては入球部145への入球が無意味なものとなってしまう。ここで、本実施の形態では、発射タイミング報知コマンドに基づいて、今回の分岐実行モードにて入球部145へ5個の遊技球を入球させればV入賞が発生する旨の演出を図柄表示装置42にて実行する。
発射タイミング報知用の演出の具体的な態様としては、図柄表示装置42にて、今回の分岐実行モード中に入球部145へ遊技球5個の入賞を発生させることでV入賞が発生するタイミングである旨を報知する画像が表示される。当該報知によって、遊技者は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作を行うことで、入球部145を狙って遊技球を発射し、入球部145へ遊技球を入球させるように促される。
ステップS1502にて否定判定をした場合、ステップS1504にて否定判定をした場合又はステップS1505の実行後は、ステップS1506にて開放前カウンタに「750」をセットする。ステップS1506の実行後は、本V入賞報知処理を終了する。
上記V入賞報知処理が実行されることによって、入球部145にて5個の遊技球の入賞が発生することで第1V入賞口案内部147cへの入賞が発生するタイミングを遊技者へ報知可能となる。これにより、遊技者は分岐実行モードにて入球部145へ入球を発生させることでV入賞が発生するタイミングを知ることができ、入球部145への無意味な入球を発生させずにV入賞を発生させることが可能となる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、遊技盤24の構成及び遊技内容が上記各実施の形態と異なっている。その相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記各実施の形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図27は、本実施の形態における遊技盤24の正面図である。
本実施の形態における遊技盤24には、上記各実施の形態における作動口33に代えて、作動口装置201が設けられている。作動口装置201には、上作動口202及び下作動口203が設けられている。これら上作動口202及び下作動口203は共に上向きに開放されており、上作動口202が上方となるようにして両作動口202,203は鉛直方向に並んでいる。
上作動口202は遊技球の入賞を不可とする手段が設けられていないことに伴って、遊技領域PEに配設された釘24bの調整が行われない限り、入賞頻度は変化しない構成となっている。つまり、上作動口202は、遊技状態が変化したとしても、入賞頻度が変化しない構成となっている。
その一方、下作動口203には、左右一対の開閉部材204が設けられている。開閉部材204は遊技盤24の背面側に搭載された図示しない開閉駆動部に連結されており、当該開閉駆動部により駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。開閉部材204の閉鎖状態では下作動口203に遊技球が入賞できず、開閉部材204が開放状態となることで下作動口203に遊技球が入賞可能となる。つまり、下作動口203は、開閉部材204が開放状態となる頻度に応じて、換言すれば、遊技状態が変化した場合に、入賞頻度が変化する構成となっている。
作動口装置201は下側領域PE4において振分入賞装置37の上方に設けられている。そして、左側領域PE2を流下した遊技球は、上作動口202に入賞可能であるとともに下作動口203に入賞可能であり、さらに右側領域PE3を流下した遊技球も、上作動口202に入賞可能であるとともに下作動口203に入賞可能である。また、上作動口202及び下作動口203はいずれも、振分入賞装置37における左側の入球部45aよりも右方であって、右側の入球部45bよりも左方に存在している。したがって、上作動口202及び下作動口203は、左側領域PE2を通って左側の入球部45aに向けて流下する遊技球にとって邪魔にならない位置に存在しているとともに、右側領域PE3を通って右側の入球部45bに向けて流下する遊技球にとって邪魔にならない位置に存在している。
ここで、上記各実施の形態では、スルーゲート34,35に遊技球が入賞したことに基づいて、振分入賞装置37の電動役物37cを開放状態とするか否かの抽選が行われ、さらに電役図柄表示部39にて絵柄の変動表示が行われ、電動役物37cを開放状態とする抽選結果であった場合には、電役図柄表示部39にてそれに対応した停止結果が表示されるとともに電動役物37cが開放状態となる構成としたが、本実施の形態では、スルーゲート34,35に遊技球が入賞したとしても、振分入賞装置37の電動役物37cを開放状態とするか否かの抽選が行われることはない。代わりに、本実施の形態では、スルーゲート34,35に遊技球が入賞したことに基づいて、下作動口203の開閉部材204を開放状態とするか否かの抽選が行われ、さらに電役図柄表示部39にて絵柄の変動表示が行われ、開閉部材204を開放状態とする抽選結果であった場合には、電役図柄表示部39にてそれに対応した停止結果が表示されるとともに開閉部材204が開放状態となる。なお、スルーゲート34,35に遊技球が入賞したとしても、図柄表示装置42における図柄の変動表示は実行されない。
振分入賞装置37の電動役物37cを開放状態とするか否かの抽選は、下作動口203に遊技球が入賞したことに基づき行われる。また、下作動口203に遊技球が入賞した場合には、特電入賞装置32を開放状態とするか否かの抽選も行われる。その一方、上作動口202に遊技球が入賞した場合には、振分入賞装置37の電動役物37cを開放状態とするか否かの抽選は行われずに、特電入賞装置32を開放状態とするか否かの抽選は行われる。つまり、上作動口202に遊技球が入賞した場合と下作動口203に遊技球が入賞した場合とで、内部抽選の態様が異なっている。なお、上作動口202に遊技球が入賞した場合には3個の遊技球が払い出され、下作動口203に遊技球が入賞した場合には5個の遊技球が払い出されるが、当該払出個数は任意であり、上作動口202の払出個数の方が多くてもよく、両払出個数が同一であってもよい。
上記のように上作動口202に遊技球が入賞した場合と下作動口203に遊技球が入賞した場合とで内部抽選の態様が異なる構成であることに対応させて、特図表示部38には、第1特図表示部38aと、第2特図表示部38bとが設けられている。第1特図表示部38aでは、上作動口202への入賞をトリガとして抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部38bでは、下作動口203への入賞をトリガとして抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
なお、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。また、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bは、音光制御装置91及び表示制御装置92を介することなく、主制御装置71によって直接的に表示制御される。
第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われている状況では第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示が行われることはなく、同様に、第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示が行われている状況では第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われない。但し、第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる場合には、図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われ、同様に、第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示が行われる場合には、図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる。
上作動口202への入賞に基づき行われた内部抽選にて開閉実行モードへの移行当選となった場合には、第1特図表示部38aにてそれに対応した停止結果が表示されるとともに、図柄表示装置42にてそれに対応した停止結果が表示された後に、特電入賞装置32が開放状態となる開閉実行モードへ移行する。また、下作動口203への入賞に基づき行われた内部抽選にて開閉実行モードへの移行当選となった場合には、第2特図表示部38bにてそれに対応した停止結果が表示されるとともに、図柄表示装置42にてそれに対応した停止結果が表示された後に、特電入賞装置32が開放状態となる開閉実行モードへ移行する。また、下作動口203への入賞に基づき行われた内部抽選にて分岐実行モードへの移行当選となった場合には、第2特図表示部38bにてそれに対応した停止結果が表示されるとともに、図柄表示装置42にてそれに対応した停止結果が表示された後に、振分入賞装置37が開放状態となる分岐実行モードへ移行する。
図28は、主制御装置71のMPU82にて各種抽選を行うための電気的な構成を説明するための説明図である。
MPU82は、各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、開閉部材204の開放抽選、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bの表示の設定、図柄表示装置42の図柄表示の設定、電役図柄表示部39の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉実行モード後に設定するサポートモードの種別の抽選に使用するサポート種別カウンタC2と、図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部38a,38b及び図柄表示装置42における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、開閉部材204を開放状態とするか否かのサポート抽選に使用する普電乱数カウンタC4と、を用いることとしている。なお、上記カウンタC1〜C4,CINI,CSは、RWM84の抽選用カウンタエリア301に設けられている。
各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。
大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、上作動口202又は下作動口203への入賞が発生した場合に、特図保留エリア302に格納される。特図保留エリア302は、第1特図保留エリア303と、第2特図保留エリア304と、特図用の実行エリア305と、を備えている。
第1特図保留エリア303は、第1エリア303a、第2エリア303b、第3エリア303c及び第4エリア303dを備えており、上作動口202への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア303a〜303dに格納される。
この場合、第1エリア303a〜第4エリア303dには、上作動口202への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア303a→第2エリア303b→第3エリア303c→第4エリア303dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア303a〜303dが設けられていることにより、上作動口202への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第1特図保留エリア303において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
一方、第2特図保留エリア304は、保留記憶可能なエリアは複数設けられていない。そして、遊技回用の演出、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況であって第2特図保留エリア304に保留情報が取得されていない状況で下作動口203への入賞が発生することで、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、第2特図保留エリア304に格納される。
特図用の実行エリア305は、いずれかの特図表示部38a,38bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部38aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア303の第1エリア303aに格納された保留情報が特図用の実行エリア305に移動される。一方、第2特図表示部38bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア304に格納された保留情報が特図用の実行エリア305に移動される。
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート34,35への入賞が発生した場合に、普図保留エリア306に格納される。普図保留エリア306は、第1エリア306a、第2エリア306b、第3エリア306c及び第4エリア306dを備えており、スルーゲート34,35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア306a〜306dに格納される。
この場合、第1エリア306a〜第4エリア306dには、スルーゲート34,35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア306a→第2エリア306b→第3エリア306c→第4エリア306dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア306a〜306dが設けられていることにより、スルーゲート34,35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、普図保留エリア306において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
また、普図保留エリア306には、普図用の実行エリア307が設けられている。普図用の実行エリア307は、電役図柄表示部39にて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、電役図柄表示部39の変動表示を開始する際には、普図保留エリア306の第1エリア306aに格納された保留情報が普図用の実行エリア307に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず大当たり乱数カウンタC1について説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜399の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜399)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が上作動口202又は下作動口203に入賞したタイミングで特図保留エリア302に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83の当否テーブル記憶エリアに大当たり用の当否テーブルとして記憶されている。大当たり用の当否テーブルとしては、上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブルと、下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブルと、が設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、大当たり乱数カウンタC1を参照することによる当否結果として、外れ結果以外に、非分岐対応の大当たり結果と、分岐対応の大当たり結果とが設定されている。非分岐対応の大当たり結果とは、特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードへ遊技状態を移行させる結果である。
当該開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた特電用の開放継続時間が経過すること、及び予め定められた特電用の上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本パチンコ機10では、開閉実行モードとして、ラウンド遊技の上限回数が15ラウンドに設定されているもののみが存在しているが、ラウンド遊技の上限回数が相違するように開閉実行モードが複数種類設定されていてもよい。
各ラウンド遊技の開放継続時間は同一となっており、その開放継続時間は遊技球の発射周期と、上記入賞の上限個数との積以上の上限入賞対応時間である29.5secとなっている。つまり、本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により継続して操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技の入賞の上限個数は10個に設定されている。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と、対応するラウンド遊技の上限個数との積以上の開放継続時間が設定されていることとなり、特電入賞装置32への入賞を狙う態様で発射操作が継続された場合には各ラウンド遊技にて大入賞口32aへの上限個数の入賞が発生することとなる。
なお、ラウンド遊技の上限個数の入賞が可能であれば、各ラウンド遊技の開放継続時間は任意である。また、ラウンド遊技間で開放継続時間が相違していてもよく、この場合、ラウンド遊技間で開放継続時間が大きく相違していてもよく、見た目上同様となるように略同一に設定されていてもよい。
一方、分岐対応の大当たり結果とは、振分入賞装置37が開閉される分岐実行モードへ遊技状態を移行させるとともに、当該分岐実行モードにおける遊技結果に応じて、特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードへ遊技状態を移行させる結果である。
分岐実行モードは、予め定められた分岐用の開放継続時間が経過すること、及び予め定められた分岐用の上限個数の遊技球が振分入賞装置37の入球部45a,45bに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで入球部45a,45bの開放が連続して実行されるとともに、入球部45a,45bの開放実行状態が終了され且つ振分入賞装置37内に遊技球が残存していない状態となるまで継続する遊技のことである。
分岐用の開放継続時間としては、上記各実施の形態と同様に、高頻度用の開放継続時間(具体的には10sec)と、低頻度用の開放継続時間(具体的には0.1sec)とが設定されている。つまり、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、高頻度用の開放継続時間が設定され、サポートモードが低頻度サポートモードである場合には、低頻度用の開放継続時間が設定される。分岐用の上限個数は、上記各実施の形態と同様に、左側の入球部45aに5個の遊技球が入賞すること、又は右側の入球部45bに5個の遊技球が入賞することとして設定されている。
分岐実行モードにおいてV入賞検知センサ49aにて遊技球が検知されることで、開閉実行モードに移行する。この開閉実行モードの内容は、非分岐対応の大当たり結果を契機として実行される開閉実行モードと同様である。
第1特図用の当否テーブルでは、図29(a)に示すように、当否結果として、非分岐対応の大当たり結果と、外れ結果と、が設定されており、分岐対応の大当たり結果は設定されていない。非分岐対応の大当たり結果となる乱数の数は2個に設定されており、第1特図用の当否テーブルが参照されることで非分岐対応の大当たり結果となる確率は1/200となる。
一方、第2特図用の当否テーブルでは、図29(b)に示すように、当否結果として、非分岐対応の大当たり結果と、外れ結果と、分岐対応の大当たり結果と、が設定されている。非分岐対応の大当たり結果となる乱数の数は第1特図用の当否テーブルと同様に2個に設定されている。したがって、第2特図用の当否テーブルが参照されることで非分岐対応の大当たり結果となる確率は第1特図用の当否テーブルが参照される場合と同一の1/200となっている。但し、これに限定されることはなく、例えば当該確率は相違しているものの、遊技者にとっては見た目上同様となるように略同一に設定されていてもよく、大きく相違していてもよい。
分岐対応の大当たり結果となる乱数の数は、非分岐対応の大当たり結果となる乱数の数よりも多く、さらには外れ結果となる乱数の数よりも多くなるように設定されている。さらに言うと、非分岐対応の大当たり結果となる乱数の数と外れ結果となる乱数の数とを足した数よりも多い数となるように設定されている。具体的には、外れ結果となる乱数の数が1個に設定されていることで、非分岐対応の大当たり結果となる乱数の数は残りの397個に設定されている。したがって、第2特図用の振分テーブルが参照された場合には、分岐対応の大当たり結果が最も選択され易く、その確率は90%以上100%未満であり、具体的には99%程度となっている。
次に、サポート種別カウンタC2について説明する。
サポート種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。サポート種別カウンタC2は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が上作動口202又は下作動口203に入賞したタイミングで特図保留エリア302に格納される。
サポート種別カウンタC2は開閉実行モードの終了後における下作動口203の開閉部材204のサポートモードを決定するために利用される。ここで、本パチンコ機10では、サポートモードとして、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、開閉部材204が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
詳細には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いたサポート抽選においてサポート当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、サポート当選となった際に開閉部材204が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放継続時間が長く設定されている。具体的には、低頻度サポートモードにおいてサポート当選となった場合には遊技球の発射周期よりも短い0.1secの開放が1回行われるのに対して、高頻度サポートモードにおいてサポート当選となった場合には遊技球の発射周期よりも長い1.8secの開放が3回行われる。これにより、高頻度サポートモードでは、サポート当選となった場合において下作動口203への入賞が少なくとも1回発生する確率の方が、発生しない確率よりも高いものとなるのに対して、低頻度サポートモードでは、サポート当選となった場合において下作動口203への入賞が発生する確率の方が、発生しない確率よりも低いものとなる。
ちなみに、高頻度サポートモードでサポート当選となった場合であって、1回の開放が行われてから次の開放が行われるまでの閉鎖時間は1回の開放継続時間よりも長い4.84secとなっている。また、いずれのサポートモードであってもサポート当選となった場合のサポート実行モードは、下作動口203に上限個数である10個の入賞が発生した場合に終了するが、当該上限個数は任意であり、さらに当該上限個数が設定されていなくてもよい。
また、スルーゲート34,35への入賞が発生するとともにそれに対してサポート抽選が行われた場合には電役図柄表示部39にて抽選結果が明示されることとなるが、当該抽選結果が明示されるまで変動表示が継続される時間の設定態様が高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとで相違しており、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも当該時間が短くなるように設定されている。
以上のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口203への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口203よりも上作動口202への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口202よりも下作動口203への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口203への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに開閉部材204が開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えばサポート抽選においてサポート当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、高頻度サポートモードにおいても1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート34,35への入賞に基づき電役図柄表示部39にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、電役図柄表示部39における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
サポート種別カウンタC2に対する振分結果は、ROM83の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルとしては、上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。そして、これらの振分結果には、低頻度結果と、継続結果と、高頻度結果と、が設定されている。
振分結果が低頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく低頻度サポートモードに設定される。この低頻度サポートモードは次に大当たり結果となって高頻度サポートモードに設定されるまで継続される。
振分結果が高頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく高頻度サポートモードに設定される。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
振分結果が継続結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、当該開閉実行モードの移行の契機となった遊技回が実行されていた際のサポートモードに設定される。この場合に低頻度サポートモードが設定された際には、次に大当たり結果となって高頻度サポートモードに設定されるまでその低頻度サポートモードが継続される。一方、高頻度サポートモードが設定された際には、終了基準回数の設定が新たに行われ、移行後において遊技回数が当該終了基準回数に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
第1特図用の振分テーブルでは、図30(a)に示すように、「0〜29」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低頻度結果に対応しており、「10〜14」が継続結果に対応しており、「15〜29」が高頻度結果に対応している。したがって、低頻度サポートモードにおいて上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に低頻度サポートモードが設定される確率と高頻度サポートモードが設定される確率とは同一となっている。なお、実際には確率が相違するものの、見た目上同様と見なされる程度に確率が略同一となっている構成としてもよい。
一方、高頻度サポートモードにおいて上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に高頻度サポートモードが設定される確率の方が、低頻度サポートモードが設定される確率よりも高く設定されており、具体的には高頻度サポートモードが設定される確率が67%となっている。また、高頻度サポートモードにおいて上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、低頻度サポートモードにおいて上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した場合よりも、高頻度サポートモードに設定される確率が高く設定されている。
第2特図用の振分テーブルでは、図30(b)に示すように、「0〜29」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低頻度結果に対応しており、「10〜29」が継続結果に対応している。したがって、低頻度サポートモードにおいて下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際にはその後に高頻度サポートモードに設定されることはなく低頻度サポートモードが維持される。
一方、高頻度サポートモードにおいて下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に高頻度サポートモードが設定される確率の方が、低頻度サポートモードが設定される確率よりも高く設定されており、具体的には高頻度サポートモードが設定される確率が67%となっている。この確率は、高頻度サポートモードにおいて上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際にその後に高頻度サポートモードが設定される確率と同一となっている。なお、実際には確率が相違するものの、見た目上同様と見なされる程度に確率が略同一となっている構成としてもよい。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が上作動口202又は下作動口203に入賞したタイミングで特図保留エリア302に格納される。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、分岐実行モードに移行しないことを条件として、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、リーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。
変動種別カウンタCSは例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部38a,38bにおける変動表示時間と、図柄表示装置42における図柄の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、特図表示部38a,38bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置42による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
変動表示時間の決定に際しては、ROM83の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
この変動表示時間テーブルは、低頻度サポートモードにおいて上作動口202に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、低頻度サポートモードにおいて下作動口203に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、高頻度サポートモードにおいて上作動口202に係る保留情報又は下作動口203に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、で区別して記憶されている。そして、いずれの作動口202,203を契機とした場合であっても、高頻度サポートモード中の変動表示時間は低頻度サポートモード中の変動表示時間よりも短く設定されている。具体的には、高頻度サポートモード中の変動表示時間はいずれの作動口202,203を契機とした場合であっても0.64secに設定されており、さらに変動表示後に大当たり抽選の結果が0.6secに亘って維持される。つまり、高頻度サポートモード中に読み出される変動表示時間の情報は上作動口202に係る保留情報を契機とした場合及び下作動口203に係る保留情報を契機とした場合のいずれであっても同一となっている。これにより、予め記憶しておく変動表示時間の情報の記憶容量を抑えることが可能となる。また、高頻度サポートモードでは下作動口203への入賞を狙って遊技が行われ、上作動口202への入賞は下作動口203への入賞を狙っている過程で意図せず発生するものであるため、その遊技回用の演出は短縮することが好ましい。
また、低頻度サポートモードにおいて上作動口202に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には保留情報の数が多いほど短い変動表示時間が選択される構成であるのに対して、高頻度サポートモードにおいて上作動口202に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には保留情報の数に依存しない。この点からも、予め記憶しておく変動表示時間の情報の記憶容量を抑えることが可能となる。
次に、普電乱数カウンタC4について説明する。
普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、既に説明したとおり、スルーゲート34,35に入賞したタイミングで普図保留エリア306に格納される。既に説明したとおり、普電乱数カウンタC4の値を利用して開閉部材204を開放状態に制御するか否かのサポート抽選が行われる。
なお、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれでもなく、さらにサポートモードが低頻度サポートモードである場合が通常遊技状態に相当する。
次に、MPU82の処理構成について、上記各実施の形態と相違する構成を説明する。
本実施の形態では、上記各実施の形態と同様に、MPU82にてタイマ割込み処理(図11)が実行されるが、当該タイマ割込み処理の処理構成が一部相違している。具体的には、ステップS215の図柄役物制御処理に代えて、普図普電制御処理と、特図特電制御処理とが実行される。
普図普電制御処理では、スルーゲート34,35への入賞が発生している場合に普電乱数カウンタC4の値を普図側の保留情報として普図保留エリア306に格納する処理を実行する。また、普図保留エリア306に普図側の保留情報が記憶されている場合には、その保留情報を普図用の実行エリア307にシフトして、下作動口203の開閉部材204を開放状態とするか否かの開放判定を実行し、さらに電役図柄表示部39にて絵柄の変動表示を開始する。そして、上記開放判定の結果が、開閉部材204を開放状態とすることに対応した結果であった場合には、開閉部材204を開閉させる処理を実行する。この開閉態様は、上記のとおり、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとで相違している。
図31は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。
ステップS1701では、特図側の保留情報の取得処理を実行する。特図側の保留情報の取得処理では、図32のフローチャートに示すように、まずステップS1801にて、RWM84に設けられた第1特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1特図入賞フラグはタイマ割込み処理(図11)のステップS210の入賞検知処理にて上作動口202への入賞が特定された場合にセットされる。
第1特図入賞フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1802にて、第1特図入賞フラグをクリアする。続くステップS1803では、第1特図保留エリア303に記憶されている第1特図側の保留情報の合計数PSが上限数である4未満であるか否かを判定する。4未満である場合にはステップS1804にて、第1特図側の保留情報の合計数PSを1加算するとともに、ステップS1805にて、前回のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第1特図保留エリア303の空きエリア303a〜303dのうち最初のエリア、すなわち上記ステップS1804にて1加算した合計数PSと対応するエリアに格納する。
ステップS1801にて否定判定をした場合、ステップS1803にて否定判定をした場合、又はステップS1805の処理を実行した場合には、ステップS1806に進む。ステップS1806では、RWM84に設けられた第2特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第2特図入賞フラグはタイマ割込み処理(図11)のステップS210の入賞検知処理にて下作動口203への入賞が特定された場合にセットされる。
第2特図入賞フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本取得処理を終了し、第2特図入賞フラグに「1」がセットされている場合にはステップS1807にて第2特図入賞フラグをクリアする。続くステップS1808では、特図特電カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定することで、遊技回用の演出、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれでもない状況であるか否かを判定する。
ステップS1808にて否定判定をした場合にはそのまま本取得処理を終了する。一方、ステップS1808にて肯定判定をした場合には、ステップS1809にて、前回のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第2特図保留エリア304に格納する。
続くステップS1810では、高頻度フラグに「1」がセットされているか否か、すなわち高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。低頻度サポートモード中である場合にはそのまま本取得処理を終了する。高頻度サポートモード中である場合には、ステップS1811にて、RWM84に設けられた高頻度入賞フラグに「1」をセットする。高頻度入賞フラグは、現状の第2特図側の保留情報が高頻度サポートモード中に取得されたものであるか否かをMPU82にて特定するためのフラグである。その後、本取得処理を終了する。
特図特電制御処理(図31)の説明に戻り、ステップS1701にて特図側の保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS1702に進む。ステップS1702では、RWM84に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS1703では、ROM83から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS1704にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS1702〜ステップS1704の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理、分岐実行モードを制御するための処理、及び開閉実行モードを制御するための処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための特図確定中処理と、が設定されている。また、分岐実行モードを制御するための処理として、振分入賞装置37を開放状態とするための電役開始処理と、振分入賞装置37の開放中の状態を制御するための電役開放中処理と、分岐実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための電役終了処理と、が設定されている。また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための特電開始処理と、大入賞口32aの開放中の状態を制御するための特電開放中処理と、大入賞口32aの閉鎖中の状態を制御するための特電閉鎖中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための特電終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて説明すると、特図特電カウンタは「0」〜「9」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」〜「SA9」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、電役開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、電役開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、電役終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA7は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA8は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA9は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて更新される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
以下に、特図特電カウンタ及び特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理、特図変動中処理、特図確定中処理、電役開始処理、電役開放中処理、電役終了処理、特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705に進み、ステップS1704にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS1706の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS1707の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS1708の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS1709の電役開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS1710の電役開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS1711の電役終了処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS1712の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA7である場合にはステップS1713の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA8である場合にはステップS1714の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA9である場合にはステップS1715の特電終了処理にジャンプする。ステップS1706〜ステップS1715の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS1706〜ステップS1715の処理について個別に説明する。
まずステップS1706の特図変動開始処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、第1特図保留エリア303又は第2特図保留エリア304に保留情報が記憶されているか否かを判定する。いずれにも保留情報が記憶されていない場合には、そのまま本特図変動開始処理を終了する。いずれかに保留情報が記憶されている場合には、ステップS1902にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、図34のフローチャートに示すように、まずステップS2001にて、第2特図保留エリア304に保留情報が記憶されているか否かを判定する。否定判定をした場合には、ステップS2002にて、第1特図側の保留情報の合計数PSを1減算する。続くステップS2003では、第1特図保留エリア303の第1エリア303aに格納された保留情報を特図用の実行エリア305に移動する。
その後、ステップS2004にて、第1特図保留エリア303の保留エリアをシフトさせる。具体的には、第1エリア303aの保留情報をクリアするとともに、第2エリア303b→第1エリア303a、第3エリア303c→第2エリア303b、第4エリア303d→第3エリア303cといった具合に各エリア内の保留情報をシフトする。
続くステップS2005ではRWM84に設けられた第2特図フラグをクリアする。第2特図フラグは遊技回用の実行対象が下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報であるか否かを特定するためのフラグである。その後、本データ設定処理を終了する。
一方、ステップS2001にて肯定判定をした場合には、ステップS2006にて、第2特図保留エリア304に格納された保留情報を特図用の実行エリア305に移動する。続くステップS2007では、第2特図フラグに「1」をセットする。その後、本データ設定処理を終了する。
上記のようにステップS2001の判定処理を最初に行うようにすることで、第2特図保留エリア304に保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留エリア303に記憶されている保留情報よりも第2特図保留エリア304に記憶されている保留情報の方が当否判定の対象(すなわち、遊技回の開始対象)として優先される。
特図変動開始処理(図33)の説明に戻り、ステップS1902の処理を実行した後は、ステップS1903に進む。ステップS1903では、第2特図フラグが「0」であるか否かを判定することで、今回の変動開始対象が上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報であるか否かを判定する。
ステップS1903にて肯定判定をした場合には、ステップS1904にてROM83から第1特図用の当否テーブル及び第1特図用の振分テーブルを読み出し、ステップS1903にて否定判定をした場合には、ステップS1905にてROM83から第2特図用の当否テーブル及び第2特図用の振分テーブルを読み出す。ステップS1904又はステップS1905の処理を実行した後は、ステップS1906に進む。
ステップS1906では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ステップS1904又はステップS1905にて読み出した当否テーブルを参照して、特図用の実行エリア305に格納された保留情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報がいずれの当否結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、第1特図用の当否テーブルが読み出されている場合には、非分岐対応の大当たり結果及び外れ結果のいずれに該当しているのかを判定し、第2特図用の当否テーブルが読み出されている場合には、非分岐対応の大当たり結果、分岐対応の大当たり結果及び外れ結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS1907では、ステップS1906の当否判定処理の結果が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、対応している場合にはステップS1908に進む。ステップS1908では、今回の大当たり当選が分岐対応の大当たり結果であるか否かを判定する。非分岐対応の大当たり結果である場合にはステップS1909にて、RWM84に設けられた非分岐結果フラグに「1」をセットし、分岐対応の大当たり結果である場合にはステップS1910にて、RWM84に設けられた分岐結果フラグに「1」をセットする。非分岐結果フラグは今回の当否判定処理の結果が非分岐対応の大当たり結果であるか否かをMPU82にて特定するためのフラグであり、分岐結果フラグは今回の当否判定処理の結果が分岐対応の大当たり結果であるか否かをMPU82にて特定するためのフラグである。
ステップS1909又はステップS1910の処理を実行した後は、ステップS1911にて、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS1904又はステップS1905にて読み出した振分テーブルを参照して、特図用の実行エリア305に格納された保留情報のうち振分判定用の情報、すなわちサポート種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの振分結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、第1特図用の振分テーブルが読み出されている場合には、低頻度結果、継続結果及び高頻度結果のいずれに該当しているのかを判定し、第2特図用の振分テーブルが読み出されている場合には、低頻度結果及び継続結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS1912では、ステップS1911の振分判定処理の結果が低頻度結果であるか否かを判定する。低頻度結果ではない場合にはステップS1913にて、ステップS1911の振分判定処理の結果が高頻度結果であるか否かを判定する。高頻度結果ではない場合には、ステップS1914にて、RWM84に設けられた継続結果フラグに「1」をセットし、高頻度結果である場合には、ステップS1915にて、RWM84に設けられた高頻度結果フラグに「1」をセットする。継続結果フラグは今回の振分判定処理の結果が継続結果であるか否かをMPU82にて特定するためのフラグであり、高頻度結果フラグは今回の振分判定処理の結果が高頻度結果であるか否かをMPU82にて特定するためのフラグである。
ステップS1907にて否定判定をした場合、ステップS1912にて肯定判定をした場合、ステップS1914の処理を実行した場合、又はステップS1915の処理を実行した場合には、ステップS1916にて、特図変動時間及び停止結果の把握処理を実行する。
特図変動時間の把握に際しては、低頻度サポートモードにおいて上作動口202に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には、変動種別カウンタCSの現状の数値情報を読み出すとともに、その数値情報に対応した特図変動時間の数値情報を対応する変動表示時間テーブルから読み出す。この場合、保留情報の数や、リーチの有無や、当否結果の内容や、振分結果の内容に応じた特図変動時間の情報を読み出す。
また、低頻度サポートモードにおいて下作動口203に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には、変動種別カウンタCSの現状の数値情報を読み出すとともに、その数値情報に対応した特図変動時間の数値情報を対応する変動表示時間テーブルから読み出す。この場合、リーチの有無や、当否結果の内容に応じた特図変動時間の情報を読み出す。
一方、高頻度サポートモードにおいて上作動口202に係る保留情報又は下作動口203に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には、単一の特図変動時間の数値情報を読み出す。
また、停止結果の把握に際しては、今回開始される遊技回が終了する場合に対応する特図表示部38a,38bに表示させる停止結果の情報をROM83から読み出す。この場合、当否結果の内容や、振分結果の内容に応じた停止結果の情報を読み出す。
続くステップS1917では、ステップS1916にて読み出した特図変動時間の数値情報を特図特電タイマカウンタにセットする。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングをMPU82にて特定するために利用されるカウンタであり、数値情報の更新はタイマ割込み処理(図11)におけるステップS211のタイマ更新処理にて実行される。
また、ステップS1918にて、特図変動時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドを音光制御装置91への出力対象として設定する。変動用コマンドには、特図変動時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
音光制御装置91では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合にはそれら変動用コマンド及び種別コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。また、今回の変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置92のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行わせる。
ステップS1918の処理を実行した後はステップS1919にて、今回の変動開始対象の特図表示部38a,38bにおいて変動表示を開始させる。続くステップS1920では、特図特電カウンタを1加算する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「0」から「1」に更新される。その後、本特図変動開始処理を終了する。
次に、ステップS1707の特図変動中処理について説明する。
特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であれば変動中の特図表示部38a,38bにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
次に、ステップS1708の特図確定中処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2101では、今回の遊技回用の演出における最終停止時間が経過したか否かを判定する。ステップS2101にて否定判定をした場合には、そのまま本特図確定中処理を終了する。
ステップS2101にて肯定判定をした場合には、ステップS2102にて、RWM84の遊技回数カウンタにセットされている数値情報を1減算するように更新する。遊技回数カウンタは、サポートモードが高頻度サポートモードに設定されている状況において低頻度サポートモードへの切り換えの契機となる終了基準回数の遊技回の実行が終了したか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。ちなみに、遊技回数カウンタが「0」となった場合に低頻度サポートモードに切り換える処理は、普図普電制御処理にて実行される。
続くステップS2103では、RWM84の非分岐結果フラグ又は分岐結果フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が大当たり結果に対応した遊技回であるか否かを判定する。大当たり結果ではない場合には、ステップS2104にて、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアするとともに、ステップS2105にて、フラグクリア処理を実行した後に、本特図確定中処理を終了する。フラグクリア処理では、第2特図フラグや高頻度入賞フラグをクリアする処理を実行する。
ステップS2103にて肯定判定をした場合には、ステップS2106に進む。ステップS2106では、RWM84の分岐結果フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が分岐対応の大当たり結果であるか否かを判定する。ちなみに、分岐結果フラグに「1」がセットされている場合とは、今回の遊技回が下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを意味する。
肯定判定をした場合には、分岐実行モードへ移行させるための処理を実行する。具体的には、ステップS2107にて、分岐開始コマンドを出力対象に設定する。分岐開始コマンドは、音光制御装置91に対して分岐実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
音光制御装置91では、分岐開始コマンドを受信した場合には、当該分岐開始コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。また、分岐開始コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから分岐実行モード用の演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置92のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の分岐実行モード用の演出を図柄表示装置42にて実行させる。
ステップS2107の処理を実行した後は、ステップS2108にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特図確定中処理を終了する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「2」から「3」に更新される。
一方、ステップS2106にて、分岐結果フラグに「1」がセットされておらず、否定判定をした場合には、開閉実行モードへ移行させるための処理を実行する。具体的には、ステップS2109にて、ROM83から開閉実行モード用のオープニング時間の情報を読み出し、ステップS2110にて特図特電タイマカウンタにセットする。その後、ステップS2111にて、オープニングコマンドを出力対象に設定する。オープニングコマンドは、音光制御装置91に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
音光制御装置91では、オープニングコマンドを受信した場合には、当該オープニングコマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。また、オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから開閉実行モード用の演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置92のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の開閉実行モード用の演出を図柄表示装置42にて実行させる。
ステップS2111の処理を実行した後は、ステップS2112にて、特図特電カウンタを4加算した後に、本特図確定中処理を終了する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「2」から「6」に更新される。
次に、ステップS1709の電役開始処理について説明する。
電役開始処理では、上記第1の実施の形態における図17にて示した処理と同様の処理を実行する。但し、ステップS816では、開放継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットし、ステップS818では、特図特電カウンタの数値情報を1加算する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「3」から「4」に更新される。
次に、ステップS1710の電役開放中処理について説明する。
電役開放中処理では、上記第1の実施の形態における図20にて示した処理と同様の処理を実行する。但し、ステップS1123では特図特電カウンタの数値情報を1加算する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「4」から「5」に更新される。
次に、ステップS1711の電役終了処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS2201では、排出シャッタ開放中フラグがセットされているか否かを判定し、ステップS2201にて否定判定をした場合には、続くステップS2202にて入球シャッタ37eの開放継続時間が経過しているか否かを判定する。ステップS2202にて否定判定をした場合にはそのまま本電役終了処理を終了し、ステップS2202にて肯定判定をした場合にはステップS2203にて排出シャッタ開放処理を実行する。その後、ステップS2204にて排出シャッタ開放中フラグをセットした後に、本電役終了処理を終了する。
ステップS2201にて肯定判定をした場合には、ステップS2205にて、振分中フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS2205にて否定判定をした場合には、ステップS2206にて左側入賞カウンタ及び右側入賞カウンタの合計を入賞カウンタに記憶させる。その後、ステップS2207にて振分中フラグをセットした後に、本電役終了処理を終了する。
ステップS2205にて肯定判定をした場合には、ステップS2208にて、入賞カウンタと排出カウンタの値が一致しているか否かを判定する。ステップS2208にて否定判定をした場合には、そのまま本電役終了処理を終了する。
ステップS2208にて肯定判定をした場合には、ステップS2209にて排出シャッタ閉鎖処理を実行し、ステップS2210にて振分中フラグをクリアし、ステップS2211にて排出シャッタ開放中フラグをクリアする。以上のステップS2201〜ステップS2211の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1201〜ステップS1211の処理と同様である。
ステップS2211の処理を実行した後は、ステップS2212にて、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS2212にて肯定判定をした場合には、ステップS2213にてオープニング時間を読み出し、ステップS2214にて、その読み出したオープニング時間を特図特電タイマカウンタにセットする。また、ステップS2215にて、オープニングコマンドを出力対象に設定する。ここでセットされるオープニング時間は、ステップS2109にてセットされるオープニング時間と同一であり、ここで出力対象に設定されるオープニングコマンドは、ステップS2111にて設定されるものと同一である。
その後、ステップS2216にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本電役終了処理を終了する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「5」から「6」に更新される。
一方、ステップS2212にて否定判定をした場合には、ステップS2217にて特図特電カウンタを「0」クリアするとともに、ステップS2218にてフラグクリア処理を実行した後に、本電役終了処理を終了する。これらステップS2217及びステップS2218の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS2104及びステップS2105の処理と同様である。
次に、ステップS1712の特電開始処理について説明する。
特電開始処理では、上記第1の実施の形態における図13にて示した処理におけるステップS404〜ステップS410の処理を実行する。また、ステップS408では、特電用の開放継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットし、ステップS410では、特図特電カウンタの数値情報を1加算する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「6」から「7」に更新される。
次に、ステップS1713の特電開放中処理について説明する。
特電開放中処理では、上記第1の実施の形態におけるステップS316の特電開放中処理と同様の処理を実行する。但し、図柄役物カウンタを1加算する処理に代えて、特図特電カウンタを1加算する処理を実行する。この場合、特図特電カウンタの数値情報は「7」から「8」に更新される。
次に、ステップS1714の特電閉鎖中処理について説明する。
特電閉鎖中処理では、上記第1の実施の形態におけるステップS317の特電閉鎖中処理と同様の処理を実行する。但し、図柄役物カウンタを1減算する処理に代えて、特図特電カウンタを1減算する処理を実行する。この場合、特図特電カウンタの数値情報は「8」から「7」に更新される。また、図柄役物カウンタを1加算する処理に代えて、特図特電カウンタを1加算する処理を実行する。この場合、特図特電カウンタの数値情報は「8」から「9」に更新される。
次に、ステップS1715の特電終了処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2301では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了し、エンディング時間が経過している場合にはステップS2302に進む。
ステップS2302では、高頻度結果フラグがセットされているか否かを判定する。高頻度結果フラグは、既に説明したとおり、特図側の当否判定処理においていずれかの大当たり結果となり、さらに振分判定処理において高頻度結果となった場合にセットされる。
ステップS2302にて肯定判定をした場合には、ステップS2303にて、高頻度フラグに「1」をセットする。なお、既に高頻度フラグに「1」がセットされている場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる。また、続くステップS2304では、遊技回数カウンタに終了基準回数である「100」をセットする。
一方、ステップS2302にて否定判定をした場合には、ステップS2305にて、継続結果フラグがセットされているか否かを判定する。継続結果フラグは、既に説明したとおり、特図側の当否判定処理においていずれかの大当たり結果となり、さらに振分判定処理において継続結果となった場合にセットされる。
ステップS2305にて肯定判定をした場合には、ステップS2306にて第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。そして、第2特図フラグがセットされていない場合にはステップS2307にて高頻度フラグがセットされているか否かを判定する一方、第2特図フラグがセットされている場合にはステップS2308にて高頻度入賞フラグがセットされているか否かを判定する。
つまり、ステップS2306〜ステップS2308では、今回の開閉実行モードへの移行契機となった保留情報が、上作動口202への入賞に係るものである場合にはそれが高頻度サポートモード中に遊技回の開始対象となったか否かを判定しており、下作動口203への入賞に係るものである場合にはそれが高頻度サポートモード中に取得されたものであるか否かを判定している。
ステップS2307にて肯定判定をした場合及びステップS2308にて肯定判定をした場合には、既に説明したステップS2303及びステップS2304の処理を実行して、開閉実行モード後のサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。一方、ステップS2307にて否定判定をした場合及びステップS2308にて否定判定をした場合には、ステップS2309にて、高頻度フラグをクリアする。なお、既に高頻度フラグが「0」である場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが低頻度サポートモードとなる。また、続くステップS2310では、遊技回数カウンタを「0」クリアする。
ステップS2304又はステップS2310の処理を実行した後は、ステップS2311にて、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアするとともに、ステップS2312にて、フラグクリア処理を実行した後に、本特電終了処理を終了する。フラグクリア処理の処理内容は、既に説明したものと同様である。また、V入賞フラグがセットされている場合には、この際に当該フラグがクリアされる。
<遊技の流れ>
次に、MPU82にて上記処理が実行されることに基づく遊技の流れについて、説明する。
低頻度サポートモードである状態において遊技球を発射することで、上作動口202への入賞が発生する。この入賞に基づき取得された保留情報が大当たり当選に対応している場合には、その当否結果は非分岐対応の大当たり結果であるため、開閉実行モードに移行する。
上記開閉実行モードへの移行の契機となった保留情報が低頻度結果又は継続結果に対応している場合には、開閉実行モードの終了後に低頻度サポートモードである状態に戻る。一方、当該保留情報が高頻度結果に対応している場合には、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードである状態に移行する。
高頻度サポートモードである状態において遊技球を発射することで、スルーゲート34,35への入賞が発生する。この場合に、サポート当選となった場合には下作動口203が開放状態となる。そして、下作動口203への入賞が発生した場合には、その入賞に基づき取得された保留情報について特図側の当否判定処理が実行される。
その結果が分岐対応の大当たり結果である場合には分岐実行モードに移行し、非分岐対応の大当たり結果である場合には開閉実行モードに移行する。また、分岐実行モードにおいてV入賞が発生した場合には、開閉実行モードに移行する。
開閉実行モードが終了した場合には、低頻度サポートモードである状態及び高頻度サポートモードである状態のいずれかに移行する。
以上のような遊技が行われる構成において、振分入賞装置37の構成、及び振分入賞装置37の駆動制御の構成として上記第1の実施の形態と同様の構成を有しているため、当該振分入賞装置37に関して、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
なお、下作動口203に遊技球が入賞した場合には、いずれのタイミングであったとしても、最大保留個数の範囲内で保留情報が保留記憶される構成としてもよい。また、当該最大保留個数は1個に限定されることはなく、2個、3個、4個、又は5個以上であってもよい。
また、上作動口202に遊技球が入賞したことを契機として実行される内部抽選と下作動口203に遊技球が入賞したことを契機として実行される内部抽選とで、大当たり結果の振分先の種類が同一である構成としてもよい。例えば、いずれの内部抽選であっても、外れ結果、分岐対応の大当たり結果及び非分岐対応の大当たり結果が抽選結果として設定されている構成としてもよい。この場合、上作動口202への入賞を契機とした場合、及び下作動口203への入賞を契機とした場合のいずれであっても、分岐対応の大当たり結果となる確率が同一又は略同一である構成としてもよい。但し、当該構成においては、分岐対応の大当たり結果となる確率を、上記実施の形態のものよりも低くすることが好ましい。また、非分岐対応の大当たり結果となる確率も、上作動口202への入賞を契機とした場合と、下作動口203への入賞を契機とした場合とで同一又は略同一としてもよい。
ちなみに、上作動口202への入賞を契機とした場合と下作動口203への入賞を契機とした場合とで内部抽選の態様を同一とする場合、両者を区別する必要がないため、第2特図保留エリア304を不具備とし、上作動口202への入賞が発生した場合及び下作動口203への入賞が発生した場合のいずれであっても、第1特図保留エリア303に保留情報が格納される構成としてもよい。また、当該構成においては、第1特図表示部38aと第2特図表示部38bとで区別する必要はなく、共通の特図表示部を設け、上作動口202への入賞を契機とする場合、及び下作動口203への入賞を契機とする場合のいずれであっても、当該共通の特図表示部にて絵柄の変動表示が行われる構成としてもよい。
また、当該変形例又は上記第3の実施の形態の構成において、内部抽選に際して、下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報が、上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報よりも優先される構成に代えて、内部抽選に際して、上作動口202への入賞に基づき取得された保留情報が、下作動口203への入賞に基づき取得された保留情報よりも優先される構成としてもよく、上作動口202及び下作動口203の区別なく、取得された順序が先側の保留情報から順に内部抽選の対象となる構成としてもよい。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、電役開放中処理の処理構成が上記各実施の形態と異なっている。図38は、本実施の形態における電役開放中処理の処理構成を示すフローチャートである。
まずステップS2401にて、入賞終了フラグがセットされているか否かを判定する。入賞終了フラグは、分岐実行モードにおいて入球シャッタ37eの開放時間が経過した場合又は左右一対の入球部45a,45bへの入球個数の合計が5個となった場合にセットされるフラグである。
ステップS2401にて否定判定した場合には、続くステップS2402にて開放継続時間が経過したか否かを判定する。ステップS2402にて否定判定をした場合には、ステップS2403にて右側入賞フラグがセットされているか否かを判定する。右側入賞フラグは、タイマ割込み処理のステップS210にて実行される入賞検知処理において右側検知センサ37iが遊技球を検知している場合に、セットされるフラグである。
ステップS2403にて肯定判定をした場合には、ステップS2404にて入賞カウンタを1加算するとともに、ステップS2405にて右側入賞フラグをクリアする。続くステップS2406では、入賞カウンタの値が5であるか否かを判定する。ステップS2403又はステップS2406にて否定判定をした場合には、ステップS2407にて左側入賞フラグがセットされているか否かを判定する。左側入賞フラグは、タイマ割込み処理のステップS1110にて実行される入賞検知処理において左側検知センサ37hが遊技球を検知している場合に、セットされるフラグである。
ステップS2407にて肯定判定をした場合には、ステップS2408にて入賞カウンタを1加算するとともに、ステップS2409にて左側入賞フラグをクリアし、続くステップS2410では、入賞カウンタの値が5であるか否かを判定する。
ステップS2402、ステップS2406又はステップS2410にて肯定判定をした場合には、ステップS2411にて入賞終了フラグをセットする。入賞終了フラグがセットされている場合には、タイマ割込み処理のステップS211にて図柄役物タイマカウンタ(又は特図特電タイマカウンタ)の更新処理が実行されない。当該入賞終了フラグは入球シャッタ37eの閉鎖後にクリアされる。
図柄役物タイマカウンタ(又は特図特電タイマカウンタ)が更新されないことにより、ステップS2411移行のステップにおいてシャッタタイマカウンタ又はガイドタイマカウンタの更新と図柄役物タイマカウンタ(又は特図特電タイマカウンタ)の更新とが重複して実行されることを防止できる。図柄役物タイマカウンタ(又は特図特電タイマカウンタ)、シャッタタイマカウンタ及びガイドタイマカウンタの値が別々に更新されることで、高頻度用の固定値に対応した時間よりも実際に入球シャッタ37eが開放状態となってから排出シャッタ46c,46dが開放するまでの時間が短くなってしまうことを防止可能となる。
ステップS2401にて肯定判定をした場合又はステップS2411の実行後は、ステップS2412〜ステップS2423の処理を実行する。これらステップS2412〜ステップS2423の処理内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS1112〜ステップS1123の処理内容と同様である。なお、上記第3の実施の形態においては、ステップS2423にて、特図特電カウンタの値を1加算する。
以上詳述した本実施の形態によれば、振分入賞装置37における左右一対の入球部45a,45bのうち、第1V入賞口案内部47cへの遊技球の排出に対応した入球部に5個の入球を発生させた場合には、開閉実行モードに移行することとなる構成において、1回の分岐実行モードにおいて振分入賞装置37に入球可能な遊技球の個数が5個となっている。これにより、遊技者は、振分入賞装置37への入球を発生させるための発射操作を行うタイミングまでに、いずれの入球部45a,45bを狙って発射操作を行うのかを決める必要が生じる。よって、入球を発生させる入球部45a,45bの選択について緊迫感が高められ、遊技の興趣向上が図られる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、振分入賞装置37における左右一対の入球部45a,45bに設けられたガイド片及び入球シャッタの構成が上記各実施の形態と異なっている。この相違する構成について以下に説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
図39(a)は、本実施の形態における振分入賞装置37の正面図であり、図39(b),(c)は左側の入球部45a及びその周辺を拡大して示す図である。
図39(a)に示すように、左右一対の入球部45a,45bのそれぞれには、上記第1の実施の形態における電動役物37cに代えて、開閉ユニット401が設けられている。なお、左右一対の開閉ユニット401は同一の構成となっているため、以下では左側の開閉ユニット401を例に挙げて説明する。
開閉ユニット401は、入球部45aを遊技球の入球が可能な開放状態と、遊技球の入球が不可な閉鎖状態との間で切り替えることを可能とする入球シャッタ402と、入球部45aを開放状態とする位置に当該入球シャッタ402が配置されている状況において遊技領域PEを流下する遊技球を下方から受けて入球部45aに導入することを可能とするガイド片403とを備えている。なお、図39(a)〜(c)では、入球シャッタ402及びガイド片403を断面の状態で示す。
入球シャッタ402は、板状の部材に対して、板厚方向に貫通する入球用孔部404が形成された構成となっている。入球シャッタ402は、シャッタ用駆動部405に対して図示しないリンク機構を介して連結されており、当該シャッタ用駆動部405により駆動されることで、入球部45aを開放状態とする開放側限界位置と、入球部45aを閉鎖状態とする閉鎖側限界位置との間で切り替え配置される。
ガイド片403は、板状に形成されており、一端が振分ベース部51bに軸支されている。したがって、ガイド片403は、その軸支箇所を中心にして回動可能となっている。また、ガイド片403は、入球用孔部404を貫通するようにして設けられている。そして、ガイド片403は、入球用孔部404を区画する下側の縁部に上方から乗った状態となっており、この状態は入球シャッタ402の移動範囲の全体に亘って維持される。したがって、入球シャッタ402が開放側限界位置に向けて移動する場合には、上記下側の縁部によりガイド片403が上方に押され、入球シャッタ402が閉鎖側限界位置に向けて移動する場合には、自重によってガイド片403が上記下側の縁部に上方から乗った状態が維持される。かかる構成であることにより、ガイド片403は入球シャッタ402に追従することとなり、ガイド片403を直接的に駆動する駆動部を設けなくても、入球部45aに向けて遊技球をガイドするガイド状態と、ガイドしない非ガイド状態との間でガイド片403を切り替え配置することが可能となる。
ガイド片403がガイド状態となっている場合には、図39(b)に示すように、ガイド片403は入球用孔部404の下側の縁部全体と当接した状態となる。そして、この状態では、ガイド片403の回動先端側は回動軸部側よりも上方に位置し、ガイド片403の上面は入球部45aに向けて下り傾斜した状態となっている。よって、ガイド片403において、遊技領域PEを流下する遊技球を下方から受け、さらにその受けた遊技球を入球部45aに導入することが可能となる。
また、ガイド片403がガイド状態である場合には入球シャッタ402は開放側限界位置に配置されているが、入球用孔部404は入球部45aよりも大きく形成されており、入球部45aはその全体が入球用孔部404と重なっている。したがって、遊技領域PEを流下する遊技球をガイド片403により下方から受け、さらにその遊技球を入球部45aに導入することが可能となる。
上記のようにガイド片403がガイド状態となっている状態から入球シャッタ402が閉鎖側限界位置に向けて移動することにより、ガイド片403はそれに追従して回動し、図39(c)に示すように、閉鎖側限界位置に向けて移動している途中位置にてガイド片403は非ガイド状態となる。この場合に、入球用孔部404は、ガイド片403がガイド状態から非ガイド状態となったタイミングにおいては、未だ入球部45aの全体と重なっている状態が維持されるように形成されている。したがって、入球部45aが開放状態から閉鎖状態となる場合には、ガイド片403がガイド状態から非ガイド状態となった後に、入球部45aが入球シャッタ402により閉鎖された状態とされる。これにより、ガイド片403を利用して入球部45aへの入球を容易としながら案内通路44aへの入球個数を5個に制限する構成において、入球シャッタ402と入球部45aとの間で遊技球を噛んでしまうという不都合の発生を阻止することが可能となる。また、ガイド片403は入球シャッタ402に従動する構成であるため、電気的な構成の簡素化を図りながら、このような効果を奏することが可能となる。
なお、このような構成であることから、入球部45aが閉鎖状態から開放状態になる場合には、まず入球部45aが入球シャッタ402により開放された状態となった後に、ガイド片403が非ガイド状態からガイド状態とされる。
また、入球部45aの閉鎖状態において入球シャッタ402は、入球部45aの全体を閉鎖するのではなく、開放された領域は開放状態よりも狭くなるものの一部は開放された状態とする構成としてもよい。
<他の実施の形態>
(1)上記各実施の形態において、抽選モード切換スイッチ92aとしてスライド式のハードウェアスイッチを設け、当該抽選モード切換スイッチ92aの位置を手動で切り替えることによって表示制御装置92による報知抽選の当選確率を変える構成としたが、当該抽選モード切換スイッチ92aをソフトウェアによって構成することでプログラムとして自動で切り換える構成としてもよい。例えば、表示制御装置92のRWMに、高確率抽選モード、通常抽選モード及び低確率抽選モードに対応するフラグと、抽選モードの切替時間を把握する切替用カウンタと、を設ける。そして一定の周期(例えば4msec)ごとに表示制御装置92が切替用カウンタを加算し、当該カウンタの値が所定の値になったら現在の抽選モードに対応するフラグをクリアし、異なる抽選モードに対応するフラグをセットする。表示制御装置92は、各抽選モードに対応するフラグを報知抽選前に確認して、フラグがセットされている抽選モードに対応する抽選テーブルをROMから読み出す。
また、抽選モード切換スイッチ92aをソフトウェアによって自動で切り替える構成とした場合、各抽選モードに対応するフラグのうちどのフラグがセットされるかは、時間によって異なる構成としてもよい。例えば、表示制御装置92の入力側に時計が接続されており、表示制御装置92は当該時計の時刻に対応した値を所定の周期(例えば4msec)にてRWMに格納する。そして、当該RWMに格納された値の範囲によって抽選モードを異ならせる構成が考えられる。例えば、RWMに格納された値が10時〜12時に対応した値であれば高確率抽選モードとし、12時〜17時に対応した値であれば通常抽選モードとし、17時〜23時に対応した値であれば低確率抽選モードとする。
(2)上記各実施の形態において、入球シャッタとガイド片は同時に駆動されず、一方の動作の終了後にもう一方が動作する構成としたが、一方の動作中にもう一方が動作する構成としてもよい。具体的には、入球シャッタの開放動作においては、入球シャッタの開放中にガイド片をガイド状態とし、入球シャッタの閉鎖動作においては、ガイド片を非ガイド状態とする途中に入球シャッタの閉鎖動作を開始する構成が考えられる。これにより、入球シャッタの開放動作においては、ガイド片のガイド状態がより早い段階で完了するため、入球部へ遊技球の発生がしやすくなる。また、入球シャッタの閉鎖動作においては、ガイド片の非ガイド状態の完了を待たずして入球シャッタを閉じることが可能となるため、主制御装置71が入球シャッタの閉鎖の判断をしてから実際に閉鎖するまでに発生する余分な入賞が発生しづらくなる。
(3)上記各実施の形態において、V入賞報知が抽選によって実行の有無が決定される構成としなくてもよく、他の条件が満たされることで実行される構成としてもよい。例えば、外れに対応した保留情報に基づく遊技回が所定の回数連続で実行された場合に、次の分岐実行モードにてV入賞報知が実行される構成としてもよい。具体的には、大当たりに対応した遊技回が終了した後、所定のカウンタ値を「0」クリアし、遊技回が実行されるごとに所定のカウンタを1加算する。各遊技回の実行後にカウンタの値を確認し、所定の回数に達していた場合に、V入賞報知用のコマンドを表示制御装置92に送信する構成が考えられる。
(4)上記各実施の形態において、V入賞報知の期間を電動役物の開放前としたが、電動役物の開放中も報知してもよい。具体的には、表示制御装置92がV入賞報知用のコマンドを受信してから報知を終了するまでに5秒以上要する構成において、この場合にもV入賞報知処理において開放前カウンタの値を「750」に設定して、当該開放前カウンタの値が「0」となった場合に、入球シャッタの開放処理を実行すればよい。これにより、電動役物の開放中も報知内容を確認しながら確実にV入賞し易い発射操作の態様にて遊技をすることができる。
(5)上記各実施の形態において、V入賞を契機とした開閉実行モードの終了後に低頻度サポートモードに移行する構成としたが、高頻度サポートモードによるサポート抽選回数が決まっている構成としてもよい。例えば、V入賞を契機としない開閉実行モード後に、所定回数が所定のカウンタにセットされ、電役側の保留情報についての抽選処理が実行された場合に1減算していき、所定のカウンタの値が「0」になったことに伴い高頻度フラグがクリアされる構成が考えられる。
(6)上記各実施の形態において、左側領域PE2を流下する遊技球は左側入球部45aへ入球し易く、右側領域PE3を流下する遊技球は右側入球部45bへ入球し易い構成となっているが、左側領域PE2を流下する遊技球は右側入球部45bに入球せず、右側領域PE3を流下する遊技球は左側入球部45aに入球しない構成としてもよい。
(7)上記各実施の形態において、主制御装置71から音光制御装置91に左側用報知コマンド及び右側用報知コマンドのいずれも報知しない場合であってもV入賞報知に要する時間情報を開始前カウンタに格納する構成とせず、音光制御装置91へ左側用報知コマンド及び右側用報知コマンドのいずれも報知しない場合には、開始前カウンタに時間情報を格納しない又は開始前カウンタをクリアする構成としてもよい。これにより、V入賞報知に当選しなかった場合に、V入賞報知を実行するための時間を発生させることなく、次のサポート抽選又は開閉実行モードの抽選を実行することが可能となる。
(8)上記各実施の形態において、内部通路内に収容できる遊技球数が5個となるように、内部通路の形状を遊技球5個分の長さとし、内部通路の幅を遊技球1個分としたが、内部通路内に5個よりも多くの遊技球が収容可能とする構成であってもよい。例えば、内部通路には7個の遊技球が入球可能である構成が考えられる。当該構成では、V入賞の発生に対応した入球部とは異なる入球部に7個の遊技球を入球させた場合でも、V入賞の可能性があるため、遊技者の遊技への注目度を高めることができる。
また例えば、上記7個の遊技球の入球が可能な内部通路において、6個目以降に入球した遊技球を排出するための排出通路を設ける構成としてもよい。具体的には、排出部から排出された遊技球を検知する検知センサを設け、排出通路への遊技球の進入を規制する排出通路用シャッタを設ける。7個の遊技球が入球シャッタの開放継続時間内に入った場合、まず5個の遊技球を排出シャッタの開放後に排出し、5個の遊技球の排出が確認された時点で排出シャッタを閉鎖状態とする。その後、排出通路用シャッタを開放し、内部通路に残った遊技球を排出通路へ案内する。
(9)上記各実施の形態において、第1振分部材が常に一定の速度で回転動作する構成とせず、特定の周期で速度が変化する構成としもよい。例えば、回転動作に2段階の速度を設け(例えば、1周期10秒と5秒)、それぞれの速度に対応するフラグを主制御装置71のRWM84に設ける。どちらかのフラグをセットすることで、主制御装置71はセットされたフラグに対応した速度で振分用モータ53を駆動する。案内部検知カウンタの値が「0」クリアされたことに基づいてフラグを切り替える。
ここで、第1振分部材の回転速度が変化する構成においてV入賞報知を実行するために、セットされたフラグに対応させて案内部検知カウンタの値の加算方法を変える。例えば、1周期10秒である場合にはタイマ割込み処理ごとに1加算、1周期5秒である場合にはタイマ割込み処理ごとに2加算する。これにより、周期5秒でタイマ割込み処理ごとに2加算する場合と1周期10秒でタイマ割込み処理ごとに1加算する場合とで、第1V入賞口案内部の位置に対応した案内部検知カウンタの値として同じ値を使用することができる。上記構成とすることで、回転速度が特定の周期で変化する構成においてもV入賞報知を実行することが可能となる。
(10)上記各実施の形態において、V入賞報知をするか否かの抽選処理を表示制御装置92で実行する構成とせずに、主制御装置71で実行する構成としてもよい。例えば、主制御装置71のタイマ割り込み処理にて実行されるV入賞報知処理の始めの処理としてV入賞報知を実行するか否かを抽選する抽選処理を実行する構成が考えられる。この場合、ROM83に抽選用のテーブルを記憶しておく。その後、当該抽選処理の結果が当選結果である場合には、報知コマンドの出力設定についての処理を実行し、外れ結果である場合には、報知コマンドを出力対象に設定することなくV入賞報知処理を終了する。表示制御装置92では、報知コマンドを受信した場合に当該受信した報知コマンドに対応した演出を図柄表示装置42にて実行させる。
(11)上記各実施の形態において、V入賞報知を実行する場合以外であれば、入球シャッタが閉鎖状態から開放状態となったタイミングから排出シャッタが閉鎖状態から開放状態となるまでの時間を一定としなくてもよい。例えば、主制御装置71にてV入賞報知をするか否かを抽選する抽選処理を実行し、その抽選結果が外れ結果である場合には、入球シャッタが開放状態から閉鎖状態となったタイミングで排出シャッタを閉鎖状態から開放状態とする構成が考えられる。入球シャッタは、一方の入球部に5個の遊技球が入球したタイミングか、開放継続時間が経過したタイミングで閉鎖状態となるため、一定のタイミングではないため、排出シャッタの閉鎖タイミングを分岐実行モードごとで異ならせることが可能となる。
(12)上記各実施の形態において、振分入賞装置でなく作動口33に所定個数の遊技球が所定期間にて入賞した場合に、特典を付与する構成としてもよい。例えば、所定期間として5個の遊技球が入賞可能な期間(例えば10秒)を設定し、当該所定期間の開始を図柄表示装置42にて報知する。この場合に、特図用の保留エリア103として5個のエリアが設けられている。
所定期間内における作動口33への入賞について、1個目〜4個目の入賞に基づいて取得された保留情報については所定の確率にて抽選処理を実行する。ここで、1個目〜4個目の入賞に基づいて取得された保留情報は、4個のうち1個が大当たり結果に対応している場合には、その他の保留情報は外れ結果に対応した情報に書き換えられる。5個目の入賞に基づいて取得された保留情報については、1個目〜4個目の入賞に基づいて取得された保留情報が全て外れ結果に対応したものである場合に大当たり結果に対応した情報が格納され、1個目〜4個目の入賞に基づいて取得された保留情報がいずれかが大当たり結果に対応したものである場合には外れ結果に対応した情報が格納される。
(13)上記各実施の形態において、第1振分部材の前側に設けられた前面カバー37aによって第1振分部材の回転動作をパチンコ機10の前方から視認できない構成とせず、第1振分部材の回転動作が実行されていることを視認可能としてもよい。
具体的には、前面カバー37aの一部を透明な部材にて形成することで第1振分部材の回転動作が実行されていることを視認可能とする構成が考えられる。この場合、遊技者が第1V入賞口案内部の位置を認識できないように、第1V入賞口案内部と外れ口案内部とで共通の構造部分のみが視認可能となるように前面カバー37aを形成する。
(14)上記第1の実施の形態において、各分岐実行モードにて左側入球部45a及び右側入球部45bのいずれか所定の入球部に5個の遊技球を入球させればV入賞を発生させることが可能な構成とせず、所定の分岐実行モードにて左側入球部45a及び右側入球部45bのいずれに5個の遊技球を入球させてもV入賞しない構成としてもよい。
具体的には、第1振分部材47に外れ口案内部47bを10個以上設け、排出部46a,46bから遊技球が同時に5個ずつ排出された場合に全ての遊技球を外れ口案内部47bへ排出可能な位置に各外れ口案内部47bが設けられている構成が考えられる。
(15)上記各実施の形態における振分入賞装置を利用した構成を、他のタイプのパチンコ機に適用してもよい。
(15−1)当該他のタイプのパチンコ機として具体的には、一の作動口への入賞に基づき分岐実行モードへの移行抽選が実行されるとともに開閉実行モードへの移行抽選も実行されるタイプが考えられる。この場合、分岐実行モードにおいてV入賞が発生した場合に開閉実行モードへ移行する点は、上記各実施の形態と同様とする。また、開閉実行モードへの移行確率をある程度抑えながら、分岐実行モードへの注目度を高める上では、作動口への入賞に基づき実行される内部抽選において開閉実行モードへの移行当選となる確率よりも分岐実行モードへの移行当選となる確率を高くすることが好ましい。また、上記のように開閉実行モード及び分岐実行モードへの移行契機となる作動口を複数設け、そのうちの少なくとも1個は開閉部材を不具備とすることで入賞頻度が遊技状態に依存しないようにし、その他は開閉部材を具備することで入賞頻度が遊技状態に依存する構成とする。当該構成においては、上記各実施の形態におけるスルーゲートへの入賞に基づき振分入賞装置の開放抽選が行われるのではなく、後者の作動口の開閉部材を開放状態とするか否かの抽選が行われるようにし、開放当選となった場合には当該後者の作動口への入賞が発生し易くなるようにするとよい。ちなみに、スルーゲートへの入賞に基づき後者の作動口の開放抽選が行われる構成では、作動口への入賞に基づき内部抽選が行われ、特図表示部の変動、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれかが実行されている状況であっても、スルーゲートへの入賞に基づく内部抽選、電役図柄表示部の変動、後者の作動口の開放動作が行われ得る構成とするとよい。
(15−2)他のタイプのパチンコ機としては、上記の構成以外にも、以下の構成が考えられる。具体的には、開閉部材が不具備であることで入賞頻度が遊技状態に依存しない第1作動口と、開閉部材を具備することで入賞頻度が遊技状態に依存する第2作動口とを含めて、複数の作動口を有する構成とする。そして、第1作動口への入賞に基づき開閉実行モードへの移行抽選が実行される一方、分岐実行モードへの移行抽選が実行されないようにし、第2作動口への入賞に基づき開閉実行モードへの移行抽選及び分岐実行モードへの移行抽選の両方が実行されるようにする。また、上記各実施の形態におけるスルーゲートへの入賞に基づき振分入賞装置の開放抽選が行われるのではなく、第2作動口の開閉部材を開放状態とするか否かの抽選が行われるようにし、開放当選となった場合には第2作動口への入賞が発生し易くなるようにするとよい。ちなみに、スルーゲートへの入賞に基づき第2作動口の開放抽選が行われる構成では、いずれかの作動口への入賞に基づき内部抽選が行われ、特図表示部の変動、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれかが実行されている状況であっても、スルーゲートへの入賞に基づく内部抽選、電役図柄表示部の変動、第2作動口の開放動作が行われ得る構成とするとよい。
上記構成の場合、第2作動口の開放動作が行われる頻度が相対的に高低となる高頻度モードと低頻度モードとを設定し、これらのモードの変化が、開閉実行モードへの移行が発生した場合に所定確率(例えば60%)で発生する構成とするよい。この場合、低頻度モードにおいては、遊技者は第1作動口への入賞を狙って遊技を行う。当該遊技を行っている状況では、基本的には第2作動口への入賞が発生しづらいため、分岐実行モードへの移行が発生しづらい。第1作動口への入賞に基づき開閉実行モードへの移行当選となり、さらに高頻度モードへの移行当選となった場合には、当該開閉実行モードの終了後に、遊技者は第2作動口への入賞を狙って遊技を行う。この場合に、第2作動口への入賞に基づき分岐実行モードへ移行する確率を、開閉実行モードに直接移行する確率よりも高確率(例えば1/1.3)とすることにより、分岐実行モードへの移行契機が高められる。高頻度モードにおいて開閉実行モードへの移行が発生したとしても、上記所定確率又は上記所定確率よりも高い確率(例えば80%)で高頻度モードに滞在する(すなわち低頻度モードに移行しない)ようにすることで、高頻度モード中の遊技への注目度が高められる。
また、上記構成においては、第1作動口と第2作動口とを横方向に離間させることにより、発射操作の態様の変更に伴い発射強度を調整することで、第2作動口よりも第1作動口への入賞が発生し易い態様と、第1作動口よりも第2作動口への入賞が発生し易い態様とを遊技者が選択できるようにするとよい。この場合、低頻度モードと高頻度モードとで遊技者が発射操作の態様を変化させるという遊技が追加される。
(16)上記第5の実施の形態では、ガイド片403はガイド状態側の限界位置から非ガイド状態側の限界位置に向けた変位が自重により行われる構成としたが、これに代えて、ガイド片403を非ガイド状態側の限界位置に向けて付勢するバネなどの付勢手段を設け、当該付勢力を利用してガイド片403が非ガイド状態側の限界位置に向けて変位する構成としてもよい。
(17)上記第5の実施の形態において、入球シャッタ402が駆動部405により駆動されて変位するとともに、それに追従してガイド片403が変位する構成に代えて、ガイド片403が駆動部405により駆動されて変位するとともに、それに追従して入球シャッタ402が変位する構成としてもよい。また、この追従させるための構成としては、ガイド片403の一部が入球シャッタ402に当接するようにし、その当接箇所を通じて入球シャッタ402がガイド片403に追従する構成としてもよく、ガイド片403と入球シャッタ402との間にリンク機構を設け、当該リンク機構を通じて当該追従が行われる構成としてもよい。
なお、このように入球シャッタ402とガイド片403とがリンク機構を介して連結される構成を、上記5の実施の形態のように、入球シャッタ402の変位にガイド片403が追従する構成に適用してもよい。
(18)上記第5の実施の形態では、入球シャッタ402が開放状態となった後にガイド片403がガイド状態となり、且つガイド片403が非ガイド状態となった後に入球シャッタ402が閉鎖状態となる構成としたが、これに代えて、ガイド片403がガイド状態となった後に入球シャッタ402が開放状態となり、且つ入球シャッタ402が閉鎖状態となった後にガイド片403が非ガイド状態となる構成としてもよい。この場合、入球シャッタ402とガイド片403とを段階的に遷移させる構成において、入球部45a,45bに遊技球が入賞する機会を高めることが可能となる。
なお、入球シャッタ402及びガイド片403の段階的な遷移についての当該変形例の構成を、上記第1の実施の形態〜上記第4の実施の形態のいずれかの構成に対して適用してもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(第1及び第2の実施の形態における発射操作装置28)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第1の実施の形態における入球部45a,45b、第2の実施の形態における入球部145)と、
少なくとも所定期間において前記入球口に所定個数の遊技球が入球した場合に遊技者に特典が付与されるようにし且つ当該所定期間において前記入球口に入球した遊技球が前記所定個数よりも少ない数であったとしても遊技者に特典が付与され得るようにする特典付与手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞を契機とする開閉実行モードを実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、少なくとも所定期間において所定個数の遊技球が入球口に入球した場合に、遊技者は特典を得ることが可能となる。これにより、遊技者の積極的な発射操作によって特典の付与を発生させることが可能となり、遊技者は少なくとも所定期間にて所定個数の遊技球を入球口に入球させることに注目することとなる。その結果、遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。
また、少なくとも所定期間において所定個数よりも少ない遊技球が入球口へ入球した場合にも特典の付与が発生し得ることにより、入球口へ所定個数の遊技球の入球が発生しない場合にも特典付与が期待できる。よって、入球口へ所定個数の遊技球の入球が発生しなかった場合であっても、遊技者の遊技結果への注目度を持続させることが可能となる。
特徴A2.前記特典付与手段は、前記所定期間とは異なる期間では、前記入球口に前記所定個数の遊技球が入球したとしても前記特典が付与されないように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、入球口に所定個数の遊技球を入球させれば特典が付与される期間と、所定個数の遊技球を入球させたとしても特典が付与されない期間とが存在することにより、遊技の多様化を図ることが可能となる。また、遊技者は、前者の期間となることを期待して遊技を行うこととなり、遊技への注目度が高められる。
特徴A3.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な前記入球口とは別の入球口(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45b)を備え、
前記特典付与手段は、前記異なる期間において前記別の入球口に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典が付与され得るように構成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、入球口に所定個数の遊技球を入球させたとしても特典が得られない期間であっても別の入球口への入球に基づき特典が付与され得るため、当該期間であっても遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。また、遊技者は、入球口に所定個数の遊技球を入球させるべく発射操作を行うべきか、別の入球口に遊技球を入球させるべく発射操作を行うべきかを選択する必要が生じ、遊技への積極参加を促すことが可能となり、この点からも遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A4.前記入球口と前記別の入球口とは、前者への遊技球の入球を狙う場合と後者への遊技球の入球を狙う場合とで前記発射操作の態様を変化させる必要があるように設けられており、
前記特典付与手段は、前記異なる期間に含まれる特定期間において前記別の入球口に前記所定個数の遊技球が入球した場合に遊技者に特典が付与されるようにし且つ当該特定期間において前記別の入球口に入球した遊技球が前記所定個数よりも少ない数であったとしても遊技者に特典が付与され得るように構成され、さらに前記所定期間では、前記別の入球口に前記所定個数の遊技球が入球したとしても前記特典が付与されないように構成されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技者は所定期間及び特定期間のうちいずれかであるかを予測して、その予測結果に従って発射操作を行う必要が生じる。これにより、遊技への積極参加を促すことが可能となる。また、入球口への遊技球の入球を通じて特典が付与される場合の入球個数と、別の入球口への遊技球の入球を通じて特典が付与される場合の入球個数とは、所定個数で同一となっているため、特典付与の発生条件が複雑化することを抑制することが可能となる。よって、遊技内容が複雑化してしまうことを抑制しながら、上記のような遊技を提供することが可能となる。
特徴A5.前記入球口は、遊技球の入球が許容された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態)と遊技球の入球が阻止された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態)とのそれぞれに切り替え可能であり、
前記別の入球口は、遊技球の入球が許容された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態)と遊技球の入球が阻止された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態)とのそれぞれに切り替え可能であり、
前記入球口及び前記別の入球口の両方が前記許容された状態となるようにする手段(第1の実施の形態における入球シャッタ用の駆動部37g)を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、入球口及び別の入球口のそれぞれは遊技球の入球が許容される状態と阻止される状態とで遷移可能であるため、これら入球口及び別の入球口への遊技球の入球を狙うべき期間を明確に把握することが可能となる。また、このように入球口及び別の入球口に遊技球が入球可能な期間が制限される構成において、当該入球可能な期間として両入球口への遊技球の入球が可能となる期間が含まれていることにより、所定期間及び特定期間のうちいずれであるかを遊技者に選択させる機会を生じさせることが可能となる。
特徴A6.前記所定期間であることを遊技者に認識可能とさせる報知を実行する報知手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞報知処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技者は、単に特典付与手段に注目するだけでなく、所定期間であることを認識可能な報知が報知手段に実行されることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A7.前記入球口は前記特典付与手段に設けられており、
当該特典付与手段は、
前記入球口に入球した遊技球が入球可能であって入球した場合に遊技者に特典が付与されることとなる当選入球部(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞通路49)と、
前記入球口に入球した遊技球を前記当選入球部及び前記当選入球部以外の箇所のうちいずれかに振り分ける振分手段(第1の実施の形態における振分ユニット51a、第2の実施の形態における振分ユニット151a)と、
を備え、
当該振分手段は、少なくとも所定期間において前記入球口に前記所定個数の遊技球が入球した場合にそのうちの少なくとも1個の遊技球が前記当選入球部に導かれ且つ当該所定期間において前記入球口に入球した遊技球が前記所定個数よりも少ない数であったとしても遊技球が前記当選入球部に導かれ得るように振分動作を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、遊技者は、入球口に遊技球を入球させた後も、特典付与手段内における遊技球の動きに注目することとなり、遊技球の動きを利用しながら、上記特徴A1のような斬新な遊技を提供することが可能となる。また、遊技機内部の処理として複雑な処理を実行しなくても、上記特徴A1のような斬新な遊技を提供することが可能となる。
特徴A8.前記入球口への遊技球の入球を許容する許容状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態、第2の実施の形態における入球部145の開放状態)に制御可能であり、前記入球口への遊技球の入球を阻止する阻止状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態、第2の実施の形態における入球部145の閉鎖状態)に制御可能である入球口制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役図柄確定中処理及び電役開放中処理を実行する機能)を備え、
当該入球口制御手段は、前記入球口を前記許容状態とした場合、当該入球口に前記所定個数の遊技球が入球したことに基づいて前記入球口を前記阻止状態とする手段を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、入球口に所定個数の遊技球が入球したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。これにより、特典付与への一条件を満たしたことを認識させることが可能となり、遊技の進行状況の理解度を高められ、上記のような斬新な遊技を好適に提供することが可能となる。また、遊技者が無駄に遊技球の発射を継続させてしまうことを抑制可能となるとともに、所定個数を超えて入球した遊技球の扱いを考慮する必要がない点で特典付与手段の構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴A9.前記特典付与手段は、
前記入球口に入球した遊技球を前記振分手段に導く案内通路(第1の実施の形態における内部通路44a,44b、第2の実施の形態における内部通路144)と、
当該案内通路から前記振分手段への遊技球の導出を可能とする導出許可状態(第1の実施の形態における排出シャッタ46cの開放状態、第2の実施の形態における排出シャッタ146bの開放状態)に遷移可能であって当該導出を不可とする導出不可状態(第1の実施の形態における排出シャッタ46cの閉鎖状態、第2の実施の形態における排出シャッタ146bの閉鎖状態)に遷移可能なシャッタ手段(第1の実施の形態における排出シャッタ46c、第2の実施の形態における排出シャッタ146b)と、
を備え、
前記案内通路は、前記シャッタ手段が前記導出不可状態である場合に少なくとも前記所定個数の遊技球が待機可能に形成されていることを特徴とする特徴A7又はA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、振分手段に向けて所定個数の遊技球が導入される時期を予め定めることが可能となる。よって、振分手段の振分動作を複雑に制御しなくても、上記のような斬新な遊技を提供することが可能となる。
特徴A10.前記特典付与手段は、前記入球口に入球した遊技球が入球可能であって当該入球口に入球した遊技球のうち前記当選入球部に入球しない遊技球が入球する外れ入球部(第1及び第2の実施の形態における外れ用通路50a)を前記当選入球部以外の箇所として備え、
前記振分手段は、前記入球口に入球した1個の遊技球を受け入れ可能であって当該受け入れた遊技球を前記当選入球部に誘導する当選対応箇所(第1の実施の形態における第1V入賞口案内部47c、第2の実施の形態における第1V入賞口案内部147c)と、前記入球口に入球した1個の遊技球を受け入れ可能であって当該受け入れた遊技球を前記外れ入球部に誘導する外れ対応箇所(第1の実施の形態における外れ口案内部47b、第2の実施の形態における外れ口案内部147b)と、を含めた複数の対応箇所(第1の実施の形態における球案内部47a、第2の実施の形態における球案内部147a)が軸周りに設けられた回転体(第1の実施の形態における第1振分部材47、第2の実施の形態における第1振分部材147)であり、
前記入球口に入球した遊技球は前記複数の対応箇所のいずれかに流入する構成であり、
前記所定期間において前記入球口に前記所定個数の遊技球が入球した場合、それら遊技球の全てがいずれかの前記対応箇所に入球するまでに、それら遊技球の入球対象に前記当選対応箇所が含まれる構成であることを特徴とする特徴A7乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、回転体の回転周期との関係で所定期間を定めることが可能となるため、振分手段の振分動作を複雑に制御しなくても、上記のような斬新な遊技を提供することが可能となる。
特徴A11.前記振分手段は、前記所定期間とは異なる期間では、前記入球口に前記所定個数の遊技球が入球したとしてもそれら遊技球の全てが前記当選入球部に導かれないように振分動作を実行するものであることを特徴とする特徴A7乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、入球口に所定個数の遊技球を入球させれば特典が付与される期間と、所定個数の遊技球を入球させたとしても特典が付与されない期間とが存在することにより、遊技の多様化を図ることが可能となる。また、遊技者は、前者の期間となることを期待して遊技を行うこととなり、遊技への注目度が高められる。
特徴A12.前記入球口への遊技球の入球を許容する許容状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態、第2の実施の形態における入球部145の開放状態)に制御可能であり、前記入球口への遊技球の入球を阻止する阻止状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態、第2の実施の形態における入球部145の閉鎖状態)に制御可能である入球口制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役図柄確定中処理及び電役開放中処理を実行する機能)を備え、
前記入球口制御手段により前記入球口が前記許容状態とされるタイミングに応じて、前記所定期間となる場合もあれば前記異なる期間となる場合がある構成であることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、入球口に遊技球が入球可能となる期間を制御することにより所定期間を生じさせることが可能となるため、振分手段の振分動作のみを制御して上記のような遊技内容とする必要がない。よって、振分手段の振分動作を複雑に制御しなくても、上記のような斬新な遊技を提供することが可能となる。
特徴A13.前記入球口制御手段は、少なくとも前記異なる期間においては、前記入球口を前記許容状態とした場合、当該入球口に前記所定個数の遊技球が入球したことに基づいて前記入球口を前記阻止状態とするものであることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、所定期間とは異なる期間では、入球口に所定個数の遊技球を入球させたとしても特典は付与されず、さらに入球口に入球可能な遊技球の数は所定個数に制限される。よって、当該異なる期間では、入球口に入球した遊技球の扱いや振分手段の振分動作の制御を複雑なものとしなくても、上記特徴A11のような遊技を提供することが可能となる。
特徴A14.前記特典付与手段は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な前記入球口とは別の入球口(第1の実施の形態における左側入球部45a又は側入球部45b)を備え、
当該別の入球口に入球した遊技球は前記入球口に入球した遊技球とは異なる通路(第1の実施の形態における左側内部通路44a又は右側内部通路44b)で前記振分手段に導かれる構成であり、
当該振分手段は、前記入球口に入球した遊技球だけでなく前記別の入球口に入球した遊技球についても前記当選入球部及び当該当選入球部以外の箇所のいずれかに振り分けるものであって、前記異なる期間においては前記別の入球口に入球した遊技球が前記当選入球部に導かれ得るように、振分動作を実行するものであることを特徴とする特徴A11乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、入球口に所定個数の遊技球を入球させたとしても特典が得られない期間であっても別の入球口への入球に基づき特典が付与され得るため、当該期間であっても遊技者の遊技への注目度を高めることが可能となる。また、遊技者は、入球口に所定個数の遊技球を入球させるべく発射操作を行うべきか、別の入球口に遊技球を入球させるべく発射操作を行うべきかを選択する必要が生じ、遊技への積極参加を促すことが可能となり、この点からも遊技への注目度を高めることが可能となる。さらにまた、当該遊技を、共通の振分手段を利用して提供することが可能となり、構成の簡素化が図られる。
特徴A15.前記入球口と前記別の入球口とは、前者への遊技球の入球を狙う場合と後者への遊技球の入球を狙う場合とで前記発射操作の態様を変化させる必要があるように設けられており、
前記振分手段は、前記異なる期間に含まれる特定期間において前記別の入球口に前記所定個数の遊技球が入球した場合にそのうちの少なくとも1個の遊技球が前記当選入球部に導かれ且つ当該特定期間において前記入球口に入球した遊技球が前記所定個数よりも少ない数であったとしても遊技球が前記当選入球部に導かれ得るように振分動作を実行し、さらに前記所定期間では、前記別の入球口に前記所定個数の遊技球が入球したとしてもそれら遊技球の全てが前記当選入球部に導かれないように振分動作を実行するものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、遊技者は所定期間及び特定期間のうちいずれかであるかを予測して、その予測結果に従って発射操作を行う必要が生じる。これにより、遊技への積極参加を促すことが可能となる。また、入球口への遊技球の入球を通じて特典が付与される場合の入球個数と、別の入球口への遊技球の入球を通じて特典が付与される場合の入球個数とは、所定個数で同一となっているため、特典付与の発生条件が複雑化することを抑制することが可能となる。よって、遊技内容が複雑化してしまうことを抑制しながら、上記のような遊技を提供することが可能となる。
特徴A16.前記振分手段は自身が変位することにより前記振分動作を実行するものであり、
前記振分手段の振分動作位置を把握する動作位置把握手段(第1及び第2の実施の形態における案内部確認処理を実行する機能)と、
当該動作位置把握手段の把握結果に基づいて、前記所定期間であること及び前記所定期間となることの少なくとも一方を遊技者に認識可能とさせる特別報知を報知手段(第1及び第2の実施の形態における図柄表示装置42)にて実行させる報知制御手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞報知を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、遊技者は、単に特典付与手段に注目するだけでなく、所定期間であることを認識可能な報知が報知手段に実行されることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技への注目度を高めることが可能となる。また、振分手段の振分動作位置に応じて特別報知を実行すればよいため、振分手段を利用して上記のような斬新な遊技を提供する構成において特別報知を任意のタイミングで実行することが可能となる。
特徴A17.前記入球口に前記所定個数の遊技球を入球させることが不可となる前の所定タイミングにおける前記動作位置把握手段の把握結果と、当該所定タイミングから前記所定個数の遊技球が前記振分手段の振分対象となるまでに要する期間との関係から前記所定期間が発生するか否かを把握する期間把握手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞報知処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記期間把握手段により前記所定期間が発生すると把握された場合に、前記特別報知を前記報知手段にて実行させるものであることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、振分手段を利用して上記のような斬新な遊技を提供する構成において、入球口に所定個数の遊技球を入球させることが可能なタイミングで特別報知を行うことが可能となる。よって、特別報知が実行されることの利益を遊技者に確実に与えることが可能となり、特別報知が実行されることへの期待感が高められる。
特徴A18.前記入球口への遊技球の入球を許容する許容状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態、第2の実施の形態における入球部145の開放状態)に制御可能であり、前記入球口への遊技球の入球を阻止する阻止状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態、第2の実施の形態における入球部145の閉鎖状態)に制御可能である入球口制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役図柄確定中処理及び電役開放中処理を実行する機能)を備え、
前記所定タイミングは、前記入球口制御手段により前記許容状態に制御される前のタイミングであることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、入球口への遊技球の入球が可能となるタイミングよりも前に特別報知が実行されるため、所定期間が発生することを事前に遊技者が把握することが可能となる。これにより、特別報知が実行された場合には入球口に所定個数の遊技球が入球する確率が高められる。
特徴A19.前記特典付与手段は、
前記入球口に入球した遊技球を前記振分手段に導く案内通路(第1の実施の形態における内部通路44a,44b、第2の実施の形態における内部通路144)と、
当該案内通路から前記振分手段への遊技球の導出を可能とする導出許可状態(第1の実施の形態における排出シャッタ46cの開放状態、第2の実施の形態における排出シャッタ146bの開放状態)に遷移可能であって当該導出を不可とする導出不可状態(第1の実施の形態における排出シャッタ46cの閉鎖状態、第2の実施の形態における排出シャッタ146bの閉鎖状態)に遷移可能なシャッタ手段(第1の実施の形態における排出シャッタ46c、第2の実施の形態における排出シャッタ146b)と、
を備え、
前記案内通路は、前記シャッタ手段が前記導出不可状態である場合に少なくとも前記所定個数の遊技球が待機可能に形成されており、
前記入球口への遊技球の入球を許容する許容状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態、第2の実施の形態における入球部145の開放状態)に制御可能であり、前記入球口への遊技球の入球を阻止する阻止状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態、第2の実施の形態における入球部145の閉鎖状態)に制御可能である入球口制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役図柄確定中処理及び電役開放中処理を実行する機能)と、
前記入球口制御手段が前記入球口を前記阻止状態に制御した場合に前記シャッタ手段を前記導出不可状態に遷移させるシャッタ制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役終了処理を実行する機能)と、
を備え、
前記期間把握手段は、前記所定タイミングにおける前記動作位置把握手段の把握結果と、前記所定タイミングから前記シャッタ制御手段により前記シャッタ手段が前記導出不可状態に遷移されるまでに要する期間との関係から前記所定期間が発生するか否かを把握するものであることを特徴とする特徴A17又はA18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、入球口への遊技球の入球が可能となってから振分手段に遊技球が導入されるまでの期間を遊技機の設計段階において容易に把握することが可能となる。これにより、入球口に所定個数の遊技球が入球することが可能なタイミングで特別報知を行う構成において、当該タイミングで特別報知を実行する上での制御の容易化を図ることが可能となる。
特徴A20.前記所定個数の遊技球は1個ずつ順次、前記振分手段の振分対象となる構成であり、
前記動作位置把握手段の把握結果が、前記所定個数の遊技球のうち最初に前記振分手段の振分対象となる遊技球が前記当選入球部に導かれることに対応している場合及び前記所定個数の遊技球のうち最後に前記振分手段の振分対象となる遊技球が前記当選入球部に導かれることに対応している場合には、前記特別報知が実行されないことを特徴とする特徴A17乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、振分手段の振分動作に誤差が生じた場合、所定個数の遊技球のうち最初に振分手段の振分対象となる遊技球や、最後に振分手段の振分対象となる遊技球は、本来は所定期間であったにも関わらず、当選入球部に導かれない可能性がある。これに対して、これら遊技球が当選入球部に導かれることに対応した所定期間では、特別報知は実行されないため、特別報知の信頼性を高めることが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(第1及び第2の実施の形態における発射操作装置28)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特典付与手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞を契機とする開閉実行モードを実行する機能)と、
を備え、
当該特典付与手段は、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第1の実施の形態における入球部45a,45b、第2の実施の形態における入球部145)と、
前記入球口に入球した遊技球が入球可能であって入球した場合に遊技者に特典が付与されることとなる当選入球部(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞通路49)と、
自身が変位することで、前記入球口に入球した遊技球を前記当選入球部及び当該当選入球部以外の箇所うちいずれかに振り分ける振分手段(第1の実施の形態における振分ユニット51a、第2の実施の形態における振分ユニット151a)と、
を備え、
前記振分手段の振分動作位置を把握する動作位置把握手段(第1及び第2の実施の形態における案内部確認処理を実行する機能)と、
当該動作位置把握手段の把握結果に基づいて、前記当選入球部への遊技球の入球を可能とする前記発射操作の態様を遊技者に認識可能とさせる特別報知を報知手段(第1及び第2の実施の形態における図柄表示装置42)にて実行させる報知制御手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞報知を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特別報知が実行された場合には、遊技者は、当選入球部への遊技球の入球を可能とする発射操作の態様を認識することが可能となる。これにより、遊技者は、単に特典付与手段に遊技球を入球させるという遊技を行うだけでなく、特別報知が実行されることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技への注目度を高めることが可能となる。また、特別報知の内容に従って発射操作を行うという遊技性が追加され、この点からも遊技への注目度を高めることが可能となる。さらにまた、振分手段の振分動作位置に応じて特別報知を実行すればよいため、特典付与の発生条件が振分手段の振分動作と関連している構成において特別報知を任意のタイミングで実行することが可能となる。
特徴B2.前記振分手段は、前記入球口に入球した遊技球が前記当選入球部に導かれ得る所定期間と、前記入球口に遊技球が入球したとしても当該遊技球が前記当選入球部に導かれない特定期間とが生じるように振分動作を実行するものであり、
前記特別報知は、前記所定期間であること及び前記所定期間となることの少なくとも一方を遊技者に認識可能とさせる報知であり、
前記入球口に遊技球を入球させることが不可となる前の所定タイミングにおける前記動作位置把握手段の把握結果と、前記入球口に入球した遊技球が前記所定タイミングから前記振分手段の振分対象となるまでに要する期間との関係から前記所定期間が発生するか否かを把握する期間把握手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞報知処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記期間把握手段により前記所定期間が発生すると把握された場合に、前記特別報知を前記報知手段にて実行させるものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特典付与の発生条件が振分手段の振分動作と関連している構成において、入球口に遊技球を入球させることが可能なタイミングで特別報知を行うことが可能となる。よって、特別報知が実行されることの利益を遊技者に確実に与えることが可能となり、特別報知が実行されることへの期待感が高められる。
特徴B3.前記入球口への遊技球の入球を許容する許容状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態、第2の実施の形態における入球部145の開放状態)に制御可能であり、前記入球口への遊技球の入球を阻止する阻止状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態、第2の実施の形態における入球部145の閉鎖状態)に制御可能である入球口制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役図柄確定中処理及び電役開放中処理を実行する機能)を備え、
前記所定タイミングは、前記入球口制御手段により前記許容状態に制御される前のタイミングであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、入球口への遊技球の入球が可能となるタイミングよりも前に特別報知が実行されるため、所定期間が発生することを事前に遊技者が把握することが可能となる。これにより、特別報知が実行された場合には入球口に遊技球が入球する確率が高められる。
特徴B4.前記特典付与手段は、
前記入球口に入球した遊技球を前記振分手段に導く案内通路(第1の実施の形態における内部通路44a,44b、第2の実施の形態における内部通路144)と、
当該案内通路から前記振分手段への遊技球の導出を可能とする導出許可状態(第1の実施の形態における排出シャッタ46cの開放状態、第2の実施の形態における排出シャッタ146bの開放状態)に遷移可能であって当該導出を不可とする導出不可状態(第1の実施の形態における排出シャッタ46cの閉鎖状態、第2の実施の形態における排出シャッタ146bの閉鎖状態)に遷移可能なシャッタ手段(第1の実施の形態における排出シャッタ46c、第2の実施の形態における排出シャッタ146b)と、
を備え、
前記入球口への遊技球の入球を許容する許容状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態、第2の実施の形態における入球部145の開放状態)に制御可能であり、前記入球口への遊技球の入球を阻止する阻止状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態、第2の実施の形態における入球部145の閉鎖状態)に制御可能である入球口制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役図柄確定中処理及び電役開放中処理を実行する機能)と、
前記入球口制御手段が前記入球口を前記阻止状態に制御した場合に前記シャッタ手段を前記導出不可状態に遷移させるシャッタ制御手段(第1及び第2の実施の形態における電役終了処理を実行する機能)と、
を備え、
前記期間把握手段は、前記所定タイミングにおける前記動作位置把握手段の把握結果と、前記所定タイミングから前記シャッタ制御手段により前記シャッタ手段が前記導出不可状態に遷移されるまでに要する期間との関係から前記所定期間が発生するか否かを把握するものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、入球口への遊技球の入球が可能となってから振分手段に遊技球が導入されるまでの期間を遊技機の設計段階において容易に把握することが可能となる。これにより、入球口に遊技球が入球することが可能なタイミングで特別報知を行う構成において、当該タイミングで特別報知を実行する上での制御の容易化を図ることが可能となる。
特徴B5.前記所定タイミングにおいて前記振分手段が特定の動作範囲に存在している場合、前記所定期間において前記入球口に入球した遊技球が前記当選入球部に導かれ得る構成であり、
前記所定タイミングにおける前記動作位置把握手段の把握結果が、前記振分手段が特定の動作範囲に含まれるものの当該動作範囲の境界から所定範囲に含まれている場合には、前記特別報知が実行されないことを特徴とする特徴B2乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、振分手段の振分動作に誤差が生じた場合、所定期間において入球口に入球した遊技球であっても当該誤差が原因で当選入球部に導かれない可能性がある。これに対して、当該誤差が原因で当選入球部に導かれないことが起こり得る期間は特別報知の実行対象から除外されるため、特別報知の信頼性を高めることが可能となる。
特徴B6.前記特典付与手段は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な前記入球口とは別の入球口(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45b)を備え、
当該別の入球口に入球した遊技球は前記入球口に入球した遊技球とは異なる通路(第1の実施の形態における左側内部通路44a又は右側内部通路44b)で前記振分手段に導かれる構成であり、
当該振分手段は、前記入球口及び前記別の入球口のうち前記入球口に入球した遊技球が前記当選入球部に導かれ得る所定期間と、前記入球口及び前記別の入球口のうち前記別の入球口に入球した遊技球が前記当選入球部に導かれ得る特定期間とが生じるように振分動作を実行するものであり、
前記入球口と前記別の入球口とは、前者への遊技球の入球を狙う場合と後者への遊技球の入球を狙う場合とで前記発射操作の態様を変化させる必要があるように設けられており、
前記特別報知として、前記入球口への遊技球の入球を狙って発射操作を行うべきであることを遊技者に認識可能とさせる報知が行われる構成であることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技者は、入球口に遊技球を入球させるべく発射操作を行うべきか、別の入球口に遊技球を入球させるべく発射操作を行うべきかを選択する必要が生じ、遊技への積極参加を促すことが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(第1の実施の形態における発射操作装置28)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特典付与手段(第1及び第2の実施の形態におけるV入賞を契機とする開閉実行モードを実行する機能)と、
を備え、
当該特典付与手段は、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球口(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45b)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第2入球口(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45b)と、
前記第1入球口に入球した遊技球が入球可能であって前記第2入球口に入球した遊技球が入球可能であり、入球した場合に遊技者に特典が付与されることとなる当選入球部(第1の実施の形態におけるV入賞通路49)と、
前記第1入球口に入球した遊技球及び前記第2入球口に入球した遊技球を前記当選入球部及び当該当選入球部以外の箇所のうちいずれかに振り分ける振分手段(第1の実施の形態における振分ユニット51a)と、
を備え、
前記第1入球口と前記第2入球口とは、前者への遊技球の入球を狙う場合と後者への遊技球の入球を狙う場合とで前記発射操作の態様を変化させる必要があるように設けられており、
前記振分手段は、少なくとも所定期間においては、前記第1入球口及び前記第2入球口のうち一方に入球した遊技球は前記当選入球部に導かれ得るように、且つ他方に入球した遊技球は前記当選入球部に導かれないように振分動作を実行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技者は単に特典付与手段に遊技球を入球させるだけでなく、複数の入球口から遊技球を入球させる対象を選択し、その選択した側への遊技球の入球を狙って発射操作を行う必要がある。これにより、遊技への積極参加を促すことが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。また、当該遊技を、共通の振分手段を利用して提供することが可能となり、構成の簡素化が図られる。
特徴C2.前記振分手段は、前記所定期間においては前記第1入球口及び前記第2入球口のうち前記第1入球口に入球した遊技球が前記当選入球部に導かれ得るように、且つ前記所定期間とは異なる特定期間においては前記第1入球口及び前記第2入球口のうち前記第2入球口に入球した遊技球が前記当選入球部に導かれ得るように振分動作を実行するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、所定期間においては第1入球口が正解の入球口となり、特定期間においては第2入球口が正解の入球口となるため、それぞれの期間において正解の入球口が存在することとなる。これにより、入球口の選択の重要度が高められる。
特徴C3.前記入球口は、遊技球の入球が許容された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態)と遊技球の入球が阻止された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態)とのそれぞれに切り替え可能であり、
前記別の入球口は、遊技球の入球が許容された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの開放状態)と遊技球の入球が阻止された状態(第1の実施の形態における左側入球部45a又は右側入球部45bの閉鎖状態)とのそれぞれに切り替え可能であり、
前記入球口及び前記別の入球口の両方が前記許容された状態となるようにする手段(第1の実施の形態における入球シャッタ用の駆動部37g)を備えていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、入球口及び別の入球口のそれぞれは遊技球の入球が許容される状態と阻止される状態とで遷移可能であるため、これら入球口及び別の入球口への遊技球の入球を狙うべき期間を明確に把握することが可能となる。また、このように入球口及び別の入球口に遊技球が入球可能な期間が制限される構成において、当該入球可能な期間として両入球口への遊技球の入球が可能となる期間が含まれていることにより、所定期間及び特定期間のうちいずれであるかを遊技者に選択させる機会を生じさせることが可能となる。
特徴C4.前記特典付与手段は、前記入球口に入球した遊技球が入球可能であって当該入球口に入球した遊技球のうち前記当選入球部に入球しない遊技球が入球する外れ入球部(第1及び第2の実施の形態における外れ用通路50a)を前記当選入球部以外の箇所として備え、
前記振分手段は、前記第1入球口及び前記第2入球口に入球した1個の遊技球を受け入れ可能であって当該受け入れた遊技球を前記当選入球部に誘導する当選対応箇所(第1の実施の形態における第1V入賞口案内部47c、第2の実施の形態における第1V入賞口案内部147c)と、前記第1入球口及び前記第2入球口に入球した1個の遊技球を受け入れ可能であって当該受け入れた遊技球を前記外れ入球部に誘導する外れ対応箇所(第1の実施の形態における外れ口案内部47b、第2の実施の形態における外れ口案内部147b)と、を含めた複数の対応箇所(第1の実施の形態における球案内部47a、第2の実施の形態における球案内部147a)が軸周りに設けられた回転体(第1の実施の形態における第1振分部材47、第2の実施の形態における第1振分部材147)であり、
前記第1入球口に入球した遊技球及び前記第2入球口に入球した遊技球は前記複数の対応箇所のいずれかに流入する構成であることを特徴とする特徴C2又はC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、回転体の回転周期との関係で所定期間及び特定期間を定めることが可能となるため、振分手段の振分動作を複雑に制御しなくても、上記のような斬新な遊技を提供することが可能となる。
特徴C5.前記特典付与手段は、前記当選入球部との関係での前記振分手段の振分動作位置を遊技者が認識不可とする認識不可手段(第1及び第2の実施の形態における前面カバー37a)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、正解となる入球口を純粋に予測して選択することとなり、選択することの重要度が高められる。
特徴C6.前記認識不可手段は、前記振分手段が変位していることを遊技機前方から目視可能に構成されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技球の動きを利用して特典を付与するとともに、その動きを遊技者に目視させて遊技への注目度を高めるという遊技性を消失させることなく、上記特徴C5にて説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(入球部45a,45b)と、
当該入球部を開放させる開放状態と当該入球部を閉鎖させる又は開放された領域を前記第1状態よりも狭くする閉鎖状態とのそれぞれに遷移可能なシャッタ手段(第1,第3,第4の実施の形態では入球シャッタ37e、第2の実施の形態では入球シャッタ137e、第5の実施の形態では入球シャッタ402)と、
前記遊技領域を流下する遊技球を前記入球部に導入可能なガイド状態と前記入球部に導入不可な非ガイド状態とのそれぞれに遷移可能なガイド手段(第1,第3,第4の実施の形態ではガイド片37d、第2の実施の形態ではガイド片137d、第5の実施の形態ではガイド片403)と、
を備え、
前記シャッタ手段及び前記ガイド手段の状態として、前記シャッタ手段が前記開放状態であり且つ前記ガイド手段が前記ガイド状態である第1状態と、前記シャッタ手段が前記閉鎖状態であり且つ前記ガイド手段が前記非ガイド状態である第2状態とが存在し、
前記第1状態及び前記第2状態のうち一方の状態から他方の状態に遷移する場合に、前記シャッタ手段が当該一方の状態に対応した状態から当該他方の状態に対応した状態となるタイミングと、前記ガイド手段が当該一方の状態に対応した状態から当該他方の状態に対応した状態となるタイミングとが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、シャッタ手段だけでなく、それとは別にガイド手段が設けられていることにより、入球部の開放状態においては当該入球部に遊技球を導入し易くなる。また、シャッタ手段の状態及びガイド手段の状態が同時に遷移されるのではなく、段階的に遷移される構成であるため、入球部の状態遷移を設計段階において意図したものに調整し易くなる。
特徴D2.前記第1状態から前記第2状態に遷移する場合に、前記入球部において開放されている領域が前記シャッタ手段により狭められる前に前記ガイド手段が前記非ガイド状態となるように構成されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、入球部への遊技球のガイドが解除された段階で、当該入球部において開放されている領域が狭められるため、シャッタ手段と入球部との間で遊技球を噛んでしまうという事象が発生しづらくなる。
なお、当該構成は、
「前記入球部から通じる案内通路(案内通路44a,44b、内部通路144)と、
当該案内通路の下流側からの遊技球の流出を阻止する阻止手段(排出シャッタ46c,46d、排出シャッタ146b)と、
を備え、
前記入球部が開放されている状態において、前記阻止手段により前記案内通路からの遊技球の流出が阻止され、前記入球部の位置に遊技球が待機し得る構成であり、
前記入球部の位置に遊技球が待機している状況で前記ガイド手段が前記ガイド状態となっている場合、その遊技球に連なるようにして前記ガイド手段にて遊技球が受けられ得る構成」に適用すると効果的である。
特徴D3.前記シャッタ手段及び前記ガイド手段のうち一方の手段を駆動する駆動手段(シャッタ用駆動部405)を備え、
前記シャッタ手段及び前記ガイド手段のうち他方の手段は、前記一方の手段が前記駆動手段により駆動されて変位する場合に、当該一方の手段に従動することで、状態が遷移するものであり、
その従動させるための構成は、前記シャッタ手段が前記開放状態となる側の移動限界位置に向けて変位している途中で前記ガイド手段が前記ガイド状態となり、前記シャッタ手段が前記閉鎖状態となる側の移動限界位置に向けて変位している途中で前記ガイド手段が前記非ガイド状態となるように形成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、電気的な構成に関して構成の簡素化を図りながら、上記特徴D2にて説明したような優れた効果を奏することが可能となる。