JP7035312B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部としての可変入賞装置を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2007-000410号公報
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部と、
前記所定の入球部へ遊技球が入球可能となる状態と遊技球が入球不可又は入球困難となる状態とに切換可能な第1可変手段と、
前記所定の入球部へ入球した遊技球を排出するための第1領域へ導出可能とする第1通路と、
前記第1通路に設けられ、遊技球を前記第1領域へ導出可能となる状態と遊技球を前記第1領域へ導出不可となる状態とに切換可能な第2可変手段と、
前記第1通路から分岐する通路であって、遊技球を前記第1領域とは異なる第2領域へ導出することが可能な第2通路と、
を備え、
前記所定の入球部へ入球した遊技球が前記第2通路へ導出された場合のほうが、前記第2通路へ導出されないよりも遊技者にとって有利となる構成であり、
前記所定の入球部に所定数の遊技球が入球した場合であって前記第2可変手段により第1個数の遊技球が前記第1領域へ導出される場合は前記第2領域へ遊技球は導出されず、前記所定の入球部に前記所定数の遊技球が入球した場合であって前記第2可変手段により前記第1個数よりも少ない第2個数の遊技球が前記第1領域へ導出される場合は前記第2領域へ遊技球が導出されるものであり、
前記第1可変手段が前記所定の入球部へ遊技球が入球不可又は入球困難となる状態とされている状況において、遊技球が前記第2通路へ導出され得る構成であることを特徴とする。
本発明によれば、遊技への注目度を高めることが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 可変入賞ユニットの構成を示す斜視図である。 可変入賞ユニットの構成を示す破断図である。 可変入賞ユニットの動作を説明するための概略図である。 可変入賞ユニットを背面側から見た斜視図である。 可変入賞ユニットの断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 ラウンドにおける大入賞口への入球個数を説明するための図である。 主制御装置のMPUにて実行される球詰まり判定処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態において、閉鎖時間の設定処理を示すフローチャートである。 各ラウンドにおける大入賞口への入球個数を説明するための図である。 演出制御装置のMPUにて実行される開閉実行モード用演出処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における遊技盤の構成を示す正面図である。 大入賞口開放処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード中の各可変入賞ユニットの関係を説明するための図である。 第3の実施形態の変形例における、各可変入賞ユニットの関係を説明するための図である。 第4の実施形態における、当否テーブルを説明するための説明図である。 振分テーブルを説明するための説明図である。 ラウンド表示の開始処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 閉鎖時間の設定処理を示すフローチャートである。 ラウンドとラウンドとの間の待機時間を説明するため図である。 ラウンドの継続時間と待機時間の長さの関係を説明するための図である。 各ラウンドにおける大入賞口への入球個数を説明するための図である。 第5の実施形態において、(a)は遊技盤の構成を示す図であり、(b)は主制御装置のMPUにて実行される排出駆動用処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態における大入賞口からの排出通路を説明するための概略図である。 第7の実施形態における大入賞口等からの排出通路を説明するための概略図である。 第8の実施形態において、(a)は遊技盤の構成を示す図であり、(b)は排出通路を説明するための概略図である。 第9の実施形態において、(a)及び(b)は排出通路を説明するための概略図であり、(c)は可変入賞ユニットへの適用例を説明するための概略図である。 第10の実施形態における大入賞口からの排出通路を説明するための概略図である。 当否テーブルを説明するための説明図である。 振分テーブルを説明するための説明図である。 (a)は高確率モードへの移行用処理を示すフローチャートであり、(b)は開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。 閉鎖時間の設定処理を示すフローチャートである。 振分駆動用処理を示すフローチャートである。 遊技球の排出先を説明するためのタイミングチャートである。 第11の実施形態における閉鎖時間の設定処理を示すフローチャートである。 第12の実施形態における振分テーブルを説明するための説明図である。 第13の実施形態における遊技球の排出先を説明するためのタイミングチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域PEの下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域PEに向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域PEに向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
遊技領域PEは、内枠13に搭載された遊技盤24に形成されている。以下、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24の表面には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51及び外レール部52によって区画されるようにして遊技領域PEが形成されている。また、これら内レール部51及び外レール部52により遊技領域PEへの遊技球の誘導レールが構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構53から発射された遊技球は上記誘導レールによって遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レールは、その出口部分が遊技領域PEの一方の側部において遊技領域PEの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域PEの上部における遊技球の到達位置は、誘導レールの出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レールの出口部分は、遊技領域PEの左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域PEとして区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,上作動口(第1入球部)33,下作動口(第2入球部)34,可変入賞ユニット151、スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35及び可変入賞ユニット151への入球が発生すると、それぞれ対応させて設けられている検知センサ(一般入賞口用入賞センサ31a、上作動口用入賞センサ33a、下作動口用入賞センサ34c、スルー用入賞センサ35a、大入賞口用入賞センサ32a)により検知される。そして、一般入賞口31、上作動口33、下作動口34及び可変入賞ユニット151への入賞が発生すると、所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、下作動口34への入球が発生した場合には2個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞ユニット151への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数を多くしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数が同じであってもよい。また、可変入賞ユニット151に係る賞球個数を作動口33,34に係る賞球個数よりも少なくしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数と同じであってもよい。但し、可変入賞ユニット151へ入賞することの優位性を保つためには、可変入賞ユニット151に係る賞球個数が作動口33,34に係る賞球個数よりも多いほうが好ましい。その他、一般入賞口31に係る賞球個数を可変入賞ユニット151に係る賞球個数と同じ又はそれよりも多くしてもよい。後述するように、一般入賞口31は、遊技の中核をなす大当たり抽選を行わせる遊技や大当たり中の遊技とは関係のない入球部であるところ、一般入賞口31への入賞に基づく賞球はこの中核をなす遊技を行ううえでの補助的な役割をなすといえる。その点、一般入賞口31に係る賞球個数が多いほど(又は一般入賞口31への入賞が発生し易い構成であるほど)、大当たり抽選を行わせる遊技等を行ううえで持ち球の減りを少なくする又はトータル的に得られる賞球を多くすることが可能となる。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域の流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35又は可変入賞ユニット151への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技球が流下可能な領域が複数に区画されている。
具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射ハンドル60の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で発射ハンドル60の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は発射ハンドル60の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
なお、基準回動量というのは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一となる回動量のことであり、第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。したがって、第1範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する可能性があり、第2範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する可能性がある。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34はともに上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口34への入賞が可能となる。
上作動口33及び下作動口34は、遊技盤24の下側領域PE4に設置されている。この場合、上作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路(図示略)を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は上作動口33や下作動口34に入賞し易くなっている。
ちなみに、ステージ36aへの遊技球の誘導を可能とする誘導通路の入口部は、可変表示ユニット36において上側領域PE1と左側領域PE2との境界部分に対応した位置(図4における第1保留発光部45の上方の位置)に形成されており、それ以外の場所には形成されていない。
上記のように上作動口33及び下作動口34が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合のいずれにおいても上作動口33及び下作動口34への入賞が可能である。但し、ステージ36aへの誘導通路の入口部が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘38の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて上作動口33及び下作動口34への入賞が発生し易いように設定されている。
なお、これに限定されることはなく、左側領域PE2を流下した遊技球のみが上作動口33及び下作動口34への入賞が可能となる構成としてもよい。
可変入賞ユニット(可変入球手段又は特別入球手段)151には、大入賞口32が形成され、遊技領域PEを流下する遊技球を受けるとともに当該遊技球を大入賞口32へ誘導する誘導手段としての誘導機構161が設けられている。当該誘導機構161は、大入賞口32用の誘導部材162を有している。誘導部材162は、大入賞口32へ遊技球を誘導する誘導状態(受入状態又は開状態)と、大入賞口32へ遊技球を誘導しない又は誘導しにくくなる非誘導状態(非受入状態又は閉状態)とに切替可能となっている。また、誘導部材162は可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)181と連結されており、通常時においては誘導部材162が非誘導状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に誘導状態に切り替えられるようになっている。可変入賞ユニット151については、後に詳細に説明する。
ここで、開閉実行モードとは、内部抽選において大当たり当選等となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。誘導部材162の誘導態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として誘導部材162が繰り返し誘導状態とされる態様がある。
可変入賞ユニット151は、遊技盤24の右側領域PE3に設置されている。これにより、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル60が操作されている場合にのみ可変入賞ユニット151への入賞が可能である。そして、右側領域PE3を流下する遊技球は、可変入賞ユニット151の誘導部材162が誘導状態であれば大入賞口32へ入賞可能であり、誘導部材162が非誘導状態であれば大入賞口32へは入賞せずにアウト口37を通じて遊技領域PE外へ排出される。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、内部抽選の結果として開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおけるラウンドの回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際してラウンド回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞ユニット151の誘導部材162が誘導状態となる開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45~47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
可変入賞ユニット151は、いずれかの作動口33,34への遊技球の入球に基づく当否抽選によって大当たり当選等となることで誘導部材162が誘導状態とされる開閉実行モードに移行して、当該可変入賞ユニット151への遊技球の入球が可能となる。可変入賞ユニット151内に遊技球が入ると大入賞口用入賞センサ32aによってそれが検知されて、賞球が払い出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<可変入賞ユニット151>
本実施形態においては、開閉実行モードとなることで入賞が許容される上記可変入賞ユニット151の構成が特徴的なものとなっている。そこで、以下、図4に加えて図5~図9を参照しながら、可変入賞ユニット151の構成を詳細に説明する。図5は可変入賞ユニット151を斜め前方から見た斜視図であり、図6は可変入賞ユニット151の内部構造を示す破断図である。なお、図5では可変入賞ユニット151の前面カバーを取り外した状態で示しており、図6では当該前面カバーを一部破断して示している。図7は可変入賞ユニット151の背面図であり、図8は可変入賞ユニット151を斜め後方から見た斜視図であり、図9は可変入賞ユニット151の縦断面図である。なお、各図においては、主要な構成が見易くなるように一部の構成を省略して示している。
図4に示すように、遊技盤24の右側領域PE3には、遊技盤24の厚さ方向に貫通させた開口部25が形成されている。図5に示すように、可変入賞ユニット151はベース体152を有しており、ベース体152を開口部25に対して遊技機前方から嵌め込むことにより、可変入賞ユニット151が遊技盤24に取り付けられている(図9参照)。
ベース体152は、遊技盤24に取り付けられた状態で遊技盤24の前面と面一となる平板部154と当該平板部154から遊技機前方に膨出させた膨出部155とを有している。膨出部155としては、左右方向に左側膨出部156と右側膨出部157とがそれぞれ形成されており、これら左右の膨出部156,157は所定の間隔を隔てて配置されている。左右の膨出部156,157はそれぞれ平板部154から遊技機前方に起立させた左側起立壁156aと右側起立壁157aにより外周が覆われており、膨出部156,157内への遊技球の侵入が規制されている。換言すると、遊技球は起立壁156a,157aに沿って膨出部156,157の左右に振り分けられて流下する。
図6に示すように、これら膨出部156,157を前方から覆うように、前面カバー158が設けられている。前面カバー158は、平板部154と隙間を隔てて対向しており、これら平板部154、膨出部156,157及び前面カバー158によって囲われた領域を遊技球が通過可能となっている。なお、以下の説明では、当該囲われた領域を通過領域TEという。より具体的には、左右の膨出部156,157は遊技球の所定個数(例えば4個)分の直径寸法よりも広い間隔を隔てて配置されており、また、平板部154と前面カバー158との間隔は遊技球の直径寸法よりも若干広めとなっている。つまり通過領域TEは、複数の遊技球が横方向に並んで流下することが可能なように形成されている。
なお、前面カバー158は透明な樹脂等により形成されており、背後の構成(例えば通過領域TE)を遊技機前方から視認することが可能となっている。
膨出部156,157の間には、可変入賞ユニット151の誘導機構161における誘導部材162が配置されている。誘導部材162は、左右方向に長辺を有する矩形板状の受け部163を有し、当該受け部163はその長辺が通過領域TEの左右方向の幅全域に亘るように延在させて形成されている。受け部163は、その短辺の長さが遊技球の直径よりも若干長くなるように形成されている。受け部163は一方の長辺側に設けられた誘導回動軸164を中心として回動可能となるように、ベース体152に取り付けられている。そして、受け部163は、ベース体152の平板部154と平行となる状態(図5(b))と、当該平行となる状態から上方に向けて回動させて平板部154から遊技機前方に向けて起立した状態(図5(a))と、に切替可能となっている。より詳しくは、受け部163が平板部154と平行となった状態では、受け部163の前方を向く面である受け面163aが平板部154及び遊技盤24の前面と面一となり、受け部163が平板部154から前方へ起立した状態となると、受け面163aが上方を向いて上方から流下する遊技球を受けることが可能となる。
大入賞口32は、受け部163の短辺のうちの一方側に設けられている。より具体的には、膨出部156,157のうち一方である右側膨出部157の右側起立壁157aには、左側起立壁156aと対向する位置(通過領域TEを向く位置)において遊技球が通過可能な大入賞口32が形成されている。受け部163は大入賞口32に下り傾斜となるように設けられており、受け部163が平板部154から遊技機前方に向けて起立した状態となると、通過領域TEを通過する遊技球を受けるとともに、当該受けた遊技球を大入賞口32へ向けて誘導することが可能となる。また、受け部163が平板部154と平行となる状態では、通過領域TEを通過する遊技球を受けることができず、大入賞口32へも遊技球を誘導することができなくなる。すなわち、受け部163が平板部154から遊技機前方に向けて起立した状態が誘導部材162の誘導状態であり、受け部163が平板部154と平行となる状態が誘導部材162の非誘導状態である。
なお、ベース体152において受け部163の誘導回動軸164が取り付けられた箇所の下方には、受け部163の厚み分だけ遊技機後方に向けて陥没させた陥没部159が形成されている(図9参照)。そして、受け部163が平板部154と平行となり誘導部材162が非誘導状態となると、図9(b)に示すように、受け部163は陥没部159に収容される。これにより、誘導部材162が非誘導状態となった場合における、受け部163による通過領域TEを通過する遊技球に対する干渉が抑制されている。
右側膨出部157の内部において、遊技機前方に向けて起立させた内壁部171が設けられている。内壁部171は、大入賞口32の上端及び下端から連続するように、遊技球1個分の間隔を隔てて第1内壁部172と第2内壁部173とが設けられており、第1内壁部172と第2内壁部173とは通過領域TEとは逆側に向けて延在させて形成されている。そして、第1内壁部172、第2内壁部173、平板部154、前面カバー158とによって、大入賞口32からの遊技球の排出通路HTが形成されている。
第1内壁部172及び第2内壁部173は、通過領域TEとは逆側に向けて延在させるとともに、途中で折り返して通過領域TEに向けて延在させて形成されている。そして、排出通路HTが全体的に下り傾斜となるように、第1内壁部172と第2内壁部173とが形成されている。つまり、排出通路HTは、途中で曲部を有する曲線通路となっている。
図6に示すように、第1内壁部172及び第2内壁部173は、排出通路HTの最下流部が大入賞口32の下方となる位置まで延在させて形成されている。そして、当該最下流部において、平板部154には前後方向に開口させて遊技球が通過可能な排出口174が形成されている。排出口174の後方には、遊技球を遊技機外部へ排出するための図示しない通路が形成されている。すなわち、大入賞口32を通過した遊技球は、排出通路HTによって排出口174まで誘導され、排出口174から遊技機外部へ排出される。
図8に示すように、誘導機構161として、排出口174には、当該排出口174を閉鎖する閉鎖状態と開放する開放状態とに切替可能な排出扉175が設けられている。排出扉175は、当該排出扉175の上端に設けられ左右方向に延在する排出回動軸176を中心に回動可能となっている。排出扉175が閉鎖状態となると、ベース体152の平板部154に対して後方から当接して排出口174を塞ぎ、排出扉175が開放状態となると、平板部154から後方に向けて起立して排出口174と重ならない状態となる。そして、排出扉175が閉鎖状態となることで、大入賞口32から入球した遊技球は排出口174から排出されなくなる。
排出通路HTは、その通路空間に所定個数の遊技球が収容されるように設定されている(図6参照)。より具体的には、排出通路HTの通路空間は遊技球10個分が収容されるように設定されている。そのため、排出通路HTは、排出扉175が閉鎖状態である状況において、10個を上限として遊技球の排出を留保することが可能な機能を有しているといえる。換言すると、排出扉175が閉鎖状態である状況では、大入賞口32へは10個を上限として入球可能であり、それを超える遊技球は排出通路HTに留まる遊技球(より具体的には10個目の遊技球)によって入球できなくなる。また、上記のように、誘導部材162が非誘導状態となることでも大入賞口32へ遊技球は入球できなくなる。
上記のように、排出通路HTは曲部を有する曲線通路として形成されているため、排出通路HT内に遊技球が留保されると、当該曲部においては、各遊技球は、遊技球の直径よりも短くなる箇所同士で当接する(図6参照)。そのため、排出通路HTの通路長は、上記収容される所定個数(10個)分の遊技球の長さ以下の長さとなる。より詳しくは、排出通路HTの通路長は、所定個数分の遊技球の長さよりも短くなるように設定されている。このようにすることで、限られた領域でより多くの遊技球を収容することが可能となる。
誘導機構161の動作原理について、特に図8及び図9を参照しながら説明する。ベース体152の背面には可変入賞駆動部181が設けられている。可変入賞駆動部181は主制御装置81と接続されており、主制御装置81によって可変入賞駆動部181の駆動制御が行われる。可変入賞駆動部181には第1リンク部材182が固定されており、可変入賞駆動部181が駆動制御されることによって、第1リンク部材182が左右方向に動作する。より詳しくは、可変入賞駆動部181が駆動状態となると第1リンク部材182は左右方向の一方(遊技機前方から見て左方、図8では右方)へ移動し、可変入賞駆動部181が非駆動状態となると第1リンク部材182は駆動状態の方向とは逆方向(遊技機前方から見て右方、図8では左方)へ移動する。
ベース体152の背面には、前後方向の回動軸を中心に回動可能な第2リンク部材183が設けられている。第2リンク部材183は、第1リンク部材182とリンクする第1リンク部184と、誘導部材162とリンクする第2リンク部185とを有している。より詳しくは、第2リンク部材183は第1リンク部材182の上方に配置されており、第2リンク部材183の回動軸186も第1リンク部材182よりも上方に配置されている。そして、第2リンク部材183の第1リンク部184は、回動軸186の下方となるように設けられており、第2リンク部材183の第2リンク部185は、第2リンク部材183において回動軸186を挟んで可変入賞駆動部181とは逆側に設けられている。
第1リンク部184についてより詳細には、第2リンク部材183には、回動軸186と平行となるように後方に向けて第1リンク突起183aが突出形成されている。また、第1リンク部材182は、前後方向に起立し、第1リンク突起183aを左右方向から挟み込むように間隔を隔てた第1壁部182aと第2壁部182bとが設けられている。そして、可変入賞駆動部181が駆動制御されて第1リンク部材182が左右方向に動作すると、第1リンク突起183aが第1壁部182aと第2壁部182bとの間を摺動して、第2リンク部材183が回動軸186を中心として回動する。
第2リンク部材183における第2リンク部185は、誘導部材162において誘導回動軸164を挟んで受け部163とは反対側の部位とリンクしている。より詳しくは、図8に示すように、誘導部材162において、誘導回動軸164を挟んで受け部163と逆側であって、受け部163の長辺における大入賞口32側の端部には、受け部163の受け面163aと交差(直交)する面を有するように矩形板状の扉部165が設けられている。扉部165は、その短辺の長さが遊技球の直径よりも長くなるように形成されている。誘導部材162が誘導状態となると、扉部165は平板部154の後方に配置され(図8(a))、誘導部材162が非誘導状態となると、扉部165はその一部が通過領域TEに突出するとともに、扉部165の他の一部が平板部154の後方に配置される。扉部165において、誘導部材162が非誘導状態となっても平板部154の後方に配置される部位には、第2リンク部材183に向けて誘導突起166が突出形成されている。そして、この誘導突起166に対して、第2リンク部材183の第2リンク部185が上方から当接することで、誘導部材162と第2リンク部材183とがリンクしている。
図7に示すように、誘導部材162の誘導回動軸164にはねじりバネ167が設けられており、当該ねじりバネ167によって誘導部材162は非誘導状態側に付勢されている。上記のように、第2リンク部材183が回動軸186を中心として回動すると、第2リンク部185も回動する。第2リンク部材183が正面視で時計回りに回動(図7では反時計回りに回動)して第2リンク部185が上方に移動すると、誘導部材162はねじりバネ167の付勢力によって、誘導状態から非誘導状態に回動する。また、第2リンク部材183が正面視で反時計回りに回動(図7では時計回りに回動)して第2リンク部185が後方に移動すると、第2リンク部材183の回動力(可変入賞駆動部181の駆動力)が誘導部材162の誘導突起166を介して伝達し、誘導部材162は非誘導状態から誘導状態に回動する。
すなわち、可変入賞駆動部181による第1リンク部材182の左右方向の動作は、前後方向を回動軸とする回転動作として第2リンク部材183へ伝達し、左右方向を回動軸とする回転動作として誘導部材162に伝達する。このようにすることで、可変入賞ユニット151の前後方向の厚みを分厚くすることなく、誘導部材162を変位させることが可能となる。仮に、誘導部材162の誘導回動軸164を回動させるためのモータを誘導回動軸164の延長線上に設ける構成とすると、当該モータはその半径分だけ遊技盤24前方に突出して配置されることになる。そうすると、誘導回動軸164の大入賞口32とは逆側に当該モータを設ける構成とすると、左側膨出部156が大きくなり、その分、可変入賞ユニット151が右側領域PE3に占める割合が大きくなる。また、誘導回動軸164の大入賞口32側に当該モータを設ける構成とすると、排出通路HTを当該モータを迂回させて形成する必要が生じる。その点、上記のような可変入賞駆動部181とすることで、可変入賞ユニット151の空間を有効利用することが可能となる。
さらに、誘導部材162が非誘導状態となり、扉部165の一部が通過領域TEに突出すると、当該通過領域TEに突出した部分は、大入賞口32に対して通過領域TE側から重なるように配置される。これにより、誘導部材162が非誘導状態となった場合に、大入賞口32への入球が制限される。一方、誘導部材162が誘導状態となると、扉部165は平板部154の後方に配置され、大入賞口32とは重ならない。これにより、誘導部材162が誘導状態となった場合に、大入賞口32への入球が許容される。つまり、誘導部材162が誘導状態となると、受け部163によって遊技球を受けることが可能となるとともに、扉部165と大入賞口32とが重ならない状態となって大入賞口32へ遊技球を誘導する状態となる。また、誘導部材162が非誘導状態となると、受け部163によって遊技球を受けることができなくなるとともに、扉部165と大入賞口32とが重なって大入賞口32へ遊技球を誘導できない状態となる。
排出通路HTの通路長と、扉部165の位置との関係を説明すると、図6に示すように、排出通路HTの最大収容個数である10個の遊技球が当該排出通路HTに収容された場合、扉部165が非誘導状態となって通過領域TEに突出すると、最上流位置に配置される(最大収容個数目である)10個目の遊技球よりも扉部165が上流側(通過領域TE側)であって、当該10個目の遊技球から上流側において遊技球の半径よりも短い位置に扉部165が配置される。つまり、誘導部材162が誘導状態と非誘導状態とに変位すると、扉部165は、排出通路HTに最大収容個数の遊技球が収容された場合における、当該収容個数目の遊技球よりも上流側であって、当該最大収容個数目の遊技球から遊技球半個分よりも下流側において、開閉動作が行われる。このような位置で開閉動作が行われることで、排出通路HTに最大収容個数の遊技球が収容された状態で、後続の遊技球が当該最大個数目の遊技球に当接した状態で受け部163に受けられて入球待ちとなったとしても、扉部165が閉鎖状態に変位すれば、当該入球待ちとなっている遊技球を排出通路HT側ではなく通過領域TE側振り分けることが可能となる。
次に、誘導部材162と排出扉175との関係について説明する。
図7に示すように、排出扉175の排出回動軸176にはねじりバネ177が設けられており、当該ねじりバネ177によって排出扉175は開放状態に向けて付勢されている。また、第1内壁部172及び第2内壁部173は、排出通路HTが大入賞口32の下方まで延在するように形成されており、排出口174は大入賞口32の下方に配置されている。誘導部材162が非誘導状態から誘導状態に変位して、大入賞口32を開閉する扉部165が回動すると、当該扉部165において、扉部165の大入賞口32とは重ならない側の端部に形成された当接部168が排出扉175に対して後方から当接する(図8参照)。そして、当該当接部168に押圧されることで排出扉175は開放状態から閉鎖状態に変位する。誘導部材162が誘導状態から非誘導状態に変位すると、当接部168は排出扉175とは当接しなくなり、排出扉175はねじりバネ177の付勢力によって閉鎖状態から開放状態に変位する。
以上、可変入賞ユニット151の動作をまとめると、可変入賞駆動部181が非駆動状態である場合には、第1リンク部材182によって第2リンク部材183の第2リンク部185は上方に配置される。その結果、誘導部材162は、ねじりバネ167の付勢力によって非誘導状態に配置される。誘導部材162が非誘導状態に配置されると、受け部163は平板部154と平行となり通過領域TEを通過する遊技球を受けることができなくなる。また、誘導部材162が非誘導状態に配置されると、扉部165は大入賞口32と重なり、大入賞口32への入賞が規制される。一方で、誘導部材162が非誘導状態に配置されると、扉部165は排出扉175と当接せず、排出扉175はねじりバネ177の付勢力によって開放状態に配置される。
可変入賞駆動部181が駆動状態となると、第1リンク部材182によって第2リンク部材183の第2リンク部185は下方に配置される。その結果、誘導部材162に対してねじりバネ167の付勢力に抗する力が付与され、誘導部材162は誘導状態に変位する。誘導部材162が誘導状態に配置されると、受け部163は通過領域TEに突出した状態となり、通過領域TEを通過する遊技球を受けるとともに、大入賞口32へ当該遊技球を誘導することが可能となる。また、誘導部材162が誘導状態に配置されると、扉部165は大入賞口32と重ならない状態となり、受け部163によって誘導された遊技球は大入賞口32へ入賞可能となる。一方で、誘導部材162が誘導状態に配置されると、扉部165は排出扉175に対して後方から当接し、排出扉175に対してねじりバネ177の付勢力に抗する力が付与され、排出扉175は閉鎖状態に配置される。そのため、大入賞口32から入賞した遊技球は、排出通路HTから排出口174を介して排出されず、排出通路HTに保持される。
既に説明したとおり、排出通路HTは10個を上限として遊技球を保持可能であり、それ以上の遊技球は排出通路HTへ侵入することができなくなっている。これにより、誘導部材162が誘導状態に配置される状況において、所定個数である10個を超える遊技球は大入賞口32から入賞できない。その後、誘導部材162が非誘導状態となると、上記のように、排出扉175は開放状態となり、遊技球は排出通路HTから排出される。
図6に示すように、排出通路HTには、大入賞口32から入賞した遊技球を検知する大入賞口用入賞センサ32aが設けられている。大入賞口用入賞センサ32aは、排出通路HTにおいて扉部165と排出扉175との間の領域であって、大入賞口32から連続する位置に設けられており、大入賞口32から排出通路HTへ流入した遊技球を直ちに検知することが可能となっている。
また、図6において拡大して示すように、排出通路HTの入口付近において大入賞口用入賞センサ32aよりも大入賞口32側の位置には、戻り防止弁178が設けられている。戻り防止弁178は、排出通路HTの入口付近において底部を構成する第2内壁部173から排出通路HT内部へ向けて突出するとともに、排出通路HT下流側(排出口174側)に向けて傾斜させて設けられている。戻り防止弁178は、例えばステンレス製の薄板状の部材である。戻り防止弁178は弾性変形可能となっており、大入賞口32から流入した遊技球は、戻り防止弁178を第2内壁部173側へ弾性変形させながら、当該戻り防止弁178を乗り越えて通過する。また、上記のように、戻り防止弁178は排出通路HTの下流側に向けて傾斜させて設けられているため、戻り防止弁178を乗り越えた遊技球が大入賞口32側に戻ろうとすると、当該戻り防止弁178に引っかかり大入賞口32側への移動が規制される。このように、戻り防止弁178を設けたことで、大入賞口32から流入した遊技球が、例えば排出通路HTに保持されている遊技球と衝突するなどして大入賞口32から再び通過領域TE側へ排出されてしまうことが防止されている。
ここで、排出通路HTに10個の遊技球が保持されて満タンの状態となった場合、最後に流入した10個目の遊技球は、戻り防止弁178を乗り越えて当該戻り防止弁178と当接した状態で保持される。戻り防止弁178について詳細には、第2内壁部173側に弾性変形した戻り防止弁178は、遊技球が通過して排出通路HT内側に復元した状態で、上記10個目の遊技球と当接している。このような位置関係となることで、排出通路HTが満タンの状態となっている状況で例えば後続の遊技球が10個目の遊技球に衝突した場合であっても、保持されている遊技球の移動が極力抑えられる。よって、上記のように遊技球の衝突が発生しても、保持されている遊技球は大入賞口32側から排出されないようになっている。換言すると、排出通路HTの満タンの保持状態を保ちつつも、後続の遊技球を大入賞口32へ入賞させない機能が担保される。
図6において拡大して示すように、排出通路HTに遊技球が満タンの状態となった場合、大入賞口用入賞センサ32aは10個目の遊技球を検知することができず、且つ後続の遊技球を検知することができないように、排出通路HT内に遊技球が保持される。より具体的には、大入賞口用入賞センサ32aの検知領域は、排出通路HTの通路長の方向に見て大入賞口用入賞センサ32aの約中央付近となるように設定されている。また、大入賞口用入賞センサ32aが遊技球を検知する場合、遊技球の直径部分を被検知領域として検知する。そして、排出通路HTに遊技球が満タンの状態となった場合には、10個目の遊技球の被検知領域が、大入賞口用入賞センサ32aの検知領域よりも排出通路HTの下流側に位置するように、10個目の遊技球が保持される。一方、後続の遊技球が当該10個目の遊技球に当接した場合、当該後続の遊技球の被検知領域は、大入賞口用入賞センサ32aの検知領域に到達しない。このようにすることで、10個目の遊技球の入賞を検知しつつ、後続の遊技球を検知してしまう事象を回避することが可能となる。
また、上記可変入賞ユニット151においては、上方から流下する遊技球を受け部163によって受け、その流下方向を右方に変化させて大入賞口32へ誘導する構成としている。そのため、大入賞口32へ遊技球が流入する際には、当該遊技球の速度が低下した状態で流入する。このようにすれば、当該遊技球は、排出通路HTに保持されている遊技球に対して比較的ゆっくりと衝突することになり、大入賞口用入賞センサ32aにおける誤検知を抑制することが可能となる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口31、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35、可変入賞ユニット151への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ31a、上作動口用入賞センサ33a、下作動口用入賞センサ34c、スルー用入賞センサ35a、大入賞口用入賞センサ32a等が設けられている。MPU112では、これら各種センサ31a,33a,34c,35a,32aの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU112では、上作動口33、下作動口34、スルーゲート35への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、電動役物駆動部34b、可変入賞駆動部181が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モードへの移行が発生すると、誘導部材162の変位制御が行われるようにMPU112において可変入賞駆動部181の駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU112において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU112においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞ユニット151の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。そして、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
さらには、MPU112の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24の誘導レールに向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45~47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、開放コマンド、閉鎖コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242は、主制御装置81から受信する各種コマンドに基づいて、各種演出を実行するための処理を行う。受信したコマンドは、MPU242のRAM244に設けられたコマンド格納エリアに格納される。そして、その格納されたコマンドを解析等する処理を行い、各種演出を実行する。MPU242のROM243には各種テーブル記憶エリアが設けられており、また、MPU242のRAM244には各種フラグ格納エリアや各種カウンタエリアが設けられており、各種演出を実行する場合、これらのエリアを用いた処理を行うことが可能となっている。
MPU242の出力側には、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45~47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM273及びワークRAM274が複合的にチップ化されたMPU272と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM276と、ビデオRAM277とがそれぞれ搭載された表示制御基板271を備えている。
MPU272は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP275の制御(具体的にはVDP275に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM273は、MPU272により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM274は、MPU272による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM274の各エリアに記憶される。
VDP275は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP275はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP275は、MPU272、ビデオRAM277等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM277に記憶させる画像データを、キャラクタROM276から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM276は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM276には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM276を複数設け、各キャラクタROM276に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM273に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM276に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM277は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM277の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図11及び図12に基づいて説明する。図11は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図12は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図11(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図12(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図12(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図13を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の演出内容の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図13に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア~第4エリアには、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア113aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。各当否テーブルでは、低確率モード用の当否テーブルよりも高確率モード用の当否テーブルの方が大当たり当選となる確率が高くなるように乱数の値が設定されている。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM113における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア113bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。
本実施形態では大当たり結果の種類として、通常大当たり結果と確変大当たり結果とが設定されている。通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM113のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU112では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞ユニット151の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図12の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することが容易な又はできる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1~L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間と、をMPU112において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191~250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
MPU112では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113cが用いられる。また、MPU112では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM113の停止結果テーブル記憶エリアが用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU112にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU112では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ31a,33a,34c,35a,32aの状態を読み込み、これら各種検知センサ31a,33a,34c,35a,32aの状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ31a,33a,34c,32aにおいて遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、大入賞口用入賞センサ32aによって可変入賞ユニット151への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第3保留発光部47を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理では、各作動口33,34のいずれかに遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞に基づいて遊技球を払い出させる賞球コマンドを設定するとともに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行う。
情報取得処理では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。上作動口33に入賞している場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第1始動保留記憶数RaNとしてセットする。一方、遊技球が上作動口33に入賞していない場合には、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。下作動口34に入賞している場合には、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第2始動保留記憶数RbNとしてセットする。そしてこれらセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1増加するように更新する。そして第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納し、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、演出制御装置82に対して、始動保留記憶数と対応する第1保留発光部45又は第2保留発光部46を点灯させるための処理を実行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS201にて外部信号出力処理を実行する。ステップS201の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43における変動表示の設定等を行う。
ステップS203の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS204に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード等に移行する。なお、ステップS203の遊技回制御処理及びステップS204の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS205では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM114に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板115において停電の発生が確認され当該停電監視基板115からMPU112のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。また、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS201~S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図16のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに開閉実行モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306~ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、第1結果表示部及び第2結果表示部の始動保留記憶数の合計である共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS305にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。変動開始処理では、データ設定処理にて設定されたデータ(保留情報)に基づいて当否抽選を実行するとともに、当該当否抽選の結果に対応する停止結果で遊技回が終了するように、停止結果の設定を行う。また、今回実行する遊技回の変動表示時間を変動種別カウンタCS等に基づいて設定する。また、変動開始処理では、今回実行する遊技回に対応する演出が行われるように、遊技結果の情報が含まれる変動用コマンドや変動表示時間の情報が含まれる種別コマンドを、演出制御装置82へ出力設定する。変動用コマンドや種別コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信することにより、その遊技回の演出を開始するように図柄表示装置41等の表示制御を実行する。
メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS306~ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM114の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、遊技回の開始に際して変動開始処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図14)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、変動開始処理の当否抽選の結果に基づいて設定された情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、通常処理(図15)における、ステップS204の遊技状態移行処理について、図17~図18のフローチャート等を参照しながら説明する。
先ず、ステップS401では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS402に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS403にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。開閉実行モードへの移行に対応したものではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モードの移行に対応したものである場合には、ステップS404にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードの開始前において可変入賞ユニット151が閉鎖状態であることをチェックしたりする。また、開閉実行モードの開始処理では、開閉実行モードの開始に際して可変入賞ユニット151の開放を開始することなく待機するためのオープニング期間の設定処理を実行する。オープニング期間の設定処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタTに、ROM113に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。タイマカウンタTの値は、所定周期(例えば2msec周期、タイマ割込み処理が起動される度)で1ディクリメントされる。
続くステップS405では、ラウンド表示の開始処理として、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSにて今回実行する開閉実行モードのラウンド数(本実施形態ではいずれの大当たり結果でも「15」)が表示されるように制御する。
続くステップS406では、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
そして、ステップS407にて、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS401にて肯定判定をし、ステップS408に進む。ステップS408では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS409にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS501にて、可変入賞ユニット151が開放状態であり大入賞口32が開放されているか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部181の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32が開放されていない場合には、ステップS502にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS503にてタイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS504に進み、可変入賞ユニット151を開放状態とすべく可変入賞駆動部181を駆動状態とする。
続くステップS505では、ラウンドの開放時間の設定処理を実行する。開放時間の設定処理では、タイマカウンタTにラウンドの上限開放時間(上限開放期間)に相当する「15000」(30sec)を入力する。
続くステップS506では、各ラウンドの上限入賞個数の設定処理を行う。各ラウンドの上限入賞個数の設定処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCに上限入賞個数に相当する「10」を入力する処理を行う。
そして、ステップS507にて、開放コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、各ラウンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS501にて可変入賞ユニット151が開放状態である場合にはステップS508に進み、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合、ステップS509にて可変入賞ユニット151に遊技球が入賞したか否かを、大入賞口用入賞センサ32aの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS510にて入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後にステップS511にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本開閉処理を終了する。
ステップS508にてタイマカウンタTの値が「0」であり上限開放時間が経過した場合、又はステップS511にて入賞カウンタPCの値が「0」であり上限入賞個数の入賞が発生した場合には、ラウンドの終了条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS512にて可変入賞ユニット151を閉鎖すべく可変入賞駆動部181を非駆動状態とする。
続くステップS513ではラウンドカウンタRCの値を1ディクリメントしてラウンドカウンタRCの更新処理を実行する。続く、ステップS514では、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS515にてラウンドとラウンドとの間、すなわち可変入賞ユニット151を開放状態から閉鎖状態としてから、再び開放状態とするまでの閉鎖時間の設定処理を実行する。閉鎖時間の設定処理では、タイマカウンタTにラウンドとラウンドとの間の待機時間(インターバル)に相当する「2000」(4sec)を入力する処理を行う。
ここで、本実施形態における可変入賞ユニット151では、排出通路HTから遊技球が1個排出されるのに要する期間が0.3sec(排出期間H)となるように、排出通路HTの傾斜や排出口174が設定されている。そして、上記ステップS515にて入力する閉鎖時間は、各ラウンドの上限入賞個数分の排出期間(3sec、H×10)よりも長くなるように設定されている。このようにすることで、ラウンドとラウンドとの間の待機時間において、排出通路HTに保持された遊技球が全て排出口174を介して排出されることになる。
その後、ステップS516にて閉鎖コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。閉鎖コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、ラウンド遊技のインターバルに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、ラウンド遊技のインターバルに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
ステップS514にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS517にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、タイマカウンタTに、ROM113に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。本実施形態では、エンディング用待機時間は5secとなるように設定されており、ステップS517では、タイマカウンタTに「2500」を入力する処理を行う。
その後、ステップS518にて、エンディングコマンドを設定した後に、本開閉処理を終了する。エンディングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードの終了に対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
遊技状態移行処理(図17)の説明に戻り、ステップS409にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS410にてラウンドカウンタRCが「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS411にてエンディング用の待機時間が終了したか否かをタイマカウンタTにより判定する。エンディング用の待機時間が終了していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディング用の待機時間が終了している場合には、ステップS412にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、開閉実行モード後の当否抽選モード及びサポートモードの設定を行う。具体的には、今回の開閉実行モードの契機が確変大当たり結果であった場合には、開閉実行モード終了後は高確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態に移行し、通常大当たり結果となっている場合には、開閉実行モード終了後は低確率モード且つ回数限定の高頻度サポートモードの遊技状態に移行する。
そして、ステップS413にてラウンド表示部RSの表示を終了するための処理を実行し、ステップS414にて開閉実行モードの終了処理を実行してから、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モードへの移行や開閉実行モード中に使用した各種カウンタやフラグの消去を行う。
<各ラウンドの入賞態様>
次に、各ラウンドにおいて可変入賞ユニット151へ遊技球が入賞する様子について、図19のタイミングチャートを参照しながら説明する。
t0のタイミングでラウンドが開始されて、可変入賞駆動部181が駆動状態となると、誘導機構161の誘導部材162が第1リンク部材182及び第2リンク部材183を介して誘導状態となる。その結果、受け部163によって遊技球を受けることが可能となるとともに、大入賞口32は開放され、可変入賞ユニット151は開放状態となる。
また、誘導部材162が誘導状態となると、誘導部材162の当接部168が排出扉175と当接する状態となり、排出扉175は閉鎖状態となる。その結果、大入賞口32からの排出通路HTは遊技球を排出口174から排出しない状態(排出通路HTに保持する状態)となる。
t1のタイミングで、大入賞口32へ遊技球が入賞すると、当該遊技球は大入賞口用入賞センサ32aにより検知される。この検知タイミングは、大入賞口32を通過してから期間aだけ(0.1sec)遅れたタイミングとなる。この遅れは、大入賞口32と大入賞口用入賞センサ32aとの位置関係によるものである。
既に説明したとおり、大入賞口用入賞センサ32aは、大入賞口32を通過した遊技球をできるだけ早く検知可能なように、大入賞口32から連続するように設けられている。しかし、センサの物理的なサイズを小さくすることも限度があるし、センサの検知領域を大入賞口32に近付けようとしても技術的に困難なことも考えられる。そのため、上記のように通過(入賞)から検知までには、少なからず遅れが生じてしまうことになる。
この遅れは、大入賞口32への入賞の度に発生するものであり、t1~t9の各タイミングで大入賞口32への入賞が発生すると、それぞれ期間aだけ遅れたt1a~t9aのタイミングでその入賞した遊技球の検知が行われる。そして、これらt1~t9のタイミングで入賞した遊技球は、排出通路HTに保持された状態で維持される。
そして、t10のタイミングで、今回のラウンドにおける上限入賞個数となる10個目の遊技球が大入賞口32へ入賞すると、排出通路HTに保持されている遊技球の個数も10個となり、当該10個目の遊技球が後続の遊技球と衝突することによって、当該後続の遊技球は大入賞口32へ入賞することができなくなる。そして、t10のタイミングから期間aだけ遅れたt10aのタイミングで、主制御装置81はラウンドの上限入賞個数の入賞が発生したことを把握して、今回のラウンドを終了すべく可変入賞ユニット151を閉鎖状態とする。具体的には、可変入賞駆動部181の駆動状態を非駆動状態とすることで、誘導機構161の誘導部材162が第1リンク部材182及び第2リンク部材183を介して非誘導状態となる。その結果、受け部163によって遊技球を受けることが不可能となるとともに、大入賞口32は閉鎖され、可変入賞ユニット151は閉鎖状態となる。
また、誘導部材162が非誘導状態となると、誘導部材162の当接部168が排出扉175と当接しない状態となり、排出扉175は開放状態となる。その結果、大入賞口32からの排出通路HTは遊技球を排出口174から排出する状態(排出通路HTに保持しない状態)となる。これにより、ラウンド中に排出通路HTに保持された遊技球は、排出口174を介して排出される。上記のとおり、本実施形態におけるラウンドとラウンドとの間のインターバル(閉鎖時間)は、排出通路HTに保持可能な個数(ラウンドの上限入賞個数)の遊技球が排出される期間よりも長い期間となるように設定される。これにより、インターバル中に全ての遊技球が排出され、次のラウンドにおいては排出通路HTに再度上限入賞個数の遊技球を保持することが可能となる。
<球詰まりの検知>
次に、主制御装置81のMPU112にて実行される大入賞口用の球詰まり判定処理にて、図20のフローチャートを参照しながら説明する。本球詰まり判定処理は、MPU112にて所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
ステップS601にて、大入賞口用入賞センサ32aの検知状態が遊技球を検知している状態か否かを判定する。検知している場合には、ステップS602に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに判定用フラグが格納されているか否かを判定する。判定用フラグは、大入賞口32からの排出通路HTの球詰まりを判定するためのフラグである。
判定用フラグが格納されていない場合には、ステップS603にて判定用フラグを格納する。続くステップS604では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた判定用カウンタに「100」(0.2sec)を入力する処理を実行する。判定用カウンタは、球詰まりの判定を行うためのカウンタであり、タイマ割込み処理(図14)が起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。ステップS604の処理を実行した後は、本判定処理を終了する。
ステップS601にて遊技球を検知していない場合には、ステップS605に進み、上記判定用カウンタが「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、そのまま本判定用処理を終了する。一方、「0」である場合には、ステップS606にて判定用フラグの有無を確認し、格納されていない場合にはその状態を維持し、格納されている場合には消去する処理を実行してから本判定用処理を終了する。すなわち、大入賞口用入賞センサ32aにて入賞を検知してから、所定時間(0.2sec)経過するまでは判定用カウンタが「0」ではなく、所定時間が経過することで判定用カウンタは「0」となる。そして、入賞検知していない状況で判定用カウンタが「0」であれば、判定用フラグが消去される。この場合、本判定処理では球詰まりとは判定しない。
一方、ステップS601にて大入賞口32への入賞を検知している状況であって、ステップS602にて判定用フラグが格納されている場合、ステップS607にて、判定用カウンタが「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、そのまま本判定用処理を終了する。
一方、判定用カウンタが「0」である場合には、ステップS608にて、入賞カウンタPCが「3」以下であるか否かを判定する。入賞カウンタPCは、上記のように、開閉実行モード中の各ラウンドの上限入賞個数を把握するためのカウンタである。「3」以下である場合とは、例えば開閉実行モード中であれば、今回のラウンドにおいて、ラウンドの上限入賞個数である10個のうち、7個以上の入賞が発生している状況である。この場合、排出通路HTに7個以上の遊技球が保持されていると考えられる。ステップS608にて肯定判定した場合、ステップS609にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。すなわち、ステップS608にて肯定判定する場合とは、開閉実行モード中以外(入賞カウンタPC=0)も考えられる。開閉実行モード中である場合には、そのまま本判定処理を終了する。
一方、入賞カウンタPCが「4」以上である場合、又は開閉実行モード中以外で入賞カウンタPCが「3」以下である場合には、ステップS610にて、球詰まり報知用処理を実行してから、本判定処理を終了する。球詰まり報知用処理では、球詰まりが発生している可能性が高い球詰まり状態であることを示すコマンドを、演出制御装置82へ出力する。演出制御装置82では、当該球詰まり状態であることを報知するように、例えばスピーカ部64から警告音を発生させたり、球詰まり状態である旨の表示を行うように表示制御装置212を制御する。
すなわち、上記のように、球詰まり状態の判定では、開閉実行モード中以外で所定期間に亘って大入賞口用入賞センサ32aの検知状態が継続した場合には、球詰まり状態と判定する。一方、開閉実行モード中においては、大入賞口用入賞センサ32aの検知状態が所定期間に亘って継続した場合であっても、排出通路HTに7個以上の遊技球が保持されている状況であれば、球詰まり状態と判定しない構成とした。これは、排出通路HTにおいては、保持される遊技球の個数が多くなるほど、最後に入球した遊技球が保持される箇所と大入賞口用入賞センサ32aとの距離が短くなり、遊技球の挙動によっては、大入賞口用入賞センサ32aに所定期間に亘って検知され続ける可能性が高くなることに起因している。このようにすることで、球詰まり状態の誤検知を好適に回避している。
ちなみに、ラウンドが終了して排出通路HTから遊技球が排出されると、排出通路HTに7個以上の遊技球が保持されている状況は解消される。そして、ラウンドが終了して次のラウンドが開始されると、入賞カウンタPCには再度「10」が入力される。換言すると、ラウンドが終了しているのにもかかわらず(新たに入賞カウンタPCが設定がされたのにもかかわらず)、大入賞口用入賞センサ32aの検知状態が継続している場合には、ラウンド間の排出がうまく行われなかった可能性が高い。そのような場合には、ステップS608にて否定判定して、ステップS610に進み、球詰まり報知用処理が行われる。
また、開閉実行モードの最終ラウンドにおいては、入賞カウンタPCの再設定は行われないものの、ステップS609にて否定判定することになり、この場合も球詰まり報知用処理が行われる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
可変入賞ユニット151において、大入賞口32からの排出通路HTに排出扉175を設けた。これにより、排出通路HTに遊技球を保持することが可能となり、排出通路HTが遊技球が満タンとなると、後続の遊技球は大入賞口32へ入賞することができなくなる。このようにすることで、大入賞口32の開閉(誘導部材162の切替制御)だけでなく、遊技球が入球できない状況を作り出すことができる。
排出通路HTに保持可能な個数がラウンドの上限入賞個数となるように、排出通路HTの通路長を設定した。具体的には、排出扉175が閉鎖されれている状況で遊技球が排出通路HTに保持された場合、上限入賞個数目の10個目よりも上流側であって、受け部163に受けられる11個目の遊技球の中心よりも下流側に配置されるように、扉部165の位置を設定した。これにより、排出通路HTが遊技球で満タンとなった状態がラウンドの上限入賞個数の入賞が発生した状態となり、大入賞口32の閉鎖が行われるよりも先に大入賞口32への入賞を回避することが可能となる。よって、各ラウンドにおいて上限入賞個数を超える遊技球が大入賞口32へ入賞してしまう事象を回避することが可能となる。
ここで、各ラウンドの上限入賞個数を超える入賞が発生し得るものである場合には、当該上限入賞個数を超える入賞が発生した場合と、発生しなかった場合とで、各ラウンドにおいて得られる賞球は差が生じることになる。そのため、各ラウンドの上限入賞個数を超える入賞が発生すれば遊技者としては喜ばしいものと考えられる。しかし、上記のように得られる賞球に差が生じると、1の大当たりによって得られる特典の多い少ないが遊技者によって異なることとなり、遊技の公平性を担保する、という観点からは好ましくない。また、遊技ホールやメーカーとしては、上限入賞個数を超える入賞が発生することを加味して営業方針の決定や遊技機の設計を行う必要が生じ、その結果として、遊技者が得られる特典が少なくなったり、特典が得にくくなったりするものと考えられる。そうすると、上限入賞個数を超える入賞が生じ得る構成では、巡り巡って遊技者に不利益を生じさせてしまう可能性があるといえる。そこで、本実施形態のような可変入賞ユニット151を用いれば、上限入賞個数を超える入賞が発生し得ない構成であるため、遊技者に不利益を生じさせないようにすることが可能となる。
誘導機構161の誘導部材162が非誘導状態から誘導状態となることで大入賞口32への入賞が可能となるとともに、排出扉175が閉鎖状態となり、非誘導状態となることで大入賞口32への入賞が不可となるとともに、排出扉175が開放状態となる。このようにしたことで、大入賞口32から入賞した遊技球を排出する機能を担保しつつも、大入賞口32から入賞した遊技球を保持する機能を、排出通路HTが有するようにすることができる。
排出扉175の変位は、誘導機構161において誘導部材162の変位によって生じる構成とした。具体的には、誘導部材162の変位を生じさせるための可変入賞駆動部181を制御することで、排出扉175の変位が行われる構成とした。このようにしたことで、排出扉175に別途駆動部を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることが可能となる。また、本実施形態のように扉部165の動作に基づいて排出扉175も動作する構成とすれば、駆動部の共通化が図られるだけでなく、駆動タイミングや駆動契機も共通のものとなり、入球の可否や排出のタイミングを遊技者にわかり易くすることが可能となる。
排出通路HTの入口に戻り防止弁178を設けたことで、大入賞口32へ入賞した遊技球が例えば排出通路HTに保持されている遊技球と衝突するなどして、排出通路HTから大入賞口32を介して排出されてしまう事象が抑制されている。これにより、排出通路HTに保持される個数が減少することが抑制されるし、大入賞口用入賞センサ32aの誤検知も抑制される。
<第2の実施形態>
本実施形態では、開閉実行モードにおけるラウンドとラウンドとの間の待機時間の設定が、上記第1の実施形態と異なっている。図21は、本実施形態における閉鎖時間の設定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、閉鎖時間の設定処理は大入賞口開閉処理においてステップS515にて実行される処理である。
本実施形態における閉鎖時間の設定処理では、ステップS701にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技回が、第1結果表示部ASによるものであったか否か、すなわち、上作動口33への入賞に基づく当否判定により大当たり当選となって移行した開閉実行モードであるか否かを判定する。第1結果表示部ASによるものである場合には、ステップS702にて、ラウンドとラウンドとの間の待機時間としてタイマカウンタTへ「2000」(4sec)を入力する。ステップS702にて入力する値は、上記第1の実施形態と同じであり、排出通路HTに保持されている全て(10個)の遊技球が排出されるための時間(3sec、10×H)よりも長くなっている。
一方、ステップS701にて、今回の開閉実行モードの契機となった遊技回が、第1結果表示部ASではなく、第2結果表示部BSである場合、すなわち、下作動口34への入賞に基づく当否判定により大当たり当選となって移行した開閉実行モードである場合には、ステップS703にて、ラウンドとラウンドとの間の待機時間としてタイマカウンタTへ「1400」を入力する。ステップS703にて入力する値は、排出通路HTに保持されている遊技球のうち、9個分の遊技球が排出される時間(2.7sec、9×H)よりも長く、10個分の遊技球が排出される時間よりも短くなっている。ステップS702又はステップS703の処理を実行した後は、本設定処理を終了する。
本実施形態における、ラウンド中の遊技球の入球、及びラウンド間の待機時間中の遊技球の排出の関係を図22を参照しながら説明する。
図22(a)に示すように、第1結果表示部AS側の遊技回に基づく開閉実行モードでは、上記第1の実施形態と同様に、ラウンド間の待機時間T1は、10個分の排出時間よりも長くなるように設定される。そのため、例えばNラウンド目において、大入賞口32へ10個の遊技球が入賞し、当該Nラウンドが終了してからN+1ラウンドが開始されるまでの待機時間T1において、排出通路HTに保持された遊技球は全て(10個)排出される。その結果、N+1ラウンドが開始される状況では、排出通路HTに保持されている遊技球は存在せず(0個保持されており)、当該N+1ラウンドにおいても10個の遊技球を大入賞口32へ入賞させることができる。
これに対して、図22(b)に示すように、第2結果表示部BS側の遊技回に基づく開閉実行モードでは、ラウンド間の待機時間T1は、9個分の排出時間よりも長く且つ10個分の排出時間より短くなるように設定される。そのため、例えば、Nラウンド目において、大入賞口32へ10個の遊技球が入賞し、当該Nラウンドが終了してからN+1ラウンドが開始されるまでの待機時間T1において、排出通路HTに保持されていた遊技球は9個だけ排出され、1個残ることになる。その結果、N+1ラウンドが開始される状況では、排出通路HTに遊技球が1個保持されている状況となり、当該N+1ラウンドにおいては、10個ではなく9個の遊技球を大入賞口32へ入賞させることが可能となる。換言すると、上限入賞個数の設定(PCに10を入力する処理)は変更することなく、N+1ラウンドにおける上限入賞個数も10であるのにもかかわらず、N+1ラウンドにおいては実質的に9個の遊技球しか入賞することができなくなる。
次に、本実施形態における開閉実行モード用の演出について、図23を参照しながら説明する。図23は、開閉実行モード用演出処理を示すフローチャートである。開閉実行モード用演出処理は、演出制御装置82のMPU242にて所定周期(例えば2msec)で起動される処理である。
本演出処理では、ステップS801にてラウンドの開始タイミングか否かを判定する。なお、演出制御装置82のMPU242は、RAM244に設けられた経過カウンタを参照することで、開閉実行モード中の演出タイミングを把握することができる。この経過カウンタには、主制御装置81側のタイマカウンタTと同様の数値が入力されており、経過カウンタの数値はタイマカウンタTと同様に所定周期毎に1ずつ減算される。ちなみに、主制御装置81からは開閉実行モード中の各種タイミング(オープニングの開始、ラウンドの開始、待機時間の開始、エンディングの開始等のタイミング)で、タイマカウンタTに入力した情報を含むコマンドが出力される。演出制御装置82では当該コマンドに基づいて、経過カウンタにタイマカウンタTと同様に数値を入力する。
ステップS801にてラウンドの開始タイミングである場合には、ステップS802にてラウンド演出を実行するように、各種機器を制御する。ラウンド演出とは、例えば開閉実行モードを祝福するような動画演出であり、また、例えば現在のラウンド数や開閉実行モードの移行契機となった遊技回で停止した図柄を遊技者が把握可能となるように各種情報が表示される演出である。ステップS802の処理を実行した後は、本演出処理を終了する。
ステップS801にてラウンドの開始タイミングではない場合には、ラウンド中である可能性がある。この場合、ステップS803にてラウンドの上限入賞個数の入賞が発生したか否かを判定する。なお、主制御装置81側のステップS509にて大入賞口32への入賞を検知する度に、その旨のコマンドを演出制御装置82へ出力する構成とすることで、演出制御装置82では大入賞口32への入賞を把握可能となる。また、演出制御装置82においても、入賞カウンタPCと同様のカウンタを設け、ラウンドの開始に際して、又は上記入賞の際のコマンドの受信に際して、当該カウンタの更新を行う構成とすれば、現状の入賞個数、及び上限入賞個数に達したことを演出制御装置82側でも把握可能となる。
ステップS803にて上限入賞個数の入賞が発生していない場合には、ステップS804にてラウンドの上限開放時間が経過したか否かを判定する。ステップS803又はステップS804のいずれかで肯定判定した場合には、ステップS805にて、ラウンド間の待機時間用の待機演出を設定して、本演出処理を終了する。待機演出とは、例えば、大入賞口32への入賞が発生しない状態であることを示す動画演出であり、また、次に開始されるラウンドが何回目のラウンドかといった情報を遊技者が把握可能となるような表示が行われる演出である。
ステップS803及びステップS804にて否定判定して、ラウンドの終了条件がいずれも成立していない場合には、ステップS806にて、9個入賞が発生したか否かを判定する。9個入賞が発生した場合には、ステップS807にて、現状のラウンドが2ラウンド目以降であるか否か、すなわち2ラウンド~15ラウンド目であるか否かを判定する。2ラウンド目以降である場合には、ステップS808にて、今回の開閉実行モードが第1結果表示部ASの遊技回に基づくものであるか否かを判定する。
第1結果表示部ASではなく、第2結果表示部BSの遊技回に基づくものであり、2ラウンド目以降で9個入賞が発生した場合とは、上記のように、上限入賞個数の遊技球の入賞は発生していないのにもかかわらず、大入賞口32への入賞が制限されている場合である。この場合、ステップS809にて、特定演出を設定してから、本演出処理を終了する。特定演出は、例えば、ストーリー性を有する動画演出であり、長く継続するほど遊技者が有利な情報を得られる(例えば、レア画像が表示される、レア画像のデータ取得が可能となる等)ような演出である。なお、本実施形態では、特定演出が複数回発生した場合(例えば2ラウンド目以降の各ラウンドで発生した場合)は、前回の演出を引き継ぐ構成としている。
ステップS806にて9個入賞していない場合、ステップS807にて1ラウンド目である場合、又はステップS808にて第1結果表示部ASの遊技回に基づく開閉実行モードである場合には、ステップS810にてその他の処理を実行してから、本演出処理を終了する。その他の処理では、例えばオープニングやエンディング用の演出を設定したり、開閉実行モード後の遊技状態が高確率モードとなること等を事後的に報知する所謂昇格演出を実行するための処理を行ったりする。
以上のように本実施形態によれば、ラウンド間の待機時間の長さを変更することで、当該待機時間中に排出される個数を変化させて、ラウンド中の上限入賞個数の設定を変更することなく、実質的な上限入賞個数を変化させることが可能となる。
このように実質的な入賞個数を変化させる場合であっても、排出通路HTの通路長は変化しない。すなわち、待機時間の調節だけで、排出通路HTに貯留可能な個数を変化させることが可能となり、簡素な構成で実質的な入賞個数を変化させることができる。
ラウンド間の待機時間を、上限入賞個数の排出時間よりも短い時間としたことで、次のラウンドの開始時において排出通路HTに未だ排出されていない遊技球が存在するようになり、当該次のラウンドにおいては、未だ排出されていない遊技球の分だけ、実質的に入球可能な個数が少なくなる。このようにすることで、開閉実行モードにおけるラウンド中の入賞個数を変化させ、得られる賞球を変化させることが可能となる。
ここで、第1の実施形態にて示したように、第1結果表示部ASと第2結果表示部BSとでは、大当たり当選となる確率は同じであり、振分テーブルも共通のものを使用する構成としている。一方で、第1結果表示部ASと第2結果表示部BSとでは、開閉実行モード中の得られる賞球が異なる。具体的には、第1結果表示部ASでの大当たりでは、大入賞口32へ15ラウンド×10個=150個の遊技球の入賞が期待できる。一方、第2結果表示部BSでの大当たりでは、大入賞口32へ1ラウンド×10個+14ラウンド×9個=136個の遊技球の入賞が期待でき、第1結果表示部ASのものよりも少ない。このようにすることで、当否抽選の確率や、大当たり結果の種類の振分等によらず、大当たり結果の有利度を異ならせることが可能となり、新たな遊技性を実現することができる。
第2結果表示部BSの遊技回に基づく開閉実行モードにおいては、2ラウンド目以降は9個入賞させると、以降の入賞が制限される。そして、上限入賞個数に達するといった終了条件は成立しないため、上限開放時間が経過するまでラウンドは継続する。この場合、開閉実行モード中の演出として、特定演出が行われる。特定演出は、継続すればするほど遊技者に有利な特典が付与されるような内容となっている。つまり、2ラウンド目以降においては、より早期に9個入賞させるほど、特定演出が行われる時間が長くなり、特定演出に基づいて遊技者に有利な特典が付与され易くなる。このようにすることで、早期に9個入賞させる意義を生じさせることが可能となり、ラウンド中の待ち時間を解消することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態の遊技盤24には、可変入賞ユニット151が複数設けられている。図24は、本実施形態における遊技盤24の正面図である。
本実施形態では、遊技盤24の右側領域PE3において、第1可変入賞ユニット201と第2可変入賞ユニット202が設けられている。第1可変入賞ユニット201及び第2可変入賞ユニット202は、いずれも可変入賞ユニット151と同じ構造である。
第1可変入賞ユニット201は第2可変入賞ユニット202よりも上流側に配置されており、第1可変入賞ユニット201の通過領域TEと第2可変入賞ユニット202の通過領域TEとが上下に重なるように配置されている。
図25は、本実施形態における大入賞口開放処理を示すフローチャートである。大入賞口開放処理は、大入賞口開閉処理(図18)におけるステップS504にて実行されるしょりである。
ステップS901では、ラウンドカウンタRCが奇数であるか否かを判定する。そして、ラウンドカウンタRCが奇数である場合には、ステップS902にて第1可変入賞ユニット201を開放状態とし、ラウンドカウンタRCが偶数である場合には、ステップS903にて第2可変入賞ユニット202を開放状態とする。ステップS902又はステップS903の処理を実行した後は、本開放処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、開閉実行モード中の各ラウンドが、第1可変入賞ユニット201と第2可変入賞ユニット202で交互に実行される。
図による詳細な説明は省略するが、本実施形態における閉鎖時間の設定処理(ステップS515)では、上記第1の実施形態で入力する数値よりも小さい数値、具体的には「0」を入力する。すなわち、第1の実施形態のように、排出通路HTに保持されている遊技球が全て排出されるのに要する時間よりも長い時間となるようにインターバルの時間を設定するのではなく、当該排出されるのに要する時間よりも短い時間、より具体的には0secを設定する。これにより、1のラウンドの終了後、より短い時間で(直ちに)次のラウンドが開始される。なお、インターバルの時間は、全遊技球が排出されるのに要する時間(10×H)よりも短い時間であればよい。
本実施形態における、ラウンド中の遊技球の入球、及びラウンド間の待機時間中の遊技球の排出の関係を図26を参照しながら説明する。
ラウンドカウンタRCが奇数であるNラウンド目においては、図26(a)に示すように、第1可変入賞ユニット201が開放状態とされる。この場合、第1可変入賞ユニット201における排出通路HTでは10個の遊技球を保持可能であり、Nラウンド目においては、ラウンドの上限入賞個数分の入賞が発生する。上記のように、続くN+1ラウンド目は、Nラウンド目が終了すると直ちに開始される。N+1ラウンド目は、図26(b)に示すように、第2可変入賞ユニット202が開放状態とされる。第2可変入賞ユニット202における排出通路HTでは10個の遊技球を保持可能であり、N+1ラウンド目においては、ラウンドの上限入賞個数分の入賞が発生する。また、N+1ラウンド目が第2可変入賞ユニット202にて実行されることにより、N+1ラウンド目に閉鎖状態とされている第1可変入賞ユニット201側では、排出通路HTの遊技球の排出が行われる。そして、N+1ラウンド目が終了するよりも先に、Nラウンド目に入賞した遊技球の排出が完了する。N+1ラウンド目が終了して、続くN+2ラウンド目が第1可変入賞ユニット201側で実行される際には、第1可変入賞ユニット201における排出通路HTには遊技球が残っておらず、N+2ラウンド目においてもラウンドの上限入賞個数分の入賞が発生し得る。N+2ラウンド目が実行されている最中に、閉鎖状態とされている第2可変入賞ユニット202側の遊技球の排出が行われる。
以上のように、本実施形態では、排出が行われることで入賞が可能となる可変入賞ユニット201,202を複数設け、これらを交互に使用して各ラウンドを実行する構成としたことで、一方のユニットにて排出が行われている最中に他方のユニットにてラウンドを行うことが可能となり、より迅速なラウンドの消化を実現することが可能となる。
これら複数の可変入賞ユニット201,202を上下に配置し、通過領域TEが上下に重なるようにした。これにより、一方のユニットを狙って遊技球を発射させれば、他方のユニットにも当該遊技球は到達可能となり、交互に実行されるラウンドを遊技球の発射態様の変更を要さず消化することが可能となる。
上記の構成を、第2の実施形態のように上限入賞個数の入賞が発生しない状態で大入賞口32への入賞が制限される構成に適用する場合、以下のようにしてもよい。
すなわち、開閉実行モードの所定のラウンドとして1ラウンド目と次のラウンドである2ラウンド目を同じユニット(第1可変入賞ユニット201)にて行う構成とする。また、1ラウンド目と2ラウンド目とのインターバル(閉鎖時間)は、上記第2の実施形態と同様に1個の遊技球の排出時間(H)と上限入賞個数(10)との積よりも短く、排出時間(H)と上限入賞個数から所定個数(1)分減算した個数(9)との積よりも長い時間となるように設定する。その後、3ラウンド目は2ラウンド目とは異なる側のユニット(第2可変入賞ユニット202)にて行い、以降は各ユニットで交互にラウンドを実行する。
このようにすると、2ラウンド目においては上限入賞個数の遊技球の入賞が発生するよりも前に遊技球の入賞が制限される。ここで、このような状況においては、大入賞口32への入賞は制限される一方で、受け部163は遊技盤24から前方へ起立した状態であり通過領域TEを通過する遊技球を受けることが可能な状態となっている。
そして、図27に示すように、9個を上限として大入賞口32へ入賞が可能なNラウンド目においては、上記のように10個目の大入賞口32への入賞は発生しないものの(図27(a))、第1可変入賞ユニット201を狙えば、当該ユニット201の受け部163に遊技球を受けさせることは可能である。そうすると、上限開放時間が経過するまで、図27(c1)に示すように、受け部163に多数の遊技球が留まることになる。
Nラウンド目の上限開放時間が経過すると、次のN+1ラウンド目は第2可変入賞ユニット202が開放状態とされる(図27(b))。また、Nラウンド目の終了に際して、第1可変入賞ユニット201は閉鎖状態となり、受け部163は遊技盤24と平行となるように非誘導状態に切替えられる。そうすると、図26(c2)に示すように、第1可変入賞ユニット201の受け部163にて受けられていた遊技球は、そのまま第2可変入賞ユニット202に向けて落下することになる。第2可変入賞ユニット202は開放状態となることで、上記第1可変入賞ユニット201から落下する遊技球を受けることが可能となり、当該受けた遊技球は大入賞口32から入賞する。
その結果、図27(b)、図27(c3)に示すように、N+1ラウンド目においては、上記第1可変入賞ユニット201に留まっていた遊技球分だけ、早期に上限入賞個数の入賞が発生することになる。より具体的には、N+1ラウンド目は、上限入賞個数(10)と遊技球の発射周期(0.6sec)との積よりも短い時間で、上限入賞個数の入賞が発生して終了することになる。
N+1ラウンド目が上記のように早期に終了することにより、第1可変入賞ユニット201側では、Nラウンド目の遊技球の排出が完了するよりも前に、次のN+2ラウンド目が開始されることになる。すなわち、例えば、第1可変入賞ユニット201の排出通路HTにおいて1個の遊技球が未排出であるタイミングで、N+1ラウンド目において第2可変入賞ユニット202への10個の入賞が発生すると、第1可変入賞ユニット201の排出通路HTに1個残存した状態で、N+1ラウンド目が終了してN+2ラウンド目が開始される(図27(c4))。その結果、N+2ラウンド目においても、第1可変入賞ユニット201へ上限入賞個数の遊技球の入賞は発生せず、第1可変入賞ユニット201側の受け部163にて遊技球が受けられ且つ大入賞口32への入賞が発生しない状況が生じる。そうすると、N+3ラウンド目においては、上記N+1ラウンド目と同様に、当該N+3ラウンド目を早期に終了させることが可能となる。
以上のようにすれば、上限入賞個数が発生しないラウンドを実現しつつも、受け部163に留保される分の遊技球を利用して、次のラウンドを早期に終了させることが可能となる。よって、第2の実施形態のように、開閉実行モードの閉鎖時間を利用して有利度を変化させる構成において、開閉実行モードの迅速な消化をも実現することができる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、当否抽選に用いられる当否テーブル及び大当たり結果の振分判定に用いられる振分テーブルが上記各実施形態と異なっている。
図28は、本実施形態における当否テーブルである。
本実施形態では、低確率モード用の当否テーブル(図28(a))、及び高確率モード用の当否テーブル(図28(b))のいずれにおいても、大当たり当選となる乱数の値以外の外れ結果として、特別外れ結果及び通常外れ結果が設定されている。
外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
特別外れ結果に基づく開閉実行モードでは、1ラウンドの開閉実行モードが実行される。当該開閉実行モードでは、1ラウンド中に可変入賞ユニット151の開閉制御が4回行われる。
図29は、本実施形態における振分テーブルである。
振分テーブルとしては、図29(a)の第1結果表示部用の振分テーブルと、図29(b)の第2結果表示部用の振分テーブルとが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図29(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果が設定されている。このうち、通常大当たり結果は、上記各実施形態にて説明したとおりであり、15R確変大当たり結果は、上記各実施形態における確変大当たり結果に対応するものである。これら通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果は、上記のように15ラウンドの開閉実行モードが実行される大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、2ラウンドの開閉実行モードが実行されるとともに、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなり、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。2ラウンドの開閉実行モードにおける各ラウンドでは、2回の開閉制御が可変入賞ユニット151にて行われる。
明示2R確変大当たり結果は、2ラウンドの開閉実行モードが実行されるとともに、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなり、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。非明示2R確変大当たり結果と同様に、2ラウンドの開閉実行モードにおける各ラウンドでは、2回の開閉制御が可変入賞ユニット151にて行われる。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~9」が通常大当たり結果に対応しており、「10~14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15~19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20~29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、15R確変大当たり結果が最も高く、明示2R確変大当たり結果が次に高く、非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図29(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~9」が通常大当たり結果に対応しており、「10~29」が15R確変大当たり結果に対応している。
ここで、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と、特別外れ結果では、開閉実行モード中の可変入賞ユニット151の開閉態様が共通している。すなわち、各2R確変大当たり結果では、2ラウンドの開閉実行モードが行われ、各ラウンドでは2回の開閉制御が行われる。一方、特別外れ結果では、1ラウンドの開閉実行モードが行われ、当該1ラウンドでは4回の開閉制御が行われ、開閉制御の回数が共通している。また、各開放時の開放継続時間と、閉鎖時の閉鎖継続時間とが、2R確変大当たり結果と特別外れ結果とで共通している。
上記のように特別外れ結果と2R確変大当たり結果を設定することで、可変入賞ユニット151の大入賞口32の開放を演出として用いることができる。ここで、特別外れ結果となった場合、4回の開放が実行される開閉実行モードに移行するのみであり、その後には開閉実行モード前の遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、4回の開放が実行される開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の開放回数である開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞ユニット151の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、4回の開放が行われる開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、各遊技回において、表示画面Gにて特別外れ結果及び非明示2R確変大当たり結果である場合に表示される停止結果は、共通の停止結果(例えば、3・4・1)となるように設定されている。これにより、表示画面Gにおいて実施される遊技回の停止結果からも、遊技者は、いずれの遊技結果に基づいて開閉実行モードに移行したかが把握できなくなっている。
さらに、開閉実行モード中の演出も、特別外れ結果に基づく開閉実行モードと非明示2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードとで共通の演出が実行される。そのため、開閉実行モード中の開閉態様だけでなく、演出態様からも、遊技者はいずれの遊技結果に基づく開閉実行モードであるかを把握することができない。
但し、表示画面Gよりも小さい表示部であるメイン表示部43における停止結果は、特別外れ結果及び非明示2R確変大当たり結果とで異なる停止結果となるように設定される。そのため、例えば遊技ホールの管理者が、いずれの遊技結果に基づいて開閉実行モードに移行したかを把握したい場合には、その把握が可能となっている。
ちなみに、明示2R確変大当たり結果に基づく表示画面Gにおける遊技回の停止結果や、メイン表示部43における停止結果は、特別外れ結果や非明示2R確変大当たり結果とは異なるように設定されている。また、明示2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードの演出も、特別外れ結果や非明示2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードの演出と異なるように設定されている。
以上のような当否テーブル及び振分テーブルを用いて行われる開閉実行モードの処理について、図30~図32を参照しながら説明する。
図30は、本実施形態におけるラウンド表示の開始処理を示すフローチャートである。ラウンド表示の開始処理は、遊技状態移行処理(図17)におけるステップS405にて実行される処理である。
ステップS1001では、今回開始する開閉実行モードが15Rの大当たり結果(通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果)に基づくものであるか否かを判定する。ステップS1001にて肯定判定した場合には、ステップS1002にてラウンドカウンタRCに「15」を入力してラウンド表示部RSの表示を開始してから、ラウンド表示の開始処理を終了する。
ステップS1001にて否定判定した場合、ステップS1003にて今回開始する開閉実行モードが特別外れ結果に基づくものであるか否かを判定する。ステップS1003にて否定判定する場合とは、今回の開閉実行モードが非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果に基づくものであることを意味し、この場合、ステップS1004にてラウンドカウンタRCに「2」を入力してラウンド表示部RSの表示を開始してから、ラウンド表示の開始処理を終了する。一方、ステップS1003にて肯定判定した場合は、ステップS1005にてラウンドカウンタRCに「1」を入力してラウンド表示部RSの表示を開始してから、ラウンド表示の開始処理を終了する。
図31は、本実施形態における大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、上記ステップS501~ステップS504と同様に、ステップS1101~ステップS1104にて大入賞口32を開放させるための処理を行う。ステップS1105では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたオープンカウンタOCが「0」であるか否かを判定する。オープンカウンタOCは、1ラウンド中の大入賞口32の開放回数をMPU112が把握するためのカウンタである。
オープンカウンタOCが「0」である場合とは、ラウンドの開始時であり、この場合、ステップS1106にて今回の開閉実行モードが15Rの大当たり結果に基づくものであるか否かを判定する。ステップS1106にて肯定判定した場合には、ステップS1107にてオープンカウンタOCに「1」を入力し、ステップS1108にてタイマカウンタTに「15000」を入力する。そして、ステップS1109にて入賞カウンタPCに「10」を入力する。すなわち、15Rの大当たり結果に基づく開閉実行モードでは、各ラウンドにおいて大入賞口32は1回開放され、1回の開放時間は30secを上限として継続する。
ステップS1106にて15Rの大当たり結果に基づくものではないと判定した場合には、ステップS1110にて特別外れ結果に基づくものか否かを判定する。特別外れ結果に基づくものではない場合には、ステップS1111にてオープンカウンタOCに「2」を入力する。また、特別外れ結果に基づくものである場合には、ステップS1112にてオープンカウンタOCに「4」を入力する。そして、ステップS1113にてタイマカウンタTに「1400」を入力する。その後、ステップS1109にて入賞カウンタPCに「10」を入力する。また、ステップS1105にてオープンカウンタOCが「0」ではない場合には、ステップS1114にてタイマカウンタTに「1400」を入力する。
すなわち、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び特別外れ結果に基づく開閉実行モードでは、いずれかの2R確変大当たり結果においては各ラウンドにおいて大入賞口32は2回開放され、1回の開放時間は2.8secを上限として継続する。一方、特別外れ結果においては、1ラウンドにおいて大入賞口32は4回開放され、1回の開放時間は2.8secを上限として継続する。
ステップS1109又はステップS1114の処理を実行した後は、ステップS1115にて開放コマンドを設定してから、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1101にて大入賞口32を開放中であると判定した場合には、ステップS1116~ステップS1120にて、ステップS508~ステップS512と同様に大入賞口32を閉鎖するための処理を実行する。ステップS1121では、オープンカウンタOCの更新処理として、オープンカウンタOCを1減算する処理を実行する。続くステップS1122ではオープンカウンタOCが「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、ステップS1123にてラウンドカウンタRCの更新処理として、ラウンドカウンタRCを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1124にて、ラウンドカウンタRCが「0」であるか否かの判定を行う。
ステップS1122又はステップS1124にて否定判定した場合、ステップS1125にて閉鎖時間の設定処理を実行する。本実施形態における閉鎖時間の設定処理では、図32のフローチャートに示すように、ステップS1201にて、今回の開閉実行モードが15Rの大当たり結果に基づくものであるか否かを判定し、15Rの大当たり結果に基づくものである場合には、ステップS1202にてタイマカウンタTに「2000」を入力する。また、15Rの大当たり結果に基づくものではない場合には、ステップS1203にてタイマカウンタTに「100」を入力する。ステップS1202又はステップS1203の処理を実行した後は、本設定処理を終了する。
ステップS1203にて入力する値は、0.2secに相当し、排出通路HTから遊技球が1個排出されるのに要する期間(H=0.3sec)よりも短い時間である。そのため、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果、特別外れ結果に基づく開閉実行モードにおいて、ラウンド間の待機時間やラウンド中の1開放と1開放との間の待機時間において、可変入賞ユニット151が閉鎖状態となっても、排出通路HTから遊技球は排出されない。
ステップS1125の処理を実行した後は、ステップS1126にて閉鎖コマンドを設定してから、大入賞口開閉処理を終了する。また、ステップS1124にてラウンドカウンタRCが「0」である場合には、ステップS1127及びステップS1128の処理を実行してから、大入賞口開閉処理を終了する。ステップS1127及びステップS1128の処理はステップS517及びステップS518の処理と同様である。
本実施形態における、可変入賞ユニット151の開閉制御の態様について、図33~図35を参照しながら説明する。
本実施形態では、ラウンドとラウンドとの間の待機時間として、図33(a)に示す長時間態様となる待機時間(T1)と、図33(b)に示す短時間態様となる待機時間(T2)とが設定されている。長時間態様となる待機時間(T1)は、上記各実施形態における待機時間と同様であり、排出通路HTから遊技球が1個排出されるのに要する期間(H)と上限入賞個数(10)との積よりも長い時間となるように設定されている。
一方、短時間態様となる待機時間(T2)は、1個分の排出時間(H)よりも短い時間となるように設定されている。また、図33(c)に示すように、ラウンド中の1開放と1開放との間の閉鎖時間(単閉鎖時間、T3)も、1個分の排出時間(H)よりも短い時間となるように設定されている。そのため、上記のように、短時間態様となる待機時間(T2)や、単閉鎖時間(T3)においては、排出通路HTから遊技球は排出されない。
上記のように、いずれかの2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードと、特別外れ結果に基づく開閉実行モードとでは、可変入賞ユニット151の開閉態様が共通する。そして、1開放と1開放との間の待機時間(T2,T3)では排出通路HTからの排出は発生しないため、これらの開閉実行モードにおいて実質的な上限入賞個数は10個で共通する。
図34(a)に示すように、いずれかの2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードでは、それぞれ2回の開放を行うラウンドを2回実行し、各ラウンドにおいて上限入賞個数(10)の設定が行われる。すなわち、開閉実行モードを通じた実質的な上限入賞個数は10である一方で、各ラウンドの上限入賞個数の設定は2回行われ、設定上の上限入賞個数と実質的な上限入賞個数とが相違する。一方、図34(b)に示すように、特別外れ結果に基づく開閉実行モードでは、4回の開放を行うラウンドを1回実行するため、開閉実行モードを通じた実質的な上限入賞個数は1ラウンドの上限入賞個数と共通である。
このような相違によって、可変入賞ユニット151の閉鎖タイミングを相違させることが可能となる。先ず、図35(a)に示す2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいて、taのタイミングからtbのタイミングで行われる1ラウンド目と、tcのタイミングからtdのタイミングで行われる2ラウンド目で遊技球がそれぞれ入球した場合について説明する。この場合、t1~t10のタイミングで遊技球の入球が発生すると、排出通路HTに保持される遊技球も入球に応じて増加する。一方で、例えば、t6のタイミングで6個目の遊技球が入賞した後に、1ラウンド目が終了した場合(tb)、tcのタイミングで2ラウンド目が開始されると、当該2ラウンド目では上限入賞個数の再設定が行われる。そうすると、2ラウンド目が開始されてからt7のタイミングで入賞する遊技球は、排出通路HTにおいて保持される遊技球としては7個目であるものの、2ラウンド目の入賞個数としてみると1個目の入賞となる。よって、t10のタイミングで、当該開閉実行モードを通じて10個目の遊技球が入賞して、排出通路HTが満タンとなった場合であっても、2ラウンド目の入賞個数としては4個であり、2ラウンド目の上限入賞個数には達していない。この場合、t10のタイミング以降においては、大入賞口32への入賞が発生し得ないものの、可変入賞ユニット151は開放状態のまま維持され、上限開放時間が経過するtdのタイミングで可変入賞ユニット151は閉鎖状態となる。
これに対して、特別外れ結果に基づく開閉実行モードでは、図35(b)に示すように、開閉実行モードを通じた入賞個数と1ラウンド中の入賞個数に相違は生じない。すなわち、taのタイミングから開始された開閉実行モードにおいて、t1~t10のタイミングで入球が発生すると、排出通路HTに保持される遊技球も入球に応じて増加する。そして、t10のタイミングで上限入賞個数である10個目の入球が発生すると、その入球に基づいてteのタイミングで可変入賞ユニット151が閉鎖状態となり、開閉実行モードが終了する。
以上のように、本実施形態によれば、2R確変大当たり結果と特別外れ結果という、開放時間や閉鎖時間の設定上の開閉実行モード中の開閉態様が共通する開閉実行モードにおいて、上限入賞個数の再設定が行われるか否かといった相違点によって、可変入賞ユニット151の閉鎖タイミングを相違させることが可能となる。このようにすれば、遊技機側が設定する開閉態様が共通する開閉実行モードであっても、入賞を発生させることによって開閉態様を相違させることが可能となり、斬新な遊技性を実現することができる。
特に、上記2R確変大当たり結果のうち、非明示2R確変大当たり結果と特別外れ結果とでは、各遊技回の停止結果や開閉実行モード中の演出態様が共通している。そのため、遊技者としてはいずれの遊技結果に基づく開閉実行モードかを演出態様や当初の開閉態様からは把握することができない。その一方で、非明示2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードであれば、当該開閉実行モード後の当否抽選モードは高確率モードに設定され、特別外れ結果に基づく開閉実行モードであれば、当該開閉実行モード後の当否抽選モードは開閉実行モード前の当否抽選モードを引き継ぐ。そのため、遊技者としては、開閉実行モード後に高確率モードであることを期待して遊技を行う(すなわち非明示2R確変大当たり結果であったことを期待して遊技を行う)ことができ、遊技の多様化が図られている。そして、本実施形態においては、いずれの遊技結果に基づく開閉実行モードかを、当該開閉実行モード中に10個の入賞を発生させることで、把握することが可能となる。つまり、10個の入賞を発生させて可変入賞ユニット151が閉鎖状態となれば、当該開閉実行モードは特別外れ結果に基づくものであり、10個の入賞を発生させて可変入賞ユニット151が閉鎖状態とならなければ、当該開閉実行モードは非明示2R確変大当たり結果に基づくものである。このように、遊技者が入賞させるか否かによっていずれの結果かを把握可能としたことによって、開閉実行モード後の当否抽選モードの高低の予測を楽しみたい場合と、早期に知りたい場合とを、遊技者に選択させることが可能となり、遊技の多様化が図られる。
この場合、遊技者が入賞させることができる個数は、非明示2R確変大当たり結果と特別外れ結果のいずれであっても10個であり、得られる特典は同じである。つまり、開閉実行モード後の当否抽選モードの高低を先に知ることができるか否か、といった点のみが異なり、遊技者の有利度に差を生じさせない範囲で遊技の多様化を図ることが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、可変入賞ユニット151の配置が上記各実施形態とは異なっている。図36(a)は、本実施形態における遊技盤24を示す正面図である。
本実施形態における可変入賞ユニット151(以下の説明では、第3可変入賞ユニット204という)は、受け部163が上下方向に延在するように配置する。そして、左右方向において大入賞口32を挟んで受け部163と反対側であって、大入賞口32よりも下流側に、遊技球が入球可能な特別入球部26を設ける。特別入球部26に遊技球が入球すると、所定個数(例えば10個)の賞球が払い出される。
なお、本実施形態では特別入球部26への入球が発生しても、大当たり判定等の抽選は行われない。但し、特別入球部26への入球に基づいて、例えば遊技者に所定の特典(大当たり状態の発生や高確率モードへの移行等)が付与されるか否か抽選が行われる構成としてもよい。
図36(a)に示すように、右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させた場合において、第3可変入賞ユニット204が非誘導状態である場合には、受け部163は遊技盤24と平行となり、通過領域TEを素通りするように遊技球は流下する(ルートR1)。その一方で、第3可変入賞ユニット204における可変入賞駆動部181が駆動制御されて非誘導状態から誘導状態となると、右側領域PE3を流下する遊技球は、受け部163によって大入賞口32へと誘導される(ルートR2)。
この場合、上記第2の実施形態のように、ラウンド間の待機時間をラウンドの上限入賞個数と排出に要する時間との積よりも短い時間とすると、排出通路HTに残存している遊技球の分、次のラウンドの入賞個数は減る。そして、当該次のラウンドにおいて、排出通路HTが満タンの状態となってから上限開放時間が経過するまでの間は、大入賞口32への入賞が発生しないものの当該ラウンドが継続する状態となる。
ラウンド中に上記の満タン状態となって上限開放時間が経過するまでの間は、右側領域PE3を流下するように遊技球を発射させると、当該遊技球は受け部163によって受けられるとともに、大入賞口32へ誘導される。ところが、大入賞口32へは上記のとおり入球できない状態となっており、大入賞口32を挟んで受け部163と反対側に当該遊技球は落下する。上記のとおり、当該落下する位置には特別入球部26が配置されており、当該落下する遊技球は特別入球部26へ入球する。
以上の結果、ラウンド中に排出通路HTが満タン状態となり、上限開放時間が経過するまでの間、大入賞口32へ入賞させることができなくなる一方で、特別入球部26への入賞が発生し易くなる。これにより、上限開放時間が経過するまでの間が長く続けば続くほど、特別入球部26への入賞に基づく賞球を得ることができる、といった斬新な遊技を実現することができる。
ちなみに、本実施形態においては、誘導機構161における誘導部材162の駆動制御用の可変入賞駆動部181とは別途、排出扉175の開閉を実行するための駆動部(排出駆動部191)が設けられている。排出駆動部191は主制御装置81と接続されており、排出駆動部191が駆動状態とされると排出扉175は閉鎖状態となり、排出駆動部191が非駆動状態とされると排出扉175は開放状態となる。
図36(b)は、主制御装置81のMPU112にて実行される排出駆動部用処理を示すフローチャートである。
排出駆動部用処理では、ステップS1301にて可変入賞駆動部181の駆動状態を把握して、大入賞口32が開放状態か否かを判定する。開放状態である場合には、ステップS1302にて排出駆動部191を駆動制御して、排出扉175を閉鎖状態とする。また、ステップS1301にて大入賞口32が閉鎖状態である場合には、ステップS1303にて排出駆動部191を駆動制御して、排出扉175を開放状態とする。ステップS1302又はステップS1303の処理を実行した後は、本駆動用処理を終了する。
このように、大入賞口32の開閉用の駆動部(可変入賞駆動部181)とは別途、排出扉175用の駆動部を設けた場合であっても、大入賞口32の開閉に基づいて排出扉175を開閉する構成とすれば、排出扉175の開閉タイミングは明確となり、遊技の透明性は担保される。
以上のように、本実施形態によれば、排出通路HTに保持される遊技球が排出されないで残存している状況で次のラウンドが開始された場合に生じる特定状況を利用して、新たな遊技性を実現している。すなわち、排出通路HTに遊技球が10個保持されてそれ以上の入球が発生しない状態となってもラウンドが継続して受け部163が誘導状態に保持される状況を利用して、当該受け部163によって受けられるとともに、大入賞口32へ誘導されて、且つ当該大入賞口32へ入賞しなかった遊技球が入賞し易い位置に特別入球部26を配置した。これにより、上記状況において特別入球部26への入賞を発生させることが可能となる。
上記実施形態では、特別入球部26への入賞が発生することで、10個の賞球が得られる構成としたため、上記特定状況において持ち球の増加が見込める構成となっている。このようにすることで、開閉実行モード中においてなるべく早く特定状況が発生させれば遊技者はより多くの賞球を得ることが可能となり、開閉実行モード中に単に大入賞口32へ入賞させる、といった遊技とは異なる新たな遊技を創出し、遊技への注目度は大幅に高められるものと考えられる。
なお、例えば特別入球部26への入賞に基づく賞球を1個とする等して、持ち球の増加が見込めないものの遊技球の減少が抑制される構成としてもよい。このようにすれば、上記特定状況が発生しても遊技者は遊技球の発射を停止させる必要が生じず、少なくとも遊技者が損をすることは回避される。その結果、遊技球の発射を停止させる止め打ち行為を行わせないようにすることができる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、排出通路HTの途中において、排出口174側とは異なる領域に遊技球を誘導する分岐を設ける。図37は、本実施形態における排出通路HTの概略を示す図である。
図37(a)に示すように、排出通路HTにおいて大入賞口32と排出口174との間の中途位置において、遊技球を排出口174側とは異なる領域に誘導可能な分岐通路BTを設ける。分岐通路BTにはその下流側において、遊技球の通過を検知する検知センサ28が設けられている。検知センサ28により遊技球の通過が検知されると、所定の特典が遊技者に付与される。
本実施形態においては、上記所定の特典として、開閉実行モード中に当該検知センサ28によって遊技球の通過が検知されることで、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードとなる構成とする。また、本実施形態の排出通路HTは、分岐通路BTとの分岐点よりも下流側において、開閉実行モードのラウンドにおける上限入賞個数(10)よりも多い数である特定個数N個の遊技球を保持することが可能なように、排出通路HTの通路長が設定されている(図37(b))。
以上のような構成とすることで、例えば第2の実施形態において示したように、ラウンド間の待機時間を排出時間(H)と上限入賞個数(10)との積よりも短い時間とすると、次のラウンドにおいては遊技球が排出通路HTに残存した状況で開始される。この場合、当該次のラウンドにおいて、特定個数N個の遊技球が排出通路HTに保持される可能性が高まる。そうすると、特定個数N個の遊技球が保持された状況で入賞した後続の遊技球は、当該保持されたN個目の遊技球と衝突することで分岐通路BT側へ誘導される。分岐通路BTへ誘導されると、検知センサ28によって検知され、当該開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードに設定される。
これにより、ラウンド間の待機時間を異ならせることで、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードとなり易くする、といった斬新な遊技を実現することができる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、上記第6の実施形態において、排出通路HTへ他の入球部からの排出通路が合流している。図38は本実施形態における排出通路HTの概略を示す図である。
図38(a)に示すように、本実施形態では一般入賞口31からの排出通路が大入賞口32からの排出通路HTと合流する構成としている。一般入賞口31からの排出通路は、分岐通路BTとの分岐点よりも上流側で合流する構成としている。
上記のような構成とすることにより、開閉実行モード中に一般入賞口31への入賞が発生すると、排出通路HTに保持される遊技球の個数が増加し、その結果、保持された遊技球の個数が特定個数N個に至り易くなる。そして、後続の遊技球が分岐通路BT側へ誘導され易くなり、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定され易くなる。
この場合、上記のように一般入賞口31からの排出通路が分岐通路BTとの分岐点よりも上流側で合流する構成としていることから、分岐通路BTへは大入賞口32へ入賞した遊技球又は一般入賞口31へ入賞した遊技球が誘導され得る。このようにすることで、開閉実行モード中において、検知センサ28によって検知されるための入賞経路が多様化し、遊技性が大幅に高められる。
図38(b)では、分岐通路BTへの分岐点よりも下流側において一般入賞口31からの排出通路と合流する構成としている。このようにすると、検知センサ28へ誘導される遊技球を、大入賞口32へ入賞した遊技球に限定することができる。換言すると、一般入賞口31から入賞した遊技球は、排出通路HTにおいて保持され得るものの、当該一般入賞口31から入賞した遊技球が検知センサ28によって検知される事象は発生し得ない。
<第8の実施形態>
本実施形態では、可変入賞ユニット151を作動口に設ける。図39(a)は本実施形態における遊技盤24を示す正面図である。また、図39(b1)及び図39(b2)は、作動口の縦断面図である。
本実施形態においては、上作動口33及び下作動口34の代わりに、第1作動口48及び第2作動口49が設けられている。第1作動口48は遊技盤24の前方において上方に向けて開放されており、遊技領域PEを流下する遊技球が直接入球可能となっている。一方、第2作動口49は、第1作動口48の奥側に配置されている(図39(b1)及び図39(b2)参照)。第1作動口48へ遊技球が入賞すると、第1作動口48からの排出通路HTに設けられた第1センサ48aによりそれが検知され、内部抽選による当否判定が行われる。また、第2作動口49へ遊技球が入賞すると、第2作動口49からの排出通路に設けられた第2センサ49aによりそれが検知され、内部抽選による当否判定が行われる。
ここで、本実施形態では、第1作動口48への入賞に基づく当否判定と、第2作動口49への入賞に基づく当否判定とは、遊技者にとっての有利度に差が設けられており、第2作動口49への入賞に基づく当否判定の方が遊技者にとって有利な判定となるように設定されている。より具体的には、例えば、大当たり当選となる確率が、第1作動口48への入賞に基づく当否判定では実質的に約200分の1とし、第2作動口49への入賞に基づく当否判定では実質的に約1分の1とする。
本実施形態においては、可変入賞ユニット151として第1作動口48の入口を開閉する部材は設けられていない。一方で、第1作動口48からの排出通路HTの最下流部においては、排出口174を開閉する排出扉175が設けられている。排出扉175は通常は閉鎖状態となっており、大当たり当選となって開閉実行モードへの移行が発生すると、(例えば開閉実行モードにおいて開閉制御される扉の制御に合わせて)、排出扉175が開放状態にされる。
本実施形態では、排出扉175が閉鎖状態である状況において、第1作動口48からの排出通路HTに特定個数N個(例えば200個)の遊技球が保持されることが可能なように、排出通路HTの通路長が設定されている。
以上のような構成とすることで、排出通路HTに保持されている遊技球の個数が特定個数N個に達していない状況においては、図39(b1)に示すように、第2作動口49よりも第1作動口48に入賞し易く、約200分の1の当否判定が行われる。当該当否判定によって大当たり当選となると、遊技者は大当たり状態の遊技(開閉実行モード)を行うことが可能となるとともに、排出通路HTの排出扉175は開放状態とされ、排出通路HTから遊技球が排出される。
第1作動口48への入賞に基づく当否判定の結果が200回に亘って連続で外れ結果となると、図39(b2)に示すように、排出通路HTに保持されている遊技球の個数は特定個数N個に達する。その結果、後続の遊技球が特定個数N個目の遊技球に衝突して、第2作動口49へ入賞し易くなる。第2作動口49への入賞に基づく当否判定は、実質的に1分の1で大当たり当選となり、当該当選に基づいて、遊技者は大当たり状態の遊技を行うことが可能となるとともに、排出通路HTの排出扉175が開放状態とされて、排出通路HTから遊技球が排出される。したがって、排出通路HTに遊技球が保持される事象を利用して、実質的な天井当たりを実現することが可能となる。
<第9の実施形態>
本実施形態における排出通路HTには、排出扉175が複数設けられている。
図40に示すように、本実施形態では、排出扉175として第1排出扉175aと第2排出扉175bとが設けられている。第1排出扉175aと第2排出扉175bとは、排出通路HTにおいて位置が異なるように設けられており、第1排出扉175aの方が第2排出扉175bよりも下流側となるように配置されている。そして、いずれの排出扉175a,175bによって遊技球の排出が制限されるかによって、排出通路HTにおいて保持される遊技球の個数が異なるように設定されている。第1排出扉175aは第1排出用駆動部191aに接続されており、第2排出扉175bは第2排出用駆動部191bに接続されている。第1排出用駆動部191a及び第2排出用駆動部191bは、主制御装置81に接続されており、主制御装置81のMPU112によって、第1排出用駆動部191a及び第2排出用駆動部191bの駆動制御が実行される。
例えば、図40(a)に示すように、下流側の第1排出扉175aが閉鎖状態となるとともに、上流側の第2排出扉175bが開放状態である状況では、大入賞口32から第1排出扉175aまでの通路長において、遊技球を保持することが可能であり、この場合の遊技球の保持個数は、例えば10個(第1個数)に設定されている。
一方、図40(b)に示すように、上流側の第2排出扉175bが閉鎖状態となると、大入賞口32から第2排出扉175bまでの通路長において、遊技球を保持することが可能であり、この場合の遊技球の保持個数は、例えば5個(第2個数)に設定されており、上記の場合よりも保持個数が少なくなる。
このような構成を用いれば、排出通路HTに保持する遊技球の個数を容易に変化させることが可能となる。換言すると、排出通路HTにおいて保持される箇所を、容易に変化させることが可能となる。
上記の一の排出扉よりも上流側において遊技球が保持される構成を、例えば第1の実施形態の構成等に適用する場合、以下のようにしてもよい。
図40(c)に示すように、第1排出扉175aの直前に第2排出扉175bとしての突起を設ける。当該第2排出扉175bは、排出通路HTの底部に形成された凹みに埋没した状態と、突出した状態とに変位可能となっている。そして、埋没した状態が、遊技球が通過可能な開放状態に相当し、突出した状態が、遊技球が通過できない閉鎖状態に相当する。第2排出扉175bと第1排出扉175aとの間隔は、遊技球1個分の直径未満となっており、両扉175a,175b間に遊技球が挟まれることはない。
そして、本変形例では、少なくとも第1排出扉175aが開放状態とされる場合には、第2排出扉175bが閉鎖状態となっているように第2排出用駆動部191bを駆動制御する。このようにすると、第1排出扉175aが開放状態となっても、第2排出扉175bが開放状態とならない限り、遊技球は排出通路HTから排出されない構成となる。
このような構成を、例えば、第4の実施形態において示した短時間態様の待機時間を有する開閉実行モードに適用する。そして、短時間態様の待機時間を設定する場合には、第2排出扉175bを閉鎖状態に保持し、長時間態様の待機時間を設定する場合には、第2排出扉175bを開放状態に保持する。そうすると、短時間態様の待機時間において、遊技球が排出口174から排出されてしまうことを、より好適に回避することができる。
<第10の実施形態>
本実施形態では、排出通路HTに分岐通路BTを設ける構成とする。図41は、本実施形態における排出通路HTの概略を示す図である。
図41に示すように、排出通路HTにおいて排出口174よりも下流側に位置には、遊技球を排出通路HTとは異なる領域に誘導可能な分岐通路BTを設ける。分岐通路BTにはその下流側において、遊技球の通過を検知する検知センサ28が設けられている。検知センサ28により遊技球の通過が検知されると、所定の特典が遊技者に付与される。
排出通路HTから分岐通路BTへ分岐する位置には、遊技球を分岐通路BTへ振り分ける態様と分岐通路BTへ振り分けない態様とに切換可能な振分部301が設けられている。より詳しくは、振分部301が分岐通路BTへ振り分ける態様となる場合、振分部301は、排出通路HT内に突出して、排出通路HTを流下する遊技球を受けるとともに分岐通路BT側へ遊技球を導出する。また、振分部301が分岐通路BTへ振り分けない態様となる場合、振分部301は、排出通路HTの壁部を通路領域とは逆側に凹ませた部位に収容されることで排出通路HTに突出せず、排出通路HTを流下する遊技球の妨げとならないようになり、当該流下する遊技球は分岐通路BTへ分岐することなくそのまま排出用の領域へ流下することになる。
振分部301は振分駆動部302と接続されており、当該振分駆動部302が主制御装置81によって駆動制御されることにより、遊技球を分岐通路BTへ振り分ける態様と分岐通路BTへ振り分けない態様とに切り換えられる。
本実施形態においては、上記第6の実施形態と同様に、検知センサ28により検知されたことに対する所定の特典として、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードとなる構成とする。この処理については、後に詳細に説明する。なお、検知センサ28により検知されたことを、以下の説明ではV入賞が発生したとも表現する。また、本実施形態の排出通路HTは、排出口174(排出扉175)よりも上流側において、開閉実行モードのラウンドにおける上限入賞個数(10)よりも多い数である特定個数N個(20個)の遊技球を保持することが可能なように、排出通路HTの通路長が設定されている。
また、本実施形態では、遊技球が排出口174から振分部301に到達するまでに約0.4sec要する構成としている。
第1の実施形態と同様に、排出通路HTには透明性を有する前側カバーが取り付けられている。そのため、排出通路HT(より詳しくは、排出扉175や振分部301、検知センサ28等も含めて排出通路HT及び分岐通路BTの全体)が遊技機前方から視認可能となっている。
当否抽選モードを高確率モードに設定するための構成について、以下詳細に説明する。なお、かかる構成は上記第6の実施形態等においても適用可能である。
図42に示すように、本実施形態の当否テーブルとしては、図42(a)の低確率モード用の当否テーブルと、図42(b)の高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。低確率モード用の当否テーブルでは、大当たり結果となる大当たり乱数カウンタC1の値は2つ設定されており(300分の1)、高確率モード用の当否テーブルでは、大当たり結果となる大当たり乱数カウンタC1の値は6つ設定されている(100分の1)。
図43は、本実施形態における振分テーブルを示している。振分テーブルとしては、図43(a)の第1結果表示部用の振分テーブルと、図43(b)の第2結果表示部用の振分テーブルとが設定されている。本実施形態では、大当たり結果となった場合の振分先として、15R大当たり結果Aと15R大当たり結果Bと15R大当たり結果Cとが設定されている。
いずれの15R大当たり結果A~Cも、開閉実行モードに移行した場合、15回のラウンド遊技が行われる遊技結果である一方、ラウンド間の待機時間としてインターバル期間の長さが相違している。
ここで、本実施形態においても、大入賞口32の扉部165が開放されると、排出通路HTの排出扉175は閉鎖され、扉部165が閉鎖されると、排出扉175は開放される。そして、開閉実行モードにおいて扉部165が開放されると、ラウンド遊技が開始されて大入賞口32への入賞が許容されるとともに、排出扉175が閉鎖されているため、当該ラウンド遊技中は排出通路HTに遊技球が貯留されることになる。ラウンド遊技が終了して扉部165が閉鎖されると、大入賞口32への入賞が制限されるとともに、排出扉175が開放されるため、排出通路HTに貯留された遊技球が排出口174から排出されることになる。つまり、排出扉175が開放されている期間中において排出口174から遊技球が排出されるため、上記のようにラウンド間の待機時間としてのインターバル期間の長さが相違するということは、排出口174から排出される期間が相違することになる。
15R大当たり結果Aは、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれにおいても、いずれのインターバル期間も6secが設定される遊技結果である。各ラウンド遊技においては、上限入賞個数として10個が設定され、上限開放期間として当該上限入賞個数の遊技球の入球が見込める30secが設定される。この場合、各インターバル期間において、排出口174から排出される遊技球の個数は10個以上(実質的に10個)の排出が見込める。
15R大当たり結果Bは、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれにおいても、1ラウンド目から13ラウンド目のインターバル期間は6secが設定される一方、14ラウンド目から15ラウンド目(14回目のラウンド遊技の終了から15回目のラウンド遊技の開始)のインターバル期間は、第1結果表示部用の振分テーブルにおいては2.5secが設定され、第2結果表示部用の振分テーブルにおいては2.2secが設定される。各ラウンド遊技においては、上限入賞個数として10個が設定され、上限開放期間として当該上限入賞個数の遊技球の入球が見込める30secが設定される。この場合、13ラウンド目までのインターバル期間においては10個以上(実質的に10個)の遊技球の排出が見込める一方、14ラウンド目から15ラウンド目のインターバル期間においては第1結果表示部側では概ね6個~7個(0.4sec×6個=2.4sec、0.4sec×7個=2.8sec)、第2結果表示部側では概ね5個(0.4sec×5個=2.0sec)の遊技球の排出が見込める。そうすると、開閉実行モード終了時のエンディング中(15回目のラウンド遊技の終了後)において、15回目のラウンド遊技で入賞した遊技球(10個)と、14回目のラウンド遊技で入賞し且つ排出されなかった遊技球(3個~4個又は5個)が排出されることになる。
15R大当たり結果Cは、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれにおいても、1ラウンド目から13ラウンド目のインターバル期間は6secが設定される一方、14ラウンド目から15ラウンド目(14回目のラウンド遊技の終了から15回目のラウンド遊技の開始)のインターバル期間は2secが設定される。各ラウンド遊技においては、上限入賞個数として10個が設定され、上限開放期間として当該上限入賞個数の遊技球の入球が見込める30secが設定される。この場合、13ラウンド目までのインターバル期間においては10個以上(実質的に10個)の遊技球の排出が見込める一方、14ラウンド目から15ラウンド目のインターバル期間においては概ね5個の遊技球の排出が見込める。そうすると、開閉実行モード終了時のエンディング中(15回目のラウンド遊技の終了後)において、15回目のラウンド遊技で入賞した遊技球(10個)と、14回目のラウンド遊技で入賞し且つ排出されなかった遊技球(約5個)が排出されることになる。
つまり、15R大当たり結果A、15R大当たり結果B及び15R大当たり結果Cは、14回目のラウンド遊技と15回目のラウンド遊技との間の待機時間としてのインターバル期間の長さが相違するものであり、その結果、15回目のラウンド遊技の終了後に排出口174から排出される遊技球の個数が異なり得るものとなっている。そして、当該15回目のラウンド遊技の終了後に排出される遊技球の個数は、第1結果表示部用の振分テーブルにおいては、15R大当たり結果Aが最も少なく、15R大当たり結果Cが最も多くなるように設定されている。一方、第2結果表示部用の振分テーブルにおいては、15R大当たり結果Aが最も少なく、15R大当たり結果Bと15R大当たり結果Cとが同じ個数となるように設定されている。
図44(a)のフローチャートは、高確率モードへの移行用処理を示している。高確率モード用の移行処理は、主制御装置81のMPU112にて所定周期(例えば4msec周期)で起動される処理である。
ステップS1401では、今回の起動タイミングが開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中ではない場合には、そのまま本移行用処理を終了する。開閉実行モード中であれば、V入賞が発生したか否か、すなわち、分岐通路BTへ遊技球が誘導されたか否かを、検知センサ28の検知状態に基づいて判定する。V入賞が発生していなければ、そのまま本移行用処理を終了する。V入賞が発生している場合には、ステップS1403にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モード移行用フラグをセットする処理を実行してから、本移行用処理を終了する。高確率モード移行用フラグとは、開閉実行モード中にV入賞が発生したことをMPU112が把握するためのフラグである。
図44(b)のフローチャートは、本実施形態における開閉実行モード終了時の移行処理を示している。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理(図17)において、エンディング終了と判定した後(ステップS411:YES)、ステップS412にて起動される処理である。
ステップS1501では、上記ステップS1403にてセットした高確率モード移行用フラグがセットされているか否かを判定する。高確率モード移行用フラグがセットされている場合とは、今回の開閉実行モード中にV入賞が発生したことを意味し、この場合、ステップS1502にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モードフラグをセットする処理を実行する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであることをMPU112が把握するためのフラグであり、ステップS1502の処理にて、当否抽選モードが高確率モードに設定されることになる。
ステップS1501にてV入賞が発生していないと判定した場合、又はステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503に進む。ステップS1503では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする処理を実行する。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであることをMPU112が把握するためのフラグであり、ステップS1503の処理によって、サポートモードが高頻度サポートモードに設定されることになる。
そしてステップS1504にて、RAM114の各種カウンタエリア114dにおける遊技回数カウンタGCに100をセットする処理を実行してから、本移行処理を終了する。遊技回数カウンタGCは、開閉実行モード後において高確率モードや高頻度サポートモードが継続される遊技回の回数をMPU112が把握するためのカウンタであり、遊技回の開始毎に1ずつ減算される。当該遊技回数カウンタGCが0となることで、高確率モードフラグが消去されるとともに、高頻度サポートモードフラグが消去される。これにより、遊技状態が低確率モード且つ低頻度サポートモードに設定される。なお、遊技回数カウンタGCが0となった場合に、高確率モードフラグがセットされていなければその状態が維持されるとともに、高頻度サポートモードフラグの消去処理のみが行われる。
このように、開閉実行モード中にV入賞が発生すると、高確率モード移行用フラグがセットされ、開閉実行モード後の遊技状態が高確率モード且つ高頻度サポートモードに設定される。一方、開閉実行モード中にV入賞が発生しないと、高確率モード移行用フラグがセットされないため、開閉実行モード後の遊技状態は低確率モード且つ高頻度サポートモードに設定される。当否抽選モードが高確率モードであれば、大当たり結果となり易い構成(図42)であるため、開閉実行モード中にV入賞を発生させたほうが、V入賞を発生させないよりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行する構成といえる。
なお、高確率モード且つ高頻度サポートモードに設定された場合や低確率モード且つ高頻度サポートモードに設定された場合は、開閉実行モード後に100回の遊技回が実施されることで、低確率モード且つ低頻度サポートモードに設定される。
図45は、本実施形態における閉鎖時間の設定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、閉鎖時間の設定処理は大入賞口開閉処理(図18)のステップS515にて実施される処理であり、ラウンド間のインターバル期間を設定するための処理である。
ステップS1601では、ラウンドカウンタRCの値が1であるか否かを判定する。すなわち、今回設定するインターバル期間が、14ラウンド目と15ラウンド目との間のインターバル期間であるか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定した場合、ステップS1602にてタイマカウンタTに「3000」を入力する処理を実行してから、本設定処理を終了する。この場合、ラウンド間のインターバル期間は6secとなり、当該インターバル期間中に10個以上の遊技球が排出可能となる。
ステップS1601にて肯定判定し、14ラウンド目と15ラウンド目との間のインターバル期間である場合、ステップS1603にて今回の開閉実行モードが15R大当たり結果Bに基づくものであるか否かを判定する。15R大当たり結果Bである場合、ステップS1604にて、第1結果表示部側の当否判定に基づく15R大当たり結果Bであるか否かを判定する。
第1結果表示部側の当否判定に基づく15R大当たり結果Bであれば、ステップS1605にて、タイマカウンタTに「1250」を入力する処理を実行してから、本設定処理を終了する。この場合、ラウンド間のインターバル期間は2.5secとなり、当該インターバル期間中に概ね6個から7個の遊技球が排出可能となる。
ステップS1603及びステップS1604のいずれかで否定判定した場合、ステップS1606にて、タイマカウンタTに「1100」を入力する処理を実行してから、本設定処理を終了する。この場合、ラウンド間のインターバル期間は2.2secとなり、当該インターバル期間中に概ね5個の遊技球が排出可能となる。
なお、本実施形態における大入賞口開閉処理(図18)のエンディングの開始処理(ステップS517)では、タイマカウンタTに「4000」を入力する処理を行う。つまり、本実施形態におけるエンディング用の待機時間は8secとなるように設定されている。これは、最終ラウンド後であって開閉実行モード終了前に排出可能となる遊技球の個数を多くするための変更である。上記のようにすることで、最終ラウンド後において開閉実行モード終了前に概ね20個(残存球+上限入賞個数以上)の遊技球が排出可能となっている。
<振分駆動用処理>
次に、振分部301の切替制御に関する振分駆動用処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。振分駆動用処理は、主制御装置81のMPU112にて周期的(例えば2msec周期)に起動される処理である。
ステップS1701では、振分駆動部302の駆動状態を把握することで、振分部301が分岐通路BTへ遊技球を振り分ける態様となっているか否かを判定する。振分駆動部302が駆動中であり、振分部301が分岐通路BTへ遊技球を振り分ける態様となっている場合、ステップS1702に進む。ステップS1702では、大入賞口32の入口扉である扉部165の閉鎖タイミングか否かを判定する。かかる判定は、上記大入賞口開閉処理において入力されたタイマカウンタTの値が0であるか否か、及び可変入賞駆動部181の駆動状態に基づいて判定することができる。すなわち、可変入賞駆動部181が駆動状態であって扉部165が開放状態となっており、且つタイマカウンタTが0である場合に、入口扉の閉鎖タイミングであると判定する。
入口扉の閉鎖タイミングである場合は、ステップS1703にて振分周期の設定処理を実行する。振分周期の設定処理は、予め定められた所定のタイミングから振分部301が切換制御される振分周期を設定するための処理である。本実施形態では、予め定められた所定のタイミングとして、入口扉の閉鎖タイミングとしている。そして、ステップS1703では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた振分タイマカウンタHTに「2750」を入力する処理を行う。振分タイマカウンタHTは、振分部301の振分制御タイミングを把握するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ減算される。すなわち、ステップS1703にて入力する数値は5.5secに相当し、本実施形態では、大入賞口32が閉鎖されてから5.5sec後に振分部301の振分制御が行われる構成としている。
続くステップS1704では、振分回数の設定処理を実行する。振分回数の設定処理は、1回の振分契機に対して、振分部301が分岐通路BTへ遊技球を振り分ける態様となる回数を設定するための処理である。なお、本実施形態では、大入賞口32が閉鎖されることが1回の振分契機に相当する。ステップS1704では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた振分回数カウンタHCに「1」を入力する処理を実行する。振分回数カウンタHCは、1回の振分契機に対して振分部301の振分制御が行われる回数をMPU112が把握するためのカウンタである。
ステップS1702にて否定判定した場合、又はステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705に進む。ステップS1705では、上記振分回数カウンタHCが「1」であるか否かを判定する。また、ステップS1706にて振分タイマカウンタHTが「0」であるか否かを判定する。ステップS1705にて振分回数カウンタHCが「1」ではない場合(「0」である場合)や、ステップS1706にて振分タイマカウンタHTが「0」ではない場合には、そのまま本振分駆動用処理を終了する。
振分回数カウンタHCが「1」であり、且つ振分タイマカウンタHTが「0」である場合には、振分部301の振分タイミングであるとして、ステップS1707に進む。ステップS1707では、振分駆動部302の駆動制御を開始し、振分部301を分岐通路BTへ遊技球を振り分ける態様とする処理を行う。そして、ステップS1708にて、振分タイマカウンタHTに「500」を入力する処理を行う。ここで入力する数値は1secに相当し、振分部301が分岐通路BTへ遊技球を振り分ける態様となってから、分岐通路BTへ遊技球を振り分けない態様に切り換えられるまでの期間を特定するための数値である。そして、ステップS1709にて、振分回数カウンタHCを1減算する処理を行ってから、振分駆動用処理を終了する。
ステップS1701にて振分駆動部302が駆動中であって、振分部301が分岐通路BTへ遊技球を振り分ける態様となっていると判定した場合、ステップS1710に進む。ステップS1710では、振分タイマカウンタHTが「0」であるか否かを判定し、「0」ではない場合には、そのまま本振分駆動用処理を終了する。
振分タイマカウンタHTが「0」であり、振分部301を分岐通路BTへ遊技球を振り分けない態様に切り換えるタイミングである場合には、ステップS1711にて、振分駆動部302の駆動制御を終了する。これにより振分部301が分岐通路BTへ遊技球を振り分けない態様に切り換えられる。その後、本振分駆動用処理を終了する。
このように、本実施形態では、分岐通路BTへ遊技球が振り分けられるか否かは、予め定められた周期で動作する振分部301によって決定されるものとなっている。そして、振分部301は、大入賞口32が開放状態から閉鎖状態に切り換えられてから5.5sec後に動作するものとして一律でその動作タイミングが設定されている。
ここで、開閉実行モード中において、大入賞口32が開放状態から閉鎖状態に切り換えられるタイミングは、一のラウンド遊技が終了するタイミングである。上記のように本実施形態では、大当たり結果の種類にかかわらず、各ラウンド遊技の継続条件は同じものとして設定し、具体的には、いずれのラウンド遊技も上限開放期間を30secとするとともに、上限入賞個数を10個としている。したがって、いずれの大当たり結果においても、更に、いずれのラウンド遊技においても、一のラウンド遊技は、大入賞口32が30sec経過するか、10個の遊技球が入賞するかのいずれかの終了条件が成立することで終了するものとなっており、当該終了条件が成立することで大入賞口32は開放状態から閉鎖状態に切り換わる。つまり、大入賞口32が閉鎖されてから5.5sec後の切換制御が行われる振分部301の振分タイミングについても、大当たり結果の種類や、ラウンド遊技の回数によらず、一律で同じタイミングとして設定されている。
<V入賞を発生させるためのしくみ>
次に、開閉実行モード中の大入賞口32の開閉タイミングと振分部301の振分タイミングとの関係に基づいて、V入賞を発生させるためのしくみを、図47のタイミングチャートを参照しながら説明する。
t1のタイミングで所定のラウンド遊技が開始された場合、入口扉としての扉部165は開放状態となるとともに、同タイミングにて排出扉175は閉鎖状態となる。これにより、大入賞口32へ遊技球が入賞可能となるとともに、入賞した遊技球は排出通路HTにおいて排出扉175より上流側に貯留されるようになる。
t1のタイミングからt2のタイミングにかけて、大入賞口32へ遊技球が入賞する。t2のタイミングで大入賞口32への入賞個数が10個に達した場合、当該t2のタイミングでラウンド遊技が終了する。この場合、t2のタイミングでは、排出通路HTにおける排出扉175より上流側に10個の遊技球が貯留されていることになる。そしてt2のタイミングで、扉部165は閉鎖状態となり、排出扉175は開放状態となると、大入賞口32へ入賞できなくなるとともに、排出通路HTに貯留された遊技球は排出口174を介してそれより下流側に流下する。
t2のタイミングで大入賞口32が閉鎖状態となると、同タイミングから予め定められた期間(5.5sec)の経過後であるt4のタイミングで、振分部301の振分制御が行われる。具体的には、t4のタイミングで振分部301は分岐通路BTへ遊技球を振り分ける態様に切り換えられるとともに、t4のタイミングから1sec後であるt5のタイミングで分岐通路BTへ遊技球を振り分けない態様に切り換えられる。
また、t2のタイミングで大入賞口32が閉鎖状態となると、上記のとおり、排出通路HTに貯留された遊技球が排出口174を介して流下可能となる。本実施形態では、遊技球が排出口174から振分部301に到達するまでに約0.4sec要する構成としており、t2のタイミングから約0.4secと貯留個数(10個)の積である約4sec後のt3のタイミングで、貯留されていた遊技球が全て振分部301へ到達する。そうすると、振分部301はt3のタイミングよりも後であるt4のタイミングで分岐通路BT側へ振り分ける態様に切り換えられるため、t2からt3のタイミングで排出される遊技球は、全て分岐通路BTとは異なる排出用の領域に排出されることになる。換言すると、t2からt3のタイミングでは、V入賞が発生しない。
ここで、本実施形態では、ラウンド間のインターバル期間が、大当たり結果の種類や、ラウンド数によって相違している(図43)。具体的には、インターバル期間として長期間態様である6secが設定される場合と、長期間態様よりも短い短期間態様である2.2secが設定される場合と、長期間態様よりも短く且つ短期間態様よりも長い中期間態様である2.5secが設定される場合と、がある。長期間態様は、一のラウンド遊技の上限入賞個数(10個)の遊技球が排出口174から振分部301に排出されるよりも長い期間として設定されている。一方、中期間態様及び短期間態様は、一のラウンド遊技の上限入賞個数(10個)の遊技球が排出口174から振分部301に排出されるよりも短い期間として設定されている。そのため、長期間態様のインターバル期間が設定されると、当該インターバル期間前のラウンド遊技にて入賞した遊技球が全て排出される一方、中期間態様や短期間態様のインターバル期間が設定されると、当該インターバル期間前のラウンド遊技にて入賞した遊技球は一部が排出されずに残存することになる。
例えば、t2のタイミングで終了するラウンド遊技と、t6のタイミングで開始する次のラウンド遊技との間のインターバル期間が長期間態様であると、t1からt2のタイミングで入賞した遊技球はt6のタイミング前に全て排出される。そのため、t6のタイミングでラウンド遊技が開始される場合、排出通路HTの排出扉175上流に貯留されている遊技球の個数は0個である。
t6のタイミングから開始されたラウンド遊技がt7のタイミングまで実施されるとして、t7のタイミングで大入賞口32への入賞個数が10個に達すると、同t7のタイミングで扉部165は閉鎖状態とされるとともに、排出扉175は開放状態とされる。
t7のタイミングで、大入賞口32が閉鎖状態とされる場合、同t7のタイミングから5.5sec後であるt9のタイミングから、同t9のタイミングから1sec後のt10のタイミングまでの間で振分部301の振分制御が行われて、分岐通路BT側へ遊技球を振り分ける態様となる。これは、t2のタイミングで大入賞口32が閉鎖状態となった場合と同様である。
一方、t7のタイミングで一のラウンド遊技が終了した場合において、次のラウンド遊技までのインターバル期間として、短期間態様のインターバル期間が設定されたとすると、t7から2.2sec後であるt8のタイミングで次のラウンド遊技が開始されるようになる。そうすると、t8のタイミングで大入賞口32が開放状態となるため、同t8のタイミングで扉部165が開放状態となるとともに、排出扉175は閉鎖状態となる。
t8のタイミングでは、t7のタイミングから貯留個数分の排出に要する期間(約0.4sec×10個=4sec)は経過していないため、排出通路HTの排出扉175よりも上流側に遊技球が残存した状態で排出扉175が閉鎖状態となることになる。具体的には、t7からt8のタイミングで、10個中5個の遊技球が排出され、残る5個は排出通路HTにおける排出扉175上流側に残存することになる。
なお、t8のタイミングは、振分部301の振分制御が行われるt9のタイミングよりも前のタイミングであるため、t7からt8のタイミングにかけて排出された遊技球は、いずれも分岐通路BT側ではなく排出用の領域に排出されることになる。換言すると、t7からt8のタイミングではV入賞は発生しない。
t8のタイミングで次のラウンド遊技が開始されると、上限入賞個数の再設定が行われるので、当該t8のタイミングから実施されるラウンド遊技では、再度10個の遊技球を入賞させることが可能となる。なお、排出通路HTにおいて排出扉175よりも上流側の領域には、本実施形態では、遊技球を予め定められたN個として20個貯留することが可能なように排出通路HTの通路長が設定されている。そのため、t8のタイミングで5個の遊技球が残存した状態でラウンド遊技が開始されたとしても、新たに10個の遊技球を収容する領域は存在し、t8のタイミングで開始されるラウンド遊技において上限入賞個数の遊技球を入賞させることが可能となっている。
t11のタイミングで当該ラウンド遊技が終了すると、同t11のタイミングで扉部165が閉鎖状態となるとともに、排出扉175は開放状態とされる。図43に示すように、短期間態様や中期間態様のインターバル期間が設定される場合とは、最終ラウンド(15ラウンド)の直前のインターバル期間である。そのため、t11のタイミングで終了するラウンド遊技とは一の開閉実行モードにおいて最終回のラウンド遊技といえる。なお、t11のタイミング後は、エンディング期間が設定されているため、すぐに開閉実行モードが終了するわけではない。
t11のタイミングから排出される遊技球は、t8のタイミングから入賞した遊技球に加え、t8のタイミングで排出通路HTに残存していた遊技球である。つまり、t11のタイミングから排出される遊技球の個数は10個以上であり、この場合は、15個となっている。1個の排出に要する期間が約0.4secとすると、この15個が全て排出されるのに要する期間は6secとなり、t13のタイミングまで要することになる。つまり、t2やt7のタイミングでラウンド遊技が終了した場合より、貯留している全遊技球を排出するために要する期間が長くなる。
一方、振分部301は、t11のタイミングで大入賞口32が閉鎖状態となってから、予め定められたタイミングであるt12のタイミングで分岐通路BT側に振り分ける態様となり、t14のタイミングで当該態様から復帰する。より具体的には、t12のタイミングはt11のタイミングから5.5secが経過したタイミングであり、t14のタイミングはt12のタイミングから1secが経過したタイミングである。
つまり、t11のタイミングでラウンド遊技が終了した場合において、全遊技球が排出されるまでのt13のタイミングまでの期間と、振分部301が遊技球を分岐通路BT側に振り分ける態様となっているt12からt14のタイミングまでの期間とが重複する期間(t12からt13)が存在する。そうすると、当該重複する期間において振分部301に到達した遊技球は、分岐通路BT側に振り分けられることになる。その結果、V入賞が発生することになり、当該開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードに設定される。
これに対して、例えば今回の大当たり結果が15R大当たり結果Aであった場合には、最終ラウンド前のインターバル期間は長期間態様である6secが設定されるため、当該最終ラウンド前のインターバル期間においても、全遊技球が排出されることになる。つまり、最終ラウンド後に排出される遊技球の個数は、他のラウンド後に排出される遊技球の個数と同じ10個である。この場合、V入賞は発生せず、開閉実行モード終了後の当否抽選モードは低確率モードに設定される。
また、例えば今回の大当たり結果が15R大当たり結果Bであり、当選時の当否抽選モードが低確率モードであった場合、最終ラウンド前のインターバル期間は中期間態様である2.5secが設定される。中期間態様の2.5secでは、6個から7個の遊技球が排出可能であるため、最終ラウンドは、3個から4個の遊技球が残存した状況で開始されることとなる。そうすると、最終ラウンド後に排出される遊技球の個数は、他のラウンド後に排出される遊技球の個数よりも多い13個から14個となる。13個の遊技球が排出される場合、当該排出に要する期間としては5.2secであり、14個の遊技球が排出される場合、当該排出に要する期間としては5.6secである。この場合、振分部301が遊技球を分岐通路BT側に振り分ける態様となっている期間と重複する場合と重複しない場合とが生じ得る。つまり、中期間態様のインターバル期間が設定された場合よりも長期間態様のインターバル期間が設定される場合の方がV入賞が発生し易くなっており、中期間態様においては、約60%の確率でV入賞が発生するようになっている。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
大入賞口32へ入賞した遊技球を排出するための排出通路HTに、当該入賞した遊技球が貯留する状態と貯留しない状態とに切換可能な排出扉175を有する構成において、排出扉175から排出される個数が少ないほど、その後にV入賞が発生する可能性が高い構成とした。排出扉175から排出される個数が少ない場合とは、貯留される遊技球の個数が多い場合であり、当該貯留個数が多いほど、その後にV入賞が発生する可能性が高い構成となる。このようにすることで、入賞個数が多いほどV入賞が発生する可能性が高くなることはもちろんのこと、貯留される個数が多いほどV入賞が発生する可能性が高くなり、貯留する状態と貯留しない状態との切り換えタイミングもV入賞に関与することになる。よって、大入賞口32へ入賞させて賞球を得るという遊技や、大入賞口32へ入賞後にV入賞させて特典を得る(高確率モードへ移行させる)という遊技だけでなく、排出通路HTに多くの遊技球を貯留させる、という遊技が加わることになり、遊技の多様化を図ることができる。
振分部301は、大入賞口32が閉鎖状態となってから予め定められた周期で振分制御が行われる。また、各ラウンド遊技において、上限開放期間や上限入賞個数は相違しないように設定されている。つまり、開閉実行モード中において大入賞口32への入賞個数は異ならないし、それに基づく賞球数も異ならないものの、V入賞の確率だけが異なる構成といえる。このようにすることで、各開閉実行モード中に付与される特典やその構成に大きな差を生じさせることなく、その後の特典を大きく異ならせることが可能となる。V入賞が発生し易い場合と発生しにくい場合とで、各開閉実行モード中に付与される特典やその構成(開閉態様)に差があると、V入賞の発生前であってもその後にV入賞が発生することや発生しないことを遊技者が容易に察知できてしまう可能性がある。例えば、そもそも開閉実行モード中に大入賞口32への入賞が発生しないようにしたり、入賞が発生しても、V入賞側に振り分ける振分手段の動作態様からV入賞が発生しないことが察知されてしまう場合等である。この場合、せっかく遊技球の挙動でV入賞を発生させて特典を付与するという遊技を用意したのにもかかわらず、その挙動を存分に楽しませることができない。そこで、本実施形態のように、大入賞口32の開閉態様や振分部301の振分制御のタイミングを変えることなく、V入賞の確率を変化させる構成としたため、V入賞が発生するか否かについて、最後まで遊技球の挙動を楽しませることが可能となる。
第1結果表示部用の振分テーブルと第2結果表示部用の振分テーブルとでは、大当たり結果の振分先がいずれも15R大当たり結果A~Cと共通しており、それぞれの大当たり結果に対応する大当たり種別カウンタC2の値も共通している。相違点としては、第1結果表示部用の振分テーブルで15R大当たり結果Bとなった場合と、第2結果表示部用の振分テーブルで15R大当たり結果Bとなった場合とにおける、最終ラウンド前のインターバル期間の長短のみである(図43において太い枠線にて示した部分)。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルと第2結果表示部用の振分テーブルとは同じものとして扱うことが可能であり、記憶容量の削減を図ることができる。その一方で、上記のように最終ラウンド前のインターバル期間を相違させるだけでV入賞確率を変化させることが可能であり、大当たり結果の振分先を共通なものとしつつも、第1結果表示部側と第2結果表示部側とで有利度に大きな差を生じさせることが可能となる。
相違させるインターバル期間を最終ラウンド前のインターバル期間とした。このようにしたことで、排出される期間を調整する必要が生じず、各大当たり結果間で相違させる構成を少なくすることができる。つまり、仮に途中のラウンド間のインターバル期間で短期間態様等を設定する構成とすると、当該設定したインターバル期間後のラウンド遊技終了後に10個以上の遊技球が貯留されることになる。そして、この10個以上の遊技球が貯留されることによって生じるV入賞率の差を実現しようとするのであれば、その後のインターバル期間で10個以上の遊技球が排出される期間を確保する(大入賞口32が開放状態とならないようにする)必要が生じ、一のインターバル期間の調整に留まらないことになる。これに対して、本実施形態のようにすれば、最終ラウンド後においては全ての遊技球が排出される(大入賞口32が閉鎖状態である期間が継続する)ことを前提としている構成であるため、他の構成を大きく異ならせる必要が生じず、小さな構成の変更で大きな効果を得ることが可能となる。
上記のように最終ラウンド直前のインターバル期間を変更する構成において、エンディング期間を全遊技球が排出されるのに要するであろう期間よりも十分に長く設定した。このようにしたことで、V入賞が発生したのにもかかわらずその発生タイミングが開閉実行モード後(エンディング期間の経過後)であって、高確率モードに設定されないといった事象の発生を回避することが可能となる。
インターバル期間として、その後にV入賞が発生しない長期間態様と、V入賞が発生する短期間態様と、の他にV入賞の発生確率が長期間態様と短期間態様との間の確率となる中期間態様とを設定した。これにより、全くV入賞が発生しない場合や、高確率でV入賞が発生するであろう場合の他、遊技球の挙動によってはV入賞が発生し得る場合を生じさせることができ、遊技球が排出される様により関心を持たせることが可能となる。
<第11の実施形態>
本実施形態では、インターバル期間の長さを抽選によって決定する。図48は、本実施形態における閉鎖時間の設定処理を示すフローチャートである。
ステップS1801では、RAM114の各種カウンタエリア114dから、抽選用のカウンタを取得する処理を実行する。当該抽選用のカウンタは例えば0から100までのループカウンタとなっており、所定周期で1ずつ更新される。そして、最大値(最小値)まで更新されることで、初期値(最小値又は最大値)に設定される。
ステップS1802では、ROM112の各種テーブル記憶エリアから抽選用のテーブルを取得する処理を実行する。当該抽選用のテーブルは、例えば、遊技結果の種類、結果表示部の種類、当否抽選モードの高低、サポートモードの高低、ラウンド数等によって、インターバル期間を短期間態様とするか否かの当選確率が異なるように設定されている。
ステップS1803では、ステップS1801及びステップS1802にて取得したカウンタ及びテーブルを参照して、短期間態様当選(短閉鎖当選)であるか否かを判定する。短期間態様非当選である場合、ステップS1804にてタイマカウンタTに「3000」を入力する処理を実行してから、本設定処理を終了する。また、短期間態様当選である場合、ステップS1805にてタイマカウンタTに「1100」を入力する処理を実行してから、本設定処理を終了する。なお、ステップS1804にて設定する値は6secに相当し、ステップS1805にて設定する値は2.2secに相当する。
大入賞口開閉処理において、閉鎖時間の設定処理の後に実行される閉鎖コマンドの設定処理では、上記設定するインターバル期間の長さの情報が含まれるように閉鎖コマンドを設定する。演出制御装置82では、かかる閉鎖コマンドを受信することにより、今回のインターバル期間の長さを把握し、その長さに応じた演出を行うように表示制御装置212等を制御する。例えば、短期間態様のインターバル期間が設定された場合には、当該インターバル期間に全遊技球が排出されずに残存球が発生すること、及びその後のラウンド遊技において上限入賞個数の入賞を発生させれば、その後にV入賞が発生し易いことを報知する。また、長期間態様のインターバル期間が設定された場合には、当該インターバル期間では全遊技球が排出されることを報知する。さらに、長期間態様のインターバル期間が設定された場合において、それ以前のインターバル期間で短期間態様のインターバル期間が設定されていた場合は、今回の長期間態様のインターバル期間においてV入賞が発生し得ることを報知する。
以上のようにすることで、V入賞が発生するタイミングが、最終ラウンド終了後に限定されず多様化する。また、各ラウンド遊技の終了時にいずれのインターバル期間が設定されるか、といった面白味が追加され、開閉実行モード中の注目度を好適に高めることが可能となる。
また、各ラウンド遊技の終了時にインターバル期間を抽選にて決定する構成としたため、開閉実行モード後に高確率モードに設定される確率が、開閉実行モードへの移行時(当否抽選時)ではなく、移行後の事後的に設定される構成である。このようにしたことで、開閉実行モードが複数種類設定されている構成において、遊技者にとって好ましくない(ラウンド数が少ない等の)開閉実行モードに移行した場合であっても、当該開閉実行モードを最後まで楽しませることが可能となる。
ここで、短期間態様のインターバル期間が設定された場合には、その後にV入賞が発生し得るため遊技者にとって有利となるものと考えられる。その一方で、短期間態様のインターバル期間が設定されると、排出通路HTに残存球が生じ得ることから、短期間態様のインターバル期間が連続して設定された場合には、その後のラウンド遊技において、上限入賞個数の遊技球の入賞が発生しない場合が生じる。
具体的には、例えば、3ラウンド目終了時に短期間態様のインターバル期間が設定されたとすると、当該インターバル期間では5個の遊技球の排出が行われ、排出通路HT内に5個の残存球が生じる。そのため、次の4ラウンド目終了時には排出通路HT内に15個の遊技球が貯留されていることになる。そして、4ラウンド目終了時に長期間態様のインターバル期間が設定されると、当該インターバル期間中に全遊技球(15個)が排出され、V入賞が発生する。
一方、上記の場合において、4ラウンド目終了時に再度短期間態様のインターバル期間が設定されると、当該インターバル期間においても5個の遊技球が排出され、排出通路HT内に10個の残存球が生じることになる。そうすると、次の5ラウンド目終了時には排出通路HT内に20個の遊技球が貯留されていることになる。
上記第10の実施形態にて説明したとおり、排出通路HT内には特定個数N個として20個の遊技球を貯留可能な構成としている。そのため、上記例においては、5ラウンド目終了時に特定個数の遊技球が貯留されていることになる。
このような場合において、5ラウンド目終了時に更に短期間態様のインターバル期間が設定されると、当該インターバル期間においても5個の遊技球が排出され、排出通路HT内には15個の残存球が生じる。そうすると、次の6ラウンド目においては、上限入賞個数である10個の遊技球の入賞を発生させようとしても、排出通路HT内に特定個数の遊技球しか貯留できない関係上、5個までしか入賞させることができなくなる。
つまり、上記構成のように、短期間態様のインターバル期間が設定されることで、その後にV入賞が発生するので遊技者にとって有利となるものの、短期間態様のインターバル期間が所定回数連続して設定されると、ラウンド遊技の上限入賞個数を入賞させることができないという遊技者にとって不利となる事象が生じ得る。
このように、各ラウンド遊技の終了時に抽選にて決定されるインターバル期間の長短だけでなく、当該インターバル期間の前後の関係性も含めて有利度が変化する構成であるため、開閉実行モード全体を通じて注目度を高めることが可能となる。
<第12の実施形態>
本実施形態では、各ラウンド遊技のインターバル期間を同じものとして設定する。図49は、本実施形態における振分テーブルを示している。
本実施形態では、大当たり結果となった場合の振分先として、4R大当たり結果と、10R大当たり結果と、15R大当たり結果とが設定されている。4R大当たり結果は4回のラウンド遊技を実行する開閉実行モードに移行する大当たり結果であり、10R大当たり結果は10回のラウンド遊技を実行する開閉実行モードに移行する大当たり結果であり、15R大当たり結果は15回のラウンド遊技を実行する開閉実行モードに移行する大当たり結果である。
いずれの大当たり結果であっても、各ラウンド遊技において上限開放期間は30sec、上限入賞期間は10個が設定される。つまり、各ラウンド遊技において10個の遊技球が入賞し得る構成である。
さらに本実施形態では、いずれの大当たり結果であっても、ラウンド間の待機時間であるインターバル期間を3.6secとして設定する。この場合、各インターバル期間において排出される遊技球の個数は9個から10個である。つまり、各インターバル期間において残存球が生じる場合と、残存球が生じない場合とがある。
例えば、4R大当たり結果の場合、最終ラウンド(4ラウンド)終了時に排出通路HT内に貯留されている遊技球の個数は、全インターバル期間において10個の排出が行われた場合から、全インターバル期間において9個の排出が行われた場合であり、10個から13個となる。そうすると、いずれの貯留個数であっても、当該最終ラウンド終了時に遊技球が排出される期間と、振分部301の振分制御が行われている期間に重複が生じにくく、V入賞は発生しにくい。
10R大当たり結果の場合、最終ラウンド(10ラウンド)終了時に排出通路HT内に貯留されている遊技球の個数は、10個から19個となる。そうすると、10個から13個までの場合にはV入賞は発生しにくいが、14個以上であればV入賞は発生し得る。
15R大当たり結果の場合も、最終ラウンド(15ラウンド)終了時に排出通路HT内に貯留されている遊技球の個数は、10個から20個となる。そうすると、10個から13個までの場合にはV入賞は発生しにくいが、14個以上であればV入賞は発生し得る。この場合、10R大当たり結果と比較してラウンド遊技の回数が多い分、貯留個数が14個以上となる可能性が高いこと、及び19個の貯留個数よりも20個の貯留個数の方がV入賞が発生する可能性は高いこと、からV入賞の可能性としては、10R大当たり結果よりも15R大当たり結果の方が高くなる。
但し、一のラウンド遊技の終了時に排出通路HT内に貯留されている遊技球の個数が19個を超えることになると、すなわち20個に達すると、当該ラウンド遊技の終了後インターバル期間において9個の排出が行われた場合(11個の残存球が生じた場合)、次のラウンド遊技では上限入賞個数の入賞を発生させることができなくなる。例えば、1ラウンド目から全ラウンドにおいて9個ずつの排出が行われた場合を想定すると、11ラウンドの終了時に貯留個数が20個に達し、12ラウンド開始時には11個の貯留個数が存在することになる。そうすると、12ラウンド目は9個の入賞しか発生させることができず、同様に、13ラウンド~15ラウンドも9個の入賞しか発生させることができない。この場合、上記第2の実施形態において示したように、一のラウンド遊技において上限入賞個数の入賞を発生させることができないことから、当該ラウンド遊技は上限入賞個数側の終了条件ではなく上限開放期間側の終了条件が成立するまで継続し、具体的には30secが経過するまで継続する。そうすると、当該15R大当たり結果は、V入賞が発生し易くなるとともに、多量の遊技球を大入賞口32へ入賞させることが可能となる遊技結果である一方で、開閉実行モード終了までに長い期間を要する可能性がある遊技結果といえる。
ここで、例えば、大当たり結果が連続して発生したり、一の大当たり結果で多量の出球を得ることができたりする構成であれば、短期間で多くの出球を確保することが可能となり、遊技者にとって好ましくも思える。しかし、その反面、出球率の調整によって、出球を得られない期間が長期間となり、通常時の遊技が面白味のないものとなり得るといった不都合もある。そこで、ラウンド遊技の回数を少なくする等、一の大当たり結果で得られる出球を少なくする構成とすると、短期間で得られる出球数を制限することが可能となるとも考えられる。しかし、一の大当たり結果で得られる出球を少なくしてしまうと、せっかく大当たり結果となった喜びも低下させてしまうことにつながるため、そのような構成も好ましくない。
その点、本実施形態のようにすれば、一の大当たり結果における出球数を極度に少なくすることなく、当該一の大当たり結果をより長期間楽しませることが可能となり、極端な出球の増加や通常時の不都合を解消することが可能となっている。なお、かかる効果は、上記第2の実施形態等の上限開放期間側の終了条件によってラウンド遊技が終了する構成においてもいえる効果である。
ここで、図49に示すように、第1結果表示部用の振分テーブルと第2結果表示部用の振分テーブルとでは、振分先となる大当たり結果の種類や、その大当たり結果に基づく開閉実行モード中の大入賞口32の開閉態様は同じであるものの、各振分先に対応付けられた大当たり種別カウンタC2の値の種類が異なっている(図では相違する部分を太い枠線で示している)。
具体的には、第1結果表示部用の振分テーブルよりも第2結果表示部用の振分テーブルの方が、ラウンド数の多い大当たり結果に振り分けられ易いように設定されている。すなわち、4R大当たり結果について、第1結果表示部側では「0~9」が対応付けられているのに対して、第2結果表示部側では「0~4」が対応付けられており、第1結果表示部の方が第2結果表示部よりも4R大当たり結果に振り分けられ易くなっている。また、10R大当たり結果について、第1結果表示部側では「10~19」が対応付けられているのに対して、第2結果表示部側では「5~9」が対応付けられており、第1結果表示部の方が第2結果表示部よりも10R大当たり結果に振り分けられ易くなっている。その一方で、15R大当たり結果について、第1結果表示部側では「20~29」が対応付けられているのに対して、第2結果表示部側では「10~29」が対応付けられており、第2結果表示部の方が第1結果表示部よりも15R大当たり結果に振り分けられ易くなっている。
したがって、第2結果表示部側で大当たり結果となった場合の方が第1結果表示部側よりもV入賞が発生し易くなる。その結果、第2結果表示部側で大当たり結果となった場合の方が第1結果表示部側よりも、開閉実行モード後に高確率モードに設定される確率が高くなる。
上記構成のようにすることで、各遊技結果においてインターバル期間をも異ならせることなく、V入賞の確率を変化させることができる。つまり、開閉実行モード中のラウンド遊技の開始タイミング及び終了タイミングのいずれもが、大当たり結果にかかわらず変化しない構成であり、各開閉実行モード毎に設定を変更する必要が生じないため、処理負荷を低減することができる。それでいて、V入賞率を変化させることができるため、大当たり結果毎に当否抽選モードの高低を設定する構成と比較して、開閉実行モード中の開閉態様の複雑化を生じさせることなく、且つ遊技球の挙動によって生じるV入賞を楽しませる効果を奏することができる。
<第13の実施形態>
本実施形態では、上記第10~第12の実施形態の構成を、第3の実施形態で示した可変入賞装置を複数有する構成に適用する。
上記第3の実施形態で示したように、本実施形態においても、開閉実行モード中の各ラウンドを、第1可変入賞ユニット201と第2可変入賞ユニット202とで交互に実行する。そして、各ラウンドの閉鎖時間の設定処理(ステップS515)においては、インターバル期間に相当する数値としてタイマカウンタTに「0」が入力される。つまり、第3の実施形態のように、1の可変入賞ユニットにおいて遊技球の排出が行われている期間で、他の可変入賞ユニットのラウンドを実施する構成である。
但し、本実施形態においては、第1可変入賞ユニット201を上記第3の実施形態における最大貯留個数(10個)よりも多くの個数の遊技球を貯留可能とし、具体的には第1可変入賞ユニット201を、上記第10~第12の実施形態のものを適用し、20個の遊技球を貯留可能とするとともに、排出口174よりも下流側に振分部301や分岐通路BTが設けられる構成とする。また、第2可変入賞ユニット202は、上記第3の実施形態のものを適用する。すなわち、第1可変入賞ユニット201において、ラウンドの上限入賞個数(10個)よりも多い個数(15個)の貯留が生じると、その後にV入賞が発生し易くなる構成である。
図50は、本実施形態において、各ラウンドが実行される様子をV入賞との関係から説明するタイミングチャートである。
例えば、t1からt3のタイミングでN回目のラウンド遊技が第1可変入賞ユニット201側で行われたとする。この場合、第1可変入賞ユニット201に10個の遊技球が入賞すると当該N回目のラウンド遊技が終了し、直ちにN+1回目のラウンド遊技が第2可変入賞ユニット202側で開始される。なお、N回目のラウンド遊技中にN-1回目のラウンド遊技で貯留された遊技球の排出が行われており、具体的にはt1からt2のタイミングで第2可変入賞ユニット202における排出が行われている。
t3のタイミングでN回目のラウンド遊技が終了すると、第1可変入賞ユニット201側の大入賞口32は閉鎖されるため、第1可変入賞ユニット201における遊技球の排出が開始される。当該排出はN+1回目のラウンド中であるt4のタイミングまで実施される。なお、t3の閉鎖タイミングから所定期間(5.5sec)後に振分部301の振分制御が行われる(t5からt7のタイミング)。
t6のタイミングでN+1回目のラウンド遊技が終了すると、当該t6のタイミングからN+2回目のラウンド遊技が第1可変入賞ユニット201側で開始されるとともに、第2可変入賞ユニット202側では遊技球の排出が開始される。N+2回目のラウンド遊技はt9のタイミングまで実施され、第2可変入賞ユニット202側の排出はN+2回目のラウンド中であるt8のタイミングまで実施される。
t9のタイミングでN+2回目のラウンド遊技が終了すると、当該t9のタイミングからN+3回目のラウンド遊技が第2可変入賞ユニット202側で開始されるとともに、第1可変入賞ユニット201側では遊技球の排出が開始される。
このような、ラウンド遊技の流れにおいて、例えば、t9のタイミングで開始されるN+3回目のラウンド遊技において、通常よりも早期に上限入賞個数の入賞が発生した場合、t9のタイミングから実施されている第1可変入賞ユニット201側の遊技球の排出が終了するよりも前にN+3回目のラウンド遊技が終了する場合がある。具体的には、上記のように、排出には遊技球1個当たり約0.4sec要する構成としており、10個排出されるには約4sec要する構成である。また、上限入賞個数の10個の遊技球が発射されるには10個に発射周期である0.6secを乗じた6sec要する構成である。そのため、通常であれば、排出に要する期間よりも上限入賞個数に達するまでに要する期間の方が長くなり、上記のようにラウンド終了よりも先に排出が終了する事象は生じにくい。
これに対して、例えば、第3の実施形態における変形例(図27)のように、第1可変入賞ユニット201の受け部163にて流下待ちの遊技球が存在するようなラウンド遊技の後のラウンド遊技においては、第1可変入賞ユニット201におけるラウンド遊技の終了後に、受け部163にて受けられていた遊技球が一気に第2可変入賞ユニット202へ入賞することになる。このようにすれば、第2可変入賞ユニット202にて実施されるラウンド遊技を早期に終了させることが可能となり、上記のように排出に要する期間よりも早く終了し得る。
その結果、例えば、第1可変入賞ユニット201側の排出が完了するよりも前であるt10のタイミングでN+3回目のラウンド遊技が終了したとすると、同t10のタイミングでN+4回目のラウンド遊技が第1可変入賞ユニット201側で開始される。そうすると、第1可変入賞ユニット201側には排出されていない遊技球が所定個数(図では5個)存在する状況でラウンド遊技が開始されることになり、当該N+4回目のラウンド遊技が終了するt14のタイミングにおいては、所定個数に上限入賞個数を加えた個数(15個)の遊技球が貯留されている状態となる。
なお、t9のタイミングで第1可変入賞ユニット201が閉鎖されたことに基づいて、当該t9の閉鎖タイミングから所定期間(5.5sec)後に振分部301の振分制御が行われる(t11からt12のタイミング)。また、t10のタイミングでN+3回目のラウンド遊技が終了したことに基づいて、第2可変入賞ユニット202側の排出が開始され、t13のタイミングで排出が終了する。
例えば、t14のタイミングで終了するN+4回目のラウンド遊技が、今回の開閉実行モードの最終ラウンドであった場合、当該N+4回目のラウンド遊技後の排出期間は十分に確保されており、閉鎖されてから所定期間であるt15からt16の振分制御のタイミングと、t17のタイミングで終了する排出期間とに重複する期間が発生する。その結果、t15からt16のタイミングで排出される遊技球によってV入賞が発生し、当該開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定される。
以上のように、一のラウンド遊技中に入賞した遊技球が他の可変入賞ユニットにて実施されるラウンド遊技中に排出される構成であれば、当該他の可変入賞ユニットにて実施されるラウンド遊技の期間が短くなれば排出期間も短くなり、その結果、全遊技球が排出されないで残存球が生じる事象が発生する。よって、次回以降のラウンド遊技において、上限入賞個数よりも多い個数の遊技球が貯留された状態を生じさせることができ、当該貯留された遊技球が排出される場合、V入賞を発生し易くすることが可能となる。
特に本実施形態では、各ラウンド遊技における上限入賞個数や上限開放期間を異ならせることなく、遊技球の流下態様によって生じるバラつきや、第1可変入賞ユニット201の受け部163にて流下待ちとなることを利用して、第2可変入賞ユニット202で実施されるラウンド遊技が早期に終了し得る構成としたため、遊技機側でラウンド遊技を強制的に終了させる構成と比較して、遊技者自身の操作によって早期に終了させたイメージを持たせ易い。
複数の可変入賞ユニットのうちの振分部301が設けられていない一の可変入賞ユニットによって短い期間のラウンド遊技が実現される構成としたため、一のラウンド遊技後の振分制御と排出期間との重複が設計し易くなる。すなわち、例えば一の可変入賞ユニットにおいて短い期間のラウンド遊技を設定し、その後に多くの遊技球の排出させる構成とすると、短いラウンド遊技後に行われる振分制御が、その後のラウンド遊技の排出と重複してしまう可能性があり、その後のラウンド遊技後に行われる振分制御よりも前にV入賞が発生してしまう可能性がある。そうすると、例えば演出との兼ね合いで、その後にV入賞が発生し易いラウンドである旨の報知や、その発生タイミングとの矛盾が生じ得る。その点、上記のようにそれぞれ別々のものとすれば、演出上の矛盾を生じにくくすることができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)排出通路HTにラウンドの上限入賞個数である10個の遊技球が保持される構成としたが、排出通路HTに遊技球が保持されるのであれば、保持される数は10個に限定されない。また、ラウンドの上限入賞個数に合わせる構成として、ラウンドの上限入賞個数を例えば10個未満、11個以上とする場合には、その個数に合わせて排出通路HTに保持される個数を変更するとよい。
(2)大入賞口32から入球した全ての遊技球が、排出扉175が閉鎖状態であることを条件として排出通路HTに保持される構成としたが、入球した一部の遊技球が保持される構成としてもよい。具体的には、例えば、排出通路HTにおいて排出扉175よりも上流側に分岐通路と振分装置を設ける。分岐通路には排出扉が設けられておらず、振分装置によって分岐通路側に振り分けられると、遊技球は保持されない構成とする。そして、振分装置によって排出扉175側に振り分けられると、排出扉175が閉鎖状態であることを条件として排出通路HTに保持される構成とする。例えば振分装置の振分を、分岐通路と排出扉175側とで交互に振り分ける態様とすると、排出扉175側に保持される個数は半減する。このようにすれば、排出通路HTの通路長を上記のものよりも短くすることができる。
(3)大入賞口32からの排出通路や、第1作動口48からの排出通路だけでなく、他の入球部(一般入賞口31や第2作動口49、上作動口33、下作動口34等)からの排出通路に、上記の排出通路HTの構成を適用してもよい。例えば、電動役物34aが設けられた下作動口34に排出通路HTの構成を適用するとともに、通常大当たり結果に基づく高頻度サポートモードの移行時に排出扉175を閉鎖状態とする。また、排出通路HTに保持可能な個数を高頻度サポートモードの回数制限の上限回数(100)と同数とする。このようにすれば、100個の遊技球が下作動口34へ入球することで、以降の遊技球は下作動口34へ入球できなくなる。よって、遊技回の回数だけでなく、下作動口34への入球個数によっても、サポートモードの実質的な終了を管理することができ、新たな遊技性を実現することが可能となる。
(4)排出扉175を誘導部材162の動作によって変位させる構成としたが、別途、駆動部を設ける構成としてもよい。
(5)誘導部材162を第1リンク部材182、第2リンク部材183を介して動作させる構成としたが、可変入賞駆動部181により直接動作させる構成としてもよい。
(6)大入賞口32を遊技球が1個ずつ入球可能な開口部としたが、複数個同時に入球可能な幅広の開口部としてもよい。この場合、当該幅広の開口部直下において遊技球が横並びになるなどして、排出通路HTに貯留される個数以上の遊技球が入球できなくなっていればよい。
(7)可変入賞ユニット151が設けられる位置は右側領域PE3に限定されず、下側領域PE4であってもよいし、他の領域PE1,PE2であってもよい。下作動口34との位置関係では、可変入賞ユニット151の下流側に下作動口34が配置される構成とすると、開閉実行モード中に可変入賞ユニット151への入賞が下作動口34への入賞によって阻害される、といった事象が発生しないため好ましい。
(8)可変入賞ユニット151の前面カバー158を透明なものとしたが、不透明なものや半透明のものとしてもよい。但し、通過領域TEに関しては、遊技球の入球前の領域であり、遊技領域PEに含まれるため、当該通過領域TEに対応する部位に関しては透明であることが好ましい。
(9)可変入賞ユニット201,202を上下に並設する構成としたが、例えば左側領域PE2と右側領域PE3とにそれぞれ配置してもよい。この場合、いずれのユニット201,202へ入賞させるかを、打ち分けさせることが可能となり、遊技への積極参加を見込むことができる。
(10)可変入賞ユニット151と一般入賞口31との排出通路を合流させる構成において、打ち分けが可能な配置の入球部同士の排出通路を合流させる構成としてもよい。
(11)大入賞口32からの排出通路HTに他の入球部(一般入賞口31)からの排出通路が合流する構成において、分岐通路BTを設けない構成としてもよい。このようにすると、開閉実行モードにおけるラウンド中に一般入賞口31からの遊技球が合流することで、大入賞口32からの入球個数が上限入球個数に達していなくても排出通路HTが満タン状態となる。これにより、各ラウンドにおける入球数を、大入賞口32及び一般入賞口31のトータル数として管理することができる。また、この構成を第5の実施形態に適用すれば、ラウンド中に一般入賞口31への入賞を発生させると、特別入球部26への入球がし易くなる状況を発生させることが可能となる。
(12)可変入賞駆動部181とは別途、排出駆動部191を設ける構成においては、例えば排出駆動部191を周期動作させる構成としてもよい。この場合、可変入賞駆動部181が駆動制御されて可変入賞ユニット151が開放状態とされるタイミングで、排出扉175が閉鎖状態となるように、開閉実行モードの実行タイミングを排出駆動部191の駆動周期から調節する構成とするとよい。具体的には、オープニング期間の設定において、上記の駆動周期から次の動作タイミングを把握し、当該動作タイミングに合わせて可変入賞駆動部181が駆動制御されるように、当該オープニング期間を設定するとよい。なお、2ラウンド目以降については、閉鎖時間の設定処理において同様の調節を行えばよい。
(13)可変入賞ユニット151,201,202の変位制御を主制御装置81が行う構成としたが、他の制御装置(演出制御装置82、表示制御装置212、払出制御装置97等)が行う構成としてもよい。
(14)可変入賞ユニット151が閉鎖状態となると大入賞口32へ遊技球が入球できなくなる構成としたが、入球しにくくなる構成としてもよい。例えば、扉部165が完全に閉鎖状態とならずに、半開きとなる構成としてもよい。この場合であっても、排出通路HTに上限入賞個数の遊技球が貯まることで、実質的に大入賞口32への入賞が発生しなくなる。
(15)誘導部材162が誘導状態となって排出扉175に対して当接することで、排出扉175を閉鎖状態とする構成としたが、誘導部材162が誘導状態となった場合に他の部材を変位させる構成とし、当該他の部材によって排出扉175を閉鎖状態とする構成としてもよい。
(16)排出通路HTに遊技球が満タンとなっている状況では可変入賞ユニット151が開放状態となっても、当該可変入賞ユニット151に入賞することができない構成としたが、可変入賞ユニット151が閉鎖状態となること以外の事象によって可変入賞ユニット151への入賞が規制される構成であれば、排出通路HTの状態によらなくてもよい。例えば、可変入賞ユニット151の上流側に振分装置を設け、当該振分装置を可変入賞ユニット151側に遊技球を振り分ける態様と可変入賞ユニット151とは異なる領域に遊技球を振り分ける態様とに変位可能な構成とする。そして、可変入賞ユニット151が開放状態となっても、振分装置の振分先が可変入賞ユニット151側にならない限り可変入賞ユニット151への入賞が規制される構成としてもよい。
(17)球詰まり判定処理では、各ラウンドにおいて7個以上の遊技球が入球している状況で球詰まりの判定を行わない構成としたが、この個数は8個以上であってもよいし、7個未満であってもよい。排出通路HTの満タン状態に近い個数(10個)とすることにより、球詰まりの判定を行う範囲が広くなる、一方で、空の状態に近い個数(0個)とすることにより、球詰まりと誤認する事象を抑制することができる。
(18)第2の実施形態のように、ラウンド間の待機時間を短くすることで排出通路HTから全球排出されない構成においては、遊技球の挙動によって、当該排出されないで残存する遊技球の個数が変化し得る。換言すると、9個ぎりぎりの個数が排出可能な期間を待機時間として設定すると、遊技球の挙動によっては10個全球が排出される可能性もある。そこで、例えば、7個排出可能であって8個は排出できない期間とする等、全球排出される期間との差を大きくすることで、排出通路HTに遊技球が残存する事象をより確実に実現することができる。
(19)排出通路HTを曲線通路として形成したが、直線通路としてもよい。この場合、排出通路HTの通路長は最大収容個数の遊技球の長さとなるが、曲部を有する構成と比較して、当該曲部における球詰まり等の発生を抑制することが可能となる。
(20)排出通路HTにおいて、可変入賞ユニット151に入賞した後の遊技球を貯留可能な構成としたが、入賞前の遊技球を貯留可能な構成としてもよい。例えば、所定の通過部(例えばワープ通路)において、入口扉と出口扉を設け、両扉の間の領域において所定個数の遊技球が収容される構成としてもよい。このようにすると、入賞前の遊技球であっても、所定の通過部の通過個数を所定個数として管理することが可能となる。
(21)可変入賞ユニット151において、特に扉部165は、排出通路HTの入口である大入賞口32を排出通路HTの外側から覆うように配置される構成としたが、排出通路HT内部に設けられる構成であってもよい。すなわち、排出通路HT内部において、扉部165が上流側、排出扉175が下流側に存在するように設けられていてもよい。
(22)開閉実行モードのオープニング時間やエンディング時間の長さを、排出通路HT内に貯留された遊技球の排出に要する時間との関係で設定してもよい。具体的には、排出通路HT内に最大個数(10個)貯留された遊技球の排出に要する時間よりもオープニング時間やエンディング時間が長くなるように設定するとよい。このようにすれば、一の開閉実行モードにおける貯留数が、他の開閉実行モードにおける入球個数に影響を及ぼさないようにすることができる。なお、開閉実行モードが連続する場合の流れとしては、一の開閉実行モードのエンディング後に、遊技回を挟んで、次の開閉実行モードのオープニングが行われる点に鑑みると、エンディングの長さと、間の遊技回の長さと、オープニングの長さの合計が、全遊技球を排出するために要する時間よりも長くなるように設定されていればよい。つまり、エンディングやオープニングが短い場合であっても、間に挟まれる遊技回の長さが長ければ、次の開閉実行モードの1ラウンド目の開始までに、全遊技球を排出させることが可能である。
逆に、一の開閉実行モードにおける貯留数が、他の開閉実行モードにおける入球個数に影響を及ぼす構成としてもよい。すなわち、エンディングの長さと、間の遊技回の長さと、オープニングの長さの合計が、全遊技球を排出するために要する時間よりも短くなるように設定されていれば、一の開閉実行モードにおいて貯留された遊技球が全部排出されない状態で、次の開閉実行モードの1ラウンド目が開始されることになる。
(23)開閉実行モード中のラウンドとラウンドとの間の閉鎖時間を短くして、排出通路HTから遊技球が全球排出されない事象を発生させる構成においては、第2の実施形態では第1結果表示部ASと第2結果表示部BSとで上記事象が発生するか否かを異ならせたが、遊技結果によって上記事象が発生するか否かを異ならせてもよい。例えば確変大当たり結果では、上記事象が発生せず、通常大当たり結果では発生する、又はその逆、としてもよい。また、上記事象が発生するか否かを抽選等によって決定する構成としてもよい。さらに、閉鎖時間の長さ自体を抽選等により決定する構成としてもよい。
(24)ラウンド表示部RSを設けたが、ラウンド表示部RSを設けない構成としてもよい。このようにすれば、第4の実施形態において、特別外れ結果に基づく開閉実行モードか非明示2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードかを、よりわかりにくくすることができる。
(25)誘導部材162が誘導状態となって排出扉175に対して当接することで、排出扉175を閉鎖状態とする構成としたが、誘導部材162が誘導状態となった場合に排出扉175が開放状態となり、誘導部材162が非誘導状態となることで排出扉175が閉鎖状態となる構成としてもよい。
(26)第10から第13の実施形態において、各ラウンド中の上限開放期間や上限入賞個数を異ならせる構成としてもよい。このようにすれば、各ラウンド中に排出通路HT内に貯留される遊技球の個数に変化が生じる。つまり、例えば、上限開放期間が短い及び上限入賞個数が少ない、の少なくともいずれか一方が設定されるラウンド遊技においては、当該ラウンド遊技中の大入賞口32への入賞個数が少なくなり得る。そうすると、当該ラウンド遊技の終了時に短期間態様のインターバル期間が設定されたとしても、排出通路HT内に残存球が生じない又は残存球が生じても少ない、といった事象が生じ得る。また、短期間態様のインターバル期間が設定された後のラウンド遊技が、上限開放期間が短い及び上限入賞個数が少ない、の少なくともいずれか一方が設定されるラウンド遊技であった場合、短期間態様のインターバル期間が設定されて残存球が生じていても、次のラウンド遊技において十分な遊技球の貯留を行うことができない、といった事象が生じ得る。これらの事象が生じると、その後のインターバル期間において遊技球が排出される期間と振分部301の振分制御が行われている期間とに重複が生じず、V入賞が発生しない場合がある。よって、V入賞の発生機序をより多様なものとすることができる。
(27)第10から第13の実施形態において、振分部301の振分周期は一例であり、上記のものに限定されない。但し、通常の排出期間では、振分制御との重複が生じず、残存球が所定数生じた場合に振分制御との重複が生じるような振分周期であるとよい。
(28)第10から第13の実施形態において、振分部301の振分周期として、大入賞口32が閉鎖状態となることに基づいて所定期間の計測を開始する構成としたが、大入賞口32が開放状態となることに基づいて所定期間の計測を開始する構成としてもよいし、開閉実行モードが開始されることに基づいて所定期間の計測を開始する構成としてもよい。但し、これらの場合、各ラウンド遊技の進行状況に応じて、閉鎖状態となるタイミングが相違するため、貯留されている遊技球の排出期間との関係によってV入賞の発生の有無を決定する場合にズレが生じ得る。そこで、例えば、各ラウンド遊技が設定どおりの進行スピードとなるように、こぼれ球が生じないようにする等の構成を追加するとよい。
(29)第10から第13の実施形態において、振分部301を1回振分制御する構成としたが、複数回振分制御する構成としてもよい。また、V入賞は発生しない構成として、通常個数(10個)の排出期間と重複するタイミングで短期間で振分制御が行われる構成としてもよい。このようにすれば、もしかしたらV入賞が発生するかもしれない、という淡い期待を寄せながら遊技を行わせることができ、遊技への期待度を担保することができる。
(30)第10から第13の実施形態において、振分部301の構成は上記のものに限定されず他の構成によって分岐通路BTへ振り分ける構成としてもよい。例えば、分岐通路BTの入口が移動することによって分岐通路BTに導出される態様と導出されない態様とに変化する構成としてもよい。
(31)第10から第13の実施形態において、振分部301による振分に代え又は加えて以下のようにしてもよい。すなわち、分岐通路BTとの分岐位置において、所定個数毎に分岐通路BTと排出側とに振り分ける振分手段を設ける。例えば所定個数として、ラウンド遊技の上限入賞個数よりも多い15個を設定する。この場合、排出個数が10個である場合には全ての遊技球が排出側に排出され、排出個数が15個以上であれば分岐通路BT側にも振り分けられる構成となる。なお、各ラウンド毎に所定個数をリセットする構成とすれば、一のラウンドにおける排出個数が次のラウンドの排出個数に影響を及ぼさない構成となる。
(32)第10の実施形態において、インターバル期間の種類として、長期間態様と短期間態様の他に中期間態様とを設け、当該中期間態様の有無によって第1結果表示部側と第2結果表示部側との有利度を異ならせる構成としたが、中期間態様を設けない構成としてもよい。この場合、長期間態様と短期間態様との割合を異ならせることで有利度を異ならせる構成としてもよい。また、中期間態様を設ける構成として、長期間態様と短期間態様との割合も異ならせる構成としてもよい。さらに、これら以外のインターバル期間を設ける構成としてもよい。
(33)第10の実施形態において、短期間態様や中期間態様とするインターバル期間を最終ラウンド直前のインターバル期間に設定する構成としたが、最終ラウンド直前に限定されず、他のインターバル期間において設定してもよい。この場合、短期間態様や中期間態様のインターバル期間後は長期間態様のインターバル期間が設定されるようにするとよい。
(34)第11の実施形態において、各インターバルの開始時に閉鎖時間の長短を抽選する構成としたが、開閉実行モードの開始時に抽選を行う構成としてもよい。また、ラウンド遊技中に当該抽選を行う構成としてもよい。
(35)第11の実施形態において、閉鎖時間の長短の抽選の当選確率が遊技者の介入によって変化し得る構成としてもよい。例えば、遊技者が操作可能なボタン等の操作部を設け、当該操作部の操作態様によってポイントが付与される構成とする。そして、当該ポイントに基づいて、閉鎖時間の長短を決定する構成とする。なお、当該ポイントは大当たり抽選や大当たり時の遊技結果には影響を及ぼさない構成とするとよい。
(36)第11の実施形態において、閉鎖時間の長短の抽選の当選確率を他の入球部への入球率等によって変化させる構成としてもよい。例えば、一般入賞口31への入賞に基づいてポイントが付与される構成とする。そして、当該ポイントに基づいて、閉鎖時間の長短を決定する構成とする。なお、当該ポイントは大当たり抽選や大当たり時の遊技結果には影響を及ぼさない構成とするとよい。
(37)第11の実施形態において、抽選により決定するインターバル期間の長さは長期間態様及び短期間態様に限定されず、他の長さのインターバル期間を含む構成としてもよい。
(38)第11の実施形態において、一の抽選契機において、それよりも以前のインターバル期間の長さが抽選結果に影響を及ぼす構成としてもよい。具体的には、例えば、短期間態様のインターバル期間が設定された後は長期間態様のインターバル期間が設定され易くなる、短期間態様のインターバル期間が連続し易くなる、長期間態様のインターバル期間が設定された後は短期間態様のインターバル期間が設定され易くなる、長期間態様のインターバル期間が連続し易くなる、等の構成としてもよい。
(39)第12の実施形態において、各大当たり結果のラウンド数は上記実施形態のものに限定されない。また、上限入賞個数の遊技球を入賞させることができなくなり得るラウンドが生じないようにラウンド数を設定してもよい。
(40)第12の実施形態において、各大当たり結果のインターバル期間において生じ得る残存球の数は上記のもの(1個)に限定されない。例えば、上記のものよりも多く残存し得る構成としてもよい。
(41)第12の実施形態において、一の開閉実行モード中のインターバル期間がそれぞれ相違していてもよく、その相違した状態で各大当たり結果のインターバル期間が同じものとなればよい。
(42)第13の実施形態において、各ラウンド遊技を第1可変入賞ユニット201と第2可変入賞ユニット202とで交互に実施される構成としたが、少なくとも、第1可変入賞ユニット201のラウンド遊技→第2可変入賞ユニット202のラウンド遊技→第1可変入賞ユニット201のラウンド遊技の順番の単位が含まれれば、第1可変入賞ユニット201の排出中に第2可変入賞ユニット202側のラウンド遊技を早期に終了させ、次の第1可変入賞ユニット201の排出個数を増やす事象を生じさせることが可能である。
(43)第13の実施形態において、遊技領域PEにおける第2可変入賞ユニット202よりも上流側に、第1通路と当該第1通路とは異なる第2通路とを設ける。遊技球が第1通路を通過するには第1期間を要し、第2通路を通過するには第1期間よりも長い第2期間を要するように通路長等を設定する。このようにすると、第1通路と第2通路とのいずれを通過させるかによって、第2可変入賞ユニット202に遊技球が到達するまでの期間が異なるようになり、第2可変入賞ユニット202におけるラウンド遊技において早期に上限入賞個数に達しさせることが可能となり得る。つまり、第2可変入賞ユニット202までの流路が1通りであると、ラウンド遊技の継続期間は発射周期と上限入賞個数との積よりも短くはなりにくいが、流路が複数通りであれば、流下のバラつきによって、当該発射周期と上限入賞個数との積よりも短くなり得る。
(44)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各特徴に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部としての可変入賞装置を備えたものが知られている(例えば特開2003-325811号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部(大入賞口32)と、
前記所定の入球部へ遊技球が入球可能となる入球可能状態と遊技球が入球不可又は入球困難となる入球不可状態とに切換可能な可変入球手段(扉部165)と、
前記所定の入球部へ入球した遊技球を排出するための排出通路(排出通路HT)と、
前記排出通路に設けられ、遊技球を排出可能となる排出可能状態と遊技球を排出不可となる排出不可状態とに切換可能な可変排出手段(排出扉175)と、
を備え、
前記可変入球手段が前記入球可能状態となる場合に前記可変排出手段を前記排出不可状態とすることが可能な第1手段(主制御装置81による大入賞口開放処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段が入球可能状態となって所定の入球部への入球が可能となると、可変排出手段は排出不可状態となる。この場合、所定の入球部へは入球が可能であるものの、排出が不可となり、入球した遊技球は排出通路に留まることになる。このようにすれば、例えば、排出通路に留まった遊技球を利用して、後続の遊技球の入球を制限したり、後続の遊技球の挙動に変化を生じさせる、といった構成とすることも可能となり、遊技の多様化に貢献できる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A2.前記可変入球手段が前記入球不可状態となる場合に前記可変排出手段を前記排出可能状態とすることが可能な第2手段(主制御装置81による大入賞口閉鎖処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段が入球可能状態となれば入球した遊技球は排出通路に留まり、可変入球手段が入球不可状態となれば留まっていた遊技球は排出される。このようにすれば、排出通路において遊技球を留める機能を有しつつも、遊技球を排出する機能を担保することができる。そして、排出通路から遊技球が排出される契機を可変入球手段が入球不可状態となることとしているため、排出通路において可変入球手段及び可変排出手段のいずれかは遊技球が通過できない(流入できない又は排出されない)状態となっている。このようにすれば、排出通路を利用して遊技の多様化を図る際に、排出通路における遊技球の流入・排出タイミングを遊技機側で管理することができる。
特徴A3.前記可変入球手段は、前記入球可能状態となることで入球可能位置に変位し、前記入球不可状態となることで前記入球可能位置とは異なる入球不可位置に変位する入球変位部材(誘導部材162)を有し、
前記可変排出手段は、前記排出可能状態となることで排出可能位置に変位し、前記排出不可状態となることで前記排出可能位置とは異なる排出不可位置に変位する排出変位部材(排出扉175)を有し、
前記入球変位部材が前記入球可能位置に変位することで、当該入球変位部材又はそれとは異なる部材を介して、前記排出変位部材の前記排出不可位置から前記排出可能位置への変位が規制される構成であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球変位部材が変位すると排出変位部材の変位が規制されるため、入球変位部材と排出変位部材との変位を一の駆動部等によって行うことが可能となる。よって、それぞれ変位させるための駆動部等を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
特徴A4.前記入球変位部材が前記入球可能位置に変位することで、当該入球変位部材又はそれとは異なる部材が、前記排出変位部材が前記排出可能位置へ変位する方向と逆方向から当該排出変位部材に対して当接して前記排出変位部材の変位を規制する構成であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球変位部材を排出変位部材の変位方向とは逆方向から当接させると、排出変位部材が変位しようとしても入球変位部材が邪魔になって変位できなくなる。このように両部材の位置関係を利用すれば、比較的簡素な構成で駆動部の共通化を図ることができる。
特徴A5.前記排出通路は、前記可変排出手段が前記排出不可状態となることにより、前記所定の入球部へ入球した遊技球を所定個数(10個)を上限として貯留することが可能な構成であることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の入球部から入球した遊技球は、可変排出手段が排出不可状態であることを条件として排出通路にて所定個数を上限として貯留される。換言すると、所定個数を超える遊技球は排出通路に貯留することができない。このようにすれば、例えば所定の入球部への入球数を制限したりすることができる。
特徴A6.前記排出通路は、遊技球が1個ずつ通過可能な構成となっており、当該排出通路における前記可変入球手段から前記可変排出手段までの通路長が、前記所定個数分の遊技球の直径以下となるように設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、排出通路の通路長を調節することで、排出通路に貯留される個数を容易に調節することができる。例えば、貯留される個数を多くしたいのであれば排出通路を長くすればよく、少なくしたいのであれば排出通路を短くすればよい。よって、貯留される個数を変化させて遊技の多様化を図るうえで、簡素な変更ですみ、遊技機の設計上好ましい。
特徴A7.前記排出通路は、曲部を有する曲線通路として形成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、曲部においては、遊技球同士が直径よりも短い箇所で当接するため、排出通路の通路長を所定個数分の長さよりも短くすることが可能となる。よって、限られた領域内で、より多くの遊技球を貯留することが可能となる。
特徴A8.所定条件成立に基づいて、前記可変入球手段への入球が発生し易くなる特定遊技(ラウンド)を実行可能な特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技において、前記可変入球手段への遊技球の入球が特定個数分発生したことを一の条件として、当該特定遊技を終了させる特定遊技終了手段(主制御装置81による大入賞口閉鎖処理を実行する機能)と、
を備え、
前記排出通路に貯留される所定個数は、前記特定個数以下に設定されていることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、排出通路に貯留可能な個数を、特定遊技の終了条件である特定個数以下とすることで、特定遊技において特定個数を超える遊技球が入球することを回避することができる。これにより、特定遊技によって得られる特典等(例えば入球に基づく賞球)を均等なものとすることができ、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴A9.所定条件成立に基づいて、前記可変入球手段への入球が発生し易くなる特定遊技(ラウンド)を実行可能な特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技において、前記可変入球手段への遊技球の入球が特定個数分発生したことを一の条件として、当該特定遊技を終了させる特定遊技終了手段(主制御装置81による大入賞口閉鎖処理を実行する機能)と、
を備え、
前記排出通路に貯留される所定個数は、前記特定個数に設定されていることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、排出通路に貯留可能な個数を、特定遊技の終了条件である特定個数とすることで、特定遊技中における遊技球の入球を妨げない範囲で、特定遊技において特定個数を超える遊技球が入球することを回避することができる。これにより、特定遊技によって得られる特典等(例えば入球に基づく賞球)を均等なものとすることができ、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴A10.前記特定遊技が終了することに基づいて、前記可変入球手段が前記入球不可状態となり、前記可変排出手段は前記排出可能状態となる構成であり、
一の前記特定遊技が終了してから次の前記特定遊技が開始されるまでの待機期間を設定する設定手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記待機期間を、前記可変排出手段を介して1個の遊技球が排出されるのに要する期間よりも長い期間に設定する第1設定手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理において長時間態様の待機時間を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技と特定遊技との間において、排出通路から遊技球を排出することが可能となる。よって、一の特定遊技中に例えば特定個数の遊技球が貯留されて当該一の特定遊技が終了した場合であっても、次の特定遊技において遊技球の入球が発生する余地を残すことができる。
特徴A11.前記第1設定手段は、前記待機期間を、前記可変排出手段を介して前記特定個数の遊技球が排出されるのに要する期間よりも長い期間に設定することが可能な手段(主制御装置81によるステップS702等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の特定遊技中に特定個数の遊技球が貯留されていた場合であっても、次の特定遊技の開始前に全ての遊技球を排出することが可能となり、当該次の特定遊技の入球数に影響を及ぼさないようにすることができる。
特徴A12.前記特定遊技が終了することに基づいて、前記可変入球手段が前記入球不可状態となり、前記可変排出手段は前記排出可能状態となる構成であり、
一の前記特定遊技が終了してから次の前記特定遊技が開始されるまでの待機期間を設定する設定手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記待機期間を、前記可変排出手段を介して前記特定個数の遊技球が排出されるのに要する期間よりも短い期間に設定する第2設定手段(主制御装置81によるステップS703、ステップS1203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A8乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の特定遊技中に特定個数の遊技球が貯留されていた場合、次の特定遊技の開始前に全ての遊技球を排出することができず、当該次の特定遊技の入球数に影響が及ぶ。具体的には、例えば1個排出されずに残存していれば、次の特定遊技において入球可能な個数は、特定個数から当該排出されずに残存していた1個を除算した個数となる。このようにすることで、各特定遊技における入球可能な特定個数という設定を変更することなく、次の特定遊技における実質的な入球個数を変化させることができる。
特徴A13.前記第2設定手段は、前記待機期間を、前記可変排出手段を介して1個の遊技球が排出されるのに要する期間よりも短い期間に設定する手段(主制御装置81によるステップS1203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の特定遊技において入球した個数を次の特定遊技に持ち越すことができる。具体的には、例えば一の特定遊技において1個入球したのであれば、次の特定遊技までの待機期間において遊技球は排出されないため、当該1個の遊技球は次の特定遊技の開始まで残存していることになる。そうすると、当該次の特定遊技における入球可能な個数は、特定個数から当該排出されずに残存していた1個を除算した個数となる。このようにすることで、各特定遊技における入球可能な特定個数という設定を変更することなく、次の特定遊技における実質的な入球個数を変化させることができる。
特徴A14.前記所定の入球部へ遊技球が入球したことを検知する検知手段(大入賞口用入賞センサ32a)を備え、
前記検知手段は、前記排出通路において前記可変入球手段よりも下流側であって前記可変排出手段よりも上流側に設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A1のように排出通路において遊技球が留まる可能性のある構成においては、所定の入球部への入球タイミングと排出通路からの排出タイミングとにズレが生じ得る。そこで、検知手段を可変排出手段よりも上流側に設ければ、上記入球タイミングと排出タイミングとのズレに影響されることなく入球を検知することが可能となる。
特徴A15.前記検知手段よりも下流側において、遊技球が前記検知手段側へ動作することを抑制する抑制手段(戻り防止弁178)が設けられていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦、検知手段に検知された遊技球が、再び検知手段側へ動作して、再度検知されてしまう事象を回避することができる。よって、所定の入球部への入球数を遊技機側で正確に把握することが可能となる。
特徴A16.前記抑制手段によって前記検知手段側への動作が抑制された場合の遊技球の前記検知手段側への動作可能位置は、当該遊技球が前記検知手段に検知される位置よりも下流側であって、且つ当該遊技球が後続の遊技球と当接することで当該後続の遊技球が前記検知手段により検知されないようにすることが可能となる位置であることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
上記構成によれば、検知手段による重複検知を防止しつつも、後続の遊技球の誤検知を回避することができる。
特徴A17.前記可変入球手段へ遊技球が流入する方向と交差する方向から流下する遊技球を受け、当該遊技球を前記可変入球手段へ誘導する誘導手段(受け部163)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段へは誘導手段によって流下方向が変更された状態で入球する。このようにすれば、可変入球手段に入球する際の遊技球の流下速度を抑えることが可能となる。よって、入球後の遊技球を排出通路内に留める構成において、当該留められた遊技球と後続の遊技球が衝突する際の衝撃を和らげることができ、衝突時の遊技球の動作に基づく不都合(誤排出、重複検知等)の発生を抑制することができる。
特徴A18.前記可変排出手段が前記排出可能状態の維持期間が所定期間未満である場合に、前記可変排出手段を遊技球が通過することを制限する手段(第2排出扉175b)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変排出手段を排出可能状態としつも、所定期間未満であれば、排出を制限することができる。このようにすることで、例えば、可変入球手段の変位に合わせて可変排出手段を変位させるような構成において、可変入球手段側の短い期間での変位の影響を及ぼさないようにすることができる。よって、可変入球手段と可変排出手段の動作の自由度を向上させ、遊技の多様化に大幅に貢献することが可能となる。
特徴A19.前記排出通路は、前記可変排出手段が前記排出不可状態となることにより、前記所定の入球部へ入球した遊技球を所定個数を上限として貯留することが可能な構成であり、
前記排出通路の球詰まりを判定することが可能な判定手段(主制御装置81による球詰まり判定処理を実行する機能)を備え、
前記判定手段は、前記排出通路の貯留個数が所定の個数となることに基づいて、前記球詰まりと判定しないようにすることが可能な構成であることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、排出通路に遊技球を貯留する構成において、球詰まりが生じているのか貯留されている状態かどうかの判定条件を貯留個数によって変化させることができる。よって、球詰まりと貯留といった、似たような事象を好適に判別することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部(大入賞口32)と、
前記所定の入球部へ入球した遊技球を排出するための排出通路(排出通路HT)と、
所定期間(ラウンド)において、前記所定の入球部へ入球した遊技球を前記排出通路にて第1個数(例えば10個)貯留することが可能な第1貯留手段(例えば主制御装置81による閉鎖時間の設定処理として長時間態様の待機時間を設定する機能)と、
前記所定期間において、前記所定の入球部へ入球した遊技球を前記排出通路にて前記第1個数とは異なる第2個数(例えば9個)貯留することが可能な第2貯留手段(例えば主制御装置81による閉鎖時間の設定処理として短時間態様の待機時間を設定する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定期間において、所定の入球部に入球した遊技球が排出通路にて貯留される場合がある。この場合、第1貯留手段により貯留される場合と第2貯留手段により貯留される場合とで、貯留個数が異なる。このような構成を用いれば、例えば、貯留個数に応じて異なる演出が行われるようにしたり、異なる特典が付与されたりするようにするなど、異なる貯留個数であることを利用した新たな遊技性を実現することが可能となる。この場合、従来の遊技機のように入球数の相違によって演出等を異ならせるようにすると、所定の入球部への入球率等も加味しなければならず、上記異ならせる演出等の幅が小さくなり易い。これに対して、入球後の貯留個数であるため、入球率等に影響が生じにくく、斬新な遊技性の実現への障壁が小さい。よって、上記構成を利用すれば、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B2.前記第1貯留手段により前記排出通路に前記第1個数の遊技球が貯留されることにより、前記所定の入球部へ遊技球が入球できなくなり、
前記第2貯留手段により前記排出通路に前記第2個数の遊技球が貯留されることにより、前記所定の入球部へ遊技球が入球できなくなる構成であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1個数の遊技球が貯留された場合であっても、第2個数の遊技球が貯留された場合であっても、所定の入球部へ遊技球が入球できなくなり、所定期間における所定の入球部への入球可能な個数を変化させることができる。すなわち、貯留個数の変化を利用して入球可能な個数を変化させる構成となり、このような構成を利用すれば、所定の入球部への入球可能な個数を調整する上で自由度が大幅に向上する。よって、遊技の多様化を図るうえで好ましく、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B3.前記所定期間は、前記所定の入球部へ遊技球が入球し易くなる期間であり、
所定の終了条件(上限開放時間の経過、上限入賞個数の入賞)が成立したことに基づいて、前記所定期間を終了する終了手段(主制御装置81による大入賞口閉鎖処理を実行する機能)と、
前記所定の終了条件を設定する設定手段(主制御装置81によるステップS505、ステップS506等の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記設定手段は、前記第1貯留手段により貯留される場合の前記所定の終了条件として特定条件(30sec、10個)を設定することが可能であり、前記第2貯留手段により貯留される場合の前記所定の終了条件として前記特定条件を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の入球部へ遊技球が入球し易くなる所定期間の終了条件として、第1個数貯留される場合と、第2個数貯留される場合とで、同じ終了条件とすることができる。このようにすれば、所定期間の終了条件を変化させることなく、所定期間中に所定の入球部へ実質的に入球可能な個数を変化させることができる。よって、遊技の多様化を図るうえで変更する点が少なく済み、多様化の自由度を大幅に向上させることができる。
特徴B4.前記設定手段は、前記所定の終了条件として、前記所定期間中に前記所定の入球部への上限入球個数を設定する第1設定手段(主制御装置81によるステップS506の処理を実行する機能)と、前記所定期間において前記所定の入球部へ遊技球が入球し易くなる期間の継続期間を設定する第2設定手段(主制御装置81によるステップS505の処理を実行する機能)と、を備え、
前記特定条件として、少なくとも前記第1設定手段により設定される前記上限入球個数が、前記第1貯留手段により貯留される場合と前記第2貯留手段により貯留される場合とで同じ個数となるように設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定期間の終了条件として、上限入球個数を変化させることなく実質的な入球個数を変化させることができる。特に、第1個数貯留されるか第2個数貯留されるか、といった見た目上わかり易い差で実質的な入球個数が異なるため、遊技機側で設定する上限入球個数による差よりも、遊技の公平性が担保されているものと遊技者は感じやすい。
特徴B5.前記設定手段は、前記所定の終了条件として、前記所定期間中に前記所定の入球部への上限入球個数を設定する第1設定手段(主制御装置81によるステップS506の処理を実行する機能)と、前記所定期間において前記所定の入球部へ遊技球が入球し易くなる期間の継続期間を設定する第2設定手段(主制御装置81によるステップS505の処理を実行する機能)と、を備え、
前記特定条件として、少なくとも前記第2設定手段により設定される前記継続期間が、前記第1貯留手段により貯留される場合と前記第2貯留手段により貯留される場合とで同じ長さとなるように設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定期間の終了条件として、継続期間の長さを変化させることなく実質的な入球個数を変化させることができる。特に、第1個数貯留されるか第2個数貯留されるか、といった見た目上わかり易い差で実質的な入球個数が異なるため、遊技機側で設定する継続期間の長さによる差よりも、遊技の公平性が担保されているものと遊技者は感じやすい。
特徴B6.前記第1貯留手段により前記排出通路に遊技球が貯留される場合と、前記第2貯留手段により前記排出通路に遊技球が貯留される場合とで、前記排出通路に遊技球を貯留可能な領域(排出通路HTの通路長)の広さに変化が生じないものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1貯留手段により貯留される場合であっても、第2貯留手段により貯留される場合であっても、排出通路の構成を変化させる必要がない。よって、比較的簡素な構成で、貯留個数を異ならせることが可能となる。
特徴B7.前記排出通路に貯留された遊技球を排出することが可能な排出可能状態と排出することができない排出不可状態とに変位することが可能な可変排出手段(排出扉175)を備え、
前記可変排出手段が前記排出可能状態又は前記排出不可状態となる期間の長さを異ならせることで、前記排出通路に貯留される遊技球の個数を異ならせることが可能な構成であることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、排出通路から遊技球が排出される/排出されない期間の長さを異ならせることで、排出通路に貯留される遊技球の個数を異ならせることができる。このようにすれば、所定の入球部への入球の可否を変化させることなく、排出通路に貯留される個数を異ならせることができる。
特徴B8.前記所定期間よりも前のタイミングにおいて、前記排出可能状態となる期間の長さを異ならせることで、前記所定期間における前記排出通路に貯留される遊技球の個数を異ならせる構成であることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定期間よりも前に貯留された遊技球を排出するための期間の長さを異ならせることになり、所定期間中の貯留個数を異ならせることができる。よって、所定期間自体の各種設定(特徴B3のような終了条件)を変化させる必要が生じない。
特徴B9.遊技球が前記所定の入球部へ入球したことを検知する検知手段(大入賞口用入賞センサ32a)と、
前記検知手段による検知結果に基づいて所定の第1特典(賞球)を付与することが可能な第1特典付与手段(払出制御装置97)と、
前記排出通路に貯留された遊技球の個数に応じて所定の第2特典(例えば、V入賞の発生に基づく高確率モード)を付与することが可能な第2特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2個数は前記第1個数よりも多い数として設定されており、
前記第2特典付与手段は、前記第1個数の遊技球が前記排出通路に貯留されるよりも、前記第2個数の遊技球が前記排出通路に貯留される方が、前記所定の第2特典を付与し易い構成であることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の入球部への入球個数だけでなく、排出通路における貯留数にも注目させることができ、遊技への注目度を好適に高めることができる。特に、一般的な遊技機では、入球数に応じた賞球等の第1特典が付与される構成であるところ、当該第1特典は入球数が多いほどより多く付与される。ところが、例えば、第1特典の有利度によっては(例えば1個賞球のような場合には)、入球数がいくら増えても遊技者としてはさほど嬉しくない事象も生じ得る。そこで、入球数とは若干関係しているが、それとは別の要素によって規定される貯留数に応じて第2特典が付与される構成とすれば、多角的な面から入球数が多いことのメリットを享受させることができる。
特徴B10.前記第2個数は前記第1個数よりも多い数として設定されており、
前記排出通路から分岐する所定の分岐通路(分岐通路BT)が設けられており、
前記第1貯留手段により前記第1個数の遊技球が貯留された場合よりも、前記第2貯留手段により前記第2個数の遊技球が貯留された場合の方が、前記所定の入球部に入球した遊技球が前記所定の分岐通路に導出され易くなる構成であることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、貯留数によって入球した遊技球の導出先が異なる構成となる。つまり、第1個数の遊技球が貯留されるよりも第2個数の遊技球が貯留される方が所定の分岐通路に導出され易くなるので、例えば当該所定の分岐通路に導出されたことに基づいて特典を付与する構成や、逆に所定の分岐通路に導出されなければ特典が付与される構成とすると、貯留数だけでなく、その貯留数に基づく遊技球の挙動にも関心を寄せさせることが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技球が流下する遊技領域(PE)に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部(大入賞口32)と、
前記所定の入球部へ入球した遊技球を前記遊技領域から排出するための排出通路(排出通路HT)と、
所定個数を上限として、前記排出通路にて遊技球を貯留することが可能な貯留手段(排出扉175)と、
を備え、
前記排出通路は、前記貯留手段に貯留される特定個数目の遊技球が後続の遊技球と当接することにより、当該後続の遊技球が前記排出通路とは異なる特定領域に導出されるように、前記特定個数目の遊技球を貯留することが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、貯留手段に遊技球が特定個数貯留されることによって、当該特定個数目の遊技球が後続の遊技球の流下方向を排出通路とは異なる特定領域に変化させる構成となる。このようにすれば、例えば振分装置等を設けて遊技球の流下方向を変化させる構成と比較して、遊技球同士の作用によるものであるため、遊技球の挙動を存分に楽しませることが可能であるし、遊技機側で意図的に流下方向を異ならせようとしたと遊技者に感じさせないようにでき、遊技の公平性を担保することができる。
特徴C2.前記後続の遊技球が、前記排出通路から遊技球が排出される場合と、前記特定領域に遊技球が導出される場合とで、遊技者にとっての有利度が異なる構成であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定個数目の遊技球によって後続の遊技球の流下先が変化することにより、遊技者にとっての有利度が変化する。このようにすれば、排出通路に特定個数の遊技球が貯留されることへの注目度が大幅に高められる。特に、排出通路は遊技領域外に設けられており、このような排出通路に貯留される遊技球にすら注目させるような構成とすることで、遊技者の関心を寄せさせるポイントが多岐にわたることになり、興趣向上に役立てることが可能となる。
特徴C3.前記排出通路から遊技球が排出される場合よりも、前記特定領域に遊技球が導出される場合の方が、遊技者にとって有利な構成であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定個数目の遊技球によって後続の遊技球の流下先が変化することにより、遊技者にとっての有利度が向上する。このようにすれば、排出通路に特定個数の遊技球が貯留されることへの注目度が大幅に高められる。特に、排出通路は遊技領域外に設けられており、このような排出通路に貯留される遊技球にすら注目させるような構成とすることで、遊技者の関心を寄せさせるポイントが多岐にわたることになり、興趣向上に役立てることが可能となる。
特徴C4.前記特定個数は前記所定個数と同個数であり、
前記特定個数目の遊技球により、後続の遊技球が前記所定の入球部へ入球できなくなる構成であることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、排出通路に特定個数貯まることによって、所定の入球部へ入球できなくなる。このようにすれば、遊技球が貯留されることを利用して所定の入球部への入球の可否を変化させる、とった斬新な遊技を実現することができる。
特徴C5.前記特定領域は前記遊技領域内に設定されており、
前記特定領域には、遊技球が入球可能な特定入球部(特別入球部26)が設けられており、
前記特定入球部へ遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与することが可能な手段(払出制御装置97)を備えていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の入球部への入球個数が所定個数となり、当該所定の入球部へ入球できなくなっても、特定入球部に入球させることが可能となる。このように、所定の入球部へ遊技球が特定個数貯留されて、後続の遊技球の流下方向が変化する事象を利用して、入球先を異ならせることが可能となり、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴C6.前記貯留手段にて前記特定個数の遊技球が貯留された状態を所定期間に亘って保持することが可能な手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C4又は特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の入球部への入球ができなくなった状態が所定期間に亘って保持される。このような状況では、所定の入球部を狙っても特定領域にしか遊技球は流下しない。このような事象を利用すれば、例えば特徴C5のように特定入球部へ入球する状況のように、新たな遊技性を実現することができる。
特徴C7.前記特定個数目の遊技球に対して前記排出通路の上流側から当接する当接部(戻り防止弁178)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定個数目の遊技球が後続の遊技球と衝突することを前提とした構成において、特定個数目の遊技球を当接部と当接させておけば、当該衝突によって、特定個数目の遊技球が排出通路の上流側に戻ってしまうことを抑制することが可能となる。これにより、遊技球が所定の入球部から逆流してしまう等の不都合を回避することができる。
特徴C8.遊技球が流下する遊技領域(PE)に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部(大入賞口32)と、
前記所定の入球部へ入球した遊技球を所定の領域に誘導するための誘導通路(排出通路HT)と、
所定個数を上限として、前記誘導通路にて遊技球を貯留することが可能な貯留手段(排出扉175)と、
を備え、
前記誘導通路は、前記貯留手段に貯留される特定個数目の遊技球が後続の遊技球と当接することにより、当該後続の遊技球が前記所定の領域とは異なる特定領域に導出されるように、前記特定個数目の遊技球を貯留することが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、貯留手段に遊技球が特定個数貯留されることによって、当該特定個数目の遊技球が後続の遊技球の流下方向を所定の領域とは異なる特定領域に変化させる構成となる。このようにすれば、例えば振分装置等を設けて遊技球の流下方向を変化させる構成と比較して、遊技球同士の作用によるものであるため、遊技球の挙動を存分に楽しませることが可能であるし、遊技機側で意図的に流下方向を異ならせようとしたと遊技者に感じさせないようにでき、遊技の公平性を担保することができる。
特徴C9.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部(大入賞口32)と、
前記所定の入球部へ入球した遊技球を排出するための排出通路(排出通路HT)と、
所定個数を上限として、前記排出通路にて遊技球を貯留することが可能な貯留手段(排出扉175)と、
前記貯留手段によって遊技球が特定個数貯留されることにより、後続の遊技球の挙動に変化を生じさせることが可能な変化手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定の入球部へ遊技球を入球させると、その遊技球が貯留手段に貯留され、後続の遊技球の挙動に変化が生じる場合がある。遊技球の挙動に変化を生じさせる構成としては、例えば周期動作する役物等を利用する構成も考えられるが、周期動作とはいえ遊技機側で管理された動作であるため、挙動を変化させた結果、遊技者に不利な結果となると、遊技者としては遊技への不信感を抱きかねない。これに対して上記構成では、遊技者自身が入球させた遊技球が貯留されることによって挙動が変化する構成であるため、上記のように不信感を抱かせにくくすることができる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい閉状態とに変位可能な可変入球手段(可変入賞ユニット151)と、
前記可変入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
特定事象(大当たり)が発生したことに基づいて、遊技状態を前記可変入球手段による前記可変入球制御を複数回実行可能な特定状態に設定する特定状態設定手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記可変入球手段を前記開状態から前記閉状態としてから前記開状態とするまでの待機期間を設定する設定手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記設定手段は、前記待機期間を第1期間と、当該第1期間とは長さが異なる第2期間と、に設定することが可能であり、
前記待機期間の長さに応じた特典を遊技者に付与することが可能な特典付与手段(閉鎖時間が長いほど排出個数が多くなり次のラウンドで入球可能な個数が多くなること、主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能、演出制御装置82によるステップS909の処理を実行する機能、払出制御装置97による特別入球部26への入球に基づく賞球を払い出す機能、残存球が多くなるほどV入賞の発生が高くなること)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技状態が特定状態に移行すると、可変入球手段に遊技球が入球可能となる。そのため、特定状態は遊技者の関心が大きく高まるポイントといえる。その一方で、特定状態であっても、可変入球手段が閉状態である待機期間は、可変入球手段への入球が発生しにくいため比較的関心が低くなってしまうものと考えられる。そこで、上記構成のように、待機期間の長さに応じた特典を遊技者に付与する構成とすれば、入球が発生しない待機期間ですら遊技者に注目させることが可能となり、特定状態の注目度を大きく高めることができる。
特徴D2.前記特典付与手段は、前記待機期間が長いほど遊技者にとって有利となるように前記特典を付与することが可能な第1手段(閉鎖時間が長いほど排出個数が多くなり次のラウンドで入球可能な個数が多くなること、主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段へ遊技球が入球しにくい閉状態である期間が長いほど、遊技者にとって有利となる。このようにすれば、閉状態である期間において、関心が低下してしまう事象を回避することができる。
特徴D3.前記可変入球手段が前記開状態となる場合において前記可変入球手段に入球可能な遊技球の個数が、所定数として設定されるものであり、
前記特典付与手段は、前記待機期間が長いほど次に前記可変入球手段が前記開状態となった場合における前記所定数が多くなるようにすることで前記特典を付与する構成であることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機期間が長いほど、次に可変入球手段が開状態となった場合に入球可能な上限数が増加する。このようにすれば、可変入球手段が開状態である状況、及び閉状態である状況のいずれにおいても、可変入球手段への入球数に関連付けさせることができ、可変入球手段の開閉への注目度を好適に高めることができる。
特徴D4.前記特典付与手段は、前記待機期間が短いほど遊技者にとって有利となるように前記特典を付与することが可能な第2手段(演出制御装置82によるステップS909の処理を実行する機能、払出制御装置97による特別入球部26への入球に基づく賞球を払い出す機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段へ遊技球が入球しにくい閉状態である期間が短ければ、すぐに開状態となるのであるから遊技者にとっては好ましい。さらに、この待機期間が短いほど有利な特典が付与され、より遊技者にとって好ましいものとすることができる。
特徴D5.前記待機期間が短いほど、前記可変入球手段への入球数が少なくなることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機期間が短いほど、可変入球手段への入球数が少なくなる。この場合、入球に基づいて得られる賞球等は少なくなり得る。その一方で、第2手段によって他の特典が付与されるのであるから、可変入球手段への入球数が少なくなることを第2手段によって付与される特典で担保することが可能となる。
特徴D6.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球部(特別入球部26等)を備え、
前記特典付与手段は、前記待機期間が短いほど前記特定入球部への入球率を向上させることで前記特典を付与する構成であることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機期間が短いほど、可変入球手段とは異なる特定入球部への入球率が向上する。このようにすれば、可変入球手段への入球数が少なくなっても、他の入球部への入球によって担保することができ、特徴D5の構成を好適に実現することができる。
特徴D7.前記可変入球手段に入球した遊技球を貯留可能な貯留手段(排出通路HT)を備え、
前記貯留手段は、前記待機期間中に貯留した遊技球を排出する構成であり、
前記第2手段は、前記待機期間が短いほど、排出される遊技球の個数が少なくなることで遊技者にとって有利となるように前記特典を付与することが可能な構成であることを特徴とする特徴D4乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機期間が短くなれば貯留手段から排出される個数が少なくなる。この場合、例えば、貯留手段から排出された遊技球が所定の通過部を通過することで特典が付与されるような構成においては、多くの遊技球が排出された方が所定の通過部を通過し易くなるものと考えられる。これに対して、上記構成では、排出個数が少ないほど有利となるのであるから、従来の遊技機とは発想が全く逆なものとなる。よって、斬新な遊技性が実現され、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴D8.前記特典付与手段は、
所定の事象が発生したことを契機として前記特典を付与する構成であり、
前記待機期間が長いほど遊技者にとって有利となるように前記特典を付与することが可能な第1手段(閉鎖時間が長いほど排出個数が多くなり次のラウンドで入球可能な個数が多くなること、主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)と、
前記待機期間が短いほど遊技者にとって有利となるように前記特典を付与することが可能な第2手段(演出制御装置82によるステップS909の処理を実行する機能、払出制御装置97による特別入球部26への入球に基づく賞球を払い出す機能)と、
を備え、
前記第1手段により前記特典が付与される場合と、前記第2手段により前記特典が付与される場合とで、前記特典付与の契機となる前記所定の事象が異なる構成(第1手段は大入賞口32への入賞の発生、第2手段は特別入球部26への入賞の発生)であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機期間が長いと好ましい第1手段と、待機期間が短いと好ましい第2手段とを、並存させることができる。このような構成であれば、待機期間の長短へ高い関心を寄せさせることができ、新たな遊技性を実現することができる。
なお、上記特徴D2乃至D7のいずれか1にて限定した構成を、上記特徴D8に適用してもよい。
<特徴E群>
特徴E1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球部(大入賞口32)と、
前記第1入球部へ入球した遊技球を排出するための排出通路(排出通路HT)と、
前記排出通路にて遊技球を所定個数を上限として貯留することが可能な貯留手段(排出扉175)と、
を備え、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能であって前記第1入球部とは異なる第2入球部(一般入賞口31)が設けられており、
前記第2入球部へ入球した遊技球を排出するための通路が前記排出通路と合流することで、前記貯留手段は前記第2入球部へ入球した遊技球も含めて貯留することが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1入球部に入球した遊技球が貯留手段にて貯留される構成において、第2入球部に入球した遊技球も当該貯留手段にて貯留される。このような構成とすることで、例えば貯留手段に貯留された貯留個数によって第1入球部への入球数を管理する場合、第1入球部だけでなく第2入球部への入球数も含めた個数で管理することができる。よって、複数の入球部のトータルの入球数を管理することができ、出球率の管理を容易に行うことが可能となる。また、例えば、入球する入球部によって異なる特典が付与される構成においては、どの入球部へ入球するか、といった点に大きな関心を寄せられるところ、上記のようにトータルの入球数が管理されるのであれば、より一層、入球する入球部への関心が高められる。
特徴E2.前記第1入球部へ遊技球が入球したことに基づいて第1特典(15個賞球)を付与し、前記第2入球部へ遊技球が入球したことに基づいて前記第1特典とは遊技者にとっての有利度が異なる第2特典(10個賞球)を付与することが可能な特典付与手段(払出制御装置97)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部へ入球した遊技球が貯留される場合と第2入球部へ入球した遊技球が貯留される場合とで、貯留手段による貯留先は共通しているものの、いずれの入球部へ入球させるかによって、遊技者にとっての有利度が異なる。このような構成であれば、トータルの入球数を遊技機側で管理しつつも、いずれの入球部に入球させるか、といった遊技性を加えることができ、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴E3.前記第1入球部へ遊技球が入球したことに基づいて第1特典(15個賞球)を付与し、前記第2入球部へ遊技球が入球したことに基づいて前記第1特典とは遊技者にとっての有利度が低い第2特典(10個賞球)を付与することが可能な特典付与手段(払出制御装置97)と、
前記貯留手段に前記第2入球部から入球した遊技球が貯留されることにより、遊技者にとって有利な特定事象(例えばV入賞)が生じ易くなる構成であることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部へ入球させた方が有利な第1特典が付与されていることや、貯留個数の上限が所定個数として設定されていることから鑑みると、全て第1入球部からの入球によって貯留手段に貯留させたほうが好ましくも思える。一方で、第2入球部から入球した遊技球が貯留されると、特定事象が発生し易くなるため、第2入球部への入球も発生させたほうが好ましくなる。このようにすれば、各入球部へ入球させる意義が生じ、排出通路が合流する構成を用いて、いずれの入球部へ入球させるかといった遊技を好適に実現することができる。
特徴E4.前記貯留手段に第1個数の遊技球が貯留されている状況で前記第2入球部から入球する遊技球が前記貯留手段に貯留される場合と、前記貯留手段に前記第1個数とは異なる第2個数の遊技球が貯留されている状況で前記第2入球部から入球する遊技球が前記貯留手段に貯留される場合とで、前記特定事象の発生確率が異なる構成であることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部への入球タイミングも加味して、いずれの入球部へ入球させるか、を遊技者に選択させることができる。このようにすれば、より遊技性が向上し、興趣向上に役立てることが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい閉状態とに変位可能な可変入球手段(可変入賞ユニット151)と、
前記可変入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段が前記開状態となることとは異なる特定条件(遊技球の排出)が成立するまで遊技球の入球を規制することが可能な規制手段(排出扉175)と、
を備え、
前記可変入球手段を複数有することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段は、開状態となった場合であっても特定条件が成立するまでは遊技球の入球が規制される。このようにすれば、可変入球手段の開閉動作のみによって入球の可否を決定する従来の遊技機とは大きく相違する遊技性を実現することが可能となり、興趣向上に大いに役立たせることが可能となる。その一方で、例えば、可変入球制御が複数回行われる状態となった場合には、規制手段による規制によってその状態の進行が滞る可能性が生じる。そこで、上記のような可変入球手段を複数有するようにすれば、例えばこれら複数の可変入球手段を交互に開閉動作させるなどして、遊技の進行を好適に実現することができる。
特徴F2.前記可変入球手段に入球した遊技球を前記遊技領域から排出するための排出通路(排出通路HT)が設けられており、
前記排出通路から遊技球が排出されることで前記特定条件が成立する構成であることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、排出通路から遊技球が排出されると、遊技球の入球が許容される。換言すると、排出通路から遊技球が排出されない限りは、可変入球手段が開状態となっても遊技球が入球しない。このようにすれば、可変入球手段への入球の有無だけでなく、当該可変入球手段へ入球した後の遊技球に対しても関心を寄せさせることができる。つまり、遊技領域内の遊技球の挙動だけでなく、遊技領域外の遊技球の挙動に対しても注目させることができ、遊技の注目度を高める上で好ましい。
一方で、排出通路から遊技球が排出されないと、可変入球手段へ入球させることができないのであるから、可変入球手段へ多量の遊技球の入球を発生させたい場合等、スムーズな遊技の進行が行えない可能性もある。その点、上記のような可変入球手段を複数設ける構成とすれば、例えば、一の可変入球手段から遊技球を排出している期間においては、他の可変入球手段に入球させる等の構成とすれば、遊技をスムーズに行うことができる。
特徴F3.前記排出通路は、前記可変入球手段に入球した遊技球を所定個数を上限として貯留可能な構成であり、
前記排出通路に貯留された遊技球が前記所定個数よりも少ない特定個数排出されることで前記特定条件が成立する構成であることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、全球排出されなくても、可変入球手段へ遊技球が入球可能となる。これにより、よりスムーズな遊技を実現することができる。
特徴F4.前記排出通路は、遊技球を貯留可能な貯留状態と貯留しない非貯留状態とに変位可能な変位手段(排出扉175)を有し、
前記可変入球手段が前記閉状態となることで、前記変位手段が前記非貯留状態に変位する構成であることを特徴とする特徴F2又は特徴F3に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段が閉状態であり遊技球が入球できない状態において排出通路からの遊技球の排出が行われる。このようにすれば、可変入球手段への入球が発生しつつ遊技球が排出されるといった事象が生じず、可変入球手段を開状態とする以外に入球が許容されるための条件を設けた意義を担保することができる。
特徴F5.複数の前記可変入球手段のうちの一の可変入球手段の前記変位手段が前記非貯留状態となっている間に、複数の前記可変入球手段のうちの他の可変入球手段の前記変位手段が前記貯留状態となる構成であることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の可変入球手段を用いて、一の可変入球手段から遊技球を排出している期間においては他の可変入球手段を開状態として入球させる構成となり、排出に要する期間をうまく利用してスムーズな遊技を実現することが可能となる。
特徴F6.前記可変入球手段は、前記開状態となることで遊技球が入球可能となる入口部(扉部165)と、遊技領域を流下する遊技球を受けるとともに、前記入口部へ遊技球を誘導する受け部(受け部163)と、を有し、
複数の前記可変入球手段における一の可変入球手段の前記受け部にて受けられた遊技球のうち当該一の可変入球手段の前記入口部から入球しなかった遊技球を、他の可変入球手段の前記受け部が受けることが可能なように、各可変入球手段が配置されていることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の可変入球手段に入球しなかった遊技球を無駄球とせずに、他の可変入球手段へ入球させることが可能となる。このようにすれば、特定条件がなかなか成立せずに遊技球が入球しない場合であっても、遊技球の発射を継続させる意義が生じる。
特徴F7.前記一の可変入球手段と前記他の可変入球手段が上下に並設されていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴F6の作用を簡易な構成で奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技球が通過可能な通過部(大入賞口32からの排出通路HT)を有し、
前記通過部には、当該通過部を遊技球が通過可能な開位置と通過不可な閉位置に変位可能な第1開閉部材(扉部165)と第2開閉部材(排出扉175)とが設けられており、
前記第1開閉部材を前記開位置と前記閉位置とに変位させる変位手段(可変入賞駆動部181)を備え、
前記変位手段によって前記第1開閉部材が変位することで、前記第1開閉部材又はそれとは異なる部材を介して前記第2開閉部材の変位が行われる又は変位が規制される構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1開閉部材が変位すると第2開閉部材の変位が行われる又は変位が規制されるため、第1開閉部材と第2開閉部材との変位を一の変位手段によって行うことが可能となる。特に両開閉部材は、閉位置となることで通過部の通過を不可とするものであり、遊技球の挙動に変化を生じさせる役物である。このような遊技球の挙動に変化を生じさせる役物については、動作のための駆動契機を予め定められたものとしたり周期駆動するものとするなどして、駆動を規則化して遊技の透明性を担保する必要がある。しかし、このような規則化した駆動だけでは遊技球の挙動の変化を十分に生じさせることが困難である場合がある。かといって、駆動のための変位手段を複数設ける構成とすると、構成の複雑化だけでなく、規則化が困難となったりする不具合もある。そこで、上記構成のように一の変位手段によって両開閉部材の変位を生じさせる構成とすれば、駆動の規則化と遊技球の挙動の多様化との両立を図ることが可能となる。
特徴G2.前記第1開閉部材が前記閉位置から前記開位置に変位することで、当該第1開閉部材又はそれとは異なる部材を介して前記第2開閉部材が前記開位置から前記閉位置に変位する構成であることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1開閉部材が開位置に変位すると、第2開閉部材は閉位置に変位する。このようにすれば、第1開閉部材の通過を許容しつつも、第2開閉部材によって通過を制限する、といった事象を、第1開閉部材を変位させるだけで実現することができる。
特徴G3.前記第1開閉部材が前記開位置から前記閉位置に変位することで、前記第2開閉部材の前記開位置から前記閉位置への変位が規制される構成であることを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1開閉部材が閉位置に変位すると、第2開閉部材は開位置に変位する。このようにすれば、第1開閉部材の通過を制限しつつも、第2開閉部材の通過を許容する、といった事象を、第1開閉部材を変位させるだけで実現することができる。
特に上記構成を、特徴G2に適用すれば、第1開閉部材の通過を許容すれば、第2開閉部材によって通過が制限され、第1開閉部材の通過を制限すれば、第2開閉部材によって通過が許容される、といった構成となる。このようにすれば、通過部において通過が制限/許容される箇所を、交互に設定することができ、しかもその設定を一方の箇所における変位によって行うことが可能となる。これにより、簡素な構成によって通過部における遊技球の挙動を変化させることが可能となる。
特徴G4.前記第2開閉部材を前記開位置に保持する保持手段(ねじりバネ177)を備え、
前記第1開閉部材が前記開位置から前記閉位置に変位することで、前記保持手段によって前記第2開閉部材が前記開位置に保持される保持力よりも大きな力が前記第2開閉部材に加わることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2開閉部材については、第1開閉部材からの力が付与されるまでは開位置に保持され、第1開閉部材からの力が付与されることで閉位置に変位する。このような構成とすれば、第2開閉部材の変位について、開位置から閉位置への変位を第1開閉部材とリンクさせればよく、変位手段の共用化を図るうえで、比較的簡素な構成とすることができる。
特徴G5.前記第1開閉部材は第1方向に延在する回動軸(誘導回動軸164)を中心に回動することで前記開位置と前記閉位置とに変位する構成であり、
前記第2開閉部材は前記第1方向に延在する回動軸(排出回動軸176)を中心に回動することで前記開位置と前記閉位置とに変位する構成であることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1開閉部材と第2開閉部材とで回動軸が平行となるため、回動軸が交差する構成とするよりも、変位手段からの動力を伝達する上で、力の損失が少なくて済む。
特徴G6.前記通過部において、前記第1開閉部材が前記閉位置に配置されることによって規制する遊技球の移動方向と、前記第2開閉部材が前記閉位置に配置されることによって規制する遊技球の移動方向と、が交差することを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴G5に示したように、各開閉部材の回動軸は平行である一方で、各開閉部材が設けられている位置における通過部の通路方向が交差する。このような構成であれば、変位手段からの動力を好適に各開閉部材に伝達しつつも、通過部の形状の自由度が向上する。
特徴G7.前記通過部において、前記第1開閉部材が前記第2開閉部材よりも上流側に配置されていることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上流側に設けられている部材に対して変位手段からの力が直接付与されることになる。変位手段からの力が第1開閉部材を介して伝達する第2開閉部材の方が、変位のレスポンスは幾分遅くなるものと考えられる。その点、レスポンスの速い側を上流側に設ける構成とすれば、遊技球の挙動に変化を与える上で好ましい。
特徴G8.前記通過部において、前記第1開閉部材と前記第2開閉部材との間の領域の長さが、遊技球1個分の長さ以上であって複数である所定個数(10個)分の遊技球の長さ以下となるように設定されていることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部において下流側に配置される開閉部材が閉位置に変位すると、上流側に配置される側の開閉部材との間の領域に遊技球が留まることになる。このようにすれば、例えば上流側の開閉部材が閉位置に変位しなくてもそれ以上の遊技球の流入は制限されることになり、このような事象を利用して、通過部へ通じる入球部への入球の許容/制限を開閉部材の変位だけでなく実現することが可能となる。
特徴G9.前記通過部において、前記第1開閉部材と前記第2開閉部材との間の領域に、前記所定個数の遊技球が存在する状況で、前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材のうち前記通過部における上流側に配置される側が、前記所定個数目の遊技球よりも上流側であって、前記所定個数目の遊技球から遊技球の半径分だけ上流に位置する上流位置よりも下流側に配置される構成であることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
上記構成によれば、上流側に配置される側の開閉部材が、所定個数目よりも上流側であって、且つ所定個数目の遊技球から遊技球半個分未満の位置で開位置と閉位置とに変位するため、例えば当該開閉部材が開位置に配置される状況で所定個数を超える遊技球が通過部に流入している/流入待ちの状態となっている状況で当該開閉部材が閉位置に変位する場合、所定個数目の次の遊技球に対して当該遊技球の中心位置よりも下流側で当接しながら閉位置に変位することになる。そのため、当該所定個数目の次の遊技球は、当該閉位置に変位した開閉部材よりも上流側に押し出されるようになり、開閉部材同士の領域内には流入しない。よって、開閉部材同士の領域内に収容される遊技球の個数を所定個数に留めることが可能となる。
特徴G10.前記通過部において、前記第1開閉部材と前記第2開閉部材との間の領域は、曲部を有する曲線通路として形成されていることを特徴とする特徴G8又は特徴G9に記載の遊技機。
上記構成によれば、曲部においては、遊技球同士が直径よりも短い箇所で当接するため、通過部の両開閉部材間の領域における長さを遊技球所定個数分の長さよりも短くすることが可能となる。よって、限られた領域内で、より多くの遊技球を両開閉部材間の領域に収めることが可能となる。
特徴G11.前記通過部を通過可能となる遊技球の上限個数が定められた所定遊技(ラウンド)が設けられており、
前記所定個数は、前記上限個数以下となるように設定されていることを特徴とする特徴G8乃至G10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定遊技における上限個数以上の通過を、通過部における両開閉部材の間の領域の長さと当該両開閉部材の開閉によって制限することが可能となる。これにより、所定遊技において上限個数以上通過するような事象を物理的に制限することができ、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴G12.前記通過部を通過可能となる遊技球の上限個数が定められた所定遊技(ラウンド)が設けられており、
前記所定個数は、前記上限個数となるように設定されていることを特徴とする特徴G8乃至G10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定遊技における上限個数以上の通過を、通過部における両開閉部材の間の領域の長さと当該両開閉部材の開閉によって制限することが可能となる。これにより、所定遊技において上限個数以上通過するような事象を物理的に制限することができ、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴G13.前記通過部へ遊技球が流入したことを検知する検知手段(大入賞口用入賞センサ32a)を備え、
前記検知手段は、前記通過部において前記第1開閉部材と前記第2開閉部材との間の領域に設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部において両開閉部材に挟まれた領域に遊技球が流入したことを、検知手段によって好適に検知することができる。
この場合、例えば特徴G8のように両開閉部材の間の領域において遊技球が収容され得る構成であれば、当該間の領域に収容される遊技球の個数を検知手段の検知結果を利用して把握することができる。
特徴G14.前記検知手段よりも下流側において、遊技球が前記検知手段側へ動作することを抑制する抑制手段(戻り防止弁178)が設けられていることを特徴とする特徴G13に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦、検知手段に検知された遊技球が、再び検知手段側へ動作して、再度検知されてしまう事象を回避することができる。よって、両開閉部材の間の領域への流入数を遊技機側で正確に把握することが可能となる。
特徴G15.前記抑制手段によって前記検知手段側への動作が抑制された場合の遊技球の前記検知手段側への動作可能位置は、当該遊技球が前記検知手段に検知される位置よりも下流側であって、且つ当該遊技球が後続の遊技球と当接することで当該後続の遊技球が前記検知手段により検知されないようにすることが可能となる位置であることを特徴とする特徴G14に記載の遊技機。
上記構成によれば、検知手段による重複検知を防止しつつも、後続の遊技球の誤検知を回避することができる。
<特徴H群>
特徴H1.遊技者による操作に応じて、遊技球が流下する遊技領域に向けて遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい閉状態とに変位可能な可変入球手段(可変入賞ユニット151)と、
前記可変入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
特定事象(大当たり結果、特別外れ結果)が発生したことに基づいて、遊技状態を前記可変入球手段による前記可変入球制御を複数回実行可能な特定状態に設定する特定状態設定手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定事象の種類に応じて、前記特定状態において前記可変入球制御手段による前記可変入球制御が所定の制御態様となるように制御パターンを設定する設定手段(主制御装置81におけるステップS1105~ステップS1114、ステップS1125の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記設定手段は、第1の事象(非明示2R確変大当たり結果)が発生したことに基づく第1特定状態において設定する制御パターンと、前記第1の事象とは異なる第2の事象(特別外れ結果)が発生したことに基づく第2特定状態において設定する制御パターンと、を同じ制御パターンとすることが可能な構成であり、
前記第1特定状態において前記可変入球手段に所定個数の遊技球を入球させた場合と、前記第2特定状態において前記可変入球手段に前記所定個数の遊技球を入球させた場合とで、前記可変入球制御の制御態様が異なることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象に基づいて設定される特定状態において、遊技機側で設定する可変入球制御手段の制御態様の制御パターンは、第1特定状態と第2特定状態とで同じであるものの、可変入球手段に所定個数の遊技球を入球させると、当該設定した制御パターンの制御態様とは異なるようにすることができる。よって、遊技者は第1の事象に基づいて特定状態に設定されたのか、それとも第2の事象に基づいて設定されたのかを知りたければ、可変入球手段に所定個数の遊技球を入球させればよいことになる。よって、遊技の積極参加を促し、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴H2.前記第1特定状態と前記第2特定状態とで、前記可変入球手段に入球可能な遊技球の上限個数が同じ個数であることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状態と第2特定状態とで、入球に基づいて得られる特典等が同じになる。つまり、所定個数入球させると、得られる特典が異なるのではなく、第1の事象であったか第2の事象であったかがわかるだけである。このようにすることで、遊技者の利益に関与しない範囲で、遊技者の介入を促すことができる。よって、遊技の公平性を担保しつつも、遊技の注目度を高めることができる。
特徴H3.前記特定状態中の特定演出を、所定の演出手段(図柄表示装置41)にて実行する演出実行手段(演出制御装置82)を備え、
前記演出実行手段は、前記第1特定状態と前記第2特定状態とで同じ演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、制御パターンや演出からは見た目上、判別できないものを、所定個数入球させることによって判別することが可能となる。よって、遊技者のやる気が高められる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部(大入賞口32)と、
前記所定の入球部へ遊技球が入球可能となる入球可能状態と遊技球が入球不可又は入球困難となる入球不可状態とに切換可能な可変入球手段(扉部165)と、
前記所定の入球部へ入球した遊技球を排出するための排出通路(排出通路HT)と、
前記排出通路に設けられ、遊技球を排出可能となる排出可能状態と遊技球を排出不可となる排出不可状態とに切換可能な可変排出手段(排出扉175)と、
前記排出通路から分岐する通路であって、遊技球を前記排出通路とは異なる領域へ導出することが可能な分岐通路(分岐通路BT)と、
を備え、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が前記分岐通路へ導出された場合のほうが、前記分岐通路へ導出されないよりも遊技者にとって有利となる構成であり、
前記可変排出手段から第1個数の遊技球が排出される場合、前記分岐通路側へ遊技球が導出されにくくし、前記可変入球手段から前記第1個数より少ない第2個数の遊技球が排出される場合、前記分岐通路側へ遊技球が導出され易くなるようにする特定手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能、振分用駆動処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段に入球した遊技球が排出通路から排出される構成において、排出通路には遊技球を排出可能とする排出可能状態と排出不可とする排出不可状態とに切換可能な可変排出手段が設けられており、当該可変排出手段から排出される遊技球の個数によって、遊技者にとって有利となる分岐通路側へ導出されるか否かが変化する。この場合、可変排出手段から排出される個数が少ないほど分岐通路側へ導出され易くなる構成としているため、仮に可変入球手段への入球個数が少なくて、可変排出手段から排出される個数が少なくても遊技者としては好ましい事象となる。以上の結果、入球数に応じた特典が付与される従来の遊技機とは全く異なる斬新な遊技機とすることができる。
特徴I2.前記特定手段は、前記可変入球手段から排出される遊技球の個数が前記第1個数の場合と前記第2個数の場合とで前記所定の入球部への入球数を異ならせることなく、前記分岐通路への導出率を変化させることが可能な構成であることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の入球部への入球数が変化しないので、例えば、所定の入球部への入球に基づいて賞球が付与される構成においては、総賞球数を変化させることなく分岐通路への導出率のみを変化させることができる。よって、遊技機の仕様の大きな変更を要することなく、有利な分岐通路へ導出させる遊技性を実現することが可能となる。
特徴I3.前記分岐通路との分岐位置に設けられ、遊技球を前記分岐通路に導出する態様と、前記分岐通路に導出しない態様とに切換可能な可変振分手段(振分部301)と、
予め定められた所定周期で前記可変振分手段の切換制御を実行する可変振分制御手段(主制御装置81による振分駆動用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、前記可変振分手段による前記切換制御の所定周期を変更することなく、前記分岐通路への導出率を変化させることが可能な構成であることを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、分岐位置に設けられた可変振分手段の切換制御のタイミングは相違しないため、純粋に可変排出手段からの排出個数によって有利な分岐通路へ導出されるか否かが決定する。よって、切換制御のタイミングが変更されることによる不信感を抱かせることなく、遊技に集中させることが可能となる。
特徴I4.前記可変振分手段は、前記可変排出手段よりも下流側に配置されていることを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変排出手段によって排出された遊技球が可変振分手段に振り分けられる位置関係となる。換言すると、排出不可状態であれば、可変振分手段よりも前で遊技球が貯留される位置関係となる。よって、可変振分手段に遊技球が到達する様が見逃されてしまう可能性を低くすることができ、遊技球の挙動に注目させ易くなる。
特徴I5.前記可変排出手段は、前記第2個数の遊技球を排出した場合の方が前記第1個数の遊技球を排出した場合よりも、その後の排出タイミングにおいて排出可能となる遊技球の個数が多くなり得る構成であることを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、少ない側の第2個数を排出した場合の方が、多い側の第1個数を排出した場合よりも、その後の排出タイミングにおいては、排出可能となる遊技球の個数が多くなる。つまり、先の排出タイミングで少なく排出するほど、後の排出タイミングでは多く排出可能となる。ここで、排出数が少ないほど有利となる構成において、排出数が少なければ、排出通路に留まる遊技球の個数も多くなることから、所定の入球部への入球が制限される場合等が生じ得る。これに対して、上記のようにすれば、排出数が少ないことによって、その後の入球数が制限される等の不都合が生じにくくなる。
特徴I6.前記特定手段は、前記その後の排出タイミングにおいて遊技球を前記分岐通路に導出され易くするものであることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の排出タイミングでは排出数が少なくなり、後の排出タイミングでは排出数が多くなる事象を利用して、多くなる排出数の際に分岐通路へ導出され易くしている。このようにすれば、少ない個数で分岐通路への導出を行うための特殊な構成を用意する必要がなく、簡易な構成で特徴I1の効果を奏することができる。
特徴I7.予め定められた移行契機(大当たり発生)に基づいて、前記可変入球手段を前記入球不可状態から前記入球可能状態に切り換え、その後前記入球不可状態に切り換える可変切換制御を複数回実行可能となる特定状態に移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記可変入球手段が前記入球不可状態に切り換えられてから前記入球可能状態に切り換えられるまでの所定の待機期間(インターバル期間)を設定する設定手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変排出手段は、前記設定手段により設定される前記所定の待機期間中に前記排出可能状態となる構成であり、前記設定手段により設定される前記所定の待機期間が第1期間である場合に前記第1個数の遊技球を排出可能とし、前記設定手段により設定される前記所定の待機期間が前記第1期間よりも短い第2期間である場合に前記第2個数の遊技球を排出可能となる構成であることを特徴とする特徴I1乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態中の所定の待機期間の長さを異ならせることで第1個数が排出されるか、それとも第2個数が排出されるかが相違する。このようにすれば、可変入球手段が入球不可状態となり遊技球を入球させることができず、注目度が低下しがちな状況であっても、遊技者の注目を集めることが可能となる。
特徴I8.前記設定手段により前記第2期間が設定された後は、前記可変排出手段が前記排出可能状態となる際には前記第2期間が設定された場合よりも長い期間で前記排出可能状態が維持可能となり易くなる構成であることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2期間として少ない第2個数を排出した場合は、一の可変切換制御において入球した遊技球のうち排出されなかった残存球が存在し得る。そうすると、次の可変切換制御においては、入球した遊技球に加えて当該残存球が排出通路に貯留されることになる。そこで、第2期間が設定された後は、多数の遊技球を排出可能とするようにしたことで、その後の入球数に制限が生じる等の不都合の発生を回避することができる。
特徴I9.前記特定状態において、前記複数回の前記可変切換制御を終了した後、通常の遊技状態へ移行するまでの終了期間(エンディング期間)が設定されており、
前記終了期間は、前記設定手段により前記第2期間が設定された場合に前記可変排出手段から排出されずに残存した残存球と、一の可変切換制御において入球可能となる上限入球数との合計数を排出するために要する期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴I8に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了期間中に全ての遊技球が排出され易くなり、排出が終わっていないのにもかかわらず、通常の遊技状態へ移行してしまう不都合を回避することができる。特に、分岐通路へ導出された場合に、通常の遊技状態における有利度を変化させる構成においては、例えば全遊技球が排出されておらず分岐通路へ導出される可能性が残っている遊技球が存在するのにもかかわらず、通常の遊技状態へ移行させなくてはいけない、という事象が生じ得る。そこで、上記のようにすれば、全ての遊技球について分岐通路へ導出されるか否かの判定が終了してから通常の遊技状態へ移行させることが可能となるため、上記のような不都合が生じない。
特徴I10.前記設定手段は、予め定められた抽選契機に基づいて、前記第1期間及び前記第2期間を含む複数の所定の待機期間のうちから一の待機期間を抽選することが可能な抽選手段(主制御装置81によるステップS1801~ステップS1802の処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段は、前記移行手段による遊技状態の移行判定とは別途前記抽選を実行するものであることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態への移行判定とは別途、待機期間が抽選により決定されるようになるため、例えば複数の特定状態が存在する構成において、遊技者にとって好ましくない特定状態となったとしても、抽選手段による抽選に望みを残す、といった遊技性を実現することができる。
特徴I11.前記第2個数は、一の可変切換制御において入球可能となる上限入球個数よりも少ない個数として設定されており、
前記設定手段は、前記特定状態における各前記所定の待機期間を前記第2期間として設定するものであり、
前記移行手段により移行される前記特定状態として、前記可変切換制御の回数が異なる複数種類の特定状態が設定されていることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2個数の遊技球が排出される場合には、一の所定の待機期間において排出されずに残存する残存球が存在することになる。このような構成であって、設定手段は、各所定の待機期間を一律で第2期間として設定するのであるから、各所定の待機期間において所定個数の遊技球がそれぞれ残存して蓄積されていくことになる。つまり、分岐通路へ分岐するための遊技球が徐々に蓄積されていくことになり、所定の待機期間の回数、すなわち可変切換制御の回数が多いほど、分岐通路へ分岐し易くなる。よって、各特定状態において所定の待機期間の長短を変更しなくても、分岐通路への分岐率を変化させることが可能となる。
特徴I12.予め定められた移行契機(大当たり発生)に基づいて、前記可変入球手段を前記入球不可状態から前記入球可能状態に切り換え、その後前記入球不可状態に切り換える可変切換制御を複数回実行可能となる特定状態に移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記可変入球手段が前記入球不可状態に切り換えられてから前記入球可能状態に切り換えられるまでの所定の待機期間(インターバル期間)を設定する設定手段(主制御装置81による閉鎖時間の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の入球部及び前記可変入球手段をそれぞれ複数備え、
前記特定状態において、一の前記所定の入球部及び前記可変入球手段における前記可変切換制御と、他の前記所定の入球部及び前記可変入球手段における前記可変切換制御とが、交互に実行可能に構成されており、
前記一の前記所定の入球部及び前記可変入球手段に対応する前記可変排出手段は、当該一の前記所定の入球部及び前記可変入球手段における前記可変切換制御が行われている期間では前記排出不可状態となり、前記他の前記所定の入球部及び前記可変入球手段における前記可変切換制御が行われている期間では前記排出可能状態となる構成であることを特徴とする特徴I1乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数セットの所定の入球部及び可変入球手段を有する構成において、特定状態の可変切換制御がそれぞれのセットで交互に行われ得る。この場合、一方の可変切換制御をより早期に終了させれば、他方のセットにおける排出可能期間が短くなる。つまり、上記のように早期に終了されることができれば、分岐通路へ導出され易くなる。このようにすれば、遊技機側の設定を大きく変更することなく、可変切換制御の実施期間の長短によって分岐通路へ導出され易さに変化を生じさせることが可能となる。
なお、上記構成は、「一の前記可変切換制御において、予め定められた所定個数の遊技球が前記所定の入球部へ入球したことに基づいて、当該可変切換制御を終了する終了手段」を備える構成とすると、より終了条件が明確になるとともに、遊技球を早期にたくさん入球させたほうがより有利となるというわかり易い遊技性を実現可能となる。
なお、上述した各特徴A~I群の各発明に示した技術的思想を、各特徴A~I群の各発明に対して互いに適用してもよく、一部又は全部を組み合わせ各特徴A~I群の各発明に対して適用してもよい。また、各特徴A~I群の各発明に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、32…大入賞口、33…上作動口、34…下作動口、34a…電動役物、81…主制御装置、82…演出制御装置、151…可変入賞ユニット、163…受け部、165…扉部、174…排出口、175…排出扉、177…ねじりバネ、178…戻り防止弁、181…可変入賞駆動部、191…排出駆動部、201…第1可変入賞ユニット、202…第2可変入賞ユニット、振分部…301、HT…排出通路、BT…分岐通路、PE…遊技領域、PE1…上側領域、PE2…左側領域、PE3…右側領域、PE4…下側領域。

Claims (1)

  1. 遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な所定の入球部と、
    前記所定の入球部へ遊技球が入球可能となる状態と遊技球が入球不可又は入球困難となる状態とに切換可能な第1可変手段と、
    前記所定の入球部へ入球した遊技球を排出するための第1領域へ導出可能とする第1通路と、
    前記第1通路に設けられ、遊技球を前記第1領域へ導出可能となる状態と遊技球を前記第1領域へ導出不可となる状態とに切換可能な第2可変手段と、
    前記第1通路から分岐する通路であって、遊技球を前記第1領域とは異なる第2領域へ導出することが可能な第2通路と、
    を備え、
    前記所定の入球部へ入球した遊技球が前記第2通路へ導出された場合のほうが、前記第2通路へ導出されないよりも遊技者にとって有利となる構成であり、
    前記所定の入球部に所定数の遊技球が入球した場合であって前記第2可変手段により第1個数の遊技球が前記第1領域へ導出される場合は前記第2領域へ遊技球は導出されず、前記所定の入球部に前記所定数の遊技球が入球した場合であって前記第2可変手段により前記第1個数よりも少ない第2個数の遊技球が前記第1領域へ導出される場合は前記第2領域へ遊技球が導出されるものであり、
    前記第1可変手段が前記所定の入球部へ遊技球が入球不可又は入球困難となる状態とされている状況において、遊技球が前記第2通路へ導出され得る構成であることを特徴とする遊技機。
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